JP3680451B2 - 作業車両の自動変速制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動変速制御装置を有する作業車両に関し、自動的に操向ブレーキを効かせて旋回操向するとき、変速の増速シフトを行わせないように牽制するものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
作業車両、例えば農用トラクタの変速伝動装置は、主変速装置と副変速装置とを有して、走行条件、作業目的等に応じて、幅広い変速域を有することが多い。この変速を容易にするために、主クラッチの操作を行わないで、操作ボタンや設定ダイヤル等で所定の変速位置を、シンクロクラッチや多板クラッチ等を有した変速クラッチギヤを用いて、電子的乃至油圧回路等の操作力で変速シフトを行わせる。このような変速シフトは、変速レバーや操作ボタン等の操作のみによって簡単に操作されるが、畦際等の自動旋回操向の行われているときに、このような変速シフトによって誤って増速されることとなると危険性を増す。
【0003】
【課題を解決するための手段】
この発明は、エンジン(2)の回転を、変速装置(29,30)を介して前後輪(6,8)へ伝達すると共に、前記変速装置(29,30)の変速位置を、変速スイッチ(67,68)の操作にてコントローラ(48)の通電出力を介し、一段ずつアップ/ダウン可能に構成すると共に、車両の旋回時に車体に連結した作業機(11)を非作業位置へ上昇操作し且つ旋回内側の後輪ブレーキを作動させるオートリフトブレーキ制御装置を備えた作業車両の自動変速制御装置において、
前記コントローラ(48)には、前記旋回時のブレーキ出力中に同車両を前記変速スイッチ(67,68)による増速側の操作を牽制する状態とするか否かを選択するモードスイッチ(65)を備えたことを特徴とする作業車両の自動変速制御装置とする。
【0004】
【発明の効果】
この自動変速制御装置では、通常直進時、変速スイッチ(67,68)の操作で変速装置(29,30)の変速位置を、増減速することができる。旋回操向時は、旋回内側の後輪ブレーキが自動的に制動されることによって旋回走行が行われる。このときモードスイッチ(65)をONしておくと、誤操作等によって増速スイッチ(67)が押され、変速操作行われてもシフト出力は行われず、変速のない状態の車速で走行される。又、減速スイッチ(68)が押されたときは減速出力される。このため、旋回操向時に不意に加速されることもなく運転者が外方へ振り回されるようなことがなく安全な運転を行うことができる
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、作業車両の一例として、農用トラクタの自動変速制御装置について説明する。
トラクタ車体は、前部ボンネット1内にエンジン2を搭載し、このエンジンボディの後部にクラッチハウジング3、及びミッションケース4等を連結し、ステアリングハンドル5により操向自在の前車輪6と操縦席7後部の後車輪8とを伝動回転して走行する四輪駆動走行形態とし、車体後部のリフトアーム9により連結されて昇降されるロアリンク10の後端には作業機としてロータリ耕耘装置11を連結している。
【0006】
12はミッションケース4の左右両側のリヤアクスルハウジングで、後部デフ装置から連動される後車輪8のデフ軸13にブレーキを効かせることのできる操向ブレーキ14を設け、ブレーキペル15、又はブレーキシリンダ16によって、ブレーキアーム17を連動することによって制動できる構成としている。18は後車軸、19は変速レバー、20はリフトアーム9を油圧力で上下動させるリフトシリンダ、21はPTO軸で、作業機を伝動することができる。22は耕耘装置11の耕耘爪、23は耕耘カバーである。
【0007】
前記クラッチハウジング3及びミッションケース4内の伝動機構は、エンジン2から主クラッチ24を介してリバーサクラッチ25と正逆転PTOクラッチ26とに連動する。リバーサクラッチ25は、中立位置から前進ギヤ27又は後進ギヤ28側に連継することによって、主変速装置29、及び副変速装置30を経て、後輪デフ装置31と前輪伝動軸32とを連動する。この後輪デフ装置31の左右のデフ軸13からはギヤを介して後車軸18を連動し、前記操向ブレーキ14がリヤアクスルハウジング12内において設けられ、これら左右のデフ軸13を制動して後車輪8の回転を制動しうる構成である。
【0008】
