JP2003334078A - 核酸の測定方法に用いる核酸プローブおよびデータを解析する方法 - Google Patents

核酸の測定方法に用いる核酸プローブおよびデータを解析する方法

Info

Publication number
JP2003334078A
JP2003334078A JP2003081379A JP2003081379A JP2003334078A JP 2003334078 A JP2003334078 A JP 2003334078A JP 2003081379 A JP2003081379 A JP 2003081379A JP 2003081379 A JP2003081379 A JP 2003081379A JP 2003334078 A JP2003334078 A JP 2003334078A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nucleic acid
probe
target nucleic
measuring
equation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003081379A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3985959B2 (ja
Inventor
Ryuichiro Kurane
隆一郎 倉根
Takahiro Kanekawa
貴博 金川
Yoichi Kamagata
洋一 鎌形
Shinya Kurata
信也 蔵田
Kazutaka Yamada
一隆 山田
Toyoichi Yokomaku
豊一 横幕
Osamu Koyama
修 小山
Kenta Kosho
健太 古庄
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Kankyo Engineering Co Ltd
Original Assignee
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Kankyo Engineering Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST, Kankyo Engineering Co Ltd filed Critical National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority to JP2003081379A priority Critical patent/JP3985959B2/ja
Publication of JP2003334078A publication Critical patent/JP2003334078A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3985959B2 publication Critical patent/JP3985959B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating, Analyzing Materials By Fluorescence Or Luminescence (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By The Use Of Chemical Reactions (AREA)
  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 蛍光色素で標識された核酸プローブを用いる
核酸測定法、該法を利用するリアルタイム定量的PCR
法、及び該リアルタイム定量的PCR法により得られる
データを解析する方法において、短時間かつ正確に目的
が達成できる方法を提供する。 【解決手段】 蛍光色素で標識された核酸プローブを標
的核酸にハイブリダイゼーションさせ、ハイブリダイゼ
ーション前後における蛍光色素の発光の減少量を測定す
る核酸の新規測定法、該法を用いたリアルタイム定量的
PCR法、及び該PCR法で得られるデーターの解析の
際、アニーリング反応時の蛍光強度値を、変性反応時の
もので補正する過程を有するデータ解析法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、核酸の測定方法、
それに用いる核酸プローブ及びその方法によって得られ
るデータを解析する方法に関する。詳しくは蛍光色素で
標識された核酸プローブを用いる各種核酸の各種測定方
法に関し、蛍光色素で標識された核酸プローブを標的核
酸にハイブリダイゼーションさせたときに生ずる、ハイ
ブリダイゼーション前後における蛍光色素の発光の減少
量を測定するという原理に基づく各種核酸の各種新規測
定方法、それに用いる核酸プローブ及びデバイス(de
vices)、それら測定方法の一つであるPCR方法
によって得られるデータを解析する方法、解析装置、解
析方法の各手段をプログラムとして記録したコンピュー
タ読み取り可能な記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、蛍光色素で標識された核酸プロー
ブを用いて核酸量を測定する各種方法が知られている。
該方法には、以下のようなものがある。 (1)ドットブロッテング法 この方法は、標的核酸と当該核酸プローブをメンブラン
上でハイブリダイゼーションさせた後、未反応の核酸プ
ローブを洗い流し、標的核酸とハイブリダイゼーション
した核酸プローブに標識された蛍光色素分子のみの蛍光
強度を測定するものである。
【0003】(2)インターカレーター方法(Glazer et
al., Nature 359:959,1992):この方法は、インター
カレーターと称されるある種の蛍光色素が核酸の二重鎖
内にはまりこんだときに、強く発光するのでその発光の
増加量を測定する方法である。その蛍光色素として、例
えば、エチジウムブロマイド(実験医学、15巻、7
号、46〜51ページ、1997年、羊土社)、SYBR R
グリーン(Green) I(LightCyclerTM System;1999
年4月5日、ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社
発行のパンフレット)を挙げることができる。
【0004】(3)FRET(fluorescence energy transfe
r)を利用する方法(Mergney et al.,Nucleic Acid Re
s., 22: 920-928,1994.):この方法は、標的核酸にハイ
ブリダイズする二つの核酸プローブからなる。二つの核
酸プローブは、各々異なった蛍光色素で標識されてい
る。二つのプローブの内の一方は、FRET現象を通し
て、エネルギーを他方のプローブの蛍光色素に送りこれ
を発光させることができる蛍光色素で標識されている。
二つのプローブは、蛍光色素が向き合うように、かつ1
〜9塩基離れてハイブリダイズするように設計されてい
る。それで、二つの核酸プローブが標的核酸にハイブリ
ダイズすると蛍光色素の発光が起こり、発光の程度が標
的核酸の複製量に比例する。
【0005】(4)分子ビーコン方法(Tyagi et al.,
Nature Biotech.,14:303-308,1996.) この方法で使用する核酸プローブは、核酸プローブの一
端にレポーター色素、他端にクエンチャー色素が標識さ
ている。そしてその両端部は塩基配列において互いに相
補性があるので、プローブ全体としてhairpin stemを形
成するように塩基配列が設計されている。その構造のた
めに液中に浮遊している状態では、Forster共鳴エネル
ギーのため、レポーター色素の発光は、クエンチャー色
素により抑制されている。しかし、標的核酸にハイブリ
ダイゼーションするとhairpin stem構造が壊れるため
に、レポーター色素とクエンチャー色素の距離が大きく
なるので、Forster共鳴エネルギーの移動が起こらなく
なる。そのために、レポーター色素の発光が起こるよう
になる。
【0006】(5)デービスの方法(Davis et al.、Nu
cleic acids Res.24: 702-706、1996)デービスは、オリ
ゴヌクレオチドの3’末端に蛍光色素を、炭素原子18
個を有するスペサーを介して結合したプローブを作成し
た。これをフローサイトメトリーに適用した。3’末端
に蛍光色素を直接に結合した場合より、ハイブリダイゼ
ーションした場合、10倍の蛍光強度が得られることを
報告した。これらの方法は、核酸の各種測定方法、HI
SH方法(fluorescent in situhybridization assay
s)、PCR方法、LCR方法(ligase chain reactio
n)、SD方法( strand displacement assays)、競合的ハ
イブリダイゼーション方法(competitive hybridizatio
n)などに適用されてめざましい発展をとげている。
【0007】これらの方法は、現在一般的に使用されい
るが、蛍光色素で標識した核酸プローブと標的核酸のハ
イブリダイゼーション反応を行った後、ハイブリダイゼ
ーションしなかった当該核酸プローブを反応系から洗い
流す必要があるという好ましくない手順を有している。
このような手順を除くと測定時間の短縮、測定の簡便
性、測定の正確性をもたらすことは明らかである。そこ
で、このような手順を有さない核酸測定方法の開発が望
まれていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、前記
の状況に鑑み、蛍光色素で標識された核酸プローブを用
いる核酸測定方法において、より短時間に、より簡便、
より正確に目的の核酸量を測定できる方法を提供するこ
とである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するにあたり、核酸プローブを用いた核酸測定方
法について検討を重ねた。その結果、蛍光色素で標識さ
れた核酸プローブが標的核酸にハイブリダイゼーション
したときに、蛍光色素の発光が減少するという現象(蛍
光消光現象)があり、特定の色素においてはその減少が
顕著であり、かつその減少の程度は、蛍光色素が結合し
た部分の塩基の種類又は塩基配列に依存するということ
を発見した。本発明はかかる発見に基づいて完成された
ものである。
【0010】即ち、本発明は、 1)蛍光色素で標識された核酸プローブを用いる核酸測
定方法において、上記核酸プローブが標的核酸にハイブ
リダイゼーションしたときに、蛍光色素が、その発光を
減少させる核酸プローブであり、上記核酸プローブを標
的核酸にハイブリダイゼーションさせ、ハイブリダイゼ
ーション前後における蛍光色素の発光の減少量を測定す
ることを特徴とする核酸の測定方法、また、 2)蛍光色素で標識された核酸プローブが標的核酸にハ
イブリダイゼーションしたときに、上記蛍光色素が、そ
の発光を減少させる核酸プローブであり、かつ、当該プ
ローブは、その末端部において蛍光色素で標識されてお
り、当該核酸プローブが標的核酸にハイブリダイゼーシ
ョンしたとき、当該末端部において、当該プローブと標
的核酸とがハイブリダイゼーションした末端塩基から1
ないし3塩基離れて、標的核酸の塩基配列にG(グアニ
ン)が少なくとも1塩基以上存在するように、当該プロ
ーブの塩基配列が設計されていることを特徴とする核酸
測定用核酸プローブ、または、 蛍光色素で標識された
核酸プローブが標的核酸にハイブリダイゼーションした
ときに、上記蛍光色素が、その発光を減少させる核酸プ
ローブであり、かつ、当該プローブは、その末端部にお
いて蛍光色素で標識されており、当該核酸プローブが、
標的核酸にハイブリダイゼーションしたとき、当該末端
部分においてハイブリダイゼーションの塩基対がG(グ
アニン)とC(シトシン)のペアーを少なくも一対以上
形成するように、当該プローブの塩基配列が設計されて
いることを特徴とする核酸測定用核酸プローブ、また、
それらのプローブを用いる核酸測定方法、また、
【0011】3)標的核酸若しくは遺伝子の多型(poly
morphism)または/および変異(mutation)を解析若し
くは測定する方法において、前記2)に記載の核酸プロ
ーブを標的核酸若しくは遺伝子にハイブリダイゼーショ
ンさせ、蛍光強度の変化量を測定することを特徴とする
標的核酸若しくは遺伝子の多型または/および変異を解
析若しくは測定する方法、また、 4)標的核酸若しくは遺伝子の多型または/および変異
を解析若しくは測定する測定キットにおいて、前記2)
に記載の核酸プローブを含有することを特徴とする標的
核酸若しくは遺伝子の多型または/および変異を解析若
しくは測定する測定キット、また、
【0012】5)前記3)に記載の方法により得られる
データを解析する方法において、標的核酸若しくは遺伝
子が蛍光色素で標識された核酸プローブとハイブリダイ
ズしたときの反応系の蛍光強度値を、前記のハイブリダ
イズしていないときの反応系の蛍光強度値により補正処
理する過程を有することを特徴とする標的核酸若しくは
遺伝子の多型または/および変異を解析若しくは測定す
る方法のためのデータ解析方法、また、
【0013】6)標的核酸若しくは遺伝子の多型または
/および変異を解析若しくは測定する測定装置におい
て、前記5)に記載のデータ解析方法を実施するための
手段を有することを特徴とする標的核酸若しくは遺伝子
の多型または/および変異を解析若しくは測定する測定
装置、また、 7)前記5)に記載の補正処理過程をコンピュータに実
行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取
可能な記録媒体、また、
【0014】8)前記1)、2)に記載の核酸プローブ
を固体表面に結合せしめたプローブを用いる核酸測定方
法、及び該方法の核酸測定用デバイス、また、 9)前記1)、2)、8)に記載の核酸測定方法を用い
るHISH(fluorescent in situ hybridization assa
ys)方法、また、
【0015】10)前記1)、2)、9)に記載の核酸
測定方法によって得られるデータの解析方法、また、 11)前記1)、2)に記載の核酸測定方法を用いるP
CR方法、また、 12)前記11)に記載のPCR方法によって得られる
データ解析方法、また、 13)前記11)に記載のPCR方法を用いる核酸の融
解曲線解析方法、また、 14)前記12)と13)を融合させた解析方法、ま
た、 15)前記11)、12)、13)又は14)に記載の
解析方法により解析する手段を有するPCRの測定及び
/又は解析装置、また、
【0016】16)前記11)、12)、13)又は1
4)に記載の解析方法により解析する手順をプログラム
として記録したコンピュータ読取可能な記録媒体、ま
た、 17)前記12)、又は14)に記載のデータ解析方法
を利用することを特徴とする核酸の定量方法、また、 18)前記15)に記載のPCRの測定及び/又は解析
装置を用いる核酸の測定方法、また、 19)前記16)に記載の記録媒体を用いることを特徴
とする核酸の測定方法、を提供する。
【0017】
【発明の実施の形態】次に好ましい実施の形態を挙げて
本発明を更に詳細に説明する。本発明において、DN
A、RNA、cDNA、mRNA、rRNA、XTP
s、dXTPs、NTPs、dNTPs、核酸プロー
ブ、ヘルパー核酸プローブ(又は核酸ヘルパープロー
ブ、又は単にヘルパープローブ)、ハイブリダイズ、ハ
イブリダイゼーション、インターカレーター、プライマ
ー、アニーリング、伸長反応、熱変性反応、核酸融解曲
線、PCR、RT−PCR、RNA−primed PCR、S
tretch PCR、逆PCR、Alu配列を利用したPC
R、多重PCR、混合プライマーを用いたPCR、PN
Aを用いたPCR法、ハイブリダイゼーション方法(hy
bridization assays)、HISH(fluorescent in situ
hybridization assays)方法、PCR方法(polymerase c
hain assays )、LCR方法(ligase chain reactio
n)、 SD方法(strand displacement assays)、競合的
ハイブリダイゼーション方法( competitive hybridizat
ion)、DNAチップ、核酸検出用(遺伝子検出用)デバ
イス,SNP(スニップ:一塩基置換多型)、複合微生
物系等の用語は、現在、分子生物学、遺伝子工学、微生
物工学等で一般的に使用されている用語と同じ意味であ
る。本発明の第一の特徴は、蛍光色素で標識された核酸
プローブを用いる標的核酸の測定方法において、当該核
酸プローブが標的核酸にハイブリダイゼーションしたと
きに生ずる、ハイブリダイゼーション前後における蛍光
色素の発光の減少量を測定することにある。
【0018】本発明において標的核酸の測定とは、定量
若しくは定量的検出、または単なる検出のことを云う。
蛍光色素で標識された核酸プローブを用いる核酸測定方
法とは、ハイブリダイゼーション方法(hybridization a
ssays)、HISH方法(fluorescent in situhybridiza
tion assays)、PCR方法(polymerase chain assay
s)、LCR方法(ligase chain reaction)、SD方法(str
and displacement assays)、 競合的ハイブリダイゼー
ション方法(competitive hybridization)などのことを
いう。これらの方法では、蛍光色素で標識された核酸プ
ローブを加えた後、標的核酸にハイブリダイゼーション
しなかった未反応の当該核酸プローブの蛍光色素を測定
系から洗浄等の方法で除去し、標的核酸にハイブリダイ
ゼーションした当該核酸プローブに標識された蛍光色素
を当該プローブから直接的に、又は当該プローブに間接
的な手段を施して(例えば、酵素を作用させたりし
て)、発光させて、その発光量を測定する方法である。
本発明はこのような複雑な操作をしないで目的核酸を測
定することに特徴がある。
【0019】本発明において標的核酸とは、定量若しく
は定量的検出、または単なる検出を目的とする核酸のこ
とを云う。精製の有無を問わない。また、濃度の大小も
問わない。各種の核酸が混在していてもよい。例えば、
複合微生物系(複数微生物のRNA若しくは遺伝子DN
Aの混在系)又は共生微生物系(複数の動植物及び/又
は複数の微生物のRNA若しくは遺伝子DNAの混在
系)における定量若しくは定量的検出、または単なる検
出を目的とする特定核酸である。尚、標的核酸の精製が
必要な場合は従来公知の方法で行うことができる。例え
ば、市販されている精製キット等を使用して行うことが
できる。上記の核酸の具体例として、DNA、RNA、
PNA、2−O−メチル(Me)RNA、デオキシリボ
オリゴヌクレオチド(deoxyribo-oligonucleotides)、
リボキシオリゴヌクレオチド(riboxy-origonucleotide
s)等を挙げることができる。
【0020】本発明において蛍光色素は、一般に核酸プ
ローブに標識して、核酸の測定・検出に用いられるもの
が便利に使用できるが、蛍光色素で標識された核酸プロ
ーブが標的核酸にハイブリダイゼーションしたときに、
プローブに標識した当該蛍光色素が、その発光を減少さ
せるものが好適に用いられる。例えば、フルオレセイン
(fluorescein)又はその誘導体類{例えば、フルオレ
セインイソチオシアネート(fluorescein isothiocyana
te)(FITC)若しくはその誘導体等、Alexa 488、Alexa
532、cy3、cy5、EDANS(5-(2'-aminoethyl)amino-1-na
phthalene sulfonic acid)}、ローダミン(rhodamin
e)6G(R6G)又はその誘導体(例えば、テトラメチルロ
ーダミン(teramethylrhodamine)(TMR)、テトラメチ
ルローダミンイソチオシアネート(tetramethylrhodami
ne isothiocyanate)(TMRITC)、x−ローダミン(x-rhod
amine)、テキサスレッド(Texas red)、ボデピー(BODIP
Y)FL(商標名;モレキュラー・プローブ(Molecular Probe
s)社製、米国)、ボデピー(BODIPY)FL/C3(商標名;モ
レキュラー・プローブ(Molecular Probes)社製、米
国)、ボデピー(BODIPY)FL/C6(商標名;モレキュラー
・プローブ(Molecular Probes)社製、米国)、ボデピ
ー(BODIPY)5-FAM(商標名;モレキュラー・プローブ(M
olecular Probes)社製、米国)、ボデピー(BODIPY)T
MR(商標名;モレキュラー・プローブ(Molecular Prob
es)社製、米国)、又はその誘導体(例えば、ボデピー
(BODIPY)TR(商標名;モレキュラー・プローブ(Mole
cular Probes)社製、米国)、デピー(BODIPY)R6G
