JP2003342214A - マグネシウム化合物、オレフィン重合用固体触媒成分、オレフィン重合用触媒及びポリオレフィンの製造方法 - Google Patents
マグネシウム化合物、オレフィン重合用固体触媒成分、オレフィン重合用触媒及びポリオレフィンの製造方法Info
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Abstract
ることなく、球状に近いオレフィン重合体を与えるマグ
ネシウム化合物、オレフィン重合用固体触媒成分、オレ
フィン重合用触媒及びポリオレフィンの製造方法を提供
する。 【解決手段】下記式(I)で表される球形度(S)が
4.00未満の金属マグネシウム、アルコール、及び金
属マグネシウム1グラム原子に対して0.0001グラ
ム原子以上のハロゲン原子を含むハロゲン及び/又はハ
ロゲン含有化合物を反応させるマグネシウム化合物。 S=(L1/L2)3 ・・・・・(I) [式中、L1は、走査型電子顕微鏡で撮影し、画像処理
して求められる前記金属マグネシウムの投影図の最長径
を示し、L2は、前記金属マグネシウムの投影面積に等
しい円の直径を示す。]このマグネシウム化合物とチタ
ン化合物から固体触媒成分が得られ、さらに、この固体
触媒成分を用いてオレフィン重合用触媒が得られる。
Description
物、オレフィン重合用固体触媒成分、オレフィン重合用
触媒及びポリオレフィンの製造方法に関する。
フィン類を単独重合又は共重合させるオレフィン重合用
触媒の分野では、塩化マグネシウムやマグネシウムアル
コキシド等のマグネシウム化合物を粉砕せずに担体原料
として用いる技術が広範に実施されており、これにより
触媒活性の向上やオレフィン重合体のパウダー形態の改
良等が図られている。
等のモルフォロジーを改良することを目的として、特開
昭63−280707号公報等では、シリカ等の無機酸
化物上にマグネシウム化合物を担持させる方法、また、
特開昭58−000811号公報等では、マグネシウム
化合物を一旦アルコール等の溶媒に溶解させた後、再び
析出させたものを用いる方法が開示されている。しか
し、これらの方法は、マグネシウム化合物の担持、溶解
及び析出等の処理が必須となるため、工程的に極めて煩
雑であった。また、これらの方法は、重合初期の触媒活
性のみが高い等、触媒の性能安定性に欠けるという欠点
があった。
は、金属マグネシウム、アルコール及び特定量のハロゲ
ンを反応させて得られるマグネシウム化合物を、触媒の
担体として用いる方法が開示されている。しかし、この
方法では、用いる金属マグネシウムの形状等によって
は、得られる担体や重合パウダーの球形度等が必ずしも
十分とは言えなかった。
らなされたものであり、立体規則性や重合活性等の触媒
性能を低下させることなく、球状に近いオレフィン重合
体を与えるマグネシウム化合物、オレフィン重合用固体
触媒成分、オレフィン重合用触媒及びポリオレフィンの
製造方法を提供することを目的とする。
鋭意研究を重ねた結果、特定の球形度を有する金属マグ
ネシウムから得られるマグネシウム化合物、及びチタン
化合物を反応させてオレフィン重合用固体触媒成分を製
造することにより、前記の課題が解決できることを見出
し、本発明を完成させた。
れば、下記式(I)で表される球形度(S)が4.00
未満の金属マグネシウム、アルコール、及び金属マグネ
シウム1グラム原子に対して0.0001グラム原子以
上のハロゲン原子を含むハロゲン及び/又はハロゲン含
有化合物を反応させて得られるマグネシウム化合物が提
供される。 S=(L1/L2)3 ・・・・・(I) [式中、L1は、走査型電子顕微鏡で撮影し、画像処理
して求められる前記金属マグネシウムの投影図の最長径
を示し、L2は、前記金属マグネシウムの投影面積に等
しい円の直径を示す。]
のマグネシウム化合物、及び(b)チタン化合物を反応
させて得られるオレフィン重合用固体触媒成分が提供さ
れる。
[A]及び[B]、又は下記化合物[A],[B]及び
[C]からなるオレフィン重合用触媒が提供される。 [A]上記のオレフィン重合用固体触媒成分 [B]有機アルミニウム化合物 [C]電子供与性化合物
フィン重合用触媒を用いるポリオレフィンの製造方法が
提供される。
(I)で表される球形度(S)が4.00未満の金属マ
グネシウム、アルコール、及び金属マグネシウム1グラ
ム原子に対して0.0001グラム原子以上のハロゲン
原子を含むハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物を反
応させるマグネシウム化合物の製造方法が提供される。
等について説明する。以下に示すのは好適例であり、本
発明はこれらに限定されるものではない。 1.触媒成分 [A]オレフィン重合用固体触媒成分 (a)マグネシウム化合物 本発明では、マグネシウム化合物(a)として、ポリマ
ーの粒子形状及び重合活性の点から、下記式(I)で表
される球形度(S)が4.00未満、好ましくは2.5
0未満の金属マグネシウム、アルコール、及び金属マグ
ネシウム1グラム原子に対して0.0001グラム原子
以上のハロゲン原子を含むハロゲン及び/又はハロゲン
含有化合物を反応させて得られる化合物を用いる。 S=(L1/L2)3 ・・・・・(I) [式中、L1は、走査型電子顕微鏡で撮影し、画像処理
して求められる金属マグネシウムの投影図の最長径を示
し、L2は、金属マグネシウムの投影面積に等しい円の
直径を示す。] 金属マグネシウムの球形度(S)が4.00以上になる
と、ポリマーの粒子形状が劣るだけでなく、重合活性も
低下するため好ましくない。これは、球形度の低い金属
マグネシウムを用いることで、重合活性の低い大粒子の
固体触媒成分が生成されるためと考えられる。尚、球形
度(S)は、物体の球形の度合いを示すものであり、S
=1の物体が真球であることを表わしている。従って、
Sが1に近い程、金属マグネシウムの粒子一つ一つが真
球に近いことを意味している。このような球形度(S)
が4.00未満の金属マグネシウムは、旋盤、やすり等
による切削法とボールミル等による粉砕を組み合わせた
り、アトマイズ法(溶融・噴霧法)よって製造すること
ができる。
ールを用いることが好ましい。特に、エタノールを用い
ると、重合活性等の触媒性能の発現を著しく向上させる
固体生成物が得られるので好ましい。アルコールの純度
及び含水量は特に限定されないが、含水量の多いアルコ
