JP2003329603A - 透明飲料ボトルの検査方法及びその検査装置 - Google Patents
透明飲料ボトルの検査方法及びその検査装置Info
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Abstract
ルを装着した透明飲料ボトルの欠点、位置等の検査方法
とその為の検査装置を提供すること。 【解決手段】近赤外線吸収層を有する透明印刷ラベル装
着の透明飲料ボトルの側面から近赤外線波長を有してな
る光を照射し、透過した近赤外光のみ受光し、その受光
量に基づいて該透明飲料ボトルを検査する該透明飲料ボ
トルの検査方法。検査項目は該ラベルに発生した破れ、
正常ミシン目以外の変形穴、該ラベルの装着位置等。該
ボトルの搬送部100と該ボトル照射の為の近赤外線光
源部101と該ボトル透過光撮像の為のCCDカメラ1
02と該カメラからの画像情報を基に判定するための画
像処理部103と該判定信号を基に排出部105を制御
する為の動作制御部104とを備えている該ボトルの検
査装置。
Description
不透明印刷層を有しない)透明印刷ラベルを装着した透
明飲料ボトルの欠点、位置等の検査方法とその為の検査
装置に関する。
器には、印刷された筒状フイルムがラベルとして装着さ
れて商品となっているが、この印刷は多くの場合、まず
赤、青、黄を基調として印刷され、その上に白色インキ
でベタ印刷すると言う方法が採られている。従ってラベ
ルを透かして見た場合は不透明である(以下これを不透
明印刷ラベルと呼ぶ)。 このような不透明印刷ラベ
ルでもって装着された透明飲料容器も、最終的には検査
が行われて出荷されている。 この検査の内容は、主
として装着後に何らかの原因でラベル上に発生した欠点
の有無である。例えばこの欠点は、装着前に折られてで
きているラベルの折り目からの破れ(以下欠点1と呼
ぶ)とラベルに設けられているミシン目穴の形状の乱れ
である(例えば隣接する2個の穴の繋がりによってでき
る扁平穴)(以下欠点2と呼ぶ)。ここで欠点1である
が、これは次のようなものである。つまり装着前の筒状
ラベルは2つに折られてロ−ル巻きになっているが、こ
れが開口されボトル等に熱収縮・装着されても以後その
折り目は消えず残っている。この残っている折り目の端
部が破れる場合があると言うものである。
られている手段は、例えば光源として白色蛍光灯を用
い、(該ラベル付き)ペットボトルの背後から照明し、
反対側に配置されたCCDカメラで撮像し、画像処理に
より欠点からの光の漏れ(透過)を検出して良否を判断
する方法とか、光源として赤外光を用い、可視光カット
フイルタ−付きCCDカメラにて同様に撮像しこれを画
像処理して欠点を検出する方法等がある。
ベルに換えて、(白色を用いない)赤、青、黄を基調と
してデザインした印刷ラベル(以下これを透明印刷ラベ
ルと呼ぶ)が使われるようにもなってきた。
ベルで採られている検査手段で、前記透明印刷ラベルの
欠点の有無を検査すると、更に検査精度が悪く、欠点内
容(サイズ、形状等)によっては、検査漏れがでたり、
検査できない場合もある。又、装着されたラベル位置
(斜め位置とか、予め決められた位置等)についても、
(検査精度の悪さから)実質的にできていない。又、こ
のラベル位置に関し、(該ラベルの両端を重合して密着
してできる)両端重合部分がボトルの所定位置にきてい
るかどうかが最近問われるようにもなってきている。つ
まり例えば角ボトルで言えば、この両端重合部分がその
角の位置にくるように指定されるが、この角位置にきて
いるかどうかである。この検査は不透明印刷ラベルにし
ても、透明印刷ラベルにしろ、現状では行われていな
い。これは現状の検査技術では極めて困難であることに
も原因がある。
し、前記欠点の検査は勿論、更なる高い精度でより微細
形状でも確実に欠点を見つけて検査できること及び前記
2つの装着ラベル位置についても検査し良否判断のでき
ることを課題として、鋭意検討し達成したものである。
つまり本発明が見出した解決手段は次の通りである。
請求項1の検査方法の発明によって達成される。 その
発明は、近赤外線吸収層(3)を有する透明印刷ラベル
(4)が装着された透明飲料ボトル(5)の側面から、
少なくとも近赤外線波長を有してなる光を照射し、該ボ
トルを透過した近赤外光のみを受光し、そのの光量を受
