JP2003171880A - 撥水撥油性繊維製品の製造方法 - Google Patents
撥水撥油性繊維製品の製造方法Info
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- JP2003171880A JP2003171880A JP2001374522A JP2001374522A JP2003171880A JP 2003171880 A JP2003171880 A JP 2003171880A JP 2001374522 A JP2001374522 A JP 2001374522A JP 2001374522 A JP2001374522 A JP 2001374522A JP 2003171880 A JP2003171880 A JP 2003171880A
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- Materials Applied To Surfaces To Minimize Adherence Of Mist Or Water (AREA)
- Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】繊維の黄変や風合い劣化の問題もなく、洗濯耐
久性と摩耗耐久性に優れた撥水撥油性を有し、耐水度も
良好な撥水撥油性繊維製品の製造方法を提供する。 【解決手段】水性ポリイソシアネート化合物とフッ素系
撥水撥油剤とを併用して繊維製品を処理することを特徴
とする撥水撥油性繊維製品の製造方法。
久性と摩耗耐久性に優れた撥水撥油性を有し、耐水度も
良好な撥水撥油性繊維製品の製造方法を提供する。 【解決手段】水性ポリイソシアネート化合物とフッ素系
撥水撥油剤とを併用して繊維製品を処理することを特徴
とする撥水撥油性繊維製品の製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、撥水撥油性繊維製
品の製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、洗
濯耐久性と摩耗耐久性に優れた撥水撥油性を有する撥水
撥油性繊維製品の製造方法に関する。
品の製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、洗
濯耐久性と摩耗耐久性に優れた撥水撥油性を有する撥水
撥油性繊維製品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、フルオロアルキル基を有する
アクリレート、メタクリレートなどの重合体を水に分散
させたフッ素系撥水撥油剤が知られている。このような
フッ素系撥水撥油剤を用いて各種繊維に撥水撥油性を付
与し、これらの性能の洗濯耐久性を向上させるためにさ
まざまな試みがなされてきた。例えば、フッ素系撥水撥
油剤自体で洗濯耐久性を発現させるために、ポリフルオ
ロアルキル基を有するアクリレートに塩化ビニルを共重
合させた撥水撥油剤や、さらに架橋成分としてN−メチ
ロールアクリルアミド、グリシジルアクリルアミドなど
を共重合した撥水撥油剤などが知られているが、十分な
洗濯耐久性は得られていない。特開昭54−13348
6号公報には、耐久性の改善された撥水撥油剤組成物と
して、ポリフルオロアルキル基と活性水素基を有する撥
水撥油主剤と、常温では水に対し安定で100℃以上で
イソシアネート基に変化する基を有するいわゆるブロッ
クドイソシネート化合物が混合されてなる組成物が提案
されている。また、特開平5−222149号公報に
は、高い耐久性を発揮する撥水撥油剤組成物として、ポ
リフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレート、ウ
レタン結合を有するポリ(メタ)アクリレート及びブロッ
クドイソシアネート基を有する(メタ)アクリレートの共
重合体と、ブロックドポリイソシアネート化合物を含有
する組成物が提案されている。しかし、ブロックドイソ
シネート化合物を用いる方法は、処理にかなりの高温を
必要とするのみならず、洗濯耐久性を向上させる効果の
高いブロックドイソシネート化合物では繊維製品の黄変
を起こしやすく、また、メラミン樹脂を用いる方法では
繊維の風合いが硬化するなど様々な欠点を有している。
アクリレート、メタクリレートなどの重合体を水に分散
させたフッ素系撥水撥油剤が知られている。このような
フッ素系撥水撥油剤を用いて各種繊維に撥水撥油性を付
与し、これらの性能の洗濯耐久性を向上させるためにさ
まざまな試みがなされてきた。例えば、フッ素系撥水撥
油剤自体で洗濯耐久性を発現させるために、ポリフルオ
ロアルキル基を有するアクリレートに塩化ビニルを共重
合させた撥水撥油剤や、さらに架橋成分としてN−メチ
ロールアクリルアミド、グリシジルアクリルアミドなど
を共重合した撥水撥油剤などが知られているが、十分な
洗濯耐久性は得られていない。特開昭54−13348
6号公報には、耐久性の改善された撥水撥油剤組成物と
して、ポリフルオロアルキル基と活性水素基を有する撥
水撥油主剤と、常温では水に対し安定で100℃以上で
イソシアネート基に変化する基を有するいわゆるブロッ
クドイソシネート化合物が混合されてなる組成物が提案
されている。また、特開平5−222149号公報に
は、高い耐久性を発揮する撥水撥油剤組成物として、ポ
リフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレート、ウ
レタン結合を有するポリ(メタ)アクリレート及びブロッ
クドイソシアネート基を有する(メタ)アクリレートの共
重合体と、ブロックドポリイソシアネート化合物を含有
する組成物が提案されている。しかし、ブロックドイソ
シネート化合物を用いる方法は、処理にかなりの高温を
必要とするのみならず、洗濯耐久性を向上させる効果の
高いブロックドイソシネート化合物では繊維製品の黄変
を起こしやすく、また、メラミン樹脂を用いる方法では
繊維の風合いが硬化するなど様々な欠点を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、繊維の黄変
や風合い劣化の問題もなく、洗濯耐久性と摩耗耐久性に
優れた撥水撥油性を有し、耐水度も良好な撥水撥油性繊
維製品の製造方法を提供することを目的としてなされた
ものである。
や風合い劣化の問題もなく、洗濯耐久性と摩耗耐久性に
優れた撥水撥油性を有し、耐水度も良好な撥水撥油性繊
維製品の製造方法を提供することを目的としてなされた
ものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、水性ポリイソシ
アネート化合物とフッ素系撥水撥油剤とを併用して繊維
製品を処理することにより、洗濯耐久性と摩耗耐久性に
優れた撥水撥油性を繊維製品に付与し得ることを見いだ
し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。す
なわち、本発明は、(1)水性ポリイソシアネート化合
物とフッ素系撥水撥油剤とを併用して繊維製品を処理す
ることを特徴とする撥水撥油性繊維製品の製造方法、
(2)水性ポリイソシアネート化合物が、芳香族ポリイ
ソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリ
イソシアネート及びこれらから誘導されるポリイソシア
ネートからなる群より選ばれる少なくとも1種に、アル
キレンオキサイド鎖を結合させた化合物である第1項に
記載の撥水撥油性繊維製品の製造方法、(3)ポリイソ
シアネートに結合させたアルキレンオキサイド鎖の繰り
返し単位数が平均5〜50である第2項に記載の撥水撥
油性繊維製品の製造方法、(4)ポリイソシアネートに
結合させたアルキレンオキサイド鎖の量が、水性ポリイ
ソシアネート化合物100重量部に対して2〜50重量
部である第2項に記載の撥水撥油性繊維製品の製造方
法、(5)フッ素系撥水撥油剤が、フルオロアルキル基
を有するアクリレート及び/又はメタクリレートと、こ
れらと共重合可能な他の単量体との乳化共重合体を含有