ールを用いると、金属マグネシウムの表面に水酸化マグ
ネシウムの被膜が生成するので、含水量が1%以下、特
に、2,000ppm以下のアルコールを用いることが
好ましい。さらに、より良好なモルフォロジーのオレフ
ィン重合体を得るためには、水分が少なければ少ない程
好ましく、一般的には200ppm以下が望ましい。
ヨウ素が好適に使用される。また、ハロゲン含有化合物
のハロゲン原子は、塩素、臭素又はヨウ素が好ましい。
また、ハロゲン含有化合物の中では、ハロゲン含有金属
化合物が特に好ましい。ハロゲン含有化合物として、具
体的には、MgCl2、MgI2、Mg(OEt)C
l、Mg(OEt)I、MgBr2、CaCl2、Na
Cl、KBr等を好適に使用できる。これらの中では、
特にMgCl2が好ましい。これらの状態、形状、粒度
等は特に限定されず、任意のものでよく、例えば、アル
コール系溶媒(例えば、エタノール)中の溶液で用いる
ことができる。ヨウ素又はMgCl2が好ましいのは、
推測であるが、マグネシウム化合物のエタノールへの溶
解度を向上させる効果が高いためと考えられる。
対して、好ましくは2〜100モル、特に好ましくは5
〜50モルとなる量を使用する。アルコールの使用量が
多すぎると、モルフォロジーの良好なマグネシウム化合
物(a)の収率が低下する場合があり、少なすぎると、
反応槽での攪拌がスムーズに行われなくなる場合があ
る。しかし、そのモル比には限定されない。
マグネシウム1グラム原子に対してハロゲン又はハロゲ
ン含有化合物中のハロゲン原子が0.0001グラム原
子以上、好ましくは0.0005グラム原子以上、さら
に好ましくは0.001グラム原子以上となる量を使用
する。0.0001グラム原子未満では、得られたマグ
ネシウム化合物(a)を固体触媒成分の担体として用い
た場合、重合活性やオレフィン重合体のモルフォロジー
等が不良となる。
合物を、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組
み合わせて用いてもよい。また、ハロゲンとハロゲン含
有化合物とを組み合わせて用いてもよい。ハロゲンとハ
ロゲン含有化合物とを組み合わせて用いる場合、ハロゲ
ン及びハロゲン含有化合物中の全ハロゲン原子の量が、
金属マグネシウム1グラム原子に対して0.0001グ
ラム原子以上、好ましくは0.0005グラム原子以
上、さらに好ましくは0.001グラム原子以上となる
量を使用する。
物の使用量の上限は特に限定されず、本発明のマグネシ
ウム化合物(a)が得られる範囲で適宜選択すればよ
い。一般には、0.06グラム原子未満となる量を使用
することが好ましい。
含有化合物の使用量を適宜選択することにより、マグネ
シウム化合物(a)の製造時に、その粒径を自由にコン
トロールすることが可能である。
常、上記の球形度(S)を有する金属マグネシウム、ア
ルコール、及びハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物
を、水素ガスの発生が認められなくなるまで(通常、1
〜30時間)反応させる。具体的には、ハロゲンとして
ヨウ素を用いる場合には、金属マグネシウムのアルコー
ル溶液中に固体状のヨウ素を投入した後、加熱して反応
させる方法、金属マグネシウムのアルコール溶液中に、
ヨウ素のアルコール溶液を滴下した後、加熱して反応さ
せる方法、及び金属マグネシウムのアルコール溶液を加
熱しながらヨウ素のアルコール溶液を滴下して反応させ
る方法等により製造できる。
ば、窒素ガス、アルゴンガス)雰囲気下で、場合により
不活性有機溶媒(例えば、n−ヘキサン等の飽和炭化水
素)を用いて行うことが好ましい。
ゲン及び/又はハロゲン含有化合物の反応温度について
は、通常、30〜90℃である。好ましくは30〜60
℃であり、この温度範囲であると性能が向上する。これ
は、推測であるが、反応速度と溶解度のバランスが優れ
ており、均一なマグネシウム化合物が生成するためと考
えられる。
ン及び/又はハロゲン含有化合物の投入については、最
初から各々全量投入しておく必要はなく、分割して投入
してもよい。例えば、アルコールを最初から全量投入し
ておき、金属マグネシウムを数回に分割して投入する方
法である。このようにした場合、水素ガスの一時的な大
量発生を防ぐことができ、安全性の面から望ましい。ま
た、反応槽も小型化することが可能となる。さらには、
水素ガスの一時的な大量発生により引き起こされるアル
コールやハロゲン等の飛沫同伴を防ぐことも可能とな
る。分割する回数は、反応槽の規模を勘案して決めれば
よく、特に問わないが、操作の煩雑さを考えると、通
常、5〜10回が好適である。
ずれでもよい。さらには、変法として、最初から全量投
入したアルコール中に金属マグネシウムを先ず少量投入
し、反応により生成した生成物を別の槽に分離して除去
した後、再び金属マグネシウムを少量投入するという操
作を繰り返すことも可能である。
物(a)を、固体触媒成分[A]の調製に用いる場合、
乾燥させたものを用いてもよく、また、濾過後、ヘプタ
ン等の不活性溶媒で洗浄したものを用いてもよい。
るマグネシウム化合物(a)は、粉砕あるいは粒径分布
を揃えるための分級等の操作を行うことなく、固体触媒
成分の担体として使用することができる。本発明のマグ
ネシウム化合物(a)は、球状に近く、粒径分布もシャ
ープであり、粒子一つ一つの球形度のばらつきが小さ
い。
I)で表される球形度(S’)が、通常、1.30未
満、好ましくは1.28未満である。 S’=(L3/L4)3 ・・・・・(II) [式中、L3は、走査型電子顕微鏡で撮影し、画像処理
して求められるマグネシウム化合物の投影図の最長径を
示し、L4は、マグネシウム化合物の投影面積に等しい
円の直径を示す。] このような球形度(S’)を有するマグネシウム化合物
(a)は、触媒活性及びポリマー粒子の形態の点から好
ましい。尚、球形度(S’)についても、金属マグネシ
ウムの球形度(S)の場合と同様、S’が1に近い程、
マグネシウム化合物(a)の粒子一つ一つが真球に近い
ことを意味している。
式(III)で表される粒径分布指数(P’)が、通常、
4.0未満、好ましくは3.8未満である。 P’=(D90/D10) ・・・・・(III) [式中、D90は、累積重量分率が90%に対応するマ
グネシウム化合物(a)の粒子径を示し、D10は、累
積重量分率が10%に対応するマグネシウム化合物
(a)の粒子径を示す。] このような粒径分布指数(P’)を有するマグネシウム
