JP2003335228A - 車両制動制御装置 - Google Patents

車両制動制御装置

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JP2003335228A
JP2003335228A JP2002143432A JP2002143432A JP2003335228A JP 2003335228 A JP2003335228 A JP 2003335228A JP 2002143432 A JP2002143432 A JP 2002143432A JP 2002143432 A JP2002143432 A JP 2002143432A JP 2003335228 A JP2003335228 A JP 2003335228A
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JP
Japan
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vehicle
value
setting
hydraulic pressure
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Application number
JP2002143432A
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English (en)
Inventor
Kousuke Sakagami
航介 坂上
Hideo Araki
秀夫 荒木
Yasuhisa Hiroshima
靖久 広島
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Daihatsu Motor Co Ltd
Original Assignee
Daihatsu Motor Co Ltd
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  • Controls For Constant Speed Travelling (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車間距離制御において目標値に対する自車の
追従性を向上する。 【解決手段】 距離センサ37により先行車と自車との
距離を検出する。ブレーキECU36は、その距離に基
づき目標加減速度を設定し、自車の実加減速度を検出
し、検出値が目標値を超えるときは加圧モードとし、検
出値が目標値未満のときは減圧モードとするとともに、
検出値が保持範囲内のときは保持モードとしてアクチュ
エータ部5の駆動を制御する。ブレーキECU36は、
さらに、目標加減速度の前回の設定値からの変化量であ
る目標値変化量を算出し、その目標値変化量に応じて保
持範囲の設定を変更する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、貯留されているブ
レーキ液を用いて発生したブレーキ液圧により車両の制
動力を発生する制動手段を備えた車両の車両制動制御技
術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自車と先行車との車間距離である実車間
距離を検出し、その実車間距離を所定の目標車間距離に
保ちつつ先行車に追従して走行する車間距離制御システ
ムは従来から知られている。このようなシステムでは、
先行車が減速して実車間距離が減少したときには制動力
を車輪に与える制動手段を自動的に動作させて自車を減
速させ、先行車が加速して車間距離が増大したときには
制動力を解除して自動的に自車も加速するように構成さ
れており、一般に、実車間距離と目標車間距離との偏差
および自車と先行車との相対速度の2値を基本入力とす
る予め設定された演算式に基づき目標加減速度を算出
し、その算出した目標加減速度を実現するように自車の
加減速を制御することで車間距離制御を行っている。
【0003】一方、上記制動手段として、従来、貯留さ
れたブレーキ液からブレーキ液圧を発生するポンプを有
するアクチュエータを備え、発生したブレーキ液圧をア
クチュエータからホイルシリンダに伝達し、このブレー
キ液圧によりホイルシリンダが制動圧を車輪に印加する
ことで車両の制動力を発生するようにしたものが知られ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記アクチュエータの
制御モードとしては、通常、ブレーキ液圧を増大する加
圧モード、ブレーキ液圧を低減する減圧モード、現在の
ブレーキ液圧を保持する保持モードの3つのモードが設
定されている。この保持モードは、頻繁に制御モードが
変化して車両の乗り心地が悪化するのを防止するための
もので、目標加減速度をAtとし、現在の自車の加減速
度である実加減速度をArとすると、実加減速度Ar
が、図5に斜線で示す保持範囲、 (At−0.1)≦Ar≦At…(1) に入ると、保持モードに移行するように制御されてい
る。ここで、目標偏差ΔA=(At−Ar)とすると、上
記式(1)を変形すると、 0≦ΔA≦0.1…(2) となる。すなわち、目標加減速度Atが減速方向に変化
し、ΔA<0の状態からブレーキ液圧の加圧モードによ
り自車の減速が進んで実加減速度Arが目標加減速度A
tに一致する(ΔA=0)と、直ぐに保持モードに移行
してブレーキ液圧が変化しなくなるために、目標加減速
度Atに追従するために必要な制動力が得られず、減速
に遅れが生じてしまう。なお、図5における単位Gは重
力加速度である。
【0005】また、例えばアクチュエータのポンプを駆
動するモータの駆動力をPWM制御する際のデューティ
比を算出するときに用いる目標偏差ΔA=(At−Ar)
のフィードバック係数としては、目標偏差ΔAの大小に
関わりなく予め設定された固定値が用いられている。従
って、例えば目標加減速度Atが急激に低下したときに
実加減速度Arが十分に低下せず、良好な追従性が得ら
れない。
【0006】また、上記モータのPWM制御を開始する
ときの最小デューティ比は、目標加減速度Atの変化量
に関わりなく予め設定された固定値が用いられている。
従って、例えば目標加減速度Atが大きく低下したとき
