JP2003334087A - 植物ウイルス由来プロモーター - Google Patents

植物ウイルス由来プロモーター

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  • Breeding Of Plants And Reproduction By Means Of Culturing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 広範囲の植物において、しかも強力に機能す
る植物用のプロモーターを提供すること、及び該プロモ
ーターを組み込んだ植物用の遺伝子発現ベクター、該遺
伝子発現ベクターを用いて形質転換した植物を提供す
る。 【解決手段】 レンゲ萎縮ウイルス(Milk vetch dwarf
virus:MDV)から、広範囲の植物中において機能
し、導入する遺伝子の種類を問わず、しかも、CaMV
35Sプロモーターと同等に強力に発現するプロモータ
ーを単離した。更に該MDV由来のプロモーターから構
築した、植物における遺伝子プロモーター活性を有する
変異体、及び本発明のプロモーターを組み込んだ植物用
発現ベクター、該発現ベクターに植物発現用遺伝子を組
み込んで、植物に導入し、形質転換した植物を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植物中で機能する
植物ウイルス由来新規プロモーター、より詳しくはミル
クベッチ・ドゥオーフ・ウイルス(Milk vetch dwarf v
irus:MDV)由来新規プロモーター及びその変異体、
更には該プロモーターの植物における遺伝子の発現制御
への利用に関する。
【0002】
【従来の技術】植物分子生物学の発展に伴い、病虫害抵
抗性や除草剤耐性などの有用形質を備えた品種等の改
変、育種において、その目的の形質を備えた遺伝子をセ
ンス方向またはアンチセンス方向に、植物で発現可能な
プロモーターに連結したキメラ遺伝子を植物に導入し、
その結果、目的の遺伝子の発現を促進、抑制することが
可能となってきた。例えば、Bacillus thuringiensis由
来の殺虫性BT毒素遺伝子をセンス方向に植物に導入
し、植物に殺虫性を付与した例(D.A.Fischhoff等, Bio
/Technology, vol.232, p.738-743, 1987)や、トマト
果実の過熟に関するポリガラクツロナーゼcDNA遺伝
子をアンチセンス方向に導入し、トマトに日持ち効果を
付与した例(C.J.Smith等, Nature, vol.334, p.724-72
7, 1988)等が報告されている。
【0003】従来より、植物の形質転換に用いられるベ
クター系におけるプロモーターとして種々のものが開発
されている。例えば、代表的なものとして、アグロバク
テリウム・ツメファシエンスのTiプラスミド由来のプ
ロモーターや、カリフラワーモザイクウィルス(CaM
V)の遺伝子由来のプロモーター等が開発されている。
その中で、形質転換植物を作成する場合に、プロモータ
ーとして最も汎用されているのが、カリフラワーモザイ
クウィルス(CaMV)35Sプロモーターであり、該C
aMV35Sプロモーターは、植物とその組織、そして
構造遺伝子の種類を問わず非特異的に、しかも強力な構
造遺伝子の転写促進作用を発揮することから、上記の植
物形質転換の例を始め、実用上は専ら、このプロモータ
ーが用いられていると言っても過言ではない。
【0004】近年、植物中で機能する植物ウイルス由来
プロモーターとして、特にマメ科の植物中で機能するシ
ルコウイルス由来のプロモーターが開示された(特表平
10−505233号公報)。シルコウイルス由来のプ
ロモーターとして、具体的には、サブテレーニアン・ク
ローバ・スタント・ウイルス(SCSV)由来のプロモ
ーターの塩基配列が開示されている。該塩基配列は、セ
グメント1〜7と記述される少なくても7個の異なる環
SSDNA成分を含んでおり、そのセグメントの大きさ
は、約988ヌクレオチドから約1022ヌクレオチド
の範囲にある。これらのプロモーターは、マメ科植物及
び非マメ科植物に適用されるが、特にマメ科植物に好ま
しく適用される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、遺伝
子の導入により植物の形質を転換するに際し、広範囲の
植物において、しかも強力に機能する植物用のプロモー
ターを提供すること、及び該プロモーターを用い、該プ
ロモーターを組み込んだ植物用の遺伝子発現ベクター及
び該遺伝子発現ベクターを用いて形質転換した植物を構
築し、提供することにある。更に、本発明の課題は、植
物に2以上の植物発現用遺伝子を組み込んで植物の形質
転換を行うに際し、それぞれの植物発現用遺伝子に異な
るプロモーターを用いて遺伝子の発現を行うことを可能
とするために、その植物発現用遺伝子の少なくとも一つ
のプロモーターとして利用することができる強力なプロ
モーターを提供することにある。
【0006】即ち、植物の遺伝子発現においては、プロ
モーターに関して、いわゆるジーンサイレンシング現象
というものが報告されている。これは、同一核内に同種
のプロモーターが2以上存在すると、その転写促進作用
が抑制される、という現象である。従って、2以上の遺
伝子を植物の同一染色体に導入する場合には、2以上の
異なったプロモーターを使用することが必要となる。例
えば、2以上の遺伝子を植物の同一染色体に導入する場
合に、それらの構造遺伝子にそれぞれ連結するプロモー
ターとして通常良く用いられるCaMV35Sプロモー
ターを用いた場合に、該プロモーター1種類のみを使用
