JP2003327570A - 亜硝酸エステル等を用いた有機化合物の製造法 - Google Patents

亜硝酸エステル等を用いた有機化合物の製造法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オキシム等の窒素原子含有基を有する有機化
合物を安価な原料から温和な条件下で簡易に製造できる
方法を提供する。 【解決手段】 本発明の有機化合物の製造法は、下記式
(i) 【化1】 [式中、Xは酸素原子又は−OR基(Rは水素原子又は
ヒドロキシル基の保護基を示す)を示す]で表される骨
格を環の構成要素として含む窒素原子含有環状化合物の
存在下、(A)ラジカルを生成可能な化合物と、(B)
亜硝酸エステル又は亜硝酸塩とを反応させることを特徴
とする。前記窒素原子含有環状化合物としては、例え
ば、下記式(I) 【化2】 [式中、nは0又は1を示す。Xは酸素原子又は−OR
基(Rは水素原子又はヒドロキシル基の保護基を示す)
を示す]で表される環状イミド骨格を有する環状イミド
系化合物が挙げられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、亜硝酸エステル又
は亜硝酸塩を用いて、窒素原子含有基、酸素原子含有
基、炭素−炭素不飽和結合含有基などを有する有機化合
物を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】オキシム等の窒素原子含有基を有する有
機化合物は、高分子化合物の単量体の中間原料、精密化
学品の合成中間体などとして有用である。例えば、シク
ロアルカノンオキシムはポリアミドの中間原料等として
極めて重要な化合物である。シクロアルカノンオキシム
の製造法として、シクロアルカノンとヒドロキシルアミ
ンとを脱水縮合させる方法、ニトロシクロアルケノンを
パラジウム触媒存在下で接触水添する方法、ヒドロキシ
アミノシクロアルカンを2価のコバルト存在下で空気酸
化する方法などが知られている。しかし、これらの方法
においては、原料化合物が比較的高価である。
【0003】一方、シクロヘキサンを塩化ニトロシルの
存在下で光照射することにより、ニトロソシクロヘキサ
ンを経由してシクロヘキサノンオキシムを製造する方法
が工業的に行われている。この方法によれば、シクロヘ
キサンを直接オキシムに変換できるので、上記の方法と
比較して製造コストを低くできるという利点があるもの
の、原料として用いる塩化ニトロシルは、通常一酸化炭
素と塩素との反応により製造されるので、設備面や操作
性の点で不利であり、しかも環境への負荷が大きいとい
う欠点を有している。
【0004】また、シクロアルカンと亜硝酸エステルと
を150〜400℃の温度で気相接触させることにより
シクロアルカノンオキシムを製造する方法が開示されて
いる(例えば、特許文献1参照。)。しかし、この方法
では反応条件が過酷であることに加え、空時収率が低い
という問題がある。
【0005】
【特許文献1】特公平2−13659号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、オキシム等の含窒素有機化合物を安価な原料から温
和な条件下で簡易に製造できる方法を提供することにあ
る。本発明の他の目的は、亜硝酸エステル又は亜硝酸塩
を用いて、窒素原子含有基、酸素原子含有基、炭素−炭
素不飽和結合含有基などを有する有機化合物を効率よく
製造できる方法を提供することにある。本発明のさらに
他の目的は、ニトロソ化合物又はそのダイマーを選択的
に且つ高い収率で製造できる方法を提供することにあ
る。また、本発明の他の目的は、オキシムを選択的に且
つ効率よく製造する方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するため鋭意検討した結果、特定構造の窒素原子
含有環状化合物の存在下で、ラジカルを生成可能な化合
物と、亜硝酸エステル又は亜硝酸塩とを反応させると、
窒素原子含有基、酸素原子含有基、炭素−炭素不飽和結
合含有基などを有する有機化合物が収率よく生成するこ
とを見出し、本発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明は、下記式(i)
【化5】 [式中、Xは酸素原子又は−OR基(Rは水素原子又は
ヒドロキシル基の保護基を示す)を示す]で表される骨
格を環の構成要素として含む窒素原子含有環状化合物の
存在下、(A)ラジカルを生成可能な化合物と、(B)
亜硝酸エステル又は亜硝酸塩とを反応させることを特徴
とする有機化合物の製造法を提供する。
【0009】前記窒素原子含有環状化合物には、下記式
(I)
【化6】 [式中、nは0又は1を示す。Xは酸素原子又は−OR
基(Rは水素原子又はヒドロキシル基の保護基を示す)
を示す]で表される環状イミド骨格を有する環状イミド
系化合物が含まれる。
【0010】また、前記窒素原子含有環状化合物には、
下記式(1)
【化7】 [式中、nは0又は1を示す。Xは酸素原子又は−OR
基(Rは水素原子又はヒドロキシル基の保護基を示す)
を示す。R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、同一又は
異なって、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリ
ール基、シクロアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキ
シ基、カルボキシル基、置換オキシカルボニル基、アシ
ル基又はアシルオキシ基を示し、R1、R2、R3、R4
5及びR6のうち少なくとも2つが互いに結合して、環
状イミド骨格を構成する炭素原子又は炭素−炭素結合と
共に、二重結合、又は芳香族性若しくは非芳香族性の環
を形成してもよい。前記R1、R2、R3、R4、R5
6、又はR1、R2、R3、R4、R5及びR6のうち少な
くとも2つが互いに結合して形成された二重結合又は芳
香族性若しくは非芳香族性の環には、下記式(a)
【化8】 (式中、n、Xは前記に同じ)で表されるN−置換環状
イミド基がさらに1又は2個以上形成されていてもよ
い]で表される化合物が含まれる。
【0011】ラジカルを生成可能な化合物(A)には、
(A1)芳香族性環又は不飽和結合の隣接位にメチル基又
はメチレン基を有する芳香族性化合物又は不飽和化合
物、(A2)メチレン基を環の構成単位として含む非芳香
族性環状化合物、又は(A3)メチン炭素原子を有する化
合物などが含まれる。
【0012】上記方法において、反応によりオキシム化
合物を生成させてもよい。
【0013】上記方法において、亜硝酸エステル又は亜
硝酸塩(B)を、反応系に逐次的又は連続的に供給して
反応させてもよく、ラジカルを生成可能な化合物(A)
と亜硝酸エステル又は亜硝酸塩(B)との反応によりニ
トロソ化合物又はそのダイマーを生成させてもよい。ま
た、本発明の方法は、ラジカルを生成可能な化合物
(A)と亜硝酸エステル又は亜硝酸塩(B)との反応に
よりニトロソ化合物又はそのダイマーを生成させる工程
と、生成したニトロソ化合物又はそのダイマーをオキシ
ム化合物に変換させる工程とを含んでいていもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】[窒素原子含有環状化合物]本発
明では、触媒として前記式(i)で表される骨格を環の
構成要素として含む窒素原子含有環状化合物を用いる。
【0015】式(i)において、窒素原子とXとの結合
は単結合又は二重結合である。前記窒素原子含有環状化
合物は、分子中に、式(i)で表される骨格を複数個有
していてもよい。また、この窒素原子含有環状化合物
は、前記Xが−OR基であり且つRがヒドロキシル基の
保護基である場合、式(i)で表される骨格のうちRを
除く部分が複数個、Rを介して結合していてもよい。
【0016】式(i)中、Rで示されるヒドロキシル基
の保護基としては、有機合成の分野で慣用のヒドロキシ
ル基の保護基を用いることができる。このような保護基
として、例えば、アルキル基(例えば、メチル、t−ブ
チル基などのC1-4アルキル基など)、アルケニル基
(例えば、アリル基など)、シクロアルキル基(例え
ば、シクロヘキシル基など)、アリール基(例えば、
2,4−ジニトロフェニル基など)、アラルキル基(例
えば、ベンジル、2,6−ジクロロベンジル、3−ブロ
モベンジル、2−ニトロベンジル、トリフェニルメチル
基など);置換メチル基(例えば、メトキシメチル、メ
チルチオメチル、ベンジルオキシメチル、t−ブトキシ
メチル、2−メトキシエトキシメチル、2,2,2−ト
リクロロエトキシメチル、ビス(2−クロロエトキシ)
メチル、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル基な
ど)、置換エチル基(例えば、1−エトキシエチル、1
−メチル−1−メトキシエチル、1−イソプロポキシエ
チル、2,2,2−トリクロロエチル、2−メトキシエ
チル基など)、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロ
フラニル基、1−ヒドロキシアルキル基(例えば、1−
ヒドロキシエチル、1−ヒドロキシヘキシル、1−ヒド
ロキシデシル、1−ヒドロキシヘキサデシル、1−ヒド
ロキシ−1−フェニルメチル基など)等のヒドロキシル
基とアセタール又はヘミアセタール基を形成可能な基な
ど;アシル基(例えば、ホルミル、アセチル、プロピオ
ニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、ピバロイ
ル、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタノイル、ノナ
ノイル、デカノイル、ラウロイル、ミリストイル、パル
ミトイル、ステアロイル基などのC1-20脂肪族アシル基
等の脂肪族飽和又は不飽和アシル基;アセトアセチル
基;シクロペンタンカルボニル、シクロヘキサンカルボ
ニル基などのシクロアルカンカルボニル基等の脂環式ア
シル基;ベンゾイル、ナフトイル基などの芳香族アシル
基など)、スルホニル基(メタンスルホニル、エタンス
ルホニル、トリフルオロメタンスルホニル、ベンゼンス
ルホニル、p−トルエンスルホニル、ナフタレンスルホ
ニル基など)、アルコキシカルボニル基(例えば、メト
キシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカ
ルボニル基などのC1-4アルコキシ−カルボニル基な
ど)、アラルキルオキシカルボニル基(例えば、ベンジ
ルオキシカルボニル基、p−メトキシベンジルオキシカ
ルボニル基など)、置換又は無置換カルバモイル基(例
えば、カルバモイル、メチルカルバモイル、フェニルカ
ルバモイル基など)、無機酸(硫酸、硝酸、リン酸、ホ
ウ酸など)からOH基を除した基、ジアルキルホスフィ
ノチオイル基(例えば、ジメチルホスフィノチオイル基
など)、ジアリールホスフィノチオイル基(例えば、ジ
フェニルホスフィノチオイル基など)、置換シリル基
(例えば、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリ
ル、トリベンジルシリル、トリフェニルシリル基など)
などが挙げられる。
【0017】また、Xが−OR基である場合において、
式(i)で表される骨格のうちRを除く部分(N−オキ
シ環状イミド骨格)が複数個、Rを介して結合する場
合、該Rとして、例えば、オキサリル、マロニル、スク
シニル、グルタリル、アジポイル、フタロイル、イソフ
タロイル、テレフタロイル基などのポリカルボン酸アシ
ル基;カルボニル基;メチレン、エチリデン、イソプロ
ピリデン、シクロペンチリデン、シクロヘキシリデン、
ベンジリデン基などの多価の炭化水素基(特に、2つの
ヒドロキシル基とアセタール結合を形成する基)などが
挙げられる。
【0018】好ましいRには、例えば、水素原子;ヒド
ロキシル基とアセタール又はヘミアセタール基を形成可
能な基;カルボン酸、スルホン酸、炭酸、カルバミン
酸、硫酸、リン酸、ホウ酸などの酸からOH基を除した
基(アシル基、スルホニル基、アルコキシカルボニル
基、カルバモイル基等)などの加水分解により脱離可能
な加水分解性保護基などが含まれる。
【0019】前記窒素原子含有環状化合物には、例え
ば、式(I)で表されるN−置換環状イミド骨格を有す
る環状イミド系化合物が含まれる。前記環状イミド系化
