JP2003339413A - 繊維製の静音面ファスナーと同面ファスナーが取着された製品 - Google Patents

繊維製の静音面ファスナーと同面ファスナーが取着された製品

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Abstract

(57)【要約】 【課題】基材自身が振動の吸収又は減衰機能を有し、し
かも面ファスナーの係合が全係合面で均質になされて、
所要の係合強度が確保され、取着対象に対する取付け手
法も格別に制限されず、剥離時の異音の発生が効果的に
抑制される繊維製面ファスナーと、同面ファスナーを取
着した各種の製品を提供する。 【解決手段】面ファスナーにあって、接合相手となる各
繊維製面ファスナー部材(10,10) の基材(11,11) 同士の
見掛け比重が、それぞれ0.5g/cm3 以下であり、且つ
少なくとも一方の面ファスナー部材(10)の基材(11)が、
全面にわたり略均等な繊維密度を有している。その結
果、剥離時に発生する基材(11)の振動を基材自体で減衰
吸収させて、空中に放出される音の大きさを効果的に抑
制するとともに、面ファスナー部材同士を接合したとき
の接合部の形態が安定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は多数の雄係合素子と
雌係合素子同士が押圧と剥離により係脱可能な繊維製の
面ファスナーとその面ファスナーが取着された各種製品
に関し、特に剥離時の発生音を低減させた繊維製の静音
面ファスナーと同静音面ファスナーを取着した各種の製
品に関する。
【0002】
【従来技術】繊維製の面ファスナーは、各種の繊維糸条
を織成し又は編成して得られる基材に、合成樹脂製の太
い繊維状のモノフィラメントや細い多数の繊維状フィラ
メント群(マルチフィラメント)を一本の糸条として織
り込み或いは編み込み、基材の片面にそれぞれループを
形成する。モノフィラメントのループは、その一部を切
断してフック状の雄係合素子を形成し、マルチフィラメ
ントのループは、そのループ形態のままで雌係合素子を
構成する。これらの雄係合素子と雌係合素子とは、押圧
により係合し、両者を離間方向に力を加えれば係合が外
れて剥離する。こうした構造をもつ繊維製面ファスナー
は、特に雄雌の係合素子の係合を外す剥離時に、バリバ
リという耳障りな大きな音を発生させる。
【0003】従来も、こうした音の発生を抑制する繊維
製面ファスナーの提案が数多くなされている。それらの
静音構造が開示された例として、例えばUSP4,77
6,068号明細書、USP4,884,323号明細
書などがある。USP4,776,068号明細書に開
示された繊維製面ファスナーの消音構造は、前記面ファ
スナー部材に、平板状基材から周囲の空間に発せられる
雑音振動の複合を減少させる手段を備えている。この手
段により、面ファスナー部材を相手方の接合面から急速
に引き離す際に発生する音が減少する。そして、その手
段として、係合面に対して基材を大容積とすること、平
板状の大容積補助基材を前記基材に接合されること、基
材に柔軟な大容積材料を組み入れること、基材と係合面
とを別個としてその結合を複数のポイントで行うこと、
基材を格子構造として周囲を取り巻く空間に引き起こさ
れる振動の伝達能力を低くさせることなどを挙げてい
る。
【0004】具体的には、基材に周囲を取り巻く空間に
引き起こされる低い振動の伝達能力を有する間隙率が5
0%以上の格子構造を採用して、面ファスナーのファス
ナー部材同士を引き離す際に生じる複合の雑音振動を減
少させている。また、こうした面ファスナーであって、
その分離領域から1フィート離れた位置において測定さ
れる音量の値を所定以下とする。あるいは、各平板状基
材の各係合面を分離させて延設するとともに、裏面に空
気密度をもつ層を形成して容積を増すことにより、前記
面ファスナーを引き離す際に音プレッシャーレベルを
4.2dB 以下に十分減少させることができるというも
のである。
【0005】一方、上記USP4,884,323号明
細書によれば、面ファスナー部材が取着された製品に関
し、一面に係合素子をもつ平板状基材の背面を、製品が
基材から離間するように取着させている。これにより、
係合した面ファスナー部材同士を引き離す際に、基材か
ら製品に伝えられる雑音の発生エネルギー量を減少させ
て、製品から発生させる雑音量を少なくすることができ
る。あるいは、製品の裏面に大容積材料を取り付けて、
雑音のエネルギーが部材に伝えられたとしても、製品の
裏面に取り付けられた大容積材料によって、そのエネル
ギーが減衰される。すなわち、このUSP4,884,
323号の面ファスナーの取付けシステムによれば、前
記基材と製品との間に中間部材を介装させるか、あるい
は基材に取り付けられる製品の裏面に密度の低い大容積
部材を取り付ける。中間部材の場合、基材及び製品への
中間部材の取付けは、それぞれの縁部同士を結合させ
る。前記基材としては、上記USP4,776,068
号と同様の構造をもつ格子状基材を採用することもでき
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記USP
4,776,068号の静音面ファスナーにあっては、
その接合する面ファスナー部材の基材は、双方ともに格
子状でなければならず、多様な分野に使用されるこの種