(商標名;モレキュラー・プローブ(Molecular Probe
s)社製、米国)、ボデピー(BODIPY)564(商標名;モ
レキュラー・プローブ(Molecular Probes)社製、米
国)、デピー(BODIPY)581(商標名;モレキュラー・
プローブ(Molecular Probes)社製、米国)等を挙げる
ことができる。これらの中でも、FITC、EDANS、6-joe、
TMR、Alexa 488、Alexa 532、ボデピー(BODIPY) FL/C
3(商標名;モレキュラー・プローブ(Molecular Probe
s)社製、米国)、ボデピー(BODIPY) FL/C6(商標
名;モレキュラー・プローブ(Molecular Probes)社
製、米国)等を好適なものとして、また、FITC、TMR、6
-jeo、ボデピー(BODIPY) FL/C3(商標名;モレキュラ
ー・プローブ(Molecular Probes)社製、米国)、ボデ
ピー(BODIPY) FL/C6(商標名;モレキュラー・プロー
ブ(Molecular Probes)社製、米国)をより好適なもの
として挙げることができる。
【0021】標的核酸にハイブリダイゼーションさせる
核酸プローブは、オリゴデオキシリボヌクレオチドで構
成されていてもよいし、オリゴリボヌクレオチドで構成
されていてもよい。また、それらの双方が介在している
キメリックオリゴヌクレオチド(chemiric oligonucleo
dite)でもよい。また、2−o−メチルオリゴリボヌク
レオチド(2'-o-Methyl oligoribonucleotides)(olig
oribonucleotideの5’末端のヌククレオサイド(nucleo
side)部がシチジンで、そのシチジンの2’位のOH基
がメチル(methyl)基で修飾されているもの)を使用し
てもよい。又はRNAとの親和性を高めるために、当該
2’−o−メチルオリゴリボヌクレオチドをオリゴデオ
キシヌクレオチド(oligodeoxynuclueotide)の中に介
在させていてもよい。
【0022】尚、2’−o−メチルオリゴリボヌクレオ
チドのような修飾されたRNAをオリゴデオキシヌクレ
オチドの中に介在させた核酸プローブは主にRNAの測
定に用いるものである。当該プローブを使用してRNA
を測定する場合、試料であるRNA溶液を、当該プロー
ブとハイブリダイゼーションさせる前に、80〜100
℃、好ましくは90〜100℃、最適には93〜97℃
で、1〜15分間、好ましくは2〜10分間、最適には
3〜7分間加熱処理してRNAの高次構造を破壊するこ
とが好適である。また、当該核酸プローブの塩基鎖が3
5塩基以下の場合、配列領域へのハイブリダイゼーショ
ン効率を上げるためにヘルパープローブ、例えば、(5')
AGGCCGGCCCTTGACTTTCC T(3')なる塩基配列のオリヌクレ
オチドを反応溶液に添加することが好適である。この場
合、ヘルパープローブはオリゴデオキシヌクレオチド体
でも、また、2−o−メチルオリゴリボヌクレオチド体
でもよい。ただし、35塩基鎖を超える核酸プローブを
使用する場合は、標的のRNAを熱変性するだけでよ
い。このような本発明の核酸プローブをRNAにハイブ
リダイゼーションさせると、反応液中のRNAの量に応
じて蛍光強度が減少し、最終RNA濃度が約150pM
までRNAを測定できる。
【0023】核酸プローブを用いる従来のハイブリダイ
ゼーション方法によるRNAの測定において、核酸プロ
ーブとしてオリゴデオキシヌクレオチド体又はオリゴリ
ボヌクレオチド体が用いられてきた。RNAはそれ自体
が強固な高次構造をとるため、プローブと標的RNAと
のハイブリダイゼーション効率が悪く、定量性に乏しか
った。そのために、RNAを変性させた後、メンブラン
に固定してからハイブリダイゼーション反応を行うとい
う繁雑性を従来方法は有していた。これに対して、前記
の本発明方法は、RNAの特定構造部と高い親和性を有
するリボース部修飾核酸プローブを用いているので、従
来方法に較べて高い温度でハイブリダイゼーション反応
を行うことができる。それで、RNAの高次構造の前記
悪影響は、前処理としての加熱変性処理、ヘルパープロ
ーブの併用だけで克服可能である。これにより本発明方
法においてハイブリダイゼーション効率は実質的に10
0%になり、定量性が向上する。また、従来方法に較べ
て格段に簡便になる。
【0024】本発明のプローブの塩基数は5〜50であ
り、好ましくは10〜25、特に好ましくは15〜20
である。50を超える場合は、HISH方法に用いたと
き細胞膜の透過性が悪くなり、本発明の適用範囲を狭め
ることになる。5未満の場合は、非特異的ハイブリダイ
ゼーションが惹起し易くなり、測定誤差が大きくなる。
【0025】そのプローブの塩基配列は、標的核酸に特
異的にハイブリダイゼーションするものであればよく、
特に限定されない。好ましくは、蛍光色素で標識された
核酸プローブが標的核酸にハイブリダイゼーションした
とき、(1)当該プローブにハイブリダイゼーションし
た標的核酸の末端塩基部から1ないし3塩基離れて、標
的核酸の塩基配列にG(グアニン)がすくなとも1塩基
以上存在するように、当該プローブの塩基配列が設計さ
れいる塩基配列、(2)プローブの末端部分においてプ
ローブ−核酸ハイブリッド複合体の塩基対がG(グアニ
ン)とC(シトシン)のペアーを少なくとも一対以上形
成するように、当該プローブの塩基配列が設計されてい
る塩基配列、が好ましい。
【0026】本発明における核酸プローブのオリゴヌク
レオチドは、通常の一般的オリゴヌクレオチドの製造方
法で製造できる。例えば、化学合成法、プラスミドベク
ター、ファージベクター等を使用する微生物法等で製造
できる(Tetrahedron letters、 22巻、 1859〜1862
頁、 1981年; Nucleic acids Research、 14巻、6227〜
6245頁、1986年)。尚、現在、市販されている核酸合成
機を使用するのが好適である(例えば、ABI394(Perkin
Elmer社製、USA))。
【0027】オリゴヌクレオチドに蛍光色素を標識する
には、従来公知の標識法のうちの所望のものを利用する
ことができる(Nature Biotechnology、 14巻、 303〜3
08頁、 1996年; Applied and Environmental Microbiol
ogy、 63巻、 1143〜 1147頁、 1997年; Nucleic acids
Research、 24巻、 4532〜4535頁、 1996年)。例え
ば、5´末端に蛍光色素分子を結合させる場合は、先
ず、常法に従って5´末端のリン酸基にスペーサーとし
て、例えば、-(CH2)n-SHを導入する。これらの導入体は
市販されているので市販品を購入してもよい(メドラン
ド・サーテイファイド・レージント・カンパニー(Midl
and Certified Reagent Company))。この場合、nは
3〜8、好ましくは6である。このスペーサーにSH基
反応性を有する蛍光色素又はその誘導体を結合させるこ
とにより標識したオリゴヌクレオチドを合成できる。こ
のようにして合成された蛍光色素で標識されたオリゴヌ
クレオチドは、逆相等のクロマトグラフィー等で精製し
て本発明で使用する核酸プローブとすることができる。
【0028】また、オリゴヌクレオチドの3’末端に蛍
光色素を結合させることもできる。この場合は、リボー
ス又はデオキシリボースの3’位CのOH基にスペーサ
ーとして、例えば、-(CH2)n-NH2を導入する。これらの
導入体も前記と同様にして市販されているので市販品を
購入してもよい(メドランド・サーテイファイフド・レ
ージント・カンパニー(Midland Certified Reagent Co
mpany))。また、リン酸基を導入して、リン酸基のO
H基にスペサーとして、例えば、-(CH2)n-SHを導入す
る。これらの場合、nは3〜8、好ましくは4〜7であ
る。このスペーサーにアミノ基、SH基に反応性を有す
る蛍光色素又はその誘導体を結合させることにより標識
したオリゴヌクレオチドを合成できる。このようにして
合成された蛍光色素で標識されたオリゴヌクレオチド
は、逆相等のクロマトグラフィー等で精製して本発明で
使用する核酸プローブとすることができる。このアミノ
基を導入する場合、キット試薬(例えば、Uni-link am
inomodifier(CLONTECH社製、米国)、フルオ・リポタ
ーキット(FluoReporter Kits) F-6082、 F-6083、 F-6
084、 F-10220(いずれもモレクキュラー・プローベ(M
olecular Probes)社製、米国))を用いるのが便利で
ある。そして、常法に従って当該オリゴリボヌクレオチ
ドに蛍光色素分子を結合させることができる。また、プ
ローブ核酸の鎖内に蛍光色素分子を導入することも可能
である(ANALYTICAL BIOCHEMISTRY 225, 32-38頁(1998
年))。以上のようにして本発明の核酸プローブが調製
できるが、好ましいプローブの形態は、3’又は5’末
端が蛍光色素が標識されたものであり、その標識されて
いる末端の塩基がG又はCであるものである。5’末端
が標識され、3’末端が標識されていない場合、3’末
端のリボース又はデオキシリボースの3’位CのOH基
をリン酸基等、また3’末端のリボースの2’位CのO
H基をリン酸基等で修飾してもよく何ら制限されない。
【0029】本発明の核酸プローブは、単に核酸測定だ
けでなく、標的核酸若しくは遺伝子の多型(polymorphi
sm)または/および変異(mutation)を解析若しくは測
定する方法に好適に利用できる。特に下記に述べるDN
Aチップと併用することによりより便利な方法を提供す
る。すなわち、本発明の核酸プローブと標的核酸若しく
は遺伝子とのハイブリダイゼーションにおいて、GCペ
アーを形成するかどうかにより、蛍光強度が変化する。
それで、本発明の核酸プローブを標的核酸若しくは遺伝
子にハイブリダイゼーションさせ、発光強度を測定する
ことにより、標的核酸若しくは遺伝子の多型(polymorp
hism)または/および変異(mutation)を解析若しくは
測定することができる。具体的方法は、実施例に記し
た。この場合、標的核酸若しくは遺伝子は各種の核酸若
しくは遺伝子の増幅方法のうちの一つの方法により増幅
された増幅物でもよし、抽出されたものでもよい。また
標的核酸はその種類を問わない。本発明を適用しうる標
的核酸の例としてRNA、DNA、PNA、人工修飾核
酸などを挙げることができる。ただ、鎖中または末端に
グアニン塩基が存在しておればよい。鎖中または末端に
グアニン塩基が存在しないと蛍光強度が減少しない。よ
って、本発明方法により、G→A、G←A、C→T、C
←T、G→C、G←Cの変異、または置換、すなわち、
1塩基多型(single nucleotide polymorphism (SNP))
などの多型(polymorphism analysis)等を解析若しく
は測定することができる。なお、現在、多型分析は、マ
キサム・ギルバート(Maxam-Gilbert)法、ジデオキシ
(dideoxy)法を用いて核酸若しくは遺伝子の塩基配列
を決定することにより行われているのが現状である。
【0030】それで、本発明の核酸プローブを標的核酸
または/および遺伝子の多型(polymorphism)及び変異
(mutation)を解析若しくは測定する測定キットに含有
させることにより、標的核酸若しくは遺伝子の多型(po
lymorphism)または/および変異(mutation)を解析若
しくは測定する測定キットとして好適に使用することが
できる。
【0031】本発明の標的遺伝子の多型(polymorphis
m)または/および変異(mutation)を解析若しくは測
定する方法により得られるデータを解析する場合に、標
的核酸が蛍光色素で標識された核酸プローブとハイブリ
ダイズしたときの反応系の蛍光強度値を、前記のものが
ハイブリダイズしていないときの反応系の蛍光強度値に
より補正する処理過程を設けると、処理されたデータは
信頼性の高いものになる。それで本発明は、標的核酸若
しくは遺伝子の多型(polymorphism)または/および変
異(mutation)を解析若しくは測定する方法のためのデ
ータ解析方法を提供する。
【0032】また、本発明の特徴は、標的核酸若しくは
遺伝子の多型(polymorphism)または/および変異(mu
tation)を解析若しくは測定する測定装置において、標
的核酸若しくは遺伝子が蛍光色素で標識された核酸プロ
ーブとハイブリダイズしたときの反応系の蛍光強度値
を、前記のものがハイブリダイズしていないときの反応
系の蛍光強度値により補正する処理手段を有することを
特徴とする標的核酸若しくは遺伝子の多型(polymorphi
sm)または/および変異(mutation)を解析若しくは測
定する測定装置である。
【0033】また、本発明の特徴は、標的核酸若しくは
遺伝子の多型(polymorphism)または/および変異(mu
tation)を解析若しくは測定する方法により得られるデ
ータを解析する場合に、標的核酸若しくは遺伝子が蛍光
色素で標識された核酸プローブとハイブリダイズしたと
きの反応系の蛍光強度値を、前記のものがハイブリダイ
ズしていないときの反応系の蛍光強度値により補正する
処理過程をコンピュータに実行させるためのプログラム
を記録したコンピュータ読取可能な記録媒体である。
【0034】本発明のプローブは固体(支持層)表面、
例えばスライドガラスの表面に固定されていてもよい。
この場合、蛍光色素で標識されていない端が固定されて
いるのが好ましい。この形式は現在DNAチップと言わ
れる。遺伝子発現(gene expression)のモニタリン
グ、塩基配列(base sequence)の決定,変異解析(mu
tation analysis),1塩基多型(single nucleotide p
olymorphism (SNP))などの多型解析(polymorphism an
alysis)等に使用できる。勿論、核酸測定用デバイス
(チップ)として使用することができる。
【0035】本発明のプローブを例えばスライドガラス
の表面に結合させるには、ポリリジン、ポリエチレンイ
ミン、ポリアルキルアミンなどのポリ陽イオンをコート
したスライドガラス、アルデヒド基を導入したスライド
ガラス、アミノ基を導入したスライドガラスを先ず用意
する。そして、i)ポリ陽イオンをコートしたスライドガ
ラスには、プローブのリン酸基を反応させる、ii)アル
デヒド基を導入したスライドガラスには、アミノ基を導
入したプローブを反応させる、iii)アミノ基を導入した
スライドガラスには、PDC(pyridinium dichromat
e)導入、アミノ基又はアルデヒド基導入したプローブ
を反応させる、などにより達成できる(Fodor,P.A.,et a
l.,Science,251,767-773(1991); Schena,M.,et al.,Pro
c.Natl.Acad.Sci.,U.S.A.,93,10614-10619(1996);McGa
l,G.,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.,U.S.A.,93,13555-13
560(1996);Blanchad,A.P.,et al.,Biosens.Bioelectro
n.,11,687-690(1996))。
【0036】核酸プローブを固体表面にアレー状に配
列、結合させたデバイスは核酸測定用がより便利にな
る。この場合、塩基配列の異なる多くの本発明のプロー
ブを、個別に同一固体表面上に結合していデバイスをつ
くることにより、同時に多種遺伝子を検出定量できる。
このデバイスにおいては、プローブ毎に、前記固体のプ
ローブを結合したと反対側の面に少なくとも一つの温度
センサーとヒーターが設け、そのプローブを結合した前
記固体の領域が最適温度条件になるように温度調節され
得るように設計されているのが好適である。
【0037】このデバイスにおいては、本発明のプロー
ブ以外のプローブ、例えば、一つの分子内に二つの異な
った蛍光色素を有し、標的核酸にハイブリダイゼーショ
ンしていないときは、二つの蛍光色素の相互作用によ
り、消光若しくは発光しているが、標的核酸にハイブリ
ダイゼーションすると蛍光若しくは消光するように設計
された構造をもつ核酸プローブ、即ち、前記の分子ビー
コン(Tyagi et al., Nature Biotech.,14:303-308,199
6)等を結合したものも好適に使用できる。それで、この
ようなデバイスも本発明の技術的範囲内に含まれる。
【0038】本発明のデバイスを用いる測定方法の基本
的操作は、核酸プローブを結合した固体表面上にmRN
A、cDNA、rRNA等の標的核酸を含む溶液をの
せ、ハイブリダイゼーションさせるだけである。これに
より、標的核酸量に応じて蛍光量の変化がおこり、その
蛍光変化量から標的核酸の検出定量が可能となる。ま
た、一つの固体表面上に塩基配列の異なる核酸プローブ
を多数種結合させることにより、一度に多くの核酸を検
出定量することができる。それで、DNAチップと全く
同じ用途で使用できるので新規のDNAチップである。
最適の反応条件では標的核酸以外の核酸は蛍光の発光量
を変化させないために、未反応な核酸を洗浄する操作は
必要がない。更に、微小ヒーターにて核酸プローブの種
類毎に温度コントロールすることにより、当該プローブ
毎に最適反応条件にコントロールできるために正確な定
量が可能となる。また、微小ヒーターにて温度を連続的
に変化させ、その間、蛍光量を測定することにより、核
酸プローブと標的核酸との解離曲線を解析することがで
きる。その解離曲線の違いからハイブリダイゼーション
した核酸の性質の判定や、SNPの検出ができる。
【0039】従来の標的核酸測定用デバイスは、蛍光色
素で修飾されていない核酸プローブを固体表面に結合
(固定:fix)し、それに蛍光色素で標識した標的核酸
をハイブリダイゼーションさせた後、ハイブリダイゼー
ションしていない標的核酸を洗い流して、残存している
蛍光色素の蛍光強度を測定していた。蛍光色素で標的核
酸を標識するには、例えば、特定mRNAを標的とした
場合、次のstepsを取る:(1)細胞から抽出されたm
RNA全部を抽出する。(2)それから、逆転写酵素
(reverse transcriptase)を用いて、蛍光色素で修飾
されヌクレオサイドをとり込ませながらcDNAを合成
する。本発明ではこのような操作は必要がない。
【0040】当該デバイスには各種のプローブが多数ス
ポットしてあるが、その各々のプローブにハイブリダイ
ゼーションする核酸の最適ハイブリダイゼーション条
件、例えば、温度等は各々異なる。よって本来であれ
ば、プローブ毎(スポット毎)に、ハイブリダイゼーシ
ョン反応、洗浄操作を最適な条件で行う必要がある。し
かし、それは物理的に不可能であるので、すべてのプロ
ーブ毎に同一の温度でハイブリダイゼーションを行い、
また、洗浄も同一温度で同一洗浄液で行われている。そ
れで、ハイブリダイゼーションが期待されている核酸が
ハイブリダイゼーションしなかったり、ハイブリダイゼ
ーションしてもハイブリダイゼーションが強固でないの
で容易に洗い流されてしまう等の欠点を有していた。そ
のような原因で核酸の定量性が低いものであった。本発
明ではこの洗浄操作が必要がないのでこのような欠点を
有しない。また、スポットの底に微小ヒータを設け、ハ
イブリダイゼーション温度をコントロールすることで、
プローブ毎に最適温度でハイブリダイゼーション反応を
行わせることができる。それで、本発明は定量性が格段
に向上したものである。
【0041】本発明においては、前記した核酸プローブ
又はデバイスを使用することで、標的核酸を短時間で、
簡便かつ特異的に測定することができる。以下に測定法
を述べる。本発明の測定方法において、先ず、測定系に
前記の核酸プローブを添加し、標的核酸にハイブリダイ
ゼーションさせる。その方法は、通常の既知方法で行な
うことができる(Analytical Biochemistry、 183巻、
231〜244頁、 1989年; Nature Biotechnology、 14巻、
303〜308頁、 1996年; Applied and Environmental Mi
crobiology、 63巻、 1143-1147頁、 1997年)。例え
ば、ハイブリダイゼーションの条件は、塩濃度が0〜2
モル濃度、好ましくは0.1〜1.0モル濃度、pHは
6〜8、好ましくは6.5〜7.5である。
【0042】反応温度は、前記核酸プローブが標的核酸
の特異的部位にハイブリダイゼーションして得られるハ
イブリド複合物のTm値±10℃の範囲内であるのが好
ましい。このようにすることにより非特異的なハイブリ
ダイゼーションを防止することができる。Tm−10℃
未満のときは、非特異的ハイブリダイゼーション起こ
り、Tm+10℃を越えるときは、ハイブリダイゼーシ
ョンが起こらない。尚、Tm値は本発明で用いる核酸プ
ローブを設計するのに必要な実験と同様にして求めるこ
とができる。すなわち、当該核酸プローブとハイブリダ
