JP2006283982A - 作業車の走行変速構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 作業車の走行変速構造において、伝動クラッチを自動的に遮断状態に
操作して、アクチュエータによりギヤ変速機構を操作し、再び伝動クラッチを自
動的に伝動状態に操作するように構成した場合、ショックを少なくする。
【解決手段】 第2ギヤ変速機構15を所定の変速位置に操作し、第2摩擦クラ
ッチ12を伝動状態に操作しながら第1摩擦クラッチ9を遮断状態に操作し、伝
動クラッチ6を伝動状態から半伝動状態に操作し漸次的に伝動状態に操作する第
1制御手段を備える。第1ギヤ変速機構13を所定の変速位置に操作し、第1摩
擦クラッチ9を伝動状態に操作しながら第2摩擦クラッチ12を遮断状態に操作
し、伝動クラッチ6を伝動状態から半伝動状態に操作し漸次的に伝動状態に操作
する第2制御手段を備える。第1及び第2制御手段を色々に作動させる複数の状
態を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明はギヤ変速機構を備えた作業車の走行変速構造において、変速指令に基づき、伝動クラッチを自動的に遮断状態に操作して、アクチュエータによりギヤ変速機構を操作し、再び伝動クラッチを自動的に伝動状態に操作する構成を備えたものに関する。
前述のような作業車の走行変速構造の一例が、特開平6−313478号公報に開示されている。前記公報の構造では、アクチュエータ(前記公報の図1中のT1,T2)により操作されるギヤ変速機構(前記公報の図1中のA)、及び油圧多板式の伝動クラッチ(前記公報の図1中の19)を直列に配置している。これにより、変速指令に基づいて伝動クラッチが自動的に遮断状態に操作されて、アクチュエータによりギヤ変速機構が操作される。アクチュエータによるギヤ変速機構の操作が終了すると、伝動クラッチが自動的に漸次的に伝動状態に操作される。
作業車は一般に走行抵抗の大きな軟弱な地面を走行する場合や荷物を載せた台車を牽引したりする場合等のように、大きな走行負荷が掛かることが多いので、前述のように変速操作時に伝動クラッチを遮断状態に操作すると、この時点で走行装置にエンジンの動力が伝達されなくなり、前述の走行負荷により機体の走行速度が急激に低下することがある。これによって、アクチュエータによるギヤ変速機構の操作終了時に機体の走行速度が大きく低下した状態で、前述のように伝動クラッチが伝動状態に操作されエンジンの動力が走行装置に流れると、低下する前の元の走行速度に機体が急加速される状態となりショックの生じることがある。
これに対し前記公報の構造によると、伝動クラッチを迂回してギヤ変速機構の動力を下手側に伝達可能な補助伝動クラッチ(前記公報の図1中のE)が備えられている。これにより、前述のように伝動クラッチが遮断状態に操作されると、補助伝動クラッチが遮断状態から伝動状態に操作されて、ギヤ変速機構の動力が補助伝動クラッチを介して下手側に伝達されて、走行負荷による機体の走行速度の低下が抑えられる。アクチュエータによるギヤ変速機構の操作が終了し、伝動クラッチが伝動状態に操作されると、補助伝動クラッチが伝動状態から遮断状態に操作される。このようにして、低下する前の元の走行速度に機体が急加速される状態が抑えられてショックの発生が防止される。
従来の技術に記載の構造によると、伝動クラッチが遮断状態に操作され、アクチュエータによるギヤ変速機構の操作が行われている間、ギヤ変速機構の動力が補助伝動クラッチを介して下手側に伝達される場合、補助伝動クラッチを介して伝達される動力の伝動比は略一定である(前記公報の図1中のギヤ減速機構Aにおける紙面左端のギヤの伝動比)。
これにより、例えば補助伝動クラッチを介して伝達される動力の伝動比よりも高速域で(例えば変速前及び変速後の変速位置の伝動比が、補助伝動クラッチを介して伝達される動力の伝動比よりも高速である状態で)、従来の技術に記載のように変速を行う場合、高速の変速位置の伝動比で動力が伝達されている状態から、補助伝動クラッチの低速の伝動比で動力が伝達される状態となり、再び高速の変速位置の伝動比で動力が伝達される状態となって、ショックの生じることがある。
本発明は作業車の走行変速構造において、変速指令に基づき、伝動クラッチを自動的に遮断状態に操作して、アクチュエータによりギヤ変速機構を操作し、再び伝動クラッチを自動的に伝動状態に操作するように構成した場合、変速を行う際のショックを少なくすることを目的としている。
[I] 請求項1(請求項8)の特徴によると、エンジンの動力が伝達される上手側伝動軸と、走行装置に動力を伝達する下手側伝動軸との間に、第1伝動系と第2伝動系とを並列的に配置し、第1及び第2伝動系の伝動上手側又は伝動下手側に油圧多板式の伝動クラッチを備えて、上手側伝動軸の動力が第1及び第2伝動系のうちの一方を介して下手側伝動軸に伝達されるように構成している。
上手側又は下手側伝動軸と第1伝動系との間に複数の変速位置を備えた第1ギヤ変速機構を備え、第1ギヤ変速機構を操作する第1アクチュエータを備えて、第1伝動系に第1摩擦クラッチを備えている。上手側又は下手側伝動軸と第2伝動系との間に複数の変速位置を備えた第2ギヤ変速機構を備え、第2ギヤ変速機構を操作する第2アクチュエータを備えて、第2伝動系に第2摩擦クラッチを備えている。
これにより、請求項1(請求項8)の特徴によると、第1伝動系を介して動力が伝達される状態(第1ギヤ変速機構が所定の変速位置に操作され、第1摩擦クラッチが伝動状態に操作されている状態)において、変速指令が発せられると、第2アクチュエータにより第2ギヤ変速機構が所定の変速位置に操作されて、第2摩擦クラッチが遮断状態から伝動状態に操作されながら第1摩擦クラッチが伝動状態から遮断状態に操作されるのであり、この間において、伝動クラッチが伝動状態から半伝動状態に操作され漸次的に伝動状態に操作される(第1制御手段)。
逆に第2伝動系を介して動力が伝達される状態(第2ギヤ変速機構が所定の変速位置に操作され、第2摩擦クラッチが伝動状態に操作されている状態)において、変速指令が発せられると、第1アクチュエータにより第1ギヤ変速機構が所定の変速位置に操作されて、第1摩擦クラッチが遮断状態から伝動状態に操作されながら第2摩擦クラッチが伝動状態から遮断状態に操作されるのであり、この間において、伝動クラッチが伝動状態から半伝動状態に操作され漸次的に伝動状態に操作される(第2制御手段)。
[II] 前項[I]に記載のように、請求項1(請求項8)の特徴によると、変速操作が行われている間、第2摩擦クラッチが遮断状態から伝動状態に操作されながら第1摩擦クラッチが伝動状態から遮断状態に操作されることにより、逆に第1摩擦クラッチが遮断状態から伝動状態に操作されながら第2摩擦クラッチが伝動状態から遮断状態に操作されることにより、上手側伝動軸の動力が第1及び第2伝動系の両方に分岐して伝達され第1及び第2伝動系の動力が下手側伝動軸に合流する状態(二重伝動状態)が発生する。
前述の二重伝動状態においてトルクの変動が生じても、半伝動状態の伝動クラッチがある程度滑ることによりトルクの変動が吸収されて、トルクの変動の少ない動力が走行装置に伝達される。
以上のように請求項1(請求項8)の特徴によると、変速操作が行われている間、二重伝動状態が発生し、トルクの変動の少ない動力が走行装置に伝達されるので、変速操作が行われている間、走行負荷による機体の走行速度の低下が抑えられる。これにより、走行負荷により機体の走行速度が急激に低下し、機体の走行速度が大きく低下した状態で伝動クラッチが伝動状態に操作されてショックが生じると言う状態が防止される。
この場合、請求項1(請求項8)の特徴によると、第1及び第2ギヤ変速機構が複数の変速位置を備えているので、二重伝動状態を発生させる場合、第1伝動系を介して動力が伝達される状態(第1ギヤ変速機構が所定の変速位置に操作され、第1摩擦クラッチが伝動状態に操作されている状態)では、第2ギヤ変速機構を複数の変速位置の中から適切な変速位置に操作することができる。第2伝動系を介して動力が伝達される状態(第2ギヤ変速機構が所定の変速位置に操作され、第2摩擦クラッチが伝動状態に操作されている状態)では、第1ギヤ変速機構を複数の変速位置の中から適切な変速位置に操作することができる。
これにより、[発明が解決しようとする課題]に記載のように、高速の変速位置の伝動比で動力が伝達されている状態から、低速の伝動比で動力が伝達される状態となり、再び高速の変速位置の伝動比で動力が伝達される状態となって、ショックが生じると言う状態が防止される。
[III] 請求項1の特徴によると、第1変速手段及び第2変速手段を備えており、第1変速手段を作動させて第2変速手段を停止させる第1状態、及び第2変速手段を作動させて第1変速手段を停止させる第2状態を選択可能に構成している。
