JP2003342481A - 導電性組成物およびそれを用いた電子写真機器用部材 - Google Patents

導電性組成物およびそれを用いた電子写真機器用部材

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JP2003342481A
JP2003342481A JP2003012633A JP2003012633A JP2003342481A JP 2003342481 A JP2003342481 A JP 2003342481A JP 2003012633 A JP2003012633 A JP 2003012633A JP 2003012633 A JP2003012633 A JP 2003012633A JP 2003342481 A JP2003342481 A JP 2003342481A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電気抵抗の電圧依存性および環境依存性に優れ
るとともに、電気抵抗のばらつきが小さく、低電気抵抗
化可能で、しかも経時の電気抵抗にも優れた導電性組成
物を提供する。 【解決手段】下記の(A)および(B)を必須成分とす
る導電性組成物であって、(A)の界面活性剤構造を形
成するために用いられる界面活性剤が、トルエンまたは
メチルエチルケトンに3%以上の溶解性を示し、かつ、
水に3%以上の溶解性を示すか、もしくは水中でミセル
分散状態を10時間以上保持するものである。 (A)界面活性剤構造を有する導電性ポリマー。 (B)バインダーポリマー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性組成物およ
びそれを用いた電子写真機器用部材に関するものであ
り、詳しくは現像ロール、帯電ロール、転写ロール、ト
ナー供給ロール、除電ロール、給紙ロール、搬送ロー
ル、クリーニングロール、現像ブレード、帯電ブレー
ド、クリーニングブレード、転写ベルト等の電子写真機
器用部材に用いられる、導電性組成物およびそれを用い
た電子写真機器用部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、導電性を制御するためには、バ
インダーポリマーに、イオン導電剤や電子導電剤が配合
されている。イオン導電剤は、バインダーポリマーに溶
解するため、導電性のばらつきが小さく、また電圧を変
化させた時の電気抵抗の変動が小さく、電気抵抗の電圧
依存性に優れるという利点がある。しかし、上記イオン
導電剤は、導電性発現のメカニズムがイオンの電導によ
るものであるため、電気抵抗が1×108 Ω・cm以上
であれば、バインダーポリマー中でのイオンの電導が良
好で、導電性の制御が可能であるが、電気抵抗が1×1
8 Ω・cm未満になると、イオンの電導が起こりにく
く、導電性の制御が困難になる。また、イオン導電剤は
水分等の影響を受けやすく、高温高湿と低温低湿の条件
下では電気抵抗が2桁以上変動するため、電気抵抗の環
境依存性に劣り、電子写真機器用部材(OA部材)とし
ての使用には制約が多い。
【0003】一方、カーボンブラック等の電子導電剤
は、水分等の影響を受けにくく、高温高湿と低温低湿の
条件下での電気抵抗の変動が小さく、環境依存性に優れ
るとともに、低電気抵抗化が可能であるため、電子写真
機器用部材(OA部材)として使用されている。しか
し、上記電子導電剤は、バインダーポリマー中での均一
分散が困難であるため、電気抵抗のばらつきが大きく、
導電性の制御が困難である。また、比較的均一に分散し
ている場合でも、導電性発現のメカニズムがバインダー
ポリマー中のカーボン間を、電子が高電圧により伝わる
トンネル効果によるため、電圧を変化させた時の電気抵
抗の変動が大きく、電気抵抗の電圧依存性に劣る。この
ため、OA部材としての使用時には、電流や電圧を高度
に制御せざるを得ず、OA部材の簡素化(低コスト化)
に限界が生じる。
【0004】このように、イオン導電剤および電子導電
剤には、それぞれ欠点があり、それぞれの長所を備えた
導電性組成物、すなわち、電気抵抗のばらつきが小さ
く、電気抵抗の電圧依存性に優れるというイオン導電剤
の利点と、低電気抵抗化可能で電気抵抗の環境依存性に
優れるという電子導電剤の利点との双方の特性を備えた
導電性組成物の開発が待望されている。
【0005】そこで、本発明者は、これらの問題を解決
すべく、研究を重ね、界面活性剤構造を有する導電性ポ
リマーと、バインダーポリマーとを必須成分とする導電
性組成物について特許出願(特許文献1参照)を行っ
た。この特許文献1に記載の導電性組成物を用いると、
電気特性の顕著な改善を図ることができた。
【0006】
【特許文献1】特開2002−167519号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者は、上記特許文献1に記載の導電性組成物について、
さらなる研究を行った結果、上記導電性組成物は、バイ
ンダーポリマー中での導電性ポリマーの安定性がやや悪
く、凝集するため、初期の電気抵抗は良好であるが、経
時とともに電気抵抗が上昇する傾向がみられることを突
き止めた。
【0008】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、電気抵抗の電圧依存性および環境依存性に優れ
るとともに、電気抵抗のばらつきが小さく、低電気抵抗
化可能で、しかも組成物保管時の経時の電気抵抗にも優
れた、導電性組成物およびそれを用いた電子写真機器用
部材の提供をその目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、下記の(A)および(B)を必須成分と
する導電性組成物であって、(A)の界面活性剤構造を
形成するために用いられる界面活性剤が、トルエンまた
はメチルエチルケトンに3%以上の溶解性を示し、か
つ、水に3%以上の溶解性を示すか、もしくは水中でミ
セル分散状態を10時間以上保持するものである導電性
組成物を第1の要旨とする。また、本発明は、上記導電
性組成物を用いた電子写真機器用部材を第2の要旨とす
る。 (A)界面活性剤構造を有する導電性ポリマー。 (B)バインダーポリマー。
【0010】すなわち、この発明者は、バインダーポリ
マー中での導電性ポリマーの安定性に優れ、経時の電気
抵抗も良好である導電性組成物を得るべく、さらに研究
開発を行った。そして、界面活性剤構造を有する導電性
ポリマーの、界面活性剤構造を形成するために用いられ
る界面活性剤に着目し、界面活性剤の溶解性を中心に研
究を重ねた。その結果、用いる界面活性剤が、トルエン
またはメチルエチルケトンに3%以上の溶解性を示し、
かつ、水に3%以上の溶解性を示すか、もしくは水中で
ミセル分散状態を10時間以上保持するものである場合
には、バインダーポリマー中で、界面活性剤構造を有す
る導電性ポリマーが、凝集することなく安定に存在し、
経時の電気抵抗も良好になることを見いだし、本発明に
到達した。
【0011】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態につ
いて説明する。
【0012】本発明の導電性組成物は、界面活性剤構造
を有する導電性ポリマー(A成分)と、バインダーポリ
マー(B成分)とを用いて得ることができる。本発明で