又、前記前輪伝動軸32の途中には、4WDクラッチ33が設けられ、中立位置では前車輪6への伝動が行われない2WDとなり、等速4WDクラッチ34側を連継すると通常の4WD走行とすることができ、高速4WDクラッチ35側を連継すると後車輪8よりも前車輪6を高速回転する高速4WD走行とすることができる。この前輪伝動軸32からフロントアクスルハウジング内の前輪デフ装置36へ伝動し、この左右のデフ軸37からギヤ機構やキングピン軸38等を経て操向ケースの前車軸39へ連動する構成としている。
【0009】
前記リバーサクラッチ25や、主変速装置29の変速クラッチ40,41等はシンクロ機構を有した切替クラッチ形態で、この変速クラッチ40,41も前記リバーサクラッチ25と同様に、各変速ギヤ側への咬み合わせによって連継しうる。又、副変速装置30の変速クラッチ42〜45は、湿式多板形態の摩擦クラッチを有し、この変速クラッチ42〜45の選択及び入り切りを油圧力により連動させて行わせる構成としている。
【0010】
前記正逆転PTOクラッチ26からはミッションケース4内のPTO伝動軸46を経て後部のPTO変速装置47に連動し、PTO軸21を変速伝動しうる構成である。
前記主クラッチ24、及びリバーサクラッチ25の操作はペル操作や手動操作で機械的に又は油圧連動等によって行うことができるが、主変速装置29、副変速装置30、及び4WDクラッチ33等はコントローラ48からの出力によって、油圧ポンプPやタンクポートT等を有する油圧回路49の切替弁50,51,52をソレノイド作動させ、又、ソレノイドバルブ53〜56を作動させて、変速クラッチ40,41や4WDクラッチ33、及び副変速クラッチ42〜45等を作動させることができる。57,58は該切替弁50,51によって切替えられる油圧シリンダ、59は切替弁52によって切替えられる油圧シリンダ、60〜63はソレノイドバルブ53〜56によって油圧作動される油圧シリンダである。64は油圧回路49の減圧弁である。
【0011】
前記コントローラ48の入力側には、自動変速制御を行いうるモードにONする自動変速モードスイッチ65、副変速レバー19の変速位置を検出する副変速位置センサ66、この副変速レバー19の把持部に設けられるシフトアップスイッチ67とシフトダウンスイッチ68、及びステアリングハンドル5の操向角を検出するステアリングセンサ69等を設けている。
【0012】
又、コントローラ48の出力側には、前記主変速装置29の各切替弁50,51や、副変速装置30のソレイドバルブ60〜63の他に、自動旋回操向のための操向ブレーキ14やリフトシリンダ20を作動する油圧回路の各ソレノイドバルブ等を設けている。
主変速クラッチ40,41による変速を4段とし、副変速クラッチ42〜45による変速を4段とすれば、全16段の変速を選択しうる。副変速レバー19を案内するレバーガイド70に沿って、主な作業毎の変速域71を表示して副変速位置をこの副変速レバー19の手動操作で決める。このとき、操作された作業域の表示ランプは一定時間点滅する構成となっており、オペレータに対して、変速可能な変速断を報知する。前記シフトアップスイッチ67は、一度押す毎に全16段の変速位置を一段毎増速シフトさせるものである。又、シフトダウンスイッチ68は、一度押す毎に一段毎減速シフトさせるものである。このような副変速レバー19とシフトアップスイッチ67、及びシフトダウンスイッチ68とにより、最適の車速を選択できる。
【0013】
例えば、オートリフトブレーキ制御で自動旋回を行うときは、耕耘作業走行の終端でステアリングハンドル5の一定以上の旋回操向角をステアリングセンサ69が検出すると、これによってリフトシリンダ20の作動でリフトアーム9が自動的に上昇されて耕耘装置11を非耕耘高さに上昇し、操向側の操向ブレーキ14が適度に制動されて自動旋回が行われる。このとき変速位置が高過ぎるときは自動的に一定位置以下に減速シフトされるように構成するもよい。いずれにしても旋回行程に入ると、現在の変速位置よりも増速側の変速シフトは停止され、例え、副変速レバー19を操作しても、又、シフトアップスイッチ67を操作しても増速シフトは行われない。しかし、これらの操作が減速側へのシフトは有効となり、減速されて安全な走行となる。
【0014】
又、前記自動旋回操向が終了して直進行程に復帰すると、該増速変速シフトの牽制は解除され、増速変速を行うことができる。
