JP2003337424A - 画像形成材料 - Google Patents
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Abstract
で色ムラがなく、ハジキ、ピンホールがなくかつガラス
基板接着性に優れる画像形成材料を提供すること。 【解決手段】支持体上に、少なくとも、アルカリ可溶な
熱可塑性樹脂層及び感光性樹脂層をこの順に設けてなる
画像形成材料において、少なくとも該熱可塑性樹脂層に
下記一般式(a)及び一般式(b)で表されるモノマーを含
み、且つ一般式(a)/一般式(b)の質量比が特定の範囲に
ある共重合体を含有することを特徴とする画像形成材
料。 【化1】
Description
プレーなどの作製に使用されるカラーフィルター作製
等、転写による画像形成に有利に使用することができる
画像形成材料に関する。 【0002】 【従来の技術】支持体上に設けた感光性樹脂層を転写し
て、被転写体である基体上に感光性樹脂層を形成するた
めの画像形成材料は、例えば、特公昭56−40824
号公報により公知である。この画像形成材料は、プリン
ト配線、凹版凸版印刷版、ネームプレート、多色試し刷
り見本、オフセット印刷版またはスクリーン印刷ステン
シル等の製造に用いられる。上記画像形成材料は、通
常、支持体、中間層(分離層)あるいは中間層と熱可塑
性樹脂層及び感光性樹脂層からなり、被転写体に画像を
形成する場合は、この画像形成材料の感光性樹脂層面を
被転写体である基体と密着させ、支持体のみを剥離した
後に、中間層を通して露光し、さらに現像処理すること
によって基体上に画像を形成することができる。この場
合、上記中間層は酸素遮断の役割を果し、空気中での露
光に対して有利に働くが、その膜厚は0.5〜5μm程
度と非常に薄いため解像力の面では特に支障をきたすも
のではない。また、上記熱可塑性樹脂層により、下地の
凹凸(即ち、既に形成されている画像による凹凸)を吸
収することができる。 【0003】例えば、カラー液晶ディスプレー等に用い
られるカラーフィルターは、一般に、R、G、B(赤、
緑、青)の各画素と、その間隙に表示コントラスト向上
等の目的でブラックマトリックス(K)が形成された基
本構成を有する。カラーフィルターにおける、これらの
R、G、B、各画素及びKの表面は、高い平滑性が要求
される。即ち、上記画像形成材料を用いて、カラーフィ
ルター用基板表面に感光性樹脂層を転写して、画像を形
成した際、感光性樹脂層のみならず、熱可塑性樹脂層の
平滑性が良好でないと(即ち膜厚のムラがある場合)、
画素の色ムラが発生する。このような色ムラを有するカ
ラーフィルターを用いて、カラー液晶ディスプレーを作
製した場合、カラー液晶ディスプレーに得られる画素も
また、色ムラが発生しないためには、塗布時に塗布ム
ラ、ハジキが発生しないように塗布を行う必要がある。 【0004】このような問題に対し、特公平8−363
0号公報には、感光性樹脂層を塗布形成する際、その塗
布液に弗素系界面活性剤を添加して使用することが提案
されている。弗素系界面活性剤として、炭素原子数3〜
20を有し且つ40質量%以上の弗素原子を含有し、末
端の少なくとも3個の炭素原子に結合した水素原子が弗
素置換されているフルオロ脂肪族基を有するアクリレー
ト又はメタクリレートと;ポリ(オキシアルキレン)ア
クリレート又はポリ(オキシアルキレン)メタクリレー
トとの共重合体で、フルオロ脂肪族基を有するアクリレ
ート又はメタクリレート単位を共重合体中に40〜70
質量%の範囲で含有するポリマーを使用している。多数
の実施例で使用されている弗素系界面活性剤としては、
ポリ(オキシアルキレン)(メタ)アクリレートのオキ
シアルキレンが、オキシエチレン、オキシトリエチレ
ン、オキシテトラメチレンのものが使用され、また、重
量平均分子量は1.5万程度のものが中心である。 【0005】特公平8−3630号公報の実施例で使用
されている上記弗素系界面活性剤は、感光性樹脂層表面
を平滑にすることができるものもあるが、依然として基
板との密着性が十分でなく、特にガラス基板や半導体を
備えた基板に転写した際、基板との密着性が十分でな
い。また熱可塑性樹脂層の平滑性に関して言及されてい
ない。 【0006】さらに近年、コストの観点から高速転写適
性への要求がますます強くなっており、転写される基体
上にある程度の凹凸が存在する場合その上に非常に薄い
光重合性層を高速で転写する際に光重合性層と基体の間
に気泡等がとじ込められてしまい、転写不良を起こすと
いう問題が発生していた。例えば、カラーフィルターの
作製のように、多色の画像形成時には、第一色目の画素
の上に第二色目の感光性樹脂層を転写する場合が該当す
る。また、プリント基板の作製のように、銅張り積層板
の銅表面が整面により生ずる微小な傷や打痕を有すると
きに、ドライフィルムレジスト層を転写する場合が該当
する。 【0007】特開昭63−309946号公報には、永
久支持体上の微少な不規則性または、永久支持体上もし
くは転写層上または両者の上にある微少なゴミ、ホコリ
等の粒子により永久支持体に対する転写層の十分な接着
が妨げられるので、転写不良を生じること、この好まし
くない接着不良の防止のため、圧縮性の一時支持体を使
用することが記載されている。この方法は確かに有効で
はあるが、室温で非粘着性の感光性樹脂層をその層の厚
みと同様な厚みの凹凸を持った永久支持体上に気泡を生
じる事なく転写するにはまだまだ不十分であった。 【0008】特願平3−153227号公報には、仮支
持体上に、アルカリ可溶な熱可塑性樹脂層、中間層、感
光性樹脂層をこの順に設けた画像形成材料が開示されて
いるが、転写速度を向上させるために、アルカリ可溶な
熱可塑性樹脂層に用いる樹脂に柔軟な素材を用いたり、
可塑剤を多量に添加した場合、仮支持体上にアルカリ可
溶な熱可塑性樹脂層、中間層を設けた段階で中間層に微
細なシワが発生し、表面に凹凸が残る現象(以下、レチ
キュレーション)が起こる。レチキュレーションは、中
間層上に塗布される感光性樹脂層の平滑性を阻害すると
いう問題があった。このため、高速転写性の実現とレチ
キュレーション防止の両立が困難であった。また、現像
プロセスにおいては、現像液に可塑剤が溶解しきれず、
現像槽の配管詰まり等、送液トラブルを頻発させてい
た。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、塗布ムラが
なく塗布面状が平滑で、層厚が均一で色ムラがなく、ハ
ジキ、ピンホールがなくかつガラス基板接着性に優れる
画像形成材料を提供することにある。さらに、画像形成
材料の感光性樹脂層を仮支持体上から永久支持体上へ転
写する際に、永久支持体のキズや上記先行画素に基づく
段差等に起因する転写不良(気泡の発生)が無く、高速
で転写し、仮支持体をする事が可能である画像形成材料
を提供することである。 【0010】 【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段は、支持体上に、少なくとも、アルカリ可溶な熱
可塑性樹脂層、感光性樹脂層からなる塗布層をこの順に
設けてなる画像形成材料において、少なくとも前記熱可
塑性樹脂層に、下記一般式(a)及び一般式(b)で表
されるモノマーを含み、且つ一般式(a)/一般式
(b)の質量比が20/80〜60/40の共重合体を
含有することを特徴とする画像形成材料である。 【0011】 【化2】 【0012】上記式中、R1、R2及びR3はそれぞれ独
立に水素原子またはメチル基を示し、R4は水素原子ま
たは炭素数1〜5のアルキル基を示す。nは1〜18の
整数、mは2〜14の整数を示す。p、qは0〜18の整
数を示すがp、qがいずれも0は含まない。 【0013】 【発明の実施の形態】本発明に用いる画像形成材料は、
少なくともアルカリ可溶な熱可塑性樹脂層(以下、単に
熱可塑性樹脂層ともいう)に、前記一般式(a)及び一
般式(b)で表されるモノマーを含む共重合体を含有す
る。該共重合体は、界面活性機能を有することから、以
下、本発明用界面活性剤ともいう。 【0014】(画像形成材料)本発明の画像形成材料
は、少なくとも感光性樹脂層が任意部材表面に転写され
るように構成される。任意部材表面を下地表面ともい
う。本発明の画像形成材料は、本発明用界面活性剤を熱
可塑性樹脂層に含むことにより、熱可塑性樹脂層の塗布
液性能が改善され、塗布ムラがなく塗布面状が平滑で、
層厚が均一で色ムラがなく、発泡がなく消泡性に優れ、
かつ下地表面接着性に優れる画像形成材料を提供するこ
とができる。特に、下地としてガラス基板や半導体を備
えた基板に対する接着性に優れる。本発明において、感
光性樹脂層は画像形成に用いられるが、該画像は無色透
明画像も包含する。色画像を得る場合には、着色剤が含
有される。 【0015】(界面活性剤)本発明の界面活性剤は下記
一般式(a)及び一般式(b)で表されるモノマーを含
む共重合体を含有する。以下、本発明用界面活性剤につ
いて説明する。 【0016】 【化3】【0017】本発明用界面活性剤の一般式(a)で表さ
れるモノマーをモノマー(a)、一般式(b)で表され
るモノマーをモノマー(b)と記す。モノマー(a)に
ついて説明する。一般式(a)に示すCmF2m+1は、直
鎖でも分岐鎖でもよい。mは2〜14の整数を示し、好