に実加減速度Arが十分に低下せず、良好な追従性が得
られない。
【0007】これらの要因によって、上記従来の車間距
離制御では、図6に示すように、目標加減速度Atが減
速方向に変化しているときに、実加減速度Arが目標加
減速度Atに一致する度に減速に遅れが生じる。さら
に、保持範囲が図5に示すように設定されているため
に、加圧モードから減圧モードへの移行も遅れ、いわゆ
るブレーキ抜きも遅れてしまう。従って、減速方向およ
び加速方向の双方において、実加減速度Arの目標加減
速度Atに対する十分な追従性が得られないこととな
る。
【0008】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
で、車間距離制御において目標値に対する自車の追従性
を向上するようにした車両制動制御装置を提供すること
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明は、貯留されているブレーキ
液を用いてブレーキ液圧を発生させる液圧駆動手段と、
この液圧駆動手段により発生したブレーキ液圧により車
両の制動力を発生する制動手段とを備えた車両制動制御
装置において、自車の前方の障害物と自車との距離を繰
返し検出する距離検出手段と、前記距離検出手段により
検出された前記距離に基づき自車の走行に関する値の目
標値を繰返し設定する目標値設定手段と、前記目標値設
定手段により設定される目標値に基づき自車の走行を制
御する走行制御手段と、走行中における前記自車の走行
に関する値を繰返し検出する走行値検出手段と、前記走
行値検出手段により検出される検出値が前記目標値設定
手段により設定される目標値を超えるときは、前記液圧
駆動手段により発生させるブレーキ液圧を増大する加圧
モードとし、前記検出値が前記目標値未満のときは、前
記ブレーキ液圧を低減する減圧モードとするとともに、
前記検出値が保持範囲内のときは、前記ブレーキ液圧を
増減せずに保持する保持モードとする液圧制御手段と、
前記目標値設定手段により設定される前記目標値の前回
の設定値からの変化量である目標値変化量を算出する変
化量演算手段と、前記変化量演算手段により算出される
前記目標値変化量に応じて前記保持範囲の設定を変更す
る設定変更手段とを備えたことを特徴としている。
【0010】この構成によれば、自車の前方の障害物と
自車との距離が繰返し検出され、この検出された距離に
基づき自車の走行に関する値の目標値が繰返し設定さ
れ、この設定される目標値に基づき自車の走行が制御さ
れる。そして、走行中における自車の走行に関する値が
繰返し検出され、検出値が目標値を超えるときは、ブレ
ーキ液圧を増大する加圧モードとされ、検出値が目標値
未満のときは、ブレーキ液圧を低減する減圧モードとさ
れるとともに、検出値が保持範囲内のときは、ブレーキ
液圧を増減せずに保持する保持モードとされる。
【0011】ここで、繰返し設定される目標値の前回の
設定値からの変化量である目標値変化量が算出され、こ
の目標値変化量に応じて保持範囲の設定が変更されるこ
とにより、検出値が保持範囲に入ることなく、加速方向
または減速方向の目標値の変化方向に応じてブレーキ液
圧の増減が継続して行うことが可能になり、検出値の目
標値に対する追従性を向上することが可能になる。な
お、繰返し行われる各値の検出、設定、算出などは、例
えば予め設定されたサンプリング周期ごとに行われる。
【0012】また、前記設定変更手段は、前記目標値設
定手段により設定される前記目標値が減速方向に変化し
ているときは、前記保持範囲が前記目標値より低く設定
されるように当該保持範囲の設定を変更することにする
と(請求項2)、目標値に追従して低下した検出値が目
標値に一致した後も、保持範囲に入るまではブレーキ液
圧を増大する加圧モードが継続されることから、減速遅
れが防止されることとなる。
【0013】また、前記設定変更手段は、前記目標値設
定手段により設定される前記目標値が加速方向に変化し
ているときは、前記保持範囲が前記目標値より高く設定
されるように当該保持範囲の設定を変更することにする
と(請求項3)、目標値に追従して上昇した検出値が目
標値に一致した後も、保持範囲に入るまではブレーキ液
圧を低減する減圧モードが継続されることから、いわゆ
るブレーキ抜きの遅れが防止されることとなる。
【0014】また、請求項4に記載の発明は、貯留され
ているブレーキ液を用いてブレーキ液圧を発生させる液
圧駆動手段と、この液圧駆動手段により発生したブレー
キ液圧により車両の制動力を発生する制動手段とを備え
た車両制動制御装置において、自車の前方の障害物と自
車との距離を繰返し検出する距離検出手段と、前記距離
検出手段により検出された前記距離に基づき自車の走行
に関する値の目標値を繰返し設定する目標値設定手段
と、前記目標値設定手段により設定される前記目標値に
基づき自車の走行を制御する走行制御手段と、走行中に
おける前記自車の走行に関する値を繰返し検出する走行
値検出手段と、前記目標値設定手段により設定された目
標値と前記走行値検出手段により検出された検出値との
偏差である目標偏差を繰返し算出する偏差演算手段と、
前記目標値設定手段により設定される前記目標値の前回
の設定値からの変化量である目標値変化量を算出する変
化量演算手段と、前記偏差演算手段により算出される前
記目標偏差にフィードバック係数を乗算した乗算値と前
回の駆動力設定値とを加算するフィードバック制御によ
り前記液圧駆動手段の駆動力を繰返し設定する駆動力設
定手段と、前記変化量演算手段により算出される前記目
標値変化量に応じて前記フィードバック係数の設定を変
更する設定変更手段と、前記駆動力設定手段により設定
された駆動力で前記液圧駆動手段を駆動する液圧制御手
段とを備えたことを特徴としている。
【0015】この構成によれば、自車の前方の障害物と
自車との距離が繰返し検出され、この検出された距離に
基づき自車の走行に関する値の目標値が繰返し設定さ
れ、この設定される目標値に基づき自車の走行が制御さ
れる。そして、走行中における自車の走行に関する値が
繰返し検出され、目標値と検出値との偏差である目標偏
差が繰返し算出され、目標値の前回の設定値からの変化
量である目標値変化量が算出され、目標偏差にフィード
