JP2003336674A - ディスクブレーキ用キャリパ - Google Patents

ディスクブレーキ用キャリパ

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JP2003336674A JP2002147241A JP2002147241A JP2003336674A JP 2003336674 A JP2003336674 A JP 2003336674A JP 2002147241 A JP2002147241 A JP 2002147241A JP 2002147241 A JP2002147241 A JP 2002147241A JP 2003336674 A JP2003336674 A JP 2003336674A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易な構成によりキャリパを効果的に冷却で
き、かつ、キャリパの車両への取付け位置の制約を抑制
させることにより設計自由度を向上できるディスクブレ
ーキ用キャリパを提供することにある。 【解決手段】 車両の車輪と共に回転するブレーキディ
スクDの、インナ側とアウタ側とに配置する脚部9,1
0と、ディスクDの外周部を跨いでインナ側及びアウタ
側の脚部を結合するブリッジ部11とを有する本体2
が、取付部材12を介して車両に支持されるディスクブ
レーキ用キャリパ1が以下の特徴を有する。即ち、車輪
の回転方向へ開口し、車両の走行中の車輪の回転に伴い
回転方向へ流れる外気をキャリパ1内へ導入する外気導
入口4と、外気導入口5から導入された外気をキャリパ
外へ排出する外気排出口6と、外気導入口4と外気排出
口5とを連通し、外気を流通させる外気流路6と、を具
え、外気流路6にその一部の断面積を小さくする絞り部
6aを設けた構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディスクブレーキ
に用いられるキャリパに関し、特には、制動により発熱
したキャリパを冷却する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車等の車両のディスクブレーキで
は、そのディスクブレーキに用いられるキャリパを冷却
する構造として、例えば、特開平8−86325号公報
に示すものがある。この文献では、自動車の走行に伴い
走行方向へ流れる外気を取り込み、その外気を、ディス
クロータやキャリパを収容する収容空間内に導入し、そ
の導入された外気でキャリパやディスクロータを冷却す
るものが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術の冷却構造では、タイヤホイールの穴を塞ぐ回転
収容部材や、その回転収容部材とともにディスクロータ
及びキャリパを収容する固定収容部材や、走行方向へ流
れる外気を取り込んで収容空間内に外気を導入するため
のエア導入口等を設けなければならない。それゆえ、大
掛かりな構成となり、重量や製造コストが増大すること
に加えて、部品レイアウトの設計自由度にも制限がかか
ることが懸念される。
【0004】そこで、本発明は、簡易な構成によりキャ
リパを効果的に冷却でき、かつ、キャリパの車両への取
付け位置の制約を抑制させることにより設計自由度を向
上できるディスクブレーキ用キャリパを提供することを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的のため、本発明
は、車両の車輪と共に回転するブレーキディスクの、イ
ンナ側とアウタ側とに配置する脚部と、前記ディスクの
外周部を跨いで前記インナ側及び前記アウタ側の脚部を
結合するブリッジ部とを有する本体が、取付部材を介し
て前記車両に支持されるディスクブレーキ用キャリパに
適用するものである。そして本発明のディスクブレーキ
用キャリパは、以下の点を特徴とするものである。即
ち、前記車輪の回転方向へ開口し、前記車両の走行中の
前記車輪の回転に伴い前記回転方向へ流れる外気を前記
キャリパ内へ導入する外気導入口と、前記外気導入口か