の面ファスナーとしては、その接合相手も多様である必
要がある。例えば、格子状の基材であれば、当然にその
一面に形成される係合面を構成する係合素子も格子状に
配されることになり、それだけ係合率も係合強度も必然
的に低下することになる。さらには、基材を格子構造と
する場合には、基材自体の強度を犠牲とするだけでな
く、高い縫製精度が要求される。
【0007】また、上記USP4,884,323号の
面ファスナーの取付けシステムによれば、面ファスナー
は縁部のみで取り付けられ、その中央部には生地と面フ
ァスナーを固定する要素がないため、広幅の面ファスナ
ーの取り付けには適さない。また、大容積材料を面ファ
スナーの基材と生地との間に介装するには、縫製方法が
複雑になり工程が増える欠点がある。この方法で十分な
効果を得るには振動吸収剤の容量を十分に大きくしなけ
ればならず、製品のファスナー取付部を厚手とせざるを
得ない。
【0008】面ファスナーを剥離するときに発生する比
較的大きな異音は基材が振動することにより発する音で
ある。上述の明細書に開示された静音構造は、基材の振
動面積を減じて、基材からが空気に放射される振動量自
体を低下させようとするものである。この構造では、面
ファスナーが製品に取り付けられたときには、その振動
が製品に直接伝播され、製品自体の振動による複合振動
が空気中に伝播されて大きな音を発生させることになる
ため、十分な効果が得られない。また、背面に別個に中
間部材や振動吸収材を設ける場合には、縫製や接着など
の手間が2重となり、コストの増加を招く。
【0009】本発明はかかる問題を解決すべくなされた
ものであり、具体的には基材自身が振動の吸収又は減衰
機能を有し、しかも雄雌係合素子同士の係合が全係合面
で均等になされて、所要の係合強度が確保され、取着対
象に対する取着にも格別に制限されず、剥離時の異音の
発生が効果的に抑制される繊維製面ファスナーと、同面
ファスナーを取着した各種の製品を提供する。
【0010】
【課題を解決するための手段及び作用効果】本発明にあ
っても、基材の振動面積を可能な限り小さくするととも
に、特に面ファスナーから生地などの取着物品に伝播す
る振動特性を制御することにより、その剥離時の異音の
発生を抑制する。すなわち、本発明に係る繊維製の静音
面ファスナーの基本構成は、繊維構造材からなる平板状
基材の表裏いずれかの表面に多数の繊維製係合素子を有
する接合面を備えた面ファスナーであって、接合相手と
なる各繊維製面ファスナー部材の基材同士の見掛け比重
が、それぞれ0.5g/cm3 以下であり、一方の面フ
ァスナー部材の少なくとも平板状基材が、全面にわたっ
て略均等な繊維密度を有していることを特徴としてい
る。ここで略均等な繊維密度を有する平板状基材とは、
経緯糸密度又はコース密度とウェール密度とが織物又は
編物の全面にわたって均等である各種の織編物、或いは
繊維の空隙率が略均等に分散する各種の不織布などをい
う。
【0011】また本発明にあっては、少なくとも一方の
面ファスナー部材の基材を接結糸を介して多層に織編成
された多重織編構造とすることもでき、この場合には各
層間に間隙を作って接結糸をもって接結させればよい。
更に、前記多重織編構造の係合素子が立ち上がる基層を
含む少なくとも一層の見掛け比重を0.5g/cm3
下とすることを特徴としている。勿論、多重織編構造か
らなる基材の全体の見掛け比重を0.5g/cm3 以下
としてもよい。
【0012】本発明者らの実験及び検討の結果、面ファ
スナーからの異音の発生は、雄雌の係合素子が係合した
面ファスナー部材の各基布が、雄係合素子および雌係合
素子により強く引っ張られ、次いで係合が外れたときに
引き寄せられて元の状態へと瞬時に復元するために発生
することが分かった。このとき、スピーカーコーンのよ
うに振動が空気に伝達され、音として伝わると考えられ
る。USP4,776,068号明細書が開示する基材
の格子状構造は、丁度スピーカーコーンに穴をあけるこ
とに相当し、空気への振動の伝達効率を低く抑えてい
る。
【0013】本発明における静音原理の一つは、基材の
単位容積あたりの重量、すなわち見掛け比重を低くし、
基材自体の振動伝達能力を低くすることにより、基材の
振動する面積を小さくし、振動が空気へ伝わる効率を低
下させる、つまりスピーカーコーンを小さくすることに
より振動が空気へ伝達される効率を低く抑えることにあ
る。基材の振動伝達率を低減させる具体的な手段とし
て、織編組織の糸を直線的とせず、屈曲した組織とする
方法が効果的である。また、基材の密度を低くし、特に
見掛け比重を0.5g/cm3 以下と低くした場合に効
果が現れる。
【0014】さらに、本発明にあっては基材そのもの、
或いは基材の一部の層の見掛け比重を低く抑えるため
に、上記USP4,776,068号のごとく面接合す
る面ファスナー部材の双方を格子構造とせずに、その少
なくとも一方の面ファスナー部材の織編密度を小さくし
て、基材の全面にわたって空隙を均等に分散させるよう
にしている。従って、基材がそのほぼ全面にわたって均
等な繊維密度を有している。こうすることで、例えば一
方の面ファスナー部材の基材が格子状に構成されていた
としても、他方の面ファスナー部材の基材が全面にわた
り略均等な繊維密度を有するがため、それらの面ファス
ナー部材同士を係合させて接合したとき、その接合部の
形態が安定する。特に、基材の全面にわたって繊維密度