は、上記界面活性剤構造を有する導電性ポリマー(A成
分)の界面活性剤構造を形成するために用いられる界面
活性剤が、トルエンまたはメチルエチルケトンに3%以
上の溶解性を示し、かつ、水に3%以上の溶解性を示す
か、もしくは水中でミセル分散状態を10時間以上保持
するものであることが最大の特徴である。
【0013】上記界面活性剤構造を有する導電性ポリマ
ー(A成分)は、例えば、導電性ポリマーの原料モノマ
ーと、界面活性剤とを、過硫酸アンモニウム,過酸化水
素水,塩化第二鉄等の酸化剤で化学酸化重合する等の方
法によって製造することができる。
【0014】上記導電性ポリマーの原料モノマーとして
は、導電性を有するものであれば特に限定はなく、例え
ば、アニリン(アニリン誘導体の他、アニリン塩酸塩等
のアニリン塩も含む)、ピロール、チオフェン、アセチ
レン、パラフェニレン、フェニレンビニレン、フラン、
セレノフェン、イソチアナフテン、パラフェニレンスル
フィド、パラフェニレンオキシド、ビニレンスルフィド
等があげられる。
【0015】上記界面活性剤としては、トルエンまたは
メチルエチルケトンに3%以上の溶解性を示し、かつ、
水に3%以上の溶解性を示すか、もしくは水中でミセル
分散状態を10時間以上保持するものを用いる必要があ
る。すなわち、上記界面活性剤が、トルエンもしくはメ
チルエチルケトンに対する溶解性が3%未満であれば、
バインダーポリマーへの相溶性が悪くなるからである。
また、上記界面活性剤が、水に対する溶解性が3%未満
であるか、もしくは水中でのミセル分散状態の保持時間
が10時間未満であると、合成時の反応性や重合体の均
一性が悪くなるからである。
【0016】なお、本発明において、水とは純水(蒸留
水)を用いる趣旨であり、トルエンおよびメチルエチル
ケトンは、それぞれ特級品を用いる趣旨である。また、
本発明において、3%以上の溶解性とは、少なくとも3
%で完全に溶解しているか、もしくは懸濁状態(サスペ
ンション)にある場合をいう。
【0017】上記界面活性剤は、分子構造中に、スルホ
ン酸基、リン酸エステル構造、もしくはエーテル構造を
有するものが好ましく、エーテル構造とともに、スルホ
ン酸基もしくはリン酸エステル構造を有するものが特に
好ましい。また、上記エーテル構造としては、アルキレ
ンエーテルの繰り返し構造が好ましい。上記アルキレン
エーテルの繰り返し構造(n)は、n=1〜30の範囲
内が好ましく、特に好ましくはn=3〜15の範囲内で
ある。
【0018】上記界面活性剤としては、具体的には、下
記の式(2)または式(3)で表されるポリオキシアル
キレンアルキルエーテルリン酸エステル、下記の式
(4)で表されるジアルキルスルホコハク酸エステルナ
トリウム塩、下記の式(5)で表されるポリオキシアル
キレンアルキルフェニルエーテルサルフェートアンモニ
ウム塩、下記の式(6)で表されるアミドエーテルスル
ホン酸ナトリウム等があげられる。なお、スルホン酸や
リン酸は塩であっても、それをイオン交換して酸にした
ものであっても差し支えない。
【0019】
【化2】
【0020】
【化3】
【0021】
【化4】
【0022】
【化5】
【0023】
【化6】
【0024】また、上記界面活性剤としては、下記の一
般式(1)で表されるものを用いることも可能である。
【0025】
【化7】
【0026】一般式(1)において、好ましいR1 とし
ては、炭素数2〜12のアルキル基等があげられる。ま
た、R2 としては、水素、アルキル基、アルコキシ基、
アルキルチオ基、アルキルチオアルキル基、アリール
基、アルキルスルフィニル基、アルコキシアルキル基、
アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ニトリル
基、ヒドロキシ基が好ましく、さらに好ましくは、水
素、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルチオアル
キル基、アルキルスルフィニル基、アルコキシアルキル
基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ニトリ
ル基、ヒドロキシ基である。また、nは2〜4の整数が
好ましい。
【0027】上記導電性ポリマーの原料モノマーと、界
面活性剤との混合比は、重量比で、原料モノマー/界面
活性剤=96/4〜30/70の範囲内が好ましく、特
に好ましくは原料モノマー/界面活性剤=80/20〜
40/60の範囲内である。すなわち、界面活性剤の重
量比が4未満であると、バインダーポリマーとの相溶性
や分散性が低下し、逆に界面活性剤の重量比が70を超
えると、界面活性剤のイオン導電性への効果が強くなり
すぎ、導電性ポリマーの電子導電性を減らすこととなる
からである。
【0028】上記界面活性剤構造を有する導電性ポリマ
ー(A成分)の数平均分子量(Mn)は、500〜10
0,000の範囲内が好ましく、特に好ましくは1,0
00〜20,000の範囲内である。
【0029】上記界面活性剤構造を有する導電性ポリマ
ー(A成分)とともに用いられるバインダーポリマー
(B成分)としては、特に限定はないが、溶剤可溶性の
ものが好ましく、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系
樹脂、フッ素系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系
樹脂、エポキシ系樹脂、ウレア系樹脂、ゴム系ポリマ
ー、熱可塑性エラストマー等があげられる。これらは単
独でもしくは2種以上併せて用いられる。これらのなか
でも、A成分との相溶性に優れる点で、アクリル系樹
脂、エポキシ系樹脂が好ましい。
【0030】なお、本発明において、溶剤可溶性とは、
溶剤に完全に溶解するか、もしくは懸濁状態(サスペン
ション)にある場合をいう。
【0031】上記アクリル系樹脂としては、例えば、ポ
リメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチルメタ
クリレート、ポリメチルアクリレート、ポリエチルアク
リレート、ポリヒドロキシメタクリレート、アクリルシ
リコーン系樹脂、アクリルフッ素系樹脂等があげられ
る。
【0032】上記ウレタン系樹脂としては、例えば、エ
ーテル系,エステル系,脂肪族系等のウレタンや、それ
にシリコーン系ポリオール、フッ素系ポリオールを共重
合させたもの等があげられる。
【0033】上記フッ素系樹脂としては、例えば、ポリ
ビニリデンフルオライド(PVDF)、フッ化ビニリデ
ン−四フッ化エチレン共重合体、フッ化ビニリデン−四
フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体等があげ
られる。
【0034】上記ポリアミド系樹脂としては、例えば、
アルコール可溶性メトキシメチル化ナイロン等があげら
れる。
【0035】上記ポリイミド系樹脂としては、例えば、
ポリアミドイミド(PAI)、ポリアミック酸、シリコ
ーンイミド等があげられる。
【0036】上記エポキシ系樹脂としては、例えば、ビ
スフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ
樹脂、臭素化エポキシ樹脂、ポリグリコール型エポキシ
樹脂、ポリアミド併用型エポキシ樹脂、シリコン変性エ
