JP2003336173A - 撥水撥油性ポリオレフィン繊維の製造方法 - Google Patents
撥水撥油性ポリオレフィン繊維の製造方法Info
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Abstract
維を製造することのできる方法を提供する。 【解決手段】 ポリオレフィン繊維を、溶解性パラメー
ター(SP)が7.5〜13.0である水性樹脂エマル
ジョンで処理し、次いでフッ素系撥水撥油剤で処理する
ことを含む撥水撥油性ポリオレフィン繊維の製造方法。
Description
び撥油性が付与されたポリオレフィン繊維の製造方法に
関する。
めに、フルオロアルキル基を含有する(メタ)アクリレ
ートの如き化合物の重合体を水に分散させたフッ素系撥
水撥油剤を用いることが知られている。このようなフッ
素系撥水撥油剤により合成繊維に撥水性や撥油性を付与
する場合、ポリエステル、ナイロンなどの合成繊維では
撥水性や撥油性が比較的容易に得られるが、ポリオレフ
ィン繊維の場合には撥水性および、特に撥油性を得るこ
とが難しい。これは、ポリオレフィン繊維の表面特性が
比較的疎水性であるためと考えられている。
リオレフィン繊維に撥水撥油性を付与する場合に、フッ
素系撥水撥油剤に架橋剤を併用した処理浴でポリオレフ
ィン繊維を処理した後、熱処理を行う方法が開示されて
いるが、その効果はまだ不十分であり、特に撥油性が得
られ難いものであった。
リオレフィン繊維に対してフッ素系撥水撥油剤の性能を
効果的に発揮させる方法であって、優れた撥水撥油性を
有するポリオレフィン繊維を製造することのできる方法
を提供することを目的とする。
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ポリオレフィ
ン繊維を特定の溶解性パラメーター(SP)を有する水
性樹脂エマルジョンで前処理した後に、フッ素系撥水撥
油剤で処理することにより、優れた撥水撥油性を有する
ポリオレフィン繊維が得られることを見出し、この知見
に基づき本発明を完成させる至ったものである。
に、溶解性パラメーター(SP)が7.5〜13.0で
ある水性樹脂エマルジョンで処理し、次いでフッ素系撥
水撥油剤で処理することを含む撥水撥油性ポリオレフィ
ン繊維の製造方法を提供する。
(SP)が7.5〜13.0である水性樹脂エマルジョ
ンでポリオレフィン繊維を処理した後、次いでフッ素系
撥水撥油剤で処理することを含む撥水撥油性のポリオレ
フィン繊維の製造方法である。ここで、溶解性パラメー
ター(SP)は、沖津法(日本接着学会誌Vol.2
9、No.5(1993年))によって算出されるパラ
メーターであり、化合物の各原子団のモル引力定数を積
算し、モル容積で除して求められるものである。
ルジョンとしては、溶解性パラメーター(SP)が7.
5〜13.0である水性樹脂エマルジョンであれば特に
制限は無いが、なかでも水性ポリウレタンエマルジョ
ン、水性ポリイソシアネートエマルジョンおよび水性ポ
リアクリルエマルジョンが好ましい。
有機ポリイソシアネート化合物、高分子ポリオール化合
物、アニオン性親水基と2個以上の活性水素を有する化
合物および場合により用いられる鎖伸長剤を反応させて
得られるイソシアネート基末端プレポリマーの中和物
に、水溶性ポリアミン、ヒドラジンおよびそれらの誘導
体から選ばれる1種以上の鎖伸長剤を加え、水中で鎖伸
長して得られる共重合物が好ましい。
成する際に用いられる有機ポリイソシアネート化合物と
しては、特に制限はないが、溶解性パラメーター(S
P)が7.5〜13.0であるものが好ましく、例え
ば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキ
サメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネ
ート化合物、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘ
キシルメタンジイソシアネート、ビス(イソシアナート
メチル)ノルボルナンなどの脂環式ジイソシアネート、
トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネー
ト、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジ
イソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート等を挙げ
ることができ、これらの有機ポリイソシアネート化合物
をそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて用いる
ことができる。
ルジョンを合成する際に用いられる高分子ポリオール化
合物としては、特に制限はないが、溶解性パラメーター
(SP)が7.5〜13.0であるものが好ましく、こ
のような溶解性パラメーター(SP)を有するポリエス
テルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエ
ーテルポリオールを好適に用いることができる。
ば、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペー
ト、ポリエチレンブチレンアジペート、ポリヘキサメチ
レンイソフタレートアジペート、ポリヘキサメチレンテ
レフタレートアジペート、ポリエチレンサクシネート、
ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンセバケート、
ポリブチレンセバケート、ポリ−ε−カプロラクトン、
ポリ(3−メチル−1,5−ペンチレンアジペート)、
1,6−ヘキサンジオールとダイマー酸の重縮合物等を
挙げることができる。
えば、ポリテトラメチレンカーボネートジオール、ポリ
ヘキサメチレンカーボネートジオールなどを挙げること
ができる。
ば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリテトラメチレングリコールの単独重合体、及び
これらのブロック共重合体、ランダム共重合体などを挙
げることができる。
テルポリオールを組み合わせた、ポリエーテルエステル
ポリオールを用いることもできる。これらの高分子ポリ
オール化合物は、それぞれ単独で用いてもよく、または
2種以上を組み合わせて用いてもよい。
際に用いられるアニオン性親水基と2個以上の活性水素
を有する化合物としては、例えば、2,2−ジメチロー
ルプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸などを
挙げることができる。これらの化合物は、それぞれ単独
で用いてもよく、または2種以上を組み合わせて用いて
もよい。
個以上の活性水素を有する化合物のアニオン性親水基
は、イソシアネート基末端プレポリマーを合成する前ま
たは合成の後に、トリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、トリ−n−プロピルアミン、トリブチルアミン、N
−メチルジエタノールアミン、N,N−ジメチルモノエ
タノールアミン、トリエタノールアミンなどのアミン
類、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アンモニアな
どにより中和されるのがよい。
ョンの具体例としては、アイオノマー型アクリルポリオ
ール系ポリウレタンエマルジョンであるネオステッカー
700(日華化学(株)製)、アクリルポリオール系ポ
リウレタンエマルジョンであるネオステッカー400
(日華化学(株)製)、ポリマーラルポリオール系ポリ
ウレタンエマルジョンであるエバファノールHA−10
およびエバファノールHA−14(日華化学(株)製)
などが挙げられる。
マルジョンは、イオン性界面活性剤および/またはノニ
オン性親水基含有化合物を含有する水分散型で、ポリイ
ソシアネート分子内にビュレット、イソシアヌレート、
ウレタン、ウレトジオン、アロファネートなどの構造を
有するものであるのが好ましい。かかるポリイソシアネ
ート分子を構成する化合物としては、脂肪族および脂環
族ジイソシアネートがあり、例えば、テトラメチレンジ
イソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘ
キサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチ
レンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソ
ホロンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネー
ト、1,4−ジイソシアネートシクロヘキサンなどが挙
げられる。
マルジョンの具体例としては、ヌレート型ポリイソシア
ネートエマルジョンであるバイヒジュール3100(住
化バイエルウレタン(株)製)、NKアシストIS−8
0D(日華化学(株)製)、アダクト型ポリイソシアネ
ートエマルジョンであるデュラネートWB−40−80
D(旭化成工業(株)製)などが挙げられる。