がほぼ均等である場合には、その面ファスナー部材の係
合面全体に係合素子を均質に分散して配することができ
るため、たとえ相手方の目ファスナー部材の基材が格子
状に構成されているとしても、その相手方の係合素子と
の係合率は増加し、必然的に係合強度も増加することに
なる。勿論、全面にわたって繊維密度がほぼ均等な基材
であっても、その係合面を構成する係合素子を全面で均
一に分散させる必要はなく、ある一群の係合素子ごとに
分離させて非係合面を形成することもできる。
【0015】前記繊維製面ファスナー部材が雄面ファス
ナー部材である場合には、前記係合素子が合成樹脂製の
一本の太い繊維状のモノフィラメントからなる雄係合素
子から構成される。この雄係合素子は、通常、基材を製
織又は製編するとき、同時にモノフィラメントをループ
を形成しながら織込みまたは編込んだ後で熱セットやバ
ックコーティングを施す。そのあとで、ループの一部を
切断して、フック状の係合頭部を有する雄係合素子を形
成し、或いは切断後の起立するモノフィラメントの上端
を溶融させてきのこの傘状係合頭部を有する雄係合素子
を形成している。
【0016】また、前記繊維製面ファスナー部材が雌面
ファスナー部材である場合には、前記繊維製係合素子が
合成樹脂製の多数の細い繊維群のマルチフィラメントか
らなるループ状の雌係合素子から構成される。この雌係
合素子の形成は、基材を製織又は製編するとき、上記雄
係合素子と同様に、同時にマルチフィラメントをループ
を形成しながら織込みまたは編込んみ、そのあとでバフ
ィング処理を行って、各単繊維からなるループに多方面
性を与える。
【0017】前記繊維製面ファスナー部材が雄雌混合面
ファスナー部材である場合には、前記繊維製係合素子
が、合成樹脂製の一本の太い繊維からなるモノフィラメ
ントの雄係合素子と、合成樹脂製の多数の細い繊維群の
マルチフィラメントからなる雌係合素子とが多数混在し
て構成される。この雄雌混合面ファスナー部材は、上記
雄雌の係合素子の形成と同様の手順により製造される。
【0018】本発明にあっては、前記面ファスナーの一
方の面ファスナー部材の基材が格子構造を有し、他方の
面ファスナー部材の基材が非格子構造であって何ら問題
は生じない。要は、両方の面ファスナー部材とも上記見
掛け比重を満足しさえすればよい。
【0019】基材の振動は、横波と縦波に分けて考える
ことができる。横波は糸の長手方向に対して直角方向の
振動である。この振動は周囲の糸、バックコーティング
材との摩擦により容易に減衰する。また、制振材等を設
けた場合にはさらに効率良く減衰させることができる。
一方、縦波は糸の長手方向に振動する波である。この波
の伝播速度は糸の貯蔵弾性率によって決まり、減衰は糸
の損失弾性率によってきまる。貯蔵弾性率と損失弾性率
の比は室温では通常10:1程度であり、室温下におけ
る減衰は大きくない。縦波を減衰させるには糸を屈曲さ
せる方法が有効である。この屈曲により、縦波のエネル
ギーの一部は横波へと変換され、縦波は屈曲のたびに急
速に減衰する。減衰効果を高めるためには屈曲の角度が
90°以上とすることが望ましい。
【0020】平織組織のように糸の屈曲が小さい組織の
場合、振動は減衰せずに広い範囲に拡散する。一方、編
構造のように糸が多く屈曲する組織では糸の屈曲により
振動は減衰し、狭い範囲の振動にとどまる。しかして、
織編組織の見かけ比重が0.5g/cm3 以下である場
合には、両者ともにその効果は大きい。
【0021】特に嵩高糸の場合には、その効果が顕著と
なる。嵩高糸や捲縮糸を用いてバルキーな基材を形成す
ると、音響振動が伝わるときの損失が大きくなり、音が
伝播する範囲が小さくなり、音の発生が抑制される。基
材の構成糸として、粘弾性、特にタンデルタの大きな材
料からなる繊維を混紡した糸を用いることによっても、
基材を伝わる音波が減衰し、振動範囲が狭くなるため、
音の発生が抑制される。
【0022】本発明にあって、ファスナー部材の基材が
編構造を有する場合には、その編みのウェール密度NW
(ウェール数/cm)とコース密度NC(コース数/c
m)が、5.9≦NW+NC≦29.0の関係を満足し
ていることが望ましい。もし、基材が編構造が接結糸を
介して多重に編成されたものである場合には、その係合
素子を有する基層以外の少なくとも1層が上記関係を満
足すればよい。また、前記面ファスナー部材の基材が織
構造を有する場合には、その経糸密度が37.5(本/
cm)以下、緯糸密度が18.0(本/cm)以下であ
り、経糸及び緯糸の太さが140〜300デニールであ
ることが望ましい。基材の織構造が多重織構造である場
合には、係合素子を有する基層以外の少なくとも1層が
前記関係を満足すればよい。前記基材を織編構造のレー
ス地で構成することもできる。
【0023】さらに、本発明における面ファスナー部材
の基材として、通常の織編構造の他に、不織布構造を挙
げることができる。この場合、前記係合素子が前記不織
布の構成繊維の一部であって、同基材から表面に突出す
るループ状繊維である。なお、基材として不織布を使
い、係合素子としてモノフィラメントを使って、フック
状などの雄係合素子を形成することも可能である。すな
わち、例えば不織布の一面からモノフィラメントのルー
プを形成するように、モノフィラメントを不織布に植え
付け、所要の工程を経て雄係合素子を形成すればよい。