イゼーションする相補塩基配列のオリゴヌクレオチドを
前記の核酸合成機等で化学合成し、当該核酸プローブと
のハイブリダイゼーション物のTm値を通常の方法で測
定する。
【0043】また、その反応時間は1秒間〜180分
間、好ましくは5秒間〜90分間である。1秒間未満の
ときは、ハイブリダイゼーションにおいて未反応の本発
明の核酸プローブが多くなる。また、反応時間を余り長
くしても特に意味がない。なお、反応時間は核酸種、す
なわち、核酸の長さ、あるいは塩基配列によって大きく
影響を受ける。前記のようにして、本発明において核酸
プローブを標的核酸にハイブリダイゼーションさせる。
そして、ハイブリダイゼーションの前後で、蛍光色素の
発光量を蛍光光度計で測定し、発光の減少量を計算す
る。その減少量の大きさは標的核酸量と比例するので、
標的核酸の量を求めることができる。
【0044】反応液中の標的核酸の濃度:0.1〜1
0.0nMであるのが好ましい。反応液中のプローブの
濃度:1.0〜25.0nMであるが好ましい。検量線
を作成する場合は、標的核酸に対して、プローブを1.
0〜2.5の比率で用いるのが望ましい。
【0045】実際、試料中の未知濃度の標的核酸を測定
する場合、上記の条件で先ず、検量線を作成する。そし
て、複数の濃度のプローブを添加して、蛍光強度値の減
少を測定する。そして、測定された蛍光強度の減少値を
最大にするプローブ濃度を好ましいプローブ濃度とす
る。好ましい濃度のプローブで測定された蛍光強度の減
少値もって、検量線から標的核酸の定量値を求めること
になる。
【0046】本発明の核酸測定法の原理は、前記のごと
くであるが、各種の核酸測定方法、例えば、FISH方
法、PCR方法、LCR方法、SD方法, 競合的ハイブ
リダイゼーション方法、TAS方法、 などに適用でき
る。
【0047】以下にその例を記す。 a)FISH方法に適用した場合 即ち、本発明は色々の種類の微生物若しくは他の動物や
植物が混在していて、相互に単離できない微生物系(複
合微生物系、共生微生物系)の細胞内若しくは細胞のホ
モジネート等の核酸測定に好適に適用できる。ここでい
う微生物とは一般的にいう微生物のことで、特に限定さ
れるものではない。例えば、真核微生物、原核微生物、
その他、マイコプラズマ、ウイルス、リッケチャ等を挙
げることができる。そして、特定配列を有する核酸と
は、これらの微生物系において、例えば、どのように活
躍しているのか調べたい菌株の細胞に特異性を有する塩
基配列をもつ核酸のことである。例えば、特定菌株の5
SrRNA、16SrRNA若しくは23SrRNA又
はそれらの遺伝子DNAの特定配列である。
【0048】本発明において核酸プローブを複合微生物
系又は共生微生物系に添加し、特定菌株の5SrRN
A、16SrRNA若しくは23SrRNA又はそれら
の遺伝子DNAの量を測定することにより、当該系にお
ける特定菌株の存在量を測定することできる。尚、複合
微生物系又は共生微生物系のホモジネートに前記核酸プ
ローブを添加して、ハイブリダイゼーション前後におけ
る蛍光色素の発光の減少量を測定して特定菌株の存在量
を測定する方法も、本発明の技術的範囲内とする。
【0049】前記の測定方法は、例えば、以下の如くで
ある。即ち、核酸プローブを添加する前に、複合微生物
系又は共生微生物系の温度、塩濃度、pHを前記の条件
に調整する。複合微生物系又は共生微生物系における特
定菌株は、細胞数として10 7〜1012個/ml、好ま
しくは109〜1010個/mlに調整することが好適で
ある。それは希釈、又は遠心分離等による濃縮等で行う
ことができる。細胞数が107個/ml未満のときは、
蛍光強度が弱く、測定誤差が大きくなる。1012個/m
lを超えるときは、複合微生物系又は共生微生物系の蛍
光強度が強すぎるため、特定微生物の存在量を定量的に
測定することができなくなる。
【0050】添加する核酸プローブの濃度は、複合微生
物系又は共生微生物系における特定菌株の細胞数に依存
する。細胞数1×108/mlに対して0.1〜10.
0nM濃度、好ましくは0.5〜5nM濃度、より好ま
しくは1.0nM濃度である。0.1nM未満のとき
は、特定微生物の存在量を正確に反映したデータになら
ない。しかし、最適な核酸プローブの量は、細胞内の標
的核酸量に依存するために一概にはいえない。
【0051】次に本発明において前記核酸プローブと特
定菌株の5SrRNA、16SrRNA若しくは23S
rRNA又はその遺伝子DNAにハイブリダイゼーショ
ンさせるときの反応温度は、前記した条件と同様であ
る。また、その反応の時間も前記の条件と同様である。
前記のような条件で核酸プローブを特定菌株の5SrR
NA、16SrRNA若しくは23SrRNA又はそれ
の遺伝子DNAにハイブリダイゼーションさせ、ハイブ
リダイゼーション前後の複合微生物系又は共生微生物系
の蛍光色素の発光の減少量を測定する。
【0052】前記のようにして測定された蛍光色素の発
光の減少量は、複合微生物系又は共生微生物系における
特定菌株の存在量と比例する。それは5SrRNA、1
6SrRNA若しくは23SrRNA又はそれらの遺伝
子DNAの量と特定菌株の存在量とが比例するからであ
る。
【0053】尚、本発明において、複合微生物系又は共
生微生物系における微生物以外の成分は、本発明の核酸
プローブと特定菌株の5SrRNA、16SrRNA若
しくは23SrRNA又はそれらの遺伝子DNAとのハ
イブリダイゼーションを阻害しない限り、また、核酸プ
ローブの蛍光色素の発光を阻害をしない限り、特に限定
されない。例えば、KH2PO4、K2HPO4、NaH2PO4、Na2HPO4
等のリン酸塩、硫安、硝安、尿素等の無機窒素類、マグ
ネシウム、ナトリウム、カリウム、カルシウムイオン等
の金属イオンの各種塩類、マンガン、亜鉛、鉄、コバル
トイオン等の微量金属イオンの硫酸塩、塩酸塩、炭酸塩
等の各種塩類、更にビタミン類等が適当に含まれていて
もよい。もし、上記の阻害が観察される場合は、遠心分
離等の操作で複数の微生物が混在する菌体系から菌体を
分離し、再び緩衝液系等に懸濁すればよい。
【0054】上記の緩衝液としては、リン酸緩衝液、炭
酸緩衝液、トリス・塩酸緩衝液、トリス・グリシン緩衝
液、クエン酸緩衝液、グット緩衝液等の各種緩衝液をも
用いることができる。緩衝液の濃度は、ハイブリダイゼ
ーション、FRET現象、蛍光色素の発光を阻害しない
濃度である。その濃度は緩衝液の種類に依存する。緩衝
液のpHは4〜12、好ましくは5〜9である。
【0055】b)PCR methodsに適用する場合 PCR methodsであればどのような方法でも適用できる
のであるが、リアルタイム定量的PCR方法に適用する
場合を以下に記す。即ち、リアルタイム定量的PCR方
法において、本発明の特定の核酸プローブを用いてPC
Rを行い、反応前後の蛍光色素の発光の減少をリアルタ
イムで測定するものである。本発明のPCRとは各種方
法のPCRを意味するものである。例えば、RT−PC
R、RNA−primed PCR、Stretch PCR、逆PC
R、Alu配列を利用したPCR、多重PCR、混合プ
ライマーを用いたPCR、PNAを用いたPCR法等を
も含む。また、定量的とは、本来の定量測定の他に、検
出程度の定量測定をも意味するものとする。
【0056】前記のとおり、標的核酸とは、存在量を定
量若しくは定量的検出するまたは単に検出する核酸のこ
とを云う。精製の有無を問わない。また、濃度の大小も
問わない。各種の核酸が混在していてもよい。例えば、
複合微生物系(複数微生物のRNA若しくは遺伝子DN
Aの混在系)又は共生微生物系(複数の動植物及び/又
は複数微生物のRNA若しくは遺伝子DNAの混在系)
における増幅目的の特定核酸である。尚、標的核酸の精
製が必要な場合は従来公知の方法で行うことができる。
例えば、市販されている精製キット等を使用して行うこ
とができる。
【0057】従来公知の定量的PCR方法はdATP、
dGTP、dCTP、dTTP若しくはdUTP、標的
核酸(DNA又はRNA)、Taqポリメラーゼ、プラ
イマー、並びに蛍光色素で標識した核酸プローブ若しく
はインターカレーターを用いてMgイオンの存在下に、
温度を低温、高温を繰り返しつつ標的核酸を増幅し、増
幅過程の蛍光色素の発光の増加量をリアルタイムでモニ
タリングするものである(実験医学、15巻、7号、4
6〜51ページ、1997年、羊土社)。
【0058】本発明の定量的PCR方法は、本発明の核
酸プローブを用いて標的核酸を増幅させ、増幅過程にお
いて、蛍光色素の発光の減少量を測定することを特徴と
するものである。本発明の定量的PCRにおいて、好ま
しい本発明のプローブとしては、その塩基数は5〜50
であり、好ましくは10〜25、特に好ましくは15〜
20で、PCRサイクル中に標的核酸の増幅産物とハイ
ブリダイゼーションするものであれば、どのようなもの
でもよい。また、フォワード(forward)型、リバース
(reverse)型のどちらに設計してもよい。
【0059】例えば、以下のものを挙げることができ
る。 (1)5’末端部、好ましくは5’末端が、本発明の実
施に有用な蛍光色素で標識され、標的核酸に当該末端部
においてハイブリダイゼーションしたとき、当該プロー
ブと標的核酸とがハイブリダイゼーションした5’末端
の塩基部分から1〜3塩基5’側に離れて、標的核酸の
塩基配列にG(グアニン)が少なくとも1塩基以上存在
するように、塩基配列が設計されている。 (2)前記(1)のプローブの内、3’末端が蛍光色素
で標識されているプローブ。
【0060】(3)前記(1)のプローブの内、3’末
端、例えば、3’末端のリボース若しくはデオキシリボ
ースの3’位CのOH基がリン酸基等で修飾されている
もの、または、3’末端のリボースの2’位CのOH基
がリン酸基等で修飾されているもの。 (4)3’末端部、好ましくは3’末端が、本発明の蛍
光色素で標識され、3’末端の塩基がG又はCであるも
の、または3’末端のリボースの2’位のOH基がリン
酸基等で修飾されいるもの。 (5)前記(1)のプローブのうち、5’末端部、好ま
しくは5’末端が、本発明の蛍光色素で標識されている
もの。 (6)5’末端部、好ましくは5’末端が、本発明の実
施に有用な蛍光色素で標識され、5’末端の塩基がG又
はCであるもの。
【0061】前記(4)、(6)の場合、標的核酸の塩
基配列から、どうしても5’末端がG又はCに設計でき
ない場合は、標的核酸の塩基配列から設計したプライマ
ーであるオリゴヌクレオチドの5’末端に、5’−グア
ニル酸又は5’−シチジル酸を付加しても、本発明の目
的は好適に達成できる。よって、本発明において、
3’、又は5’末端の塩基がG又はCになるように設計
した核酸プローブとは、標的核酸の塩基配列から設計し
たプローブの他に、当該のプローブの3’又は5’末端
に5’−グアニル酸又は5’−シチジル酸を付加してな
るプローブを含むものと定義する。
【0062】特に上記の(1)、(2)、(3)又は
(4)のプローブはプライマーとして利用されないよう
に設計したものである。FRET現象を用いるリアルタ
イム定量的PCR方法において使用する(蛍光色素で標
識した)二つのプローブの代わりに、本発明の一つのプ
ローブを用いてPCRを行うものである。PCRの反応
系に当該プローブを添加し、PCRを行う。核酸伸長反
応時、標的核酸若しくは増幅標的核酸にハイブリダイズ
していた当該プローブがポリメラーゼにより分解され、
ハイブリダイゼーション物から分解除去される。このと
きの反応系または核酸変性反応が完了した反応系の蛍光
強度値を測定する。また、標的核酸若しくは増幅した増
幅標的核酸が当該プローブとハイブリダイズしている反
応系(アニーリング反応、若しくはポリメラーゼにより
当該プローブがハイブリダイゼーション物から除かれる
までの核酸伸長反応時の反応系)の蛍光強度値を測定す
る。そして、前者からの蛍光強度値の減少率を算出する
ことにより増幅された核酸を測定する。当該プローブが
標的核酸若しくは増幅標的核酸から、核酸変性反応によ
り完全に解離するか、または核酸伸長時にポリメラーゼ
により当該プローブと標的核酸若しくは増幅標的核酸と
のハイブリダイゼーション物から分解除去されたときは
蛍光強度値は大きい。しかし、当該プローブが標的核酸
若しくは増幅標的核酸に十分にハイブリダイズしている
アニーリング反応が完了している反応系若しくは核酸伸
長反応時にポリメラーゼにより当該プローブと標的核酸
若しくは増幅標的核酸とのハイブリダイゼーション物か
ら分解除去されるまでの反応系の蛍光強度値は前者より
減少している。蛍光強度値の減少は増幅された核酸量に
比例する。この場合、当該プローブが標的核酸とハイブ
リダイゼーションしたときのそのハイブリダイゼーショ
ン物のTmが、プライマーのハイブリダイゼーション物
のTm値の±15℃、好ましくは±5℃の範囲になるよ
うに、(2)、(3)、(4)のプローブの塩基配列が
設計されることが望ましい。プローブのTm値が、プラ
イマーのTm値−5℃、特に−15℃未満であると、プ
ローブがハイブリダイゼーションしないために、蛍光色
素の発光の減少は起こらない。反対にプライマーのTm
値+5℃、特に+15℃を超えると、プローブが目的と
しない標的核酸ともハイブリダイゼーションするので、
プローブの特異性が失われる。
【0063】上記の(5)、(6)のプローブは、プラ
イマーとしてPCRの反応系に添加するものである。蛍
光色素で標識されたプライマーを用いるPCR方法は本
発明以外未だ知られていない。PCRの反応が進むに従
い、増幅された核酸は本発明の蛍光色素で標識される。
それで、核酸変性反応が完了している反応系の蛍光強度
値は大きいが、アニーリング反応完了しているか若しく
は核酸伸長反応時の反応系においては、反応系の蛍光強
度は前者の蛍光強度より減少する。
【0064】PCRの反応は通常のPCR方法と同様の
反応条件で行うことができる。それで、Mgイオン濃度
が低濃度(1〜2mM)である反応系で標的核酸の増幅
を行うことができる。勿論、従来公知の定量的PCRに
おいて使用されている高濃度(2〜4mM)のMgイオ
ン存在下の反応系でも本発明は実施できる。
【0065】尚、本発明のPCR方法において、本発明
のPCRを行い、その増幅産物について核酸の融解曲線
を分析を行ってTm値を求めるできる。この方法は新規
な核酸の融解曲線の分析方法である。本方法において本
発明のPCR方法に用いた核酸プローブ又はプライマー
として用いた核酸プローブが好適に利用できる。この場
合、本発明のプローブの塩基配列を、SNP(スニッ
プ;一塩基置換多型)を含む領域と相補的な配列にする
ことで、PCR終了後、その核酸の本発明のプローブか
ら解離曲線を解析することにより、その解離曲線の違い
からSNPの検出ができる。本発明のプローブの配列と
しては、SNPを含む配列と相補的な塩基配列を使用す
れば、プローブ配列とSNPを含む配列との解離曲線よ
り得られるTm値は、SNPを含まない配列との解離曲
線から得られるTm値より高くなる。
【0066】本発明の第二の特徴は、前記のリアルタイ
ム定量的PCR方法ので得られるデータを解析する方法
の発明である。リアルタイム定量的PCR方法は、現
在、PCRを行わせる反応装置、蛍光色素の発光を検出
装置、ユーザーインターフェース、即ち、データー解析
方法の各手順をプログラム化して、それを記録したコン
ピュータ読み取り可能な記録媒体(別称:Sequence Det
ection Software System)、及びそれらを制御し、デ
ーター解析するコンピュータから構成される装置で、リ
アルタイムで測定されている。それで、本発明の測定も
このような装置で行われる。
【0067】以下に、先ず、リアルタイム定量的PCR
の解析装置から説明する。本発明において用いる装置
は、PCRをリアルタイムでモニタリングできる装置で
あればどのような装置でもよいが、例えば、ABI PRISM
TM 7700 塩基配列検出システム(Sequence Detection S
ystem SDS 7700)(パーキン・エルマー・アプライド・バ
イオシステム社(Perkin Elmer Applied Biosytems社、
USA))、ライトサイクラーTM システム(ロシュ・ダイア
グノスティックス株式会社、ドイツ)等を特に好適なも
のとして挙げることができる。
【0068】尚、前記の反応装置は、標的核酸の熱変性
反応、アニーリング反応、核酸の伸長反応を繰り返し行
う装置(例えば、温度を95℃、60℃、72℃に繰り
返し行うことができる。)である。また、検出システム
は、蛍光励起用アルゴンレーザー、スペクトログラフ並
びにCCDカメラからなっている。更に、データー解析
方法の各手段をプログラム化して、それを記録したコン
ピュータ読み取り可能な記録媒体は、コンピュータにイ
ンストールされており、コンピュータを介して上記のシ
ステムを制御し、検出システムから出力されたデーター
を解析処理するプログラムを記録したものである。
【0069】コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記
録されているデータ解析用プログラムは、サイクルごと
の蛍光強度を測定する過程、測定された蛍光強度を、サ
イクルの関数として、PCRのamplifcation plotをコ
ンピュータのデスプレー上に表示する過程、蛍光強度が
検出され始めるPCRサイクル数(threshold cyclenum
ber:Ct)を算出する過程、Ct値から試料核酸のコピー
数を求める検量線を作成する過程、前記各過程のデータ
ー、プロット値を印字する過程、からなっている。PC
Rが指数的に進行している場合、PCR開始時の標的核
酸のコピー数のLog値と、Ctとの間には直線関係が
成り立つ。従って標的核酸の既知量のコピー数を用いて
検量線を作成し、未知コピー数の標的核酸を含有するサ
ンプルのCtを検出することにより、標的核酸のPCR
開始時のコピー数を計算できる。
【0070】本発明のPCR関連発明は、前記のような
リアルタイム定量的PCR方法で得られたデーターを解
析する方法である。以下に各特徴について記す。第一の
特徴は、リアルタイム定量的PCR方法で得られたデー
ターを解析する方法において、各サイクルにおける増幅
した核酸が蛍光色素と結合したとき、あるいは増幅した
核酸が蛍光色素で標識された核酸プローブとハイブリダ
イズしたときの反応系の蛍光強度値を、各サイクルにお
ける前記の結合したもの、あるいは前記のハイブリダイ
ズしたものが解離したときの反応系の蛍光強度値により
補正する演算処理過程、即ち、補正演算処理過程であ
る。
【0071】「増幅した核酸が蛍光色素と結合したと
き、あるいは増幅した核酸が蛍光色素で標識された核酸
プローブとハイブリダイズしたときの反応系」とは、具
体的に例示すると、PCRの各サイクルにおける40〜
85℃、好ましくは50〜80℃の反応温度を有する核
酸伸長反応あるいはアニーリングのときの反応系を挙げ
ることができる。具体的温度は増幅した核酸の長さに依
存する。また、「前記の結合したもの、あるいは前記の
ハイブリダイズしたものが解離したときの反応系」と
は、PCRの各サイクルにおける核酸の熱変性の反応
系、具体的には、例えば、反応温度90〜100℃、好
ましくは94〜96℃のときのものである。
【0072】補正演算処理過程の補正演算処理としては
本発明の目的に合致するものであればどのようなもので
もよいのであるが、具体的には、次の〔数式1〕あるい
は〔数式2〕による処理過程を含むものを例示すること
ができる。 fn=fhyb,n/fden,n 〔数式1〕 fn=fden,n/fhyb,n 〔数式2〕 〔式中、 fn:〔数式1〕あるいは〔数式2〕により算出された
nサイクルにおける補正演算処理値、 fhyb,n:nサイクルにおける、増幅した核酸が蛍光色
素と結合したとき、あるいは増幅した核酸が蛍光色素で
標識された核酸プローブとハイブリダイズしたときの反
応系の蛍光強度値、 fden,n:nサイクルにおける、前記の結合したもの、
あるいはハイブリダイズしたものが解離したときの反応
系の蛍光強度値〕。 尚、本過程においては、本過程で得られた補正演算処理
値若しくは当該値を各サイクル数に対してグラフ上にプ
ロットし、コンピュータのデスプレー上に表示及び/又
は印字する過程を含むものである。
【0073】第二の特徴は、各サイクルにおける〔数式
1〕あるいは〔数式2〕による補正演算処理値を次の
〔数式3〕あるいは〔数式4〕に代入し、各サンプル間
の蛍光変化割合あるいは蛍光変化率を算出し、それらを
比較するデータ解析方法である。
【0074】Fn=fn/fa 〔数式3〕 Fn=fa/fn 〔数式4〕 〔式中、 Fn:nサイクルにおける、〔数式3〕あるいは〔数式
4〕により算出された蛍光変化割合あるいは蛍光変化
率、 fn:〔数式1〕あるいは〔数式2〕による補正演算処
理値 fa:〔数式1〕あるいは〔数式2〕による補正演算処
理値で、fnの変化が観察される以前の任意のサイクル
数のものであるが、通常は、例えば、10〜40サイク
ルのもの、好適には15〜30サイクルのもの、より好
適には20〜30サイクルのものが採用される。〕。 尚、本過程においては、本過程で得られた算出値、比較