化合物(a)を用いると、重合活性がさらに高く、粒子
形態により優れたポリマーが得られる。尚、粒径分布指
数(P’)は、マグネシウム化合物(a)の粒径分布の
広がり度合いを示すものあり、この値が小さい程、粒径
分布が狭く、シャープであり、粒径の揃ったマグネシウ
ム化合物(a)が多く含まれることを表している。この
ような球形度(S’)が1.30未満、及び粒径分布指
数(P’)が4.0未満のマグネシウム化合物(a)
は、上記の球形度(S)を有する金属マグネシウムを用
いることにより製造することができる。
てもよく、また、2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。
固体状であり、実質的にマグネシウムアルコキシドから
なる。マグネシウムアルコキシドの具体例としては、ジ
メトキシマグネシウム、ジエトキシマグネシウム、ジプ
ロポキシマグネシウム、ジブトキシマグネシウム、ジヘ
キシロキシマグネシウム、ジオクトキシマグネシウム、
ジフェノキシマグネシウム、ジシクロヘキシロキシマグ
ネシウム等のジアルコキシマグネシウム及びジアリーロ
キシマグネシウム;ブトキシマグネシウムクロリド、シ
クロヘキシロキシマグネシウムクロリド、フェノキシマ
グネシウムクロリド、エトキシマグネシウムクロリド、
エトキシマグネシウムブロミド、ブトキシマグネシウム
ブロミド、エトキシマグネシウムイオダイド等のアルコ
キシマグネシウムハライド及びアリーロキシマグネシウ
ムハライド等が挙げられる。これらの中では、重合活性
及び立体規則性の面から、ジアルコキシマグネシウムが
好ましく、特にジエトキシマグネシウムが好ましい。
合物を、重合活性等の面から好ましく用いることができ
る。 TiXn(OR)4−n ・・・・・・(IV) [式中、Xは、ハロゲン原子であり、Rは、炭素数1〜
10の炭化水素基であり、これらは互いに同じでも異な
ってもよい。nは0〜4の整数である。]
Xとしては、塩素原子及び臭素原子が好ましく、塩素原
子が特に好ましい。炭化水素基Rとしては、アルキル
基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アリール基及
びアラルキル基等が好ましく、直鎖又は分岐鎖のアルキ
ル基が特に好ましい。また、Rは、飽和基や不飽和基で
あってもよく、直鎖状のものや分岐鎖を有するもの、あ
るいは環状のものであってもよく、さらにはイオウ、窒
素、酸素、ケイ素、リン等のヘテロ元素を含むものであ
ってもよい。Rの具体例としては、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
sec−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、n
−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−
デシル基、アリル基、ブテニル基、シクロペンチル基、
シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、
トリル基、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
また、nは、好ましくは4である。
(b)の具体例としては、テトラメトキシチタン、テト
ラエトキシチタン、テトラ−n−プロポキシチタン、テ
トライソプロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタ
ン、テトライソブトキシチタン、テトラシクロヘキシロ
キシチタン、テトラフェノキシチタン等のテトラアルコ
キシチタン;四塩化チタン,四臭化チタン,四ヨウ化チ
タン等のテトラハロゲン化チタン;メトキシチタントリ
クロリド、エトキシチタントリクロリド、プロポキシチ
タントリクロリド、n−ブトキシチタントリクロリド、
エトキシチタントリブロミド等のトリハロゲン化アルコ
キシチタン;ジメトキシチタンジクロリド、ジエトキシ
チタンジクロリド、ジイソプロポキシチタンジクロリ
ド、ジ−n−プロポキシチタンジクロリド、ジエトキシ
チタンジブロミド等のジハロゲン化ジアルコキシチタ
ン;トリメトキシチタンクロリド、トリエトキシチタン
クロリド、トリイソプロポキシチタンクロリド、トリ−
n−プロポキシチタンクロリド、トリ−n−ブトキシチ
タンクロリド等のモノハロゲン化トリアルコキシチタン
等が挙げられる。これらの中で、重合活性の面から、高
ハロゲン含有チタン化合物、特に四塩化チタンが好まし
い。これらのチタン化合物(b)は、それぞれ単独で用
いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。
ゲン化合物(c)が用いられる。このようなハロゲン化
合物(c)としては、ヨウ素、臭素、塩素、フッ素等の
ハロゲン;ヨウ化水素、臭化水素、塩化水素、フッ化水
素等のハロゲン化水素;四臭化ケイ素、四塩化ケイ素、
四臭化ケイ素;トリクロロシラン、ジクロロシラン、ク
ロロシラン等のハロゲン化ケイ素;四塩化炭素、ヘキサ
クロロエタン等のハロゲン化炭素;2,2,2−トリク
ロロエタノール等のハロゲン置換アルコール;p−クロ
ロフェノール等のハロゲン置換フェノール;三塩化ホウ
素等のハロゲン化ホウ素;三塩化アルミニウム等のハロ
ゲン化アルミニウム;四塩化スズ等のハロゲン化スズ等
が挙げられる。これらの中で、ポリマー粒径の制御の面
から、特に四塩化ケイ素が好ましい。これらのハロゲン
化合物(c)は、それぞれ単独で用いてもよく、また、
2種以上を組み合わせて用いてもよい。
供与性化合物(d)が用いられる。電子供与性化合物
(d)を用いると、オレフィン重合体の立体規則性が向
上する場合があるので好ましい。電子供与性化合物
(d)としては、アルコール類、フェノール類、ケトン
類、アルデヒド類、カルボン酸、マロン酸、有機酸及び
無機酸のエステル類、モノエーテル、ジエーテル又はポ
リエーテル等のエーテル類等の含酸素化合物や、アンモ
ニア、アミン、ニトリル、イソシアネート等の含窒素化
合物が挙げられる。これらの中では、多価カルボン酸の
エステル類が好ましく、芳香族多価カルボン酸のエステ
ル類がさらに好ましく、重合活性の面から、芳香族ジカ
ルボン酸のモノエステル及び/又はジエステルが特に好
ましい。また、これらのエステル部の有機基は、直鎖
状、分岐状又は環状の脂肪族炭化水素基が好ましい。
