JP2006207060A - 撥水撥油性布帛およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 撥水撥油性布帛からの有害なホルマリンの発生を抑制し、撥水撥油性布帛のNOxガス黄変を防止し、かつ、洗濯を行っても優れた撥水撥油性を維持することができる撥水撥油性布帛を提供する。
【解決手段】 繊維布帛に、フッ素系撥水剤と非ブロックタイプの水分散型ポリイソシアネート系架橋剤を付与してなる撥水撥油性布帛。繊維布帛に、フッ素系撥水剤と非ブロックタイプの水分散型ポリイソシアネート系架橋剤を含む処理液を付与した後、60〜200℃の温度で熱処理を行うことにより製造される。
【選択図】 なし

Description

本発明は、撥水撥油性性能を有する布帛およびその製造方法に関する。
繊維布帛の撥水撥油加工方法として、フッ素系撥水剤と架橋剤とを併用して繊維布帛を処理する方法が従来から広範囲におこなわれている(特許文献1参照)。近年、特に繊維製品の人体への安全性や製造時の環境負荷への対応が注目され、繊維布帛の撥水撥油加工に関しても上記のような対応が求められている。
例えば、環境負荷への対応としては、アルキルフェノール誘導体や有機スズ系化合物等を含まない薬剤が薬剤メーカーにより開発され、繊維布帛の撥水撥油加工に用いられている。また、人体への安全性については、毒性の強いエチレンイミン系架橋剤やエポキシ系架橋剤を使用しないような対応が採られているが、撥水撥油性布帛からの有害物質であるホルマリンの発生を防止することは困難であった。
特に、耐久撥水撥油性能と布帛の黄変防止およびホルマリン発生の防止の3つの要件全てを満たすことは、従来の技術では困難であった。例えば、フッ素系撥水剤では自己架橋成分としてN−メチロール基含有のモノマーを使用されることが多く、これらの撥水剤からはホルマリンが発生する。また、メラミン系樹脂、グリオキザール系樹脂やエチレン尿素系樹脂等のアミノプラスト樹脂系架橋剤からもホルマリンが発生する。架橋剤として用いられる芳香族ブロックイソシアネート系架橋剤は、ホルマリンを発生させず、また撥水撥油性能の耐久性向上には有効であるけれども、窒素酸化物により黄変する(以下、「NOxガス黄変」という)という欠点を有する。また、脂肪族系ブロックイソシアネート系架橋剤、脂肪族カルボジイミド系架橋剤およびオキサゾリン系架橋剤は、ホルマリンの発生および黄変については問題はないけれども、撥水撥油性能の耐久性向上の効果が不十分である。
特公平4−5786号公報
本発明は、撥水撥油性布帛からの有害なホルマリンの発生を抑制し、撥水撥油性布帛のNOxガス黄変を防止し、かつ、洗濯を行っても優れた撥水撥油性を維持することができる撥水撥油性布帛を提供することを課題としている。
本発明は、繊維布帛に、フッ素系撥水剤と非ブロックタイプの水分散型ポリイソシアネート系架橋剤を付与してなる撥水撥油性布帛を提供する。
本発明は、また、繊維布帛に、フッ素系撥水剤と非ブロックタイプの水分散型ポリイソシアネート系架橋剤を含む処理液を付与した後、60〜200℃の温度で熱処理を行うことを特徴とする撥水撥油性布帛の製造方法を提供する。
より具体的には、本発明は、次の事項からなる。
1. 繊維布帛に、フッ素系撥水剤と非ブロックタイプの水分散型ポリイソシアネート系架橋剤を付与してなる撥水撥油性布帛。
2. フッ素系撥水剤がN−メチロール基を含有しないモノマーのみからなる、上記1に記載の撥水撥油性布帛。
3. 非ブロックタイプの水分散型ポリイソシアネート系架橋剤が脂肪族系イソシアネート化合物からなる、上記1または2に記載の撥水撥油性布帛。
4. 脂肪族系イソシアネート化合物が親水性成分を含有する化合物である、上記3に記載の撥水撥油性布帛。