値若しくは当該値を各サイクル数に対してグラフ上にプ
ロットし、コンピュータのデスプレー上に表示及び/又
は印字する過程を含むものであるが、〔数式1〕あるい
は〔数式2〕による補正演算処理値については、それら
の過程は含むものであっても、含まないものであっても
よい。
【0075】第三の特徴は、 31)〔数式3〕あるいは〔数式4〕により算出された
蛍光変化割合あるいは蛍光変化率のデーターを用いて、
〔数式5〕、〔数式6〕あるいは〔数式7〕による演算
処理する過程、 logb(Fn)、ln(Fn) 〔数式5〕 logb{(1−Fn)×A}、ln{(1−Fn)×b} 〔数式6〕 logb{(Fn−1)×A}、ln{(Fn−1)×A} 〔数式7〕
【0076】〔式中、 A、b:任意の数値、好ましくは整数値、より好ましく
は自然数である。そして、A=100、b=10のとき
は、{(Fn−1)×A}は百分率(%)を表す。 Fn:〔数式3〕あるいは〔数式4〕により算出された
nサイクルにおける蛍光変化割合あるいは蛍光変化
率〕、 32)前記31)の演算処理値が一定値に達したサイク
ル数を求める演算処理過程、 33)既知濃度の核酸試料におけるサイクル数と反応開
始時の標的核酸のコピー数の関係式を計算する演算処理
過程、 34)未知試料におけるPCR開始時の標的核酸のコピ
ー数を求める演算処理過程、を有するデータ解析方法で
ある。そして、31)→32)→33)→34)の順か
らなる過程が好適である。
【0077】前記31)〜33)の各過程においては、
各過程で得られた演算処理値若しくは当該値を各サイク
ル数に対してグラフ上にプロットし、コンピュータのデ
スプレー上に表示及び/又は印字する過程を含むもので
あってもよい。前記34)の過程の演算処理値は、前記
と同様であるが、少なくとも印字される必要があるの
で、その過程を含むものである。尚、〔数式1〕あるい
は〔数式2〕による補正演算処理値、〔数式3〕あるい
は〔数式4〕による算出処理値は、各サイクル数に対し
てグラフ上にプロットし、コンピュータのデスプレー上
に表示及び/又は印字されても、されなくてもよいの
で、それらの過程は必要に応じて追加すればよい。
【0078】前記データ解析方法は、リアルタイム定量
的PCR方法が蛍光色素の発光の減少量を測定するもの
である場合に特に有効である。その具体例として、前記
の本発明のリアルタイム定量的PCR方法である。
【0079】第4の特徴は、リアルタイム定量的PCR
の解析装置において、前記本発明のリアルタイム定量的
PCR方法のためのデータ解析方法を実行する演算及び
記憶手段を有するリアルタイム定量的PCRの測定及び
/又は解析装置である。
【0080】第5の特徴は、リアルタイム定量的PCR
の解析装置を用いてPCRを解析するデータ解析方法の
各手段をプログラム化して、そのプログラムを記録した
コンピュータ読取可能な記録媒体において、前記本発明
のデータ解析方法の各手段をコンピュータに実行させる
ことができるようにしたプログラムを記録したコンピュ
ータ読取可能な記録媒体である。
【0081】第6の特徴は、核酸測定方法において、前
記本発明のデータ解析方法、測定及び/又は解析装置、
記録媒体を利用する新規な核酸の測定方法である。
【0082】また、第7の特徴は、前記の本発明の核酸
の融解曲線の分析方法、即ち、本発明のPCR方法を行
って核酸のTm値を求める方法によって得られるデータ
を解析する方法である。即ち、本発明のPCR法により
増幅された核酸について、低い温度から核酸が完全に変
性するまで、温度を徐々に上げる過程(例えば、50℃
から95℃まで)、この過程において、短い時間間隔
(例えば、0.2℃〜0.5℃間隔)で蛍光強度を測定
する過程、測定結果を時間毎にデスプレー上に表示する
過程、即ち、核酸の融解曲線を表示する過程、この融解
曲線を一次微分する過程、その値(−dF/dT、F:
蛍光強度、T:時間)を微分値としてデスプレー上に表
示する過程、その微分値から変曲点を求める過程からな
る、解析方法である。本発明においては、蛍光強度は温
度が上がるごとに増加する。本発明においては、各サイ
クルにおける核酸伸長反応時、好ましくはPCR反応終
了時の蛍光強度値を熱変性反応時の蛍光強度値を用いて
割る演算処理する過程を上記の過程に追加することによ
り、より好ましい結果が得られる。
【0083】本発明においては、前記の本発明の新規な
PCR方法のデータ解析方法に、本発明の核酸の融解曲
線の分析をする方法を追加してなる本発明のリアルタイ
ム定量的PCRの測定及び/又は解析装置も本発明の技
術的範囲内である。
【0084】更に、本発明の特徴の一つは、本発明の核
酸の融解曲線の分析をする方法の各手段をコンピュータ
に実行させることができるようにしたプログラムを記録
したコンピュータ読取可能な記録媒体、また、前記本発
明のPCR方法のデータ解析方法の各手段をコンピュー
タに実行させることができるようにしたプログラムを記
録したコンピュータ読取可能な記録媒体において、本発
明の核酸の融解曲線の分析をする方法の各手段をコンピ
ュータに実行させることができるようにしたプログラム
を追加して記録したコンピュータ読取可能な記録媒体で
ある。
【0085】本発明の前記のデータ解析方法、装置、及
び記録媒体は、医学、法医学、人類学、古代生物学、生
物学、遺伝子工学、分子生物学、農学、植物育種学等の
各種の分野で利用できる。また、複合微生物系、共生微
生物系と云われ、色々の種類の微生物若しくは他の動
物、植物が混在していて相互に単離できない微生物系等
に好適に利用できる。ここで云う微生物とは一般的に云
う微生物のことで、特に限定されるものではない。例え
ば、真核微生物、原核微生物、その他マイコプラズマ、
ウイルス、リッケチャ等を挙げることができる。
【0086】また、本発明の前記データ解析方法、装置
及び記録媒体を用いて、複合微生物系又は共生微生物系
における特定菌株の5SrRNA、16SrRNA若し
くは23SrRNA又はそれらの遺伝子DNAのコピー
数を定量することにより、当該系における特定菌株の存
在量を測定することができる。それは、5SrRNA、
16SrRNA若しくは23SrRNAの遺伝子DNA
のコピー数は菌株よって一定であるからである。尚、本
発明においては、複合微生物系又は共生微生物系のホモ
ジネートを用いて、本発明のリアルタイム定量的PCR
を行い、特定菌株の存在量を測定する方法も、本発明の
技術的範囲内とする。
【0087】
【実施例】次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に
具体的に説明する。 実施例1 大腸菌(Escherichia coli)の16SrRNAの核酸塩
基配列にハイブリダイゼーションする、即ち、(3')CCGC
TCACGCATC(5')の塩基配列を有する核酸プローブの調製
を以下の通りに行った。
【0088】核酸プローブの調製:(3')CCGCTCACGCATC
(5')の塩基配列をもつデオキシリボオリゴヌクレオチド
の3’末端のデオキシリボースの3’位炭素のOH基
に、−(CH27−NH2を結合したものを、メドラン
ド・サーテイファイド・レージント・カンパニー社(Mi
dland Certified Reagent Company、 米国)から購入し
た。更に、モレキュラープローブ(Molecular Probes)
社からフロオ・リポーターキット(FluoReporter Kit
s)F-6082(ボデピーFLのプロピオン酸サクシニミジ
ルエステル(BODIPY FL propionic acid succinimidyl
esters)の他に、当該化合物をオリゴヌクレオチドのア
ミン誘導体に結合する試薬を含有するキット)を購入し
た。当該キットを前記購入のオリゴヌクレオチドに作用
させて、本発明で使用するボデピーFLで標識した核酸
プローブを合成した。
【0089】合成物の精製:得られた合成物を乾固し乾
固物を得た。それを0.5M NaHCO3/Na2CO
3緩衝液(pH9.0)に溶解した。当該溶解物をNA
P−25カラム(ファルマシア社製)でゲルろ過を行
い、未反応物を除去した。更に逆相HPLC(B gradient:
15〜65%、25分間)を以下の条件で行った。そし
て、溶出するメインピークを分取した。分取した画分を
凍結乾燥して、最初のオリゴヌクレオチド原料2mMよ
り23%の収率で核酸プローブを得た。
【0090】尚、上記の逆相クトマトグラフィーの条件
は次の通りである: 溶出ソルベントA:0.05N TEAA 5%CH3CN 溶出ソルベントB(グラジエント(gradient)用):0.
05N TEAA 40%CH3CN カラム:CAPCEL PAK C18; 6×250mm 溶出速度:1.0ml/min 温度:40℃ 検出:254nm
【0091】実施例2 殺菌したニュウトリエントブロス(NB)(Difco社
製)液体培地50ml(組成:NB、0.08g/10
0ml)を含有する200ml容の三角フラスコを用い
て、大腸菌JM109株を37℃で一晩振蘯培養した。
次に、本培養液に99.7%エタノールを当量添加し
た。このエタノール添加培養液2mlを2.0ml容量
のエッペンドルフ遠心チューブで遠心分離し、菌体を得
た。30mMリン酸緩衝液(ソーダ塩)(pH:7.
2)100μlで菌体を一回洗浄した。菌体を130m
MのNaCl含有の前記リン酸緩衝液100μlに懸濁
した。当該懸濁液を氷冷中で40分間超音波処理し(出
力:33w、発振周波数:20kHz、発振法:0.5
秒発振、0.5秒休止)、ホモジネートを作製した。
【0092】前記ホモジネートを遠心分離した後、上澄
液を採取し蛍光光度計のセルに移した。それを36℃に
温調した。それに36℃に予め加温した前記核酸プロー
ブの溶液を最終濃度で5nMとなるように添加した。3
6℃に温調しながら90分間大腸菌16SrRNAと核
酸プローブとをハイブリダイゼーションさせた。そして
蛍光光度計で蛍光色素の発光量を測定した。
【0093】ハイブリダイゼーション前の蛍光色素の発
光量は、上記の上澄液の代りに、130mMのNaCl
含有の30mMのリン酸緩衝液(ソーダ塩)(pH:
7.2)を用いて測定した値を採用した。核酸プローブ
の量と上澄液の量の比を変えて発光量を測定した(励起
光503nm;測定蛍光色512nm)。その結果を図
1に示した。図1から分かるように、上澄液の量比が増
加することにより蛍光色素の発光が減少することが分か
る。即ち、本発明においては、核酸プローブにハイブリ
ダイゼーションする標的核酸量に比例して、蛍光色素の
発光の減少量の大きさが大きくなることが分かる。
【0094】実施例3 核酸プローブの調製:大腸菌JM109株の23SrR
NAにハイブリダイゼーションする(5')CCCACATCGTTTTG
TCTGGG(3')の塩基配列をもつオリゴヌクレオチドの5’
末端ヌクレオチドの3’位炭素のOH基に、−(CH2)
7−NH2を結合したものを、実施例1と同様にメドラン
ド・サーテイファイド・レージント・カンパニー社(Mi
dland Certified Reagent Company、米国)から購入し
た。更に、実施例1と同様にモレキュラープローブ(Mo
lecular Probes)社からフロオ・リポーターキット(Fl
uoReporter Kit) F-6082 (ボデピーFLのプロピオン酸
サクシニミジルエステル(BODIPY FL propionic acid su
ccinimidyl ester)の他に、当該化合物をオリゴヌクレ
オチドのアミン誘導体に結合する試薬を含有するキッ
ト)を購入した。当該キットを前記オリゴヌクレオチド
に作用させて、ボデピーFLで標識した核酸プローブを
合成した。得られた合成物を実施例1と同様に精製し
て、最初のオリゴヌクレオチド原料2mMより25%の
収率でボデピーFLで標識した核酸プローブを得た。
【0095】実施例4 実施例2で得られた大腸菌JM109株の菌体に実施例
2と同一の培地及び培養条件で調製したシュウドモナス
・プウシモビルス 421Y株(Pseudomonaspaucimobi
lis)(現在名:スフィンゴモナス・プウシモビルス)
(FERM P-5122)の菌体をOD660値で大腸菌JM1
09株と同濃度混合し、複合微生物系を調製した。得ら
れた混合液(大腸菌JM109株の菌体濃度は実施例2
と同一)について実施例2と同じ方法によりホモジネー
トを調製した。実施例3で調製した核酸プローブを用い
て、励起光を543nm、また、測定蛍光色を569n
mにする以外は、実施例2と同様な実験を行った結果、
実施例2と同様な結果を得た。
【0096】実施例5 蛍光消光現象における標的核酸の塩基選択性、即ち、本
発明の塩基特異性を検討した。下記に示す標的合成デオ
キシリボオリゴヌクレオチド(30mer)のpoly a〜jの
10種類をDNA合成機ABI394(Perkin Elmer社
製、米国)で調製した。
【0097】更に、上記の合成DNAに対応するデオキ
シリボオリゴヌクレオチドの5’末端にボデピーFLで
標識した下記に示す本発明のプローブを調製した。上記
の合成DNAに対応するプライマーDNAの5’末端の
リン酸基に、−(CH2)6−NH2を結合したものをメド
ランド・サーテイファイド・レージント・カンパニー社
(Midland Certified Reagent Company、米国)から購
入した。更に、モレキュラープローブ(Molecular Prob
es)社からフロオ・リポーターキット(FluoReporter K
its)F−6082(ボデピーFLのプロピオン酸サク
シニジルエステル(BODIPY FL propionic acid succini
dyl esters)の他に、当該化合物をオリゴヌクレオチド
のアミン誘導体に結合させる試薬を含有するキット)を
購入した。当該キットを前記購入のプライマーDNAに
作用させて下記のボデピーFLで標識した本発明のプロ
ーブprobe a〜d、及びf〜hのを合成した。そ
して対応する合成デオキシリボオリゴヌクレオチドとハ
イブリダイゼーションしたときに、蛍光色素の発光がど
の程度減少するかを下記の条件下に調べ、本発明のプロ
ーブの特異性を検討した。
【0098】
【0099】
【0100】
【0101】
【0102】 (1)ハイブリダイゼーション溶液のコンポーネント 合成DNA 320nM(終濃度) 核酸プローブ 80nM(終濃度) NaCl 50mM(終濃度) MgCl2 1mM(終濃度) トリス−塩酸緩衝液(pH=7.2) 100mM(終濃度) ミリQ純水 1.6992ml 終全量 2.0000ml (2)ハイブリダイゼーションの温度:51℃ (3)測定条件: 励起光 :543nm 測定蛍光色 :569nm
【0103】
【表1】
【0104】その結果を表1に示した。表1から分かる
ように、蛍光色素で標識された核酸プローブが標的DN
A(デオキシリボオリゴヌクレオチド)にハイブリダイ
ゼーションしたときに、当該末端部において、当該プロ
ーブと標的DNAとがハイブリダイゼーションした末端
塩基部から1〜3塩基離れて、標的DNAの塩基配列に
G(グアニン)が少なくとも1塩基以上存在するよう
に、当該プローブの塩基配列が設計されていることが好
適であることを示している。また、蛍光色素で標識され
た核酸プローブが標的DNAにハイブリダイゼーション
したときに、当該末端部においてハイブリダイゼーショ
ン物の塩基対がGとCのペアーを少なくとも一対以上形
成するように、当該プローブの塩基配列が設計されてい
ることが好適であることが表1から分かる。
【0105】実施例6 下記のような塩基配列の標的核酸と本発明の核酸プロー
ブを調製した。標的核酸内のG及び本発明の核酸プロー
ブ内のGの数の影響について、前記実施例と同様にして
調べた。
【0106】
【0107】
【0108】
【0109】
【0110】
【表2】
【0111】表2から分かるように、標的核酸内のGの
数、本発明のプローブ内のGの数はそれほど蛍光強度の
減少に影響しないことが認識される。
【0112】実施例7 下記のような塩基配列の標的核酸と本発明の核酸プロー
ブを調製した。標的核酸内の塩基種及び本発明の核酸プ
ローブ内の塩基種の影響について、前記実施例と同様に
して調べた。
【0113】
【0114】
【0115】
【表3】
【0116】表3及び前記の実施例から分かるように、
(i)蛍光色素で標識される本発明のプローブの末端がC
で構成され、標的核酸がハイブリダイゼーションしたと
き、GC ペアーを形成するとき、(ii)蛍光色素で標識
される本発明のプローブの末端がC以外の塩基で構成さ
れた場合、蛍光色素で標識されている個所の塩基と、標
的核酸の塩基との塩基ペアーより、標的核酸の3’末端
側にGが少なくとも1個以上存在する場合に、蛍光強度
の減少率が大きいことが分かる。
【0117】実施例8 本発明の核酸プローブに標識する色素の種類について、
前記実施例と同様にして調べた。なお、本発明のプロー
ブは、前記実施例7のプローブzを、また、標的核酸は
前記実施例7のオリゴヌクレオチドzを用いた。その結
果を、表4に示した。表から分かるように、本発明に用
いる蛍光色素として好適なものは、FITC、 BODIPY FL、
BODIPY FL/C3、 6-joe、TMRなどを挙げることができ
る。
【0118】
【表4】
【0119】実施例9 核酸プローブの調製:大腸菌JM109株の16SrR
NAの1156塩基目から1190塩基の塩基配列に相
当するKYM−7株の16SrRNA塩基配列に特異的
にハイブリダイゼーションする(5')CAT CCC CAC CTT CC
T CCC AGT TGACCC CGG CAG TC(3')(35塩基対)の塩
基配列をもち、1〜16及び25〜35塩基目がデオキ
シリボヌクレオチド、17〜24塩基目が2’位炭素の
OH基をアミノ基で修飾したリボオリゴヌクレオチドか
らなり、5’末端のリン酸基のOH基を-(CH2)7-NN2
修飾しを結合したものを、実施例1と同様にメドランド
・サーテイファイド・レージント・カンパニー社(Midl
and Certified Reagent Company、米国)から購入し
た。更に実施例1と同様にモレキュラープローブ(Mole
cular Probes)社からフロオ・リポーターキット(Fluo
Reporter Kits) F-6082(ボデピーFL/C6のプロピ
オン酸サクシニミジルエステル(BODIPY FL/ C6 propio
nic acid succinimidyl ester)の他に、当該化合物を
オリゴヌクレオチドのアミン誘導体に結合する試薬を含
有するキット)を購入した。当該キットを前記オリゴヌ
クレオチドに作用させて、ボデピーFL/C6で標識した核
酸プローブを合成した。得られた合成物を実施例1と同
様に精製して、最初のオリゴヌクレオチド原料2mMよ
り23%の収率でボデピーFL/C6で標識した核酸プロー
ブを得た。このプローブを35塩基鎖2-O-Meプローブと
名づけた。
【0120】(5’)AGG CCG GCC CTT GAC TTT CCT
(3’)の塩基配列を有するリボキシオリゴヌクレオチ
ドを前記同様にしてDNA合成機を用いて合成して、ホ
ワード(forward)型のヘルパープローブとし
た。一方、(5’)AUG GGA GUUCAG UAG UAC CCG CAA U
GC UGG UCC(3')の塩基配列を有するリボキシオリゴヌク
レオチドを前記同様にしてDNA合成機を用いて合成し
て、バックワード(backward) 型のヘルパープローブと
した。
【0121】前記の16SrRNAを95℃で5分加熱
処理した後、下記に示す反応条件においたプローブ溶液
に添加した後、蛍光測定機器パーキンエルマー(Perkin
Elmer) LS-50Bで蛍光強度を測定した。その結果を図
2に示した。尚、上記の加熱処理しない16SrRNA
を用いたものをコントロールとした。加熱処理した実験
区においては、蛍光強度の減少が大きいことが図2から
分かる。この結果は、16SrRNAを95℃で加熱処
理することで本発明のプローブとより強いハイブリダイ
ゼーションをしていることを示している。 反応条件: 16SrRNA: 10.0 nM プローブ: 25nM 緩衝液: 100mM コハク酸、125mM 水酸化リチウム、8.5% リチウムドデシルサルファイト、pH 5.1 温度: 70℃
【0122】実施例10(ヘルパープローブのハイブリ
ダイゼーション効率への影響) 前記の16SrRNAにハイブリダイゼーションする下
記の本発明のプローブ及びヘルパープローブを前記と同
様にして調製した。そして下記の条件にて、本発明の2'
-O-Meプローブの効果、当該プローブの塩基鎖の長さの
影響、及びヘルパープローブの効果について検討した。
その結果を図3のA、B、C、Dに示した。図から、本
発明の2'-O-Meプローブがハイブリダイゼーション効率
に寄与していることが分かる。また、2'-O-Meプローブ
の塩基鎖が短い場合にヘルパープローブがハイブリダイ
ゼーション効率を高めるのに役立っている。
【0123】1)前記と同じ35塩基鎖2'-O-Meプロー
ブ、 2)前記1)と同じ35塩基鎖2'-O-Meプローブと同じ
塩基配列であるが、オリゴヌクレオチドがデオキシリボ