バック係数を乗算した乗算値と前回の駆動力設定値とを
加算するフィードバック制御により液圧駆動手段の駆動
力が繰返し設定され、設定された駆動力で液圧駆動手段
が駆動される。
【0016】ここで、目標値変化量に応じてフィードバ
ック係数の設定が変更されることにより、液圧駆動手段
の駆動力が目標値変化量に応じた値に設定されることか
ら、目標値に対する検出値の追従性を向上することが可
能になる。なお、繰返し行われる各値の検出、設定、算
出などは、例えば予め設定されたサンプリング周期ごと
に行われる。
【0017】また、前記設定変更手段は、前記目標値設
定手段により設定される前記目標値が減速方向に変化し
ているときは、前記変化量演算手段により算出される前
記目標値変化量に応じて前記フィードバック係数を増大
することにすると(請求項5)、液圧駆動手段の駆動力
が目標値変化量に応じて増大した値に設定されることと
なり、減速遅れが防止される。
【0018】また、請求項6に記載の発明は、貯留され
ているブレーキ液を用いてブレーキ液圧を発生させる液
圧駆動手段と、この液圧駆動手段により発生したブレー
キ液圧により車両の制動力を発生する制動手段とを備え
た車両制動制御装置において、自車の前方の障害物と自
車との距離を繰返し検出する距離検出手段と、前記距離
検出手段により検出された前記距離に基づき自車の走行
に関する値の目標値を繰返し設定する目標値設定手段
と、前記目標値設定手段により設定される前記目標値に
基づき自車の走行を制御する走行制御手段と、走行中に
おける前記自車の走行に関する値を繰返し検出する走行
値検出手段と、前記目標値設定手段により設定された目
標値と前記走行値検出手段により検出された検出値との
偏差である目標偏差を繰返し算出する偏差演算手段と、
前記目標値設定手段により繰返し設定される前記目標値
の変化量である目標値変化量を算出する変化量演算手段
と、駆動開始時は予め設定された最小駆動力で駆動し、
その後は前記偏差演算手段により算出された前記目標偏
差に応じた駆動力で前記液圧駆動手段を駆動する液圧制
御手段と、前記変化量演算手段により算出される前記目
標値変化量に応じて前記最小駆動力を変更する設定変更
手段とを備えたことを特徴としている。
【0019】この構成によれば、自車の前方の障害物と
自車との距離が繰返し検出され、この検出された距離に
基づき自車の走行に関する値の目標値が繰返し設定さ
れ、この設定される目標値に基づき自車の走行が制御さ
れる。そして、走行中における自車の走行に関する値が
繰返し検出され、目標値と検出値との偏差である目標偏
差が繰返し算出され、目標値の前回の設定値からの変化
量である目標値変化量が算出され、駆動開始時は予め設
定された最小駆動力で駆動され、その後は目標偏差に応
じた駆動力で液圧駆動手段が駆動される。ここで、目標
値変化量に応じて最小駆動力が変更されることにより、
例えば減速方向への目標値変化量が大きいときに最小駆
動力を増大することで、減速遅れの防止が可能になる。
なお、繰返し行われる各値の検出、設定、算出などは、
例えば予め設定されたサンプリング周期ごとに行われ
る。
【0020】また、前記液圧駆動手段は、前記ブレーキ
液圧を発生するポンプを駆動するモータで、前記液圧制
御手段は、駆動開始時は予め設定された最小デューティ
比で前記モータをPWM制御し、その後は前記目標偏差
に応じたデューティ比で前記モータをPWM制御するも
ので、前記設定変更手段は、前記目標値設定手段により
設定される前記目標値が減速方向に変化しているとき
は、前記変化量演算手段により算出される前記目標値変
化量に応じて前記最小デューティ比を増大するとしても
よい(請求項7)。
【0021】この構成によれば、目標値が減速方向に変
化しているときは、目標値変化量に応じて駆動開始時の
最小デューティ比が増大することにより、駆動開始時に
おけるポンプの駆動力が大きいものとなるため、ブレー
キ液圧の増大を素早く行うことが可能になり、減速遅れ
が防止される。
【0022】また、前記自車の走行に関する値は加減速
度であるとすると(請求項8)、設定される目標加減速
度に対して、検出される現在の自車の加減速度が良好に
追従することとなる。
【0023】また、前記目標値設定手段により設定され
る目標加減速度が予め設定された値未満のときは前記設
定変更手段の動作を停止することにすると(請求項
9)、過剰に急激な減速が行われて車両の乗り心地が低
下するのを未然に防止することが可能になる。
【0024】
【発明の実施の形態】まず、図1を参照して、本発明に
係る車両制動制御装置の一実施形態の制御構成について
説明する。図1は同車両制動制御装置の全体制御構成を
示すブロック図である。なお、同図において、圧力セン
サ22F,22R,23F,23Rについては、その検
出位置と電気的接続を示すために、それぞれ2箇所に記
載している。
【0025】この車両制動制御装置は、自車の走行レー
ン前方を走行する先行車の動きに応じた追従走行等の車
両走行の自動化に対応可能であって、運転者によるブレ
ーキ操作に関係なく、自動的に制動指令信号を出力して
ブレーキ液圧を発生させることにより車輪に制動圧を与
えて制動することにより、先行車との車間距離を所定距
離に保持するように構成されている。
【0026】ブレーキペダル1にマスタシリンダ2が連
結されている。このマスタシリンダ2は、ブレーキ液
(本実施形態では例えば油)が貯留されたリザーバタン
ク3に接続されるとともに、液圧経路4を介してアクチ
ュエータ部5に接続されており、運転者によるブレーキ
ペダル1の踏み込み量に応じたブレーキ液圧をアクチュ
エータ部5に供給するものである。リザーバタンク3
は、液圧経路6を介してアクチュエータ部5に接続され
ている。
【0027】アクチュエータ部5は、 ・液圧経路11Fを介して、右前輪12Fに装着された
右前輪ブレーキ13Fの前輪用ホイルシリンダ14Fに
接続され、 ・液圧経路11Rを介して、右後輪12Rに装着された
右後輪ブレーキ13Rの後輪用ホイルシリンダ14Rに
接続され、 ・液圧経路15Fを介して、左前輪16Fに装着された
左前輪ブレーキ17Fの前輪用ホイルシリンダ18Fに
接続され、 ・液圧経路15Rを介して、左後輪16Rに装着された
左後輪ブレーキ17Rの後輪用ホイルシリンダ18Rに
接続されている。