する第1項に記載の撥水撥油性繊維製品の製造方法、及
び、(6)フッ素系撥水撥油剤の有効成分100重量部
に対して、水性ポリイソシアネート化合物5〜200重
量部を併用する第1項に記載の撥水撥油性繊維製品の製
造方法、を提供するものである。
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、水性ポリイソシ
アネート化合物とフッ素系撥水撥油剤とを併用して繊維
製品を処理することにより、洗濯耐久性と摩耗耐久性に
優れた撥水撥油性を繊維製品に付与し得ることを見いだ
し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。す
なわち、本発明は、(1)水性ポリイソシアネート化合
物とフッ素系撥水撥油剤とを併用して繊維製品を処理す
ることを特徴とする撥水撥油性繊維製品の製造方法、
(2)水性ポリイソシアネート化合物が、芳香族ポリイ
ソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリ
イソシアネート及びこれらから誘導されるポリイソシア
ネートからなる群より選ばれる少なくとも1種に、アル
キレンオキサイド鎖を結合させた化合物である第1項に
記載の撥水撥油性繊維製品の製造方法、(3)ポリイソ
シアネートに結合させたアルキレンオキサイド鎖の繰り
返し単位数が平均5〜50である第2項に記載の撥水撥
油性繊維製品の製造方法、(4)ポリイソシアネートに
結合させたアルキレンオキサイド鎖の量が、水性ポリイ
ソシアネート化合物100重量部に対して2〜50重量
部である第2項に記載の撥水撥油性繊維製品の製造方
法、(5)フッ素系撥水撥油剤が、フルオロアルキル基
を有するアクリレート及び/又はメタクリレートと、こ
れらと共重合可能な他の単量体との乳化共重合体を含有
する第1項に記載の撥水撥油性繊維製品の製造方法、及
び、(6)フッ素系撥水撥油剤の有効成分100重量部
に対して、水性ポリイソシアネート化合物5〜200重
量部を併用する第1項に記載の撥水撥油性繊維製品の製
造方法、を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の撥水撥油性繊維製品の製
造方法においては、水性ポリイソシアネート化合物とフ
ッ素系撥水撥油剤とを併用して繊維製品を処理する。本
発明方法に用いる水性ポリイソシアネート化合物は、原
料ポリイソシアネートに活性水素を有する親水性鎖、及
び、場合により親油性鎖を付加反応させることにより得
られるものであり、水中への自己乳化分散性が良好で可
使時間が長い。本発明方法に用いる水性ポリイソシアネ
ート化合物は、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリ
イソシアネート、脂環式ポリイソシアネート及びこれら
から誘導されるポリイソシアネートからなる群より選ば
れる少なくとも1種に、アルキレンオキサイド鎖を結合
させた化合物であることが好ましく、さらに必要に応じ
て、親油性鎖を結合させることもできる。このような水
性ポリイソシアネート化合物は、イソシアネート基の高
い反応性を保持したまま、水溶液中でも長時間使用する
ことができ、また水への自己乳化性に優れるために、フ
ッ素系撥水撥油剤を含有する処理液を繊維製品を処理す
るに際して、その処理液中に添加して併用することがで
きる。水性ポリイソシアネート化合物の製造に用いる芳
香族ポリイソシアネートに特に制限はなく、例えば、ト
リレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネー
ト、ジフェニルメタンジイソシアネートなどを挙げるこ
とができる。脂肪族ポリイソシアネートに特に制限はな
く、例えば、テトラメチレンジイシソシアネート、ペン
タメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシ
アネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネー
ト、リジンジイソシアネートなどを挙げることができ
る。脂環式ポリイソシアネートに特に制限はなく、例え
ば、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイ
ソシアネートなどを挙げることができる。これらのポリ
イソシアネートの中で、脂肪族ポリイソシアネート及び
脂環式ポリイソシアネートは、処理後の繊維製品を黄変
することがないので好適に用いることができる。これら
のポリイソシアネートから誘導されるポリイソシアネー
トは、2個以上のイソシアネート基を有する化合物であ
れば特に制限はなく、例えば、ビウレット構造、イソシ
アヌレート構造、ウレタン構造、ウレトジオン構造、ア
ロファネート構造、三量体構造などを有するポリイソシ
アネートや、トリメチロールプロパンの脂肪族イソシア
ネートのアダクト体などを挙げることができる。
造方法においては、水性ポリイソシアネート化合物とフ
ッ素系撥水撥油剤とを併用して繊維製品を処理する。本
発明方法に用いる水性ポリイソシアネート化合物は、原
料ポリイソシアネートに活性水素を有する親水性鎖、及
び、場合により親油性鎖を付加反応させることにより得
られるものであり、水中への自己乳化分散性が良好で可
使時間が長い。本発明方法に用いる水性ポリイソシアネ
ート化合物は、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリ
イソシアネート、脂環式ポリイソシアネート及びこれら
から誘導されるポリイソシアネートからなる群より選ば
れる少なくとも1種に、アルキレンオキサイド鎖を結合
させた化合物であることが好ましく、さらに必要に応じ
て、親油性鎖を結合させることもできる。このような水
性ポリイソシアネート化合物は、イソシアネート基の高
い反応性を保持したまま、水溶液中でも長時間使用する
ことができ、また水への自己乳化性に優れるために、フ
ッ素系撥水撥油剤を含有する処理液を繊維製品を処理す
るに際して、その処理液中に添加して併用することがで
きる。水性ポリイソシアネート化合物の製造に用いる芳
香族ポリイソシアネートに特に制限はなく、例えば、ト
リレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネー
ト、ジフェニルメタンジイソシアネートなどを挙げるこ
とができる。脂肪族ポリイソシアネートに特に制限はな
く、例えば、テトラメチレンジイシソシアネート、ペン
タメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシ
アネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネー
ト、リジンジイソシアネートなどを挙げることができ
る。脂環式ポリイソシアネートに特に制限はなく、例え
ば、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイ
ソシアネートなどを挙げることができる。これらのポリ
イソシアネートの中で、脂肪族ポリイソシアネート及び
脂環式ポリイソシアネートは、処理後の繊維製品を黄変
することがないので好適に用いることができる。これら
のポリイソシアネートから誘導されるポリイソシアネー
トは、2個以上のイソシアネート基を有する化合物であ
れば特に制限はなく、例えば、ビウレット構造、イソシ
アヌレート構造、ウレタン構造、ウレトジオン構造、ア
ロファネート構造、三量体構造などを有するポリイソシ
アネートや、トリメチロールプロパンの脂肪族イソシア
ネートのアダクト体などを挙げることができる。
【0006】本発明方法において、上記のポリイソシア
ネートにアルキレンオキサイド鎖を結合させる方法に特
に制限はないが、アルキレンオキサイド鎖と末端ヒドロ
キシル基とを有する親水性化合物を好適に用いることが
できる。アルキレンオキサイド鎖の繰り返し単位数は、
平均して5〜50であることが好ましく、平均して10
〜30であることがより好ましい。アルキレンオキサイ
ド鎖の繰り返し単位数が平均5未満であると、水性ポリ
