JP2003329832A - 粘着型光学フィルム、光学フィルム用粘着剤組成物および画像表示装置 - Google Patents

粘着型光学フィルム、光学フィルム用粘着剤組成物および画像表示装置

Info

Publication number
JP2003329832A
JP2003329832A JP2002136855A JP2002136855A JP2003329832A JP 2003329832 A JP2003329832 A JP 2003329832A JP 2002136855 A JP2002136855 A JP 2002136855A JP 2002136855 A JP2002136855 A JP 2002136855A JP 2003329832 A JP2003329832 A JP 2003329832A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical film
film
weight
sensitive adhesive
pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002136855A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Hirao
昭 平尾
Masayuki Satake
正之 佐竹
Akiko Ogasawara
晶子 小笠原
Katsuhiko Kamiya
克彦 神谷
Michio Umeda
道夫 梅田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Denko Corp filed Critical Nitto Denko Corp
Priority to JP2002136855A priority Critical patent/JP2003329832A/ja
Publication of JP2003329832A publication Critical patent/JP2003329832A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polarising Elements (AREA)
  • Adhesive Tapes (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学フィルムを液晶パネル等のガラス基板に
貼着するための粘着剤層が設けられた粘着型光学フィル
ムであって、リワーク性と耐久性の両者に優れたものを
提供すること。 【解決手段】 光学フィルムの一方の面に粘着剤層が積
層されている粘着型光学フィルムであって、粘着剤層
が、イソシアネートと反応性のある官能基を有する重量
平均分子量が70万以上のアクリル系ポリマー、ポリヒ
ドロキシルアルキルアミン系化合物、およびポリイソシ
アネート系化合物を含有する組成物の架橋物により形成
されていることを特徴とする粘着型光学フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学フィルムの一
方の面に粘着剤層が積層されている粘着型光学フィルム
に関する。また、粘着型光学フィルムに用いる光学フィ
ルム用粘着剤組成物に関する。さらには前記粘着型光学
フィルムを用いた液晶表示装置、有機EL表示装置、P
DP等の画像表示装置に関する。前記光学フィルムとし
ては、偏光フィルムまたはこれに位相差フィルム、光学
補償フィルム、輝度向上フィルム、防眩シート等が積層
されているものがあげられる。
【0002】
【従来の技術】液晶ディスプレイは、その画像形成方式
から液晶パネルの最表面を形成するガラス基板の両側に
偏光素子を配置することが必要不可欠であり、一般的に
は偏光フィルムが液晶パネルの最表面に貼着されてい
る。また液晶パネルの最表面には偏光フィルムの他に、
ディスプレイの表示品位を向上させるために様々な光学
素子が用いられるようになってきている。例えば、着色
防止としての位相差フィルム、液晶ディスプレイの視野
角を改善するための視野角拡大フィルム、さらにはディ
スプレイのコントラストを高めるための輝度向上フィル
ム等が用いられる。これらのフィルムは総称して光学フ
ィルムと呼ばれる。
【0003】前記光学フィルムを液晶パネルの最表面に
貼着する際には、通常、粘着剤が使用される。また、光
学フィルムを液晶パネルの最表面に瞬時に固定できるこ
と、光学フィルムを固着させるのに乾燥工程を必要とし
ないこと等のメリットを有することから、粘着剤は、光
学フィルムの片面に予め粘着層として設けられている。
すなわち、液晶パネルの最表面への光学フィルムの貼着
には粘着型光学フィルムが一般的に用いられる。
【0004】前記粘着型光学フィルムは液晶パネルの最
表面に貼り合わされる。その際に、貼り合わせ位置を誤
ったり、貼合せ面に異物が噛み込むような場合には、光
学フィルムを液晶パネル最表面から剥離し再利用する。
しかし、光学フィルムを剥離する際に剥離が重いと、液
晶パネルにセルギャップが生じるなどの損傷を与えた
り、液晶パネル面に糊残りが生じる場合がある。また、
通常、液晶パネルへ貼り合せた粘着型光学フィルムの粘
着層の接着性は時間経過とともに上昇する。また、パネ
ルメーカーでは各工程で温度がかかる条件があり、光学
フィルムを貼り合せた液晶パネルは必ずしも一定温度の
場所に置かれているわけではない。したがって、粘着型
光学フィルムには、液晶パネルに貼り合わせた後、各工
程を通過し、長時間経った後においても、光学フィルム
を容易に剥せ、再度貼り合わせ(リワーク)が可能であ
ることが要求される。
【0005】一方、液晶パネルの最表面に貼り合わせた
粘着型光学フィルムは、加熱、加湿条件におかれた使用
状態においても発泡や剥がれたりしない耐久性が必要で
ある。このように粘着型光学フィルムには、耐久性と、
容易に剥がせるといった性能(リワーク性)の相反する
特性を満たすことが要求されている。
【0006】従来、粘着型光学フィルムのリワーク性を
改良するための手段として粘着層の接着面積を低下させ
る方法がある。その手段としては、たとえば粘着層の形
成を粘着層と非粘着層とを交互にすじ状に塗り分けるよ
うな形で接着面積を減少させる方法がある。このように
して接着面積を低下させた場合にはリワークは良好とな
る。しかし、粘着層の接着面積の低下は、加熱、加湿時
の発泡や剥がれに係わる耐久性に関しては不利な方向に
働く。そのため、前記方法によりリワーク性を改良する
と加熱加湿時に剥がれが生じる。この発泡や剥がれは、
加熱、加湿時に光学フィルムが膨張、収縮など変形し、
その変形で生じる応力が粘着剤と液晶セルの界面に働く
ために起きるものと考えられる。
【0007】また、従来粘着型光学フィルムの粘着剤層
は、官能基含有アクリル系ポリマーにポリイソシアネー
ト系化合物やエポキシ系化合物などの硬化剤を添加して
架橋処理を行うことにより形成されていた。特にイソシ
アネート系の架橋剤を用いることで被着体への投錨性を
向上させることができるが、耐久性とリワーク性を両立
するのに十分な凝集力を発生させるためには1週間程度
のエージング期間が必要であり、粘着型光学フィルムの
製品化にかなりの時間を要していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、光学フィル
ムを液晶パネル等のガラス基板に貼着するための粘着剤
層が設けられた粘着型光学フィルムであって、リワーク
性と耐久性の両者に優れたものを提供することを目的と
する。また当該粘着型光学フィルムに用いる光学フィル
ム用粘着剤組成物を提供すること、さらには当該粘着型
光学フィルムを用いた画像表示装置を提供することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく、鋭意研究したところ、下記粘着型光学フ
ィルムにより上記目的を達成できることを見出し、本発
明を完成するに至った。
【0010】すなわち本発明は、光学フィルムの一方の
面に粘着剤層が積層されている粘着型光学フィルムであ
って、粘着剤層が、イソシアネートと反応性のある官能
基を有する重量平均分子量が70万以上のアクリル系ポ
リマー、ポリヒドロキシルアルキルアミン系化合物、お
よびポリイソシアネート系化合物を含有する組成物の架
橋物により形成されていることを特徴とする粘着型光学
フィルム、に関する。上記本発明の粘着型光学フィルム
は、粘着剤層が、特定のアクリル系ポリマー、硬化助
剤、および硬化剤を含有する組成物の架橋物から形成さ
れており、硬化助剤としてポリヒドロキシルアルキルア
ミン系化合物を用いることにより、ポリヒドロキシルア
ルキルアミン系化合物の水酸基とポリイソシアネート系
化合物のイソシアネートが速やかに反応するため、粘着
物性、特に生産性に影響を及ぼす凝集力が向上し、必要
なエージング時間を大幅に短縮することができる。ま
た、該3成分を組み合わせることにより、被着体への固
定時には被着体から剥離しない程度の粘着力を有し、し
かも経日により粘着力の上昇がほとんど生じず、被着体
からの再剥離時には被着体を汚染することなく容易に剥
離することができる。本発明の粘着型光学フィルムにお
いて、前記粘着剤層を形成する組成物が、さらにガラス
転移温度−5℃以下で、且つ、重量平均分子量800〜
5万のアクリル系オリゴマーを含有することが好まし
い。該アクリル系オリゴマーを含有させることにより、
さらにリワーク性を向上させることができる。また、該
アクリル系オリゴマーをアクリル系ポリマー100重量
部に対して10〜100重量部用いることが好ましい。
【0011】本発明の粘着型光学フィルムおいては、前
記粘着剤層のゲル分率が50〜90重量%であることが
好ましい。
【0012】本発明は、イソシアネートと反応性のある
官能基を有する重量平均分子量が70万以上のアクリル