は、アルキル基の炭素数が1〜12であるメタクリル酸
アルキルエステルおよび/またはアルキル基の炭素数が
1〜8であるアクリル酸アルキルエステルを含有するア
クリル樹脂の水性エマルジョンであるのが好ましい。こ
れらのメタクリル酸アルキルエステルおよびアクリル酸
アルキルエステルのアルキル基は、ヒドロキシル基を有
するアルキル基であってもよい。
クリル酸アルキルエステルとしては、例えば、メチルメ
タクリレート、エチルメタクリレート、2−ヒドロキシ
エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、
n−プロピルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピル
メタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチ
ルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレー
ト、t−ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタク
リレートなどを挙げることができる。
アクリル酸エステルとしては、例えば、エチルアクリレ
ート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、イソプロピ
ルアクリレート、n−プロピルアクリレート、2−ヒド
ロキシプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレー
ト、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレー
ト、2−ヒドロキシブチルアクリレート、n−アミルア
クリレート、イソアミルアクリレート、n−ヘキシルア
クリレート、6−ヒドロキシヘキシルアクリレート、2
−エチルブチルアクリレート、シクロペンチルアクリレ
ート、シクロヘキシルアクリレート、n−オクチルアク
リレート、2−エチルヘキシルアクリレートなどを挙げ
ることができる。
の具体例としては、アクロナールシリーズ(BASFデ
ィスパージョン社製)、ニッポールシリーズ(日本ゼオ
ン(株)製)などが挙げられる。
撥油剤は、フルオロアルキル基を有する(メタ)アクリ
レートと、フルオロアルキル基を有する(メタ)アクリ
レートと共重合可能なフッ素を含まない単量体とを、水
性液中で乳化重合して得られる共重合体組成物を含有す
る撥水撥油剤であるのが好ましい。ここで、フルオロア
ルキル基を有する(メタ)アクリレートとは、フルオロ
アルキル基を有するアクリレートまたはフルオロアルキ
ル基を有するメタクリレートを意味する。本発明に有用
なかかるフッ素系撥水撥油剤の具体例としては、NKガ
ードNDN−FA、NKガードNDN−7E、NKガー
ドNDN−23E、NKガードNDN−2000(いず
れも日華化学(株)製)等が挙げられる。
リレートとしては、特に制限はないが、フルオロアルキ
ル基の炭素数が3〜21のものが好ましく、特に6〜1
8のものが好ましい。好ましく用いられるフルオロアル
キル基を有する(メタ)アクリレートとしては、例え
ば、次のような化合物が挙げられる。
(CH3 )=CH2 2. CF3 (CF2 )7 (CH2 )2 OCOC(CH
3 )=CH2 3. CF3 (CF2 )7 (CH2 )2 OCOCH=C
H2 4. (CF3 )2 CF(CF2 )4 (CH2 )2 OC
OCH=CH2 5. CF3 (CF2 )7 SO2 N(C3 H7 )(CH
2 )2 OCOCH=CH2 6. CF3 (CF2 )7 (CH2 )4 OCOCH=C
H2 7. CF3 (CF2 )7 SO2 N(CH3 )(CH
2 )2 OCOC(CH3)=CH2 8. CF3 (CF2 )7 SO2 N(C2 H5 )(CH
2 )2 OCOCH=CH2 9. CF3 (CF2 )7 CONH(CH2 )2 OCO
CH=CH2 10. (CF3 )2 CF(CF2 )6 (CH2 )3 O
COCH=CH2 11. (CF3 )2 CF(CF2 )8 CH2 CH(O
COCH3 )CH2 OCOC(CH3 )=CH2 12. (CF3 )2 CF(CF2 )8 CH2 CH(O
H)CH2 OCOCH=CH2 13. CF3 (CF2 )9 (CH2 )2 OCOCH=
CH2 14. CF3 (CF2 )9 (CH2 )2 OCOC(C
H3 )=CH2 15. CF3 (CF2 )9 CONH(CH2 )2 OC
