JP2003339342A - 固形ドレッシング - Google Patents

固形ドレッシング

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JP2003339342A
JP2003339342A JP2002155551A JP2002155551A JP2003339342A JP 2003339342 A JP2003339342 A JP 2003339342A JP 2002155551 A JP2002155551 A JP 2002155551A JP 2002155551 A JP2002155551 A JP 2002155551A JP 2003339342 A JP2003339342 A JP 2003339342A
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Japan
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sorbitol
solid dressing
solid
trehalose
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Etsuzo Ishiguro
悦三 石黒
Isao Hasegawa
長谷川  功
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KANESHICHI KK
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KANESHICHI KK
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 振りかけた直後のサラダ野菜への均一で適度
な呈味付与が維持されると共に垂れ落ちて周囲を汚すこ
とのない、食べ易く充分風味を味わえる固形ドレッシン
グの提供。 【解決手段】 固形ドレッシングにおいて、所定の各種
呈味成分と、D−ソルビトールを含有し、粉末状または
顆粒状とした。更にトレハロースを含有することを特徴
とする固形ドレッシングも含む。前記トレハロースは重
量比1−5%の配合率で含有され、D−ソルビトール及
びトレハロースが合計で重量比10−30%の配合率で
含有される。又、顆粒粒径は10メッシュ篩通過粒径以
下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばサラダ等の
主に生野菜に振りかけて使用するドレッシングに関する
ものであり、詳しくは、固形のドレッシングに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】一般に、「ドレッシング」といえば、主
に生野菜からなるサラダにを食べる調味料であり、甘
味、塩味、酸味、旨味などを呈する基本的成分で構成さ
れており、各種香辛料や果汁成分、またサラダ油等も用
いられている。
【0003】このようなドレッシングは、通常、液体状
であってガラス瓶に詰められたものが大部分であり、食
す直前にそのままあるいは振り混ぜてからサラダにかけ
ていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ドレッシングは、液状であるために、サラダにかけると
直ちに下方にたれ落ち、器の底に溜まってしまい、その
ままではサラダ野菜への呈味付与が不充分になってしま
う。
【0005】従って、ドレッシングの味を充分サラダに
付けて食べるには、サラダを一口食べる都度、底に溜ま
ったドレッシング液にサラダの野菜を漬け混ぜ、ドレッ
シング液をある程度掬うようにして野菜を口に運ばなけ
ればならず、非常に面倒であると共に、サラダ野菜にか
らドレッシング液が口元周辺で垂れて、顎周りや衣服な
どに落ちて周囲を汚してしまうという食べ難さもあっ
た。
【0006】本発明の目的は、上記問題点に鑑み、振り
かけた直後のサラダ野菜への均一で適度な呈味付与が維
持されると共に垂れ落ちて周囲を汚すことのない、食べ