ポキシ樹脂、アミノ樹脂併用型エポキシ樹脂、アルキッ
ド樹脂併用型エポキシ樹脂等があげられる。
【0037】上記ゴム系ポリマーとしては、例えば、天
然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、アクリロニ
トリル−ブタジエンゴム(NBR)、水素添加NBR
(H−NBR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、
イソプレンゴム(IR)、ウレタンゴム、クロロプレン
ゴム(CR)、エピクロロヒドリンゴム(ECO)、エ
チレン−プロピレン−ジエンポリマー(EPDM)、ア
クリルゴム(ACM)、クロロスルホン化ポリエチレン
(CSM)、多硫化ゴム、フッ素ゴム等があげられる。
【0038】上記熱可塑性エラストマーとしては、例え
ば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体
(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック
共重合体(SIS)、スチレン−エチレン・ブチレン−
スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エ
チレン・プロピレン−スチレンブロック共重合体(SE
PS)等があげられる。
【0039】上記バインダーポリマー(B成分)の数平
均分子量(Mn)は、5,000〜2,000,000
の範囲内が好ましく、特に好ましくは20,000〜8
00,000の範囲内である。
【0040】上記界面活性剤構造を有する導電性ポリマ
ー(A成分)の原料(導電性ポリマーの原料モノマーと
界面活性剤との合計量)と、バインダーポリマー(B成
分)との混合比は、重量比で、A成分の原料/B成分=
1/99〜50/50の範囲内が好ましく、特に好まし
くはA成分の原料/B成分=4/96〜35/65の範
囲内である。すなわち、A成分の原料の重量比が1未満
であると、導電性への効果が少なく、逆にA成分の原料
の重量比が50を超えると、導電性ポリマーが固くて脆
くなりやすく、組成物としての物性が低下するからであ
る。
【0041】なお、本発明の導電性組成物には、上記A
成分およびB成分に加えて、イオン導電剤、電子導電
剤、架橋剤等を配合しても差し支えない。
【0042】上記イオン導電剤としては、例えば、第四
級アンモニウム塩、ホウ酸塩、界面活性剤〔上記界面活
性剤構造を有する導電性ポリマー(A成分)の、界面活
性剤構造を形成するために用いられる界面活性剤以外の
もの〕等があげられる。これらは単独でもしくは2種以
上併せて用いられる。
【0043】また、上記イオン導電剤の配合割合は、物
性や電気特性の点から、A成分の原料(原料モノマーと
界面活性剤との合計量)とB成分との合計100重量部
(以下「部」と略す)に対して、0.01〜5部の範囲
内が好ましく、特に好ましくは0.5〜2部の範囲内で
ある。
【0044】上記電子導電剤としては、例えば、カーボ
ンブラック、c−ZnO(導電性酸化亜鉛)、c−Ti
2 (導電性酸化チタン)、c−SnO2 (導電性酸化
錫)、グラファイト等があげられる。
【0045】また、上記電子導電剤の配合割合は、物性
や電気特性の点から、A成分の原料(原料モノマーと界
面活性剤との合計量)とB成分との合計100部に対し
て、1〜30部の範囲内が好ましく、特に好ましくは5
〜20部の範囲内である。
【0046】上記架橋剤としては、例えば、硫黄、イソ
シアネート、ブロックイソシアネート、メラミン等の尿
素樹脂、エポキシ硬化剤、ポリアミン硬化剤、ヒドロシ
リル架橋剤、パーオキサイド等があげられる。
【0047】また、上記架橋剤の配合割合は、物性、粘
着性、液保管性の点から、A成分の原料(原料モノマー
と界面活性剤との合計量)とB成分との合計100部に
対して、1〜30部の範囲内が好ましく、特に好ましく
は3〜10部の範囲内である。
【0048】なお、上記導電性組成物には、前記各成分
に加えて、架橋促進剤、触媒、老化防止剤、ドーパント
等を必要に応じて配合しても差し支えない。
【0049】上記架橋促進剤としては、例えば、スルフ
ェンアミド系架橋促進剤、ジチオカルバミン酸塩系架橋
促進剤、アミン類、有機錫系触媒等があげられる。
【0050】本発明の導電性組成物は、例えば、つぎの
ようにして製造することができる。すなわち、まず、前
述の方法に従い、界面活性剤構造を有する導電性ポリマ
ー(A成分)を作製する。つぎに、この界面活性剤構造
を有する導電性ポリマー(A成分)を、バインダーポリ
マー(B成分)に配合するとともに、必要に応じて、イ
オン導電剤、電子導電剤、架橋剤等を配合する。そし
て、これらをロール,ニーダー,バンバリーミキサー等
の混練機を用いて混練することにより、目的とする導電
性組成物を得ることができる。また、ロール等で混練し
た後に、水や溶剤等に溶解または分散させて、導電性組
成物(コーティング液)としても差し支えない。
【0051】なお、前述の方法に従い、界面活性剤構造
を有する導電性ポリマー(A成分)を作製するととも
に、この界面活性剤構造を有する導電性ポリマー(A成
分)を高剪断分散機を用いてバインダーポリマー(B成
分)中に分散させてもよい。このように高剪断分散機を
用いると、界面活性剤構造を有する導電性ポリマー(A
成分)の粒径がより小さくなり、バインダーポリマー
(B成分)中に均一に微分散するようになるため好まし
い。界面活性剤構造を有する導電性ポリマー(A成分)
の粒径(メジアン径)は、分散性の点から、1μm以下
が好ましい。
【0052】上記高剪断分散機としては、例えば、ガラ
ス,ジルコニア等のセラミックビーズを利用した高速ビ
ーズミルや、サンドミル、ボールミル、3本ロール、加
圧ニーダー、すりつぶし力を利用したコロイドミル等が
用いられる。
【0053】上記溶剤としては、例えば、m−クレゾー
ル、メタノール、メチルエチルケトン(MEK)、トル
エン等の有機溶剤等があげられる。
【0054】本発明の導電性組成物は、例えば、現像ロ
ール,帯電ロール,転写ロール,定着ロール,トナー供
給ロール,除電ロール,給紙ロール,搬送ロール,クリ
ーニングロール等のロール部材、現像ブレード,帯電ブ
レード,クリーニングブレード等のブレード部材、転写
ベルト,紙送りベルト等のベルト部材等の電子写真機器
用部材、もしくはこれらの電気特性を利用したセンサ
ー,静電防止材,アクチュエーター等の電子部材に用い
られる。
【0055】本発明の導電性組成物を用いた電子写真機
器用部材としては、例えば、現像ロール,帯電ロール,
転写ロール,定着ロール,トナー供給ロール,除電ロー
ル,給紙ロール,搬送ロール,クリーニングロール等の
ロール部材、現像ブレード,帯電ブレード,クリーニン
グブレード等のブレード部材、転写ベルト,紙送りベル
ト等のベルト部材等があげられる。そして、本発明の電
子写真機器用部材においては、中間層および表層の少な
くとも一方が、本発明の導電性組成物を用いて形成され
ていることが好ましい。
【0056】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0057】
【実施例1】アニリン1molと、界面活性剤である前
記式(2)で表されるポリオキシアルキレンアルキルエ
