JP4909501B2 - 定量的多型解析方法 - Google Patents

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Description

本発明は、蛍光色素または/およびクエンチャー物質で標識された新規核酸プローブに関する。詳しくは、当該核酸プローブが標的核酸にハイブリダイズしているときはハイブリダイゼーション反応系の蛍光強度が増加するか、または減少するように、蛍光色素または/およびクエンチャー物質が、一本鎖のオリゴヌクレオチドに標識されているものである。また、当該核酸プローブを用いる核酸測定方法に関する。またそれらの方法に使用される測定キット類、測定デバイス類、及びそれらに関係する各種測定装置類に関する。また、各種の核酸の種、量の解析方法、またそれらの方法で得られるデータの解析方法、解析方法の過程を、コンピュータに実行させるための手順をプログラムとして記録したコンピュータ読取可能な記録媒体に関する。
従来、蛍光色素で標識された核酸プローブを用いて核酸濃度を測定する各種方法が知られている。該方法には、以下のようなものがある。
(1)ドットブロッテング法
この方法は、標的核酸と蛍光色素で標識された核酸プローブをメンブラン上でハイブリダイズさせた後、未反応の核酸プローブを洗い流し、標的核酸とハイブリダイズした核酸プローブに標識された蛍光色素分子のみの蛍光強度を測定するものである。
(2)インターカレーター方法(非特許文献1)
この方法は、インターカレーターと称されるある種の蛍光色素が核酸の二重鎖内にはまりこんだときに、強く発光するのでその発光の増加量を測定する方法である。その蛍光色素として、例えば、エチジウムブロマイド(非特許文献2)、SYBR R グリーン(Green) I(LightCyclerTM System;非特許文献3)を挙げることができる。
(3)FRET(fluorescence energy transfer)を利用する方法(非特許文献4)
この方法は、標的核酸に二つの核酸プローブをハイブリダイズさせることからなる。二つの核酸プローブは、各々異なった蛍光色素で標識されている。二つのプローブの内の一方の蛍光色素は、FRET現象を通して、エネルギーを他方のプローブの蛍光色素に送りこれを発光させることができる。二つのプローブは、蛍光色素が向き合うように、かつ1〜9塩基離れてハイブリダイズするように設計されている。それで、二つの核酸プローブが標的核酸にハイブリダイズすると後者の蛍光色素の発光が起こり、発光の強さが標的核酸の複製量に比例する。
(4)分子ビーコン方法(非特許文献5)
この方法で使用する核酸プローブは、核酸プローブの一端にレポーター色素、他端にクエンチャー色素が標識さている。そしてその両端部は塩基配列において互いに相補性があるので、プローブ全体としてヘアーピン構造(hairpin stem)を形成するように塩基配列が設計されている。その構造のために液中に浮遊している状態では、Forster共鳴エネルギーのため、レポーター色素の発光は、クエンチャー色素により抑制されている。しかし、標的核酸にハイブリダイズするとヘアーピン構造が壊れるために、レポーター色素とクエンチャー色素の距離が大きくなるので、Forster共鳴エネルギーの移動が起こらなくなる。そのために、レポーター色素の発光が起こるようになる。
(5)デービスの方法(非特許文献6)
デービスは、オリゴヌクレオチドの3’末端に蛍光色素を、炭素原子18個を有するスペサーを介して結合したプローブを作成した。これをフローサイトメトリーに適用した。3’末端に蛍光色素を直接に結合した場合より、ハイブリダイズした場合、10倍の蛍光強度が得られることを報告した。
これらの方法は、核酸の各種測定方法、FISH方法(fluorescent in situ hybridization assays)、PCR方法、LCR方法(ligase chain reaction)、SD方法( strand displacement assays)、競合的ハイブリダイゼーション方法(competitive hybridization)などに適用されてめざましい発展をとげている。
(6)PCR方法(非特許文献7)で標的遺伝子を増幅し、それを多型解析する方法は、格段の技術的改良がなされて、現在、医学等の各分野で広く活用されている(非特許文献8)。そして、各種疾病、特に免疫に係る病気の遺伝子からの解明がなされ、ある程度の成果が得られている。
これらの方法は、現在一般的に使用されいるが、蛍光色素で標識した核酸プローブと標的核酸のハイブリダイゼーション反応を行った後、ハイブリダイズしなかった当該核酸プローブを反応系から洗い流す必要があるという好ましくない手順を有している。このような手順を除くと測定時間の短縮、測定の簡便性、測定の正確性をもたらすことは明らかである。そこで、このような手順を有さない核酸測定方法の開発が望まれていた。
また、従来の多型解析方法においては、遺伝子増幅について定量性をもたないPCRを用いてなされていたために、標的遺伝子を増幅する前の初期の遺伝子の量や多型の構成比まで解析することが出来なかった。
Glazer et al., Nature 359:959,1992 実験医学、15巻、7号、46〜51ページ、1997年、羊土社 1999年4月5日、ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社発行のパンフレット Mergney et al., Nucleic Acid Res.,22:920-928,1994. Tyagi et al., Nature Biotech.,14:303-308,1996. Davis et al.、 Nucleic acids Res.24: 702-706、1996 蛋白質・核酸・酵素;35巻、17号、1990年、共立出版株式会社 実験医学、15巻、7号、1997年、羊土社
本発明の課題は、前記の状況に鑑み、蛍光色素で標識された核酸プローブを用いる標的核酸濃度の測定方法において、より短時間に、より簡便、より正確に標的核酸の濃度を測定できる方法、それに利用する核酸プローブ類、そのプローブ類を使用した各種デバイス類を提供することである。
また、本発明の第二の課題は、標的遺伝子の多型の構成比の測定を簡便かつ迅速に行う新規な多型解析方法及びそれらに使用する試薬キット類、定量的多型解析方法で得られるデータを解析する方法をコンピュータに実行させるための手順のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、定量的多型解析のための解析装置を提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決するにあたり、以下のような種々の検討を行い、次の知見を得た。
[i]種々の核酸プローブについて詳しく検討し、試行錯誤的に多数のプローブを試作した。その結果、蛍光色素が標識されている個所とクエンチャー物質が標識されている個所の塩基鎖間でステムループ構造を形成することがないオリゴヌクレオチドからなる核酸プローブであっても、特定の位置に当該物質を標識することにより、蛍光色素の発光にクエンチャー物質が作用し、当該発光にクエンチング効果(quenching effect)を及ぼす場合があること。
[ii]核酸プローブを用いた核酸の濃度を測定する方法について検討を重ねた。その結果、蛍光色素で標識された核酸プローブが標的核酸にハイブリダイズしたときに、蛍光色素の発光が減少するという現象(蛍光消光現象)があり、特定の色素においてはその減少が顕著であり、特にその減少の程度は、蛍光色素が結合した部分の塩基の種類又は塩基配列に依存するということ。
[iii]定量的遺伝子増幅方法を用いて標的遺伝子を増幅したのち、その標的遺伝子について多型の解析を行うことにより、増幅前の標的遺伝子の量と該遺伝子の多型の構成比の測定が簡便、迅速かつ定量性よく行うことができる。
本発明は上記の知見に基づいて完成されたものである。
すなわち、本発明は、
1)標的核酸にハイブリダイズしうる一本鎖のオリゴヌクレオチドに蛍光色素およびクエンチャー物質を標識してなる核酸プローブであって、当該核酸プローブが標的核酸にハイブリダイズしているときはハイブリダイゼーション反応系の蛍光強度が増加するように、蛍光色素とクエンチャー物質が当該オリゴヌクレオチドに標識され、かつ前記オリゴヌクレオチドは蛍光色素が標識されている個所とクエンチャー物質が標識されている個所の塩基間でステムループ構造を形成することがないことを特徴とする核酸測定用の新規核酸プローブ、または、
2)蛍光色素およびクエンチャー物質が一本鎖のオリゴヌクレオチドの同一ヌクレオチドの個所に標識されている前記1)に記載の核酸測定用の新規核酸プローブ、または、
3)蛍光色素が標識されている個所の塩基とクエンチャー物質が標識されている個所の塩基の距離が、塩基数にて、1〜20、または、{(3から8の任意の整数)+10n}(ただし、nは0を含む整数)である前記1)に記載の核酸測定用の新規核酸プローブ、または、
4)一本鎖のオリゴヌクレオチドが、標的核酸と同鎖長である前記1)〜3)のいずれか1に記載の核酸測定用の新規核酸プローブ、または、
5)少なくとも一つの蛍光色素で標識された核酸プローブであって、標的核酸にハイブリダイゼーションしたときに、上記蛍光色素が、その発光を減少させる核酸プローブであり、かつ、当該プローブは、5’末端のリン酸基または3’末端のリボース若しくはデオキシリボースの3’位のOH基以外の部分で前記蛍光色素で標識されており、当該核酸プローブが、前記標的核酸にハイブリダイゼーションしたとき、当該修飾部の塩基から1〜3塩基離れて(修飾部の塩基を1と数える。)、標的核酸の塩基配列にG(グアニン)が少なくとも1塩基存在するように、当該プローブの塩基配列が設計されており、かつ蛍光色素で標識された核酸プローブが標的核酸にハイブリダイゼーションしたときに、前記蛍光色素が、その発光を減少させることを特徴とする標的核酸の濃度測定用の蛍光色素で標識された核酸プローブ、また、
6)少なくとも一つの蛍光色素で標識された核酸プローブであって、標的核酸にハイブリダイゼーションしたときに、上記蛍光色素が、その発光を減少させる核酸プローブであり、かつ、当該プローブは、5’末端のリン酸基またはは3’末端のリボース若しくはデオキシリボースの3’位のOH基以外の部分で前記蛍光色素で標識されており、当該核酸プローブが、前記標的核酸にハイブリダイゼーションしたとき、当該修飾部の塩基から1〜3塩基離れて(修飾部の塩基を1と数える。)、プローブ−核酸ハイブリッドの複数塩基対が少なくとも一つのG(グアニン)とC(シトシン)のペアーを形成するように、当該プローブの塩基配列が設計されており、かつ蛍光色素で標識された核酸プローブが標的核酸にハイブリダイゼーションしたときに、前記蛍光色素が、その発光を減少させることを特徴とする標的核酸の濃度測定用の蛍光色素で標識された核酸プローブ、また、
7)蛍光色素で標識された核酸プローブが標的核酸にハイブリダイゼーションしたときに、前記蛍光色素が、その発光を減少させる核酸プローブであり、かつ、当該プローブは、その5’末端部のリン酸基および3’末端部のリボース若しくはデオキシリボースの3’位のOH基において前記蛍光色素で標識されており、当該核酸プローブがに当該両末端部おいて標的核酸にハイブリダイゼーションしたとき、当該プローブにハイブリダイゼーションした標的核酸の末端塩基から1ないし3塩基離れて(末端塩基を1と数える。)、プローブ−核酸ハイブリッドの塩基対が少なくとも一つのG(グアニン)とC(シトシン)のペアーを形成するように、当該プローブの塩基配列が設計されており、かつ蛍光色素で標識された核酸プローブが標的核酸にハイブリダイゼーションしたときに、前記蛍光色素が、その発光を減少させることを特徴とする標的核酸の濃度測定用の蛍光色素で標識された核酸プローブ、また、
8)核酸プローブが、3’末端のリボース若しくはデオキシリボースの3’炭素の水酸基、又は3’末端のリボースの3’若しくは2’炭素の水酸基がリン酸化されている前記1)〜7)の何れか1に記載の標的核酸の濃度測定用の蛍光色素で標識された核酸プローブ、または、
9)核酸プローブの5’末端又は/及び3’末端のリン酸基が蛍光色素で標識されている前記1)〜7)の何れか1に記載の標的核酸の濃度測定用の蛍光色素で標識された核酸プローブ、または、
10)核酸測定用核酸プローブのオリゴヌクレオチドが、化学的に修飾した核酸である前記1)〜9)の何れか1に記載の標的核酸の濃度測定用の蛍光色素で標識された核酸プローブ、または、
11)化学的に修飾した核酸が2’−−メチルオリゴヌクレオチド、2’−−エチルオリゴヌクレオチド、2’−−ブチルオリゴヌクレオチド、2’−−エチレンオリゴヌクレオチド、又は2’−−ベンジルオリゴヌクレオチドである前記10)に記載の標的核酸の濃度測定用の蛍光色素で標識された核酸プローブ、または、
12)核酸測定用核酸プローブのオリゴヌクレオチドが、リボヌクレオチドとデオキシリボヌクレオチドを含むキメリックオリゴヌクレトチド(chimeric oligonucleotide)である前記1)〜11)の何れか1に記載の標的核酸の濃度測定用の蛍光色素で標識された核酸プローブ、または、
13)キメリックオリゴヌクレトチドが、2’−−メチルオリゴヌクレオチド、2’−−エチルオリゴヌクレオチド、2’−−ブチルオリゴヌクレオチド又は2’−−ベンジルオリゴヌクレオチドを介在するものである前記12)に記載の標的核酸の濃度測定用の蛍光色素で標識された核酸プローブ、または、
14)前記1)〜13)のいずれか1に記載の核酸プローブを標的核酸にハイブリダイズさせ、測定系の蛍光強度を測定することを特徴とする標的核酸の濃度測定方法、または、
15)前記1)〜13)の何れか1に記載の核酸測定用核酸プローブを、標的核酸にハイブリダイゼーションさせ、ハイブリダイゼーション前後における蛍光色素の発光の変化量を測定することを特徴とする標的核酸の濃度測定方法、または、
16)前記10)〜13)のいずれか1に記載の核酸プローブを用いて標的核酸の濃度を測定する方法において、標的核酸の高次構造が十分に破壊されるに適した条件でその標的核酸を加熱処理後、核酸プローブと標的核酸をハイブリダイゼーションさせることを特徴とする標的核酸の濃度測定方法、または、
17)ハイブリダイゼーション反応前にハイブリダイゼーション反応系にハイブリダイゼーション反応実施のためのヘルパープローブを添加する前記16)に記載の標的核酸の濃度測定方法、または、
18)標的核酸の多型(polymorphism)又は/及び変異(mutation)を解析若しくは測定する方法において、前記1)〜13)の何れか1に記載の核酸プローブを標的核酸にハイブリダイゼーションさせ、蛍光強度の変化量を測定することを特徴とする標的核酸の多型又は/及び変異を解析若しくは測定する方法、または、
19)標的遺伝子を定量的遺伝子増幅方法で増幅し、その標的遺伝子について多型解析することにより標的遺伝子の量及び該遺伝子の多型の構成比もしくは各成分の量の測定を行うことを特徴とする新規な定量的多型解析方法、または、
20)多型解析がT−RFLP(terminal restriction fragment length polymorphism)、RFLP(restriction fragment length polymorphism)方法、SSCP(single strand conformation)方法、またはCFLP(cleavage fragment length polymorphism)方法である前記19)に記載の定量的多型解析方法、または、
21)定量的遺伝子増幅方法が、定量的PCR方法である前記19)または20)に記載の定量的多型解析方法、または、
22)定量的PCR方法が前記1)〜13)の何れか1に記載の核酸プローブを用いるものである前記21)に記載の定量的多型解析方法、または、
23)定量的PCR方法において、前記1)〜13)の何れか1に記載の核酸プローブをプライマーとして用い、蛍光色素の発光の変化量を測定する前記21)に記載の定量的多型解析方法、または、
24)定量的PCR方法がリアルタイムモニタリング定量的PCR方法である前記21)〜23)の何れか1に記載の定量的多型解析方法、または、
25)標的核酸の濃度を測定するキットにおいて、前記1)〜13)の何れか1に記載の核酸プローブを含有又は付帯することを特徴とする標的核酸の濃度測定用キット、または、
26)ヘルパープローブを含有又は付帯する前記25)に記載の標的核酸の濃度測定用キット、または、
27)標的核酸の多型又は/及び変異を解析若しくは測定する測定キットにおいて、前記1)〜13)の何れか1に記載の核酸プローブを含有することを特徴とする標的核酸の多型又は/及び変異を解析若しくは測定するためのキット、または、
28)ヘルパープローブを含有又は付帯する前記27)に記載の標的核酸の多型又は/及び変異を解析若しくは測定するための測定キット、または、
29)前記19)〜24)の何れか1に記載の定量的多型解析方法における定量的PCR方法に使用する試薬キットにおいて、前記1)〜13)の何れか1にに記載の核酸プローブを含有するか、もしくは添付されていることを特徴とする定量的PCR用試薬キット、または、
30)前記1)〜13)の何れか1に記載の核酸プローブを複数個固体支持体表面に結合させ、標的核酸を対応する核酸プローブにハイブリダイゼーションさせて、蛍光強度の変化量を測定することにより、標的核酸の濃度を測定することができるようにしたことを特徴とする複数種の核酸のうち少なくとも一種の標的核酸の濃度を測定するためのデバイス、または、
31)前記30)に記載の核酸測定用デバイスにおいて、核酸プローブが固体支持体表面にアレー状に配列、結合させた単数種若しくは複数種の核酸の濃度をそれぞれ測定するためのデバイス、または、
32)固体支持体表面に結合させられた核酸プローブ毎に、反対側の表面に少なくとも一つの温度センサーとヒーターが設置され、前記対応する核酸プローブ結合領域が最適温度条件になるように温度調節され得る前記30)又は31)に記載の複数種の核酸のうちの少なくとも一種の標的核酸の濃度を測定するためのデバイス、または、
33)前記30)〜32)の何れか1に記載の核酸測定用デバイスを用いて標的核酸を測定することを特徴とする複数種の核酸のうちの少なくとも一種の標的核酸の濃度測定方法、または、
34)前記30)〜32)の何れか1に記載の核酸測定用デバイスを用いることを特徴とする標的核酸の多型又は/及び変異を解析若しくは測定する方法、または、
35)前記30)〜32)の何れか1に記載の核酸測定用デバイスを用いることを特徴とする定量的多型解析方法、または、
36)標的核酸が、純粋分離して得た微生物由来、もしくは動物由来の細胞内に含まれるかもしくはそれら細胞のホモジネートに含まれる核酸である前記14)〜17)の何れか1に記載の標的核酸の濃度の測定方法、または、
37)標的核酸が、複合微生物系、あるいは共生微生物系の細胞内もしくは細胞のホモジネートの核酸である前記18)に記載の標的核酸の多型又は/及び変異を解析若しくは測定する方法、または、
38)標的核酸が、複合微生物系、あるいは共生微生物系の細胞内もしくは細胞のホモジネートの核酸である前記19)〜24)の何れか1に記載の定量的多型解析方法、または、
39)PCR方法において、前記1)〜13)の何れか1に記載の核酸プローブを用いて反応を行い、当該プローブと増幅標的核酸とのハイブリダイゼーションにより発生する蛍光強度値の変化率から増幅された標的核酸の初期濃度を測定することを特徴とするPCR方法に用いる標的核酸の濃度測定方法、または、
40)PCR方法において、前記1)〜13)の何れか1に記載の核酸プローブをプライマーとして反応を行い、当該プライマーあるいは当該プライマーから増幅された増幅核酸と増幅標的核酸とのハイブリダイゼーションにより発生する蛍光強度値の変化率から増幅された標的核酸の初期濃度を測定することを特徴とするPCR方法を用いる標的核酸の測定方法、または、
41)PCR方法において、前記1)〜13)の何れか1に記載の核酸プローブを用いて反応を行い、核酸伸長反応時当該プローブがポリメラーゼにより分解除去されている反応系又は核酸変性反応時若しくは核酸変性反応が完了している反応系の蛍光強度値と標的核酸若しくは増幅標的核酸が該核酸プローブとハイブリダイズしているときの反応系の蛍光強度値を測定し、前者からの蛍光強度値の変化率を算出することを特徴とするPCRで増幅された標的核酸の初期濃度を測定する方法、または、
42)PCR方法において、前記1)〜13)の何れか1に記載の核酸プローブをプライマーとして反応を行い、当該プローブと標的核酸若しくは増幅標的核酸がハイブリダイズしていない反応系の蛍光強度値と該核酸プローブが標的核酸若しくは増幅標的核酸とハイブリダイズしているときの反応系の蛍光強度値を測定し、前者の蛍光強度値の減少率を算出することを特徴とするPCRで増幅された標的核酸の初期濃度を測定する方法、または、
43)PCR方法がリアルタイム定量的PCR方法である前記41)又は42)に記載のPCRで増幅された標的核酸の初期濃度を測定する方法、または、
44)前記14)〜24)の何れか1、又は前記33)〜43)の何れか1に記載の核酸測定法で得られたデータを解析する方法において、標的核酸が蛍光色素で標識された核酸プローブとハイブリダイズした後の反応系の蛍光強度値を、そのように形成されたプローブ−核酸ハイブリッド複合体が解離した後で得られる反応系の蛍光強度値により補正することを特徴とする標的核酸の濃度測定方法のためのデータ解析方法、または、
45)前記43)に記載のリアルタイム定量的PCR方法で得られたデータを解析する方法において、各サイクルにおける増幅した核酸が蛍光色素と結合した後、あるいは増幅した核酸が蛍光色素で標識された核酸プローブとハイブリダイズした後の反応系の蛍光強度値を、各サイクルにおける形成された蛍光色素−核酸複合体、あるいはそのようにして形成されたプローブ−核酸ハイブリッド複合体が解離した後で得られる反応系の蛍光強度値により補正する演算処理過程(以下、補正演算処理過程という。)を有することを特徴とするリアルタイム定量的PCR方法のためのデータ解析方法、または、
46)前記45)に記載の補正演算処理過程が、次の〔数式1〕あるいは〔数式2〕によるものである前記45)に記載のリアルタイム定量的PCR方法のためのデータ解析方法、または、
n=fhyb,n/fden,n 〔数式1〕
n=fden,n/fhyb,n 〔数式2〕
〔式中、
n:〔数式1〕あるいは〔数式2〕により算出されたnサイクルにおける補正演算処理値、
hyb,n:n次サイクルにおいて、増幅した核酸が蛍光色素と結合した後、あるいは増幅した核酸が蛍光色素で標識された核酸プローブとハイブリダイズした後の反応系の蛍光強度値、
den,n:n次サイクルにおける、形成された蛍光色素−核酸複合体、あるいは形成されたプローブ−核酸ハイブリッド複合体が解離した後の反応系の蛍光強度値〕
47)前記43)に記載のリアルタイム定量的PCR方法で得られたデータを解析する前記46)に記載の方法において、各サイクルにおける〔数式1〕あるいは〔数式2〕により算出された補正演算処理値を次の〔数式3〕あるいは〔数式4〕に代入し、各サイクルにおける各サンプル間の蛍光変化割合あるいは蛍光変化率を算出し、それらを比較することを特徴とするリアルタイム定量的PCR方法のためのデータ解析方法、または、
n=fn/fa 〔数式3〕
n=fa/fn 〔数式4〕
〔式中、
n:n次サイクルにおける、〔数式3〕あるいは〔数式4〕により算出された蛍光変化割合あるいは蛍光変化率、
n:〔数式1〕あるいは〔数式2〕による補正演算処理値
a:〔数式1〕あるいは〔数式2〕による補正演算処理値で、fnの変化が観察される以前の任意のサイクル数のもの〕
48)前記43)に記載のリアルタイム定量的PCR方法で得られたデータを解析する前記47)に記載の方法において、
(1)〔数式3〕あるいは〔数式4〕により算出された蛍光変化割合あるいは蛍光変化率のデータを用いて、〔数式5〕、〔数式6〕あるいは〔数式7〕による演算処理する過程、
logb(Fn)、ln(Fn) 〔数式5〕
logb{(1−Fn)×A}、ln{(1−Fn)×A} 〔数式6〕
logb{(Fn−1)×A}、ln{(Fn−1)×A} 〔数式7〕
〔式中、
A、b:任意の数値、
n:〔数式3〕あるいは〔数式4〕により算出されたn次サイクルにおける蛍光変化割合あるいは蛍光変化率〕、
(2)前記(1)の演算処理値が一定値に達したサイクル数を求める演算処理過程、
(3)既知濃度の核酸試料におけるサイクル数と反応開始時の標的核酸のコピー数の関係式を計算する演算処理過程、
(4)未知試料におけるPCR開始時の標的核酸のコピー数を求める演算処理過程、を有することを特徴とするリアルタイム定量的PCR方法のためのデータ解析方法、または、
49)標的核酸について前記1)〜13)の何れか1に記載の核酸プローブを用いてPCRを行い、標的核酸の融解曲線の分析を行って各増幅核酸のTm値を求めることを特徴とする標的核酸の融解曲線の分析方法、または、
50)前記45)〜48)の何れか1に記載のリアルタイム定量的PCR方法のためのデータ解析方法において、PCR法により増幅された核酸を、低い温度から核酸が完全に変性するまで、温度を徐々に上げる過程、この過程において、所定の時間間隔で蛍光強度を測定する過程、測定結果を時間に対する関数としてデスプレー上に表示して核酸の融解曲線をデスプレー上に描く過程、この融解曲線を微分して微分した値(−dF/dT、F:蛍光強度、T:時間)を得る過程、前記微分した値を微分値としてデスプレー上に表示する過程、その微分値から変曲点を求める過程、を有することを特徴とするリアルタイム定量的PCR方法のためのデータ解析方法、を提供する。
本発明は次のような効果を有する。
1)第1発明(蛍光発光プローブ):
本発明のプローブはステムループを形成することのない一本鎖のデオキシリボオリゴヌクレオチドに蛍光色素とクエンチャー物質を単に結合させてなるものであるので、標的核酸にハイブリダイズするプローブの塩基配列の設計は、繁雑でなく容易である。また、標的核酸にハイブリダイズする前は、蛍光色素の発光がクエンチャー物質によって抑制されているので、測定のバックグランドが極めて低い。それで、標的核酸の測定が正確である。しかも、簡便で、短時間に測定できる。
2)第2発明(蛍光消光プローブ):
(1)本発明のプローブは、一本鎖のデオキシリボオリゴヌクレオチドに特定の蛍光色素を単に結合させてなるものであるが、当該プローブが非ハイブリダイゼーション系からハイブリダイゼーション系に反応系が移行したとき蛍光強度が減少するように設計されている。それで当該プローブの設計は繁雑でなく容易である。結果として、標的核酸の測定が正確、かつ簡便でる。
(2)特に化学的修飾オリゴヌクレオチドなどからなる本発明の蛍光消光プローブ、またキメリックオリゴヌクレオチドなどからなる本発明の蛍光消光プローブは、複雑な構造を有するRNA、特にtRNAなどの核酸を測定するために開発されたものである。本発明によりこれらの核酸を容易簡便かつ正確に測定できるようになった。
3)第三発明(上記の本発明の蛍光発光プローブ、蛍光消光プローブの利用に関する発明):
(1)本発明の蛍光発光プローブ若しくは蛍光消光プローブを使用すると、それらを含有若しくは付帯する、標的核酸の濃度を測定する測定キット、当該プローブを結合してなるDNAチップなどの核酸チップ若しくは核酸デバイスが、簡便、容易に製造できる。
(2)本発明の前記プローブ、測定キット、核酸チップ若しくは核酸デバイスを用いると、測定系から未反応の核酸プローブを除く等の操作をすることがないので、標的核酸の濃度を短時間でかつ簡便に測定できる、
(3)また、複合微生物系又は共生微生物系に適用すると、当該系における特定菌株の存在量を特異的かつ短時間に測定できる。
(4)本発明は標的核酸若しくは遺伝子のSNPなどの多型又は変異などの解析若しくは測定が、簡便かつ正確になる。
(5)また、前記本発明のプローブを用いる定量的PCR方法は、次のような効果を有する。
a.TaqDNAポリメラーゼによる標的核酸の増幅に阻害的に作用する因子が添加されていないことから、従来公知の特異性のある通常のPCRと同様の条件で定量的PCRを行うことができる。
b.また、PCRの特異性を高く保つことができるので、プライマーダイマーの増幅が遅くなることから、従来公知の定量的PCRと比較すると定量限界が約1桁のオーダー低くなる。
c.複雑な核酸プローブを用意する必要がないので、それに要する時間と費用が節約できる。
d.標的核酸の増幅効果も大きく、増幅過程をリアルタイムでモニタリングすることができる。
(6)本発明は、本発明の蛍光発光プローブ、蛍光消光プローブを用いたリアルタイム定量的PCR方法で、得られたデータを解析するデータ解析方法を提供している。
(7)そして、当該データ解析方法を用いて、未知コピー数の核酸試料について核酸のコピー数を求める検量直線を作成すると、検量線の相関係数は従来の方法により得られたものに較べて格段に高い。それで、本発明のデータ解析方法を用いると核酸の正確なコピー数を求めることができる。
(8)また、本発明のリアルタイム定量的PCR方法によって得られたデータの解析方法に係るデータ解析用ソフトウエア、また、その解析方法の手順をプログラムとして記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、また、それを用いたリアルタイム定量的PCRの測定若しくは解析装置を用いると、相関係数の高い検量直線を自動的に作成することができる。
(9)また、本発明の新規な核酸の融解曲線の分析方法を用いると、精度の高い、核酸のTm値を求めることができる。更に、当該方法に係るデータ解析用ソフトウエア、また、その分析方法の手順をプログラムとして記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、また、それを用いたリアルタイム定量的PCRの測定若しくは解析装置を用いると、正確なTm値を求めることができる。
(10)定量的多型解析方法
標的遺伝子の量及び該遺伝子の多型の構成比の測定は、本発明の新規な定量的PCR方法を用いて標的核酸を増幅し、その増幅核酸について行うものである。増幅核酸は蛍光色素で標識されている。それで、多型の解析では蛍光色素をマーカとして分析できるので、多型の解析は、簡便、迅速かつ定量性よく行うことができる。
次に好ましい実施の形態を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