ヌクレオチドで構成されているプローブ(35塩基鎖DN
A プローブ)、 3)前記1)の35塩基鎖2-O-Meプローブと同じ塩基配
列であるが、5’末端から8塩基分、3’末端から10
塩基分のヌクレオチドを削除したプローブ(17塩基鎖
2-O-Me プローブ)、 4)前記2)の33塩基鎖DNAプローブと同じ塩基配列
であるが、3’末端から16塩基分のヌクレオチドを削
除したプローブ(17塩基鎖DNAプローブ)、
【0124】5)前記ホワード型ヘルパープローブの中
央8塩基分のOH基をメチル基で修飾したヘルパープロ
ーブ(ファード型 2-O-Meヘルパープローブ) 6)前記リバース 型ヘルパープローブの中央8塩基分
のOH基をメチル基で修飾したヘルパープローブ(リバ
ース型 2-O-Meヘルパープローブ) 7)前記フォワード型ヘルパープローブの塩基配列と同
じ塩基配列であるが、オリゴヌクレオチドがデオキヌク
レオチドで構成されているヘルパープローブ(ファワー
ド型 DNA ヘルパープローブ) 8)前記リバース 型ヘルパープローブの塩基配列と同
じ塩基配列であるが、デオキリボヌクレオチドがで構成
されているヘルパープローブ(リバース型 DNAヘルパー
プローブ) 9)(5')GUGACGGUCACUAUUUGACCUCCUUCCACCCC(3')なる塩
基配列を有するリボオリゴヌクレオチド(35塩基リボ
オリゴヌクレオチド)、 10)(5')GUGACGGUCACUAUUUG(3')なる塩基配列を有す
るリボオリゴヌクレオチド(17塩基鎖リボオリゴヌク
レオチド)、
【0125】反応条件: 16SrRNA: 10nM プローブ: 25nM ヘルパープローブ: 1μM 緩衝液: 100mM コハク酸、125mM 水酸化リ
チウム、8.5% リチウムドデシルサルファイト、pH
5.1 温度: ・35塩基鎖リボオリゴヌクレオチド2-O-Meプローブ使
用の場合:70℃ ・17塩基鎖リボオリゴヌクレオチド2−O−Meプロ
ーブまたは33塩基鎖リボオリゴヌクレオチドDNAプ
ローブ:65℃ ・17塩基鎖リボオリゴヌクレオチドDNAプローブ:
50℃
【0126】実施例11(rRNA測定のための検量線
の作成) 0.1〜10nMの範囲の前記rRNAを95℃で5分
間加熱後、予め下記反応条件においた反応液に添加し、
1000秒後、蛍光強度の減少をパーキンエルマーLS-5
0Bを使用して測定した。その結果を図4に示した。図か
ら検量線は0.1〜10nMにおいて直線性を示すこと
が分かる。 反応条件: 33塩基鎖リボオリゴヌクレオチド2-O-Meプローブ:
1.0〜25nM 緩衝液: 100mM コハク酸、125mM 水酸化リチウム、
8.5% リチウムドデシルサルファイト、pH 5.
1 温度: 70℃
【0127】実施例12(FISH方法) セルロモナス(Cellulomonas)sp.KYM-7(FERM P-1680
6)及びアグロバクテリウム(Agrobacterium) sp. KYM-
8(FERM P-11358)の各々のrRNAにハイブリダイゼー
ションする本発明のプローブ35〜36塩基鎖デオキシオリ
ゴヌクレオチド 2-O-Meプローブを前記と同様にして調
製した。各プローブの塩基配列は下記の通りである。
【0128】セルロモナス sp.KYM-7のrRNA測定の
ための35塩基鎖デオキシオリゴヌクレオチド2−O−
Meプローブ:(5')CAT CCC CAC CTT CCT CCG AGT TGA
CCC CGG CAG TC(3')(アンダーライン部分がメチル基
で修飾されている。)。アグロバクテリウム sp. KYM-8
(FERM P-11358)のrRNA測定のための36塩基鎖デオ
キシオリゴヌクレオチド2−O−Meプローブ:(5')CA
T CCC CAC CTT CCT CTC GGC TTA TCA CCG GCA GTC(3')
(アンダーライン部分がメチル基で修飾されてい
る。)。
【0129】セルロモナス sp. KYM-7及びアグロバク
テリウムsp. KYM-8を下記の培地組成で下記の培養条件
で混合培養し、培養時間毎に培養物を採取した。それら
から、rRNAをRNeasy Maxikit(QIAGENE社)を用い
て調製した。当該rRNAを95℃で5分加熱後、予め
反応条件においた反応液に添加し、70℃、1000秒
間反応させた後、蛍光強度をパーキンエルマーLS-50Bを
使用して測定した。その結果を図5に示した。尚、全r
RNAはリボグリーン(RiboGreen) RNA Kit (会社
名:モレキュラープローブ(molecular probes)、所在
地名:Eugene,Oregon,USA)を用いて測定した。図から
分かるように、各菌株のrRNAの動態は全 rRNAの
動態と一致した。また、各菌株のrRNAの合計量は全
rRNAと一致した。このことは、本発明方法はFISH方
法において有効な方法になることを示している。
【0130】培地組成(g/l):デンプン,10.0;アス
パラギン酸,0.1; K2HPO4,5.0;KH2PO4,2.0;MgSO4・7
H2O ,0.2;NaCl,0.1; (NH4)2SO4;0.1 . 培地100mlを500ml容のコニカルフラスコ
に分注し、該フラスコを120℃で10分間、オートク
レーブ釜を用いて殺菌した。
【0131】培養条件:前記の菌株を斜面培地で予め培
養した。該斜面培地より1白金耳の菌体をとり、前記の
殺菌したコニカルフラスコに接種した。30℃、150
rpmで撹拌培養した。
【0132】反応条件: 33塩基鎖デオキシオリゴヌクレオチド2−O−Meプ
ローブ: 1.0〜10nM 緩衝液: 100mM コハク酸、125mM 水酸化リチウ
ム、8.5% リチウムドデシルサルファイト、pH 5.
1 温度: 70℃
【0133】以下実施例13に、標的核酸若しくは遺伝
子の多型及び変異を解析若しくは測定する方法を記す。 実施例13 下記に示した塩基配列をもつ4種類のオリゴヌクレオチ
ドを前記実施例5のDNA合成機を用いて合成した。ま
た、前記実施例5と同様にして、下記の塩基配列の本発
明の核酸プローブを合成した。該プローブと各々のオリ
ゴヌクレオチドを溶液中でハイブリダイゼーションさせ
た後、蛍光強度の変化から1塩基置換の評価ができるか
どうか検討した。本発明の核酸プローブの塩基配列は、
標的オリゴヌクレオチドの3’末端にGが存在する場合
に、100%マッチするように設計されている。ハイブ
リダイゼーション温度は、プローブと標的オリゴヌクレ
オチドの全塩基対(base-pairs)が100%ハイブリダ
イゼーションできる40℃に設定した。プローブ及び標
的オリゴヌクレオチドの濃度、緩衝液の濃度,蛍光測定
装置、蛍光測定条件、実験操作などは、前記実施例5と
同様である。
【0134】
【0135】その結果を表5に示した。表から、標的オ
リゴヌクレオチドNo.1〜3においては、蛍光強度に
変化は観察されなかったが、標的オリゴヌクレオチドN
o.4においては84%の減少が観察された。
【0136】
【表5】
【0137】本発明において、標的核酸若しくは遺伝子
(No.1〜4)の多型及び変異を解析若しくは測定若
しくは測定する方法により得られるデータ(表5のカラ
ムA及びBのデータ)を解析する方法において、標的核
酸若しくは遺伝子が蛍光色素で標識された核酸プローブ
(上記の核酸プローブ)とハイブリダイズしたときの反
応系の蛍光強度値を、前記のハイブリダイズしていない
ときの反応系の蛍光強度値により補正するとは、表3の
(A−B)/Bの計算をいう。以上の結果より、標的核
酸が2本鎖の場合、G→A、G←A、C→T、C←T、
G→C、G←Cの置換を検出できることが明らかになっ
た。
【0138】実施例14 図6に本発明のDNAチップのモデルを図示した。先
ず、実施例13で調製した本発明のプローブ、3'TTTTTT
TTGGGGGGGGC5'BODIPY FL/C6の3’末端の3’位のOH
にアミノ基を導入したもの、また、スライドガラスを反
応基としてエポキシ基を有するシランカップリン剤でス
ライドガラスの表面を処理したものを用意する。上記の
本発明のプローブを含む溶液をDNAチップ作成装置GM
STM417ARRAYER(TAKARA)で該スライドガラス上にスポッ
トする。そうすると、3’末端で発明のプローブがガラ
ス面に結合する。該スライドガラスを密閉容器内に4時
間位おき反応を完結させる。そして該スライドガラスを
0.2%SDS溶液、水に1分程度交互に2回づつ漬け
る。更にホウ素溶液(水300mlにNaBH41.0gを
溶かしたもの。)に5分位つける。95℃の水に2分つ
けてから、素早く0.2%SDS溶液、水に1分程度交
互に2回づつ漬けて試薬を洗い流す。室温で乾燥する。
このようにして本発明のDNAチップが調製される。更
に、各スポットのガラスの下面に図のような微小な温度
センサーとヒータを設けることにより、高性能な本発明
のDNAチップを作成することができる。このDNAチ
ップを用いて標的核酸若しくは遺伝子を測定する場合を
説明する。該プローブに標的核酸若しくは遺伝子がハイ
ブリダイゼーションしていないときは、又はハイブリダ
イゼーションしても本発明の蛍光色素標識末端でGCペ
アーを形成しないとき、若しくは当該プローブと標的核
酸しくは遺伝子とがハイブリダイゼーションした末端塩
基部分から1ないし3塩基離れて、標的核酸若しくは遺
伝子の塩基配列にG(グアニン)が少なくとも1ないし
3塩基存在しないときは、蛍光強度に変化ない。しか
し、ハイブリダイゼーションすると蛍光強度が減少す
る。この蛍光強度はDNAチップ解析装置GMSTM41
8アレースキャナー(Array Scanner)(TAKARA)を使
用して測定できる。
【0139】以下、実施例15〜19に本発明のPCR
方法を記す。 実施例15 大腸菌のゲノムDNAにおける16SrRNA遺伝子を
標的核酸として、当該核酸の増幅のための(BODIPY FL/
C6で標識した)プライマーを調製した。
【0140】プライマー1(Eu800R:リバース型)の調
製:(5')CATCGTTTACGGCGTGGAC(3')の塩基配列をもつデ
オキシリボオリゴヌクレオチドを、DNA合成機ABI394
(Perkin Elmer社製、米国)を用いて合成し、更に当該
オリゴデオキシリボヌクレオチドの5’末端のリン酸基
をホスファターゼ処理してシトシンとし、そのシトシン
の5’位の炭素OH基に、-(CH2)9-NH2を結合したもの
を、ミドランド・サーテイファイド・レージンド・カン
パニー社(米国)から購入した。更に、モレキュラープ
ローブ社からフロオ・リポーターキット(FluoReporter
Kits)F-6082(ボデピーFL/C6のプロピオン酸サクシニ
ミジルエステル(BODIPY FL propionic acid succinimi
dyl ester)の他に、当該化合物をオリゴヌクレオチド
のアミン誘導体に結合させる試薬を含有するキット)を
購入した。前記購入したオリゴヌクレオチドに当該キッ
トを作用させて、本発明のボデピーFL/C6で標識したプ
ライマー1を合成した。
【0141】合成物の精製:得られた合成物を乾固し乾
固物を得た。それを0.5M Na2CO3/NaHCO3緩衝液(pH
9.0)に溶解した。当該溶解物をNAP−25カラム
(ファルマシア社製)でゲルろ過を行い、未反応物を除
去した。更に逆相HPLC(B gradient:15〜65%、2
5分間)を以下の条件で行った。そして、溶出するメイ
ンピークを分取した。分取した画分を凍結乾燥して本発
明のプライマー1を、最初のオリゴヌクレオチド原料2
mMより50%の収率で得た。
【0142】尚、上記の逆相クロマトグラフィーの条件
は次の通りである: 溶出ソルベントA:0.05N TEAA 5%CH3CN 溶出ソルベントB(グラジエント(gradient)用):0.05N TEAA 40%CH3CN カラム:CAPCEL PAK C18 ;6×250mm 溶出速度:1.0ml/min 温度:40℃ 検出:254nm
【0143】実施例16 プライマー2(Eu500R/forward:フォワード型)の調
製:(5')CCAGCAGCCGCGGTAATAC(3')の塩基配列をもつデ
オキシリボオリゴヌクレオチドの5’末端に蛍光色素
(BODIPY FL/C6)で標識したプライマー2を実施例13
と同様にして収率50%で調製した。
【0144】実施例17 殺菌したニュトリエントブロス(NB)(Difco社製)液体
培地5ml(組成:NB、0.08g/100ml)を含有する試験管
を用いて、大腸菌JM109株を37℃で一晩振蘯培養し
た。培養液1.5mlを1.5ml容量の遠心チューブで遠
心分離し、菌体を得た。この菌体から、DNeasy Tissue
Kit(キアゲン社、ドイツ国)を用いてゲノムDNAを
抽出した。その方法は本キットのプロトコルに従った。
その結果、17ng/μlのDNA溶液を得た。
【0145】実施例18 上記の大腸菌のゲノムDNA、プライマー1及び/又は
プライマー2を使用して、ロシュ・ダイアグノスティッ
クス株式会社発売のライトサイクラーTMシステム(Ligh
tCyclerTM System)を用いて常法通りにPCR反応を行
った。操作は当該システム機器の手順書に従った。ま
た、上記システムにおいてPCRは、当該手順書に記さ
れている核酸プローブ(FRET現象を利用する二個のプロ
ーブ)と通常のプライマー(蛍光色素で標識されていな
い通常のプライマー)の代りに本発明プライマー1及び
/又は2を用いる以外は当該手順書通りに行った。
【0146】PCRは次のコンポーネントで行った。 大腸菌ゲノムDNA溶液 3.5μl(終濃度0〜6ng/20μl) (終コピー数0〜2.4・106個) プライマー溶液 0.8μl(終濃度0.08μM) Taq溶液 10.0μl ミリQ純水 5.7μl 全容量 20.0μl 尚、標的核酸である大腸菌16SrDNAは、図7の説
明欄に示される実験区の濃度で、また、プライマーは、
同様に図7の注に示される実験区のプライマー1及び/
又は2の組合せで実験を行った。
【0147】また、上記のTaq溶液は次の試薬の混合液
である。 Taq 溶液 96.0μl ミリQ純水 68.2μl Taq DNA ポリメラーゼ溶液 24.0μl Taq スタート(start) 3.8μl
【0148】尚、Taq 溶液、 Taq DNAポリメラーゼ溶液
はロシュ・ダイアグノスティックス株式会社発売のDN
Aマスターハイブリダイゼーションプローブ(DNA Mast
er Hybridization Probes)キットのものである。特にTa
q DNA ポリメラーゼ溶液は10×conc.(赤いキャップ)
を10倍に希釈して用いた。また、Taq スタートは、ク
ローンテック社(USA)より販売されているTaq DNA
ポリメラーゼ用の抗体で、これを反応液に添加すること
で70℃までTaq DNAポリメラーゼの活性を抑えること
ができる。即ち、ホット・スタート(hot start)を行う
ことができるものである。
【0149】反応条件は次の如くである。 変性(denaturation) 初期:95℃、120秒 再:95℃、 0秒 アニーリング(annealing)条件 57℃、5秒 測定は、ライトサイクラーTMシステムを用いて行った。
その際、該システムにあるF1〜3の検出器にうち、F
1の検出器を用い、その検出器のゲインは10、励起強
度は75に固定した。
【0150】その結果を図7及び8に示した。図7及び
8から、蛍光色素の発光の減少が観察される時点のサイ
クル数と標的核酸の大腸菌16SrDNAのコピー数が
比例していることが分かる。尚、図においては、蛍光色
素の発光の減少量を蛍光強度の減少値として表現した。
図9は、サイクル数を関数として、大腸菌16SrDN
Aのコピー数を表現した大腸菌16SrDNAの検量線
である。相関係数は0.9973で、極めてよい相関を
示した。以上の結果から分かるように、本発明の定量的
PCR方法を用いると標的核酸の当初のコピー数を測定
できるようになる。即ち、標的核酸の測定ができる。
【0151】実施例19 実施例18においては、本発明のプローブをプライマー
としてPCRを行ったが、本実施例では従来法に用いる
FRET現象を利用する二個のプローブの代わりに本発
明のプローブを用いて下記の条件で本発明のPCRを行
った。 a)標的核酸:大腸菌の16S-rDNA b)使用プライマー: ・フォワードプライマー E8F: (3')AGAGTTTGATCCTGGCTC
AG(5') ・リバースプライマー E1492R:GGTTACCTTGTTACGACTT
(5') c)使用プローブ: BODIPY FL-(3')CCTTCCCACATCGTTT
(5') d)使用PCR測定機器:ライトサイクラーTMシステム e)PCRの条件: 変性反応:95℃ for 0秒 (60秒間、95℃) アニーリング反応: 50℃ for 5秒 核酸伸長反応: 72℃ for 70秒 全サイクル数: 70サイクル
【0152】f)蛍光測定(アニーリング反応と変性反
応後各サイクル後一回づつ測定された。 g)反応液の組成: 反応液の全量:20 μl DNA ポリメラーゼの量 (TaKaRa Ex taq): 0.5U Taq スタート(抗体): 0.3μl プライマーの濃度: 0.2μM (双方とも) プローブの濃度: 0.05 μM MgCl2 濃度: 2 mM BSA(bovine serum albumin)濃度:0.25 mg/ml dNTPs濃度: 2.5 mM (各ヌクレオチドについて).
【0153】その結果を図10に示した。図から、蛍光
色素の発光の減少が観察される時点のサイクル数と標的
核酸の大腸菌16SrDNAのコピー数が比例している
ことが分かる。以上の結果から分かるように、本発明の
定量的PCR方法を用いると標的核酸の当初のコピー数
を測定できるようになる。即ち、標的核酸の測定ができ
る。
【0154】次に以下の実施例に、上記の本発明の定量
的PCR方法を用いて得られるデータを解析する本発明
のデータ解析方法について記す。 実施例20 ヒトゲノムDNA(ヒトβ−グロビン(globin)(TaKa
Raカタログ商品番号9060)(TaKaRa株式会社製)
(以下、ヒトゲノムDNAという。)を標的核酸とし
て、当該核酸の増幅のためのボデピー FL/C6で標識した
プライマーを調製した。
【0155】プライマーKM38+C(リバース型)の調製:
(5')CTGGTCTCCTTAAACCTGTCTTG(3')の塩基配列をもつデ
オキシリボオリゴヌクレオチドを、DNA合成機ABI394
(Perkin Elmer社製、米国)を用いて合成し、更に当該
オリゴデオキシリボヌクレオチドの5’末端のリン酸基
をホスファターゼ処理してシトシンとし、そのシトシン
の5’位の炭素OH基に、-(CH2)9-NH2を結合したもの
を、ミドランド・サーテイファイド・レージンド・カン
パニー社から購入した。更に、モレキュラープローブ社
からリポーターキット(FluoReporter Kits)F-6082(ボ
デピーFL/C6のプロピオン酸サクシニミジルエステル(BO
DIPY FL propionic acid succinimidylesters)の他に、
当該化合物をオリゴヌクレオチドのアミン誘導体に結合
させる試薬を含有するキット)を購入した。前記購入し
たオリゴヌクレオチドに当該キットを作用させて、本発
明のボデピーFL/C6で標識したプライマーKM38+Cを合成
した。
【0156】合成物の精製:得られた合成物を乾固し乾
固物を得た。それを0.5M Na2CO3/NaH2CO3緩衝液(pH9.0)
に溶解した。当該溶解物をNAP-25カラム(ファルマシア
社製)でゲルろ過を行い、未反応物を除去した。更に逆
相HPLC(B gradient:15〜65%、25分間)を以下の条件で
行った。そして、溶出するメインピークを分取した。分
取した画分を凍結乾燥して本発明のプライマーKM38+C
を、最初のオリゴヌクレオチド原料2mMより50%の収
率で得た。
【0157】尚、上記の逆相クロマトグラフィーの条件
は次の通りである: 溶出ソルベントA:0.05N TEAA 5%CH3CN 溶出ソルベントB(グラジエント(gradient)用):0.
05NTEAA 40%CH3CN カラム:CAPCEL PAK C18;6×250mm 溶出速度:1.0ml/min 温度:40℃ 検出:254nm
【0158】実施例21 プライマーKM29(フォワード型)の調製:(5')GGTTGGCC
AATCTACTCCCAGG(3')の塩基配列をもつデオキシリボオリ
ゴヌクレオチドを実施例18と同様に合成した。
【0159】比較実験例1(本発明の、核酸伸長反応時
の蛍光強度値を、熱変性反応時の蛍光強度値を用いて割
る演算処理過程を有ないデーター解析用ソフトウエアを
用いた実験例)。上記のヒトゲノムDNA、プライマー
KM38+C及びプライマーKM29を使用して、ライトサイクラ
TMシステムを用いてPCR反応を行い、各サイクル
毎の蛍光強度を測定した。尚、本比較実施例のPCR
は、前記に説明した蛍光色素色素で標識したプライマー
を用いるものであり、蛍光発光の増加でなく、減少を測
定する新規なリアルタイム定量的PCR方法である。デ