【0028】そして、運転者によりブレーキペダル1が
踏み込まれると、その踏み込み量に応じたブレーキ液圧
がマスタシリンダ2において発生し、このブレーキ液圧
が各液圧経路11F,11R,15F,15Rを介して
各ホイルシリンダ14F,14R,18F,18Rに伝
達され、各ブレーキ13F,13R,17F,17R
は、対応するホイルシリンダに伝達されたブレーキ液圧
に応じた制動力で、各車輪12F,12R,16F,1
6Rに制動を掛ける。
【0029】また、図1に示すように、圧力センサ21
〜24と、加速度センサ31と、車輪速センサ32と、
記憶部33と、インターフェース(I/F)部34と、
車間制御電子制御ユニット(Electronic Control Uni
t,ECU)35と、これらに電気的に接続されたブレ
ーキECU36と、車間制御ECU35に電気的に接続
された距離センサ37とを備えている。
【0030】圧力センサ21は液圧経路4に接続され、
圧力センサ22Fは液圧経路11Fに接続され、圧力セ
ンサ22Rは液圧経路11Rに接続され、圧力センサ2
3Fは液圧経路15Fに接続され、圧力センサ23Rは
液圧経路15Rに接続されており、それぞれ液圧経路の
油圧を検出するものである。なお、圧力センサ24の配
設位置については図2を参照して後述する。
【0031】加速度センサ31は、自車の走行中におけ
る加減速度Arを検出するものである。なお、Ar>0
は加速を表わし、Ar<0は減速を表わす。車輪速セン
サ32は、各車輪に設けられ、それぞれ対応する車輪の
回転速度を検出するもので、例えばパルスエンコーダな
どで構成される。記憶部33は、予め設定された値を含
むブレーキECU36の制御プログラムを記憶するとと
もに、種々の演算データ等を一時的に記憶するものであ
る。I/F部34は、D/A変換回路やドライバ回路な
どからなり、ブレーキECU36からの制御信号に基づ
きアクチュエータ部5の各部を駆動するものである。距
離センサ37は、自車の前方に存在する障害物(例えば
自車と同一レーンを走行する先行車)と自車との距離を
検出するもので、例えばレーザ発光部および受光部など
で構成される。
【0032】車間制御ECU35は、CPUなどで構成
され、距離センサ37の検出結果に基づき先行車と自車
との車間距離を所定の目標車間距離に保つべく自車の目
標加減速度Atなどを算出するものである。ブレーキE
CU36は、CPUなどで構成され、圧力センサ21〜
24、加速度センサ31、車輪速センサ32により検出
される検出結果や、車間制御ECU35により算出され
る値などに基づき、記憶部33に格納されている制御プ
ログラムに従って、I/F部34を介してアクチュエー
タ部5の各部の動作を制御するものである。車間制御E
CU35およびブレーキECU36は、各種の値を所定
のサンプリング周期(例えば10msec)で算出するもの
で、その機能については後述する。
【0033】次に、図2を参照してアクチュエータ部5
の構成について説明する。図2はアクチュエータ部5の
油圧回路図である。なお、図2では、説明の便宜上、右
前輪12Fおよび右後輪12Rに係る部分のみを示して
おり、左前輪16Fおよび左後輪16Rに係る部分につ
いては同様の構成であるので図示を省略している。
【0034】マスタシリンダ2に接続された液圧経路4
は、分岐部51で前輪用流入液圧経路41Fと後輪用流
入液圧経路41Rとに分岐している。前輪用流入液圧経
路41Fは、分岐部52で上記液圧経路11Fと前輪用
流出液圧経路42Fとに分岐しており、一方、後輪用流
入液圧経路41Rは、分岐部53で上記液圧経路11R
と後輪用流出液圧経路42Rとに分岐している。前輪用
流出液圧経路42Fと後輪用流出液圧経路42Rとは、
分岐部54で流出液圧経路43として合流している。こ
の流出液圧経路43は、分岐部55で、リザーバタンク
3に接続された液圧経路6と加圧用液圧経路44とに分
岐している。この加圧用液圧経路44は、分岐部55と
分岐部51とを接続している。
【0035】マスタシリンダ2に接続された液圧経路4
には上流弁としてリニアソレノイド弁61が介設されて
いる。このリニアソレノイド弁61は、その開度により
マスタシリンダ2から下流側に伝達するブレーキ液圧を
制御するもので、通常は開状態にされている。
【0036】前輪用流入液圧経路41Fおよび前輪用流
出液圧経路42Fには、それぞれ下流弁として、流入側
前輪用開閉弁62Fおよび流出側前輪用開閉弁63Fが
介設されている。この流入側前輪用開閉弁62Fおよび
流出側前輪用開閉弁63Fは、前輪用ホイルシリンダ1
4Fに伝達されるブレーキ液圧を制御するもので、通常
は閉状態にされている。
【0037】また、後輪用流入液圧経路41Rおよび後
輪用流出液圧経路42Rには、それぞれ下流弁として、
流入側後輪用開閉弁62Rおよび流出側後輪用開閉弁6
3Rが介設されている。この流入側後輪用開閉弁62R
および流出側後輪用開閉弁63Rは、後輪用ホイルシリ
ンダ14Rに伝達するブレーキ液圧を制御するもので、
通常は閉状態にされている。
【0038】リザーバタンク3に接続された液圧経路6
には、通常は閉状態の上流側開閉弁64と、分岐部55
からリザーバタンク3への逆流を阻止する逆止弁65と
が介設されている。加圧用液圧経路44には、分岐部5
5側から順に、モータ38によって駆動される油圧ポン
プ66と、逆止弁67と、アキュムレータ68と、圧力
スイッチ69とが介設されており、加圧用液圧経路44
の圧力スイッチ69と分岐部51との間の部分には、圧
力センサ24が接続されている。
【0039】逆止弁67はアキュムレータ68側から油
圧ポンプ66への逆流を阻止するものである。圧力スイ
ッチ69は、予め設定された下限圧力でモータ38を駆
動して油圧ポンプ66を動作させるとともに、予め設定
された上限圧力でモータ38を停止して油圧ポンプ66
の動作を停止するもので、これによって、アキュムレー
タ68に高いアキュムレータ圧が常に蓄積されるように
なっており、このアキュムレータ圧は、圧力センサ24
によって検出される。
【0040】そして、流入側前輪用開閉弁62Fが開い
た状態のときに前輪用ホイルシリンダ14Fに伝達され
るブレーキ液圧と、流入側後輪用開閉弁62Rが開いた
状態のときに後輪用ホイルシリンダ14Rに伝達される