したのでは、このジーンサイレンシング現象が起こると
考えられる。この場合にはCaMV35Sプロモーター
以外のプロモーターが必要であり、かかるプロモーター
はCaMV35Sプロモーターと同等程度の能力かそれ
以上の能力をもつことが望ましい。従って、上記問題点
を解決するためには、広範囲の植物において、しかも強
力に機能する植物用のプロモーターを開発することが必
要となる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために、広範囲の植物において、しかも強力に
機能する植物用のプロモーターについて、鋭意探索の結
果、レンゲ萎縮ウイルス(Milk vetch dwarf virus:M
DV)から、広範囲の植物中において機能し、導入する
遺伝子の種類を問わず、しかも、CaMV35Sプロモ
ーターと同等に強力に発現するプロモーターを単離し、
本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、植物
中において強力に機能する植物用のプロモーターとし
て、配列表の配列番号1〜6に示すMDV(レンゲ萎縮
ウイルス)由来のプロモーターを単離し、本発明をなし
たものである。本発明は、更に該MDV由来のプロモー
ターから、植物における遺伝子プロモーター活性を有す
る変異体を構築し、該変異体を提供すること、及び該M
DV由来のプロモーター及びその変異体からなる本発明
のプロモーターを組み込んだ植物用発現ベクター、該発
現ベクターに植物発現用遺伝子を組み込んで、植物に導
入し、形質転換した植物を提供することよりなるもので
ある。
【0008】すなわち本発明は、配列表の配列番号1〜
6の一つから選択される塩基配列を有することを特徴と
する植物ウイルス由来プロモーター領域を含む塩基配列
(請求項1)や、植物ウイルス由来プロモーターが、レ
ンゲ萎縮ウイルス由来プロモーターであることを特徴と
する請求項1記載の植物ウイルス由来プロモーター領域
を含む塩基配列(請求項2)や、請求項1又は2記載の
塩基配列において、1又は複数の塩基が欠失、置換、挿
入若しくは付加された塩基配列からなり、かつ植物にお
ける遺伝子のプロモーター活性を有することを特徴とす
る塩基配列(請求項3)や、請求項1又は2記載の塩基
配列と、又はその一部の塩基配列と、ストリンジェント
な条件下でハイブリダイズし、かつ植物における遺伝子
のプロモーター活性を有することを特徴とする塩基配列
(請求項4)からなる。
【0009】また本発明は、請求項1〜4のいずれか記
載の塩基配列からなるプロモーターを組み込んだ植物用
発現ベクター(請求項5)や、請求項5記載の植物用発
現ベクターに、植物発現用遺伝子を組み込んで植物に導
入し、形質転換した植物(請求項6)や、植物用発現ベ
クターに、それぞれ異なる種類のプロモーターを連結し
た2以上の植物発現用遺伝子を組み込んで形質転換した
植物において、それぞれ異なる種類のプロモーターの少
なくとも一つが、請求項1〜4のいずれか記載の塩基配
列から選択されたプロモーターであることを特徴とする
形質転換植物(請求項7)からなる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、レンゲ萎縮ウイルス
(Milk vetch dwarf virus:MDV)から、広範囲の植
物中において機能し、しかも、強力に発現するプロモー
ターを単離し、植物発現用遺伝子のプロモーターとして
利用することよりなる。
【0011】本発明において、植物発現用遺伝子とは、
構造遺伝子として、あるタンパクのアミノ酸配列をコー
ドしているDNAの領域をいい、開始コドンと終始コド
ンに挟まれ、その内部にはエキソンとイントロンとを含
んでいるような構造のものをいう。プロモーターとは、
比較的短い塩基配列からなるDNAであって、これをR
NAポリメラーゼが認識することによってmRNAが合
成され、その下流域にある構造遺伝子の転写が開始さ
れ、遺伝子が発現するように作用するDNAの領域をい
う。もっとも、遺伝子の発現には、mRNAの合成を効
果的に終結を制御する、ターミネーターと呼ばれるDN
A上のシグナルも必要である。通常、遺伝子を導入して
植物の形質を転換しようとする場合は、構造遺伝子だけ
ではなく、その上流に当該構造遺伝子の転写促進作用を
有するプロモーターを、下流にはターミネーターを連結
し、プロモーター、構造遺伝子及びターミネーターをセ
ットして植物染色体に導入する(ただし、以下の発明に
おいては、特に必要ない限りターミネーターについての
記載を省略する。)
【0012】以下、本発明におけるMDV由来プロモー
ターの単離・配列決定、及び発現調節活性の測定につい
て、詳細に説明する。 [MDV由来プロモーターの単離・配列決定、及び発現
調節活性の測定] (1)MDVゲノムDNAの分離精製 本願発明においてMDVゲノムDNAの材料となるMD
Vは、特に限定されないが、例えばナンキンマメ、レン
ゲ、エビスグサ、ダイズ、スイートピー、アルファルフ
ァ、スイートクローバー、アズキ、インゲン、エンド
ウ、クリムソンクローバー、サブクローバー、ソラマ
メ、コモンベッチ、ヘアリーベッチ、ジュウロクサゲ、
ハタササゲ、シロバナヨウシュチョウセンアサガオ、Ni
cotiana glutinosa L.、N.rustica L.、N.tobacum L.、
ホウレンソウなどのMDVに感染した植物から分離でき
る。MDVが感染した植物体において用いる部位は特に
限定されないが、ゲノムDNAの単離の手順等を考慮す
れば、当該展開葉を用いるのが望ましい。MDVゲノム
DNAは例えば上記植物を液体窒素下で摩砕し、例え