5. 非ブロックタイプの水分散型ポリイソシアネート系架橋剤に含有される親水性成分が、ポリエーテル系化合物の単位を含む、上記4に記載の撥水撥油性布帛。
6. ポリエーテル系化合物の単位がポリエチレングリコール基および/またはポリプロピレングリコール基である、上記5に記載の撥水撥油性布帛。
7. JIS L1041遊離ホルムアルデヒド試験アセチルアセトン法A法に準じて測定した遊離ホルマリン量が、吸光度の差(A−A)として0.05以下である、上記1〜6のいずれかに記載の撥水撥油性布帛。
8. JIS L1041遊離ホルムアルデヒド試験アセチルアセトン法A法における布帛質量の10倍の質量の試験布を用い、JIS L1041B法に準じて測定した遊離ホルマリン量が、1.6ppm以下である、上記1〜7のいずれかに記載の撥水撥油性布帛。
9. JIS L0855(強試験)に従う窒素酸化物に対する染色堅牢度が、4級以上である、上記1〜8のいずれかに記載の撥水撥油性布帛。
10. JIS L0217 103法に従う洗濯20回後のJIS L1092(スプレー試験)による撥水度が3級以上であり、かつ、AATCC Test Method 118−1997による撥油性が2級以上である、上記1〜9のいずれかに記載の撥水撥油性布帛。
11. 繊維布帛に、フッ素系撥水剤と非ブロックタイプの水分散型ポリイソシアネート系架橋剤を含む処理液を付与した後、60〜200℃の温度で熱処理を行うことを特徴とする撥水撥油性布帛の製造方法。
本発明によれば、撥水撥油性布帛からのホルマリンの発生を抑え、NOxガスに対する黄変を抑え、かつ、洗濯に対する優れた撥水撥油性能を有する繊維布帛が得られる。したがって、本発明の撥水撥油性布帛を、安全な高機能性素材として、スキーウエアー、ウインドブレーカーなどのスポーツウエアーやフィッシングウエアー、作業服、エプロンや防水シーツなどの用途へ展開することにより、安全で利便性にすぐれた衣服やシーツ等を得ることができ、さらにその他の様々な用途への展開も可能となる。
本発明における繊維布帛は、特に限定されるものではなく、一般的な織物、編物、不織布等の全ての繊維布帛状製品を含む。また、繊維布帛を構成する繊維としては、綿、羊毛、絹等の天然繊維、ポリエステル、ナイロン等の合成繊維、レーヨン等の再生繊維、トリアセテート等の半合成繊維などが挙げられる。また、それらの混紡、交織、混繊品であってもよい。
本発明に有用なフッ素系撥水剤は、特に限定されるものではないが、例えば、パーフルオロアルキルアクリレートモノマーに加えて、長鎖アルキルアクリレートモノマー、塩化ビニルモノマーなどを含み、架橋成分としてN―メチロール基、カルボキシル基、水酸基、アミノ基などを持つモノマーなどを構成成分として含むパーフルオロアルキルアクリレート共重合体であり、一般に公知のフッ素系撥水剤であってよい。
本発明では、このような公知のフッ素系撥水剤と非ブロックタイプの水分散型ポリイソシアネート系架橋剤とを併用するため、公知の撥水剤を用いた場合においても、洗濯耐久性の優れた撥水撥油性を有するとともに、NOxガス黄変を防ぎ、かつ、得られた撥水撥油性布帛からのホルマリンの発生を抑制することができる。
ホルマリンの発生をより有効に防ぐ観点からは、フッ素系撥水剤を構成するモノマーとして、N−メチロール基を含有しないモノマーのみから構成されたフッ素系撥水剤を用いるのがよい。より具体的には、フッ素系撥水剤を構成するモノマーとして、N−メチロール基を含有しないモノマーのみから構成されたパーフルオロアルキルアクリレート共重合体であるのが好ましい。
具体的な商品名としては、アサヒガードAG970、AG6030(旭硝子(株)製)、ディクガードFS−1(大日本インキ化学工業(株)製)などが挙げられる。