易く充分風味を味わえる固形ドレッシングを提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明に係る固形ドレッシングは、
所定の各種呈味成分と、D−ソルビトールを含有し、粉
末状または顆粒状であることを特徴とするものである。
【0008】また請求項2に記載の発明に係る固形ドレ
ッシングは、請求項1に記載の固形ドレッシングにおい
て、前記D−ソルビトールは、重量比1〜30%の配合
率で含有されるものである。
【0009】また、請求項3に記載の発明に係る固形ド
レッシングは、請求項1又は請求項2に記載の固形ドレ
ッシングにおいて、トレハロースをさらに含有するもの
である。
【0010】請求項4に記載の発明に係る固形ドレッシ
ングは、請求項3に記載の固形ドレッシングにおいて、
前記トレハロースは、重量比1〜5%の配合率で含有さ
れるものである。
【0011】請求項5に記載の発明に係る固形ドレッシ
ングは、請求項4に記載の固形ドレッシングにおいて、
D−ソルビトールおよびトレハロースが、合計で重量比
10〜30%の配合率で含有されるものである。
【0012】また、請求項6に記載の発明に係る固形ド
レッシングは、請求項1に記載の固形ドレッシングにお
いて、顆粒粒径が10メッシュ篩通過粒径以下であるこ
とを特徴とするものである。
【0013】本発明においては、各種呈味成分からなる
粉末状または顆粒状の固形ドレッシングにD−ソルビト
ールを含有させたことによって、優れた呈味付与性を実
現できたものである。単に従来のドレッシングを固形状
にしただけではサラダにかけても滑ったり転がり落ちて
下方へ溜まるだけで野菜への充分な呈味付与が困難であ
るのに対して、吸湿性および水溶解性の高い糖アルコー
ルであるD−ソルビトールを含む本発明の固形ドレッシ
ングは、例えば顆粒の場合、サラダに振りかけると、野
菜表面に均一に分散されると共に野菜表面に接すると直
ちに該表面の水分でD−ソルビトールが溶解状態とな
り、顆粒を野菜表面に貼着させる。
【0014】このようなD−ソルビトールは、僅かな水
分で速やかに溶解状態となって充分な貼着性を発揮する
ことができ、この貼着作用によってサラダに振りかけら
れた顆粒は下方へ転がり落ちることなく野菜表面に留ま
り、呈味付与状態が維持されたまま野菜が口へ運ばれて
食されるので、周りを汚すことなくドレッシングとして
の風味を充分味わうことができる。
【0015】さらに顆粒が貼着されていた上部の野菜を
食べて下方のドレッシングがついていない野菜が露呈さ
れたら、同様にその表面に本固形ドレッシングを適度に
振りかければよい。従って、本発明の固形ドレッシング
は、従来のように下方に溜まったドレッシングに漬け混
ぜてそのドレッシングを掬うようにして野菜を口へ運ぶ
というように周囲を汚す不便で煩雑な動作を必要とず、
食べ易いと同時に呈味付与性に優れたものである。
【0016】また、本発明の固形ドレッシングは、顆粒
状に限らず、粉末状であっても上記のような食べ易さと
優れた呈味付与性が得られるものである。即ち、粉末ド
レッシングをサラダに振りかけると、野菜表面に均一に
分散された粉末中のD−ソルビトール分は、直ちに野菜
表面の水分を吸収して水溶解した状態となって周囲の呈
味成分粉末と野菜表面との間に介在して貼着性を発揮す
る。これによって粉末ドレッシングの場合もD−ソルビ
トールの配合によって野菜表面への呈味付与状態が維持
されると共に周囲を汚すおそれがなく、食べやすく充分
風味を味わうことができる。
【0017】なお、本発明の固形ドレッシングにおける
D−ソルビトールの配合の割合は、請求項2に記載した
ように重量比1%〜30%とすることが好ましく、より
望ましくは10%〜30%の範囲の配合率とすることで
ある。これはD−ソルビトールは甘味を呈するものでも
あるため、砂糖を参考基準とすると、30%を越えた多
量の配合では甘味が強すぎてドレッシング自体の風味を
損ねてしまう恐れがあるためである。
【0018】また、D−ソルビトールの配合率が少なく
なるほど前述の貼着性が小さくなって、固形ドレッシン
グの野菜表面から下方へ落ちて溜まってしまう部分が増
えてしまう。例えば1%より少ない配合割合では前記貼