イソシアネート化合物の自己乳化性が不足するおそれが
ある。アルキレンオキサイド鎖の繰り返し単位数が50
を超えると、水性ポリイソシアネート化合物の結晶性が
高くなって固化するおそれがある。アルキレンオキサイ
ド鎖を構成するアルキレンオキサイドとしては、例え
ば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチ
レンオキサイドなどを挙げることができる。アルキレン
オキサイド鎖において、70重量%以上がエチレンオキ
サイド単位であることが好ましい。アルキレンオキサイ
ド繰り返し単位と末端ヒドロキシル基とを有する親水性
化合物としては、例えば、ポリエチレングリコールモノ
アルキルエーテル、エチレンオキシドとプロプロピレン
オキシドのランダム又はブロック共重合体のモノアルキ
ルエーテルなどを挙げることができる。本発明方法にお
いては、ポリイソシアネートに結合させたアルキレンオ
キサイド鎖の量が、水性ポリイソシアネート化合物10
0重量部に対して2〜50重量部であることが好まし
く、5〜30重量部であることがより好ましい。アルキ
レンオキサイド鎖の量が水性ポリイソシアネート化合物
100重量部に対して2重量部未満であると、水性ポリ
イソシアネート化合物の界面張力を低下させる効果が十
分でなく、自己乳化性が不足するおそれがある。アルキ
レンオキサイド鎖の量が水性ポリイソシアネート化合物
100重量部に対して50重量部を超えると、水性ポリ
イソシアネート化合物のイソシアネート基と水との反応
性が高くなりすぎて不安定になるおそれがある。
ネートにアルキレンオキサイド鎖を結合させる方法に特
に制限はないが、アルキレンオキサイド鎖と末端ヒドロ
キシル基とを有する親水性化合物を好適に用いることが
できる。アルキレンオキサイド鎖の繰り返し単位数は、
平均して5〜50であることが好ましく、平均して10
〜30であることがより好ましい。アルキレンオキサイ
ド鎖の繰り返し単位数が平均5未満であると、水性ポリ
イソシアネート化合物の自己乳化性が不足するおそれが
ある。アルキレンオキサイド鎖の繰り返し単位数が50
を超えると、水性ポリイソシアネート化合物の結晶性が
高くなって固化するおそれがある。アルキレンオキサイ
ド鎖を構成するアルキレンオキサイドとしては、例え
ば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチ
レンオキサイドなどを挙げることができる。アルキレン
オキサイド鎖において、70重量%以上がエチレンオキ
サイド単位であることが好ましい。アルキレンオキサイ
ド繰り返し単位と末端ヒドロキシル基とを有する親水性
化合物としては、例えば、ポリエチレングリコールモノ
アルキルエーテル、エチレンオキシドとプロプロピレン
オキシドのランダム又はブロック共重合体のモノアルキ
ルエーテルなどを挙げることができる。本発明方法にお
いては、ポリイソシアネートに結合させたアルキレンオ
キサイド鎖の量が、水性ポリイソシアネート化合物10
0重量部に対して2〜50重量部であることが好まし
く、5〜30重量部であることがより好ましい。アルキ
レンオキサイド鎖の量が水性ポリイソシアネート化合物
100重量部に対して2重量部未満であると、水性ポリ
イソシアネート化合物の界面張力を低下させる効果が十
分でなく、自己乳化性が不足するおそれがある。アルキ
レンオキサイド鎖の量が水性ポリイソシアネート化合物
100重量部に対して50重量部を超えると、水性ポリ
イソシアネート化合物のイソシアネート基と水との反応
性が高くなりすぎて不安定になるおそれがある。
【0007】本発明方法において、場合により用いられ
るポリイソシアネートに親油性鎖を結合させる化合物に
特に制限はなく、例えば、炭素数8以上の高級アルコー
ル、炭素数8以上のヒドロキシル基を有するエステルな
どを挙げることができる。炭素数8以上の高級アルコー
ルとしては、例えば、オクチルアルコール、ノニルアル
コール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ラ
ウリルアルコール、トリデシルアルコール、ミリスチル
アルコール、ペンタデシルアルコール、セチルアルコー
ル、シンナミルアルコールなどを挙げることができる。
また、炭素数8以上のヒドロキシル基を有するエステル
としては、例えば、α−オキシプロピオン酸、オキシコ
ハク酸、ジオキシコハク酸、ε−オキシプロパン−1,
2,3−トリカルボン酸、α−ヒドロキシ酪酸、β−ヒ
ドロキシ酪酸、ヒドロキシステアリン酸、リシノール
酸、リシノエライジン酸、リシノステアロール酸、サリ
チル酸、マンデル酸などのヒドロキシ酸と、例えば、メ
チルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコー
ル、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ドデ
シルアルコール、ラウリルアルコールなどのアルコール
から得られる炭素数8以上のエステルを挙げることがで
きる。上記のような親油性鎖がイソシアネート基の近傍
に存在することにより、水性ポリイソシアネート化合物
を水に分散する場合に、イソシアネート基を立体的に水
から保護し、可使時間を長期化することができる。本発
明方法に用いる水性ポリイソシアネート化合物の製造方
法に特に制限はなく、例えば、原料となるポリイソシア
ネートのイソシアネート基と、親水性化合物の末端ヒド
ロキシル基とを反応させることにより製造することがで
きる。また、本発明方法においては、水性ポリイソシア
ネート化合物として、例えば、ヘキサメチレンジイソシ
アネートのアダクト変性体[旭化成工業(株)、デュラネ
ートWB40−80B]、ヘキサメチレンジイソシアネ
ートのイソシアヌレート変性体[住友バイエルウレタン
(株)、バイヒジュール3100]、[日本ポリウレタン
工業(株)、アクアネート100、アクアネート200]
などの市販品を用いることもできる。
るポリイソシアネートに親油性鎖を結合させる化合物に
特に制限はなく、例えば、炭素数8以上の高級アルコー
ル、炭素数8以上のヒドロキシル基を有するエステルな
どを挙げることができる。炭素数8以上の高級アルコー
ルとしては、例えば、オクチルアルコール、ノニルアル
コール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ラ
ウリルアルコール、トリデシルアルコール、ミリスチル
アルコール、ペンタデシルアルコール、セチルアルコー
ル、シンナミルアルコールなどを挙げることができる。
また、炭素数8以上のヒドロキシル基を有するエステル
としては、例えば、α−オキシプロピオン酸、オキシコ
ハク酸、ジオキシコハク酸、ε−オキシプロパン−1,
2,3−トリカルボン酸、α−ヒドロキシ酪酸、β−ヒ
ドロキシ酪酸、ヒドロキシステアリン酸、リシノール
酸、リシノエライジン酸、リシノステアロール酸、サリ
チル酸、マンデル酸などのヒドロキシ酸と、例えば、メ
チルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコー
ル、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ドデ
シルアルコール、ラウリルアルコールなどのアルコール
から得られる炭素数8以上のエステルを挙げることがで
きる。上記のような親油性鎖がイソシアネート基の近傍
に存在することにより、水性ポリイソシアネート化合物
を水に分散する場合に、イソシアネート基を立体的に水
から保護し、可使時間を長期化することができる。本発
明方法に用いる水性ポリイソシアネート化合物の製造方
法に特に制限はなく、例えば、原料となるポリイソシア
ネートのイソシアネート基と、親水性化合物の末端ヒド
ロキシル基とを反応させることにより製造することがで
きる。また、本発明方法においては、水性ポリイソシア
ネート化合物として、例えば、ヘキサメチレンジイソシ
アネートのアダクト変性体[旭化成工業(株)、デュラネ
ートWB40−80B]、ヘキサメチレンジイソシアネ
