JP2003340274A - 改良された脱酸素剤組成物 - Google Patents

改良された脱酸素剤組成物

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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】鉄粉100重量部とアルカリ金属もしくは
アルカリ土類金属の臭化物塩0.1重量部以上から成る
組成物であって、当該組成物重量部当たりの25℃、1
00%RHにおける7日目後の酸素吸収量が230ml/
g以上であることを特徴とする脱酸素剤組成物。 【効果】高湿度環境下で脱酸素する過程で鉄粉粒子が全
体的に顆粒状乃至“おこし状”に膨らみ、鉄粉粒子の表
面が覆われることなく有効に内部の酸化が進行する結
果、重量部当たりの酸素吸収量が大きく、錆の発生が防
止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は酸素吸収性を有する
脱酸素剤組成物に関する。詳しくは単位重量部あたりの
酸素吸収能力が大きく、長期間にわたり酸素吸収性能を
維持でき、高湿度における錆の発生が防止された改良さ
れた脱酸素剤組成物又は脱酸素剤包装体に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】鉄粉の酸化反応を利用した脱酸素剤は、
食品などの物品と共にガスバリア性容器に密封収納し容
器内の酸素を除去することにより品質や鮮度を保持する
ために、既に広く利用されている。この市販の脱酸素剤
は、水分の共存下における鉄粉と酸素との反応を利用し
たものである。また、市販の脱酸素剤には、鉄粉の酸化
反応促進のために、通常、塩化ナトリウム等の金属塩化
物が添加されている。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】本発明者らは、金属
塩化物が添加された鉄粉からなる脱酸素剤を検討した結
果、酸化反応が進行するに従い、被酸化主剤である鉄粉
の粒子が凝集して塊状化が起こり、酸化反応が進んだ粒
子の塊状化が進行することにより鉄粉粒子表面が覆わ
れ、鉄粉粒子の内部の酸化が有効に進行しないといった
問題点があることを見出した。
【0004】更に、鉄粉は緻密に凝集塊状化しながら脱
酸素剤包装材と密着するため、ガスバリア性容器内湿度
が高い場合、ガスバリア性容器にピンホールが生じた場
合やガスバリア性容器を開封した後、酸化の進行した鉄
粉が水分に溶けて、鉄錆が通気包装材面から滲み出す
“錆水”が発生して、保存する物品に錆が転写して汚染
し得るといった問題点があることを見出した。
【0005】本発明は従来技術における脱酸素剤の上記
課題を解決し、単位体積あたりの酸素吸収能力が大き
く、長期間にわたり酸素吸収性能を維持でき、錆水の発
生が防止された脱酸素剤を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題に
鑑み鋭意研究を重ねた結果、鉄粉とアルカリ金属又はア
ルカリ土類金属の臭化物塩から成り、鉄粉100重量部
に対して臭化物塩が0.1重量部以上配合した脱酸素剤
組成物を用いることで、鉄粉粒子が全体的に顆粒状に膨
らみ、鉄粉粒子の表面が覆われることなく内部の酸化が
有効に進行し、また、鉄粉の塊状化が特異的に抑制され
て錆水の発生が防止されることを見出し、本発明に到達
するに至った。
【0007】本発明は、鉄粉100重量部とアルカリ金
属もしくはアルカリ土類金属の臭化物塩0.1重量部以
上から成る組成物であって、当該組成物重量部当たりの
25℃、100%RHにおける7日目後の酸素吸収量が2
30ml/g以上であることを特徴とする、改良された
脱酸素剤組成物に関する。また、本発明は、前記脱酸素
剤組成物を通気性包装材料で包装してなる脱酸素剤包装
体およびこの脱酸素剤包装体を使用して、70〜100
%RHの高湿度環境下において脱酸素する方法に関す