ーター解析用ソフトウエアは当該システムのものを用い
て行った。上記システムにおいてPCRは、当該手順書
に記されている核酸プローブ(FRET現象を利用する
二個のプローブ)と通常のプライマー(蛍光色素で標識
されていない通常のプライマー)の代りに本発明プライ
マーKM38+C及びKM29を用いる以外は当該装置の手順書通
りに行った。
【0160】PCRは次のコンポーネントで行った。 ヒトゲノムDNA 1.0μl(最終濃度1〜10000コピー) プライマー溶液 4.0μl(最終濃度0.1μM) Taq溶液 10.0μl ミリQ純水 5.0μl 全容量 20.0μl 尚、ヒトゲノムDNAは、図11の説明欄に示される実
験区の濃度で実験を行った。MgCl2の最終濃度は2mMであ
った。
【0161】また、上記のTaq溶液は次に試薬の混合液
である。 Taq 溶液 96.0μl ミリQ純水 68.2μl Taq DNA ポリメラーゼ 24.0μl Taq スタート 3.8μl
【0162】尚、Taq溶液、 Taq DNA ポリメラーゼ溶液
はロシュ・ダイアグノスティックス株式会社発売のDN
Aマスターハイブリダイゼーションプローブ(DNA Mast
er Hybridization Probes)キットのものである。特に
Taq DNA ポリメラーゼ溶液は10×conc.(赤いキャッ
プ)を10倍に希釈して用いた。また、Taqスタート
は、クローンテック社(USA)より販売されているTa
q DNA ポリメラーゼ用の抗体で、これを反応液に添加す
ることで70℃までTaq DNAポリメラーゼの活性を抑え
ることができる。即ち、ホット・スタートを行うことが
できるものである。
【0163】反応条件は次の如くである。 変性反応初期 :95℃、60秒 再変性反応 :95℃、10秒 アニーリング反応 :60℃、5秒 DNA伸長反応 :72℃、17秒 測定は、ライトサイクラーTMシステムを用いて行った。
その際、該システムにあるF1〜3の検出器にうち、F
1の検出器を用い、その検出器のゲインは10、励起強
度は75に固定した。
【0164】前記の如くにPCRを行って、各サイクル
の蛍光強度を実測した結果を図11に示した。即ち、各
コピー数のヒトゲノムDNAについて、各サイクルの変
性反応時及び核酸伸長反応時の蛍光強度を測定し、印字
したものである。どのサイクルにおいても変性反応時に
は蛍光強度値は一定であるが、核酸伸長反応時には、2
5サイクル目当たりから蛍光強度が減少しているのが観
察される。そうして、減少はヒトゲノムDNAのコピー
数がおおい順に起こることが分かる。
【0165】図11においてヒトゲノムDNAの各コピ
ー数について初期のサイクル数の蛍光強度値が一様でな
い。それで、本実験例で使用するデーター解析方法に以
下の過程を追加した。 (b)10サイクル目の蛍光強度値を1として各サイク
ルの蛍光強度値を換算する過程、即ち、下記の〔数式
8〕による計算をする過程、 Cn=Fn(72)/F10(72) 〔数式8〕 ただし、Cn=各サイクル値の換算値、Fn(72)=各
サイクルの72℃の蛍光強度値、F10(72)=10サ
イクル目の72℃の蛍光強度値。 (c)前記(b)の過程で得られた換算値を、各サイク
ル数に対してプロットし、デスプレー上に表示及び/又
は印字する過程、
【0166】(d)前記(b)の過程で得られた各サイ
クルの換算値から下記の〔数式9〕による蛍光強度の変
化率(減少率、消光率)を計算をする過程、 〔数式9〕 Fdn =log10{100−Cn×100)} Fdn =2log10{1−Cn} ただし、Fdn=蛍光強度変化率(減少率、消光率)、C
n=〔数式8〕で得られた値。 (e)前記(d)の過程で得られた換算値を、各サイク
ル数に対してプロットし、デスプレー上に表示及び/又
は印字する過程、
【0167】(f)前記(d)の過程で処理されたデー
ターの内、0.5をスレッシュホールド(thresh
hold)し、その値に達したサイクル数を計算する過
程、 (g)前記(f)の過程で計算した値をX軸に、反応開
始前のコピー数をY軸にプロットしたグラフを作成する
過程、 (h)前記(g)の過程で作成したグラフをデスプレー
上に表示及び/又は印字する過程、 (j)前記(h)の過程で描かれた直線の相関係数又は
関係式を計算する過程、 (i)前記(j)の過程で計算された計算値又は関係式
をデスプレー上に表示及び/又は印字する過程。
【0168】上記のデーター解析用ソフトウエアを用い
て、前記図11で得られたデーターを前記に引き続いて
以下のようにデーターを処理した。図12は、上記
(b)の過程で処理されたデーターを印字した(前記
(c)過程)したものである。即ち、10サイクル目の
蛍光強度値を1として換算し、その換算値をサイクル数
に対してプロットしたものである。図13は、前記
(d)の過程で処理したデーターを印字した(前記
(e)過程)ものである。即ち、図12の各プロット値
から蛍光強度の減少率(消光率)を計算して、各計算値
を各サイクル数に対してプロットしたものである。
【0169】図14は、前記(f)の過程で処理したデ
ーターについて、前記(g)の過程で作成したグラフを
印字した(前記(h)の過程)ものである。即ち、蛍光
強度減少率=0.5をスレッシュホールド(threshhol
d)し、その値に達したサイクル数をX軸に、ヒトゲノ
ムDNAの反応開始前のコピー数をY軸にプロットした
グラフである。このグラフの直線の相関係数(R2)を
前記(j)の過程で計算し、印字した(前記(i)の過
程)もので、0.9514であった。このように、この
相関係数では正確なコピー数を求めるは無理であった。
【0170】実施例22(本発明のデーター解析方法を
用いてデーター処理がなされた実験例)PCRは比較実
験例1と同様に行った。データー処理は、比較実験例1
の(b)の過程の前に下記の(a)の過程をおき、
(b)、(d)の過程を以下のように変更する以外は比
較実験例1と同様な過程で行った。(a)各サイクルに
おける増幅した核酸が蛍光色素で標識された核酸プライ
マーとハイブリダイズしたときの反応系の蛍光強度値
(即ち、核酸伸長反応時(72℃)の蛍光強度値)を、
増幅した核酸が核酸プライマーとハイブリダイズしたも
のが解離したときの反応系の蛍光強度値(即ち、核酸熱
変性反応時(95℃)の蛍光強度値)で割る補正演算処
理過程、即ち、実測の蛍光強度値を〔数式1〕で補正し
た。 fn=fhyb,n/fden,n 〔数式1〕 [式中、fn=サイクルの蛍光強度の補正値、fhyb,n
各サイクルの72℃の蛍光強度値、fden,n=各サイク
ルの95℃の蛍光強度値] 得られた値を各サイクル数にプロットしたのが図15で
ある。
【0171】(b)各サイクルにおける〔数式1〕にお
ける補正演算処理値を〔数式3〕に代入し、各サイクル
における各サンプル間の蛍光変化率(減少率又は消光
率)を算出する演算処理過程、即ち、下記の〔数式1
0〕で演算処理する過程、 Fn=fn/f25 〔数式10〕 [式中、Fn=各サイクルの演算処理値、fn=〔数式
1〕で得られた各サイクルの値、f25=〔数式1〕で得
られた値で、サイクル数が25回目のもの]。〔数式1
0〕は〔数式3〕において、a=25とした場合におけ
るものである。
【0172】(d)前記(b)の過程で得られた各サイ
クルの演算処理値を〔数式6〕による蛍光強度の変化率
(減少率又は消光率)の対数値を演算処理をする過程、
即ち、下記の〔数式11〕で演算処理する過程、 log10{(1−Fn)×100} 〔数式11〕 [式中、Fn=[数式10]で得られた値]。〔数式1
1〕は〔数式6〕において、b=10、A=100とし
た場合におけるものである。
【0173】上記の結果を図16及び17に示した。図
16は、前記(a)及び(b)の過程で処理された値を
サイクル数に対してプロットし、印字したものである。
図17は、図16で得られた値について前記(d)の過
程で計算された値を、サイクル数に対してプロットし、
印字したものである。
【0174】次に、図17のグラフを基に、前記
(f)、(g)、及び(h)の過程で処理した。即ち、
図17のグラフを基に比較実験例1と同様に、log10
(蛍光強度変化率)のスレッシュホールド値として、
0.1、0.3、0.5、0.7、0.9、1.2を選
び、その値に達したサイクル数をX軸に、ヒトゲノムD
NAの反応開始前のコピー数をY軸にプロットし、検量
線を描かせた。その結果を図18に示した。これらの検
量線について前記(j)及び(i)の過程で処理して求
めた相関係数(R2)は、前記各スレッシュホールド値
に対して、各々0.998、0.999、0.999
3、0.9985、0.9989、0.9988であっ
た。これらの相関係数から、スレッシュホールド値とし
て0.5(相関係数0.9993)を採用することが望
ましいことが認識できた。この相関係数をもつ検量線で
あれば、未知コピー数の核酸試料について反応開始前の
コピー数を精度よく求めることができることが分かる。
【0175】実施例23(核酸の融解曲線分析及びTm
値分析の例) 本発明の新規なPCR法により増幅された核酸につい
て、51)低い温度から核酸が完全に変性するまで、温
度を徐々に上げるあるいは下げる過程(例えば、50℃
から95℃まで)、52)前記51)過程において、短
い時間間隔(例えば、0.2℃〜0.5℃間隔)で蛍光
強度を測定する過程、53)前記52)過程の測定結果
を時間毎にデスプレー上に表示する過程、即ち、核酸の
融解曲線を表示する過程、54)前記53)過程の融解
曲線を一次微分する過程、55)前記54)過程の微分
値(−dF/dT、F:蛍光強度、T:時間)をデスプ
レー上に表示する過程、56)前記55)から得られる
微分値から変曲点を求める過程からなるソフトウエアを
作成し、前記本発明のデーター解析用ソフトウエアに合
体した。当該データー解析用ソフトウエアを記録したコ
ンピューター読み取り可能な記録媒体をインストールし
た前記ライトサイクラーTMシステムを用いて本発明の新
規リアルタイム定量的PCR反応を行い、核酸融解曲線
の分析を行った。本発明においては、蛍光強度は温度が
上がるごとに増加する。
【0176】実施例22と同じヒトゲノムDNAの1コ
ピーと10コピーについて、実施例20と同様のPCR
を行い、前記51)、52)、53)、54)及び5
5)の過程で処理されたデーターを印字したものが図1
9である。1コピーと10コピーの75回目の増幅産物
について、本実施例の51)、52)及び53)の過程
で処理した核酸融解曲線の図が図20である。54)の
過程でこの曲線を微分し、55)及び56)の過程で変
曲点(Tm値)を求めたものが図21である。図21か
ら、1コピーと10コピーの増幅産物のTm値が異なる
故に、各増幅産物は異なる産物であることが判明した。
【0177】
【発明の効果】本発明は次のような効果を有する。 1)前記のように本発明の核酸測定方法、本発明のプロ
ーブ及びデバイスを用いると、測定系から未反応の核酸
プローブを除く等の操作をすることがないので、標的核
酸を短時間でかつ簡便に測定できる。また、複合微生物
系又は共生微生物系に適用すると、当該系における特定
菌株の存在量を特異的かつ短時間に測定できる。また、
本発明は標的核酸若しくは遺伝子のSNPなどの多型ま
たは変異などの解析若しくは測定する簡便な方法を提供
している。 2)また、本発明の定量的PCR方法は、次のような効
果を有する。 a.TaqDNAポリメラーゼによる標的核酸の増幅に
阻害的に作用する因子が添加されていないことから、従
来公知の特異性のある通常のPCRと同様の条件で定量
的PCRを行うことができる。 b.また、PCRの特異性を高く保つことができるの
で、プライマーダイマーの増幅が遅くなることから、従
来公知の定量的PCRと比較すると定量限界が約1オー
ダー低くなる。 c.複雑な核酸プローブを用意する必要がないので、そ
れに要する時間と費用が節約できる。 d.標的核酸の増幅効果も大きく、増幅過程をリアルタ
イムでモニタリングすることができる。 3)また、リアルタイム定量的PCR方法で得られたデ
ーターを解析する際、本発明のデーター解析方法を用い
て、未知核酸コピー数の核酸試料について核酸のコピー
数を求める検量直線を作成すると、検量線の相関係数は
従来の方法により得られたものに較べて格段に高い。そ
れで、本発明のデーター解析方法を用いると核酸の正確
なコピー数を求めることができる。 4)また、本発明のリアルタイム定量的PCR方法によ
って得られたデーターの解析方法に係るデーター解析用
ソフトウエア、また、その解析方法の手順をプログラム
として記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、
また、それを用いたリアルタイム定量的PCRの測定若
しくは解析装置を用いると、相関係数の高い検量直線を
自動的に作成することができる。 5)また、本発明の新規な核酸の融解曲線の分析方法を
用いると、精度の高い、核酸のTm値を求めることがで
きる。更に、当該方法に係るデーター解析用ソフトウエ
ア、また、その分析方法の手順をプログラムとして記録
したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、また、それ
を用いたリアルタイム定量的PCRの測定若しくは解析
装置を用いると、正確なTm値を求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得た核酸プローブを用いて大腸菌の
16SrRNAの5´末端から数えて335から358
番目の核酸塩基配列を測定した場合の蛍光強度測定デー
タを示す図。
【図2】35塩基鎖2-o-Meプローブの標的核酸へのハイ
ブリダイゼーションに対する熱処理の効果を示す図。 点線:rRNAを加熱処理後、標的核酸が添加された。 実線:非加熱処理rRNA。
【図3】プローブと標的核酸16SrRNAのハイブリ
ダイゼーションに対するプローブの塩基鎖の塩基数、ヘ
ルパープローブ及びプローブの5’末端のリボースの
2’位OH基のメチル基修飾の効果を示す図。
【図4】本発明方法によるrRNA 測定のための検量
線。
【図5】KYM7株及びKYM8株の複合培養系のrR
NA量の時間経過についての本発明のFISH方法によ
る分析。
【図6】本発明のDNAチップを説明する図。
【図7】ボデピーFLで標識したプライマー1及び2を
用いた定量的PCR方法:サイクル数と蛍光色素の発光
の減少量の関係を示す図。図中の〜なる記号は、下
記の意味を表す。
【図8】ボデピーFLで標識したプライマー1及び2を
用いた定量的PCR方法:サイクル数と蛍光色素の発光
の減少量の対数値の関係を示す図。図中の〜なる記
号は、図7と同じ意味を表す。
【図9】本発明の定量的PCR方法を用いて作成した大
腸菌16SrDNAの検量線を示す図。n:10n
【図10】上図は、FRET現象を用いるリアルタイム
定量的PCR方法において使用する蛍光色素で標識した
二つのプローブの代わりに、本発明の一つのプローブを
用いてリアルタイム定量的PCRを行った場合の蛍光強
度の現象率の変化を示す図である。下図は蛍光強度の現
象が有為に観察され始めるサイクル数(thresholdnumbe
r:Ct値)を算出し、検量線を作成した図である。
【図11】本発明の補正演算処理しない場合の、本発明
のボデピーFLで標識したプライマーを用いたリアルタ
イム定量的PCRによって得られた蛍光減少曲線を示す
図。 ■:標的核酸=10コピー;蛍光強度測定の反応系の温
度=72℃ ●:標的核酸=100コピー;蛍光強度測定の反応系の
温度=72℃ ▲:標的核酸=1000コピー;蛍光強度測定の反応系
の温度=72℃ ◆:標的核酸=10000コピー;蛍光強度測定の反応
系の温度=72℃ □:標的核酸=10コピー;蛍光強度測定の反応系の温
度=95℃ ○:標的核酸=100コピー;蛍光強度測定の反応系の
温度=95℃ △:標的核酸=1000コピー;蛍光強度測定の反応系
の温度=95℃ ◇:標的核酸=10000コピー;蛍光強度測定の反応
系の温度=95℃
【図12】各曲線の10サイクル目の値を1として補正
する以外は、図11の曲線の場合と同様にして得られた
リアルタイム定量的PCRの蛍光減少曲線を示す図。 ■:標的核酸=10コピー;蛍光強度測定温度=72℃ ●:標的核酸=100コピー;蛍光強度測定温度=72
℃ ▲:標的核酸=1000コピー;蛍光強度測定温度=7
2℃ ◆:標的核酸=10000コピー;蛍光強度測定温度=
72℃
【図13】図12の各曲線の各プロット値について、
[数式9]の蛍光強度減少率(変化率)を計算し、計算
値をプロットした曲線を示す図。 ■:標的核酸=10コピー ●:標的核酸=100コピー ▲:標的核酸=1000コピー ◆:標的核酸=10000コピー
【図14】図13のデーターから求めたヒトゲノムDN
Aの検量直線を示す図。 y=ヒトβ−グロビン遺伝子コピー数 x=サイクル数(Ct) R2=相関係数
【図15】図11の各サイクルの測定値を〔数式1〕で
補正演算処理した値を各サイクル数に対してプロットし
た曲線を示す図。 ■:標的核酸=10コピー ●:標的核酸=100コピー ▲:標的核酸=1000コピー ◆:標的核酸=10000コピー
【図16】図15の各サイクルの演算処理値を〔数式
3〕で演算処理した値をサイクル数に対してプロットし
た曲線を示す図。 ■:標的核酸=10コピー ●:標的核酸=100コピー ▲:標的核酸=1000コピー ◆:標的核酸=10000コピー
【図17】図16の各サイクルの演算処理値を〔数式
6〕の式で演算処理した値をサイクル数に対してプロッ
トした曲線を示す図。 ■:標的核酸=10コピー ●:標的核酸=100コピー ▲:標的核酸=1000コピー ◆:標的核酸=10000コピー
【図18】図16の各log(蛍光変化率)値からCt値
の候補として、0.1、0.3、0.5、0.7、0.
9、1.2を適当に選んで、それに対応する検量直線を
描かせた場合の図。尚、各検量線における相関係数を下
記に示した。 ▲:log10(蛍光変化率)=0.1;相関係数=0.9
98 ■:log10(蛍光変化率)=0.3;相関係数=0.9
99 ●:log10(蛍光変化率)=0.5;相関係数=0.9
993 △:log10(蛍光変化率)=0.7;相関係数=0.9
985 □:log10(蛍光変化率)=0.9;相関係数=0.9
989 ○:log10(蛍光変化率)=1.2;相関係数=0.9
988
【図19】1コピー及び10コピーのヒトゲノムDNA
について、本発明のボデピーFLで標識したプライマー
を用いてリアルタイム定量的PCRを行った場合の蛍光
減少曲線を示す図。ただし、〔数式1〕の補正演算処理
を施した。 1:標的核酸=0コピー 2:標的核酸=1コピー 3:標的核酸=10コピー
【図20】図19に示されるPCRの増幅産物について
の核酸の融解曲線分析を行った場合の核酸の融解曲線を
示す図。 1:標的核酸=0コピー 2:標的核酸=1コピー 3:標的核酸=10コピー
【図21】図20の曲線を微分して得られた、Tm値を
示す曲線を示す図(谷がTm値)。 2:標的核酸=1コピー 3:標的核酸=10コピー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 21/77 G01N 21/78 C 4B063 21/78 33/48 Z 33/48 33/53 M 33/53 33/543 575 33/543 575 33/566 33/566 33/58 A 33/58 C12N 15/00 A F (31)優先権主張番号 特願2000−28896(P2000−28896) (32)優先日 平成12年2月1日(2000.2.1) (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 金川 貴博 茨城県つくば市東1−1−1 独立行政法 人産業技術総合研究所 つくばセンター内 (72)発明者 鎌形 洋一 茨城県つくば市東1−1−1 独立行政法 人産業技術総合研究所 つくばセンター内 (72)発明者 蔵田 信也 東京都千代田区東神田1−9−8 環境エ ンジニアリング株式会社内 (72)発明者 山田 一隆 東京都千代田区東神田1−9−8 環境エ ンジニアリング株式会社内 (72)発明者 横幕 豊一 東京都千代田区東神田1−9−8 環境エ ンジニアリング株式会社内 (72)発明者 小山 修 東京都千代田区東神田1−9−8 環境エ ンジニアリング株式会社内 (72)発明者 古庄 健太 東京都千代田区東神田1−9−8 環境エ ンジニアリング株式会社内 Fターム(参考) 2G043 AA01 BA16 CA04 DA02 EA01 FA03 FA06 GB07 GB21 KA03 KA05 NA01 NA05 2G045 AA35 BB10 BB20 BB29 BB50 DA13 FA29 FB02 FB03 FB06 FB12 GC15 JA01 2G054 AB04 BB04 CA22 CE02 EA03 GA04 4B024 AA11 CA09 HA14 4B029 AA07 BB20 CC01 FA15 4B063 QA01 QA12 QA18 QQ42 QQ52 QR32 QR56 QR62 QR82 QS25 QS34 QS36 QX02