系ポリマー、ポリヒドロキシルアルキルアミン系化合
物、およびポリイソシアネート系化合物を含有する光学
フィルム用粘着剤組成物、に関する。また、前記3成分
とガラス転移温度−5℃以下で、且つ、重量平均分子量
800〜5万のアクリル系オリゴマーを含有する光学フ
ィルム用粘着剤組成物、に関する。
【0013】さらに本発明は、前記粘着型光学フィルム
を用いた画像表示装置、に関する。本発明の粘着型光学
フィルムは、液晶表示装置等の各種の画像表示装置の使
用態様に応じて、液晶パネル等のガラス基板に貼り合わ
せて用いられる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の粘着型光学フィルムの粘
着剤層は、イソシアネートと反応性のある官能基を有す
る重量平均分子量が70万以上のアクリル系ポリマー、
ポリヒドロキシルアルキルアミン系化合物、およびポリ
イソシアネート系化合物を含有する組成物の架橋物によ
り形成される。
【0015】アクリル系ポリマーは、アルキル(メタ)
アクリレートのモノマーユニットを主骨格とする。な
お、(メタ)アクリレートはアクリレートおよび/また
はメタクリレートをいい、本発明の(メタ)とは同様の
意味である。アクリル系ポリマーの主骨格を構成する、
アルキル(メタ)アクリレートのアルキル基の平均炭素
数は1〜12程度のものであり、アルキル(メタ)アク
リレートの具体例としては、メチル(メタ)アクリレー
ト、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アク
リレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、
イソオクチル(メタ)アクリレート等を例示でき、これ
らは単独または組合せて使用できる。これらのなかでも
アルキル基の炭素数1〜12のアルキル(メタ)アクリ
レートが好ましい。
【0016】前記アクリル系ポリマーは、イソシアネー
トと反応性のある官能基を有するモノマーを共重合する
ことにより得られる。該官能基を有するモノマーとして
は、カルボキシル基、水酸基等を含有するモノマーがあ
げられる。カルボキシル基を有するモノマーとしてはア
クリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタ
コン酸等があげられる。水酸基を有するモノマーとして
は、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒド
ロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシヘキシ
ル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アク
リルアミド等があげられる。
【0017】また前記アクリル系ポリマーには、N元素
を有するモノマーユニット等を導入することができる。
N元素含有モノマーとしては、(メタ)アクリルアミ
ド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N
−ジエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロ
イルモルホリン、(メタ)アセトニトリル、ビニルピロ
リドン、N−シクロヘキシルマレイミド、イタコンイミ
ド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルア
ミド等があげられる。その他、アクリル系ポリマーに
は、粘着剤の性能を損なわない範囲で、さらには酢酸ビ
ニル、スチレン等を用いることもできる。これらモノマ
ーは1種または2種以上を組み合わせることができる。
【0018】アクリル系ポリマー中の前記共重合モノマ
ーのモノマーユニットの割合は、特に制限されないが、
アルキル(メタ)アクリレート100重量部に対して、
共重合モノマーを、0.1〜12重量部程度、さらには
0.5〜5重量部とするのが好ましい。
【0019】アクリル系ポリマーの重量平均分子量は、
70万以上であり、特に70〜200万であることが好
ましく、さらに好ましくは100〜180万である。
【0020】前記アクリル系ポリマーの製造は、各種公
知の方法により製造でき、たとえば、バルク重合法、溶
液重合法、懸濁重合法等のラジカル重合法を適宜選択で
きる。ラジカル重合開始剤としては、アゾ系、過酸化物
系の各種公知のものを使用でき、反応温度は通常50〜
85℃程度、反応時間は1〜8時間程度とされる。ま
た、前記製造法のなかでも溶液重合法が好ましく、アク
リル系ポリマーの溶媒としては一般に酢酸エチル、トル
エン等の極性溶剤が用いられる。溶液濃度は通常20〜
80重量%程度とされる。アクリル系ポリマーのTgは
−50〜−25℃であるのが好ましい。
【0021】前記ポリヒドロキシルアルキルアミン系化
合物は、分子内にヒドロキシル基(アルコール性ヒドロ
キシル基)を少なくとも2個有しているアミン系化合物
であれば特に制限されない。また、該アミン系化合物の
分子内に含まれる窒素原子の数も特に制限されない。該
アミン系化合物は単独で、または2種以上組み合わせて
使用することができる。例えば、分子内に窒素原子を1
個有するアミン系化合物としては、ジエタノールアミ
ン、ジプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミ
ン、N−メチルジエタノールアミン、N−メチルジイソ
プロパノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、
N−エチルジイソプロパノールアミン、N−ブチルジエ
タノールアミン、N−ブチルジイソプロパノールアミン
等のジアルコールアミン類;トリエタノールアミン、ト
リプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等
のトリアルコールアミン類等が挙げられる。
【0022】また、分子内に窒素原子を2個有するアミ
ン系化合物としては、下記式(1)で示されるようなア
ミン系化合物が挙げられる。
【0023】
【化1】 (式(1)中、R1 、R2 、R3 、R4 は、同一又は異
なって、それぞれ水素原子または[−(R5 O)m (R
6 O)n −H]を示す。ここで、R5 、R6 は、異なっ
て、それぞれアルキレン基を示す。m、nは0以上の整
数であり、同時に0にならない。また、R1 、R2 、R
3 、R4 のうち少なくとも2つは[−(R 5 O)m (R
6 O)n −H]である。さらに、Xは2価の炭化水素基
を示し、pは1以上の整数である。) 式(1)において、R5 、R6 のアルキレン基として
は、例えば、エチレン、プロピレン、トリメチレン、テ
トラメチレン.エチルエチレン、ペンタメチレン、ヘキ
サメチレン基等の炭素数2〜6程度のアルキレン基(好
ましくは炭素数2〜4のアルキレン基、さらに好ましく
は炭素数2又は3のアルキレン基)が挙げられる。該ア
ルキレン基は、直鎖状および分岐鎖状のいずれの形態を
有していてもよい。R5 、R6 のアルキレン基として
は、エチレン基、プロピレン基を好適に用いることがで
きる。
【0024】また、m、nは0以上の整数であれば特に
制限されないが、例えば、m、nのうち少なくとも一方
が0〜20、好ましくは1〜10程度の範囲から選択す
ることができる。m、nとしては、何れか一方が0であ
り、他方が1以上の整数(特に1)である場合が多い。
なお、mとnとは同時に0にならないが、mとnとが同
時に0となる場合は、係るR1 〜R4 は水素原子を示す
ことになる。
【0025】Xは2価の炭化水素基を示している。2価
の炭化水素基としては、例えば、アルキレン基、シクロ
アルキレン基、アリーレン基などが挙げられる。該Xの
アルキレン基としては、直鎖状又は分岐鎖状であっても
よい。また、飽和、不飽和のいずれであってもよい。X
のアルキレン基としては、例えば、メチレン、エチレ
ン、プロピレン、トリメチレン、テトラメチレン基等の
炭素数1〜6程度のアルキレン基(好ましくは炭素数1
〜4のアルキレン基、さらに好ましくは炭素数2又は3
のアルキレン基)などが挙げられる。また、シクロアル
キレン基としては、例えば、1,2−シクロヘキシレン
基、1,3−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキ
シレン基等の5〜12員環程度のシクロアルキレン基な
どが挙げられる。アリーレン基としては、例えば、1,
2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,4−フ
ェニレン基などを用いることができる。
【0026】pは1以上の整数であれば特に制限されな
いが,例えば、1〜10の整数程度の範囲から選択する
ことができ、好ましくは1〜6の整数、さらに好ましく
は1〜4の整数である。
【0027】より具体的には、前記式(1)で表される
アミン系化合物としては、例えば、N,N,N´,N´
−テトラキス(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミ
ン、N,N,N´,N´−テトラキス(2−ヒドロキシ
プロピル)エチレンジアミン、N,N,N´,N´−テ
トラキス(2−ヒドロキシエチル)トリメチレンジアミ
ン、N,N,N´,N´−テトラキス(2−ヒドロキシ
プロピル)トリメチレンジアミンの他、エチレンジアミ
ンのポリオキシエチレン縮合物、エチレンジアミンのポ
リオキシプロピレン縮合物、エチレンジアミンのポリオ
キシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物などのアル
キレンジアミンのポリオキシアルキレン縮合物などを例
示することができる。このようなアミン系化合物として
は、例えば、商品名「EDP−300」、商品名「ED