ら導入された外気を前記キャリパ外へ排出する外気排出
口と、前記外気導入口と前記外気排出口とを連通し、前
記外気を流通させる外気流路と、を具え、前記外気流路
にその一部の断面積を小さくする絞り部を設けている。
【0006】
【発明の効果】本発明のディスクブレーキ用キャリパに
あっては、外気導入口が、車輪の回転方向に開口して車
両の走行中の車輪の回転に伴いその回転方向へ流れる外
気をキャリパ内に導入し、外気排出口が、キャリパ内に
導入した外気を排出する。また、外気流路が、外気導入
口と外気排出口とを連通しそれらの間で外気を流通させ
るとともに、その流路に設けられた絞り部で外気流路の
断面積が小さくされて、外気流路内を通過する外気が絞
られる。
【0007】ところで、車両の走行中においては車輪の
回転に伴い外気がその車輪のリムに引きずられる等によ
り、キャリパの配置される車輪の内側の外周部付近で
は、車輪の回転に伴いその回転方向に外気が流れる。な
お、本願発明者の研究過程においてベンチレーテッド型
ディスクロータを具えるものについて車両走行中のタイ
ヤホイール内部の外気の流れを調べてみたところ、車輪
の回転方向に流れる外気が存在しその外気がディスクブ
レーキのキャリパの表面にも流れていることが確認でき
た。
【0008】即ち、車両の走行により、車輪が回転する
と、車輪周辺の外気がディスクロータの中心付近から吸
い込まれてそのロータの外周部から排出される。さら
に、排出された外気は、ディスクロータ及び車輪の回転
に伴いその回転方向へ流れてキャリパの表面(脚部表
面)や背面(ブリッジ部表面)を通過して車輪の後方下
部から車輪の外へ排出される。また排出される外気の量
は、車輪のディッシュ面に比べてキャリパの配置される
外周側開放部の方が多くなる。一方、車輪のディッシュ
面を塞いだ場合には、車輪内の風の流れはほとんど変化
しないものの流速は低下するが、蓋の外周部付近に穴を
設けることにより、流速もディッシュ面を塞がない場合
とほぼ同様になることも確認できた。
【0009】従って、上述したように車両の走行中の車
輪の回転に伴いディスクブレーキ用キャリパの表面を車
輪の回転方向に流れる外気が存在するところ、本発明の
ディスクブレーキ用キャリパによれば、外気導入口が、
車両走行時の車輪の回転に伴いその回転方向へ流れる外
気をキャリパ内に導入する。そして、キャリパ内に導入
された外気が外気流路の絞り部で絞られて流速が早くな
り外気排出口から排出される。これにより、キャリパ内
の温度を効果的に低下させることができる。しかも、キ
ャリパが、外気導入口、外気排出口、外気流路を具える
ことから、大掛かりな構成とならずに重量やコストの増
大を抑制できるとともに、部品レイアウトの設計自由度
が制限されるのを抑制することができる。さらに、サス
ペンション等の周辺部品との関係で車体へのキャリパの
取付け位置も制限されることがないので、設計自由度を
より向上させることができる。
【0010】また、本発明のディスクブレーキ用キャリ
パは、前記外気導入口と、前記外気排出口と、前記外気
流路と、前記絞り部とを、前記本体とその本体に取付け
るカバー部材とにより構成しても良い。
【0011】かかる構成によれば、カバー部材を本体に
取付けることで、ディスクブレーキ用キャリパに、外気
導入口と、外気排出口と、外気流路とを設けることがで
きる。それゆえ、キャリパの本体は通常使われるものを
流用でき、その本体にカバー部材を取付けるためのボル
ト穴を追加するなどの簡易な加工により、小改造で前述
の作用及び効果を奏することができるディスクブレーキ
用キャリパを実現することができる。従って、ベースと
なる本体を共用化させることができて、キャリパの本体
の種類の増加によるコストの増加をも防ぐことができ
る。なお、表面に図形や文字などを造形したカバー部材
を本体に取り付けることも簡易にでき、これにより車輪
周辺の美的外観の向上が図れる。さらにカバー部材を耐
熱樹脂材料で製造することで、カバー部材の造形自由度
をより向上させることもできる。
【0012】そして、本発明のブレーキディスク用キャ
リパでは、前記外気導入口と、前記外気排出口と、前記