る。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の方法について詳
細に説明する。脱酸素剤の主剤となる鉄粉は、鉄の表面
が露出したものであれば特に限定されるものではなく、
還元鉄粉、電解鉄粉、噴霧鉄粉などが好適に用いられ
る。その他、鋳鉄などの粉砕物、切削品などを用いるこ
とができる。鉄粉は、酸素との接触を良好にするために
通常平均粒径1mm以下、好ましくは500μm以下、よ
り好ましくは100μm以下の鉄粉が用いられる。
【0009】脱酸素剤の特徴である酸化促進剤であるア
ルカリ金属塩又はアルカリ土類金属の臭化物塩は、アル
カリ金属の臭化物またはアルカリ土類金属の臭化物であ
れば、特に限定されるものではない。特に、臭化ナトリ
ウム、臭化カリウム、臭化カルシウム、臭化マグネシウ
ムが好ましい。これら臭化物塩は単独で用いても良い
し、複合して使用しても良い。
【0010】鉄粉に対するアルカリ金属の臭化物または
アルカリ土類金属の臭化物の配合量は鉄粉100重量部
当り0.1重量部以上、好ましくは0.1〜0.9重量
部、より好ましくは0.3〜0.9重量部、最も好まし
くは0.5〜0.8重量部である。これにより特異的
に、フィラーを添加しなくとも酸素吸収後に凝集塊状化
を防げ、酸素吸収性能の低下や錆水の発生を防げる。ア
ルカリ金属の臭化物またはアルカリ土類金属の臭化物の
配合量が少ないと、脱酸素剤の酸素吸収速度が遅くなり
品質劣化の早い物品の保存には好ましくない。アルカリ
金属の臭化物またはアルカリ土類金属の臭化物の配合量
が多いと、高湿度雰囲気下では、酸化に伴って塊状化現
象が発生し、脱酸素剤組成物重量部当たりの酸素吸収能
力の低下が起こり、場合によっては、錆の発生が起こり
易くなる。
【0011】特に、アルカリ金属の臭化物またはアルカ
リ土類金属の臭化物の配合量が鉄粉100重量部当り
0.5〜0.8重量部の範囲においては、高湿度下にお
ける脱酸素剤組成物重量当たりの酸素吸収量(mlO2
/g脱酸素剤組成物;7日後)が230ml/g以上に
達し、きわめて酸素吸収量の大きな脱酸素剤組成物とな
るので、好ましい。
【0012】本発明の脱酸素剤組成物は、25℃、10
0%RHにおいて、7日間の組成物重量部当たりの酸素吸
収量が230ml/g以上であることを特徴とする。こ
こで、7日間の組成物重量部当たりの酸素吸収量は、既
知量の脱酸素剤組成物を十分な通気性を有する通気性包
装材料にて包装して脱酸素剤包装体とし、これを十分な
量の既知量の100%RH空気とともにガスバリア性袋に
密封し、25℃で7日保存後、袋内空気の酸素濃度の減
少から求めることが出来る。
【0013】
【発明の実施の形態】以上のように、本発明の脱酸素剤
組成物は、主剤の鉄粉と酸化促進剤であるアルカリ金属
又はアルカリ土類金属の臭化物塩からなる。鉄粉、アル
カリ金属又はアルカリ土類金属の臭化物塩は、均一混合
されて脱酸素剤包装体の内容物(脱酸素剤組成物)となる
が、ここでの混合は単純な混合に限定されず、結果的に
鉄粉、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の臭化物塩が
充分に均一に混合される方法であれば、いかなる処理で
あってもよい。
【0014】例えば、アルカリ金属又はアルカリ土類金
属の臭化物塩は、均一に鉄粉に接触することが効率的か
つ最も好ましいことから、アルカリ金属又はアルカリ土
類金属の臭化物塩を鉄粉表面に被覆することが好まし
い。アルカリ金属又はアルカリ土類金属の臭化物塩を鉄
粉に被覆する方法としては、鉄粉にアルカリ金属又はア
ルカリ土類金属の臭化物塩の水溶液を噴霧し、乾燥させ
る方法が好ましい。
【0015】本発明の脱酸素剤には上記の鉄粉、臭化物
塩の他に必要に応じて添加剤を加える事ができる。例え
ば、臭気防止、粉塵抑制、耐マイクロ波性向上、水素発
生抑制などを目的とし、水酸化アルミニウム、アルミ