ートのイソシアヌレート変性体[住友バイエルウレタン
(株)、バイヒジュール3100]、[日本ポリウレタン
工業(株)、アクアネート100、アクアネート200]
などの市販品を用いることもできる。
【0008】本発明方法に用いるフッ素系撥水撥油剤に
は特に制限はないが、フルオロアルキル基を有するアク
リレート及び/又はメタクリレートと、これらと共重合
可能な他の単量体とを乳化重合して得られる共重合体で
あることが好ましい。フルオロアルキル基を有するアク
リレート及び/又はメタクリレートに特に制限はない
が、フルオロアルキル基の炭素数が3〜21であること
が好ましく、フルオロアルキル基の炭素数が6〜18で
あることがより好ましい。このようなフルオロアルキル
基を有するアクリレート及びメタクリレートとしては、
例えば、下記のような化合物を挙げることができる。 CF3(CF2)4CH2OCOC(CH3)=CH2 CF3(CF2)7(CH2)2OCOC(CH3)=CH2 CF3(CF2)7(CH2)2OCOCH=CH2 (CF3)2CF(CF2)4(CH2)2OCOCH=CH2 CF3(CF2)7SO2N(C3H7)(CH2)2OCOCH=C
H2 CF3(CF2)7(CH2)4OCOCH=CH2 CF3(CF2)7SO2N(CH3)(CH2)2OCOC(CH3)
=CH2 CF3(CF2)7SO2N(C2H5)(CH2)2OCOCH=C
H2 CF3(CF2)7CONH(CH2)2OCOCH=CH2 (CF3)2CF(CF2)6(CH2)3OCOCH=CH2 (CF3)2CF(CF2)6CH2CH(OCOCH3)OCOC
(CH3)=CH2 (CF3)2CF(CF2)6CH2CH(OH)CH2OCOCH
=CH2 CF3(CF2)9(CH2)2OCOCH=CH2 CF3(CF2)9(CH2)2OCOC(CH3)=CH2 CF3(CF2)9CONH(CH2)2OCOC(CH3)=CH
2 (CF3)(CF2Cl)CF(CF2)7CONH(CH2)2OC
OCH=CH2 H(CF2)10CH2OCOCH=CH2 CF2Cl(CF2)10CH2OCOC(CH3)=CH2 CF3(CF2)5(CH2)2O(CH2)2OCOCH=CH2 (CF3)(CF2Cl)CF(CF2)7CONH(CH2)2OC
OC(CH3)=CH2 CF3CF2CH2CH(OH)CH2OCH2CH2OCOC
H=CH2
は特に制限はないが、フルオロアルキル基を有するアク
リレート及び/又はメタクリレートと、これらと共重合
可能な他の単量体とを乳化重合して得られる共重合体で
あることが好ましい。フルオロアルキル基を有するアク
リレート及び/又はメタクリレートに特に制限はない
が、フルオロアルキル基の炭素数が3〜21であること
が好ましく、フルオロアルキル基の炭素数が6〜18で
あることがより好ましい。このようなフルオロアルキル
基を有するアクリレート及びメタクリレートとしては、
例えば、下記のような化合物を挙げることができる。 CF3(CF2)4CH2OCOC(CH3)=CH2 CF3(CF2)7(CH2)2OCOC(CH3)=CH2 CF3(CF2)7(CH2)2OCOCH=CH2 (CF3)2CF(CF2)4(CH2)2OCOCH=CH2 CF3(CF2)7SO2N(C3H7)(CH2)2OCOCH=C
H2 CF3(CF2)7(CH2)4OCOCH=CH2 CF3(CF2)7SO2N(CH3)(CH2)2OCOC(CH3)
=CH2 CF3(CF2)7SO2N(C2H5)(CH2)2OCOCH=C
H2 CF3(CF2)7CONH(CH2)2OCOCH=CH2 (CF3)2CF(CF2)6(CH2)3OCOCH=CH2 (CF3)2CF(CF2)6CH2CH(OCOCH3)OCOC
(CH3)=CH2 (CF3)2CF(CF2)6CH2CH(OH)CH2OCOCH
=CH2 CF3(CF2)9(CH2)2OCOCH=CH2 CF3(CF2)9(CH2)2OCOC(CH3)=CH2 CF3(CF2)9CONH(CH2)2OCOC(CH3)=CH
2 (CF3)(CF2Cl)CF(CF2)7CONH(CH2)2OC
OCH=CH2 H(CF2)10CH2OCOCH=CH2 CF2Cl(CF2)10CH2OCOC(CH3)=CH2 CF3(CF2)5(CH2)2O(CH2)2OCOCH=CH2 (CF3)(CF2Cl)CF(CF2)7CONH(CH2)2OC
OC(CH3)=CH2 CF3CF2CH2CH(OH)CH2OCH2CH2OCOC
H=CH2
【0009】フルオロアルキル基を有するアクリレート
及び/又はメタクリレートと共重合可能な他の単量体と
しては、例えば、ラウリルアクリレート、ラウリルメタ
クリレート、ステアリルアクリレート、ステアリルメタ
クリレートなどのアクリル酸又はメタクリル酸のアルキ
ルエステル、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリ
レート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリ
レート、アジリジニルアクリレート、アジリジニルメタ
クリレート、ヒドロキシアルキルアクリレート、ヒドロ
キシアルキルメタクリレート、3−クロロー2−ヒドロ
キシプロピルメタクリレート、アルキレンジオールアク
リレート、アルキレンジオールメタクリレート、シクロ
ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート
などのアクリル酸又はメタクリル酸エステル、アクリル
アミド、メタクリルアミド、N−メチルロールアクリル
アミド、N−メチロールメタクリルアミド、ジアセトン
アクリルアミド、ジアセトンメタクリルアミド、メチロ
ール化ジアセトンアクリルアミドなどのアクリルアミド
又はメタクリルアミド類、マレイン酸ジブチルなどのマ
レイン酸アルキルエステル、フマル酸アルキルエステ
ル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、エチレン、酢酸ビニ
ル、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレ
ン、ビニルアルキルエーテル、ハロゲン化アルキルビニ
ルエーテル、ビニルアルキルケトン、無水マレイン酸、
ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどを挙げるこ
とができる。
及び/又はメタクリレートと共重合可能な他の単量体と
しては、例えば、ラウリルアクリレート、ラウリルメタ
クリレート、ステアリルアクリレート、ステアリルメタ
クリレートなどのアクリル酸又はメタクリル酸のアルキ
ルエステル、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリ
レート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリ
レート、アジリジニルアクリレート、アジリジニルメタ
クリレート、ヒドロキシアルキルアクリレート、ヒドロ
キシアルキルメタクリレート、3−クロロー2−ヒドロ
キシプロピルメタクリレート、アルキレンジオールアク
リレート、アルキレンジオールメタクリレート、シクロ
ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート
などのアクリル酸又はメタクリル酸エステル、アクリル
アミド、メタクリルアミド、N−メチルロールアクリル
アミド、N−メチロールメタクリルアミド、ジアセトン
アクリルアミド、ジアセトンメタクリルアミド、メチロ
ール化ジアセトンアクリルアミドなどのアクリルアミド
又はメタクリルアミド類、マレイン酸ジブチルなどのマ
レイン酸アルキルエステル、フマル酸アルキルエステ
ル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、エチレン、酢酸ビニ
ル、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレ
ン、ビニルアルキルエーテル、ハロゲン化アルキルビニ