合物は、分子中に、式(I)で表されるN−置換環状イ
ミド骨格を複数個有していてもよい。また、この環状イ
ミド系化合物は、前記Xが−OR基であり且つRがヒド
ロキシル基の保護基である場合、N−置換環状イミド骨
格のうちRを除く部分(N−オキシ環状イミド骨格)が
複数個、Rを介して結合していてもよい。
【0020】式(I)において、nは0又は1を示す。
すなわち、式(I)は、nが0の場合は5員のN−置換
環状イミド骨格を表し、nが1の場合は6員のN−置換
環状イミド骨格を表す。
【0021】前記環状イミド系化合物の代表的な例とし
て、前記式(1)で表されるイミド化合物が挙げられ
る。このイミド化合物において、置換基R1、R2
3、R4、R5及びR6のうちハロゲン原子には、ヨウ
素、臭素、塩素およびフッ素原子が含まれる。アルキル
基には、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロ
ピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、
ヘキシル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデ
シル基などの炭素数1〜30程度(特に、炭素数1〜2
0程度)の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基が含まれる。
【0022】アリール基には、フェニル、トリル、キシ
リル、ナフチル基などが含まれ、シクロアルキル基に
は、シクロペンチル、シクロヘキシル基などが含まれ
る。アルコキシ基には、例えば、メトキシ、エトキシ、
イソプロポキシ、ブトキシ、t−ブトキシ、ヘキシルオ
キシ、オクチルオキシ、デシルオキシ、ドデシルオキ
シ、テトラデシルオキシ、オクタデシルオキシ基などの
炭素数1〜30程度(特に、炭素数1〜20程度)のア
ルコキシ基が含まれる。
【0023】置換オキシカルボニル基には、例えば、メ
トキシカルボニル、エトキシカルボニル、イソプロポキ
シカルボニル、ブトキシカルボニル、t−ブトキシカル
ボニル、ヘキシルオキシカルボニル、デシルオキシカル
ボニル、ヘキサデシルオキシカルボニル基などのC1-30
アルコキシ−カルボニル基(特に、C1-20アルコキシ−
カルボニル基);シクロペンチルオキシカルボニル、シ
クロヘキシルオキシカルボニル基などのシクロアルキル
オキシカルボニル基(特に、3〜20員シクロアルキル
オキシカルボニル基);フェニルオキシカルボニル、ナ
フチルオキシカルボニル基などのアリールオキシカルボ
ニル基(特に、C6-20アリールオキシ−カルボニル
基);ベンジルオキシカルボニル基などのアラルキルオ
キシカルボニル基(特に、C7-21アラルキルオキシ−カ
ルボニル基)などが挙げられる。
【0024】アシル基としては、例えば、ホルミル、ア
セチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレ
リル、ピバロイル、ヘキサノイル、オクタノイル、デカ
ノイル、ラウロイル、ミリストイル、パルミトイル、ス
テアロイル基などのC1-30脂肪族アシル基(特に、C
1-20脂肪族アシル基)等の脂肪族飽和又は不飽和アシル
基;アセトアセチル基;シクロペンタンカルボニル、シ
クロヘキサンカルボニル基などのシクロアルカンカルボ
ニル基等の脂環式アシル基;ベンゾイル、ナフトイル基
などの芳香族アシル基などが例示できる。
【0025】アシルオキシ基としては、例えば、ホルミ
ルオキシ、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチ
リルオキシ、イソブチリルオキシ、バレリルオキシ、ピ
バロイルオキシ、ヘキサノイルオキシ、オクタノイルオ
キシ、デカノイルオキシ、ラウロイルオキシ、ミリスト
イルオキシ、パルミトイルオキシ、ステアロイルオキシ
基などのC1-30脂肪族アシルオキシ基(特に、C1-20
肪族アシルオキシ基)等の脂肪族飽和又は不飽和アシル
オキシ基;アセトアセチルオキシ基;シクロペンタンカ
ルボニルオキシ、シクロヘキサンカルボニルオキシ基な
どのシクロアルカンカルボニルオキシ基等の脂環式アシ
ルオキシ基;ベンゾイルオキシ、ナフトイルオキシ基な
どの芳香族アシルオキシ基などが例示できる。
【0026】前記置換基R1、R2、R3、R4、R5及び
6は、同一又は異なっていてもよい。また、前記式
(1)において、R1、R2、R3、R4、R5及びR6のう
ち少なくとも2つが互いに結合して、環状イミド骨格を
構成する炭素原子又は炭素−炭素結合と共に、二重結
合、または芳香族性又は非芳香属性の環を形成してもよ
い。好ましい芳香族性又は非芳香族性環は5〜12員
環、特に6〜10員環程度であり、複素環又は縮合複素
環であってもよいが、炭化水素環である場合が多い。こ
のような環には、例えば、非芳香族性脂環式環(シクロ
ヘキサン環などの置換基を有していてもよいシクロアル
カン環、シクロヘキセン環などの置換基を有していても
よいシクロアルケン環など)、非芳香族性橋かけ環(5
−ノルボルネン環などの置換基を有していてもよい橋か
け式炭化水素環など)、ベンゼン環、ナフタレン環など
の置換基を有していてもよい芳香族環(縮合環を含む)
が含まれる。前記環は、芳香族環で構成される場合が多
い。前記環は、アルキル基、ハロアルキル基、ヒドロキ
シル基、アルコキシ基、カルボキシル基、置換オキシカ
ルボニル基、アシル基、アシルオキシ基、ニトロ基、シ
アノ基、アミノ基、ハロゲン原子などの置換基を有して
いてもよい。
【0027】前記R1、R2、R3、R4、R5、R6、又は
1、R2、R3、R4、R5及びR6のうち少なくとも2つ
が互いに結合して形成された二重結合又は芳香族性若し
くは非芳香族性の環には、前記式(a)で表されるN−
置換環状イミド基がさらに1又は2個以上形成されてい
てもよい。例えば、R1、R2、R3、R4、R5又はR6
炭素数2以上のアルキル基である場合、このアルキル基
を構成する隣接する2つの炭素原子を含んで前記N−置
換環状イミド基が形成されていてもよい。また、R1
2、R3、R4、R5及びR6のうち少なくとも2つが互
いに結合して、環状イミド骨格を構成する炭素−炭素結
合と共に二重結合を形成する場合、該二重結合を含んで
前記N−置換環状イミド基が形成されていてもよい。さ
らに、R1、R2、R3、R4、R5及びR6のうち少なくと
も2つが互いに結合して、環状イミド骨格を構成する炭
素原子又は炭素−炭素結合と共に、芳香族性若しくは非
芳香族性の環を形成する場合、該環を構成する隣接する
2つの炭素原子を含んで前記N−置換環状イミド基が形
成されていてもよい。
【0028】好ましいイミド化合物には、下記式で表さ
れる化合物が含まれる。
【化9】 (式中、R11〜R16は、同一又は異なって、水素原子、
ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シクロアルキ
ル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル
基、置換オキシカルボニル基、アシル基又はアシルオキ
シ基を示す。R17〜R26は、同一又は異なって、水素原
子、アルキル基、ハロアルキル基、ヒドロキシル基、ア
ルコキシ基、カルボキシル基、置換オキシカルボニル
基、アシル基、アシルオキシ基、ニトロ基、シアノ基、
アミノ基、ハロゲン原子を示す。R17〜R26は、隣接す
る基同士が結合して、式(1c)、(1d)、(1e)、(1
f)、(1h)又は(1i)中に示される5員又は6員のN
−置換環状イミド骨格を形成していてもよい。式(1f)
中、Aはメチレン基又は酸素原子を示す。Xは前記に同
じ)
【0029】置換基R11〜R16におけるハロゲン原子、
アルキル基、アリール基、シクロアルキル基、ヒドロキ
シル基、アルコキシ基、カルボキシル基、置換オキシカ
ルボニル基、アシル基、アシルオキシ基としては、前記
1〜R6における対応する基と同様のものが例示され
る。
【0030】置換基R17〜R26において、アルキル基に
は、前記例示のアルキル基と同様のアルキル基、特に炭
素数1〜6程度のアルキル基が含まれ、ハロアルキル基
には、トリフルオロメチル基などの炭素数1〜4程度の
ハロアルキル基、アルコキシ基には、前記と同様のアル
コキシ基、特に炭素数1〜4程度の低級アルコキシ基、
置換オキシカルボニル基には、前記と同様の置換オキシ
カルボニル基(アルコキシカルボニル基、シクロアルキ
ルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、
アラルキルオキシカルボニル基など)が含まれる。ま
た、アシル基としては前記と同様のアシル基(脂肪族飽
和又は不飽和アシル基、アセトアセチル基、脂環式アシ
ル基、芳香族アシル基等)などが例示され、アシルオキ
シ基としては前記と同様のアシルオキシ基(脂肪族飽和
又は不飽和アシルオキシ基、アセトアセチルオキシ基、
脂環式アシルオキシ基、芳香族アシルオキシ基等)など
が例示される。ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、
臭素原子が例示できる。置換基R17〜R26は、通常、水
素原子、炭素数1〜4程度の低級アルキル基、カルボキ
シル基、置換オキシカルボニル基、ニトロ基、ハロゲン
原子である場合が多い。
【0031】好ましいイミド化合物のうち5員のN−置
換環状イミド骨格を有する化合物の代表的な例として、
例えば、N−ヒドロキシコハク酸イミド、N−ヒドロキ
シ−α−メチルコハク酸イミド、N−ヒドロキシ−α,
α−ジメチルコハク酸イミド、N−ヒドロキシ−α,β
−ジメチルコハク酸イミド、N−ヒドロキシ−α,α,
β,β−テトラメチルコハク酸イミド、N−ヒドロキシ
マレイン酸イミド、N−ヒドロキシヘキサヒドロフタル
酸イミド、N,N′−ジヒドロキシシクロヘキサンテト
ラカルボン酸ジイミド、N−ヒドロキシフタル酸イミ
ド、N−ヒドロキシテトラブロモフタル酸イミド、N−
ヒドロキシテトラクロロフタル酸イミド、N−ヒドロキ
シヘット酸イミド、N−ヒドロキシハイミック酸イミ
ド、N−ヒドロキシトリメリット酸イミド、N,N′−
ジヒドロキシピロメリット酸ジイミド、N,N′−ジヒ
ドロキシナフタレンテトラカルボン酸ジイミド、α,β
−ジアセトキシ−N−ヒドロキシコハク酸イミド、N−
ヒドロキシ−α,β−ビス(プロピオニルオキシ)コハ
ク酸イミド、N−ヒドロキシ−α,β−ビス(バレリル
オキシ)コハク酸イミド、N−ヒドロキシ−α,β−ビ
ス(ラウロイルオキシ)コハク酸イミド、α,β−ビス
(ベンゾイルオキシ)−N−ヒドロキシコハク酸イミ
ド、N−ヒドロキシ−4−メトキシカルボニルフタル酸
イミド、4−クロロ−N−ヒドロキシフタル酸イミド、
4−エトキシカルボニル−N−ヒドロキシフタル酸イミ
ド、N−ヒドロキシ−4−ペンチルオキシカルボニルフ
タル酸イミド、4−ドデシルオキシ−N−ヒドロキシカ
ルボニルフタル酸イミド、N−ヒドロキシ−4−フェノ
キシカルボニルフタル酸イミド、N−ヒドロキシ−4,
5−ビス(メトキシカルボニル)フタル酸イミド、4,
5−ビス(エトキシカルボニル)−N−ヒドロキシフタ
ル酸イミド、N−ヒドロキシ−4,5−ビス(ペンチル
オキシカルボニル)フタル酸イミド、4,5−ビス(ド
デシルオキシカルボニル)−N−ヒドロキシフタル酸イ
ミド、N−ヒドロキシ−4,5−ビス(フェノキシカル
ボニル)フタル酸イミドなどの式(1)におけるXが−
OR基で且つRが水素原子である化合物;これらの化合
物に対応する、Rがアセチル基、プロピオニル基、ベン
ゾイル基等のアシル基である化合物;N−メトキシメチ
ルオキシフタル酸イミド、N−(2−メトキシエトキシ
メチルオキシ)フタル酸イミド、N−テトラヒドロピラ
ニルオキシフタル酸イミドなどの式(1)におけるXが
−OR基で且つRがヒドロキシル基とアセタール又はヘ
ミアセタール結合を形成可能な基である化合物;N−メ
タンスルホニルオキシフタル酸イミド、N−(p−トル
エンスルホニルオキシ)フタル酸イミドなどの式(1)
におけるXが−OR基で且つRがスルホニル基である化
合物;N−ヒドロキシフタル酸イミドの硫酸エステル、
硝酸エステル、リン酸エステル又はホウ酸エステルなど
の式(1)におけるXが−OR基で且つRが無機酸から
OH基を除した基である化合物などが挙げられる。
【0032】好ましいイミド化合物のうち6員のN−置
換環状イミド骨格を有する化合物の代表的な例として、