ブレーキ液圧とは、後輪側の液圧経路11Rに介設され
た流量制限バルブ(図示省略)の作用によって決まる所
定比率に配分されるように構成されており、これによっ
て、リニアソレノイド弁61が全開のときは、それぞれ
所定のブレーキ液圧となるように設定されている。
【0041】リザーバタンク3、モータ38、油圧ポン
プ66、上流側開閉弁64、流入側前輪用開閉弁62
F、流出側前輪用開閉弁63F、流入側後輪用開閉弁6
2R、流出側後輪用開閉弁63Rなどは、液圧駆動手段
を構成する。また、前輪用ホイルシリンダ14F、後輪
用ホイルシリンダ14Rなどは制動手段に相当する。
【0042】次に、図1、図2を参照して、車間制御E
CU35およびブレーキECU36の機能について説明
する。車間制御ECU35は、自車の目標加減速度At
を所定のサンプリング周期で繰返し算出する。この目標
加減速度Atは、例えば、予め設定された目標車間距離
Dtと距離センサ37により検出される自車と先行車と
の実車間距離Drとの偏差である車間距離偏差ΔD=
(Dt−Dr)と、自車と先行車との相対速度とに基づい
て算出される。この相対速度は、例えば、実車間距離D
rの変化率と、ブレーキECU36により算出される自
車速Vrとによって算出される。
【0043】車間制御ECU35は、また、所定のサン
プリング周期で算出する目標加減速度Atの変化量であ
る目標加減速度変化量dAtを、 dAt=At(n)−At(n−1)…(3) により算出する。但し、At(n−1)は前回の目標加減
速度、At(n)は今回の目標加減速度である。ここで、
dAt>0は目標加減速度Atが加速方向に変化してい
ることを表わし、dAt<0は目標加減速度Atが減速
方向に変化していることを表わす。車間制御ECU35
は、算出した目標加減速度Atおよび目標加減速度変化
量dAtをブレーキECU36に送出する。
【0044】ブレーキECU36は以下の機能〜を
有する; 加速度センサ31により検出される実加減速度Arを
所定のサンプリング周期で取り込み、車間距離ECU3
5により算出される目標加減速度Atと実加減速度Ar
との偏差である目標偏差ΔA=(At−Ar)を算出する
機能; 車輪速センサ32の検出結果に基づき自車の速度であ
る自車速Vrを算出する機能。算出した自車速Vrは車
間距離ECU35に送出する。
【0045】圧力センサ21により検出されるマスタ
シリンダ2における発生ブレーキ液圧に基づきリニアソ
レノイド弁61の開度を制御することで、運転者による
ブレーキペダル1の踏み込みによるブレーキを制御する
機能; 車間距離ECU35からの目標加減速度Atに基づき
上流側開閉弁64の開度を制御するとともに、モータ3
8の駆動を制御して油圧ポンプ66を制御することで、
自動走行中における自動ブレーキを制御する機能。モー
タ38の駆動制御の詳細については後述する。
【0046】流入側前輪用開閉弁62Fおよび流出側
前輪用開閉弁63Fの開閉を制御して前輪用ホイルシリ
ンダ14Fに伝達されるブレーキ液圧を制御することに
より前輪12Fに印加する制動圧を制御する機能。同様
に、図示省略の開閉弁の開閉を制御して前輪用ホイルシ
リンダ18Fに伝達されるブレーキ液圧を制御すること
により前輪16Fに印加する制動圧を制御する機能;ま
た、流入側後輪用開閉弁62Rおよび流出側後輪用開閉
弁63Rの開閉を制御して後輪用ホイルシリンダ14R
に伝達するブレーキ液圧を制御することにより後輪12
Rに印加する制動圧を制御する機能。同様に、図示省略
の開閉弁の開閉を制御して後輪用ホイルシリンダ18R
に伝達されるブレーキ液圧を制御することにより前輪1
6Rに印加する制動圧を制御する機能。ブレーキ液圧制
御の詳細については後述する。
【0047】距離センサ37は距離検出手段に相当す
る。また、ブレーキECU36は目標値設定手段、走行
制御手段、走行値検出手段、偏差演算手段、液圧制御手
段、変化量演算手段、設定変更手段に相当する。また、
実加減速度Arは自車の走行に関する値に相当し、目標
加減速度Atは自車の走行に関する値の目標値に相当す
る。
【0048】次に、ブレーキECU36の上記機能に
おけるモータ38の駆動制御について説明する。モータ
38は、所定のデューティ比でPWM制御することによ
って駆動される。このモータ38のPWM制御では、最
小デューティ比が設定されており、モータ38の駆動を
開始するときは、まず、最小デューティ比でPWM制御
を開始し、この最小デューティ比から、必要な制動力が
得られるデューティ比を所定のサンプリング周期で算出
する制御を行っている。
【0049】本実施形態では、dAt<0、すなわち目
標加減速度Atが減速方向に変化しているときは、モー
タ38の最小デューティ比Mminを、 Mmin=Mmin−dAt+Kmin…(4) により、目標加減速度変化量dAtに応じて増大してい
る。但し、Kminは固定値である。
【0050】このように、本実施形態によれば、目標加
減速度Atが減速方向に変化しているdAt<0のとき
はモータ38の最小デューティ比Mminを増大するよう
にしているので、ブレーキ液圧の増大を早めることがで
き、これによって減速遅れを防止し、実加減速度Arを
目標加減速度Atに良好に追従させることができる。
【0051】また、本実施形態では、モータ38のデュ
ーティ比を、 M(n)=M(n−1)−K・ΔA…(5) により所定のサンプリング周期で繰返し算出している。
但し、M(n−1)は前回のデューティ比、M(n)は今回
のデューティ比、Kはフィードバック係数である。
【0052】ここで、上記式(5)において、従来は一定
値であるフィードバック係数Kを、dAt<0のとき
に限って、 K=K+K・dAt…(6) により目標加減速度変化量dAtに応じて変化させる。
但し、Kは負の係数である。すなわちK<0である
ので、dAt<0のときは上記式(6)においてフィード
バック係数Kが通常時に比べて増大することとなる。
【0053】このように、本実施形態によれば、目標加
減速度Atが減速方向に変化しているときは、フィード
バック係数Kを増大するようにしているので、目標加
減速度Atに対する実加減速度Arの追従性を向上し、
減速遅れを防止することができる。なお、dAt>0の
ときにもフィードバック係数Kを増大するようにして