本発明は三つの発明からなる。
第一の発明の特徴は、標的核酸にハイブリダイズする一本鎖のオリゴヌクレオチドに蛍光色素およびクエンチャー物質を標識してなる核酸プローブであって、当該核酸プローブが標的核酸にハイブリダイズしているときは、ハイブリダイゼーション反応系の蛍光強度が増加するように、蛍光色素とクエンチャー物質が、当該オリゴヌクレオチドに標識され、かつ蛍光色素が標識されている個所とクエンチャー物質が標識されている個所の塩基鎖間でステムループ構造を形成することがないオリゴヌクレオチドであることを特徴とする核酸測定用の新規核酸プローブである。それで、以下、簡便化のために本発明の核酸プローブを、蛍光発光プローブ、または、第一発明の核酸プローブ、と称する場合もある。
次に本発明の第二の発明の特徴は、蛍光色素で標識された核酸プローブであって、当該核酸プローブが標的核酸にハイブリダイズしたとき、ハイブリダイゼーション前後で蛍光色素の発光が減少量するものである。尚、本発明の核酸プローブを、簡便化のために、蛍光消光プローブ、または、第二発明の核酸プローブ、と称する場合がある。
また、本発明の第三の発明の特徴は、前記の蛍光発光プローブ及び蛍光消光プローブの各種の利用に関するものである。
本発明において使用する技術用語について、以下説明する。
本発明において、プローブ−核酸ハイブリッド複合体とは、本発明の蛍光色素で標識された核酸プローブが標的核酸とハイブリダイズした状態のもの(複合体)のことを云う。そして簡便化のために、以下、核酸ハイブリッド複合体と略称する。
また、蛍光色素−核酸複合体とは、蛍光色素が標的核酸と結合した複合体のことを云う。例えば、2重鎖核酸内にインターカレターが結合した状態ものを挙げることができる。
また、本発明において、核酸プローブ、ハイブリダイズ、ハイブリダイゼーション、ステムループ構造、クエンチング、クエンチング効果、DNA、RNA、cDNA、mRNA、rRNA、XTPs、dXTPs、NTPs、dNTPs、核酸プローブ、ヘルパー核酸プローブ(又は核酸ヘルパープローブ、又は単にヘルパープローブ)、インターカレーター、プライマー、アニーリング、伸長反応、熱変性反応、核酸融解曲線、PCR、RT-PCR、RNA-primed PCR、 Stretch PCR、 逆PCR、 Alu配列を利用したPCR、多重PCR、 混合プライマーを用いたPCR、PNAを用いたPCR法、ハイブリダイゼーションアッセイ方法(hybridization assays)、FISH(fluorescent in situ hybridization assays)方法、PCR方法(polymerase chain assays )、LCR方法(ligase chain reaction)、SD方法(strand displacement assays)、競合的ハイブリダイゼーション方法(competitive hybridization)、DNAチップ、核酸検出用(遺伝子検出用)デバイス、SNP(スニップ:一塩基置換多型)、複合微生物系等の用語は、現在、分子生物学、遺伝子工学、微生物工学等で一般的に使用されている用語と同じ意味である。
“標的遺伝子”及び“標的核酸”とは、存在量若しくは濃度の測定・定量若しくは定性的検出の対象である核酸または遺伝子のことをいう。精製の有無を問わない。また、濃度の大小も問わない。各種の核酸が混在していてもよい。例えば、複合微生物系(複数微生物のRNA若しくは遺伝子DNAの混在系)又は共生微生物系(複数の動植物及び/又は複数の微生物のRNA若しくは遺伝子DNAの混在系)における濃度の測定を目的とする特定核酸である。尚、標的核酸の精製が必要な場合は従来公知の方法で行うことができる。例えば、市販されている精製キット等を使用して行うことができる。上記の核酸の具体例として、DNA、RNA、PNA、オリゴデオキシリボヌクレオチド(oligodeoxyribonucleotides)、オリゴリボヌクレオチド(oligoribonucleotides)等、また、前記核酸のキメラ(chimera)核酸等を例示することができる。
本発明において標的核酸の濃度を測定するとは、測定系の単数種若しくは複数種の核酸について、濃度を定量をすること、定性的検出をすること、単なる検出をすること、または、多型・変異などの解析をすることなどを云う。尚、複数種の核酸の場合は、同時に複数種の核酸の定量的検出、同時に複数種の核酸の単なる検出、または、同時に複数種の核酸の多型・変異などの解析をすることなどは、当然本発明の技術的範囲内のものである。
標的核酸濃度測定用デバイスとは各種のDNAチップなどのことをいう。その具体例としては、とりもなおさず各種のDNAチップを挙げることができる。本発明においては本発明の核酸プローブが適用できるならば、どのような形式のDNAチップでもよい。
蛍光色素で標識された核酸プローブ(以下、単に本発明の核酸プローブ又は本発明のプローブという。)を用いて、標的核酸の濃度を測定する方法(以下、簡便化のために、単に核酸測定方法という。)とは、ハイブリダイゼーション方法(hybridization assays)、FISH方法(fluorescent in situ hybridization assays)、PCR方法(polymerase chain assays)、LCR方法(ligase chain reaction)、SD方法(strand displacement assays)、競合的ハイブリダイゼーション方法(competitive hybridization)などの方法により標的核酸の濃度を測定することをいう。
蛍光発光プローブから説明する。
本プローブの特徴は、標的核酸にハイブリダイズしていないときは、蛍光色素の発光が、クエンチャー物質により、阻害されているが、ハイブリダイズしているときは、その阻害が解除され、蛍光強度が増加するプローブである。
本発明において蛍光色素とは、一般に核酸プローブに標識して、核酸の測定・検出に用いられている蛍光色素の類である。例えば、フルオレセイン(fluorescein)又はその誘導体類{例えば、フルオレセインイソチオシアネート(fluorescein isothiocyanate)(FITC)若しくはその誘導体等}、Alexa 488、Alexa 532、cy3、cy5、6-joe、EDANS、ローダミン(rhodamine)6G(R6G)又はその誘導体(例えば、テトラメチルローダミン(teramethylrhodamine)(TMR)、テトラメチルローダミンイソチオシアネート(tetramethylrhodamine isothiocyanate)(TMRITC)、x−ローダミン(x-rhodamine)、テキサスレッド(Texas red)、ボデピー(BODIPY)FL(商標名;モレキュラー・プローブ(Molecular Probes)社製、米国)、ボデピー(BODIPY)FL/C3(商標名;モレキュラー・プローブ(Molecular Probes)社製、米国)、ボデピー(BODIPY)FL/C6(商標名;モレキュラー・プローブ(Molecular Probes)社製、米国)、ボデピー(BODIPY)5-FAM(商標名;モレキュラー・プローブ(Molecular Probes)社製、米国)、ボデピー(BODIPY)TMR(商標名;モレキュラー・プローブ(Molecular Probes)社製、米国)、又はその誘導体(例えば、ボデピー(BODIPY)TR(商標名;モレキュラー・プローブ(Molecular Probes)社製、米国)、ボデピー(BODIPY)R6G(商標名;モレキュラー・プローブ(Molecular Probes)社製、米国)、ボデピー(BODIPY)564(商標名;モレキュラー・プローブ(Molecular Probes)社製、米国)、ボデピー(BODIPY)581(商標名;モレキュラー・プローブ(Molecular Probes)社製、米国)等を挙げることができる。これらの中でも、FITC、EDANS、テキサスレッド、6-joe、TMR、Alexa 488、Alexa 532、ボデピー(BODIPY)FL/C3、ボデピー(BODIPY)FL/C6等を好適なものとして、また、EDANS、テキサスレッド、FITC、TMR、6-joe、ボデピー(BODIPY)FL/C3、ボデピー(BODIPY)FL/C6をより好適なものとして挙げることができる。
クエンチャー物質とは、前記蛍光色素に作用して、その発光を抑制もしくは消光する物質である。例えば、Dabcyl、QSY7(モルキュラー・プローブ)、QSY33(モルキュラー・プローブ)、Ferroceneまたはその誘導体、methyl viologen、N,N'-dimethyl-2,9-diazopyreniumなど、好適にはDabcylなどを挙げることができる。
前記のような、蛍光色素およびクエンチャー物質を、オリゴヌクレオチドの特定の位置に標識することにより、蛍光色素の発光は、クエンチャー物質によりクエンチング効果を受ける。
本発明において、本発明の核酸プローブを形成し、蛍光色素が標識されている個所とクエンチャー物質が標識されている個所の塩基鎖間でステムループ構造を形成することのない一本鎖のオリゴヌクレオチドとは、蛍光色素が標識されている個所とクエンチャー物質が標識されている個所の塩基鎖間で、少なくも2か所以上の個所の塩基配列の相補性から、自己鎖中において2重鎖を形成し、ステムループ構造を形成することのないオリゴヌクレオチドのことを云う。
本発明の核酸プローブが標的核酸にハイブリダイズしているときは、ハイブリダイゼーション反応系の蛍光強度が増加するように、蛍光色素とクエンチャー物質を、本発明のオリゴヌクレオチドに標識するには、以下のように行えばよい。蛍光色素が標識されている個所の塩基とクエンチャー物質が標識されている個所の塩基の距離は、塩基数にしてゼロ即ち蛍光色素およびクエンチャー物質が一本鎖のオリゴヌクレオチドの同一のヌクレオチドの個所に標識するか、または、塩基数にて1〜20、または、{(3から8の任意の整数)+10n}(ただし、nは0を含む整数)である。好ましくは、一本鎖のオリゴヌクレオチドの同一のヌクレオチドの個所、または、4〜8若しくはそれらの中の任意の数に10を加算したものである。より好ましくは一本鎖のオリゴヌクレオチドの同一のヌクレチドの個所、または、4〜8である。このように、各物質をオリゴヌクレオチドに標識するのがよい。しかしながら、塩基の間隔は、プローブの塩基配列、修飾に用いる蛍光色素とクエンチャー物質、それらをオリゴヌクレオチドに結合させるリンカーの長さなどに強く依存する。それで、塩基間隔を完全に特定するのはむずかしく、前記の塩基間隔はあくまでも一般的例であり、例外的なものが多い。
標識する個所は、一本鎖のオリゴヌクレオチドの同一ヌクレオチドの個所に標識する場合、一方を塩基に、他方を塩基以外の部分、即ちリン酸部、またはリボース部もしくはデオキシリボース部に標識するのが好適である。尚、この場合、3’末端部または5’末端部に標識するのが好適である。
または、蛍光色素とクエンチャー物質を標識する塩基の距離を塩基数にて、塩基数にて1〜20、または、{(3から8の任意の整数)+10n}(ただし、nは0を含む整数)、好ましくは、または、4〜8若しくはそれらの中の任意の数に10を加算したもの、より好ましくは、4〜8であるようにする場合、各物質をオリゴヌクレオチドの鎖中に標識してもよく、また一方をオリゴヌクレオチドの5’末端または3’末端に標識し、対応する他の物質を鎖中に標識してもよい。好ましくは蛍光色素またはクエンチャー物質をオリゴヌクレオチドの5’末端または3’末端に、対応するクエンチャー物質または蛍光色素をそれらの末端から、上記の塩基数の塩基に標識するのがよい。この場合、3’末端部、または5’末端部に標識するとき、塩基、リン酸部、またはリボース部もしくはデオキシリボース部に、好ましくはリン酸部、リボース部もしくはデオキシリボース部に、より好ましくはリン酸部に標識するのがよい。また鎖中に標識する場合は、鎖中の塩基に標識するのが好適である。
尚、前記の各場合において塩基に修飾する場合、修飾可能なところであればどこでもよいのであるが、例えば、プリン塩基のOH基、アミノ基、2位のN、7位のN、8位のC、また、ピリミジン塩基のOH基、アミノ基、メチル基、2位のNに修飾するのがよい(ANALYTICAL BIOCHEMISTRY、225巻、32〜38頁、1998年)。
標的核酸にハイブリダイズさせる本発明の核酸プローブは、オリゴデオキシリボヌクレオチドで構成されていてもよいし、オリゴリボヌクレオチドで構成されていてもよい。また、それらの両方を含むキメリックオリゴヌクレオチド(chimeric oligonucleodite)でもよい。それらのオリゴヌクレオチドは化学的修飾を受けたものでもよい。化学的修飾を受けたオリゴヌクレオチドをキメリックオリゴヌクレオチドの鎖中に介在させてもよい。
前記の化学的修飾を受けたオリゴヌクレオチドの修飾部位として、オリゴヌクレオチド末端部の末端水酸基若しくは末端リン酸基、インターヌクレオシドリン酸部位、ピリミジン環の5位の炭素、ヌクレオシドの糖(リボース若しくはデオキシリボース)部位を挙げることができる。好適にはリボース若しくはデオキシリボース部位を挙げることができる。具体的には、2'-o−アルキルオリゴリボヌクレオチド(2'-o-alkyloligoribonucleotides)(以下、2'-o-を2-o-に略記する。)、2-o-アルキレンオリゴリボヌクレオチド(2-o-alkyleneoligoribonucleotides)、2-o-ベンジルオリゴリボヌクレオチド(2-o-benzyloligoribonucleotides)を例示することができる。当該オリゴヌクレオチドは、オリゴリボヌクレオチドの任意の位置の単数若しくは複数のリボースの2’位炭素のOH基がアルキル基、アルキレン基若しくはベンジル基で修飾(エーテル結合で)されているものである。本発明においては、好適には、2-o−アルキルオリゴリボヌクレオチドのなかでも、2-o-メチルオリゴリボヌクレオチド、2-o-エチルオリゴリボヌクレオチド、2-o−ブチルオリゴリボヌクレオチドが、2−o−アルキレンオリゴリボヌクレオチドの中では、2-o−エチレンオリゴリボクレオチドが、及び2-o-ベンジルオリゴリボヌクレオチドが、特に好適には、2-o-メチルオリゴリボヌクレオチド(以下、単に2-O-Meオリゴリボヌクレオチドと略記する。)が用いられる。このような化学的修飾を、オリゴヌクレオチドに施すことにより、標的核酸との親和性が高まり、本発明の核酸プローブのハイブリダイゼーション効率が向上する。ハイブリダイゼーション効率が高まると、本発明の核酸プローブの蛍光色素の蛍光強度の増加率が更に向上するので、標的核酸の濃度の測定が精度が更に向上する。
尚、本発明において、オリゴヌクレオチドなる用語は、オリゴデオキシリボヌクレオチド又はオリゴリボヌクレオチド若しくはその双方を意味するもので、それらを総称するものとする。
2-o-アルキルオリゴリボヌクレオチド、2-o-アルキレンオリゴリボヌクレオチド、2-o-ベンジルオリゴリボヌクレオチドは、公知の方法(Nucleic Acids Research、 26巻、2224〜2229ページ、1998年)で合成できる。また、GENSET(株式会社)(フランス)が委託合成を行っているので、容易に入手できる。本発明者らは当該会社に当該化合物の合成を委託して実験を行って、本発明を完成した。
尚、2-O-メチルオリゴリボヌクレオチド(以下、単に2-O-Me-オリゴリボヌクレオチドという。)のような修飾されたRNAをオリゴデオキシリボヌクレオチドの中に介在させた本発明の核酸プローブは主にRNA特にrRNAの測定に用いると好ましい結果が得られる。
本発明の核酸プローブを使用してRNAを測定する場合、当該プローブとハイブリダイズさせる前に、試料であるRNA溶液を、80〜100℃、好ましくは90〜100℃、最適には93〜97℃で、1〜15分間、好ましくは2〜10分間、最適には3〜7分間、加熱処理してRNAの高次構造を破壊することがハイブリダイゼーション効率を向上させるのに好適である。
更に、本発明の核酸プローブの、ハイブリダイゼーション配列領域へのハイブリダイゼーション効率を更に上げるためにヘルパープローブ(helper probe)をハイブリダイゼーション反応溶液に添加することが好適である。この場合、ヘルパープローブのオリゴヌクレオチドはオリゴデオキシリボヌクレオチド、オリゴリボヌクレオチドでも、また、前記と同様な化学的修飾を受けたオリゴヌクレオチドでもよい。前記のオリゴヌクレオチドの一例として、フォワード(forward)型として(5')TCCTTTGAGT TCCCGGCCGG A (3')、バックワード(back ward)型若しくはリバース(reverse ward)型として(5')CCCTGGTCGT AAGGGCCATG ATGACTTGAC GT(3')なる塩基配列のものを挙げることができる。化学的修飾を受けたオリゴヌクレオチドの好適な例として、2-O-アルキルオリゴリボヌクレオチド、特に2-O-Meオリゴリボヌクレオチドを例示できる。
本発明の核酸プローブの塩基鎖が35塩基以下の場合、ヘルパープローブの利用は、特に効果的である。35塩基鎖を超える本発明の核酸プローブを使用する場合は、標的のRNAを熱変性するだけでよい場合もある。
前記のようにして、本発明の核酸プローブをRNAにハイブリダイズさせると、ハイブリダイゼーション効率が高まるので反応液中のRNAの量に応じて蛍光強度が増加し、最終RNA濃度が約150pMまでRNAを測定できるようになる。
かくして、本発明は、本発明の核酸プローブを含有若しくは付帯する、標的核酸の濃度を測定する測定キットに前記のヘルパープローブを含有、付帯させるなる、標的核酸の濃度を測定する測定キットでもある。
核酸プローブを用いる従来のハイブリダイゼーション方法によるRNAの測定において、核酸プローブとしてオリゴデオキシリボヌクレオチド体又はオリゴリボヌクレオチド体が用いられてきた。RNAはそれ自体が強固な高次構造をとるため、プローブと標的RNAとのハイブリダイゼーション効率が悪く、定量性に乏しかった。そのために、RNAを変性させた後、メンブランに固定してからハイブリダイゼーション反応を行うという繁雑性を従来方法は有していた。これに対して、前記の本発明方法は、RNAの特定構造部と高い親和性を有するリボース部修飾核酸プローブを用いているので、従来方法に較べて高い温度でハイブリダイゼーション反応を行うことができる。それで、RNAの高次構造の前記悪影響は、前処理としての加熱変性処理、ヘルパープローブの併用だけで克服可能である。これにより本発明方法においてハイブリダイゼーション効率は実質的に100%になり、定量性が向上する。また、従来方法に較べて格段に簡便になる。
本発明のプローブの塩基数は5〜50であり、好ましくは10〜25、特に好ましくは15〜20である。50を超える場合は、FISH方法に用いたとき細胞膜の透過性が悪くなり、本発明の適用範囲を狭めることになる。5未満の場合は、非特異的ハイブリダイゼーションが惹起し易くなり、測定誤差が大きくなる。
本発明の核酸プローブのオリゴヌクレオチドは、通常の一般的オリゴヌクレオチドの製造方法で製造できる。例えば、化学合成法、プラスミドベクター、ファージベクター等を使用する微生物法等で製造できる(Tetrahedron letters、22巻、1859〜1862頁、1981年;Nucleic acids Research、14巻、6227〜6245頁、1986年)。尚、現在、市販されている核酸合成機を使用するのが好適である(例えば、ABI394(Perkin Elmer社製、USA))。また、商業的依頼合成を引き受けている企業体があるので、塩基配列の設計だけを行ってそこに合成を依頼するのが最も簡便なやり方である。そのような企業体として、タカラ(日本)、エスペックオリゴなどを例示することができる。
オリゴヌクレオチドに蛍光色素およびクエンチャー物質を標識するには、従来公知の標識法のうちの所望のものを利用することができる(Nature Biotechnology、14巻、303〜308頁、1996年;Applied and Environmental Microbiology、63巻、1143〜1147頁、1997年;Nucleic acids Research、24巻、4532〜4535頁、1996年)。例えば、5´末端に蛍光色素またはクエンチャー物質を結合させる場合は、先ず、常法に従って5´末端のリン酸基にリンカーまたはスペーサーとして、例えば、−(CH2)n−SHまたは−(CH2)n−NH2を導入する。これらの導入体は市販されているので市販品を購入してもよい(メドランド・サーテイファイド・レージント・カンパニー(Midland Certified Reagent Company))。この場合、nは3〜8、好ましくは6、7である。このリンカーまたはスペーサーに−SH基または−NH2基に反応性を有する蛍光色素またはクエンチャー物質を反応させることによりオリゴヌクレオチドを標識できる。このようにして合成された蛍光色素で標識されたオリゴヌクレオチドは、逆相等のクロマトグラフィー等で精製して本発明の核酸プローブとすることができる。
また、オリゴヌクレオチドの3’末端に蛍光色素またはクエンチャー物質を結合させるには、リボースの2’位もしくは3’位のCのOH基、またはデオキシリボースの3’位CのOH基にリンカーとして、例えば、−(CH2)n−NH2もしくは−(CH2)n−SHを導入する。これらの導入体も前記と同様にして市販されているので市販品を購入してもよい(メドランド・サーテイファイフド・レージント・カンパニー(Midland Certified Reagent Company))。また、前記OH基にリン酸基を導入して、リン酸基のOH基にリンカーとして、例えば、−(CH2)n−SHもしくは−(CH2)n−NH2を導入する。これらの場合、nは3〜9、好ましくは4〜8である。このリンカーに、−NH2基もしくは−SH基に反応性を有する蛍光色素もしくはクエンチャー物質を反応させることによりオリゴヌクレオチドを標識できる。
このアミノ基を導入する場合、キット試薬(例えば、Uni-link aminomodifier(CLONTECH社製、米国)、フルオ・リポターキット(FluoReporter Kit) F-6082、 F-6083、 F-6084、 F-10220(いずれもモレクキュラー・プローブ(Molecular Probes)社製、米国))を用いるのが便利である。そして、常法に従って当該オリゴリボヌクレオチドに蛍光色素分子を結合させることができる。また、プローブ核酸の鎖内に蛍光色素分子を導入することも可能である(ANALYTICAL BIOCHEMISTRY 225, 32-38頁(1998年))。
尚、オリゴヌクレオチドのリボース部、デオキシリボース部、リン酸部、また塩基部、リンカー、蛍光色素、クエンチャー物質に、それらの反応性を高めるためにアミノ基を導入するような場合、キット試薬(例えば、Uni-link aminomodifier(CLONTECH社製、米国)、フルオ・リポターキット(FluoReporter Kit)F-6082、F-6083、F-6084、F-10220(いずれもモレクキュラー・プローブ(Molecular Probes)社製、米国)))を用いるのが便利である。そして、常法に従ってオリゴリボヌクレオチドに蛍光色素とクエンチャー物質を結合させることができる。
また、前記の合成において、各機能基ヘの保護基の導入、保護基の離脱は通常の公知の方法で行うことができる。
前記のようにして、蛍光色素とクエンチャー物質で標識されたオリゴヌクレオチドを合成できるが、中間合成物、完成された合成物はゲル濾過、逆相等の液体クロマトグラフィー等で精製するのがよい。このようにして本発明の核酸プローブが得られる。
以上のように、本発明の核酸プローブの設計は、標的核酸にハイブリダイズする塩基配列のオリゴヌクレオチドに蛍光色素とクエンチャー物質を標識するだけでよいので、設計が簡便である。
本発明の核酸プローブの作成もプローブの設計さえできれば、オリゴヌクレオチドの合成と同様に依頼合成を行って入手することができる。
次に本発明の第二の発明である蛍光消光プローブを説明する。
本発明のプローブは、オリゴヌクレオチドに標識された特定の蛍光色素が、その近傍にG(グアニン塩基)が存在するとその蛍光強度が減少する(蛍光消光する。)という現象を本発明者等が、世界で初めて発見したことによって達成されたものである(特願2001−133529)。
本発明のプローブの特徴は、少なくとも一つ以上の蛍光色素で、少なくとも一つ以上の部位で標識されたオリゴヌクレオチドであり、標的核酸にハイブリダイズさせたとき、蛍光強度が減少するものであり、蛍光発光プローブと反対の性質を有する。
本プローブの標識に使用する蛍光色素は前記の蛍光発光プローブの場合と同様のもの用いてよい。
標識に用いる蛍光色素が複数の場合、蛍光色素は同種でもよいし、異種のものでもよい。本発明のプローブを標的核酸にハイブリダイズさせたとき、蛍光強度が減少するものであればよい。前記標識部位は、末端部、両末端部、鎖内の部位である。要するに、本発明の目的が達成できるものであればよい。尚、蛍光色素が複数の場合、単数の場合より、測定感度が格段に増加するので、好ましい核酸プローブになる。また、蛍光色素が異種の場合、異なった波長で測定できるので、各種分析、データ解析の信頼度が格段に向上する。
標的核酸にハイブリダイズさせる本発明の蛍光消光プローブのオリゴヌクレオチドは、前記蛍光発光プローブと同様である。即ち、キメリックオリゴヌクレオチドでもよく、化学修飾を受けたものでよい。またそれらが鎖中に介在したものでもよい。
更に、本発明の核酸プローブの、ハイブリダイゼーション配列領域へのハイブリダイゼーション効率を更に上げるためにヘルパープローブ(helper probe)をハイブリダイゼーション反応溶液に添加すること、そのヘルパープローブの塩基配列、塩基鎖数、化学修飾オリゴヌクレオチドの使用なども前記発明のものと同様である。そして、RNAにハイブリダイズさせると、ハイブリダイゼーション効率が高まるので反応液中のRNAの量に応じて蛍光強度が減少し、最終RNA濃度が約150pMまでRNAを測定できるようになる。
本発明の蛍光消光プローブを用いるRNAの測定法における、RNAの加熱変性処理、ヘルパープローブの添加処理も前記の蛍光発光プローブの場合と同様である。
これにより本発明方法においてもハイブリダイゼーション効率は実質的に100%になり、定量性が向上する。また、従来方法に較べて格段に簡便になる。
本発明のプローブの塩基数は5〜50であり、好ましくは10〜25、特に好ましくは15〜20である。
そのプローブの塩基配列は、標的核酸に特異的にハイブリダイズするものであればよく、特に限定されない。好ましくは、蛍光色素で標識された核酸プローブが標的核酸にハイブリダイズしたとき、
(1)当該プローブにハイブリダイズした標的核酸の蛍光色素標識部から1ないし3塩基離れて(標識部塩基を1と数える。)、標的核酸の塩基配列にG(グアニン)またはC(シトシン)が少なくとも1塩基以上存在するように、当該プローブの塩基配列が設計されている塩基配列、
(2)当該プローブにハイブリダイズした標的核酸の蛍光色素標識部から1ないし3塩基離れて(標識部塩基を1と数える。)、標的核酸の塩基配列にG(グアニン)またはC(シトシン)が少なくとも1塩基以上存在し、かつ、当該プローブ−核酸ハイブリッド複合体の蛍光色素標識部において複数の塩基対が少なくとも1対のG(グアニン)とC(シトシン)のペアーを、蛍光色素標識部から1ないし3塩基離れて(標識部塩基を1と数える。)、形成するように、当該プローブの塩基配列が設計されている塩基配列、を挙げることができる。
(3)当該プローブ−核酸ハイブリッド複合体の蛍光色素標識部において複数の塩基対が少なくとも1対のG(グアニン)とC(シトシン)のペアーを、蛍光色素標識部から1ないし3塩基離れて(標識部塩基を1と数える。)、形成するように、当該プローブの塩基配列が設計されている塩基配列、等を挙げることができる。
より好ましくは、
(4)上記(1)、(2)および(3)において、プローブ−核酸ハイブリッド複合体の蛍光色素標識部がC(シトシン)若しくはG(グアニン)で、当該塩基がGCペアーを形成する塩基配列等を挙げることができる。
標的核酸の塩基配列から、どうしても3’若しくは5’末端がG又はCに設計できないプローブの場合は、標的核酸の塩基配列から設計したプライマーであるオリゴヌクレオチドの5’末端に、5’−グアニル酸若しくはグアノシン又は5’−シチジル酸若しくはシチジンを付加しても、本発明の目的は好適に達成できる。3’末端に5’−グアニル酸又は5’−シチジル酸を付加しても、本発明の目的は好適に達成できる。よって、本発明において、3’、又は5’末端の塩基がG又はCになるように設計した核酸プローブとは、標的核酸の塩基配列から設計したプローブの他に、当該のプローブの5’末端に5’−グアニル酸若しくはグアノシン又は5’−シチジル酸もしくはシチジンを付加してなるプローブ、並びに当該のプローブの5’末端に5’−グアニル酸又は5’−シチジル酸を付加してなるプローブを含むものと定義する。
本発明の核酸プローブは上記の如くであるが、より具体的な形態は以下のごとくである。
上記(1)、(2)、(3)の塩基配列を有するもので、5’末端部、3’末端部、鎖内の塩基部、リン酸結合部、リボース部若しくはデオキシリボース部において、少なくとも1つ以上の部位(単数の若しくは複数の部位)で蛍光色素を用いて標識されているプローブを挙げることができる。
なお、5’末端部の標識部位は、リン酸基若しくは脱リンした場合のリボース若しくはデオキシリボースの5’位のOH基、リボースの2’若しくは3’位のOH基、またはデオキシリボースの2’位のH基若しくは3’位のOH基、等を挙げることができる。3’末端部の標識部位は、リボースの2’若しくは3’位のOH基、またはデオキシリボースの2’位のH基若しくは3’位のOH基、等を挙げることができる。
上記のプローブの中でも、好ましいプローブとして、
(a)5’末端のリン酸基または/および3’末端のリボース若しくはデオキシリボースの3’位のOH基を除く上記の標識部位であって、少なくとも1つ以上の部位を標識したプローブ、
(b)5’末端のリン酸基および3’末端のリボース若しくはデオキシリボースの3’位のOH基の双方を標識したプローブ、
等を挙げることができる。