本発明において、非ブロックタイプの水分散型ポリイソシアネート系架橋剤は脂肪族系イソシアネート化合物からなるのが好ましく、この脂肪族系イソシアネート化合物は親水性成分を含む化合物であるのが好ましい。ここで、非ブロックタイプの水分散型ポリイソシアネート系架橋剤に含有される親水性成分は、ポリエーテル系化合物の単位を主として含むのが好ましく、このポリエーテル系化合物の単位はポリエチレングリコール基および/またはポリプロピレングリコール基であるのが好ましい。
非ブロックタイプとは、イソシアネート基をオキシム類、フェノール類、エノール類等の活性水素化合物と反応させて常温では不活性にしたブロックイソシアネートではないものをいう。すなわち、非ブロックタイプとは、末端のイソシアネート基がブロックされていないタイプのものである。
非ブロックタイプの水分散型ポリイソシアネート系架橋剤は、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族系ジイソシアネートまたはジフェニルメタンジイソシアネート、トルイレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族系ジイソシアネートを変性してイソシアヌレート体、アダクト体、ビュウレット体等を含むポリイソシアネート体とし、親水性成分を一部反応させた化合物である。
本発明に用いる非ブロックタイプの水分散型ポリイソシアネート系架橋剤は、NOx黄変を防止する観点から脂肪族系化合物であるのが好ましい。
本発明に用いられている非ブロックタイプの水分散型ポリイソシアネート系架橋剤は、親水性成分を含有する化合物からなる。一般に、撥水加工において親水性成分を含有する化合物を撥水剤と併用することは、撥水性の低下が予想され、特に撥水性能の洗濯耐久性の低下が懸念されるものである。ところが、本発明では、このような当業者の常識に反して、親水性成分を含有する非ブロックタイプの水分散型ポリイソシアネート系架橋剤を用いたにもかかわらず、優れた撥水性能だけではなく、撥水性能の優れた洗濯耐久性をも有する撥水撥油性布帛が得られることが見出されたのである。
本発明に有用なかかる架橋剤の具体的な商品名としては、タケネートWD720、WD725(武田薬品工業(株)製)、NKアシストIS−80D、IS―100N(日華化学(株)製)、バイヒジュールVPLS2319、VPLS2336(住化バイエルウレタン(株)製)、アクアネート100、200(日本ポリウレタン工業(株))製などが挙げられる。
これらの非ブロックタイプの水分散型ポリイソシアネート系架橋剤は、当初、水系ウレタン樹脂等に対する架橋剤として開発され、これらを撥水加工に用いることには撥水性能やその耐久性の問題や加工液安定性、ポットライフ等の問題があるため、撥水加工用の架橋剤としては使用されてはいなかった。
しかしながら、本発明においては、非ブロックタイプの水分散型ポリイソシアネート架橋剤を撥水加工に用いることにより、撥水撥油性布帛からのホルマリンの発生を抑え、NOxガスによる黄変を防止し、洗濯に対する耐久性にすぐれた撥水撥油性布帛を提供することが可能になったのである。
本発明におけるフッ素系撥水剤の繊維布帛への付着量は、繊維布帛の質量に対し0.1〜2.5質量%が好ましく、0.4〜1.5質量%がより好ましい。付着量が、0.1%未満では、耐久性が得られにくくなることがあり、また2.5%を超えると得られる布帛の風合いが粗硬になることがある。
また、非ブロックタイプの水分散型ポリイソシアネート系架橋剤の繊維布帛への付着量は、繊維布帛の質量に対し0.05〜1.0質量%が好ましく、0.15〜0.45質量%が特に好ましい。付着量が0.05%未満では、耐久性が得られにくくなることがあり、付着量が1.0%を超えると風合いが粗硬となることがある。