外気流路と、前記絞り部とを、前記本体により構成して
も良い。このようにすれば、カバー部材を用いることな
く、より簡易な構成とすることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき詳細に説明する。図1は、本発明のディスクブ
レーキ用キャリパの第1の実施の形態となる、カバー部
材を取り付けた状態で示すディスクブレーキ用キャリパ
の正面図である。また図2は、図1のディスクブレーキ
用キャリパを一部断面にて示す側面図である。なお、図
中符号1は、自動車のディスクブレーキ用キャリパ、2
は本体、3はカバー部材、4は外気導入口、5は外気排
出口、6は外気流路、7は連結部、8は腕部、9はイン
ナ側脚部、10はアウタ側脚部、11はブリッジ部、1
2は取付部材(トルクメンバ)、13はインナ側ブレー
キパッド、14はアウタ側ブレーキパッド、15、1
6、17は爪部である。
【0014】図1及び図2に示す本実施の形態のディス
クブレーキ用キャリパ1は、フローティング式キャリパ
であって、インナ側脚部9、アウタ側脚部10及びブリ
ッジ部11を有する本体(シリンダボディ)2が取付部
材12を介して図示しない自動車の非回転部材に支持さ
れて、タイヤホイールの内側の外周部に配置される。こ
こでのインナ側脚部9は、自動車の車輪と共に回転する
ブレーキディスクD(図1中仮想線で示す。)のインナ
側に配置される。また、アウタ側脚部10は、ディスク
Dのアウタ側に配置される。そして、ブリッジ部11
が、ディスクDの外周部を跨いでインナ側脚部9とアウ
タ側脚部10とを結合する。
【0015】なお、上記取付部材12は一対の腕部8,
8と連結部7とで一体的に形成された部材であって、一
対の腕部8,8が、ディスクDの周方向に離間するとと
もにディスクDの外周部を跨ぐように形成され、連結部
7が各腕部8の端部を連結しこの連結部7がボルト等の
締結部材により自動車の非回転部分に取付けられる。そ
して、キャリパ1がディスクDの軸方向に摺動自在とな
るように、摺動ピン等を用いてそのキャリパ1を取付部
材12に支持する。
【0016】さらに、インナ側脚部9の内部には、イン
ナ側ブレーキパッド13に対して進退可能なピストンを
具えるシリンダ(図示せず)が設けられている。一方、
アウタ側脚部10にはディスクDの回転方向に所定の間
隔で、基部をブリッジ部11に一体的に形成された三つ
の爪部15,16,17が配設されている。また、ディ
スクDのインナ側ブレーキパッド13及びアウタ側ブレ
ーキパッド14では、ディスクDの回転方向に延在する
扇形の裏金13a,14aが設けられるとともに、それ
ら裏金13a,14aの表面側にはブレーキ操作時にデ
ィスクDと摩擦接触するライニング13b,14bが設
けられる。
【0017】上記構成のキャリパによれば、上記シリン
ダが外部からのブレーキ液圧の供給によりピストンをイ
ンナ側ブレーキパッド13へ進出させると、そのインナ
側ブレーキパッド13でディスクDがインナ側から押圧
される。一方、そのディスクDからの反力でインナ側脚
部9がインナ方向の力を受けてその力がブリッジ部11
を介してアウタ側脚部10へ伝達されて三つの爪部1
5,16,17でアウタ側ブレーキパッド14が押圧さ
れてそのアウタ側ブレーキパッド14でディスクDがア
ウタ側からも押圧される。このようにして、ディスクブ
レーキの制動を行なうことができる。
【0018】さらに、本実施の形態のディスクブレーキ
用キャリパ1は、外気導入口4と、外気排出口5と外気
流路6とを具える。ここでの外気導入口4は、自動車の
走行中の車輪の回転方向に開口して設けられ、その車輪
の回転に伴いその回転方向へ流れる外気(車外の空気)
をキャリパ1内に導入する用をなし、外気排出口5は、
外気導入口4から導入された外気をキャリパ1外へ排出
する用をなす。また、外気流路6は、外気導入口4と外
気排出口5とを連通し外気を流通する用をなす。そし
て、本実施の形態においては、外気導入口4と、外気排
出口5と、外気流路6と、その外気流路の有する絞り部
6aを設けるために、キャリパ1の本体2とその本体2
