JP2003339982A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
によって遊技領域を広くした遊技機では、打球槌の周囲
の空間に余裕がないため打球槌が備える突起の調整が非
常に困難であった。 【解決手段】 パチンコ機の本体枠に係止片を形成する
ことによって打球槌の回動位置を維持可能に構成する。
従って、打球槌の周辺の空間が狭くてもその突起を容易
に調整することができる。また、本体枠に打球槌調整具
の位置決め等を実施するガイド部材を設けたり、取り回
し領域を確保するための切欠を設けることも可能であ
り、かかる構成においても打球槌の周辺の空間が狭い場
合にその突起を容易に調整することができる。
Description
技球を打ち出す遊技機に関する。 【0002】 【従来の技術】パチンコ機などの遊技機においては、本
体全面枠の下部に配設された操作ハンドルによって打出
強度を調整可能な打球槌によって遊技球を遊技盤に対し
て繰り返し打ち出すことにより遊技が行われる。この打
球槌は通常、その回動面の外周側の先端に突起を備えて
おり、当該突起には弾性体が取り付けられる。さらに、
この打球槌は所定の弾性体によって所定の回動方向に付
勢されている。従って、通常状態で一方向に付勢されて
おり、操作ハンドルの操作に応じてモータを駆動し、上
記打球槌に対して逆付勢力を作用させ、また、逆付勢力
を解除して打球槌を繰り返し揺動することによって上記
突起に取り付けられた弾性体で遊技球を打ち出すことが
できる。 【0003】遊技場では通常、既定の大きさで作成され
た複数台の遊技機を島に対して並設しており、各遊技機
の枠はほぼ既定の大きさであると言える。近年、枠の大
きさを変化させることなく遊技盤を大きくした、いわゆ
るL枠の遊技機が提案されている。この遊技機では遊技
盤下部の上皿や下皿をなるべく下方に配設し、遊技盤の
周囲に配設される枠やガラス扉の開閉機構等をなるべく
遊技盤の周縁に配設することによって遊技盤上の遊技球
誘導レールを周縁方向に拡張し、広い遊技領域を確保し
ている。従って、このL枠では遊技球を打ち出すための
遊技球発射機構が従来の遊技機より下方に配置される。
また、遊技球誘導レールが周縁方向に拡張し、遊技球発
射機構が下方に配置されることによって、従来の遊技機
より遊技球打出方向がより上方向きになるとともに、遊
技球を打ち出した後に当該遊技球が最初に上記遊技球誘
導レールまで到達する位置が従来の遊技機より左方にな
っており、到達距離が長くなっている。さらに、遊技盤
下部や遊技盤の周縁に配設される機構部分を構成するた
めの空間が限られている。従って、上記打球槌を配設す
る空間が従来の遊技機より、狭くなるとともに当該狭い
空間に種々の部品が配設されることになる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】上述した従来のL枠の
遊技機においては、次のような課題があった。すなわ
ち、遊技球の打出方向を調整するために上記打球槌の突
起の配向方向を調整する必要があるが、L枠の遊技機で
は遊技球を適正な方向に打ち出すためにより厳密に突起
の配向方向を決定する必要があり、また、打球槌の周囲
の空間に余裕がなく調整が非常に困難であった。具体的
には、遊技球が上記遊技球誘導レールに接触する際に当
該遊技球の飛翔方向と遊技球誘導レールの接線方向とが
大きく異なっていると、多くの運動エネルギーが遊技球
から遊技球誘導レールに伝達されてしまう。この場合、
遊技球が遊技球誘導レールによって適切にガイドされ
ず、遊技領域に達することができない。 【0005】また、打球槌の突起の配向方向を調整する
際には、打球槌の突起に対して円筒状の部材を有する調
整具を装着し、当該調整具を操作して円筒状の部材に対
して直接的に力を作用させることによって突起の配向方
向を調整する必要がある。しかし、L枠では上述のよう
に打球槌周辺の空間が狭く、また、周辺の狭い空間に種
々の部品が配設されているので、上記付勢力によって所
定位置で待機している打球槌に対して上記調整具を装着
することが困難である。本発明は、上記課題にかんがみ
てなされたもので、周囲の空間が狭い打球槌であっても
容易に調整を行うことが可能な遊技機の提供を目的とす
る。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1にかかる発明は、突起を備えた打球槌を駆
動するとともに当該突起を介して遊技球に対して打出力
を作用させて遊技球を打ち出す遊技機であって、同遊技
機の本体枠に配設されるとともに上記打球槌をその待機
位置から所定量駆動させた調整位置にて当該打球槌に係
合して当該調整位置を一時的に保持させる係止片を備え
る構成としてある。 【0007】上記のように構成した請求項1にかかる発
明においては、定常状態で所定の位置に待機している打
球槌に備えられた突起の配向方向を簡単に調整するため
の構成を遊技機の本体枠に採用している。すなわち、打
球槌を通常の待機位置から駆動させた後に所定の位置で
保持することができ、当該所定の位置で打球槌の突起の
配向方向を調整することができる。この結果、調整終了
前に打球槌が待機位置に復帰してしまうことを防止する
ことができる。従って、打球槌の調整具を打球槌の突起
に対して装着し、当該突起の配向方向を調整するに際し
て、打球槌を調整位置に維持させるために調整具によっ
て常に打球槌に対して力を作用させる必要がなく、突起
の配向方向の調整のみに力を利用することができる。 【0008】かかる構成によれば、打球槌周辺の空間が
非常に狭く、また、打球槌の待機位置にて当該打球槌が
前面枠の端面からわずかに上方に突出する状態あるいは
突起が前面枠の端面の下方に位置する状態であっても、
調整しやすい調整位置にまで打球槌を移動させるととも
に当該調整位置に保持して容易に突起の配向方向を調整
することができる。かかる構成は、打球槌の周辺の空間
が狭いL枠において特に好適である。上記打球槌の突起
が前面枠の端面からわずかに上方に突出する状態は、そ
の突出量が小さいことによって打球槌が駆動させづらく
なる状態であり、この限りにおいて突出量は限定されな
い。 【0009】本発明は、上記の構成に限られるものでは
なく、以下の手段も含むものである。 手段1 上記打球槌が所定の弾性体の付勢力によって回動するよ
うに構成されており、上記係止片は上記打球槌を上記付
勢力の作用方向と逆方向に所定量回動させた回動位置に
て当該打球槌に係合して当該回動位置を一時的に維持す
るように構成しても良い。すなわち、回転可能に軸止さ
れた打球槌に対して弾性体を取り付け、所定方向に付勢
力を作用させておけば、遊技球の打出に際して上記付勢
力の逆方向に力を作用させ、当該力を解除することによ
って打球槌を付勢力方向に回動させて、遊技球を打ち出
すことができる。かかる構成において、係止片によって
打球槌を係合することにより、弾性体の付勢力によって
所定の回動方向に付勢されている打球槌をその逆方向に
回動させた所定の調整位置で保持することができる。 【0010】従って、打球槌に作用する付勢力によって
調整終了前に打球槌が待機位置に復帰してしまうことを
防止することができる。また、打球槌の調整具を打球槌
の突起に対して装着し、当該突起の配向方向を調整する
に際して、打球槌を調整位置に維持させるために調整具
によって常に打球槌に逆付勢力を作用させる必要がな
い。このため、非常に容易に打球槌の突起の配向方向を
調整することができる。ここで、上記弾性体においては
打球槌を回動させる付勢力を作用させることができれば
よく、種々の部材を採用可能である。例えば、螺旋状の
バネによれば螺旋軸方向に付勢力を作用させることがで
きる。他にも、筒状や柱状に成形したウレタンゴム等、
種々の部材によって弾性体を構成することができる。
尚、遊技球の打出に際して打球槌を駆動する駆動力は種
々の構成によって生成することができる。すなわち、上
記弾性体を利用する構成の他、ソレノイド等によって打
球槌を駆動し、その突起を介して遊技球を打ち出す構成
等を採用可能である。 【0011】手段2 上記係止片の構成として、本体枠に設けられた溝に沿っ
て打球槌の駆動経路と駆動経路外とを進退する構成が採
用可能である。打球槌の駆動経路上に係止片を配設させ
ておけば、打球槌の駆動後に所定の弾性体の付勢力によ
って打球槌の待機位置に復帰しないように所定位置にと
どめておくことができ、打球槌の突起を容易に調整する
ことができる。また、係止片が溝に沿って進退すること
により、調整時以外には係止片を駆動経路から容易に退
避させておくことができる。 【0012】手段3 上記係止片の構成として、本体枠に押しボタンを設ける
とともに当該ボタンの押し込み操作によって打球槌の回
動経路に係止片が突出するような構成が採用可能であ
る。かかる構成においても打球槌の駆動経路上に係止片
を配設させておけば、打球槌の駆動後に所定の弾性体の
付勢力によって打球槌の待機位置に復帰しないように所
定位置にとどめておくことができ、打球槌の突起を容易
に調整することができる。 【0013】手段4 上記打球槌に備えられた突起の配向方向を容易に調整す
るための構成として本体枠に設けられた溝に沿って進退
する係止片を構成し、当該係止片の進退に際して打球槌
を係合して駆動させることができるようにしても良い。
かかる構成によれば、打球槌の周辺の空間が狭い場合で
あっても容易に打球槌を駆動し、調整しやすい位置に配
置することができる。むろん、この係止片の進退を一時
的にロックすることによって上述の係止片と同様に打球