光し、その受光量に基づいて該透明飲料ボトルを検査す
ることを特徴とする透明飲料ボトルの検査方法である。
好ましい形態として請求項2が、前記光と受光手段とし
ての好ましい形態として請求項3が、前記検査の内容と
して請求項4〜6が各々従属する発明として提供され
る。
で提供する透明飲料ボトルの検査装置の発明によっても
達成される。 つまりこの発明は、前記透明飲料ボト
ル(5)を所定経路に沿って一定間隔で搬送する為の該
ボトル搬送部(100)と、 前記搬送中の透明飲料
ボトル(5)の側面から少なくとも近赤外光を含む光を
照射する為の光源部(101)と、 前記照射により
透明飲料ボトル(5)を透過してくる近赤外光のみを撮
像する為のCCDカメラ(102)と、 前記CCDカ
メラからの画像情報を基に前記透明印刷ラベル(4)の
欠点又は装着位置を判定するための画像処理部(10
3)と、 前記画像処理部からの判定出力信号を基に
排出部(105)を制御する為の動作制御部(104)
とを備えていることを特徴とする透明飲料ボトルの検査
装置である。
て、好ましく使用されるものとして請求項8が提供され
る。 以下、前記各発明を次の実施形態で詳述するこ
とにする。
る近赤外線吸収層(3)を有する透明印刷ラベル(4)
の装着した透明飲料ボトル(5)から説明するが、この
構成を図解し、これを基に縷々説明することにする。
全体構成を図1の側面図で示す。ここで5は、白色キ
ャップ5bで密栓された透明飲料ボトル、4は装着され
た熱収縮透明印刷ラベルで、これには4aのミシン目
(ボトル本体との分離用)が設けられている。 尚、
4bは該ラベルの両端重合(密着)部分を示す。
このラベル4自身は、熱収縮性又は非熱収縮性の(ラベ
ル用)透明基体フイルム(1)を支持体として、これに
近赤外線吸収層と透明印刷層とが設けられてなっている
が、これを断面で図解したものが図2である。 該基
体フイルム1を挟んで一方には近赤外線吸収層3が、そ
の反対面には透明印刷層2が積層されている。該図の構
成は、(該近赤外線吸収層が該透明印刷層と直接接触す
ることは、印刷画質に対して好ましくないことから)望
ましい構成として例示しているが(請求項2)、該近赤
外線吸収層を直接該透明印刷層と接する、つまり該透明
印刷層の下層又は上層にもってくることを否定するもの
ではない。
する。まず透明基体フイルム1は、全光線透過率70%
程度以上の熱収縮性又は非熱収縮性のポリエチレンテレ
フタレ−ト(PET)系、非環状又は環状のポリオレフ
ィン系、ポリスチレン系、ポリ塩化ビニル系等の各透明
フイルムであるが、この中で好ましく使用されるもの
は、該PET系、該ポリオレフィン系又はポリスチレン
系の各フイルムである。該PET系でより好ましいの
は、PET単独よりもエチレンテレフタレートユニット
を主成分とする共重合ポリマ又はこれとPETとのブレ
ンドポリマによるフイルムである。一方該ポリオレフィ
ン系フイルムでより好ましいのは、非環状では主として
ポリプロピレン系フイルムである。そして環状では、一
般に知られているノルボルネンとか、テトラシクロドデ
セン又はこれ等の誘導体等に見られる環状オレフィンモ
ノマの重合(開環・水添又は付加反応)による単独ポリ
マ、環状オレフィンモノマとエチレン、プロピレン等の
α−オレフィンとのコポリマ、このコポリマに直鎖状ポ
リオレフィン系樹脂をブレンドした樹脂等によるフイル
ムであり、就中このブレンドした樹脂によるフイルムが
好ましい。尚、このブレンド樹脂は、直鎖状低密度ポリ
エチレン(LLDPE)と該環状オレフィン系樹脂(単
独又はコポリマ)とのブレンドによるフイルムであるの
がより好ましい。これら好ましい理由は、前記透明印刷
層及び近赤外線吸収層との密着性、熱収縮特性等の点か
らである。
縮性は、透明飲料ボトル本体の使用形態(形状とか、デ
ザイン等)による。熱収縮性が必要な場合には、例え
ば、延伸操作によって、主として横方向に約2〜10
倍、望ましくは4〜7倍、縦方向に1〜2倍延伸するこ
とで付与できる。
脂の種類、支持適性等を考慮して選ばれるが、一般には
20〜100μm程度で対応できる。
われるTダイ溶融押出機を使って行われるが、延伸は、
溶融押出しと連続して行う場合もあれば、別途行う場合
もある。その時の延伸手段も一般に行われるテンタ−延