着性がほとんど期待できなくなる。また少なくとも10
%の配合率であれば前記貼着性は充分にが得られる。ま
た特に顆粒状の場合、食す際に野菜表面に固形のまま付
いている部分が多すぎると噛み砕いて野菜に味がなじむ
までに時間がかかることから、固形ドレッシング中の高
水溶解性成分、即ちD−ソルビトールの配合量を少なく
とも10%とすることによって、噛み砕かなければなら
ない固形分も多すぎず、適度な味のなじみ度が確保でき
る。
【0019】また請求項3に記載したように、本発明の
固形ドレッシングにおいてトレハロースをさらに含むも
のとすることによって、ドレッシングに対象食品の食感
改善効果を加えることができる。通常、サラダ等の野菜
や果物、穀類などは加工調理すると時間の経過と共に鮮
度の低下による軟弱化や褐変化していき、さらに添加さ
れるドレッシングの塩分によって鮮度低下が進んでサラ
ダに求められるシャキシャキとした食感が損ねられてい
ることが多い。
【0020】これに対して、非還元性二糖類の一種であ
るトレハロースは、非常に保湿性の高いものであり、こ
のトレハロースを含む固形ドレッシングをサラダに振り
かけると、トレハロースは野菜表面の僅かな水分で溶解
して野菜の組織に浸透することができ、これによって野
菜組織の保湿性を高めて軟弱化や褐変化を防止し、従来
に比べて新鮮な野菜のシャキシャキとした食感を維持で
きる。
【0021】このようなトレハロースによる食感改善効
果は、比較的少量の配合割合で発揮され、請求項4に記
載したように、重量比1〜5%の配合率が好ましい。1
%よりも少ない配合率では前記食感改善効果は発揮しに
くく、またトレハロースの高い保湿性から、5%を越え
て多く配合されると、前記D−ソルビトールの方の野菜
表面水分の吸湿に影響が生じて前記貼着性の効果を損な
う可能性が生じてしまう。しかしながら適度なトレハロ
ースの配合は、その保湿効果によって、むしろ野菜軟弱
化を進行させ得るD−ソルビトールを含む各種固形分の
吸湿による野菜の水分損失分を補うことが可能となる。
【0022】また、トレハロースも甘味を呈するもので
あるため、D−ソルビトールと共に本固形ドレッシング
に配合される場合には、甘味が強すぎてドレッシング自
体の風味を損なわないように、両者の合計配合率もやは
り重量比30%を上限とすることが望ましい。また前述
のように、適度な味のなじみ度を確保すること、即ち噛
み砕かなければならない固形部分が多く成りすぎないよ
うにするためには、高水溶解性成分として両者の合計配
合率の下限もやはり10%とすることが好ましい。
【0023】なお、顆粒状固形ドレッシングの場合、粒
径が大きすぎると、各粒子がD−ソルビトールによる貼
着性の効果を相殺する以上に重くなってサラダに振りか
けても野菜表面に留まらずに下方へ落ちてしまう。そこ
で、顆粒の場合は最大粒径を考慮する必要があるが、例
えば一般的な篩サイズとして用いられている10メッシ
ュ篩(1.65mm)を通過可能な程度の粒径を上限に
設定することが望ましい。
【0024】また粉末状固形ドレッシングにおいては、
粉体粒度があまり小さすぎると、振りかけた時に均一に
分散し難かったり、周囲に飛散してしまうおそれがある
ことから、最小粒径を150メッシュ篩(0.1mm)
通過程度に設定しておくのが望ましい。
【0025】なお、本発明の固形ドレッシングにおいて
用いられる各種呈味成分とは、例えば、甘味剤、塩味
材、酸味剤、風味剤、旨味剤、果汁成分パウダー、野菜
成分パウダー、また香辛料などであり、所望の風味に応
じて適宜選択し、適度な配合量で調整すればよい。
【0026】甘味剤としては、例えば、砂糖、ブドウ
糖、乳糖などが挙げられるが、本発明において配合され
る前記D−ソルビトール、トレハロース等の非還元性二
糖類も甘味成分であるため、全体的な甘味のバランスを
良好に保つために、これらD−ソルビトール等の配合分
を考慮して他の甘味剤の配合量を決定する。砂糖を参考
基準にすると、甘味剤の合計配合割合は15〜40%の
範囲内が適当である。なお、配合原料としてのD−ソル
ビトールには、粉末のものに限らず液状のものを用いて