例えば、N−ヒドロキシグルタルイミド、N−ヒドロキ
シ−α,α−ジメチルグルタルイミド、N−ヒドロキシ
−β,β−ジメチルグルタルイミド、N−ヒドロキシ−
1,8−デカリンジカルボン酸イミド、N,N′−ジヒ
ドロキシ−1,8;4,5−デカリンテトラカルボン酸
ジイミド、N−ヒドロキシ−1,8−ナフタレンジカル
ボン酸イミド(N−ヒドロキシナフタル酸イミド)、
N,N′−ジヒドロキシ−1,8;4,5−ナフタレン
テトラカルボン酸ジイミドなどの式(1)におけるXが
−OR基で且つRが水素原子である化合物;これらの化
合物に対応する、Rがアセチル基、プロピオニル基、ベ
ンゾイル基等のアシル基である化合物;N−メトキシメ
チルオキシ−1,8−ナフタレンジカルボン酸イミド、
N,N′−ビス(メトキシメチルオキシ)−1,8;
4,5−ナフタレンテトラカルボン酸ジイミドなどの式
(1)におけるXが−OR基で且つRがヒドロキシル基
とアセタール又はヘミアセタール結合を形成可能な基で
ある化合物;N−メタンスルホニルオキシ−1,8−ナ
フタレンジカルボン酸イミド、N,N′−ビス(メタン
スルホニルオキシ)−1,8;4,5−ナフタレンテト
ラカルボン酸ジイミドなどの式(1)におけるXが−O
R基で且つRがスルホニル基である化合物;N−ヒドロ
キシ−1,8−ナフタレンジカルボン酸イミド又はN,
N′−ジヒドロキシ−1,8;4,5−ナフタレンテト
ラカルボン酸ジイミドの硫酸エステル、硝酸エステル、
リン酸エステル又はホウ酸エステルなどの式(1)にお
けるXが−OR基で且つRが無機酸からOH基を除した
基である化合物などが挙げられる。
【0033】前記窒素原子含有環状化合物には、上記環
状イミド系化合物の他に、例えば、下記式(II)
【化10】 (式中、Gは炭素原子又は窒素原子を示す。nは1又は
2を示し、nが2のとき、2つのGは同一でもよく異な
っていてもよい。Rは前記に同じ)で表される環状アシ
ルウレア骨格[−C(=O)−N−C(=O)−N−]
を有する環状アシルウレア系化合物が含まれる。前記環
状アシルウレア系化合物は、分子中に、式(II)で表さ
れる環状アシルウレア骨格を複数個有していてもよい。
また、この環状アシルウレア系化合物は、式(II)で表
される環状アシルウレア骨格のうちRを除く部分(N−
オキシ環状アシルウレア骨格)が複数個、Rを介して結
合していてもよい。前記環状アシルウレア骨格を構成す
る原子G、及び該Gに結合している窒素原子は各種置換
基を有していてもよく、また、前記環状アシルウレア骨
格には非芳香族性又は芳香族性環が縮合していてもよ
い。さらに、前記環状アシルウレア骨格は環に二重結合
を有していてもよい。
【0034】式(II)で表される環状アシルウレア骨格
には、下記の式(IIa)で表される3−ヒドロキシ(又
は3−置換オキシ)ヒダントイン骨格、式(IIb)で表
される4−ヒドロキシ(又は4−置換オキシ)−1,
2,4−トリアゾリジン−3,5−ジオン骨格[4−ヒ
ドロキシ(又は4−置換オキシ)−1,2,4−トリア
ゾリン−3,5−ジオン骨格を含む]、式(IIc)で表
されるヒドロ−3−ヒドロキシ(又は3−置換オキシ)
−1,3−ジアジン−2,4−ジオン骨格[ヘキサヒド
ロ−1−ヒドロキシ(又は1−置換オキシ)−1,3−
ジアジン−2,4,6−トリオン骨格、ヘキサヒドロ−
1,3−ジヒドロキシ(又は1,3−ビス置換オキシ)
−1,3−ジアジン−2,4,6−トリオン骨格、3−
ヒドロキシ(又は3−置換オキシ)ウラシル骨格を含
む]、式(IId)で表されるヒドロ−4−ヒドロキシ
(又は4−置換オキシ)−1,2,4−トリアジン−
3,5−ジオン骨格、式(IIe)で表されるヒドロ−1
−ヒドロキシ(又は1−置換オキシ)−1,3,5−ト
リアジン−2,6−ジオン骨格、及び式(IIf)で表さ
れるヒドロ−5−ヒドロキシ(又は5−置換オキシ)−
1,2,3,5−テトラジン−4,6−ジオン骨格が含
まれる。
【化11】 (式中、Rは前記に同じ)
【0035】前記環状アシルウレア系化合物の代表的な
例として、下記式(2)
【化12】 (式中、Ra、Rdは、同一又は異なって、水素原子、ア
ルキル基、アリール基、シクロアルキル基、保護基で保
護されていてもよいヒドロキシル基、保護基で保護され
ていてもよいカルボキシル基、又はアシル基を示し、R
b、Rcは、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原
子、アルキル基、アリール基、シクロアルキル基、ヒド
ロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル基、置換オキ
シカルボニル基、アシル基又はアシルオキシ基を示す。
a、Rb、Rc、Rdのうち少なくとも2つが互いに結合
して、式中の環を構成する原子とともに二重結合、又は
芳香族性若しくは非芳香族性の環を形成してもよく、R
bとRcは一体となってオキソ基を形成してもよい。Rは
前記に同じ)で表されるヒドロ−1−ヒドロキシ(又は
1−置換オキシ)−1,3,5−トリアジン−2,6−
ジオン化合物が挙げられる。
【0036】式(2)中、Ra、Rdにおけるアルキル
基、アリール基、シクロアルキル基、アシル基として
は、上記R1〜R6におけるアルキル基等と同様のものが
例示される。ヒドロキシル基の保護基としては、前記の
ものが挙げられる。
【0037】カルボキシル基の保護基としては、有機合
成の分野で慣用の保護基、例えば、アルコキシ基(例え
ば、メトキシ、エトキシ、ブトキシなどのC1-6アルコ
キシ基など)、シクロアルキルオキシ基、アリールオキ
シ基(例えば、フェノキシ基など)アラルキルオキシ基
(例えば、ベンジルオキシ基など)、トリアルキルシリ
ルオキシ基(例えば、トリメチルシリルオキシ基な
ど)、置換基を有していてもよいアミノ基(例えば、ア
ミノ基;メチルアミノ基、ジメチルアミノ基などのモノ
又はジC1-6アルキルアミノ基など)などが挙げられ
る。
【0038】Rb、Rcにおけるハロゲン原子、アルキル
基、アリール基、シクロアルキル基、ヒドロキシル基、
アルコキシ基、カルボキシル基、置換オキシカルボニル
基、アシル基、アシルオキシ基としては、上記R1〜R6
におけるアルキル基等と同様のものが例示される。
【0039】式(2)において、Ra、Rb、Rc、Rd
うち少なくとも2つが互いに結合して、式中に示される
環を構成する原子(炭素原子及び/又は窒素原子)とと
もに二重結合、又は芳香族性若しくは非芳香族性の環を
形成してもよく、Rb、Rcは一体となってオキソ基を形
成してもよい。好ましい芳香族性又は非芳香族性環とし
ては前記と同様のものが例示される。
【0040】好ましい環状アシルウレア系化合物の代表
的な例として、例えば、3−ヒドロキシヒダントイン、
1,3−ジヒドロキシヒダントイン、3−ヒドロキシ−
1−メチルヒダントイン、3−アセトキシヒダントイ
ン、1,3−ジアセトキシヒダントイン、3−アセトキ
シ−1−メチルヒダントイン、3−ベンゾイルオキシヒ
ダントイン、1,3−ビス(ベンゾイルオキシ)ヒダン
トイン、3−ベンゾイルオキシ−1−メチルヒダントイ
ンなどの式(IIa)で表される骨格を有する化合物;4
−ヒドロキシ−1,2,4−トリアゾリジン−3,5−
ジオン、4−ヒドロキシ−1,2−ジメチル−1,2,
4−トリアゾリジン−3,5−ジオン、4−アセトキシ
−1,2,4−トリアゾリジン−3,5−ジオン、4−
アセトキシ−1,2−ジメチル−1,2,4−トリアゾ
リジン−3,5−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−1,
2,4−トリアゾリジン−3,5−ジオン、4−ベンゾ
イルオキシ−1,2−ジメチル−1,2,4−トリアゾ
リジン−3,5−ジオン、4−ヒドロキシ−1,2,4
−トリアゾリン−3,5−ジオン、4−アセトキシ−
1,2,4−トリアゾリン−3,5−ジオン、4−ベン
ゾイルオキシ−1,2,4−トリアゾリン−3,5−ジ
オンなどの式(IIb)で表される骨格を有する化合物;
ヘキサヒドロ−3−ヒドロキシ−1,3−ジアジン−
2,4−ジオン、ヘキサヒドロ−1,3−ジヒドロキシ
−1,3−ジアジン−2,4−ジオン、ヘキサヒドロ−
3−ヒドロキシ−1−メチル−1,3−ジアジン−2,
4−ジオン、3−アセトキシ−ヘキサヒドロ−1,3−
ジアジン−2,4−ジオン、1,3−ジアセトキシ−ヘ
キサヒドロ−1,3−ジアジン−2,4−ジオン、3−
アセトキシ−ヘキサヒドロ−1−メチル−1,3−ジア
ジン−2,4−ジオン、3−ベンゾイルオキシ−ヘキサ
ヒドロ−1,3−ジアジン−2,4−ジオン、1,3−
ビス(ベンゾイルオキシ)−ヘキサヒドロ−1,3−ジ
アジン−2,4−ジオン、3−ベンゾイルオキシ−ヘキ
サヒドロ−1−メチル−1,3−ジアジン−2,4−ジ
オン、ヘキサヒドロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジアジ
ン−2,4,6−トリオン、1−アセトキシ−ヘキサヒ
ドロ−1,3−ジアジン−2,4,6−トリオン、1−
ベンゾイルオキシ−ヘキサヒドロ−1,3−ジアジン−
2,4,6−トリオン、ヘキサヒドロ−1,3−ジヒド
ロキシ−1,3−ジアジン−2,4,6−トリオン、
1,3−ジアセトキシ−ヘキサヒドロ−1,3−ジアジ
ン−2,4,6−トリオン、1,3−ビス(ベンゾイル
オキシ)−ヘキサヒドロ−1,3−ジアジン−2,4,
6−トリオン、3−ヒドロキシウラシル、3−アセトキ
シウラシル、3−ベンゾイルウラシルなどの式(IIc)
で表される骨格を有する化合物;ヘキサヒドロ−4−ヒ
ドロキシ−1,2,4−トリアジン−3,5−ジオン、
ヘキサヒドロ−4−ヒドロキシ−1,2−ジメチル−
1,2,4−トリアジン−3,5−ジオン、4−アセト
キシ−ヘキサヒドロ−1,2,4−トリアジン−3,5
−ジオン、4−アセトキシ−ヘキサヒドロ−1,2−ジ
メチル−1,2,4−トリアジン−3,5−ジオン、4
−ベンゾイルオキシ−ヘキサヒドロ−1,2,4−トリ
アジン−3,5−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−ヘキ
サヒドロ−1,2−ジメチル−1,2,4−トリアジン
−3,5−ジオンなどの式(IId)で表される骨格を有
する化合物;ヘキサヒドロ−1,3,5−トリヒドロキ
シ−1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリオン、
1,3,5−トリアセトキシ−ヘキサヒドロ−1,3,
5−トリアジン−2,4,6−トリオン、1,3,5−
トリス(ベンゾイルオキシ)−ヘキサヒドロ−1,3,
5−トリアジン−2,4,6−トリオン、ヘキサヒドロ
−1,3,5−トリス(メトキシメチルオキシ)−1,
3,5−トリアジン−2,4,6−トリオン、ヘキサヒ
ドロ−1−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジン−2,
6−ジオン、ヘキサヒドロ−1−ヒドロキシ−3,5−
ジメチル−1,3,5−トリアジン−2,6−ジオン、
1−アセトキシ−ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジ
ン−2,6−ジオン、1−アセトキシ−ヘキサヒドロ−
3,5−ジメチル−1,3,5−トリアジン−2,6−
ジオン、1−ベンゾイルオキシ−ヘキサヒドロ−1,
3,5−トリアジン−2,6−ジオン、1−ベンゾイル
オキシ−ヘキサヒドロ−3,5−ジメチル−1,3,5
−トリアジン−2,6−ジオンなどの式(IIe)で表さ
れる骨格を有する化合物[例えば、式(2)で表される
化合物];ヘキサヒドロ−5−ヒドロキシ−1,2,
3,5−テトラジン−4,6−ジオン、ヘキサヒドロ−
5−ヒドロキシ−1,2,3−トリメチル−1,2,
3,5−テトラジン−4,6−ジオン、5−アセトキシ
−ヘキサヒドロ−1,2,3,5−テトラジン−4,6
−ジオン、5−アセトキシ−ヘキサヒドロ−1,2,3
−トリメチル−1,2,3,5−テトラジン−4,6−
ジオン、5−ベンゾイルオキシ−ヘキサヒドロ−1,
2,3,5−テトラジン−4,6−ジオン、5−ベンゾ
イルオキシ−ヘキサヒドロ−1,2,3−トリメチル−
1,2,3,5−テトラジン−4,6−ジオンなどの式
(IIf)で表される骨格を有する化合物が挙げられる。
【0041】前記窒素原子含有環状化合物のうち、Xが
−OR基で且つRが水素原子である化合物(N−ヒドロ
キシ環状化合物)は、公知の方法に準じて、又は公知の