ーテルリン酸エステル(第一工業製薬社製、プライサー
フ215C)1molとを、酸化剤(過硫酸アンモニウ
ム)1molの存在下に酸化重合させた後、メタノール
で未反応物を取り除き、濾過をして水分をトルエンに置
換し、界面活性剤構造を有するポリアニリンを作製し
た。つぎに、バインダーポリマーであるポリメチルメタ
クリレート(住友化学社製、スミペックスLG6A、M
n:20000)80部を、溶剤(トルエン)500部
に溶解した後、上記界面活性剤構造を有するポリアニリ
ンを固形分で20部加え、3本ロールを用いて混練し、
導電性組成物を調製した。
【0058】
【実施例2】界面活性剤として、前記式(4)で表され
るジアルキルスルホコハク酸エステルナトリウム塩(第
一工業製薬社製、ネオコールSW−C)を用いる以外
は、実施例1と同様にして、界面活性剤構造を有するポ
リアニリンを作製した。そして、この界面活性剤構造を
有するポリアニリンを用いて、実施例1と同様にして、
導電性組成物を調製した。
【0059】
【実施例3】界面活性剤として、前記式(5)で表され
るポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテルサル
フェートアンモニウム塩(第一工業製薬社製、ハイテノ
ールNO8)を用いる以外は、実施例1と同様にして、
界面活性剤構造を有するポリアニリンを作製した。そし
て、この界面活性剤構造を有するポリアニリンを用い
て、実施例1と同様にして、導電性組成物を調製した。
【0060】
【実施例4】界面活性剤として、前記式(6)で表され
るアミドエーテルスルホン酸ナトリウム(日本油脂社
製、サンアミドCF3)を用いる以外は、実施例1と同
様にして、界面活性剤構造を有するポリアニリンを作製
した。そして、この界面活性剤構造を有するポリアニリ
ンを用いて、実施例1と同様にして、導電性組成物を調
製した。
【0061】
【実施例5】アニリン1molと、界面活性剤であるポ
リオキシアルキレンアルキルフェニルエーテルサルフェ
ートアンモニウム塩(第一工業製薬社製、ハイテノール
NO8)0.8molとを、酸化剤(過硫酸アンモニウ
ム)0.5molの存在下に酸化重合させた後、メタノ
ールで未反応物を取り除き、界面活性剤構造を有するポ
リアニリンを作製した。つぎに、バインダーポリマーで
ある可溶性ナイロン(帝国化学社製、トレジンEF30
T)80部を、メタノール400部と水100部とに溶
解した後、上記界面活性剤構造を有するポリアニリンを
固形分で20部加え、3本ロールを用いて混練し、導電
性組成物を調製した。
【0062】
【実施例6】アニリン1molと、界面活性剤であるポ
リオキシアルキレンアルキルフェニルエーテルサルフェ
ートアンモニウム塩(第一工業製薬社製、ハイテノール
NO8)0.8molとを、酸化剤(過硫酸アンモニウ
ム)0.5molの存在下に酸化重合させた後、メタノ
ールで未反応物を取り除き、濾過をしてメチルエチルケ
トン(MEK)と置換し、界面活性剤構造を有するポリ
アニリンを作製した。つぎに、バインダーポリマーであ
るポリウレタン(日本ミラクトラン社製、TPU)92
部を、メチルエチルケトン(MEK)500部に溶解し
た後、上記界面活性剤構造を有するポリアニリンを固形
分で8部加え、3本ロールを用いて混練し、導電性組成
物を調製した。
【0063】
【実施例7】アニリン1molと、界面活性剤であるポ
リオキシアルキレンアルキルフェニルエーテルサルフェ
ートアンモニウム塩(第一工業製薬社製、ハイテノール
NO8)0.8molとを、酸化剤(過硫酸アンモニウ
ム)0.5molの存在下に酸化重合させた後、メタノ
ールで未反応物を取り除き、濾過をして水分と未反応物
を溶媒〔MEK/トルエン=2/3(重量比)〕で置換
し、界面活性剤構造を有するポリアニリンを作製した。
つぎに、バインダーポリマーであるアクリルフッ素系樹
脂(大日本インキ化学工業社製、ディフェンサTR23
0K)80部を、メチルエチルケトン(MEK)200
部とトルエン300部に溶解した後、上記界面活性剤構
造を有するポリアニリンを固形分で20部加え、3本ロ
ールを用いて混練し、導電性組成物を調製した。
【0064】
【実施例8】実施例7と同様にして、界面活性剤構造を
有するポリアニリンを作製した。つぎに、バインダーポ
リマーであるH−NBR(日本ゼオン社製、ゼットポー
ル0020)を80部と、架橋剤である硫黄1部と、ス
ルフェンアミド系架橋促進剤(大内新興化学工業社製、
ノクセラーCZ)0.5部と、ジチオカルバミン酸塩系
架橋促進剤(大内新興化学工業社製、ノクセラーBZ)
0.5部とをロールを用いて混練し、これらをメチルエ
チルケトン(MEK)200部とトルエン300部に溶
解した後、上記界面活性剤構造を有するポリアニリンを
固形分で20部加え、3本ロールを用いて混練し、導電
性組成物を調製した。
【0065】
【実施例9】実施例7と同様にして、界面活性剤構造を
有するポリアニリンを作製した。つぎに、バインダーポ
リマーであるアクリルフッ素系樹脂(大日本インキ化学
工業社製、ディフェンサTR230K)を固形分で80
部と、導電剤であるアセチレンブラック(電気化学工業
社製、デンカブラックHS100)5部とを、メチルエ
チルケトン(MEK)200部とトルエン300部に溶
解した後、上記界面活性剤構造を有するポリアニリンを
固形分で15部加え、3本ロールを用いて混練し、導電
性組成物を調製した。
【0066】
【実施例10】アニリン1molと、界面活性剤である
ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテルサルフ
ェートアンモニウム塩(第一工業製薬社製、ハイテノー
ルNO8)0.3molとを、酸化剤(過硫酸アンモニ
ウム)0.5molの存在下に酸化重合させた後、メタ
ノールで未反応物を取り除き、濾過をして水分を溶媒
〔MEK/トルエン=2/3(重量比)〕で置換し、界
面活性剤構造を有するポリアニリンを作製した。つぎ
に、バインダーポリマーであるH−NBR(日本ゼオン
社製、ゼットポール0020)80部と、導電剤である
第四級アンモニウム塩(テトラブチルアンモニウムハイ
ドロゲンサルフェート:TBAHS)1部と、導電剤で
あるホウ酸カリウム塩(日本カーリット社製、LR14
7)1部と、架橋剤である硫黄1部と、スルフェンアミ
ド系架橋促進剤(大内新興化学工業社製、ノクセラーC
Z)0.5部と、ジチオカルバミン酸塩系架橋促進剤
(大内新興化学工業社製、ノクセラーBZ)0.5部と
をロールを用いて混練し、これらをメチルエチルケトン
(MEK)200部とトルエン300部に溶解した後、
上記界面活性剤構造を有するポリアニリンを固形分で1
8部加え、3本ロールを用いて混練し、導電性組成物を
調製した。
【0067】
【実施例11】ピロール1molと、界面活性剤とし
て、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテルサ
ルフェートアンモニウム塩(第一工業製薬社製、ハイテ
ノールNO8)0.8molとを、酸化剤(過硫酸アン
モニウム)0.5molの存在下に酸化重合させた後、
メタノールで未反応物を取り除き、濾過をして水分を溶
媒〔MEK/トルエン=2/3(重量比)〕で置換し、
界面活性剤構造を有するポリピロールを得た。つぎに、
バインダーポリマーであるH−NBR(日本ゼオン社
