JP2003326937A - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

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JP2003326937A JP2002135852A JP2002135852A JP2003326937A JP 2003326937 A JP2003326937 A JP 2003326937A JP 2002135852 A JP2002135852 A JP 2002135852A JP 2002135852 A JP2002135852 A JP 2002135852A JP 2003326937 A JP2003326937 A JP 2003326937A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の空調ゾーンをそれぞれ独立して空調制
御するようにした車両用空調装置において、複数の空調
ゾーンのうち優先して空調制御するように設定された優
先ゾーンの乗員に対して、空調フィーリングを向上させ
る。 【解決手段】 優先空調するコマンドが有った場合に
は、後席運転席側の目標吹出温度TaoRrDrのみに
基づくステップS67に示す特性図に基づいて、後席用
空調ユニット2の吹出口モードが決定されるので、優先
ゾーンの乗員に適した吹出口モードに設定されて空調フ
ィーリングを向上できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車室内の複数の空
調ゾーンをそれぞれ独立して空調制御するようにした、
車両用空調装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の車両用空調装置が特開平
8−40043号公報にて記載されている。この空調装
置では、車室内のうち運転席側の空調ゾーンに吹き出さ
れる運転席側空調空気の温度と、助手席側の空調ゾーン
に吹き出される助手席側空調空気の温度とをそれぞれ独
立して制御している。
【0003】そして、当該空調装置では、運転席側空調
空気と助手席側空調空気とを共通の電動送風機を用いて
車室内に吹き出すようになっているため、両空調空気の
風量まではそれぞれ独立して制御することができず、両
空調空気の目標吹出温度の平均値に基づいて上記電動送
風機への印加電圧を決定して風量制御している。
【0004】また、上記従来の空調装置では、運転席側
空調ゾーンの吹出口モードと助手席側空調ゾーンの吹出
口モードとを共通の切替手段により共通のモードに設定
されるようになっているため、上記公報には記載されて
いないが、両空調空気の目標吹出温度の平均値に基づい
て吹出口モードを制御することが一般的である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記両空調
ゾーンのいずれかを優先ゾーンとして設定し、当該優先
ゾーンを他のゾーンに比べて優先して空調制御させるよ
うにすることが従来より知られており、このような場合
には、他のゾーンの空調空気温度を、優先ゾーンの目標
吹出温度に基づいて制御するようにしている。
【0006】しかしながら、上記公報に記載の空調装置
では、両空調空気の目標吹出温度の平均値に基づいて風
量制御するので、優先ゾーンの空調空気の風量が、他の
ゾーンの目標吹出温度の影響により優先ゾーンの乗員の
空調フィーリングに合わない風量となってしまう場合が
ある。例えば、優先ゾーンの空調状態が安定しているに
もかかわらず、他の空調ゾーンの目標吹出温度の影響で
低風量にならず、静粛性が得られないといった不具合が
生じる恐れがある。
【0007】また、上記公報に記載の空調装置では両空
調空気の目標吹出温度の平均値に基づいて吹出口モード
を制御するので、優先ゾーンの吹出口モードが、他のゾ
ーンの目標吹出温度の影響により優先ゾーンの乗員の空
調フィーリングに合わないモードとなってしまう場合が
ある。例えば、優先ゾーンの乗員に対して、上半身に温
風が吹き出されたり、足元に冷風が吹き出されてしまう
といった不具合が生じる恐れがある。
【0008】本発明は、上記点に鑑み、複数の空調ゾー
ンをそれぞれ独立して空調制御するようにした車両用空
調装置において、複数の空調ゾーンのうち優先して空調
制御するように設定された優先ゾーンの乗員に対して、
空調フィーリングを向上させることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明では、車室内(100)の第
1空調ゾーン(103a)に吹き出される第1空調空気
の目標吹出温度(TaoRrDr)と、車室内(10
0)の第2空調ゾーン(104a)に吹き出される第2