不織布の各繊維は多数の箇所で大きく屈曲しており、振
動の減衰率も極めて大きくなる。
【0024】本発明にあっては、更に係合素子が立ち上
がる前記基材自体又は基材の背面に、面ファスナーの取
着対象物との間に空隙を形成するための空隙形成手段を
もたせることもできる。この空隙形成手段としては、例
えば基材自体を加熱加圧などにより3次元構造とし、或
いは基材の背面からループや線状体などを突出させる。
これらの3次元構造、或いはループや線状体は、基材の
織編成時に同時に成形し或いは織編込んで一体とするこ
とが可能である。更に、基材と取着対象物との間で点接
触又は線接触する接触手段、例えば合成樹脂からなる微
小突起を基材の背面に一体に形成し、或いはバックコー
ティング材に微小なビーズ類を混入する。
【0025】上述の基本構成を備えた静音面ファスナー
を取着対象となる物品に取り付けるにあたり、面ファス
ナーの基材と物品との間に、振動の伝達を抑制する振動
吸収手段を介装させることができる。この振動吸収手
段、すなわち吸振手段としては、例えば振動吸収性能に
優れた不織布や嵩高生地などの見掛け比重の低い繊維構
造体や発泡樹脂材料、或いは各種ゴム材料がある。こう
した吸振手段は別途製作しておき、上記面ファスナーの
製造後に連続して基材の背面に添着一体化することもで
き、或いは前記物品と一体に形成することができ、その
ときの吸振手段の見掛け比重も0.5g/cm3 以下と
することが望ましい。さらには、物品自体の見掛け比重
を0.5g/cm3 以下とすれば、剥離時において発生
する音の大きさを、より小さくすることができる。
【0026】
【発明の実施形態】以下、本発明の好適な実施形態を図
示実施例に基づき具体的に説明する。表1は繊維製面フ
ァスナーの基材構造の相違による発生音の違いを示し
た。この表中の「音の大きさ」は、マイクロホンを面フ
ァスナーから65mm離れたところに設置し、面ファス
ナーの剥離時の発生音を測定した結果である。試料の基
材構造は、通常の目の詰まった平織製品(I)、表に示
すウェール密度(個/cm)及びコース密度(個/c
m)の経編製品、表に示す経緯糸密度(本/cm)をも
つ平織テープ(II)とした。平織製品(I)の見掛け
比重は0.55(g/cm3 )、経編製品の見掛け比重
は0.45(g/cm3 )、平織製品(II)の見掛け
比重は0.50(g/cm3 )であった。
【0027】ここでウェール密度とは、図1に示すよう
に、コース方向の単位長さ(1cm)当たりのウェール
数であり、コース密度とはウェール方向の単位長さ(1
cm)当たりのコース数である。また、経糸密度とは、
図2(A)に示すように、織物の幅方向の単位長さ(1
cm)当たりの経糸本数であり、緯糸密度とは、図2
(B)に示すように、織物の長さ方向の単位長さ(1c
m)当たりの緯糸本数、すなわち緯糸の打ち込み回数で
ある。
【0028】
【表1】
【0029】表1から明らかなように、通常の平織製品
(I)からなる基材では、音の大きさが94(dB)
と、他の通常の編密度からなる製品や低密度の平織製品
(II)と比較して一段と大きいことが理解できる。このこ
とから、面ファスナーの基材として織物を使う場合に
は、織密度を小さくすることが剥離時の異音の発生が抑
制でき、また編物を使うと概して音の発生が抑制できる
ことが分かる。この編物の場合、構成糸が大きく屈曲し
ていることが剥離時における異音の発生を抑える原因で
あると考えられる。従って、基材として編組織を採用す
ることで、見掛けの密度と糸の屈曲の効果が現れ、発生
音が小さくなるであろうことが予測できる。
【0030】基材の振動部分における振動の大きさは、
次のような方法によっても簡易的に求めることがてき
る。雌雄の面ファスナーの基材上における1対の係合素
子のみを残し、他の係合素子を全て取り除く。基材裏面
に炭酸カルシウムの粉末を塗布し、残した1対の係合素
子を係合後、剥離する。基材の振動した部分は炭酸カル
シウムが弾き飛ばされるため、目視により振動した部分
の大きさが確認できる。この方法によって、上記各製品
を基材とする実験を行ったところ、通常の平織製品では
炭酸カルシウムの弾き飛ばされた部分の直径はφ4mm
であった。一方、上記低織密度の織物製品の場合には炭
酸カルシウムの弾き飛ばされた部分はφ3mmであっ
た。このことからも、基材の織編組織を粗くする方法が
有効であることが分かる。
【0031】編物製品を基材とする場合、図1に示すよ
うに、単位長さ当たりのウェールの繰返し回数(個数)
をNWとし、単位長さ当たりのコースの繰返し回数(個
数)をNC/cmとするとき、数多くの実験の結果、N
W+NCが5.9以上29.0以下とすると、剥離音を
効果的に低下させることができることを知った。また、
織物を基材として用いる場合には、織の密度を緯糸密度
を18.0本/cm以下、縦糸密度37.5本/cm以
下とし、同時に緯糸太さを140〜300デニール、経
糸太さを140〜300デニールとし、さらに係合素子
の構成糸条であるループ糸450デニールとすることに
より前記条件を満たすことができる。また、構成糸条の
嵩高さを調整して密度を下げることも有効であり、捲縮
糸を用いることもできる。捲縮糸は糸そのものが嵩高さ
を持っており、織編物が嵩高くなり、密度が低下する。
【0032】糸としての貯蔵弾性率と損失弾性率の比は
混紡により改善できる。特にウレタン繊維等のような室