本発明の核酸プローブのオリゴヌクレオチドはの製造方法、及びオリゴヌクレオチドに蛍光色素を標識する方法は、前記発明と同様である(ANALYTICAL BIOCHEMISTRY 225, 32-38頁(1998年))。
以上のようにして本発明の核酸プローブが調製できるが、最も好ましいプローブの形態は、3’および/又は5’末端が蛍光色素が標識されたもので、その標識されている末端の塩基がG又はCであるものである。また鎖内の、少なくとも一つ以上のGまたはCが蛍光色素で標識されたものである。また前者と後者が組み合わさったものである。これら形態の中で3’末端のリボース又はデオキシリボースの3’位炭素のOH基を、また3’末端のリボースの2’位炭素のOH基をリン酸基等の修飾基で修飾してもよく何ら制限されない。この場合、後記する定量的PCRにおいては、鎖伸長のプライマーとして利用できないが、核酸プローブとして利用できる。
本発明の第三の発明は前記蛍光発光プローブ及び蛍光消光プローブを利用した発明である。
1)測定キット及び測定デバイス類
前記蛍光発光プローブ及び蛍光消光プローブ(以下、簡便化のために、特別に記載しない限り、両プローブを本発明の核酸プローブという。)を標的核酸にハイブリダイゼーションさせ、ハイブリダイゼーション前後における蛍光強度の変化量(蛍光発光プローブの場合は、蛍光強度の増加量、蛍光消光プローブの場合は、蛍光強度の減少量)を測定すると、標的核酸を簡便、正確、かつ短時間に測定できるようになる。また、従来、測定が難しかったRNAの測定もできるようになる。
かくして、本発明は、本発明の核酸プローブを含有若しくは付帯する、標的核酸の濃度を測定する測定キットである。また、前記した本発明のヘルパープローブを当該キットに含有、付帯させてなる、標的核酸の濃度を測定する測定キットでもある。
本発明の核酸プローブは、単に核酸測定だけでなく、標的核酸の多型(polymorphism)又は/及び変異(mutation)を解析若しくは測定する方法に好適に利用できる。特に標的核酸濃度測定用デバイス{DNAチップ(蛋白質 核酸 酵素、43巻、2004〜2011ページ、1998年)}に応用することにより、より便利な標的核酸濃度測定用デバイスを提供する。また、当該デバイスを用いて標的核酸の多型又は/及び変異を解析若しくは測定する方法は極めて便利な方法である。即ち、特に蛍光消光プローブの場合は、本発明の核酸プローブとのハイブリダイゼーションにおいて、GCペアーを形成するかどうかにより、蛍光強度が変化する。それで、本発明の核酸プローブを標的核酸にハイブリダイズさせ、発光強度を測定することにより、標的核酸の多型又は/及び変異を解析若しくは測定することができる。具体的方法は、下記の実施例に記した。この場合、標的核酸は各種の核酸増幅方法のうちの一つの方法により増幅された増幅物でもよいし、抽出されたものでもよい。また標的核酸はその種類を問わない。ただ、鎖中又は末端にグアニン塩基又はシトシン塩基が存在しておればよい。鎖中又は末端にグアニン塩基又はシトシン塩基が存在しないと蛍光強度が減少しない。よって、本発明方法により、G→A、G←A、C→T、C←T、G→C、G←Cの変異、又は置換、即ち、1塩基多型(single nucleotide polymorphism (SNP))などの多型等を解析若しくは測定することができる。尚、現在、多型分析は、マキサム・ギルバート(Maxam-Gilbert)法、ジデオキシ(dideoxy)法を用いて標的核酸の塩基配列を決定することにより行われているのが現状である。
それで、本発明の核酸プローブを標的核酸の多型及び変異を解析若しくは測定する測定キットに含有させることにより、標的核酸の多型又は/及び変異を解析若しくは測定する測定キットとして好適に使用することができる。
本発明の標的核酸の多型又は/及び変異を解析若しくは測定する方法により得られるデータを解析する場合に、標的核酸が本発明の核酸プローブとハイブリダイズしたときの反応系の蛍光強度値を、前記のものがハイブリダイズしていないときの反応系の蛍光強度値により補正する処理過程を設けると、処理されたデータは信頼性の高いものになる。
それで本発明は、標的核酸の多型又は/及び変異を解析若しくは測定する方法のためのデータ解析方法を提供する。
また、本発明の特徴は、標的核酸の多型又は/及び変異を解析若しくは測定する測定装置において、標的核酸が本発明の核酸プローブとハイブリダイズしたときの反応系の蛍光強度値を、前記のものがハイブリダイズしていないときの反応系の蛍光強度値により補正処理する手段を有することを特徴とする標的核酸の多型又は/及び変異を解析若しくは測定する測定装置である。
また、本発明の特徴は、標的核酸の多型又は/及び変異を解析若しくは測定する方法により得られるデータを解析する場合に、標的核酸が本発明の核酸プローブとハイブリダイズしたときの反応系の蛍光強度値を、前記のものがハイブリダイズしていないときの反応系の蛍光強度値により補正する処理過程をコンピュータに実行させるための手順をプログラムとして記録したコンピュータ読取可能な記録媒体である。
本発明の核酸プローブは固体(支持層)表面、例えばスライドガラスの表面に固定されていてもよい。この場合、蛍光色素で標識されていない端が固定されているのが好ましい。この形式は現在DNAチップと言われる。遺伝子発現(gene expression)のモニタリング、塩基配列(base sequence)の決定、変異解析(mutation analysis)、1塩基多型(single nucleotide polymorphism (SNP))などの多型解析(polymorphism analysis)等に使用できる。勿論、核酸測定用デバイス(チップ)として使用することもできる。
本発明の核酸プローブを例えばスライドガラスの表面に結合させるには、ポリリジン、ポリエチレンイミン、ポリアルキルアミンなどのポリ陽イオンをコートしたスライドガラス、アルデヒド基を導入したスライドガラス、アミノ基を導入したスライドガラスを先ず用意する。そして、i)ポリ陽イオンをコートしたスライドガラスには、プローブのリン酸基を反応させる、ii)アルデヒド基を導入したスライドガラスには、アミノ基を導入したプローブを反応させる、iii)アミノ基を導入したスライドガラスには、PDC(pyridinium dichromate)導入、アミノ基又はアルデヒド基導入したプローブを反応させる、などにより達成できる(Fodor,P.A.,et al.,Science,251,767-773(1991); Schena,M.,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.,U.S.A.,93,10614-10619(1996);McGal,G.,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.,U.S.A.,93,13555-13560(1996);Blanchad,A.P.,et al.,Biosens.Bioelectron.,11,687-690(1996))。
本発明の核酸プローブを固体表面にアレー状に配列、結合させたデバイスにより核酸測定がより便利になる。
この場合、塩基配列の異なる多くの本発明の核酸プローブを、個別に同一固体表面上に結合しているデバイスをつくることにより、同時に多種類の標的核酸を測定できる。
このデバイスにおいては、プローブ毎に、前記固体の本発明の核酸プローブを結合した面と反対側の面に少なくとも一つの温度センサーとヒーターを設け、そのプローブを結合した前記固体の領域が最適温度条件になるように温度調節され得るように設計されているのが好適である。
このデバイスにおいては、本発明の核酸プローブ以外のプローブ、例えば、一つの分子内に二つの異なった蛍光色素を有し、標的核酸にハイブリダイズしていないときは、二つの蛍光色素の相互作用により、消光若しくは発光しているが、標的核酸にハイブリダイズすると発光若しくは消光するように設計された構造をもつ核酸プローブ、即ち、前記の分子ビーコン(Tyagi et al., Nature Biotech.,14:303-308,1996)等を結合したものも好適に使用できる。それで、このようなデバイスも本発明の技術的範囲内に含まれる。
本発明のデバイスを用いる測定方法の基本的操作は、核酸プローブを結合した固体表面上にmRNA、cDNA、rRNA等の標的核酸を含む溶液をのせ、ハイブリダイズさせるだけである。これにより、標的核酸量に応じて蛍光量の変化がおこり、その蛍光変化量から標的核酸の測定が可能となる。また、一つの固体表面上に塩基配列の異なる本発明の核酸プローブを多数種結合させることにより、一度に多くの標的核酸の濃度を測定することができる。それで、DNAチップと全く同じ用途で標的核酸の濃度測定に使用できるので新規のDNAチップである。最適の反応条件では標的核酸以外の核酸は蛍光の発光量を変化させないために、未反応な核酸を洗浄する操作は必要がない。更に、微小ヒーターにて本発明の核酸プローブ毎に温度コントロールすることにより、当該プローブ毎に最適反応条件にコントロールできるために正確な濃度の測定が可能となる。また、微小ヒーターにて温度を連続的に変化させ、その間、蛍光量を測定することにより、本発明の核酸プローブと標的核酸との解離曲線を解析することができる。その解離曲線の違いからハイブリダイズした核酸の性質の判定や、SNPの検出ができる。
また、本ディバイスによりPCR法などによる遺伝子増幅と遺伝子検出を同時に行うことも可能となる。
従来の標的核酸の濃度測定用デバイスは、蛍光色素で修飾されていない核酸プローブを固体表面に結合(固定:fix)し、それに蛍光色素で標識した標的核酸をハイブリダイズさせた後、ハイブリダイズしていない標的核酸を洗い流して、残存している蛍光色素の蛍光強度を測定していた。
蛍光色素で標的核酸を標識するには、例えば、特定mRNAを標的とした場合、次のステップ(steps)を取る:(1)細胞から抽出されたmRNA全部を抽出する。(2)それから、逆転写酵素(reverse transcriptase)を用いて、蛍光色素で修飾されヌクレオチドをとり込ませながらcDNAを合成する。本発明ではこのような操作は必要がない。
当該デバイスには各種のプローブが多数スポットしてあるが、その各々のプローブにハイブリダイズする核酸の最適ハイブリダイゼーション条件、例えば、温度等は各々異なる。よって本来であれば、プローブ毎(スポット毎)に、ハイブリダイゼーション反応、洗浄操作を最適な条件で行う必要がある。しかし、それは物理的に不可能であるので、すべてのプローブ毎に同一の温度でハイブリダイゼーションを行い、また、洗浄も同一温度で同一洗浄液で行われている。それで、ハイブリダイゼーションが期待されている核酸がハイブリダイズしなかったり、ハイブリダイズしてもハイブリダイゼーションが強固でないので容易に洗い流されてしまう等の欠点を有していた。そのような原因で核酸の定量性が低いものであった。本発明ではこの洗浄操作が必要ないのでこのような欠点を有しない。また、スポットの底に微小ヒータを設け、ハイブリダイゼーション温度をコントロールすることで、本発明のプローブ毎に最適温度でハイブリダイゼーション反応を行わせることができる。それで、本発明は定量性が格段に向上したものである。
2)標的核酸の測定方法
本発明においては、前記した本発明の核酸プローブ、測定キット又はデバイスを使用することで、標的核酸の濃度を短時間で、簡便かつ特異的に測定することができる。以下に測定法を述べる。
本発明の測定方法において、先ず、測定系に本発明の核酸プローブを添加し、標的核酸にハイブリダイズさせる。その方法は、通常の既知方法で行なうことができる(Analytical Biochemistry、 183巻、231〜244頁、1989年;Nature Biotechnology、14巻、303〜308頁、1996年;Applied and Environmental Microbiology、63巻、1143-1147頁、1997年)。例えば、ハイブリダイゼーションの条件は、塩濃度が0〜2モル濃度、好ましくは0.1〜1.0モル濃度、pHは6〜8、好ましくは6.5〜7.5である。
反応温度は、本発明の核酸プローブが標的核酸の特異的部位にハイブリダイズして得られる核酸ハイブリッド複合体のTm値±10℃の範囲内であるのが好ましい。このようにすることにより非特異的なハイブリダイゼーションを防止することができる。Tm−10℃未満のときは、非特異的ハイブリダイゼーションが起こり、Tm+10℃を越えるときは、ハイブリダイゼーションが起こらない。尚、Tm値は本発明の核酸プローブを設計するのに必要な実験と同様にして求めることができる。即ち、本発明の核酸プローブとハイブリダイズする(当該核酸プローブに対して相補する塩基配列の)オリゴヌクレオチドを前記の核酸合成機等で化学合成し、当該核酸プローブとの核酸ハイブリッド複合体のTm値を通常の方法で測定する。
また、その反応時間は1秒間〜180分間、好ましくは5秒間〜90分間である。1秒間未満のときは、ハイブリダイゼーションにおいて未反応の本発明の核酸プローブが多くなる。また、反応時間を余り長くしても特に意味がない。尚、反応時間は核酸種、即ち、核酸の長さ、あるいは塩基配列によって大きく影響を受ける。
前記のようにして、本発明の核酸プローブを標的核酸にハイブリダイズさせる。そして、ハイブリダイゼーションの前後で、蛍光色素の発光量を蛍光光度計で測定し、発光の変化量を計算する。その減少量の大きさは標的核酸の濃度と比例するので、標的核酸の濃度を求めることができる。
反応液中の標的核酸の濃度:0.1〜10.0nMであるのが好ましい。反応液中の本発明の核酸プローブの濃度:1.0〜25.0nMであるが好ましい。検量線を作成する場合は、標的核酸に対して、本発明の核酸プローブを1.0〜2.5の比率で用いるのが望ましい。
実際、試料中の未知濃度の標的核酸を測定する場合、上記の条件で先ず、検量線を作成する。そして、複数の濃度の対応する本発明の核酸プローブを試料に添加して、それぞれ蛍光強度値の変化量を測定する。そして、測定された蛍光強度の変化量値のうちの最大なものに対応するプローブ濃度を好ましいプローブ濃度とする。好ましい濃度のプローブで測定された蛍光強度の変化量値もって、検量線から標的核酸の定量値を求めることになる。
本発明の核酸測定法の原理は、前記のごとくであるが、本発明は各種の核酸測定方法、例えば、FISH方法、PCR方法、LCR方法、SD方法、競合的ハイブリダイゼーション方法、TAS方法、などに適用できる。
例えば、以下の通りである。
<i>FISH方法への適用
本発明の方法は微生物、植物、動物の各細胞内、各細胞ホモジネートの核酸に適用できる。また、色々の種類の微生物が混在するか、若しくは一種類以上の微生物が動物や植物由来の細胞と共に混在していて、相互に単離できない微生物系(複合微生物系、共生微生物系)の細胞内若しくは細胞のホモジネート等の核酸測定に好適に適用できる。ここでいう微生物とは一般的にいう微生物のことで、特に限定されるものではない。例えば、真核微生物、原核微生物、その他、マイコプラズマ、ウイルス、リッケチャ等を挙げることができる。そして、ここの系でいう標的核酸とは、これらの微生物系において、例えば、どのように活躍しているのかを調べたい菌株の細胞に特異性を有する塩基配列をもつ核酸のことである。例えば、特定菌株の5SrRNA、16SrRNA若しくは23SrRNA又はそれらの遺伝子DNAの特定配列である。
本発明の核酸プローブを複合微生物系又は共生微生物系に添加し、特定菌株の5SrRNA、16SrRNA若しくは23SrRNA又はそれらの遺伝子DNAの量を測定することにより、当該系における特定菌株の存在量を測定する
ことできる。尚、複合微生物系又は共生微生物系のホモジネートに前記核酸プローブを添加して、ハイブリダイゼーション前後における蛍光色素の発光強度を測定して特定菌株の存在量を測定する方法も、本発明のFISH方法と定義する。
前記の測定方法は、例えば、以下の如くである。即ち、本発明の核酸プローブを添加する前に、複合微生物系又は共生微生物系の温度、塩濃度、pHを前記の条件に調整する。複合微生物系又は共生微生物系における特定菌株は、細胞数として107〜1012個/mL、好ましくは109〜1010個/mLに調整することが好適である。それは希釈、又は遠心分離等による濃縮等で行うことができる。細胞数が107個/mL未満のときは、蛍光強度が弱く、測定誤差が大きくなる。1012個/mLを超えるときは、複合微生物系又は共生微生物系の蛍光強度が強すぎるため、特定微生物の存在量を定量的に測定することができなくなる。ただし、この範囲は使用する蛍光光度計の性能に依存する。
添加する本発明の核酸プローブの濃度は、複合微生物系又は共生微生物系における特定菌株の細胞数に依存する。細胞数1×108/mLに対して0.1〜10.0nM濃度、好ましくは0.5〜5nM濃度、より好ましくは1.0nM濃度である。0.1nM未満のときは、特定微生物の存在量を正確に反映したデータにならない。しかし、最適な本発明の核酸プローブの量は、細胞内の標的核酸量に依存するために一概にはいえない。
次に本発明において前記核酸プローブと特定菌株の5SrRNA、16SrRNA若しくは23SrRNA又はその遺伝子DNAにハイブリダイズさせるときの反応温度は、前記した条件と同様である。また、その反応時間も前記の条件と同様である。
前記のような条件で本発明の核酸プローブを特定菌株の5SrRNA、16SrRNA若しくは23SrRNA又はそれの遺伝子DNAにハイブリダイズさせ、ハイブリダイゼーション前後の複合微生物系又は共生微生物系の蛍光色素の発光強度を測定する。
尚、本発明において、複合微生物系または共生微生物系における微生物以外の成分は、本発明の核酸プローブと特定菌株の5SrRNA、16SrRNAもしくは23SrRNAまたはそれらの遺伝子DNAとのハイブリダイゼーションを阻害しない限り、またオリゴヌクレオチドに標識されている蛍光色素の発光またクエンチャー物質の作用を阻害をしない限り、特に限定されない。例えば、KH2PO4、K2HPO4、NaH2PO4、Na2HPO4などのリン酸塩、硫安、硝安、尿素などの無機窒素類、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、カルシウムイオンなどの金属イオンの各種塩類、マンガン、亜鉛、鉄、コバルトイオンなどの微量金属イオンの硫酸塩、塩酸、炭酸塩などの各種塩類、更にビタミン類などが適当に含まれていてもよい。もし、上記の阻害が観察される場合は、遠心分離などの操作で複数の微生物が混在する系から菌体を分離し、再び緩衝液系などに懸濁すればよい。
上記の緩衝液としては、リン酸緩衝液、炭酸緩衝液、トリス・塩酸緩衝液、トリス・グリシン緩衝液、クエン酸緩衝液、グット緩衝液などの各種緩衝液をも用いることができる。緩衝液の濃度は、ハイブリダイゼーション、蛍光色素の発光を阻害しない濃度である。その濃度は緩衝液の種類に依存する。緩衝液のpHは4〜12、好ましくは5〜9である。
<ii>PCR方法への適用
PCR方法であればどのような方法でも適用できるのであるが、リアルタイム定量的PCR方法に適用する場合を以下に記す。
即ち、リアルタイム定量的PCR方法において、本発明の特定の核酸プローブを用いてPCRを行い、反応前後の蛍光色素の発光の変化量をリアルタイムで測定するものである。
本発明のPCRとは各種方法のPCRを意味するものである。例えば、RT−PCR、RNA−primed PCR、Stretch PCR、逆PCR、Alu配列を利用したPCR、多重PCR、混合プライマーを用いたPCR、PNAを用いたPCR法等をも含む。また、定量的とは、本来の定量測定の他に、検出程度の定量測定をも意味するのは前記同様である。
前記のとおり、標的核酸とは、存在量を測定する核酸のことを云う。精製の有無を問わない。また、濃度の大小も問わない。各種の核酸が混在していてもよい。例えば、複合微生物系(複数微生物のRNA若しくは遺伝子DNAの混在系)又は共生微生物系(複数の動植物及び/又は複数微生物のRNA若しくは遺伝子DNAの混在系)における増幅目的の特定核酸である。尚、標的核酸の精製が必要な場合は従来公知の方法で行うことができる。例えば、市販されている精製キット等を使用して行うことができる。
従来公知の定量的PCR方法はdATP、dGTP、dCTP、dTTP若しくはdUTP、標的核酸(DNA又はRNA)、Taqポリメラーゼ、プライマー、並びに蛍光色素で標識した核酸プローブ若しくはインターカレーターを用いてMgイオンの存在下に、温度を低温、高温を繰り返しつつ標的核酸を増幅し、増幅過程の蛍光色素の発光の増加量をリアルタイムでモニタリングするものである(実験医学、15巻、7号、46〜51ページ、1997年、羊土社)。
本発明の定量的PCR方法は、本発明の核酸プローブを用いて標的核酸を増幅させ、増幅過程において、蛍光色素の発光の変化量、特に蛍光発光プローブの場合は、蛍光強度の増加量、蛍光消光プローブの場合は蛍光強度の減少量を測定することを特徴とするものである。本発明の定量的PCRにおいて、好ましい本発明の核酸プローブとしては、その塩基数は5〜50であり、好ましくは10〜25、特に好ましくは15〜20で、PCRサイクル中に標的核酸の増幅産物とハイブリダイズするものであれば、どのようなものでもよい。また、フォワード(forward)型、リバース(reverse)型のどちらに設計してもよい。
例えば、蛍光発光プローブの場合は以下のものを挙げることができる。
前記した蛍光発光プローブであれば、どのようなものでも使用できるのであるが、最適なものは、3’末端が標識されていないものである。それは、当該プローブをプライマーとして用いているので、反応の回数と共に蛍光色素、即ち、クエンチャー物質及び蛍光色素で標識された標的核酸量が増加するために、反応の回数と共にハイブリダイゼーション時の反応系の蛍光強度が増加するからである。勿論、3’末端が標識されているものも充分使用できる。この場合は、単なる核酸プローブとして使用できる。
また、蛍光消光プローブの場合は、前記した本発明の蛍光消光プロ−ブのすべて好適に利用できる。
特に前記した蛍光消光プローブのうち、3’末端のリボース若しくはデオキシリボースがリン酸基若しくは蛍光色素で標識された本発明の核酸プローブはプライマーとして利用されないように設計したものである。FRET現象を用いるリアルタイム定量的PCR方法において使用する(蛍光色素で標識した)二つのプローブの代わりに、一つの本発明の核酸プローブを用いてPCRを行うものである。PCRの反応系に当該プローブを添加し、PCRを行う。核酸伸長反応時、標的核酸若しくは増幅標的核酸にハイブリダイズしていた当該プローブがポリメラーゼにより分解され、核酸ハイブリッド複合体から分解除去される。このときの反応系又は核酸変性反応が完了した反応系の蛍光強度値を測定する。また、標的核酸若しくは増幅した増幅標的核酸が当該プローブとハイブリダイズしている反応系(アニーリング反応、若しくはポリメラーゼにより当該プローブが核酸ハイブリッド複合体から除かれるまでの核酸伸長反応時の反応系)の蛍光強度値を測定する。そして、前者からの蛍光強度値の減少率を算出することにより増幅された核酸を測定する。当該プローブが標的核酸若しくは増幅標的核酸から、核酸変性反応により完全に解離するか、又は核酸伸長時にポリメラーゼにより当該プローブと標的核酸若しくは増幅標的核酸との核酸ハイブリッド複合体から分解除去されたときは蛍光強度値は大きい。しかし、当該プローブが標的核酸若しくは増幅標的核酸に十分にハイブリダイズしているアニーリング反応が完了している反応系若しくは核酸伸長反応時にポリメラーゼにより当該プローブと標的核酸若しくは増幅標的核酸との核酸ハイブリッド複合体から分解除去されるまでの反応系の蛍光強度値は前者より減少している。蛍光強度値の減少は増幅された核酸量に比例する。
この場合、当該プローブが標的核酸とハイブリダイズしたときのその核酸ハイブリッド複合体のTmが、プライマーの核酸ハイブリッド複合体のTm値の±15℃、好ましくは±5℃の範囲になるように、当該プローブの塩基配列が設計されることが望ましい。
前記の蛍光消光プローブのうち、3’末端のリボース若しくはデオキシリボースがリン酸基若しくは蛍光色素で標識されたプローブ以外のプローブは、プライマーとしてPCRの反応系に添加するものである。蛍光色素で標識されたプライマーを用いるPCR方法は本発明以外未だ知られていない。PCRの反応が進むに従い、増幅された核酸は本発明の実施に有用な蛍光色素で2次標識される。それで、核酸変性反応が完了している反応系の蛍光強度値は大きいが、アニーリング反応が完了しているか若しくは核酸伸長反応時の反応系においては、反応系の蛍光強度は前者の蛍光強度より減少する。
PCRの反応は通常のPCR方法と同様の反応条件で行うことができる。それで、Mgイオン濃度が低濃度(1〜2mM)である反応系で標的核酸の増幅を行うことができる。勿論、従来公知の定量的PCRにおいて使用されている高濃度(2〜4mM)のMgイオン存在下の反応系でも本発明は実施できる。
尚、本発明のPCR方法において、本発明のPCRを行い、その増幅産物について核酸の融解曲線を分析を行ってTm値を求めるできる。この方法は新規な核酸の融解曲線の分析方法である。本方法において本発明のPCR方法に用いた核酸プローブ又はプライマーとして用いた本発明の核酸プローブが好適に利用できる。
この場合、本発明の核酸プローブの塩基配列を、SNP(スニップ;一塩基置換多型)を含む領域と相補的な配列にすることで、PCR終了後、その核酸の本発明の核酸プローブから解離曲線を解析することにより、その解離曲線の違いからSNPの検出ができる。
3)データ解析方法
第三発明の一つは、前記のリアルタイム定量的PCR方法で得られるデータを解析する方法の発明である。
リアルタイム定量的PCR方法は、現在、PCRを行わせる反応装置、蛍光色素の発光を検出する装置、ユーザーインターフェース、即ち、データ解析方法の各手順をプログラム化して、それを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体(別称:Sequence Detection Software System)、及びそれらを制御し、データ解析するコンピュータから構成される装置で、リアルタイムで測定されている。それで、本発明の測定もこのような装置で行われる。
以下に、先ず、リアルタイム定量的PCRの解析装置から説明する。本発明において用いる装置は、PCRをリアルタイムでモニタリングできる装置であればどのような装置でもよいが、例えば、ABI PRISMTM 7700塩基配列検出システム(Sequence Detection System SDS 7700)(パーキン・エルマー・アプライド・バイオシステム社(Perkin Elmer Applied Biosytems社、USA))、ライトサイクラーTMシステム(ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社、ドイツ)等を特に好適なものとして挙げることができる。
尚、前記のPCR反応装置は、標的核酸の熱変性反応、アニーリング反応、核酸の伸長反応を繰り返し行う装置(例えば、温度を95℃、60℃、72℃に繰り返し行うことができる。)である。また、検出システムは、蛍光励起用アルゴンレーザー、スペクトログラフ並びにCCDカメラからなっている。更に、データ解析方法の各手順をプログラム化して、それを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、コンピュータにインストールされて使用され、コンピュータを介して上記のシステムを制御し、検出システムから出力されたデータを解析処理するプログラムを記録したものである。
コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されているデータ解析用プログラムは、サイクルごとの蛍光強度を測定する過程、測定された蛍光強度を、サイクルの関数として、即ちPCRのamplification plotとしてコンピュータのデスプレー上に表示する過程、蛍光強度が検出され始めるPCRサイクル数(threshold cycle number:Ct)を算出する過程、Ct値から試料核酸のコピー数を求める検量線を作成する過程、前記各過程のデータ、プロット値を印字する過程、からなっている。PCRが指数的に進行している場合、PCR開始時の標的核酸のコピー数のLog値と、Ctとの間には直線関係が成り立つ。従って標的核酸の既知量のコピー数を用いて検量線を作成し、未知コピー数の標的核酸を含有するサンプルのCtを検出することにより、標的核酸のPCR開始時のコピー数を計算できる。
上記のデータ解析方法等のPCR関連発明は、前記のようなリアルタイム定量的PCR方法で得られたデータを解析する発明である。以下に各特徴について記す。
第一の特徴は、リアルタイム定量的PCR方法で得られたデータを解析する方法において、各サイクルにおける増幅した核酸が蛍光色素と結合したとき、あるいは増幅した核酸が本発明の核酸プローブとハイブリダイズしたときの反応系の蛍光強度値を、各サイクルにおける前記の蛍光色素と核酸が結合したもの、即ち蛍光色素−核酸複合体、あるいは前記本発明の核酸プローブと標的核酸がハイブリダイズしたもの、即ち核酸ハイブリッド複合体が解離したときの反応系の蛍光強度値により補正する演算処理過程、即ち、補正演算処理過程である。
「増幅した標的核酸が蛍光色素と結合したとき、あるいは増幅した標的核酸が本発明の核酸プローブとハイブリダイズしたときの反応系」とは、具体的に例示すると、PCRの各サイクルにおける40〜85℃、好ましくは50〜80℃の反応温度を有する核酸伸長反応あるいはアニーリングのときの反応系を挙げることができる。そして、反応が完了した反応系を意味する。実際の温度は増幅した核酸の長さに依存する。
また、「前記の蛍光色素−核酸複合体、あるいは前記の核酸ハイブリッド複合体が解離したときの反応系」とは、PCRの各サイクルにおける核酸の熱変性の反応系、具体的には、反応温度90〜100℃、好ましくは94〜96℃のときのもので、反応が完了した系を例示できる。
補正演算処理過程の補正演算処理としては本発明の目的に合致するものであればどのようなものでもよいのであるが、具体的には、次の〔数式1〕あるいは〔数式2〕による処理過程を含むものを例示することができる。
n=fhyb,n/fden,n 〔数式1〕
n=fden,n/fhyb,n 〔数式2〕
〔式中、
n:〔数式1〕あるいは〔数式2〕により算出されたn次サイクルにおける補正演算処理値、
hyb,n:n次サイクルにおける、増幅した核酸が蛍光色素と結合したとき、あるいは増幅した核酸が本発明の核酸プローブとハイブリダイズしたときの反応系の蛍光強度値、