また、本発明の撥水撥油性布帛からの遊離ホルマリン量は、JIS L1041遊離ホルムアルデヒド試験アセチルアセトン法A法に準じて測定した吸光度の差(A−A)として0.05以下であるのがよい。
JIS L1041遊離ホルムアルデヒド試験アセチルアセトン法A法にて測定した吸光度の差(A−A)が0.05以下であれば、「有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律」(法律第112号)の生後24ヶ月以下の乳幼児用の繊維製品の規制をクリアすることができる。
また、さらに好ましくは、遊離ホルマリン量が、JIS L1041遊離ホルムアルデヒド試験アセチルアセトン法A法における布帛質量の10倍の質量の試験布を用い、JIS L1041B法に準じて測定して、1.6ppm以下(試験布1g当り)であるのがよい。
この方法は、試験布の量をJIS L1041遊離ホルムアルデヒド試験アセチルアセトン法A法に規定されている質量の10倍の25gの布帛を用い、その他はB法に準じた方法にて遊離ホルマリン濃度の測定を行うものである。このJIS L1042A法は、「有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律」のなかで、24ヶ月以下の乳幼児以外の肌着等の繊維製品からのホルムアルデヒドの遊離量を測定する際に用いられる方法であり、B法に比べて試験布の質量を2.5倍にして吸光度の差を求めるものがA法であるが、さらに、本発明では、A法の試験布の10倍の質量の布帛を用いて遊離ホルマリン量の測定を行っている。したがって、この方法により行った試験では、ホルマリン濃度の検出限界値である吸光度差0.05に対応するホルマリン濃度は1.6ppm(試験布1g当り)となる。
また、本発明の撥水撥油性布帛は、JIS L0855(強試験)に従う窒素酸化物に対する染色堅牢度が4級以上であるのがよい。
また、JIS L0217 103法に従う洗濯20回後のJIS L1092(スプレー試験)での撥水度が3級以上であり、かつ、AATCC Test Method 118−1997での撥油性が2級以上であるのがよい。
次に、本発明の撥水撥油性布帛の好ましい製造方法について説明する。
上記の繊維布帛に対し、フッ素系撥水剤と非ブロックタイプの水分散型ポリイソシアネート系架橋剤を含む処理液を付与した後、60〜200℃の温度で熱処理を行うことにより本発明の撥水撥油性布帛を得ることができる。
ここで、繊維布帛は、精練、染色、捺染等の加工が施されたものであってもよく、また、帯電防止加工や柔軟加工、抗菌加工、消臭加工を施したもの、ウレタン樹脂やアクリル樹脂から得られる多孔質膜、無孔質膜やポリテトラフルオロエチレン膜またはこれらを組み合わせた透湿性防水膜を付与した防水加工布帛などであってもよい。
また、フッ素系撥水剤と非ブロックタイプの水分散型ポリイソシアネート系架橋剤を含む処理液は、水溶液や水分散液などの水系処理液であってもターペンやイソプロピルアルコール、トルエン、メチルエチルケトン、エタノールなどを用いた溶剤系処理液であってもよい。環境面への観点からは水系処理液が好ましい。
これらの処理液においては、フッ素系撥水剤および非ブロックタイプの水分散型ポリイソシアネート系架橋剤以外に、ホルマリンが発生しにくく、NOxガス黄変がしにくい薬剤を任意に併用してもよいことは勿論である。例えば、そのようなフッ素系撥油SR剤を併用することにより、洗濯耐久性のある撥水撥油SR加工が可能である。一般には、フッ素系撥油SR剤は親水性成分量が多いため、撥水性能をほとんど有さないが、本発明に用いることにより優れた撥水撥油性能を有し、ホルマリンの発生を抑え、NOx黄変を抑えた撥水撥油SR布帛が得られる。