ルエーテル、ビニルアルキルケトン、無水マレイン酸、
ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどを挙げるこ
とができる。
【0010】本発明方法において、フルオロアルキル基
を有するアクリレート及び/又はメタクリレートと、こ
られと共重合可能な他の単量体の量比は、共重合に用い
る全単量体の中で、フルオロアルキル基を有するアクリ
レート及びメタクリレートの合計が40重量%以上であ
ることが好ましく、50〜80重量%であることがより
好ましい。フルオロアルキル基を有するアクリレート及
び/又はメタクリレートと、これらと共重合可能な他の
単量体とを乳化重合させる際の媒体に特に制限はない
が、水性媒体を好適に用いることができ、必要に応じて
水に水溶性有機溶媒を添加した水性媒体を用いることが
できる。水に水溶性有機溶媒を添加した水性媒体を用い
ると、単量体や共重合体が凝集しにくく、安定した乳化
物として得ることができる。乳化重合に用いる乳化剤に
特に制限はなく、ノニオン性、アニオン性、カチオン
性、両性の各乳化剤のほとんど全てを用いることができ
る。乳化重合に際しては、水性媒体中にフルオロアルキ
ル基を有するアクリレート及び/又はメタクリレート、
これらと共重合可能な他の単量体、乳化剤などを添加
し、撹拌しつつ超音波を伝達することにより単量体混合
物を乳化分散させたのち、水溶性の重合開始剤を添加
し、加熱して重合することが好ましい。使用する水溶性
の重合開始剤に特に制限はなく、例えば、有機過酸化
物、アゾ化合物、過硫酸塩などを挙げることができ、さ
らにγ線などの電離性放射線などを重合開始剤に代えて
用いることもできる。
を有するアクリレート及び/又はメタクリレートと、こ
られと共重合可能な他の単量体の量比は、共重合に用い
る全単量体の中で、フルオロアルキル基を有するアクリ
レート及びメタクリレートの合計が40重量%以上であ
ることが好ましく、50〜80重量%であることがより
好ましい。フルオロアルキル基を有するアクリレート及
び/又はメタクリレートと、これらと共重合可能な他の
単量体とを乳化重合させる際の媒体に特に制限はない
が、水性媒体を好適に用いることができ、必要に応じて
水に水溶性有機溶媒を添加した水性媒体を用いることが
できる。水に水溶性有機溶媒を添加した水性媒体を用い
ると、単量体や共重合体が凝集しにくく、安定した乳化
物として得ることができる。乳化重合に用いる乳化剤に
特に制限はなく、ノニオン性、アニオン性、カチオン
性、両性の各乳化剤のほとんど全てを用いることができ
る。乳化重合に際しては、水性媒体中にフルオロアルキ
ル基を有するアクリレート及び/又はメタクリレート、
これらと共重合可能な他の単量体、乳化剤などを添加
し、撹拌しつつ超音波を伝達することにより単量体混合
物を乳化分散させたのち、水溶性の重合開始剤を添加
し、加熱して重合することが好ましい。使用する水溶性
の重合開始剤に特に制限はなく、例えば、有機過酸化
物、アゾ化合物、過硫酸塩などを挙げることができ、さ
らにγ線などの電離性放射線などを重合開始剤に代えて
用いることもできる。
【0011】本発明の撥水撥油性繊維製品の製造方法に
おいては、繊維製品をポリイソシアネート化合物で処理
すると同時に又は処理した後に、フッ素系撥水撥油剤を
用いて処理することが好ましい。処理の方法に特に制限
はなく、繊維製品の素材と形態に応じて適宜選択するこ
とができ、例えば、パッド処理、浸漬、噴霧、塗り付け
などを挙げることができる。これらの中で、パッド処理
を好適に用いることができる。繊維製品を処理液に浸漬
し、マングルなどを用いて所定のピックアップ量に調整
したのち、乾燥することができる。必要に応じて、乾燥
工程後にキュアリング工程を組み込むことができる。本
発明方法において、水性ポリイソシアネート化合物とフ
ッ素系撥水撥油剤の使用割合は、フッ素系撥水撥油剤の
有効成分100重量部に対して、水性ポリイソシアネー
ト化合物が1〜100重量部であることが好ましく、水
性ポリイソシアネート化合物が5〜50重量部であるこ
とがより好ましい。フッ素系撥水撥油剤100重量部に
対して水性ポリイソシアネート化合物が1重量部未満で
あると、十分な洗濯耐久性及び摩耗耐久性を発現させる
ことが困難となるおそれがある。フッ素系撥水撥油剤の
有効成分100重量部に対して水性ポリイソシアネート
化合物が100重量部を超えると、使用量に見合う効果
が得られず、経済的に不利となるおそれがある。本発明
方法においては、繊維製品を撥水撥油加工する前後に、
あるいは撥水撥油加工と同浴で、難燃剤、帯電防止剤、
染料安定剤、防シワ剤、抗菌剤、防虫剤、防汚剤などの
薬剤を用いて繊維製品を処理してもよい。本発明方法を
適用し得る繊維製品の素材に特に制限はなく、例えば、
綿、麻、絹、羊毛などの天然繊維、レーヨン、アセテー
トなどの半合成繊維、ナイロン、ポリエステル、ポリウ
レタン、ポリプロピレンなどの合成繊維、これらの複合
繊維、混紡繊維などを挙げることができる。繊維製品の
形態にも特に制限はなく、例えば、繊維、糸、織物、編
物、不織布、紙などを挙げることができる。また、ウレ
タン樹脂やアクリル樹脂などによりコーティングあるい
はラミネートされている繊維製品にも適用することがで
きる。
おいては、繊維製品をポリイソシアネート化合物で処理
すると同時に又は処理した後に、フッ素系撥水撥油剤を
用いて処理することが好ましい。処理の方法に特に制限
はなく、繊維製品の素材と形態に応じて適宜選択するこ
とができ、例えば、パッド処理、浸漬、噴霧、塗り付け
などを挙げることができる。これらの中で、パッド処理
を好適に用いることができる。繊維製品を処理液に浸漬
し、マングルなどを用いて所定のピックアップ量に調整
したのち、乾燥することができる。必要に応じて、乾燥
工程後にキュアリング工程を組み込むことができる。本
発明方法において、水性ポリイソシアネート化合物とフ
ッ素系撥水撥油剤の使用割合は、フッ素系撥水撥油剤の
有効成分100重量部に対して、水性ポリイソシアネー
ト化合物が1〜100重量部であることが好ましく、水
性ポリイソシアネート化合物が5〜50重量部であるこ
とがより好ましい。フッ素系撥水撥油剤100重量部に
対して水性ポリイソシアネート化合物が1重量部未満で
あると、十分な洗濯耐久性及び摩耗耐久性を発現させる
ことが困難となるおそれがある。フッ素系撥水撥油剤の
有効成分100重量部に対して水性ポリイソシアネート
化合物が100重量部を超えると、使用量に見合う効果
が得られず、経済的に不利となるおそれがある。本発明
方法においては、繊維製品を撥水撥油加工する前後に、
あるいは撥水撥油加工と同浴で、難燃剤、帯電防止剤、
染料安定剤、防シワ剤、抗菌剤、防虫剤、防汚剤などの
薬剤を用いて繊維製品を処理してもよい。本発明方法を
適用し得る繊維製品の素材に特に制限はなく、例えば、
綿、麻、絹、羊毛などの天然繊維、レーヨン、アセテー
トなどの半合成繊維、ナイロン、ポリエステル、ポリウ
レタン、ポリプロピレンなどの合成繊維、これらの複合
繊維、混紡繊維などを挙げることができる。繊維製品の
形態にも特に制限はなく、例えば、繊維、糸、織物、編
物、不織布、紙などを挙げることができる。また、ウレ
タン樹脂やアクリル樹脂などによりコーティングあるい
はラミネートされている繊維製品にも適用することがで
きる。
【0012】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。実施例及び比較例においては、
撥水撥油加工により得られた加工布について、下記の方
法により性能を評価した。 (1)撥水性 得られた加工布について、JIS L l092:199
8の6.2スプレー法に準じて評価した。評価は、下記
の基準にしたがって行い、性能がわずかに良好な場合は
等級に「+」をつけ、性能がわずかに劣る場合は等級に
「−」をつけた。 5:表面に付着湿潤のないもの 4:表面にわずかに付着湿潤を示すもの 3:表面に部分的湿潤を示すもの 2:表面に湿潤を示すもの 1:表面全体に湿潤を示すもの (1−1)洗濯耐久性 得られた加工布について、JIS L 0217−199