den,n:n次サイクルにおける、前記の蛍光色素−核酸複合体、あるいは核酸ハイブリッド複合体が解離したときの反応系の蛍光強度値〕
尚、本過程においては、上記の処理で得られた補正演算処理値をコンピュータのデスプレー上に表示及び/又は当該値を各サイクル数の関数としてグラフの形で同様に表示及び/又は印字するサブステップを含むものである。
第二の特徴は、各サイクルにおける〔数式1〕あるいは〔数式2〕による補正演算処理値を次の〔数式3〕あるいは〔数式4〕に代入し、各サンプル間の蛍光変化割合あるいは蛍光変化率を算出し、それらを比較するデータ解析方法である。
n=fn/fa 〔数式3〕
n=fa/fn 〔数式4〕
〔式中、
n:n次サイクルにおける、〔数式3〕あるいは〔数式4〕により算出された蛍光変化割合あるいは蛍光変化率、
n:n次サイクルにおける〔数式1〕あるいは〔数式2〕による補正演算処理値
a:〔数式1〕あるいは〔数式2〕による補正演算処理値で、fnの変化が観察される以前の任意のサイクル数のものであるが、通常は、例えば、10〜40サイクルのもの、好適には15〜30サイクルのもの、より好適には20〜30サイクルのものが採用される。〕
尚、本過程においては、上記処理で得られた算出値をコンピュータのデスプレー上に表示及び/又は印字する、又は比較値若しくは当該値を各サイクル数の関数としてグラフの形で同様に表示及び/又は印字するサブステップを含むものであるが、〔数式1〕あるいは〔数式2〕による補正演算処理値については、上記サブステップを適用しても、しなくともよい。
第三の特徴は、(1)〔数式3〕あるいは〔数式4〕により算出された蛍光変化割合あるいは蛍光変化率のデータを用いて、〔数式5〕、〔数式6〕あるいは〔数式7〕による演算処理する過程、
logb(Fn)、ln(Fn) 〔数式5〕
logb{(1-Fn)×A}、ln{(1-Fn)×A} 〔数式6〕
logb{(Fn-1)×A}、ln{(Fn-1)×A} 〔数式7〕
〔式中、
A、b:任意の数値、好ましくは整数値、より好ましくは自然数である。そして、A=100、b=10のときは、{(Fn−1)×A}は百分率(%)で表わされる。
n:〔数式3〕あるいは〔数式4〕により算出されたnサイクルにおける蛍
光変化割合あるいは蛍光変化率〕、
(2)前記(1)の演算処理値が一定値に達したサイクル数を求める演算処理過程、
(3)既知濃度の核酸試料におけるサイクル数と反応開始時の標的核酸のコピー数の関係式を計算する演算処理過程、
(4)未知試料におけるPCR開始時の標的核酸のコピー数を求める演算処理過程、
を有するデータ解析方法である。そして、(1)→(2)→(3)→(4)の順からなる過程が好適である。
前記(1)〜(3)の各過程は、それぞれの処理で得られた演算処理値をコンピュータのデスプレー上に表示及び/又は当該値を各サイクル数の関数としてグラフの形で前記同様に表示及び/又は印字するサブステップを含むものであってもよい。前記(4)の過程で得られた演算処理値は、少なくとも印字される必要があるので、当該過程は印字するサブステップを含む。前記(4)で得られた演算処理値を更にコンピュータのデスプレイ上に表示してもよい。
尚、〔数式1〕あるいは〔数式2〕による補正演算処理値、〔数式3〕あるいは〔数式4〕による算出処理値を、各サイクル数の関数としてにグラフの形でコンピュータのデスプレー上に表示及び/又は印字しても、しなくてもよいので、それらの表示及び/又は印字のサブステップは必要に応じて追加すればよい。
第4の特徴は、リアルタイム定量的PCRの解析装置において、前記本発明のリアルタイム定量的PCR方法のためのデータ解析方法を実行する演算及び記憶手段を有するリアルタイム定量的PCRの測定及び/又は解析装置である。
第5の特徴は、リアルタイム定量的PCRの解析装置を用いてPCRを解析するデータ解析方法の各手順をプログラム化して、そのプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体において、前記本発明のデータ解析方法の各手順をコンピュータに実行させることができるようにしたプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体である。
第6の特徴は、核酸測定方法において、前記本発明のデータ解析方法、測定及び/又は解析装置、記録媒体を利用する新規な核酸の測定方法である。
また、第7の特徴は、前記の本発明の核酸の融解曲線の分析方法、即ち、本発明のPCR方法を行って核酸のTm値を求める方法によって得られるデータを解析する方法である。
即ち、本発明のPCR法により増幅された核酸について、低い温度から核酸が完全に変性するまで、温度を徐々に上げる過程(例えば、50℃から95℃まで)、この過程において、短い時間間隔(例えば、0.2℃〜0.5℃の温度上昇に相当する間隔)で蛍光強度を測定する過程、測定結果を時間の関数としてデスプレー上に表示する過程、即ち、核酸の融解曲線を表示する過程、この融解曲線を微分して微分値(-dF/dT、F:蛍光強度、T:時間)を得る過程、その値を微分値としてデスプレー上に表示する過程、その微分値から変曲点を求める過程からなる、解析方法である。本発明においては、各サイクルにおける核酸伸長反応時、好ましくはPCR反応終了時の蛍光強度値を熱変性反応時の蛍光強度値を用いて割る演算処理する過程を上記の過程に追加することにより、より好ましい結果が得られる。
前記の本発明の新規なPCR方法のデータ解析方法に、本発明の核酸の融解曲線の分析をする方法を追加してなる本発明のリアルタイム定量的PCRの測定及び/又は解析装置も本発明の技術的範囲内である。
更に、本発明の特徴の一つは、本発明の核酸の融解曲線の分析をする方法の各手順をコンピュータに実行させることができるようにしたプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体、また、前記本発明のPCR方法のデータ解析方法の各手順をコンピュータに実行させることができるようにしたプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体において、本発明の核酸の融解曲線の分析をする方法の各手順をコンピュータに実行させることができるようにしたプログラムを追加して記録したコンピュータ読取可能な記録媒体である。
本発明の前記のデータ解析方法、装置、及び記録媒体は、医学、法医学、人類学、古代生物学、生物学、遺伝子工学、分子生物学、農学、植物育種学等の各種の分野で利用できる。また、複合微生物系、共生微生物系と云われ、色々の種類の微生物が混在するか若しくは少なくとも一種類の微生物が他の動物、植物由来の細胞と共に混在していて相互に単離できない微生物系等に好適に利用できる。ここで云う微生物とは一般的に云う微生物のことで、特に限定されるものではない。例えば、真核微生物、原核微生物、その他マイコプラズマ、ウイルス、リッケチャ等を挙げることができる。
また、本発明の前記データ解析方法、装置及び記録媒体の一つ又はそれ以上を用いて、複合微生物系又は共生微生物系における特定菌株の5SrRNA、16SrRNA若しくは23SrRNA又はそれらの遺伝子DNAのコピー数を定量することにより、当該系における特定菌株の存在量を測定することができる。それは、5SrRNA、16SrRNA若しくは23SrRNAの遺伝子DNAのコピー数は菌株よって一定であるからである。本発明においては、複合微生物系又は共生微生物系のホモジネートを用いて、本発明のリアルタイム定量的PCRを行い、特定菌株の存在量を測定することが可能である。この方法も、本発明の技術的範囲内とする。
4)多型解析方法
その特徴は多型解析方法に前記の本発明の核酸プローブを用いて、核酸を測定することにある。本発明において、“多型”とは、生物学的多型(polymorphisms)のことであるが、本発明においては、特に、その多型をもたらしている遺伝子(RNA、DNA、遺伝子)の多型である。現在分子生物学で使用されている意味と同じである。
“多型解析”とは、遺伝子にはどのような多型があるかを分析・解析することである。
現在、上記の多型解析方法には、SSOP(sequence specific oligonucleotide probe)方法、RFLP(restriction fragment length polymorphism)方法、T-RFLP(terminal restriction fragment length polymorphism)方法、SSCP(single strand conformation)方法、MPH方法、CFLP(cleavase fragment length polymorphism)方法、SSP(ssequences specific primer)方法、PHFA(preferential homoduplex formation formation assay)方法、SBT(sequence based typing)方法(PCR方法、利用の手引き、中外医学社、1998年;蛋白質・核酸・酵素;35巻、17号、1990年、共立出版株式会社;実験医学、15巻、7号(増刊号)、1997年)などがあるが、本発明においては、現在多型解析に用いられている方法はすべて使用できるが、特にT-RFLP方法、またはCFLP方法が好適に使用できる。
以下、順を追って具体的に説明する。
第一の特徴は本発明の核酸プローブを用いる定量的遺伝子増幅方法にある。定量的遺伝子増幅方法は、定量性を有する方法であればどの方法でも採用できる。例えば、PCR方法が好適に採用できる。その中でも定量的PCR方法もしくはリアルタイムモニタリング定量的PCR方法がより好ましい方法である。
従来公知の定量的PCR方法には、例えば、RT-PCR、RNA-primed PCR、Stretch PCR、逆PCR、Alu配列を利用したPCR、多重PCR、混合プライマーを用いたPCR、PNAを用いたPCR等の方法などを挙げることができる。
これら従来公知の定量的PCR方法は、dATP、dGTP、dCTPおよびdTTP若しくはdUTP、標的遺伝子(DNAまたはRNA)、Taqポリメラーゼ、プライマー、並びに蛍光色素で標識した核酸プローブ若しくはインターカレーターを用いて、Mgイオンの存在下に、温度を低温、高温を繰り返しつつ標的遺伝子を増幅し、増幅過程の蛍光色素の発光の増加量をリアルタイムでモニタリングするものである(実験医学、15巻、7号、46〜51ページ、1997年、羊土社)。
本発明の本発明の核酸プローブを用いる定量的PCR方法は、蛍光色素で標識したプローブを用いる方法であるが、当該プローブが標的遺伝子とハイブリダイズしたときに蛍光色素の発光量が変化(特に、蛍光発光プローブの場合では増加するが、蛍光消光プローブでは減少する。)するように設計されたプローブを用いる定量的PCR方法である。
具体的には、第一発明、第二発明の個所で詳しく記載した本発明の核酸プローブを用いて、第三発明の個所で詳しく記載した定量的PCR方法を行う方法で遺伝子増幅を行えばよい。
本発明の定量的PCR方法による遺伝子増幅は、従来公知の増幅反応条件で達成できる。増幅は一般に通常用いられている増幅度まで行うのがよい。標的遺伝子の増幅過程において、蛍光強度値を蛍光光度計で測定する。その変化量は増幅された遺伝子量に比例する。蛍光強度値の変化量を時間(PCR方法の場合はサイクル数)の関数として、通常のグラフにプロットするとS字型(シグモイド)曲線になり、片対数グラフにプロットすると、最初は指数関数と同様に直線状に増加し、その後穏やかなプラトーに達する曲線になる。
PCR開始前の初期遺伝子量の定量性を向上させるための標的遺伝子の増幅の程度即ち遺伝子増幅の反応を停止する時期は、多型系解析の目的に依存するので、特に限定されるものではない。即ち、多型系の優先多型だけを解析する場合には、前記蛍光変化が観察され始めてから前記のプラトーに達する前までの任意の時間まで標的遺伝子を増幅させるのが好適である。最も好適には指数関数的増幅期(シグモイド曲線の中点(曲線の微分値が0になる点)に達する前)で反応を止めることである。しかし、多型系に含まれる多型全部を解析する場合、試行錯誤的に何回かの実験を行い、最良と考えられる増幅度を求め、反応系における多型を示す遺伝子全てが観察され得る程度まで増幅するのがよい。また増幅を複数回に分けて、即ち複数の増幅度で実験を行い、総合的に結果を解析する方法も好適に採用される。それは、マイナーな多型は時間的に大きなラグ(遅延)を有するシグモイド曲線を描くようになるからである。
本発明の蛍光消光プローブをプライマーとして用いて、定量的PCR方法、特にリアルタイムモニタリング定量的PCR方法を行った場合は、プライマーとしての蛍光消光プローブが標的遺伝子の増幅に次から次へと利用され、蛍光色素で標識された標的遺伝子が増幅される。そして、増幅された標的遺伝子はお互いに対応する標的遺伝子とハイブリダイズする。ハイブリダイズすると、蛍光強度値が減少する。それで、蛍光強度の減少量をトーレスすることにより前記と同様にして最良な増幅度まで増幅反応を行えばよい。当該定量的PCR方法も通常のPCR方法と同様の反応条件で反応を行うことができる。それで、Mgイオン濃度が低濃度(1〜2mM)もしくは従来公知の高濃度(2〜4mM)である反応系で標的遺伝子の増幅を行うことができる。
前記の標的遺伝子の増幅反応前に、標準の遺伝子を用いて遺伝子の検量線を作成しておくのが好ましい。例えば、前記の本発明の蛍光消光プローブをプライマーとして用い、前記リアルタイムモニタリング定量的PCR方法を行った場合について記述する。
そして、蛍光強度の減少量をサイクル数の関数として、通常のグラフにプロットするとS字型(シグモイド)曲線になる。そして、減少速度の最も大きい時点のサイクル数と標的遺伝子の初期のコピー数(PCR開始前のコピー数)、即ち初期の標的遺伝子とは指数関数的な関係にある。それらの時点のサイクル数とコピー数の関係の標準直線を作成しておけば、未知試料の標的遺伝子の最初のコピー数、即ち最初の標的遺伝子量を求めることができる。
尚、前記の蛍光消光プローブを用いる定量的PCR方法は、本発明者らによって開発された新規な方法である。
当該定量的多型解析方法の第二の特徴は、当該定量的PCR方法によって得られるデータを解析する解析方法である。
そして、それは前記の定量的PCR方法で得られたデータを解析する方法そのものである。この解析方法は、初期の標的遺伝子量をできるだけ正確に測定するには現在最も好適なものである。
また、本発明は、前記の定量的遺伝子増幅方法に用いる試薬キット、前記のデータ解析方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
また、本発明は、前記のデータ解析方法を実施するための手段を有することを特徴とするデータ解析装置である。
本発明の第三の特徴は、前記のようにして本発明の定量的PCR方法で増幅された遺伝子について、多型を解析する方法である。
そこで、多型解析方法について具体的に説明する。多型解析の各種方法の中でもT−RFLP方法が本発明において好適に利用できる。そこで、本発明の一つの例として、蛍光消光プローブをプライマーとして用いる定量的PCR方法、特にリアルタイムモニタリング定量的PCR方法で、遺伝子を増幅し、かつPCR前の初期遺伝子量を測定する。そして、その増幅産物について、T−RFLP方法で多型を解析する方法につて記述する。尚、蛍光消光プローブをプライマーとして用いて増幅された遺伝子は5’末端が本発明の蛍光色素で標識されている。
(1)先ず、増幅産物を制限酵素で消化する。このとき制限酵素としては、現在公知のどのようなものでも用いられるが、例えば、Bso FI、Hha I、Hph I、Mnl I、Rca I、Alu I、Msp Iなどを挙げることができる。これらの中でも好ましいものとしては、Hha I、Alu I、Msp Iなど、最も好ましいものとしては、Hha Iである。消化反応条件は現在公知の遺伝子ついての通常の条件でよい。例えば、制限酵素としてHha Iを選んだ場合、10単位の制限酵素濃度にて、37℃、6時間反応させる。
(2)前記のようにして消化された遺伝子断片について、加熱変性して、一本鎖化することが好適である。この変性処理も公知の通常の条件で行うことができる。例えば、97℃、5分処理後、氷中にて冷却する。
(3)遺伝子断片の分析・解析
本発明の多型解析方法では、蛍光色素で標識された遺伝子断片だけを、電気泳動方法、HPLC方法、シーケンサー方法などで分析し、解析することになる。 即ち、蛍光強度値で各バンド、各ピークを検出する。検出は現在市販されている通常の分析機器を使って行うことができる。例えば、ABI 373A(ABI社のシークエンサー)、ABI377(ABI社のシークエンサー)、Biofocus 3000(バイオラット社)などを挙げることができる。
本発明において、前記分析で、複数のバンド、または複数のピークが出現することは多型が存在することになる。シングルバンドまたはシングルピークの場合は多型が存在しないとになる。各バンドまたは各ピークの蛍光強度値の比は、とりもなおさず多型の存在比になる。前記の本発明の定量的PCR方法ではPCRを行う前の標的遺伝子の量が測定されるので、この測定値に前記の多型の比を乗ずれば、多型の初期存在量が求められることになる。
多型に関して、このようにしてデータを出す方法は、本発明の蛍光消光プローブを用いる定量的PCR方法を使用することにより初めて可能になるものである。
また、前記の定量的PCR方法のための試薬キットを含有するかもしくは添付させることにより、便利な定量的多型解析用試薬キットになる。
また、前記の多型解析方法で得られるデータを解析する方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体におて、前記のリアルタイムモニタリング定量的PCRのデータ解析方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを合わせ記録せることにより、コンピュータ読み取り可能な定量的多型解析方法のデータ解析のためのより便利な記録媒体になる。
また、量的多型解析方法のための手段を有する多型解析装置において、PCR方法のためのデータ解析装置を併設させることにより、便利な多型解析装置になる。
次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。実施例1から7までが本発明の蛍光発光プローブに関するものである。
実施例1
核酸プローブの合成
標的核酸の塩基配列をオリゴデオキシリボヌクレオチドからなる(5')GGGGGGAAAAAAAAA(3')として、本発明の核酸プローブの合成:次の順序で行った。
核酸プローブのデザイン
標的核酸の塩基配列が(5')GGGGGGAAAAAAAAA(3')であるから核酸プローブの塩基配列は簡単にオリゴデオキシリボヌクレオチドからなる(5')TTTTTTTTTCCCCCC(3')と設計できた。また本発明の核酸プローブを以下のようにデザインした。5’末端のリン酸に蛍光色素テキサスレッド(Texas Red)を、5’末端から6番目のチミンの塩基環の6位CのOH基にクエンチャー物質Dabcylを標識するものとした(Texas Red-(5')TTTTTT(Dabcyl-)TTTCCCCCC(3')なるデザイン)。
5'Amino-Modifier C6キット(Glen Research社、米国)を用いてチミジル酸のリン酸基をアミノリンカー(保護基MMT)で修飾した。Amino-Modifier C2dTキット(Glen Research社、米国)を用いてチミジンの塩基環の6位CのOH基をアミノリンカー(保護基TFA)で修飾した。これらの修飾チミジル酸およびチミジンを用いて、DNA合成機(ABI394)(株式会社パーキンエルマージャパンアプライド)を用いて、次の塩基配列を有するオリゴヌクレオチドを合成した。即ち、(5')TTTTTTTTTCCCCCC(3')の塩基配列をもつデオキシリボオリゴヌクレオチドで、5’末端のリン酸基が前記アミノリンカー(保護基MMT)で、また5’末端から6番目チミンの塩基環の6位CのOH基がアミノリンカー(保護基TFA)で修飾されている。尚、DNAの合成はβ−シアノエチルフォスフォルアミダイト法で行った。合成した後、保護基の脱離は28%アンモニア水で55℃、5時間で行った。
合成物の精製
前記得られた合成オリゴヌクレオチドを乾固し乾固物を得た。それを0.5M NaHCO3/Na2CO3緩衝液(pH9.0)に溶解した。当該溶解物をNAP-10カラム(ファルマシア社製)でゲルろ過を行い、未反応物を除去した。
クエンチャー物質の標識
前記濾過物を乾固し、150μLの滅菌水に溶解した(オリゴヌクレオチドA溶液)。1mgのDabcyl-NHS(Molecular Probes社、USA)を100μLのDMF(ジメチルホルムアミド)に溶解し、前記オリゴヌクレオチドA溶液、1M NaHCO3/Na2CO3バファー150μLを加え、撹拌後、室温で1晩反応させた。
合成物の精製
前記反応物をNAP-25(ファルマシア社製)でゲルろ過を行い、未反応物を除去した。次いで、2%TFAで5’末端の保護基(MMT)を脱離した。SEP-PAC C18カラムを用いる逆相HPLCを行い、前記オリゴヌクレオチドのリンカー−(CH2)7−NH2にクエンチャー物質Dabcylを結合せた目的物を分画した。分画物をNAP-10(ファルマシア社製)でゲル濾過した。
蛍光色素の標識
前記ゲル濾過物を乾固し、150μLの滅菌水に溶解した(オリゴヌクレオチドB溶液)。1mgのSulforhodamine 101 Acid Chloride(DOJINDO社、日本)を100μLのDMFに溶解し、前記オリゴヌクレオチドB溶液、1M NaHCO3/Na2CO3バファー150μLを加え、撹拌後、室温で1晩反応させ、5’末端のアミノリンカーに蛍光色素テキサスレッド(Texas-Red)を結合させた。
合成物の精製
前記反応物をNAP-25(ファルマシア社製)でゲルろ過を行い、未反応物を除去した。前記同様の逆相HPLCを行い、5’末端より7番目のチミン塩基に前記クエンチャー物質を結合させたオリゴヌクレオチドで、かつ5’末端に蛍光色素テキサスレッド(Texas-Red)を付加した本発明の核酸プローブ、即ち、蛍光色素とクエンチャー物質で標識された本発明の核酸プローブを得た。尚、本発明の核酸プローブは前記クエンチャー物質を結合させたオリゴヌクレオチドより遅れて溶出された。
本発明の核酸プローブの定量は、分光光度計で260nmの値を測定することにより行った。また、当該プローブについて、分光光度計を用いて650nm〜220nmの吸光度のスキャニングを行った結果、Dabcyl、テキサスレッド、DNAの吸収があることを確認した。さらに、前記同様の逆相HPLCで精製物の純度検定を行った結果、シングルピークであることを確認した。
前記のように、合成された本発明の核酸プロープでは、蛍光色素であるテキサスレッドおよびクエンチャー物質であるDabcylが標識されている個所の塩基鎖間で、少なくとも2か所で相補性のある塩基配列はない。それで、自己鎖中で2重鎖を形成することがない。即ちステムループ構造を形成することがない。
尚、上記の逆相クトマトグラフィーの条件は次の通りである。
・溶出ソルベントA:0.05N TEAA 5%CH3CN
・溶出ソルベントB(グラジエント(gradient)用):0.05N TEAA 40%CH3CN
・カラム:SEP-PAK C18;6×250mm
・溶出速度:1.0ml/min
・温度:40℃
・検出:254nm
実施例2
標的核酸の合成
前記のオリゴヌクレオチドの合成と同様にして、(5')GGGGGGAAAAAAAAA(3')なる塩基配列のオリゴヌクレオチドを合成して、本発明が適用可能な標的核酸とした。
実施例3
標的核酸に本発明のプローブをハイブリダイズさせた反応系の蛍光強度測定
石英セル(10mm×10mm)(容量4mL)に500μLの緩衝液(2M NaCl、200mM Tris-HCl:pH=7.2)を添加し、次に1460μLの滅菌蒸留水を添加し撹拌した。そこに、8.0μLの本発明の核酸プローブ(10μM)溶液を添加して撹拌した。35℃に保温して蛍光強度を時間を追って測定した(励起波長:581nm(8nm幅))、測定蛍光波長:603nm(8nm幅)。ついで、160nM濃度の標的核酸溶液32.0μLを添加し、撹拌した。そして時間を追って蛍光強度を前記と同じ条件で測定した。その結果を図1に示した。図から、標的核酸を添加したことにより、蛍光強度が増加し、増加度が極めて短時間即ち100秒(1分40秒)以内で一定になることが分かる(尚、分子ビーコンの場合、約15分を必要とする:Nature Biotechnology、14巻、303〜308ページ、1998年)。このことは本発明の核酸測定方法が短時間で実施できることを示している。
実施例4
標的核酸の測定
標的核酸の濃度を種々替える以外は前記と同じ条件で、各濃度について蛍光強度を測定した。その結果を図2に示した。図から、標的核酸の濃度に応じて蛍光強度も増加し、この関係が比例関係にあることが判明した。
以上の結果から、本発明の核酸プローブを用いれば、精度のよい核酸測定ができることが認識される。
実施例5 蛍光色素とクエンチャー物質間の距離の影響
図3に示す塩基配列のデオキシリボオリゴヌクレオチドを実施例1と同様に合成した。そして実施例1と同様にプローブとしては、デオキシリボオリゴヌクレオチドの5‘末端のリン酸基に蛍光色素Texas Redを標識し、チミン塩基の6位CのOH基にクエンチャー物質Dabcylを標識した。そして、標識チミン塩基を3’末端側に1塩基ずつ移動させた。このような本発明のプローブを20種合成した。各プローブを相補する標的デオキシリボオリゴヌクレオチドにハイブリダイズさせて、ハイブリダイゼーション前後の蛍光強度の変化量を測定した。
石英セル(実施例3と同じ)に500μlのトリス緩衝液(2M NaCl、200mM Tris−HCl、pH7.2)を添加した。次に1460μlの滅菌蒸留水を添加して攪拌した。そこに、10μMの本発明のプローブ溶液を8.0μl添加し、攪拌した(プローブの終濃度:40nM)。35℃に保温して蛍光測定を行った(励起:581nm、蛍光:603nm、スリット幅:8nm(両者とも))。ついで、10μMの標的デオキシリボオリゴヌクレオチド溶液を32.0μlを添加し、攪拌した(標的デオキシリボオリゴヌクレオチドの終濃度:160nM)。そして、前記と同条件で蛍光測定を時間を追って行った。
図4にその結果を示す。この図から明らかなように、DabcylとTexas Redで2重修飾した本発明の蛍光発光プローブは、ほとんどのプローブにおいて、標的デオキシリボオリゴヌクレオチドとハイブリダイズすると、ハイブリダイゼーション前の蛍光発色量に比較して、蛍光発色の増加が観察された。また、最大の蛍光発色はTexas Red標識リン酸基を有する塩基からDabcyl標識塩基の塩基間の距離(Texas Redで標識された塩基の塩基番号を0塩基とした場合)が6塩基のときにみられた。このときの蛍光発色量は約11倍であった。また、塩基間距離が16塩基のときにも大きな蛍光発色量が観察され、このときの蛍光発色量も6塩基同様に約11倍であった。DNAのラセンは、10塩基で1回転することから、5´末端塩基から見た6番目、16番目の塩基はほぼラセンの裏側になる。よって、6番目、16番目の塩基をクエンチャー物質でラベルすることで、デオキシリボオリゴヌクレオチドが一本鎖の時には、DabcylとTexas Red間の電子移動による蛍光消光が起っていたが、ハイブリダイゼーションにより物理的にDabcylとTexas Redが引き離された結果、電子移動による蛍光消光が解除され、Texas Redが蛍光発色したと考えられた。
実施例6 蛍光色素と蛍光発色量の関係
本発明の蛍光発光プローブにおける蛍光色素の種類について検討した。実験は実施例5と同様に行った。ただし、蛍光色素とDabcylの塩基間距離を6塩基とした。また、蛍光測定のスリット幅を励起、測定とも5nmとした。
その結果を表1に示した。
クエンチャーであるDabcylの吸収は、400−500nmにあるが、蛍光発色量が多いプローブは、Dabcylの吸収を大きく外れ、550nmより長波長側に蛍光発色を出すプローブが多い。この現象は、550nmより長波長側に蛍光を出す蛍光色素の場合、Dabcylの蛍光消光機構は主に、FRETではなく光励起電子移動によるものと考えられる。プローブの立体構造の変化により、物理的にDabcylと蛍光色素が引き離されるため、光励起電子移動による蛍光消光現象が解除される。FITCなどDabcylの吸収に近い波長の蛍光を出す蛍光色素の場合、立体構造の変化により物理的に、Dabcylと蛍光色素が引き離され、光励起電子移動による蛍光消光現象が解除されても、FRETによる蛍光消光が大部分を占めるため、FRETの蛍光消光からの蛍光発色があまり起らないと考えられた。したがって、本発明の蛍光発光プローブで用いる蛍光色素は以下の3点の条件をみたす色素が望ましい。即ち、(1)光励起電子移動による蛍光消光現象がDabcylとの間で発生する蛍光色素である。(2)Dabcylの吸収から大きく外れた波長の蛍光を発する蛍光色素である。(3)ハイブリ前の蛍光強度を押さえるため(光励起電子移動による蛍光消光現象がより起こりやすいように)、Dabcylとの相互作用の強い蛍光色素である。
Figure 0004909501
実施例7 蛍光色素、クエンチャーで鎖中塩基を修飾したプローブ
図5に示したような、蛍光色素とクエンチャーで鎖中の塩基を修飾したプローブと標的デオキシリボオリゴヌクレオチドを、以下の点を除いて実施例1と同様な方法で合成した。(1)5'Amino-Modifier C6キット(Glen Research社製、米国)を用いる方法の替わりに、Amino-Modifier C6 dT(Glen Research社製、米国)を用いる方法にて、Texas Redをプローブに修飾した。(2)5'Amino-Modifier C6キット(Glen Research社製、米国)を介してプローブをDabcylで修飾する方法の替わりに、Dabcyl dT(Glen Research社製、米国)を用いて、直接Dabcylを塩基鎖中に導入した。(3)よって、Dabcyl修飾工程とその後の精製工程を省いた。