また、制電性を付与するための帯電防止剤、風合い調整のための柔軟剤、紫外線遮蔽加工のための紫外線吸収剤、処理液安定性の向上のための界面活性剤、抗菌性付与のための抗菌剤、架橋用の触媒等の併用可能である。
これらの処理液の付与方法としては、特に限定されるものではなく、パッド・ドライ法、パッド・スチーム法、パッド・ドライ・スチーム法、グラビアコーテイング法、スプレー法などの種々の方法を用いることができる。
また、処理液を付与した後、60〜200℃の温度で熱処理を行うのであるが、熱処理はホットシリンダーを用いるか、またはスチーマー、ノンタッチ型乾燥機、ネットドライヤー、ピンテンターなどの公知の熱処理装置を用いて行うことができる。また、熱処理は複数回行ってもよい。
熱処理を行った後、さらに、帯電防止加工や柔軟加工、抗菌加工、消臭加工、ウレタン樹脂やアクリル樹脂から得られる多孔質膜、無孔質膜やポリテトラフルオロエチレン膜またこれらを組み合わせた透湿性防水膜を付与する防水加工などを施してもよい。
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。例中の「%」は質量%であり、また例中の撥水性評価方法、撥油性評価方法、洗濯、ホルマリン濃度測定方法、NOxガス黄変試験、透湿度測定および耐水度測定は、以下の操作により行った。
(1)撥水性評価方法:JIS L1092(スプレー試験)に準じて行った。
(2)撥油性評価方法:AATCC Test Method 118−1997に準じて行った。
(3)洗濯:JIS L0217 103法に準じて行い、乾燥にはつり干しを行い、その後のドライアイロン仕上げは行っていない。
(4)ホルマリン濃度測定方法1:JIS L1041遊離ホルムアルデヒド試験アセチルアセトン法A法により行った。
(5)ホルマリン濃度測定方法2:JIS L1041遊離ホルムアルデヒド試験アセチルアセトン法に規定の試験布をA法に規定されている質量の10倍の25gの量で用い、他はB法に準じて、遊離ホルマリン濃度の測定を行った。
この測定方法において、吸光度差の検出限界は0.05であり、0.05に対応するホルマリン濃度は1.6ppmとなる。したがって、1.6ppm(試験布1g当り)が検出限界となる。
(6)NOxガス黄変試験:JIS L0855(強試験)に準じて行った。
(7)透湿度測定:JIS L1099(A−1)法に準じて行った。ただし、単位は24時間あたりに換算した。
(8)耐水度測定:JIS L1092 静水圧法 A法に準じて行った。
実施例1
ポリエステルツイル(タテ密度78本/2.54cm、ヨコ密度72本/2.54cm、目付け104g/m)を精練加工した後の白生地を繊維布帛として用い、繊維布帛を下記処理液に浸漬した後、マングルにて絞り、熱風オーブンにて120℃で熱処理後、さらに170℃で1分間熱処理を行い、撥水撥油性布帛を得た。
処理液
アサヒガードAG970(フッ素系撥水剤:旭硝子(株)製 固形分18%) 6%
(N−メチロール基を含有しないモノマーのみから構成)
NKアシストIS−80D(日華化学(株)製 固形分80%) 0.4%
(非ブロックタイプの水分散型ポリイソシアネート系架橋剤、ポリエチレングリコール基含有)
水 93.7%
得られた撥水撥油性布帛へのフッ素系撥水剤の付着量は、繊維布帛質量に対し0.96%、非ブロックタイプの水分散型ポリイソシアネート系架橋剤の付着量は0.24%であった。
得られた撥水撥油性布帛の性能を表1に示す。
比較例1
処理液として下記を用いた以外は実施例1と同様にし、撥水撥油性布帛を得た。得られた撥水撥油性布帛の性能を表1に示す。
処理液
アサヒガードAG7000(フッ素系撥水剤:旭硝子(株)製 固形分20%) 6%
(N−メチロール基を含有するモノマーを含むモノマーから構成)