請求項8の特徴によると、第1変速手段及び第3変速手段を備えており、第1変速手段を作動させて第3変速手段を停止させる第1状態、及び第3変速手段を作動させて第1変速手段を停止させる第3状態を選択可能に構成している。
請求項1(請求項8)の特徴の第1変速手段は、変速指令が発せられると、伝動クラッチを遮断状態に操作して、第1及び第2アクチュエータにより第1及び第2変速機構を変速指令による変速位置に操作し、伝動クラッチを漸次的に伝動状態に操作する。このように請求項1(請求項8)の特徴の第1変速手段は、変速を行う際のショックの防止よりも変速の素早さを優先した形態である。
請求項1の特徴の第2変速手段は、変速指令が発せられる前の変速位置から変速指令による変速位置まで第1及び第2制御手段を交互に作動させて、変速指令による変速位置が得られるように構成している。これにより、請求項1の特徴の第2変速手段は、前項[I][II]に記載のような二重伝動状態の発生、及びトルクの変動の少ない動力の走行装置への伝達が繰り返されることになって、変速指令が発せられる前の変速位置から変速指令による変速位置までショックの少ない変速操作が行われる。
請求項8の特徴の第3変速手段は、変速指令が発せられる前の変速位置と変速指令による変速位置との間の略中間の伝動比の中間変速位置を設定して、変速指令が発せられる前の変速位置から中間変速位置が得られるように、第1又は第2制御手段の一方を作動させ、中間変速位置から変速指令による変速位置が得られるように、第1又は第2制御手段の他方を作動させるように構成されている。これにより、請求項8の特徴の第3変速手段は、前項[I][II]に記載のような二重伝動状態の発生、及びトルクの変動の少ない動力の走行装置への伝達を行いながら、請求項1の特徴の第2変速手段よりも変速指令が発せられる前の変速位置から変速指令による変速位置に達するまでの時間が、比較的短いものになっている。従って、請求項1の特徴の第2変速手段及び請求項8の特徴の第3変速手段は、変速の素早さをよりも変速を行う際のショックの防止を優先した形態である。
以上のように請求項1(請求項8)の特徴によると、第1変速手段及び第2変速手段(第1変速手段及び第3変速手段)を備えることにより、作業状態や走行状態等に基づいて、第1変速手段又は第2変速手段(第1変速手段又は第3変速手段)が選択されるように構成することができる。
[IV] 請求項2(請求項9)の特徴によると、請求項1(請求項8)の場合と同様に前項[I][II][III]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
請求項2(請求項9)の特徴によると、第1状態又は第2状態(第1状態又は第3状態)を人為的に選択可能な人為選択手段を備えているので、作業者の判断によって、第1状態又は第2状態(第1状態又は第3状態)を適切に選択することができるようになる。
[V] 請求項3,10(請求項4,11)の特徴によると、請求項1(請求項8)の場合と同様に前項[I][II][III]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
例えば舗装された路上を走行する場合には、機体に掛かる走行負荷は比較的小さなものとなり、凹凸の多い作業地や泥濘地を走行する場合には、機体に掛かる走行負荷は比較的大きなものとなる。例えば空の台車を牽引する場合には、機体に掛かる牽引負荷は比較的小さなものとなり、重量物を積載した台車を牽引する場合には、機体に掛かる牽引負荷は比較的大きなものとなる。
機体に掛かる走行負荷(牽引負荷)が小さい状態は、変速を行う際の機体の走行速度の低下が比較的小さい状態であり、第1状態が適している。機体に掛かる走行負荷(牽引負荷)が大きい状態は、変速を行う際の機体の走行速度の低下が比較的大きい状態であり、第2状態(第3状態)が適している。
これにより、請求項3,10(請求項4,11)の特徴によれば、機体に掛かる走行負荷(牽引負荷)が設定値以下であると第1状態が自動的に選択され、機体に掛かる走行負荷(牽引負荷)が設定値を越えると第2状態(第3状態)が自動的に選択されるので、第1状態又は第2状態(第1状態又は第3状態)の選択の手間が省かれる。
[VI] 請求項5(請求項12)の特徴によると、請求項1(請求項8)の場合と同様に前項[I][II][III]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
機体に対地作業装置を連結した場合、対地作業装置から機体に掛かる牽引負荷が設定値に維持されるように、機体に対して対地作業装置を昇降操作するドラフト作業を行うことがある。この場合、ドラフト作業では対地作業装置から機体に大きな牽引負荷が掛かるので、前項[V]に記載のように第2状態(第3状態)が適している。
これにより、請求項5(請求項12)の特徴によれば、ドラフト作業ではないと第1状態が自動的に選択され、ドラフト作業であると第2状態(第3状態)が自動的に選択されるので、第1状態又は第2状態(第1状態又は第3状態)の選択の手間が省かれる。
[VII] 請求項6(請求項13)の特徴によると、請求項1(請求項8)の場合と同様に前項[I][II][III]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
機体の走行速度が高速である状態は、機体の慣性が比較的大きい状態であり、変速を行う際の機体の走行速度の低下が比較的小さい状態であるので、第1状態が適している。機体の走行速度が低速である状態は、機体の慣性が比較的小さい状態であり、変速を行う際の機体の走行速度の低下が比較的大きい状態であるので、第2状態(第3状態)が適している。
請求項6(請求項13)の特徴によれば、機体の走行速度が高速であると第1状態が自動的に選択され、機体の走行速度が低速であると第2状態(第3状態)が自動的に選択されるので、第1状態又は第2状態(第1状態又は第3状態)の選択の手間が省かれる。
[VIII] 請求項7(請求項14)の特徴によると、請求項1(請求項8)の場合と同様に前項[I][II][III]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
機体に対地作業装置を連結した場合、対地作業装置の機体に対する高さが設定値以上であると、路上走行等のように対地作業装置による作業を行わない状態と判断することができる。これにより前項[V]に記載のように、対地作業装置の機体に対する高さが設定値以上であると、機体に掛かる走行負荷が比較的小さい状態で、変速を行う際の機体の走行速度の低下が比較的小さい状態であると判断できるので、第1状態が適している。
対地作業装置の機体に対する高さが設定値未満であると、作業走行等のように対地作業装置による作業を行う状態と判断することができる。これにより前項[V]に記載のように、対地作業装置の機体に対する高さが設定値未満であると、機体に掛かる走行負荷が比較的大きい状態で、変速を行う際の機体の走行速度の低下が比較的大きい状態であると判断できるので、第2状態(第3状態)が適している。
請求項7(請求項14)の特徴によれば、対地作業装置の機体に対する高さが設定値以上であると第1状態が自動的に選択され、対地作業装置の機体に対する高さが設定値未満であると第2状態(第3状態)が自動的に選択されるので、第1状態又は第2状態(第1状態又は第3状態)の選択の手間が省かれる。
請求項1(請求項8)の特徴によると、作業車の走行変速構造において、変速操作が行われている間、二重伝動状態が発生し、トルクの変動の少ない動力が走行装置に伝達されるように構成することにより、走行負荷により機体の走行速度が急激に低下し、機体の走行速度が大きく低下した状態で伝動クラッチが伝動状態に操作されてショックが生じると言う状態を防止することができて、作業車の走行性能及び変速性能を向上させることができた。
請求項1(請求項8)の特徴によると、第1及び第2ギヤ変速機構が複数の変速位置を備えているので、二重伝動状態を発生させる場合、第2ギヤ変速機構(第1ギヤ変速機構)を複数の変速位置の中から適切な変速位置に操作することができることによって、[発明が解決しようとする課題]に記載のように、高速の変速位置の伝動比で動力が伝達されている状態から、低速の伝動比で動力が伝達される状態となり、再び高速の変速位置の伝動比で動力が伝達される状態となって、ショックが生じると言う状態を防止することができ、作業車の走行性能及び変速性能を向上させることができた。
請求項1(請求項8)の特徴によると、変速を行う際のショックの防止よりも変速の素早さを優先した形態の第1変速手段、及び変速の素早さをよりも変速を行う際のショックの防止を優先した形態の第2変速手段(第3変速手段)を備えて、第1変速手段を作動させる第1状態及び第2変速手段(第3変速手段)を作動させる第2状態(第3状態)が、作業状態や走行状態等に基づいて適切に選択されるように構成することができるようになって、作業車の走行性能及び変速性能を向上させることができた。