温付近でタンデルタのピークをもつ材質の繊維を混紡す
ると、糸としての損失弾性率が著しく高くなる。また、
低級ポリエチレン(LDPE)のようにガラス転移点が
低く、結晶化度の小さな材料も有効である。前述のよう
に損失弾性率を高くすると振動の伝播する範囲が狭くな
り、スピーカーコーンを小さくする効果がある。また、
基材をレース状組織とすると、振動を伝える糸が多重に
屈曲され、さらに振動を伝達する糸の本数そのものが減
り、見掛けの密度が低下するためにさらに効果的であ
る。
【0033】図3は、本発明に係る繊維製の静音面ファ
スナー部材を、その取着対象である布帛に取り付けた状
態を模式的に示している。なお、以下の実施例の説明で
は、基材や雄雌の係合素子のように機能的に区別が不要
な実質的に同一部分として取り扱える部分には同一符号
を付している。面ファスナー部材は雄雌の区別なく符号
10を、基材には織編みの区別なく共通の符号11を、
係合素子には雄雌を区別することなく共通の符号12を
使っている。
【0034】図4に示す実施例に係る静音面ファスナー
部材10は、基材11の織成と同時にループを形成しな
がらモノフィラメントを織り込んだあとで、前記ループ
の一部を切断してフック状の雄係合素子12を一体に形
成した織物からなる。前記基材11は上下二層からなる
2重織物であり、その二層11a,11bともに平織組
織により構成されており、経糸の一部に接結糸13を使
って、上下両層11a,11bは前記接結糸13をもっ
て連結されている。このとき、本実施例では前記接結糸
13に僅かに余裕をもたせて、上層11aと下層11b
との間に空隙が形成されるようにしている。なお、図示
例では基材11を2重織物にて構成しているが、3重織
物であっても、さらには多重編物であってもよい。
【0035】さらに、より振動の伝達を制限する方法と
して、多重織り、多重編みにおいて、係合素子12が形
成されている基層をも含めて少なくとも1層の見掛け比
重を0.5g/cm3 以下に小さくすれば、係合素子1
2の近傍で発生した振動は生地14にさらに伝達されに
くくなる。この実施例でも、当然に基材11の全体の見
掛け比重を0.5g/cm3 以下に設定してもよい。こ
のときの見掛け比重は、単位体積(cm3 )当たりの重
量の他にも、基材11の厚さと基材の構成糸の材質(比
重)に基づいて容易に算出することができる。
【0036】このように基材11を2重織物から構成す
るとともに、その見掛け比重を0.5g/cm3 以下に
設定することにより、基材11自体に振動に対する高い
減衰能力を備えさせることができるようになるばかりで
なく、生地14を縫糸によって縫い付けたときも、相手
方の図示せぬ雌面ファスナー部材との係合を外すとき
(剥離時)に上層11aに発生する振動は下層に伝達さ
れる間に大きく減衰されて生地14に伝わるため、剥離
時に発生する振動は基材11自体のもつ減衰能力と生地
14に伝達される振動の小ささとが相まって、全体とし
ての複合振動が大きく低減される結果、異音の空気中へ
の放射量が極めて小さくなる。
【0037】特に本発明にあっては、前述の雄面ファス
ナー部材10と係合させる相手方の雌面ファスナーにつ
いても、その見掛け比重を0.5g/cm3 以下に設定
することが肝心であり、この組合せにより剥離時の発生
音は更に大きく抑制される。
【0038】図5は、見掛け比重(g/cm3 )の異な
る第1〜第3の雌面ファスナー部材FF1〜FF3と
(0.71、0.65、0.33)、見掛け比重(g/
cm3)の異なる2種類の雄面ファスナー部材MF1及
びMF2(0.68、0.42)とを、その組合せを変
えて係合・剥離を繰り返したときの音圧レベル(dB)
の差異を示している。
【0039】この図から理解できるように、見掛け比重
がいずれも0.5g/cm3 を越える雄雌の面ファスナ
ー部材MF1及びFF1,FF2の組合せでは、剥離時
に発生する音圧レベルは93dBを越えており、極めて
耳障りで大きな音である。一方、雄雌の面ファスナー部
材の一方の見掛け比重を0.5g/cm3 以下として、
他方の面ファスナー部材の見掛け比重を0.5g/cm
3 よりも大きい、面ファスナー部材(MF2とFF1、
MF2とFF2、MF1とFF3)の組合せでも、低く
て86dBの音圧レベルであるのに対して、雄雌の見掛
け比重が双方ともに5.0g/cm3 以下である面ファ
スナー部材MF2とFF3とを組合せると、その剥離時
に発生する音圧レベルは74dBと大幅に低下し、耳障
りとはならない低い音の発生でしかなかった。
【0040】さらに本実施例にあっては、生地14に前
記静音面ファスナー部材10を取り付けるにあたり、
「すくい縫いミシン(ヤマトミシン (株) 製)」と呼ば
れる特殊な縫製機を使い、図3に示すように、基材11
の上層11aを直接縫製せず、下層11bと生地14と
の間のみを縫製するようにすれば、上層11aと下層1
1bとの間の空隙が減じられることなく、上層11aは
縫糸20による固着の影響がなくなるため、上層11a
に生じた振動が下層11bに伝達される間に大きく減衰
する。前記縫製機の縫製機構を簡単に述べると、曲進針
と呼ばれる湾曲針を使い、生地の厚さの途中までをすく
いながら縫製する。このときのすくう深さは適宜調整す
る。
【0041】なお、生地14に対する静音面ファスナー
部材10の取付けの仕方は、図3に示す態様の他にも、