伸か、ロ−ル延伸か、両者の組み合わせかのいずれかの
方法による。勿論該フイルムに各種添加剤(例えば耐候
剤、酸化防止剤、帯電防止剤等)を微量含有させること
は許されることである。
うな内容を持って形成される。該吸収層3は所定量の近
赤外線吸収剤が透明樹脂液に混合分散・調製されて、透
明基体フイルムにコ−テイングされることで形成され
る。ここで該樹脂としては、該基体フイルム1との密着
性、該吸収剤との混合分散性、耐熱性(70℃程度以上
が望ましい)、透明性、コ−テイング性等を考慮して選
ばれる。具体的には、例えば紫外線硬化性のアクリル系
樹脂(原料としては液状のオリゴマ又はプレポリマが使
用される)又はメチルエチルケトン、ジオキソラン、ヂ
メチルホルムアルデヒド、テトラヒドロフラン、トルエ
ン、キシレン、メチルセロソルブ、クロロホルム等の単
独又はこれらの適宜混合溶媒に対して溶解するアクリル
系、ウレタン系又はアクリル−ウレタン系等の熱可塑性
樹脂、熱可塑性共重合ポリエステル樹脂等が挙げられ
る。
1100nmに最大吸収波長を有する近赤外線色素で、
これには有機系色素、金属酸化物、有機金属錯体があ
る。しかし本発明では、前記樹脂との相溶性及び前記有
機溶媒に対する溶解性も考慮して、有機系色素が望まし
い。例えばこれを構造上から分類すると、アントラキノ
ン系、フタロシアニン系、ナフトキノン系、(ナフタ
ロ)シアニン系、高分子縮合アゾ系、ピロ−ル系が挙げ
られる。この中でいずれを選ぶかは、検査に対して使用
される光源の波長とのマッチングを見て選択される。従
って完全吸収を果たすためには一種類で良い場合もあれ
ば、二種以上を混合した方が良い場合もある。
近赤外線吸収効果は勿論のこと透明性とのバランスに立
って決める必要がある。透明性の点では、該吸収剤自身
が着色しているので、多くなると全体の透明性に影響す
るようになると共に、印刷画像の画質にも影響するよう
になる。この両者でバランスをとると、その量は1〜1
0重量%(対固形分)、好ましくは3〜7重量%であ
る。
外線吸収効果と透明性とのバランスに立って決める必要
があるが、前記近赤外線吸収剤の添加量の範囲では1〜
10μm、好ましくは2〜8μmでバランスする(該吸
収剤の多い場合には、薄い方向で設定するようにす
る)。
前記樹脂と近赤外線吸収剤との所定量を両者の共通溶媒
をもって均一に溶解混合した後、コ−テイング手段に合
わせて適正な溶液粘度に調整して行うが、密着性を上げ
るために、透明基体フイルム1を(事前)脱脂洗浄や、
コロナ放電等の一般に前処理として知られている手段で
前処理しても良い。尚コ−テイング手段は、グラビヤ印
刷法、バ−コ−タ−法、場合によってはスクリ−ン印刷
法等による。塗布後は、乾燥(熱風又は紫外線硬化性樹
脂の場合は紫外線照射)する。
次の内容で形成される。まず該印刷層の有する透明性で
あるが、これは少なくとも近赤外線を有する光が近赤外
線吸収層3に吸収され光量が、該印刷層を透過してCC
Dカメラ等で捕らえることのできるに足る透明さであ
る。該印刷層による透明性への影響は、単色よりも赤、
青、黄の2〜3色が重ね刷りの場合であるが、例えばこ
の各色を175線でベタ重ね刷り(全層厚4μm設定)
した場合の全光線透過率は約3%である。このような低
透過率でも近赤外線光の透過が遮られるような事はな
い。従って、赤、青、黄の3原色を基調とし、これが2
〜3色重なった印刷デザインがなされても、事実上影響
されることなく検査ができる。尚、黒色印刷層に関して
は、これを175線ベタ刷りした場合の全光線透過率を
測定すると約8%であり、この黒印刷層に近赤外光を照
射してCCDカメラで受光すると、撮像精度は悪いが、
前記影となって視認できる。従って、印刷デザインによ
っては黒インキ層も使える。
行われるのが一般的であるが、その他の方法によっても
よいのは勿論である。印刷インキは、一般に使用されて
いる水性又は油性の例えばアクリル系又はウレタン系の
樹脂インキが使われる。尚、この場合も近赤外線吸収層
3の場合のように、前記する前処理を行って印刷しても
良い。
されるが、前記水性又は油性のインキによる多色グラビ
ヤ印刷では、一般に1〜5μmであり、この層厚で印刷
画質は勿論、前記透明性も確保できる。尚前記赤、青、
黄のいずれかによる2〜3色重ね刷りの場合には、この
厚さ範囲内になるように各色を設定するのが良い。