請求項1の特徴の第2変速手段によると、変速指令が発せられる前の変速位置から変速指令による変速位置まで、二重伝動状態の発生及びトルクの変動の少ない動力の走行装置への伝達が繰り返されるので、変速指令が発せられる前の変速位置から変速指令による変速位置までショックの少ない変速が行われるようになって、変速を行う際のショックの防止と言う面で有利である。
請求項8の特徴の第3変速手段によると、変速指令が発せられる前の変速位置から中間変速位置に変速操作され、中間変速位置から変速指令による変速位置に変速操作されるように構成することにより、ショックをある程度抑えながら、変速指令が発せられる前の変速位置から変速指令による変速位置に達するまでの時間を、比較的短いものにすることができるので、請求項1の特徴の第2変速手段に比べて変速の素早さと言う面で有利である。
請求項2(請求項9)の特徴によると、請求項1(請求項8)の場合と同様に前述の請求項1(請求項8)の「発明の効果」を備えており、この「発明の効果」に加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
請求項2(請求項9)の特徴によると、作業者の判断によって第1状態又は第2状態(第1状態又は第3状態)を適切に選択することができるようになり、作業者の意思を優先した作業車の走行性能及び変速性能を得ることができるようになった。
請求項3,10(請求項4,11)の特徴によると、請求項1(請求項8)の場合と同様に前述の請求項1(請求項8)の「発明の効果」を備えており、この「発明の効果」に加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
請求項3,10(請求項4,11)の特徴によると、機体に掛かる走行負荷(牽引負荷)が小さい状態及び機体に掛かる走行負荷(牽引負荷)が大きい状態に応じて、第1状態又は第2状態(第1状態又は第3状態)が、適切に且つ自動的に選択されるようになって、作業車の走行性能及び変速性能の向上、操作性の向上を図ることができた。
請求項5(請求項12)の特徴によると、請求項1(請求項8)の場合と同様に前述の請求項1(請求項8)の「発明の効果」を備えており、この「発明の効果」に加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
請求項5(請求項12)の特徴によると、ドラフト作業ではない状態及びドラフト作業である状態に応じて、第1状態又は第2状態(第1状態又は第3状態)が、適切に且つ自動的に選択されるようになって、作業車の走行性能及び変速性能の向上、操作性の向上を図ることができた。
請求項6(請求項13)の特徴によると、請求項1(請求項8)の場合と同様に前述の請求項1(請求項8)の「発明の効果」を備えており、この「発明の効果」に加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
請求項6(請求項13)の特徴によると、機体の走行速度が高速である状態及び機体の走行速度が低速である状態に応じて、第1状態又は第2状態(第1状態又は第3状態)が、適切に且つ自動的に選択されるようになって、作業車の走行性能及び変速性能の向上、操作性の向上を図ることができた。
請求項7(請求項14)の特徴によると、請求項1(請求項8)の場合と同様に前述の請求項1(請求項8)の「発明の効果」を備えており、この「発明の効果」に加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
請求項7(請求項14)の特徴によると、対地作業装置の高さが設定値以上である状態及び対地作業装置の高さが設定値未満である状態に応じて、第1状態又は第2状態(第1状態又は第3状態)が、適切に且つ自動的に選択されるようになって、作業車の走行性能及び変速性能の向上、操作性の向上を図ることができた。
[1] 図1は作業車の一例である四輪駆動型の農用トラクタの走行伝動系を示しており、エンジン1の動力が伝動軸2に伝達され、PTO軸3に伝達される。伝動軸2に円筒状の伝動軸4,5が相対回転自在に外嵌され、伝動軸4,5の間に油圧多板式で摩擦式の伝動クラッチ6が備えられている。伝動クラッチ6は作動油が供給されることにより伝動状態に操作され、作動油が排出されることにより遮断状態に操作されるように構成されている。
図1に示すように、伝動軸2,4と平行に第1主伝動軸7及び第1副伝動軸8が配置されて、第1主及び副伝動軸7,8の間に第1摩擦クラッチ9が備えられている。伝動軸2,4と平行に第2主伝動軸10及び第2副伝動軸11が配置されて、第2主及び副伝動軸10,11の間に第2摩擦クラッチ12が備えられている。第1及び第2摩擦クラッチ9,12は油圧多板式で摩擦式に構成されており、作動油が供給されることにより伝動状態に操作され、作動油が排出されることにより遮断状態に操作されるように構成されている。
図1に示すように、伝動軸2と第1主伝動軸7との間にシンクロメッシュ型式の第1ギヤ変速機構13が備えられ、伝動軸2と第2主伝動軸10との間にシンクロメッシュ型式の第2ギヤ変速機構15が備えられている。伝動軸2に第1ギヤ17、第2ギヤ18、第3ギヤ19、第4ギヤ20が固定されており、第1主伝動軸7に相対回転自在に外嵌された低速ギヤ21及び高速ギヤ22が第1ギヤ17及び第3ギヤ19に咬合し、シフト部材23がスプライン構造により第1主伝動軸7に一体回転及びスライド自在に外嵌されて、第1ギヤ変速機構13が構成されている。第2主伝動軸10に相対回転自在に外嵌された低速ギヤ24及び高速ギヤ25が第2ギヤ18及び第4ギヤ20に咬合し、シフト部材26がスプライン構造により第2主伝動軸10に一体回転及びスライド自在に外嵌されて、第2ギヤ変速機構15が構成されている。
図1に示すように、伝動軸4と第1副伝動軸8との間にシンクロメッシュ型式の第1副ギヤ変速機構14が備えられ、伝動軸4と第2副伝動軸11との間にシンクロメッシュ型式の第2副ギヤ変速機構16が備えられている。伝動軸4に低速ギヤ27及び高速ギヤ28が固定されており、第1副伝動軸8に相対回転自在に外嵌された低速ギヤ29及び高速ギヤ30が低速ギヤ27及び高速ギヤ28に咬合し、シフト部材31がスプライン構造により第1副伝動軸8に一体回転及びスライド自在に外嵌されて、第1副ギヤ変速機構14が構成されている。第2副伝動軸11に相対回転自在に外嵌された低速ギヤ32及び高速ギヤ33が低速ギヤ27及び高速ギヤ28に咬合し、シフト部材34がスプライン構造により第2副伝動軸11に一体回転及びスライド自在に外嵌されて、第2副ギヤ変速機構16が構成されている。
以上の構造により、後述の[3]に記載のように、伝動軸2の動力が第1主及び副伝動軸7,8を介して伝動軸4に伝達される状態(第1摩擦クラッチ9の伝動状態)、並びに伝動軸2の動力が第2主及び副伝動軸10,11を介して伝動軸4に伝達される状態(第2摩擦クラッチ12の伝動状態)が得られる。
図1に示すように、伝動軸2の動力が第1主及び副伝動軸7,8を介して伝動軸4に伝達される状態(第1摩擦クラッチ9の伝動状態)では、伝動軸2の動力が第1ギヤ変速機構13、第1主伝動軸7、第1摩擦クラッチ9、第1副伝動軸8及び第1副ギヤ変速機構14を介して4段に変速されて伝動軸4に伝達される(後述する1速位置、3速位置、5速位置、7速位置)。
図1に示すように、伝動軸2の動力が第2主及び副伝動軸10,11を介して伝動軸4に伝達される状態(第2摩擦クラッチ12の伝動状態)では、伝動軸2の動力が第2ギヤ変速機構15、第2主伝動軸10、第2摩擦クラッチ12、第2副伝動軸11及び第2副ギヤ変速機構16を介して4段に変速されて伝動軸4に伝達される(後述する2速位置、4速位置、6速位置、8速位置)。
[2] 図1に示すように、伝動軸5の下手側に円筒状の伝動軸43が備えられ、伝動軸5と伝動軸43との間に、シンクロメッシュ型式の前後進切換機構44が備えられている。伝動軸43が相対回転自在に外嵌される伝動軸45が備えられ、伝動軸43と伝動軸45との間に、シンクロメッシュ型式の副変速機構46が備えられている。前輪53に動力を伝達する前輪伝動軸55が備えられ、伝動軸45と前輪伝動軸55との間に、油圧クラッチ型式の前輪変速機構56が備えられている。
図1に示すように、伝動軸43に前進ギヤ47及び後進ギヤ48が固定され、伝動軸5に相対回転自在に外嵌された前進ギヤ49が前進ギヤ47に咬合し、伝動軸5に相対回転自在に外嵌された後進ギヤ50が中間ギヤ51を介して後進ギヤ48に咬合しており、シフト部材52がスプライン構造により伝動軸5に一体回転及びスライド自在に外嵌されて、前後進切換機構44が構成されている。図2に示すように、シフト部材52に機械的に連係された前後進レバー57が備えられ、前後進レバー57を前進位置F及び後進位置Rに操作し、シフト部材52をスライド操作して前進ギヤ49及び後進ギヤ50に咬合させることにより、前後進切換機構44を操作する。