例えば静音面ファスナー部材10が小さければ、通常の
縫製と同様に、その縁部に沿って上層11aをも含めて
縫着させてもよいし、静音面ファスナー部材10が大き
い場合には、所定の間隔をもって格子状に上層11aを
も含めて縫着させてもよい。
【0042】面ファスナーの剥離時に発生する音は、面
ファスナーのみから出ているのではなく、取り付けられ
た物品へ振動が伝達されると、物品からも発生する。そ
のため、剥離時における面ファスナーの音を小さくした
だけでは不充分であって、更に製品への取付け構造にも
考慮が必要である。USP4,884,323号では、
面ファスナーと生地の間に空気を含む大容積の材料を介
装することが開示されている。本発明にあっても、図4
に示すごとく、面ファスナー部材10と生地14との間
に、例えば不織布15などを介装する場合もある。図示
例では、生地14の面ファスナー取着面に予め不織布1
5を縫製などにより固着しておき、その不織布15の表
面に雄面ファスナー部材10を取り付けている。このと
き、雄面ファスナー部材10と生地14との固着は、図
3に示した縫着手段が採用でき、或いは雄面ファスナー
部材10の周縁又は格子状に縫着することも可能であ
る。
【0043】また、本発明にあっては面ファスナー部材
の背面に、剥離時に発生する振動が生地に伝達されるこ
とを遮断するための空隙を形成することをも含んでい
る。この空隙形成手段は改めて縫製工程などの増加を伴
わうことなく基材に一体に形成でき、しかも剥離時に発
生する音を小さく抑制できる面ファスナーを提供する。
本発明における面ファスナー部材の背面側の空隙形成手
段としては、面ファスナー部材の基材の製織、製編時に
三次元的に成形する。または、製織後や製編後のバック
コーティング剤の固化時に同バックコーティング層の背
面側を凹凸に成形する。さらには、面ファスナーの縁部
のみ多重織りにしたり、縁部の構成糸の太さを太くし
て、縁部の厚みを増加させる。あるいは、縁部を折り返
すなどして、さらにはこれらを組み合わせることによ
り、静音効果を一層高めることができる。
【0044】図6〜図8は、本発明の代表的な他の実施
例を示している。これらの実施例では、面ファスナー部
材10を織成または編成したのち、図示せぬ金型による
加熱加工により基材11を波打ち形状としたり(図
6)、基材11の耳部11cだけをジグザグ状に屈曲成
形し(図7)、或いは基材11の耳部11cを基材11
の背面側に90°湾曲する形状に成形している(図
8)。かかる形態の面ファスナー部材10を図示せぬ生
地に取り付ければ、面ファスナー部材10と生地14と
の間に空隙が形成されて、上述のごとく面ファスナーの
剥離時に発生する音の大きさが効果的に低減する。な
お、図8に示す面ファスナー部材10の係合素子12
は、多数の連続繊維の集まりであるマルチフィラメント
を一本の糸条として基材11にループを形成しながら織
り込んでおり、これらのループは切断されることなく、
この形態のままで以降にバフィング処理がなされて、雌
係合素子として使われる。
【0045】さらに、本発明にあっては面ファスナー部
材10と生地14との接触を点状または線状とすること
により、振動が伝達される際の伝達効率を低下させるこ
とができる。具体的な方法として、図9及び図10に示
すように、製織時または製編時に基材11の一面に係合
素子12を形成するとともに、その背面にもループを形
成し、そのループの頂点部や側部を切断して、端部に頭
部を有する直立柱状突出部16又はループを切断しない
で用いるパイル状突出部17を形成する。或いは、図1
1及び図12に示すように、面ファスナー10の基材1
1裏面に点状又は線状に樹脂18を押出し、添着一体化
する。使用する樹脂18としては特に制限するものでは
ないが、柔軟性や加工性を考慮すると低温加硫型のゴム
系樹脂が適する。または、用途によっては酢酸ビニル等
を主原料とする低温加工可能な樹脂も使用できる。更に
は各種の発泡樹脂を使うこともできる。
【0046】さらには、図13〜図15に示すように、
面ファスナー部材10の係合素子12が形成されていな
い背面に、例えば綿糸又は綿紐、あるいはパイプ線状な
どの線状体19を、基材11に一体に取り付けるように
してもよい。その取付けは、縫製によってもよいが、基
材11の織成または編成時に同時に織り込みまたは編み
込む方が手間がかからず工程増にもつながらないため好
ましい。かかる構成によっても、面ファスナー部材10
を生地14に取り付けると、剥離時に基材11に発生し
て生地14に伝わる振動が大幅に低減され、著しい静音
効果が得られる。
【0047】以上の説明においては、面ファスナー10
の構成部材である雄雌の面ファスナー部材の一方を例示
して、図示を省略しているが、本発明にあっては面ファ
スナー部材10の同一基材11の一面に雄の係合素子と
雌の係合素子を混在させる場合もある。また、本発明に
とって重要な点は、既述したとおり組となる面ファスナ
ー部材同志が、いずれも本発明の条件、すなわち各面フ
ァスナー部材の見掛け比重が共に0.5g/cm3 以下
であることと、少なくとも一方の面ファスナー部材10
の基材11が全面にわたりほぼ均等な繊維密度を有して
いることの2つの条件を満足していなければならない。
かかる構成により、静音効果に加えて、面ファスナー1
0の全面にて均等な係合率と係合強度が得られるととも
に、面ファスナー部材10同士を接合したとき、その接
