JP2003342364A - 解体性樹脂およびそれを含む解体性樹脂組成物 - Google Patents

解体性樹脂およびそれを含む解体性樹脂組成物

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JP2003342364A JP2002150199A JP2002150199A JP2003342364A JP 2003342364 A JP2003342364 A JP 2003342364A JP 2002150199 A JP2002150199 A JP 2002150199A JP 2002150199 A JP2002150199 A JP 2002150199A JP 2003342364 A JP2003342364 A JP 2003342364A
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isocyanate group
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Kazuo Suga
和生 菅
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Yokohama Rubber Co Ltd
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Yokohama Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた表面硬化性、貯蔵安定性、実使用に耐え
る接着性を損わず、耐熱性に極めて優れる、硬化後に加
熱することにより容易に解体できる解体性樹脂および、
それを含む解体性樹脂組成物の提供。 【解決手段】カルボン酸金属塩とイソシアネート基の比
率(COOM:NCO)が3:97〜30:70であ
る、カルボン酸金属塩とイソシアネート基を有する解体
性樹脂、および、アルコール金属塩とイソシアネート基
の比率(OM:NCO)が3:97〜30:70であ
る、アルコール金属塩とイソシアネート基を有する解体
性樹脂、ならびに、これらの樹脂を含有する解体性樹脂
組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硬化後に加熱する
ことにより容易に解体できる解体性樹脂およびそれを含
む解体性樹脂組成物に関し、特に、優れた表面硬化性、
貯蔵安定性、接着性を損わず、耐熱性に極めて優れる解
体性樹脂およびそれを含む解体性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、環境にやさしく、コストも低減で
きる点から、様々な分野でリサイクルが要求されてい
る。接着剤、シーラント、防水材、塗料、発泡体等に広
く用いられる、イソシアネート基の湿気硬化による硬化
性樹脂(例えば、硬化性ウレタン樹脂)もまた、これら
の樹脂特性を維持したまま液状化と硬化を繰り返すこと
ができれば、一旦接着させた部材同士の分解や、補強材
等の取り外し等を容易に行うことができる点で非常に有
用である。しかし、例えば、従来の硬化性ウレタン樹脂
は、ポリエーテルポリオール系、ポリエステルポリオー
ル系、ポリマーポリオール系等のポリオールとポリイソ
シアネートとを反応させることにより製造され、これら
のウレタン結合は比較的安定であり、200℃超に加熱
することにより、青酸等の有毒ガスを発生しながら分解
することが知られている。そのため、解体作業の安全
性、作業性等の観点から従来は、ウレタン特性を維持し
たまま、硬化性ウレタン樹脂を液状化し、解体すること
は困難であった。
【0003】一方、生分解性組成物についても、研究が
行われており、例えば、脂肪族ポリエステルに、多価イ
ソシアナート化合物を添加し反応させて得られた、少量
のウレタン結合を含む高分子量脂肪族ポリエステルを含
有する組成物が、特開平9−25406号公報に記載さ
れている。しかし、該技術は、蔗糖由来のポリエステル
部分を分解するものであり、ポリエステル部分は、一般
に耐水性、耐水接着性等に劣るため、建築用、自動車
用、航空機用の接着剤、シーラント、防水材、塗料、発
泡体等には適していない。また、一般に、分解性組成物
は、接着性に劣り、実使用に耐えるような優れた接着
性、耐熱性を有しない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、優れた表面
硬化性、貯蔵安定性、実使用に耐える接着性を損わず、
耐熱性に極めて優れる、硬化後に加熱することにより容
易に解体できる解体性樹脂を提供することを目的とす
る。また、本発明は、優れた表面硬化性、貯蔵安定性、
実使用に耐える接着性を損わず、耐熱性に極めて優れ
る、硬化後に加熱することにより容易に解体できる解体
性樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、加熱によ
り容易に解体できる樹脂等について鋭意検討した結果、
樹脂の末端にカルボン酸金属塩とイソシアネート基を持
つ樹脂の硬化物が加熱により軟化すること、これらの塩
と基を特定の比率にすると、表面硬化性、貯蔵安定性、
接着性等の物性に優れ、解体性とバランスよく両立でき
ることを知見した。さらに、カルボン酸金属塩を導入す
ると、上記特性を損うことなく、解体性樹脂の熱安定性
および硬化物の熱安定性(本明細書において、単に「耐
熱性」という)に極めて優れることを見出した。本発明
は上記知見を基になされたものである。なお、本発明で
「解体」とは、イソシアネート基由来の架橋結合は解離
せず、硬化物の一部の結合が加熱により解離して硬化物
が軟化または液状化することである。
【0006】すなわち、本発明は、以下の(1)〜(1
0)に記載の発明を提供する。 (1)カルボン酸金属塩とイソシアネート基の比率(C
OOM:NCO)が3:97〜30:70である、カル
ボン酸金属塩とイソシアネート基を有する解体性樹脂。
カルボン酸金属塩とイソシアネート基の比率がこの範囲
であれば、表面硬化性、貯蔵安定性、接着性等の物性に
優れ、解体性とのバランスを高い水準で両立でき、耐熱
性に極めて優れる。該比は好ましくは、3:97〜2
5:75であり、特に好ましくは、5:95〜20:8
0である。ここで、カルボン酸金属塩は、イオン結合を
形成していてもよく、配位結合を形成していてもよく、
その両方を形成していてもよい。 (2)カルボン酸金属塩とイソシアネート基を有する樹
脂であって、カルボン酸金属塩とイソシアネート基の比
率(COOM:NCO)が3:97〜30:70であ
り、前記樹脂の硬化物を、加熱することにより軟化また
は液状化させて解体できることを特徴とする解体性樹
脂。
【0007】(3)前記カルボン酸金属塩の金属Mが、
Al、Ti、ZrおよびHfからなる群より選択される
1種以上である、前記(1)または(2)に記載の解体
性樹脂。ここで、前記金属は、TiまたはZrが好まし
い。 (4)前記解体性樹脂の主鎖(骨格)が、ポリエーテル
ポリオールである、(1)〜(3)のいずれかに記載の
解体性樹脂。主鎖がポリエーテルポリオールであれば、
耐候性等が向上し、耐水接着性、耐熱接着性に特に優
れ、建築用、自動車用、航空機用の接着剤、シーラン
ト、防水材、塗料、発泡体等に好適である。
【0008】(5)I)ポリエーテルポリオールに、該
ポリエーテルポリオールの末端水酸基の3〜30モル%