もよい。この場合には、いわゆるブレーキ抜きの遅れも
防止できる。
【0054】次に、図3を参照して、ブレーキECU3
6の上記機能におけるブレーキ液圧制御について説明
する。このブレーキ液圧制御では、ブレーキ液圧を増大
する加圧モードと、ブレーキ液圧を低減する減圧モード
と、ブレーキ液圧を増減させずに現在値を保持する保持
モードとの3つのモードで制御を行っている。図3は目
標加減速度Atに対する保持範囲を示す図である。
【0055】実加減速度Arが目標加減速度Atに対し
て所定範囲内にあるとき、すなわち目標偏差ΔA=(A
t−Ar)が所定の保持範囲内にあるときに、上記保持
モードに移行するようにしており、本実施形態では、上
記保持範囲を目標加減速度変化量dAtに応じて変化す
るようにしている。例えば保持範囲を、 A≦ΔA≦A …(7) とすると、 A= 0.05−K・dAt…(8) A=−0.05−K・dAt…(9) としている。但し、K,Kは正の係数である。
【0056】目標加減速度Atが減速方向に急激に変化
しているときは、dAt≪0であることから上記式(9)
よりA>0となる。従って、実加減速度Arが目標加
減速度Atに追従して低下しても、ΔA≒0では保持範
囲に入らずに加圧モードが継続される。そして、ΔA>
0、すなわち図3に示すように、実加減速度Arが目標
加減速度Atより下方まで減速が進んだときに初めて保
持範囲に入り、保持モードに移行する。従って、減速遅
れが防止される。
【0057】続いて、目標加減速度Atの減速方向の変
化が緩やかになり、dAt≒0、かつdAt<0になる
と、上記式(9)よりA<0となる。従って、ΔA=0
の両側、すなわち図3に示すように、実加減速度Arが
目標加減速度Atを含む所定幅に近づくと保持範囲に入
り、保持モードに移行する。続いて、目標加減速度At
が緩やかに加速方向に変化し、dAt≒0、かつdAt
>0になっても、上記式(9)よりA<0であるので、
保持範囲は、目標加減速度Atの両側に設定された状態
が継続される。
【0058】さらに、目標加減速度Atが急激に加速方
向に変化してdAt≫0になると、上記式(8),(9)よ
りA<0,A<0となる。従って、実加減速度Ar
が目標加減速度Atに追従して増大しても、ΔA≒0で
は保持範囲に入らずに減圧モードが継続される。そし
て、ΔA<0、すなわち図3に示すように、実加減速度
Arが目標加減速度Atより上方まで減速が緩んだとき
に初めて保持範囲に入り、保持モードに移行する。従っ
て、いわゆるブレーキ抜きの遅れが防止される。
【0059】次に、図4を参照して、本実施形態による
実加減速度Arの目標加減速度Atへの追従性について
説明する。図4は本実施形態による実加減速度Arの目
標加減速度Atに対する追従の推移を示すタイミングチ
ャートである。
【0060】図4において、目標加減速度Atが減速方
向に変化し、実加減速度Arがこれに追従して低下す
る。このとき、モータ38の最小デューティ比の増大お
よびデューティ比の算出におけるフィードバック係数の
増大によって、実加減速度Arは目標加減速度Atに対
して良好に追従することとなる。
【0061】そして、実加減速度Arが目標加減速度A
tに一致してΔA=0になる時刻t1でも、保持範囲に
入らずに加圧モードが継続されるので、実加減速度Ar
は目標加減速度Atを超えてさらに下方まで減速が進
み、保持範囲に入って保持モードに移行したときに、実
加減速度Arの低下が緩やかになり、再び目標加減速度
Atを上回る。このように、本実施形態によれば、実加
減速度Arは目標加減速度Atに良好に追従することと
なり、減速遅れを防止することができる。
【0062】また、実加減速度Arが再び目標加減速度
Atを上回った後の時刻t2の近傍においても、モータ
38の最小デューティ比の増大およびデューティ比の算
出におけるフィードバック係数の増大によって、実加減
速度Arは目標加減速度Atに対して良好に追従するこ
ととなる。
【0063】さらに、目標加減速度Atが加速方向に変
化した後の時刻t3の近傍では、実加減速度Arが目標
加減速度Atを超えるまで保持範囲に入らずに減圧モー
ドが継続されるので、実加減速度Arは目標加減速度A
tに対して良好に追従し、保持範囲に入って保持モード
に移行したときに、実加減速度Arの上昇が緩やかにな
る。このように、本実施形態によれば、いわゆるブレー
キ抜きの遅れも低減することができる。
【0064】なお、本発明は上記実施形態に限定される
ものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述
したもの以外に種々の変更を行うことが可能であり、例
えば以下に示す変形形態(i)〜(v)を採用すること
ができる。
【0065】(i)実加減速度Arが小さくなり過ぎて
(Ar≪0)、過剰に急激な減速が生じるのは好ましく
ない。そこで、上記実施形態において、目標加減速度A
tが所定値以下になる(例えばAt≦−0.2G)とい
う条件が満足されると、上記各制御を停止するようにし
てもよい。
【0066】すなわち、上記条件が満足されると、保持
モードに移行する保持範囲を上記従来の図5に示す固定
範囲とし、モータ38の最小デューティ比Mminを予め
設定された固定値とし、モータ38のデューティ比を算
出する上記式(5)におけるフィードバック係数Kを予
め設定された固定値とする。
【0067】これによって、過剰に急激な減速が行われ
て車両の乗り心地が低下するのを未然に防止することが
できる。なお、上記条件に加えて、目標偏差ΔAの絶対
値が所定値以下になると(例えば|ΔA|≦0.05)、上記
各制御を停止するようにしてもよい。目標偏差ΔAの絶
対値が小さければ、実加減速度Arが目標加減速度At
にほぼ追従し終えたとみなすことができ、上記各制御を
停止しても支障を来すことはない。
【0068】(ii)上記実施形態では、自車の走行に関
する値を加減速度としているが、これに限られず、例え
ば自車の走行に関する値を自車速とし、自車の走行に関
する値の目標値として目標車速を設定し、この目標車速
に基づき自車の走行を制御するようにしてもよい。
【0069】(iii)上記実施形態では自車の前後方向
における加速度を検出する加速度センサ31を備えてい
るが、これに限られず、車輪速センサ32により検出さ