合部の形態が安定する。
【0048】さらに、本発明に係る静音面ファスナー
は、図示を省略したが、面ファスナー部材にバックコー
ティングを行う際に、バックコーティング剤が固化する
前にビーズ状樹脂を添着し、バックコーティング剤を介
して面ファスナー裏面にビーズ状樹脂などを接着しても
よい。ビーズ状樹脂の形態は特に定めるものではなく、
球状、線状など、さまざまな形状を採用することが可能
である。これらビーズ状樹脂を予めバックコーティング
剤に混ぜておき、これを面ファスナー部材の背面に塗布
するようにしてもよい。
【0049】表2は、面ファスナー部材10の基材11
として経編構造を採用し、同面ファスナー部材10を各
種の生地14に縫い付け、剥離したときの音の大きさを
示している。同表中、「見掛け比重」は各種生地14の
単位容積当たりの重量を測定した値を示し、「面ファス
ナー部材の見掛け比重」は、基材11の単位容積あたり
の重量を測定した値を示している。音の大きさの測定値
は、各生地に25mm幅の経編物を基材とする面ファス
ナーを取り付け、面ファスナーの接合領域から65mm
の距離に置いてマイクロホンを配し、剥離時の発生音を
測定した値である。
【0050】
【表2】
【0051】表2からも明らかなように、剥離時の音は
生地の見掛けの比重に強く依存しており、見掛けの比重
が0.5g/cm3 以下の場合には発生音が小さくな
る。このことは見かけ生地の見掛け比重が0.5g/c
3 以下であれば、面ファスナーの剥離時の発生音を更
に抑えることができることを示している。さらに、見掛
け比重が0.5g/cm3 以下のファスナー基材を使
い、見掛け比重が0.5g/cm3 以下のパイル編物や
不織布などの布帛を介して、取着対象である生地に取り
付けても、発生音が抑制することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】編物製基材のウェール密度とコース密度の説明
図である。
【図2】織物製基材の経緯糸密度の説明図である。
【図3】本発明の代表的な実施例である繊維製の静音面
ファスナー部材が取り付けられた製品の部分断面図であ
る。
【図4】本発明の代表的な他の実施例である繊維製の静
音面ファスナー部材が取り付けられた製品の部分断面図
である。
【図5】基材の見掛け比重の異なる面ファスナー部材同
志の離脱時における発生音の大きさの比較図である。
【図6】本発明の代表的な更に他の実施例である繊維製
の静音面ファスナー部材の一例を示す部分断面図であ
る。
【図7】本発明の代表的な更に他の実施例である繊維製
の静音面ファスナー部材の一例を示す部分断面図であ
る。
【図8】本発明の代表的な更に他の実施例である繊維製
の静音面ファスナー部材の一例を示す部分断面図であ
る。
【図9】本発明の代表的な更に他の実施例である繊維製
の静音面ファスナー部材の一例を示す部分断面図であ
る。
【図10】本発明の代表的な更に他の実施例である繊維
製の静音面ファスナー部材の一例を示す部分断面図であ
る。
【図11】本発明の代表的な更に他の実施例である繊維
製の静音面ファスナー部材の一例を示す部分断面図であ
る。
【図12】本発明の代表的な更に他の実施例である繊維
製の静音面ファスナー部材の一例を示す部分断面図であ
る。
【図13】本発明の代表的な更に他の実施例である繊維
製の静音面ファスナー部材の一例を示す部分断面図であ
る。
【図14】本発明の代表的な更に他の実施例である繊維
製の静音面ファスナー部材の一例を示す部分断面図であ
る。
【図15】図13に示す面ファスナー部材の背面側から
見た斜視図である。
【符号の説明】
10 繊維製静音面ファスナー部材 11 基材 11a 上層 11b 下層 11c 耳部 12 (雄又は雌の)係合素子 13 接結糸 14 生地 15 不織布 16 柱状突出部 17 パイル状突出部 18 樹脂 19 線状体 20 縫製糸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D04B 21/02 D04B 21/02 21/10 21/10 21/14 21/14 Z (72)発明者 土肥 正志 富山県滑川市赤浜30−2 (72)発明者 田中 守 富山県下新川郡入善町入膳4210−54 Fターム(参考) 3B100 DA02 DA04 DA07 DB00 4L002 AA02 AA05 AA06 AA07 AB02 CB01 CB02 CB03 EA00 FA06 4L048 AA08 AA15 AA20 AA24 AA26 AB07 AB10 BA06 BA09 BA31 CA00 DA07

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維構造材からなる平板状基材の表裏面
    のいずれかに多数の繊維製係合素子を有する接合面を備
    えた面ファスナーであって、 接合相手となる各繊維製面ファスナー部材の基材同士の
    見掛け比重が、それぞれ0.5g/cm3 以下であり、 一方の面ファスナー部材の少なくとも平板状基材が、全
    面にわたって略均等な繊維密度を有してなる、ことを特
    徴とする繊維製の静音面ファスナー。
  2. 【請求項2】 前記面ファスナー部材の基材が編構造を
    有し、その編みのウェール密度NW(ウェール数/c
    m)とコース密度NC(コース数/cm)が、次式