も良い。非還元性二等類としては、その高純度完遂結晶
トレハロースを用いるのが最も好ましい。
【0027】また塩味剤としては、一般的に使用されて
いる食塩を用いればよいが、塩分が過剰に成らないよう
に、配合割合は重量比10〜30%の範囲内が適当であ
る。
【0028】旨味剤としては、例えばグルタミン酸ソー
ダ、イノシン酸ソーダ等の化学調味料、粉末醤油、蛋白
加水分解物、酵母エキス、「鰹節、さば節、イワシ煮干
し、昆布、椎茸」等の粉末又は抽出エキスなどが挙げら
れる。このような旨味剤の配合率としては、以下の表6
に示す範囲内の程度とすることが好ましい。
【0029】
【表6】
【0030】また、酸味剤としては、例えば、クエン酸
ソーダ、リンゴ酸、食酢、レモン果汁パウダー等が挙げ
られる。なお、酸味成分の配合基準は、液状ドレッシン
グのpH値に基づいて決めることが好ましい。例えば、
野菜サラダ一食分(約75g)当たり約4gの固形ドレ
ッシングを使用すると設定した場合に、粉末状、顆粒状
のいずれの場合も、その4gを15ccの真水に溶解し
た際に、一般的な液状ドレッシングと同様のpH3.5
〜4.5の範囲内となるように配合すれば、実質的に野
菜サラダに振りかけて野菜表面の水分を吸収した際に、
従来の液状ドレッシングと同程度となり、酸性度および
酸味が強すぎてしまうことはない。実質的にこのような
適度な酸味となる配合割合は、クエン酸ソーダ換算で重
量比1〜5%の範囲内が適当である。
【0031】風味成分としては、青しそ、ゆず、ごま、
梅等の、チップ状あるいは粉末状のものを使用できる。
これらの風味剤は、必ずしも他の配合成分と混合して同
一顆粒内に含有せしめる必要はなく、風味付けとして単
独のものを粉末あるいは顆粒ドレッシング製品に加える
形態としても良い。このような風味付けの目的から、配
合割合は、単独、併用ともに製品中の重量比1〜10%
の範囲内で充分であり、3〜5%の範囲が好適である。
【0032】また果汁成分パウダーは、例えばレモン果
汁は前述のようにまろやかな酸味剤として、またリンゴ
等の果汁は旨味、甘味、風味、香料として様々な目的に
使用できる。このような使用目的から、配合割合は重量
比2%程度が充分であり好適である。
【0033】本発明の固形ドレッシングの製造方法とし
ては、従来から一般的に粉末剤や顆粒剤の製造に用いら
れている方法で製造でき、容易に且つ安価に製品として
提供することが可能である。
【0034】例えば、各配合成分の原料粉末を所定割合
で秤量して混合し、液体成分を含むなど場合によっては
乾燥工程を経て、粉末製品であれば必要に応じて原料破
砕等を行い、設定メッシュで篩分けて所望粒度分布内の
粉末状ドレッシングを得ることができる。また、顆粒製
品であれば、混合原料から造粒を行い、設定メッシュで
篩分け、必要であれば所定段階で乾燥工程を経て、所望
の粒度分布内の顆粒状ドレッシングを得ることができ
る。
【0035】またこれらの固形ドレッシングは、瓶詰め
だけでなく分包スティック等にも包装して製品形態とす
ることができる。特に固形であることから包装容器とし
て、紙やプラスチックフィルムなど、液体状のものでは
使用できなかった材質を使用できるため、携帯用や個食
用の形態に簡易に且つ安価に包装できる。
【0036】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施形態として、
D−ソルビトール配合の粉末状及び顆粒状の固形ドレッ
シングを製造し、D−ソルビトール無配合のものを対照
にして、従来の液体ドレッシングとの比較で味・風味の
官能検査を行った。
【0037】D−ソルビトール配合(実施配合例1)の
ドレッシングとD−ソルビトール無配合(対照配合例
1)のドレッシングとの配合成分の割合は、以下の表1
に示す通りである。
【0038】
【表1】
【0039】この2種の配合割合で、例えば図1に示す
ような製造工程に沿ってそれぞれ粉末状のものと顆粒状
のものとを製造することができる。各配合率で原料を混
合したのち、一部を60メッシュ〜150メッシュの粒
度分布の粉体として篩い分けて粉末状ドレッシングとし
て官能検査へ供し、他部分の混合原料は自動造粒の後、