と等モルの無水カルボン酸を反応させ、 II)生成するカルボキシ基1当量に対して、1当量の
金属化合物を反応させ、 III)次いで、前記反応物に、該ポリエーテルポリオ
ールの末端水酸基の97〜70モル%と等モルのポリイ
ソシアネート化合物を反応させて得られる、(4)に記
載の解体性樹脂。前記金属化合物は、金属アルコキシ
ド、金属トリフラートまたはハロゲン化金属であるのが
好ましく、その金属は、Al、Ti、ZrおよびHfか
らなる群より選択される1種以上であるのが好ましく、
TiまたはZrがであるのが特に好ましい。ここで、前
記無水カルボン酸は二塩基酸であり、前記ポリイソシア
ネート化合物はジイソシアネート化合物であるのが、カ
ルボン酸金属塩とイソシアネート基の比率調整が容易で
ある点で好ましい。前記カルボン酸金属塩は、イオン結
合を形成していてもよく、配位結合を形成していてもよ
く、その両方を形成していてもよい。また、金属アルコ
キシド、金属トリフラートまたはハロゲン化金属は、本
発明の効果を奏する限り、その全てがカルボキシ基と反
応せず、金属アルコキシド等に由来するアルコキシ基ま
たはハロゲン原子が一部残存していてもよい。
【0009】(6)前記ポリエーテルポリオールが、ポ
リオキシプロピレングリコールまたはポリテトラメチレ
ンエーテルグリコールである、(4)または(5)に記
載の解体性樹脂。 (7)前記ポリエーテルポリオールの数平均分子量が、
400〜8,000である、(4)〜(6)のいずれか
に記載の解体性樹脂。この範囲であれば、作業性、硬化
物の物性に優れ、低温で硬化物を解体できる。
【0010】(8)前記(1)〜(7)のいずれかに記
載の解体性樹脂を含有する解体性樹脂組成物。
【0011】(9)前記(1)〜(7)のいずれかに記
載の解体性樹脂を湿気硬化させてなる硬化物を、170
〜180℃に加熱することにより、軟化または液状化さ
せて、解体することを特徴とする解体性樹脂の解体方
法。 (10)前記(8)に記載の解体性樹脂組成物を湿気硬
化させてなる硬化物を、170〜180℃に加熱するこ
とにより、軟化または液状化させて、解体することを特
徴とする解体性樹脂組成物の解体方法。
【0012】また、本発明者らは、同様に鋭意検討した
結果、樹脂の末端にアルコール金属塩とイソシアネート
基を持つ樹脂が加熱により軟化すること、これらの塩と
基を特定の比率にすると、表面硬化性、貯蔵安定性、接
着性等の物性に優れ、解体性とバランスよく両立できる
ことを知見した。さらに、アルコール金属塩を導入する
と、上記特性を損うことなく、耐熱性に極めて優れるこ
とを見出した。本発明は上記知見を基になされたもので
ある。
【0013】すなわち、本発明は、以下の(11)〜
(20)に記載の発明を提供する。 (11)アルコール金属塩とイソシアネート基の比率
(OM:NCO)が3:97〜30:70である、アル
コール金属塩とイソシアネート基を有する解体性樹脂。
アルコール金属塩とイソシアネート基の比率がこの範囲
であれば、表面硬化性、貯蔵安定性、接着性等の物性に
優れ、解体性とのバランスを高い水準で両立でき、耐熱
性に極めて優れる。該比は好ましくは、3:97〜2
5:75であり、特に好ましくは、5:95〜20:8
0である。ここで、アルコール金属塩は、イオン結合を
形成していてもよく、配位結合を形成していてもよく、
その両方を形成していてもよい。 (12)アルコール金属塩とイソシアネート基を有する
樹脂であって、アルコール金属塩とイソシアネート基の
比率(OM:NCO)が3:97〜30:70であり、
前記樹脂の硬化物を、加熱することにより軟化または液
状化させて解体できることを特徴とする解体性樹脂。
【0014】(13)前記アルコール金属塩の金属M
が、Al、Ti、ZrおよびHfからなる群より選択さ
れる1種以上である、前記(11)または(12)に記
載の解体性樹脂。ここで、前記アルコール金属塩の金属
は、TiまたはZrが好ましい。 (14)前記解体性樹脂の主鎖(骨格)が、ポリエーテ
ルポリオールである、(11)〜(13)のいずれかに
記載の解体性樹脂。主鎖がポリエーテルポリオールであ
れば、耐候性等が向上し、耐水接着性、耐熱接着性に特
に優れ、建築用、自動車用、航空機用の接着剤、シーラ
ント、防水材、塗料、発泡体等に好適である。
【0015】(15)I)ポリエーテルポリオールに、
ポリエーテルポリオールの末端水酸基の3〜30モル%
と当量の金属化合物を反応させ、 II)次いで、前記反応物に、該ポリエーテルポリオー
ルの末端水酸基の97〜70モル%と等モルのポリイソ
シアネート化合物を反応させて得られる、(14)に記
載の解体性樹脂。前記金属化合物は、金属アルコキシ
ド、金属トリフラートまたはハロゲン化金属であるのが
好ましく、その金属は、Al、Ti、ZrおよびHfか
らなる群より選択される1種以上であるのが好ましく、
TiまたはZrがであるのが特に好ましい。ここで、前
記ポリイソシアネート化合物はジイソシアネート化合物
であるのが、アルコール金属塩とイソシアネート基の比
率調整が容易である点で好ましい。前記アルコール金属
塩は、イオン結合を形成していてもよく、配位結合を形
成していてもよく、その両方を形成していてもよい。ま
た、金属アルコキシド、金属トリフラートまたはハロゲ
ン化金属は、本発明の効果を奏する限り、その全てが水
酸基と反応せず、金属アルコキシド等に由来するアルコ
キシ基またはハロゲン原子が一部残存していてもよい。
【0016】(16)前記ポリエーテルポリオールが、
ポリオキシプロピレングリコールまたはポリテトラメチ
レンエーテルグリコールである、(14)または(1
5)に記載の解体性樹脂。 (17)前記ポリエーテルポリオールの数平均分子量
が、400〜8,000である、(14)〜(16)の
いずれかに記載の解体性樹脂。この範囲であれば、作業
性、硬化物の物性に優れ、低温で硬化物を解体できる。
【0017】(18)前記(11)〜(17)のいずれ
かに記載の解体性樹脂を含有する解体性樹脂組成物。
【0018】(19)前記(11)〜(17)のいずれ
かに記載の解体性樹脂を湿気硬化させてなる硬化物を、
170〜180℃に加熱することにより、軟化または液
状化させて、解体することを特徴とする解体性樹脂の解
体方法。 (20)前記(18)に記載の解体性樹脂組成物を湿気
硬化させてなる硬化物を、170〜180℃に加熱する
ことにより、軟化または液状化させて、解体することを
特徴とする解体性樹脂組成物の解体方法。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の第1態様の解体性樹脂は、カルボン酸金属塩と
イソシアネート基の比率(COOM:NCO)が3:9
7〜30:70である、カルボン酸金属塩とイソシアネ
ート基を有する解体性樹脂である。
【0020】本発明の第1態様の解体性樹脂は、カルボ
ン酸金属塩とイソシアネート基を特定比率で有する樹脂
であれば、特に限定されない。該樹脂の末端には、カル
ボン酸金属塩とイソシアネート基以外の官能基があって
もよいが、末端がカルボン酸金属塩とイソシアネート基
とからなるのが、貯蔵安定性、解体性、耐熱性等の観点
から好ましい。カルボン酸金属塩とイソシアネート基の
比率(COOM:NCO)は3:97〜30:70であ
り、好ましくは3:97〜25:75であり、特に好ま
しくは5:95〜20:80である。この範囲であれ
ば、表面硬化性、貯蔵安定性、接着性等の物性に優れ、
解体性とのバランスを高い水準で両立でき、またこれら
の特性を損わず、耐熱性に優れる。本発明の第1態様の