図1に示すように、副変速機構46は2つのシフト部材をスライド操作することにより、高速位置、中速位置及び低速位置に操作自在に構成されている。前輪変速機構56は前輪53及び後輪54が同じ速度で駆動される標準状態、前輪53が後輪54よりも高速で駆動される増速状態に操作自在に構成されている。
以上の構造により直進状態において、伝動軸5の動力が前後進切換機構44、副変速機構46、伝動軸45及び後輪デフ機構58を介して後輪54に伝達されるのであり、副変速機構46の動力が標準状態の前輪変速機構56、前輪伝動軸55及び前輪デフ機構59を介して前輪53に伝達される。前輪53を直進位置から右又は左に操向操作すると、前輪変速機構56が標準状態から増速状態に操作され、前輪53が後輪54よりも高速で駆動されて、小回り旋回が円滑に行われる。
[3] 図1及び図2に示すように、第1ギヤ変速機構13において、シフト部材23をスライド操作する複動型で油圧シリンダ型式の第1アクチュエータ35、第1アクチュエータ35に作動油を給排操作する制御弁39が備えられ、第1副ギヤ変速機構14において、シフト部材31をスライド操作する複動型で油圧シリンダ型式の第1副アクチュエータ36、第1副アクチュエータ36に作動油を給排操作する制御弁40が備えられている。第1アクチュエータ35はシフト部材23が低速ギヤ21に咬合する低速位置L、シフト部材23が高速ギヤ22に咬合する高速位置H及び中立位置Nに作動自在に構成されており、第1副アクチュエータ36はシフト部材31が低速ギヤ29に咬合する低速位置L、及びシフト部材31が高速ギヤ30に咬合する高速位置Hに作動自在に構成されている。
図1及び図2に示すように、第2ギヤ変速機構15において、シフト部材26をスライド操作する複動型で油圧シリンダ型式の第2アクチュエータ37、第2アクチュエータ37に作動油を給排操作する制御弁41が備えられ、第2副ギヤ変速機構16において、シフト部材34をスライド操作する複動型で油圧シリンダ型式の第2副アクチュエータ38、第2副アクチュエータ38に作動油を給排操作する制御弁42が備えられている。第2アクチュエータ37はシフト部材26が低速ギヤ24に咬合する低速位置L、シフト部材26が高速ギヤ25に咬合する高速位置H及び中立位置Nに作動自在に構成されており、第2副アクチュエータ38はシフト部材34が低速ギヤ32に咬合する低速位置L、及びシフト部材34が高速ギヤ33に咬合する高速位置Hに作動自在に構成されている。
図2に示すように、伝動クラッチ6に作動油を給排操作する電磁比例減圧弁型式の制御弁60、第1摩擦クラッチ9に作動油を給排操作する電磁比例減圧弁型式の制御弁61、及び第2摩擦クラッチ12に作動油を給排操作する電磁比例減圧弁型式の制御弁62が備えられている。
以上の構造により、図1及び図7に示すように、伝動軸2の動力が第1主及び副伝動軸7,8を介して伝動軸4に伝達される状態(第1摩擦クラッチ9の伝動状態)において、シフト部材31の低速位置Lでシフト部材23の低速位置Lが1速位置、シフト部材31の低速位置Lでシフト部材23の高速位置Hが3速位置、シフト部材31の高速位置Hでシフト部材23の低速位置Lが5速位置、シフト部材31の高速位置Hでシフト部材23の高速位置Hが7速位置となる。前述の1速及び3速位置において、第2摩擦クラッチ12が遮断状態に操作され、シフト部材26が中立位置Nでシフト部材34が低速位置Lに位置している。5速及び7速位置において、第2摩擦クラッチ12が遮断状態に操作され、シフト部材26が中立位置Nでシフト部材34が高速位置Hに位置している。
図1及び図7に示すように、伝動軸2の動力が第2主及び副伝動軸10,11を介して伝動軸4に伝達される状態(第2摩擦クラッチ12の伝動状態)において、シフト部材34の低速位置Lでシフト部材26の低速位置Lが2速位置、シフト部材34の低速位置Lでシフト部材26の高速位置Hが4速位置、シフト部材34の高速位置Hでシフト部材26の低速位置Lが6速位置、シフト部材34の高速位置Hでシフト部材26の高速位置Hが8速位置となる。前述の2速及び4速位置において、第1摩擦クラッチ9が遮断状態に操作され、シフト部材23が中立位置Nでシフト部材31が低速位置Lに位置している。6速及び8速位置において、第1摩擦クラッチ9が遮断状態に操作され、シフト部材23が中立位置Nでシフト部材31が高速位置Hに位置している。
[4] 次に、変速操作の制御について説明する。
この農用トラクタでは第1変速モード、第2変速モード、第3変速モード及び第4変速モードの4つを備えており、運転者が設定スイッチ65(図2参照)を操作することによって、第1変速モード、第2変速モード、第3変速モード及び第4変速モードのうちの一つを選択する。
図2に示すように、1〜8速位置に操作自在な変速レバー63及び設定スイッチ65が備えられており、変速レバー63及び設定スイッチ65の操作位置、前後進レバー57の操作位置が制御装置64に入力されている。制御装置61は変速レバー63及び設定スイッチ65の操作位置、前後進レバー57の操作位置、第1〜第4変速モードに基づいて、制御弁39,40,41,42,60,61,62を操作して、第1アクチュエータ35、第1副アクチュエータ36、第2アクチュエータ37、第2副アクチュエータ38を作動させ、伝動クラッチ6、第1摩擦クラッチ9、第2摩擦クラッチ12を伝動及び遮断状態に操作する。
先ず、第1変速モードについて説明する。
第1変速モードにおいては、変速レバー63をある操作位置(変速位置)から別の操作位置(変速位置)に操作した場合、変速レバー63が操作される前の操作位置(変速位置)から、変速レバー63が操作された操作位置(変速位置)に一気に変速操作が行われる。
図3及び図7に示すように、例えば変速レバー63を1速位置に操作している状態から、例えば変速レバー63を2速位置に操作したとする。変速レバー63を1速位置に操作している状態では、シフト部材31が低速位置L、シフト部材23が低速位置Lで、伝動クラッチ6及び第1摩擦クラッチ9が作動圧P1で伝動状態に操作されており、シフト部材34が低速位置L、シフト部材26が中立位置Nで、第2摩擦クラッチ12が作動圧P0で遮断状態に操作されている。
図3に示すように、変速レバー63を1速位置に操作している状態で、変速レバー63を2速位置に操作すると(時点T11)、伝動クラッチ6及び第1摩擦クラッチ9が作動圧P0に速やかに減圧されて遮断状態に操作され(実線A3及び一点鎖線A1参照)、第2摩擦クラッチ12が作動圧P1に速やかに昇圧されて伝動状態に操作される(点線A2参照)。これと同時に、シフト部材23が低速位置Lから中立位置Nに操作され、シフト部材26が中立位置Nから低速位置Lに操作される(シフト部材31,34は低速位置Lに保持されている)。
図3に示すように、シフト部材23が低速位置Lから中立位置Nに操作され、シフト部材26が中立位置Nから低速位置Lに操作されると(時点T12)、伝動クラッチ6が作動圧P0から漸次的に昇圧されて作動圧P1に達し(実線A3参照)、伝動クラッチ6が伝動状態に操作される(時点T13)。以上のようにして、変速操作を終了する。この場合、1回の変速操作に要する時間T1(時点T11から時点T13まで)が比較的短いものとなっている。
例えば変速レバー63を2速位置から1速位置に操作する場合、図7に示すようにシフト部材23,26(シフト部材31,34は低速位置Lに保持されている)が操作されるのに加えて、図3において第1及び第2摩擦クラッチ9,12の状態が逆転し、第1摩擦クラッチ9が遮断状態から伝動状態に操作され、第2摩擦クラッチ12が伝動状態から遮断状態に操作されるのであり、図3の実線A3に示すように伝動クラッチ6の減圧及び昇圧が行われる。
例えば変速レバー63を1速位置から3速位置に操作する場合、図7に示すようにシフト部材23が操作されるが、シフト部材26は中立位置Nのままで(シフト部材31,34は低速位置Lに保持されている)、第1摩擦クラッチ9が伝動状態に保持され、第2摩擦クラッチ12が遮断状態に保持されて、図3の実線A3に示すように伝動クラッチ6の減圧及び昇圧が行われる。
例えば変速レバー63を2速位置から4速位置に操作する場合、図7に示すようにシフト部材26が操作されるが、シフト部材23は中立位置Nのままで(シフト部材31,34は低速位置Lに保持されている)、第1摩擦クラッチ9が遮断状態に保持され、第2摩擦クラッチ12が伝動状態に保持されて、図3の実線A3に示すように伝動クラッチ6の減圧及び昇圧が行われる。