2−ジカルボン酸、ナフタレン−2,3−ジカルボン
酸、5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1,2
−ジカルボン酸、5,6,7,8−テトラヒドロナフタ
レン−2,3−ジカルボン酸、インダン−4,5−ジカ
ルボン酸、インダン−5,6−ジカルボン酸等のジカル
ボン酸のメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピ
ル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチ
ル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチル
ブチル、1,1−ジメチルプロピル、1−メチルペンチ
ル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メ
チルペンチル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、
n−ヘキシル、シクロヘキシル、n−ヘプチル、n−オ
クチル、n−ノニル、2−メチルヘキシル、3−メチル
ヘキシル、4−メチルヘキシル、2−エチルヘキシル、
3−エチルヘキシル、4−エチルヘキシル、2−メチル
ペンチル、3−メチルペンチル、2−エチルペンチル、
3−エチルペンチル等のジアルキルエステルが挙げられ
る。これらの中では、エステル部の有機基が、炭素数4
以上の直鎖状又は分岐状の脂肪族炭化水素基であるフタ
ル酸ジエステル類が好ましい。好ましい具体例として
は、フタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジイソブチル、
フタル酸ジ−n−ヘプチル、フタル酸ジエチル等が挙げ
られる。これらの電子供与性化合物(d)は、それぞれ
単独で用いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用
いてもよい。
は、特に制限はないが、アルキル基、ハロゲン原子、水
素原子、アルコキシ基を有するもの、アルミノキサン及
びそれらの混合物を好ましく用いることができる。具体
的には、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニ
ウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチル
アルミニウム、トリオクチルアルミニウム等のトリアル
キルアルミニウム;ジエチルアルミニウムモノクロリ
ド、ジイソプロピルアルミニウムモノクロリド、ジイソ
ブチルアルミニウムモノクロリド、ジオクチルアルミニ
ウムモノクロリド等のジアルキルアルミニウムモノクロ
リド;エチルアルミニウムセスキクロリド等のアルキル
アルミニウムセスキハライド;メチルアルミノキサン等
の鎖状アルミノキサン等が挙げられる。これらの中で
は、炭素数1〜5の低級アルキル基を有するトリアルキ
ルアルミニウム、特にトリメチルアルミニウム、トリエ
チルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム及びトリ
イソブチルアルミニウムが好ましい。これらの有機アル
ミニウム化合物[B]は、それぞれ単独で用いてもよい
し、また、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
合物[C]が用いられる。電子供与性化合物[C]を用
いると、オレフィン重合体の立体規則性が向上する場合
があるので好ましい。電子供与性化合物[C]として
は、アルコキシ基を有する有機ケイ素化合物、窒素含有
化合物、リン含有化合物及び酸素含有化合物を用いるこ
とができる。このうち、特にアルコキシ基を有する有機
ケイ素化合物を用いることが好ましい。
具体例としては、トリメチルメトキシシラン、トリメチ
ルエトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリエ
チルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメ
チルジエトキシシラン、エチルイソプロピルジメトキシ
シラン、プロピルイソプロピルジメトキシシラン、ジイ
ソプロピルジメトキシシラン、ジイソブチルジメトキシ
シラン、イソプロピルイソブチルジメトキシシラン、ジ
−t−ブチルジメトキシシラン、t−ブチルメチルジメ
トキシシラン、t−ブチルエチルジメトキシシラン、t
−ブチルプロピルジメトキシシラン、t−ブチルイソプ
ロピルジメトキシシラン、t−ブチルブチルジメトキシ
シラン、t−ブチルイソブチルジメトキシシラン、t−
ブチル(s−ブチル)ジメトキシシラン、t−ブチルア
ミルジメトキシシラン、t−ブチルヘキシルジメトキシ
シラン、t−ブチルヘプチルジメトキシシラン、t−ブ
チルオクチルジメトキシシラン、t−ブチルノニルジメ
トキシシラン、t−ブチルデシルジメトキシシラン、t
−ブチル(3,3,3−トリフルオロメチルプロピル)
ジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシ
ラン、シクロヘキシルエチルジメトキシシラン、シクロ
ヘキシルプロピルジメトキシシラン、シクロヘキシルイ
ソブチルジメトキシシラン、ジメトキシシラン、ジシク
ロヘキシルジメトキシシラン、シクロヘキシル−t−ブ
チルジメトキシシラン、シクロペンチルメチルジメトキ
シシラン、シクロペンチルエチルジメトキシシラン、シ
クロペンチルプロピルジメトキシシラン、シクロペンチ
ル−t−ブチルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジ
メトキシシラン、シクロペンチルシクロヘキシルジメト
キシシラン、ビス(2−メチルシクロペンチル)ジメト
キシシラン、ビス(2,3−ジメチルシクロペンチル)
ジメトキシシラン、α−ナフチル−1,1,2−トリメ
チルプロピルジメトキシシラン、n−テトラデカニル−
1,1,2−トリメチルプロピルジメキシシラン、1,
1,2−トリメチルプロピルメチルジメトキシシラン、
1,1,2−トリメチルプロピルエチルジメトキシシラ
ン、1,1,2−トリメチルプロピルイソプロピルジメ
トキシシラン、1,1,2−トリメチルプロピルシクロ
ペンチルジメトキシシラン、1,1,2−トリメチルプ
ロピルシクロヘキシルジメトキシシラン、1,1,2−