解体性樹脂は、カルボン酸金属塩とイソシアネート基
が、ランダム型で有していても、ブロック型で有してい
てもよい。
【0021】カルボン酸金属塩は、後述するように、カ
ルボキシ基と金属化合物とを反応させることにより導入
できる。金属化合物としては、カルボキシ基と反応しカ
ルボン酸金属塩を形成するものであれば特に限定され
ず、例えば、金属アルコキシド、金属トリフラート、金
属フェノラート、金属チオアルコラート、金属アセチル
アセトナート、ハロゲン化金属、オキシハロゲン化金属
等が挙げられる。この中でも、入手の容易性、カルボキ
シ基との反応性等の点で、金属アルコキシド、金属トリ
フラート、ハロゲン化金属が好ましく、金属アルコキシ
ド、金属トリフラートが特に好ましい。
【0022】上記金属アルコキシドに含まれるアルコキ
シ基は、炭素数1〜8のアルコキシ基(アルキルオキシ
基)が好ましい。例えば、直鎖状のアルコキシ基とし
て、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブチルオ
キシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチ
ルオキシ基等;分岐状のアルコキシ基として、イソプロ
ポキシ基、イソブチルオキシ基、s−ブチルオキシ基、
t−ブチルオキシ基等が挙げられる。また、炭素数1〜
8のアルコキシ基は、酸素、窒素原子等を含んでもよ
く、例えば、メトキシメチルオキシ基、エトキシメチル
オキシ基、2−メトキシエチルオキシ基、2−エトキシ
エチルオキシ基等が挙げられる。これらの中でも、入手
の容易性、カルボキシ基との反応性等の点で、メトキシ
基、エトキシ基、プロポキシ基(異性体含む)、ブチル
オキシ基(異性体含む)が好ましい。
【0023】金属フェノラートに含まれるフェノキシ基
は、そのフェニル基上に炭素数1〜8の置換基、例え
ば、アルキル基、アルキルオキシ基等を有していてもよ
い。金属チオアルコラートに含まれるアルキルチオ基
は、上記した炭素数1〜8のアルコキシ基の酸素原子を
イオウ原子に置き換えたものが好ましい。ハロゲン化金
属のハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が
挙げられ、カルボキシ基との反応性等の点で、塩素また
は臭素が好ましい。オキシハロゲン化金属に含まれるオ
キシハロゲン基は、酸素原子とフッ素、塩素、臭素、ヨ
ウ素とからなる基であればよく、具体的には、OF、O
2 、OCl、OCl2 、OBr、OBr2 、OI、O
IF等が好ましい。
【0024】カルボン酸金属塩の金属Mは、二価以上の
金属カチオンであって、カルボン酸と安定な塩を系内に
形成するものであれば特に限定されないが、アルミニウ
ム(Al)、周期律表第4族元素のチタン(Ti)、ジ
ルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)が好ましく、
チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)が特に好まし
い。金属化合物としては、上記官能基と上記金属とを任
意に組み合わせて用いることができ、例えば、チタニウ
ムテトラ−n−メトキシド、チタニウムテトラ−n−エ
トキシド、チタニウムテトラ−n−ブトキシド、ジルコ
ニウムテトラ−n−メトキシド、ジルコニウムテトラ−
n−エトキシド、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド
等が挙げられる。金属化合物は1種単独でも、2種を併
用して用いてもよい。
【0025】カルボン酸金属塩は、通常イオン結合を形
成しているが、金属Mの性質、解体性樹脂等の安定性に
より、配位結合を形成していてもよく、また、イオン結
合と配位結合の両方を形成していてもよい。また、上記
金属化合物は、本発明の効果を奏する限り、その官能基
(例えば、アルコキシ基等)の全てがカルボキシ基と反
応せず、金属化合物に由来する官能基(例えば、アルコ
キシ基等)が一部残存していてもよい。上記官能基の残
存割合は、反応条件、解体性樹脂の分子量、解体性樹脂
の安定性等に依存するが、金属化合物の全官能基数のう
ち1.5個(例えば、金属化合物がテトラアルコキシチ
タンの場合は、4個のアルコキシ基のうち1.5個のア
ルコキシ基が残存する)以下であれば、加熱により硬化
物が解体できる。解体がより容易である点で、好ましく
は1.0個以下である。
【0026】本発明の第1態様の解体性樹脂の主鎖(骨
格)は、特に限定されず、例えば、アルキレンオキシド
重合体等のポリエーテルポリオール、ポリエステルポリ
オール、その他のポリオール、ポリエステル、エーテル
・エステルブロック共重合体、ビニル系重合体、ビニル
共重合体、ジエン系重合体、飽和炭化水素、ポリウレタ
ン、ポリエポキシ、シリコーン樹脂等、または、これら
の混合物が挙げられる。この中でも、入手容易で、本発
明の解体性樹脂の調製が容易であるため、ポリエーテル
ポリオール、ポリエステルポリオール、その他のポリオ
ールおよび、これらの混合物が好ましく、硬化物の耐候
性等が向上し、耐水接着性、耐熱接着性に特に優れるた
め、ポリエーテルポリオールが特に好ましい。
【0027】ポリエーテルポリオールは、例えば、エチ
レングリコール、ジエチレングリコール、プロピレング
リコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジ
オール、1,4−ブタンジオール、4,4’−ジヒドロ
キシフェニルプロパン、4,4’−ジヒドロキシフェニ
ルメタン、グリセリン、1,1,1−トリメチロールプ
ロパン、1,2,5−ヘキサントリオール、ペンタエリ
スリトール等の多価アルコールの1種または2種以上
に、プロピレンオキサイド、エチレンオキサイド、ブチ
レンオキサイド、スチレンオキサイド等の1種または2
種以上を付加して得られるポリエーテルポリオール、あ
るいは、開環重合によって得られるポリエーテルポリオ
ールが挙げられる。具体的には、ポリオキシエチレング
リコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキ
シブチレングリコール、ポリオキシペンチレングリコー
ル、ポリオキシヘキシレングリコール、ポリオキシヘプ
チレングリコール、ポリオキシエチレントリオール、ポ
リオキシプロピレントリオール、ポリオキシブチレント
リオール、ポリオキシペンチレントリオール、ポリオキ
シヘキシレントリオール、ポリオキシヘプチレントリオ
ール、テトラヒドロフランの開環重合によって得られる
ポリテトラメチレンエーテルグリコール等が挙げられ
る。
【0028】ポリエステルポリオールは、例えば、エチ
レングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオー
ル、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキ
サンジメタノール、グリセリン、1,1,1−トリメチ
ロールプロパンその他の低分子ポリオールの1種または
2種以上と、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、ス
ベリン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、
ダイマー酸その他の低分子カルボン酸やオリゴマー酸の