P−450」、商品名「EDP−1100」、商品名
「プルロニック」(以上、旭電化株式会社製)などの市
販品を利用することができる。
【0028】なお、本発明では、前記アミン系化合物と
ともに、ヒドロキシル基以外の他の反応性官能基を複数
有するアミン系化合物を併用することも可能である。
【0029】前記ポリイソシアネート系化合物として
は、分子内にイソシアネート基を少なくとも2個有する
化合物であれば特に制限されない。ポリイソシアネート
系化合物としては、例えば、脂肪族ポリイソシアネー
ト、脂環族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネ
ート、芳香脂肪族ポリイソシアネートなどが含まれる。
ポリイソシアネート系化合物は単独で又は2種以上組み
合わせて使用することができる。
【0030】前記脂肪族ポリイソシアネートとしては、
例えば、1,6−へキサメチレンジイソシアネート、
1,4−テトラメチレンジイソシアネート、2−メチル
−1,5 −ペンタンジイソシアネート、3−メチル−
1,5 −ペンタンジイソシアネート、リジンジイソシア
ネート等の脂肪族ジイソシアネートなどが挙げられる。
【0031】また、脂環族ポリイソシアネートとして
は、例えば、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキ
シルジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネ
−ト、水素添加キシレンジイソシアネート、水素添加ジ
フェニルメタンジイソシアネート、水素添加テトラメチ
ルキシレンジイソシアネートなどが挙げられる。
【0032】芳香族ポリイソシアネートとしては、例え
ば、2,4 −トリレンジイソシアネート、2,6 −トリ
レンジイソシアネ−ト、4,4 ′−ジフェニルメタンジ
イソシアネート、2,4 ′−ジフェニルメタンジイソシ
アネート、4,4 ′−ジフェニルエーテルジイソシアネ
ート、2−ニトロジフェニル−4,4 ′−ジイソシアネ
−ト、2,2 ′−ジフェニルプロパン−4,4 ′−ジイ
ソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニルメタン−
4,4 ′−ジイソシネート、4,4 ′−ジフェニルプロ
パンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネー
ト、p−フェニレンジイソシアネート、ナフチレン−
1,4 −ジイソシアネート、ナフチレン−1,5 −ジイ
ソシアネート、3,3 ′−ジメトキシジフェニル−4,
4′−ジイソシアネートなどが挙げられる。
【0033】芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、
例えば、キシリレン−1,4 −ジイソシアネート、キシ
リレン−1,3 −ジイソシアネート等の芳香脂肪族ジイ
ソシアネートなどが挙げられる。
【0034】また、ポリイソシアネート系化合物として
は、前記例示の脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリ
イソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、芳香脂肪
族ポリイソシアネートによる二重体や三量体、反応生成
物又は重合物(例えば、ジフェニルメタンジイソシアネ
ートの二重体や三量体、トリメチロールプロパンとトリ
レンジイソシアネートとの反応生成物、トリメチロール
プロパンとへキサメチレンジイソシアネートとの反応生
成物、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、ポリ
エーテルポリイソシアネート、ポリエステルポリイソシ
アネートなど)なども用いることができる。
【0035】なお、本発明では、前記ポリイソシアネー
ト系化合物とともに、ポリイソシアネート系化合物以外
の架橋剤(例えば、多官能性メラミン化合物や多官能性
エポキシ化合物など)を併用することができる。
【0036】アクリル系ポリマーに対するポリヒドロキ
シルアルキルアミン系化合物およびポリイソシアネート
系化合物の配合割合は特に制限されないが、通常、アク
リル系ポリマー100重量部に対して、ポリヒドロキシ
ルアルキルアミン系化合物を0.01〜0.08重量部
程度、さらには0.02〜0.05重量部程度が好まし
く、また、ポリイソシアネート系化合物は0.05〜
0.6重量部程度、さらには0.1〜0.4重量部程度
用いることが好ましい。
【0037】本発明においては、前記粘着剤層の組成物
が、さらにガラス転移温度−5℃以下で、且つ、重量平
均分子量800〜5万のアクリル系オリゴマーを含有す
ることが好ましい。
【0038】前記アクリル系オリゴマーは、特に好まし
くはガラス転移温度−70〜−15℃で、重量平均分子
量1000〜10000であることが望ましい。
【0039】前記アクリル系オリゴマーは、前記アクリ
ル系ポリマーと同様のアルキル(メタ)アクリレートの
モノマーユニットを主骨格とするものを用いることがで
き、同様の共重合モノマーを共重合したものを用いるこ
ともできる。なお、該重合反応においては、ラウリルメ
ルカプタン、チオリンゴ酸等の連鎖移動剤を用いること
が好ましい。連鎖移動剤の使用量は特に制限されないが
重合成分100重量部に対して1〜10重量部程度用い
ることが好ましく、特に2〜8重量部程度用いることが
好ましい。連鎖移動剤を使用しない場合には高分子量化
し、目的のオリゴマーが得られない傾向にある。また、
重合温度、重合開始剤の添加量を適宜選択して分子量を
調整することもできる。
【0040】また、アクリル系オリゴマーの使用量は特
に制限されないが、前記アクリル系ポリマー100重量
部に対して100重量部以下であることが好ましく、特
に10〜100重量部であることが好ましい。
【0041】本発明においては、前記粘着剤層のゲル分
率が50〜90重量%であることが好ましい。なお、ゲ
ル分率の経日変化が8重量%程度以内であることが望ま
しい。ゲル分率の経日変化が8重量%程度以内であれ
ば、粘着特性や耐久性の変化も抑制される。
【0042】このように、本発明の粘着剤層は、アクリ
ル系ポリマーがポリヒドロキシルアルキルアミン系化合
物とポリイソシアネート系化合物により、ゲル分率が5
0〜90重量%となるように架橋処理されたものである
ため、該粘着剤組成物からなる粘着剤層が形成されてい
る光学フィルムを液晶パネル等のガラス基板に貼り合わ
せた場合、効果的に接着して剥離することがなく、経日
による粘着力の上昇が抑制又は防止され、ガラス基板か
ら剥離させる際には容易に剥離させることが可能とな
る。しかも剥離させてもガラス基板に糊残り等が生じ
ず、ガラス基板を汚染させることもない。なお、粘着剤
層のゲル分率としては、特に70〜80重量%であるこ
とが好ましい。ゲル分率が50重量%未満であると、光
学フィルム周辺に細かな剥がれが生じ、接着力が上昇し
やすく、また剥離時に糊残りが発生しやすい。一方、ゲ
ル分率が90重量%より大きいと浮き剥がれが生じやす
い。
【0043】なお、ここでいうゲル分率とは、乾燥重量
1 (g)の粘着剤(硬化後のポリマー)を酢酸エチル
中に室温(例えば20℃)で7日間浸潰した後、取り出
して乾燥したときの重量をW2 (g)としたとき、下記
式により算出される値を意味する。
【0044】 ゲル分率(重量%)=(W2 /W1 )×100 より具体的には、ゲル分率は以下の方法で求められる。
すなわち、剥離処理したフィルム上に粘着剤組成物の溶
液を塗布し、100℃で3分間乾燥し、得られた粘着剤
を一定量(約500mg)W1 (g)採取する。次に、
この粘着剤を酢酸エチル中で7日間室温で放置した後、
ゲルを取り出し、130℃で2時間乾燥して、ゲル分の
重量W2 (g)を測定する。このW1 とW2 とを上記の
式に代入することによりゲル分率が求められる。
【0045】粘着剤層のゲル分率は、例えば、粘着剤層
のベースポリマーを構成するモノマーの種類や比率、重
合開始剤の種類や量、反応温度、架橋剤及び架橋助剤の
種類や量などの重合条件等を適宜選択することにより調
整できる。
【0046】前記粘着剤組成物には、必要に応じて、粘
着付与剤、可塑剤、ガラス繊維、ガラスビーズ、金属
粉、その他の無機粉末等からなる充填剤、顔料、着色
剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等を、また本発明の目的
を逸脱しない範囲で各種の添加剤を適宜に使用すること
もできる。特に、リワーク性および加湿時の耐久性を向
上させるために下記式(2)に示すようなシランカップ
リング剤を添加することが好ましい。
【0047】
【化2】 また微粒子を含有して光拡散性を示す粘着剤層などであ
ってもよい。
【0048】本発明の粘着型光学フィルムは、図1に示
すように、光学フィルム1の片面には、液晶パネル等に
貼着するための粘着剤層2が設けられている。また、粘
着剤層2には離型シート3を設けることができる。
【0049】光学フィルム1としては液晶表示装置等の
形成に用いられるものが使用され、その種類は特に制限
されない。たとえば、光学フィルムとしては偏光フィル
ム(偏光板)があげられる。偏光フィルムは偏光子の片
面または両面には透明保護フィルムを有するものが一般
に用いられる。
【0050】偏光子は、特に制限されず、各種のものを
使用できる。偏光子としては、たとえば、ポリビニルア
ルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアル
コール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部
分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素