[5] 次に、第2変速モードの前半について、図4,5,7に基づいて説明する。
第2変速モードにおいては、変速レバー63をある操作位置(変速位置)から別の操作位置(変速位置)に操作した場合、変速レバー63が操作される前の操作位置(変速位置)から、1回ずつ変速操作が行われて、最後に変速レバー63が操作された操作位置(変速位置)に達するように変速操作が行われる。
例えば変速レバー63を1速位置から5速位置に操作すると、1速位置から2速位置への変速操作が行われて、2速位置から3速位置への変速操作が行われ、3速位置から4速位置への変速操作が行われて、4速位置から5速位置への変速操作が行われる。例えば変速レバー63を6速位置から3速位置に操作すると、6速位置から5速位置への変速操作が行われ、5速位置から4速位置への変速操作が行われて、4速位置から3速位置への変速操作が行われる。
例えば変速レバー63を1速位置に操作している状態(シフト部材23が低速位置L、シフト部材26が中立位置N、シフト部材31,34が低速位置L、伝動クラッチ6及び第1摩擦クラッチ9が作動圧P1で伝動状態、第2摩擦クラッチ12が作動圧P0で遮断状態に操作された状態)において、例えば変速レバー63を5速位置に操作すると(ステップS1)(時点T21)、シフト部材26が中立位置Nから低速位置Lに操作される(ステップS2,S3)(時点T21から時点T22)。これにより、シフト部材23,31が1速位置の状態で、シフト部材26,34が2速位置の状態となる。この場合、シフト部材34は高速位置Hに操作されずに低速位置Lに残される(ステップS4を通過)(図7参照)。
シフト部材26が低速位置L(2速位置の状態)に操作されると(ステップS3)(時点T22)、伝動クラッチ6が作動圧P2(作動圧P0,P1の間の中間)に速やかに減圧されて、半伝動状態に操作される(ステップS5)(時点T22)(実線A3参照)。これと略同時に、第2摩擦クラッチ12が作動圧P0から比較的速やかに昇圧されて伝動状態に操作されながら(時点T22から時点T23)(点線A2参照)、第1摩擦クラッチ9が作動圧P1から比較的速やかに減圧されて遮断状態に操作される(ステップS6)(時点T22から時点T23)(一点鎖線A1参照)。
これにより、シフト部材23,31が1速位置の状態での動力が伝動軸4に伝達されるのと同時に、シフト部材26,34が2速位置の状態での動力が伝動軸4に伝達されて合流する二重伝動状態が発生するのであり、二重伝動状態においてトルクの変動が生じても、半伝動状態の伝動クラッチ6がある程度滑ることによりトルクの変動が吸収されて、トルクの変動の少ない動力が前輪53及び後輪54に伝達される。
第2摩擦クラッチ12が作動圧P1で伝動状態に操作され、第1摩擦クラッチ9が作動圧P0で遮断状態に操作されると(時点T23)、シフト部材23が中立位置Nに操作される(ステップS7)(時点T23から時点T24)。この場合、シフト部材31は高速位置Hに操作されずに低速位置Lに残される(ステップS8を通過)(図7参照)。シフト部材23が中立位置Nに操作されると(時点T24)、伝動クラッチ6が作動圧P2から漸次的に昇圧されて作動圧P1に達し伝動状態に操作される(ステップS9)(時点T24から時点T25)。以上のようにして、1速位置から2速位置への変速操作が終了する。
[6] 次に、第2変速モードの後半について、図4,5,7に基づいて説明する。
前項[5]に記載のような1速位置から2速位置への変速操作が終了すると、ステップS16,S2からステップS10に移行して、シフト部材26,34が2速位置の状態で、シフト部材23,31が3速位置の状態に操作される(ステップS10)。この場合、シフト部材31は高速位置Hに操作されずに低速位置Lに残される(ステップS11を通過)(図7参照)。伝動クラッチ6が作動圧P2(作動圧P0,P1の間の中間)に速やかに減圧されて、半伝動状態に操作され(ステップS12)、これと略同時に第1摩擦クラッチ9が作動圧P0から比較的速やかに昇圧されて伝動状態に操作されながら、第2摩擦クラッチ12が作動圧P1から比較的速やかに減圧されて遮断状態に操作される(ステップS13)。
これにより、シフト部材26,34が2速位置の状態での動力が伝動軸4に伝達されるのと同時に、シフト部材23,31が3速位置の状態での動力が伝動軸4に伝達されて合流する二重伝動状態が発生するのであり、二重伝動状態においてトルクの変動が生じても、半伝動状態の伝動クラッチ6がある程度滑ることによりトルクの変動が吸収されて、トルクの変動の少ない動力が前輪53及び後輪54に伝達される。
第1摩擦クラッチ9が作動圧P1で伝動状態に操作され、第2摩擦クラッチ12が作動圧P0で遮断状態に操作されると、シフト部材26が中立位置Nに操作される(ステップS14)。この場合、シフト部材34は高速位置Hに操作されずに低速位置Lに残される(ステップS15を通過)(図7参照)。シフト部材26が中立位置Nに操作されると、伝動クラッチ6が作動圧P2から漸次的に昇圧されて作動圧P1に達し伝動状態に操作される(ステップS9)。以上のようにして、2速位置から3速位置への変速操作が終了する。
前述のように2速位置から3速位置への変速操作が終了すると、次にシフト部材23,31が3速位置の状態及びシフト部材26,34が4速位置の状態での3速位置から4速位置への変速操作が、前項[5]及びステップS2〜S9に基づいて行わる(この場合、シフト部材34,31は高速位置Hに操作されずに低速位置Lに残される(ステップS4,S8を通過)(図7参照)。
次にシフト部材26,34が4速位置の状態及びシフト部材23,31が5速位置の状態での4速位置から5速位置への変速操作が、本項[6]及びステップS2,S10〜S15,S9に基づいて行われる(この場合、ステップS11において、シフト部材31が低速位置Lから高速位置Hに操作されるのであり、ステップS15において、シフト部材34が低速位置Lから高速位置Hに操作される)(図7参照)。
以上のようにして変速操作が繰り返されて、変速レバー63の操作位置(変速位置)に達すると(ステップS16)、変速操作が終了する。
[7] 次に、第3変速モードの前半について、図6及び図7に基づいて説明する。
第3変速モードにおいては、変速レバー63をある操作位置(変速位置)から別の操作位置(変速位置)に操作した場合、変速レバー63が操作される前の操作位置(変速位置)と、変速レバー63が操作された操作位置(変速位置)との間において、略中間の伝動比の第1中間変速位置(第1及び第2中間変速位置)が設定され、変速レバー63が操作される前の操作位置(変速位置)から第1中間変速位置への変速操作が行われ、第1中間変速位置から変速レバー63が操作された操作位置(変速位置)への変速操作が行われる(変速レバー63が操作される前の操作位置(変速位置)から第1中間変速位置への変速操作が行われて、第1中間変速位置から第2中間変速位置への変速操作が行われ、第2中間変速位置から変速レバー63が操作された操作位置(変速位置)への変速操作が行われる。
変速レバー63をある操作位置(変速位置)から1つ高速側又は低速側の操作位置に操作した場合(例えば変速レバー63を1速位置から2速位置に操作した場合や8速位置から7速位置に操作した場合)、ステップS21,S22,S23からステップS29に移行して、変速レバー63の操作位置(変速位置)への変速操作が行われる。この場合、変速レバー63が操作される前の操作位置(変速位置)が1,3,5,7速位置であると、前項[5]及び図5のステップS3〜S9に基づく変速操作が行われ、変速レバー63が操作される前の操作位置(変速位置)が2,4,6,8速位置であると、前項[6]及び図5のステップS10〜S15,S9に基づく変速操作が行われる。
変速レバー63を1,3,5,7速位置に操作した状態で変速レバー63を別の1,3,5,7速位置に操作した場合(ステップS21,S22)、変速レバー63が操作される前の操作位置(変速位置)と、変速レバー63が操作された操作位置(変速位置)との間において、2,4,6,8速位置のうちで略中間の伝動比の第1中間変速位置が設定される(ステップS24)。例えば変速レバー63を1速位置から7速位置に操作すると、4速位置が第1中間変速位置として設定される。
変速レバー63を2,4,6,8速位置に操作した状態で変速レバー63を別の2,4,6,8速位置に操作した場合(ステップS21,S23)、変速レバー63が操作される前の操作位置(変速位置)と、変速レバー63が操作された操作位置(変速位置)との間において、1,3,5,7速位置のうちで略中間の伝動比の第1中間変速位置が設定される(ステップS24)。例えば変速レバー63を8速位置から2速位置に操作すると、5速位置が第1中間変速位置として設定される。