5の103法による洗濯を20回行い、得られた洗濯布
について、同様にして撥水性の試験を行った。 (1−2)摩耗耐久性 得られた加工布を、JIS L l018:1999の
8.18.1ユニホーム形法に準じて摩耗させた。すなわ
ち、加工布の摩擦面に22.3Nの引張荷重で張力をか
け、摩擦子にも加工布を取り付けて22.3Nの押圧荷
重をかけ、多方向に回転させ、100回転又は500回
転させて得られた摩耗布について、それぞれ摩擦子側の
面の撥水性を評価した。 (2)撥油性 得られた加工布について、AATCC−TMl18−1
998に準じて試験を行った。すなわち、第1表に示す
試験液を、試料布上の2か所に液滴の直径が約4mmにな
るように垂らし、30秒後に2滴ともに浸透しない試験
液の最高の等級を、試料布の撥油性とした。また、撥水
性の評価と同様に、洗濯布と摩耗布を調製して撥油性を
試験し、洗濯耐久性と摩耗耐久性を評価した。
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。実施例及び比較例においては、
撥水撥油加工により得られた加工布について、下記の方
法により性能を評価した。 (1)撥水性 得られた加工布について、JIS L l092:199
8の6.2スプレー法に準じて評価した。評価は、下記
の基準にしたがって行い、性能がわずかに良好な場合は
等級に「+」をつけ、性能がわずかに劣る場合は等級に
「−」をつけた。 5:表面に付着湿潤のないもの 4:表面にわずかに付着湿潤を示すもの 3:表面に部分的湿潤を示すもの 2:表面に湿潤を示すもの 1:表面全体に湿潤を示すもの (1−1)洗濯耐久性 得られた加工布について、JIS L 0217−199
5の103法による洗濯を20回行い、得られた洗濯布
について、同様にして撥水性の試験を行った。 (1−2)摩耗耐久性 得られた加工布を、JIS L l018:1999の
8.18.1ユニホーム形法に準じて摩耗させた。すなわ
ち、加工布の摩擦面に22.3Nの引張荷重で張力をか
け、摩擦子にも加工布を取り付けて22.3Nの押圧荷
重をかけ、多方向に回転させ、100回転又は500回
転させて得られた摩耗布について、それぞれ摩擦子側の
面の撥水性を評価した。 (2)撥油性 得られた加工布について、AATCC−TMl18−1
998に準じて試験を行った。すなわち、第1表に示す
試験液を、試料布上の2か所に液滴の直径が約4mmにな
るように垂らし、30秒後に2滴ともに浸透しない試験
液の最高の等級を、試料布の撥油性とした。また、撥水
性の評価と同様に、洗濯布と摩耗布を調製して撥油性を
試験し、洗濯耐久性と摩耗耐久性を評価した。
【0013】
【表1】
【0014】(3)耐水度
得られた加工布と、撥水性の評価と同様にして調製した
洗濯布について、JIS L l092:1998の6.
1耐水度試験(静水圧法)A法に準じて、耐水度を測定
した。 合成例1(フルオロアクリレート、ステアリルアクリレ
ート及びグリシジルメタクリレートの共重合体) 500mLフラスコに、CH2=CHCOOCH2CH2Cn
F2n+1(n=6〜14の混合物、nの平均8)85g、
ステアリルアクリレート60g、グリシジルメタクリレ
ート5g、純水277.5g、3−メチル−3−メトキ
シブタノール50g、ポリオキシエチレン(10モル)ラ
ウリルエーテル15g、ステアリルトリメチルアンモニ
ウムクロライド6gを入れ、45℃にて撹拌混合し、超
音波を伝達して乳化分散させた。次いで、2,2−アゾ
ビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩1.5g
を添加し、50℃にて4時間反応させ、共重合体の濃度
が30重量%であるフッ素系撥水撥油剤を得た。 合成例2(フルオロアクリレート、ステアリルアクリレ
ート、N−メチロールアクリルアミド及び塩化ビニルの
共重合体) 500mLフラスコにCH2=CHCOOCH2CH2CnF
2n+1(n=6〜14の混合物、nの平均8)100g、
ステアリルアクリレート15g、N−メチロールアクリ
ルアミド3g、純水248.5g、3−メチル−3−メ
トキシブタノール50g、ポリオキシエチレン(10モ
ル)ラウリルエーテ18g、ステアリルトリメチルアン
モニウムクロライド4gを入れ、45℃にて撹拌混合
し、超音波を伝達して乳化分散させた。得られた乳化物
を1Lオートクレーブに仕込み、2,2−アゾビス(2−
メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩1.5gを添加して
密閉したのち、塩化ビニル20gを圧入し、60℃にて
6時間反応させ、共重合体の濃度が30重量%であるフ
ッ素系撥水撥油剤を得た。 合成例3(水性ポリイソシアネート化合物) 500mLフラスコに、ヘキサメチレンジイソシアネート
のイソシアヌレート変性体252gとポリエチレングリ
コール(20モル)モノメチルエーテル91gとを仕込
み、N,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミン0.
34gを添加して90℃で2時間反応することにより、
水性ポリイソシアネート化合物を得た。 比較合成例1(ブロックドイソシアネート) 容量1Lの撹拌容器に、4,4'−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート144g、メチルエチルケトン100gを
入れ、50℃以下に保ちつつ、撹拌しながらメチルエチ
ルケトオキシム100gを滴下し、滴下終了後、さらに
50℃で1時間ブロック化反応を行なった。次いで、ポ
リオキシエチレン(10モル)フェニルエーテルを10g
入れ、高速撹拌しながら水446gを徐々に加え、有効
成分濃度が30.5重量%であるブロックドイソシアネ
ート化合物の水分散物を得た。
洗濯布について、JIS L l092:1998の6.
1耐水度試験(静水圧法)A法に準じて、耐水度を測定
した。 合成例1(フルオロアクリレート、ステアリルアクリレ
ート及びグリシジルメタクリレートの共重合体) 500mLフラスコに、CH2=CHCOOCH2CH2Cn
F2n+1(n=6〜14の混合物、nの平均8)85g、
ステアリルアクリレート60g、グリシジルメタクリレ
ート5g、純水277.5g、3−メチル−3−メトキ
シブタノール50g、ポリオキシエチレン(10モル)ラ
ウリルエーテル15g、ステアリルトリメチルアンモニ
ウムクロライド6gを入れ、45℃にて撹拌混合し、超
音波を伝達して乳化分散させた。次いで、2,2−アゾ
ビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩1.5g
を添加し、50℃にて4時間反応させ、共重合体の濃度
が30重量%であるフッ素系撥水撥油剤を得た。 合成例2(フルオロアクリレート、ステアリルアクリレ
ート、N−メチロールアクリルアミド及び塩化ビニルの
共重合体) 500mLフラスコにCH2=CHCOOCH2CH2CnF
2n+1(n=6〜14の混合物、nの平均8)100g、
ステアリルアクリレート15g、N−メチロールアクリ
ルアミド3g、純水248.5g、3−メチル−3−メ
トキシブタノール50g、ポリオキシエチレン(10モ
ル)ラウリルエーテ18g、ステアリルトリメチルアン
モニウムクロライド4gを入れ、45℃にて撹拌混合
し、超音波を伝達して乳化分散させた。得られた乳化物
を1Lオートクレーブに仕込み、2,2−アゾビス(2−
メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩1.5gを添加して
密閉したのち、塩化ビニル20gを圧入し、60℃にて
6時間反応させ、共重合体の濃度が30重量%であるフ
ッ素系撥水撥油剤を得た。 合成例3(水性ポリイソシアネート化合物) 500mLフラスコに、ヘキサメチレンジイソシアネート
のイソシアヌレート変性体252gとポリエチレングリ
コール(20モル)モノメチルエーテル91gとを仕込
み、N,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミン0.