ば、Santer等の方法(Biochem.Biophys.Research Commu
n., 118, p.747-752, 1984)等常法を用いて抽出するこ
とができる。この際、可能な限りDNAが物理的切断を
受けないように留意して単離精製するのが望ましい。
【0013】(2)MDVゲノムDNAライブラリーの
作成 上記により得られたMDVゲノムDNAを、通常は粘着
末端を与える制限酵素を用いて消化する。粘着末端を与
える制限酵素としては、例えば、Sau3AI、EcoRI、BamHI
等幅広く用いることができる。なお、平滑末端を与える
制限酵素を用いる場合においても、消化後に合成リンカ
ーを末端部に接合するか、平滑末端同士で接着させてゲ
ノムDNAライブラリーの作成に供することができる。
消化後、ショ糖密度勾配遠心分離法等の方法を用いて、
ベクターに挿入するのに適した長さのDNA断片を分画
する。このDNA断片は、通常10kb以下程度で、ク
ローニングベクターにT4DNAリガーゼの作用で連結
する。クローニングベクターとしては、プラスミド、フ
ァージ、コスミド等広く用いることができるが、クロー
ニングベクターとして確立しているものが望ましい。か
かるゲノムDNA用クローニングベクターとしては、例
えば、ラムダファージベクターλZAP II(ストラタジー
ン社)やプラスミドベクターpUC19やpBluescript(スト
ラタジ−ン社)を挙げることができる。
【0014】次に、上記組換えDNAを宿主に導入する
ことが必要である。宿主としては、原核生物、酵母、真
核生物を問わず、具体的には上記で用いたクローニング
ベクターによって規定される。原核生物としては、代表
的なものとして大腸菌、枯草菌等を、真核生物としては
酵母サッカロマイセス・セレビシエ、シゾサッカロマイ
セス・ポンベやタバコ等の大量培養可能な植物細胞を用
いることができる。例えば、宿主として大腸菌を用いる
場合には、主に対数増殖期にある細胞を集め、マグネシ
ウムイオンで処理したものを宿主として用いるのが好ま
しい。さらに、クローニングベクターの導入に関して
は、電気パルスを用いる方法、例えば宿主として植物細
胞を用いる場合には、M.Fromm等の方法(Proc. Natl. Ac
ad. Sci. U.S.A., vol.82, p.5824, 1985)を採ることも
可能である。
【0015】(3)分離したMDVゲノム遺伝子の塩基
配列の決定とプロモーター領域の推定 上記(2)において得られたMDV由来のゲノムDNA
断片の塩基配列は、例えばダイデオキシヌクレオチドチ
ェーンターミネーション法(Smith A.J.H., Meth. Enzy
m., vol.65, p.560-p.580, 1980)等の方法を用いて決
定することができる。決定した塩基配列から構造遺伝子
をコードする領域が一般的な遺伝子解析ソフト、DNASIS
-Windows(日立ソフトウェアエンジニアリング社)など
を用いて特定でき、さらに通常真核生物のプロモーター
領域に見られるCAATボックスやTATAボックス等
の普遍的プロモーター配列の検索によって、プロモータ
ー領域を推定できる。
【0016】(4)発現調節活性を確認するための組換
えプラスミドの構築 上記(3)によって、推定された領域が調節遺伝子であ
ることを確認するためには、特定植物の構造遺伝子を予
め組み込んだプラスミドにおいて、この構造遺伝子の上
流にプロモーター領域と推定される配列を連結し、該遺
伝子の発現を直接確認する方法を採用することができ
る。その発現を確認するために高感度で検出できるレポ
ーター遺伝子、例えばクロラムフェニコールアセチルト
ランスフェラーゼ(CAT)、β−グルクロニダーゼ
(GUS)や緑色蛍光タンパク(GFP)遺伝子を有す
る植物形質転換用ベクター、例えばpBI101(クロンテッ
ク社)等の組換えプラスミドを用いて、上記レポーター
遺伝子の上流に(3)でプロモーター領域と推定された
配列を連結し、発現調節活性を確認するための組換えプ
ラスミドを構築するのが望ましい。
【0017】(5)発現調節活性の確認 前記(4)により得られた組換えプラスミドを、アグロ
バクテリウム法やエレクトロポレーション法等により植
物に導入し、レポーター遺伝子の発現を検出すれば、推
定プロモーター領域の発現調節活性を確認することがで
きる。このようにして得られたMDV由来のプロモータ
ーはMDVが生存するための構造遺伝子の発現調節を行
い得ることはもちろんであるが、例えばタバコ、イネ、
ポプラ等、広く他の植物遺伝子の発現を制御することが
可能である。なお、発現効率の向上のために、上記遺伝
子プロモーター領域の他に、MDVの構造遺伝子の一部
を当該プロモーター領域の下流に連結することも有効な
方法である。
【0018】本発明MDV由来のプロモーターは、前述
のようにMDVゲノムから調製できることはもちろんで
あるが、通常の方法、例えばホスファイトトリエステル
法(M.Hunkapiller等, Nature, vol.310, p.105-110, 1
984)等に従って化学合成をすることもできる。本発明
のプロモーターを用いて構造遺伝子を発現させる場合に
は、本発明のプロモーターの下流に所望の構造遺伝子を
組み込んだベクターを通常公知の方法で構築し、これを
ベクターの種類に応じた宿主に導入して発現を行うこと
ができる。発現の詳細な条件は、構造遺伝子、ベクター
または宿主の種類によって決定される。また、発現の結
果得られた物質の単離・精製も常法を用いて行うことが
できる。
【0019】[MDV由来プロモーターの変異体]本発
明は、更にMDVから単離したプロモーターから誘導し