変速レバー63を1,3,5,7速位置に操作した状態で変速レバー63を2,4,6,8速位置に操作した場合(前述のように変速レバー63をある操作位置(変速位置)から1つ高速側又は低速側の操作位置に操作した場合を除く)(ステップS21,S22)、変速レバー63が操作される前の操作位置(変速位置)と、変速レバー63が操作された操作位置(変速位置)との間において、2,4,6,8速位置のうちで略中間の伝動比の第1中間変速位置が設定され、1,3,5,7速位置のうちで略中間の伝動比の第2中間変速位置が設定される(ステップS26)。この場合、第1中間変速位置に対し第2中間変速位置が、変速レバー63が操作された操作位置(変速位置)に寄っている。例えば変速レバー63を1速位置から6速位置に操作すると、3速位置が第1中間変速位置として設定され、4速位置が第2中間変速位置として設定される。例えば変速レバー63を1速位置から8速位置に操作すると、4速位置が第1中間変速位置として設定され、5速位置が第2中間変速位置として設定される。
変速レバー63を2,4,6,8速位置に操作した状態で変速レバー63を1,3,5,7速位置に操作した場合(前述のように変速レバー63をある操作位置(変速位置)から1つ高速側又は低速側の操作位置に操作した場合を除く)(ステップS21,S23)、変速レバー63が操作される前の操作位置(変速位置)と、変速レバー63が操作された操作位置(変速位置)との間において、1,3,5,7速位置のうちで略中間の伝動比の第1中間変速位置が設定され、2,4,6,8速位置のうちで略中間の伝動比の第2中間変速位置が設定される(ステップS26)。この場合、第1中間変速位置に対し第2中間変速位置が、変速レバー63が操作された操作位置(変速位置)に寄っている。例えば変速レバー63を8速位置から1速位置に操作すると、5速位置が第1中間変速位置として設定され、4速位置が第2中間変速位置として設定される。
[8] 次に、第3変速モードの後半について、図6及び図7に基づいて説明する。
前項[7]に記載のように、第1中間変速位置が設定された状態において(ステップS24)、変速レバー63が操作される前の操作位置(変速位置)から第1中間変速位置への変速操作が行われる(ステップS25)。この場合、変速レバー63が操作される前の操作位置(変速位置)が1,3,5,7速位置であると、前項[5]及び図5のステップS3〜S9に基づく変速操作が行われ、変速レバー63が操作される前の操作位置(変速位置)が2,4,6,8速位置であると、前項[6]及び図5のステップS10〜S15,S9に基づく変速操作が行われる。
次に、第1中間変速位置から変速レバー63が操作された操作位置(変速位置)への変速操作が行われる(ステップS29)。この場合に、第1中間変速位置が1,3,5,7速位置であると、前項[5]及び図5のステップS3〜S9に基づく変速操作が行われ、第1中間変速位置が2,4,6,8速位置であると、前項[6]及び図5のステップS10〜S15,S9に基づく変速操作が行われる。
前項[7]に記載のように、第1及び第2中間変速位置が設定された状態において(ステップS26)、変速レバー63が操作される前の操作位置(変速位置)から第1中間変速位置への変速操作が行われる(ステップS27)。この場合に、変速レバー63が操作される前の操作位置(変速位置)が1,3,5,7速位置であると、前項[5]及び図5のステップS3〜S9に基づく変速操作が行われ、変速レバー63が操作される前の操作位置(変速位置)が2,4,6,8速位置であると、前項[6]及び図5のステップS10〜S15,S9に基づく変速操作が行われる。
次に、第1中間変速位置から第2中間変速位置への変速操作が行われる(ステップS28)。この場合、第1中間変速位置が1,3,5,7速位置であると、前項[5]及び図5のステップS3〜S9に基づく変速操作が行われ、第1中間変速位置が2,4,6,8速位置であると、前項[6]及び図5のステップS10〜S15,S9に基づく変速操作が行われる。
次に、第2中間変速位置から変速レバー63が操作された操作位置(変速位置)への変速操作が行われる(ステップS29)。この場合に、第2中間変速位置が1,3,5,7速位置であると、前項[5]及び図5のステップS3〜S9に基づく変速操作が行われ、第2中間変速位置が2,4,6,8速位置であると、前項[6]及び図5のステップS10〜S15,S9に基づく変速操作が行われる。
[9] 次に、第4変速モードについて説明する。
第4変速モードにおいては、前項[7][8]に記載の第3変速モードと同様に第1中間変速位置(第1及び第2中間変速位置)が設定されるが、第1中間変速位置(第1及び第2中間変速位置)が以下のように第3変速モードとは異なっている。
第4変速モードにおいては、変速レバー63をある操作位置(変速位置)から別の操作位置(変速位置)に操作した場合、変速レバー63が操作された操作位置(変速位置)から、変速レバー63が操作される前の操作位置(変速位置)に少し寄った第1中間変速位置(第1及び第2中間変速位置)が設定され、変速レバー63が操作される前の操作位置(変速位置)から第1中間変速位置への変速操作が行われ、第1中間変速位置から変速レバー63が操作された操作位置(変速位置)への変速操作が行われる(変速レバー63が操作される前の操作位置(変速位置)から第1中間変速位置への変速操作が行われて、第1中間変速位置から第2中間変速位置への変速操作が行われ、第2中間変速位置から変速レバー63が操作された操作位置(変速位置)への変速操作が行われる。
変速レバー63をある操作位置(変速位置)から1つ高速側又は低速側の操作位置に操作した場合(例えば変速レバー63を1速位置から2速位置に操作した場合や8速位置から7速位置に操作した場合)、第3変速モード(前項[7]参照)と同様に変速レバー63の操作位置(変速位置)への変速操作が行われる。
この場合、変速レバー63が操作される前の操作位置(変速位置)が1,3,5,7速位置であると、前項[5]及び図5のステップS3〜S9に基づく変速操作が行われ、変速レバー63が操作される前の操作位置(変速位置)が2,4,6,8速位置であると、前項[6]及び図5のステップS10〜S15,S9に基づく変速操作が行われる。
変速レバー63を1,3,5,7速位置に操作した状態で変速レバー63を別の1,3,5,7速位置に操作した場合、変速レバー63が操作された操作位置(変速位置)から、変速レバー63が操作される前の操作位置(変速位置)に少し寄った第1中間変速位置が、2,4,6,8速位置のうちから設定される。例えば変速レバー63を1速位置から7速位置に操作すると、6速位置が第1中間変速位置として設定される。
変速レバー63を2,4,6,8速位置に操作した状態で変速レバー63を別の2,4,6,8速位置に操作した場合、変速レバー63が操作された操作位置(変速位置)から、変速レバー63が操作される前の操作位置(変速位置)に少し寄った第1中間変速位置が、1,3,5,7速位置のうちから設定される。例えば変速レバー63を8速位置から2速位置に操作すると、3速位置が第1中間変速位置として設定される。
変速レバー63を1,3,5,7速位置に操作した状態で変速レバー63を2,4,6,8速位置に操作した場合(前述のように変速レバー63をある操作位置(変速位置)から1つ高速側又は低速側の操作位置に操作した場合を除く)、変速レバー63が操作された操作位置(変速位置)から、変速レバー63が操作される前の操作位置(変速位置)に少し寄った第1中間変速位置が、2,4,6,8速位置のうちから設定され、変速レバー63が操作された操作位置(変速位置)から、変速レバー63が操作される前の操作位置(変速位置)に少し寄った第2中間変速位置が、1,3,5,7速位置のうちから設定される。この場合、第1中間変速位置に対し第2中間変速位置が、変速レバー63が操作された操作位置(変速位置)に寄っている。例えば変速レバー63を1速位置から8速位置に操作すると、6速位置が第1中間変速位置として設定され、7速位置が第2中間位置として設定される。
変速レバー63を2,4,6,8速位置に操作した状態で変速レバー63を1,3,5,7速位置に操作した場合(前述のように変速レバー63をある操作位置(変速位置)から1つ高速側又は低速側の操作位置に操作した場合を除く)、変速レバー63が操作された操作位置(変速位置)から、変速レバー63が操作される前の操作位置(変速位置)に少し寄った第1中間変速位置が、1,3,5,7速位置のうちから設定され、変速レバー63が操作された操作位置(変速位置)から、変速レバー63が操作される前の操作位置(変速位置)に少し寄った第2中間変速位置が、2,4,6,8速位置のうちから設定される。この場合、第1中間変速位置に対し第2中間変速位置が、変速レバー63が操作された操作位置(変速位置)に寄っている。例えば変速レバー63を8速位置から1速位置に操作すると、3速位置が第1中間変速位置として設定され、2速位置が第2中間位置として設定される。