1種または2種以上との縮合重合体;プロピオンラクト
ン、バレロラクトン、カプロラクトン等の開環重合体が
挙げられる。
【0029】その他のポリオールとしては、ポリマーポ
リオール;ポリカーボネートポリオール;ポリブタジエ
ンポリオール;水素添加されたポリブタジエンポリオー
ル;アクリルポリオール;エチレングリコール、ジエチ
レングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレン
グリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキ
サンジオール等の低分子ポリオールが挙げられる。
【0030】上記ポリオールの中でも、解体性樹脂およ
び硬化物の伸び(EB)、強度(TB)等の物性が優れ
る点で、1分子のポリオール(モノマー)の炭素数が2
〜7であるのが特に好ましく、例えば、ポリオキシエチ
レングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポ
リオキシブチレングリコール、ポリオキシペンチレング
リコール、ポリオキシヘキシレングリコール、ポリオキ
シヘプチレングリコール、ポリオキシエチレントリオー
ル、ポリオキシプロピレントリオール、ポリオキシブチ
レントリオール、ポリオキシペンチレントリオール、ポ
リオキシヘキシレントリオール、ポリオキシヘプチレン
トリオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールが
好ましい。入手の容易性、硬化性樹脂の物性により優れ
るため、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプ
ロピレングリコール、ポリオキシブチレングリコール、
ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリオキシエ
チレントリオール、ポリオキシプロピレントリオール、
ポリオキシブチレントリオールが特に好ましい。
【0031】これらのポリオールは、1種単独でも2種
以上を組み合わせて用いることもでき、ポリエーテルポ
リオールとポリエステルポリオールを組み合わせて用い
る場合には、ポリエーテルポリオールの含量が70質量
%以上になるように調製する。70質量%未満である
と、これらの樹脂の相溶性が悪いため加工性に難があ
り、硬化物の物性に劣る場合がある。
【0032】これらのポリオールは、硬化物の架橋密度
が良好で、特に優れた解体性を発現するため、2官能ま
たは3官能であるのが好ましい。また、ポリオールの数
平均分子量が、400〜8,000であるのが好まし
く、詳細には、ポリオールが2官能である場合には、
1,000〜6,000であるのがより好ましく、2,
000〜5,000であるのが特に好ましい。ポリオー
ルが3官能である場合には、1,000〜7,500で
あるのがより好ましく、3,000〜7,000である
のが特に好ましい。ポリオールの分子量がこの範囲であ
ると、解体性樹脂のハンドリング性(硬さ)と解体性と
のバランスに優れる。
【0033】これらのポリオールは、通常の方法に従っ
て合成してもよく、また、市販品を用いてもよい。市販
品としては、例えば、旭硝子(株)社製のエクセノール
シリーズ、三井武田ケミカル(株)社製のPPGシリー
ズ、三洋化成工業(株)社製のサンプレンPシリーズ、
旭電化工業(株)社製のアデカポリエーテルシリーズ等
が挙げられる。
【0034】本発明の第1態様の解体性樹脂は、上記主
鎖に、カルボン酸金属塩とイソシアネート基を導入して
得られる。該樹脂の製造方法は、特に限定されないが、
カルボキシ基と金属化合物を反応させカルボン酸金属塩
とした後、イソシアネート基を導入する方法が好まし
い。イソシアネート基が存在すると、金属化合物、特
に、金属アルコキシド、金属トリフラート等とイソシア
ネート基が反応して架橋し硬化してしまう場合がある。
このような方法としては、例えば、カルボキシ基を有す
る樹脂を製造し、カルボキシ基と金属化合物を反応させ
た後イソシアネート基を導入する方法、カルボキシ基と
金属化合物を反応させカルボン酸金属塩を有するモノマ
ーとイソシアネート基を有するモノマーを共重合させる
方法等が挙げられる。
【0035】本発明の第1態様の解体性樹脂の好ましい
製造方法を、ポリエーテルポリオールを用いてその一例
を具体的に説明すると、 I)ポリエーテルポリオールに、該ポリエーテルポリオ
ールの末端水酸基の3〜30モル%と等モルの無水カル
ボン酸を反応させ、 II)生成するカルボキシ基1当量に対して、1当量の
金属化合物を反応させ、 III)次いで、前記反応物に、該ポリエーテルポリオ
ールの末端水酸基の97〜70モル%と等モルのポリイ
ソシアネート化合物を反応させる方法である。ここで、
無水カルボン酸は二塩基酸であり、ポリイソシアネート
化合物はジイソシアネート化合物であるのが、カルボン
酸金属塩とイソシアネート基の比率調整が容易である点
で好ましい。反応条件は、特に限定されるものではな
く、工程I)では、水酸基と無水カルボン酸が反応する
条件を適宜選択でき、具体的には、実施例で説明する条
件を挙げることができる。無水カルボン酸と反応させる
水酸基量は、上記COOH:NCO比内であれば特に限
定されないが、二塩基酸の無水カルボン酸を用いて、3
〜30モル%の水酸基を反応させるのが好ましい。工程
II)では、工程I)で生成するカルボキシ基と金属化
合物の官能基が反応する条件を適宜選択できる。金属化
合物の使用量は、工程I)で生成するカルボキシ基1当
量に対して、1当量である。例えば、無水カルボン酸に
二塩基酸の無水カルボン酸、金属化合物にテトラアルコ
キシチタンを用いた場合は、生成するカルボキシ基1当
量に対して1当量(生成するカルボキシ基1モルに対し
て0.25モル)を用いる。当量用いるとCOOH:N
CO比の調整が容易である。工程III)では、水酸基
とイソシアネート基が反応する条件を適宜選択でき、具
体的には、ウレタンプレポリマーの製造条件を選択で
き、より具体的には、50〜100℃で加熱撹拌するこ
とにより得られる。必要に応じて、有機スズ化合物、有
機ビスマス、アミン等のウレタン化触媒を用いてもよ
い。イソシアネート基と反応させる水酸基量は、上記C
OOH:NCO比内であれば特に限定されないが、ジイ
ソシアネート化合物を用いて、97〜70モル%の水酸
基を反応させるのが好ましい。これにより、本発明の第
1態様の解体性樹脂を効率良く合成することができる。
【0036】上記主鎖を構成する樹脂の末端官能基と反
応する置換基とカルボキシ基とを有する化合物として
は、特に限定されず、例えば、イソシアネート基含有カ
ルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、その他のカルボン酸
誘導体等が挙げられる。また上記樹脂の末端官能基と反
応する置換基とカルボキシ基とを有する化合物は該樹脂
の水酸基等と反応後にカルボキシ基を生成する化合物
(例えば、酸無水物)であってもよい。例えば、無水マ
レイン酸、無水コハク酸、無水フタル酸、メチルテトラ
ヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル
酸、無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、ベンゾ
フェノンテトラカルボン酸二無水物等の酸無水物;グリ
コール酸、乳酸、グリセリン酸、りんご酸、サリチル