方法の組み合わせにより製造することができる。また、
前記窒素原子含有環状化合物のうち、Xが−OR基で且
つRがヒドロキシル基の保護基である化合物は、対応す
るRが水素原子である化合物(N−ヒドロキシ環状化合
物)に、慣用の保護基導入反応を利用して、所望の保護
基を導入することにより調製することができる。
【0042】具体的には、前記環状イミド系化合物のう
ち、Xが−OR基で且つRが水素原子である化合物(N
−ヒドロキシ環状イミド化合物)は、慣用のイミド化反
応、例えば、対応する酸無水物とヒドロキシルアミンと
を反応させ、酸無水物基の開環及び閉環を経てイミド化
する方法により得ることができる。例えば、N−アセト
キシフタル酸イミドは、N−ヒドロキシフタル酸イミド
に無水酢酸を反応させたり、塩基の存在下でアセチルハ
ライドを反応させることにより得ることができる。ま
た、これ以外の方法で製造することも可能である。
【0043】特に好ましいイミド化合物は、脂肪族多価
カルボン酸無水物(環状無水物)又は芳香族多価カルボ
ン酸無水物(環状無水物)から誘導されるN−ヒドロキ
シイミド化合物(例えば、N−ヒドロキシコハク酸イミ
ド、N−ヒドロキシフタル酸イミド、N,N′−ジヒド
ロキシピロメリット酸ジイミド、N−ヒドロキシグルタ
ルイミド、N−ヒドロキシ−1,8−ナフタレンジカル
ボン酸イミド、N,N′−ジヒドロキシ−1,8;4,
5−ナフタレンテトラカルボン酸ジイミドなど);及び
該N−ヒドロキシイミド化合物のヒドロキシル基に保護
基を導入することにより得られる化合物などが含まれ
る。
【0044】前記環状アシルウレア系化合物のうち、例
えば、1,3,5−トリアセトキシ−ヘキサヒドロ−
1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリオン(=
1,3,5−トリアセトキシイソシアヌル酸)は、ヘキ
サヒドロ−1,3,5−トリヒドロキシ−1,3,5−
トリアジン−2,4,6−トリオン(=1,3,5−ト
リヒドロキシイソシアヌル酸)に無水酢酸を反応させた
り、塩基の存在下でアセチルハライドを反応させること
により得ることができる。
【0045】特に、本発明の方法において、脂溶性の窒
素原子含有環状化合物を触媒として用いた場合には、反
応を無溶媒下や低極性溶媒中で行っても、触媒の溶解性
が高いため、触媒が有効に作用し、反応が速やかに進行
して生産性が向上するとともに、目的生成物の分離、精
製操作が容易となる点で好ましい。
【0046】脂溶性窒素原子含有環状化合物として、例
えば、式(1)で表されるイミド化合物におけるXが−
OR基で且つRが水素原子であって、R1〜R6、及びR
1〜R6のうち少なくとも2つが互いに結合して、環状イ
ミド骨格を構成する炭素原子又は炭素−炭素結合と共に
形成された二重結合又は芳香族性若しくは非芳香族性の
環が有する置換基のうち少なくとも1つが、C5-30アシ
ルオキシ基又はC5- 30置換オキシカルボニル基である化
合物などが挙げられる。その代表的な例としては、例え
ば、式(1a)におけるR11及びR16がアシルオキシ基
(好ましくは、C5-30脂肪族アシルオキシ基、脂環式ア
シルオキシ基又は芳香族アシルオキシ基、さらに好まし
くは、C6-20脂肪族アシルオキシ基、シクロヘキサンカ
ルボニル基又はベンゾイルオキシ基)である化合物(R
12=R15=H);式(1c)におけるR18が置換オキシカ
ルボニル基(好ましくは、C5-30アルコキシ−カルボニ
ル基、シクロアルキルオキシカルボニル基又はアリール
オキシカルボニル基、さらに好ましくは、C6-20アルコ
キシ−カルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル
基又はフェノキシカルボニル基)である化合物(R17
19=R20=H);式(1c)におけるR18及びR19が置
換オキシカルボニル基(好ましくは、C5-30アルコキシ
−カルボニル基、シクロアルキルオキシカルボニル基又
はアリールオキシカルボニル基、さらに好ましくは、C
6-20アルコキシ−カルボニル基、シクロヘキシルオキシ
カルボニル基又はフェノキシカルボニル基)である化合
物(R 17=R20=H)である化合物などが挙げられる。
このような脂溶性イミド化合物の具体例としては、例え
ばヨーロッパ特許公開公報EP1238704A2にF
edorsの方法による溶解度パラメーターが26
[(MPa)1/2]以下である環状イミド系化合物とし
て記載されているものなどが挙げられる。また、脂溶性
の窒素原子含有環状化合物には、式(II)で表される環
状アシルウレア系化合物におけるRが水素原子であっ
て、Rb、Rc、及びRa〜Rdのうち少なくとも2つが互
いに結合して、環状アシルウレア骨格を構成する炭素原
子、窒素原子又は炭素−炭素(窒素)結合と共に形成さ
れた二重結合又は芳香族性若しくは非芳香族性の環が有
する置換基のうち少なくとも1つが、C5-30アシルオキ
シ基又はC 5-30置換オキシカルボニル基である化合物な
どが含まれる。
【0047】式(i)で表される骨格を環の構成要素に
含む窒素原子含有環状化合物は、反応において、単独で
又は2種以上組み合わせて使用できる。例えば、式
(I)で表される環状イミド骨格を有する環状イミド系
化合物と、式(II)で表される環状アシルウレア骨格を
有する環状アシルウレア系化合物などとを併用すること
もできる。前記窒素原子含有環状化合物は反応系内で生
成させてもよい。
【0048】前記窒素原子含有環状化合物の使用量は、
広い範囲で選択でき、例えば、基質[ラジカルを生成可
能な化合物(A)]1モルに対して0.0000001
〜1モル、好ましくは0.000001〜0.5モル、
さらに好ましくは0.00001〜0.4モル程度であ
り、0.0001〜0.35モル程度である場合が多
い。
【0049】[助触媒等]なお、本発明では、必要に応
じて、窒素原子含有環状化合物触媒とともに助触媒を用
いることもできる。助触媒として、例えば、バナジウム
化合物、マンガン化合物、コバルト化合物、周期表1族
又は2族の金属元素化合物等の金属化合物;有機オニウ
ム塩などが挙げられる。また、このほか、例えば特開平
9−327626号公報にイミド化合物触媒の助触媒と
して記載されているものなどを使用できる。これらの助
触媒は単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。ま
た、系内にラジカル開始剤やラジカル反応促進剤、酸化
剤など初期活性化剤を添加してもよい。
【0050】[ラジカルを生成可能な化合物(A)]ラ
ジカルを生成可能な化合物(A)としては、安定なラジ
カルを生成しうる化合物であれば特に限定されないが、
その代表的な例として、(A1)芳香族性環又は不飽和結
合の隣接位にメチル基又はメチレン基を有する芳香族性
化合物又は不飽和化合物、(A2)メチレン基を環の構成
単位として含む非芳香族性環状化合物、又は(A3)メチ
ン炭素原子を有する化合物などのラジカルを生成可能な
炭化水素部位を有する化合物が挙げられる。
【0051】これらの化合物は、反応を阻害しない範囲
で種々の置換基を有していてもよい。該置換基として、
例えば、アルキル基(メチル、エチル、イソプロピル、
t−ブチル基などのC1-4アルキル基等)、アルケニル
基(ビニル、アリル基などのC1-4アルケニル基等)、
アルキニル基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基
(フェニル基、ナフチル基等)、アシル基、複素環式
基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、メルカプト基、置
換オキシ基(例えば、メトキシ基等のC1-4アルコキシ
基などのアルコキシ基、フェノキシ基などのアリールオ
キシ基、アセチルオキシ基などのアシルオキシ基等)、
置換チオ基、カルボキシル基、置換オキシカルボニル基
(メトキシカルボニル、エトキシカルボニル基などのC
1-4アルコキシ−カルボニル基などのアルコキシカルボ
ニル基等)、置換又は無置換カルバモイル基、シアノ
基、ニトロ基、置換又は無置換アミノ基(アミノ基、
N,N−ジメチルアミノ基などのN,N−ジC1-4アル
キルアミノ基等)、スルホ基、これらが複数個結合した
基などが挙げられる。
【0052】芳香族性環又は不飽和結合の隣接位にメチ
ル基又はメチレン基を有する芳香族性化合物又は不飽和
化合物(A1)には、(A1-1)芳香族性環の隣接位(いわ
ゆるベンジル位)にメチル基又はメチレン基を有する芳
香族性化合物、(A1-2)不飽和結合(例えば、炭素−炭
素不飽和結合、炭素−酸素二重結合など)の隣接位にメ
チル基又はメチレン基を有する非芳香族性化合物が含ま
れる。
【0053】前記芳香族性化合物(A1-1)において、芳
香族性環は、芳香族炭化水素環、芳香族性複素環の何れ
であってもよい。芳香族炭化水素環には、ベンゼン環、
縮合炭素環(例えば、ナフタレン、アズレン、インダセ
ン、アントラセン、フェナントレン、トリフェニレン、
ピレンなどの2〜10個の4〜7員炭素環が縮合した縮
合炭素環など)などが含まれる。芳香族性複素環として
は、例えば、ヘテロ原子として酸素原子を含む複素環
(例えば、フラン、オキサゾール、イソオキサゾールな
どの5員環、4−オキソ−4H−ピランなどの6員環、
ベンゾフラン、イソベンゾフラン、4−オキソ−4H−
クロメンなどの縮合環など)、ヘテロ原子としてイオウ
原子を含む複素環(例えば、チオフェン、チアゾール、
イソチアゾール、チアジアゾールなどの5員環、4−オ
キソ−4H−チオピランなどの6員環、ベンゾチオフェ
ンなどの縮合環など)、ヘテロ原子として窒素原子を含
む複素環(例えば、ピロール、ピラゾール、イミダゾー
ル、トリアゾールなどの5員環、ピリジン、ピリダジ
ン、ピリミジン、ピラジンなどの6員環、インドール、
キノリン、アクリジン、ナフチリジン、キナゾリン、プ
リンなどの縮合環など)などが挙げられる。
【0054】なお、芳香族性環の隣接位のメチレン基
は、前記芳香族性環に縮合した非芳香族性環を構成する
メチレン基であってもよい。また、前記(A1-1)におい
て、芳香族性環と隣接する位置にメチル基とメチレン基
の両方の基が存在していてもよい。
【0055】芳香族性環の隣接位にメチル基を有する芳
香族化合物としては、例えば、芳香環に1〜6個程度の
メチル基が置換した芳香族炭化水素類(例えば、トルエ
ン、キシレン、1−エチル−4−メチルベンゼン、1−
エチル−3−メチルベンゼン、1−t−ブチル−4−メ
チルベンゼン、1−メトキシ−4−メチルベンゼン、メ
シチレン、デュレン、メチルナフタレン、メチルアント
ラセン、4,4′−ジメチルビフェニルなど)、複素環
に1〜6個程度のメチル基が置換した複素環化合物(例
えば、2−メチルフラン、3−メチルフラン、3−メチ
ルチオフェン、2−メチルピリジン、3−メチルピリジ
ン、4−メチルピリジン、2,4−ジメチルピリジン、
2,4,6−トリメチルピリジン、4−メチルインドー
ル、2−メチルキノリンなど)などが例示できる。
【0056】芳香族性環の隣接位にメチレン基を有する
芳香族化合物としては、例えば、炭素数2以上のアルキ
ル基又は置換アルキル基を有する芳香族炭化水素類(例
えば、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、1,4−ジ
エチルベンゼン、ジフェニルメタンなど)、炭素数2以
上のアルキル基又は置換アルキル基を有する芳香族性複
素環化合物(例えば、2−エチルフラン、3−プロピル
チオフェン、4−エチルピリジン、4−ブチルキノリン
など)、芳香族性環に非芳香族性環が縮合した化合物で
あって、該非芳香族性環のうち芳香族性環に隣接する部
位にメチレン基を有する化合物(ジヒドロナフタレン、
インデン、インダン、テトラリン、フルオレン、アセナ
フテン、フェナレン、インダノン、キサンテン等)など
が例示できる。
【0057】不飽和結合の隣接位にメチル基又はメチレ
ン基を有する非芳香族性化合物(A1-2)には、例えば、
(A1-2a)いわゆるアリル位にメチル基又はメチレン基
を有する鎖状不飽和炭化水素類、(A1-2b)カルボニル
基若しくはその等価体、シアノ基又はニトロ基の隣接位
にメチル基又はメチレン基を有する化合物が例示でき
る。
【0058】前記鎖状不飽和炭化水素類(A1-2a)とし
ては、例えば、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、