して透明飲料ボトル本体に装着される。該ボトル本体
は、一般に胴(円形、多角形)、底及び口からなる硬質
又は半硬質の透明ボトルで、多くの場合はペットボトル
等樹脂製半硬質のボトルが対象である。ここで透明性
は、前記検査等に支障がでない限りにおいて、該ボトル
自身にも、又充填する飲料自体にも着色があっても良
い。これを全光線透過率で例示すれば、いずれの場合も
約10%以上であるのが安全である。
飲料ボトル本体への装着手段は、一般に行われる方法に
よるが、それを例示すると次の通りである。 <熱収縮性透明印刷ラベルの場合>ロ−ルに巻かれたウ
エブ状の該ラベルが、まずセンタ−シ−ルゾ−ンに連続
供給され、そこで有機溶剤で又は熱により、両端が重合
密着されて筒状に成形され、これが一旦フラット状に折
られてロ−ル状に巻き取られる(この筒状ラベルがロ−
ルに巻き取られたことで、両サイドに折り目が着くこと
になり、これは前記ボトル本体倦回装着後も残ってい
る。後述する検査の項目の1つである折り目からの破れ
は、このような経過によるものである)。ロ−ル状に巻
かれた該筒状ラベルは所定サイズにカットされ、筒状に
開口される。供給されてくる透明ボトル本体に嵌入され
て、最後に熱風(蒸気)ゾ−ンに送って熱収縮し装着す
る。 <非熱収縮性透明印刷ラベルの場合>前記熱収縮性の場
合と異なり、まずウエブ状の該ラベルの少なくとも両端
内面に感熱性粘着層を設ける。この設定は、全行程の中
で連続して設ける場合と、予め設けておき、一旦これを
ロ−ルに巻き取り、以後逐次巻き出して使用する場合が
ある。これを待機する前記ボトル本体の胴に、感熱性粘
着層の一端を添着固定し、回転しながら倦回しもう一端
の感熱性粘着層を重合する。この一端添着固定と他端重
合とは、事前に加熱されて粘着性を発現しておく。両端
重合したら、押圧して密着固定する。該感熱性粘着層
は、一般に知られている感熱性の透明樹脂を透明印刷層
2の上層として5μm前後設けられる。尚、この非熱収
縮性透明印刷ラベルの場合は、前記熱収縮性の場合のよ
うに折り目が着くことはないので、折り目による破れが
検査項目になることはない。
された透明飲料ボトル5は、請求項1に記載する手段に
よって検査される。次にこの検査方法について説明す
る。尚、この説明はもう1つの発明である請求項7に記
載する検査装置と共に、図3で例示する該装置に関する
ブロック図を参照しながら行うことにする。
透明印刷ラベル4上に発生した欠点、例えば請求項5に
記載する部分的破れ(4c)及び/又は部分的変形穴
(4d)を有する(欠点)透明飲料ボトルが、(無欠
点)該ボトル5(図1)中に混入している場合について
説明する。勿論該欠点に限らず他の欠点でも同様に検査
できる。尚、ここで例示する欠点は、ラベル4の折り目
部分の(端からの)破れの欠点1と隣り同志の2個のミ
シン目が繋がって発生した変形穴の欠点2の場合であ
り、これを図示したものが図4(側面図)である。つま
り4cが欠点1、4dが欠点2を示している。
(所定間隔と所定経路)によって搬送されてくる。ここ
での該搬送部は、一般的なベルトコンベアを例示してい
る。該円形固定部材は、その位置で回転させる機構にす
ることもできる。勿論このベルトコンベヤ−に換えて、
回転チエ−ンにすることもできる。又多数の該ボトルが
回転体の上に一定間隔をもって乗せられて搬送される回
転式搬送部にすることもできる。勿論これら搬送部は、
連続搬送もあれば、間歇搬送もある。ここではベルトコ
ンベヤ−による連続搬送を例示している。尚、ここでの
透明飲料ボトル5は、(胴部分は角形)円形透明ペット
ボトル(飲料水充填)を例示しているが、(全)角形透
明飲料ボトル等形状には拘らない。
向配置の近赤外線光源101とCCDカメラ102(二
次元)の間を通過する。ここで該光源と該カメラとは左
右逆の配置として2セット設けている。まず最初にボト
ル5の主として右側面の欠点の有無を撮像し、次に主と
して左側面のそれを撮像することで、より完全な検査を
行うと言う配慮がなされている。勿論1セットでもでき
るが、この場合は、該光源一機に対して対角線的に2台
のCCDカメラを配置しこれを2セット配置している
が、1セットでも良い。この場合は、搬送されてくるボ
トル5を一旦停止すると同時的にその位置で回転する方
式を採るのが良く、これは前記回転式搬送部による搬送