酸、ヒドロキシイソフタル酸、ヒドロキシフェニル酢酸
等のヒドロキシカルボン酸;チオサリチル酸等のその他
のカルボン酸誘導体;上記水酸基、チオール基を有する
カルボン酸化合物にジイソシアネートを付加させて得ら
れるイソシアネート基含有カルボン酸等が挙げられる。
【0037】これらの中でも、反応条件が穏やかで操作
が容易であるため、酸無水物が好ましく、特に好ましく
は、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒ
ドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸である。上記主
鎖を構成する樹脂の末端官能基と反応する置換基とカル
ボキシ基とを有する化合物中のカルボキシ基(水酸基と
反応して生じるカルボキシ基を含む)の数は特に限定さ
れないが、カルボン酸金属塩による架橋密度が好適であ
り、解体性に優れるため、上記化合物に含有するカルボ
キシ基(水酸基と反応して生じるカルボキシ基を含む)
は1つであるのが好ましい。該化合物は、1種単独で
も、2種以上を併用して用いてもよい。
【0038】ポリイソシアネート化合物は、イソシアネ
ート基を2個以上を有する化合物であれば特に限定され
ず、具体的には、2,4−トリレンジイソシアネート
(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネー
ト(2,6−TDI)、4,4´−ジフェニルメタンジ
イソシアネート(4,4´−MDI)、2,4´−ジフ
ェニルメタンジイソシアネート(2,4´−MDI)、
p−フェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフ
ェニレンポリイソシアネート、キシリレンジイソシアネ
ート(XDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート
等の芳香族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソ
シアネート(HDI)、ノルボルナンジイソシアナート
メチル(NBDI)等の脂肪族ポリイソシアネート;イ
ソホロンジイソシアネート(IPDI)、H6 XDI
(水添XDI)、H12MDI(水添MDI)等の脂環式
ポリイソシアネート;上記各ポリイソシアネートのカル
ボジイミド変性ポリイソシアネート、またはこれらのイ
ソシアヌレート変性ポリイソシアネート等が挙げられ
る。また、立体障害の大きなイソシアネート基を少なく
とも1個有するイソシアネート化合物を用いることもで
きる。具体的には、三井サイテック社製のTMI(モノ
イソシアネート化合物)、TMXDI(ジイソシアネー
ト化合物)、サイセン(トリイソシアネート化合物)等
が好ましく挙げられる。これらは、1種単独でも2種以
上を併用することもできる。
【0039】これらの中でも、解体性樹脂および硬化物
の伸び(EB)、強度(TB)等の物性が優れる点で、
ポリイソシアネート化合物の炭素数(NCO基に含まれ
る炭素原子を除く)が6〜13のポリイソシアネート化
合物であるのが好ましく、解体性樹脂の分子量調整、カ
ルボキシ基とイソシアネート基の比率調整等に優れる点
でジイソシアネート化合物がより好ましく、入手の容易
性、上記物性により優れるため、MDI、XDI、TD
I、HDI、TMXDIが特に好ましい。
【0040】本発明の第1態様の解体性樹脂は、カルボ
ン酸金属塩とイソシアネート基を有する樹脂であるが、
カルボン酸金属塩またはイソシアネート基の一方の基の
みを有する樹脂を含有していてもよく、また、カルボキ
シ基とイソシアネート基を有する樹脂、カルボキシ基ま
たはイソシアネート基の一方の基のみを有する樹脂を含
有していてもよい。その含有率は、解体性樹脂が解体で
きる範囲であれば特に限定されず、例えば、カルボン酸
金属塩とイソシアネート基を有する解体性樹脂の含有率
が、60モル%以上であればよい。
【0041】本発明の第1態様の解体性樹脂としては、
2または3官能のPPGに、メチルテトラヒドロ無水フ
タル酸とMDI;無水トリメリット酸と2,4−トリレ
ンジイソシアネート;または;メチルヘキサヒドロ無水
フタル酸とキシリレンジイソシアネートを反応させて得
られる樹脂のカルボキシ基を、金属化合物を添加し交換
反応させてカルボン酸金属塩とした解体性樹脂が、表面
硬化性、貯蔵安定性等に優れ、実使用に耐える接着性を
有し、加熱により容易に解体できる点で、特に好まし
い。
【0042】このようにして得られる本発明の第1態様
の解体性樹脂は、優れた表面硬化性、貯蔵安定性、実使
用に耐える接着性を損わず、耐熱性に極めて優れ、加熱
により容易に解体できる。詳しくは、本発明の第1態様
の解体性樹脂は、カルボン酸金属塩により架橋し、解体
性樹脂の2〜4量体を形成する。そして解体性樹脂は湿
気により、さらに架橋し、硬化物は伸び(EB)、強度
(TB)、接着性等の物性に優れる。一方、該硬化物を
加熱すると、カルボン酸金属塩による架橋結合の一部ま
たは全部が解離することにより、硬化物が軟化または溶
融し容易に解体できると考えられる。また、このカルボ
ン酸金属塩による架橋結合は、イオン結合および/また
は配位結合であるため、それぞれの結合力がほぼ一定で
あり特定の温度に達すると該結合の解離が起こると考え
られる。そのため、特定の温度に達する前に該結合が解
離する割合が少なく、該特定の温度まで硬化物が軟化ま
たは溶融しにくく、耐熱性に極めて優れる。すなわち、
本発明の第1態様の解体性樹脂は、カルボン酸金属塩と
イソシアネート基を有する樹脂であって、カルボン酸金
属塩とイソシアネート基の比率(COOM:NCO)が
3:97〜30:70であり、該樹脂の硬化物を、加熱
することにより軟化または液状化させて解体できる解体
性樹脂である。また、カルボン酸金属塩とイソシアネー
ト基の比率(COOM:NCO)を特定の範囲にするこ
とにより、イソシアネート基の湿気硬化による硬化性樹
脂(例えば、硬化性ウレタン樹脂)が有する表面硬化
性、貯蔵安定性等を維持し、かつ、後述する耐水接着
性、耐熱接着性等の接着性に優れる。さらに、カルボン
酸金属塩の導入により、上記特性を損うことなく、耐熱
性に極めて優れる。
【0043】本発明の第1態様の解体性樹脂は、上記性
質を有するため、該樹脂単独で使用することができ、例
えば、外気に触れない個所等の接着剤、シーラント、防
水材、塗料、発泡体等に好適に用いることができる。特
に、強い耐水接着性、耐熱接着性等が要求される、建築
用、自動車用、航空機用の接着剤、シーラント、防水
材、塗料、発泡体等に好適である。
【0044】本発明の第2態様の解体性樹脂は、アルコ
ール金属塩とイソシアネート基の比率(OM:NCO)
が3:97〜30:70である、アルコール金属塩とイ
ソシアネート基を有する解体性樹脂である。
【0045】本発明の第2態様の解体性樹脂は、アルコ
ール金属塩とイソシアネート基を特定比率で有する樹脂
であれば、特に限定されない。該樹脂の末端には、アル
コール金属塩とイソシアネート基以外の官能基があって
もよいが、末端がアルコール金属塩とイソシアネート基
とからなるのが、貯蔵安定性、解体性、耐熱性等の観点
から好ましい。アルコール金属塩とイソシアネート基の
比率(OM:NCO)は3:97〜30:70であり、
好ましくは3:97〜25:75、特に好ましくは5:
95〜20:80である。この範囲であれば、表面硬化