1−ペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、1,5−
ヘキサジエン、1−オクテン、3−オクテン、ウンデカ
トリエンなどの炭素数3〜20程度の鎖状不飽和炭化水
素類が例示できる。前記化合物(A1-2b)には、ケトン
類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、アセトフ
ェノン、アセチルアセトン、アセト酢酸エステル類、α
−アセチル−γ−ブチロラクトンなどの鎖状ケトン類
(ケトエステル類、ケトラクトン類を含む);シクロペ
ンタノン、シクロヘキサノン、シクロドデカノンなどの
環状ケトン類)、アルデヒド類(例えば、アセトアルデ
ヒド、プロピオンアルデヒド、フェニルアセトアルデヒ
ドなど)、カルボン酸又はそのエステル(例えば、酢
酸、プロピオン酸、フェニル酢酸、マロン酸、コハク
酸、グルタル酸、アジピン酸、及びこれらのエステルな
ど)、ラクトン類(例えば、β−プロピオラクトン、γ
−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラ
クトンなど)、酸無水物類(例えば、無水アジピン酸な
ど)、アミド類(N,N−ジメチルアセトアミドな
ど)、ラクタム類(例えば、β−プロピオラクタム、γ
−ブチロラクタム、δ−バレロラクタム、ε−カプロラ
クトンなど)、ニトリル類(アセトニトリル、プロピオ
ニトリル、マロノニトリル、シアノ酢酸エチルなど)、
イミン類(例えば、N−イソプロピリデンベンジルアミ
ン、N−(1−メチルブチリデン)ブチルアミンな
ど)、ニトロ化合物(例えば、ニトロメタン、ニトロエ
タンなど)などが含まれる。
【0059】メチレン基を環の構成単位として含む非芳
香族性環状化合物(A2)には、例えば、(A2-1)シクロ
アルカン類、(A2-2)シクロアルケン類、(A2-3)非芳
香族性複素環化合物などが挙げられる。
【0060】シクロアルカン類(A2-1)としては、3〜
30員のシクロアルカン環を有する化合物、例えば、シ
クロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロ
ヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノ
ナン、シクロデカン、シクロドデカン、シクロテトラデ
カン、シクロヘキサデカン、シクロテトラコサン、シク
ロトリアコンタン、及びこれらの誘導体などが例示でき
る。好ましいシクロアルカン環には、5〜30員、特に
5〜20員のシクロアルカン環が含まれる。
【0061】シクロアルケン類(A2-2)には、3〜30
員のシクロアルケン環を有する化合物、例えば、シクロ
プロペン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロオク
テン、シクロヘキセン、1−メチル−シクロヘキセン、
イソホロン、シクロヘプテン、シクロドデカエンなどの
ほか、シクロペンタジエン、1,3−シクロヘキサジエ
ン、1,5−シクロオクタジエンなどのシクロアルカジ
エン類、シクロオクタトリエンなどのシクロアルカトリ
エン類、及びこれらの誘導体などが含まれる。好ましい
シクロアルケン類には、3〜20員環、特に3〜12員
環を有する化合物が含まれる。
【0062】非芳香族性複素環化合物(A2-3)として
は、例えば、窒素原子、酸素原子、硫黄原子から選択さ
れた少なくとも1種のヘテロ原子を有する5又は6員環
化合物、又は前記へテロ原子を有する5又は6員環が芳
香族性環に縮合した縮合複素環化合物、例えば、ジヒド
ロフラン、テトラヒドロフラン、ピラン、ジヒドロピラ
ン、テトラヒドロピラン、ピペリジン、ピペラジン、ピ
ロリジン、キサンテン、これらの誘導体などが挙げられ
る。
【0063】前記非芳香族性環状化合物(A2)の環には
他の環(芳香族性又は非芳香族性の炭素環又は複素環)
が1又は2以上の原子を共有して縮合していてもよい。
この場合、橋かけ環が形成されていてもよい。
【0064】メチン炭素原子を有する化合物(A3)に
は、(A3-1)環の構成単位としてメチン基(すなわち、
メチン炭素−水素結合)を含む環状化合物、(A3-2)メ
チン炭素原子を有する鎖状化合物が含まれる。
【0065】環状化合物(A3-1)には、(A3-1a)少な
くとも1つのメチン基を有する橋かけ環式化合物、(A3
-1b)環に炭化水素基が結合した非芳香族性環状化合物
(脂環式炭化水素など)などが含まれる。なお、前記橋
かけ環式化合物には、2つの環が2個の炭素原子を共有
している化合物、例えば、縮合多環式芳香族炭化水素類
の水素添加生成物なども含まれる。
【0066】橋かけ環式化合物(A3-1a)としては、例
えば、デカリン、ビシクロ[2.2.0]ヘキサン、ビ
シクロ[2.2.2]オクタン、ビシクロ[3.2.
1]オクタン、ビシクロ[4.3.2]ウンデカン、ビ
シクロ[3.3.3]ウンデカン、ツジョン、カラン、
ピナン、ピネン、ボルナン、ボルニレン、ノルボルナ
ン、ノルボルネン、カンファー、ショウノウ酸、カンフ
ェン、トリシクレン、トリシクロ[5.2.1.
3,8]デカン、トリシクロ[4.2.1.12,5]デカ
ン、エキソトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、
エンドトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、トリ
シクロ[4.3.1.12,5]ウンデカン、トリシクロ
[4.2.2.12,5]ウンデカン、エンドトリシクロ
[5.2.2.02,6]ウンデカン、アダマンタン、1
−アダマンタノール、1−クロロアダマンタン、1−メ
チルアダマンタン、1,3−ジメチルアダマンタン、1
−メトキシアダマンタン、1−カルボキシアダマンタ
ン、1−メトキシカルボニルアダマンタン、1−ニトロ
アダマンタン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.1
7,10]ドデカン、ペルヒドロアントラセン、ペルヒドロ
アセナフテン、ペルヒドロフェナントレン、ペルヒドロ
フェナレン、ペルヒドロインデン、キヌクリジンなどの
2〜4環式の橋かけ環式炭化水素又は橋かけ複素環化合
物及びそれらの誘導体などが挙げられる。これらの橋か
け環式化合物は、橋頭位(2環が2個の原子を共有して
いる場合には接合部位に相当)にメチン炭素原子を有す
る。
【0067】環に炭化水素基が結合した非芳香族性環状
化合物(A3-1b)としては、1−メチルシクロペンタ
ン、1−メチルシクロヘキサン、リモネン、メンテン、
メントール、カルボメントン、メントンなどの、炭素数
1〜20(好ましくは1〜10)程度の炭化水素基(例
えば、アルキル基など)が環に結合した3〜15員程度
の脂環式炭化水素及びその誘導体などが挙げられる。環
に炭化水素基が結合した非芳香族性環状化合物(A3-1
b)は、環と前記炭化水素基との結合部位にメチン炭素
原子を有する。
【0068】メチン炭素原子を有する鎖状化合物(A3-
2)としては、第3級炭素原子を有する鎖状炭化水素
類、例えば、イソブタン、イソペンタン、イソヘキサ
ン、3−メチルペンタン、2,3−ジメチルブタン、2
−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、3,4−ジメ
チルヘキサン、3−メチルオクタンなどの炭素数4〜2
0(好ましくは、4〜10)程度の脂肪族炭化水素類お
よびその誘導体などが例示できる。
【0069】ラジカルを生成可能な化合物(A)として
は、上記のほかに、メタン、エタン、プロパン、ブタ
ン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカ
ン、ドデカン、テトラデカン、オクタデカンなどの直鎖
状アルカン(例えば、炭素数1〜20の直鎖状アルカ
ン)などが挙げられる。
【0070】[亜硝酸エステル又は亜硝酸塩(B)]本
発明では、反応剤として亜硝酸エステル又は亜硝酸塩を
用いる。これらは単独で又は2種以上組み合わせて使用
できる。
【0071】亜硝酸エステルとしては、例えば、亜硝酸
メチル、亜硝酸エチル、亜硝酸プロピル、亜硝酸イソプ
ロピル、亜硝酸ブチル、亜硝酸イソブチル、亜硝酸t−
ブチル、亜硝酸アミル、亜硝酸イソアミル、亜硝酸t−
アミル、亜硝酸ヘキシルなどの亜硝酸アルキル;亜硝酸
フェニルなどの亜硝酸アリール;亜硝酸ベンジルなどの
亜硝酸アラルキルなどが挙げられる。好ましい亜硝酸エ
ステルには亜硝酸C1- 6アルキル等の亜硝酸アルキルが
含まれる。亜硝酸塩としては、亜硝酸アンモニウム;亜
硝酸リチウム、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウムなど
の亜硝酸アルカリ金属塩;亜硝酸マグネシウム、亜硝酸
カルシウム、亜硝酸バリウムなどの亜硝酸アルカリ土類
金属塩;亜硝酸亜鉛などのその他の金属塩などが挙げら
れる。
【0072】前記亜硝酸エステル又は亜硝酸塩は、その
まま反応系に供給してもよいが、適当な溶媒に溶解して
溶液の形態で反応系に供給することができる。また、亜
硝酸エステル又は亜硝酸塩は反応系内で生成させてもよ
い。例えば、系内にアルコールと酸化窒素(NO、N2
3等)とを添加することにより、対応する亜硝酸エス
テルを生成させることができる。また、系内にアルコー
ルと亜硝酸金属塩と酸とを添加することにより、対応す
る亜硝酸エステルを生成させることもできる。
【0073】[反応]反応は溶媒の存在下又は非存在下
で行われる。溶媒としては、反応条件下で不活性なもの
であればよく、例えば、酢酸、プロピオン酸、トリフル
オロ酢酸などの有機酸;アセトニトリル、プロピオニト
リル、ベンゾニトリルなどのニトリル類;ホルムアミ
ド、アセトアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)、
ジメチルアセトアミドなどのアミド類;ヘキサン、オク
タンなどの脂肪族炭化水素;クロロホルム、ジクロロメ
タン、ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼン、
トリフルオロメチルベンゼンなどのハロゲン化炭化水
素;ニトロベンゼン、ニトロメタン、ニトロエタンなど
のニトロ化合物;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステ
ル類;これらの混合溶媒などが挙げられる。溶媒とし
て、酢酸などの有機酸類、アセトニトリルやベンゾニト
リルなどのニトリル類、トリフルオロメチルベンゼンな
どのハロゲン化炭化水素、酢酸エチルなどのエステル類
などを用い場合が多い。
【0074】ラジカルを生成可能な化合物(A)と亜硝
酸エステル又は亜硝酸塩(B)との使用割合は、両化合
物の種類(価格、反応性)や組み合わせなどにより適宜
選択できる。例えば、ラジカルを生成可能な化合物
(A)を亜硝酸エステル又は亜硝酸塩(B)に対して当
量程度又は過剰量(例えば、1.1〜50当量倍又はそ
れ以上、好ましくは3〜30当量倍程度)用いてもよ
く、逆に、亜硝酸エステル又は亜硝酸塩(B)をラジカ
ルを生成可能な化合物(A)に対して過剰量用いてもよ
い。
【0075】本発明の方法は温和な条件であっても円滑
に反応が進行するという特徴を有する。反応温度は、反
応に用いるラジカルを生成可能な化合物(A)、亜硝酸
エステル又は亜硝酸塩(B)及び窒素原子含有環状化合
物の種類、目的生成物の種類等に応じて適当に選択で
き、例えば、0〜250℃程度、好ましくは25〜15
0℃程度、さらに好ましくは40〜120℃程度であ
る。反応は、窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下
で行ってもよく、目的生成物の種類等により、空気雰囲
気下又は酸素雰囲気下で行うことも可能である。反応
は、常圧又は加圧下、回分式、半回分式、連続式(多段
連続流通式等)などの慣用の方法により行うことができ
る。
【0076】本発明の方法によれば、ラジカルを生成可
能な化合物(A)(基質)のラジカル生成部位にヒドロ
キシイミノ基が結合したオキシム化合物、ラジカル生成
部位にニトロ基が結合したニトロ化合物、ラジカル生成
部位にニトリロ基が結合したニトリル化合物、ラジカル
生成部位にニトロソ基が結合したニトロソ化合物又はそ
のダイマー(ニトロソ化合物2分子が窒素原子同士で結