槌を所定の駆動位置にて一時的に維持させるように構成
しても良い。 【0014】手段5 上記本体枠の構成として、打球槌調整具の初期位置を位
置決めする部材を配設しても良い。たとえば、打球槌調
整具の初期位置として好適な位置に隣接させて本体枠か
ら突出した部材を形成すれば、当該突出した部材に打球
槌調整具を押し当てることによって打球槌調整具を非常
に容易かつ確実に打球槌調整具の初期挿入位置決めを実
施することができる。位置決めのための部材の形状は特
に限定されない。すなわち、打球槌調整具の初期挿入位
置を規定することができる限りにおいて任意の形状の部
材を採用することができる。打球槌周辺の狭い空間で構
成するためには、当該部材の形状を打球槌調整具の先端
形状と相似形状に形成する構成が好ましい。 【0015】手段6 上記本体枠の構成として、打球槌調整具の動作をガイド
するガイド部を形成しても良い。たとえば、打球槌調整
具によって打球槌を駆動させるとともに当該打球槌が備
える突起に所定の装着部を装着して配向方向を調整する
構成においては、打球槌調整具の挿入、打球槌調整具に
よる打球槌の駆動、装着部の装着など一連の動作が必要
になる。そこで、この動作をガイドするような部材を構
成すると好適である。この結果、調整時にはガイド部材
に沿って打球槌調整具を手元でひねるのみで上記突出部
にて打球槌を駆動し、さらに、駆動後に打球槌調整具を
大きく移動させることなく装着部を突起に装着すること
ができる。ガイド部材の形状は特に限定されない。すな
わち、打球槌調整具の動作をガイドすることができる限
りにおいて任意の形状の部材を採用することができる。
動作をスムーズにガイドするためには打球槌調整具の外
周部に沿った壁面を形成する構成が好ましい。ガイド部
の構成としては本体枠から手前側に突出する部材を形成
しても良いし、本体枠側に凹部を設けても良い。 【0016】手段7 上記本体枠の構成として、打球槌の突起の配向方向を調
整する際に打球槌調整具を取り回すための空間を形成す
る凹部あるいは切欠を形成しても良い。これら凹部や切
欠が本体枠に設けられていれば、突起調整時に打球槌調
整具と本体枠とが干渉しづらく、打球槌調整具を高い自
由度で取り回すことができる。また、場合によっては凹
部や切欠の端面に打球槌調整具を当接させ、当該当接位
置を支点にしててこの原理によって容易に突起に対して
力を作用させることができ、少ない力で容易に突起の配
向方向を調整することが可能になる。 【0017】手段8 さらに、上記打球槌調整具として、一方向に長い部材で
あるとともに一方の先端に打球槌の突起に対して装着可
能な装着部を有し、同装着部側の先端に上記打球槌の一
部に係合させつつ当該打球槌を通常状態の待機位置から
上記付勢力の作用方向と逆方向に回動させることが可能
な突出部を形成したものを採用しても良い。すなわち、
打球槌調整具は一方向に長い部材であるとともに一方の
先端に打球槌の突起に対して装着可能な装着部を備えて
おり、さらに突出部を備えている。この突出部は打球槌
調整具の装着部側の先端に構成されており、同突出部を
上記打球槌の一部に係合させることが可能である。そし
て、当該打球槌を通常状態の待機位置から駆動させるこ
とが可能である。 【0018】従って、突出部を打球槌周辺の狭い空間に
挿入して容易に打球槌を駆動することが可能である。さ
らに、調整具は装着部を備えており、上記突出部による
打球槌への係合を解除し後に打球槌の突起に上記装着部
を装着させることができる。また、打球槌調整具は一方
向に長い部材であり、当該装着部はその一方の先端に配
設されているので、他方の先端寄りの部分を握りつつ打
球槌調整具を移動させることによって、容易に突起の配
向方向を調整することができる。 手段9 上記突出部の構成として、上記装着部に対して上記突起
を挿入する方向に延設した部材で形成しても良い。上記
突起は打球槌に対して垂設されていることが多く、これ
により打球槌の駆動にてその突起の移動方向に遊技球を
打ち出すようになっている。従って、装着部に対して突
出部を延設すると当該突出部によって打球槌を係合して
駆動させると同時に、装着部を突起の挿入方向に配向さ
せることができ、この係合を解除して上記付勢力によっ
て打球槌を待機位置に復帰させるときに、上記装着部を
容易に打球槌の突起に装着させることができる。 【0019】手段10 上記突出部の構成として、薄板状の部材を形成しても良
い。薄板状の部材を形成すれば、打球槌の周辺の空間に
余裕が少ない場合であってもその隙間に当該薄板状の部
材を挿入し、打球槌を駆動することができる。 【0020】手段11 上記突出部の構成として、屈曲した板状の部材を形成し
ても良い。屈曲した板状の部材を形成すれば、当該屈曲
した板の先端を打球槌に係合して駆動させることがで
き、この係合を解除して上記付勢力によって打球槌を待
機位置に復帰させるときに、打球槌を容易に回避しつつ
容易に当該打球槌の突起を上記装着部に装着させること
ができる。 【0021】手段12 上記突出部の構成として、鉤状の係合部と円弧状のガイ
ド部とを備える部材を形成しても良い。鉤状の部位を形
成すれば容易に打球槌を係合させることができ同打球槌
を駆動させている途中に誤って係合を解除することが少
なくなって操作性が向上する。円弧状の部位を形成すれ
ば、当該円弧状の部位に打球槌を当接させつつ摺動さ
せ、打球槌およびその突起と打球槌調整具との相対的な
位置関係を容易に規定することができ、打球槌の突起を
確実に上記装着部へガイドすることができる。 【0022】手段13 上記打球槌調整具の構成として、装着部側の先端寄りの
所定位置を屈曲させても良い。装着部側の先端寄りの所
定位置を屈曲させれば、狭く複雑な隙間を有する打球槌
の周辺の空間において高い自由度で打球槌調整具を移動
させて打球槌に到達させることができるとともに、高い
自由度で打球槌の突起に装着した装着部を移動させて突
起の配向方向を調整することができる。むろん、屈曲は
一箇所でも良いし二箇所以上でも良い。屈曲位置や屈曲
角度,屈曲の形状等は本体枠と打球槌の位置関係や打球
槌およびその周辺の部材の形状に対応させて変形するこ
とができる。 【0023】手段14 上記打球槌調整具の構成として、装着部側の先端寄りの
所定位置に切欠を形成しても良い。打球槌調整具に切欠
が形成されていれば、狭く複雑な隙間を有する打球槌の
周辺の空間において、打球槌に対して打球槌調整具を到
達させるために障害となりうる部材を容易に回避し、高
い自由度で打球槌調整具を移動させて打球槌に到達させ
ることができるとともに、高い自由度で打球槌の突起に
装着した装着部を移動させて突起の配向方向を調整する
ことができる。むろん、切欠は一箇所でも良いし二箇所
以上でも良い。切欠の形成位置や切欠の深さ,切欠の形
状等は前面枠と打球槌の位置関係や打球槌およびその周
辺の部材の形状に対応させて変形することができる。 【0024】手段15 上記打球槌調整具の構成として、所定の位置に把手を装
着する装着穴を形成しても良い。装着穴を形成すれば、
打球槌調整具に把手を装着することができ、上記装着部
と反対側の端部と把手とを握りつつ両手で打球槌調整具
を移動させることができる。従って、打球槌の突起の配
向方向を微妙に調整することが可能になる。また、力加
減を容易に調整することができるし、突起に対してより
大きな力を作用させることができる。この結果、非常に
高い操作性で打球槌を操作することができる。 【0025】手段16 上記装着部の構成として、円筒状の部材を形成すること
ができる。円筒状の部材によれば、当該円筒より径の小
さな円柱状の突起や円錐状の突起に装着して当該突起の
垂設方向に略垂直な任意の角度に配向するように力を作
用させることができ、高い自由度で突起の配向方向を調
整することができる。むろん、突起の配向方向を調整す
るに当たり、当該突起に対して弾性体を装着したままの
状態で装着部を装着しても良い。 【0026】手段17 上記装着部の構成として、断面略U字形の部材を形成す
ることができる。断面略U字形の部材は、当該断面略U
字形の部材の内径より径の小さな円柱状の突起や円錐状
の突起に容易に脱着することができる。従って、突起配
向方向の調整に際して装着部の脱着に手間がかかること
がない。むろん、突起の配向方向を調整するに当たり、
当該突起に対して弾性体を装着したままの状態で装着部
を装着しても良い。 【0027】手段18 上記打球槌の構成として、上記突起が先端寄りの所定位
置に配設される打球槌に対して当該突起より先端側に延
設された延設部を形成しても良い。当該延設部によれ
ば、当該延設部に対して打球槌の調整具に備えられた突
出部等を容易に係合させ、打球槌を通常状態の待機位置
から駆動することができる。むろん、打球槌の調整具を
利用することが必須ではなく、上記延設部を指で操作し
て打球槌を駆動しても良い。以上のようにして、打球槌
の周囲の空間が狭くても、当該打球槌を駆動させて調整
容易な場所まで打球槌を移動させることができ、その突
起の配向方向を容易に調整することができる。かかる構
成は打球槌の周辺の空間が狭いL枠では特に好適であ
る。上記打球槌の突起が前面枠の端面からわずかに上方
に突出する状態は、その突出量が小さいことによって打
球槌が駆動させづらくなる状態であり、この限りにおい
て突出量は限定されない。 【0028】手段19 上記打球槌が所定の弾性体の付勢力によって回動するよ
うに構成されており、当該付勢力の作用方向と逆方向に
打球槌を回動させるための部材を上記延設部に係合でき
るように構成しても良い。すなわち、回転可能に軸止さ