空調空気の目標吹出温度(TaoRrPa)とをそれぞ
れ独立して制御し、第1空調空気が吹き出される複数の
第1吹出口(103fa、103fo)の切替開閉と、
第2空調空気が吹き出される複数の第2吹出口(104
fa、104fo)の切替開閉とを、共通の吹出口制御
手段(26)で制御する車両用空調装置において、吹出
口制御手段(26)は、第1および第2空調空気の目標
吹出温度(TaoRrDr、TaoRrPa)のうち少
なくとも一方の温度を用いて、切替開閉の制御を行うよ
うになっており、第1および第2空調ゾーン(104
a)のいずれを優先して空調制御するかを設定する優先
ゾーン設定手段(109)を備え、優先ゾーン設定手段
(109)により第1空調ゾーン(103a)を優先す
るように設定された場合には、吹出口制御手段(26)
は、第1空調空気の目標吹出温度(TaoRrDr)を
用いる度合を第2空調空気の目標吹出温度(TaoRr
Pa)を用いる度合よりも大きくして、切替開閉の制御
を行うことを特徴とする。
【0010】これにより、優先ゾーン設定手段(10
9)により設定された第1空調ゾーン(103a)の複
数の第1吹出口(103fa、103fo)の切替開閉
は、優先設定されていない第2空調ゾーン(104a)
の目標吹出温度(TaoRrPa)よりも、優先ゾーン
設定手段(109)により設定された空調ゾーン(10
3a)の目標吹出温度(TaoRrDr)に応じた吹出
口に切替開閉されることとなる。
【0011】よって、優先設定された空調ゾーン(10
3a)の乗員に対して、例えば、上半身に温風が吹き出
されたり足元に冷風が吹き出されてしまうといった、空
調フィーリングに合わないモードとなってしまうこと等
を防止でき、優先ゾーンの乗員に対する空調フィーリン
グを向上できる。
【0012】請求項2に記載の発明では、優先ゾーン設
定手段(109)による設定がなされていない場合に
は、吹出口制御手段(26)は、第2空調空気の目標吹
出温度(TaoRrPa)を用いる度合と第1空調空気
の目標吹出温度(TaoRrDr)を用いる度合とを略
同一にして、切替開閉の制御を行うことを特徴とする。
【0013】これにより、優先させたい空調ゾーンが分
からない場合、優先ゾーンの乗員が設定温度を操作して
も、優先ゾーンの吹出口が変わらないといった不具合を
防止できる。
【0014】請求項3に記載の発明では、車室内(10
0)の第1空調ゾーン(103a)に吹き出される第1
空調空気の目標吹出温度(TaoRrDr)と、車室内
(100)の第2空調ゾーン(104a)に吹き出され
る第2空調空気の目標吹出温度(TaoRrPa)とを
それぞれ独立して制御し、第1空調空気と第2空調空気
とを共通の送風手段(22)により車室内(100)に
吹き出すとともに、送風手段(22)の駆動を制御する
風量制御手段(22a)により第1および第2空調空気
の吹出風量を制御する車両用空調装置において、風量制
御手段(22a)は、第1および第2空調空気の目標吹
出温度(TaoRrDr、TaoRrPa)のうち少な
くとも一方の温度を用いて、送風手段(22)の駆動制
御を行うようになっており、第1および第2空調ゾーン
(104a)のいずれを優先して空調制御するかを設定
する優先ゾーン設定手段(109)を備え、優先ゾーン
設定手段(109)により第1空調ゾーン(103a)
を優先するように設定された場合には、風量制御手段
(22a)は、第1空調空気の目標吹出温度(TaoR
rDr)を用いる度合を第2空調空気の目標吹出温度
(TaoRrPa)を用いる度合よりも大きくして、送
風手段(22)の駆動制御を行うことを特徴とする。
【0015】これにより、優先ゾーン設定手段(10
9)により設定された第1空調ゾーン(103a)への
空調空気の吹出風量は、優先設定されていない第2空調
ゾーン(104a)の目標吹出温度(TaoRrPa)
よりも、優先ゾーン設定手段(109)により設定され
た空調ゾーン(103a)の目標吹出温度(TaoRr
Dr)に応じた吹出風量に制御されることとなる。
【0016】よって、優先設定された第1空調ゾーン
(103a)の乗員に対して、例えば、第1空調ゾーン
(103a)の空調状態が安定しているにもかかわら
ず、第2空調ゾーン(104a)の目標吹出温度(Ta
oRrPa)の影響で低風量にならず、静粛性が得られ
ないといった不具合等を防止でき、優先ゾーンの乗員に
対する空調フィーリングを向上できる。
【0017】請求項4に記載の発明では、優先ゾーン設
定手段(109)による設定がなされていない場合に
は、風量制御手段(22a)は、第2空調空気の目標吹
出温度(TaoRrPa)を用いる度合と第1空調空気
の目標吹出温度(TaoRrDr)を用いる度合とを略
同一にして、送風手段(22)の駆動制御を行うことを