や二色性染料等の二色性物質を吸着させて一軸延伸した
もの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビ
ニルの脱塩酸処理物等ポリエン系配向フィルム等があげ
られる。これらのなかでもポリビニルアルコール系フィ
ルムとヨウ素などの二色性物質からなる偏光子が好適で
ある。これら偏光子の厚さは特に制限されないが、一般
的に、5〜80μm程度である。
【0051】ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素
で染色し一軸延伸した偏光子は、たとえば、ポリビニル
アルコールをヨウ素の水溶液に浸漬することによって染
色し、元長の3〜7倍に延伸することで作製することが
できる。必要に応じてホウ酸や硫酸亜鉛、塩化亜鉛等を
含んでいてもよいヨウ化カリウムなどの水溶液に浸漬す
ることもできる。さらに必要に応じて染色の前にポリビ
ニルアルコール系フィルムを水に浸漬して水洗してもよ
い。ポリビニルアルコール系フィルムを水洗することで
ポリビニルアルコール系フィルム表面の汚れやブロッキ
ング防止剤を洗浄することができるほかに、ポリビニル
アルコール系フィルムを膨潤させることで染色のムラな
どの不均一を防止する効果もある。延伸はヨウ素で染色
した後に行っても良いし、染色しながら延伸してもよい
し、また延伸してからヨウ素で染色してもよい。ホウ酸
やヨウ化カリウムなどの水溶液中や水浴中でも延伸する
ことができる。
【0052】前記偏光子の片面または両面に設けられる
透明保護フィルムを形成する材料としては、透明性、機
械的強度、熱安定性、水分遮蔽性、等方性などに優れる
ものが好ましい。例えば、ポリエチレンテレフタレート
やポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマ
ー、ジアセチルセルロースやトリアセチルセルロース等
のセルロース系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等
のアクリル系ポリマー、ポリスチレンやアクリロニトリ
ル・スチレン共重合体(AS樹脂)等のスチレン系ポリ
マー、ポリカーボネート系ポリマーなどがあげられる。
また、ポリエチレン、ポリプロピレン、シクロ系ないし
はノルボルネン構造を有するポリオレフィン、エチレン
・プロピレン共重合体の如きポリオレフィン系ポリマ
ー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンや芳香族ポリアミ
ド等のアミド系ポリマー、イミド系ポリマー、スルホン
系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエ
ーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスル
フィド系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、塩化
ビニリデン系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、
アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマ
ー、エポキシ系ポリマー、または前記ポリマーのブレン
ド物なども前記透明保護フィルムを形成するポリマーの
例としてあげられる。透明保護フィルムは、アクリル
系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シ
リコーン系等の熱硬化型、紫外線硬化型の樹脂の硬化層
として形成することもできる。これらのなかでもセルロ
ース系ポリマーが好ましい。透明保護フィルムの厚さは
特に制限されないが、一般には500μm以下であり、
1〜300μmが好ましい。特に5〜200μmとする
のが好ましい。
【0053】前記透明保護フィルムの偏光子を接着させ
ない面(前記塗布層を設けない面)には、ハードコート
層や反射防止処理、スティッキング防止や、拡散ないし
アンチグレアを目的とした処理を施したものであっても
よい。
【0054】ハードコート処理は偏光板表面の傷付き防
止などを目的に施されるものであり、例えばアクリル
系、シリコーン系などの適宜な紫外線硬化型樹脂による
硬度や滑り特性等に優れる硬化皮膜を透明保護フィルム
の表面に付加する方式などにて形成することができる。
反射防止処理は偏光板表面での外光の反射防止を目的に
施されるものであり、従来に準じた反射防止膜などの形
成により達成することができる。また、スティッキング
防止処理は隣接層との密着防止を目的に施される。
【0055】またアンチグレア処理は偏光板の表面で外
光が反射して偏光板透過光の視認を阻害することの防止
等を目的に施されるものであり、例えばサンドブラスト
方式やエンボス加工方式による粗面化方式や透明微粒子
の配合方式などの適宜な方式にて透明保護フィルムの表
面に微細凹凸構造を付与することにより形成することが
できる。前記表面微細凹凸構造の形成に含有させる微粒
子としては、例えば平均粒径が0.5〜50μmのシリ
カ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化錫、酸化イ
ンジウム、酸化カドミウム、酸化アンチモン等からなる
導電性のこともある無機系微粒子、架橋又は未架橋のポ
リマー等からなる有機系微粒子などの透明微粒子が用い
られる。表面微細凹凸構造を形成する場合、微粒子の使
用量は、表面微細凹凸構造を形成する透明樹脂100重
量部に対して一般的に2〜50重量部程度であり、5〜
25重量部が好ましい。アンチグレア層は、偏光板透過
光を拡散して視角などを拡大するための拡散層(視角拡
大機能など)を兼ねるものであってもよい。
【0056】なお、前記反射防止層、スティッキング防
止層、拡散層やアンチグレア層等は、透明保護フィルム
そのものに設けることができるほか、別途光学層として
透明保護フィルムとは別体のものとして設けることもで
きる。
【0057】前記偏光子と透明保護フィルムとの接着処
理には、イソシアネート系接着剤、ポリビニルアルコー
ル系接着剤、ゼラチン系接着剤、ビニル系ラテックス
系、水系ポリエステル等が用いられる。
【0058】本発明の光学フィルムは、前記偏光板に、
実用に際して他の光学層を積層して用いることができ
る。その光学層については特に限定はないが、例えば反
射板や半透過板、位相差板(1/2 や1/4等の波長板
を含む)、視角補償フィルムなどの液晶表示装置等の形
成に用いられることのある光学層を1層または2層以上
用いることができる。特に、偏光板に更に反射板または
半透過反射板が積層されてなる反射型偏光板または半透
過型偏光板、偏光板に更に位相差板が積層されてなる楕
円偏光板または円偏光板、偏光板に更に視角補償フィル
ムが積層されてなる広視野角偏光板、あるいは偏光板に
更に輝度向上フィルムが積層されてなる偏光板が好まし
い。
【0059】反射型偏光板は、偏光板に反射層を設けた
もので、視認側(表示側)からの入射光を反射させて表
示するタイプの液晶表示装置などを形成するためのもの
であり、バックライト等の光源の内蔵を省略できて液晶
表示装置の薄型化を図りやすいなどの利点を有する。反
射型偏光板の形成は、必要に応じ透明保護層等を介して
偏光板の片面に金属等からなる反射層を付設する方式な
どの適宜な方式にて行うことができる。
【0060】反射型偏光板の具体例としては、必要に応
じマット処理した透明保護フィルムの片面に、アルミニ
ウム等の反射性金属からなる箔や蒸着膜を付設して反射
層を形成したものなどがあげられる。また前記透明保護
フィルムに微粒子を含有させて表面微細凹凸構造とし、
その上に微細凹凸構造の反射層を有するものなどもあげ
られる。前記した微細凹凸構造の反射層は、入射光を乱
反射により拡散させて指向性やギラギラした見栄えを防
止し、明暗のムラを抑制しうる利点などを有する。また
微粒子含有の透明保護フィルムは、入射光及びその反射
光がそれを透過する際に拡散されて明暗ムラをより抑制
しうる利点なども有している。透明保護フィルムの表面
微細凹凸構造を反映させた微細凹凸構造の反射層の形成
は、例えば真空蒸着方式、イオンプレーティング方式、
スパッタリング方式等の蒸着方式やメッキ方式などの適
宜な方式で金属を透明保護層の表面に直接付設する方法
などにより行うことができる。
【0061】反射板は前記の偏光板の透明保護フィルム
に直接付与する方式に代えて、その透明フィルムに準じ
た適宜なフィルムに反射層を設けてなる反射シートなど
として用いることもできる。なお反射層は、通常、金属
からなるので、その反射面が透明保護フィルムや偏光板
等で被覆された状態の使用形態が、酸化による反射率の
低下防止、ひいては初期反射率の長期持続の点や、保護
層の別途付設の回避の点などより好ましい。
【0062】なお、半透過型偏光板は、上記において反
射層で光を反射し、かつ透過するハーフミラー等の半透
過型の反射層とすることにより得ることができる。半透
過型偏光板は、通常液晶セルの裏側に設けられ、液晶表
示装置などを比較的明るい雰囲気で使用する場合には、
視認側(表示側)からの入射光を反射させて画像を表示
し、比較的暗い雰囲気においては、半透過型偏光板のバ
ックサイドに内蔵されているバックライト等の内蔵光源
を使用して画像を表示するタイプの液晶表示装置などを
形成できる。すなわち、半透過型偏光板は、明るい雰囲
気下では、バックライト等の光源使用のエネルギーを節
約でき、比較的暗い雰囲気下においても内蔵光源を用い
て使用できるタイプの液晶表示装置などの形成に有用で
ある。
【0063】偏光板に更に位相差板が積層されてなる楕
円偏光板または円偏光板について説明する。直線偏光を
楕円偏光または円偏光に変えたり、楕円偏光または円偏