れた打球槌に対して弾性体を取り付け、所定方向に付勢
力を作用させておけば、遊技球の打出に際して上記付勢
力の逆方向に力を作用させ、当該力を解除することによ
って打球槌を付勢力方向に回動させて、遊技球を打ち出
すことができる。かかる構成において、延設部に対して
付勢力の作用方向と逆方向に打球槌を回動させるための
部材を係合可能であれば、当該部材によって非常に容易
に打球槌を回動させることができる。すなわち、調整可
能な位置に打球槌を容易に移動させることができる。当
該部材は打球槌の調整具に対して配設しておけばよい。
ここでも、上記弾性体においては打球槌を回動させる付
勢力を作用させることができればよく、種々の部材を採
用可能である。また、遊技球の打出に際して打球槌を駆
動する駆動力は種々の構成によって生成することができ
る。 【0029】手段20 上記打球槌の構成として、延設部を打球槌の駆動平面に
略垂直に延設しても良い。すなわち、打球槌によって遊
技球を打ち出すために、通常は打球槌の駆動平面に対し
て平行に突起を設け、当該突起で遊技球を打ち出すが、
延設部が打球槌の駆動平面に平行でなくても当該延設部
を介して打球槌を駆動させることができる。むろん、当
該突起において突起に対して略垂直に延設部を設けても
よいし、打球槌の本体において延設部を設けても良い。
尚、打球槌を回動させる場合に、上記駆動平面は打球槌
の回動平面である。 【0030】手段21 上記打球槌の構成として、当該打球槌と別部材を装着可
能に構成してもよい。別部材を装着することができれ
ば、打球槌の突起の調整時に必要に応じて装着し、打球
槌を実質上延設することができる。別部材を装着可能に
する構成としては、例えば、打球槌の先端に突起を延設
し上記別部材において当該突起に嵌合可能な凹部を形成
する構成を採用可能である。むろん、打球槌に凹部を形
成し別部材に突起を形成しても良いし、突起と凹部との
嵌合以外に種々の装着機構を採用可能である。また、打
球槌を延設可能に構成できる限りにおいて別部材の形状
も限定されず、矩形,板状,屈曲した部材等種々の形状
を採用可能である。 【0031】手段22 上記延設部の構成として、遊技機の前面枠端面より上方
に露出する長さに形成しても良い。すなわち、打球槌が
遊技機の前面枠に対して回動可能に支持されており、打
球槌の待機位置では当該打球槌に設けられた突起の先端
が遊技球の発射点に位置する状態であり、さらに打球槌
の回動範囲内では上記待機位置において打球槌の先端が
最上位置になる状況で、延設部を前面枠端面より上方に
露出させる。かかる構成によれば、打球槌の待機位置に
おいて当該打球槌と延設部との境界が上記前面枠の端面
より下方あるいは略同一面に配置されていても、延設部
を介して非常に容易に打球槌を回動させることができ
る。 【0032】手段23 上記延設部の構成として、延設部を所定の位置にて屈曲
させても良い。延設部が屈曲していれば、打球槌の調整
具をより簡単に係合させることができ、打球槌を容易に
駆動することができる。 【0033】手段24 上記延設部の構成として、延設部に切欠や凹部を形成し
ても良い。切欠や凹部によれば、打球槌の調整具をより
確実に係合させることができるし、係合して打球槌を駆
動させているときに当該係合が容易に解除されることを
防止することができる。むろん、係合が容易に解除され
ることを防止するため、滑り止めを形成しても良い。 【0034】手段25 上記打球槌の構成として、モータの回転駆動力を利用し
て突起調整のための調整位置へと駆動してもよい。すな
わち、必ずしも打球槌の調整具によって打球槌を駆動す
る構成を採用する必要はなく、モータの回転駆動力によ
って打球槌を調整用の初期位置に移動させても良い。こ
の場合の駆動量はほぼ一定であるため、サーボモータや
ソレノイドを利用して特定角度回転させるように駆動す
る構成等を採用可能である。 【0035】手段26 上記遊技機の構成として、遊技球誘導レールを遊技領域
の周縁側に配置して同遊技球誘導レールの曲率半径を増
大させたものを採用しても良い。すなわち、L枠の遊技
機においては遊技球誘導レールを周縁方向に拡張するこ
とによって遊技領域として広い面積を確保しており、か
かる遊技機に対して本発明を適用することができる。他
にも遊技球が最初に遊技球誘導レールに到達する位置を
遊技機の左方に移動することによって遊技領域を遊技機
の下方に拡張した構成や遊技球誘導レールの下端側の傾
角を大きく(急斜面に)することによって遊技領域を遊
技機の下方に拡張した構成に対して本発明を適用するこ
とが可能である。L枠に対して本発明を適用するために
は、上述の曲率半径が従来の遊技機の遊技球誘導レール
における曲率半径より大きく、また、上述の到達位置が
従来の遊技機における遊技球誘導レールへの到達位置よ
り左方であり、また、上述の傾角が従来の遊技機におけ
る遊技球誘導レール下端側の傾角より大きければよい。 【0036】 【発明の効果】以上説明したように本発明は、打球槌の
突起を調整しやすい回動位置で打球槌を維持することが
でき容易に突起の配向方向を調整可能な遊技機を提供す
ることができる。また、手段1にかかる発明によれば、
弾性体の付勢力によって回動する打球槌の突起を調整し
やすい回動位置で維持することができる。さらに、手段
2にかかる発明によれば、必要に応じて打球槌をその回
動経路の所定位置で保持することができる。 【0037】さらに、手段3にかかる発明によれば、打
球槌の突起を調整しやすい回動位置で打球槌を維持する
ことができ突起の配向方向の調整が容易になる。さら
に、手段4にかかる発明によれば、打球槌の駆動と所定
駆動位置での維持とを容易に実施することができる。さ
らに、手段5にかかる発明によれば、打球槌調整具を初
期位置に対して的確に配置することができる。 【0038】さらに、手段6にかかる発明によれば、打
球槌調整具を的確に移動させ、打球槌の突起に対して確
実に装着することができる。さらに、手段7にかかる発
明によれば、打球槌調整具の取り回し作業が非常に楽に
なる。さらに、手段8にかかる発明によれば、打球槌の
周囲の空間が狭い打球槌であっても容易に調整を行うこ
とが可能な遊技機の打球槌調整具を提供することができ
る。また、打球槌調整具によって一連の動作で打球槌の
回動と突起の調整を実施することができる。 【0039】さらに、手段9にかかる発明によれば、装
着部を容易に突起に装着可能である。さらに、手段10
にかかる発明によれば、打球槌を容易に駆動させること
ができる。さらに、手段11にかかる発明によれば、打
球槌の駆動と装着部の突起への装着とが容易になる。 【0040】さらに、手段12にかかる発明によれば、
装着部を突起に対して的確に装着させることができる。
さらに、手段13および手段14にかかる発明によれ
ば、打球槌調整具を容易に取り回すことができ、突起の
調整が容易になる。さらに、手段15にかかる発明によ
れば、打球槌調整具を容易に取り回すことができ、ま
た、少ない力で突起の配向方向を変動させることがで
き、突起の調整が容易になる。 【0041】さらに、手段16にかかる発明によれば、
突起に対して容易に装着可能な装着部を形成することが
できる。さらに、手段17にかかる発明によれば、突起
に対して装着部を容易に脱着することができる。さら
に、手段18にかかる発明によれば、打球槌の周辺が狭
い遊技機において狭い空間に打球槌の調整具を挿入して
容易に打球槌を回動させることができる。 【0042】さらに、手段19にかかる発明によれば、
弾性体の付勢力によって回動する打球槌の周辺の空間が
狭くても容易に打球槌を回動させることができる。さら
に、手段20〜手段22にかかる発明によれば、狭い空
間に打球槌の調整具を挿入し容易に打球槌を駆動させる
ことができる。さらに、手段23および手段24にかか
る発明によれば、打球槌の調整具を打球槌に対してより
確実に係合させることができる。さらに、手段25にか
かる発明によれば、打球槌を適切な位置に自動で回動さ
せることができる。さらに、手段26にかかる発明によ
れば、本発明をL枠に対して適用することができる。 【0043】 【発明の実施の形態】以下、図面にもとづいて本発明の
実施形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態にか
かるパチンコ機において前面のガラス枠を取り外した状
態を正面図により示している。すなわち、本パチンコ機
においてはメンテナンス等のためにガラス枠を取り外し
たり開閉することが可能であり、同図に示すようにして
ガラス枠を取り外したり、開いた状態で本発明にかかる
遊技機の打球槌の突起配向方向を調整する。 【0044】図において、パチンコ機10は、電動式の
遊技球打出部20を備えており、操作ハンドル21を手
で持って右方向に回転させると、盤面下方から所定の周
期で遊技球が連続的に打ち出され、打ち出された遊技球
は誘導レール11を通って遊技領域12に導出される。
遊技領域12に導出された遊技球が盤面中央付近に設置
された始動口13に入賞すると、液晶表示パネル14の
表示内容が変動する。この液晶表示パネル14には三つ
の数字が表示されるようになっており、数値が揃った場
合に大入賞口15が開放される。 【0045】このようにして大入賞口15が開放され、
当該大入賞口15に遊技球が入賞することによって多く
の遊技球が提供される。そして、遊技者はパチンコ機1
0の前面に備えられた図示しない上皿等に多くの遊技球
を蓄積できるように遊技を行うようになっている。同図
に示すパチンコ機は、L枠と呼ばれるパチンコ機であ
