JP2971332B2 - 面ファスナー雌材 - Google Patents

面ファスナー雌材

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は面ファスナー雌材、特に
使い捨ておむつのようなディスポーザブル商品に好適な
面ファスナー雌材に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、面ファスナーは、ループ型の雌材
と、雌材と係合する鉤型あるいはきのこ型等のフック部
を有する雄材からなる。面ファスナーは簡便に使用する
ことができるため、衣類、鞄、靴、日用品等の開閉部、
車両の座席カバーの取り付け部に設けられて使用されて
いる。また、最近では使い捨ておむつを固着・固定させ
るべく、面ファスナーをおむつのウエスト部に貼付した
ものも提案され、実用に供されている。
【0003】このように面ファスナーは様々な分野にお
いて利用されているが、一般に面ファスナーに要求され
る性能としては、剥離強力が強いこと、つまり雄材と
雌材がそれぞれ反対方向へファスナー面に対して垂直に
引張られた場合でも両者の係合が容易に解かれないこ
と、引張強力が強いこと、つまり雄材と雌材がそれぞ
れ反対方向へ水平に引張られた場合でも両者の係合が容
易に解かれないこと、ファスナー部が嵩高にならない
ものが好ましい商品、特に衣料、おむつ等に使用する場
合においては厚みが小さく柔軟であること、が主に挙げ
られ、そして特に使い捨て用おむつ等のいわゆるディ
スポーザブル商品に使用される場合には、製造コストが
安価であることが要求される。そしてこれらの要求を満
たすべく、様々な面ファスナーが従前より提案されてい
る。
【0004】例えば、特開昭62−38105号公報に
おいては、不織シートにステッチングを行い不織布表面
にループを突出させた面ファスナー部材が提案されてい
る。また、特開平4−105602号においては、流体
攪乱処理により表面に多数のループ、コイル等を有する
マルチフィラメント糸条を布帛に挿入することにより十
分な係合力を有しかつ嵩高でない面ファスナー雌材を得
ることができる旨記載されている。また、特開平6−3
3359号では、表面に多数の皺を形成させた長繊維不
織布からなる面ファスナー雌材が示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の面ファスナー雌材には、以下のような不都合がある。
即ち、特開昭62−38105号で示されたファスナー
部材は、剥離強力、引張強力の点では問題ないが、不織
布にステッチングを行うため製造コストが高くなること
は避けられず、価格競争の激しいディスポーザブル商品
に不向きである。同様に特開平4−105602号に記
載された雌材も、剥離強力、引張強力に関しては問題な
いが、特定のマルチフィラメントを1本以上用いて製織
する必要があるため製造コストは高くなる。一方、特開
平6−33359号で示された長繊維不織布は、安価に
製造することができ使い捨て用おむつ等に適したもので
はあるが、雄材との係合力が弱く、剥離強力、引張強力
の点では決して満足できるものではない。つまり、上述
した要求性能すべてを満たしかつ経済的に有利な面ファ
スナー雌材は未だ得られていないのである。
【0006】そこで、本発明者らは、従来の面ファスナ
ー雌材に見られる不都合を解消し、どのような雄材と係
合させた場合でも優れた剥離強力、引張強力を示す雌材
を廉価に提供することができるよう鋭意検討した結果、
比較的目の粗い織物もしくは編物に繊維ウェブを積層し
て絡合一体化させ、繊維ウェブの一部を貫通させて編物
もしくは織物の表面にループを形成させた複合シートを
作成したところ、これが面ファスナー雌材に好適である
ことを見い出し、本願発明に至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、織物もしくは
編物と繊維ウェブが絡合一体化してなる複合シートであ
って、前記ウェブの繊維の一部が前記織物もしくは編物
を貫通して、織物もしくは編物の表面に1cm2 あたり
2〜20個のループが形成されていることを特徴とする
面ファスナー雌材である。
【0008】本発明において織物もしくは編物(以下、
織編物と簡略する)は、繊維ウェブと複合一体化するこ