34gを添加して90℃で2時間反応することにより、
水性ポリイソシアネート化合物を得た。 比較合成例1(ブロックドイソシアネート) 容量1Lの撹拌容器に、4,4'−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート144g、メチルエチルケトン100gを
入れ、50℃以下に保ちつつ、撹拌しながらメチルエチ
ルケトオキシム100gを滴下し、滴下終了後、さらに
50℃で1時間ブロック化反応を行なった。次いで、ポ
リオキシエチレン(10モル)フェニルエーテルを10g
入れ、高速撹拌しながら水446gを徐々に加え、有効
成分濃度が30.5重量%であるブロックドイソシアネ
ート化合物の水分散物を得た。
【0015】実施例1
水89.5重量部に、合成例1で得られたフッ素系撥水
撥油剤10重量部とヘキサメチレンジイソシアネートの
イソシアヌレート変性体を含むバイヒジュール3100
[住友バイエルウレタン(株)、不揮発分100重量%]
0.5重量部を加えて均一に混合し、処理液を調製し
た。この処理液を用いて、ポリエステル100%織物を
1dip−1nip、ピックアップ80重量%でパッド
処理し、120℃で1分間乾燥し、さらに180℃で1
分間熱処理した。得られた加工布について、撥水性と撥
油性を評価した。撥水性は、加工布が5、洗濯布が4、
100回転摩耗布が4+、500回転摩耗布が3+であ
り、撥油性は、加工布が6、洗濯布が3、100回転摩
耗布が3、500回転摩耗布が2+であり、耐水度は、
加工布が625mm、洗濯布が450mmであった。 実施例2 合成例1で得られたフッ素系撥水撥油剤の代わりに、合
成例2で得られたフッ素系撥水撥油剤を用いて処理液を
調製した以外は、実施例1と同様にして加工布を得た。
得られた加工布について、撥水性、撥油性及び耐水度を
評価した。 実施例3 水89.5重量部に、合成例2で得られたフッ素系撥水
撥油剤10重量部とヘキサメチレンジイソシアネートの
イソシアヌレート変性体を含むアクアネート100[日
本ポリウレタン工業(株)、不揮発分100重量%]0.
5重量部を加えて均一に混合し、処理液を調製した。こ
の処理液を用い、実施例1と同様にして加工布を得た。
得られた加工布について、撥水性、撥油性及び耐水度を
評価した。 実施例4 アクアネート100の代わりに、合成例3で得られた水
性ポリイソシアネート化合物を用いて処理液を調製した
以外は、実施例3と同様にして加工布を得た。得られた
加工布について、撥水性、撥油性及び耐水度を評価し
た。 比較例1 水90重量部に、合成例1で得られたフッ素系撥水撥油
剤10重量部を加えて均一に混合し、処理液を調製し
た。この処理液を用い、実施例1と同様にしてポリエス
テル織物を処理して加工布を得た。得られた加工布につ
いて、撥水性と撥油性を評価した。撥水性は、加工布が
5、洗濯布が1、100回転摩耗布が1、500回転摩
耗布が1であり、撥油性は、加工布が6、洗濯布が0、
100回転摩耗布が0、500回転摩耗布が0であり、
耐水度は、加工布が335mm、洗濯布が35mmであっ
た。 比較例2 水88.3重量部に、合成例1で得られたフッ素系撥水
撥油剤10重量部と、比較合成例1で得られたブロック
ドイソシアネートの水分散物1.7重量部を加えて均一
に混合し、処理液を調製した。この処理液を用い、実施
例1と同様にしてポリエステル織物を処理して加工布を
得た。得られた加工布について、撥水性、撥油性及び耐
水度を評価した。 比較例3 水90重量部に、合成例2で得られたフッ素系撥水撥油
剤10重量部を加えて均一に混合し、処理液を調製し
た。この処理液を用い、実施例1と同様にしてポリエス
テル織物を処理して加工布を得た。得られた加工布につ
いて、撥水性、撥油性及び耐水度を評価した。 比較例4 水88.3重量部に、合成例2で得られたフッ素系撥水
撥油剤10重量部と、比較合成例1で得られたブロック
ドイソシアネートの水分散物1.7重量部を加えて均一
に混合し、処理液を調製した。この処理液を用い、実施
例1と同様にしてポリエステル織物を処理して加工布を
得た。得られた加工布について、撥水性、撥油性及び耐
水度を評価した。 比較例5 水89.4重量部に、合成例2で得られたフッ素系撥水
撥油剤10重量部、メラミン樹脂[住友化学工業(株)、
スミテックスレジンM−3]0.3重量部及び有機アミ
ン塩系触媒[住友化学工業(株)、スミテックスアクセレ
レーターACX]0.3重量部を加えて均一に混合し、
処理液を調製した。この処理液を用い、実施例1と同様
にしてポリエステル織物を処理して加工布を得た。得ら
れた加工布について、撥水性、撥油性及び耐水度を評価
した。実施例1〜4及び比較例1〜5の結果を、第2表
に示す。
撥油剤10重量部とヘキサメチレンジイソシアネートの
イソシアヌレート変性体を含むバイヒジュール3100
[住友バイエルウレタン(株)、不揮発分100重量%]
0.5重量部を加えて均一に混合し、処理液を調製し
た。この処理液を用いて、ポリエステル100%織物を
1dip−1nip、ピックアップ80重量%でパッド
処理し、120℃で1分間乾燥し、さらに180℃で1
分間熱処理した。得られた加工布について、撥水性と撥
油性を評価した。撥水性は、加工布が5、洗濯布が4、
100回転摩耗布が4+、500回転摩耗布が3+であ
り、撥油性は、加工布が6、洗濯布が3、100回転摩
耗布が3、500回転摩耗布が2+であり、耐水度は、
加工布が625mm、洗濯布が450mmであった。 実施例2 合成例1で得られたフッ素系撥水撥油剤の代わりに、合
成例2で得られたフッ素系撥水撥油剤を用いて処理液を
調製した以外は、実施例1と同様にして加工布を得た。
得られた加工布について、撥水性、撥油性及び耐水度を
評価した。 実施例3 水89.5重量部に、合成例2で得られたフッ素系撥水
撥油剤10重量部とヘキサメチレンジイソシアネートの
イソシアヌレート変性体を含むアクアネート100[日
本ポリウレタン工業(株)、不揮発分100重量%]0.