り、遊技領域12の面積が従来のパチンコ機より上下左
右に広い。従って、上記図示しない上皿が従来のパチン
コ機より下方に配置される。L枠であってもパチンコ機
10を設置する遊技島の大きさは従来のものと同一であ
ることから、上皿や上記遊技球打出部20を配設するた
めの領域は従来のパチンコ機と比較して狭くなってい
る。従って、上皿や遊技球打出部20においては狭い領
域を効率的に利用して各機構が配設されている。 【0046】図2は、上記遊技球打出部20の上部を拡
大して示す斜視図であり、図3は遊技球打出部20の主
な機構を示す図であって背面側から眺めた状態で示して
いる。遊技球打出部20においては、モータの回動力が
打球槌22に伝達され、打球槌22の揺動によって繰り
返し遊技球を打ち出すようになっている。打球槌22は
細長い薄板状の部材によって構成されており、先端部分
に突起22aを備えている。突起22aは打球槌22の
長手方向に対して略直角に垂設されており、全体として
略L字型を形成している。突起22aと打球槌22の本
体とは別部材かつ別の素材によって形成されており、双
方が硬い素材であるが突起22aの方がやわらかい素材
である。 【0047】従って、突起22aに対して力を作用させ
たときに、打球槌22本体よりも突起22aの方が曲が
りやすく、突起22aの配向方向を調整することができ
る。むろん、これらの部材は硬いため、繰り返し遊技球
を打ち出す際にはほとんどその配向方向は変形しない。
また、突起22aは先端に向けて徐々にその径が細くな
るように形成されており、当該突起22aの外周と略同
一の内径を有するバネ22bが挿入される。 【0048】打球槌22においては、突起22aの逆側
の一端からやや中央よりにて回動可能に支持されるとと
もに、回動軸付近の側端面から略垂直方向に突出する爪
片22cが形成されている。さらに、打球槌22の概ね
中程にて紙面右方向に打球力調節バネ23により牽引さ
れ、側端がストッパ24に突き当たって止まる構成とな
っている。従って、打球槌22は打球力調整バネ23の
付勢力によってストッパ24方向に付勢されており、通
常状態ではストッパ24に対して打球槌22が当接した
状態で待機している。 【0049】一方、操作ハンドル21はいわゆるタッチ
センサを兼ねており、遊技者が手で触れて回動させると
モータ部25内の発射モータ25aが回転し、この発射
モータ25aの回転軸に取り付けられた概略勾状の回転
体25bが紙面時計回りに回転するようになっている。
発射モータ25aの回転時において、回転体25bが所
定の位置まで回転すると爪片22cの先端に当接し、さ
らに回転が進むと打球力調節バネ23の牽引力に逆らう
ようにして打球槌22を紙面反時計回り方向に回動させ
る。 【0050】そして、回転体25bの勾状部先端が爪片
22cの先端からはずれると、打球力調節バネ23の付
勢力により紙面時計回り方向に勢いよく回動し、側端が
ストッパ24に突き当たって止まる。すなわち、打球槌
22は発射モータ25aの回転に応じて所定範囲内で往
復動を繰り返し、上記突起22aに取り付けられたバネ
22bの先端を介してこの回動力を遊技球に伝達する。
従って、この動作に連動して遊技球が打ち出されるよう
になっており、遊技球が連続的に打ち出されることとな
る。 【0051】打球力調節バネ23における打球槌22と
は別の一端は、略楕円形の板状部材にて形成されるバネ
長調節片26の先端部分に固定されている。このバネ長
調節片26は打球力調節バネ23を固定した側とは別の
端部付近にて回動可能に支持されるとともに、側端部に
ワイヤー26aが接続されている。さらに、このワイヤ
ー26aの別の一端は操作ハンドル21の軸側に接続さ
れ、当該操作ハンドル21の回動角度に応じて紙面左方
向に引っ張られる。すると、バネ長調節片26は紙面時
計回り方向に回動し、打球力調整バネ23が伸張されて
遊技球の打出力も大きくなる。従って、遊技者は所望の
打出力を得るべく適宜操作ハンドル21の回動角度を調
整する。 【0052】遊技球打出部20の上部においては、図2
に示すように前面のガラス枠を外した状態において上記
打球槌22の突起22a側の先端がガラス枠の下方かつ
本体右側に位置している。このパチンコ機においては、
本体枠の一部として前面枠16を備えており、当該前面
枠16に遊技球を貯留する下皿等が配設されている。同
前面枠16は遊技盤の前面と略平行であり同前面枠16
の裏側に上記打球槌22が軸止されている。従って、打
球槌22の回動平面と前面枠16の壁面とは略平行であ
る。 【0053】前面枠16の奥側には遊技面と略平行な平
面を有する壁面17が形成されており、この壁面17の
手前側に上皿等が配設される。この壁面17と前面枠1
6とが形成する平面の間が打球槌22の回動平面であ
り、上記打球槌22の待機位置において打球槌22の突
起22aの先端には上記誘導レール11の一部が位置し
ている。また、上記上皿からは貯留された遊技球が図2
に示す突起22aの先端位置に逐次供給されるようにな
っており、供給された遊技球はこの誘導レール11と保
持部材17aとの間に保持される。従って、打球槌22
が回動しても遊技球は保持部材17aと誘導レール11
の間に保持されるが、打球力調整バネ23の付勢力によ
って打球槌22が再び図2に示す待機位置に復帰したと
きにバネ22bの先端によって遊技球を誘導レール11
方向に打ち出す。 【0054】同バネ22bは打球槌22の突起22aに
取り付けられているため、その配向方向は突起22aの
配向方向とほぼ一致する。従って、打球槌22の待機位
置は一定であっても、バネ22bの配向方向は突起22
aの配向方向によって異なり、図3に示すように突起2
2aの配向方向によって遊技球が打ち出される方向も異
なってくる。本実施形態にかかるパチンコ機10は上述
のようにL枠であり、誘導レール11の経路も従来のパ
チンコ機より長くなっているので、遊技球の初期打出方
向によって遊技球が遊技盤に対して適切に供給された
り、適切に供給されなかったりする。従って、L枠にお
いては特に当該突起22aの配向方向の調整が重要であ
る。 【0055】一方、図2に示すように、本実施形態にか
かる打球槌22は先端部分が前面枠16の奥側に位置し
ており、打球槌22の上先端は前面枠16の上端面より
下方に位置している。また、打球槌22の待機位置にて
突起22aの周辺に各種部材が配設されているので、打
球槌22を回動させないとその突起22aを調整するこ
とができない。しかし、打球槌22は上述の打球力調整
バネ23によって常に図2の紙面反時計回り方向に付勢
されており、この付勢力に抗して打球槌22を回動させ
続けながら突起22aに対して打球槌調整具を装着し、
装着後にさらに突起の配向方向を調整するのは一般的に
は容易でない。本実施形態のようなL枠のパチンコ機1
0においては打球槌22の周辺の空間が狭いので、作業
容易性は特に重要である。 【0056】そこで、本発明では壁面17においてスト
ッパを設け、打球槌22を適切な回動位置で維持させる
ことができるように構成した。すなわち、壁面17の紙
面右下かつ前面枠16の端面より下方において水平方向
の溝17bが設けてある。当該溝17bにおいては矩形
のストッパ18が手前側に露出しており、溝17bに沿
ってスライド可能に構成されている。また、ストッパ1
8が紙面右側に移動されているときに当該ストッパ18
は打球槌22の回動経路上に存在しないが、ストッパ1
8が紙面左側に移動されているときに当該ストッパ18
は打球槌22の回動経路上に存在する。従って、ストッ
パ18は後述のようにして打球槌22の回動を規制する
ストッパとして作用する。 【0057】本実施形態において、打球槌22の突起2
2aの配向方向は図4に示す打球槌調整具によって調整
される。同図は打球槌調整具30の分解斜視図である。
打球槌調整具30は、本体31と把手32,33を備え
ている。本体31は概略板状の部材によって形成されて
おり、中央からやや先端寄りにて屈曲部31aを有して
いる。屈曲部31a側の先端には装着部31bが取り付
けられている。装着部31bは円筒状の部材であり、そ
の内径は上記打球槌22の突起22aに対して取り付け
られるバネ22bの外径とほぼ同径である。従って、バ
ネ22bが取り付けられた状態の突起22aに対して装
着部31bを装着することができる。 【0058】本体31の中央のやや装着部31b寄りに
は切欠31dが設けられており、この位置にて本体31
は細くなっている。さらに、本体31の装着部31bと
逆側の先端寄りには矩形の穴31eが開けられている。
この穴31eには、上記把手33を装着することができ
る。すなわち、把手33は板状の部材であるとともにそ
の一端には上記穴31eの矩形の内径と略同一の外径を
有する突起33aが形成されており、当該突起33aを
上記穴31eに挿入して把手33を上記本体31に対し
て装着することができる。むろん、把手33は穴31e
のどちら側から装着しても良く、取り回しの容易性に鑑
みて適宜選択することができる。一方、把手32は概略
円筒の部材であり、その端面に矩形の穴32aが形成さ
れている。当該穴32aの内径は、上記本体31の外径
とほぼ同一径である。従って、本体31の一端を穴32
aに対して挿入して把手32を本体31に対して装着す
ることができる。 【0059】図5は、打球槌調整具30にて打球槌22
の突起22aを調整する際の上記ストッパ18の利用形
態を説明する説明図である。同図においては、ガラス枠
を取り外した状態のパチンコ機10において遊技球打出