ましくは4〜12の整数である。CmF2m+1の含有量
は、モノマー(a)に対して20〜70質量%が好まし
く、特に好ましくは40〜60質量%である。R1は水
素原子またはメチル基を示す。またnは1〜18を示
し、中でも2〜10が好ましい。 【0018】モノマー(b)について説明する。一般式
(b)に示すR2及びR3は、各々独立に水素原子または
メチル基を示し、R4は水素原子または炭素数が1〜5
のアルキル基を示す。p及びqは0〜18の整数を示す
が、p、qがいずれも0は含まない。p及びqは好まし
くは2〜8である。 【0019】また、本発明用界面活性剤1分子中に含ま
れるモノマー(a)としては、互いに同じ構造のもので
も、上記定義範囲で異なる構造のものを用いてもよい。
このことは、モノマー(b)についても同様である。 【0020】本発明用界面活性剤の重量平均分子量Mw
は、1000〜40000が好ましく、更には5000
〜20000がより好ましい。本発明用界面活性剤は前
記一般式(a)及び一般式(b)で表されるモノマーを
含み、且つ一般式(a)/一般式(b)の質量比が20
/80〜60/40の共重合体を含有することを特徴と
する。本発明用界面活性剤100質量部は、モノマー
(a)が20〜60質量部、モノマー(b)が80〜4
0質量部、及びその他の任意モノマーがその残りの質量
部からなることが好ましく、更には、モノマー(a)が
25〜60質量部、モノマー(b)が60〜40質量
部、及びその他の任意モノマーがその残りの質量部から
なることが好ましい。 【0021】モノマー(a)、(b)以外の共重合可能
なモノマーとしては、スチレン、ビニルトルエン、α−
メチルスチレン、2−メチルスチレン、クロルスチレ
ン、ビニル安息香酸、ビニルベンゼンスルホン酸ソー
ダ、アミノスチレン等のスチレン及びその誘導体、置換
体、ブタジエン、イソプレン等のジエン類、アクリロニ
トリル、ビニルエーテル類、メタクリル酸、アクリル
酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、部分エステ
ル化マレイン酸、スチレンスルホン酸無水マレイン酸、
ケイ皮酸、塩化ビニル、酢酸ビニル等のビニル系単量体
等が挙げられる。 【0022】本発明用界面活性剤は、モノマー(a)、
モノマー(b)等の共重合体であるが、そのモノマー配
列は特に制限はなくランダムでも規則的、例えば、ブロ
ックでもグラフトでもよい。更に、本発明用界面活性剤
は、分子構造及び/又はモノマー組成の異なるものを2
以上混合して用いることができる。 【0023】本発明用界面活性剤の含有量としては、熱
可塑性樹脂層または感光性樹脂層の層全固形分に対して
0.01〜10質量%が好ましく、特に0.1〜6質量
%が好ましい。本発明用界面活性剤は熱可塑性樹脂層及
び感光性樹脂層の両者に用いることがより有効である。 【0024】本発明の界面活性剤は、特定構造の界面活
性剤とエチレンオキサイド基、及びポリプロピレンオキ
サイド基とを所定量含有するするもので、熱可塑性樹脂
層に特定範囲で含有することにより熱可塑性樹脂層の塗
布液性、及び転写性が改善される。 【0025】(画像形成材料)以下、本発明の画像形成
材料の塗布層構成は、上記熱可塑性樹脂層及び感光性樹
脂層を少なくとも有する構成であれば、特に制限されな
いが、一般に画像形成材料の層構成は、支持体上に、ア
ルカリ可溶な熱可塑性樹脂層、酸素遮断層および感光性
樹脂層が順に形成されている。本発明の画像形成材料は
アルカリ可溶な熱可塑性樹脂層に本発明用界面活性剤を
含有されている。 【0026】(支持体)支持体としては、アルカリ可溶
な熱可塑性樹脂層と良好な剥離性を有し、化学的および
熱的に安定であって、また可撓性の物質で構成されるこ
とが好ましい。具体的には、テフロン(R)、ポリエチ
レンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポ
リエチレン、ポリプロピレン等の薄いシート若しくはこ
れらの積層物が好ましい。 【0027】支持体と熱可塑性樹脂層との間に良好な剥
離性を確保するためには、グロー放電等の表面処理はせ
ず、また、ゼラチン等の下塗層も設けないのが一般的で
ある。支持体の厚みは、5〜300μmが適当であり、
20〜150μmが好ましい。 【0028】(熱可塑性樹脂層)アルカリ可溶な熱可塑
性樹脂層は、下地表面の凹凸(既に形成されている画像
などによる凹凸等も含む)を吸収することができるよう
にクッション材としての役割を担うものであるため、当
該凹凸に応じて変形しうる性質を有していることが好ま
しい。 【0029】アルカリ可溶な熱可塑性樹脂層に含まれる
樹脂としては、エチレンとアクリル酸エステル共重合体
とのケン化物、スチレンと(メタ)アクリル酸エステル
共重合体とのケン化物、ビニルトルエンと(メタ)アク
リル酸エステル共重合体とのケン化物、ポリ(メタ)ア
クリル酸エステル、及び(メタ)アクリル酸ブチルと酢
酸ビニル等との(メタ)アクリル酸エステル共重合体等
のケン化物、等より選ばれる少なくとも1種であること
が好ましいが、さらに「プラスチック性能便覧」(日本
プラスチック工業連盟、全日本プラスチック成形工業連
合会編著、工業調査会発行、1968年10月25日発
行)による有機高分子のうちアルカリ水溶液に可溶なも
のを使用することもできる。また、これらの熱可塑性樹
脂の内、軟化点が80℃以下のものが好ましい。尚、本
願明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、アク
リル酸及びメタクリル酸を総称し、その誘導体の場合も
同様である。 【0030】これらの樹脂の中で、重量平均分子量5万
〜50万(Tg=0〜140℃)の範囲で、更に好まし
くは重量平均分子量6万〜20万(Tg=30〜110
℃)の範囲で選択して使用することができる。これらの
樹脂の具体例としては、特公昭54−34327号、特
公昭55−38961号、特公昭58−12577号、
特公昭54−25957号、特開昭61−134756
号、特公昭59一44615号、特開昭54−9272
3号、特開昭54−99418号、特開昭54−137
085号、特開昭57−20732号、特開昭58−9
3046号、特開昭59−97135号、特開昭60−
159743号、OLS3504254号、特開昭60
−247638号、特開昭60−208748号、特開
昭60−214354号、特開昭60−230135
号、特開昭60−258539号、特開昭61−169
829号、特開昭61−213213号、特開昭63−
147159号、特開昭63−213837号、特開昭
63−266448号、特開昭64−55551号、特
開昭64一55550号、特開平2−191955号、
特開平2−199403号、特開平2−199404
号、特開平2−208602号、特願平4一39653
号の各公報明細書に記載されているアルカリ水溶液に可
溶な樹脂を挙げることができる。特に好ましいのは、特
開昭63−147159号明細書に記載されたメタクリ
ル酸/2一エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタ
クリレート/メチルメタクリレート共重合体である。 【0031】また、上記した種々の樹脂の中から、好ま
しくは重量平均分子量3千〜3万(Tg=30〜170
℃)の範囲で、更に好ましくは重量平均分子量4千〜2
万(Tg=60〜140℃)の範囲で選択して使用する
ことができる。好ましい具体例は、上記の特許明細書に
記載されているものの中から選ぶことができるが、特に
好ましくは、特公昭55−38961号、特開平5−2
41340号明細書の各公報に記載のスチレン/(メ
タ)アクリル酸共重合体が挙げられる。 【0032】また、これらの有機高分子物質中に支持体
との接着力を調節するために、各種可塑剤、各種ポリマ
ーや過冷却物質、密着改良剤あるいは界面活性剤、離型
剤等を加えることが可能である。好ましい可塑剤の具体
例としては、ポリプロピレングリコール、ポリエチレン
グリコール、ジオクチルフタレート、ジヘプチルフタレ
ート、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェー
ト、クレジルジフェニルフォスフェート、ビフェニルジ
フェニルフォスフェート、ポリエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、エポキシ樹脂とポリエチレングリコ
ールモノ(メタ)アクリレートとの付加反応生成物、有
機ジイソシアナートとポリエチレングリコールモノ(メ
タ)アクリレートとの付加反応生成物、有機ジイソシア
ナートとポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリ
レートとの付加反応生成物、ビスフェノールAとポリエ
チレングリコールモノ(メタ)アクリレートとの縮合反
応生成物等を挙げることができる。アルカリ可溶な熱可
塑性樹脂層中の可塑剤の量は、該熱可塑性樹脂に対し
て、200質量%以下が一般的で、好ましくは20〜1
00質量%である。アルカリ可溶な熱可塑性樹脂層の厚
みは6μm以上が好ましい。熱可塑性樹脂の厚みが6μ
m以上であれば、下地表面の凹凸を完全に吸収すること
ができる。また、上限については、現像性、製造適性か