特徴とする。
【0018】これにより、優先させたい空調ゾーンが分
からない場合、優先ゾーンの乗員が設定温度を操作して
も、優先ゾーンの吹出風量が変わらないといった不具合
を防止できる。
【0019】請求項5に記載の発明では、優先ゾーン設
定手段(109)は、優先して空調制御する空調ゾーン
を、車両乗員の音声により設定するようになっているこ
とを特徴とするので、新たなスイッチを不要にできる。
【0020】請求項6に記載の発明では、第1空調ゾー
ン(103a)および第2空調ゾーン(104a)は、
車室内(100)のうち運転席より後方にて、車両左右
方向に互いに隣接する空調ゾーンであることを特徴とす
る。
【0021】これにより、優先ゾーンの乗員が乗車する
確率が高く、前席のように運転席側が優先と決まってい
ない後席に本発明を適用することにより、優先ゾーンの
乗員が乗車する確率の高い後席でも、優先ゾーンの乗員
の快適性を維持でき、空調装置の省スペース、低コスト
化のために、運転席側および助手席側で吹出口の切り替
えや吹出風量を共用することができる。
【0022】請求項7に記載の発明では、車両を走行さ
せる駆動源としての駆動手段が運転状態から停止した場
合には、運転状態における優先ゾーン設定手段(10
9)による設定をキャンセルすることを特徴とし、請求
項8に記載の発明では、車両を走行させる駆動源として
の駆動手段が停止状態から始動した場合には、駆動手段
が前回運転していたときにおける優先ゾーン設定手段
(109)による設定をキャンセルすることを特徴とす
る。なお、請求項7または8に記載の駆動手段として
は、エンジン、バッテリー等が挙げられる。
【0023】また、請求項9に記載の発明では、車両乗
員が降車したと判定された場合には、乗員が乗車してい
たときにおける優先ゾーン設定手段(109)による設
定をキャンセルすることを特徴とする。
【0024】これらの請求項7ないし9のいずれか1つ
の発明によれば、優先ゾーンの乗員が降車した可能性の
高い時は、優先ゾーン設定手段(109)による設定が
キャンセルされることとなるので、優先ゾーンの乗員が
降車した後に設定温度を操作しても、吹出口の切替開閉
や吹出風量が変わらないといった不具合を防止できる。
【0025】請求項10に記載の発明では、車室内(1
00)の第1空調ゾーン(103a)に吹き出される第
1空調空気の目標吹出温度(TaoRrDr)と、車室
内(100)の第2空調ゾーン(104a)に吹き出さ
れる第2空調空気の目標吹出温度(TaoRrPa)と
をそれぞれ独立して制御する機能と、第1空調空気が吹
き出される複数の第1吹出口(103fa、103f
o)の切替開閉と、第2空調空気が吹き出される複数の
第2吹出口(104fa、104fo)の切替開閉と
を、共通の吹出口制御手段(26)で制御する機能と
を、車両用空調装置のコンピュータに実現させるための
プログラムであって、第1および第2空調空気の目標吹
出温度(TaoRrDr、TaoRrPa)のうち少な
くとも一方の温度を用いて切替開閉の制御を行う機能
と、第1および第2空調ゾーン(104a)のいずれを
優先して空調制御するかを設定する優先ゾーン設定手段
(109)により第1空調ゾーン(103a)を優先す
るように設定された場合に、第1空調空気の目標吹出温
度(TaoRrDr)を用いる度合を第2空調空気の目
標吹出温度(TaoRrPa)を用いる度合よりも大き
くして切替開閉の制御を行う機能とを、コンピュータに
実現させることを特徴とする。
【0026】これにより、請求項1に記載の発明と同様
の効果を得ることができる。
【0027】請求項11に記載の発明では、車室内(1
00)の第1空調ゾーン(103a)に吹き出される第
1空調空気の目標吹出温度(TaoRrDr)と、車室
内(100)の第2空調ゾーン(104a)に吹き出さ
れる第2空調空気の目標吹出温度(TaoRrPa)と
をそれぞれ独立して制御する機能と、第1空調空気と第
2空調空気とを共通の送風手段(22)により車室内
(100)に吹き出すとともに、送風手段(22)の駆
動を制御する風量制御手段(22a)により第1および
第2空調空気の吹出風量を制御する機能とを、車両用空
調装置のコンピュータに実現させるためのプログラムで
あって、第1および第2空調空気の目標吹出温度(Ta
oRrDr、TaoRrPa)のうち少なくとも一方の
温度を用いて送風手段(22)の駆動制御を行う機能
と、第1および第2空調ゾーン(104a)のいずれを
優先して空調制御するかを設定する優先ゾーン設定手段
(109)により第1空調ゾーン(103a)を優先す
るように設定された場合に、第1空調空気の目標吹出温
度(TaoRrDr)を用いる度合を第2空調空気の目