部20の上部を拡大して示しており、打球槌調整具30
は本体31を切断した状態で装着部31bを示してい
る。打球槌調整具30においては、把手32,33を本
体31に対して装着し、それぞれの把手32,33を左
右の手で握りながら調整操作を行う。 【0060】突起22aの配向方向を調整するために
は、突起22aの周辺に打球槌調整具と干渉する部材が
存在しないような回動位置まで打球槌22を回動させる
必要がある。このためにまず、ストッパ18を紙面右側
に移動させて打球槌22の回動経路上から待避させ、打
球槌22を紙面時計回りに回動させる。打球槌22を溝
17bよりも下方に回動させたら、ストッパ18を紙面
左側に移動させて打球槌22を解放する。 【0061】打球槌22に対して人為的に力を作用させ
ていない状態では、打球槌22は上記打球力調整バネ2
3によって紙面反時計回り方向に自動で回動するが、ス
トッパ18が溝17b内で紙面左側に配置しているとき
には、打球槌22とストッパ18とが干渉し、当該干渉
位置にて打球槌22が維持される。従って、打球槌22
の突起22aは静止しており、この突起22aに対して
上記打球槌調整具30の装着部31bを容易に装着する
ことができる。 【0062】この状態で、打球槌調整具30の把手3
2,33を左右の手で取り回しつつ突起22aに力を作
用させると、突起22aの配向方向が変動する。突起2
2aの配向方向を変動させることによって、上記遊技球
の打出方向を変動させることができるので、調整後に操
作ハンドル21を回転させて実際に遊技球を打ち出して
確認することによって、遊技球の打ち出し方向を調整す
ることができる。 【0063】打球槌調整具30には上記切欠31dが設
けられており、同切欠31dは上記図5に示す突起22
aと装着部31bとの装着状態において打球槌調整具3
0で突起22aの配向方向を調整するに当たり、前面枠
16や図2に示す右側の本体枠の端面を避けることがで
きる。すなわち、当該切欠31dが設けられていること
によって、打球槌調整具30を取り回す際に打球槌調整
具30が他の部材と干渉しづらくしてあり、打球槌調整
具30の取り回しが非常に容易になる。切欠31dは、
取り回しの容易性を向上するために設けられているの
で、むろん、図4に示す位置には限定されず、調整対象
となるパチンコ機10の構成に応じて変更することが可
能である。 【0064】本発明によれば、打球槌22の周辺の空間
が狭くても容易に打球槌22を調整用の位置で維持し、
その突起22aの配向方向を容易に調整することができ
る。このような効果を奏するための打球槌調整具として
は上述のものに限定されない。例えば、ストッパが壁面
にてスライド可能である構成が必須になるわけではな
い。図6は、押しボタン方式のストッパを構成するため
の構成例を示す概略図である。この例においては、壁面
17に2つの矩形状の穴17c,17dを形成し、壁面
17内で水平面を回動平面として回動可能にストッパ部
材181を支持する。 【0065】ストッパ部材181は可撓性のある板状の
部材であるとともにその両側において回動中心から等距
離にアーム181a,181bが形成されている。これ
らのアーム181a,181bは回動中心を中心とした
円弧状に形成されており、ストッパ部材181の回動と
ともにそれぞれのアーム181a,181bが上記穴1
7c,17dから手前,奥方向に進退するように構成さ
れている。また、壁面17の内部において、ストッパ部
材181にはバネ181cによる付勢力が作用してい
る。バネ181cはストッパ部材181の回動平面内に
配設され、同ストッパ部材181の端面に対して当接
し、図6において時計回りに回動するようにストッパ部
材181に対して付勢力を作用させている。 【0066】アーム181bの上部には係合部181b
1が形成されており、アーム181bが押し込まれたと
きに、壁面17内部にて当該壁面17と係合部181b
1とが係合するようになっている。すなわち、ストッパ
部材181には上記バネ181cによって付勢力が作用
しているので、壁面17の内部にて当該壁面17と係合
部181b1とが係合したときに、通常状態ではこの係
合が解除されずに維持される。 【0067】一方、穴17dはアーム181bの端面よ
り下方に大きく、また、ストッパ部材181が可撓性の
ある部材で構成されているので、上記壁面17と係合部
181b1とが係合した状態でアーム181bの端面を
下方に押し下げると上記係合が解除し、上記バネ181
cの付勢力によってアーム181bが壁面17より手前
側に露出する。すなわち、アーム181bの端面の押し
込み操作に応じて自由にアーム181aを壁面から露出
させるか否かを既定可能な押しボタン構造となってい
る。 【0068】ここで、穴17cは打球槌22の回動経路
上に開けられており、穴17dは打球槌の回動経路上に
位置しないように開けられている。従って、打球槌22
を回動させるときにはアーム181b側が壁面17の手
前に露出するようにセットし、打球槌22の回動位置を
維持したいときにはアーム181a側が壁面17の手前
に露出するようにセットする。この結果、容易に打球槌
22の回動位置を維持することができる。 【0069】さらに、別の実施例として、打球槌を回動
させるための部材を形成しても良い。図7は打球槌を回
動させるための部材と打球槌を所定の回動位置で維持す
るための部材を兼用した部材を構成した場合の説明図で
ある。ここにおいて、上記第1実施例と共通の部材は同
符号にて示している。本実施例では、壁面17の手前側
に突出する2つの矩形部材が設けられており、一方が打
球槌22を回動させるための部材および打球槌22の回
動位置を維持するための部材を兼用するストッパ182
bであり、他方がこのストッパ182bの位置を調整す
る操作片182aである。 【0070】壁面17の右下かつ前面枠16の端面上部
には操作片182aを露出させて左右に摺動させること
ができる溝172aが設けられており、当該溝172a
の水平方向左側には上記ストッパ182bを露出させて
左右に摺動させることができる溝172bが設けられて
いる。尚、溝172aの右端においてはその上部が上方
に向けて切り欠かれている。 【0071】本実施例において操作片182aとストッ
パ182bとは壁面17の内部において連結されてい
る。すなわち、図8に示すように操作片182aとスト
ッパ182bとはかすがい状部材182cの一部であ
る。従って、操作片182aを溝172a内で左右に摺
動させると、それに連動してストッパ182bも溝17
2b内で左右に摺動する。また、かすがい状部材182
cは可撓性のある部材であり、操作片182aが溝17
2aの最右位置にあるときに、当該操作片182aを上
方に移動させると、溝172aの状部の切欠に係合させ
ることができる。 【0072】図8の上部の図は打球槌22の調整を行わ
ない通常状態での操作片の位置であり、この状態におい
て操作片182aは打球槌22の回動経路上に存在しな
い。従って、操作片182aの存在にかかわらず打球槌
22は回動することができ、パチンコ機10にて遊技を
実施することができる。打球槌22の突起22aの配向
方向を調整するためには、操作片182aを右方向に移
動させる。操作片182aが右方向に移動されると、こ
れに伴ってストッパ182bも右方向に移動する。 【0073】当該ストッパ182bの右側には打球槌2
2が待機しているので、ストッパ182bが移動すると
打球槌22の右側の端面と当接し、打球力調整バネ23
の付勢力に抗して紙面時計回り方向に打球槌22を回動
させる。操作片182aが溝172aの右端に達したと
きに操作片182aを上方に移動させると、当該操作片
182aが溝172aの切欠に係合する。打球槌22は
上記打球力調整バネ23によって付勢力が常に作用して
おり、この付勢力はストッパ182bを介して操作片1
82aを左側に移動させる力として作用するので、操作
片182aが溝172aの切欠に係合された状態が維持
される。 【0074】従って、この状態にて打球槌22を静止さ
せることができ、上記図4に示す打球槌調整具30等に
おいてその装着部31bを突起22aに対して容易に装
着することができる。打球槌調整具30によって突起2
2aの配向方向を調整した後に操作片182aを下方に
移動させると、操作片182aは溝172aを左側に移
動できるようになるので、上記打球力調整バネ23によ
る付勢力によって打球槌22が通常の待機位置に復帰す
る。 【0075】本発明において、打球槌の突起の配向方向
を調整するためには、打球槌調整具の装着部を突起に対
して装着する必要があり、当該装着動作を実施する際の
打球槌の位置が決まっていれば、装着動作初期の打球槌
調整具の位置も決まる。そこで、パチンコ機の本体枠側
に打球槌調整具の装着部の初期位置を規定する位置決め
部を設けると便利である。 【0076】図9は、打球槌調整具の装着部を位置決め
する位置決め部材をパチンコ機の前面枠に対して形成し
た場合の実施例を説明する説明図である。この例におい
て、パチンコ機の主な構成および打球槌調整具の構成は
上記第1実施例と同様であり、ここでも上記第1実施例
と共通の構成に対しては同一の符号を付して説明する。
本例における保持部材173aは、上記第1実施例とほ
ぼ同様に、壁面17に対して紙面手前方向に垂設されて
おり、その左下の面と誘導レール11との間に遊技球を
保持するようになっている。 【0077】一方、本実施例において保持部材173a
の右下の部位には、紙面右下方向に配向した延設部17