ナ、活性炭、軽灰、重曹、珪砂などを適宜混合する事が
できる。また、フィラーを添加し、鉄粉粒子を分散する
ことができる。これらの添加剤を添加混合した場合は、
脱酸素剤包装体のサイズが大きくなり、脱酸素剤包装体
を構成する通気性包装材料の使用量が増大することにな
るので、添加量は必要最小限とする。具体的な添加量
は、鉄粉とアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の臭
化物塩から成る脱酸素剤組成物100重量部に対し、
0.03〜35重量部が好ましく、1〜25重量部の添
加量がより好ましい。
【0016】本発明に用いられる脱酸素剤組成物は、通
気性包装材料により充填包装して脱酸素剤包装体として
使用することができる。その際に用いられる通気性包装
材料としては、脱酸素剤用途に用いられる包装材料であ
れば特に制限はないが、酸素吸収効果を十分に得るため
にできるだけ通気性の高い包装材料が望ましい。たとえ
ば和紙、洋紙、レーヨン紙等の紙類、パルプ、セルロー
ス、合成樹脂からの繊維等の各種繊維類を用いた不織
布、プラスチックフィルムまたはその穿孔物等、あるい
は炭酸カルシウム等を添加した後延伸したマイクロポー
ラスフィルム等、さらにはこれらから選ばれる2種以上
を積層したもの等を挙げることができる。このようなも
のとしては、ポリエチレンからなる不織布、あるいは不
織布とマイクロポーラスフィルムとの積層物が好まし
い。
【0017】さらに、本発明の脱酸素剤組成物を、熱可
塑性樹脂に配合してフィルムもしくはシート状の脱酸素
剤とすることもできる。このようなフィルムもしくはシ
ート状の脱酸素剤は、そのまま、あるいは通気性材料で
覆って使用することができる。また、脱酸素性多層体の
酸素吸収層として使用することもできる。
【0018】本発明の脱酸素剤組成物または本発明の脱
酸素剤組成物を通気性包装材料により充填包装した脱酸
素剤包装体を、物品とともにガスバリアー性容器に密封
して保存することができる。用いたガスバリアー性容器
の形状、材質は、例えば、金属缶、ガラス瓶、プラステ
ィック容器、袋など、密封可能で実質的にガスバリアー
性を有していれば制限されない。又、ポリエチレンテレ
フタレート/アルミ蒸着/ポリエチレン、延伸ポリプロ
ピレン/ポリビニルアルコール/ポリエチレン、ポリ塩
化ビニリデンコート延伸ナイロン/ポリエチレンなどの
多層シートやフィルム、ナイロン系の共押出し多層シー
トやフィルムに例示される、酸素透過度0.05〜20
ml/m2・24hr・atm(25℃、50%RH)の積層体から
成る包装容器、袋が簡便に使用できる。
【0019】本発明の脱酸素剤組成物は、相対湿度40
〜100%RHで脱酸素性能を発揮し得るが、中でも7
0〜100%RH、特に95〜100%RHの高湿度環
境下において、鉄粉粒子が全体的に顆粒状乃至“おこし
状”に膨らみ、鉄粉粒子の表面が覆われることなく酸素
の吸収反応が有効に進行し、また、鉄粉の塊状化が特異
的に抑制されて錆水の発生が防止されるという、特異な
効果を顕著に発揮する。また、臭素の遊離等もなく、脱
酸素剤として食品や医薬品等の保存に好適に使用可能で
ある。
【0020】
【実施例】以下に実施例を挙げ、本発明をより具体的に
説明する。但し本発明はこれら実施例に制限されるもの
ではない。本発明で用いた評価方法を以下に記載する。
【0021】<脱酸素剤組成物の膨張度指標>脱酸素試
験を行う前に、脱酸素剤包装体の長辺側の一辺を手に持
ち振ることで内部の脱酸素剤組成物を前記長辺の対向す
る長辺の側に片寄せさせ、その部分の厚みAをノギスを
用いて測定した。脱酸素試験を行った後、片寄せさた脱
酸素剤組成物部分の厚みBをノギスを用いて測定した。
脱酸素剤包装体長辺部分の厚みの脱酸素前後における変
化から、脱酸素剤組成物の膨張度指標を下式により求め
た。各5サンプルにつき、膨張度指標を求めて平均し
た。膨張度指標が大きいほど、脱酸素剤組成物が大きく