製、ゼットポール0020)80部と、架橋剤である硫
黄1部と、スルフェンアミド系架橋促進剤(大内新興化
学工業社製、ノクセラーCZ)0.5部と、ジチオカル
バミン酸塩系架橋促進剤(大内新興化学工業社製、ノク
セラーBZ)0.5部とをロールを用いて混練し、これ
らをメチルエチルケトン(MEK)200部とトルエン
300部に溶解した後、上記界面活性剤構造を有するポ
リピロールを固形分で20部加え、導電性組成物を調製
した。
【0068】
【実施例12】チオフェン1molと、界面活性剤とし
て、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテルサ
ルフェートアンモニウム塩(第一工業製薬社製、ハイテ
ノールNO8)0.8molとを、酸化剤(過硫酸アン
モニウム)0.5molの存在下に酸化重合させた後、
メタノールで未反応物を取り除き、濾過をして水分を溶
媒〔MEK/トルエン=2/3(重量比)〕で置換し、
界面活性剤構造を有するポリチオフェンを得た。つぎ
に、バインダーポリマーであるH−NBR(日本ゼオン
社製、ゼットポール0020)80部と、架橋剤である
硫黄1部と、スルフェンアミド系架橋促進剤(大内新興
化学工業社製、ノクセラーCZ)0.5部と、ジチオカ
ルバミン酸塩系架橋促進剤(大内新興化学工業社製、ノ
クセラーBZ)0.5部とをロールを用いて混練し、こ
れらをメチルエチルケトン(MEK)200部とトルエ
ン300部に溶解した後、上記界面活性剤構造を有する
ポリチオフェンを固形分で20部加え、導電性組成物を
調製した。
【0069】
【実施例13】アニリン1molと、前記一般式(1)
で表される界面活性剤(式中、R1 =ブチル基、R2
水素、n=2、m=3)1molとを、水溶液化した酸
化剤(過硫酸アンモニウム)1molを滴下しながら酸
化重合させ、界面活性剤構造を有するポリアニリンを得
た。つぎに、バインダーポリマーであるポリアミドイミ
ドのNMP(N−メチル−2−ピロリドン)15%溶液
(東洋紡績社製、バイロマックスHR16NN)の有効
成分(不揮発分)75部に、上記界面活性剤構造を有す
るポリアニリンの有効成分(不揮発分)25部を加え、
3本ロールを用いて混練し、導電性組成物を調製した。
【0070】
【比較例1】アニリン1molと、界面活性剤として、
下記の式(7)で表されるオレイルザルコシン酸(日本
油脂社製、オレイルザルコシン221P)0.8mol
とを、酸化剤(過硫酸アンモニウム)0.5molの存
在下に酸化重合させた後、メタノールで未反応物を取り
除き、濾過をして水分を除去し、界面活性剤構造を有す
るポリアニリンを作製した。つぎに、バインダーポリマ
ーであるH−NBR(日本ゼオン社製、ゼットポール0
020)80部と、架橋剤である硫黄1部と、スルフェ
ンアミド系架橋促進剤(大内新興化学工業社製、ノクセ
ラーCZ)0.5部と、ジチオカルバミン酸塩系架橋促
進剤(大内新興化学工業社製、ノクセラーBZ)0.5
部とをロールを用いて混練し、これらをメチルエチルケ
トン(MEK)200部とトルエン300部に溶解した
後、上記界面活性剤構造を有するポリアニリンを固形分
で20部加え、3本ロールを用いて混練し、導電性組成
物を調製した。
【0071】
【化8】
【0072】
【比較例2】バインダーポリマーであるH−NBR(日
本ゼオン社製、ゼットポール0020)92部と、導電
剤であるアセチレンブラック(電気化学工業社製、デン
カブラックHS100)8部と、架橋剤である硫黄1部
と、スルフェンアミド系架橋促進剤(大内新興化学工業
社製、ノクセラーCZ)0.5部と、ジチオカルバミン
酸塩系架橋促進剤(大内新興化学工業社製、ノクセラー
BZ)0.5部とをロールを用いて混練し、これらをメ
チルエチルケトン(MEK)200部とトルエン300
部に溶解した後、3本ロールを用いて混練し、導電性組
成物を調製した。
【0073】
【比較例3】バインダーポリマーであるアクリルフッ素
系樹脂(大日本インキ化学工業社製、ディフェンサTR
230K)98部と、導電剤である第四級アンモニウム
塩(テトラブチルアンモニウムハイドロゲンサルフェー
ト:TBAHS)1部と、導電剤であるホウ酸カリウム
塩(日本カーリット社製、LR147)1部とをロール
を用いて混練し、これらをメチルエチルケトン(ME
K)200部とトルエン300部に溶解した後、3本ロ
ールを用いて混練し、導電性組成物を調製した。
【0074】
【比較例4】界面活性剤として、高級アルコール硫酸エ
ステルナトリウム塩(第一工業製薬社製、モノゲンY5
00)を用いる以外は、実施例1と同様にして、界面活
性剤構造を有するポリアニリンを作製した。そして、こ
の界面活性剤構造を有するポリアニリンを用いて、実施
例1と同様にして、導電性組成物を調製した。
【0075】
【比較例5】バインダーポリマーであるポリメチルメタ
クリレート(住友化学社製、スミペックスLG6A、M
n:20000)92部と、導電剤であるアセチレンブ
ラック(電気化学工業社製、デンカブラックHS10
0)8部をロールを用いて混練し、これらをメチルエチ
ルケトン(MEK)200部とトルエン300部に溶解
した後、3本ロールを用いて混練し、導電性組成物を調
製した。
【0076】このようにして得られた実施例品および比
較例品について、下記の基準に従い、各特性の評価を行
った。これらの結果を、後記の表1〜表3に併せて示し
た。
【0077】〔溶解性〕界面活性剤構造を有する導電性
ポリマーの界面活性剤構造を形成するために用いられる
界面活性剤の、メチルエチルケトン(MEK)およびト
ルエンに対する溶解性をそれぞれ評価した。評価は、M
EK等に溶解した界面活性剤の濃度が3重量%以上のも
のを○、3重量%未満のものを×とした。
【0078】〔溶解性〕界面活性剤構造を有する導電性
ポリマーの界面活性剤構造を形成するために用いられる
界面活性剤の、水に対する溶解性を評価した。評価は、
界面活性剤が水に3%以上の溶解性を示すか、もしくは
水中でミセル分散状態を10時間以上保持するものを
○、界面活性剤の水に対する溶解性が3%未満である
か、もしくは水中でのミセル分散状態の保持時間が10
時間未満のものを×とした。
【0079】〔安定性〕導電性組成物のバインダーポリ
マー中での、界面活性剤構造を有する導電性ポリマーの
10時間後の安定性を目視評価した。評価は、溶媒に溶
かしたバインダーポリマー中での界面活性剤構造を有す
る導電性ポリマーの安定性が悪く、分離したり、50μ
m以上の凝集をするものを×、バインダーポリマー中で
の界面活性剤構造を有する導電性ポリマーの安定性が良
く、50μm以上の凝集をしないものを○とした。な
お、凝集の評価は、つぶゲージ法(JIS K544
0)に準じて行った。
【0080】〔初期および経時の電気抵抗〕導電性組成
物をガラス板上に塗布して、厚み20μmの導電性塗膜
を作製した。そして、50℃×95%RHの環境下にお
いて、10Vの電圧を印加した時の導電性塗膜の初期の
電気抵抗、および30日後の経時の電気抵抗を、SRI
S2304に準じてそれぞれ測定した。
【0081】〔環境依存性〕上記電気抵抗の評価に準じ
て、導電性塗膜(厚み20μm)の低温低湿(15℃×
10%RH)時の電気抵抗と、高温高湿(35℃×85
%RH)時の電気抵抗をそれぞれ測定し、電気抵抗の差
を変動桁数で示した。なお、この時の印加電圧は10V