OC(CH3 )=CH 2 16. (CF2 Cl)(CF3 )CF(CF2 )7 C
ONH(CH2 )2 OCOCH=CH2 17. H(CF2 )10CH2 OCOCH=CH2 18. CF2 Cl(CF2 )10CH2 OCOC(CH
3 )=CH2 19. CF3 (CF2 )5 (CH2 )2 O(CH2 )
2 OCOCH=CH2 20. (CF2 Cl)(CF3 )CF(CF2 )7 C
ONH(CH2 )2 OCOCH=CH2 21. CF3 CF2 CH2 CH(OH)CH2 O(C
H2 )2 OCOCH=CH2 これらのフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレ
ートは、それぞれ単独で用いられてもよく、または2種
以上を組み合わせて用いられてもよい。
アクリレートと共重合可能なフッ素を含まない単量体と
しては、特に制限はないが、例えば、ラウリルアクリレ
ート、ラウリルメタクリレート、ステアリルアクリレー
ト、ステアリルメタクリレート、グリシジルアクリレー
ト、グリシジルメタクリレート、アジリジニルアクリレ
ート、アジリジニルメタクリレート、2−ヒドロキシエ
チルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロ
キシプロピルメタクリレート、3−クロロ−2−ヒドロ
キシプロピルメタクリレート、ベンジルアクリレート、
ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレー
ト、シクロヘキシルメタクリレートなどのアクリル酸エ
ステルまたはメタクリル酸エステル、アクリルアミド、
メタクリルアミド、N−メチルロールアクリルアミド、
N−メチロールメタクリルアミド、ジアセトンアクリル
アミド、ジアセトンメタクリルアミド、メチロール化ジ
アセトンアクリルアミドなどのアクリルアミドまたはメ
タクリルアミド、その他マレイン酸アルキルエステル、
フタル酸アルキルエステル、アルキレンジオールアクリ
レート、アルキレンジオールジメタクリレート、塩化ビ
ニル、塩化ビニリデン、エチレン、酢酸ビニル、スチレ
ン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、ビニル
アルキルエーテル、ハロゲン化アルキルビニルエーテ
ル、ビニルアルキルケトン、無水マレイン酸、ブタジエ
ン、イソプレン、クロロプレンなどが挙げられる。
タ)アクリレートと共重合可能なフッ素を含まない単量
体は、それぞれ単独で用いられてもよく、または2種以
上を組み合わせて用いられてもよい。
における溶媒としては、通常、水性溶媒、特に水である
ことが好ましい。
含有される共重合体組成物において、共重合体中のフル
オロアルキル基を有する(メタ)アクリレートの割合
は、全単量体100重量部に対して少なくとも40重量
部以上であるのが好ましく、50〜80重量部であるの
がさらに好ましい。また、このフルオロアルキル基を有
する(メタ)アクリレートと共重合可能なフッ素を含ま
ない単量体の割合は、全単量体100重量部に対して6
0重量部以下であるのが好ましく、50〜20重量部で
あるのがさらに好ましい。
含有される共重合体組成物の製造において、乳化重合の
際に用いられる界面活性剤や重合開始剤には特に制限は
なく、従来より乳化重合で用いられている乳化剤として
の非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン
界面活性剤、両性界面活性剤等の界面活性剤のいずれを
も使用することができる。また、重合開始剤としては、
有機過酸化物、アゾ化合物、過硫酸塩などの重合開始剤
や、さらにはγ線のような電離性放射線などを用いるこ
とができる。
しては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの
繊維が挙げられ、またポリオレフィン繊維以外に他の繊
維を含んでいてもよく、そのような他の繊維の例として
はポリエステル、ナイロンなどの合成繊維、綿、麻など
の天然繊維、レーヨン、アセテートなどの半合成繊維と
の混合物が挙げられる。そして、その形態としては、繊
維状のものや、糸、織物、編物、不織布などが挙げら
れ、いずれの形態であってもよい。不織布の形態にも特
に制限はなく、例えば、スパンボンド不織布、メルトブ
ロー不織布およびそれらの不織布を複数枚積載してなる
積層不織布などが挙げられる。また、積層不織布を構成
する各不織布は、異なる材質からなるものであってもよ
いし、同じ材質からなるものであってもよい。