た変異体を含むものである。すなわち、本発明は、配列
表の配列番号1〜6に示される塩基配列において、1又
は複数の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加された塩
基配列からなり、かつ植物における遺伝子のプロモータ
ー活性を有する塩基配列を含む。本発明において、種々
のDNA配列の変異は、周知の遺伝子工学的遺伝子変異
手段によって、行うことができる。また、本発明は、配
列表の配列番号1〜6に示される塩基配列と、又はその
一部の塩基配列と、ストリンジェントな条件下でハイブ
リダイズし、かつ植物における遺伝子のプロモーター活
性を有する塩基配列を含む。
【0020】ここで、上記本発明の塩基配列において、
「塩基配列と、ストリンジェントな条件下でハイブリダ
イズする」条件としては、例えば、42℃でのハイブリ
ダイゼーション、及び1×SSC、0.1%のSDSを
含む緩衝液による42℃での洗浄処理を挙げることがで
き、65℃でのハイブリダイゼーション、及び0.1×
SSC、0.1%のSDSを含む緩衝液による65℃で
の洗浄処理をより好ましく挙げることができる。なお、
ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーに影響を
与える要素としては、上記温度条件以外に種々の要素が
あり、当業者であれば、種々の要素を組み合わせて、上
記例示したハイブリダイゼーションのストリンジェンシ
ーと同等のストリンジェンシーを実現することが可能で
ある。
【0021】[MDV由来プロモーターを組み込んだ発
現ベクター、形質転換植物]本発明は、本発明のプロモ
ーターを組み込んだ発現ベクター、及び該発現ベクター
に植物発現用遺伝子を組み込んで、植物に導入し、形質
転換した植物を含む。本発明のプロモーターを組み込む
発現ベクターとしては、通常、植物への遺伝子導入に用
いられるベクターが使用できるが、広く植物への遺伝子
導入に用いられているTiプラスミド系のベクターが、
有利に利用できる。ベクターの植物体への導入方法とし
ては、遺伝子の植物体への導入に通常用いられる方法を
用いることが出来る。例えば、アグロバクテリウム・ツ
メファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)による
感染による方法、エレクトロポレーション法、微粒子砲
撃法、及びマイクロインジェクション法などが挙げられ
る。
【0022】本発明のプロモーターは、広範囲の植物の
形質転換に用いることができ、また導入する植物発現用
遺伝子としても、特に制限はないが、もともとMDVの
感染が行われる植物、例えば、ナンキンマメ、レンゲ、
エビスグサ、ダイズ、スイートピー、アルファルファ、
スイートクローバー、アズキ、インゲン、エンドウ、ク
リムソンクローバー、サブクローバー、ソラマメ、コモ
ンベッチ、ヘアリーベッチ、ジュウロクサゲ、ハタササ
ゲ、シロバナヨウシュチョウセンアサガオ、Nicotiana
glutinosa L.、N.rustica L.、N.tobacum L.、ホウレン
ソウ等のような植物における植物発現用遺伝子の発現用
のプロモーターとして、特に有利に利用することができ
る。
【0023】[2以上の植物発現用遺伝子を組み込んだ
植物の形質転換]本発明のプロモーターの特に有利な利
用法として、2以上の植物発現用遺伝子を組み込んで植
物の形質転換を行う場合の利用がある。植物に、2以上
の植物発現用遺伝子を組み込んで植物の形質転換を行う
場合には、既に説明したように、プロモーターに関し
て、いわゆるジーンサイレンシング現象というものが報
告されており、2以上の植物発現用遺伝子を植物に導入
する場合には、それぞれ異なる種類のプロモーターを連
結することが好ましい。従来、通常良く用いられるCa
MV35Sプロモーターのような1種類のみのプロモー
ターが用いられていたが、本発明のプロモーターは、該
CaMV35Sプロモーターと同等程度の能力かそれ以
上の能力をもつプロモーターとして、遜色ないことか
ら、該プロモーターに代えて、2種以上の植物発現用遺
伝子にそれぞれ異なる種類のプロモーターを連結するた
めのプロモーターとして有利に利用することができる。
本発明のプロモーターの中から、プロモーターを選択し
て、植物に導入する2以上の植物発現用遺伝子に、それ
ぞれ異なる種類のプロモーターを連結することにより、
ジーンサイレンシング現象を回避した植物発現用遺伝子
の発現を行うことができる。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明をより具体的に説
明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定さ
れるものではない。 (1)MDV感染葉組織からのMDV二本鎖DNAの精
製 MDVの二本鎖DNAの抽出・精製は、Santer等の方法
に準じて行った。すなわち、マメアブラムシ(Aphis cr
accivora Koch)でMDVが安定に伝搬されたエンドウ
の葉10gを液体窒素下で破砕した後、20mLの10
0mM NaClを含む50mM Tris−HCl/
pH7.8に懸濁した。さらに、20mLの0.2M
NaOH‐1%SDSを加えよく混合した。さらに、1
5mLの酢酸カリウム/pH4.8を添加後、氷上で1
時間置いた。10,000gで10分間遠心分離した
後、上清をフェノール/クロロホルム(1:1)で抽出
し、水層を取った。これに20mLのエタノールを加え
て、10,000gで10分間遠心分離した、沈殿物を
真空乾燥させた。これに10μg/mLのRNaseA