の場合にも有効である。この回転方式を採る場合とし
て、一次元CCDカメラを使うと該ボトル5の全周を細
かく撮像することができる。尚該カメラと該光源の配置
数、配置位置等は、検査対象である透明飲料ボトルの形
状、大きさを見て、最も効率良く照射し撮像されるよう
に事前にチェックすることが望まれる。
光を含む光に相当するもので、ここでは800〜110
0nm範囲の中のいずれかの近赤外光のみを有する近赤
外LED素子(赤外発光ダイオ−ド)を例示し、これを
多数個湾曲状に配置したものとして示している。勿論こ
の湾曲光源に換えて、他の形状、例えば長方形状にして
これの複数本を垂設するようにしても良い。尚、ここで
の光源は近赤外LED素子を例示しているが、他の例え
ばタングステンランプ、ハロゲンランプ等も使用でき
る。光源の強さの点では、これ等他の光源が好ましい
が、取り扱い等の点からは前者が好ましい。タングステ
ンランプ、ハロゲンランプ等は、他の波長も混在してい
るので、これをカットするバンドパスフイルタ−をCC
Dカメラ102の前面に取り付けるのが望ましい。又近
赤外LED素子に限らず、他の光源に対しても、(ボト
ル5の少なくとも全体半分が均一に照射されるように)
光拡散板(例えば乳白色のアクリル板)を該光源の前面
に配置するように工夫するのが良い。
記光源照射によるボトル5からの透過光を受光する手段
の一つとして例示しているが、これが受光素子そのもの
であっても良い。尚、CCDカメラが一般的なものであ
ると、近赤外光領域における相対感度は可視光線領域に
比べて低下するが、波長700〜900nm程度を対象
とするならば特に問題はない。しかし900nm以上の
近赤外光領域を対象とする場合には。該領域での感度ア
ップのCCDカメラに切り替えた方が良い。
源101から光が照射されると、該ボトルを透過した光
は、CCDカメラ102で受光し撮像する。この時の各
画素の濃度値(明るさ)は、受光量によって異なる。つ
まり受光量が多い程濃度値は高く(白く)なり、少ない
程それは低く(黒く)なる。このことを無、有欠点ボト
ルに対して適応して見ると、無欠点ボトル5であれば、
ラベル4に設けられている近赤外線吸収層3を2回透過
することになるので、受光する光量は一回透過した光量
よりも少なくなる。従って撮像される画像の色は一回透
過のものよりも濃灰色系(以下2回濃灰色と呼ぶ)でも
ってラベル4の全体が撮像される。一方欠点ボトル5で
は、欠点1、2を有しているので、ここを透過する光量
は一回の近赤外線吸収層3の透過であるので、他の無欠
点画像部分(2回の透過)よりも色は淡灰色系(以下1
回淡灰色と呼ぶ)で撮像される。つまり2回濃灰色ラベ
ル5の画像の中に、欠点1と2の形状をもっての色で撮
像されると言うものである。尚、縦に穿設されている正
規のミシン目4aも欠点1、2と同じ透過光量の1回淡
灰色で撮像される。
像情報は、アナログ信号又はデジタル信号として画像処
理部103に送られ、欠点の有無が判別される。それで
は、各欠点がどのようにして他の無欠点ボトルと判別さ
れるかを説明する。まず欠点1の場合について説明す
る。この欠点1の破れ状態が、例えば破れて捲れ上がっ
て重なっているような場合には、この捲れ上りによる重
なり部分は、照射光が近赤外線吸収層3を3回透過して
CCDカメラ102に入って来るので、画像色は前記2
回透過よりも、更に濃く黒に近い灰色(以下3回黒灰色
と呼ぶ)で撮像される。その濃さの差で欠点1の有無を
見分ける。これが重なっていない状態での捲れ上りで
は、(2回透過の)無欠点部分による領域の輪郭部分の
エッジの直線性から判断する。一方欠点2の場合は、ま
ずミシン目穴が、1回淡灰色でもって一定ピッチで縦に
並んで撮像されると、それは正常ミシン目4aと判断さ
れる。これに対して、この正常ミシン目の中に変形穴4
dがあると、隣り合う正常ミシン目4aとの重心位置間
隔が大きく(小さく)なり、1回淡灰色の(正常ミシン
目4aの)面積値に対して一定範囲を越えているとの比
較判断がなされ欠点2の有無が判断される。勿論これら
欠点の一つがあっても、不良品として判別される。
点ありとの判定がなされると、その判定は直ちに信号と
なって動作制御部104に出力され、排出部105の排
出動作へと切り替えられる。該排出部では、該制御部か
ら信号出力を受けて、排出動作に切り替えられる。この