3bが設けられており、当該延設部173bの下部かつ
保持部材173aの右下の面Sは延設部173bの配向
方向と略垂直に形成されている。打球槌調整具30にお
ける装着部31bは略円筒状であって角が略直角である
ことから、図9のようにして当該装着部31bを上記延
設部173bと面Sに当接させることができる。 【0078】図9に示すように、装着部31bを上記延
設部173bと面Sに当接させた状態において、装着部
31bの円筒軸の延長線上が打球槌22の突起22aの
配向方向と略平行である。従って、延設部173bとス
トッパ18にて打球槌22を係止して回動を停止させた
状態において、装着部31bの初期位置を非常に容易か
つ確実に決定しつつ打球槌調整具30による突起22a
配向方向の調整動作に移行することができる。 【0079】打球槌調整具の初期位置を決定し、また、
容易かつ的確にその移動経路を規定するためには上記図
9に示す構成以外にも種々の構成を採用可能である。図
10はこの実施例における打球槌調整具を示す斜視図で
あり、図11はこの打球槌調整具の初期位置を決定しそ
の移動経路をガイドするための構成を備えたパチンコ機
を説明するための説明図である。本実施例における打球
槌調整具300の構成は、上記打球槌調整具30の構成
とほぼ同様であるが、装着部31bに対して突出部31
0cが設けられている点で異なっている。 【0080】すなわち、突出部310cは略板状の部材
であり、その面が装着部31bの円筒軸に対して略平行
に配向するように上記装着部31bに対して取り付けら
れている。また、同突出部310cの幅Wは前面枠16
と壁面17との間に形成される空間の幅より小さく、当
該空間に対して突出部310cを挿入することができ
る。さらに、突出部310cは薄板状の部材であるか
ら、図11に示すように打球槌22の待機状態にて保持
部材17aと打球槌22の先端との間に突出部310c
の先端を挿入し、両者を係合させつつ打球槌22を回動
させることが可能になっている。 【0081】一方、図11に示すように壁面17にはガ
イド部材174が垂設されている。当該ガイド部材17
4以外の構成は上記第1実施例におけるものと同様であ
る。ガイド部材174は壁面17から垂設された板状の
部材であるとともにその端面が前面枠16の上方への延
長線上に到達しないような幅となっている。すなわち、
ガイド部材174は壁面17と前面枠16を延長した面
と間の空間に位置している。 【0082】また、ガイド部材174は図11の右側に
おいて鉤状の部位174aが設けられ、当該鉤状の部位
174aから一旦上方に向かうとともに途中で緩やかに
そのカーブが変化し、保持部材17aの下端に向けて延
設されている。ガイド部材174がこのような形状であ
ることにより、打球槌調整具300の初期位置を適切に
決定し、さらに打球槌22を回動させ、装着部31bを
突起22aに対して装着する際の動作を適切にガイドす
ることができる。 【0083】すなわち、打球槌22が待機位置にある状
態において、突出部310cの装着部31b側の先端を
上記鉤状の部位174aに係合させると、突出部310
cの他方端が打球槌22に係合し、打球槌調整具300
の初期位置が適切かつ容易に決定される。この状態から
打球槌調整具300を紙面反時計回りに回転させると、
装着部31bおよび突出部310cがガイド部材174
に当接しながら摺動し、ガイド部材174のカーブに沿
って移動する。このとき、突出部310cの他端におい
ては打球槌22を回動させる。 【0084】打球槌調整具300を反時計回りに回転さ
せ続けると、装着部31bおよび突出部310cがガイ
ド部材174の左側の突端に位置したときに突出部31
0cの他端と打球槌22との係合が解除される。する
と、打球槌22が打球力調整バネ23の付勢力によって
反時計回りに回動するが、このときの装着部31bおよ
び突出部310cの位置は突起22aの回動経路上であ
り、この位置に装着部31bを保持して待機するのみ
で、突起22aが装着部31bに対して装着される。従
って、本実施例によれば、打球槌22の回動および装着
部31bの装着を非常に容易に、かつ一連の動作で実施
することができる。 【0085】パチンコ機10において、上記前面枠や壁
面等の本体枠に対してさらなる工夫を施すことにより、
打球槌の突起の配向方向をさらに調整し易くすることも
可能である。図12は、かかる構成例を説明するための
説明図である。同図においては打球槌を省略して示して
いるが、その配設位置や駆動機構は上記図2に示す構成
と同様である。本実施例においては、パチンコ機10の
本体枠に対して切欠および凹部が設けられている。 【0086】すなわち、前面枠16の上端面の一部にお
いて切欠16aが設けられ、パチンコ機10の側面側の
枠に切欠176が設けられている。切欠16a,176
はそれぞれ前面枠16の上端面およびパチンコ機10の
側面側の枠において、打球槌の突起の配向方向を調整す
るに際して打球槌調整具が配置されうる位置に設けられ
ている。例えば、上記図4に示す打球槌調整具30を図
5に示すように突起22aに対して装着し、突起22a
に対して力を作用させるためには把手32,33を手で
把持しつつ打球槌調整具30を取り回す。 【0087】この取り回しの際には打球槌調整具30が
図12の紙面下方や右方に移動されるので、これらの切
欠16a,176が設けられていることによって打球槌
調整具30が前面枠16や側面側の枠と干渉することが
ない。また、切欠16a,176の端面に対して打球槌
調整具30を当接させつつ打球槌調整具30を取り回せ
ば、打球槌調整具30とこれらの切欠16a,176と
の当接点を力の作用点として突起22aに対して力を作
用させることができる。従って、突起22aに作用させ
る力を微妙に調整することができ、突起の配向方向を調
整し易くなる。さらに、図12に示すパチンコ機10の
ように、壁面17に対して凹部175が設けてもよい。
この凹部175によれば、打球槌調整具30を取り回す
際に奥側方向への動きが規制されることがないので、打
球槌調整具30の取り回し自由度が大きくなり、より調
整しやすくなる。 【0088】打球槌調整具の動作をガイドするための構
成としては図11に示すものに限られない。例えば、壁
面17に対して溝を形成し、打球槌調整具において当該
溝に挿入可能な挿入部を形成する構成を採用可能であ
る。すなわち、パチンコ機10の壁面17には図13に
示すように上記ガイド部材174と同様のカーブ形状を
有した溝171が形成されている。さらに、調整具側で
は図14に示す打球槌調整具301のように、装着部3
1bに対して挿入部311が形成されている。 【0089】挿入部311は板状の部材であり、同挿入
部311において最大面積を有する面は、突出部31c
において最大面積を有する面に対して略垂直であるとと
もに装着部31bの円筒軸方向に対して略垂直である。
従って、打球槌調整具301の突出部31cによって上
記打球槌22を係合し、また、装着部31bを突起22
aに対して装着するための一連の動作において、当該挿
入部311の先端は壁面17の方向に配向する。 【0090】上記溝171は上記挿入部311の先端を
挿入可能な幅および深さで形成されており、挿入部31
1は溝171に対してその先端を挿入した状態で突出部
31cを打球槌22に係合させ、また、装着部31bを
突起22aに対して装着できるような長さに形成されて
いる。さらに、溝171のカーブ形状は上記ガイド部材
174と同様であるので、挿入部311の先端を溝17
1の右端に対して挿入し、挿入部311が溝171に沿
って移動するように打球槌調整具301を操作すると、
打球槌調整具301の初期位置を適切に決定し、さらに
打球槌22を回動させ、装着部31bを突起22aに対
して装着する際の動作を適切にガイドすることができ
る。 【0091】打球槌に配設された突起の配向方向を容易
に調整するための構成としては、上述のものに限られな
い。例えば、本体枠に係止片が形成されていなくても打
球槌調整具の形状を工夫することによって容易に打球槌
を回動させ、突起の配向方向を調整可能な構成にするこ
とができる。図15は係止片を備えていない状態におけ
る上記遊技球打出部20の上部を拡大して示す斜視図で
ある。この構成においては上記打球槌調整具300を利
用して突起の配向方向を調整することができる。 【0092】図16は、打球槌調整具300にて打球槌
22の突起22aを調整する際の操作を説明する説明図
である。同図において、打球槌調整具300は本体31
を切断した状態で装着部31bおよび突出部31cを示
している。状態Aは、突出部31cを打球槌22の先端
に係合させた状態を示しており、この状態Aにおいて突
出部31cと打球槌22の先端とを係合させつつ打球槌
調整具300を図16における反時計回りに回動させ
る。この回動の後、図16の状態Bより打球槌22をさ
らに時計回り方向に回動させ、突出部31cと打球槌2
2の先端との係合を解除する。 【0093】係合を解除すると、打球槌22は上記打球
力調整バネ23の付勢力によって反時計回りに回動す
る。このとき、状態Bに示す装着部31bの位置、すな
わち、上記突起22aの回動経路上で装着部31bを待
機させておけば、突起22aが装着部31bに挿入さ
れ、装着部31bを突起22aに装着することができ
る。状態Bのようにして装着部31bを突起22aに装
着した状態で、打球槌調整具300の把手32,33を
左右の手で取り回しつつ突起22aに力を作用させる
と、突起22aの配向方向が変動する。従って、遊技球