(Pharmacia社)を含むTE緩衝液(10mM Tri
s−HCl/pH8.0、1mM EDTA)を加え、
37℃、1時間反応させて、RNAを分解させた。この
一部を、0.8%アガロースゲルを用い電気泳動で分画
し、臭化エチジウムで染色し、DNAの存在を確認し
た。RNA分解後の溶液は、エタノール沈殿により、精
製した。
【0025】(2)分離したDNAクローンの塩基配列
の決定 得られた二本鎖DNA標品をまず4塩基認識の制限酵素
AfaI、HaeIIIとSau3AIで切断した。これらの制限酵素消
化物のアガロースゲル電気泳動による泳動パターンか
ら、生じたDNA断片の合計サイズが1kbpよりも大
きいことが示された。一般にウイルスのゲノムDNAの
サイズは全長1kb程度であることが知られている。従
って、ここで得られたDNA断片の合計が1kbを超え
たということは、MDVゲノムはサイズが1kb程度で
配列の異なる複数のDNAコンポーネントから構成され
ると考えられる。次に、上記二本鎖DNA標品を20種
以上の制限酵素で消化したところ、11種類のDNAコ
ンポーネントC1〜C11が単離された。
【0026】塩基配列を決定するために一般的なクロー
ニングベクターpUC19へのこれらの挿入を試みた結果、
C1はSphI、C2はXbaI、C3はKpnI、C4はHindII
I、C5はSalI、C6はSacI、C7はHindIII、C8はBa
mHIの各制限酵素切断部位に導入できた。また、C9と
C10は、Sau3AIで消化したMDVゲノムDNAライブ
ラリーから得られた塩基配列をもとに、PCRプライマ
ーを設計し、これを用いてPCRを行うことにより全長
DNAを増幅してから、ベクターへの導入を試みた。C
9にはC9(+)プライマー5’−TAATGTAAT
GAAGAACACTA−3’とC9(−)プライマー
5’−CAGTTCAATATACACTCTAT−
3’を、C10にはC10(+)プライマー5’−CA
TAGATGGACCTTGGGAG−3’とC10
(−)プライマー5’−GCGGTTTCTTTCTT
CTGGC−3’を用いて全長DNAを増幅した。増幅
された約1kbpのDNA断片は制限酵素SmaI部位で切
断し、ddTTPを付加したpBluescriptSK(+)(ストラ
タジーン社)に導入した。塩基配列の決定はダイデオキ
シチェーンターミネーション法により、ABI373A
(パーキンエルマー社)自動シークエンサーを用いて決
定した。
【0027】(3)塩基配列に基づいたプロモーター領
域の特定 GENETYX-WIN(ソフトウェア開発株式会社)を用いて、
塩基配列情報から構造遺伝子に相当する領域を推定し
た。図1(推定される一本鎖MDVゲノムの構造)に示
すように、MDVのゲノムDNAは環状の構造であり、
構造遺伝子領域は少なくとも10kDaよりも大きいタ
ンパクをコードする領域と推定した。その結果、C1、
C2、C3、C10、C11は既知ウイルスとの相同性
から、複製タンパク(Rep)をコードしていると推定
された。また、C4は細胞周期の制御に関わるRb結合
タンパク(Rb-binding)、C8は移行タンパク(M
P)、C9はコートタンパク(CP)をコードしている
と推定された(Sano等, J. Gen.Virol., vol.79, p.311
1-3118)。この構造遺伝子領域の3’側に−AATAA
A−というmRNAの安定性に関与すると推定されるポ
リAシグナルが付加される領域を検出し、その領域の前
(5’側)、10〜30bpあたりから、TATAボッ
クスと推定される領域を含むATG開始コドンの直前の
塩基部分をプロモーター領域と推定した。この部分を増
幅できるPCRプライマーを、5’側はHindIIIまたはS
alIサイトを含み、3’側はBamHIサイトを含むように設
計した。
【0028】(4)発現調節活性を確認するための組換
えプラスミドの構築 図2(MDVプロモーターとGUSの融合遺伝子の構
築)に示すように、推定されたMDV由来の11種類の
プロモーター領域約400〜650bpの下流に、レポ
ーター遺伝子としてβ−グルクロニダーゼ(GUS)遺
伝子を組み込むために、該遺伝子を有する植物形質転換
用ベクターであるpBI101.3(クロンテック社製)の制限
酵素HindIII又はSalIとBamHIサイトに、これら11種類
のプロモーター領域を挿入した。
【0029】(5)発現調節活性の測定 得られた組換えプラスミドを凍結融解法によりアグロバ
クテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefa
ciens)LBA4404に導入した。形質転換タバコ作
成の材料としてタバコNicotiana tabacum L cv. Samsun
NNを用いた。上記のA. tumefaciensを抗生物質カナマイ
シン(50mg/L)を含むLB培地で28℃、2日間
培養した。無菌状態で種子発芽から約4週間生育させた
タバコの葉を5mm角に切断し、A. tumefaciensの培養
液に1〜3分間浸漬させた。次に、滅菌した紙タオル等
で葉片に付着している培養液を除き、シュート形成培地
(MS無機塩、3% しょ糖、0.8% 寒天、0.1
mg/L ナフタレン酢酸、1mg/L ベンジルアデ
ニン)に置床し、25℃連続照明下で培養した。3日
後、選抜用培地(MS無機塩、3% しょ糖、0.25
% ゲランガム、0.1mg/L ナフタレン酢酸、1
mg/L ベンジルアデニン、100mg/Lカナマイ
シン、500mg/L カルベニシリン)に移し、さら
に培養を続けた。約4週間後、分化してきた不定芽を切
り取り、100mg/L カナマイシンと500mg/