Claims (44)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蛍光色素で標識された核酸プローブが標
    的核酸にハイブリダイゼーションしたときに、上記蛍光
    色素が、その発光を減少させる核酸プローブであり、か
    つ、当該プローブは、その末端部において蛍光色素で標
    識されており、当該核酸プローブが標的核酸にハイブリ
    ダイゼーションしたとき、当該末端部において、当該プ
    ローブと標的核酸とがハイブリダイゼーションした末端
    塩基から1ないし3塩基離れて、標的核酸の塩基配列に
    G(グアニン)が少なくとも1塩基以上存在するよう
    に、当該プローブの塩基配列が設計されていることを特
    徴とする核酸測定用核酸プローブ。
  2. 【請求項2】 核酸プローブが3’末端において蛍光色
    素で標識されている請求項1に記載の核酸測定用核酸プ
    ローブ。
  3. 【請求項3】 核酸プローブが5’末端において蛍光色
    素で標識されている請求項1に記載の核酸測定用核酸プ
    ローブ。
  4. 【請求項4】 蛍光色素で標識された核酸プローブが標
    的核酸にハイブリダイゼーションしたときに、上記蛍光
    色素が、その発光を減少させる核酸プローブであり、か
    つ、当該プローブは、その末端部において蛍光色素で標
    識されており、当該核酸プローブが、標的核酸にハイブ
    リダイゼーションしたとき、当該末端部分においてハイ
    ブリダイゼーションの塩基対がG(グアニン)とC(シ
    トシン)のペアーを少なくも一対以上形成するように、
    当該プローブの塩基配列が設計されていることを特徴と
    する核酸測定用核酸プローブ。
  5. 【請求項5】 核酸プローブの3’末端塩基がGまたは
    Cで、かつ3’末端が蛍光色素で標識されている請求項
    4に記載の核酸測定用核酸プローブ。
  6. 【請求項6】 核酸プローブの5’末端塩基がGまたは
    Cで、かつ5’末端が蛍光色素で標識されている請求項
    4に記載の核酸測定用核酸プローブ。
  7. 【請求項7】 核酸プローブが、3’末端のリボース若
    しくはデオキシリボースの3’炭素の水酸基、または
    3’末端のリボースの3’炭素の水酸基がリン酸化され
    ている請求項3または6に記載の核酸測定用核酸プロー
    ブ。
  8. 【請求項8】 核酸測定用核酸プローブのオリゴリボヌ
    クレオチドが、2−o−メチルオリゴリボヌクレオチド
    (2-o-methyloligoribonucleotide)、PNA、または、
    他の化学的に修飾した核酸である請求項1〜7の何れか
    1項に記載の核酸測定用核酸プローブ。
  9. 【請求項9】 核酸測定用核酸プローブのオリゴリボヌ
    クレオチドが、リボヌクレオチドとデオキシリボヌクレ
    オチドを含むチメリックオリゴヌクレオチド(chimeric
    oligonucleotide)である請求項1〜7の何れか1項に
    記載の核酸測定用核酸プローブ。
  10. 【請求項10】 リボヌクレオチドが、2−o−メチル
    オリゴリボヌクレオチドである請求項9に記載の核酸測
    定用核酸プローブ。
  11. 【請求項11】 請求項1〜7の何れか1項に記載の核
    酸測定用核酸プローブを、標的核酸にハイブリダイゼー
    ションさせ、ハイブリダイゼーション前後における蛍光
    色素の発光の減少量を測定することを特徴とする核酸の
    測定方法。
  12. 【請求項12】 請求項8〜10の何れか1項に記載の
    核酸測定用核酸プローブを、標的核酸にハイブリダイゼ
    ーションさせ、ハイブリダイゼーション前後における蛍
    光色素の発光の減少量を測定することを特徴とする核酸
    の測定方法。
  13. 【請求項13】 標的核酸または遺伝子の多型(polymo
    rphism)または/および変異(mutation)を解析若しく
    は測定する方法において、請求項1〜10の何れか1項
    に記載の核酸プローブを標的核酸または遺伝子にハイブ
    リダイゼーションさせ、蛍光強度の変化量を測定するこ
    とを特徴とする標的核酸または遺伝子の多型または/お
    よび変異を解析若しくは測定する方法。
  14. 【請求項14】 標的核酸または遺伝子の多型または/
    および変異を解析若しくは測定する測定キットにおい
    て、請求項1〜10の何れか1項に記載の核酸プローブ
    を含有することを特徴とする標的核酸若しくは遺伝子の
    多型または/および変異を解析若しくは測定するキッ
    ト。
  15. 【請求項15】 請求項13に記載の方法により得られ
    るデータを解析する方法において、標的核酸または遺伝
    子が蛍光色素で標識された核酸プローブとハイブリダイ
    ズしたときの反応系の蛍光強度値を、前記のハイブリダ
    イズしていないときの反応系の蛍光強度値により補正処
    理する過程を有することを特徴とする標的核酸または遺
    伝子の多型または/および変異を解析若しくは測定する
    方法のためのデータ解析方法。
  16. 【請求項16】 標的核酸または遺伝子の多型または/
    および変異を解析若しくは測定する測定装置において、
    請求項15に記載のデータ解析方法を実施するための手
    段を有することを特徴とする標的核酸または遺伝子の多
    型または/および変異を解析若しくは測定する測定装
    置。
  17. 【請求項17】 請求項15に記載の補正処理過程をコ
    ンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコ
    ンピュータ読取可能な記録媒体。
  18. 【請求項18】 ハイブリダイゼーション反応前にハイ
    ブリダイゼーション反応実施のためのハイブリダイゼー
    ション反応系にヘルパープローブを添加する請求項12
    に記載の核酸測定方法。
  19. 【請求項19】 標的核酸をその高次構造が十分に破壊
    されるに適した条件で加熱処理後、核酸プローブと標的
    核酸をハイブリダイゼーションさせる請求項12に記載
    の核酸測定方法。
  20. 【請求項20】 ハイブリダイゼーション反応系にヘル
    パープローブを添加してなる請求項14に記載のキッ
    ト。
  21. 【請求項21】 標的核酸がRNAである請求項11、
    12、18、19の何れか1項に記載の核酸測定方法。
  22. 【請求項22】 請求項1〜10の何れか1項に記載の
    核酸プローブ、または一つの分子内に二つの異なった蛍
    光色素を有し、標的核酸にハイブリダイゼーションして
    いないときは、二つの蛍光色素の相互作用により消光若
    しくは発光しているが、標的核酸にハイブリダイゼーシ
    ョンすると発光若しくは消光するように設計された構造
    をもつ核酸プローブを固体支持体表面に結合させ、それ
    に標的核酸をハイブリダイゼーションさせて標的核酸を
    測定することができるようにしたことを特徴とする核酸
    測定用デバイス。
  23. 【請求項23】 請求項22に記載の核酸測定用デバイ
    スにおいて、核酸プローブが固体支持体表面にアレー状
    に配列、結合させた核酸測定用デバイス(チップ)。
  24. 【請求項24】 固体支持体表面に結合させられた核酸
    プローブ毎に、反対側の表面に少なくとも一つの温度セ
    ンサーとヒーターが設置され、核酸プローブ結合領域が
    最適温度条件になるように温度調節され得る請求項2
    2、または23に記載の核酸測定用デバイス。
  25. 【請求項25】 核酸プローブを蛍光色素で標識してい
    ない端部で固体支持体表面に結合させた請求項22〜2
    4の何れか1項に記載の核酸測定用デバイス。
  26. 【請求項26】 請求項22〜25の何れか1項に記載
    の核酸測定用デバイスを用いて標的核酸を測定すること
    を特徴とする核酸の測定方法。
  27. 【請求項27】 請求項11、12、18、19、2
    1、26の何れか1項に記載の核酸の測定方法におい
    て、標的核酸が、純粋分離して得た微生物由来、または
    動物由来であることを特徴とする核酸の測定方法。
  28. 【請求項28】 標的核酸が、複合微生物系、または共
    生微生物系の細胞内若しくは細胞のホモジネートの核酸
    である請求項11、12、18、19、21、26の何
    れか1項に記載の核酸の測定方法。
  29. 【請求項29】 PCR方法において、請求項1、2、
    4、5、7〜10の何れか1項に記載の核酸プローブを
    用いて反応を行い、核酸伸長反応時当該プローブがポリ
    メラーゼにより分解除去されている反応系または核酸変
    性反応時若しくは核酸変性反応が完了している反応系の
    蛍光強度値と標的核酸若しくは増幅標的核酸が該核酸プ
    ローブとハイブリダイズしているときの反応系の蛍光強
    度値を測定し、前者からの蛍光強度値の減少率を算出す
    ることを特徴とするPCR方法で増幅された核酸の測定
    方法。
  30. 【請求項30】 PCR方法において、請求項3または
    6に記載の核酸プローブをプライマーとして反応を行
    い、当該プローブと標的核酸若しくは増幅標的核酸がハ
    イブリダイズしていない反応系の蛍光強度値と該核酸プ
    ローブが標的核酸若しくは増幅標的核酸とハイブリダイ
    ズしているときの反応系の蛍光強度値を測定し、前者の
    蛍光強度値の減少率を算出することを特徴とするPCR
    方法で増幅された核酸の測定方法。
  31. 【請求項31】 PCR方法がリアルタイム定量的PC
    R方法である請求項29または30に記載のPCR方法
    で増幅された核酸の測定方法。
  32. 【請求項32】 請求項11、12、18、19、2
    1、26〜31の何れか1項に記載の核酸測定方法で得
    られたデーターを解析する方法において、標的核酸が蛍
    光色素で標識された核酸プローブとハイブリダイズした
    ときの反応系の蛍光強度値を、前記のハイブリダイズし
    たものが解離したときの反応系の蛍光強度値により補正
    することを特徴とする核酸測定方法のためのデータ解析
    方法。
  33. 【請求項33】 請求項31に記載のリアルタイム定量
    的PCR方法で得られたデーターを解析する方法におい
    て、各サイクルにおける増幅した核酸が蛍光色素と結合
    したとき、あるいは増幅した核酸が蛍光色素で標識され
    た核酸プローブとハイブリダイズしたときの反応系の蛍
    光強度値を、各サイクルにおける前記の結合したもの、
    あるいは前記のハイブリダイズしたものが解離したとき
    の反応系の蛍光強度値により補正する演算処理過程(以
    下、補正演算処理過程という。)を有することを特徴と
    するリアルタイム定量的PCR方法のためのデータ解析
    方法。
  34. 【請求項34】 請求項33に記載の補正演算処理過程
    が、次の〔数式1〕あるいは〔数式2〕によるものであ
    る請求項33に記載のリアルタイム定量的PCR方法の
    ためのデータ解析方法。 fn=fhyb,n/fden,n 〔数式1〕 fn=fden,n/fhyb,n 〔数式2〕 〔式中、 fn:〔数式1〕あるいは〔数式2〕により算出された
    nサイクルにおける補正演算処理値、 fhyb,n:nサイクルにおける、増幅した核酸が蛍光色
    素と結合したとき、あるいは増幅した核酸が蛍光色素で
    標識された核酸プローブとハイブリダイズしたときの反
    応系の蛍光強度値、 fden,n:nサイクルにおける、前記の結合したもの、
    あるいはハイブリダイズしたものが解離したときの反応
    系の蛍光強度値〕。
  35. 【請求項35】 請求項31に記載のリアルタイム定量
    的PCR方法で得られたデーターを解析する方法におい
    て、各サイクルにおける〔数式1〕あるいは〔数式2〕
    における補正演算処理値を次の〔数式3〕あるいは〔数
    式4〕に代入し、各サイクルにおける各サンプル間の蛍
    光変化割合あるいは蛍光変化率を算出し、それらを比較
    することを特徴とするリアルタイム定量的PCR方法の
    ためのデータ解析方法。 Fn=fn/fa 〔数式3〕 Fn=fa/fn 〔数式4〕 〔式中、Fn:nサイクルにおける、〔数式3〕あるい
    は〔数式4〕により算出された蛍光変化割合あるいは蛍
    光変化率、fn:〔数式1〕あるいは〔数式2〕による
    補正演算処理値fa:〔数式1〕あるいは〔数式2〕に
    よる補正演算処理値で、fnの変化が観察される以前の
    任意のサイクル数のもの〕。
  36. 【請求項36】 請求項31に記載のリアルタイム定量
    的PCR方法で得られたデーターを解析する方法におい
    て、1)〔数式3〕あるいは〔数式4〕により算出され
    た蛍光変化割合あるいは蛍光変化率のデーターを用い
    て、〔数式5〕、〔数式6〕あるいは〔数式7〕による
    演算処理する過程、 logb(Fn)、ln(Fn) 〔数式5〕 logb{(1−Fn)×A}、ln{(1−Fn)×A} 〔数式6〕 logb{(Fn−1)×A}、ln{(Fn−1)×A} 〔数式7〕 〔式中、 A、b:任意の数値、 Fn:〔数式3〕あるいは〔数式4〕により算出された
    nサイクルにおける蛍光変化割合あるいは蛍光変化
    率〕、 2)前記1)の演算処理値が一定値に達したサイクル数
    を求める演算処理過程、 3)既知濃度の核酸試料におけるサイクル数と反応開始
    時の標的核酸のコピー数の関係式を計算する演算処理過
    程、 4)未知試料におけるPCR開始時の標的核酸のコピー
    数を求める演算処理過程、を有することを特徴とするリ
    アルタイム定量的PCR方法のためのデータ解析方法。
  37. 【請求項37】 標的核酸について請求項1〜10の何
    れか1項に記載の核酸プローブを用いてPCR方法を行
    い、増幅核酸について核酸の融解曲線の分析を行ってT
    m値を求めることを特徴とする核酸の融解曲線の分析方
    法。
  38. 【請求項38】 標的核酸について請求項3または6に
    記載の核酸プローブをプライマーとして用いてPCR方
    法を行い、その増幅核酸について核酸の融解曲線の分析
    を行ってTm値を求めることを特徴とする核酸の融解曲
    線の分析方法。
  39. 【請求項39】 請求項33〜36の何れか1項に記載
    のリアルタイム定量的PCR方法のためのデーター解析
    方法において、請求項37および/または38に記載の
    核酸の融解曲線の新規分析方法により、核酸の融解曲線
    を分析する過程、即ち、本発明のPCR方法により増幅
    された核酸について、低い温度から核酸が完全に変性す
    るまで、温度を徐々に上げる過程、この過程において、
    時間間隔で蛍光強度を測定する過程、測定結果を時間毎
    にデスプレー上に表示する過程(核酸の融解曲線を表示
    する過程)、この融解曲線を一次微分する過程、その値
    (−dF/dT、F:蛍光強度、T:時間)を微分値と
    してデスプレー上に表示する過程、その微分値から変曲
    点を求める過程、を有することを特徴とするリアルタイ
    ム定量的PCR方法のためのデーター解析方法。
  40. 【請求項40】 請求項33に記載のデータ解析方法に
    よりデータを解析する過程、請求項34に記載のデータ
    解析方法によりデータを解析する過程、請求項35に記
    載のデータ解析方法によりデータを解析する過程、請求
    項36に記載のデータ解析方法によりデータを解析する
    過程、請求項39に記載のデータ解析方法によりデータ
    を解析する過程、を有することを特徴とするリアルタイ
    ム定量的PCRの測定および/または解析装置。
  41. 【請求項41】 請求項33に記載のデータ解析方法に
    よりデータを解析する過程、請求項34に記載のデータ
    解析方法によりデータを解析する過程、請求項35に記
    載のデータ解析方法によりデータを解析する過程、請求
    項36に記載のデータ解析方法によりデータを解析する
    過程、請求項39に記載のデータ解析方法によりデータ
    を解析する過程を、コンピュータに実行させるためのプ
    ログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
  42. 【請求項42】 核酸定量方法において、請求項33〜
    36、39の何れか1項に記載のリアルタイム定量的P
    CR方法のためのデータ解析方法を利用することを特徴
    とする核酸の定量方法。
  43. 【請求項43】 核酸定量方法において、請求項40に
    記載の装置を利用することを特徴とする核酸の定量方
    法。
  44. 【請求項44】 核酸定量方法において、請求項41に
    記載のコンピュータ読取可能な記録媒体を用いることを
    特徴とする核酸の定量方法。
JP2003081379A 1999-04-20 2003-03-24 核酸の測定方法に用いる核酸プローブおよびデータを解析する方法 Expired - Lifetime JP3985959B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003081379A JP3985959B2 (ja) 1999-04-20 2003-03-24 核酸の測定方法に用いる核酸プローブおよびデータを解析する方法