に取付けるカバー部材3とを以下のような構成とする。
【0019】即ち、本実施の形態では、カバー部材3が
キャリパ1の本体2のアウタ側脚部10に取り付けられ
る。ここでのカバー部材3は、耐熱樹脂材料で形成さ
れ、その形状は、図1,図3に示すように、アウタ側脚
部10の形状に合わせるように略長方形にするととも
に、その表面には文字や図形等が造形される(図1参
照)。この一方、キャリパ1の本体2と対向する裏面に
は、中央部の断面積が小さくされたベンチュリ溝3a
(図3参照)が形成される。また、キャリパ1の本体2
にも、図4に示すように、アウタ側脚部10の表面に、
中央部付近の断面積が小さくされたベンチュリ溝10a
が形成される。
【0020】さらにアウタ側脚部10とカバー部材3と
には、図3及び図4に示すように、カバー部材3を本体
2に取り付けるための取付穴(ボルト穴)3b,10b
が設けられる。そして、ボルト等の締結部材で、カバー
部材3のベンチュリ溝3aの両端の開口がディスクDの
回転方向に向くようにしてキャリパ1の本体2に取付け
る。
【0021】このようにして、本体2に設けられたベン
チュリ溝10aと、カバー部材3に設けたベンチュリ溝
3aとで、外気導入口4と、外気排出口5と、外気流路
6と、その外気流路6の周方向中央部付近に断面積を部
分的に小さくする絞り部6aとが画成されて、前述の図
1に示す本実施の形態のキャリパ1の構成となる。
【0022】なお、本実施の形態においては、キャリパ
1のカバー部材3以外の構成については、従来の一般的
な構成のものを用いることができる。また、キャリパ1
は、車輪内側の外周付近に位置するように車体に支持す
れば良く、キャリパ1の配置例としては、ディスクD
の、中心軸に対して上側、前方側、又は後方側などであ
る。また、本体2に設けられたベンチュリ溝10aは必
ずしも必要でない。
【0023】図5は、本実施の形態のキャリパ1を自動
車に取付けたディスクブレーキについて、制動によりキ
ャリパが発熱した状態(ブレーッキパッドの表面温度が
一定の温度に達した状態)から一定速度で自動車が走行
した時の走行時間に対するキャリパの所定の場所の温度
変化を、従来一般的に用いられているノーマルキャリパ
及び本実施の形態の構成との比較のために構成した通風
ダクト付きキャリパにおける温度変化と比較して示す関
係線図である。ここでのノーマルキャリパは、図示しな
いが従来の一般的な構成のキャリパを用いている。ま
た、通風ダクト付きキャリパは、本実施の形態のキャリ
パ1において外気流路(ダクト)に絞り部を設けないで
その外気流路が一定の断面積を有するように構成したも
のを用いている。
【0024】上記図5について詳述すると、制動により
ブレーキパッドの温度が所定温度になってから所定の一
定速度で走行した際の、爪部16の爪先のa部(図1及
び図2参照)とアウタ側ブレーキパッド14に設けた裏
金14bのb部(図1及び図2参照)との温度及びブレ
ーキパッドの表面温度の変化をキャリパの種類別に測定
した結果を示している。なお、図5中、本実施の形態の
キャリパ1については実線で、ノーマルキャリパについ
ては一点鎖線で、通風ダクト付きキャリパについては二
点鎖線でそれぞれ示す。
【0025】これによると、本実施の形態のキャリパ1
は、ノーマルキャリパ及び通風ダクト付きキャリパのい
ずれに対しても、走行中のa部(爪先)及びb部(裏
金)の温度が低くなっていることが分かる。なお、ノー
マルキャリパに対して通風ダクト付きキャリパの値が高
くなっているが、これは、測定誤差やキャリパ内に熱が
こもった等の逆作用原因によるものと推測される。
【0026】従って、本実施の形態のキャリパ1では、
外気流路6の絞り部6aによる効果、即ち、自動車の走
行中にキャリパ1内を通過する外気が外気流路6に設け
られた絞り部6aにより流速が早くなり、キャリパ1が
効果的に冷却されていることが認められる。
【0027】上述のように、自動車の走行中の車輪の回
転に伴いディスクブレーキ用キャリパの表面を、図1中
矢印Aで示すように車輪の回転方向に流れる外気が存在
するところ、本実施の形態のディスクブレーキ用キャリ