    (1)を満足してなる請求項1記載の静音面ファスナ
    ー。 5.9≦NW+NC≦29.0 …… (1)
  3. 【請求項3】 前記面ファスナー部材の基材が織構造を
    有し、その経糸密度が37.5(本/cm)以下、緯糸
    密度が18.0(本/cm)以下であり、経糸及び緯糸
    の太さが140〜300デニールである請求項1記載の
    静音面ファスナー。
  4. 【請求項4】 繊維構造材からなる平板状基材の表裏面
    のいずれかに多数の繊維製係合素子を有する接合面を備
    えた面ファスナーであって、 接合相手となる少なくとも一方の繊維製面ファスナー部
    材の基材が、接結糸を介して多層に織編成された多重織
    編構造を有するとともに、各層間に間隙を有してなり、 接合相手となる他方の繊維製面ファスナー部材の基材の
    見掛け比重が0.5g/cm3 以下であり、 前記多重織編構造を有する一方の繊維製面ファスナー部
    材の係合素子が立ち上がる基層を含む少なくとも1層の
    見掛け比重が0.5g/cm3 以下である、ことを特徴
    とする繊維製の静音面ファスナー。
  5. 【請求項5】 前記多重織編構造からなる基材が編構造
    を有し、その基層以外の少なくとも1の編物層における
    ウェール密度NW(ウェール数/cm)とコース密度N
    C(コース数/cm)とが、次式(1)を満足してなる
    請求項4記載の静音面ファスナー。 5.9≦NW+NC≦29.0 …… (1)
  6. 【請求項6】 前記多重織編構造からなる基材が織構造
    を有し、その基層以外の少なくとも1の織物層における
    経糸密度が37.5(本/cm)以下、緯糸密度が1
    8.0(本/cm)以下であり、経糸及び緯糸の太さが
    140〜300デニールである請求項4記載の静音面フ
    ァスナー。
  7. 【請求項7】 前記繊維製面ファスナー部材が雄面ファ
    スナー部材であって、前記係合素子が合成樹脂製の一本
    の太い繊維状のモノフィラメントからなる雄係合素子か
    らなる請求項1又は4記載の静音面ファスナー。
  8. 【請求項8】 前記繊維製面ファスナー部材が雌面ファ
    スナー部材であって、前記繊維製係合素子が合成樹脂製
    の多数の細い繊維群のマルチフィラメントからなるルー
    プ状の雌係合素子からなる請求項1又は4記載の静音面
    ファスナー。
  9. 【請求項9】 前記繊維製面ファスナー部材が雄雌混合
    面ファスナー部材であって、前記繊維製係合素子が、合
    成樹脂製の一本の太い繊維からなるモノフィラメントの
    雄係合素子と、合成樹脂製の多数の細い繊維群のマルチ
    フィラメントからなる雌係合素子とが多数混在して構成
    されてなる請求項1又は4記載の静音面ファスナー。
  10. 【請求項10】前記面ファスナーの一方の面ファスナー
    部材が格子状基材を有し、他方の面ファスナー部材が非
    格子状基材を有してなる請求項1又は4記載の静音面フ
    ァスナー。
  11. 【請求項11】前記面ファスナー部材の少なくとも他方
    の基材が不織布構造を有し、前記係合素子が前記不織布
    の構成繊維の一部であって、同基材から表面に突出する
    ループ状繊維である請求項1又は4記載の静音面ファス
    ナー。
  12. 【請求項12】前記基材の構成糸条が損失弾性率の大き
    な繊維を含んでなる請求項1又は4記載の静音面ファス
    ナー。
  13. 【請求項13】前記基材の構成糸が嵩高糸である請求項
    1又は4記載の静音面ファスナー。
  14. 【請求項14】前記基材がレース地からなる請求項1又
    は4記載の静音面ファスナー。
  15. 【請求項15】係合素子が立ち上がる前記基材の背面
    に、面ファスナーの取着対象物との間に空隙を形成する
    空隙形成手段を有してなる請求項1又は4記載の静音面
    ファスナー。
  16. 【請求項16】前記空隙形成手段が、ループ状の突起か
    らなり、該ループ状突起が製織編されて基材と一体にさ
    れてなる請求項15記載の静音面ファスナー。
  17. 【請求項17】前記空隙形成手段が係合素子が立ち上が
    る前記基材の背面に局部的に突出する突出部材である請
    求項15記載の静音面ファスナー。
  18. 【請求項18】係合素子が立ち上がる前記基材の背面
    に、面ファスナーの取着対象物との間を点接触又は線接
    触する接触手段を有してなる請求項1又は4記載の静音
    面ファスナー
  19. 【請求項19】請求項1又は4に記載の静音面ファスナ
    ーが取着された物品と前記面ファスナーとの間に吸振手
    段を有してなることを特徴とする製品。
  20. 【請求項20】 前記吸振手段が、見掛け比重が0.5
    g/cm3 以下の各種布帛類である請求項19記載の製
    品。
  21. 【請求項21】前記吸振手段が、発泡樹脂である請求項
    19記載の製品。
  22. 【請求項22】前記物品の見掛け比重が0.5g/cm
    3 以下である請求項19記載の製品。
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