性、貯蔵安定性、接着性等の物性に優れ、解体性とのバ
ランスを高い水準で両立でき、またこれらの特性を損わ
ず、耐熱性に優れる。本発明の第2態様の解体性樹脂
は、アルコール金属塩とイソシアネート基が、ランダム
型で有していても、ブロック型で有していてもよい。
【0046】アルコール金属塩は、後述するように、水
酸基と金属化合物とを反応させることにより導入でき
る。金属化合物としては、水酸基と反応しアルコール金
属塩を形成するものであれば特に限定されず、例えば、
上記した金属アルコキシド、金属トリフラート、金属フ
ェノラート、金属チオアルコラート、金属アセチルアセ
トナート、ハロゲン化金属、オキシハロゲン化金属等が
挙げられる。この中でも、入手の容易性、水酸基との反
応性等の点で、金属アルコキシド、金属トリフラート、
ハロゲン化金属が好ましく、金属アルコキシド、金属ト
リフラートが特に好ましい。
【0047】上記金属化合物は、本発明の第1態様の解
体性樹脂で説明したのと同様である。アルコール金属塩
は、通常イオン結合を形成しているが、金属Mの性質、
解体性樹脂等の安定性により、配位結合を形成していて
もよく、また、イオン結合と配位結合の両方を形成して
いてもよい。また、上記金属化合物は、本発明の効果を
奏する限り、その官能基(例えば、アルコキシ基等)の
全てがカルボキシ基と反応せず、金属化合物に由来する
官能基(例えば、アルコキシ基等)が一部残存していて
もよい。上記官能基の残存割合は、本発明の第1態様の
解体性樹脂で説明したのと同様である。本発明の第2態
様の解体性樹脂の主鎖(骨格)は、本発明の第1態様の
解体性樹脂で説明したのと同様である。
【0048】本発明の第2態様の解体性樹脂は、上記の
主鎖に、アルコール金属塩とイソシアネート基を導入し
て得られる。該樹脂の製造方法は、特に限定されない
が、水酸基と金属化合物を反応させアルコール金属塩と
した後、イソシアネート基を導入する方法が好ましい。
イソシアネート基が存在すると、金属化合物、特に、金
属アルコキシド、金属トリフラート等とイソシアネート
基が反応して架橋し硬化してしまう場合がある。このよ
うな方法としては、例えば、水酸基を有する樹脂を製造
し、水酸基と金属化合物を反応させた後イソシアネート
基を導入する方法、水酸基と金属化合物を反応させアル
コール金属塩を有するモノマーとイソシアネート基を有
するモノマーを共重合させる方法等が挙げられる。
【0049】本発明の第2態様の解体性樹脂の好ましい
製造方法を、ポリエーテルポリオールを用いてその一例
を具体的に説明すると、 I)ポリエーテルポリオールに、該ポリエーテルポリオ
ールの末端水酸基の3〜30モル%と当量の金属化合物
を反応させ、 II)次いで、前記反応物に、該ポリエーテルポリオー
ルの末端水酸基の97〜70モル%と等モルのポリイソ
シアネート化合物を反応させて得られる方法である。こ
こで、ポリイソシアネート化合物はジイソシアネート化
合物であるのが、アルコール金属塩とイソシアネート基
の比率調整が容易である点で好ましい。反応条件は、特
に限定されるものではなく、工程I)では、水酸基と金
属化合物が反応する条件を適宜選択できる。該水酸基と
反応させる金属化合物の使用量は特に限定されないが、
該ポリエーテルポリオールの3〜30モル%の水酸基1
当量に対して1当量である。例えば、金属化合物にテト
ラアルコキシチタンを用いた場合は、該水酸基1当量に
対して1当量(水酸基1モルに対して0.25モル)を
用いる。当量用いるとCOOH:NCO比の調整が容易
である。工程II)では、水酸基とイソシアネート基が
反応する条件を適宜選択でき、具体的には、ウレタンプ
レポリマーの製造条件を選択でき、より具体的には、5
0〜100℃で加熱撹拌することにより得られる。必要
に応じて、有機スズ化合物、有機ビスマス、アミン等の
ウレタン化触媒を用いてもよい。イソシアネート基と反
応させる水酸基量は、上記COOH:NCO比内であれ
ば特に限定されないが、ジイソシアネート化合物を用い
て、97〜70モル%の水酸基を反応させるのが好まし
い。これにより、本発明の第2態様の解体性樹脂を効率
良く合成することができる。
【0050】工程II)で用いるポリイソシアネート化
合物は、本発明の第1態様の解体性樹脂で説明したのと
同様である。
【0051】本発明の第2態様の解体性樹脂は、アルコ
ール金属塩とイソシアネート基を有する樹脂であるが、
アルコール金属塩またはイソシアネート基の一方の基の
みを有する樹脂を含有していてもよく、水酸基またはイ
ソシアネート基の一方の基のみを有する樹脂を含有して
いてもよい。その含有率は、解体性樹脂が解体できる範
囲であれば特に限定されず、例えば、アルコール金属塩
とイソシアネート基を有する解体性樹脂の含有率が、6
0モル%以上であればよい。
【0052】このようにして得られる本発明の第2態様
の解体性樹脂は、優れた表面硬化性、貯蔵安定性、実使
用に耐える接着性を損わず、耐熱性に極めて優れ、加熱
により容易に解体できる。詳しくは、本発明の第2態様
の解体性樹脂は、アルコール金属塩により架橋し、解体
性樹脂の2〜4量体を形成する。そして解体性樹脂は湿
気により、さらに架橋し、硬化物は伸び(EB)、強度
(TB)、接着性等の物性に優れる。一方、該硬化物を
加熱すると、アルコール金属塩による架橋結合の一部ま
たは全部が解離することにより、硬化物が軟化または溶
融し容易に解体できると考えられる。また、このアルコ
ール金属塩による架橋結合は、イオン結合および/また
は配位結合であるため、それぞれの結合力がほぼ一定で
あり特定の温度に達すると該結合の解離が起こると考え
られる。そのため、特定の温度に達する前に該結合が解
離する割合が少なく、該特定の温度まで硬化物が軟化ま
たは溶融しにくく、耐熱性に極めて優れる。すなわち、
本発明の第2態様の解体性樹脂は、アルコール金属塩と
イソシアネート基を有する樹脂であって、アルコール金
属塩とイソシアネート基の比率(OM:NCO)が3:
97〜30:70であり、該樹脂の硬化物を、加熱する
ことにより軟化または液状化させて解体できる解体性樹
脂である。また、アルコール金属塩とイソシアネート基
の比率(OM:NCO)を特定の範囲にすることによ
り、イソシアネート基の湿気硬化による硬化性樹脂(例
えば、硬化性ウレタン樹脂)が有する表面硬化性、貯蔵
安定性等を維持し、かつ、後述する耐水接着性、耐熱接
着性等の接着性に優れる。さらに、カルボン酸金属塩の
導入により、上記特性を損うことなく、耐熱性に極めて
優れる。
【0053】本発明の第2態様の解体性樹脂は、上記性
質を有するため、該樹脂単独で使用することができ、例
えば、外気に触れない個所等の接着剤、シーラント、防
水材、塗料、発泡体等に好適に用いることができる。特
に、強い耐水接着性、耐熱接着性等が要求される、建築
用、自動車用、航空機用の接着剤、シーラント、防水
材、塗料、発泡体等に好適である。
【0054】本発明の組成物は、上記本発明の第1態様
および/または第2態様の解体性樹脂を含有する解体性
樹脂組成物である。上記本発明の第1態様および/また
は第2態様の解体性樹脂は、1種単独でも、2種以上を
併用して用いてもよい。本発明の組成物は、上記第1お
よび第2態様の解体性樹脂の他に、本発明の目的を損わ
ない範囲で、必要に応じて他の添加剤、配合剤、樹脂等
を含有させてもよい。添加剤、配合剤としては、例え
ば、補強剤(充填剤)、老化防止剤、酸化防止剤、顔料
(染料)、可塑剤、揺変成付与剤、紫外線吸収剤、難燃