製造方法においては、例えば、上記フッ素系撥水撥油剤
でポリオレフィン繊維を処理するに先立ち、溶解性パラ
メーター(SP)が7.5〜13.0である上記水性樹
脂エマルジョンをポリオレフィン繊維にスプレー法、浸
漬法、塗布法などの従来公知の方法により、被処理物の
表面に付着させる。また、付着させた後には、用いられ
た繊維素材や繊維形態などに応じた条件により、熱処理
することが好ましい。その後、この前処理されたポリオ
レフィン繊維に上記フッ素系撥水撥油剤を、スプレー
法、浸漬法、塗布法などの従来公知の方法により、被処
理物の表面に付着させる。また、この場合も、付着させ
た後には、用いられた繊維素材や繊維形態などに応じた
条件により、熱処理することが好ましい。このとき用い
られる溶解性パラメーター(SP)が7.5〜13.0
である水性樹脂エマルジョンは、被処理物に対して、
0.1〜50重量%の量で付着されるのが好ましく、熱
処理は60〜130℃で0.5〜10分間行われるのが
好ましい。また、同様に、フッ素系撥水撥油剤も、被処
理物に対して、0.1〜50重量%の量で付着されるの
が好ましく、熱処理は60〜130℃で0.5〜10分
間行われるのが好ましい。
は、上記水性エマルジョンやフッ素系撥水撥油剤の所定
量を溶媒に溶解することに調製することができる。ここ
で、用いられる溶媒としては、特に制限はなく、通常水
が用いられるが、特に処理液中の各成分の分散性を向上
させ、さらにはポリオレフィン繊維への塗布等の処理が
容易となる点で、アセトン、メチルエチルケトンなどの
ケトン類、エチルアルコール、イソプロピルアルコール
などのアルコール類の適当量を処理浴に加えることが好
ましい。
が、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるもの
ではない。
以下のようにして評価した。
プレー試験)に準じて評価した。撥水性の格付け基準を
以下に示す。
浸透する状態を示すもの 1:表面全体に湿潤を示すもの 撥油性 AATCCテスト法118(1992)に準じて評価し
た。撥油性の評価は、以下の格付けに示された試験液を
試料布上に2箇所、数滴(径約5mm)置き、30秒後
の浸透状態により判定する。
付したものは、その格付けよりも僅かに良好なことを示
し、−印を付したものは、その格付けよりも僅かに劣る
ことを示す。
剤は、次の製造例に示す方法により製造されたものであ
る。
H=CH2 (n=6、8、10、12、14:平均8)
57.6g、ステアリルアクリレート17.8g、N−
メチロールアクリルアミド1.2g、純水162.9
g、トリプロピレングリコール33g、ポリオキシエチ
レン(10モル)ラウリルエーテル8.6gおよびステ
アリルトリメチルアンモニウムクロライド1.9gを入
れ、45℃で攪拌混合し、超音波をかけて乳化分散させ
た。得られた乳化物を1Lオートクレーブに仕込み、
2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)
二塩酸塩1gを添加し、密閉した後、塩化ビニル16g
を圧入し、60℃で6時間反応させて、有効成分が30
重量%であるフッ素系撥水撥油剤を得た。
H=CH2 (n=6、8、10、12、14:平均8)
85g、ステアリルアクリレート60g、グリシジルメ
タクリレート5g、純水240g、トリプロピレングリ
コール50g、ポリオキシエチレン(10モル)ラウリ
ルエーテル15gおよびステアリルトリメチルアンモニ
ウムクロライド6gを入れ、45℃で攪拌混合し、超音
波をかけて乳化分散させた。次いで、2,2’−アゾビ
ス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩1.5g
を添加し、50℃で4時間反応させて、有効成分が30
重量%であるフッ素系撥水撥油剤を得た。
KアシストIS−80D(水性ポリイソシアネートエマ
ルジョン、溶解性パラメーター(SP)9.2、日華化
学(株)製、有効成分80重量%)0.5重量%および
イソプロピルアルコール5重量%の水分散液に浸漬し、
マングルで絞った(ピックアップ120%)後、110
℃で1分間熱処理した。
1で得られたフッ素系撥水撥油剤4重量%およびイソプ
ロピルアルコール5重量%の水分散液に浸漬し、マング
ルで絞った(ピックアップ120%)後、110℃で1
分間熱処理して、撥水撥油性ポリオレフィン繊維布を得
た。
水性および撥油性を評価した結果を表1に示す。
オステッカー700(水性ポリウレタンエマルジョン、
溶解性パラメーター(SP)11.0、日華化学(株)