L カルベニシリンを含むMS基本培地(MS無機塩、
3%しょ糖、0.8% 寒天)の入ったプラントボック
ス(50×50×95mm)に移植した。さらに、約4週
間後、発根した個体はクレハ園芸培土(呉羽化学社)を
含むポットに植え換え24℃の温室で生育させた。この
ようにして、MDVプロモーター−GUS融合遺伝子を
持つ形質転換タバコを作成することができた。
【0030】(6)タバコでの発現調節活性 上記(5)で作成したMDVプロモーター−GUS融合
遺伝子を持つ形質転換タバコのカルスや葉、茎、根にお
けるMDVプロモーターの発現調節活性をKosugiらの方
法(Plant Science, vol.70, p.133-140, 1990)で測定
し、比較した。その結果、C4(配列番号1)、C5
(配列番号2)、C6(配列番号3)、C7(配列番号
4)、C8(配列番号5)、C9(配列番号6)のプロ
モーターは各々形質転換カルスにおいて35Sプロモー
ターの2〜10倍の高い活性を示した(図3)。また、
MDVプロモーターC4〜C9は形質転換体の葉におい
てCaMV35Sプロモーターと同じレベルの活性を示
した(図4)。また、C4、C5、C6、C7、C9の
プロモーターは篩部および分裂組織で強い活性を示し、
C8のプロモーターは、葉肉部においても活性を示した
(表1)。
【0031】
【表1】
【0032】複製開始タンパクをコードするC1、C
2、C3、C10、C11プロモーターは、形質転換し
たカルスおよび形質転換体の葉においてほとんど活性が
認められなかった(図3、図4)。なお、図3は、カル
スにおけるプロモーター活性の測定結果を、及び図4
は、葉におけるプロモーター活性の測定結果を示す。
【0033】
【発明の効果】本発明のプロモーターは、植物発現用遺
伝子の導入により植物の形質を転換を行うに際し、プロ
モーターとして広範囲の植物においてその機能を発揮
し、その組織、そして遺伝子の種類を問わず強力に構造
遺伝子の転写促進作用を奏する。更に、このプロモータ
ーはかかる転写促進作用を恒常的に発揮する。したがっ
て、本発明のプロモーターは、植物の形質転換を行うに
際し、実用的な機能を有するプロモーターとしての利用
を可能とする。更に、本発明のプロモーターは、2以上
の植物発現用遺伝子にそれぞれ異なるプロモーター連結
して、植物の形質を転換を行うような場合において、そ
の植物発現用遺伝子の少なくとも一つのプロモーターと
しての利用を有利に行いうる実用的なプロモーターとし
ての機能を具備するものでもある。
【0034】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> NIPPON PAPER INDUSTRIES MIYAGI-ken Sano, Yoshitaka <120> Promoter derived from plant virus <130> 4687 <140> <141> <160> 10 <170> PatentIn Ver. 2.1 <210> 1 <211> 474 <212> DNA <213> Milk vetch dwarf virus <400> 1 aatacaatta atacattaca ataatatttg agaaatatat tatttttaat tactctgcga 60 agctatatgt cgtggcccaa taggcccaaa tgctcttaag cccaatgaaa ttaacactga 120 agtgagtcag ctgacgtcag ctgactcctt gatgacgtag gggcggggct tagtattacc 180 cccgccccgg gttcagagtc acgtacggag tgacttacag ccgttagatg tgtatacacg 240 tggacgatca ggatctgtga ttcgtgaagc gaatctgacg gaagatcgtc cgaagcttcg 300 tggtagggcc cctatgttgc tttatcttta ctttaataaa gtaaagtaag atgctgtccc 360 ttgctttatt cgtttgctag ttgtttacag ctgtctttgc ttcgcctcga agcaaaggac 420 attctcatcg tctataaaag ctgtgttttc ttcgttgtaa caacaacgaa aatg 474 <210> 2 <211> 535 <212> DNA <213> Milk vetch dwarf virus <400> 2 gaatacttgt ttcagaaaca aatacctgta tggataaata tattattttt aattactctg 60 cgaagctata tgtcttggcc caataggccc aaatgctctt aagcccaatg aaattaacac 120 tgaagtgagt cagctgacgt cagctgactc cttagtgacg taggggcggg gcttagtatt 180 acccccgccc cgggttcaga gtcacgtacg gagtgactta cagccgttgg attttaaata 240 agatggacga tcaggatctg tgattcgtga agcgaatgtg acggaagatc gtccgaagct 300 tcgtggtagg gcccccatgt tgctttatct ttactttaat aaagtaaagt aagatgctgt 360 cccttgcttt attcgtttgc tagttgttta cagctgtctt tgcttcgcct cgaagcaaag 