Applications Claiming Priority (9)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11160199 1999-04-20
JP11-111601 1999-04-20
JP11-236666 1999-08-24
JP23666699 1999-08-24
JP11-242693 1999-08-30
JP24269399 1999-08-30
JP2000-28896 2000-02-01
JP2000028896 2000-02-01
JP2003081379A JP3985959B2 (ja) 1999-04-20 2003-03-24 核酸の測定方法に用いる核酸プローブおよびデータを解析する方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000120097A Division JP3437816B2 (ja) 1999-04-20 2000-04-20 核酸の測定方法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004153737A Division JP4724380B2 (ja) 1999-04-20 2004-05-24 核酸の測定方法に用いる核酸プローブおよびデータを解析する方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003334078A true JP2003334078A (ja) 2003-11-25
JP3985959B2 JP3985959B2 (ja) 2007-10-03

Family

ID=29716325

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003081379A Expired - Lifetime JP3985959B2 (ja) 1999-04-20 2003-03-24 核酸の測定方法に用いる核酸プローブおよびデータを解析する方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3985959B2 (ja)

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006098202A (ja) * 2004-09-29 2006-04-13 Fuji Photo Film Co Ltd 蛍光画像補正方法および装置ならびにプログラム
JP2006217869A (ja) * 2005-02-10 2006-08-24 Kurita Water Ind Ltd 製紙工程における付着物の分析方法
JP2008099619A (ja) * 2006-10-20 2008-05-01 National Institute Of Advanced Industrial & Technology ヘリカーゼ活性の測定方法
JP2008182974A (ja) * 2007-01-31 2008-08-14 J-Bio 21 Corp 核酸プローブセットおよびその使用方法
WO2008153223A1 (ja) * 2007-07-31 2008-12-18 Osaka University 核酸と被験物質との結合親和性を測定するための組成物及びその利用
WO2009028654A1 (ja) * 2007-08-31 2009-03-05 National University Corporation Tottori University TERT遺伝子のcDNAの製造、それを用いた核酸増幅法、検出方法、それらに用いるプライマー、及び、それらを用いた腫瘍の診断キット
JP2012213410A (ja) * 2012-08-13 2012-11-08 Nittetsu Kankyo Engineering Kk 核酸プローブセットおよびその使用方法
US8346485B2 (en) 2008-11-25 2013-01-01 Quest Diagnostics Investments Incorporated Methods and apparatuses for estimating initial target nucleic acid concentration in a sample by modeling background signal and cycle-dependent amplification efficiency of a polymerase chain reaction
JP2013048620A (ja) * 2011-08-03 2013-03-14 Toyobo Co Ltd メチシリン耐性黄色ブドウ球菌を検出するためのプライマーおよびプローブ、ならびに、それらを用いたメチシリン耐性黄色ブドウ球菌の検出方法
JP5272230B2 (ja) * 2008-07-30 2013-08-28 日鉄住金環境株式会社 ユニバーサルな核酸プローブセットおよびその使用方法
JP6454434B1 (ja) * 2017-11-24 2019-01-16 株式会社リコー 検査装置の性能評価用検査デバイス、検査装置の性能評価プログラム、検査装置の性能評価方法、及び検査装置の性能評価装置
CN114397282A (zh) * 2021-12-24 2022-04-26 江苏鑫蓝鑫生物科技有限公司 一种用核酸适配体和g-四链体免标记荧光分析法检测氯霉素的方法
WO2022179419A1 (zh) * 2021-02-27 2022-09-01 上海境象生物科技有限公司 基于探针熔解曲线分析的多重核酸检测方法和试剂盒

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009051214A1 (ja) 2007-10-19 2009-04-23 Eiken Kagaku Kabushiki Kaisha 核酸増幅法、それに用いる試薬及び試薬キット

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006098202A (ja) * 2004-09-29 2006-04-13 Fuji Photo Film Co Ltd 蛍光画像補正方法および装置ならびにプログラム
JP2006217869A (ja) * 2005-02-10 2006-08-24 Kurita Water Ind Ltd 製紙工程における付着物の分析方法
JP2008099619A (ja) * 2006-10-20 2008-05-01 National Institute Of Advanced Industrial & Technology ヘリカーゼ活性の測定方法
JP2008182974A (ja) * 2007-01-31 2008-08-14 J-Bio 21 Corp 核酸プローブセットおよびその使用方法
WO2008153223A1 (ja) * 2007-07-31 2008-12-18 Osaka University 核酸と被験物質との結合親和性を測定するための組成物及びその利用
WO2009028654A1 (ja) * 2007-08-31 2009-03-05 National University Corporation Tottori University TERT遺伝子のcDNAの製造、それを用いた核酸増幅法、検出方法、それらに用いるプライマー、及び、それらを用いた腫瘍の診断キット
JP5721161B2 (ja) * 2007-08-31 2015-05-20 国立大学法人鳥取大学 TERT遺伝子のcDNAの製造、それを用いた核酸増幅法、検出方法、それらに用いるプライマー、及び、それらを用いた腫瘍の診断キット
JP5272230B2 (ja) * 2008-07-30 2013-08-28 日鉄住金環境株式会社 ユニバーサルな核酸プローブセットおよびその使用方法
US8346485B2 (en) 2008-11-25 2013-01-01 Quest Diagnostics Investments Incorporated Methods and apparatuses for estimating initial target nucleic acid concentration in a sample by modeling background signal and cycle-dependent amplification efficiency of a polymerase chain reaction
JP2013048620A (ja) * 2011-08-03 2013-03-14 Toyobo Co Ltd メチシリン耐性黄色ブドウ球菌を検出するためのプライマーおよびプローブ、ならびに、それらを用いたメチシリン耐性黄色ブドウ球菌の検出方法
JP2013048619A (ja) * 2011-08-03 2013-03-14 Toyobo Co Ltd メチシリン耐性黄色ブドウ球菌を検出するためのプライマーおよびプローブ、ならびに、それらを用いたメチシリン耐性黄色ブドウ球菌の検出方法
JP2012213410A (ja) * 2012-08-13 2012-11-08 Nittetsu Kankyo Engineering Kk 核酸プローブセットおよびその使用方法
JP6454434B1 (ja) * 2017-11-24 2019-01-16 株式会社リコー 検査装置の性能評価用検査デバイス、検査装置の性能評価プログラム、検査装置の性能評価方法、及び検査装置の性能評価装置
JP2019092495A (ja) * 2017-11-24 2019-06-20 株式会社リコー 検査装置の性能評価用検査デバイス、検査装置の性能評価プログラム、検査装置の性能評価方法、及び検査装置の性能評価装置
WO2022179419A1 (zh) * 2021-02-27 2022-09-01 上海境象生物科技有限公司 基于探针熔解曲线分析的多重核酸检测方法和试剂盒
CN114397282A (zh) * 2021-12-24 2022-04-26 江苏鑫蓝鑫生物科技有限公司 一种用核酸适配体和g-四链体免标记荧光分析法检测氯霉素的方法
CN114397282B (zh) * 2021-12-24 2023-11-17 江苏鑫蓝鑫生物科技有限公司 一种用核酸适配体和g-四链体免标记荧光分析法检测氯霉素的方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3985959B2 (ja) 2007-10-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3437816B2 (ja) 核酸の測定方法
JP3963422B2 (ja) 核酸の測定方法
US7419786B2 (en) Methods for monitoring PCR amplification with fluorescently labeled probes or primers for which fluorescence changes upon hybridization to a target
EP2762562B1 (en) Method for detecting target nucleic acid
JP4724380B2 (ja) 核酸の測定方法に用いる核酸プローブおよびデータを解析する方法
CN107532213B (zh) 用于同时检测样品中多个核酸序列的方法
JP6126381B2 (ja) 標的核酸の検出方法及びキット
JP3985959B2 (ja) 核酸の測定方法に用いる核酸プローブおよびデータを解析する方法
CN101835905B (zh) 靶rna的检测、定量方法和试剂盒
WO2002077224A1 (fr) Nouvelle sonde d'acide nucleique et nouveau procede d'essai d'acides nucleiques faisant appel a ladite sonde
US20040110141A1 (en) Nucleic acid detector and method of detecting targets within a sample
EP1134292A2 (en) Oligonucleotides for detection of vibrio parahaemolyticus and detection method for vibrio parahaemolyticus using the same oligonucleotides
JP7058645B2 (ja) 核酸測定用新規蛍光消光プローブ
JP4909501B2 (ja) 定量的多型解析方法
JP4950414B2 (ja) 核酸の測定方法、それに用いる核酸プローブ及びその方法によって得られるデータを解析する方法
JP2002355084A (ja) 新規核酸プローブおよびそれを用いる新規核酸測定方法
JP3965872B2 (ja) 新規な定量的多型解析方法
JP2002191372A (ja) 新規核酸プローブ並びにそれを用いる核酸測定方法、及びその方法によって得られるデータを解析する方法
US7276358B1 (en) Rapid quantification of butyric acid-producing bacteria using real-time PCR
Ramachandran Application of molecular beacon technology for the identification of bacteria

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040323

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040524

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20040607

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060620

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060720

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060829

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20060905

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070515

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070517

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070626

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070705

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3985959

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100720

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100720

Year of fee payment: 3

S202 Request for registration of non-exclusive licence

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R315201

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110720

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110720

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120720

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120720

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130720

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130720

Year of fee payment: 6

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130720

Year of fee payment: 6

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term