剤、溶剤、界面活性剤(レベリング剤を含む)、分散
剤、脱水剤、防錆剤、接着付与剤、帯電防止剤、チクソ
トロピー付与剤、触媒等が挙げられる。これらの添加
剤、配合剤および樹脂等は、シーリング剤、接着剤等の
組成物に通常用いられるものを、通常の含量で配合する
ことができ、目的、用途、要求される性能等に応じて適
宜変更することができる。
【0055】補強剤(フィラーを含む)としては、例え
ば、カーボンブラック;ヒュームドシリカ、焼成シリ
カ、沈降シリカ、粉砕シリカ、溶融シリカ;けいそう
土;酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化バリウム、酸
化マグネシウム;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、
炭酸亜鉛;ろう石クレー、カオリンクレー、焼成クレ
ー;およびこれらの脂肪酸、樹脂酸、脂肪酸エステル、
ウレタン化合物等での表面処理品等が挙げられる。可塑
剤としては、安息香酸、フタル酸、トリメリット酸、ピ
ロメリット酸、アジピン酸、セバチン酸、フマル酸、マ
レイン酸、イタコン酸、クエン酸等の誘導体をはじめ、
ポリエステル、ポリエーテル、エポキシ系等のものが挙
げられる。触媒としては、3級アミン系、有機スズ系、
有機リン系化合物等が挙げられる。
【0056】上記組成物は、上述の各成分を減圧下また
は窒素雰囲気下に、混合ミキサー等の撹拌装置を用いて
十分に混練し、均一に分散させることにより製造され
る。
【0057】本発明の組成物は、上記第1および第2態
様の解体性樹脂を含有するため、接着剤、シーラント、
防水材、塗料、発泡体等に好適に用いることができ、特
に、強い耐水接着性、耐熱接着性等が要求される、建築
用、自動車用、航空機用の接着剤、シーラント、防水
材、塗料、発泡体等に好適に用いることができる。
【0058】本発明の第1および第2態様の解体性樹脂
(以下、単に「解体性樹脂」という場合がある)および
解体性樹脂組成物の解体方法について、解体性樹脂の場
合を例に説明する。なお、解体性樹脂組成物の解体方法
は解体性樹脂の解体方法と同様である。具体的には、解
体性樹脂を湿気硬化させてなる硬化物を、170〜18
0℃に加熱することにより、硬化物を軟化または液状化
させて、解体することを特徴とする解体性樹脂の解体方
法、および、解体性樹脂組成物を湿気硬化させてなる硬
化物を、170〜180℃に加熱することにより、硬化
物を軟化または液状化させて、解体することを特徴とす
る解体性樹脂組成物の解体方法である。
【0059】本発明の解体性樹脂は、イソシアネート基
を有するため、湿気により3次元架橋し容易に硬化す
る。このとき、硬化物の3次元架橋にはイソシアネート
基に由来する尿素結合等の架橋と、既に解体性樹脂に導
入されているカルボン酸金属塩またはアルコール金属塩
によるイオン結合等の架橋が形成されている。そして、
上記カルボン酸金属塩またはアルコール金属塩が解離す
る温度、具体的には、170〜180℃程度に該硬化物
を加熱すると、尿素結合等の架橋は解離せず、これらの
塩のイオン結合等の一部または全部が解離して硬化物が
軟化または液状化し、該硬化物を解体することができる
と考えられる。これにより、本発明の第1および第2態
様の解体性樹脂によって接着されている部材同士を分解
でき、また塗布されている本発明の第1および第2態様
の解体性樹脂を剥がすことができる。
【0060】上記解体方法において、上記温度に加熱で
きれば、加熱法は特に限定されず、オーブン、ドライヤ
ー、高周波加熱機等の一般的な装置、方法を用いること
ができる。
【0061】
【実施例】以下、実施例を示し、本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれらに限定されない。
【0062】[カルボン酸金属塩とイソシアネート基を
有する解体性樹脂] <解体性樹脂の合成> (解体性樹脂1)数平均分子量5,000の3官能性P
PG(旭硝子社製、エクセノール5030)の水酸基
に、該PPGの水酸基の3モル%と等モルのメチルテト
ラヒドロ無水フタル酸(大日本インキ工業社製、B−6
50)を、130℃、10時間加熱攪拌して反応させ
た。生成したカルボキシ基1当量に対して1当量のチタ
ニウムテトラ−n−ブトキシド(モノマー、関東化学社
製)を100℃で5時間反応させ、減圧下副生したアル
コール成分を留去した。ついで、該反応物と、該PPG
の水酸基の97モル%と等モルのMDI(三井武田ウレ
タン社製、コスモネートPH)とを、80℃、8時間加
熱攪拌して、PPGの水酸基に反応させて、解体性樹脂
1(COOH:NCO=3:97)を得た。
【0063】(解体性樹脂2)PPGの水酸基の15モ
ル%と等モルのメチルテトラヒドロ無水フタル酸、生成
したカルボキシ基と当量のチタニウムテトラ−n−ブト
キシド、および、PPGの水酸基の85モル%と等モル
のMDIを同様に反応させて、解体性樹脂2(COO
H:NCO=15:85)を得た。 (解体性樹脂3)PPGの水酸基の33モル%と等モル
のメチルテトラヒドロ無水フタル酸、生成したカルボキ
シ基と当量のチタニウムテトラ−n−ブトキシド、およ
び、PPGの水酸基の67モル%と等モルのMDIを同
様に反応させて、解体性樹脂3(COOH:NCO=3
3:67)を得た。
【0064】<非解体性樹脂1の合成>数平均分子量
5,000の3官能性PPGの水酸基に、該PPGの水
酸基の100モル%と等モルのMDIを、同様に反応さ
せて、非解体性樹脂1を得た。
【0065】<解体性樹脂組成物の調整> (解体性樹脂組成物1)上記解体性樹脂1に、可塑剤
(ジイソノニルアジペート、新日本理化社製、DIN
A)30質量部、3級アミン触媒(トリブチルアミン、
広栄化学工業社製、A3050)0.1質量部、およ
び、カーボンブラック(旭カーボン社製、アサヒサーマ
ル)100質量部を配合し、減圧下、混合ミキサーを用
いて十分に混練し、均一に分散させて解体性樹脂組成物
1を得た。 (解体性樹脂組成物2)上記解体性樹脂2を用いて同様
に混練し、解体性樹脂組成物2を得た。 (解体性樹脂組成物3)上記解体性樹脂3を用いて同様
に混練し、解体性樹脂組成物3を得た。 (非解体性樹脂組成物1)上記非解体性樹脂1を用いて
同様に混練し、非解体性樹脂組成物1を得た。
【0066】<実施例1、2、比較例1、2>上記解体
性樹脂1〜3および非解体性樹脂1を用いて、下記に示
す各種試験を行った。その結果を第1表に示す。
【0067】<表面硬化時間(hr)>得られた各組成
物を、20℃で相対湿度55%の条件で放置し、表面が
硬化しタックが確認できなくなる時間を測定した。 <貯蔵安定性試験(倍)>得られた各組成物の調製直後
の粘度と、80℃で24時間養生後の粘度をE型粘度計
で測定し、80℃で24時間養生後の粘度の、調製直後
の粘度に対する上昇率(倍)を算出し、貯蔵安定性を評
価した。
【0068】<熱解体性>各組成物を20℃、相対湿度
55%の条件下、5日間養生して得られた硬化物(シー
ト)を、180℃で30分間加熱して、解体性を評価し
た。液状化し流れたものを「溶融」、形状は保っていた
ものの軟化したものを「軟化」とし、軟化しなかったも
のを「軟化せず」とした。評価が「軟化」であれば、硬
化物を容易に解体できる。また、180℃に昇温する過
程で解体性樹脂の変化を確認した。
【0069】
【表1】
【0070】<実施例3、4、比較例3、4>上記解体
性樹脂組成物1〜3および非解体性樹脂組成物1を用い