光を直線偏光に変えたり、あるいは直線偏光の偏光方向
を変える場合に、位相差板などが用いられる。特に、直
線偏光を円偏光に変えたり、円偏光を直線偏光に変える
位相差板としては、いわゆる1 /4 波長板(λ/4 板と
も言う)が用いられる。1 /2 波長板(λ/2 板とも言
う)は、通常、直線偏光の偏光方向を変える場合に用い
られる。
【0064】楕円偏光板はスーパーツイストネマチック
(STN)型液晶表示装置の液晶層の複屈折により生じ
た着色(青又は黄)を補償(防止)して、前記着色のな
い白黒表示する場合などに有効に用いられる。更に、三
次元の屈折率を制御したものは、液晶表示装置の画面を
斜め方向から見た際に生じる着色も補償(防止)するこ
とができて好ましい。円偏光板は、例えば画像がカラー
表示になる反射型液晶表示装置の画像の色調を整える場
合などに有効に用いられ、また、反射防止の機能も有す
る。
【0065】位相差板としては、高分子素材を一軸また
は二軸延伸処理してなる複屈折性フィルム、液晶ポリマ
ーの配向フィルム、液晶ポリマーの配向層をフィルムに
て支持したものなどがあげられる。位相差板の厚さも特
に制限されないが、20〜150μm程度が一般的であ
る。
【0066】高分子素材としては、たとえば、ポリビニ
ルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリメチルビニ
ルエーテル、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ヒド
ロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、メチルセルロース、ポリカーボネート、ポリアリレ
ート、ポリスルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリ
フェニレンスルファイド、ポリフェニレンオキサイド、
ポリアリルスルホン、ポリビニルアルコール、ポリアミ
ド、ポリイミド、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、セ
ルロース系重合体、またはこれらの二元系、三元系各種
共重合体、グラフト共重合体、ブレンド物などがあげら
れる。これら高分子素材は延伸等により配向物(延伸フ
ィルム)となる。
【0067】液晶性ポリマーとしては、たとえば、液晶
配向性を付与する共役性の直線状原子団(メソゲン)が
ポリマーの主鎖や側鎖に導入された主鎖型や側鎖型の各
種のものなどがあげられる。主鎖型の液晶性ポリマーの
具体例としては、屈曲性を付与するスペーサ部でメソゲ
ン基を結合した構造の、例えばネマチック配向性のポリ
エステル系液晶性ポリマー、ディスコティックポリマー
やコレステリックポリマーなどがあげられる。側鎖型の
液晶性ポリマーの具体例としては、ポリシロキサン、ポ
リアクリレート、ポリメタクリレート又はポリマロネー
トを主鎖骨格とし、側鎖として共役性の原子団からなる
スペーサ部を介してネマチック配向付与性のパラ置換環
状化合物単位からなるメソゲン部を有するものなどがあ
げられる。これら液晶性ポリマーは、たとえば、ガラス
板上に形成したポリイミドやポリビニルアルコール等の
薄膜の表面をラビング処理したもの、酸化珪素を斜方蒸
着したものなどの配向処理面上に液晶性ポリマーの溶液
を展開して熱処理することにより行われる。
【0068】位相差板は、例えば各種波長板や液晶層の
複屈折による着色や視角等の補償を目的としたものなど
の使用目的に応じた適宜な位相差を有するものであって
よく、2種以上の位相差板を積層して位相差等の光学特
性を制御したものなどであってもよい。
【0069】また上記の楕円偏光板や反射型楕円偏光板
は、偏光板又は反射型偏光板と位相差板を適宜な組合せ
で積層したものである。かかる楕円偏光板等は、(反射
型)偏光板と位相差板の組合せとなるようにそれらを液
晶表示装置の製造過程で順次別個に積層することによっ
ても形成しうるが、前記の如く予め楕円偏光板等の光学
フィルムとしたものは、品質の安定性や積層作業性等に
優れて液晶表示装置などの製造効率を向上させうる利点
がある。
【0070】視角補償フィルムは、液晶表示装置の画面
を、画面に垂直でなくやや斜めの方向から見た場合で
も、画像が比較的鮮明にみえるように視野角を広げるた
めのフィルムである。このような視角補償位相差板とし
ては、例えば位相差フィルム、液晶ポリマー等の配向フ
ィルムや透明基材上に液晶ポリマー等の配向層を支持し
たものなどからなる。通常の位相差板は、その面方向に
一軸に延伸された複屈折を有するポリマーフィルムが用
いられるのに対し、視角補償フィルムとして用いられる
位相差板には、面方向に二軸に延伸された複屈折を有す
るポリマーフィルムとか、面方向に一軸に延伸され厚さ
方向にも延伸された厚さ方向の屈折率を制御した複屈折
を有するポリマーや傾斜配向フィルムのような二方向延
伸フィルムなどが用いられる。傾斜配向フィルムとして
は、例えばポリマーフィルムに熱収縮フィルムを接着し
て加熱によるその収縮力の作用下にポリマーフィルムを
延伸処理又は/及び収縮処理したものや、液晶ポリマー
を斜め配向させたものなどが挙げられる。位相差板の素
材原料ポリマーは、先の位相差板で説明したポリマーと
同様のものが用いられ、液晶セルによる位相差に基づく
視認角の変化による着色等の防止や良視認の視野角の拡
大などを目的とした適宜なものを用いうる。
【0071】また良視認の広い視野角を達成する点など
より、液晶ポリマーの配向層、特にディスコティック液
晶ポリマーの傾斜配向層からなる光学的異方性層をトリ
アセチルセルロースフィルムにて支持した光学補償位相
差板が好ましく用いうる。
【0072】偏光板と輝度向上フィルムを貼り合わせた
偏光板は、通常液晶セルの裏側サイドに設けられて使用
される。輝度向上フィルムは、液晶表示装置などのバッ
クライトや裏側からの反射などにより自然光が入射する
と所定偏光軸の直線偏光または所定方向の円偏光を反射
し、他の光は透過する特性を示すもので、輝度向上フィ
ルムを偏光板と積層した偏光板は、バックライト等の光
源からの光を入射させて所定偏光状態の透過光を得ると
共に、前記所定偏光状態以外の光は透過せずに反射され
る。この輝度向上フィルム面で反射した光を更にその後
ろ側に設けられた反射層等を介し反転させて輝度向上フ
ィルムに再入射させ、その一部又は全部を所定偏光状態
の光として透過させて輝度向上フィルムを透過する光の
増量を図ると共に、偏光子に吸収させにくい偏光を供給
して液晶表示画像表示等に利用しうる光量の増大を図る
ことにより輝度を向上させうるものである。すなわち、
輝度向上フィルムを使用せずに、バックライトなどで液
晶セルの裏側から偏光子を通して光を入射した場合に
は、偏光子の偏光軸に一致していない偏光方向を有する
光は、ほとんど偏光子に吸収されてしまい、偏光子を透
過してこない。すなわち、用いた偏光子の特性によって
も異なるが、およそ50%の光が偏光子に吸収されてし
まい、その分、液晶画像表示等に利用しうる光量が減少
し、画像が暗くなる。輝度向上フィルムは、偏光子に吸
収されるような偏光方向を有する光を偏光子に入射させ
ずに輝度向上フィルムで一旦反射させ、更にその後ろ側
に設けられた反射層等を介して反転させて輝度向上フィ
ルムに再入射させることを繰り返し、この両者間で反
射、反転している光の偏光方向が偏光子を通過し得るよ
うな偏光方向になった偏光のみを、輝度向上フィルムは
透過させて偏光子に供給するので、バックライトなどの
光を効率的に液晶表示装置の画像の表示に使用でき、画
面を明るくすることができる。
【0073】輝度向上フィルムと上記反射層等の間に拡
散板を設けることもできる。輝度向上フィルムによって
反射した偏光状態の光は上記反射層等に向かうが、設置
された拡散板は通過する光を均一に拡散すると同時に偏
光状態を解消し、非偏光状態となる。すなわち、拡散板
は偏光を元の自然光状態にもどす。この非偏光状態、す
なわち自然光状態の光が反射層等に向かい、反射層等を
介して反射し、再び拡散板を通過して輝度向上フィルム
に再入射することを繰り返す。このように輝度向上フィ
ルムと上記反射層等の間に、偏光を元の自然光状態にも
どす拡散板を設けることにより表示画面の明るさを維持
しつつ、同時に表示画面の明るさのむらを少なくし、均
一で明るい画面を提供することができる。かかる拡散板
を設けることにより、初回の入射光は反射の繰り返し回
数が程よく増加し、拡散板の拡散機能と相俟って均一の
明るい表示画面を提供することができたものと考えられ
る。
【0074】前記の輝度向上フィルムとしては、例えば
誘電体の多層薄膜や屈折率異方性が相違する薄膜フィル
ムの多層積層体の如き、所定偏光軸の直線偏光を透過し
て他の光は反射する特性を示すもの、コレステリック液
晶ポリマーの配向フィルムやその配向液晶層をフィルム
基材上に支持したものの如き、左回り又は右回りのいず
れか一方の円偏光を反射して他の光は透過する特性を示
すものなどの適宜なものを用いうる。
【0075】従って、前記した所定偏光軸の直線偏光を
透過させるタイプの輝度向上フィルムでは、その透過光
をそのまま偏光板に偏光軸を揃えて入射させることによ
り、偏光板による吸収ロスを抑制しつつ効率よく透過さ
せることができる。一方、コレステリック液晶層の如く
円偏光を投下するタイプの輝度向上フィルムでは、その
まま偏光子に入射させることもできるが、吸収ロスを抑
制する点よりその円偏光を位相差板を介し直線偏光化し
て偏光板に入射させることが好ましい。なお、その位相
差板として1/4波長板を用いることにより、円偏光を
直線偏光に変換することができる。
【0076】可視光域等の広い波長範囲で1/4波長板
として機能する位相差板は、例えば波長550nmの淡
色光に対して1/4波長板として機能する位相差層と他
の位相差特性を示す位相差層、例えば1/2波長板とし