ら約100μm以下が一般的であり、好ましくは約50
μm以下である。 【0033】(酸素遮断層)酸素遮断層は、酸素を遮断
する機能を有する層で、これにより、感光性樹脂層の露
光による重合を、空気中であっても酸素による重合の阻
害を受けることなく進めることができる。また、膜厚も
薄いので(0.05〜5μm程度)、解像力に悪影響を
与えない。酸素遮断層の形成材料としては、水またはア
ルカリ水溶液に分散または溶解し、低い酸素透過性を示
すものであればよく、公知のものが使用できる。例え
ば、特開昭46−2121号や特公昭56−40824
号各公報に記載のポリビニルエーテル/無水マレイン酸
重合体、カルボキシアルキルセルロースの水溶性塩、水
溶性セルロースエーテル類、カルボキシアルキル澱粉の
水溶性塩、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリド
ン、各種のポリアクリルアミド類、各種水溶性ポリアミ
ド、ポリアクリル酸の水溶性塩、ゼラチン、エチレンオ
キサイド重合体、各種澱粉およびその類似物のいずれか
の水溶性塩、スチレン/マレイン酸の共重合体、マレイ
ネート樹脂、さらにこれらの2種以上の組み合わせを挙
げることができる。 【0034】特に、ポリビニルアルコールとポリビニル
ピロリドンの組み合わせが好ましい。ポリビニルアルコ
ールは、鹸化率が80%以上であるものが好ましく、ポ
リビニルピロリドンの含有率は、酸素遮断層の固形分当
り1〜75質量%が一般的であり、1〜60質量%のも
のが好ましいが、10〜50質量%のものが最も好まし
い。この含有率が1質量%未満では感光性樹脂層との十
分な接着性が得られず、75質量%を越えると酸素遮断
能が低下する。酸素遮断層の厚みは非常に薄く、約0.
1〜5μm、特に0.5〜2μmが好ましい。約0.1
〜5μmの範囲では酸素の透過性が高すぎることもな
く、現像時または酸素遮断層除去時に時間がかかりすぎ
ることもない。 【0035】(感光性樹脂層)感光性樹脂層は、アルカ
リ水溶液現像可能なものと、有機溶剤で現像可能なもの
があるが、安全性と現像液のコストの点で、アルカリ水
溶液現像可能なものが好ましい。感光性樹脂は、光、電
子線などの放射線を受容する部分が硬化するネガ型でも
放射線未受容部が硬化するポジ型でもよい。 【0036】ポジ型感光性樹脂にはノボラック系の樹脂
が挙げられる。例えば、特開平7−43899号公報記
載のアルカリ可溶性ノボラック樹脂系を使用する事がで
きる。また、特開平6−148888号公報記載の、ポ
ジ型感光性樹脂層、即ち、該公報記載のアルカリ可溶性
樹脂と感光剤として1,2−ナフトキノンジアジドスル
ホン酸エステルと該公報記載の熱硬化剤の混合物を含む
感光性樹脂層を用いる事ができる。また特開平5−26
2850号公報記載の組成物も活用可能である。 【0037】ネガ型感光性樹脂としては、ネガ型ジアゾ
樹脂とバインダーからなる感光性樹脂、光重合性組成
物、アジド化合物とバインダーとからなる感光性樹脂組
成物、桂皮酸型感光性樹脂組成物等が挙げられる。その
中でも特に好ましいのは光重合開始剤、光重合性モノマ
ーおよびバインダーを基本構成要素として含む感光性樹
脂である。該感光性樹脂層には、特開平11−1336
00号公報記載の「重合性化合物B」「重合開始剤C」
「界面活性剤」「接着助剤」や、その他の組成物が利用
できる。例えば、ネガ型感光性樹脂で、アルカリ水溶液
現像可能な感光性樹脂は、主成分としてカルボン酸基含
有のバインダー(前述のアルカリ可溶な熱可塑性樹脂
等)と光の照射によって付加重合することのできるエチ
レン性不飽和二重結合含有モナマーと光重合開始剤を含
んでいる。 【0038】アルカリ可溶なバインダーとしては、側鎖
にカルボン酸基を有するポリマー、例えば、特開昭59
−44615号公報、特公昭54−34327号公報、
特公昭58−12577号公報、特公昭54−2595
7号公報、特開昭59−53836号公報、及び特開昭
59−71048号公報に記載されているようなメタク
リル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重
合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分
エステル化マレイン酸共重合体などを挙げることができ
る。また側鎖にカルボン酸基を有するセルロース誘導体
も挙げることができる。この他にも水酸基を有するポリ
マーに環状酸無水物を付加したものも好ましく使用する
ことができる。特に、米国特許第4139391号明細
書に記載のベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)ア
クリル酸の共重合体やベンジル(メタ)アクリレートと
(メタ)アクリル酸と他のモノマーとの多元共重合体も
挙げることができる。 【0039】感光性樹脂層に用いられるアルカリ可溶な
バインダーは、30〜400mgKOH/gの範囲の酸
価と1000〜300000の範囲の重量平均分子量を
有するものを選択して使用される。以上の他に、種々の
性能、例えば、硬化膜の強度を改良するために、現像性
等に悪影響を与えない範囲で、アルカリ不溶性のポリマ
ーを添加することができる。これらのポリマーとして
は、アルコール可溶性ナイロンあるいはエポキシ樹脂を
挙げることができる。アルカリ可溶なバインダーは、感
光性樹脂組成物の全固形分に対して通常、10〜95質
量%、さらに20〜90質量%が好ましい。10〜95
質量%の範囲では、感光性樹脂層の粘着性が高すぎるこ
ともなく、形成される層の強度及び光感度が劣ることも
ない。 【0040】光重合開始剤としては、米国特許第236
7660号明細書に開示されているビシナルポリケタル
ドニル化合物、米国特許第2448828号明細書に記
載されているアシロインエーテル化合物、米国特許第2
722512号明細書に記載のα−炭化水素で置換され
た芳香族アシロイン化合物、米国特許第3046127
号及び同第2951758号の各明細書に記載の多核キ
ノン化合物、米国特許第3549367号明細書に記載
のトリアリールイミダゾール二量体とp−アミノケトン
の組合せ、特公昭51−48516号公報に記載のベン
ゾチアゾール化合物とトリハロメチル−s−トリアジン
化合物、米国特許第4239850号明細書に記載され
ているトリハロメチル−s−トリアジン化合物、米国特
許第4212976号明細書に記載されているトリハロ
メチルオキサジアゾール化合物等が挙げられる。特に好
ましくはトリハロメチル−s−トリアジン、トリハロメ
チルオキサジアゾール、トリアリールイミダゾール二量
体である。感光性樹脂層において、全固形分に対する光
重合開始剤の含有量は、0.5〜20質量%が一般的
で、1〜15質量%が好ましい。0.5質量%未満では
光感度や画像の強度が低く、20質量%を超えて添加し
ても性能向上への効果が認められない。 【0041】光の照射によって付加重合することのでき
るエチレン性不飽和二重結合含有モナマーとしては、沸
点が常圧で100℃以上の化合物を挙げることができ
る。例えば、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アク
リレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アク
リレート及びフェノキシエチル(メタ)アクリレート等
の単官能(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリア
クリレート、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、トリメチロールプロパンジアクリレート、ネオペン
チルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリス
リトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリ
トールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリト
ールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリト
ールペンタ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ
(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アク
リロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリ(アク
リロイルオキシエチル)シアヌレート、グリセリントリ
(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンもしく
はグリセリン等の多官能アルコールにエチレンオキシド
やプロピレンオキシドを付加反応させた後で(メタ)ア
クリレート化したもの等の多官能(メタ)アクリレート
を挙げることができる。 【0042】さらに、特公昭48−41708号、同5
0−6034号、特開昭51−37193号の各公報に
開示されているウレタンアクリレート類、特開昭48−
64183号、特公昭49−43191号、同52−3