である。
【0082】〔電圧依存性〕上記電気抵抗の評価に準じ
て、25℃×50%RHの環境下、導電性塗膜(厚み2
0μm)の0.1V電圧印加時の電気抵抗と、100V
電圧印加時の電気抵抗をそれぞれ測定し、電気抵抗の差
を変動桁数で示した。
【0083】
【表1】
【0084】
【表2】
【0085】
【表3】
【0086】上記結果から、全実施例品は、界面活性剤
構造を有する導電性ポリマーと、バインダーポリマーと
を組み合わせて用いているため、環境依存性および電圧
依存性の双方の特性に優れ、しかも電気抵抗が小さいこ
とがわかる。しかも、全実施例品は、特定の溶解性を示
す界面活性剤構造を用いているため、安定性に優れ、経
時の電気抵抗も良好であることがわかる。
【0087】これに対して、比較例1,4品は、界面活
性剤構造を有する導電性ポリマーと、バインダーポリマ
ーとを組み合わせて用いているため、環境依存性および
電圧依存性の双方の特性に優れ、しかも電気抵抗が小さ
い。しかし、界面活性剤構造を有する導電性ポリマー
の、界面活性剤構造を形成するために用いられる界面活
性剤が、所定の溶解性を示すものではない。特に、比較
例4品は、バインダーポリマー中で、界面活性剤構造を
有する導電性ポリマーが凝集して安定性が悪いため、電
気抵抗の電圧依存性が悪い。また、比較例1品は、界面
活性剤がカルボン酸であり、イオン結合力が弱いため、
保管後経時とともに電気抵抗が大きくなることがわか
る。また、比較例2,5品は、電子導電剤を用いている
ため、環境依存性に優れているが、バインダーポリマー
中に分散している電子導電剤の粒径が大きく、電子導電
剤がバインダーポリマー中で均一に分散していないた
め、電圧依存性に劣ることがわかる。比較例3品は、イ
オン導電剤を用いているため、電圧依存性に優れている
が、環境依存性に劣ることがわかる。
【0088】
【実施例14】実施例10と同様にして、界面活性剤構
造を有するポリアニリンを作製した。ついで、このポリ
アニリンの固形分5部を、ポリエーテルポリオール(三
洋化成社製、FA718)90部に混合し、水分と溶剤
分を揮発させた後、ポリマーポリオール(三井化学社
製、POP31−28)10部と、第三級アミン触媒
(花王社製、カオライザーNo.31)0.5部と、第
三級アミン触媒(東ソー社製、トヨキャットHX−3
5)0.05部と、発泡剤(水)2部と、シリコーン系
整泡剤(日本ユニカー社製、L−5309)2部と、ク
ルードMDI(住友バイエルウレタン社製、スミジュー
ル44V20)8.8部と、トリレンジイソシアネート
(三井化学社製、TDI−80)20.5部と、ホウ酸
カリウム塩(日本カーリット社製、LR147)1部と
を配合して、ポリウレタン原料を調製した。つぎに、予
め準備した成形型(円筒型)内に、軸体となる芯金(直
径5mm、SUS304製)をセットした後、成形キャ
ビティ内に上記ポリウレタン原料を注入し、これを発泡
硬化させた。その後、脱型して、軸体の外周面に沿って
ウレタンフォーム層(厚み4mm)が形成されてなるト
ナー供給ロールを作製した。
【0089】
【実施例15】〔ベース層用材料の調製〕 (シリカ処理済みカーボンブラックの作製)カーボンブ
ラック(三菱化学社製、ダイアブラック♯3030)を
500部計り取り、メタノールと水の混合溶液〔メタノ
ール:水=1:9(重量比)〕1000部で湿潤させ、
さらに4000部の水を加え、スチールボールを充填し
たアトライターで均一で粘稠なスラリーになるまで充分
に分散させた。つぎに、スラリーを篩を通してスチール
ボールと分離し、水10,000部に相当する容量まで
希釈した。そして、スラリーを90℃に加熱した後、水
酸化ナトリウム溶液の添加により、pHを10.0に調
節した。つぎに2種類の溶液を別個に調製した。 (イ)3号けい酸ナトリウム溶液83.3部を水100
0部に相当する容量まで水で希釈した。 (ロ)2.50%硫酸溶液を500部 その後、上記pHを10.0に調節したスラリーに、
(イ)の希釈けい酸ナトリウム溶液50部を30秒以内
で加え、スラリーのpHを11.0に調節した。このp
Hに保ったまま10分間攪拌を続けた後、(ロ)の硫酸
溶液50部を30秒以内で加え、スラリーのpHを8.
5に調節した。この添加方法を20回繰り返し、
(イ)、(ロ)の両液を添加し終えた。さらに1時間攪
拌を続け、希硫酸を加えpHを6.5〜7.0に調節し
た。スラリーを濾過し、可溶性塩がなくなるまで洗浄し
乾燥することにより、目的とするシリカ処理済みカーボ
ンブラック(Si含有量5.0重量%)を得た。
【0090】つぎに、両末端にビニル基を有するポリジ
メチルシロキサン(アヅマックス社製、DMS−V3
1)〔粘度:1000mPa・S/25℃〕100部
と、上記のシリカ処理済みカーボンブラック10部と、
ヒドロシリル硬化剤(東芝シリコーン社製、TSF48
4)5部と、ヒドロシリル化触媒〔白金カルボニル錯体
(アヅマックス社製、SIP 6829.0)〕30p
pmと、アセチレンアルコール〔3,5−ジメチル−1
−ヘキシン−3−オール(DMHO)〕0.05部を、
ロールを用いて混練して、液状ポリマー組成物を調製し
た。
【0091】〔中間層用材料の調製〕実施例12と同様
にして、導電性組成物を調製した。
【0092】〔表層用材料の調製〕実施例1と同様にし
て、導電性組成物を調製した。
【0093】〔現像ロールの作製〕軸体である芯金(直
径10mm、SUS304製)をセットした射出成形用
金型内に、上記ベースゴム層用材料を注型し、150℃
×45分の条件で加熱した後、脱型して、軸体の外周面
に沿ってベースゴム層(厚み5mm)を形成した。つい
で、上記中間層用材料を上記ベースゴム層の外周面に塗
布して、厚み50μmの中間層を形成した。さらに、上
記表層用材料を上記中間層の表面に塗布して表層(厚み
20μm)を形成し、軸体の外周面にベースゴム層が形
成され、その外周面に中間層が形成され、さらにその外
周面に表層が形成されてなる現像ロールを作製した。
【0094】
【実施例16】〔ベース層用材料の調製〕実施例15の
ベース層用材料と同様にして、液状ポリマー組成物を調
製した。
【0095】〔中間層用材料の調製〕バインダーポリマ
ーであるH−NBR(日本ゼオン社製、ゼットポール0
020)100部と、実施例15のベース層用材料で用
いたシリカ処理済みカーボンブラック35部と、架橋剤
である硫黄1部と、スルフェンアミド系架橋促進剤(大
内新興化学工業社製、ノクセラーCZ)0.5部と、ジ
チオカルバミン酸塩系架橋促進剤(大内新興化学工業社
製、ノクセラーBZ)0.5部とをロールを用いて混練
し、これらをメチルエチルケトン(MEK)200部と
トルエン300部に溶解した後、3本ロールを用いて混
練し、導電性組成物を調製した。
【0096】〔表層用材料の調製〕実施例9と同様にし
て、導電性組成物を調製した。
【0097】〔帯電ロールの作製〕軸体である芯金(直
径10mm、SUS304製)をセットした射出成形用
金型内に、上記ベースゴム層用材料を注型し、150℃
×45分の条件で加熱した後、脱型して、軸体の外周面
に沿ってベースゴム層(厚み3mm)を形成した。つい
で、上記中間層用材料を上記ベースゴム層の外周面に塗
布して、厚み30μmの中間層を形成した。さらに、上
記表層用材料を上記中間層の表面に塗布して表層(厚み