て、下記に示す各種試験を行った。その結果を第2表に
示す。
【0071】<耐水接着性>表面にアクリル−メラニン
塗料を塗布した電着塗装板に、各組成物を20℃、相対
湿度55%の条件下、5日間養生して得られた硬化物
(シート)を、7日間、60℃の温水に浸漬させて浸漬
後の接着性を評価した。 <耐熱接着性>表面にアクリル−メラニン塗料を塗布し
た電着塗装板に、各組成物を20℃、相対湿度55%の
条件下、5日間養生して得られた硬化物(シート)を、
80℃、7日間熱老化させて熱老化後の接着性を評価し
た。 <熱解体接着性>表面にアクリル−メラニン塗料を塗布
した電着塗装板に、各組成物を20℃、相対湿度55%
の条件下、5日間養生して得られた硬化物(シート)
を、180℃、10分間加熱して、加熱後の塗板との解
体性を評価した。界面破壊であれば、加熱により組成物
が解体し、塗装板から容易に剥離でき、解体性に優れ
る。
【0072】
【表2】
【0073】[アルコール金属塩とイソシアネート基を
有する解体性樹脂] <解体性樹脂の合成> (解体性樹脂4)数平均分子量5,000の3官能性P
PGに、該ポリエーテルポリオールの末端水酸基の3モ
ル%と当量のチタニウムテトラ−n−ブトキシドを10
0℃、5時間加熱攪拌して反応させ、減圧下副生したア
ルコール成分を留去した。ついで、該反応物と、該PP
Gの水酸基の97モル%と等モルのMDIとを、80
℃、5時間加熱攪拌して、PPGの水酸基に反応させ
て、解体性樹脂4(COOH:NCO=3:97)を得
た。
【0074】(解体性樹脂5)PPGの水酸基の15モ
ル%と当量のチタニウムテトラ−n−ブトキシド、およ
び、該PPGの水酸基の85モル%と等モルのMDIを
同様に反応させて、解体性樹脂5(COOH:NCO=
15:85)を得た。 (解体性樹脂6)PPGの水酸基の33モル%と当量の
チタニウムテトラ−n−ブトキシド、および、該PPG
の水酸基の67モル%と等モルのMDIを同様に反応さ
せて、解体性樹脂6(COOH:NCO=33:67)
を得た。
【0075】<解体性樹脂組成物の調整> (解体性樹脂組成物4)上記解体性樹脂4に、可塑剤3
0質量部、3級アミン触媒0.1質量部、および、カー
ボンブラック100質量部を配合し、減圧下、混合ミキ
サーを用いて十分に混練し、均一に分散させて解体性樹
脂組成物4を得た。 (解体性樹脂組成物5)上記解体性樹脂5を用いて同様
に混練し、解体性樹脂組成物5を得た。 (解体性樹脂組成物6)上記解体性樹脂6を用いて同様
に混練し、解体性樹脂組成物6を得た。
【0076】<実施例5、6、比較例2、5>上記解体
性樹脂4〜6および非解体性樹脂1を用いて、上記に示
す各種試験を行った。その結果を第3表に示す。
【0077】
【表3】
【0078】<実施例7、8、比較例4、6>上記解体
性樹脂組成物4〜6および非解体性樹脂組成物1を用い
て、上記に示す各種試験を行った。その結果を第4表に
示す。
【0079】
【表4】
【0080】第1表および第3表に示すように、実施例
1、2、5および6の解体性樹脂は、表面硬化時間およ
び貯蔵安定性は従来の樹脂(比較例2)と比較しても遜
色なく、熱解体性に優れ、これらの性質をバランスよく
両立できた。熱解体性試験における昇温過程での解体性
樹脂の変化はほとんどなく、耐熱性に優れることが確認
できた。対して、比較例1および5の解体性樹脂は表面
硬化時間が長く貯蔵安定性が劣り、熱解体性との両立が
困難であった。第2表および第4表に示すように、実施
例3、4、7および8の解体性樹脂組成物は、耐水接着
性および耐熱接着性に優れ実使用に耐える接着性を有
し、かつ、熱解体接着性は界面破壊を起こし容易に剥離
でき解体性に優れ、これらの性質をバランスよく両立で
きた。熱解体性試験における昇温過程での解体性樹脂組
成物の変化はほとんどなく、耐熱性に優れることが確認
できた。対して比較例3および6の解体性樹脂組成物
は、耐水接着性および耐熱接着性に劣り実使用に耐える
接着性を有しない。比較例4の非解体性樹脂組成物は、
230℃以上で軟化し塗板から剥離できたが、発煙し悪
臭の発生が認められ、解体作業の安全性が低く、作業性
に劣る。
【0081】
【発明の効果】本発明により、優れた表面硬化性、貯蔵
安定性、実使用に耐える接着性を損わず、耐熱性に極め
て優れる、硬化後に加熱することにより容易に解体でき
る解体性樹脂を提供できる。また、本発明により、優れ
た表面硬化性、貯蔵安定性、実使用に耐える接着性を損
わず、耐熱性に極めて優れる、硬化後に加熱することに
より容易に解体できる解体性樹脂組成物を提供できる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4H017 AA04 AA31 AB03 AC01 AD06 4J002 AA061 AA071 CH021 CH051 CK041 DA036 DE046 DE206 DJ016 DJ036 EF027 EN008 FD016 FD027 FD208 GH00 GJ00 GL00 GN00 4J005 AA04 BD02 4J034 DA01 DA05 DB04 DG02 DG04 DG20 DH02 DH06 HA04 HA07 HC12 HC13 HC22 HC71 HC73 JA01 JA32 KA01 KC16 KD04 KE02 QA02 QA03 QC01 RA07 RA08 RA10 RA19

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カルボン酸金属塩とイソシアネート基の比
    率(COOM:NCO)が3:97〜30:70であ
    る、カルボン酸金属塩とイソシアネート基を有する解体
    性樹脂。
  2. 【請求項2】カルボン酸金属塩とイソシアネート基を有
    する樹脂であって、 カルボン酸金属塩とイソシアネート基の比率(COO
    M:NCO)が3:97〜30:70であり、 前記樹脂の硬化物を、加熱することにより軟化または液
    状化させて解体できることを特徴とする解体性樹脂。
  3. 【請求項3】アルコール金属塩とイソシアネート基の比
    率(OM:NCO)が3:97〜30:70である、ア
    ルコール金属塩とイソシアネート基を有する解体性樹
    脂。
  4. 【請求項4】アルコール金属塩とイソシアネート基を有
    する樹脂であって、 アルコール金属塩とイソシアネート基の比率(OM:N
    CO)が3:97〜30:70であり、 前記樹脂の硬化物を、加熱することにより軟化または液
    状化させて解体できることを特徴とする解体性樹脂。
  5. 【請求項5】前記カルボン酸金属塩またはアルコール金
    属塩の金属Mが、Al、Ti、ZrおよびHfからなる
    群より選択される1種以上である、請求項1〜4のいず
    れかに記載の解体性樹脂。
  6. 【請求項6】前記解体性樹脂の主鎖が、ポリエーテルポ
    リオールである、請求項1〜5のいずれかに記載の解体
    性樹脂。
  7. 【請求項7】前記ポリエーテルポリオールが、ポリオキ
    シプロピレングリコールまたはポリテトラメチレンエー
    テルグリコールである、請求項6に記載の解体性樹脂。
  8. 【請求項8】請求項1〜7のいずれかに記載の解体性樹
    脂を含有する解体性樹脂組成物。
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