排出動作はプッシャ−105aによって行われ、5aの
欠点品として系外へ排出される。該プッシャ−の駆動源
は、例えばエア−シリンダ−である。
透明飲料ボトル(5)に装着されている透明印刷ラベル
(4)の位置の判別について説明する。ここで例示する
位置とは、該ラベル自身が(曲がらずに)定位置で装着
されているかどうか(以下ラベル装着位置と呼ぶ)と、
装着された該ラベルの両端重合部分4bが定位置にきて
いるかどうか(以下ラベル両端重合位置と呼ぶ)かであ
り、いずれか1つでも定位置にないとの判断がなされれ
ば、不良品として前記欠点1、2と同様に系外に排出さ
れることになる。
図5の側面図で例示するように、該装着位置の正否は、
白色キャップ5bの上面エッジからラベル4の上面エッ
ジまでの距離Dの差でもって判定する。つまり前記欠点
検査において同時に撮像される白色キャップ5bは、
(近赤外線を透過しないので)3回黒灰色と同程度以上
の黒系色でもって、そしてラベル4は2回濃灰色をもっ
て撮像される。この信号が、画像処理部103へ出力さ
れ距離Dが演算される。これと定位置として予め設定さ
れた距離とが比較され装着位置の正否が判定される。勿
論ラベル4が装着されていない場合、白色キャップ5a
がキャップされていない場合も、この装着位置判定の中
で処理される。画像処理により装着位置が正しくないと
判定されたならば、その信号は動作制御部104に出力
され、プッシャ−105aによって系外に排出される。
角型ボトルの場合(胴部分のみが角形である場合も)に
必要とされ、これはデザイン上、両端重合部分4bを角
近辺にもってくるようにして、中央には位置させないよ
うにする。この場合の撮像と画像処理も、前記装着位置
の場合と同じように、予め設定さた位置との距離との差
から判別することができる。例えば図5のE又はFの距
離関係で説明する。まずEで判別する場合は、白色キャ
ップ5bの縦エッジから両端重合部分4bの縦エッジま
での距離Eが、(前記欠点検査において同時に撮像され
る)白色キャップ5bと両端重合部分4b(両端両端重
合部分4bは、3回透過であるので該キャップ同程度の
黒灰色)の黒灰色画像をもって画像処理部103で演算
処理される。予め設定された距離に対して、長いか短い
かの判定がなされる。一方Fで判別する場合は、ラベル
4の側面縦エッジから両端重合部分4bの縦エッジまで
の距離Fが、(前記欠点検査において同時に撮像され
る)ラベル4の二回濃灰色と両端重合部分4bの黒灰色
画像をもって、画像処理部103で演算処理される。予
め設定された距離に対して、長いか短いかが判断され
る。以後はEの場合でも、Fの場合でも前記同様に良否
の信号が、動作制御部104に出力され、否のボトル5
aはプッシャ−105aによって系外に排出される。
Dカメラ102が撮像する画像には色濃度差が現れ、そ
れをベ−スに良否が判断される。従って前記欠点1、
2、ラベル装着位置及びラベル両端重合位置の全てにつ
いて、予め正しい画像情報として画像処理部103にソ
フト入力しておけば、前記いずれかの検査項目で不良と
の判定があれば全て系外に排出されることになる。勿論
判定出力信号を検査項目毎に設け、これを各排出位置に
分ければ、検査項目別に分類排出することもできる。
に、蛍光染料含有の樹脂を使う方法が知られているが、
本発明者等がこれを本発明の近赤外吸収層に変えて、蛍
光層となし、検査を行ってみた。その結果は、まず欠点
検査自身を絶えず暗室で行う必要があり、作業性が悪く
生産的ではないこと、前記欠点がはっきりと検出撮像さ
れないこと、更に前記ラベルの位置に関する検査はでき
なかった。本発明による近赤外線吸収層によるラベルと
の間に作用効果にも極めて大きな差のある結果であった
事を付記しておく。
備した。 ●透明基体フイルム1(以下基体フイルムと呼ぶ)、グ
ンゼ株式会社製・ファンシ−ラップ・タイプTAS・厚
さ50μm(熱収縮性ポリエステル系フイルム)を幅3
00mmにカットしたロ−ル巻きフイルム。 ●近赤外線吸収層3の為のコ−テング液、油性アクリル
系透明樹脂液(東洋インキ製造株式会社製、油性グラビ
ヤ印刷用インキ・LPス−パ−を固形分30重量%とし
てトルエンと酢酸エチルの混合溶媒に溶解したもの)を
使い、これに3重量%の(可溶性)フタロシアニン系の
近赤外線吸収剤(日本触媒化学社製、TX−EX−90