て機能する位相差層とを重畳する方式などにより得るこ
とができる。従って、偏光板と輝度向上フィルムの間に
配置する位相差板は、1層又は2層以上の位相差層から
なるものであってよい。
【0077】なお、コレステリック液晶層についても、
反射波長が相違するものの組み合わせにして2層又は3
層以上重畳した配置構造とすることにより、可視光領域
等の広い波長範囲で円偏光を反射するものを得ることが
でき、それに基づいて広い波長範囲の透過円偏光を得る
ことができる。
【0078】また、偏光板は、上記の偏光分離型偏光板
の如く、偏光板と2層又は3層以上の光学層とを積層し
たものからなっていてもよい。従って、上記の反射型偏
光板や半透過型偏光板と位相差板を組み合わせた反射型
楕円偏光板や半透過型楕円偏光板などであってもよい。
【0079】偏光板に前記光学層を積層した光学フィル
ムは、液晶表示装置等の製造過程で順次別個に積層する
方式にても形成することができるが、予め積層して光学
フィルムとしたのものは、品質の安定性や組立作業等に
優れていて液晶表示装置などの製造工程を向上させうる
利点がある。積層には粘着層等の適宜な接着手段を用い
うる。前記の偏光板と他の光学層の接着に際し、それら
の光学軸は目的とする位相差特性などに応じて適宜な配
置角度とすることができる。
【0080】前述した光学フィルム1への粘着剤層2の
形成方法としては、特に制限されず、粘着剤組成物(溶
液)を塗布し乾燥する方法、粘着剤層2を設けた離型シ
ート3により転写する方法等があげられる。粘着剤層2
(乾燥膜厚)は厚さ、特に限定されないが、10〜40
μm程度とするのが好ましい。
【0081】なお、離型シート3の構成材料としては、
紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレ
フタレート等の合成樹脂フィルム、ゴムシート、紙、
布、不織布、ネット、発泡シートや金属箔、それらのラ
ミネート体等の適宜な薄葉体等があげられる。離型シー
ト3の表面には、粘着剤層2からの剥離性を高めるた
め、必要に応じてシリコーン処理、長鎖アルキル処理、
フッ素処理な剥離処理が施されていても良い。
【0082】なお本発明の粘着型光学フィルムの光学フ
ィルムや粘着剤層などの各層には、例えばサリチル酸エ
ステル系化合物やべンゾフェノール系化合物、ベンゾト
リアゾール系化合物やシアノアクリレート系化合物、ニ
ッケル錯塩系化合物等の紫外線吸収剤で処理する方式な
どの方式により紫外線吸収能をもたせたものなどであっ
てもよい。
【0083】本発明の粘着型光学フィルムは液晶表示装
置等の各種装置の形成などに好ましく用いることができ
る。液晶表示装置の形成は、従来に準じて行いうる。す
なわち液晶表示装置は一般に、液晶セルと粘着型光学フ
ィルム、及び必要に応じての照明システム等の構成部品
を適宜に組立てて駆動回路を組込むことなどにより形成
されるが、本発明においては本発明による偏光板または
光学フィルムを用いる点を除いて特に限定はなく、従来
に準じうる。液晶セルについても、例えばTN型やST
N型、π型などの任意なタイプのものを用いうる。
【0084】液晶セルの片側又は両側に粘着型光学フィ
ルムを配置した液晶表示装置や、照明システムにバック
ライトあるいは反射板を用いたものなどの適宜な液晶表
示装置を形成することができる。その場合、本発明によ
る偏光板または光学フィルムは液晶セルの片側又は両側
に設置することができる。両側に偏光板または光学フィ
ルムを設ける場合、それらは同じものであってもよい
し、異なるものであってもよい。さらに、液晶表示装置
の形成に際しては、例えば拡散板、アンチグレア層、反
射防止膜、保護板、プリズムアレイ、レンズアレイシー
ト、光拡散板、バックライトなどの適宜な部品を適宜な
位置に1層又は2層以上配置することができる。
【0085】次いで有機エレクトロルミネセンス装置
(有機EL表示装置)について説明する。一般に、有機
EL表示装置は、透明基板上に透明電極と有機発光層と
金属電極とを順に積層して発光体(有機エレクトロルミ
ネセンス発光体)を形成している。ここで、有機発光層
は、種々の有機薄膜の積層体であり、例えばトリフェニ
ルアミン誘導体等からなる正孔注入層と、アントラセン
等の蛍光性の有機固体からなる発光層との積層体や、あ
るいはこのような発光層とペリレン誘導体等からなる電
子注入層の積層体や、またあるいはこれらの正孔注入
層、発光層、および電子注入層の積層体等、種々の組み
合わせをもった構成が知られている。
【0086】有機EL表示装置は、透明電極と金属電極
とに電圧を印加することによって、有機発光層に正孔と
電子とが注入され、これら正孔と電子との再結合によっ
て生じるエネルギーが蛍光物資を励起し、励起された蛍
光物質が基底状態に戻るときに光を放射する、という原
理で発光する。途中の再結合というメカニズムは、一般
のダイオードと同様であり、このことからも予想できる
ように、電流と発光強度は印加電圧に対して整流性を伴
う強い非線形性を示す。
【0087】有機EL表示装置においては、有機発光層
での発光を取り出すために、少なくとも一方の電極が透
明でなくてはならず、通常酸化インジウムスズ(IT
O)などの透明導電体で形成した透明電極を陽極として
用いている。一方、電子注入を容易にして発光効率を上
げるには、陰極に仕事関数の小さな物質を用いることが
重要で、通常Mg−Ag、Al−Liなどの金属電極を
用いている。
【0088】このような構成の有機EL表示装置におい
て、有機発光層は、厚さ10nm程度ときわめて薄い膜
で形成されている。このため、有機発光層も透明電極と
同様、光をほぼ完全に透過する。その結果、非発光時に
透明基板の表面から入射し、透明電極と有機発光層とを
透過して金属電極で反射した光が、再び透明基板の表面
側へと出るため、外部から視認したとき、有機EL表示
装置の表示面が鏡面のように見える。
【0089】電圧の印加によって発光する有機発光層の
表面側に透明電極を備えるとともに、有機発光層の裏面
側に金属電極を備えてなる有機エレクトロルミネセンス
発光体を含む有機EL表示装置において、透明電極の表
面側に偏光板を設けるとともに、これら透明電極と偏光
板との間に位相差板を設けることができる。
【0090】位相差板および偏光板は、外部から入射し
て金属電極で反射してきた光を偏光する作用を有するた
め、その偏光作用によって金属電極の鏡面を外部から視
認させないという効果がある。特に、位相差板を1 /4
波長板で構成し、かつ偏光板と位相差板との偏光方向の
なす角をπ/4 に調整すれば、金属電極の鏡面を完全に
遮蔽することができる。
【0091】すなわち、この有機EL表示装置に入射す
る外部光は、偏光板により直線偏光成分のみが透過す
る。この直線偏光は位相差板により一般に楕円偏光とな
るが、とくに位相差板が1 /4 波長板でしかも偏光板と
位相差板との偏光方向のなす角がπ/4 のときには円偏
光となる。
【0092】この円偏光は、透明基板、透明電極、有機
薄膜を透過し、金属電極で反射して、再び有機薄膜、透
明電極、透明基板を透過して、位相差板に再び直線偏光
となる。そして、この直線偏光は、偏光板の偏光方向と
直交しているので、偏光板を透過できない。その結果、
金属電極の鏡面を完全に遮蔽することができる。
【0093】
【実施例】以下に、実施例によって本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるも
のではない。また、加熱耐久性、加湿耐久性、および粘
着力の測定方法を下記に示す。
【0094】実施例1 ブチルアクリレート(100重量部)、アクリル酸(1
重量部)、ヒドロキシエチルアクリレート(0.08重
量部)、およびアゾビスイソブチロニトリル(0 .2 重
量部)を酢酸エチル溶媒中、60℃で7時間反応させ、
重量平均分子量145万、固形分30重量%のアクリル
系ポリマー溶液を得た。上記アクリル系ポリマー溶液の
固形分100重量部に対して、ポリイソシアネート系化
合物としてコロネートL(日本ポリウレタン(株)製)
0.3重量部、ポリヒドロキシルアルキルアミン系化合
物としてEDP−300(旭電化(株)製)0.04重
量部、シランカップリング剤として式(2)の化合物
0.2重量部を添加し、充分混合して粘着剤組成物を得
た。これをポリエチレンテレフタレート(PET)セパ
レータ上に乾燥後の厚みが20μmとなるように塗布、
乾燥した後、偏光フィルム(ポリビニルアルコールフィ
ルムにヨウ素を含浸、延伸した後、両側にトリアセチル
セルロースフィルムを接着剤を介して接着したもの)に
転写して粘着型偏光フィルムを作成した。
【0095】実施例2 ポリイソシアネート系化合物としてタケネートD110
N(三井武田ケミカル(株)製)0.15重量部、およ
びポリヒドロキシルアルキルアミン系化合物としてED
P−300を0.02重量部に変更した以外は実施例1
と同様にして粘着型偏光フィルムを作成した。
【0096】実施例3 実施例1と同様の方法によりアクリル系ポリマー溶液を
得た。また、ブチルアクリレート(100重量部)、ラ
ウリルメルカプタン(6重量部)、アゾビスイソブチロ
ニトリル(0 .4重量部)を酢酸エチル溶媒中、70℃
で3時間反応させ、重量平均分子量5000、ガラス転
移温度−45℃、および固形分80重量%のアクリル系
オリゴマー溶液を得た。上記アクリル系ポリマー溶液の
固形分100重量部に対して、上記アクリル系オリゴマ
ー溶液の固形分10重量部、ポリイソシアネート系化合
物としてコロネートL(日本ポリウレタン(株)製)
0.3重量部、ポリヒドロキシルアルキルアミン系化合
物としてEDP−300(旭電化(株)製)0.04重
量部、およびシランカップリング剤として式(2)の化
合物0.2重量部を添加し、充分混合して粘着剤組成物
を得た。これをPETセパレータ上に乾燥後の厚みが2
0μmとなるように塗布、乾燥した後、前記偏光フィル