とにより互いに補強し合って雌材全体の寸法安定性の向
上に寄与するだけでなく、織編物を構成する糸条の一部
も雄材のフック部と係合するため、それ自身剥離強力、
引張強力に影響を及ぼす要素となるものである。従っ
て、平面的な構造を有する織物よりは、厚み方向に膨ら
みを有する編物の方がフック部と係合しやすいので、本
発明においては編物をより好ましく使用することができ
る。
【0009】織編物を構成する糸条は、モノフィラメン
ト、マルチフィラメント、紡績糸、スプリットヤーン等
いずれであってもよい。但し、織編物と雄材との係合の
し易さを考慮した場合、モノフィラメントよりも複数本
の繊維からなるマルチフィラメントや紡績糸で織成・編
成された織編物の方がより好ましい。また、織編物を構
成する糸条が細い程、最終的に得られる雌材は柔軟であ
り、厚みも小さいものとなるが、細すぎるとニードルパ
ンチング等によって短繊維ウェブと一体化させる際に糸
条が切断されやすくなり、毛羽立ちの原因となることに
留意すべきである。反対に、糸条が太くなると毛羽立ち
は起こらないが、柔軟性に乏しく厚みも増す。柔軟性や
厚みは糸条の原材料や織編物の密度(目の粗さ)によっ
ても影響を受けるので、それらとの関係で適当な太さの
糸条を選択すれば良い。
【0010】ここで糸条を構成する材料は特に限定され
ず、綿、羊毛等の天然繊維、レーヨン等の再生繊維、ナ
イロン、ポリエステル等の合成繊維から任意に一あるい
は二以上選択して使用することができる。中でも、ナイ
ロンやポリエステルを溶融紡糸して得られるモノフィラ
メントやマルチフィラメントからなる目の粗い織編物は
安価に入手することができるので、おむつ等のデイスポ
ーザブル商品において使用する面ファスナー雌材に好適
である。
【0011】本発明において使用する織編物は、繊維ウ
ェブの一部が貫通して織編物の表面にループを形成する
ことができるよう比較的目の粗いもの、即ち織密度もし
くは編密度の小さいものがよい。具体的には、繊度10
〜60デニールのモノフィラメントもしくは合計繊度1
0〜60デニールのマルチフィラメントで編成されたウ
ェール数20〜60個/インチ、コース数15〜50個
/インチの経編地もしくは横編地、40〜60番手の紡
績糸で織成された経糸数20〜60本/インチ、緯糸数
15〜60本/インチのガーゼ、寒冷紗等の平織物が好
ましく使用される。
【0012】本発明の面ファスナー雌材は、織編物と繊
維ウェブが複合一体化され、かつ繊維ウェブの一部が貫
通して織編物の表面にループが形成されていることを特
徴とする。このループは、雄材のフック部と係合する部
位となるものであるが、前述した通り、本発明の面ファ
スナー雌材は、ループだけでなく織編物を構成している
糸条の一部も雄材と係合する点に特徴があり、両者が係
合に関与することによって、それら単独では得られない
優れた係合力を示すのである。従って、ループの数は、
剥離強力および引張強力が最も大きくなるよう、雄材と
織編物の係合を妨げない範囲内で選ぶ必要がある。ルー
プは短繊維ウェブ中の複数本の繊維が束になった状態で
形成されており、本発明では、そのような束状のループ
が1cm2 あたり2〜20個形成されていることが望ま
しい。2個未満では、雄材は専ら織編物中の糸条と係合
することになるが、フック部が織編物にばかり係合する
と雄材を剥離するときに織編物を構成する糸条がひきつ
れてしまうといった問題がある。また、20個を超える
と雄材のフック部は専らループ中の繊維と係合するため
織編物を構成する糸条との係合が困難となり、却ってフ
ァスナー全体の係合力が低下し好ましくない。
【0013】さらに本発明においては、織編物表面に形
成されたループの基部が、織編物および短繊維ウェブに
強く保持されていることが肝要である。もしループの基
部が保持されていなければ、繰り返しの係合・剥離によ
ってループを構成している繊維が脱落する、いわゆる
「綿抜け」が発生し、雌材の毛羽立ちの原因となるから
である。また、「綿抜け」が発生しやすい状態では、雄
材を雌材から剥離する際に雄材のフック部に雌材から抜
け出た繊維が絡まりやすくなる。フック部に繊維等の異
物が付着すると雄材と雌材の係合が著しく阻害されるこ
とは経験的に良く知られていることである。従って、特
に繰り返し係合・剥離する場合「綿抜け」はファスナー