0490号の各公報に開示されているポリエステルアク
リレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応
生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能アクリ
レートやメタクリレートを挙げることができる。これら
の中で、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレ
ート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレー
トが好ましい。これらモノマーは、単独でも2種類以上
を混合して用いても良く、その感光性樹脂組成物の全固
形分に対する含有量は、5〜50質量%が一般的で、1
0〜40質量%が好ましい。5〜50質量%の範囲では
光感度や画像の強度も低下せず、感光性樹脂層の粘着性
が過剰になることもない。 【0043】感光性樹脂層は、被転写体に着色画像を形
成するためには顔料や染料を少なくとも含有する。顔料
は一般に有機顔料と無機顔料とに大別され、前者は特に
塗膜の透明性に優れ、後者は一般に隠蔽性に優れる等の
特性を有しているので、用途に応じて、適宜選択すれば
よい。またその他にも、金属粉、酸化金属粉、蛍光顔料
等も用いる場合がある。好適に使用される顔料の例とし
ては、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキ
ノン系顔料、ジオキサジン系顔料、キナクリドン系顔
料、イソインドリノン系顔料、ニトロ系顔料を挙げるこ
とができる。感光性樹脂層に用いられる顔料を、色相別
に分けて、以下に列挙するが、これらに限定されるもの
ではない。これら顔料や染料は単独もしくは複数組み合
わせて用いられる。 【0044】1)レッド顔料 C.I.ピグメント・レッド97、C.I.ピグメント
・レッド122、C.I.ピグメント・レッド149、
C.I.ピグメント・レッド168、C.I.ピグメン
ト・レッド177、C.I.ピグメント・レッド18
0、C.I.ピグメント・レッド192、C.I.ピグ
メント・レッド215、C.I.No.12085、C.I.No.12120、
C.I.No.12140、C.I.No.12315等の有機顔料 2)グリーン顔料 C.I.ピグメント・グリーン7、C.I.ピグメント
・グリーン36、C.I.No.42053、C.I.No.42085、C.I.N
o.42095等の有機顔料 3)ブルー顔料 C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメ
ント・ブルー15:4、C.I.ピグメント・ブルー1
5:6、C.I.ピグメント・ブルー22、C.I.ピ
グメント・ブルー60、C.I.ピグメント・ブルー6
4、C.I.No.420 52、C.I.No.42090等の有機顔料 【0045】4)イエロー顔料 Pigment Yellow(ピグメントイエロー)
12(C.I.No.21090) 例)Permanent Yellow(パーマネント
イエロー) DHG(クラリアントジャパン(株)
製)、Lionol Yellow(リオノールイエロ
ー) 1212B(東洋インキ製造(株)製)、Irg
alite Yellow(イルガライトイエロー)
LCT(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ(株)
製)、Symuler Fast Yellow(シム
ラーファーストイエロー) GTF 219(大日本イ
ンキ化学工業(株)製) Pigment Yellow(ピグメントイエロー)
13(C.I.No.21100) 例)Permanent Yellow(パーマネント
イエロー) GR(クラリアントジャパン(株)製)、
Lionol Yellow(リオノールイエロー)
1313(東洋インキ製造(株)製) Pigment Yellow(ピグメントイエロー)
14(C.I.No.21095) 例)Permanent Yellow(パーマネント
イエロー) G(クラリアントジャパン(株)製)、L
ionol Yellow(リオノールイエロー) 1
401−G(東洋インキ製造(株)製)、Seika
Fast Yellow(セイカファーストイエロー)
2270(大日精化工業(株)製)、Symuler
Fast Yellow(シムラーファーストイエロ
ー) 4400(大日本インキ化学工業(株)製) Pigment Yellow(ピグメントイエロー)
17(C.I.No.21105) 例)Permanent Yellow(パーマネント
イエロー) GG02(クラリアントジャパン(株)
製)、Symuler Fast Yellow(シム
ラーファーストイエロー) 8GF(大日本インキ化学
工業(株)製) Pigment Yellow(ピグメントイエロー)
155 例)Graphtol Yellow(グラフトールイ
エロー) 3GP(クラリアントジャパン(株)製) Pigment Yellow(ピグメントイエロー)
180(C.I.No.21290) 例)Novoperm Yellow(ノボパームイエ
ロー) P−HG(クラリアントジャパン(株)製)、
PV Fast Yellow(ファーストイエロー)
HG(クラリアントジャパン(株)製) Pigment Yellow(ピグメントイエロー)
139(C.I.No.56298) 例)Novoperm Yellow(ノボパームイエ
ロー) M2R 70(クラリアントジャパン(株)
製) 【0046】5)マゼンタ顔料 Pigment Red(ピグメントレッド) 57:
1(C.I.No.15850:1) 例)Graphtol Rubine(グラフトールル
ビン) L6B(クラリアントジャパン(株)製)、L
ionol Red(リオノールレッド) 6B−42
90G(東洋インキ製造(株)製)、Irgalite
Rubine(イルガライトルビン) 4BL(チバ
・スペシャルティー・ケミカルズ(株)製)、Symu
ler Brilliant Carmine(シムラ
ーブリリアントカーミン) 6B−229(大日本イン
キ化学工業(株)製) Pigment Red(ピグメントレッド) 122
(C.I.No.73915) 例)Hosterperm Pink(ホスターパーム
ピンク) E(クラリアントジャパン(株)製)、Li
onogen Magenta(リオノゲンマゼンタ)
5790(東洋インキ製造(株)製)、Fastog
en Super Magenta(ファストゲンスー
パーマゼンタ) RH(大日本インキ化学工業(株)
製) Pigment Red(ピグメントレッド) 53:
1(C.I.No.15585:1) 例)Permanent Lake Red(パーマネ
ントレイクレッド)LCY(クラリアントジャパン
(株)製)、Symuler Lake Red(シム
ラーレイクレッド) C conc(大日本インキ化学
工業(株)製) Pigment Red(ピグメントレッド) 48:
1(C.I.No.15865:1) 例)Lionol Red(リオノールレッド) 2B
3300(東洋インキ製造(株)製)、Symule
r Red(シムラーレッド) NRY(大日本インキ
化学工業(株)製) Pigment Red(ピグメントレッド) 48:
2(C.I.No.15865:2) 例)Permanent Red(パーマネントレッ
ド) W2T(クラリアントジャパン(株)製)、Li
onol Red(リオノールレッド) LX235
(東洋インキ製造(株)製)、Symuler Red
(シムラーレッド)3012(大日本インキ化学工業
(株)製) Pigment Red(ピグメントレッド) 48:
3(C.I.No.15865:3) 例)Permanent Red(パーマネントレッ
ド) 3RL(クラリアントジャパン(株)製)、Sy
muler Red(シムラーレッド) 2BS(大日
本インキ化学工業(株)製) Pigment Red(ピグメントレッド) 177
(C.I.No.65300) 例)Cromophtal Red(クロモフタルレッ
ド) A2B(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ
(株)製) 【0047】6)シアン顔料 Pigment Blue(ピグメントブルー) 15
(C.I.No.74160) 例)Lionol Blue(リオノールブルー) 7
027(東洋インキ製造(株)製)、Fastogen
Blue(ファストゲンブルー) BB(大日本イン
キ化学工業(株)製) Pigment Blue(ピグメントブルー) 1
5:1(C.I.No.74160) 例)Hosterperm Blue(ホスターパーム
ブルー) A2R(クラリアントジャパン(株)製)、
Fastogen Blue(ファストゲンブルー)
5050(大日本インキ化学工業(株)製) Pigment Blue(ピグメントブルー) 1
5:2(C.I.No.74160) 例)Hosterperm Blue(ホスターパーム
ブルー) AFL(クラリアントジャパン(株)製)、
Irgalite Blue(イルガライトブルー)
BSP(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ(株)