例えば10メッシュ〜42メッシュの粒度分布範囲の顆
粒として篩い分けて顆粒状ドレッシングとして官能検査
へ供する。製品の製造工程としては、適切な官能検査、
理化学試験を経た後、スティック分包や瓶詰めなどの各
種使用形態に応じた包装形態としたのち、集積包装、梱
包、を行い、出荷することができる。
【0040】本実施形態においては、官能検査として3
5人の被験者において、市販の「青しそ風味液体ドレッ
シング」を用いた場合を基準(従来品)にして、比較品
(対照配合例1または実施配合例1)を用いた場合と比
べて、味・風味の優劣を判断させた。本官能検査では、
千切りしたキャベツ45gと荒く千切りしたレタス45
gおよび薄く刻んだパプリカ10gからなる合計100
gの野菜サラダを容器に盛りつけ、それぞれ各ドレッシ
ングを振りかけて試食・評価を行った。
【0041】本実施形態のD−ソルビトール配合の固形
ドレッシング(実施配合例1)およびD−ソルビトール
無配合の固形ドレッシング(対照配合例1)は、粉末
状、顆粒状いずれも4gを一回の使用量とした。また、
市販の液状ドレッシングとほぼ同等となるように、それ
ぞれ4gを真水15ccに溶解した際にpH値がpH
3.9,ブリックス(Brix)度が25度となるよう
に調整されたものである。従来の液状ドレッシングと顆
粒状ドレッシングとを比較した場合の試験結果を表2に
示す。
【0042】
【表2】
【0043】表2の結果から明らかなように、D−ソル
ビトール無配合の固形ドレッシング(対照配合例1)で
は、従来の液状ドレッシングよりも味・風味が劣ると評
価した被験者が80%と高く、液状ドレッシングと同等
以上であると評価した被験者が20%だけであったのに
対して、D−ソルビトール配合の固形ドレッシング(実
施配合例1)では、従来の液状ドレッシングと比較して
「同等または劣らない」と評価した被験者が70%以上
と高くなっている。この結果は、粉末ドレッシングに関
してもほぼ同様に見られた。
【0044】従って、D−ソルビトールを配合すること
によって、単にドレッシングを固形化したものに比べて
呈味付与効果が格段に向上したことが明らかとなった。
即ち、D−ソルビトール無配合のドレッシングでは振り
かけてすぐに下方へ転げ落ちてしまって野菜表面に留ま
る量が不充分であったのに対して、D−ソルビトール配
合のものでは、ドレッシングを振りかけた直後にD−ソ
ルビトールが野菜表面の水分で速やかに溶解状態となる
ことによって、固形ドレッシング粒体を野菜表面へ貼着
させ、固形ドレッシングの野菜へのなじみと呈味付与性
を高め、液体ドレッシングと同等またはそれ以上の風味
の良さ提供したためである。
【0045】以上のようなD−ソルビトールによる固形
ドレッシングの高い貼着性は、サラダ野菜への呈味付与
性を維持すると共に、従来の液体ドレッシングのような
下に垂れ落ちて周りを汚すという面倒のない食べやすさ
の提供も可能とした。
【0046】次に、本発明の第2の実施形態として、ト
レハロース配合の粉末状及び顆粒状の固形ドレッシング
を製造し、D−トレハロース無配合のものを対照にし
て、従来の液体ドレッシングとの比較で食感の官能検査
を行った。
【0047】トレハロース配合(実施配合例2)のドレ
ッシングとトレハロース無配合(対照配合例2)のドレ
ッシングとの配合成分の割合は、以下の表3に示す通り
である。
【0048】
【表3】
【0049】この2種の配合割合で、前記第1の実施形
態の場合と同様にそれぞれ粉末状のものと顆粒状のもの
とを製造し、官能検査として35人の被験者において、
市販の「青しそ風味液体ドレッシング」を用いた場合を
基準(従来品)にして、比較品(対照配合例2または実
施配合例2)を用いた場合と比べて、野菜のシャキシャ
キ感という食感の優劣を判断させた。
【0050】本官能検査では、第1の実施形態と同様の
100g野菜サラダに、それぞれ各ドレッシングを振り
かけ、10分間放置した後に試食・評価を行った。本実
施形態のトレハロース配合の固形ドレッシング(実施配
合例2)およびトレハロース無配合の固形ドレッシング
(対照配合例2)は、粉末状、顆粒状いずれも4gを一