スミテックスレジンM3(メラミン架橋剤:住友化学工業(株)製 固形分80%)
0.3%
スミテックスアクセローターACX(反応触媒:住友化学工業(株)製) 0.1%
水 93.6%
Figure 2006207060
表1の結果から、実施例1の加工布帛は、ホルマリン濃度が検出限界以下(1.6ppm以下)であり、良好な撥水撥油性を有し、NOxガス黄変をほとんど生じないことがわかる。これに対して、比較例1の撥水撥油性布帛は、撥水剤と架橋剤に起因すると推定されるホルマリンを発生する。
実施例2
ナイロンツイル(タテ密度210本/2.54cm、ヨコ密度154本/2.54cm、目付け86g/m)を精練加工した後の白生地を繊維布帛として用い、繊維布帛を下記処理液に浸漬した後、マングルにて絞り、熱風オーブンにて120℃で熱処理後、さらに160℃で1分間熱処理を行い、撥水撥油性布帛を得た。
処理液
ディックガードFS−1(フッ素系撥水剤:大日本インキ化学工業(株)製 固形分20%) 8%
(N−メチロール基を含有しないモノマーのみから構成)
タケネートWD720(武田薬品工業(株)製) 0.4%
(非ブロックタイプの水分散型ポリイソシアネート系架橋剤、ポリエチレングリコール基含有)
水 93.7%
得られた撥水撥油性布帛へのフッ素系撥水剤の付着量は、繊維布帛質量に対し、1.3%、非ブロックタイプの水分散型ポリイソシアネート系架橋剤の付着量は0.32%であった。
上記撥水撥油性布帛の片面に下記処方のウレタン樹脂溶液をフローテイングナイフ方式により塗布後、水中で凝固、脱溶媒を行い、熱風オーブンにて120℃で乾燥後、160℃で1分間熱処理を行い、透湿防水性を有する撥水撥油性布帛を得た。
得られた撥水撥油性布帛の性能を表2に示す。
ウレタン樹脂溶液
クリスボン8006(ウレタン樹脂:大日本インキ化学工業(株)製) 100質量部
N,N−ジメチルホルムアミド 40質量部
バーノックBL50(脂肪族ブロックイソシアネート架橋剤:大日本インキ化学工業(株)製) 5質量部
比較例2
処理液として下記を用いた以外は実施例2と同様にし、撥水撥油性布帛を得た。得られた透湿防水性を有する撥水撥油性布帛の性能を表2に示す。
処理液
ディックガードF90NX(フッ素系撥水剤:大日本インキ化学工業(株)製 固形分20%) 6%
(N−メチロール基を含有するモノマーを含むモノマーから構成)
エラストロンBN69(芳香族ブロックイソシアネート架橋剤:第一工業製薬(株)製 固形分40%) 0.6%
水 93.4%
Figure 2006207060
表2の結果から、実施例2の撥水撥油性布帛は、ホルマリン濃度が1.6ppm以下であり、良好な撥水撥油性能を有し、NOxガス黄変をほとんど生じないことがわかる。これに対して、比較例2の撥水撥油性布帛は、撥水剤に起因すると推定されるホルマリンを発生し、また架橋剤に起因すると推定されるNOxガス黄変を生じている。
実施例3
綿ツイル(タテ密度100本/2.54cm、ヨコ密度94本/2.54cm、目付け160g/m)を精練加工した後の白生地を繊維布帛として用い、繊維布帛を下記処理液に浸漬した後、マングルにて絞り、熱風オーブンにて120℃で熱処理後、さらに170℃で1分間熱処理を行い、撥水撥油性布帛を得た。
処理液
アサヒガードAG6030(フッ素系撥水剤:旭硝子(株)製 固形分15%)10%
(N−メチロール基を含有しないモノマーのみから構成)
NKアシストIS−80D(日華化学(株)製 固形分80%) 0.5%
(非ブロックタイプの水分散型ポリイソシアネート系架橋剤、ポリエチレングリコール基含有)
水 89.5%
得られた撥水撥油性布帛へのフッ素系撥水剤の付着量は、繊維布帛質量に対し、1.1%、非ブロックタイプの水分散型ポリイソシアネート系架橋剤の付着量は0.28%であった。