全体の係合力低下に繋がるので、これをできるだけ避け
る必要がある。
【0014】具体的にループの基部を織編物および短繊
維ウェブに強く保持させる方法としては、短繊維ウェブ
に予め熱接着性繊維や低融点バインダーを混合してお
き、ループ形成後、加熱処理を施して熱接着性繊維を溶
融・軟化してループの根元部を織編物および短繊維ウェ
ブに熱接着させる方法を挙げることができる。このと
き、加熱処理はループの形状をできるだけ崩さないよう
に行う必要があり、具体的に好ましい加熱処理方法とし
て熱風貫通型乾燥機を通過させる方法を挙げることがで
きる。また、加熱処理によってループの基部が熱接着さ
れると同時に、短繊維ウェブの構成繊維間も結合される
ので雌材全体の形態安定性および寸法安定性が向上する
という利点もある。
【0015】本発明で使用する短繊維ウェブは、その一
部が織編物を貫通して織編物表面にループを形成するこ
とができるものでなけばならない。具体的には、繊維長
38〜76mm、繊度1.5〜10デニールの短繊維か
らなるカードウェブを好ましく使用することができる。
繊維長が38mm未満であると、ループ部において綿抜
けが発生しやすくなるため毛羽立ちの原因となり、さら
には繰り返し係合・剥離する場合に係合力が低下すると
いう問題が生じる。また76mmを超えるとカード通過
性が悪くなる。繊度が1.5デニール未満であると、織
編物表面に形成されたループが切断されやすくなるた
め、毛羽立ちの原因となり、繰り返し係合する場合に係
合力の低下を招く。また、同目付のウェブでは繊度が大
きくなるにつれて単位体積あたりの構成繊維本数が減る
ため、一つのループを構成する繊維の数および形成され
るループの数も減少することになる。このことは雄材の
フック部がループと係合する割合が減り、織編物を構成
する糸条と係合する割合が増えることを意味する。従っ
て、繊度が大きくなりすぎると、雄材は専ら織編物との
間で係合するため前述した糸条のひきつれといった問題
が生じる。このような問題を避けるには繊度を10デニ
ール未満とすることが望ましい。
【0016】繊維ウェブの目付は10〜100g/m2
の範囲で、用途等に応じて任意に選択することができ
る。ここで繊維ウェブの目付が10g/m2 未満である
と、ループが十分に形成されず雄材のフック部は専ら織
編物に係合するため、前述したように織編物を構成する
糸条がひきつれてしまうといった問題がある。また10
0g/m2 を超えると、ループの形成が密になりすぎて
雄材と雌材は専らループにおいてのみ係合し、織編物が
係合に関与することができないため、係合力が却って小
さくなるといった問題に加え、得られる雌材が非常に嵩
高いものとなって柔軟性に欠け、実用的でないといった
不都合も生じる。
【0017】繊維ウェブを構成する繊維の原材料は特に
限定を要するものではなく、綿、麻、羊毛等の天然繊
維、レーヨン等の再生繊維、ナイロン、ポリエステル、
ポリプロピレン、ポリエチレン、アクリル等の合成繊維
から任意に一あるいは二以上選択して使用することがで
きる。また、前述したように、織編物表面に形成された
ループの基部を加熱処理により織編物および短繊維ウェ
ブに熱接着させるべく、熱接着性繊維が繊維ウェブを構
成する繊維の一部を占めるようにすることができる。こ
のとき熱接着性繊維の占める割合は50重量%以上であ
ることが好ましく、全部が熱接着性繊維であってもよ
い。ここで使用することができる熱接着性繊維として
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルから
なる単一繊維、もしくはそれら低融点成分が繊維表面の
一部もしくは全部を占める複合繊維、例えば鞘/芯がポ
リエチレン/ポリエステル、ポリプロピレン/ポリエス
テル等の芯鞘型複合繊維等を挙げることができる。勿
論、熱接着性繊維以外の熱接着成分、例えば低融点バイ
ンダー等を予め繊維ウェブに混合することもでき、その
場合熱接着性繊維は不要である。
【0018】織編物と繊維ウェブを一体化し、かつ繊維
ウェブの一部を貫通させて織編物表面にループを形成す
る手段としては、繊維の突き出し機能を有するニードル
を用いてニードルパンチングを行うことが最も好まし
い。ここでニードルパンチングの際に留意すべきこと
は、1cm2 あたりの針数と織編物表面に形成される1