回の使用量とした。従来の液状ドレッシングと顆粒状ド
レッシングとを比較した場合の試験結果を表4に示す。
【0051】
【表4】
【0052】表4の結果から明らかなように、トレハロ
ース無配合の固形ドレッシング(対照配合例2)では、
従来の液状ドレッシングの方が食感が良いと評価した被
験者が約94%と高く、残りの約6%は従来と同等とい
う評価であったのに対して、トレハロース配合の固形ド
レッシング(実施配合例2)では、従来の液状ドレッシ
ングと同等の食感であると評価した被験者が74%と大
幅に増えていた。
【0053】これは、固形物を振りかけただけでは液状
ドレッシングを振りかけた場合より野菜の水分損失や軟
弱化を防ぐのが困難であるは当然であったのに対して、
トレハロースの配合によって、固形ドレッシングであり
ながらも液体ドレッシングとほぼ同程度にシャキシャキ
感という野菜の食感を維持することを可能としたためで
ある。
【0054】以上のようなトレハロースの食感改善効果
は、野菜表面の水分を吸収して溶解すると同時に野菜組
織へ浸透したトレハロースの保水性に起因するものと思
われるが、このようなトレハロース配合による食感改善
効果は、粉末状ドレッシングの場合にもほぼ同様に確認
された。
【0055】本発明の第3の実施形態として、前記第1
及び第2の実施形態で配合効果が確認されたD−ソルビ
トールとトレハロースの両者を配合した粉末状および顆
粒状の固形ドレッシングを、前記第1及び第2の実施形
態と同様の製造工程で得た。本実施形態の固形ドレッシ
ングの配合割合は、実施配合例3として以下の表5に示
す通りである。
【0056】
【表5】
【0057】このような配合割合でD−ソルビトールと
トレハロースとを共に含む粉末状および顆粒状の固形ド
レッシングは、野菜サラダに振りかけて試食したとこ
ろ、充分な呈味付与状態で風味を味わうことができ、且
つ時間の経過に伴う軟弱化も目立つ程ではなく液状ドレ
ッシングの場合と同程度であり、それぞれ個別配合で示
された効果が共に発揮されることが確認できた。
【0058】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明の固形ドレ
ッシングによれば、D−ソルビトールの配合による貼着
性によって、サラダの野菜への固形ドレッシングの呈味
付与状態が充分に維持され、食べやすいと共に、よくな
じんだ風味を充分に味わうことができるという効果があ
る。
【0059】また、本発明の固形ドレッシングによれ
ば、さらに非還元性二糖類を配合することによって、野
菜のシャキシャキ感を従来の液状ドレッシングと同程度
に維持することができ、固形ドレッシング使用における
食感の改善が期待できるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の固形ドレッシングの製造工程の一例を
示すフローチャート図である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の各種呈味成分と、D−ソルビトー
    ルを含有し、粉末状または顆粒状であることを特徴とす
    る固形ドレッシング。
  2. 【請求項2】 前記D−ソルビトールは、重量比1〜3
    0%の配合率で含有されることを特徴とする請求項1に
    記載の固形ドレッシング。
  3. 【請求項3】 トレハロースをさらに含有することを特
    徴とする請求項1又は請求項2に記載の固形ドレッシン
    グ。
  4. 【請求項4】 前記トレハロースは、重量比1〜5%の
    配合率で含有されることを特徴とする請求項3に記載の
    固形ドレッシング。
  5. 【請求項5】 D−ソルビトールおよびトレハロース
    が、合計で重量比10〜30%の配合率で含有されるこ
    とを特徴とする請求項4に記載の固形ドレッシング。
  6. 【請求項6】 顆粒粒径が10メッシュ篩通過粒径以下
    であることを特徴とする請求項1に記載の固形ドレッシ
    ング。
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