トリメチルプロピルミリスチルジメトキシシラン、ジフ
ェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラ
ン、フェニルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシ
シラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキ
シシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリメ
トキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、ブチ
ルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、イ
ソブチルトリメトキシシラン、t−ブチルトリメトキシ
シラン、s−ブチルトリメトキシシラン、アミルトリメ
トキシシラン、イソアミルトリメトキシシラン、シクロ
ペンチルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリメト
キシシラン、ノルボルナントリメトキシシラン、インデ
ニルトリメトキシシラン、2−メチルシクロペンチルト
リメトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、
メチルシクロペンチル(t−ブトキシ)ジメトキシシラ
ン、イソプロピル(t−ブトキシ)ジメトキシシラン、
t−ブチル(t−ブトキシ)ジメトキシシラン、(イソ
ブトキシ)ジメトキシシラン、t−ブチル(t−ブトキ
シ)ジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビ
ニルトリブトキシシラン、クロロトリエトキシシラン、
γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプ
ロピルトリエトキシシラン、1,1,2−トリメチルプ
ロピルトリメトキシシラン、1,1,2−トリメチルプ
ロピルイソプロポキシジメトキシシラン、1,1,2−
トリメチルプロピル(t−ブトキシ)ジメトキシシラ
ン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テ
トラブトキシシラン、テトライソブトキシシラン、ケイ
酸エチル、ケイ酸ブチル、トリメチルフェノキシシラ
ン、メチルトリアリロキシシラン、ビニルトリス(β−
メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリスアセトキシシ
ラン、ジメチルテトラエトキシジシロキサン等が挙げら
れる。このうち、ジシクロペンチルジメトキシシラン、
シクロヘキシルイソブチルジメトキシシラン、シクロヘ
キシルメチルジメトキシシランが好ましい。
は、Si−O−C結合を有しないケイ素化合物とO−C
結合を有する有機化合物を予め反応させるか、α−オレ
フィンの重合の際に反応させて得られる化合物も挙げる
ことができる。具体的には、四塩化ケイ素とアルコール
とを反応させて得られる化合物等が挙げられる。
−ジイソプロピルピペリジン、2,6−ジイソプロピル
−4−メチルピペリジン、N−メチル−2,2,6,6
−テトラメチルピペリジン等の2,6−置換ピペリジン
類;2,5−ジイソプロピルアゾリジン、N−メチル−
2,2,5,5−テトラメチルアゾリジン等の2,5−
置換アゾリジン類;N,N,N’,N’−テトラメチル
メチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエチル
メチレンジアミン等の置換メチレンジアミン類;1,3
−ジベンジルイミダゾリジン、1,3−ジベンジル−2
−フェニルイミダゾリジン等の置換イミダゾリジン類等
が挙げられる。
チルホスファイト、トリn−プロピルホスファイト、ト
リイソプロピルホスファイト、トリn−ブチルホスファ
イト、トリイソブチルホスファイト、ジエチルn−ブチ
ルホスファイト、ジエチルフェニルホスファイト等の亜
リン酸エステル類等が挙げられる。
2,5,5−テトラメチルテトラヒドロフラン、2,
2,5,5−テトラエチルテトラヒドロフラン等の2,
5−置換テトラヒドロフラン類;1,1−ジメトキシ−
2,3,4,5−テトラクロロシクロペンタジエン、
9,9−ジメトキシフルオレン、ジフェニルジメトキシ
メタン等のジメトキシメタン誘導体等が挙げられる。こ
れらの電子供与性化合物[C]は、それぞれ単独で用い
てもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
のマグネシウム化合物(a)、チタン化合物(b)、必
要に応じてハロゲン化合物(c)及び/又は電子供与性
化合物(d)及びを接触・反応させた後、好ましくは再
度(1回以上)、チタン化合物(b)を接触・反応させ
る方法が挙げられる。チタン化合物(b)の接触を2回
以上行うと、触媒担体としての役割をするマグネシウム
化合物(a)に、チタン化合物(b)を十分に担持させ
ることができる。その他の接触順序については特に問わ
ない。
媒の存在下で接触させてもよいし、予め炭化水素等の不
活性溶媒で各成分を希釈して接触させてもよい。不活性
溶媒としては、例えば、n−ペンタン、イソペンタン、
n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオク
タン等の脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレ
ン等の芳香族炭化水素又はこれらの混合物が挙げられ
る。これらの中では、脂肪族炭化水素が好ましく使用さ
れる。
物(a)のマグネシウム1モルに対して、通常、0.5
〜100モル、好ましくは、1〜50モル使用する。
0.5モル未満では、チタン当たりの重合活性が低下す
る場合がある。一方、100モルを超えると、固体触媒
成分当たりの重合活性が低下する場合がある。
マグネシウム化合物(a)のマグネシウム1モルに対し
て、通常、0.005〜100モル使用する。0.00
5モル未満では、チタン当たりの重合活性やポリマーの
立体規則性が低下する場合がある。一方、100モルを
超えると、固体触媒成分当たりの重合活性が低下する場
合がある。
は、マグネシウム化合物(a)のマグネシウム1モルに
対して、通常、0.01〜10モル、好ましくは、0.