膨張したことを示す。 式1 (膨張度指標)=〔(試験後厚み)−(試験前厚み)〕÷(試
験前厚み)
【0022】<脱酸素剤包装体の錆発生判定>脱酸素試
験を行う間、袋内の脱酸素剤包装体の通気性包装材料表
面に現れる錆の発生を観察し、表1の基準にて判定し
た。脱酸素剤包装体の耐錆性を各5サンプルにつき判定
した。
【0023】
【表1】錆発生判定基準
【0024】実施例1 臭化カリウム、臭化ナトリウム、臭化カルシウムまたは
臭化マグネシウム、各0.5gを水6.17mlに溶解
し、この水溶液を鉄粉(平均粒径50μm)100gに
それぞれ混合しながら加え、乾燥させることで各金属臭
化物が被覆された鉄粉からなる脱酸素剤組成物を調製し
た。得られた脱酸素剤組成物1.8gを長辺50mm×
短辺41mmの非通気面がPET/LLDPE/EVA
の包装材料と通気面側にポリエチレン性不織布を用いた
通気性包装材料の四方シール小袋に充填して脱酸素剤包
装体とした。
【0025】この脱酸素剤包装体を用いて、以下の脱酸
素試験を行った。すなわち、ポリ塩化ビニリデンコート
延伸ナイロン/ポリエチレンのガスバリアー性ラミネー
トフィルムからなる180mm×250mmの袋内に水
10mlを含ませた綿片を置き、その上にポリプロピレ
ン製格子を載せ、更にその上に前記の脱酸素包装体を直
接含水綿に触れないように置き、これらをテープで固定
した。袋を密封し、直径2mmのピンホールを袋の4箇
所に開け、脱酸素剤包装体の長辺の側が下になるように
袋を垂直に吊り下げ、25℃下にて保存した。
【0026】この脱酸素試験において、脱酸素剤組成物
の膨張度指標を求めた。また、脱酸素剤包装体の耐錆性
を判定した。結果を表2、表3に示す。表2より、本発
明の脱酸素剤組成物は、脱酸素する過程において塊状化
することなく、全体的に“おこし状”の膨張が起こっ
て、鉄粉が内部まで均一に酸化したことが理解される。
また、表3より、本発明の脱酸素剤包装体表面には、錆
の発生は見られなかった。
【0027】
【表2】保存21日目の脱酸素剤の状態、脱酸素剤の膨
張度指標
【0028】
【表3】錆発生判定結果
【0029】比較例1 実施例1の各種金属臭化物塩に代えて、各種金属塩化物
塩を同量使用して同様に脱酸素剤組成物を調製し、脱酸
素試験を行った。金属塩化物塩を使用した場合は、表2
に示すように、3日目には錆の発生及び脱酸素剤の塊状
化が認められた。また、表3に示すように、14日目以
降には脱酸素剤包装体表面への視認容易な大きい錆の発
生が認められた。
【0030】比較例2 実施例1の各種金属臭化物塩に代えて、各種金属沃化物
塩を同量使用して同様に脱酸素剤組成物を調製し、脱酸
素試験を行った。金属沃化物塩を使用した場合は、表2
に示すように、3日目には錆の発生及び脱酸素剤の塊状
化が認められた。また、表3に示すように、14日目以
降には脱酸素剤包装体表面への視認容易な大きい錆の発
生が認められた。
【0031】実施例2 空気4000mlを封入し、ピンホールを開けないで袋
を水平に置いた他は実施例1と同様にして、脱酸素試験
を行った。25℃で保存中、ジルコニア式酸素濃度計を
用いて7日置きに21日目まで脱酸素包装体の酸素吸収
量を測定した。又、21日目にガスバリアー袋を開封し
脱酸素剤組成物の状態、通気性包装材表面の錆発生状態
を表1の評価基準で判定した。結果を表4に示す。表4
に示すように、7日目での脱酸素剤組成物重量部当たり
の酸素吸収量は230mlO2/gを越え、14日目で
の脱酸素剤組成物重量部当たりの酸素吸収量は250m
lO2/gを越え、21日目での脱酸素剤組成物重量部
当たりの酸素吸収量は270mlO2/gを越えた。2
1日保存後も脱酸素剤組成物の塊状化、通気性包装材表
面への錆発生は見られなかった。
【0032】
【表4】脱酸素剤組成物の酸素吸収量、状態、脱酸素剤
包装体の錆発生
【0033】比較例3 実施例2の金属臭化物塩に代えて、金属塩化物塩を同量
使用して同様に脱酸素剤組成物を調製し、脱酸素試験を