製、有効成分35重量%)1重量%およびイソプロピル
アルコール5重量%の水分散液に浸漬し、マングルで絞
った(ピックアップ120%)後、110℃で1分間熱
処理した。
1で得られたフッ素系撥水撥油剤4重量%およびイソプ
ロピルアルコール5重量%の水分散液に浸漬し、マング
ルで絞った(ピックアップ120%)後、110℃で1
分間熱処理して、撥水撥油性ポリオレフィン繊維布を得
た。
水性および撥油性を評価した結果を表1に示す。
撥油剤に代えたことを除き、実施例1の操作を繰り返し
て、撥水撥油性ポリオレフィン繊維布を得た。この撥水
撥油性ポリオレフィン繊維布の撥水性および撥油性を評
価した結果を表1に示す。
撥油剤に代えたことを除き、実施例1の操作を繰り返し
て、撥水撥油性ポリオレフィン繊維布を得た。この撥水
撥油性ポリオレフィン繊維布の撥水性および撥油性を評
価した結果を表1に示す。
1で得られたフッ素系撥水撥油剤4重量%およびイソプ
ロピルアルコール5重量%の水分散液に浸漬し、マング
ルで絞った(ピックアップ120%)後、110℃で1
分間熱処理して、処理ポリオレフィン繊維布を得た。
よび撥油性を評価した結果を表1に示す。
シストIS−80D(水性ポリイソシアネートエマルジ
ョン、溶解性パラメーター(SP)9.2、日華化学
(株)製、有効成分80重量%)1重量%、製造例1で
得られたフッ素系撥水撥油剤4重量%およびイソプロピ
ルアルコール5重量%の水分散液に浸漬し、マングルで
絞った(ピックアップ120%)後、110℃で1分間
熱処理して、処理ポリオレフィン繊維布を得た。
よび撥油性を評価した結果を表1に示す。
テッカー700(水性ポリウレタンエマルジョン、溶解
性パラメーター(SP)11.0、日華化学(株)製、
有効成分35重量%)0.5重量%および製造例1で得
られたフッ素系撥水撥油剤4重量%の水分散液に浸漬
し、マングルで絞った(ピックアップ120%)後、1
10℃で1分間熱処理して、処理ポリオレフィン繊維布
を得た。
よび撥油性を評価した結果を表1に示す。
撥油剤に代えたことを除き、比較例1の操作を繰り返し
て、処理ポリオレフィン繊維布を得た。
よび撥油性を評価した結果を表1に示す。
撥油剤に代えたことを除き、比較例2の操作を繰り返し
て、処理ポリオレフィン繊維布を得た。
よび撥油性を評価した結果を表1に示す。
撥油剤に代えたことを除き、比較例3の操作を繰り返し
て、処理ポリオレフィン繊維布を得た。
よび撥油性を評価した結果を表1に示す。
実施例1〜4のポリオレフィン繊維布は、比較例1〜6
で得られたポリオレフィン繊維布に比べ、撥水性および
撥油性がともに大幅に改善されている。
ポリオレフィン繊維は、撥水性および、特に撥油性に優
れているため、各種用途に幅広く用いることが期待でき
る。例えば、ポリオレフィン繊維が不織布の場合、手術
用ガウン、シーツ、シューズカバー、キャップ、エプロ
ンなどの医療材、紙おむつなどの衛生材、各種保護具、
包装材などの工業資材、風呂敷などの包装材、ランドリ
ー袋などの収納用品、エプロンなどの家庭用材の素材と
して好適である。また、カーペットなどへの応用も期待
できる。
Claims (6)
- 【請求項1】 ポリオレフィン繊維を、溶解性パラメー
ター(SP)が7.5〜13.0である水性樹脂エマル
ジョンで処理し、次いでフッ素系撥水撥油剤で処理する
ことを含む撥水撥油性ポリオレフィン繊維の製造方法。 - 【請求項2】 水性樹脂エマルジョンが、水性ポリウレ
タンエマルジョン、水性ポリイソシアネートエマルジョ
ンおよび水性ポリアクリルエマルジョンから選ばれる少
なくとも1種である、請求項1に記載の方法。 - 【請求項3】 水性樹脂エマルジョンが、アニオン性ま
たは非イオン性のエマルジョンである、請求項1または
2に記載の方法。 - 【請求項4】 ポリオレフィン繊維がポリプロピレン繊
維である、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。 - 【請求項5】 フッ素系撥水撥油剤が、フルオロアルキ
ル基を有する(メタ)アクリレートと、フルオロアルキ
ル基を有する(メタ)アクリレートと共重合可能なフッ
素を含まない単量体とを、水性液中で乳化重合して得ら
れる共重合体組成物を含有する撥水撥油剤である、請求
項1〜4のいずれかに記載の方法。 - 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載した方法
により得られる撥水撥油性ポリオレフィン繊維。
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