05〜0.15モル使用する。0.01モル未満では、
ポリマーの立体規則性が低下する場合がある。一方、1
0モルを超えると、チタン当たりの重合活性が低下する
場合がある。
0〜200℃、好ましくは、20〜150℃にするとよ
い。また、接触時間は、通常、1分〜24時間、好まし
くは、10分〜6時間にするとよい。このような接触温
度及び/又は接触時間にすると、重合活性が高く、ポリ
マー形態に優れたオレフィン重合体が得られる。このと
きの圧力は、溶媒を使用する場合は、その種類、接触温
度等により変化するが、通常、0〜5MPa、好ましく
は0〜1MPaの範囲で行う。また、接触操作中は、接
触の均一性及び接触効率の面から攪拌を行うことが好ま
しい。尚、これらの接触条件は、2回目以降のチタン化
合物(b)の接触反応についても同様である。
溶媒を使用するときは、チタン化合物(b)1モルに対
して、通常、5,000ミリリットル以下、好ましく
は、10〜1,000ミリリットルの溶媒を使用する。
この比が前記範囲を逸脱すると接触の均一性や接触効率
が悪化することがある。
は、通常、90〜150℃、好ましくは120〜140
℃の温度で不活性溶媒で洗浄する。洗浄温度が上記範囲
外では、触媒活性や立体規則性の向上効果が十分発揮さ
れない場合がある。不活性溶媒としては、上記と同様の
脂肪族炭化水素及び芳香族炭化水素を用いることができ
る。
物(a)の接触・反応後の洗浄温度については特に限定
されないが、立体規則性の面から、通常、90〜150
℃、好ましくは、120〜140℃の温度で不活性溶媒
で洗浄した方がよい場合がある。
カンテーション、濾過等の方式が好ましい。不活性溶媒
の使用量、洗浄時間、洗浄回数についても特に制限はな
いが、マグネシウム化合物(a)1モルに対して、通
常、100〜100,000ミリリットル、好ましく
は、1,000〜50,000ミリリットルの溶媒を使
用し、通常、1分〜24時間、好ましくは、10分〜6
時間行われる。この比が前記範囲を逸脱すると洗浄が不
完全になることがある。
等により変化するが、通常、0〜5MPa、好ましく
は、0〜1MPaの範囲で行う。また、洗浄操作中は、
洗浄の均一性及び洗浄効率の面から攪拌を行うことが好
ましい。尚、得られた固体触媒成分[A]は、乾燥状態
又は炭化水素等の不活性溶媒中で保存することもでき
る。
ては、特に制限はないが、固体触媒成分[A]は、チタ
ン原子に換算して、反応容積1リットル当たり、通常、
0.00005〜1ミリモルの範囲になるような量が用
いられる。
ニウム/チタン(原子比)が、通常、1〜1,000、
好ましくは10〜1,000の範囲になるような量が用
いられる。原子比がこの範囲を逸脱すると、触媒活性が
不十分となる場合がある。
きは、[C]/[B](モル比)が、通常、0.001
〜5.0、好ましくは0.01〜2.0、より好ましく
は0.05〜1.0の範囲になるような量が用いられ
る。モル比がこの範囲を逸脱すると、十分な触媒活性及
び立体規則性が得られない場合がある。ただし、予備重
合を行う場合は、電子供与性化合物[C]の使用量をさ
らに低減することができる。
下記一般式(V)で表されるα−オレフィが好ましい。 R1−CH=CH2 ・・・(V)
原子又は炭化水素基であって、炭化水素基は、飽和基や
不飽和基であってもよいし、直鎖状のものや分岐鎖を有
するもの、あるいは環状のものであってもよい。具体的
には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−
デセン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−
ペンテン、ビニルシクロヘキサン、ブタジエン、イソプ
レン、ピペリレン等が挙げられる。これらのオレフィン
は単独で用いてもよいし、また、2種以上を組み合わせ
て用いてもよい。これらのオレフィンの中では、特にエ
チレン、プロピレンが好適である。
は、重合活性、並びに重合体の立体規則性及びパウダー
形態の面から、所望に応じ、先ずオレフィンの予備重合
を行った後、本重合を行ってもよい。この場合、固体触
媒成分[A]、有機アルミニウム化合物[B]及び必要
に応じて電子供与性化合物[C]を、それぞれ所定の割
合で混合してなる触媒の存在下に、オレフィンを、通
常、1〜100℃の範囲の温度において、常圧〜5MP
a程度の圧力で予備重合させ、次いで触媒と予備重合生
成物との存在下に、オレフィンを本重合させる。
に制限はなく、溶液重合、スラリー重合、気相重合、バ
ルク重合等のいずれにも適用可能であり、さらに、回分
式重合や連続重合のどちらにも適用可能であり、異なる
条件での2段階重合や多段階重合にも適用可能である。
は、特に制限はなく、重合活性の面から、通常、大気圧
〜8MPa、好ましくは0.2〜5MPa、重合温度
は、通常、0〜200℃、好ましくは、30〜100℃
の範囲で適宜選ばれる。重合時間は原料のオレフィンの
種類や重合温度によるが、通常、5分〜20時間、好ま
しくは、10分〜10時間程度である。
の添加、好ましくは、水素の添加を行うことで調節する
ことができる。また、窒素等の不活性ガスを存在させて
もよい。また、本発明における触媒成分については、固
体触媒成分[A]、有機アルミニウム化合物[B]及び
電子供与性化合物[C]を所定の割合で混合して接触さ
せた後、ただちにオレフィンを導入して重合を行っても
よいし、接触後、0.2〜3時間程度熟成させた後、オ
レフィンを導入して重合を行ってもよい。さらに、この
触媒成分は、不活性溶媒やオレフィン等に懸濁して供給
することができる。本発明においては、重合後の後処理
は、常法により行うことができる。即ち、気相重合法に
おいては、重合後、重合器から導出されるポリマー粉体
に、その中に含まれるオレフィン等を除くために、窒素
気流等を通過させてもよいし、また、所望に応じて押出