前記自動変速シフトにおいて、各走行作業モードをモードスイッチの操作で選択したとき、操縦者のシフト可能な車速段の変速域71の各ランプ72を数秒間のみ点滅させて、このランプ72で表示された領域のうちいずれか一つの車速位置にしかシフトできないようにして、誤操作を防止できる。
【0015】
このような自動変速シフトにおいて、前記副変速レバー19の操作による変速シフトは、増速側のみでなく、減速側へも行わない構成とするもよい(図6)。又、副変速レバー19の変速された場合の自動変速制御の復帰は、旋回操向直前の変速レバー位置に副変速レバー19が操作されると同時に行われる。通常、旋回終了後に、変速レバー位置に応じた車速に自動で変更すると、作業者はそのタイミングが分からないで、急にトラクタが加速する場合があり危険である。しかし、旋回直前の変速レバー19位置を記憶しておき、旋回終了後にその記憶したレバー位置と現在のレバー位置とを比較して、一致していなければ変速レバー位置が記憶しているレバー位置になるまで自動変速制御は行わせず現状の車速で走行させる。レバー位置が一致すると自動変速制御を行わせる。
【0016】
前記自動変速制御装置においては、4WDの制御切替を、副変速レバー19の位置に自動的に対応させるもので(図7)、4WDの手動操作を省略して操作性を良くする。副変速位置センサー66により変速レバー19位置の検出が行われて、4WDクラッチ33の切替弁52が切替出力される。例えば、副変速レバー19により走行モードが指定されているときは、4WDクラッチ33は中立位置の2WD位置となり、作業モード中のプラウ代掻モード、ロータリモード、或いは超低速モード等では、作業条件により等速4WDに自動的に切替えられ、又、旋回操向時は高速4WDに切替えられる。
【0017】
又、前記自動変速制御装置においては、主変速装置29のシフト位置と副変速装置のシフト位置とによって、前記4WD位置の切替制御を行う(図8)。コントローラ48に現在における主変速位置及び副変速位置を入力し、各変速位置の状態から、例えば、副変速装置30が中速位置Mで、主変速装置29が3速位置以上の時は走行モードとし、2速以下の場合は作業モードにする。
【0018】
又、前記自動変速装置において、図9のようにロータリ耕耘装置11部に回転センサ73を設けてコントローラ48に入力し、この値と理論値との差により、主変速装置29の切替弁50,51を出力して一段毎自動的にシフトアップ又はシフトダウンする。耕耘時の抵抗による耕耘爪22の回転変化を利用して、高速耕耘時の旋回操向時には耕耘装置11を上昇し、耕耘抵抗がなくなった時にはシフトダウンして旋回を容易にできる。又、耕耘中の土壌の硬度の差により、硬い地面の時は耕耘爪22の回転が下った場合にシフトダウンをして均一な仕上げとする。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動変速制御部のブロック図と、そのフローチャート。
【図2】伝動機構図。
【図3】変速装置部の油圧回路図。
【図4】変速レバー部の平面図。
【図5】トラクタの側面図。
【図6】車速シフト位置選択のフローチャート。
【図7】4WDモード自動設定のフローチャート。
【図8】4WDモード自動設定のフローチャート。
【図9】自動変速制御のブロック図と、そのフローチャート。
【符号の説明】
6 前輪
8 後輪
14 操向ブレーキ
19 副変速レバー
24 主クラッチ
29 主変速装置
30 副変速装置
40 変速クラッチ
41 変速クラッチ
42 変速クラッチ
43 変速クラッチ
44 変速クラッチ
45 変速クラッチ
48 コントローラ
65 (自動変速)モードスイッチ

Claims (1)

  1. エンジン(2)の回転を、変速装置(29,30)を介して前後輪(6,8)へ伝達すると共に、前記変速装置(29,30)の変速位置を、変速スイッチ(67,68)の操作にてコントローラ(48)の通電出力を介し、一段ずつアップ/ダウン可能に構成すると共に、車両の旋回時に車体に連結した作業機(11)を非作業位置へ上昇操作し且つ旋回内側の後輪ブレーキを作動させるオートリフトブレーキ制御装置を備えた作業車両の自動変速制御装置において、
    前記コントローラ(48)には、前記旋回時のブレーキ出力中に同車両を前記変速スイッチ(67,68)による増速側の操作を牽制する状態とするか否かを選択するモードスイッチ(65)を備えたことを特徴とする作業車両の自動変速制御装置。
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