5重量部を加えて均一に混合し、処理液を調製した。こ
の処理液を用い、実施例1と同様にして加工布を得た。
得られた加工布について、撥水性、撥油性及び耐水度を
評価した。 実施例4 アクアネート100の代わりに、合成例3で得られた水
性ポリイソシアネート化合物を用いて処理液を調製した
以外は、実施例3と同様にして加工布を得た。得られた
加工布について、撥水性、撥油性及び耐水度を評価し
た。 比較例1 水90重量部に、合成例1で得られたフッ素系撥水撥油
剤10重量部を加えて均一に混合し、処理液を調製し
た。この処理液を用い、実施例1と同様にしてポリエス
テル織物を処理して加工布を得た。得られた加工布につ
いて、撥水性と撥油性を評価した。撥水性は、加工布が
5、洗濯布が1、100回転摩耗布が1、500回転摩
耗布が1であり、撥油性は、加工布が6、洗濯布が0、
100回転摩耗布が0、500回転摩耗布が0であり、
耐水度は、加工布が335mm、洗濯布が35mmであっ
た。 比較例2 水88.3重量部に、合成例1で得られたフッ素系撥水
撥油剤10重量部と、比較合成例1で得られたブロック
ドイソシアネートの水分散物1.7重量部を加えて均一
に混合し、処理液を調製した。この処理液を用い、実施
例1と同様にしてポリエステル織物を処理して加工布を
得た。得られた加工布について、撥水性、撥油性及び耐
水度を評価した。 比較例3 水90重量部に、合成例2で得られたフッ素系撥水撥油
剤10重量部を加えて均一に混合し、処理液を調製し
た。この処理液を用い、実施例1と同様にしてポリエス
テル織物を処理して加工布を得た。得られた加工布につ
いて、撥水性、撥油性及び耐水度を評価した。 比較例4 水88.3重量部に、合成例2で得られたフッ素系撥水
撥油剤10重量部と、比較合成例1で得られたブロック
ドイソシアネートの水分散物1.7重量部を加えて均一
に混合し、処理液を調製した。この処理液を用い、実施
例1と同様にしてポリエステル織物を処理して加工布を
得た。得られた加工布について、撥水性、撥油性及び耐
水度を評価した。 比較例5 水89.4重量部に、合成例2で得られたフッ素系撥水
撥油剤10重量部、メラミン樹脂[住友化学工業(株)、
スミテックスレジンM−3]0.3重量部及び有機アミ
ン塩系触媒[住友化学工業(株)、スミテックスアクセレ
レーターACX]0.3重量部を加えて均一に混合し、
処理液を調製した。この処理液を用い、実施例1と同様
にしてポリエステル織物を処理して加工布を得た。得ら
れた加工布について、撥水性、撥油性及び耐水度を評価
した。実施例1〜4及び比較例1〜5の結果を、第2表
に示す。
【0016】
【表2】
【0017】実施例1〜4で得られた加工布は、優れた
撥水性と撥油性を有し、20回の洗濯後も、撥水性はわ
ずかしか低下せず、撥油性も良好な状態を保っている。
また、加工布の耐水度が大きく、20回の洗濯によって
も耐水度は30%程度しか低下しない。これに対して、
水性ポリイソシアネート化合物を含有せずフッ素系撥水
撥油剤のみを含有する処理液で処理した比較例1、3の
加工布は、洗濯又は摩耗する前は撥水性、撥油性ともに
優れているが、洗濯又は摩耗することにより、撥水性、
撥油性ともにほとんど失われてしまう。また、加工布の
耐水度が小さく、20回の洗濯により、耐水度は極めて
小さくなる。水性ポリイソシアネート化合物の代わり
に、ブロックドイソシアネートの水分散液を含有する処
理液で処理した比較例2、4の加工布は、洗濯又は摩耗
する前は撥水性、撥油性ともに優れているが、洗濯によ
り撥水性が著しく低下し、摩耗により撥油性はほとんど
失われてしまう。水性ポリイソシアネート化合物の代わ
りに、メラミン樹脂と触媒を含有する処理液で処理した
比較例5の加工布は、洗濯又は摩耗する前は撥水性、撥
油性ともに優れているが、洗濯により撥水性が低下し、
摩耗により撥油性がほとんど失われてしまう。
撥水性と撥油性を有し、20回の洗濯後も、撥水性はわ
ずかしか低下せず、撥油性も良好な状態を保っている。
また、加工布の耐水度が大きく、20回の洗濯によって
も耐水度は30%程度しか低下しない。これに対して、
水性ポリイソシアネート化合物を含有せずフッ素系撥水
撥油剤のみを含有する処理液で処理した比較例1、3の
加工布は、洗濯又は摩耗する前は撥水性、撥油性ともに
優れているが、洗濯又は摩耗することにより、撥水性、
撥油性ともにほとんど失われてしまう。また、加工布の
耐水度が小さく、20回の洗濯により、耐水度は極めて
小さくなる。水性ポリイソシアネート化合物の代わり
に、ブロックドイソシアネートの水分散液を含有する処
理液で処理した比較例2、4の加工布は、洗濯又は摩耗
する前は撥水性、撥油性ともに優れているが、洗濯によ
り撥水性が著しく低下し、摩耗により撥油性はほとんど
失われてしまう。水性ポリイソシアネート化合物の代わ
りに、メラミン樹脂と触媒を含有する処理液で処理した
比較例5の加工布は、洗濯又は摩耗する前は撥水性、撥
油性ともに優れているが、洗濯により撥水性が低下し、
摩耗により撥油性がほとんど失われてしまう。
【0018】
【発明の効果】本発明の撥水撥油性繊維製品の製造方法
によれば、洗濯耐久性と摩耗耐久性に優れた撥水撥油性
を有する繊維製品を得ることができる。また、本発明方
法により得られた繊維製品は耐水度が高く、厳しい環境
にも適用することができる。
によれば、洗濯耐久性と摩耗耐久性に優れた撥水撥油性
を有する繊維製品を得ることができる。また、本発明方
法により得られた繊維製品は耐水度が高く、厳しい環境
にも適用することができる。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 畑中 貴浩
福井県福井市文京4丁目23番1号 日華化
学株式会社内
(72)発明者 西川 誠
福井県福井市文京4丁目23番1号 日華化
学株式会社内
Fターム(参考) 4H020 BA02 BA13 BA24
4L033 AC03 AC04 CA22 CA51
Claims (6)
- 【請求項1】水性ポリイソシアネート化合物とフッ素系
撥水撥油剤とを併用して繊維製品を処理することを特徴
とする撥水撥油性繊維製品の製造方法。 - 【請求項2】水性ポリイソシアネート化合物が、芳香族
ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環
式ポリイソシアネート及びこれらから誘導されるポリイ
ソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種
に、アルキレンオキサイド鎖を結合させた化合物である
請求項1に記載の撥水撥油性繊維製品の製造方法。 - 【請求項3】ポリイソシアネートに結合させたアルキレ
ンオキサイド鎖の繰り返し単位数が平均5〜50である
請求項2に記載の撥水撥油性繊維製品の製造方法。 - 【請求項4】ポリイソシアネートに結合させたアルキレ
ンオキサイド鎖の量が、水性ポリイソシアネート化合物
100重量部に対して2〜50重量部である請求項2に
記載の撥水撥油性繊維製品の製造方法。 - 【請求項5】フッ素系撥水撥油剤が、フルオロアルキル
基を有するアクリレート及び/又はメタクリレートと、
これらと共重合可能な他の単量体との乳化共重合体を含
有する請求項1に記載の撥水撥油性繊維製品の製造方
法。 - 【請求項6】フッ素系撥水撥油剤の有効成分100重量
部に対して、水性ポリイソシアネート化合物5〜200
重量部を併用する請求項1に記載の撥水撥油性繊維製品
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001374522A JP2003171880A (ja) | 2001-12-07 | 2001-12-07 | 撥水撥油性繊維製品の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001374522A JP2003171880A (ja) | 2001-12-07 | 2001-12-07 | 撥水撥油性繊維製品の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003171880A true JP2003171880A (ja) | 2003-06-20 |
Family
ID=19183070
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001374522A Pending JP2003171880A (ja) | 2001-12-07 | 2001-12-07 | 撥水撥油性繊維製品の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003171880A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006124901A (ja) * | 2004-10-22 | 2006-05-18 | Formosa Tafeta Co Ltd | ロータス・リーフ効果を有する布帛の製造方法およびロータス・リーフ効果を有する布帛 |
JP2006207060A (ja) * | 2005-01-27 | 2006-08-10 | Komatsu Seiren Co Ltd | 撥水撥油性布帛およびその製造方法 |
JP2007270374A (ja) * | 2006-03-31 | 2007-10-18 | Komatsu Seiren Co Ltd | 撥水撥油性布帛およびその製造方法 |
JP2011214216A (ja) * | 2011-07-22 | 2011-10-27 | Komatsu Seiren Co Ltd | 撥水撥油性布帛 |
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-
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- 2001-12-07 JP JP2001374522A patent/JP2003171880A/ja active Pending
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