420 gacattctca tcgtctataa aagctgtgtt tctgaagaag atgcattgtt catcttcttc 480 tttctcacaa acaacattgt ttgtttcatc aaactaaagc ttctcagagg tcatg 535 <210> 3 <211> 504 <212> DNA <213> Milk vetch dwarf virus <400> 3 gtaagattat gcatatgaat aataacacta acaataatac atttgtttta attactccgc 60 gtagcggtat gtttaggccc aataggccca aatgctctta agcccaaata attgtgacgt 120 catttgatcc cgtgctgagc tggggcgggg cttagtatta cccccgcccc aggatcagcg 180 gagtcattta gactcattat aagcccttag atgtgtagac acgtgtacaa tcaggatctg 240 tgattcgtga agcgaatctg acggaagatt gtacaacacg ctaaactgta tatgtacgcg 300 tgtttaaatg ctattggtcc atatagtagt ggagctcacg cgttttcttt taacgcggtt 360 tactttatca gtggggacca ttagttgctt tgttcacacg aaagcagatt cttttgtgtt 420 gaagaagctt catatattgt tctataaata catagcttct tcttcttctt cgtcgtcatc 480 atttttctgc aactgcaaaa aatg 504 <210> 4 <211> 570 <212> DNA <213> Milk vetch dwarf virus <400> 4 gtttatgttt cattaataat ttatggtttg caaaaccaga gctattcaga ggtagaagac 60 aactacaatt gataacatat acattacaat gatatttgag aaatatatta tttttaataa 120 ctctgcgaag ctatatgtct tggcccaata ggcccaaatg ctcttaagcc caatgaaatt 180 aacactgaag tgagtcagct gacgtcagct gactccttga tgacgtaggg gcggggctta 240 gtattacccc cgccccagga tcagcggagt catttagact cgctataagc cgttagatgt 300 gtatacacgt ggacgatcag gatctgtgat tcgtgaagcg aatctgacgg aagatcgtcc 360 gaagcttcgt ggtagggccc ccatgttgct ttatctttac tttaataaag taaagtaaga 420 tgctgtccct tgctttattc gtttgctagt tgtttacagc tgtctttgct tcgcctcgaa 480 gcaaaggaca ttctcatcgt ctataaaagc tgtgttctcc gtgtgtaatt cgtcggaatt 540 atcgagcgta agtctcgttc ttgttctatg 570 <210> 5 <211> 646 <212> DNA <213> Milk vetch dwarf virus <400> 5 atgattatag tttgtaaaga atcatttatg tcatcatgct atttgtaagt tacgaaatat 60 caatgataat ttatgttatg atgttgtttc ataaatgaac aagtctgttg cattctctct 120 atatgtttca atgaagaaga aaactattca ctaagacacg tgttaacata tagttggttt 180 cgattgtttt acattactcc gcgtacggat atgtattggg cttgtaagcc caaaacaaat 240 gaggcccatt gtaatatcca atagggatga cttagtgacg tcatatgatc ccttgctgag 300 ctggggcggg gcttagtatt acccccgccc caggatcagc ggagtcatca cgtgacccgc 360 acatgcctaa tgaatacaat gtatataacc aagtggacat ggtccccacc attatatttg 420 aattaaatgc actgaatata tgccttgctt cgtctcgaag caaagtaagg aataaatggg 480 acccatatga gctgtatccc atgtgcatcg ctttatttgt atggtggaca ttacatagct 540 tttaagcggc gtacatgtta cgcttattct ttgtttataa aaactgaaat gctatcggcc 600 atttctgcta tttctcgcgt tgtttattgt ccgtcgaggc ttcatg 646 <210> 6 <211> 475 <212> DNA <213> Milk vetch dwarf virus <400> 6 gaagaacact atgaaataat gaaatcaaca atcattgaat cttattactc cgcgtagcgg 60 tatgtttccg