そして得られたプローブが実際使用できるのかどうかを、実施例5と同様にして検討した。また、クエンチャー(Dabcyl)と蛍光色素(Texas Red)標識塩基間の距離の影響をも検討した。図6にその結果を示す。この結果からも明らかなように、蛍光色素、クエンチャーで鎖中の塩基を修飾したプローブでも、実際使用できることが判明した。また、最大の蛍光発色は、5’末端のリン酸基にTexas Redを修飾したものと同様に、Texas RedとDabcylとの塩基間の距離が6塩基、16塩基のときにみられた。このときの蛍光発色量はハイブリダイゼーション前に比較して約10倍であった。
実施例8から31及び比較実施例1は本発明の蛍光消光プローブに関するものである。
実施例8
大腸菌(Escherichia coli)の16SrRNAの核酸塩基配列にハイブリダイズする、即ち、(5')CTGCCTCCCG TAGGAGT(3')の塩基配列を有する核酸プローブの調製を以下の通りに行った。
核酸プローブの調製:(5')CTGCCTCCCG TAGGAGT(3')の塩基配列をもつオリゴデオキシリボヌクレオチドの5’末端のリン酸基に、-(CH2)7-NH2を結合したオリゴヌクレオチドを、メドランド・サーテイファイド・レージント・カンパニー社(Midland Certified Reagent Company、米国)から購入した。更に、モレキュラープローブ(Molecular Probes)社からフロオ・リポーターキット(FluoReporter Kit)F-6082(ボデピーFLのプロピオン酸サクシニミジルエステル(BODIPY FL propionic acid succinimidyl ester)の他に、当該化合物をオリゴヌクレオチドのアミン誘導体に結合する試薬を含有するキット)を購入した。当該キットを前記購入のオリゴヌクレオチドに作用させて、本実施例で使用するボデピーFLで標識した核酸プローブを合成した。
合成物の精製:得られた合成物を乾固し乾固物を得た。それを0.5M NaHCO3/Na2CO3緩衝液(pH9.0)に溶解した。当該溶解物をNAP-25カラム(ファルマシア社製)でゲルろ過を行い、未反応物を除去した。更に逆相HPLC(B gradient:15〜65%、25分間)を以下の条件で行った。そして、溶出するメインピークを分取した。分取した画分を凍結乾燥して、最初のオリゴヌクレオチド原料2mMより23%の収率で核酸プローブを得た。
尚、上記の逆相クトマトグラフィーの条件は次の通りである。
・溶出ソルベントA:0.05N TEAA 5% CH3CN
・溶出ソルベントB(グラジエント(gradient)用):0.05N TEAA 40% CH3CN
・カラム:CAPCEL PAK C18; 6×250mm
・溶出速度:1.0ml/min
・温度:40℃
・検出:254nm
実施例9
殺菌したニュウトリエントブロス(NB)(Difco社製)液体培地50ml(組成:NB、0.08g/100ml)が添加された200ml容の(殺菌された)三角フラスコを用いて、大腸菌JM109株を37℃で一晩振蘯培養した。次に、本培養液に99.7%エタノールを当量添加した。このエタノール添加培養液2mlを2.0ml容量のエッペンドルフ遠心チューブで遠心分離し、菌体を得た。30mMリン酸緩衝液(ソーダ塩)(pH:7.2)100μlで菌体を一回洗浄した。菌体を130mMのNaCl含有の前記リン酸緩衝液100μlに懸濁した。当該懸濁液を氷冷中で40分間超音波処理し(出力:33w、発振周波数:20kHz、発振法:0.5秒発振、0.5秒休止)、ホモジネートを作製した。
前記ホモジネートを遠心分離した後、上澄液を採取し蛍光光度計のセルに移した。それを36℃に温調した。それに36℃に予め加温した前記核酸プローブの溶液を最終濃度で5nMとなるように添加した。36℃に温調しながら90分間大腸菌16SrRNAと核酸プローブとをハイブリダイズさせた。そして蛍光光度計で蛍光色素の発光量を測定した。
ハイブリダイゼーション前の蛍光色素の発光量は、上記の上澄液の代りに、130mMのNaCl含有の30mMのリン酸緩衝液(ソーダ塩)(pH:7.2)を用いて測定した値を採用した。核酸プローブの量と上澄液の量の比を変えて発光量を測定した(励起光503nm;測定蛍光色512nm)。その結果を図7に示した。図7から分かるように、上澄液の量比が増加することにより蛍光色素の発光が減少した。即ち、本発明においては、核酸プローブにハイブリダイズする標的核酸量に比例して、蛍光色素の発光の減少量の大きさが大きくなることが分かる。
実施例10
核酸プローブの調製:大腸菌JM109株の23SrRNAにハイブリダイズする(5')CCCACATCGTTTTGTCTGGG(3')の塩基配列をもつオリゴヌクレオチドの5’末端ヌクレオチドの3’位炭素のOH基に、-(CH2)7-NH2を結合したオリゴヌクレオチドを、実施例8と同様にメドランド・サーテイファイド・レージント・カンパニー社(Midland Certified Reagent Company、米国)から購入した。更に、実施例8と同様にモレキュラープローブ(Molecular Probes)社からフロオ・リポーターキット(FluoReporter Kit) F-6082(ボデピーFLのプロピオン酸サクシニミジルエステル(BODIPY FL propionic acid succinimidyl ester)の他に、当該化合物をオリゴヌクレオチドのアミン誘導体に結合する試薬を含有するキット)を購入した。当該キットを前記オリゴヌクレオチドに作用させて、ボデピーFLで標識した核酸プローブを合成した。得られた合成物を実施例8と同様に精製して、最初のオリゴヌクレオチド原料2mMより25%の収率でボデピーFLで標識した核酸プローブを得た。
実施例11
実施例9で得られた大腸菌JM109株の菌体に実施例9と同一の培地及び培養条件で調製したシュウドモナス・プウシモビルス 421Y株(Pseudomonas paucimobilis)(現在名:スフィンゴモナス・プウシモビルス)(FERM P-5122)の菌体をOD660値で大腸菌JM109株と同濃度混合し、複合微生物系を調製した。得られた混合液(大腸菌JM109株の菌体濃度は実施例9と同一)について実施例9と同じ方法によりホモジネートを調製した。実施例10で調製した核酸プローブを用いて、実施例9と同様な実験を行った結果、実施例9と同様な結果を得た。
実施例12
蛍光消光現象における標的核酸の塩基選択性、即ち、本発明の塩基特異性を検討した。下記に示す標的合成デオキシリボオリゴヌクレオチド(30mer)の10種類(poly a〜poly j)をDNA合成機ABI394(Perkin Elmer社製、米国)で調製した。
更に、上記の合成デオキシリボオリゴヌクレオチド(標的遺伝子または標的核酸)に対応するデオキシリボオリゴヌクレオチドの5’末端にボデピーFLで標識した下記に示す本発明のプローブを調製した。
上記の合成デオキシリボオリゴヌクレオチドに対応するプライマーであるデオキシリボオリゴヌクレオチドの5’末端のリン酸基に、-(CH2)6-NH2を結合したプライマーをメドランド・サーテイファイド・レージント・カンパニー社(Midland Certified Reagent Company、米国)から購入した。更に、モレキュラープローブ(Molecular Probes)社からフロオ・リポーターキット(FluoReporter Kit)F-6082(ボデピーFL/C6のプロピオン酸サクシニジルエステル(BODIPY FL propionic acid succinidyl ester)の他に、当該化合物をデオキシリボオリゴヌクレオチドのアミン誘導体に結合させる試薬を含有するキット)を購入した。当該キットを前記購入のプライマーのデオキシリボオリゴヌクレオチドに作用させて下記のボデピーFLで標識した本発明のプローブprobe a〜d、及びf〜hのを合成した。そして対応する合成デオキシリボオリゴヌクレオチドとハイブリダイズしたときに、蛍光色素の発光がどの程度減少するか(即ち、消光の程度)を下記の条件下に調べ、本発明のプローブの特異性を検討した。尚、精製は実施例8と同様に行った。
名称:標的デオキシリボオリゴヌクレオチド
・poly a 5'ATATATATTTTTTTTGTTTTTTTTTTTTTT3'
・poly b 5'ATATATATTTTTTTTTGTTTTTTTTTTTTT3'
・poly c 5'ATATATATTTTTTTTTTGTTTTTTTTTTTT3'
・poly d 5'ATATATATTTTTTTTTTTGTTTTTTTTTTT3'
・poly e 5'ATATATATTTTTTTTTTTTGTTTTTTTTTT3'
名称:標的デオキシリボオリゴヌクレオチド
・poly f 5'ATATATATTTTTTTTCTTTTTTTTTTTTTT3'
・poly g 5'ATATATATTTTTTTTTCTTTTTTTTTTTTT3'
・poly h 5'ATATATATTTTTTTTTTCTTTTTTTTTTTT3'
・poly i 5'ATATATATTTTTTTTTTTCTTTTTTTTTTT3'
・poly j 5'ATATATATTTTTTTTTTTTCTTTTTTTTTT3'
名称:本発明のプローブ
・probe a 3'TATATATAAAAAAAACAA5'-BODIPY FL/C6
・probe b 3'TATATATAAAAAAAAACA5'-BODIPY FL/C6
・probe c 3'TATATATAAAAAAAAAAC5'-BODIPY FL/C6
・probe d 3'TATATATAAAAAAAAAAA5'-BODIPY FL/C6
名称:本発明のプローブ
・probe f 3'TATATATAAAAAAAAGAA5'-BODIPY FL/C6
・probe g 3'TATATATAAAAAAAAAGA5'-BODIPY FL/C6
・probe h 3'TATATATAAAAAAAAAAG5'-BODIPY FL/C6
(1)ハイブリダイゼーション溶液のコンポーネント
・合成DNA 320nM(終濃度)
・核酸プローブ 80nM(終濃度)
・NaCl 50mM(終濃度)
・MgCl2 1mM(終濃度)
・トリス−塩酸緩衝液(pH=7.2)
100mM(終濃度)
・ミリQ純水 1.6992ml
・終全量 2.0000ml
(2)ハイブリダイゼーションの温度:51℃
(3)測定条件:
・励起光:503nm
・測定蛍光色:512nm
Figure 0004909501
その結果を表2に示した。表2から分かるように、蛍光色素で標識された核酸プローブが標的DNA(オリゴデオキシリボヌクレオチド)にハイブリダイズしたときに、当該末端部において、当該プローブと標的DNAとがハイブリダイズした末端塩基部から1〜3塩基離れて、標的DNAの塩基配列にG(グアニン)が少なくとも1塩基以上存在するように、当該プローブの塩基配列が設計されていることが好適である。また、蛍光色素で標識された核酸プローブが標的DNAにハイブリダイズしたときに、当該末端部において核酸ハイブリッド複合体の複数の塩基対がGとCのペアーを少なくとも一対以上形成するように、当該プローブの塩基配列が設計されていることが好適であることが表2から分かる。
実施例13
下記のような塩基配列の標的核酸と本発明の核酸プローブを調製した。標的核酸内のG及び本発明の核酸プローブ内のGの数の影響について、前記実施例と同様にして調べた。
名称:標的デオキシリボオリゴヌクレオチド
・poly k 5'TATATATATATTTTTGGGGG3'
・poly l 5'TATATATATATTTTTTGGGG3'
・poly m 5'TATATATATATTTTTTTGGG3'
・poly n 5'TATATATATATTTTTTTTGG3'
・poly o 5'TATATATATATTTTTTTTTG3
名称:標的デオキシリボオリゴヌクレオチド
・poly p 5'TATATATATATTTTTCCCCC3'
・poly q 5'TATATATATATTTTTTCCCC3'
・poly r 5'TATATATATATTTTTTTCCC3'
・poly s 5'TATATATATATTTTTTTTCC3'
・poly t 5'TATATATATATTTTTTTTTC3'
・poly u 5'TATATATATATTTTTTTTTT3'
名称:本発明のプローブ
・probe k 3'ATATATATATAAAAACCCCC5'-BODIPY FL/C6
・probe l 3'ATATATATATAAAAAACCCC5'-BODIPY FL/C6
・probe m 3'ATATATATATAAAAAAACCC5'-BODIPY FL/C6
・probe n 3'ATATATATATAAAAAAAACC5'-BODIPY FL/C6
・probe o 3'ATATATATATAAAAAAAAAC5'-BODIPY FL/C6
名称:本発明のプローブ
・probe p 3'ATATATATATAAAAAGGGGG5'-BODIPY FL/C6
・probe q 3'ATATATATATAAAAAAGGGG5'-BODIPY FL/C6
・probe r 3'ATATATATATAAAAAAAGGG5'-BODIPY FL/C6
・probe s 3'ATATATATATAAAAAAAAGG5'-BODIPY FL/C6
・probe t 3'ATATATATATAAAAAAAAAG5'-BODIPY FL/C6
・probe u 3'ATATATATATAAAAAAAAAA5'-BODIPY FL/C6
Figure 0004909501
表3から分かるように、標的核酸内のGの数、本発明のプローブ内のGの数はそれほど蛍光強度の減少に影響しないことが認識される。
実施例14
前記と同様にして下記のような塩基配列の標的核酸と本発明の核酸プローブを調製した。尚、本実施例における本発明の核酸プローブはオリゴヌクレオチドの5’末端部をボデピーFL/C6で標識したものである。標的核酸内の塩基種及び本発明の核酸プローブ内の塩基種の影響について、前記実施例と同様にして調べた。
名称:標的デオキシリボオリゴヌクレオチド
・poly W 5'CCCCCCTTTTTTTTTTTT 3'
・poly X 5'GGGGGGAAAAAAAAAAAA 3'
・poly Y 5'TTTTTTCCCCCCCCCCCC 3'
・poly Z 5'AAAAAAGGGGGGGGGGGG 3'
名称:本発明のプローブ
・probe w BODIPY FL/C6-5'AAAAAAAAAGGGGGG 3'
・probe x BODIPY FL/C6-5'TTTTTTTTTCCCCCC 3'
・probe y BODIPY FL/C6-5'GGGGGGGGGAAAAAA 3'
・probe z BODIPY FL/C6-5'CCCCCCCCCTTTTTT 3'
Figure 0004909501
表4及び前記の実施例から分かるように、(i)蛍光色素で標識される本発明のプローブの末端がCで構成され、標的核酸がハイブリダイズしたとき、GCペアーを形成するとき、(ii)蛍光色素で標識される本発明のプローブの末端がC以外の塩基で構成された場合、蛍光色素で標識されている個所の塩基と、標的核酸の塩基との塩基ペアーより、標的核酸の3’末端側にGが少なくとも1個以上存在する場合に、蛍光強度の減少率が大きい。
実施例15 鎖内修飾の蛍光消光プローブ
プローブおよび標的核酸(ターゲット)の調製
下記に示す塩基配列の本発明の核酸プローブaおよびb並びにオリゴデオキシリボヌクレオチドの標的核酸cおよびdを下記に示す方法で調製した。
プローブa、bに示す塩基配列のオリゴデオキシリボヌクレオチドの鎖内にAmio-Modifier C6 dC(グリンリサーチ社製)を用いてアミノリンカーをプローブ配列内に導入した後、当該アミノリンカーにBodipy FLでポストラベルを本発明のプローブとした(下線部がAmino-Modifier C6 dC導入部位)。上記以外の合成方法は実施例8と同様である。下記に示したように、プローブaはデオキシリボオリゴヌクレオチドの鎖内の一ケ所で、またプローブbは、5ケ所でBodipy FLにより修飾されている。オリゴデオキシリボヌクレオチドの合成、当該オリゴデオキシリボヌクレオチドのBodipy FLでの修飾方法、およびプローブの精製方法等は、前記実施例に示した方法と同様である。
プローブa:5'TTTC(-Bodipy FL)TTTTTT CCCCCCCCC3'
プローブb:5'TTTC(-Bodipy FL)TTC(-Bodipy FL)TTC(-Bodipy FL) CCC(-Bodipy FL)CCC(-Bodipy FL)CCC3'
標的核酸c:5'GGGGGGGGAA AAAAGAAA3'(プローブaのターゲット)
標的核酸d:5'GGGGGGGGGA AGAAGAAA 3’(プローブbのターゲット)
測定方法
添加プローブ濃度は8μM(最終濃度)、添加標的核酸濃度は32μM(最終濃度)とした。また、蛍光励起波長は499nm、蛍光測定波長は522nmで行った。スリット幅は、それぞれ5nmとした。上記以外の条件は、実施例12の蛍光消光現象における標的核酸の塩基選択性と同様の実験法方法で行った。
実験結果
下記の表5から、プローブa若しくはbが標的核酸にハイブリダイズすると、そのハイブリダイゼーション前後で蛍光強度が著しく減少する(蛍光消光する)ことが明らかとなった。よって、一個若しくは数個の蛍光色素を同一DNAプローブ鎖内のCに修飾した場合でも、1個の蛍光色素をオリゴヌクレオチドの5’末端のリン酸基、または3’末端のリボース若しくはデオキシリボースの3’位のOH基に修飾した場合(この場合、核酸プローブの5’末端若しくは3’末端のの塩基が標的核酸とGCペアーを形成している。−−−特願2001−133529)と同様に蛍光強度が減少することが明らかとなった。また、プローブbの初期蛍光強度値は、プローブaの初期蛍光強度値より、約4倍高いことが分かる。従って、同一鎖内のCに複数個の蛍光色素をラベルする事により、蛍光強度が減少する性質を損なうことなしに、検出感度が大幅に向上することが示唆された。この蛍光強度の減少は、蛍光色素の発光エネルギーがGとの相互作用により、Gに転移するのか他の物質に転移するかによりおこるものと推定される。この現象は本発明者らにより世界で初めて発見されたものである。
Figure 0004909501
実施例16
本発明の核酸プローブに標識する色素の種類について、前記実施例と同様にして調べた。尚、本発明のプローブは、前記実施例14のプローブzを、また、標的核酸は前記実施例14のオリゴヌクレオチドzを用いた。
その結果を、表6に示した。表から分かるように、本発明に用いる蛍光色素として好適なものは、FITC、 BODIPY FL、 BODIPY FL/C3、 BODIPY FL/C6、 6-joe、TMRなどを挙げることができる。
Figure 0004909501
実施例17(標的核酸(16SrRNA)の加熱処理の効果の実験)
本発明の核酸プローブの調製:大腸菌JM109株の16SrRNAの1156塩基目から1190塩基の塩基配列に相当するKYM-7株の16SrRNA塩基配列に特異的にハイブリダイズする(5')CATCCCCACC TTCCT CCGAG TTGACCCCGG CAGTC(3')(35塩基対)の塩基配列をもち、1〜16及び25〜35塩基目がデオキシリボヌクレオチド、17〜24塩基目が2’位炭素のOH基をメチル基で修飾(エーテル結合で修飾)したリボオリゴヌクレオチドからなり、その5’末端のリン酸基のOH基を-(CH2)7-NN2で修飾して結合したオリゴヌクレオチドを、実施例8と同様にメドランド・サーテイファイド・レージント・カンパニー社(Midland Certified Reagent Company、米国)から購入した。また、2-o-Meプローブ(2-o-Meオリゴヌクレオチドからなるプローブを単に2-o-Meプローブという。)に使用する2-o-Meオリゴヌクレオチドは、GENSET株式会社(フランス)に合成を委託し、得たものである。
更に実施例8と同様にモレキュラープローブ(Molecular Probes)社からフロオ・リポーターキット(FluoReporter Kit) F-6082(ボデピーFL/C6のプロピオン酸サクシニミジルエステル(BODIPY FL/ C6 propionic acid succinimidyl ester)の他に、当該化合物をオリゴヌクレオチドのアミン誘導体に結合する試薬を含有するキット)を購入した。当該キットを前記オリゴヌクレオチドに作用させて、ボデピーFL/C6で標識した本発明の核酸プローブを合成した。得られた合成物を実施例8と同様に精製して、最初のオリゴヌクレオチド原料2mMより23%の収率でボデピーFL/C6で標識した本発明の核酸プローブを得た。このプローブを35塩基鎖2-O-Meプローブと名づけた。
5')TCCTTTGAGT TCCCGGCCGG A (3')の塩基配列を有するオリゴリボヌクレオチドを前記同様にしてDNA合成機を用いて合成して、フォワード(forward)型のヘルパープローブとした。一方、(5')CCCTGGTCGT AAGGGCCATG ATGACTTGAC GT(3')の塩基配列を有するオリゴリボヌクレオチドを前記同様にしてDNA合成機を用いて合成して、バックワード(backward)型即ちリバース型ヘルパープローブとした。
35塩基鎖2-O-Meプローブ、フォワード型のヘルパープローブ及びリバース型ヘルパープローブを各々25nMになるように下記に示す組成の緩衝液に溶解させ、75℃に加温した(プローブ溶液)。
前記の16SrRNAを95℃で5分加熱処理した後、それを下記に示す反応条件においた前記のプローブ溶液に添加した後、蛍光測定機器パーキンエルマー(Perkin Elmer)LS-50Bで蛍光強度を測定した。その結果を図8に示した。尚、上記の加熱処理しない16SrRNAを用いたものをコントロールとした。加熱処理した実験区においては、蛍光強度の減少が大きいことが図8から分かる。この結果は、16SrRNAを95℃で加熱処理することで本発明のプローブとより強いハイブリダイゼーションをしていることを示している。
反応条件:
・16SrRNA:10.0nM
・プローブ:各々25nM
・緩衝液:100mMコハク酸、125mM水酸化リチウム、8.5%リチウムドデシルサルファイト、pH5.1
・温度:75℃
実施例18(2'-O-Meオリゴヌクレオチド及びヘルパープローブのハイブリダイゼーション効率向上への寄与の実験)
前記の16SrRNAにハイブリダイズする下記の各種の本発明の核酸プローブ及び各種のヘルパープローブを前記実施例17と同様にして調製した。また、2-o-Meプローブに使用する2-O-Meオリゴヌクレオチドは、すべてGENSET株式会社(フランス)に合成を委託し、得たものである。そして下記の条件にて、本発明の2-o-Meプローブの効果、当該プローブの塩基鎖の長さの影響、及びヘルパープローブの効果について、下記の図9A、B、C、及びDの実験系で前記実施例17と同様にして検討した。その結果を図9に示した。
図から、本発明の2-o-Meプローブがハイブリダイゼーション効率に寄与していることが分かる。また、2-o-Meプローブの塩基鎖が短い場合にヘルパープローブがハイブリダイゼーション効率を高めるのに役立っている。
1)35塩基鎖2-o-Meプローブ:前記実施例17と同じプローブ、
2)35塩基鎖DNAプローブ:前記1)の35塩基鎖2-o-Meプローブと同じ塩基配列であるが、オリゴヌクレオチドがデオキシリボースで構成されているプローブ、
3)17塩基鎖2-O-Meプローブ:前記1)の35塩基鎖2-O-Meプローブと同じ塩基配列であるが、5’末端から8塩基分、3’末端から10塩基分のヌクレオチドを削除したプローブ、
4)17塩基鎖DNAプローブ:前記2)の33塩基鎖DNAプローブと同じ塩基配列であるが、3’末端から16塩基分のヌクレオチドを削除したプローブ、
5)フォワード型2-o-Meヘルパープローブ:前記実施例17のフォワード型ヘルパープローブの中央8塩基分(5’末端から数えて9塩基〜16塩基分)のリボースの2’位炭素のOH基を、メチル基で修飾(エーテル結合)したヘルパープローブ、
6)リバース型2-O-Meヘルパープローブ:前記実施例17のリバース型ヘルパープローブの中央8塩基分(5’末端から数えて9塩基〜16塩基分)のリボースの2’位炭素のOH基を、メチル基で修飾(エーテル結合)したヘルパープローブ、
7)フォワード型DNAヘルパープローブ:前記実施例17のフォワード型ヘルパープローブの塩基配列と同じ塩基配列であるが、オリゴヌクレオチドがデオキシリボヌクレオチドで構成されているヘルパープローブ、
8)リバース型DNAヘルパープローブ:前記実施例17のリバース型ヘルパープローブの塩基配列と同じ塩基配列であるが、オリゴヌクレオチドがデオキシリボヌクレオチドで構成されているヘルパープローブ、
9)35塩基オリゴリボヌクレオチド:(5')CATCCCCACC TTCCTCCGAG TTGA CCCCGG CAGTC(3')なる塩基配列を有するオリゴリボヌクレオチド、
10)17塩基鎖オリゴリボヌクレオチド:(5')CCTTCCTCCG AGTTGAC(3')なる塩基配列を有するオリゴリボヌクレオチド。
反応条件:
・16SrRNA:10nM
・プローブ:25nM
・ヘルパープローブ:1μM
・緩衝液:100mM コハク酸、125mM 水酸化リチウム、8.5% リチウムドデシルサルファイト、pH5.1
反応温度:
・35塩基鎖2−O−Meプローブ:75℃
・17塩基鎖2−O−Meプローブ:70℃
・35塩基鎖DNAプローブ:75℃
・17塩基鎖オリゴリボヌクレオチドDNAプローブ:60℃
実験系、図9A:
・HP(M)+:16SrRNA、35塩基鎖DNAプローブ、フォワード型2−O−Meヘルパープローブ、リバース型2−O−Meヘルパープローブ、
・HP(D)+:16SrRNA、35塩基鎖DNAプローブ、フォワードDNAヘルパープローブ、リバース型DNAヘルパープローブ、
・HP−:16SrRNA、35塩基鎖DNAプローブ、
・Ref.(対照):35塩基鎖DNAオリゴリボヌクレオチド、35塩基鎖
実験系、図9B:
・HP(M)+:16SrRNA、35塩基鎖2−O−Meプローブ、フォワード型2−O−Meヘルパープローブ、リバース型2−O−Meヘルパープローブ、
・HP(D)+:16SrRNA、35塩基鎖2−O−Meプローブ、フォワードDNAヘルパープローブ、リバース型DNAヘルパープローブ、
・HP−:16SrRNA、35塩基鎖2−O−Meプローブ、
・Ref.(対照):35塩基鎖DNAオリゴリボヌクレオチド、35塩基鎖2−O−Meプローブ。
実験系、図9C:
・HP+(M):16SrRNA、17塩基鎖DNAプローブ、フォワード型2−O−Meヘルパープローブ、リバース型2−O−Meヘルパープローブ、
・HP+(D):16SrRNA、17塩基鎖DNAプローブ、フォワード型DNAヘルパープローブ、リバース型DNAヘルパープローブ、
・HP−:16SrRNA、17塩基鎖DNAプローブ、
・Ref.(対照):17塩基鎖DNAオリゴリボヌクレオチド、17塩基鎖
実験系、図9D:
・HP+(M):16SrRNA、17塩基鎖2−O−Meプローブ、フォワード型2−O−Meヘルパープローブ、リバース型2−O−Meヘルパープローブ、
・HP+(D):16SrRNA、17塩基鎖2−O−Meプローブ、フォワード型DNAヘルパープローブ、リバース型DNAヘルパープローブ、
・HP−:16SrRNA、17塩基鎖2−O−Meプローブ、
・Ref.(対照):17塩基鎖DNAオリゴリボヌクレオチド、17塩基鎖2−O−Meプローブ。
実施例19(rRNA測定のための検量線の作成)
前記rRNAを、0.1〜10nMの範囲のさまざまな濃度において、95℃で5分間加熱後、得られた核酸溶液を予め下記反応条件においた反応液に添加し、1000秒後、蛍光強度の減少をパーキンエルマーLS-50Bを使用して測定した。その結果を図10に示した。図から検量線は0.1〜10nMにおいて直線性を示すことが分かる。尚、下記の35塩基鎖2-o-Meプローブは実施例17と同じプローブである。
反応条件:
・35塩基鎖2−O−Meプローブ:1.0〜25nM
・緩衝液:100mM コハク酸、125mM 水酸化リチウム、8.5% リチウムドデシルサルファイト、pH5.1
・反応温度:75℃
実施例20 (FISH方法)
セルロモナス(Cellulomonas)sp.KYM-7(FERM P-11339)及びアグロバクテリウム(Agrobacterium) sp. KYM-8(FERM P-16806)の各々のrRNAにハイブリダイズする下記の本発明の35又は36塩基鎖オリゴデオキシリボヌクレオチド 2-o-Meプローブを前記と同様にして調製した。各プローブの塩基配列は下記の通りである。
セルロモナス sp.KYM-7のrRNA測定のための35塩基鎖オリゴデオキシリボヌクレオチド2-o-Meプローブ:
(5')CATCCCCACC TTCCTCCGAG TTGACCCCGG CAGTC(3')(アンダーライン部分がメチル基で修飾されている。)。
アグロバクテリウム sp. KYM-8のrRNA測定のための36塩基鎖オリゴデオキシリボヌクレオチド2-o-Meプローブ:
(5')CATCCCCACC TTCCTCTCGG CTTATCACCG GCAGTC(3')(アンダーライン部分がメチル基で修飾されている。)。
セルロモナス sp. KYM-7及びアグロバクテリウム sp. KYM-8を下記の培地組成の培地で下記の培養条件で混合培養し、培養時間毎に培養物を採取した。それらから、rRNAをRNeasy Maxikit(QIAGEN社)を用いて調製した。当該rRNAを95℃で5分加熱後、予め反応条件においた反応液に添加し、70℃、1000秒間反応させた後、蛍光強度をパーキンエルマーLS−50Bを使用して測定した。その結果を図11に示した。尚、全rRNAはリボグリーン(RiboGreen) total RNA Quantification Kit (会社名:モレキュラープローブ(molecular probes)、所在地名:Eugene,Oregon, USA)を用いて測定した。
図から分かるように、各菌株のrRNAの動態は全rRNAの動態と一致した。また、各菌株のrRNAの合計量は全rRNAと一致した。このことは、本発明方法はFISH方法において有効な方法になることを示している。
・培地組成(g/l):デンプン、10.0;アスパラギン酸、0.1; K2HPO4、5.0;KH2PO4、2.0;MgSO4・7H2O、0.2;NaCl、0.1; (NH4)2SO4;0.1.