製)、Fastogen Blue(ファストゲンブル
ー) GP(大日本インキ化学工業(株)製) Pigment Blue(ピグメントブルー) 1
5:3(C.I.No.74160) 例)Hosterperm Blue(ホスターパーム
ブルー) B2G(クラリアントジャパン(株)製)、
Lionol Blue(リオノールブルー) FG7330(東洋インキ製造(株)製)、Cromo
phtal Blue(クロモフタルブルー) 4GN
P(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ(株)製)、
Fastogen Blue(ファストゲンブルー)
FGF(大日本インキ化学工業(株)製) Pigment Blue(ピグメントブルー) 1
5:4(C.I.No.74160) 例)Hosterperm Blue(ホスターパーム
ブルー) BFL(クラリアントジャパン(株)製)、
Cyanine Blue(シアニンブルー)700−
10FG(東洋インキ製造(株)製)、Irgalit
e Blue(イルガライトブルー) GLNF(チバ
・スペシャルティー・ケミカルズ(株)製)、Fast
ogen Blue(ファストゲンブルー) FGS
(大日本インキ化学工業(株)製) Pigment Blue(ピグメントブルー) 1
5:6(C.I.No.74160) 例)Lionol Blue(リオノールブルー) E
S(東洋インキ製造(株)製) Pigment Blue(ピグメントブルー) 60
(C.I.No.69800) 例)Hosterperm Blue(ホスターパーム
ブルー) RL01(クラリアントジャパン(株)
製)、Lionogen Blue(リオノゲンブル
ー) 6501(東洋インキ製造(株)製) 7)ブラック顔料 Pigment Black(ピグメントブラック)
7(カーボンブラックC.I.No.77266) 例)三菱カーボンブラック MA100(三菱化学
(株)製)、三菱カーボンブラック #5(三菱化学
(株)製)、Black Pearls(ブラックパー
ルズ) 430(Cabot Co.(キャボット社)
製) また、本発明で用いることのできる顔料としては、「顔
料便覧、日本顔料技術協会編、誠文堂新光社、198
9」、「COLOUR INDEX、THE SOCIETY OF D
YES & COLOURIST、THIRD EDITION、1987」などを
参照して適宜商品を選択できる。 【0048】前記染料や顔料の平均粒径としては、通
常、5μm以下、好ましくは1μm以下である。カラー
フィルターを作製する場合は、0.5μm以下が好まし
い。 【0049】感光性樹脂組成物は、上記成分の他に更に
熱重合防止剤を含むことが好ましい。熱重合防止剤の例
としては、例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェ
ノール、p−t−ブチルカテコール、2,6−ジ−t−
ブチル−p−クレゾール、β−ナフトール、ピロガロー
ル等の芳香族ヒドロキシ化合物、ベンゾキノン、p−ト
ルキノン等のキノン類、ナフチルアミン、ピリジン、p
−トルイジン、フェノチアジン等のアミン類、N−ニト
ロソフェニルヒドロキシルアミンのアルミニウム塩また
はアンモニウム塩、クロラニール、ニトロベンゼン、
4,4´−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェ
ノール)、2,2´−メチレンビス(4−メチル−6−
t−ブチルフェノール)、2−メルカプトベンズイミダ
ゾール等が挙げられる。 【0050】感光性樹脂組成物は、更に必要に応じて公
知の添加剤、例えば、可塑剤、本発明用界面活性剤以外
の界面活性剤、密着促進剤、分散剤、可塑剤、垂れ防止
剤、レベリング剤、消泡剤、難燃化剤、光沢剤、溶剤等
を添加することができる。密着促進剤としては、例えば
アルキルフェノール/ホルムアルデヒドノボラック樹
脂、ポロビニルエチルエーテル、ポリビニルイソブチル
エーテル、ポリビニルブチラール、ポリイソブチレン、
スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、ブチルゴム、塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ゴム、アクリル樹脂
系粘着剤、芳香族系、脂肪族系または脂環族系の石油樹
脂、シランカップリング剤等が挙げられる。 【0051】感光性樹脂組成物より形成される感光性樹
脂層の層厚は、0.5〜10μmの範囲が好ましく、特
に1〜5μmの範囲が好ましい。 【0052】感光性樹脂層は、例えば、着色剤と樹脂の
混合物を分散した後、他の材料を混合することにより得
ることができる。 【0053】(画像形成材料の形成)本発明の画像形成
材料は、例えば、上記支持体上に、アルカリ可溶な熱可
塑性樹脂層形成用塗布液を塗布し、乾燥して、熱可塑性
樹脂層を設け、その熱可塑性樹脂層上に、熱可塑性樹脂
層を溶解しない感光性樹脂層形成用塗布液を塗布、乾燥
して感光性樹脂層を設けることにより得ることができ
る。熱可塑性樹脂層と感光性樹脂層の間に酸素遮断層を
設けてもよい。例えば、支持体上に熱可塑性樹脂層を設
け、その上に熱可塑性樹脂層を溶解しない溶剤を用いた
酸素遮断層形成用塗布液を塗布、乾燥して酸素遮断層を
設け、さらにその酸素遮断層上に、感光性樹脂層形成用
塗布液を酸素遮断層を溶解しない溶剤を用いて塗布、乾
燥して感光性樹脂層を設けることにより形成することが
できる。あるいは、後述する被覆シート上に感光性樹脂
層を設け、一方、支持体上に熱可塑性樹脂層と酸素遮断
層とを設け、それぞれを酸素遮断層と感光性樹脂層とが
接するように貼り合わせることにより、或いは、被覆シ
ート上に感光性樹脂層と酸素遮断層とを設け、一方、支
持体上に熱可塑性樹脂層を設け、それぞれを上記同様、
酸素遮断層と感光性樹脂層とが接するように貼り合わせ
ることにより、製造することができる。 【0054】上記アルカリ可溶な熱可塑性樹脂層、酸素
遮断層、感光性樹脂層の各層は、各層形成用塗布液(通
常、組成物を有機溶剤に溶解して)を公知の方法で設け
ることができる。例えば、スピンナー、ホワイラー、ロ
ーラーコーター、カーテンコーター、ナイフコーター、
ワイヤーバーコーター、エクストルーダー等の塗布機を
用いて、各層形成用塗布液を塗布し、乾燥させることに
より形成することができる。各層形成用塗布液の作製に
使用される溶剤としては、メチルエチルケトン、プロピ
レングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコ
ールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノ
ン、シクロヘキサノール、乳酸エチル、乳酸メチル、カ
プロラクタム等を挙げることができる。 【0055】感光性樹脂層上には、保管等の際の汚れや
損傷から保護するために薄い被覆シートを設けることが
好ましい。被覆シートは、支持体と同種または類似の材
料からなるものでもよいが、感光性樹脂層から容易に分
離できるものである。被覆シートに用いる材料として
は、例えば、シリコーン紙、ポリオレフィンシートまた
はポリテトラフルオロエチレンシート等が好ましい。被
覆シートの厚みは、通常、5〜100μmであり、10
〜30μmが好ましい。 【0056】通常、ガラス基板等の永久支持体上に、画
像形成材料の感光性樹脂層を貼り合せ、支持体を剥がす
場合に、帯電した支持体(フイルム)と人体とが不快な
電気ショックを受けることがあり、あるいは帯電した支
持体に塵埃が付着する等の問題がある。このために、支
持体上に導電層を設けたり、支持体自体に導電性を付与
する処理を施すことが好ましい。また、導電層を、支持
体の反対側に(感光性樹脂層を持たない側)設けた場合
は、耐傷性を向上させるために疎水性重合体層を設ける
ことが好ましい。 【0057】本発明の画像形成材料を用いてカラーフィ
ルター等の多色画像シートの製造は、例えば、下記のよ
うに行うことができる。赤、緑、青の各画素の形成は、
赤画素用の赤色感光性樹脂層を有する画像形成材料を用
いて、赤色感光性樹脂層を基板表面に転写し、画像様露
光、現像して赤の画素を形成し、緑、青についても同様
にして各画素を形成することにより行われる。赤、緑、
青の三種の画素を配置する場合は、モザイク型、トライ
アングル型、4画素配置型等どのような配置であっても
よい。 【0058】画素シートの各画素の上面、そして各画素
間の隙間領域を黒色感光性樹脂層を有する画像形成材料
を用いて、黒色感光性樹脂層を基板表面に転写し、背面
露光(画素を持たない側から)、現像してブラックマト
リックスを形成する。画像シートを加熱することによ
り、未硬化部分を硬化させる(各画素についてそれぞれ
行う)。 【0059】本発明の画像形成材料の基板表面への貼り
合わせは、一般に、画像形成材料の感光性樹脂層上の被
覆シートを除去した後、画像形成材料を基板表面に重
ね、加圧、加熱下に行われる。貼り合わせには、ラミネ
ーター、真空ラミネーターおよびより生産性を高めるこ
とができるオートカッターラミネーター等の公知のラミ
ネーターを使用することができる。その後、支持体を剥
がし取った後、所定のマスク、熱可塑性樹脂層及び酸素