パ1によれば、外気導入口4が、自動車走行時の車輪の
回転に伴いその回転方向へ流れる外気をキャリパ1内に
導入する。そして、キャリパ1内に導入された外気が外
気流路6の絞り部6aで絞られて流速が早くなり外気排
出口5から排出される。これにより、キャリパ1内の温
度を効果的に低下させることができる。
【0028】しかも、キャリパ1が、外気導入口4、外
気排出口5、外気流路6を具えることから、大掛かりな
構成とならずに重量やコストの増大を抑制できるととも
に、部品レイアウトの設計自由度が制限されるのを抑制
することができる。さらに、車体へのキャリパ1の取付
け位置も制限されることがないので、設計自由度をより
向上させることができる。
【0029】さらに、本実施の形態のディスクブレーキ
用キャリパ1にあっては、外気導入口4と、外気排出口
5と、外気流路6と、絞り部6aとを、本体2とその本
体2に取付けるカバー部材3とにより構成している。
【0030】かかる構成によれば、カバー部材3を本体
2に取付けることで、ディスクブレーキ用キャリパ1
に、外気導入口4と、外気排出口5と、外気流路6と、
外気流路の絞り部6aとを設けることができる。それゆ
え、キャリパ1の本体2は通常使われるものを流用で
き、その本体2にカバー部材3を取付けるためのボルト
穴を追加するなどの簡易な加工により、小改造で上述の
作用及び効果を奏することができるディスクブレーキ用
キャリパを実現することができる。
【0031】従って、ベースとなる本体2を共用化させ
ることができて、キャリパ1の本体2の種類の増加によ
るコストの増加をも防ぐことができる。なお、本実施の
形態においては、カバー部材3を耐熱樹脂材料で製造し
ているから、図1に示すように、図形や文字などをカバ
ー部材3の表面に造形してそれをキャリパ1に取り付け
ることを簡易に行うことができる。これにより、車輪周
辺の美的外観の向上が図れるとともに、耐熱樹脂材料で
の製造により、カバー部材3の造形自由度をより向上さ
せることができる。
【0032】なお、図6及び図7は、本実施の形態のデ
ィスクブレーキ用キャリパの変形例を示す正面図及び一
部を断面にて示す側面図である。この変形例では、キャ
リパ1の本体2のアウタ側脚部10にはベンチュリ溝を
設けずに構成する。一方、カバー部材3の裏面には、ベ
ンチュリ溝を設ける代わりに、その表面に突出させてベ
ンチュリ形状の凹部を形成する。そして、そのカバー部
材3を、溝の両端の開口がディスクDの回転方向に向く
ようにして本体2のアウタ側脚部10に取付ける。これ
により、キャリパ1に、外気導入口4と外気排出口5と
外気流路6とが設けられるとともに、その外気流路6に
絞り部6aが形成される。
【0033】さらに、本実施の形態では、カバー部材3
に設けられる外気流路6を、その中心線がキャリパ1の
幅方向に平行な直線上にのるように構成したが、外気流
路6の構成はこれに限られず、例えば、ディスクDの回
転中心を中心とする円弧上に外気流路の中心線がのるよ
うに外気流路を構成しても良い。
【0034】そして、上記本実施の形態のブレーキディ
スク用キャリパ1では、外気導入口4と、外気排出口5
と、外気流路6と、絞り部6aとを、本体2とカバー部
材3とにより構成しているが、カバー部材3を用いず
に、本体2のみで外気導入口4と、外気排出口5と、外
気流路6と、絞り部6aとを一体構成しても良い。この
ように構成することで、カバー部材を用いることなく、
ブレーキディスク用キャリパをより簡易な構成のものと
することができる。
【0035】また、図8は、本発明のディスクブレーキ
用キャリパの第2の実施の形態となる、カバー部材を取
り付けた状態で示すディスクブレーキ用キャリパの正面
図である。また図9は、図1のディスクブレーキ用キャ
リパを一部断面にて示す側面図である。本実施の形態に
おけるキャリパ21は、先の第1の実施の形態のディス
クブレーキ用キャリパ1における本体2と同様の構成の
本体22が取付部材23を介して図示しない自動車の非
回転部材に支持される。なお、図中、24はブリッジ
部、25はカバー部材、26は外気導入口、27は外気
排出口、28は外気流路、28aは絞り部である。