6B、最大吸収波長922nm(トルエン中))を添加
し均一に溶解したもの。以下近赤外コ−テング液と呼
ぶ。 ●透明印刷層2の為の印刷インキ、赤、青,黄の水性ア
クリル系グラビヤインキ(東洋インキ製造株式会社製の
アクワエコ−ルシリ−ズ)を使い、そしてこの各色イン
キを水とIPAの混合溶媒(容積1対1)で希釈して、
適正なグラビヤインキ濃度(約2Pa・s)に調整した
もの。
テング液をグラビヤ印刷(200線)にて全面コ−テン
グし、引き続き加熱乾燥(50〜55℃の熱風乾燥トン
ネル)した。十分な密着力をもって所望する近赤外線吸
収層3が形成され、層厚は2.2μmであった。以下近
赤外線吸収基体フイルムと呼ぶ。
面に、前記黄、青、赤の各印刷インキによるグラビヤ印
刷(175線)を行った。ここでの印刷は、黄、青、赤
の順で1色づつベタ状画像での印刷で、各色印刷後には
45℃での乾燥を行って三色を重ねた。各色十分な密着
をもって積層され、この印刷層の全厚は4.0μmであ
り、全体の全光線透過率は3.5%であった。
ム)の近赤外線吸収能を確認するために、(前記近赤外
線吸収層を設けない)前記黄、青、赤の各印刷インキで
の重ね刷りしたのみの印刷フイルム(比較印刷フイル
ム)と比較した。各サンプルは100×100mmにカ
ットして、これ等の一面には近赤外LED素子(株式会
社光電子製・AL−402・2.2mW・ピ−ク波長9
10nmを縦横5mm間隔で面状に並べたもの)を、片
面には二次元CCDカメラを配置し、透過光を撮像して
それをモニタ−に映し出して肉眼で観察した。その結果
は本印刷フイルムでは、淡灰色(1回淡灰色)で着色さ
れた大きさ100×100mmの画像がはっきりと写し
出されていたが、比較印刷フイルムでは、全て透過光と
なり、実質的に白色で印刷柄は勿論、サンプルそのもの
が確認できなかった(このことは、黄、青、赤のいずれ
か1色は勿論、2〜3色が重ねられても、印刷層自身は
近赤外光を吸収しないことを意味している)。
40mmづつトリミングして幅220mmとし、そして
次の条件で有機溶剤を使って接着シ−ルし、筒状フイル
ムに加工した。連続供給されてくる220mm幅の該印
刷フイルム(印刷面は下)の両端が、中央にくるように
内側に折り曲げながら、4mm幅で両端を重合するのと
同時的に、その合わせ目に1、3−ジオキソランとn−
ヘキサンとを10対1(容積)で混合し、これを塗布し
つつ、加熱(70℃)ニッピングロ−ラに通して加熱圧
着して筒状フイルムに成形した。この成形された筒状フ
イルムは、両サイドを折ってフラット状にしつつロ−ル
状に巻き取った。尚、ここでのシ−ル手段は、有機溶剤
シ−ル法にて行っているが、他のインパルス法等でもシ
−ルすることができる。いずれかにするかは、透明基体
フイルム1の種類、作業性等を勘案して判断される。
状フイルムを開口しながら、シ−ル部分(両端重合部
分)から10mm離れた位置で孔径0.7mm、ピッチ
2mmで正常ミシン目を縦に連続穿設し、所定の長さに
連続カットしてボトル装着用の筒状の透明印刷ラベルに
加工した。
ように)正常位置で円形ペットボトルに嵌入し熱収縮
(スチ−ムトンネル内で85℃にで5秒、95℃で7秒
間の二段階加熱)により装着した。ここで該ボトルは、
胴部分は長さ85mmで8角形、底部と上部とは直径6
5mmの円形、全長165mmの無着色のボトルを使用
した。尚、このラベルの正常位置は、まず該ラベル自身
は底面から10mmの位置で水平に合わせ、肩部分15
mmにかかる位置で固定され、そして両端重合部分及び
ミシン目は、胴部分の角位置で垂直に位置決めした状態
にある。
ボトルの一本を使って、次の内容の欠点ボトルを作っ
た。つまり図4で示すような欠点1、2であり、欠点1
は折り目部分の端を約3mm切って、その切り部分は捲
り上がって重なっている状態にし、欠点2は2個のミシ
ン目の間を切って瓢箪型の変形穴としたものである。
料水を充填し、白色キャップで密栓しこの2本につい
て、次の条件で透過画像を撮像し、それをモニタ−に映
し出して肉眼で観察した。該欠点ボトルと正常ボトルを
垂直に立てて、その背後には、前記近赤外LED素子
(AL−402・2.2mW)を直径80mm、高さ1
80mmの半円形支持板に、5mmピッチで全面に並設
した近赤外LED光源を各々15mm離して配置し、正