遮断層を介して感光性樹脂層を露光し、次いで未露光領
域を除去する(現像)。上記露光に使用される光源は、
感光性樹脂層の感光性に応じて選択される。例えば、超
高圧水銀灯、キセノン灯、カーボンアーク灯、アルゴン
レーザーなど公知のものが使用できる。特開平6−59
119号公報に記載のように、400nm以上の波長の
光透過率が2%以下である光学フィルター等を併用して
も良い。 【0060】感光性樹脂層の現像液としては、アルカリ
性物質の希薄水溶液を使用するが、さらに、水と混和性
の有機溶剤を少量添加したものを用いてもよい。適当な
アルカリ性物質としては、アルカリ金属水酸化物類(例
えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム)、アルカリ
金属炭酸塩類(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム)、アルカリ金属重炭酸塩類(例えば、炭酸水素ナト
リウム、炭酸水素カリウム)、アルカリ金属ケイ酸塩類
(例えば、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム)アルカ
リ金属メタケイ酸塩類(例えば、メタケイ酸ナトリウ
ム、メタケイ酸カリウム)、トリエタノールアミン、ジ
エタノールアミン、モノエタノールアミン、モルホリ
ン、テトラアルキルアンモンニウムヒドロキシド類(例
えばテトラメチルアンモニウムヒドロキシド)または燐
酸三ナトリウムを挙げることができる。アルカリ性物質
の濃度は、0.01〜30質量%であり、pHは8〜1
4が好ましい。 【0061】水と混和性のある適当な有機溶剤として
は、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−
プロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、エ
チレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコ
ールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノn−
ブチルエーテル、ベンジルアルコール、アセトン、メチ
ルエチルケトン、シクロヘキサノン、ε−カプロラクト
ン、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、ジメ
チルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、乳酸
エチル、乳酸メチル、ε−カプロラクタム、N−メチル
ピロリドンを挙げることができる。水と混和性の有機溶
剤の濃度は、0.1〜40質量%が一般的である。 【0062】また現像液には公知の界面活性剤を添加す
ることができる。現像液は、浴液としても、あるいは噴
霧液としても用いることができる。感光性樹脂層の未硬
化部分を除去するには、現像液中で回転ブラシで擦るか
湿潤スポンジで擦るなどの方法、あるいは現像液を噴霧
した際の噴霧圧を利用する方法等を適宜利用することが
できる。現像液の液温度は、通常、室温付近から40℃
の範囲が好ましい。現像処理の後に水洗工程を入れるこ
とも可能である。また、現像はアルカリ可溶な熱可塑性
樹脂層、酸素遮断層および感光性樹脂層を一度に処理し
てもよいが、現像むらや感光性樹脂層の現像時の現像液
による層の劣化を少なくするため、アルカリ可溶な熱可
塑性樹脂層およぴ酸素遮断層を先に溶解除去した後で感
光性樹脂層の現像を行うことが好ましい。後で感光性樹
脂層の現像を行う場合、アルカリ可溶な熱可塑性樹脂層
および酸素遮断層の除去に使用する現像液は、感光性樹
脂層を劣化させないようなものを選択することが好まし
い。この方法はアルカリ可溶な熱可塑性樹脂層および酸
素遮断層と、感光性樹脂層との間に溶解速度の差を考慮
して現像液を選ぶことにより、あるいは液温、スプレー
圧、擦る際の圧力等の現像処理条件を適宜組み合わせる
ことにより行うことができる。この方法により、現像む
らを抑制することができる。 【0063】現像工程の後、加熱処理が行われる。即
ち、露光により光硬化した感光性樹脂層を有する支持体
を電気炉、乾燥器の中で加熱するか、または感光性樹脂
層に赤外線ランプを照射して加熱する。加熱の温度及び
時間は、感光性樹脂層の組成や厚み等に依存するが、一
般に、充分な耐溶剤性、耐アルカリ性を獲得するのに、
約120〜250℃、約10〜300分間加熱すること
が好ましい。 【0064】本発明の画像形成材料は、基本的にはカラ
ーフィルター等の多色画像の作製に有利に使用すること
ができるが、その他、層間絶縁膜、プリント配線基板、
凹版凸版印刷版、ネームプレート、カラープルーフ、オ
フセット印刷版、スクリーン印刷ステンシル等に用いる
ことができる。プリント配線基板の作製には、基板とし
て公知の銅張り積層板が通常用いられる。 【0065】 【実施例】以下に、本発明を実施例に基づいて更に詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定され
るものではない。尚、文中で特に断りのない限り「部」
は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味する。 【0066】[実施例1]厚さ75μmのポリエチレンテ
レフタレートフィルム仮支持体上に、下記の処方Cu1
からなる塗布液を塗布、乾燥させ、乾燥膜厚が20μm
の熱可塑性樹脂層を設けた。 【0067】 熱可塑性樹脂層処方Cu1: ・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 (共重合組成比(モル比)=55/30/10/5、 重量平均分子量=10万、Tg≒70℃) 5.8部 ・スチレン/アクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比) =65/35、重量平均分子量=1万、Tg≒100℃) 13.2部 ・ビスフェノールAにペンタエチレングリコールモノメタ クリレートを2当量脱水縮合した化合物 (新中村化学(株)製BPE−500) 9部 ・メチルエチルケトン 53部 ・メタノール 17部 ・表1に示す本発明の共重合体 (メチルイソブチルケトン20重量%溶液) 0.55部 【0068】 【表1】【0069】[処方Cu塗布性の評価]処方Cu液を塗布
し、その状態を目視で観察し、下記のように評価した。
実用レベルはCC以上である。結果を表2に示す。 AA:耳部が均一に塗られ、塗布性極めて良好。 BB:耳部が微かに厚塗りとなるが、問題なく、塗布性
良好。 CC:耳部が微かに厚塗りとなり、微かに蛇行が見られ
るも問題なく、塗布性普通。 DD:耳部が厚く、耳部が蛇行し、塗布性は悪い。 EE:耳部が全く塗りつかず塗布性は極めて悪い。 【0070】次に下記処方PC1から成る塗布液を調製
し、塗布、乾燥させ、乾燥膜厚が1.6μm厚の中間層
を設けた。 【0071】 中間層処方PC1: ・ PVA205 (クラレ(株)製ポリビニルアルコール、 鹸化度=88%、重合度550) 100部 ・ポリビニルピロリドン (GAFコーポレーション社製PVP、K−30) 50部 ・蒸留水 1850部 ・メタノール 1000部 【0072】[中間層剥がれの評価]上記熱可塑性樹脂
層及び中間層を有する仮支持体表面を、目視または顕微
鏡で観察し、下記のように評価した。実用レベルはCC以
上である。結果を表2に示す。 AA:中間層表面が均一で、剥がれが全く見られず、中
間層剥がれ極めて良好。 BB:中間層表面に微か押し跡が見られるが、剥がれは
起こらず、中間層剥がれ良好。 CC:耳部のみ僅かに剥がれが見られるが、その他の部
分は問題なく、中間層剥がれ普通。 DD:耳部のみならず、その他の部分に僅かに剥がれが
生じ、中間層剥がれ悪い。 EE:剥がれが全面に見られ、中間層剥がれ極めて悪
い。 【0073】上記熱可塑性樹脂層及び中間層を有する4
枚の仮支持体の上に、それぞれR、G、B、Kの4色の
感光性溶液を塗布、乾燥させ、乾燥膜厚が2μmの着色
感光性樹脂層を形成した。 【0074】[赤色顔料分散液調製] (PR254分散液1の調製)下記処方にてビーズ分散
機を用いて、下記手順により顔料分散をおこなった。M
MPG−AC中に、顔料分散剤1を攪拌しながら投入
し、次にPR254顔料紛体、ヘ゛ンシ゛ルメタクリレート/メタクリル酸
共重合体を投入し攪拌した。この混合液を、ビーズ分散
機(ジルコニアビーズ0.3mm)を用いて循環しなが
ら4時間分散した。さらにMMPC−ACを加えて固形
分濃度16.8%のPR254分散液1を得た。 【0075】 PR254分散液1処方: ・下記顔料分散剤1 10部 ・MMPG−AC(プロピレングリコール モノメチルエーテルアセテート 790部 ・PR254 100部 ・ヘ゛ンシ゛ルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 100部 (モル比=73/27、分子量3万) 【0076】 【化4】 【0077】(PR254分散液2の調製)下記処方の
分散液について、顔料分散2を攪拌しながらプロピレン
グリコールモノメチルエーテルアセテート中に投入し、
PR254顔料紛体、を投入し攪拌した。この混合液