・培地100mlを500ml容のコニカルフラスコに分注し、該フラスコを120℃で10分間、オートクレーブ釜を用いて殺菌した。
・培養条件:前記の菌株を斜面培地で予め培養した。該斜面培地より1白金耳の菌体をとり、前記の殺菌したコニカルフラスコの培地に接種した。30℃、150rpmで撹拌培養した。
反応条件:
・35塩基鎖オリゴデオキシリボヌクレオチド2−o−Meプローブ:1.0〜10nM
・緩衝液:100mM コハク酸、125mM 水酸化リチウム、8.5% リチウムドデシルサルファイト、pH5.1
・反応温度:75℃
実施例21(鎖内修飾の蛍光消光プローブ実施例)
下記のような塩基配列の標的核酸と本発明の核酸プローブを調製した。
プローブa)、b)を提供するために、にAmino-Modifier C6 dC(Glen Research社製)を用いてアミノリンカーを対応する塩基配列内に導入した後、このアミノリンカーにBODIPY FLラベルした。上記以外の合成法は実施例8と同様である。よってプローブa)は、5’末端のリン酸基ではなく、5’末端のC塩基に蛍光修飾している。BODIPY FL修飾法、精製方法等は、前記と同様である。
プローブa) 5' C(-BODIPY FL)TTTTTTTTTCCCCCCCCC 3'
プローブb) 5' TTTC(-BODIPY FL)TTTTTTCCCCCCCCC 3'
プローブa)の標的核酸C) 5' GGGGGGGGGAAAAAAAAG 3'
プローブb)の標的核酸d) 5' GGGGGGGGGAAAAAGAAA 3'
<実験方法>
実施例9と同様の方法で実験を行った。
<実験結果>
下の表から明らかなように、プローブa)、プローブb)共に標的核酸にハイブリダイズしたときに蛍光強度が減少することが明らかとなった。プローブb)の結果より、5’末端あるいは3’末端以外のDNA鎖内のシトシン塩基に蛍光修飾することでも、蛍光消光プローブとして機能することが明らかとなった。また、プローブa)の結果より、末端のシトシンであっても5’末端のリン酸基または3’末端のOH基以外の部位に蛍光修飾することで、蛍光消光プローブが得られることも明らかとなった。
Figure 0004909501
以下実施例22に、標的核酸の多型及び変異を解析若しくは測定する方法を記す。
実施例22
下記に示した塩基配列をもつ4種類のオリゴヌクレオチドを前記実施例12のDNA合成機を用いて合成した。また、前記実施例12と同様にして、下記の塩基配列の本発明の核酸プローブを合成した。該プローブと各々のオリゴヌクレオチドを溶液中でハイブリダイズさせた後、蛍光強度の変化から1塩基置換の評価ができるかどうか検討した。本発明の核酸プローブの塩基配列は、標的オリゴヌクレオチドのうちのいずれかの3’末端にGが存在する場合に、そのオリゴヌクレオチドの塩基配列に100%マッチするように設計されている。ハイブリダイゼーション温度は、プローブと標的オリゴヌクレオチドとの間の全塩基対(base-pairs)が100%ハイブリダイズできる40℃に設定した。プローブ及び標的オリゴヌクレオチドの濃度、緩衝液の濃度、蛍光測定装置、蛍光測定条件、実験操作などは、前記実施例12と同様である。
・本発明のプローブ:3'TTTTTTTTGGGGGGGGC5'BODIPY FL/C6
・標的オリゴヌクレオチドNo.1:5'AAAAAAAACCCCCCCCA3'
・標的オリゴヌクレオチドNo.2:5'AAAAAAAACCCCCCCCC3'
・標的オリゴヌクレオチドNo.3:5'AAAAAAAACCCCCCCCI3'(I:hypoxanthine)
・標的オリゴヌクレオチドNo.4:5'AAAAAAAACCCCCCCCG3'
その結果を表8に示した。表から、標的オリゴヌクレオチドNo.1〜3においては、蛍光強度に変化は観察されなかったが、標的オリゴヌクレオチドNo.4においては84%の減少が観察された。
Figure 0004909501
本発明において、標的核酸(例えば上記標的オリゴヌクレオチドNo.1〜4の多型及び/又は変異を解析若しくは測定する方法により得られるデータ(例えば表8のカラムA及びBのデータ)を解析する方法において、標的核酸が本発明の核酸プローブ(上記の核酸プローブ)とハイブリダイズしたときの反応系の蛍光強度値を、前記のハイブリダイズしていないときの反応系の蛍光強度値により補正演算処理するとは、表4の(A−B)/Aの計算をいう。
以上の結果より、標的核酸が2本鎖の場合、G→A、G←A、C→T、C←T、G→C、G←Cの置換を検出できることが明らかになった。
実施例23
図12に本発明のDNAチップのモデルの一例を図示した。先ず、実施例22で調製した本発明のプローブである3'TTTTTTTTGGGGGGGGC5'BODIPY FL/C6のの3’末端のリボースの3’位炭素のOH基にアミノ基を導入して調製した修飾プローブ、また、スライドガラスを反応基としてエポキシ基を有するシランカップリン剤でスライドガラスの表面を処理した表面処理済スライドガラスを用意した。上記の修飾プローブを含む溶液をDNAチップ作成装置GMSTM417ARRAYER(TAKARA)で該表面処理済スライドガラス上にスポットした。そうすると、3’末端で上記修飾プローブがガラス面に結合した。該スライドガラスを密閉容器内に4時間位おき反応を完結させた。そして該スライドガラスを0.2%SDS溶液、水に1分程度交互に2回ずつ漬けた。更にホウ素溶液(水300mlにNaBH41.0gを溶かしたもの。)に5分位つけた。95℃の水に2分つけてから、素早く0.2%SDS溶液、水に1分程度交互に2回ずつ漬けて試薬を洗い流した。室温で乾燥した。このようにして本発明のDNAチップを調製した。
更に、ガラスの下面の修飾プローブの各スポットに対応する位置に図のような微小な温度センサーとヒータを設けることにより、本発明のDNAチップに高性能を付与することができる。
このDNAチップを用いて標的核酸を測定する場合を説明する。該プローブに標的核酸がハイブリダイズしていないとき、又はハイブリダイズしても蛍光色素標識末端でGCペアーを形成しないとき、若しくは当該プローブと標的核酸とがハイブリダイズした末端塩基部分から1ないし3塩基離れて、標的核酸の塩基配列にG(グアニン)又はシトシン(C)が少なくとも1つ存在しないときは、蛍光強度に変化ない。しかし、その反対に、該プローブに標的核酸がハイブリダイズしているとき、又はハイブリダイズしても蛍光色素標識末端でGCペアーを形成しているとき、若しくは当該プローブと標的核酸とがハイブリダイズした末端塩基部分から1ないし3塩基離れて、標的核酸の塩基配列にG(グアニン)又はシトシン(C)が少なくとも1つ存在するときは蛍光強度が減少する。この蛍光強度はDNAチップ解析装置GMSTM418アレースキャナー(Array Scanner)(TAKARA)を使用して測定できる。
実施例24:本発明のDNAチップを用いた一塩基多型(SNPs)の検出実験 I)標的核酸の調製:(5')AAACGATGTG GGAAGGCCCA GACAGCCAGG ATGTTGGCTT AGAAGCAGCC(3')の塩基配列をもつオリゴデオキシリボヌクレオチドを、DNA合成機ABI394(Perkin Elmer社製、米国)を用いて合成し、標的核酸とした。
II)核酸プローブの調製:標的核酸の5’末端から15塩基の配列(アンダーライン部)にハイブリダイズする塩基配列をもつ、下記の6個のオリゴデオキシリボヌクレオチドを、DNA合成機ABI394(Perkin Elmer社製、米国)を用いて合成した。そして、3'-Amino-Modifier C7 CPG(グレンリサーチ、カタログ番号20−2957)を用いて、3’末端のデオキシリボースの3’位のOH基をアミノ化した。更に5’末端のリン酸基を実施例12と同様な方法でBODIPY FLで標識した。
1)プローブ100(100%マッチ):(5')CCTTCCCACA TCGTTT(3')、
2)プローブ−T(1塩基ミスマッチ):(5')CCTTCCCATA TCGTTT(3')、
3)プローブ−A(1塩基ミスマッチ):(5')CCTTCCCAAA TCGTTT(3')、
4)プローブ−G(1塩基ミスマッチ):(5')CCTTCCCAGA TCGTTT(3')、
5)プローブ−TG(2塩基ミスマッチ):(5')CCTTCCCTGA TCGTTT(3')、
6)プローブ−TGT(3塩基ミスマッチ):(5')CCTTCCCTGT TCGTTT(3')、
III)DNAチップの調製
全てのDNAプローブを、0.1M MES(2-Morpholinoethanesulfonic acid)緩衝液(pH:6.5)に溶解して、500nM濃度の溶液にした。DNAマイクロアレイヤー装置(DNAマイクロアレイヤーNo.439702、32ピン型、およびDNAスライドインデックスNo.439701からなる手動式のチップアレイヤーである。Greiner社製)を用いて、DNAチップ用スライドグラス(Black silylated slides、Greiner社製)の上に、前記プローブ溶液をスポッテング(spotting)した。スポット終了後、湿性チャンバー内で60分間室温でDNAプローブとスライドグラスを反応させ、プローブをスライドグラス上に固定化した。その後、50mMのTE緩衝液(pH:7.2)にて洗浄した。尚、各プローブ溶液につき、4スポットずつスポッテングした。固定化後スライドグラスを、0.1%SDS(sodium dodecylsulfate)溶液にて1回洗浄後、蒸留水にて2回洗浄し、Sodium Borohydrate溶液(2.5mg−NaBH4/ml−25%エタノール溶液)内に5分間浸した。その後、3分間95℃に加温した湯浴中に浸した後、乾燥させた。
本発明のDNAチップの模式図を図12に示した。スライドグラス上に固定化された本発明のプローブは、標的核酸にハイブリダイズしないときはBODIPY FLは発色しているが、ハイブリダイズしているときは発色が、ハイブリダイズしないときのものよりも少ない、即ち減少する。スライドグラスはマイクロヒーターで加熱されるようになっている(本発明では、下記に示すように顕微鏡用透明加熱板(MP-10MH-PG、(株式会社)北里サプライ)で行われた。)。
IV)SNPsの検出測定
100μM濃度の標的核酸溶液{50mMのTE緩衝液(pH:7.2)使用}を上記のごとくに調製したDNAチップの上にのせた。カバーグラスで覆い、標的核酸が漏れないようにマニキュアにてカバーグラスをシールした。検出測定のための装置類の概略は図13に示した。先ず、オリンパス正立焦点レーザー顕微鏡(AX80型)の試料台に顕微鏡用透明加熱板(MP-10MH-PG、(株式会社)北里サプライ)をのせた。当該板上に前記に調製した本発明のDNAチップを置き、該版の温度を95℃から33℃まで3℃刻みで変化させ、30分かけて標的核酸とプローブを反応させた。各スポットの反応過程の蛍光強度を、冷却CCDカメラ(C4880-40型、浜松フォトニクス社)にて画像取り込み形式で測定した。
取り込み画像を画像解析装置(画像解析ソフト(TPlab spectrum;Signal Analytics社,Verginia)がインストールされたパソコン(NEC))にて解析し、各スポットの輝度を算出し、温度と輝度の関係を求めた。
実験結果を図14に示した。図から全てのプローブで蛍光強度が減少していることが分かる。従って、本発明の方法により、本発明のプローブと標的核酸との解離曲線を簡便にモニタリングすることができる。また、標的核酸と100%マッチするプローブ100と一塩基ミスマッチするプローブとのTm値の差は10℃以上あるので、解離曲線から両者を容易に識別することができる。即ち本発明のDNAチップを使用することによりSNPsの解析が容易にできることがわかる。
以下、実施例25〜28に本発明のPCR方法を記す。
実施例25
大腸菌のゲノムDNAにおける16SrRNA遺伝子を標的核酸として、当該核酸の増幅のための(BODIPY FL/C6で標識した)プライマー(本発明の核酸プローブ)を調製した。
プライマー1(Eu800R:リバース型)の調製:(5')CATCGTTTAC GGCGTGGAC(3')の塩基配列をもつオリゴデオキシリボヌクレオチドを、DNA合成機ABI394(Perkin Elmer社製、米国)を用いて合成し、更に当該オリゴデオキシリボヌクレオチドの5’末端のリン酸基をホスファターゼ処理してシトシンとし、そのシトシンの5’位の炭素OH基に、-(CH2)9-NH2を結合したオリゴヌクレオチドを、ミドランド・サーテイファイド・レージンド・カンパニー社(米国)から購入した。更に、モレキュラープローブ社からフロオ・リポーターキット(FluoReporter Kits)F-6082(ボデピーFL/C6のプロピオン酸サクシニミジルエステル(BODIPY FL propionic acid succinimidyl ester)の他に、当該化合物をオリゴヌクレオチドのアミン誘導体に結合させる試薬を含有するキット)を購入した。前記購入したオリゴヌクレオチドに当該キットを作用させて、本発明のボデピーFL/C6で標識したプライマー1を合成した。
合成物の精製:得られた合成物を乾固し乾固物を得た。それを0.5M Na2CO3/NaHCO3緩衝液(pH9.0)に溶解した。当該溶解物をNAP−25カラム(ファルマシア社製)でゲルろ過を行い、未反応物を除去した。更に逆相HPLC(B gradient:15〜65%、25分間)を以下の条件で行った。そして、溶出するメインピークを分取した。分取した画分を凍結乾燥して本発明のプライマー1を、最初のオリゴヌクレオチド原料2mMより50%の収率で得た。
尚、上記の逆相クロマトグラフィーの条件は次の通りである。
・溶出ソルベントA:0.05N TEAA 5%CH3CN
・溶出ソルベントB(グラジエント(gradient)用):0.05N TEAA 40%CH3CN
・カラム:CAPCEL PAK C18;6×250mm
・溶出速度:1.0ml/min
・温度:40℃
・検出:254nm
実施例26
プライマー2(Eu500R/forward:フォワード型)の調製:(5')CCAGCAGCCG CGGTAATAC(3')の塩基配列をもつオリゴデオキシリボヌクレオチドの5’末端に蛍光色素(BODIPY FL/C6)で標識したプライマー2を実施例25と同様にして収率50%で調製した。
実施例27
殺菌したニュトリエントブロス(NB)(Difco社製)液体培地5ml(組成:NB、0.08g/100ml)を含有する試験管を用いて、大腸菌JM109株を37℃で一晩振蘯培養した。培養液1.5mlを1.5ml容量の遠心チューブで遠心分離し、菌体を得た。この菌体から、DNeasy Tissue Kit(キアゲン(QIAGEN)社、ドイツ国)を用いてゲノムDNAを抽出した。その抽出は本キットのプロトコルに従った。その結果、17ng/μlのDNA溶液を得た。
実施例28
上記の大腸菌のゲノムDNA、プライマー1及び/又はプライマー2を使用して、ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社発売のライトサイクラーTMシステム(LightCyclerTM System)を用いて常法通りにPCR反応を行った。操作は当該システム機器の手順書に従った。
また、上記システムにおいてPCRは、当該手順書に記されている核酸プローブ(FRET現象を利用する二個のプローブ)と通常のプライマー(蛍光色素で標識されていない通常のプライマー)の代りに本発明プライマー1及び/又は2を用いる以外は当該手順書通りに行った。
PCRは次のコンポーネントのハイブリダイゼーション溶液中で行った。
・大腸菌ゲノムDNA溶液:3.5μl(終濃度0〜6ng/20μl)(終コピー数0〜2.4・106個)
・プライマー溶液:0.8μl(終濃度0.08μM)
・Taq溶液:10.0μl
・ミリQ純水:5.7μl
・全容量:20.0μl
尚、標的核酸である大腸菌16SrDNAは、図15の説明欄に示される実験区の濃度で、また、プライマーは、同様に図15の説明欄に示される実験区のプライマー1及び/又は2の組合せで実験を行った。
また、上記のTaq溶液は次の試薬の混合液である。
Taq溶液:96.0μl
ミリQ純水:68.2μl
Taq DNA ポリメラーゼ溶液:24.0μl
Taqスタート(start):3.8μl
尚、Taq 溶液、Taq DNAポリメラーゼ溶液はロシュ・ダイアグノスティックス株式会社発売のDNAマスターハイブリダイゼーションプローブ(DNA Master Hybridization Probes)キットのものである。特にTaq DNA ポリメラーゼ溶液は10×conc.(赤いキャップ)を10倍に希釈して用いた。また、Taqスタートは、クローンテック社(USA)より販売されているTaq DNAポリメラーゼ用の抗体で、これを反応液に添加することで70℃までTaq DNAポリメラーゼの活性を抑えることができる。即ち、ホット・スタート(hot start)を行うことができるものである。
反応条件は次の如くである。
・変性(denaturation)初期:95℃、120秒
2回目以降:95℃、 10秒
・アニーリング(annealing):57℃、5秒
測定は、ライトサイクラーTMシステム(ロッシュ・ダイアグノステック社製)を用いて行った。その際、該システムにあるF1〜3の検出器のうち、F1の検出器を用い、その検出器のゲインは10、励起強度は75に固定した。
その結果を図15及び16に示した。図15及び16から、蛍光色素の発光の減少が観察される時点のサイクル数と標的核酸の大腸菌16SrDNAのコピー数が比例していることが分かる。尚、図においては、蛍光色素の発光の減少量を蛍光強度の減少値として表現した。
図17は、サイクル数の関数として、大腸菌16SrDNAのコピー数を表現した大腸菌16SrDNAの検量線を示す。相関係数は0.9973で、極めてよい相関を示した。
以上の結果から分かるように、本発明の定量的PCR方法を用いると標的核酸の当初のコピー数を測定できるようになる。即ち、標的核酸の濃度の測定ができる。
実施例29
実施例28においては、本発明のプローブをプライマーとしてPCRを行ったが、本実施例では従来法に用いるFRET現象を利用する二個のプローブの代わりに本発明のプローブを用いて下記の条件で本発明のPCRを行った。
a)標的核酸:大腸菌の16S−rDNA
b)使用プライマー:
・フォワードプライマー E8F:(5')AGAGTTTGAT CCTGGCTCAG(3')
・リバースプライマー E1492R:(5')GGTTACCTTG TTACGACTT(3')
c)使用プローブ:BODIPY FL-(5')CGGGCGGTGT GTAC(3')(但し、3'末端はリン酸化されたもの)
d)使用PCR測定機器:ライトサイクラーTMシステム
e)PCRの条件:
変性反応 :95℃、10秒(第一回のみ、60秒間、95℃)
アニーリング反応:50℃、5秒
核酸伸長反応 :72℃、70秒
全サイクル数 :70サイクル
f)蛍光測定(アニーリング反応と変性反応後各サイクル一回ずつ測定された。g)反応液の組成:
・反応液の全量:20μl
・DNA ポリメラーゼの量(TaKaRa Ex taq):0.5U
・Taqスタート(抗体):0.3μl
・プライマーの濃度:0.2μM(双方とも)
・プローブの濃度:0.05μM
・MgCl2濃度:2mM
・BSA(bovine serum albumin)濃度:0.25mg/ml
・dNTPs濃度:2.5mM(各ヌクレオチドについて)
その結果を図18に示した。図から、蛍光色素の発光の減少が観察される時点のサイクル数と標的核酸の大腸菌16SrDNAのコピー数が比例していることが分かる。
以上の結果から分かるように、本発明の定量的PCR方法を用いると標的核酸の当初のコピー数を測定できるようになる。即ち、標的核酸の測定ができる。
次に以下の実施例に、上記の本発明の定量的PCR方法を用いて得られるデータを解析する本発明のデータ解析方法について記す。
実施例30
ヒトゲノムDNA(ヒトβ−グロビン(globin)(TaKaRaカタログ商品番号 9060)(TaKaRa株式会社製)(以下、ヒトゲノムDNAという。)を標的核酸として、当該核酸の増幅のためのボデピー FL/C6で標識したプライマーを調製した。
プライマーKM38+C(リバース型)の調製:(5')CTGGTCTCCT TAAACCTGTC TTG(3')の塩基配列をもつオリゴデオキシリボヌクレオチドを、DNA合成機ABI394(Perkin Elmer社製、米国)を用いて合成し、更に当該オリゴデオキシリボヌクレオチドの5’末端のリン酸基をホスファターゼ処理してシトシンとし、そのシトシンの5’位の炭素OH基に、-(CH2)9-NH2を結合したものを、ミドランド・サーテイファイド・レージンド・カンパニー社から購入した。更に、モレキュラープローブ社からリポーターキット(FluoReporter Kit)F-6082(ボデピーFL/C6のプロピオン酸サクシニミジルエステル(BODIPY FL propionic acid succinimidyl esters)の他に、当該化合物をオリゴヌクレオチドのアミン誘導体に結合させる試薬を含有するキット)を購入した。前記購入したオリゴヌクレオチドに当該キットを作用させて、本発明のボデピーFL/C6で標識したプライマーKM38+Cを合成した。
合成物の精製:得られた合成物を乾固し乾固物を得た。それを0.5M Na2CO3/NaHCO3緩衝液(pH9.0)に溶解した。当該溶解物をNAP−25カラム(ファルマシア社製)でゲルろ過を行い、未反応物を除去した。更に逆相HPLC(B gradient:15〜65%、25分間)を以下の条件で行った。そして、溶出するメインピークを分取した。分取した画分を凍結乾燥して本発明のプライマーKM38+Cを、最初のオリゴヌクレオチド原料2mMより50%の収率で得た。
尚、上記の逆相クロマトグラフィーの条件は次の通りである。
・溶出ソルベントA:0.05N TEAA 5%CH3CN
・溶出ソルベントB(グラジエント(gradient)用):0.05N TEAA 40%CH3CN
・カラム:CAPCEL PAK C18;6×250mm
・溶出速度:1.0ml/min
・温度:40℃
・検出:254nm
実施例31
プライマーKM29(フォワード型)の調製:(5')GGTTGGCCAA TCTACTCCCA GG(3')の塩基配列をもつオリゴデオキシリボヌクレオチドを実施例27と同様に合成した。
比較例1
本比較例は、核酸伸長反応時の蛍光強度値を、熱変性反応時の蛍光強度値を用いて割る演算処理過程(数式(1)の処理)を有しないデータ解析用ソフトウエアの使用に係るものである。
上記のヒトゲノムDNA、プライマーKM38+C及びプライマーKM29を使用して、ライトサイクラーTMシステムを用いてPCR反応を行い、各サイクル毎の蛍光強度を測定した。
尚、本比較例のPCRは、前記に説明した蛍光色素で標識したプライマーを用いるものであり、蛍光発光の増加でなく、減少を測定する新規なリアルタイム定量的PCR方法である。データ解析は当該システムのソフトウエアを用いて行った。本比較例のPCRは、当該手順書に記されている核酸プローブ(FRET現象を利用する二個のプローブ)と通常のプライマー(蛍光色素で標識されていない通常のプライマー)の代りに本発明プライマーKM38+C及びKM29を用いる以外は当該装置の手順書通りに行った。
PCRは次のコンポーネントのハイブリダイゼーション溶液中で行った。
ヒトゲノムDNA:1.0μl(最終濃度1〜10000コピー)
・プライマー溶液:4.0μl(最終濃度0.1μM)
・Taq溶液:10.0μl
・ミリQ純水:5.0μl
・全容量:20.0μl
尚、ヒトゲノムDNAは、図19の簡単な説明欄に示される実験区の濃度で実験を行った。MgCl2の最終濃度は2mMであった。
また、上記のTaq溶液は次に試薬の混合液である。
・Taq溶液:96.0μl
・ミリQ純水:68.2μl
・Taq DNA ポリメラーゼ:24.0μl
・Taqスタート:3.8μl
尚、Taq溶液、Taq DNA ポリメラーゼ溶液はロシュ・ダイアグノスティックス株式会社発売のDNAマスターハイブリダイゼーションプローブ(DNA Master Hybridization Probes)キットのものである。特にTaq DNA ポリメラーゼ溶液は10×conc.(赤いキャップ)を10倍に希釈して用いた。また、Taqスタートは、クローンテック社(USA)より販売されているTaq DNA ポリメラーゼ用の抗体で、これを反応液に添加することで70℃までTaq DNAポリメラーゼの活性を抑えることができる。即ち、ホット・スタートを行うことができるものである。
反応条件は次の如くである。
・変性反応初期:95℃、60秒
・再(2回目以降の)変性反応:95℃、10秒
・アニーリング反応:60℃、5秒
・DNA伸長反応:72℃、17秒
測定は、ライトサイクラーTMシステムを用いて行った。その際、該システムにあるF1〜3の検出器のうち、F1の検出器を用い、その検出器のゲインは10、励起強度は75に固定した。
前記の如くにPCRを行って、各サイクルの蛍光強度を実測した。その結果を図19に示す。即ち、各コピー数のヒトゲノムDNAについて、各サイクルの変性反応時及び核酸伸長反応時の蛍光強度を測定し、印字したものである。どのサイクルにおいても変性反応時には蛍光強度値は一定であるが、核酸伸長反応時には、25サイクル目当たりから蛍光強度が減少しているのが観察される。そうして、減少はヒトゲノムDNAのコピー数が多い順に起こることが分かる。
図19に示すようにヒトゲノムDNAの各コピー数について初期のサイクル数の蛍光強度値が一様でなかった。それで、本比較例で使用するデータ解析方法に以下の過程(b)〜(j)を追加した。
(b)10サイクル目の蛍光強度値を1として各サイクルの蛍光強度値を換算する過程、即ち、下記の〔数式8〕による計算をする過程、
n=Fn(72)/F10(72) 〔数式8〕
ただし、Cn=各サイクルにおける蛍光強度値の換算値、Fn(72)=各サイクルの72℃の蛍光強度値、F10(72)=10サイクル目の72℃における伸長反応後の蛍光強度値。
(c)前記(b)の過程で得られた各換算値を、サイクル数の関数として、デスプレー上に表示及び/又は印字する過程、
(d)前記(b)の過程で得られた各サイクルの換算値から下記の〔数式9〕による蛍光強度の変化率(減少率、消光率)を計算をする過程、
dn =log10{100−Cn×100)} 〔数式9〕
dn =2log10{1−Cn} 〔数式9〕
ただし、Fdn=蛍光強度変化率(減少率、消光率)、Cn=〔数式8〕で得られた値。
(e)前記(d)の過程で得られた各換算値を、サイクル数の関数として、デスプレー上に表示及び/又は印字する過程、
(f)前記(d)の過程で処理されたデータを、スレッシュホールド(threshold)としての0.5と比較し、その値に達したサイクル数を計数する過程、
(g)前記(f)の過程で計数した値をX軸に、反応開始前のコピー数をY軸にプロットしたグラフを作成する過程、
(h)前記(g)の過程で作成したグラフをデスプレー上に表示及び/又は印字する過程、
(i)前記(h)の過程で描かれた直線の相関係数又は関係式を計算する過程、
(j)前記(i)の過程で計算された相関係数又は関係式をデスプレー上に表示及び/又は印字する過程。