れる車輪の回転速度に基づき算出される自車速に基づき
実加減速度Arを算出するようにしてもよい。この場合
には、加速度センサ31を備える必要がなくなる。
【0070】(iv)アクチュエータ部5の構成は図2に
示すものに限られず、リザーバタンク3、油圧ポンプ6
6およびモータ38により発生したブレーキ液圧を前輪
用ホイルシリンダ14Fおよび後輪用ホイルシリンダ1
4Rに伝達できる構成であればよい。図1に示す前輪用
ホイルシリンダ18Fおよび後輪用ホイルシリンダ18
R(図2では図示省略)についても同様である。
【0071】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、繰返し設定される目標値の前回の設定値からの
変化量である目標値変化量を算出し、この目標値変化量
に応じて保持範囲の設定を変更するようにしているの
で、検出値が保持範囲に入ることなく、加速方向または
減速方向の目標値の変化方向に応じてブレーキ液圧の増
減を継続して行うことができ、これによって、検出値の
目標値に対する追従性を向上することができる。
【0072】また、請求項2の発明によれば、目標値が
減速方向に変化しているときは、保持範囲が目標値より
低く設定されるように、その設定を変更するようにして
いるので、目標値に追従して低下した検出値が目標値に
一致した後も、保持範囲に入るまではブレーキ液圧を増
大する加圧モードが継続されることから、減速遅れを防
止することができる。
【0073】また、請求項3の発明によれば、目標値が
加速方向に変化しているときは、保持範囲が目標値より
高く設定されるように、その設定を変更するようにして
いるので、目標値に追従して上昇した検出値が目標値に
一致した後も、保持範囲に入るまではブレーキ液圧を低
減する減圧モードが継続されることから、いわゆるブレ
ーキ抜きの遅れを防止することができる。
【0074】また、請求項4の発明によれば、目標値変
化量に応じてフィードバック係数の設定を変更するよう
にしているので、液圧駆動手段の駆動力が目標値変化量
に応じた値に設定されることから、目標値に対する検出
値の追従性を向上することができる。
【0075】また、請求項5の発明によれば、目標値が
減速方向に変化しているときは、目標値変化量に応じて
フィードバック係数を増大するようにしているので、液
圧駆動手段の駆動力が目標値変化量に応じて増大した値
に設定されることとなり、減速遅れを防止することがで
きる。
【0076】また、請求項6の発明によれば、目標値変
化量に応じて最小駆動力を変更するようにしているの
で、例えば減速方向への目標値変化量が大きいときに最
小駆動力を増大することで、減速遅れを防止することが
できる。
【0077】また、請求項7の発明によれば、目標値が
減速方向に変化しているときは、目標値変化量に応じて
駆動開始時の最小デューティ比を増大することにより、
駆動開始時におけるポンプの駆動力が大きいものとなる
ため、ブレーキ液圧の増大を素早く行うことができ、こ
れによって減速遅れを確実に防止することができる。
【0078】また、請求項8の発明によれば、自車の走
行に関する値は加減速度であるとすることにより、設定
される目標加減速度に対して、検出される現在の自車の
加減速度を良好に追従させることができる。
【0079】また、請求項9の発明によれば、目標加減
速度が予め設定された値未満のときは設定変更手段の動
作を停止することにより、過剰に急激な減速が行われて
車両の乗り心地が低下するのを未然に防止することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る車両制動制御装置の一実施形態
の全体制御構成を示すブロック図である。
【図2】 図1のアクチュエータ部の構成を示す油圧回
路図である。
【図3】 目標加減速度に対する保持範囲を示す図であ
る。
【図4】 本実施形態による実加減速度の目標加減速度
に対する追従の推移を示すタイミングチャートである。
【図5】 目標加減速度に対する従来の保持範囲を示す
図である。
【図6】 実加減速度の目標加減速度に対する追従の従
来の推移を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
3 リザーバタンク(液圧駆動手段) 5 アクチュエータ部 12F,16F 前輪 12R,16R 後輪 14F,18F 前輪用ホイルシリンダ(制動手段) 14R,18R 後輪用ホイルシリンダ(制動手段) 36 ブレーキECU(目標値設定手段、走行制御手
段、走行値検出手段、偏差演算手段、液圧制御手段、変
化量演算手段、設定変更手段) 37 距離センサ(距離検出手段) 38 モータ(液圧駆動手段) 62F 流入側前輪用開閉弁(液圧駆動手段) 62R 流入側後輪用開閉弁(液圧駆動手段) 64 上流側開閉弁(液圧駆動手段) 66 油圧ポンプ(液圧駆動手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 広島 靖久 大阪府池田市桃園2丁目1番1号 ダイハ ツ工業株式会社内 Fターム(参考) 3D044 AA21 AA25 AA45 AB01 AC24 AC26 AC28 AC59 AD21 AE04 AE14 AE21 3D046 BB18 CC02 HH16 HH20 HH26 HH36 JJ00 JJ01 JJ11 JJ16 JJ21 LL37 3G093 AA01 BA04 BA15 BA23 CB10 DB04 DB05 DB15 DB16 EB04 FA04 5H180 AA01 CC03 LL09

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 貯留されているブレーキ液を用いてブレ
    ーキ液圧を発生させる液圧駆動手段と、この液圧駆動手
    段により発生したブレーキ液圧により車両の制動力を発
    生する制動手段とを備えた車両制動制御装置において、 自車の前方の障害物と自車との距離を繰返し検出する距
    離検出手段と、 前記距離検出手段により検出された前記距離に基づき自
    車の走行に関する値の目標値を繰返し設定する目標値設
    定手段と、 前記目標値設定手段により設定される目標値に基づき自