得られた撥水撥油性布帛の性能を表3に示す。
比較例3
処理液として下記を用いた以外は実施例3と同様にし、撥水撥油性布帛を得た。得られた撥水撥油性布帛の性能を表3に示す。
処理液
アサヒガードAG6030(フッ素系撥水剤:大日本インキ化学工業(株)製)10%
(N−メチロール基を含有しないモノマーのみから構成)
エラストロンBN11 0.6%
(脂肪族ブロックイソシアネート架橋剤:第一工業製薬(株)製 固形分34%)
水 89.4%
Figure 2006207060
表3の結果から、実施例3の撥水撥油性布帛は、ホルマリン濃度が1.6ppm以下であり、良好な撥水撥油性を有し、NOxガス黄変をほとんど発生しないことがわかる。これに対して、比較例3の撥水撥油性布帛は、耐久撥水撥油性が不十分である。
なお、上記実施例では、NOxガス黄変に対する染料の影響を受けないように白生地にてNOxガス性を評価したが、染料がNOxガス黄変するためNOxガス黄変が発生する撥水撥油性布帛が本発明に含まれることはいうまでもないことであり、染料が原因であるNOx黄変であってもNOxガス黄変性は3級以上であるのが好ましく、より好ましくは4級以上である。
本発明は、安全な高機能性素材として、スキーウエアー、ウインドブレーカーなどのスポーツウエアーやフィッシングウエアー、作業服、エプロンや防水シーツなどの用途へ展開することにより、安全で利便性にすぐれた衣服やシーツ等を提供することができ、産業上有用である。

Claims (11)

  1. 繊維布帛に、フッ素系撥水剤と非ブロックタイプの水分散型ポリイソシアネート系架橋剤を付与してなる撥水撥油性布帛。
  2. フッ素系撥水剤がN−メチロール基を含有しないモノマーのみからなる、請求項1に記載の撥水撥油性布帛。
  3. 非ブロックタイプの水分散型ポリイソシアネート系架橋剤が脂肪族系イソシアネート化合物からなる、請求項1または2に記載の撥水撥油性布帛。
  4. 脂肪族系イソシアネート化合物が親水性成分を含有する化合物である、請求項3に記載の撥水撥油性布帛。
  5. 非ブロックタイプの水分散型ポリイソシアネート系架橋剤に含有される親水性成分が、ポリエーテル系化合物の単位を含む、請求項4に記載の撥水撥油性布帛。
  6. ポリエーテル系化合物の単位がポリエチレングリコール基および/またはポリプロピレングリコール基である、請求項5に記載の撥水撥油性布帛。
  7. JIS L1041遊離ホルムアルデヒド試験アセチルアセトン法A法に準じて測定した遊離ホルマリン量が、吸光度の差(A−A)として0.05以下である、請求項1〜6のいずれかに記載の撥水撥油性布帛。
  8. JIS L1041遊離ホルムアルデヒド試験アセチルアセトン法A法における布帛質量の10倍の質量の試験布を用い、JIS L1041B法に準じて測定した遊離ホルマリン量が、1.6ppm以下である、請求項1〜7のいずれかに記載の撥水撥油性布帛。
  9. JIS L0855(強試験)に従う窒素酸化物に対する染色堅牢度が、4級以上である、請求項1〜8のいずれかに記載の撥水撥油性布帛。
  10. JIS L0217 103法に従う洗濯20回後のJIS L1092(スプレー試験)による撥水度が3級以上であり、かつ、AATCC Test Method 118−1997による撥油性が2級以上である、請求項1〜9のいずれかに記載の撥水撥油性布帛。
  11. 繊維布帛に、フッ素系撥水剤と非ブロックタイプの水分散型ポリイソシアネート系架橋剤を含む処理液を付与した後、60〜200℃の温度で熱処理を行うことを特徴とする撥水撥油性布帛の製造方法。
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