の打ち出し方向を調整することができる。 【0094】本発明にかかる打球槌調整具300によれ
ば、打球槌22の周辺の空間が狭くても容易に打球槌2
2を調整用の位置まで回動させ、その突起の配向方向を
容易に調整することができる。このような効果を奏する
ための打球槌調整具としては上述のものに限定されな
い。例えば、打球槌調整具の本体の屈曲角度や突出部等
の構成に関して種々のものを採用することができる。図
17は、打球槌調整具を構成する本体の他の一例を示す
斜視図である。この例にかかる打球槌調整具は、上記第
1実施例等と同様のパチンコ機10や打球槌22に対し
て適用することができる。また、上記打球槌調整具30
0とは主にその本体の構成が異なっている。 【0095】同図において、上記打球槌調整具300と
異なる部位については異なる符号で示している。この例
にかかる打球槌調整具301の本体311は略板状の部
材であるが、その屈曲部311aの屈曲角は略直角であ
る。また、本体311の一端には装着部311bと突出
部311cとが取り付けられているが、突出部311c
は装着部311bと本体311との間に配設されてい
る。 【0096】図16において状態Aと状態Bとを比較す
ると、打球槌22の回動開始から突起22aの装着まで
の動作において装着部31bは前面枠16の端面上方か
ら徐々に下降する。従って、状態Bに近づくにつれて本
体31が本体枠の端面と干渉しやすくなる。この事情は
打球槌調整具301においても同様であるが、当該打球
槌調整具301では屈曲部311aが略直角であるた
め、状態Bにおいて屈曲部311aと装着部311bと
の間の部位Cによって本体311の部位Dが前面枠16
の端面からより上方にオフセットされ、両者が干渉しづ
らくなっている。 【0097】さらに、他の例にかかる打球槌調整具30
2を構成することもできる。図18は打球槌調整具30
2の本体31を示す斜視図である。この例にかかる打球
槌調整具でも、上記第1実施例等と同様のパチンコ機1
0や打球槌22に対して適用することができる。また、
上記打球槌調整具300とは主にその本体31の先端の
構成が異なっており、打球槌調整具300と異なる部位
については異なる符号で示している。 【0098】図18においては、装着部31bに対して
突出部312cが取り付けられている。当該突出部31
2cは概略直方体であるが、その一端に鉤状の係合部3
12c1と円弧状のガイド部312c2とが設けられて
いる。鉤状の係合部312c1は、直方体に形成された
部材の一端において矩形の一辺に沿って切欠を形成する
ことによって作成されている。また、円弧状のガイド部
312c2は係合部312c1側から装着部31bに向
けて傾斜を徐々に変化させて円弧状の斜面を形成するこ
とによって作成されている。 【0099】かかる構成によれば、係合部312c1に
て打球槌22の先端を係合することによって上記図18
に示す状態Aとほぼ同様の状態を形成することができ、
状態Aから装着部31bを反時計回りに回転させること
によって打球槌22を回動させることができる。さら
に、打球槌22を回動させた後に係合を解除させるにあ
たり、ガイド部312c2と打球槌22の先端とを当
接,摺動させながら打球槌22を反時計回りに回動させ
ることができ、この結果、突起22aを確実に装着部3
1bに対してガイドすることができ、装着部31bを突
起に対して確実に装着することができる。 【0100】ここで、鉤状の係合部312c1において
は待機位置に待機した打球槌22を係合して回動させる
ことができればよく、その大きさや切欠の角度等が特定
のものに限定されるわけではない。また、円弧状のガイ
ド部312c2は、打球槌22を一旦回動させて係合を
解除した後に、打球槌22の一部に当接させながらその
突起22aが装着部31bに装着されるようにガイドす
ることができればよく、その円弧のカーブや長さ等が特
定の形状に限定されることはない。 【0101】さらに、他の例にかかる打球槌調整具30
3を構成することもできる。図19は打球槌調整具30
3の本体31を示す斜視図である。この例にかかる打球
槌調整具303は上記打球槌調整具300と比較して突
出部の構成が異なっており、上記打球槌調整具300と
同様の構成については同一の符号にて示している。すな
わち、本例にかかる突出部313cは板状の部材にて形
成されており、装着部31bの円筒軸方向と長手方向と
が略平行であることに変わりはないが、突出部313c
はその略中央に屈曲部313c1を有している。 【0102】このような形状であっても、待機位置にて
待機する打球槌22に突出部313cの先端を係合させ
て打球槌22を容易に回動させることができる。また、
打球槌22を回動させた後に両者の係合を解除し、打球
力調整バネ23の付勢力によって打球槌22が逆方向に
回動する際に、上記屈曲部313c1によって突出部3
13cと突起22aとの干渉を防止することができる。
従って、突起22aの装着部31bに対する入射角がよ
り自由になり、両者の装着が容易になる。 【0103】さらに、他の例にかかる打球槌調整具30
4を構成することもできる。図20は打球槌調整具30
4の本体31を示す斜視図である。この例にかかる打球
槌調整具304は上記打球槌調整具300と比較して装
着部の構成が異なっており、上記打球槌調整具300と
同様の構成については同一の符号にて示している。すな
わち、本例にかかる装着部314bは断面略U字状の部
材であり、当該U字状の部位で突起22aを覆うように
して装着することができる。この装着部314bであっ
ても突起22aに対して装着部314bを装着した後に
打球槌調整具304を取り回すことによって突起22a
の配向方向を調整することができる。 【0104】本例によれば、突起22aに対する装着部
314bの脱着が容易になる。すなわち、装着時には突
起22aの垂設方向に対して略平行に装着部314bを
移動させて両者を装着することができるし、突起22a
の垂設方向に対して略直角方向から装着部314bのU
字状部位の開口部を接近させ、覆い被せるようにして両
者を装着することが可能である。さらに、両者を分離す
る場合にも突起22aの垂設方向に対して略平行に装着
部314bを移動させて両者を分離することができる
し、突起22aの垂設方向に対して装着部314bを略
直角方向に移動させて両者を分離することも可能であ
る。上述のように打球槌22の周辺の空間が狭く、ま
た、打球槌22に対しては打球力調整バネ23によって
常に付勢力が作用しているが、装着部314bが断面U
字状であることによって突起22aに対する脱着が非常
に容易になる。 【0105】打球槌に配設された突起の配向方向を容易
に調整するための構成としては、上述のものに限られな
い。例えば、図21に示すように打球槌に延設部を設
け、当該打球槌を回動させる際に使用しても良い。図2
1は、上記遊技球打出部20の上部を拡大して示す斜視
図であり、この実施例においてパチンコ機10の本体枠
や遊技球打出部等の構成は上述のものと同様である。こ
のパチンコ機10においても、打球槌22は先端部分が
前面枠16の奥側に位置しているが、同打球槌22の先
端には延設部22dが設けられており、当該延設部22
dは前面枠16の端面より上方に位置している。延設部
22dと打球槌22の本体との境界は前面枠16の上端
面より下方に位置している。 【0106】本実施例においては、延設部22dを介し
て打球槌22に対して容易に回動力を作用させることが
できる。すなわち、上記打球槌調整具300のような調
整具の突出部を延設部22dに対して容易に係合させつ
つ打球槌22を回動させることができる。また、当該延
設部22dを指で押さえながら打球槌22を回動させる
ことができる。尚、本実施例においては、打球槌22を
回動させる際に突出部31cと延設部22dとの干渉を
避けるために、図22に示すように突出部31cの中央
に矩形の穴31fを形成すると好適である。 【0107】さらに、打球槌を延設する方向や延設部の
形状に関して種々のものを採用することができる。図2
3は他の実施例にかかる打球槌220の動作を示してお
り、図24は当該打球槌220の突起22aの配向方向
を調整するための打球槌調整具305の本体を示す斜視
図である。図23において打球槌調整具305は本体3
1を切断した状態で示している。この実施例では打球槌
220の先端に略円柱状の延設部220dが設けられて
いる。同延設部220dは、打球槌220の先端部にお
いて図23の紙面手前側の面で突起22aに対して略垂
直となるように垂設されている。同延設部220dは打
球槌220が回動する際に前面枠16の上部端面と干渉
しないような高さに形成されている。従って、打球槌2
20はパチンコ機10の操作ハンドル21の操作によっ
て回動し、繰り返し遊技球を打ち出すことができる。 【0108】打球槌調整具305においては、突出部3
10cのみが上記第1実施例と異なる構成となってい
る。すなわち、突出部310cは略角柱の細い部材によ
って構成されており、装着部31bの外周に対して本体
31寄りに取り付けられている。本例においては状態E
のようにして突出部310cを打球槌220の延設部2
20dに係合させ、突出部310cと打球槌220の延
設部220dとを係合させつつ打球槌調整具300を図
23における反時計回りに回動する。打球槌220を所
定の位置まで回動させた後に突出部310cと延設部2
20dとの係合を解除すると打球槌220は上記打球力
調整バネ23の付勢力によって反時計回りに回動する。
このとき、装着部31bを図23の状態Fに示す位置で