合したジ−N−オキシド化合物)等の含窒素有機化合物
(窒素原子含有基を有する有機化合物);ラジカル生成
部位にヒドロキシル基が結合したヒドロキシ化合物、ラ
ジカル生成部位にオキソ基が結合したカルボニル化合
物、ラジカル生成部位にアシルオキシ基が結合したエス
テル化合物(酢酸等の有機酸を溶媒として用いた場合な
ど)等の含酸素有機化合物(酸素原子含有基を有する有
機化合物);ラジカル生成部位とその隣接位に二重結合
が形成された不飽和化合物(炭素−炭素不飽和結合含有
基を有する有機化合物)などが生成する。
【0077】例えば、基質としてシクロヘキサンを用い
た場合には、シクロヘキサノンオキシム、ニトロソシク
ロヘキサン、そのダイマー(ニトロソシクロヘキサンダ
イマー)、ニトロシクロヘキサン、シクロヘキサノン、
酢酸シクロヘキシル(酢酸を溶媒として用いた場合)な
どが生成する。また、基質としてトルエンを用いた場合
には、ベンズアルデヒドオキシム、ニトロメチルベンゼ
ン、ベンズアルデヒド、酢酸ベンジル、ベンゾニトリ
ル、ニトロソトルエン、ニトロソトルエンダイマーなど
が生成する。さらに、基質としてイソプロピルベンゼン
を用いた場合には、イソプロペニルベンゼン、α,α−
ジメチルベンジルアルコール、(1−メチル−1−ニト
ロエチル)ベンゼンなどが生成する。
【0078】上記各生成物の生成比率は、反応温度、反
応時間、触媒の種類及び量、溶媒の種類、ラジカルを生
成可能な化合物(A)と亜硝酸エステル又は亜硝酸塩
(B)の使用割合などの反応条件を適宜選択することに
よりコントロールできる。一般に、ラジカル生成部位と
してメチル基又はメチレン基を有する基質(例えば、前
記(A1)又は(A2)の化合物)からはオキシム化合物、
ニトロソ化合物、そのダイマーが主生成物として得ら
れ、ラジカル生成部位としてメチン基を有する基質(例
えば、前記(A3)の化合物)からは不飽和化合物が主生
成物として得られる。例えば、シクロヘキサンと亜硝酸
エステル又は亜硝酸塩とを反応させると、まずニトロソ
シクロヘキサンが生成し、これが転位してシクロヘキサ
ノンオキシムが生成するものと考えられる。なお、ニト
ロソ化合物は、その種類によっても異なるが、対応する
ダイマー(ニトロソ化合物2分子が窒素原子同士で結合
したジ−N−オキシド化合物)と可逆的な平衡状態にあ
って、その平衡がダイマー側に寄っていることがある。
なお、長時間反応した場合には、ニトロソ化合物及びそ
のダイマーは痕跡量、多くとも1%未満の収率となりう
る。これらのオキシム化合物及び不飽和化合物は、中間
体としてニトロソ化合物を経由して生成すると考えられ
る。
【0079】本発明の方法の好ましい態様として、反応
系内へ亜硝酸エステル又は亜硝酸塩(B)を逐次的又は
連続的に添加して反応させる方法が挙げられる。この方
法によれば、亜硝酸エステル又は亜硝酸塩(B)を一括
添加した場合と比較して、特にニトロソ化段階において
副反応が抑制され、ニトロソ化合物(又はそのダイマ
ー)が高い選択率で生成する。そのため、続く転位反応
等によりオキシム化合物などを高い収率で得ることがで
きる。
【0080】また、オキシム化合物を製造する場合に
は、一段で反応を行うことも可能であるが、ラジカルを
生成可能な化合物(A)と亜硝酸エステル又は亜硝酸塩
(B)との反応によりニトロソ化合物又はそのダイマー
を生成させる工程と、生成したニトロソ化合物又はその
ダイマーをオキシム化合物に変換させる工程とを設け、
反応を段階的に進行させるのが好ましい。このような方
法を採用すると、後段の変換工程(ニトロソ化合物の転
位工程)において、添加剤を反応系に加えたり、加熱す
ることにより、トータルの反応時間を大幅に短縮でき
る。具体的には、例えば1/5〜1/30程度の反応時
間に短縮することができる。反応系に添加剤を加えた
り、熱処理を施した場合には、ニトロソ化合物及びその
ダイマーは痕跡量、多くとも1%未満の収率となりう
る。
【0081】添加剤としては、ニトロソ体からオキシム
体への転位を誘起しうるものであれば特に限定されない
が、例えば酸、塩基などが好ましく用いられる。このよ
うな酸としては、例えば、メタンスルホン酸、トリフル
オロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トル
エンスルホン酸等のスルホン酸;硫酸、硝酸、塩化水
素、リン酸、ホウ酸、発煙硫酸等の鉱酸;塩化アルミニ
ウム、塩化亜鉛、スカンジウムトリフラート等のルイス
酸;シリカ、アルミナ、ゼオライト等の固体酸;リンモ
リブデン酸、リンタングステン酸、ケイモリブデン酸、
ケイタングステン酸などのポリ酸等の複合酸;強酸性陽
イオン交換樹脂などが挙げられる。塩基としては、例え
ば、トリエチルアミンなどの第3級アミン、ピリジン等
の含窒素複素環化合物、酢酸ナトリウム、ナトリウムメ
トキシド等の有機塩基;炭酸ナトリウム、炭酸水素ナト
リウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機塩
基;酸化マグネシウムやハイドロタルサイト、ヒドロキ
シアパタイト等の固体塩基などが挙げられる。これらの
添加剤は、一度に加えてもよく、複数回に分けて加えて
もよい。添加剤の添加量は、ラジカルを生成可能な化合
物(A)100重量部に対して、例えば0.01〜10
0重量部、好ましくは0.1〜50重量部、より好まし
くは、0.3〜30重量部程度である。
【0082】添加剤を用いた転位反応は、例えば40〜
120℃、好ましくは50〜100℃程度の温度で、例
えば5〜60分、好ましくは10〜50分程度行われ
る。加熱による転位反応は、加熱温度が、例えば120
〜250℃、好ましくは150〜200℃程度であり、
反応時間が、例えば0.5〜30分、好ましくは2〜1
5分程度である。
【0083】反応終了後、反応生成物は、例えば、濾
過、濃縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶、吸着、カラムク
ロマトグラフィーなどの分離手段やこれらを組み合わせ
ることにより分離精製できる。
【0084】
【発明の効果】本発明の方法によれば、特定構造の窒素
原子含有環状化合物を触媒として用い、ラジカルを生成
可能な化合物(A)と亜硝酸エステル又は亜硝酸塩
(B)とを反応させるので、前記ラジカルを生成可能な
化合物(A)のラジカル生成部位に窒素原子含有基が結
合したオキシム化合物等の含窒素有機化合物、前記ラジ
カル生成部位に酸素原子含有基が結合した含酸素有機化
合物、炭素−炭素不飽和結合含有基を有する有機化合物
などを、入手しやすい原料から温和な条件下、簡易な操
作で効率よく製造することができる。
【0085】また、硝酸エステル又は亜硝酸塩(B)を
逐次的に又は連続的に添加する場合には、ニトロソ化合
物又はそのダイマーを、あるいはさらに反応を進行させ
る場合にはオキシム化合物を、選択的に且つ高い収率で
製造できる。また、オキシム化合物を製造する際、ラジ
カルを生成可能な化合物(A)と亜硝酸エステル又は亜
硝酸塩(B)との反応によりニトロソ化合物又はそのダ
イマーを生成させる工程と、生成したニトロソ化合物又
はそのダイマーをオキシム化合物に変換させる工程とを
含む方法を採用すると、オキシム化合物を選択的に且つ
効率よく製造することができる。
【0086】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定
されるものではない。なお、収率は亜硝酸エステル又は
亜硝酸塩を基準とした値である。分析はガスクロマトグ
ラフィー又は高速液体クロマトグラフィーにより行っ
た。
【0087】実施例1 シクロペンタン(1ml)、亜硝酸t−ブチル(1ミリ
モル)、N−ヒドロキシフタルイミド(0.2ミリモ
ル)、及び酢酸(1ml)をフラスコに入れ、アルゴン
雰囲気下(1atm=0.101MPa)、80℃で2
0時間攪拌した。反応混合物を分析したところ、シクロ
ペンタノンオキシムが収率4%、ニトロシクロペンタン
が収率2%、シクロペンタノンが収率3%、酢酸シクロ
ペンチルが収率1%未満で生成していた。
【0088】実施例2 シクロヘキサン(1ml)、亜硝酸t−ブチル(1ミリ
モル)、N−ヒドロキシフタルイミド(0.2ミリモ
ル)、及び酢酸(1ml)をフラスコに入れ、アルゴン
雰囲気下(1atm=0.101MPa)、80℃で2
0時間攪拌した。反応混合物を分析したところ、シクロ
ヘキサノンオキシムが収率16%、ニトロシクロヘキサ
ンが収率10%、シクロヘキサノンが収率3%、酢酸シ
クロヘキシルが収率2%で生成していた。
【0089】実施例3 シクロヘキサン(1ml)、亜硝酸t−ブチル(1ミリ
モル)、4−クロロ−N−ヒドロキシフタルイミド
(0.2ミリモル)、及び酢酸(1ml)をフラスコに
入れ、アルゴン雰囲気下(1atm=0.101MP
a)、80℃で20時間攪拌した。反応混合物を分析し
たところ、シクロヘキサノンオキシムが収率13%、ニ
トロシクロヘキサンが収率9%、シクロヘキサノンが収
率2%、酢酸シクロヘキシルが収率2%で生成してい
た。
【0090】実施例4 シクロヘキサン(1ml)、亜硝酸t−ブチル(1ミリ
モル)、4−クロロ−N−ヒドロキシフタルイミド
(0.2ミリモル)、及び酢酸(1ml)をフラスコに
入れ、アルゴン雰囲気下(1atm=0.101MP
a)、100℃で20時間攪拌した。反応混合物を分析
したところ、シクロヘキサノンオキシムが収率26%、
ニトロシクロヘキサンが収率4%、シクロヘキサノンが
収率4%で、また、酢酸シクロヘキシルが痕跡量生成し
ていた。
【0091】実施例5 シクロヘプタン(1ml)、亜硝酸t−ブチル(1ミリ
モル)、N−ヒドロキシフタルイミド(0.2ミリモ
ル)、及び酢酸(1ml)をフラスコに入れ、アルゴン
雰囲気下(1atm=0.101MPa)、80℃で2
0時間攪拌した。反応混合物を分析したところ、シクロ
ヘプタノンオキシムが収率21%、ニトロシクロヘプタ
ンが収率3%、シクロヘプタノンが収率7%、酢酸シク
ロヘプチルが収率1%未満で生成していた。
【0092】実施例6 シクロヘプタン(1ml)、亜硝酸t−ブチル(1ミリ
モル)、4−クロロ−N−ヒドロキシフタルイミド
(0.2ミリモル)、及び酢酸(1ml)をフラスコに
入れ、アルゴン雰囲気下(1atm=0.101MP
a)、80℃で20時間攪拌した。反応混合物を分析し
たところ、シクロヘプタノンオキシムが収率16%、ニ
トロシクロヘプタンが収率4%、シクロヘプタノンが収
率6%、酢酸シクロヘプチルが収率1%未満で生成して
いた。
【0093】実施例7 シクロオクタン(1ml)、亜硝酸t−ブチル(1ミリ
モル)、N−ヒドロキシフタルイミド(0.2ミリモ
ル)、及び酢酸(1ml)をフラスコに入れ、アルゴン
雰囲気下(1atm=0.101MPa)、80℃で2
0時間攪拌した。反応混合物を分析したところ、シクロ
オクタノンオキシムが収率55%、ニトロシクロオクタ
ンが収率5%、シクロオクタノンが収率4%で生成して
いた。
【0094】実施例8 シクロオクタン(2ml)、亜硝酸t−ブチル(1ミリ
モル)、N−ヒドロキシフタルイミド(0.2ミリモ
ル)、及び酢酸(1ml)をフラスコに入れ、アルゴン
雰囲気下(1atm=0.101MPa)、80℃で2
0時間攪拌した。反応混合物を分析したところ、シクロ
オクタノンオキシムが収率64%、ニトロシクロオクタ
ンが収率4%、シクロオクタノンが収率2%で生成して
いた。
【0095】実施例9 シクロドデカン(1ml)、亜硝酸t−ブチル(1ミリ
モル)、N−ヒドロキシフタルイミド(0.2ミリモ
ル)、及び酢酸(1ml)をフラスコに入れ、アルゴン
雰囲気下(1atm=0.101MPa)、80℃で2
0時間攪拌した。反応混合物を分析したところ、シクロ
ドデカノンオキシムが収率41%、ニトロシクロドデカ
ンが収率4%、シクロドデカノンが収率9%で生成して
いた。
【0096】実施例10 トルエン(1ml)、亜硝酸t−ブチル(1ミリモ
ル)、N−ヒドロキシフタルイミド(0.2ミリモ
ル)、及び酢酸(1ml)をフラスコに入れ、アルゴン
雰囲気下(1atm=0.101MPa)、60℃で2
0時間攪拌した。反応混合物を分析したところ、ベンズ
アルデヒドオキシムが収率28%、ニトロメチルベンゼ
ンが収率4%、ベンズアルデヒドが収率4%、酢酸ベン
ジルが収率3%、ベンゾニトリルが収率3%で生成して
いた。
【0097】実施例11 トルエン(1ml)、亜硝酸t−ブチル(1ミリモ
ル)、4−クロロ−N−ヒドロキシフタルイミド(0.