上記のデータ解析用ソフトウエアを用いて、前記図19で得られたデータを前記に引き続いて以下のように処理した。
図20は、上記(b)の過程で処理されたデータを印字した(前記(c)過程)したものである。即ち、10サイクル目の蛍光強度値を1として各サイクルの蛍光強度を換算し、その換算値を対応するサイクル数に対してプロットしたものである。
図21は、前記(d)の過程で処理したデータを印字した(前記(e)過程)ものである。即ち、図20の各プロット値から蛍光強度の減少率(消光率)を計算して、各計算値を各サイクル数に対してプロットしたものである。
図22は、前記(f)の過程で処理したデータについて、前記(g)の過程で作成したグラフを印字した(前記(h)の過程)ものである。即ち、蛍光強度減少率=0.5をスレッシュホールド(threshold)し、その値に達したサイクル数をX軸に、ヒトゲノムDNAの反応開始前のコピー数をY軸にプロットしたグラフである。このグラフの直線の相関係数(R2)を前記(i)の過程で計算し、印字した(前記(j)の過程)もので、0.9514であった。このように、この相関係数では正確なコピー数を求めるは無理であった。
実施例32(本発明のデータ解析方法を用いてデータ処理がなされた実験例)
PCRは比較実験例1と同様に行った。データ処理は、比較実験例1の(b)の過程の前に下記の(a)の過程をおき、(b)、(d)の過程を以下のように変更する以外は比較例1と同様な過程で行った。
(a)各サイクルにおける増幅した核酸が本発明の核酸プローブである(蛍光色素で標識された)核酸プライマーとハイブリダイズしたときの反応系の蛍光強度値(即ち、核酸伸長反応時(72℃)の蛍光強度値)を、核酸ハイブリッド複合体(増幅した核酸が核酸プライマーとハイブリダイズしたもの)が解離したときに測定された反応系の蛍光強度値(即ち、核酸熱変性反応完了時(95℃)の蛍光強度値)で割る補正演算処理過程、即ち、実測の蛍光強度値を次の〔数式1〕で補正した。
n=fhyb,n/fden,n 〔数式1〕
[式中、fn=各サイクルの蛍光強度の補正値、fhyb,n=各サイクルの72℃の蛍光強度値、fden,n=各サイクルの95℃の蛍光強度値]
得られた値を各サイクル数に対してプロットしたのが図23である。
(b)各サイクルにおける〔数式1〕における補正演算処理値を〔数式3〕に代入し、各サイクルにおける各サンプル間の蛍光変化率(減少率又は消光率)を算出する演算処理過程、即ち、下記の〔数式10〕で演算処理する過程、
n=fn/f25 〔数式10〕
[式中、Fn=各サイクルの演算処理値、fn=〔数式1〕で得られた各サイクルの値、f25=〔数式1〕で得られた値で、サイクル数が25回目のもの]。
〔数式10〕は〔数式3〕において、a=25とした場合におけるものである。
(d)前記(b)の過程で得られた各サイクルの演算処理値を〔数式6〕による蛍光強度の変化率(減少率又は消光率)の対数値を得るための演算処理に付す過程、即ち、下記の〔数式11〕で演算処理する過程、
log10{(1−Fn)×100} 〔数式11〕
[式中、Fn=[数式10]で得られた値]。
〔数式11〕は〔数式6〕において、b=10、A=100とした場合におけるものである。
上記の結果を図24及び25に示した。
図24は、前記(a)及び(b)の過程で処理された値をサイクル数に対してプロットし、印字したものである。
図25は、図24で得られた値を前記(d)の過程のように処理して得られた値を、サイクル数に対してプロットし、印字したものである。
次に、図25のグラフを基に、前記(f)、(g)、及び(h)の過程で処理した。即ち、図25のグラフを基に比較実験例1と同様に、log10(蛍光強度変化率)のスレッシュホールド値として、0.1、0.3、0.5、0.7、0.9、1.2を選び、その値に達したサイクル数をX軸に、ヒトゲノムDNAの反応開始前のコピー数をY軸にプロットし、検量線を描かせた。その結果を図26に示した。これらの検量線について前記(i)及び(j)の過程で処理して求めた相関係数(R2)は、前記各スレッシュホールド値に対して、各々0.998、0.999、0.9993、0.9985、0.9989、0.9988であった。これらの相関係数から、スレッシュホールド値として0.5(相関係数0.9993)を採用することが望ましいことが認識できた。この相関係数をもつ検量線であれば、未知コピー数の核酸試料について反応開始前のコピー数を精度よく求めることができることが分かる。
実施例33(核酸の融解曲線分析及びTm値分析の例)
本発明の新規なPCR法により増幅された核酸について、1)低い温度から核酸が完全に変性するまで、温度を徐々に上げるあるいは下げる過程(例えば、50℃から95℃まで)、2)前記1)過程において、短い時間間隔(例えば、0.2℃〜0.5℃の温度上昇に相当する間隔)で蛍光強度を測定する過程、3)前記2)過程の測定結果を時間の関数としてデスプレー上に表示する過程、即ち、核酸の融解曲線を表示する過程、4)前記3)過程の融解曲線を一次微分する過程、5)前記4)過程の微分値(−dF/dT、F:蛍光強度、T:時間)をデスプレー上に表示する過程、6)前記5)から得られる微分値から変曲点を求める過程からなるソフトウエアを作成し、前記本発明のデータ解析用ソフトウエアに合体した。当該データ解析用ソフトウエアを記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体をインストールした前記ライトサイクラーTMシステムを用いて本発明の新規リアルタイム定量的PCR反応を行い、核酸融解曲線の分析を行った。本発明においては、蛍光強度は温度が上がるごとに増加する。
実施例32と同じヒトゲノムDNAの1コピーと10コピーについて、実施例30と同様のPCRを行い、前記1)、2)、3)、4)及び5)の過程で処理されたデータを印字したものが図27である。1コピーと10コピーの75回目の増幅産物について、本実施例の1)、2)及び3)の過程で処理した核酸融解曲線の図が図28である。4)の過程でこの曲線を微分し、5)及び6)の過程で変曲点(Tm値)を求めたものが図29である。図29から、1コピーと10コピーの増幅産物のTm値が異なる故に、各増幅産物は異なる産物であることが判明した。
以下の実施例は定量的多型解析方法の実施例である。
実施例34
本発明の蛍光消光プローブ:プローブEu47FおよびEu1392Rの調製(1)蛍光消光プローブEu47Fの合成
(5')CITAACACATGCAAGTCG(3')(I=inosine)の塩基配列をもつデオキシリボオリゴヌクレオチドの5’末端のリン酸基に、下記のようにしてボデピーFLで標識した蛍光消光プローブEu47FをDNA合成機ABI 394(Perkin Elmer社製、米国)で合成した。
(2)Eu1392Rの合成
(5')TTGTACACACCGCCCGTCA(3')の塩基配列をもつデオキシリボオリゴヌクレオチドを合成した。
上記のデオキシリボオリゴヌクレオチドの5’末端のリン酸基に、-(CH2)6-NH2を結合したデオキシリボオリゴヌクレオチドをメドランド・サーテイファイド・レージント・カンパニー社(Midland Certified Reagent Company、米国)から購入した。更に、モレキュラープローブ(Molecular Probes)社からフロオ・リポーターキット(FluoReporter Kits)F-6082(ボデピーFLのプロピオン酸サクシニジミルエステル(BODIPY FL propionic acid succinidimyl esters)の他に、当該化合物をオリゴヌクレオチドのアミン誘導体に結合させる試薬を含有するキット)を購入した。当該キットを前記購入の前記デオキシリボオリゴヌクレオチドに作用させてボデピーFLで標識した本発明の上記蛍光消光プローブを合成した。
尚、前記合成物の精製は以下のように行った。
合成物を乾固し乾固物を得た。それを0.5M Na2CO3/NaHCO3緩衝液(pH9.0)に溶解した。当該溶解物をNAP-25カラム(ファルマシア社製)でゲルろ過を行い、未反応物を除去した。さらに逆相HPLC(B gradient:15〜65%、25分間)を以下の条件で行った。そして、溶出するメインピークを分取した。分取した画分を凍結乾燥して、最初のオリゴヌクレオチド原料2mMより目的物を50%の収率で得た。
逆相クロマトグラフィーの条件:
溶出ソルベントA:0.05N TEAA 5%CH3CN
溶出ソルベントB(グラジエント(gradient)用):0.05N TEAA 40%CH3CN
カラム:CAPCEL PAK C18; 6×250mm
溶出速度:1.0ml/min
温度:40℃
検出:254nm
実施例35
(1)大腸菌JM109株の培養
53培地(組成:カゼインペプトン(カゼインのトリプシン消化物)、10g;酵母エキス、5g;グルコース、5g;食塩、5g;蒸留水、1000mL)用いて大腸菌JM109株を培養した(培地50mL/250mL容コニカルフラスコ、37℃、12時間、振とう培養)。そして、培養液から菌体を集めた(遠心分離10,000rpm、5分、蒸留水で2回洗浄)。
(2)16SrRNAのcDNAの調製
菌体から、SOGENキット(ニッポンジーン社)を用いて全RNAを本キットのプロトコルに従って抽出した。
その後、BcaBESTTM RNA PCRキット(宝酒造株式会社)を用い、本キットのプロトコルに従って、前記抽出液について、16sRNAを対象とした増幅と逆転写反応(RT-PCR)を公知の通常の条件で行った。その際、前記の本発明の蛍光消光プローブEu1392Rをプライマーとして用いた。続いて、RNAをRnase Hにより分解し(30℃、20分)、16SrRNA遺伝子の純粋なcDNAを得た。cDNA濃度をOliGreenR ssDNA Quantitationキット(Molecular Probes)を使用して測定した。
実施例36
(1)定量的PCR、データ解析およびcDNAの検量線の作成
前記cDNA溶液について、本発明の蛍光消光プローブEu47Fをフオワードプライマーとして、Eu1392Rをリバースプラマーとして用い、リアルタイムモニタリング定量的PCR反応を行った。
リアルタイムモニタリング定量的PCR装置として、LightCyclerTM System(ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社、ドイツ)を使用し、手順書記載の手順に従って反応を行った。尚、DNAポリメラーゼとしてTaKaRaTaq TM (宝酒造株式会社)を使用した。
PCRは次のコンポーネントで行った。
・大腸菌cDNA:1.0μl
(最終濃度102〜106コピー)
・プライマー溶液:4.0μl
(最終濃度0.1μM)
TaKaRaTaq TM :10.0μl(0.5Units)
・ミリQ純水:5.0μl
・全容量:20.0μl
尚、cDNAを、図30の注に示される実験区のコピー数用いて実験を行った。MgCl2の最終濃度は2mMであった。
反応条件は次の如くであった。
・変性(denaturation)反応初期:95℃、60秒
2回目以降:96℃、10秒
・アニーリング(annealing)反応:50℃、5秒
・DNA伸長反応:72℃、60秒
測定条件は次の如くであった。
・励起光:488nm
・測定蛍光色:530nm
前記の条件でリアルタイムモニタリング定量的PCRを行って、各サイクルの蛍光強度を実測した。その実測値を本発明のデーター解析方法に従って解析した。即ち、次の過程でデータを処理した。
(a)各サイクルにおける増幅した核酸が蛍光色素で標識された核酸プライマーとハイブリダイズしたときの反応系の蛍光強度値(即ち核酸伸長反応終了時(72℃)の蛍光強度値)を、増幅した核酸が核酸プライマーとハイブリダイズしたものが完全に解離したときの反応系の蛍光強度値(即ち核酸熱変性反応終了時(96℃)の蛍光強度値)で割る補正演算処理過程、即ち、実測の蛍光強度値を[数式1]で補正した。
n=fhyb,n/fden,n [数式1]
[式中、fn=サイクルの蛍光強度の補正値、fhyb,n=各サイクルの72℃の蛍光強度値、fden,n=各サイクルの96℃の蛍光強度値]
(b)各サイクルにおける[数式1]における補正演算処理値を[数式3]に代入し、各サイクルにおける各サンプル間の蛍光消光率を算出する演算処理過程、即ち、下記の[数式10]で演算処理する過程、
n=fn/f25 [数式10]
[式中、Fn=各サイクルの演算処理値、fn=[数式1]で得られた各サイクルの値、f25=[数式1]で得られた値で、サイクル数が25回目のもの]。
[数式10]は[数式3]において、a=25とした場合におけるものである。
(c)前記(b)の過程で得られた各サイクルの演算処理値を[数式6]による蛍光強度の変化率(減少率または消光率)の対数値を演算処理をする過程、即ち、下記の[数式11]で演算処理する過程、
log10{(1−Fn)×100} [数式11]
[式中、Fn=[数式10]で得られた値]。
[数式11]は[数式6]において、b=10,A=100とした場合におけるものである。
上記の結果を図30に示した。
図30は、前記(a)、(b)、(c)の過程で計算された値を、サイクル数に対してプロットし、印字したものである。
次に、図30のグラフを基に、次の(d)および(e)の過程で処理した。
(d)前記(c)の過程で処理されたデーターの内、0.2をスレッシュホールド(threshhold)し、その値に達したサイクル数を計算する過程。
(e)前記(d)の過程で計算した値をX軸に、反応開始前のコピー数をY軸にプロットしたグラフ、即ち大腸菌cDNAの検量線(図31)を作成する過程。
図31は、本発明の定量的PCR方法で得られるデータを、本発明のデータ解析方法、即ち、(a)、(b)、(c)、(d)、(e)の過程で処理した最終結果である。図31から未知コピー数の核酸試料について反応開始前のコピー数を精度よく求めることができることが分かる。
実施例37
(1)多型系(複合微生物系)の構築
表6に示した10種類の細菌菌株をDSMZ(Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH)から購入し、前記の53培地を用いて各々の菌株ついて別個に培養した。培養条件は前記大腸菌の場合と同様である。各々の培養液から菌体を集めた(遠心分離10,000rpm、10分、蒸留水で2回洗浄)。各々の菌体について、前記と同様にしてSOGENキット(ニッポンジーン社)を用いて全RNAを抽出した。
Figure 0004909501
1:Paracoccus pantotrophus、 2:Sphingomonas natatoria、 3:Bdellovibrio stolpii、 4:Microbacterium imperiale、 5:Pseudomonas fluorescens、 6:Agromyces medislanum、 7:Cellulomonas cellulans、 8:Brevibacterium liquefaciens、 9:Leminorella grimontii、10:Rhodococcus luteus
その後、前記の大腸菌の場合と同様にして、それぞれの菌株の16SrRNA遺伝子の純粋なcDNAを得た。得られた10菌株各々のcDNA濃度を前記の大腸菌の場合と同様にして測定した。cDNA濃度の判明した溶液について、蒸留水にて300,000copy/μLとなるように希釈した。10菌株分について、希釈液を当量ずつ混合したものを複合微生物系即ち多型系(以下、多型系という。)とした。この多型系には、10菌株分のcDNAがそれぞれ300,000copy/μLの濃度で含まれているので、全体として、3,000,000copy/μLの濃度cDNAが含有していることになる。
(2)リアルタイムモニタリング定量的PCR
前記多型系のcDNAについて、本発明の蛍光消光プローブEu47FおよびEu1392Rを菌株共通のプラマーとして用いて、前記大腸菌と同様にしてリアルタイムモニタリング定量的PCRを行った。
多型系のサンプルを、絶対量で濃度300,000copy/20μL(反応液全体20μL)となるように反応液に添加した。多型系のリアルタイムモニタリング定量的PCRにおいては、蛍光強度の減少が観察され、かつ遺伝子の指数関数的増幅期である22サイクル数で反応を停止させた(図30参照)。スレッシュホールドを、log Rn(蛍光消光率)=0.2と設定したときの、多型系について行ったリアルタイムモニタリング定量的PCRの反応液のcDNAのコピー数は288,000コピーであった(図31参照)。初期添加量即ち理論値は300,000コピーであるから、本発明の方法によって作成された検量線は良好な定量性を示すことが確認された。
実施例38
多型解析
(1)T-RFLPによる解析
前記のようにしてPCR反応を行った後、増幅産物をカラム(MicroconPCR、Millipore Corporation、 Bedford、 MA、 USA)を用いて精製した。精製物を制限酵素Hha1(認識部位:GCG/C、/=切断個所)でO/N(一晩)処理した。処理終了後、切断断片のみをカラム(Microcon及びMicropure-EZ、 Millipore Corporation,Bedford、MA、USA)で精製した。制限酵素処理後の各菌株のcDNA断片の大きさは、表9に示した。
カラム精製を施したcDNA溶液について、加熱変性処理を行った後、シーケンサー(ABI PRISMTH 310、PE Applied Biosystems)にてT−RFLP解析を行った。そのピークパターンを図32に示した。各ピークを濃度が既知である標準BODIPY FL修飾断片を用いて定量した。各ピークのモル構成率を求めた結果、すべてのモル構成率は、9.4〜10.8の範囲に収まっており、各菌株のcDNA断片のPCR増幅効率の極端な差異認められなかった(表9参照)。定量的PCRで求めてた全cDNAのコピー数にモル構成率を掛け、それぞれの菌株の初期のcDNAのコピー数を求めた(表9参照)。定量により求めたコピー数/初期添加コピーは0.89〜1.04(表8参照)であった。よって、本方法によりそれぞれの菌株の初期のcDNAコピー数を正確に定量できることが判明した。
実施例39 蛍光発光プローブをプライマーとして用いた(以下、蛍光発光プライマーという。)リアルタイム定量的PCR法と本方法を適用した定量的多型解析法の実施例
蛍光発光プライマーを用いたリアルタイム定量的PCR法とこのリアルタイム定量的PCR法を利用した定量的多型解析法の実施例について説明する。
1) 実験方法および条件
<人工複合微生物系(テンプレート)の調製>
人工複合微生物系を調製し、これをモデル系として定量的多型解析法の有効性を証明した。実験のために、Tabel 9に示した10種の微生物をDSMZより購入した。各々の菌株を53培地を用いて別々に培養した。培養液から菌体を集菌し、キット試薬ISOGEN(ニッポンジーン、日本)によりTotal DNAをプロトコルに従い抽出した。その後、Eu47F(CITAACACATGCAAGTCG, I=inosine)、Eu1392R(TTGTACACACCGCCCGTCA)をプライマーとして、16sRNA遺伝子を増幅対象としてPCR反応を行った。得られた10種の16SrRNA遺伝子増幅産物をPicoGreenR dsDNA Quantitation Kit(Molecular Probes)にて定量した後、滅菌蒸留水にて300,000 copies/mlとなるようそれぞれ希釈した。これらを等量混合したものを、モデル人工複合微生物系とした。このモデル人工複合微生物系には10種の微生物の16SrRNA遺伝子増幅産物がそれぞれ30,000 copies/mlの濃度で含まれており、トータルの16SrRNA遺伝子増幅産物濃度は300,000 copies/mlとなる。
<本発明の蛍光発光プライマーを用いたリアルタイム定量的PCR実験方法>
上記の人工複合微生物系(16S rRNA遺伝子混合サンプル)を対象として、Texas red, Dabcyl2重修飾蛍光発光プライマーを用いた定量的PCRを行った。共通プライマーとしてはEu47F-modi(CITAACACATGCAAGTCG, I=inosine)、Eu1392R(TTGTACACACCGCCCGTCA)を使用した。Eu47F-modiは、Eu47Fと塩基配列は同様であるが、5’末端から9番目のTがTexas red、9番目のTがDabcyl修飾されている。Texas redおよびDabcylの修飾方法は、実施例7と同様であった。定量的PCR装置としては、iCycler(バイオラッド(BIO-RAD)社製)を用いた。最初のDenatureは95℃で60秒間行い、PCRサイクルはDenature=95℃/60秒、annealing=50℃/60秒,extention=72℃/70秒の条件にて行った。PCR反応は、初期遺伝子構成比が崩れないように(PCRバイアスがかからないように)指数関数的な増幅領域でストップさせた。Primer濃度は、Eu47F、Eu1392R共に最終濃度で各0.1μMとした。DNA polymeraseはTaKaRa TaqTM(宝酒造)を0.5 Units/20μlの濃度で使用した。Mgイオン濃度は2mMとした。dNTPは最終濃度で各2.5mMとなるよう添加した。AntiTaq body(クローンテック社製)を使用し製造者の指導書に則り、Hot startを行った。検量線作成のための標準サンプルとしては、E.coliの16s rDNA遺伝子増幅産物を用いた。E.coliの16s rDNA遺伝子増幅産物調調製は、前記人工複合微生物系と同様の方法で行った。検量線作成後、人工複合微生物系の定量を行った。人工複合微生物系の遺伝子量は、絶対量で300,000 copy/20μl(20μl=全量)となるよう調整した。蛍光測定は各サイクルのdenature後、annealing後に一回ずつ行った。蛍光発光率は、蛍光消光率と同様、annealing後(ハイブリダイゼーション時)の蛍光強度をdenature後(解離時)の蛍光強度で補正することで求めた。
具体的な計算式は
Fn= {( f hyb, n / f den, n )/( f hyb, n' / f den, n')}X100
Fn=nサイクル時の蛍光発光率
f hyb, n= nサイクルにおけるannealing(ハイブリダイズ)時の蛍光強度
f den, n = nサイクルにおけるdenature(解離)時の蛍光強度
f hyb, n'= 増幅産物由来の蛍光発光が起こる前のサイクル(n’サイクル)におけるannealing(ハイブリダイズ)時の蛍光強度
f den, n'=増幅産物由来の蛍光発光が起こる前のサイクル(n’サイクル)におけるdenature(解離)時の蛍光強度
<T-RFLPによる解析>
リアルタイム定量的PCR反応終了後、増幅産物の精製をカラム(Microcon PCR, Millipore Corporation、Bedford、MA、USA)にて行い、Hha1(認識部位:GCG/C, /=切断箇所)にてover night reactionで制限酵素処理を行った。この制限酵素断片を含む溶液を、加熱変性処理を行った後、シーケンサー(ABI PRISMTH 310, PE Applied Biosystems)にてT−RFLP解析を行った。その後、各制限酵素断片を同鎖長の蛍光発光プローブを標準物質として定量した後、各ピークのモル構成率を求めた。
2) 結果
<蛍光発光プライマーを用いたリアルタイム定量的PCR結果>
図33及び34に結果を示す。図33から分かるように、蛍光発光プライマーを用いて増幅産物のモニタリングが可能であることが示された。また、スレッシュホールド(thresh hold)値(log Fn(蛍光発光率)=1.6)に達すのに必要であったサイクル数と初期に(innitial)添加したDNAコピー数との関係を図34に示した。この図から分かるようにサイクル数と初期添加のコピー数とは直線関係にあることが分かる。従って、この図からスレッシュホールド値に達したサイクル数より、初期の標的遺伝子の定量が正確に行えることが示唆された。人工複合微生物系では、対数的増幅が見られるサイクル数(23サイクル)でPCR反応を停止させた(図33参照)。図34として示した検量線より、人工複合微生物系の16S rRNAコピー数は、約296,000 copiesと定量された。初期添加量は300,000 copiesであったことから、本法の良好な定量性が確認された。
<T-RFLPによる解析結果>
リアルタイム定量的PCRの増幅産物をT-RFLP方法で解析し、それぞれの菌株の16SrRNA遺伝子の制限酵素断片をそれぞれ定量した結果、全てのピークのモル構成率は、9.5〜10.6の範囲内であり、16S rRNA遺伝子種によるPCR増幅効率の差異は認められなかった(表 10参照)。定量的PCRで求めた16s rRNA遺伝子のトータルコピー数にモル構成率をかけ、それぞれの構成微生物の初期16s rRNA遺伝子のコピー数を求めた(表10 参照)。各菌株の16SrRNA遺伝子に関して、定量より求めたコピー数/初期添加コピー数は0.94〜1.05(表10 参照)であることより、本法の人口複合微生物系の混合遺伝子の初期コピー数の定量(標的核酸の定量)は精度がよいことが証明された。
Figure 0004909501
実施例40 蛍光発光プローブを用いたリアルタイム定量的PCR法の実験例
従来技術のプライマーと本発明の蛍光発光プローブを用いて定量的PCR法を行い、当該プローブで増幅産物をリアルタイムモニタリングすることを基本原理とするリアルタイム定量的PCR法の実施例について説明する。
1) 実験方法および条件
<テンプレートDNAの調整>
Paracoccus denitrificans DSM 413のゲノムDNAをDNeasyTM Tissue Kit (QIAGEN GmbH社,Hilden,Germany)を用いて抽出後、E10F(AGAGTTTGATCCTGGCTCAG:蛍光修飾なし)、E1400R(GGTTACCTTGTTACGACTT)のプライマーセットを用い、通常のPCRにて、16S rRNA遺伝子を増幅した。PCR増幅産物をPico Green dsDNA Quantitation Kit (Molecular Probes Inc.)を用いてそれぞれ定量した後、16S rRNA遺伝子を6ng/μl含む溶液を調整した。
<その他の条件>
蛍光発光プローブの塩基配列は、5'CTAATCCTTT-(Texas red) GGCGAT-(Dabcyl) AAATC3'であり、5‘末端からの9番目のTをTexas red修飾、5‘末端からの15番目をTをDABCYL修飾したものを使用した。その修飾方法は実施例7と同様である。また、当該プローブの3’末端は、3’末端からの伸長を阻害されるようにリン酸化された。Forward, Reverseプライマーは通常のPCRで使用したものと同じものを用いた(E10F, E1400R)(即ち、蛍光色素で修飾されていないプライマー)。リアルタイムPCR装置はiCycler(バイオラッド)を用いた。