機によりペレット化してもよく、その際、触媒を完全に
失活させるために、少量の水、アルコール等を添加する
こともできる。また、バルク重合法においては、重合
後、重合器から導出されるポリマーから完全にモノマー
を分離した後、ペレット化することができる。
が、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
尚、金属マグネシウムの球形度(S);マグネシウム化
合物の球形度(S’)及び粒径分布指数(P’);重合
パウダーの球形度(S’’)及び粒径分布指数
(P’’);重合体の立体規則性[mmmm]は次のよ
うにして求めた。
金属マグネシウムを偏光顕微鏡(OLYMPUS社製B
HS−751P)にて40倍で撮影したものを画像処理
した。画像処理は、画像解析装置(nexsus社製)
により、20画素(1画素を10.4μm×10.4μ
mとした)以下の粒子をカットし、残りの粒子約300
個について行ない、粒子の投影図における最長径L1 及
び投影面積に等しい円の直径L2 を求めて上記式(I)
で算出した。
(S’):乾燥後のマグネシウム化合物を走査型電子顕
微鏡(日本電子(株)製JSM−25SIII )にて、加
速電圧5KV、300倍で撮影し、ネガを得た。次に、
このネガを透過法にて画像処理した。画像処理は、画像
解析装置(nexsus社製)により、20画素(1画
素を0.695μm×0.695μmとした)以下の粒
子をカットし、残りの粒子約2000個について行な
い、粒子の投影図における最長径L1及び投影面積に等
しい円の直径L2を求めて上記式(II)で算出した。
(P’):マグネシウム化合物を炭化水素中に懸濁させ
た状態で、光透過法により粒径を測定し、その粒径分布
を対数正規確率紙上にプロットし、50%粒子径を平均
粒径(D50)とし、90%粒子径(D90)及び10
%粒子径(D10)をそれぞれ求め、上記式(III)か
ら算出した。
マグネシウム化合物の球形度(S’)と同様の方法で算
出した。
(P’’):篩を用いて測定した粒径分布を対数正規確
率紙上にプロットし、50%粒子径を平均粒径
(D50)とし、90%粒子径(D90)及び10%粒
子径(D10)をそれぞれ求め、上記式(III)から算
出した。
重合体を1,2,4−トリクロロベンゼンに溶解し、
13C−NMR(日本電子(株)製、商品名:EX−4
00)を用いて、130℃でプロトン完全デカップリン
グ法により測定したメチル基のシグナルを用いて定量し
た。
mmm]とは、エイ・ザンベリ(A. Zambell
i)等が、マクロモレキュールズ(Macromole
cules)誌 第6巻 925頁(1973)で提案し
た、13C−NMRスペクトルから求められるポリプロ
ピレン分子鎖中のペンタッド単位におけるアイソタクチ
ック分率を意味する。また、13C−NMRスペクトル
のピークの帰属決定法は、エイ・ザンベリ(A. Zam
belli)等が、マクロモレキュールズ(Macro
molecules)誌 第8巻 687頁(1975)
で提案した帰属に従った。
フラスコに、脱水処理したエタノール122g(2.6
4グラム原子)、ヨウ素0.8g(6.3ミリグラム原
子)及び球形度が1.85の金属マグネシウム(アトマ
イズ法により製造)8g(0.33グラム原子)を投入
した。これらを、系内から水素が発生しなくなるまで7
8℃で攪拌(350rpm)して反応させ、マグネシウ
ム化合物(ジエトキマグネシウム)を得た。結果を表1
に示す
口フラスコに、上記(1)で調製したマグネシウム化合
物(担体)16gと、脱水処理したオクタン80ミリリ
ットルを加えた。これを40℃に加熱し、四塩化ケイ素
2.4ミリリットル(23ミリモル)を加えて20分間
攪拌した後、フタル酸ジ−n−ブチル3.4ミリリット
ル(13ミリモル)を加えた。この溶液を80℃まで昇
温し、引き続き、滴下ロートを用いて、四塩化チタン7
7ミリリットル(0.70モル)を滴下し、内温125
℃で1時間攪拌し、担持操作を行った。その後、脱水オ
クタンを用いて十分洗浄を行った。その後、さらに四塩
化チタン122ミリリットル(1.11モル)を加え、
内温125℃で2時間攪拌し、2回目の担持操作を行っ
た。その後、脱水オクタンを用いて十分洗浄を行い、固
体触媒成分を得た。
ブを十分乾燥し、窒素置換した後、脱水処理したヘプタ
ン500ミリリットルを加えた。これにトリエチルアル
ミニウム2.0ミリモル、ジシクロペンチルジメトキシ
シラン0.25ミリモル、上記(2)で調製した固体触
媒成分を、Ti原子換算で0.0025ミリモル加え、
水素を0.1MPa張り込み、続いてプロピレンを導入
しながら、80℃、全圧0.8MPaまで昇温昇圧して
から、1時間重合を行った。その後、降温、脱圧し、内
容物を取り出し、2リットルのメタノールに投入し、触
媒失活を行った。それを濾別し、真空乾燥して、プロピ
レン重合体(ポリプロピレン)を得た。結果を表1に示
す。
(1.9ミリグラム原子)とし、反応温度を50℃、撹
拌数を525rpmとした以外は、実施例1(1)と同
様にしてマグネシウム化合物を得た。結果を表1に示
す。 (2)固体触媒成分の調製 実施例1(2)において、上記(1)で調製したマグネ
シウム化合物を用いた以外は、実施例1(2)と同様に
して固体触媒成分を調製した。 (3)プロピレンスラリー重合 実施例1(3)において、上記(2)で調製した固体触
媒成分を用いた以外は、実施例1(3)と同様にしてプ
ロピレンの重合を行った。結果を表1に示す。
マグネシウムを0.30g(6.3ミリグラム原子)用
いた以外は、実施例1(1)と同様にしてマグネシウム
化合物を得た。結果を表1に示す。 (2)固体触媒成分の調製 実施例1(2)において、上記(1)で調製したマグネ
シウム化合物を用いた以外は、実施例1(2)と同様に