行った。金属塩化物塩を使用した場合は、表4に示すよ
うに、金属臭化物塩を使用した場合に比べて、酸素吸収
量が少なかった。21日保存後、脱酸素剤組成物の塊状
化、及び包装材表面に+判定の錆の発生が認められた。
【0034】比較例4 実施例2の金属臭化物塩に代えて、金属沃化物塩を同量
使用して同様に脱酸素剤組成物を調製し、脱酸素試験を
行った。金属沃化物塩を使用した場合は、表4に示すよ
うに、金属臭化物塩を使用した場合に比べて、酸素吸収
量が少なかった。21日保存後、脱酸素剤組成物の塊状
化、及び包装材表面に+判定の錆の発生が認められた。
【0035】実施例3 ガスバリアー袋(ポリ塩化ビニリデンコート延伸ナイロ
ン/ポリエチレンのラミネートフィルム)220mm×
330mmに入れた炊飯米1050g上に実施例1で調
製した脱酸素剤包装体1包を直接載せ、密封した。この
密封容器を25℃で30日間保管した後、袋内酸素濃度
を測定したところ0.1%以下であり、炊飯米の風味は
良好であった。脱酸素剤包装体を取り出し調べたとこ
ろ、錆の発生は認められなかった。脱酸素剤包装体と接
触していた炊飯米の部分には、外観上の異常は認められ
ず、ロダンカリ法による試験を行ったが鉄の反応は検出
されなかった。
【0036】
【発明の効果】本発明の脱酸素剤組成物は、脱酸素する
過程で鉄粉粒子が全体的に顆粒状乃至“おこし状”に膨
らみ、鉄粉粒子の表面が覆われることなく有効に内部の
酸化が進行する結果、脱酸素剤組成物重量部当たりの酸
素吸収量が大きい。さらに、鉄粉の塊状化が特異的に抑
制されて錆の発生が防止される。中でも70〜100%
RH、特に95〜100%RHの高湿度環境下において
その効果は顕著である。
【0037】本発明の脱酸素剤包装体は、コンパクトに
でき、長期間にわたり酸素吸収性能を発揮し、また、高
湿度環境で医薬品、食品などを長期間に亘って保存を行
っても、通気性包装材表面に錆を発生することなく使用
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長田 昌輝 東京都葛飾区新宿6丁目1番1号 三菱瓦 斯化学株式会社東京工場内 (72)発明者 堀部 雅之 東京都葛飾区新宿6丁目1番1号 三菱瓦 斯化学株式会社東京工場内 Fターム(参考) 3E067 AA05 AB96 BA12A BA17A BB01A BB06A BB14A BB25A CA03 CA06 GD01 4B021 MC04 MK10 MK14 MP08 4G066 AA02B AA33D BA12 BA36 CA37 DA03 EA07 FA37

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鉄粉100重量部とアルカリ金属もしくは
    アルカリ土類金属の臭化物塩0.1重量部以上から成る
    組成物であって、当該組成物重量部当たりの25℃、1
    00%RHにおける7日目後の酸素吸収量が230ml/
    g以上であることを特徴とする、脱酸素剤組成物。
  2. 【請求項2】鉄粉100重量部に対して前記臭化物塩が
    0.5〜0.8重量部である、請求項1記載の脱酸素剤
    組成物。
  3. 【請求項3】請求項1記載の脱酸素剤組成物を通気性包
    装材料で包装してなる脱酸素剤包装体。
  4. 【請求項4】請求項1記載の脱酸素剤組成物を通気性包
    装材料で包装してなる脱酸素剤包装体を使用して、70
    〜100%RHの高湿度環境下において脱酸素する方
    法。
JP2002148751A 2002-05-23 2002-05-23 改良された脱酸素剤組成物 Pending JP2003340274A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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