2ミリモル)、及び酢酸(1ml)をフラスコに入れ、
アルゴン雰囲気下(1atm=0.101MPa)、1
00℃で20時間攪拌した。反応混合物を分析したとこ
ろ、ベンズアルデヒドオキシムが収率5%、ニトロメチ
ルベンゼンが収率2%、ベンズアルデヒドが収率9%、
酢酸ベンジルが収率5%、ベンゾニトリルが収率10%
で生成していた。
【0098】実施例12 p−キシレン(1ml)、亜硝酸t−ブチル(1ミリモ
ル)、N−ヒドロキシフタルイミド(0.1ミリモ
ル)、及び酢酸(1ml)をフラスコに入れ、アルゴン
雰囲気下(1atm=0.101MPa)、80℃で2
0時間攪拌した。反応混合物を分析したところ、p−メ
チルベンズアルデヒドオキシムが収率55%、p−メチ
ルベンズアルデヒドが収率4%、p−メチルベンゾニト
リルが収率5%で生成していた。
【0099】比較例1 N−ヒドロキシフタルイミドを用いなかった点以外は実
施例12と同様の操作を行ったところ、反応は全く進行
しなかった。
【0100】実施例13 p−キシレン(1ml)、亜硝酸t−ブチル(1ミリモ
ル)、N−ヒドロキシフタルイミド(0.2ミリモ
ル)、及び酢酸(1ml)をフラスコに入れ、アルゴン
雰囲気下(1atm=0.101MPa)、60℃で2
0時間攪拌した。反応混合物を分析したところ、p−メ
チルベンズアルデヒドオキシムが収率68%、p−メチ
ルベンズアルデヒドが収率3%、p−メチルベンゾニト
リルが収率5%で生成していた。
【0101】実施例14 p−キシレン(1ml)、亜硝酸t−ブチル(1ミリモ
ル)、N−ヒドロキシフタルイミド(0.1ミリモ
ル)、及び酢酸(1ml)をフラスコに入れ、アルゴン
雰囲気下(1atm=0.101MPa)、60℃で2
0時間攪拌した。反応混合物を分析したところ、p−メ
チルベンズアルデヒドオキシムが収率60%、p−メチ
ルベンズアルデヒドが収率3%、p−メチルベンゾニト
リルが収率3%で生成していた。
【0102】実施例15 エチルベンゼン(1ml)、亜硝酸t−ブチル(1ミリ
モル)、N−ヒドロキシフタルイミド(0.2ミリモ
ル)、及び酢酸(1ml)をフラスコに入れ、アルゴン
雰囲気下(1atm=0.101MPa)、100℃で
20時間攪拌した。反応混合物を分析したところ、アセ
トフェノンオキシムが収率32%、(1−ニトロエチ
ル)ベンゼンが収率5%、アセトフェノンが収率23
%、酢酸α−メチルベンジルが収率15%で生成してい
た。
【0103】実施例16 エチルベンゼン(1ml)、亜硝酸t−ブチル(1ミリ
モル)、N−ヒドロキシフタルイミド(0.2ミリモ
ル)、及び酢酸(1ml)をフラスコに入れ、アルゴン
雰囲気下(1atm=0.101MPa)、80℃で2
0時間攪拌した。反応混合物を分析したところ、アセト
フェノンオキシムが収率47%、(1−ニトロエチル)
ベンゼンが収率4%、アセトフェノンが収率17%、酢
酸α−メチルベンジルが収率14%で生成していた。
【0104】実施例17 メシチレン(1ml)、亜硝酸t−ブチル(1ミリモ
ル)、N−ヒドロキシフタルイミド(0.2ミリモ
ル)、及び酢酸(1ml)をフラスコに入れ、アルゴン
雰囲気下(1atm=0.101MPa)、60℃で2
0時間攪拌した。反応混合物を分析したところ、3,5
−ジメチルベンズアルデヒドオキシムが収率61%、
3,5−ジメチルベンズアルデヒドが収率3%、3,5
−ジメチルベンゾニトリルが収率4%、酢酸3,5−ジ
メチルフェニルメチルが収率1%未満で生成していた。
【0105】実施例18 イソプロピルベンゼン(1ml)、亜硝酸t−ブチル
(1ミリモル)、N−ヒドロキシフタルイミド(0.2
ミリモル)、及び酢酸(1ml)をフラスコに入れ、ア
ルゴン雰囲気下(1atm=0.101MPa)、80
℃で20時間攪拌した。反応混合物を分析したところ、
イソプロペニルベンゼンが収率60%、(1−ヒドロキ
シ−1−メチルエチル)ベンゼンが収率6%、(1−メ
チル−1−ニトロエチル)ベンゼンが収率7%で生成し
ていた。
【0106】比較例2 N−ヒドロキシフタルイミドを用いなかった点以外は実
施例18と同様の操作を行ったところ、イソプロペニル
ベンゼンが収率1%未満、(1−ヒドロキシ−1−メチ
ルエチル)ベンゼンが収率2%、(1−メチル−1−ニ
トロエチル)ベンゼンが収率6%で生成していた。
【0107】実施例19 シクロオクタン(1ml;7.4ミリモル)、N−ヒド
ロキシフタルイミド(0.2ミリモル)、亜硝酸ナトリ
ウム(1ミリモル)、及び酢酸(1ml)をフラスコに
入れ、アルゴン雰囲気下(1atm=0.101MP
a)、100℃で20時間攪拌した。反応混合物を分析
したところ、シクロオクタノンオキシムが収率10%で
生成していた。
【0108】実施例20 シクロドデカン(1.66g、9.88ミリモル)、亜
硝酸t−ブチル(2ミリモル)、N−ヒドロキシフタル
イミド(0.4ミリモル)、及び酢酸(2ml)をフラ
スコに入れ、アルゴン雰囲気下、80℃で1時間撹拌し
た。その後、98重量%濃度の硫酸(200mg)を添
加し、70℃で15分間撹拌した。水酸化ナトリウムを
加えて中和し、反応混合物を分析したところ、シクロド
デカノンオキシムが収率41%、ニトロシクロドデカン
が収率6%、シクロドデカノンが収率7%で生成してい
た。
【0109】実施例21 シクロドデカン(1.66g、9.88ミリモル)、亜
硝酸t−ブチル(2ミリモル)、N−ヒドロキシフタル
イミド(0.4ミリモル)、及び酢酸(2ml)をフラ
スコに入れ、アルゴン雰囲気下、80℃で1時間撹拌し
た。その後、5重量%濃度の発煙硫酸(100mg)を
添加し、無水条件下、70℃で15分間撹拌した。水酸
化ナトリウムを加えて中和し、反応混合物を分析したと
ころ、シクロドデカノンオキシムが収率48%、ニトロ
シクロドデカンが収率6%、シクロドデカノンが収率3
%で生成していた。
【0110】実施例22 シクロドデカン(1.66g、9.88ミリモル)、亜
硝酸t−ブチル(2ミリモル)、N−ヒドロキシフタル
イミド(0.4ミリモル)、及び酢酸(2ml)をフラ
スコに入れ、アルゴン雰囲気下、80℃で1時間撹拌し
た。反応混合物を分析したところ、シクロドデカノンオ
キシムが収率10%、ニトロソシクロドデカンダイマー
が収率38%、ニトロシクロデカンが収率6%、シクロ
ドデカノンが収率3%で生成していた。
【0111】実施例23 シクロドデカン(1.66g、9.88ミリモル)、亜
硝酸t−ブチル(2ミリモル)、N−ヒドロキシフタル
イミド(0.4ミリモル)、及び酢酸(2ml)をフラ
スコに入れ、アルゴン雰囲気下、80℃で1時間撹拌し
た。その後、98重量%濃度の硫酸(50mg)を添加
し、70℃で15分間撹拌した。水酸化ナトリウムを加
えて中和し、反応混合物を分析したところ、シクロドデ
カノンオキシムが収率39%、ニトロシクロドデカンが
収率7%、シクロドデカノンが収率5%で生成してい
た。
【0112】実施例24 シクロドデカン(1.66g、9.88ミリモル)、亜
硝酸t−ブチル(2ミリモル)、N−ヒドロキシフタル
イミド(0.4ミリモル)、及び酢酸(2ml)をフラ
スコに入れ、アルゴン雰囲気下、80℃で1時間撹拌し
た。その後、トリエチルアミン(300mg)を添加
し、80℃で30分間撹拌した。反応混合物を分析した
ところ、シクロドデカノンオキシムが収率39%、ニト
ロシクロドデカンが収率7%、シクロドデカノンが収率
5%で生成していた。
【0113】実施例25 シクロヘキサン(2ml)、亜硝酸t−ブチル(2ミリ
モル)、N−ヒドロキシフタルイミド(0.4ミリモ
ル)、及び酢酸(2ml)をフラスコに入れ、アルゴン
雰囲気下、100℃で2時間撹拌した。その後、98重
量%濃度の硫酸(200mg)を添加し、70℃で15
分間撹拌した。水酸化ナトリウムを加えて中和し、反応
混合物を分析したところ、シクロヘキサノンオキシムが
収率28%、ニトロシクロヘキサンが収率4%、シクロ
ヘキサノンが収率5%で生成していた。
【0114】実施例26 シクロヘキサン(2ml)、亜硝酸t−ブチル(2ミリ
モル)、N−ヒドロキシフタルイミド(0.4ミリモ
ル)、及び酢酸(2ml)をフラスコに入れ、アルゴン
雰囲気下、100℃で2時間撹拌した。その後、トリエ
チルアミン(300mg)を添加し、80℃で30分間
撹拌した。反応混合物を分析したところ、シクロヘキサ
ノンオキシムが収率25%、ニトロシクロヘキサンが収
率3%、シクロヘキサノンが収率4%で生成していた。
【0115】実施例27 シクロドデカン(1.66g、9.88ミリモル)、亜
硝酸t−ブチル(2ミリモル)、N−ヒドロキシフタル
イミド(0.4ミリモル)、及び酢酸(2ml)をフラ
スコに入れ、アルゴン雰囲気下、80℃で1時間撹拌し
た。その後、塩化亜鉛(20mg)を添加し、80℃で
30分間撹拌した。水酸化ナトリウムを加えて中和し、
反応混合物を分析したところ、シクロドデカノンオキシ
ムが収率35%、ニトロシクロドデカンが収率7%、シ
クロドデカノンが収率3%で生成していた。
【0116】実施例28 シクロドデカン(1.66g、9.88ミリモル)、亜
硝酸t−ブチル(2ミリモル)、N−ヒドロキシフタル
イミド(0.4ミリモル)、及び酢酸(2ml)をフラ
スコに入れ、アルゴン雰囲気下、80℃で1時間撹拌し
た。その後、スカンジウムトリフラート(20mg)を
添加し、80℃で30分間撹拌した。水酸化ナトリウム
を加えて中和し、反応混合物を分析したところ、シクロ
ドデカノンオキシムが収率40%、ニトロシクロドデカ
ンが収率7%、シクロドデカノンが収率3%で生成して
いた。
【0117】実施例29 シクロドデカン(1.66g、9.88ミリモル)、亜
硝酸t−ブチル(2ミリモル)、N−ヒドロキシフタル
イミド(0.4ミリモル)、及び酢酸(2ml)をフラ
スコに入れ、アルゴン雰囲気下、80℃1時間撹拌し
た。その後、180℃で5分間撹拌した。反応混合物を
分析したところ、シクロドデカノンオキシムが収率28
%、ニトロシクロドデカンが収率10%、シクロドデカ
ノンが収率3%で生成していた。
【0118】実施例30 シクロドデカン(3.32g、19.8ミリモル)、N
−ヒドロキシフタルイミド(0.8ミリモル)、及び酢
酸(4ml)をフラスコに入れ、アルゴン雰囲気下、7
0℃で亜硝酸t−ブチル(4ミリモル)を30分ごと4
回に分けて1ミリモルずつ加え、計2.5時間撹拌し
た。その後、98重量%濃度の硫酸(200mg)を添
加し、70℃で15分間撹拌した。水酸化ナトリウムを
加えて中和し、反応混合物を分析したところ、シクロド
デカノンオキシムが収率65%、ニトロシクロドデカン
が収率2%、シクロドデカノンが収率5%で生成してい
た。
【0119】実施例31 シクロドデカン(3.32g、19.8ミリモル)、N
−ヒドロキシフタルイミド(0.8ミリモル)、及び酢
酸(4ml)をフラスコに入れ、アルゴン雰囲気下、7
0℃で撹拌しながら亜硝酸t−ブチル(4ミリモル)を
2.5時間かけて滴下した。反応終了後、98重量%濃
度の硫酸(200mg)を添加し、70℃で15分間撹
拌した。水酸化ナトリウムを加えて中和し、反応混合物
を分析したところ、シクロドデカノンオキシムが収率6
7%、ニトロシクロドデカンが収率2%、シクロドデカ
ノンが収率4%で生成していた。