PCR条件は、通常のPCR、リアルタイム定量的PCR法ともに、それぞれ1st denatureは95℃,120sec、denatureは95℃, 60sec、annealは56℃, 60sec、extensionは72℃, 70secの条件である。Mgイオン濃度は2mMとした。dNTPは最終濃度で各2.5mMとなるよう添加された。TaqポリメラーゼとしてGene Taq(日本ジーン)を用いた。プライマーは、通常のPCR方法、リアルタイム定量的PCR法ともに、最終濃度で100nM添加した。本DNA溶液は、標準テンプレート溶液として用い、0.6pg 〜6ng/reactionとなるよう添加した。テンプレートとして、上記の方法で調整したParacoccus denitrificans DSM 413由来の16S rRNA遺伝子増幅産物を用い、0.6pg〜6ng/reactionとなるよう反応系に添加した。蛍光発光プライマーは50nM添加した。蛍光測定は各サイクルのdenature後、annealing後に一回ずつ行った。蛍光発光率は、実施例39と同様の方法で求めた。
2) 結果
蛍光発光プローブによる増幅産物のリアルタイムモニタリングした結果を図 35に示した。この図から、蛍光発光プローブを用いて増幅産物をモニタリングすることが可能であることが分かった。また、スレッシュホールド値(log Fn(蛍光発光率)=1.8)に達すのに必要であったサイクル数と初期添加DNA量との関係を図35に示した。この図から分かるようにサイクル数と初期添加のコピー数とは直線関係にあることが分かった。尚、この時の、相関係数はR2=0.9993であった。従って、この図からスレッシュホールド値に達したサイクル数より、標的遺伝子の初期コピーの定量が正確に行えることが分かった。
以上の結果より、蛍光発光プローブを用いたリアルタイム定量的PCR法により初期標的核酸濃度(増幅前に存在した標的核酸量)の測定が可能であることが証明された。
実施例41 蛍光発光プローブあるいは蛍光消光プローブを用いた1塩基多型の検出
蛍光発光プローブあるいは蛍光消光プローブを用いて、解離曲線より一塩基多型を検出する方法について、具体的実施例をあげて説明する。
1) 実験方法
蛍光発光プローブは、実施例40で使用したものと同じ蛍光発光プローブを用いた。蛍光消光プローブは、蛍光発光プローブと同様の塩基配列で、5’末端がBODIPY FLで修飾されたものを用いた。{(BODIPY FL)-5' CTAATCCTTTGGCGATAAATC 3'}。修飾方法は実施例8と同様である。ターゲットは上記蛍光発光プローブおよび、蛍光消光プローブと100%相補的な塩基配列((5') GATTTATCGCCAAAGGATTAG (3'))と、相補的な塩基配列であるが、5’末端から10番目のCがTに置換された一塩基多型を含む塩基配列((5') GATTTATCGTCAAAGGATTAG (3'))を用いた。プローブは最終濃度100nM添加した。合成ターゲットDNAは最終濃度400nM添加した。ハイブリダイゼーション溶液の組成は実施例12で使用したものと同様である。合成ターゲットDNAは、用意した2種類のターゲットの内、どちらか一方を使用した。実験は、予め上記の条件で調整した溶液を蛍光測定用チューブに添加し、これを0.1℃/secで30℃から80℃まで昇温させ、その間蛍光測定を連続的に行った。
この蛍光測定結果から、プローブとターゲットとの解離曲線を作成し、その解離曲線の違いから一塩基多型を含む配列を判別可能か評価した。実験装置として、iCycler(バイオラッド社)を用いた。蛍光フィルターは、蛍光発光プローブの蛍光検出にはバイオラッド社の提供しているTexas red 用の蛍光フィルターを、蛍光消光プローブの蛍光検出には同じくバイオラッド社の提供しているFITC用の蛍光フィルターを用いた。
2) 結果
結果を図36として示す。この図から、1塩基多型を含むターゲットとの解離曲線のTm値は、蛍光発光プローブ、蛍光消光プローブ共に100%相補的ターゲットとの解離曲線のTm値より約10℃低いことが分かった。これは、1塩基分の水素結合の有無がTmの差となって現れたことを示した。以上のことから、蛍光発光プローブあるいは蛍光消光プローブを用いることにより、1塩基多型を簡便に区別できることが証明された。
実施例42 蛍光発光プローブを用いたDNAチップ
蛍光発光プローブを用いたDNAチップについて、具体的に実施例をあげて説明する。
1) 実験方法
表11に示した塩基配列の蛍光発光プローブを調製した。これらは、全てヒトのCYP21遺伝子の部分塩基配列であり、プローブ塩基配列中にSNPs部位を含んでいる。プローブ名称は、the Whitehead Institute(http://waldo.wi.mit.edu/cvar_snps/)のSNPsのID番号をそのまま利用した。合成法は以下の2点を除き、実施例7.と同様である。(1)5’末端に、5'-Amino-Modifier C12(Glen Research社製)を用いてアミノリンカーを導入した。(2)Texas redは、プローブ配列によってAmino-Modifier C6 dTだけでなく、Amino-Modifier C6 dC(グレンリサーチ社製)も用いて修飾した。プローブ配列およびTexas redとDabcylのプローブ内の修飾位置はTable 10に示した通りである。標的核酸はTable 12に示したものを使用した。
Figure 0004909501
Figure 0004909501
<DNAチップの調製>
スポティングは、各プローブ溶液につき、1スポットずつ行った。これ以外のDNAチップの調製法は、前記の蛍光消光プローブを用いたDNAチップの調製方法と同様である。
スライドグラス上に固定化された本発明のプローブは、標的核酸にハイブリダイズしないときTexas redは蛍光が消光しているが、ハイブリダイズしているときは蛍光の発光が、ハイブリダイズしないときのものよりも著しく増加する。
<SNPsの検出測定方法>
各々100μM濃度で含む5種類の100%matchターゲット混合溶液{50mMのTE緩衝液(pH:7.2)使用}を、上記のごとくに調製したDNAチップの上にのせた。各々100μM濃度で含む5種類の1 mismatchターゲット混合溶液も同様に調製し、100% matchターゲット混合溶液をのせたものとは別のDNAチップの上にのせた。これらをカバーグラスで覆い、標的核酸が漏れないようにマニキュアにてカバーグラスをシールした。従って、本試験では計2枚のDNAチップを調製した。これらのチップについてそれぞれ、温度を変化させながら連続的に蛍光観察を行い、ターゲットとの解離曲線を作成した。
<測定装置>
検出測定のための装置類は前記図13に示したものと同様である。
2)実験結果
実験結果を図37に示した。図から、温度が低くなるに従い、全てのプローブで蛍光強度が上昇していることが分かる。これは、各蛍光発光プローブが対応するターゲット塩基配列とハイブリダイズしたことを示している。従って、本発明の方法により、本発明のプローブと標的核酸との解離曲線を簡便にモニタリングすることができる事が示された。また、標的核酸と100%マッチするプローブと一塩基ミスマッチするプローブとのTm値の差は、本検討の場合10℃前後であるので、解離曲線から両者を容易に識別することができた。即ち本発明のDNAチップを使用することにより複数種のSNPsの解析が同時に実施できることを本実験は示した。
実施例43 蛍光発光プローブ、蛍光消光プローブを固定化したDNAチップ上での遺伝子増幅と増幅産物のリアルタイム検出
蛍光発光プローブ、蛍光消光プローブを固定化したDNAチップ上に於いて遺伝子増幅を行うと共に増幅産物をリアルタイムモニタリングする手法について、具体的実施例を挙げて説明する。また、増幅された遺伝子と蛍光発光プローブと蛍光消光プローブとの解離曲線から、SNPsの検出を行った。
1)実験方法
(1)蛍光発光プローブ
蛍光発光プローブおよび蛍光消光プローブを、表13に示した。これらは、実施例42で使用したものと同じ塩基配列である。蛍光発光プローブは、3’末端がリン酸化された状態で用いた。それらの合成法は、実施例42と同様である。プローブ配列およびTexas redとDabcylのプローブ内の修飾位置はTable 10に示した通りである。
(2)蛍光消光プローブ
蛍光消光プローブの塩基配列は、蛍光発光プローブの塩基配列と同一である。蛍光消光プローブの5’末端には、5'-Amino-Modifier C12(グレンリサーチ社製)を用いてMMTアミノリンカーを導入した。また、3’末端塩基はAmino-Modifier C6 dC(グレンリサーチ社製)を用いて、TFAアミノリンカーを導入した。保護基であるTFAを脱保護した後、オリゴヌクレオチドをアミノリンカーを介してBODIPY FL(Molecular probes)修飾した。また、蛍光消光プローブは3’末端がリン酸化された状態である。標的核酸は表12に示したものを使用した。その他の詳細な精製法や修飾法は、実施例8と同様であった。
(3)プライマー
フォワードプライマーとして5’CTTGGGGGGGCATATCTG 3’である配列を用い、リバースプライマーとして5’ACATCCGGCTTTGACTCTCTCT 3'を用いた。このプライマーセットは、ヒトのCYP21遺伝子の一部(2509bp)を増幅する事が可能である。蛍光発光プローブと蛍光消光プローブは、SNPsを含まない対応する増幅産物に対し100%相補的な配列を有するものである。よって、対応する増幅産物が増えるに従い、表13に示した蛍光発光プローブおよび蛍光消光プローブの蛍光強度の変化量は増大する事が予想された。
<DNAチップの調製>
スライドグラスには、各プローブ溶液につき、1スポットずつスポッテングした。これ以外のDNAチップの調製法は、消光プローブを用いたDNAチップの調整法と同様である。
スライドグラス上に蛍光発光プローブが固定化された場合、プローブが標的核酸にハイブリダイズしないときTexas redの蛍光が消光しているが、ハイブリダイズしているときは蛍光の発光が、ハイブリダイズしないときのものよりも著しく増加する。これとは逆に、スライドグラス上に蛍光消光プローブが固定化された場合、標的核酸にハイブリダイズしないときBODIPY FLは蛍光を発光しているが、ハイブリダイズしているときは、ハイブリダイズしないときの蛍光の発光よりも著しく蛍光が消光する。
<リアルタイムモニタリングPCRの方法>
実施例29で用いたヒトゲノムをテンプレートとして、前述のプライマーを用いDNAチップ上でPCRを行い、PCR増幅産物を固定化された蛍光発光プローブまたは蛍光消光プローブにて検出した。実験は、前記図13に示した装置を用いて行われた。蛍光発光プローブと蛍光消光プローブが固定化されたDNAチップ上に、プライマー,テンプレート,Taq polymerase, dNTP,MgCl2などを含む溶液をのせた。この溶液が漏れないようにカバーグラスで覆い、マニキュアにてカバーグラスをシールした。このチップを温度制御プログラムを組み込んだ透明加熱板にのせ、チップ上でPCR反応を行わせた。増幅された産物は、固定化された蛍光発光プローブと蛍光消光プローブの蛍光変化量を図13に示した顕微鏡にて追うことで、リアルタイムで検出された。
最初のDenatureは95℃で120秒間行い、PCRサイクルはDenature=95℃/60秒,annealing=60℃/60秒,extention=72℃/120秒にて行った。Primer濃度は、フォワード、リバース共に最終濃度で各0.5μMとした。テンプレートは、1.5ng/μlの最終濃度で添加した。DNApolymeraseとしてGene TaqTM(日本ジーン)を0.5 Units/20μlの濃度で使用した。Mgイオン濃度は2mMとした。dNTPは最終濃度で各2.5mMとなるよう添加した。
<解離曲線の作成>
固定化された蛍光発光プローブおよび蛍光消光プローブとPCR増幅産物との解離曲線を、実施例42と同様の方法で作成し、SNPsの検出を行った。
2) 結果
実験結果を図38に示した。図からサイクル数の増加に伴い、全てのプローブで蛍光変化量が上昇していることが分かる。従って、本発明の方法により、遺伝子増幅とその増幅産物のリアルタイム検出が同時に行えることが示された。増幅産物と各プローブとの解離曲線を作成した結果を図39に示す。図から温度が低くなるに従い、全てのプローブで著しい蛍光変化が見られた。これは、蛍光発光プローブおよび蛍光消光プローブがターゲット塩基配列とハイブリダイズしたことを示した。このように、本発明のプローブと標的核酸との解離曲線を簡便にモニタリングすることができる事が分った。また、増幅産物とWIAF-10600の蛍光発光プローブおよび蛍光消光プローブとの解離曲線は、実施例42で得られたミスマッチを含まない人工合成ターゲットとWIAF-10600プローブとの解離曲線とほぼ一致しており、今回テンプレートとして使用したヒトゲノムは、WIAF-10600のプローブ配列と100%相補的であることが示された。また、増幅産物とWIAF−10578の蛍光発光プローブおよび蛍光消光プローブとの解離曲線は、実施例42で得られたミスマッチを含む人工合成ターゲットとWIAF-10578プローブとの解離曲線とほぼ一致しているので、今回使用したヒトゲノムは、WIAF-10578のプローブ配列に対しミスマッチを含むことが示された。この様に、本発明のDNAチップを使用することにより、遺伝子増幅を行った後に増幅された産物における複数種のSNPsの解析を同時に実施できることが分かった。
Figure 0004909501
本発明は次のような効果を有する。
1)第1発明(蛍光発光プローブ):
本発明のプローブはステムループを形成することのない一本鎖のデオキシリボオリゴヌクレオチドに蛍光色素とクエンチャー物質を単に結合させてなるものであるので、標的核酸にハイブリダイズするプローブの塩基配列の設計は、繁雑でなく容易である。また、標的核酸にハイブリダイズする前は、蛍光色素の発光がクエンチャー物質によって抑制されているので、測定のバックグランドが極めて低い。それで、標的核酸の測定が正確である。しかも、簡便で、短時間に測定できる。
2)第2発明(蛍光消光プローブ):
(1)本発明のプローブは、一本鎖のデオキシリボオリゴヌクレオチドに特定の蛍光色素を単に結合させてなるものであるが、当該プローブが非ハイブリダイゼーション系からハイブリダイゼーション系に反応系が移行したとき蛍光強度が減少するように設計されている。それで当該プローブの設計は繁雑でなく容易である。結果として、標的核酸の測定が正確、かつ簡便でる。
(2)特に化学的修飾オリゴヌクレオチドなどからなる本発明の蛍光消光プローブ、またキメリックオリゴヌクレオチドなどからなる本発明の蛍光消光プローブは、複雑な構造を有するRNA、特にtRNAなどの核酸を測定するために開発されたものである。本発明によりこれらの核酸を容易簡便かつ正確に測定できるようになった。
3)第三発明(上記の本発明の蛍光発光プローブ、蛍光消光プローブの利用に関する発明):
(1)本発明の蛍光発光プローブ若しくは蛍光消光プローブを使用すると、それらを含有若しくは付帯する、標的核酸の濃度を測定する測定キット、当該プローブを結合してなるDNAチップなどの核酸チップ若しくは核酸デバイスが、簡便、容易に製造できる。
(2)本発明の前記プローブ、測定キット、核酸チップ若しくは核酸デバイスを用いると、測定系から未反応の核酸プローブを除く等の操作をすることがないので、標的核酸の濃度を短時間でかつ簡便に測定できる、
(3)また、複合微生物系又は共生微生物系に適用すると、当該系における特定菌株の存在量を特異的かつ短時間に測定できる。
(4)本発明は標的核酸若しくは遺伝子のSNPなどの多型又は変異などの解析若しくは測定が、簡便かつ正確になる。
(5)また、前記本発明のプローブを用いる定量的PCR方法は、次のような効果を有する。
a.TaqDNAポリメラーゼによる標的核酸の増幅に阻害的に作用する因子が添加されていないことから、従来公知の特異性のある通常のPCRと同様の条件で定量的PCRを行うことができる。
b.また、PCRの特異性を高く保つことができるので、プライマーダイマーの増幅が遅くなることから、従来公知の定量的PCRと比較すると定量限界が約1桁のオーダー低くなる。
c.複雑な核酸プローブを用意する必要がないので、それに要する時間と費用が節約できる。
d.標的核酸の増幅効果も大きく、増幅過程をリアルタイムでモニタリングすることができる。
(6)本発明は、本発明の蛍光発光プローブ、蛍光消光プローブを用いたリアルタイム定量的PCR方法で、得られたデータを解析するデータ解析方法を提供している。
(7)そして、当該データ解析方法を用いて、未知コピー数の核酸試料について核酸のコピー数を求める検量直線を作成すると、検量線の相関係数は従来の方法により得られたものに較べて格段に高い。それで、本発明のデータ解析方法を用いると核酸の正確なコピー数を求めることができる。
(8)また、本発明のリアルタイム定量的PCR方法によって得られたデータの解析方法に係るデータ解析用ソフトウエア、また、その解析方法の手順をプログラムとして記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、また、それを用いたリアルタイム定量的PCRの測定若しくは解析装置を用いると、相関係数の高い検量直線を自動的に作成することができる。
(9)また、本発明の新規な核酸の融解曲線の分析方法を用いると、精度の高い、核酸のTm値を求めることができる。更に、当該方法に係るデータ解析用ソフトウエア、また、その分析方法の手順をプログラムとして記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、また、それを用いたリアルタイム定量的PCRの測定若しくは解析装置を用いると、正確なTm値を求めることができる。
(10)定量的多型解析方法
標的遺伝子の量及び該遺伝子の多型の構成比の測定は、本発明の新規な定量的PCR方法を用いて標的核酸を増幅し、その増幅核酸について行うものである。増幅核酸は蛍光色素で標識されている。それで、多型の解析では蛍光色素をマーカとして分析できるので、多型の解析は、簡便、迅速かつ定量性よく行うことができる。
本発明の核酸プローブを含む溶液系に標的核酸を添加した場合に伴う溶液系の蛍光強度の変化。 横軸:時間(秒)、縦軸:蛍光強度 本発明の核酸プローブによる標的核酸の検量線 横軸:標的核酸濃度、縦軸:蛍光強度 蛍光色素(Texas Red)とクエンチャー物質(Dabcyl)間の相互作用を利用した蛍光発光プローブの蛍光発光率に及ぼす蛍光色素・クエンチャー物質間の距離(塩基数)の影響を検討するためのプローブ設計と標的核酸設計。 蛍光色素(Texas Red)とクエンチャー物質(Dabcyl)間の相互作用を利用した蛍光発光プローブの蛍光発光率に及ぼす蛍光色素・クエンチャー物質間の距離(塩基数)の影響を見た図。 蛍光色素(Texas Red)とクエンチャー物質(Dabcyl)の双方をデオキシリボオリゴヌクレオチドの鎖中の塩基を修飾したプローブ設計と標的核酸設計。 蛍光色素(Texas Red)とクエンチャー物質(Dabcyl)の双方をデオキシリボオリゴヌクレオチドの鎖中の塩基を修飾したプローブを用いて、蛍光発光に及ぼす蛍光色素・クエンチャー物質間の距離(塩基数)の影響を見た図。 実施例7で得た核酸プローブを用いて大腸菌の16SrRNAの5´末端から数えて335から358番目の核酸塩基配列を測定した場合の蛍光強度測定データを示す図。 35塩基鎖2−O−Meプローブの標的核酸へのハイブリダイゼーションに対する熱処理の効果。 点線:rRNAを加熱処理後、標的核酸が添加された。 実線:非加熱処理rRNA プローブと標的核酸16SrRNAのハイブリダイゼーションに対するプローブの塩基鎖の塩基数、ヘルパープローブ及びプローブの5’末端のリボースの2’位炭素OH基のメチル基修飾の効果。 本発明方法によるrRNA測定のための検量線。 KYM7株及びKYM8株の複合培養系のrRNA量の時間経過についての本発明のFISH方法による分析。 本発明のDNAチップを説明する図。 本発明のDNAチップを用いるSNPs検出測定のための装置類を説明する図。 本発明のDNAチップを用いるSNPs検出測定の実験結果を示す図。 ボデピーFL/C6で標識したプライマー1及び2を用いた定量的PCR方法:サイクル数と蛍光色素の発光の減少量の関係を示す図。 ボデピーFL/C6で標識したプライマー1及び2を用いた定量的PCR方法:サイクル数と蛍光色素の発光の減少量の対数値の関係を示す図。図中の(1)〜(8)なる記号は、図15と同じ意味を表す。 本発明の定量的PCR方法を用いて作成した大腸菌16SrDNAの検量線を示す図。 n:10n 上図は、FRET現象を用いるリアルタイム定量的PCR方法において使用する蛍光色素で標識した二つのプローブの代わりに、本発明の一つのプローブを用いてリアルタイム定量的PCRを行った場合の蛍光強度の減少率の変化を示す図である。下図は蛍光強度の減少が有為に観察され始めるサイクル数(threshold number:Ct値)を算出し、検量線を作成した図である。 本発明の補正演算処理しない場合の、本発明のボデピーFL/C6で標識したプライマーを用いたリアルタイム定量的PCRによって得られた蛍光減少曲線を示す図。 各曲線の10サイクル目の値を1として補正する以外は、図19の曲線の場合と同様にしたリアルタイム定量的PCRによって得られた蛍光減少曲線を示す図。 図20の各曲線の各プロット値について、[数式9]の蛍光強度減少率(変化率)を計算し、計算値をプロットした曲線を示す図。 図21のデータから求めたヒトゲノムDNAの検量直線を示す図。 y=ヒトβ−グロビン遺伝子コピー数、 x=サイクル数(Ct)、 R2=相関係数 図19の各サイクルの測定値を〔数式1〕で補正演算処理した値を各サイクル 数に対してプロットした曲線を示す図。 図23の各サイクルの演算処理値を〔数式3〕で演算処理した値をサイクル数に対してプロットした曲線を示す図。 図24の各サイクルの演算処理値を〔数式6〕の式で演算処理した値をサイクル数に対してプロットした曲線を示す図。 図24の各log(蛍光変化率)値からCt値の候補として、0.1、0.3、0.5、0.7、0.9、1.2を適当に選んで、それに対応する検量直線を描かせた場合の図。尚、各検量線における相関係数を下記に示した。 1コピー及び10コピーのヒトゲノムDNAについて、本発明のボデピーFL/C6で標識したプライマーを用いてリアルタイム定量的PCRを行った場合の蛍光減少曲線を示す図。ただし、〔数式1〕の補正演算処理を施した。 図27に示されるPCRの増幅産物についての核酸の融解曲線分析を行った場合の核酸の融解曲線を示す図。 図28の曲線を微分して得られた、Tm値を示す曲線を示す図(谷がTm値)。 1:コントロール、 2:標的核酸=1コピー、 3:標的核酸=10コピー 本発明の定量的PCR方法を用いた16SrRNA遺伝子(cDNA)の増幅曲線。 本発明のデータ解析方法によって作成されたcDNAの検量線。 本発明の多型系のT-RFLPの解析パターン。 bp:塩基数(base pair) 蛍光発光プローブをプライマー(蛍光発光プライマー)として用いた定量的PCR方法の結果(指数グラフ)。 16SrRNA遺伝子の検量線(蛍光発光プライマー:0μM)。A:人工複合微生物系のコピー数(約296,000 copies) 蛍光発光プライマーを用いたリアルタイム定量的PCR方法におけるPCR増幅産物のリアルタイムモニタリングの結果と得られた検量線。 図中の各線は図33のものと対応する。 蛍光発光プローブによるSNPs検出の結果。 蛍光発光プローブ固定化DNAチップによるSNPs検出の結果。 蛍光発光プローブおよび蛍光消光プローブを結合したDNAチップを使用したリアルタイムモニタリングPCR方法を行った結果。 蛍光発光プローブおよび蛍光消光プローブを結合したDNAチップを使用してPCRを行った際のPCR産物の融解曲線の図。
符号の説明
1:オリンパス正立顕微鏡(AX80型)
2:顕微鏡用透明加熱版(MP−10MH−PG、(株式会社)北里サプライ)3:温度制御装置
4:冷却CCDカメラ(C5810型、浜松ホトニクス社)
5:画像解析装置

Claims (9)

  1. 標的核酸定量的PCR方法で増幅し、PCRを行う前の標的核酸の初期量(A)を求める工程、
    上記増幅した標的核酸について多型解析することにより標的核酸多型の構成比(B)を決定する工程、及び、
    上記標的核酸の初期量(A)に上記各多型の構成比(B)を乗じて、標的核酸中の各多型の初期存在量を決定する工程を有する定量的多型解析方法。
  2. 多型解析がT−RFLP(terminal restriction fragment length polymorphism)、RFLP(restriction fragment length polymorphism)方法、SSCP(single strand conformation)方法、またはCFLP(cleavage fragment length polymorphism)方法である請求項に記載の定量的多型解析方法。
  3. 定量的PCR方法がリアルタイムモニタリング定量的PCR方法である請求項に記載の定量的多型解析方法。
  4. リアルタイムモニタリング定量的PCR方法において、蛍光消光プローブを用いてPCRを行い、反応前後の蛍光色素の発光の変化量をリアルタイムで測定するものである請求項3に記載の定量的多型解析方法。
  5. リアルタイムモニタリング定量的PCR方法において、蛍光消光プローブをプライマーとして用いてPCRを行い、反応前後の蛍光色素の発光の変化量をリアルタイムで測定するものである請求項3に記載の定量的多型解析方法。
  6. 定量的PCR方法において、指数関数的増幅期でPCR増幅反応を止める請求項1に記載の定量的多型解析方法。
  7. リアルタイムモニタリング定量的PCR方法において、蛍光強度値がプラトーに達する前にPCR増幅反応を止める請求項4または5に記載の定量的多型解析方法。
  8. 前記蛍光消光プローブが、少なくとも一つの蛍光色素で標識された核酸プローブであって、該蛍光色素は、その近傍にグアニン塩基が存在するとその蛍光強度が減少する色素であり、かつ、当該プローブは、3’および/又は5’末端のシトシンが前記蛍光色素で標識されており、当該核酸プローブが、前記標的核酸にハイブリダイゼーションしたとき、当該修飾部の塩基から1〜3塩基離れて(修飾部の塩基を1と数える。)、標的核酸の塩基配列にG(グアニン)が少なくとも1塩基存在するように、当該プローブの塩基配列が設計されており、かつ蛍光色素で標識された核酸プローブが標的核酸にハイブリダイゼーションしたときに、前記蛍光色素がその発光を減少させるものである請求項4又は5に記載の定量的多型解析方法。
  9. 前記蛍光消光プローブが、少なくとも一つの蛍光色素で標識された核酸プローブであって、該蛍光色素は、その近傍にグアニン塩基が存在するとその蛍光強度が減少する色素であり、かつ、当該プローブは、3’および/又は5’末端のシトシンが前記蛍光色素で標識されており、当該核酸プローブが、前記標的核酸にハイブリダイゼーションしたとき、当該修飾部の塩基から1〜3塩基離れて(修飾部の塩基を1と数える。)、プローブ−核酸ハイブリッドの複数塩基対が少なくとも一つのG(グアニン)とC(シトシン)のペアーを形成するように、当該プローブの塩基配列が設計されており、かつ蛍光色素で標識された核酸プローブが標的核酸にハイブリダイゼーションしたときに、前記蛍光色素がその発光を減少させるものである請求項4又は5に記載の定量的多型解析方法。
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