【0036】ここでのディスクブレーキ用キャリパ21
は、本体22のブリッジ部24の背面にカバー部材25
を取り付けた構成としている。本実施の形態におけるカ
バー部材25は、ブリッジ部24を覆うようにそのブリ
ッジ部24と対向する裏面を湾曲させるとともに、その
裏面に、ベンチュリ形状の溝25aを、ディスクDの周
方向に延在するように形成する。ここでの溝25aは、
キャリパ21の厚さ方向(キャリパ21がディスクDを
跨ぐ方向)に関して、溝25aの中央部付近の断面積が
最も小さくなるように形成する。また、本体22のブリ
ッジ部24及びカバー部材25に、カバー部材25を本
体22に取り付けるための図示しない取付穴(ボルト
穴)を形成し、ボルト等の締結部材でカバー部材25
を、溝の両端の開口部がディスクDの回転方向に向くよ
うにして本体22のブリッジ部24に取付ける。なお、
上記溝25aは、カバー部材25の厚さ方向に関して、
溝25aの中央部付近の断面積が最も小さくなるように
形成しても良い。
【0037】ところで、先に述べたように、本願発明者
の実験により、タイヤホイール内部では、車輪(ディス
クD)の回転方向に流れる外気が存在しその外気がディ
スクブレーキのキャリパの表面にも流れていることを確
認できたが、キャリパの本体を構成するブリッジ部の背
面にも図8中矢印Bに示すように車輪の回転方向に外気
が流れていることが認められた。従って、本実施の形態
のディスクブレーキ用キャリパ21にあっては、そのキ
ャリパ21に取り付けたカバー部材25の外気導入口2
6が、図示しない車輪の回転方向に開口して自動車の走
行中の車輪の回転に伴いその回転方向へ流れる外気をキ
ャリパ21内に導入し、外気排出口27が、キャリパ2
1内に導入した外気を排出する。また、外気流路28
が、外気導入口26と外気排出口27とを連通しそれら
の間で外気を流通させるとともに、その流路に設けられ
た絞り部28aで外気流路の断面積が小さくされて、外
気流路内を通過する外気が絞られる。
【0038】従って、上記構成の本実施の形態のディス
クブレーキ用キャリパ21によれば、先の第1の実施の
形態と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0039】また、本発明の第3の実施の形態は、図示
しないが、図1及び図2に示した先の第1の実施の形態
のカバー部材3と同様の構成のカバー部材を、キャリパ
の本体のアウタ側脚部に取り付けるとともに、図8及び
図9に示した先の第2の実施の形態のカバー部材24と
同様の構成のカバー部材を、キャリパの本体のブリッジ
部の背面に取り付けてディスクブレーキ用キャリパを構
成する。なお、キャリパの本体は、先の第1及び第2の
実施の形態と同様の構成を有するものを用いている。
【0040】本実施の形態のディスクブレーキ用キャリ
パにあっては、キャリパの本体の、アウタ側脚部とブリ
ッジ部とに、外気導入口と、外気排出口と、外気流路
と、その外気流路の絞り部とが設けられた構成となる。
従って、かかる構成の本実施の形態のディスクブレーキ
用キャリパによれば、自動車の走行中の車輪の回転に伴
いその回転方向へ流れる外気を効率よく取り入れること
ができ、キャリパを二方向から効率良く冷却することが
できるので、キャリパの冷却性能をより向上させること
ができる。
【0041】なお、本実施の形態では、アウタ側脚部に
取り付けるカバー部材とブリッジ部に取り付けるカバー
部材とを別体として構成したが、これらのカバー部材を
一体的に形成したカバー部材を本体に取り付けた構成と
することもできる。また、第1の実施の形態と同様にカ
バー部材を耐熱樹脂材料で製造しても良い。
【0042】以上、図示例に基づき説明したが、本発明
のディスクブレーキ用キャリパは、上記実施の形態に示
す構成に限定されるものではない。例えば、上記実施の
形態では、フローティング式キャリパに本発明の技術的
思想を適用したが、キャリパの種類はこれに限られず、
例えば対向ピストン式キャリパに適用することもでき
る。
【0043】また、上記第1の実施の形態において、外
気導入口4と、外気排出口5と、外気流路6と、絞り部