以上のようにして、第1中間変速位置(第1及び第2中間変速位置)が設定されると、前項[8]及び図6に記載の第3変速モードと同様に、変速レバー63が操作される前の操作位置(変速位置)から第1中間変速位置への変速操作、第1中間変速位置から変速レバー63が操作された操作位置(変速位置)への変速操作が行われるのであり、変速レバー63が操作される前の操作位置(変速位置)から第1中間変速位置への変速操作、第1中間変速位置から第2中間変速位置への変速操作、第2中間変速位置から変速レバー63が操作された操作位置(変速位置)への変速操作が行われる。
[10] 次に、前後進レバー57を操作した場合について説明する。
前項[2]に記載のように前後進切換機構44において、図2に示すようにシフト部材52に前後進レバー57が機械的に連係され、前後進レバー57の操作位置が制御装置64に入力されており、前後進レバー57によってシフト部材52を前進位置F及び後進位置Rにスライド操作する。
これにより、前後進レバー57を前進位置Fから後進位置Rに操作し始めると(後進位置Rから前進位置Fに操作し始めると)、前項[4](第1変速モード)の後半の記載と同様に、図3の実線A3に示すように伝動クラッチ6が自動的に減圧されて遮断状態に操作され、前後進レバー57を後進位置R(前進位置F)に操作すると、伝動クラッチ6が自動的に漸次的に昇圧されて伝動状態に操作される。
伝動クラッチ6に対してのみ、人為的に踏み操作自在なクラッチペダル(図示せず)が備えられて、クラッチペダルの操作位置が制御装置64に入力されている。これによって、クラッチペダルを踏み操作すると、制御装置64及び制御弁60により伝動クラッチ6が遮断状態に操作され、クラッチペダルを戻し操作すると、制御装置64及び制御弁60により伝動クラッチ6が伝動状態に操作される。
[発明の実施の第1別形態] 前述の[発明の実施の形態]の前項[4]に記載の第1変速モードにおいて、変速レバー63を1,3,5,7速位置に操作している状態から2,4,6,8速位置に操作した場合、第2変速モードと同様に前項[5]及び図5のステップS3〜S9に基づく変速操作が行われるように構成してもよい。変速レバー63を2,4,6,8速位置に操作している状態から1,3,5,7速位置に操作した場合、第2変速モードと同様に前項[6]及び図5のステップS10〜S15,S9に基づく変速操作が行われるように構成してもよい。
[発明の実施の第2別形態] 前述の[発明の実施の形態]及び[発明の実施の第1別形態]において、設定スイッチ65を廃止し、以下のように構成してもよい。
エンジン1の回転数を検出する回転数センサー(図示せず)を備えて、無負荷でのエンジン1の回転数と検出されたエンジン1の回転数との回転数差を検出する。農用トラクタでは一般にアクセルレバー(図示せず)を全開位置に操作した状態で、変速レバー63及び後述する副変速レバー(図示せず)を操作することにより所望の機体の走行速度を得るので、前述の無負荷でのエンジン1の回転数とは、アクセルレバーを全開位置に操作した状態において無負荷でのエンジン1の回転数を意味している。
これにより、回転数差が設定値以下であると機体に掛かる走行負荷が小さいと判断されて、第1変速モードが自動的に選択されるように構成し、回転数差が設定値を越えると機体に掛かる走行負荷が大きいと判断されて、第2変速モードが自動的に選択されるように構成する。この場合、第2変速モードに代えて第3変速モードが自動的に選択されたり、第4変速モードが自動的に選択されたりするように構成してもよい。
[発明の実施の第3別形態] 前述の[発明の実施の形態]及び[発明の実施の第1別形態]において、設定スイッチ65を廃止し、以下のように構成してもよい。
機体の後部に作業装置や台車等を連結して牽引する為のヒッチ(図示せず)を備え、ヒッチに掛かる牽引負荷を検出する牽引負荷センサー(図示せず)を備える。これにより、牽引負荷が設定値以下であると、第1変速モードが自動的に選択されるように構成し、牽引負荷が設定値を越えると、第2変速モードが自動的に選択されるように構成する。この場合、第2変速モードに代えて第3変速モードが自動的に選択されたり、第4変速モードが自動的に選択されたりするように構成してもよい。
[発明の実施の第4別形態] 前述の[発明の実施の形態]及び[発明の実施の第1別形態]において、設定スイッチ65を廃止し、以下のように構成してもよい。
農用トラクタにおいては、機体の後部に備えられたトップリンク(図示せず)及びロアリンク(図示せず)に、ロータリ耕耘装置(図示せず)(対地作業装置の一例)を連結して耕耘作業を行ったり、トップリンク及びロアリンクにプラウ(図示せず)(対地作業装置の一例)を連結し、プラウにより土を反転させるドラフト作業を行うことがある。耕耘作業及びドラフト作業は作業形態が異なるので、作業者が作業スイッチ(図示せず)を人為的に操作するとにより、耕耘作業モード(ロータリ耕耘装置)及びドラフト作業モード(プラウ)を選択する。
耕耘作業モードにおいては、ロータリ耕耘装置の耕耘深さが検出されて、耕耘深さが設定値に維持されるように、機体に対してロータリ耕耘装置が自動的に昇降操作される。この場合、機体に掛かる牽引負荷は比較的小さなものとなる(言い換えると、ロータリ耕耘装置のロータリ爪の回転によって、機体が前に押されようとする)。
ドラフト作業モードにおいては、ロアリンクに掛かる牽引負荷が検出されて、牽引負荷が設定値に維持されるように、機体に対してプラウが自動的に昇降操作される。この場合、機体(ロアリンク)に掛かる牽引負荷は比較的大きなものとなる。
これにより、作業スイッチにより耕耘作業モード及びドラフト作業モードの両方が停止する切り状態又は耕耘作業モードを選択すると、第1変速モードが自動的に選択されるように構成し、作業スイッチによりドラフト作業モードを選択すると、第2変速モードが自動的に選択されるように構成する。この場合、第2変速モードに代えて第3変速モードが自動的に選択されたり、第4変速モードが自動的に選択されたりするように構成してもよい。
[発明の実施の第5別形態] 前述の[発明の実施の形態]及び[発明の実施の第1別形態]において、設定スイッチ65を廃止し、以下のように構成してもよい。
図1に示す副変速機構46を操作する副変速レバー(図示せず)において、副変速レバーが高速位置に操作されていると、機体の走行速度が高速であると判断されて、第1変速モードが自動的に選択されるように構成し、副変速レバーが中速位置又は低速位置に操作されていると、機体の走行速度が低速であると判断されて、第2変速モードが自動的に選択されるように構成する。この場合、第2変速モードに代えて第3変速モードが自動的に選択されたり、第4変速モードが自動的に選択されたりするように構成してもよい。
[発明の実施の第6別形態] 前述の[発明の実施の形態]及び[発明の実施の第1別形態]において、設定スイッチ65を廃止し、以下のように構成してもよい。
農用トラクタにおいては、油圧シリンダによって上下に揺動操作されるリフトアーム(図示せず)を備えて、リフトアームによりロアリンクを上下に揺動操作するように構成している(前述の[発明の実施の第4別形態]に記載の耕耘作業モード及びドラフト作業モードにおいて、リフトアームによりロータリ耕耘装置及びプラウを昇降操作する)。
前述の[発明の実施の第4別形態]に記載のように、トップリンク及びロアリンクに、ロータリ耕耘装置やプラウ等の対地作業装置を連結した場合、路上走行等のように対地作業装置による作業を行わない状態では、機体に対して対地作業装置を大きく上昇操作しておく。この場合、機体に掛かる走行負荷は比較的小さい状態であると判断できる。
逆に機体に対して対地作業装置を充分に下降操作していると、対地作業装置による作業を行う状態であることが多い。この場合、機体に掛かる走行負荷は比較的大きい状態であると判断できる。
これによって、対地作業装置の機体に対する高さを検出して(例えば機体に対するリフトアームやロアリンクの上下角度を検出して、対地作業装置の機体に対する高さと判断する)、対地作業装置の機体に対する高さが設定値以上であると第1変速モードが自動的に選択されるように構成し、対地作業装置の機体に対する高さが設定値未満であると第2変速モードが自動的に選択されるように構成する。この場合に、第2変速モードに代えて第3変速モードが自動的に選択されたり、第4変速モードが自動的に選択されたりするように構成してもよい。
[発明の実施の第7別形態] 前述の[発明の実施の形態]及び[発明の実施の第1別形態]〜[発明の実施の第6別形態]において、図1に示す伝動クラッチ6及び前後進切換機構44を伝動軸2に配置してもよい。図1に示す第1ギヤ変速機構13を第1副伝動軸8と伝動軸4との間に構成し、第1副ギヤ変速機構14を第1主伝動軸7と伝動軸2との間に構成してもよい。図1に示す第2ギヤ変速機構15を第2副伝動軸11と伝動軸4との間に構成し、第2副ギヤ変速機構16を第2主伝動軸10と伝動軸2との間に構成してもよい。前輪53及び後輪54に代えて、右及び左のクローラ走行装置を備えた作業車にも本発明は適用できる。