cm2 あたりのループ数とは必ずしも一致しないことで
ある。具体的には、針数10〜100本/cm2 、より
好ましくは30〜70本/cm2 でニードルパンチング
を行うことにより、前述の範囲内すなわち1cm2 あた
り2〜20個のループを形成することができる。10本
/cm2 では、形成されるループの数が少なくなりす
ぎ、織編物と繊維ウェブの一体化も不十分である。10
0本/cm2 を超えるとループの形成が密になりすぎる
だけでなく、織編物を構成する糸条を破損してしまうと
いった問題も生じる。また、ニードルパンチングを行う
際の針深度は5〜20mmであることが望ましい。5m
m未満であると、織編物表面にループを形成させること
ができず、20mmを超えると形成されるループの高さ
が高くなるため織編物もしくは短繊維ウェブに保持され
る部分がそれだけ短くなり、綿抜けしやすい状態となる
ため好ましくない。
【0019】ニードルパンチングする際に用いる針とし
ては、針先部分に下向きのバーブを有するものや、フォ
ークニードルを好ましく使用することができる。そして
短繊維ウェブと織編物を積層し、これらの針を使用して
短繊維ウェブ側からニードルパンチングを行えば、織編
物表面に面ファスナー雌材に適した多数のループを突出
させることができる。
【0020】続いて先に述べた方法で加熱処理を施すこ
とにより、ループの基部が織編物および短繊維ウェブに
保持されて安定化した本発明の雌材となすことができ
る。得られた雌材は、鉤型、キノコ型等いずれの形状の
フック部とも係合可能である。
【0021】このように本発明の面ファスナー雌材は、
柔軟で厚みが小さく、繰り返し係合・剥離された場合で
も綿抜けが少なく良好な表面状態を保ったままで優れた
係合力を示し、かつ従来の雌材に比べて安価に供給する
ことができるものであるから、使い捨ておむつ等のいわ
ゆるディスポーザブル商品に最も適したものであるとい
える。
【0022】
【作用】本発明の面ファスナー雌材は、織編物と短繊維
ウェブが複合一体化されてなるものであり、両者は複合
一体化されることによってお互いを補強し合い、雌材全
体の寸法安定性を向上させる。そして、短繊維ウェブの
一部は織編物表面にループを形成し、このループは雄材
のフック部と係合する部位となり、織編物を構成する糸
条の一部も雄材と係合する部位となる。つまり本発明に
おいては、短繊維ウェブの一部および織編物を構成する
糸条の一部の双方が雄材との係合に関与することによっ
て、ファスナー全体の係合力が向上するのである。
【0023】また、織編物表面に形成されたループが加
熱処理により織編物および短繊維ウェブに強く保持され
ることによって、得られる雌材の綿抜け、毛羽立ちが防
止され、ひいては繰り返しの係合・剥離に対する耐性が
与えられることになる。
【0024】
【実施例】
[実施例1]6デニール、51mmの鞘がポリエチレ
ン、芯がポリエステルの芯鞘型複合繊維を用いて、パラ
レルカードにより目付30g/m2 のウェブを作成し
た。これに単繊維繊度が5デニール、合計繊度が30デ
ニールのナイロンマルチフィラメントからなるウェール
数40個/インチ、コース数20個/インチのトリコッ
トを重ね、ウェブ側から針先に下向きのバーブを有する
ニードルを用いて針数50本/cm2 、針深度15mm
でニードルパンチングを行って両者を一体化すると同時
に、トリコット表面にループを形成させた。続いて、こ
の一体化したものを、熱風貫通型乾燥機により140℃
で30秒間加熱処理してループ部の基部を織編物および
ウェブに熱接着させ、本発明の面ファスナー雌材となし
た。得られた雌材のトリコット表面には高さ0.7〜
1.2mmのループが1cm2 あたり約8個形成されて
いた。これを鉤型のフック部を有する雄材とともに、幼
児用使い捨ておむつのウエスト部に用いたところ、幼児
の様々な動きに対しても柔軟に適合し剥離することはな
かった。また、数回、係合・剥離を繰り返してもその係
合力に変化はなく、雌材の表面状態も良好であった。
【0025】[実施例2]3デニール、51mmの鞘が
ポリプロピレン、芯がポリエステルの芯鞘型複合繊維を
用いて、パラレルカードにより目付50g/m2 のウェ
ブを作成した。これに15デニールのナイロンモノフィ
ラメントからなるウェール数24個/インチ、コース数
20個/インチのトリコットを重ね、針先に下向きのバ