6aとを、本体2とその本体2に取付けるカバー部材3
とにより画成する構成は、上記構成に限定されるもので
はなく、他の構成にすることもできる。従って、例え
ば、キャリパの本体に、ディスクDに周方向溝を形成し
て、その溝を板状のカバー部材で覆う構成にすることも
できる。また、キャリパに取り付けるカバー部材の大き
さや形状も、上記実施の形態の構成に限定されるもので
はなく適宜変更できることはもちろんである。また、第
1の実施の形態と第2の実施の形態とを同時に組合せて
構成してもよいし、第1の実施の形態と第2の実施の形
態との間の位置となるキャリパの角に構成してもよく、
キャリパ本体の表面の、走行中の車輪の回転に伴いその
回転方向へ流れる外気を取り入れることができる所であ
ればどこに構成されても構わない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のディスクブレーキ用キャリパの第1
の実施の形態となる、カバー部材を取り付けた状態で示
すディスクブレーキ用キャリパの正面図である。
【図2】 図1のディスクブレーキ用キャリパを一部断
面にて示す側面図である。
【図3】 上記第1の実施の形態のディスクブレーキ用
キャリパを構成するカバー部材を裏側から見て示す平面
図である。
【図4】 上記第1の実施の形態のディスクブレーキ用
キャリパを構成する本体を表側から見て示す平面図であ
る。
【図5】 第1の実施の形態のディスクブレーキ用キャ
リパの効果を、他の構成のディスクブレーキ用キャリパ
と比較して示す説明図である。
【図6】 第1の実施の形態のディスクブレーキ用キャ
リパの変形例である、カバー部材を取り付けた状態で示
すディスクブレーキ用キャリパの正面図である。
【図7】 図6のディスクブレーキ用キャリパを一部断
面にて示す側面図である。
【図8】 本発明のディスクブレーキ用キャリパの第2
の実施の形態となる、カバー部材を取り付けた状態で示
すディスクブレーキ用キャリパの正面図である。
【図9】 図8のディスクブレーキ用キャリパを一部断
面にて示す側面図である。
【符号の説明】
1,21 自動車のディスクブレーキ用キャリパ 2,22 キャリパの本体 3,25 カバー部材 4,26 外気導入口 5,27 外気排出口 6,28 外気流路 7 連結部 8 腕部 9 インナ側脚部 10 アウタ側脚部 11,24 ブリッジ部 12,23 取付部材 13 インナ側ブレーキパッド 14 アウタ側ブレーキパッド 15,16,17 爪部 D ブレーキディスク

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の車輪と共に回転するブレーキディ
    スクの、インナ側とアウタ側とに配置する脚部と、前記
    ディスクの外周部を跨いで前記インナ側及び前記アウタ
    側の脚部を結合するブリッジ部とを有する本体が、取付
    部材を介して前記車両に支持されるディスクブレーキ用
    キャリパにおいて、 前記車輪の回転方向へ開口し、前記車両の走行中の前記
    車輪の回転に伴い前記回転方向へ流れる外気を前記キャ
    リパ内へ導入する外気導入口と、 前記外気導入口から導入された外気を前記キャリパ外へ
    排出する外気排出口と、 前記外気導入口と前記外気排出口とを連通し、前記外気
    を流通させる外気流路と、を具え、 前記外気流路にその一部の断面積を小さくする絞り部を
    設けたことを特徴とするディスクブレーキ用キャリパ。
  2. 【請求項2】 前記外気導入口と、前記外気排出口と、
    前記外気流路と、前記絞り部とを、前記本体とその本体
    に取付けるカバー部材とにより画成することを特徴とす
    る請求項1に記載のディスクブレーキ用キャリパ。
  3. 【請求項3】 前記外気導入口と、前記外気排出口と、
    前記外気流路と、前記絞り部とを、前記本体により構成
    することを特徴とする、請求項1に記載のディスクブレ
    ーキ用キャリパ。
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