10μm)を形成し、軸体の外周面にベースゴム層が形
成され、その外周面に中間層が形成され、さらにその外
周面に表層が形成されてなる帯電ロールを作製した。
【0098】
【実施例17】実施例6と同様にして、導電性組成物を
調製した。そして、この導電性組成物を、円筒状軸体が
配設されたロール成形用金型に注型して、単層構造の給
紙ロール(厚み4mm)を作製した。
【0099】
【実施例18】〔ベース層用材料の調製〕実施例6と同
様にして、導電性組成物を調製した。
【0100】〔中間層用材料の調製〕実施例5と同様に
して、導電性組成物を調製した。
【0101】〔表層用材料の調製〕実施例7と同様にし
て、導電性組成物を調製した。
【0102】〔中間転写ベルトの作製〕上記各材料を用
いて、厚み200μmのベース層と、厚み50μmの中
間層と、厚み50μmの表層とからなる、3層構造の中
間転写ベルト(無端ベルト)を作製した。
【0103】
【実施例19】〔ベース層用材料の調製〕実施例6と同
様にして、導電性組成物を調製した。
【0104】〔中間層用材料の調製〕実施例13と同様
にして、導電性組成物を調製した。
【0105】〔表層用材料の調製〕実施例7と同様にし
て、導電性組成物を調製した。
【0106】〔中間転写ベルトの作製〕上記各材料を用
いて、厚み50μmのベース層と、厚み200μmの中
間層と、厚み20μmの表層とからなる、3層構造の中
間転写ベルト(無端ベルト)を作製した。
【0107】
【比較例6】〔中間層用材料の調製〕比較例2と同様に
して、導電性組成物を調製した。
【0108】〔表層用材料の調製〕比較例5と同様にし
て、導電性組成物を調製した。
【0109】〔現像ロールの作製〕上記中間層用材料お
よび表層用材料を、それぞれ上記のように変更する以外
は、実施例15と同様にして、現像ロールを作製した。
【0110】
【比較例7】〔中間層用材料の調製〕比較例2と同様に
して、導電性組成物を調製した。
【0111】〔表層用材料の調製〕比較例3と同様にし
て、導電性組成物を調製した。
【0112】〔帯電ロールの作製〕上記中間層用材料お
よび表層用材料を、それぞれ上記のように変更する以外
は、実施例16と同様にして、帯電ロールを作製した。
【0113】
【比較例8】界面活性剤構造を有するポリアニリンを配
合しない以外は、実施例14と同様にして、トナー供給
ロールを作製した。
【0114】
【比較例9】〔ベース層用材料の調製〕バインダーポリ
マーであるポリウレタン(日本ミラクトラン社製、TP
U)95部と、導電剤であるアセチレンブラック(電気
化学工業社製、デンカブラックHS100)5部をロー
ルを用いて混練し、これらをメチルエチルケトン(ME
K)500部に溶解した後、3本ロールを用いて混練
し、導電性組成物を調製した。
【0115】〔中間層用材料の調製〕バインダーポリマ
ーである可溶性ナイロン(帝国化学社製、トレジンEF
30T)95部と、導電剤であるアセチレンブラック
(電気化学工業社製、デンカブラックHS100)5部
を、メタノール400部と水100部とに溶解した後、
3本ロールを用いて混練し、導電性組成物を調製した。
【0116】〔表層用材料の調製〕比較例3と同様にし
て、導電性組成物を調製した。
【0117】〔中間転写ベルトの作製〕上記各材料を用
いる以外は、実施例18と同様にして、3層構造の中間
転写ベルト(無端ベルト)を作製した。
【0118】このようにして得られた実施例品および比
較例品の各ロールを用いて、下記の基準に従い、各特性
の評価を行った。これらの結果を、後記の表4および表
5に併せて示した。
【0119】〔電気抵抗〕金属ロール電極法により、電
気抵抗を測定した。すなわち、ステンレス製の金属ロー
ル上に、各ロールを接触させ、各ロールの両端を荷重7
00gで押圧し、この状態で上記各ロールの一端に10
0Vの電圧を印加してロールの電気抵抗を測定した。な
お、中間転写ベルトについては、中間転写ベルトの内側
および外側にステンレス製の金属ロールを、それぞれ荷
重700gで押圧し、上記ロールと同様にして、電気抵
抗を測定した。
【0120】〔環境依存性〕上記電気抵抗の評価に準じ
て、低温低湿(15℃×10%RH)時の電気抵抗と、
高温高湿(35℃×85%RH)時の電気抵抗をそれぞ
れ測定し、電気抵抗の差を変動桁数で示した。なお、こ
の時の印加電圧は10Vである。
【0121】〔電圧依存性〕上記電気抵抗の評価に準じ
て、25℃×50%RHの環境下、0.1V電圧印加時
の電気抵抗と、100V電圧印加時の電気抵抗をそれぞ
れ測定し、電気抵抗の差を変動桁数で示した。
【0122】〔トナー供給耐久性〕トナー供給ロールを
市販のプリンターに組み込み、5000枚プリントした
後のトナー供給ロールの状態を観察した。そして、トナ
ーの詰まりがなく、画像への影響がないものを○、トナ
ーの詰まりがあり、べた黒画像の濃度がマクベス濃度で
1.25以下になったものを×として評価した。
【0123】〔現像特性〕現像ロールを市販のプリンタ
ー(キャノン社製、LBP2810)に組み込み1週間
放置した後、低温低湿(15℃×10%RH)、常温常
湿(25℃×50%RH)、高温高湿(35℃×85%
RH)下で文字画像をプリントして、画像を目視評価し
た。そして、細線の途切れがなく、画像のかすれが見ら
れないものを○、細線の途切れがあり、画像のかすれが
見られるものを×として評価した。
【0124】〔帯電特性〕上記現像特性に準じて、ハー
フトーンの画像を目視評価した。そして、画像にすじ、
黒斑点、白ぬけがあるものを×、ないものを○として評
価した。
【0125】〔給紙特性〕給紙ロールを市販のプリンタ
ー(キャノン社製、LBP2810)に組み込み、帯電
した紙粉による付着で摩擦係数が30%以上低下したも
のを×、摩擦係数の変化量が30%未満のものを○とし
た。
【0126】〔転写特性〕中間転写ベルト(無端ベル
ト)を市販のフルカラー複写機に組み込み、80g/m
2 紙にベタ画像の画出しを行った。画出しをする環境
は、10℃×20%RH、25℃×50%RH、35℃
×85%RHの3環境で行った。評価は、3環境とも濃
度むらがなく、均一な画像が得られたものを○、いずれ
かの環境で濃度むらが発生するものを×とした。
【0127】
【表4】
【0128】
【表5】
【0129】上記結果から、実施例品は、トナー供給耐
久性、現像特性、帯電特性、給紙特性、転写特性が優れ
ていることがわかる。
【0130】これに対して、比較例6品は現像特性が劣
り、比較例7品は帯電特性が劣り、比較例8品はトナー
供給耐久性が劣り、比較例9品は転写特性が劣ることが
わかる。
【0131】
【発明の効果】以上のように、本発明の導電性組成物
は、界面活性剤構造を有する導電性ポリマーと、バイン
ダーポリマーとを含有するものである。そのため、特殊
な導電性ポリマーが、バインダーポリマー中に分散また
は溶解して特殊な導電性ポリマーとバインダーポリマー
との複合体からなるポリマーアロイを形成し、電気抵抗
の電圧依存性に優れるというイオン導電剤の利点と、電
気抵抗の環境依存性に優れるという電子導電剤の利点と
の双方の特性を備え、しかも電気抵抗のばらつきが小さ
く、低電気抵抗化が可能であるという優れた効果を奏す
る。そのうえ、上記界面活性剤構造を有する導電性ポリ
マーの、界面活性剤構造を形成するために用いられる界
面活性剤が、所定の溶解性を示すものであるため、バイ