を、ビーズ分散機(ジルコニアビーズ0.3mm)を用
いて循環しながら4時間分散し顔料分散液を得た。 【0078】 PR254分散液2処方: ・下記顔料分散剤2 16部 ・MMPG−AC(プロピレングリコール モノメチルエーテルアセテート 931部 ・PR254 53.3部 【0079】 【化5】 【0080】 (感光層用塗布液処方) 赤色レジスト塗布液: ・PR254分散液1 18.0部 ・PR254分散液2 17.9部 ・7240M ( 御国色素(株)製) 0.09部 ・MMPG−AC(プロピレングリコール モノメチルエーテルアセテート) 16.5 部 ・メチルエチルケトン 35.0部 ・シクロヘキサノン 2.60部 ・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 (共重合比=72/28、分子量30000) 1.10部 ・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/ ヒドロキシルエチルメタクリレート共重合体 (共重合比=71/12/17、分子量40000) 0.754部 ・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 3.46部 ・2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルスチリル) −1,3,4−オキサジアゾール 0.30部 ・7−{〔−4(ジエチルアミノ)−6−(3−ヒドロキシメチル ピペリジノ)−s−トリアジニル(2)〕−アミノ} −3−フェニルクマリン 1.13部 ・7−{〔−4―クロロ−6−(ジエチルアミノ) −s−トリアジニル(2)〕−アミノ} −3−フェニルクマリン 1.13部 ・熱可塑性樹脂層処方Cu1に用いた本発明の共重合体 (メチルイソブチルケトン30重量%溶液) 0.026部 ・フェノチアジン 0.0108部 【0081】[緑色顔料分散液の調製] (PG36分散液の調製)下記処方の分散液について、
顔料分散剤1を攪拌しながらMMPG−AC中に投入
し、PG36顔料紛体、ヘ゛ンシ゛ルメタクリレート/メタクリル酸共重合
体を投入し攪拌した。この混合液を、ビーズ分散機(ジ
ルコニアビーズ0.3mm)を用いて循環しながら4時
間分散し顔料分散液を得た。 【0082】 PG36分散液処方: ・前記顔料分散剤1 14部 ・MMPG−AC(プロピレングリコール モノメチルエーテルアセテート 808部 ・PG36 140部 ・ヘ゛ンシ゛ルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 37.8部 (モル比=73/27、分子量3万) 【0083】(PY138分散液の調製)下記処方の分
散液について、顔料分散剤1を攪拌しながらプロピレン
グリコールモノメチルエーテルアセテート中に投入し、
PY138顔料紛体、ヘ゛ンシ゛ルメタクリレート/メタクリル酸共重合体
を投入し攪拌した。この混合液
を、ビーズ分散機(ジルコニアビーズ0.3mm)を用
いて循環しながら4時間分散し顔料分散液を得た。 【0084】 PY138分散液処方: ・前記顔料分散剤1 9.0部 ・MMPG−AC(プロピレングリコール モノメチルエーテルアセテート 811部 ・PY138 90部 ・ヘ゛ンシ゛ルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 90部 (モル比=73/27、分子量3万) 【0085】 緑色レジスト塗布液: ・PG36分散液 20.7部 ・PY138分散液 16.2部 ・MMPG−AC(プロピレングリコール モノメチルエーテルアセテート) 5.92部 ・メチルエチルケトン 51.60部 ・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/ ヒドロキシルエチルメタクリレート共重合体 (共重合比=71/12/17、分子量40000) 0.501部 ・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 31.9部 ・2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルスチリル) −1,3,4−オキサジアゾール 0.106部 ・7−{〔−4―クロロ−6−(ジエチルアミノ) −s−トリアジニル(2)〕−アミノ} −3−フェニルクマリン 0.980部 ・2,4−ビス(トリクロロメチル−6− 〔4―(N,N―ジエトキシカルボニルメチル) −アミノー3―ブロモフェニル〕―s−トリアジン 0.106部 ・フェノチアジン 0.0043部 ・熱可塑性樹脂層処方Cu1に用いた本発明の共重合体 (メチルイソブチルケトン30重量%溶液) 0.0621部 【0086】(PB15:6分散液の調製)下記処方の
分散液について、ディスパロンDA-725及びEFKA-674
5を攪拌しながらMMPG−AC中に投入し、PB1
5:6顔料紛体、ヘ゛ンシ゛ルメタクリレート/メタクリル酸共重合体を投
入し攪拌した。この混合液を、ビーズ分散機(ジルコニ
アビーズ0.3mm)を用いて循環しながら4時間分散
し顔料分散液を得た。 【0087】 PB15:6分散液処方: ・ディスパロンDA-725 (楠本化成(株)製)) 6.25部 ・EFKA-6745(EFKA additives製) 5.0部 ・MMPG−AC(プロピレングリコール モノメチルエーテルアセテート 764部 ・PB15:6(C.I.製) 100部 ・ヘ゛ンシ゛ルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 125部 (モル比=73/27、分子量3万) 【0088】 青色レジスト塗布液: ・PB15:6分散液 30.0部 ・MMPG−AC(プロピレングリコール モノメチルエーテルアセテート) 12.0部 ・メチルエチルケトン 52.50部 ・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/ ヒドロキシルエチルメタクリレート共重合体 (共重合比=71/12/17、分子量40000) 1.14部 ・ジペシタエリスリトールヘキサアクリレート 3.89部 ・2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルスチリル) −1,3,4−オキサジアゾール 0.199部 ・2,4,6−トリス(2,4ビス(メトキシカルボニルオキシ) フェニル〕−1,3,5−トリアジン 0.188部 ・フェノチアジン 0.022部 ・熱可塑性樹脂層処方Cu1に用いた本発明の共重合体 (メチルイソブチルケトン30重量%溶液) 0.093部 【0089】 黒色レジスト塗布液: ・CFP−FF−775B(C.I.PB15:6分散液 富士フイルムオーリン(株)製) 4.50部 ・CFP−FF−293Y(C.I.PY139分散液 富士フイルムオーリン(株)製) 3.37部 ・CFP−FF−802V(C.I.PV23分散液 富士フイルムオーリン(株)製) 4.16部 ・CFP−FF−949K(カーボンブラック分散液 富士フイルムオーリン(株)製) 11.9 部 ・MMPG−AC(プロピレングリコール モノメチルエーテルアセテート) 18.9部 ・メチルエチルケトン 52.0部 ・ヒドロキノンモノメチルエーテル 0.0022部 ・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 4.85部 ・ビス〔4−〔N−〔4−(4,6−ビストリクロロメチル −s−トリアジン−2−イル)フェニル〕 カルバモイル〕フェニル〕セバケート 0.238部 ・熱可塑性樹脂層処方Cu1に用いた本発明の共重合体 (メチルイソブチルケトン30重量%溶液) 0.065部 【0090】さらに上記感光性樹脂層の上にポリプロピ
レン(厚さ12μm)の被覆シートを圧着し、赤色、青
色、緑色および黒色画像形成材料を作成した。 【0091】この画像形成材料を用いて、以下の方法で
カラーフィルターを作成した。赤色画像形成材料の被覆
シートを剥離し、感光性樹脂層面を透明ガラス基板(厚
さ1.1mm)にラミネーター(大成ラミネータ(株)
製VP−II)を用いて加圧(10kg/cm)、加熱
(130℃)して貼り合わせた。(速度0.7m/mi
n) 【0092】[転写性の評価]転写性は上記ラミネータ
ーで貼り合わせた際の気泡の巻き込みを観察して、AA,B
B,CC,DD,EEの5段階で評価をした。実用レベルはCC以上
である。結果を表2に示す。 AA:全く泡を巻き込まず、転写性極めて良好。 BB:非表示部である基板の4隅に極めてわずかの気泡が
入るものの、その他は泡を巻き込まず、転写性良好。 CC: 非表示部である基板の4辺にわずかの気泡が入るも
のの、その他は泡を巻き込まず、転写性普通。 DD: 表示部に少し気泡が入り、転写性悪い。 EE:全面に気泡が入り、極めて転写性悪い。 【0093】[仮支持体の剥離性の評価]貼り合わされ
た画像形成材料を仮支持体と熱可塑性樹脂層との界面で
剥離し、仮支持体を除去した。その仮支持体及び転写さ
れた最上層の表面を、目視または顕微鏡で観察し、下記
のように評価した。実用レベルはCC以上である。結果を
表2に示す。 AA:剥離表面が均一で、跡が全く見られず、剥離性極