待機させること、打球槌220が回動して待機位置に復
帰する動作をする過程で装着部31bを突起22aに対
して装着する。従って、この状態において突起22aの
配向方向を容易に調整することができる。 【0109】さらに、他の実施例として打球槌と別体の
部材を装着可能に構成して、当該部材の脱着によって打
球槌を実質上延設するようにしても良い。図25はかか
る構成を採用した打球槌の例を示す斜視図である。同図
において打球槌221の先端には矩形の突起221aが
先端方向に向けて延設されている。また、延設部材22
1dは、略直方体であり、一面に略矩形の凹部221d
1が形成されている。打球槌221において突起22a
の配向方向を調整しようとする際には、延設部材221
dの凹部221d1と突起221aとを向かい合わせ、
延設部材221dを打球槌221に対して装着する。 【0110】延設部材221dを打球槌221に対して
装着すると、打球槌221はその先端方向に対して実質
上延設され、上記打球槌調整具300等を利用して容易
に回動させることができる。むろん、図25に示したよ
うにして別部材によって打球槌を延設する構成は一例で
あり、延設部22dに対して装着可能な部材を構成して
さらに延設しても良い。また、延設部材は打球槌に対し
て装着可能であればよいので、打球槌側に凹部を形成
し、延設部材にて突起を形成して両者を向かい合わせつ
つ装着するように構成しても良い。 【0111】延設部に関しさらに他の構成も採用可能で
あり、延設部に屈曲部を設けても良い。図26はかかる
構成を採用した打球槌を示す図であり、図27は当該打
球槌において突起の配向方向を調整するための打球槌調
整具の要部斜視図である。図26において、打球槌22
2の延設部222dは先端にて屈曲されている。また、
延設部222dが前面枠16の上端面より上方に突出し
ている。従って、図27に示す打球槌調整具306によ
って容易に打球槌222を回動させることができる。 【0112】すなわち、打球槌調整具306においては
屈曲部316aが略直角であり、略角柱の突出部316
cが面Gに対して垂設されている。打球槌222を回動
させる際には、打球槌調整具306において装着部31
bを上方に向けつつ面Gを下方に向けて状態Hとし、当
該突出部316cを延設部222dに対して係合させ
る。突出部316cと打球槌222の延設部222dと
を係合させつつ打球槌調整具306を図26における反
時計回りに回動させると、打球槌222は上記打球力調
整バネ23の付勢力に抗して時計回りに回動する。打球
槌調整具306の回動を続け、面Gが上方を向く状態I
で突出部316cと打球槌222の延設部222dとの
係合を解除すると打球槌222が反時計回りに回動す
る。従って、図26の状態Iのようにして前面枠16の
端面の下方にて打球槌222の突起22aを装着部31
bに装着させることができる。 【0113】以上の例においては、突出部と延設部とを
確実に係合させるため、延設部に切欠や凹部を形成する
ことが可能である。図28は、上記図26に示す打球槌
222の延設部222dの先端に凹部222d1を形成
した状態を示す斜視図である。かかる構成において打球
槌調整具の突出部先端が当該凹部222d1に嵌るよう
に形成すれば、より確実に突出部と延設部222dとを
係合させることができる。むろん、上記図21に示す延
設部22d等において突出部に対応した切欠や凹部を形
成しても良い。また、摩擦係数の大きな部材を貼り付け
たり延設部に傷を付けるなどして摩擦係数を増大させ、
確実に係合させるようにしても良い。 【0114】このように、本発明においては、パチンコ
機の本体枠に係止片を形成することによって打球槌の回
動位置を維持可能に構成する。従って、打球槌の周辺の
空間が狭くてもその突起を容易に調整することができ
る。また、本体枠に打球槌調整具の位置決め等を実施す
るガイド部材を設けたり、取り回し領域を確保するため
の切欠を設けることも可能であり、かかる構成において
も打球槌の周辺の空間が狭い場合にその突起を容易に調
整することができる。
を示す正面図である。 【図2】遊技球打出部の上部を拡大して示す斜視図であ
る。 【図3】遊技球打出部の主な機構を背面側から眺めた状
態を示す図である。 【図4】打球槌調整具の分解斜視図である。 【図5】打球槌の突起を調整する際の操作を説明する説
明図である。 【図6】押しボタン方式ストッパの構成例を示す概略図
である。 【図7】他の例において打球槌の突起を調整する際の操
作を説明する説明図である。 【図8】打球槌の回動と係止を兼用する部材を示す斜視
図である。 【図9】他の例において打球槌の突起を調整する際の操
作を説明する説明図である。 【図10】他の例における打球槌調整具の分解斜視図で
ある。 【図11】他の例において打球槌の突起を調整する際の
操作を説明する説明図である。 【図12】他の例における本体枠の構成を示す図であ
る。 【図13】ガイド部が溝によって形成される場合の実施
例を示す斜視図である。 【図14】打球槌調整具の他の一例を示す斜視図であ
る。 【図15】他の実施例において遊技球打出部の上部を拡
大して示す斜視図である。 【図16】他の実施例において打球槌の突起を調整する
際の操作を説明する説明図である。 【図17】打球槌調整具の他の一例を示す斜視図であ
る。 【図18】打球槌調整具の他の一例を示す斜視図であ
る。 【図19】打球槌調整具の他の一例を示す斜視図であ
る。 【図20】打球槌調整具の他の一例を示す斜視図であ
る。 【図21】他の実施例において遊技球打出部の上部を拡
大して示す斜視図である。 【図22】他の実施例における打球槌調整具の本体を示
す斜視図である。 【図23】他の実施例にかかる打球槌の動作を示す図で
ある。 【図24】他の実施例にかかる打球槌調整具の本体を示
す斜視図である。 【図25】他の実施例にかかる打球槌を示す斜視図であ
る。 【図26】他の実施例にかかる打球槌の動作を示す図で
ある。 【図27】他の実施例にかかる打球槌調整具の本体を示
す斜視図である。 【図28】他の実施例にかかる打球槌を示す斜視図であ
る。 【符号の説明】 10…パチンコ機 11…誘導レール 12…遊技領域 13…始動口 14…液晶表示パネル 15…大入賞口 16…前面枠 16a…切欠 17…壁面 17a…保持部材 17b…溝 17c,17d…穴 18…ストッパ 20…遊技球打出部 21…操作ハンドル 22…打球槌 22a…突起 22b…バネ 22c…爪片 23…打球力調節バネ 24…ストッパ 25…モータ部 25a…発射モータ 25b…回転体 26…バネ長調節片 26a…ワイヤー 30…打球槌調整具 31…本体 31a…屈曲部 31b…装着部 31d…切欠 31e…穴 32…把手 32,33…把手 32a…穴
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 突起を備えた打球槌を駆動するとともに
当該突起を介して遊技球に対して打出力を作用させて遊
技球を打ち出す遊技機であって、 同遊技機の本体枠に配設されるとともに上記打球槌をそ
の待機位置から所定量駆動させた調整位置にて当該打球
槌に係合して当該調整位置を一時的に保持させる係止片
を備えることを特徴とする遊技機。
Priority Applications (1)
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JP2002148837A JP4258599B2 (ja) | 2002-05-23 | 2002-05-23 | 遊技機およびパチンコ機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002148837A JP4258599B2 (ja) | 2002-05-23 | 2002-05-23 | 遊技機およびパチンコ機 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2008298214A Division JP2009039567A (ja) | 2008-11-21 | 2008-11-21 | 遊技機 |
Publications (2)
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JP4258599B2 JP4258599B2 (ja) | 2009-04-30 |
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ID=29767235
Family Applications (1)
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JP2002148837A Expired - Lifetime JP4258599B2 (ja) | 2002-05-23 | 2002-05-23 | 遊技機およびパチンコ機 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP4258599B2 (ja) |
-
2002
- 2002-05-23 JP JP2002148837A patent/JP4258599B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4258599B2 (ja) | 2009-04-30 |
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