tgtttttgtt gccaataatg cccttcatta atgaaggaga atttacaaat 120 atgaccttgt gacgtcattt gatcccgtgc tgagctgggg cgggggctta gtattacccc 180 cgccccagga tcagcggagt catttagact cgctataagc cgttagatgt gtagacacgt 240 ggacgatcag gatctgtgat tcgtgaagcg aatctgacgg aagatcgtcc gaagcttcgt 300 ggtagggccc ctatgttgct ttatctttac tttaataaag taaagtaaga tgctgtccct 360 tactttattc gtttgtcagt gggttacagc tgtctttgct tcgtctccaa gcaaagcata 420 atttctctct ctataaaagc tgttaaatct attcgttgtg ttcacaacga aaatg 475 <210> 7 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:C9(+)primer <400> 7 taatgtaatg aagaacacta 20 <210> 8 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:C9(-)primer <400> 8 cagttcaata tacactctat 20 <210> 9 <211> 19 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:C10(+)primer <400> 9 catagatgga ccttgggag 19 <210> 10 <211> 19 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:C10(-)primer <400> 10 gcggtttctt tcttctggc 19
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例において分離したDNAクロー
ンの推定される一本鎖MDVゲノムの構造を示す図であ
る。
【図2】本発明の実施例において分離した、MDV由来
の11種類の推定プロモーター領域とGUS融合遺伝子
の構築を示す図である。
【図3】本発明の実施例において分離した、MDV由来
の11種類の推定プロモーター領域の、カルスにおける
プロモーター活性を測定した結果を示す図である。
【図4】本発明の実施例において分離した、MDV由来
の11種類の推定プロモーター領域の、葉におけるプロ
モーター活性を測定した結果を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 瀬尾 直美 宮城県名取市高舘川上字東金剛寺1番地 宮城県農業・園芸総合研究所内 (72)発明者 中村 茂雄 宮城県名取市高舘川上字東金剛寺1番地宮 城県農業・園芸総合研究所内 (72)発明者 佐野 義孝 新潟県新潟市五十嵐二の町8050 Fターム(参考) 2B030 AA02 AB03 AD05 CA06 CA17 CA19 CB02 CD03 CD06 CD10 CD13 CD21 4B024 AA08 CA03 EA01 FA02 GA17

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列表の配列番号1〜6の一つから選択
    される塩基配列を有することを特徴とする植物ウイルス
    由来プロモーター領域を含む塩基配列。
  2. 【請求項2】 植物ウイルス由来プロモーターが、レン
    ゲ萎縮ウイルス由来プロモーターであることを特徴とす
    る請求項1記載の植物ウイルス由来プロモーター領域を
    含む塩基配列。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の塩基配列におい
    て、1又は複数の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加
    された塩基配列からなり、かつ植物における遺伝子のプ
    ロモーター活性を有することを特徴とする塩基配列。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載の塩基配列と、又は
    その一部の塩基配列と、ストリンジェントな条件下でハ
    イブリダイズし、かつ植物における遺伝子のプロモータ
    ー活性を有することを特徴とする塩基配列。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか記載の塩基配列
    からなるプロモーターを組み込んだ植物用発現ベクタ
    ー。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の植物用発現ベクターに、
    植物発現用遺伝子を組み込んで植物に導入し、形質転換
    した植物。
  7. 【請求項7】 植物用発現ベクターに、それぞれ異なる
    種類のプロモーターを連結した2以上の植物発現用遺伝
    子を組み込んで形質転換した植物において、それぞれ異
    なる種類のプロモーターの少なくとも一つが、請求項1
    〜4のいずれか記載の塩基配列から選択されたプロモー
    ターであることを特徴とする形質転換植物。
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