めて良好。 BB:仮支持体のエッジ部に点状の剥がれが微か見られ
るが、他の部分に剥がれは起こらず、剥離性良好。 CC:仮支持体のエッジ部に線状の剥がれが見られる
が、他の部分に剥がれは起こらず、剥離性普通。 DD:エッジ部のみならず、その他の部分に僅かに剥が
れが生じ、剥離性悪い。 EE:剥がれが全面に見られ、剥離性極めて悪い。 【0094】次に所定のフォトマスクを介して露光し、
1%トリエタノールアミン水溶液で熱可塑性樹脂層およ
び中間層を溶解除去した。これらの層を完全に除去でき
る最短除去時間は30秒であった。次いで、1%炭酸ナ
トリウム水溶液で感光性樹脂層を現像して不要部を除去
し、ガラス基板上に赤色画素パターンを形成した。次い
で、赤色画素パターンが形成されたガラス基板上に、緑
色画像形成材料を上記と同様にして貼り合わせ、剥離、
露光、現像を行ない、緑色画素パターンを形成した。同
様な工程を青色、黒色画像形成材料で繰り返し、透明ガ
ラス基板上にカラーフィルターを形成した。 【0095】[カラーフィルターの作成]得られた画像
形成材料の被覆シートを剥し取り、感光性赤色樹脂層の
表面を、ガラス基板(厚さ1.1mm)面にラミネータ
ー(大成ラミネータ(株)製のVP−II)を用いて、
加圧(10kg/cm2 )(≒980kPa)、加熱
(130℃)速度10m/分して貼り合わせ、続いて、
仮支持体と熱可塑性樹脂層との界面で剥離し、仮支持体
を除去した。 【0096】次に、フォトマスク(一辺20〜60μm
の正方形の画素のネガ画像)を通して超高圧水銀灯を用
いて感光性赤色樹脂層を露光した。露光量は20mj/cm2
であった。その後、1%トリエタノーリアミン水溶液を
用いてアルカリ可溶性熱可塑性樹脂層を30秒で溶解除
去した。次いで、1%炭酸ナトリウム水溶液で感光性赤
色樹脂層を現像して未露光部を除去し、赤色画素(R)
のパターンを形成した。赤色画素を有するガラス基板を
220℃で130分間加熱し、画素部分を充分に硬化さ
せ、赤色画素のみのカラーフィルターを作製した。 【0097】[画像形成材料の感光性赤色樹脂層の評
価]感光性赤色樹脂層表面の外観得られた画像形成材料
の感光性赤色樹脂層及び前記方法で作成されたカラーフ
ィルターの表面を、目視または顕微鏡で観察し、下記の
ように評価した。結果を表2に示す。実用レベルはCC以
上である。 AA:色ムラが全く見られない BB:色ムラが微かに見られる CC:色ムラが少し見られる DD:色ムラが多く見られる EE:色ムラが全面に見られる 【0098】[実施例2〜16]実施例1の熱可塑性樹
脂層処方Cu1の「表1に示す本発明の共重合体」の代
りに、それぞれ表1に示す実施例2〜16の「本発明の
共重合体」を使用した以外は実施例1と同様にして、実
施例2〜16の画像形成材料を作成し、カラーフィルタ
ーを形成した。 【0099】[実施例17]実施例1において各感光層用
塗布液処方(赤、緑、青、黒)に共通して用いた本発明
の共重合体の代わりにC8F17SO2N(C4H9)CH2CH2OCOCH=CH2
60%と、H(O(CH3)CHCH2)6OCOCH=CH2 40%の
共重合体(重量平均分子量が3万)を使用した以外は、
実施例1と同様にして画像形成材料を作成し、カラーフ
ィルターを形成した。 【0100】[実施例18]実施例1において各感光層
用塗布液処方(赤、緑、青、黒)をそれぞれ下記処方に
代えた以外は実施例1と同様にして画像形成材料を作成
した。 【0101】 (感光層用塗布液処方) 赤色レジスト塗布液: ・RT−107(C.I.PR254分散液 富士フイルムオーリン(株)製) 15.7部 ・MMPG−AC(プロピレングリコール モノメチルエーテルアセテート) 34.7部 ・ シクロヘキサノン 5.56部 ・ メチルエチルケトン 34.7部 ・ メガファックF−176PF(大日本インキ(株)製) 0.71部 ・ フェノチアジン 0.011部 ・ ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 (共重合比=72/28、分子量30000) 3.69部 ・ ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 3.65部 2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルスチリル) −1,3,4−オキサジアゾール 0.307部 ・7−{〔−4(ジエチルアミノ)−6−(3−ヒドロキシメチル ピペリジノ)−s−トリアジニル(2)〕−アミノ} −3−フェニルクマリン 1.25部 ・2,4,6−トリス〔2,4ビス(メトキシカルボニルオキシ) フェニル〕−1,3,5−トリアジン 0.312部 【0102】 緑色レジスト塗布液: ・GT−2(C.I.PG36分散液 富士フイルムオーリン(株)製) 8.9部 ・YT−123(C.I.PY138分散液 富士フイルムオーリン(株)製) 8.4部 ・MMPG−AC(プロピレングリコール モノメチルエーテルアセテート) 21.77部 ・メチルエチルケトン 50.9部 ・メガファックF−176PF(大日本インキ(株)製) 0.143部 ・フェノチアジン 0.0055部 ・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 (共重合比=72/28、分子量30000) 5.00部 ・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 4.07部 2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルスチリル) −1,3,4−オキサジアゾール 0.293部 ・7−{〔−4(ジエチルアミノ)−6−(3−ヒドロキシメチル ピペリジノ)−s−トリアジニル(2)〕−アミノ〕 −3−フェニルクマリン 0.600部 【0103】 青色レジスト塗布液: ・7075M(C.I.PB15:6分散液 御国色素(株)製) 44.6部 ・MMPG−AC(プロピレングリコール モノメチルエーテルアセテート) 3.4部 ・シクロヘキサノン 8.90部 ・メチルエチルケトン 40.0部 ・メガファックF−176PF (大日本インキ(株)製) 0.105部 ・フェノチアジン 0.016部 ・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 (共重合比=78/22、分子量40000) 0部 ・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 2.79部 ・2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルスチリル) −1,3,4−オキサジアゾール 0.179部 【0104】黒色レジスト塗布液:実施例1における黒
色レジスト塗布液に同じ。 【0105】[比較例1]実施例1の熱可塑性樹脂層処
方Cu1の「表1に示す本発明の共重合体」を使用しな
かった以外は、実施例1と同様にして画像形成材料を作
成した。 【0106】[比較例2]実施例1の熱可塑性樹脂層処
方Cu1の「表1に示す本発明の共重合体」の代わりに
C8F17SO2N(C4H9)CH2CH2OCOCH=CH2 60重量%と、H(O
(CH3)CHCH2)6OCOCH=CH2 40重量%の共重合体(重量
平均分子量が3万)を使用した以外は、実施例1と同様
にして画像形成材料を作成した。 【0107】[比較例3]実施例1の熱可塑性樹脂層処
方Cu1の「表1に示す本発明の共重合体」の代りに、
表1に示す比較例3の「本発明の共重合体」を使用した
以外は実施例1と同様にして、比較例3の画像形成材料
を作成し、カラーフィルターを形成した。 【0108】 【表2】 【0109】上記の結果から、本発明の界面活性剤を使
用した実施例は比較例に比し転写性に優れ、Cu液塗布
性、中間層剥れ、色ムラ共に良好である。 【0110】 【発明の効果】本発明の画像形成材料は、ほぼ均一な厚
みを有し、各層間の密着力を所望の相対的関係に保持
し、且つ平滑な表面を有する。従って、この画像形成材
料を用いて、カラーフィルターを作成した場合、得られ
る各画素は色ムラがなく、且つ基板に対する接着性が良
いので微細な画素の形成が可能である。また本発明の感
光性樹脂組成物は、上記シートの作成に特に有利に使用
できるものである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 支持体上に、少なくとも、アルカリ可溶
な熱可塑性樹脂層、感光性樹脂層からなる塗布層をこの
順に設けてなる画像形成材料において、少なくとも前記
熱可塑性樹脂層に、下記一般式(a)及び一般式(b)
で表されるモノマーを含み、且つ一般式(a)/一般式
(b)の質量比が20/80〜60/40の共重合体を
含有することを特徴とする画像形成材料。 【化1】 (式中、R1、R2、及びR3はそれぞれ独立に水素原子
またはメチル基を示し、R4は水素原子または炭素数1
〜5のアルキル基を示す。nは1〜18の整数、mは2
〜14の整数を示す。p、qは0〜18の整数を示すが、
p、qがいずれも0は含まない。)
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