走行伝動系を示す概略図 前後進レバー、変速レバー、伝動クラッチ、第1及び第2摩擦クラッチ、第1及び第1副アクチュエータ、第2及び第2副アクチュエータの操作系を示す図 第1変速モードにおいて、1速位置から2速位置への変速操作を示す図 第2変速モードにおいて、1速位置から2速位置への変速操作を示す図 第2変速モードの流れを示す図 第3変速モードの流れを示す図 1〜8速位置でのシフト部材、第1及び第2摩擦クラッチの状態を示す図
符号の説明
1 エンジン
2 上手側伝動軸
4 下手側伝動軸
6 伝動クラッチ
7,8 第1伝動系
9 第1摩擦クラッチ
10,11 第2伝動系
12 第2摩擦クラッチ
13 第1ギヤ変速機構
15 第2ギヤ変速機構
35 第1アクチュエータ
37 第2アクチュエータ
53,54 走行装置
65 人為選択手段

Claims (15)

  1. エンジンの動力が伝達される上手側伝動軸と、走行装置に動力を伝達する下手側伝動軸との間に、第1伝動系と第2伝動系とを並列的に配置し、
    前記第1及び第2伝動系の伝動上手側又は伝動下手側に油圧多板式の伝動クラッチを備えて、前記上手側伝動軸の動力が前記第1及び第2伝動系のうちの一方を介して前記下手側伝動軸に伝達されるように構成し、
    前記上手側又は下手側伝動軸と第1伝動系との間に複数の変速位置を備えた第1ギヤ変速機構を備え、前記第1ギヤ変速機構を操作する第1アクチュエータを備えて、前記第1伝動系に第1摩擦クラッチを備え、
    前記上手側又は下手側伝動軸と第2伝動系との間に複数の変速位置を備えた第2ギヤ変速機構を備え、前記第2ギヤ変速機構を操作する第2アクチュエータを備えて、前記第2伝動系に第2摩擦クラッチを備えた作業車の走行変速構造。
  2. 前記第1伝動系を介して動力が伝達される状態において、前記第2アクチュエータにより前記第2ギヤ変速機構を所定の変速位置に操作し、前記第2摩擦クラッチを遮断状態から伝動状態に操作しながら前記第1摩擦クラッチを伝動状態から遮断状態に操作し、前記伝動クラッチを伝動状態から半伝動状態に操作し漸次的に伝動状態に操作する第1制御手段と、
    前記第2伝動系を介して動力が伝達される状態において、前記第1アクチュエータにより前記第1ギヤ変速機構を所定の変速位置に操作し、前記第1摩擦クラッチを遮断状態から伝動状態に操作しながら前記第2摩擦クラッチを伝動状態から遮断状態に操作し、前記伝動クラッチを伝動状態から半伝動状態に操作し漸次的に伝動状態に操作する第2制御手段とを備え、
    変速指令が発せられると、前記伝動クラッチを遮断状態に操作して、第1及び第2アクチュエータにより第1及び第2変速機構を変速指令による変速位置に操作し、前記伝動クラッチを漸次的に伝動状態に操作する第1変速手段と、
    変速指令が発せられる前の変速位置から変速指令による変速位置まで前記第1及び第2制御手段を交互に作動させて、前記変速指令による変速位置が得られるようにする第2変速手段とを備えて、
    前記第1変速手段を作動させて前記第2変速手段を停止させる第1状態、及び前記第2変速手段を作動させて前記第1変速手段を停止させる第2状態を選択可能に構成してある作業車の走行変速構造。
  3. 前記第1状態又は第2状態を人為的に選択可能な人為選択手段を備えてある請求項1に記載の作業車の走行変速構造。
  4. 機体に掛かる走行負荷を検出して、走行負荷が設定値以下であると前記第1状態を選択し、走行負荷が設定値を越えると前記第2状態を選択する自動選択手段を備えてある請求項1に記載の作業車の走行変速構造。
  5. 機体に掛かる牽引負荷を検出して、前記牽引負荷が設定値以下であると前記第1状態を選択し、前記牽引負荷が設定値を越えると前記第2状態を選択する自動選択手段を備えてある請求項1に記載の作業車の走行変速構造。
  6. ドラフト作業であるか否かであるかを判断して、ドラフト作業ではないと前記第1状態を選択し、ドラフト作業であると前記第2状態を選択する自動選択手段を備えてある請求項1に記載の作業車の走行変速構造。
  7. 機体の走行速度が高速であると前記第1状態を選択し、機体の走行速度が低速であると前記第2状態を選択する自動選択手段を備えてある請求項1に記載の作業車の走行変速構造。
  8. 機体に連結された対地作業装置の機体に対する高さを検出して、前記対地作業装置の機体に対する高さが設定値以上であると前記第1状態を選択し、前記対地作業装置の機体に対する高さが設定値未満であると前記第2状態を選択する自動選択手段を備えてある請求項1に記載の作業車の走行変速構造。
  9. エンジンの動力が伝達される上手側伝動軸と、走行装置に動力を伝達する下手側伝動軸との間に、第1伝動系と第2伝動系とを並列的に配置し、
    前記第1及び第2伝動系の伝動上手側又は伝動下手側に油圧多板式の伝動クラッチを備えて、前記上手側伝動軸の動力が前記第1及び第2伝動系のうちの一方を介して前記下手側伝動軸に伝達されるように構成し、
    前記上手側又は下手側伝動軸と第1伝動系との間に複数の変速位置を備えた第1ギヤ変速機構を備え、前記第1ギヤ変速機構を操作する第1アクチュエータを備えて、前記第1伝動系に第1摩擦クラッチを備え、
    前記上手側又は下手側伝動軸と第2伝動系との間に複数の変速位置を備えた第2ギヤ変速機構を備え、前記第2ギヤ変速機構を操作する第2アクチュエータを備えて、前記第2伝動系に第2摩擦クラッチを備え、
    前記第1伝動系を介して動力が伝達される状態において、前記第2アクチュエータにより前記第2ギヤ変速機構を所定の変速位置に操作し、前記第2摩擦クラッチを遮断状態から伝動状態に操作しながら前記第1摩擦クラッチを伝動状態から遮断状態に操作し、前記伝動クラッチを伝動状態から半伝動状態に操作し漸次的に伝動状態に操作する第1制御手段と、
    前記第2伝動系を介して動力が伝達される状態において、前記第1アクチュエータにより前記第1ギヤ変速機構を所定の変速位置に操作し、前記第1摩擦クラッチを遮断状態から伝動状態に操作しながら前記第2摩擦クラッチを伝動状態から遮断状態に操作し、前記伝動クラッチを伝動状態から半伝動状態に操作し漸次的に伝動状態に操作する第2制御手段とを備えると共に、
    変速指令が発せられると、前記伝動クラッチを遮断状態に操作して、第1及び第2アクチュエータにより第1及び第2変速機構を変速指令による変速位置に操作し、前記伝動クラッチを漸次的に伝動状態に操作する第1変速手段と、
    変速指令が発せられる前の変速位置と変速指令による変速位置との間の中間変速位置を設定して、前記変速指令が発せられる前の変速位置から前記中間変速位置が得られるように、前記第1又は第2制御手段の一方を作動させ、前記中間変速位置から前記変速指令による変速位置が得られるように、前記第1又は第2制御手段の他方を作動させる第3制御手段とを備えて、
    前記第1変速手段を作動させて前記第3変速手段を停止させる第1状態、及び前記第3変速手段を作動させて前記第1変速手段を停止させる第3状態を選択可能に構成してある作業車の走行変速構造。
  10. 前記第1状態又は第3状態を人為的に選択可能な人為選択手段を備えてある請求項8に記載の作業車の走行変速構造。
  11. 機体に掛かる走行負荷を検出して、走行負荷が設定値以下であると前記第1状態を選択し、走行負荷が設定値を越えると前記第3状態を選択する自動選択手段を備えてある請求項8に記載の作業車の走行変速構造。
  12. 機体に掛かる牽引負荷を検出して、前記牽引負荷が設定値以下であると前記第1状態を選択し、前記牽引負荷が設定値を越えると前記第3状態を選択する自動選択手段を備えてある請求項8に記載の作業車の走行変速構造。
  13. ドラフト作業であるか否かであるかを判断して、ドラフト作業ではないと前記第1状態を選択し、ドラフト作業であると前記第3状態を選択する自動選択手段を備えてある請求項8に記載の作業車の走行変速構造。
  14. 機体の走行速度が高速であると前記第1状態を選択し、機体の走行速度が低速であると前記第3状態を選択する自動選択手段を備えてある請求項1に記載の作業車の走行変速構造。
  15. 機体に連結された対地作業装置の機体に対する高さを検出して、前記対地作業装置の機体に対する高さが設定値以上であると前記第1状態を選択し、前記対地作業装置の機体に対する高さが設定値未満であると前記第3状態を選択する自動選択手段を備えてある請求項8に記載の作業車の走行変速構造。
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