ムに転写して粘着型偏光フィルムを作成した。
【0097】実施例4 ポリイソシアネート系化合物としてタケネートD110
N(三井武田ケミカル(株)製)0.15重量部、およ
びポリヒドロキシルアルキルアミン系化合物としてED
P−300を0.02重量部に変更した以外は実施例3
と同様にして粘着型偏光フィルムを作成した。
【0098】比較例1 ポリヒドロキシルアルキルアミン系化合物を添加しなか
った以外は実施例1と同様にして粘着型偏光フィルムを
作成した。
【0099】比較例2 ポリヒドロキシルアルキルアミン系化合物を添加せず、
ポリイソシアネート系化合物としてコロネートLを0.
6重量部に変更した以外は実施例1と同様にして粘着型
偏光フィルムを作成した。
【0100】比較例3 ポリヒドロキシルアルキルアミン系化合物を添加しなか
った以外は実施例2と同様にして粘着型偏光フィルムを
作成した。
【0101】比較例4 ポリヒドロキシルアルキルアミン系化合物を添加せず、
ポリイソシアネート系化合物としてタケネートD110
Nを0.25重量部に変更した以外は実施例2と同様に
して粘着型偏光フィルムを作成した。
【0102】比較例5 ポリイソシアネート系化合物を添加しなかった以外は実
施例1と同様にして粘着型偏光フィルムを作成した。
【0103】比較例6 ポリヒドロキシルアルキルアミン系化合物を添加しなか
った以外は実施例3と同様にして粘着型偏光フィルムを
作成した。
【0104】比較例7 ポリヒドロキシルアルキルアミン系化合物を添加しなか
った以外は実施例4と同様にして粘着型偏光フィルムを
作成した。
【0105】比較例8 ポリヒドロキシルアルキルアミン系化合物を添加せず、
ポリイソシアネート系化合物としてコロネートLを0.
6重量部に変更した以外は実施例3と同様にして粘着型
偏光フィルムを作成した。
【0106】比較例9 ポリヒドロキシルアルキルアミン系化合物を添加せず、
ポリイソシアネート系化合物としてタケネートD110
Nを0.25重量部に変更した以外は実施例4と同様に
して粘着型偏光フィルムを作成した。
【0107】比較例10 ポリイソシアネート系化合物を添加しなかった以外は実
施例3と同様にして粘着型偏光フィルムを作成した。
【0108】(加熱耐久性試験)粘着型偏光フィルムを
12インチサイズに切断し、無アルカリガラス板(コー
ニング社製、コーニング1737)に貼り付け、オート
クレーブ処理(50℃、0.5MPa、15min)を
行った。その後、温度90℃の雰囲気下に500時間放
置後評価を行った。なお、加熱耐久性の評価は目視によ
り、不具合の発生を以下の基準で確認した。評価結果を
表1に示す。 ○:不具合の発生なし ×:フィルムの細かな剥がれ、浮き剥がれなどの不具合
が見られる (加湿耐久性試験)粘着型偏光フィルムを12インチサ
イズに切断し、無アルカリガラス板(コーニング社製、
コーニング1737)に貼り付け、オートクレーブ処理
(50℃、0.5MPa、15min)を行う。その
後、温度60℃、および湿度90%の雰囲気下に500
時間放置後評価を行った。なお、加湿耐久性の評価は目
視により、不具合の発生を以下の基準で確認した。評価
結果を表1に示す。 ○:不具合の発生なし ×:フィルムの細かな剥がれ、浮き剥がれなどの不具合
が見られる (粘着力試験)粘着型偏光フィルムを25mm幅に切断
し、無アルカリガラス板(コーニング社製、コーニング
1737)に貼り付け、オートクレーブ処理(50℃、
0.5MPa、15min)を行う。その後、引張り試
験機(ミネベア(株)製、TCM−1KNBを用いて9
0°剥離、引張り速度300mm/min、および室温
雰囲気25℃の条件下にて測定を行った。粘着力は10
N/25mm以下の場合にリワーク性が良好である。測
定結果を表1に示す。
【0109】
【表1】 表1に示す通り、本発明の粘着型光学フィルムは耐久性
が良く、また粘着力が7N/25mm以下でリワーク性
も良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の粘着型光学フィルムの断面図である。
【符号の説明】
1 光学フィルム 2 粘着剤層 3 離型シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小笠原 晶子 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 神谷 克彦 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 梅田 道夫 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 Fターム(参考) 2H049 BA02 BA03 BA06 BA27 BB43 BB52 BB54 BC14 BC22 4J004 AA06 AA10 AA14 AA17 AB01 AB04 CA02 CA03 CA06 CC02 CC03 CD01 DB01 FA01 FA05 FA08 4J040 DB011 DB061 DF011 DF041 DF051 DF061 DF081 DF101 EF181 EF291 EF301 HC01 HC03 HC04 HC06 JA09 JB09 LA01 LA02 LA06 LA07 MB03 NA17 PA42

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学フィルムの一方の面に粘着剤層が積
    層されている粘着型光学フィルムであって、粘着剤層
    が、イソシアネートと反応性のある官能基を有する重量
    平均分子量が70万以上のアクリル系ポリマー、ポリヒ
    ドロキシルアルキルアミン系化合物、およびポリイソシ
    アネート系化合物を含有する組成物の架橋物により形成
    されていることを特徴とする粘着型光学フィルム。
  2. 【請求項2】 前記粘着剤層を形成する組成物が、さら
    にガラス転移温度−5℃以下で、且つ、重量平均分子量
    800〜5万のアクリル系オリゴマーを含有することを
    特徴とする請求項1に記載の粘着型光学フィルム。
  3. 【請求項3】 アクリル系ポリマー100重量部に対し
    て、アクリル系オリゴマーを10〜100重量部用いる
    ことを特徴とする請求項2に記載の粘着型光学フィル
    ム。
  4. 【請求項4】 前記粘着剤層のゲル分率が50〜90重
    量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに
    記載の粘着型光学フィルム。
  5. 【請求項5】 イソシアネートと反応性のある官能基を
    有する重量平均分子量が70万以上のアクリル系ポリマ
    ー、ポリヒドロキシルアルキルアミン系化合物、および
    ポリイソシアネート系化合物を含有することを特徴とす
    る光学フィルム用粘着剤組成物。
  6. 【請求項6】 さらにガラス転移温度−5℃以下で、且
    つ、重量平均分子量800〜5万のアクリル系オリゴマ
    ーを含有することを特徴とする請求項5に記載の光学フ
    ィルム用粘着剤組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1〜4のいずれかに記載の粘着型
    光学フィルムを用いた画像表示装置。
JP2002136855A 2002-05-13 2002-05-13 粘着型光学フィルム、光学フィルム用粘着剤組成物および画像表示装置 Pending JP2003329832A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002136855A JP2003329832A (ja) 2002-05-13 2002-05-13 粘着型光学フィルム、光学フィルム用粘着剤組成物および画像表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002136855A JP2003329832A (ja) 2002-05-13 2002-05-13 粘着型光学フィルム、光学フィルム用粘着剤組成物および画像表示装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003329832A true JP2003329832A (ja) 2003-11-19

Family

ID=29698780

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002136855A Pending JP2003329832A (ja) 2002-05-13 2002-05-13 粘着型光学フィルム、光学フィルム用粘着剤組成物および画像表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003329832A (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004099334A1 (ja) * 2003-05-07 2004-11-18 Soken Chemical & Engineering Co., Ltd. 光学部材用粘着剤および積層体
WO2005111167A1 (ja) * 2004-05-19 2005-11-24 Soken Chemical & Engineering Co., Ltd. 粘着剤組成物
JP2006124576A (ja) * 2004-10-29 2006-05-18 Sekisui Chem Co Ltd フォトマスク保護用粘着テープ
JP2006213808A (ja) * 2005-02-03 2006-08-17 Nitto Denko Corp 光学部材用粘着剤組成物、光学部材用粘着剤層、および粘着剤付光学部材、ならびに画像表示装置