面には25cm離して二次元CCDカメラを各1台配置
した。透過光による色の違いがはっきりと現れるように
モニタ−で観察しなが感度調整を行いつつ、両者を撮像
した。モニタ−に映し出された各透過画像は、図6の通
りであり、(6A)は正常ボトル、(6B)は欠点ボト
ルの画像である。図6は透過色そのものをもって図示し
ていないが、前記本文中で説明するように、はっきりと
濃度差(受光量差)をもって撮像されたことを確認し
た。つまり両端重合部分4bと欠点1とはほぼ同色で黒
灰色、欠点2とミシン目は淡灰色、その他のラベル部分
は濃灰色で、各々の形状をもって映し出された(ペット
ボトル本体は写し出されなかった)。
連の検査に至るまでの実施例の記載は、本文により明確
であるので省略することにした。
で次のような効果を奏する。
ラベル(破れ等の欠点の有無、装着位置の正否等)の検
査方法において、特に該ラベルとして、近赤外線吸収層
を有する透明印刷ラベルを使い、且つ近赤外線波長光を
照射し、該ボトルを透過した近赤外光の受光量(色濃度
の差)からその検査ができるようになった。
されてくる該ボトルへの近赤外光照射の為の光源部−該
照射により該ボトルからの透過光を撮像するCCDカメ
ラ−該カメラからの画像情報により前記検査項目を判定
する画像処理部−前記画像処理部からの判定信号を排出
部に伝える動作制御部の5つの各手段を連結、連動させ
た検査装置によって連続して検査をすることもできるよ
うになった。
で示す。
面図で示す。
示す。
ル 100・・・搬送部 101・・・近赤外線光源 102・・・CCDカメラ 103・・・画像処理部 104・・・排出部105を有する動作制御部
Claims (8)
- 【請求項1】近赤外線吸収層(3)を有する透明印刷ラ
ベル(4)が装着された透明飲料ボトル(5)の側面か
ら、少なくとも近赤外線波長を有してなる光を照射し、
該ボトルを透過した近赤外光のみを受光し、その受光量
に基づいて該透明飲料ボトルを検査することを特徴とす
る透明飲料ボトルの検査方法。 - 【請求項2】熱収縮性又は非熱収縮性の透明基体フイル
ム(1)の一面には近赤外線吸収層(3)がその反対面
には透明印刷層(2)が設けられている前記透明印刷ラ
ベル(4)である請求項1に記載の透明飲料ボトルの検
査方法。 - 【請求項3】前記光が、800〜1100nmの中のい
ずれかの波長を有する近赤外光で、前記受光がCCDカ
メラによって行われる請求項1又は2のいずれか1項に
記載の透明飲料ボトルの検査方法。 - 【請求項4】前記検査が、前記透明印刷ラベル(4)上
に発生した欠点の有無の判別である請求項1?3のいず
れか1項に記載の透明飲料ボトルの検査方法。 - 【請求項5】前記欠点が、部分的破れ(4c)及び/又
は部分的変形穴(4d)である請求項4に記載の透明飲
料ボトルの検査方法。 - 【請求項6】前記検査が、前記透明飲料ボトル(5)に
装着された透明印刷ラベル(4)の装着位置の判別であ
る請求項1?3のいずれか1項に記載の透明飲料ボトル
の検査方法。 - 【請求項7】前記透明飲料ボトル(5)を所定経路に沿
って一定間隔で搬送する為の該ボトル搬送部(100)
と、 前記搬送中の透明飲料ボトル(5)の側面から
少なくとも近赤外光を含む光を照射する為の光源部(1
01)と、前記照射により透明飲料ボトル(5)を透過
してくる近赤外光のみを撮像する為のCCDカメラ(1
02)と、 前記CCDカメラからの画像情報を基に
前記透明印刷ラベル(4)の前記欠点又は装着位置を判
定するための画像処理部(103)と、 前記画像処
理部からの判定出力信号を基に排出部(105)を制御
する為の動作制御部(104)とを備えていることを特
徴とする透明飲料ボトルの検査装置。 - 【請求項8】前記光源部が、面状に多数個並設された波
長800〜1100mの中のいずれかの近赤外波長
を有するLED素子によりなる請求項7に記載の透明飲
料ボトルの検査装置。
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JP2002133073A JP4040902B2 (ja) | 2002-05-08 | 2002-05-08 | 透明飲料ボトルの検査方法及びその検査装置 |
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