【0120】実施例32 シクロドデカン(3.32g、19.8ミリモル)、N
−ヒドロキシフタルイミド(0.8ミリモル)、及び酢
酸(4ml)をフラスコに入れ、アルゴン雰囲気下、7
0℃で亜硝酸t−ブチル(4ミリモル)を30分ごと4
回に分けて1ミリモルずつ加え、計2.5時間撹拌し
た。反応混合物を分析したところ、シクロドデカノンオ
キシムが収率11%、ニトロソシクロドデカンダイマー
が収率60%、ニトロシクロドデカンが収率1%、シク
ロドデカノンが収率1%で生成していた。
【0121】実施例33 シクロヘキサン(2ml)、亜硝酸t−ブチル(4ミリ
モル)、N−ヒドロキシフタルイミド(0.4ミリモ
ル)、及び酢酸(2ml)をフラスコに入れ、アルゴン
雰囲気下、100℃で2.5時間撹拌した。その後、9
8重量%濃度の硫酸(200mg)を添加し、70℃で
15分間撹拌した。水酸化ナトリウムを加えて中和し、
反応混合物を分析したところ、シクロヘキサノンオキシ
ムが収率38%、ニトロシクロヘキサンが収率2%、シ
クロヘキサノンが収率5%で生成していた。
【0122】実施例34 シクロヘキサン(2ml)、亜硝酸t−ブチル(4ミリ
モル)、N−ヒドロキシフタルイミド(0.4ミリモ
ル)、及び酢酸(2ml)をフラスコに入れ、アルゴン
雰囲気下、70℃で2.5時間撹拌した。反応混合物を
分析したところ、シクロヘキサノンオキシムが収率2
%、ニトロソシクロヘキサンダイマーが収率25%、ニ
トロシクロヘキサンが収率2%、シクロヘキサノンが収
率5%で生成していた。
【0123】実施例35 トルエン(2ml)、亜硝酸t−ブチル(4ミリモ
ル)、N−ヒドロキシフタルイミド(0.4ミリモ
ル)、及び酢酸(2ml)をフラスコに入れ、アルゴン
雰囲気下、70℃で2.5時間撹拌した。その後、98
重量%濃度の硫酸(200mg)を添加し、60℃で1
5分間撹拌した。水酸化ナトリウムを加えて中和し、反
応混合物を分析したところ、ベンズアルデヒドオキシム
が収率65%、ニトロメチルベンゼンが収率2%、ベン
ズアルデヒドが収率3%で生成していた。
【0124】実施例36 エチルベンゼン(2ml)、亜硝酸t−ブチル(4ミリ
モル)、N−ヒドロキシフタルイミド(0.4ミリモ
ル)、及び酢酸(2ml)をフラスコに入れ、アルゴン
雰囲気下、80℃で2.5時間撹拌した。その後、98
重量%濃度の硫酸(200mg)を添加し、70℃で1
5分間撹拌した。水酸化ナトリウムを加えて中和し、反
応混合物を分析したところ、アセトフェノンオキシムが
収率61%、(1−ニトロエチル)ベンゼンが収率1
%、アセトフェノンが収率8%、酢酸α−メチルベンゼ
ンが収率5%で生成していた。
【0125】実施例37 シクロドデカン(3.32g、19.8ミリモル)、N
−ヒドロキシフタルイミド(0.8ミリモル)、及び酢
酸(4ml)をフラスコに入れ、アルゴン雰囲気下、7
0℃で亜硝酸t−ブチル(6ミリモル)を30分ごと6
回に分けて1ミリモルずつ加え、計3.5時間撹拌し
た。その後、98重量%濃度の硫酸(200mg)を添
加し、70℃で15分間撹拌した。水酸化ナトリウムを
加えて中和し、反応混合物を分析したところ、シクロド
デカノンオキシムが収率52%、ニトロシクロドデカン
が収率3%、シクロドデカノンが収率6%で生成してい
た。
【0126】実施例38 シクロドデカン(3.32g、19.8ミリモル)、N
−ヒドロキシフタルイミド(0.8ミリモル)、及び酢
酸(4ml)をフラスコに入れ、アルゴン雰囲気下、7
0℃で亜硝酸t−ブチル(4ミリモル)を15分ごと4
回に分けて1ミリモルずつ加え、計1.5時間撹拌し
た。その後、98重量%濃度の硫酸(200mg)を添
加し、70℃で15分間撹拌した。水酸化ナトリウムを
加えて中和し、反応混合物を分析したところ、シクロド
デカノンオキシムが収率62%、ニトロシクロドデカン
が収率2%、シクロドデカノンが収率5%で生成してい
た。
【0127】実施例39 シクロドデカン(3.32g、19.8ミリモル)、N
−ヒドロキシフタルイミド(0.8ミリモル)、及び酢
酸(4ml)をフラスコに入れ、アルゴン雰囲気下、7
0℃で亜硝酸t−ブチル(4ミリモル)を1時間ごと2
回に分けて2ミリモルずつ加え、計2時間撹拌した。そ
の後、98重量%濃度の硫酸(200mg)を添加し、
70℃で15分間撹拌した。水酸化ナトリウムを加えて
中和し、反応混合物を分析したところ、シクロドデカノ
ンオキシムが収率60%、ニトロシクロドデカンが収率
2%、シクロドデカノンが収率5%で生成していた。
【0128】実施例40 シクロドデカン(3.32g、19.8ミリモル)、N
−ヒドロキシフタルイミド(0.8ミリモル)、及び酢
酸(4ml)をフラスコに入れ、アルゴン雰囲気下、7
0℃で亜硝酸n−ブチル(4ミリモル)を30分ごと4
回に分けて1ミリモルずつ加え、計2.5時間撹拌し
た。その後、98重量%濃度の硫酸(200mg)を添
加し、70℃で15分間撹拌した。水酸化ナトリウムを
加えて中和し、反応混合物を分析したところ、シクロド
デカノンオキシムが収率41%、ニトロシクロドデカン
が収率6%、シクロドデカノンが収率6%で生成してい
た。
【0129】実施例41 シクロドデカン(3.32g、19.8ミリモル)、4
−ラウリロキシカルボニル−N−ヒドロキシフタルイミ
ド(0.8ミリモル)、及び酢酸(1ml)をフラスコ
に入れ、アルゴン雰囲気下、70℃で亜硝酸t−ブチル
(4ミリモル)を30分ごと4回に分けて1ミリモルず
つ加え、計2.5時間撹拌した。その後、98重量%濃
度の硫酸(200mg)を添加し、70℃で15分間撹
拌した。水酸化ナトリウムを加えて中和し、反応混合物
を分析したところ、シクロドデカノンオキシムが収率4
1%、ニトロシクロドデカンが収率6%、シクロドデカ
ノンが収率4%で生成していた。
【0130】実施例42 シクロドデカン(3.32g、19.8ミリモル)、亜
硝酸t−ブチル(1ミリモル)、及び4−ラウリロキシ
カルボニル−N−ヒドロキシフタルイミド(0.5ミリ
モル)をフラスコに入れ、アルゴン雰囲気下、70℃で
2時間撹拌した。その後、エーテル(2ml)、及び9
8重量%濃度の硫酸(200mg)を添加し、70℃で
15分間撹拌した。水酸化ナトリウムを加えて中和し、
反応混合物を分析したところ、シクロドデカノンオキシ
ムが収率58%、ニトロシクロドデカンが収率5%、シ
クロドデカノンが収率3%で生成していた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 45/28 C07C 45/28 47/54 47/54 47/542 47/542 49/395 49/395 49/403 49/403 A 49/413 49/413 49/78 49/78 67/035 67/035 69/14 69/14 69/157 69/157 201/08 201/08 205/04 205/04 205/16 205/16 207/02 207/02 251/40 251/40 251/44 251/44 253/02 253/02 255/50 255/50 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC12 AC41 AC44 AC45 AC48 AC51 AC54 BA51 BE90 BJ20 BJ50 FC52 FE11 QN02 4H039 CA21 CA60 CA62 CA70 CA72 CC10 CD10

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(i) 【化1】 [式中、Xは酸素原子又は−OR基(Rは水素原子又は
    ヒドロキシル基の保護基を示す)を示す]で表される骨
    格を環の構成要素として含む窒素原子含有環状化合物の
    存在下、(A)ラジカルを生成可能な化合物と、(B)
    亜硝酸エステル又は亜硝酸塩とを反応させることを特徴
    とする有機化合物の製造法。
  2. 【請求項2】 窒素原子含有環状化合物が、下記式
    (I) 【化2】 [式中、nは0又は1を示す。Xは酸素原子又は−OR
    基(Rは水素原子又はヒドロキシル基の保護基を示す)
    を示す]で表される環状イミド骨格を有する環状イミド
    系化合物である請求項1記載の有機化合物の製造法。
  3. 【請求項3】 窒素原子含有環状化合物が、下記式
    (1) 【化3】 [式中、nは0又は1を示す。Xは酸素原子又は−OR
    基(Rは水素原子又はヒドロキシル基の保護基を示す)
    を示す。R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、同一又は
    異なって、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリ
    ール基、シクロアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキ
    シ基、カルボキシル基、置換オキシカルボニル基、アシ
    ル基又はアシルオキシ基を示し、R1、R2、R3、R4
    5及びR6のうち少なくとも2つが互いに結合して、環
    状イミド骨格を構成する炭素原子又は炭素−炭素結合と
    共に、二重結合、又は芳香族性若しくは非芳香族性の環
    を形成してもよい。前記R1、R2、R3、R4、R5
    6、又はR1、R2、R3、R4、R5及びR6のうち少な
    くとも2つが互いに結合して形成された二重結合又は芳
    香族性若しくは非芳香族性の環には、下記式(a) 【化4】 (式中、n、Xは前記に同じ)で表されるN−置換環状
    イミド基がさらに1又は2個以上形成されていてもよ
    い]で表される化合物である請求項1記載の有機化合物
    の製造法。
  4. 【請求項4】 ラジカルを生成可能な化合物(A)が、
    (A1)芳香族性環又は不飽和結合の隣接位にメチル基又
    はメチレン基を有する芳香族性化合物又は不飽和化合
    物、(A2)メチレン基を環の構成単位として含む非芳香
    族性環状化合物、又は(A3)メチン炭素原子を有する化
    合物である請求項1記載の有機化合物の製造法。
  5. 【請求項5】 反応によりオキシム化合物を生成させる
    請求項1記載の有機化合物の製造法。
  6. 【請求項6】 亜硝酸エステル又は亜硝酸塩(B)を、
    反応系に逐次的又は連続的に供給して反応させる請求項
    1記載の有機化合物の製造法。
  7. 【請求項7】 ラジカルを生成可能な化合物(A)と亜
    硝酸エステル又は亜硝酸塩(B)との反応によりニトロ
    ソ化合物又はそのダイマーを生成させる請求項1記載の
    有機化合物の製造法。
  8. 【請求項8】 ラジカルを生成可能な化合物(A)と亜
    硝酸エステル又は亜硝酸塩(B)との反応によりニトロ
    ソ化合物又はそのダイマーを生成させる工程と、生成し
    たニトロソ化合物又はそのダイマーをオキシム化合物に
    変換させる工程とを含む請求項1記載の有機化合物の製
    造法。
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