JP2006342191A (ja) * 2005-06-07 2006-12-21 Nitto Denko Corp 粘着剤組成物および粘着シート類
JP2007009076A (ja) * 2005-06-30 2007-01-18 Riken Technos Corp 粘着剤組成物およびそれを用いた粘着シート部材
WO2007139174A1 (ja) * 2006-05-26 2007-12-06 Sumitomo Chemical Company, Limited 粘着剤付き偏光フィルム、光学積層体及び偏光フィルムのセット
WO2009008470A1 (ja) 2007-07-11 2009-01-15 Soken Chemical & Engineering Co., Ltd. 偏光板用粘着剤および粘着剤層付き偏光板
WO2010024103A1 (ja) * 2008-09-01 2010-03-04 日本カーバイド工業株式会社 粘着剤組成物、粘着剤、及び光学フィルム
JP2010090354A (ja) * 2008-09-01 2010-04-22 Nippon Carbide Ind Co Inc 粘着剤組成物、光学フィルム、及び粘着剤組成物の製造方法
JP2011127130A (ja) * 2011-02-07 2011-06-30 Nitto Denko Corp 粘着剤組成物および粘着シート類
WO2013027657A1 (ja) * 2011-08-19 2013-02-28 住友化学株式会社 粘着剤組成物、粘着剤シート、粘着剤付き光学フィルム及び光学積層体

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004099334A1 (ja) * 2003-05-07 2004-11-18 Soken Chemical & Engineering Co., Ltd. 光学部材用粘着剤および積層体
WO2005111167A1 (ja) * 2004-05-19 2005-11-24 Soken Chemical & Engineering Co., Ltd. 粘着剤組成物
JP2006124576A (ja) * 2004-10-29 2006-05-18 Sekisui Chem Co Ltd フォトマスク保護用粘着テープ
JP2006213808A (ja) * 2005-02-03 2006-08-17 Nitto Denko Corp 光学部材用粘着剤組成物、光学部材用粘着剤層、および粘着剤付光学部材、ならびに画像表示装置
JP2006342191A (ja) * 2005-06-07 2006-12-21 Nitto Denko Corp 粘着剤組成物および粘着シート類
JP2007009076A (ja) * 2005-06-30 2007-01-18 Riken Technos Corp 粘着剤組成物およびそれを用いた粘着シート部材
WO2007139174A1 (ja) * 2006-05-26 2007-12-06 Sumitomo Chemical Company, Limited 粘着剤付き偏光フィルム、光学積層体及び偏光フィルムのセット
TWI416177B (zh) * 2006-05-26 2013-11-21 Sumitomo Chemical Co Adhesive-containing polarizing film, optical laminates and polarized film sets
US8188194B2 (en) 2007-07-11 2012-05-29 Soken Chemical & Engineering Co., Ltd. Adhesive for polarizing plate and polarizing plate having adhesive layer
WO2009008470A1 (ja) 2007-07-11 2009-01-15 Soken Chemical & Engineering Co., Ltd. 偏光板用粘着剤および粘着剤層付き偏光板
JP2010090354A (ja) * 2008-09-01 2010-04-22 Nippon Carbide Ind Co Inc 粘着剤組成物、光学フィルム、及び粘着剤組成物の製造方法
JPWO2010024103A1 (ja) * 2008-09-01 2012-01-26 日本カーバイド工業株式会社 粘着剤組成物、粘着剤、及び光学フィルム
WO2010024103A1 (ja) * 2008-09-01 2010-03-04 日本カーバイド工業株式会社 粘着剤組成物、粘着剤、及び光学フィルム
US8927071B2 (en) 2008-09-01 2015-01-06 Nippon Carbide Industries Co., Inc. Pressure-sensitive adhesive composition, pressure-sensitive adhesive and optical film
JP2011127130A (ja) * 2011-02-07 2011-06-30 Nitto Denko Corp 粘着剤組成物および粘着シート類
WO2013027657A1 (ja) * 2011-08-19 2013-02-28 住友化学株式会社 粘着剤組成物、粘着剤シート、粘着剤付き光学フィルム及び光学積層体
JP2013129813A (ja) * 2011-08-19 2013-07-04 Sumitomo Chemical Co Ltd 粘着剤組成物、粘着剤シート、粘着剤付き光学フィルム及び光学積層体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7385007B2 (en) Pressure sensitive adhesive composition for optical members, pressure sensitive adhesive layer for optical members, pressure sensitive adhesive optical member and image display
KR101399194B1 (ko) 점착형 광학 필름 및 화상 표시 장치
JP4756626B2 (ja) 表面保護フィルム付光学フィルムおよび画像表示装置
JP2003329838A (ja) 粘着型光学フィルム、光学フィルム用粘着剤組成物および画像表示装置
JP2004323543A (ja) 光学部材用粘着剤組成物、光学部材用粘着剤層、粘着型光学部材および画像表示装置
US8372492B2 (en) Pressure-sensitive adhesive optical film and image display
JP5160674B2 (ja) 光学フィルム用粘着剤層、光学フィルム用粘着剤層の製造方法、粘着型光学フィルムおよび画像表示装置
JP2003307624A (ja) 粘着型光学フィルムおよび画像表示装置
JP4780647B2 (ja) 光学フィルム用粘着剤、光学フィルム用粘着剤層およびその製造方法、粘着型光学フィルム、ならびに画像表示装置
US20080280074A1 (en) Pressure-sensitive adhesive optical film and image display
JP4188407B2 (ja) 粘着型光学フィルムおよび画像表示装置
US8388801B2 (en) Method for separating an optical film bonded to an adherend with a pressure-sensitive adhesive optical film
JP4849625B2 (ja) 光学フィルム用粘着剤層の製造方法および粘着型光学フィルムの製造方法
JP2003329837A (ja) 粘着型光学フィルム、光学フィルム用粘着剤組成物および画像表示装置
JP2003329832A (ja) 粘着型光学フィルム、光学フィルム用粘着剤組成物および画像表示装置
JP4062668B2 (ja) 粘着型光学フィルム、光学フィルム用粘着剤組成物および画像表示装置
JP2004058289A (ja) 粘着型光学フィルム、光学フィルム用粘着剤組成物および画像表示装置
JP4136524B2 (ja) 粘着型光学フィルムおよび画像表示装置
JP3822213B2 (ja) 剥離力調整方法、光学部材用粘着剤層およびその製造方法、ならびに粘着剤付光学部材
JP4341813B2 (ja) 粘着剤付光学部材、その製造方法および画像表示装置
WO2006006358A1 (ja) 粘着剤付き光学フィルムおよび画像表示装置
JP4334925B2 (ja) 偏光板およびその製造方法、偏光板用保護フィルム、偏光板を用いた光学フィルムならびに画像表示装置
JP2005048003A (ja) 光学部材用粘着剤組成物、光学部材用粘着剤層、粘着型光学部材及びその製造方法、画像表示装置、並びに粘着型光学部材の製造方法
JP2004054008A (ja) 粘着型光学フィルムおよび画像表示装置
JP2004054007A (ja) 粘着型光学フィルムおよび画像表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041108

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070921

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071004

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071120

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20071220