して固体触媒成分を調製した。 (3)プロピレンスラリー重合 実施例1(3)において、上記(2)で調製した固体触
媒成分を用いた以外は、実施例1(3)と同様にしてプ
ロピレンの重合を行った。結果を表1に示す。
ネシウム(切削・ボールミル法により製造)を用いた以
外は、実施例1(1)と同様にしてマグネシウム化合物
を得た。結果を表1に示す。 (2)固体触媒成分の調製 実施例1(2)において、上記(1)で調製したマグネ
シウム化合物を用いた以外は、実施例1(2)と同様に
して固体触媒成分を調製した。 (3)プロピレンスラリー重合 実施例1(3)において、上記(2)で調製した固体触
媒成分を用いた以外は、実施例1(3)と同様にしてプ
ロピレンの重合を行った。結果を表1に示す。
ネシウム(切削法により製造)を用いた以外は、実施例
1(1)と同様にしてマグネシウム化合物を得た。結果
を表1に示す。 (2)固体触媒成分の調製 実施例1(2)において、上記(1)で調製したマグネ
シウム化合物を用いた以外は、実施例1(2)と同様に
して固体触媒成分を調製した。 (3)プロピレンスラリー重合 実施例1(3)において、上記(2)で調製した固体触
媒成分を用いた以外は、実施例1(3)と同様にしてプ
ロピレンの重合を行った。結果を表1に示す。
ネシウム(切削法により製造)を用いて、反応温度を6
0℃にした以外は、実施例1(1)と同様にしてマグネ
シウム化合物を得た。結果を表1に示す。 (2)固体触媒成分の調製 実施例1(2)において、上記(1)で調製したマグネ
シウム化合物を用いた以外は、実施例1(2)と同様に
して固体触媒成分を調製した。 (3)プロピレンスラリー重合 実施例1(3)において、上記(2)で調製した固体触
媒成分を用いた以外は、実施例1(3)と同様にしてプ
ロピレンの重合を行った。結果を表1に示す。
ネシウム(切削法により製造)を用いた以外は、実施例
3(1)と同様にしてマグネシウム化合物を得た。結果
を表1に示す。 (2)固体触媒成分の調製 実施例1(2)において、上記(1)で調製したマグネ
シウム化合物を用いた以外は、実施例1(2)と同様に
して固体触媒成分を調製した。 (3)プロピレンスラリー重合 実施例1(3)において、上記(2)で調製した固体触
媒成分を用いた以外は、実施例1(3)と同様にしてプ
ロピレンの重合を行った。結果を表1に示す。
等の触媒性能を低下させることなく、球状に近いオレフ
ィン重合体を与えるマグネシウム化合物、オレフィン重
合用固体触媒成分、オレフィン重合用触媒及びポリオレ
フィンの製造方法を提供できる。
重合体の製造方法を示す模式図である。
Claims (11)
- 【請求項1】 下記式(I)で表される球形度(S)が
4.00未満の金属マグネシウム、 アルコール、及び前記金属マグネシウム1グラム原子に
対して0.0001グラム原子以上のハロゲン原子を含
むハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物を反応させて
得られるマグネシウム化合物。 S=(L1/L2)3 ・・・・・(I) [式中、L1は、走査型電子顕微鏡で撮影し、画像処理
して求められる前記金属マグネシウムの投影図の最長径
を示し、L2は、前記金属マグネシウムの投影面積に等
しい円の直径を示す。] - 【請求項2】 前記ハロゲンがヨウ素である請求項1に
記載のマグネシウム化合物。 - 【請求項3】 前記ハロゲン含有化合物が塩化マグネシ
ウムである請求項1に記載のマグネシウム化合物。 - 【請求項4】 前記金属マグネシウム、アルコール、及
びハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物の反応温度が
30〜90℃である請求項1〜3のいずれか一項に記載
のマグネシウム化合物。 - 【請求項5】 下記式(II)で表される球形度(S’)
が1.30未満である請求項1〜4のいずれか一項に記
載のマグネシウム化合物。 S’=(L3/L4)3 ・・・・・(II) [式中、L3は、走査型電子顕微鏡で撮影し、画像処理
して求められる前記マグネシウム化合物の投影図の最長
径を示し、L4は、前記マグネシウム化合物の投影面積
に等しい円の直径を示す。] - 【請求項6】 (a)請求項1〜5のいずれか一項に記
載のマグネシウム化合物、及び(b)チタン化合物を反
応させて得られるオレフィン重合用固体触媒成分。 - 【請求項7】 さらに、(c)ハロゲン化合物及び/又
は(d)電子供与性化合物を反応させて得られる請求項
6に記載のオレフィン重合用固体触媒成分。 - 【請求項8】 前記ハロゲン化合物(c)が四塩化ケイ
素である請求項7に記載のオレフィン重合用固体触媒成
分。 - 【請求項9】 下記化合物[A]及び[B]、又は下記
化合物[A],[B]及び[C]からなるオレフィン重
合用触媒。 [A]請求項6〜8のいずれかに一項に記載のオレフィ
ン重合用固体触媒成分 [B]有機アルミニウム化合物 [C]電子供与性化合物 - 【請求項10】 請求項9に記載のオレフィン重合用触
媒を用いるポリオレフィンの製造方法。 - 【請求項11】 下記式(I)で表される球形度(S)
が4.00未満の金属マグネシウム、 アルコール、及び前記金属マグネシウム1グラム原子に
対して0.0001グラム原子以上のハロゲン原子を含
むハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物を反応させる
マグネシウム化合物の製造方法。 S=(L1/L2)3 ・・・・・(I) [式中、L1は、走査型電子顕微鏡で撮影し、画像処理
して求められる前記金属マグネシウムの投影図の最長径
を示し、L2は、前記金属マグネシウムの投影面積に等
しい円の直径を示す。]
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