ンダーポリマー中で、界面活性剤構造を有する導電性ポ
リマーが、凝集することなく安定に存在し、経時の電気
抵抗も良好になる。
【0132】また、上記界面活性剤構造を形成するため
に用いられる界面活性剤が、分子構造中に、スルホン酸
基またはリン酸エステル構造を有するものであると、導
電性ポリマーのドーパントとしての役割を果たし、導電
性がさらに良好となる。さらにまた、上記界面活性剤構
造を形成するために用いられる界面活性剤が、分子構造
中に、エーテル構造とともに、スルホン酸基またはリン
酸エステル構造を有するものであると、電気的な安定性
がより一層良好となる。
【0133】さらに、上記界面活性剤構造を形成するた
めに用いられる界面活性剤が、分子構造中に、アルキレ
ンエーテルの繰り返し構造を有するものであると、界面
活性剤構造を有する導電性ポリマーと、バインダーポリ
マーとの相溶性が向上し、導電性組成物の調製が容易と
なる。
【0134】さらにまた、上記アルキレンエーテルの繰
り返し構造(n)が特定の範囲内のものであると、界面
活性剤構造を有する導電性ポリマーと、溶剤やバインダ
ーポリマーとの相溶性がさらに向上し、導電性組成物の
調製がさらに容易となる。
【0135】そして、本発明の導電性組成物を電子写真
機器用部材、例えば、現像ロールの電極層、表層等とし
て用いた場合、画質が良好で、環境の変化が大きい場合
でも画質への影響が少なく、品質の安定性に優れてい
る。また、軸体(芯金)に導電性組成物をコーティング
して電極層や表層を形成する場合、従来の電子導電剤を
用いた場合のように膜厚を制御する必要がなく、しかも
本発明の導電性組成物は安定なため、膜厚の製品特性へ
の影響が少なくなる。また、本発明の導電性組成物は、
印加電圧による電気抵抗を一定に制御できるため、例え
ば、現像ロールではトナー層形成性、帯電性を安定化す
ることができ、帯電部材では感光体との間での電流制御
を安定化でき、転写部材でも感光体上のトナーの転写は
電圧の制御により行われることから転写性能を安定化で
きる。さらには、この様な電気特性の差を利用したセン
サー材料、アクチュエータ等の電流制御素子としても効
果的である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 15/08 501 G03G 15/08 501D 4J002 504 504D 15/16 15/16 103 103 21/06 21/00 312 21/10 318 340 Fターム(参考) 2H035 AA15 2H077 AC04 AD06 AD13 FA12 FA16 FA22 FA25 GA02 2H134 GA01 GB02 HA17 HA18 HD19 HD20 KD04 KD06 KD08 KD12 KD16 KE01 KH04 2H171 FA26 FA27 FA30 GA24 TA02 UA03 UA05 UA10 UA22 UA30 VA02 VA04 VA06 XA02 XA03 XA06 2H200 FA01 GB03 HA02 HB12 HB22 HB45 HB46 HB47 JA02 JA25 JA26 JA27 JB06 JB45 JB46 JB47 JC03 JC15 JC16 JC17 MA03 MA04 MA13 MA14 MA17 MA20 MB01 MB06 MB08 MB09 MC05 4J002 AC011 AC031 AC061 AC071 AC081 AC091 AC111 BB151 BB271 BD141 BG021 BG041 BG051 BG061 BG071 BM002 CD011 CD051 CD061 CD121 CD131 CE002 CH041 CH052 CK021 CK031 CK041 CK051 CL091 CM041 CN022 EV256 FD102 FD106 FD110 FD140 GQ02

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の(A)および(B)を必須成分と
    する導電性組成物であって、(A)の界面活性剤構造を
    形成するために用いられる界面活性剤が、トルエンまた
    はメチルエチルケトンに3%以上の溶解性を示し、か
    つ、水に3%以上の溶解性を示すか、もしくは水中でミ
    セル分散状態を10時間以上保持するものであることを
    特徴とする導電性組成物。 (A)界面活性剤構造を有する導電性ポリマー。 (B)バインダーポリマー。
  2. 【請求項2】 上記(A)の界面活性剤構造を形成する
    ために用いられる界面活性剤が、分子構造中に、スルホ
    ン酸基またはリン酸エステル構造を有するものである請
    求項1記載の導電性組成物。
  3. 【請求項3】 上記(A)の界面活性剤構造を形成する
    ために用いられる界面活性剤が、分子構造中に、エーテ
    ル構造とともに、スルホン酸基またはリン酸エステル構
    造を有するものである請求項1または2記載の導電性組
    成物。
  4. 【請求項4】 上記エーテル構造が、アルキレンエーテ
    ルの繰り返し構造である請求項3記載の記載の導電性組
    成物。
  5. 【請求項5】 上記アルキレンエーテルの繰り返し構造
    (n)が、n=1〜30である請求項4記載の導電性組
    成物。
  6. 【請求項6】 上記(A)の界面活性剤構造を形成する
    ために用いられる界面活性剤が、ポリオキシアルキレン
    アルキルエーテルリン酸エステル、ジアルキルスルホコ
    ハク酸エステルナトリウム塩、ポリオキシアルキレンア
    ルキルフェニルエーテルサルフェートアンモニウム塩、
    およびアミドエーテルスルホン酸ナトリウムからなる群
    から選ばれた少なくとも一つである請求項1〜5のいず
    れか一項に記載の導電性組成物。
  7. 【請求項7】 上記(A)の界面活性剤構造を形成する
    ために用いられる界面活性剤が、下記の一般式(1)で
    表されるものである請求項1〜5のいずれか一項に記載
    の導電性組成物。 【化1】
  8. 【請求項8】 上記(B)のバインダーポリマーが、ア
    クリル系樹脂、ウレタン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリア
    ミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレ
    ア系樹脂、ゴム系ポリマー、および熱可塑性エラストマ
    ーからなる群から選ばれた少なくとも一つである請求項
    1〜7のいずれか一項に記載の導電性組成物。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか一項に記載の導
    電性組成物を用いたことを特徴とする電子写真機器用部
    材。
  10. 【請求項10】 上記電子写真機器用部材が中間層もし
    くは表層を備え、上記中間層および表層の少なくとも一
    方が、請求項1〜8のいずれか一項に記載の導電性組成
    物を用いて形成されている請求項9記載の電子写真機器
    用部材。
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