    車の走行を制御する走行制御手段と、 走行中における前記自車の走行に関する値を繰返し検出
    する走行値検出手段と、 前記走行値検出手段により検出される検出値が前記目標
    値設定手段により設定される目標値を超えるときは、前
    記液圧駆動手段により発生させるブレーキ液圧を増大す
    る加圧モードとし、前記検出値が前記目標値未満のとき
    は、前記ブレーキ液圧を低減する減圧モードとするとと
    もに、前記検出値が保持範囲内のときは、前記ブレーキ
    液圧を増減せずに保持する保持モードとする液圧制御手
    段と、 前記目標値設定手段により設定される前記目標値の前回
    の設定値からの変化量である目標値変化量を算出する変
    化量演算手段と、 前記変化量演算手段により算出される前記目標値変化量
    に応じて前記保持範囲の設定を変更する設定変更手段と
    を備えたことを特徴とする車両制動制御装置。
  2. 【請求項2】 前記設定変更手段は、前記目標値設定手
    段により設定される前記目標値が減速方向に変化してい
    るときは、前記保持範囲が前記目標値より低く設定され
    るように当該保持範囲の設定を変更することを特徴とす
    る請求項1に記載の車両制動制御装置。
  3. 【請求項3】 前記設定変更手段は、前記目標値設定手
    段により設定される前記目標値が加速方向に変化してい
    るときは、前記保持範囲が前記目標値より高く設定され
    るように当該保持範囲の設定を変更することを特徴とす
    る請求項2に記載の車両制動制御装置。
  4. 【請求項4】 貯留されているブレーキ液を用いてブレ
    ーキ液圧を発生させる液圧駆動手段と、この液圧駆動手
    段により発生したブレーキ液圧により車両の制動力を発
    生する制動手段とを備えた車両制動制御装置において、 自車の前方の障害物と自車との距離を繰返し検出する距
    離検出手段と、 前記距離検出手段により検出された前記距離に基づき自
    車の走行に関する値の目標値を繰返し設定する目標値設
    定手段と、 前記目標値設定手段により設定される前記目標値に基づ
    き自車の走行を制御する走行制御手段と、 走行中における前記自車の走行に関する値を繰返し検出
    する走行値検出手段と、 前記目標値設定手段により設定された目標値と前記走行
    値検出手段により検出された検出値との偏差である目標
    偏差を繰返し算出する偏差演算手段と、 前記目標値設定手段により設定される前記目標値の前回
    の設定値からの変化量である目標値変化量を算出する変
    化量演算手段と、 前記偏差演算手段により算出される前記目標偏差にフィ
    ードバック係数を乗算した乗算値と前回の駆動力設定値
    とを加算するフィードバック制御により前記液圧駆動手
    段の駆動力を繰返し設定する駆動力設定手段と、 前記変化量演算手段により算出される前記目標値変化量
    に応じて前記フィードバック係数の設定を変更する設定
    変更手段と、 前記駆動力設定手段により設定された駆動力で前記液圧
    駆動手段を駆動する液圧制御手段とを備えたことを特徴
    とする車両制動制御装置。
  5. 【請求項5】 前記設定変更手段は、前記目標値設定手
    段により設定される前記目標値が減速方向に変化してい
    るときは、前記変化量演算手段により算出される前記目
    標値変化量に応じて前記フィードバック係数を増大する
    ことを特徴とする請求項4に記載の車両制動制御装置。
  6. 【請求項6】 貯留されているブレーキ液を用いてブレ
    ーキ液圧を発生させる液圧駆動手段と、この液圧駆動手
    段により発生したブレーキ液圧により車両の制動力を発
    生する制動手段とを備えた車両制動制御装置において、 自車の前方の障害物と自車との距離を繰返し検出する距
    離検出手段と、 前記距離検出手段により検出された前記距離に基づき自
    車の走行に関する値の目標値を繰返し設定する目標値設
    定手段と、 前記目標値設定手段により設定される前記目標値に基づ
    き自車の走行を制御する走行制御手段と、 走行中における前記自車の走行に関する値を繰返し検出
    する走行値検出手段と、 前記目標値設定手段により設定された目標値と前記走行
    値検出手段により検出された検出値との偏差である目標
    偏差を繰返し算出する偏差演算手段と、 前記目標値設定手段により繰返し設定される前記目標値
    の変化量である目標値変化量を算出する変化量演算手段
    と、 駆動開始時は予め設定された最小駆動力で駆動し、その
    後は前記偏差演算手段により算出された前記目標偏差に
    応じた駆動力で前記液圧駆動手段を駆動する液圧制御手
    段と、 前記変化量演算手段により算出される前記目標値変化量
    に応じて前記最小駆動力を変更する設定変更手段とを備
    えたことを特徴とする車両制動制御装置。
  7. 【請求項7】 前記液圧駆動手段は、前記ブレーキ液圧
    を発生するポンプを駆動するモータで、 前記液圧制御手段は、駆動開始時は予め設定された最小
    デューティ比で前記モータをPWM制御し、その後は前
    記目標偏差に応じたデューティ比で前記モータをPWM
    制御するもので、 前記設定変更手段は、前記目標値設定手段により設定さ
    れる前記目標値が減速方向に変化しているときは、前記
    変化量演算手段により算出される前記目標値変化量に応
    じて前記最小デューティ比を増大することを特徴とする
    請求項6に記載の車両制動制御装置。
  8. 【請求項8】 前記自車の走行に関する値は加減速度で
    あることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の
    車両制動制御装置。
  9. 【請求項9】 前記目標値設定手段により設定される目
    標加減速度が予め設定された値未満のときは前記設定変
    更手段の動作を停止することを特徴とする請求項8に記
    載の車両制動制御装置。
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