ーブを有するニードルを用いて針数50本/cm2 、針
深度10mmでニードルパンチングをウェブ側から行
い、両者を一体化すると同時に、トリコット表面にルー
プを形成させた。続いて、この一体化したものを、熱風
貫通型乾燥機により170℃で30秒間加熱処理を施し
てループ部の基部を織編物およびウェブに熱接着させ、
本発明の面ファスナー雌材となした。この雌材のトリコ
ット表面には高さ0.5〜1.0mmのループが1cm
2 あたり約10個形成されていた。これを上記実施例1
と同様におむつのウエスト部に用いたところ、実施例1
と同様、優れた係合力、柔軟性を示し、繰り返しの係合
・剥離にも十分耐えうるものであった。
【0026】[実施例3]上記実施例2で使用したパラ
レルカードウェブに、40番手の綿紡績糸で織成された
経糸数40本、緯糸数50本の平織物(寒冷紗)を重
ね、針先に下向きのバーブを有するニードルを用いて、
針数50本/cm2 、針深度15mmでウェブ側からニ
ードルパンチングを行うことにより、両者を一体化する
と同時に織物表面にループを形成させた。続いて、上記
実施例2と同様の方法で加熱処理を施し、本発明の面フ
ァスナー雌材となした。この雌材の織物表面には高さ
0.7〜1.2mmのループが1cm2 あたり約12個
形成されていた。得られた雌材を鉤型のフック部を有す
る雄材と係合させたところ、上記実施例1および2に比
べてやや剥離強力が小さいものの、引張強力はほぼ同程
度であり、十分実用可能なものであった。
【0027】
【発明の効果】このように、本発明の面ファスナー雌材
は、織編物および短繊維ウェブから構成されているた
め、厚みが小さく柔軟性に極めて富んだものとなってお
り、これを例えば衣類やおむつ等に使用した場合、着用
者に違和感を与えることがない。また、織編物表面に形
成されたループが加熱処理によって織編物および短繊維
ウェブに強く保持されているため、いわゆる綿抜けが少
なく、繰り返しの係合・剥離にも十分耐えうるものであ
る。さらに本発明の面ファスナー雌材は、複雑な製造工
程を経ることなく安価に製造することができるという利
点をも有する。従って、本発明の面ファスナー雌材は、
柔軟性と低コストが要求されるおむつ等のディスポーザ
ブル商品に特に好ましく使用することができ、それ以外
の商品、例えば衣類、車両の座席カバーの取り付け部等
へも適用することができる。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 織物もしくは編物と短繊維ウェブとが絡
    合一体化してなり、前記ウェブの一部が織物もしくは編
    物を貫通して、織物もしくは編物の表面にループが1c
    2 あたり2〜20個形成されていることを特徴とする
    面ファスナー雌材。
  2. 【請求項2】 編物が、繊度10〜60デニールのモノ
    フィラメントもしくは合計繊度10〜60デニールのマ
    ルチフィラメントで編成されたウェール数20〜60個
    /インチ、コース数15〜50個/インチの経編地もし
    くは横編地であることを特徴とする請求項1の面ファス
    ナー雌材。
  3. 【請求項3】 短繊維ウェブが繊度1.5〜10デニー
    ル、繊維長38〜76mmのステープルファイバーから
    なる目付10〜100g/m2 の短繊維ウェブであるこ
    とを特徴とする請求項1もしくは請求項2の面ファスナ
    ー雌材。
  4. 【請求項4】 織物もしくは編物に、熱接着性繊維を5
    0重量%以上含む短繊維ウェブを積層し、針数10〜1
    00本/cm2 、針深度5〜20mmでニードルパンチ
    ングを行って織物もしくは編物と短繊維ウェブとを絡合
    一体化するとともに短繊維ウェブの一部を織物もしくは
    編物に貫通させて織物もしくは編物の表面にループを形
    成させた後、熱接着性繊維の融点よりも高い温度で加熱
    処理を施すことを特徴とする面ファスナー雌材の製造方
    法。
JP18076494A 1994-07-08 1994-07-08 面ファスナー雌材 Expired - Fee Related JP2971332B2 (ja)

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