標吹出温度(TaoRrPa)を用いる度合よりも大き
くして、送風手段(22)の駆動制御を行う機能とを、
コンピュータに実現させることを特徴とする。
【0028】これにより、請求項3に記載の発明と同様
の効果を得ることができる。
【0029】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一
例である。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の各実施形態を図に
基づいて説明する。
【0031】(第1実施形態)図1ないし図7は本発明
の第1実施形態を示したもので、本実施形態は、図1に
示す車室内100のうち4つの空調ゾーンをそれぞれ独
立に空調制御する車両用空調装置に、本発明を適用した
ものである。
【0032】図1は、車室内100の4つの空調ゾーン
101a、102a、103a、104aの位置関係、
および各空調ゾーン101a〜104aに対する空調空
気の吹出口の配置を示す模式図である。なお、4つの空
調ゾーンとは、車室内の前席運転席側空調ゾーン101
a、前席助手席側空調ゾーン102a、後席運転席側空
調ゾーン103a、後席助手席側空調ゾーン104aで
ある。そして、本実施形態では、右ハンドル車にて説明
するので、車室内の右側が運転席側となり、車室内の左
側が助手席側となる。
【0033】また、符号101fa、102fa、10
3fa、104faはそれぞれ運転席101の乗員(運
転者)、助手席102の乗員、後席運転席側103の乗
員、後席助手席側104の乗員の上半身に向かって空調
空気を吹き出すフェイス吹出口であり、それぞれ運転席
空調ゾーン101a、助手席空調ゾーン102a、後席
運転席側空調ゾーン103a、後席助手席側空調ゾーン
104aに空調空気を吹き出すための吹出口である。
【0034】また、符号101fo、102fo、10
3fo、104foはそれぞれ運転席101の乗員、助
手席102の乗員、後席運転席側103の乗員、後席助
手席側104の乗員の足元に向かって空調空気を吹き出
すフット吹出口であり、それぞれ運転席空調ゾーン10
1a、助手席空調ゾーン102a、後席運転席側空調ゾ
ーン103a、後席助手席側空調ゾーン104aに空調
空気を吹き出すための吹出口である。
【0035】また、インストルメントパネル105の上
面には、フロントウインドシールドに向けて空調空気を
吹き出すデフロスタ吹出口DEFが備えられている。
【0036】図2は、本実施形態の車両用空調装置の全
体構成を示す全体構成図であり、この空調装置は、運転
席空調ゾーン101aおよび助手席空調ゾーン102a
をそれぞれ独立に空調するための前席用空調ユニット1
と、後席運転席側空調ゾーン103aおよび後席助手席
側空調ゾーン104aをそれぞれ独立に空調するための
後席用空調ユニット2とから構成されている。前席用空
調ユニット1はインストルメントパネル105内側に配
置されており、後席用空調ユニット2は車室内100の
最後方に配置されている。
【0037】はじめに、前席用空調ユニット1の構成を
説明する。
【0038】前席用空調ユニット1は車室内100に空
気を送るダクト10を備え、このダクト10内に空気流
れ上流から下流に向かって次に示す構成部品を順次配置
している。すなわち、ダクト10に開口する内気導入口
10aおよび外気導入口10bを開閉して内気モードお
よび外気モードを切り替える内外気切替ドア11、車室
内100に向かう空気流を発生させる送風手段としての
ブロア12、図示しない冷凍サイクルの冷媒により空気
を冷却するエバポレータ13、空気を加熱するヒータコ
ア14を順次配置している。
【0039】そして、ダクト10内のうちヒータコア1
4の下流側には、車室内100に吹き出す空気の温度を
調節するエアミックスドア15、前席空調ゾーン101
a、102aへの各吹出口101fa、102fa、1
01fo、102fo、DEFを切り替え開閉して吹出
口モードを切り替える吹出口切換ドア16を順次配置し
ている。なお、吹出口モードには、周知のフェイスモー
ド、デフロスタモード、フットモード、バイレベルモー
ド、フットデフモード等がある。
【0040】そして、ダクト10内のうちエバポレータ
13の下流部分には仕切り板17が備えられており、こ
れによりダクト10内は、運転席側通路10cと助手席
側通路10dとに仕切られている。運転席側通路10c
は、前席運転席側のフェイス吹出口101fa、フット
吹出口101foおよびデフロスタ吹出口DEFに空気
を導く通路であり、助手席側通路10dは、前席助手席
側のフェイス吹出口102fa、フット吹出口102f
oおよびデフロスタ吹出口DEFに空気を導く通路であ
る。
【0041】そして、前述のエアミックスドア15およ
び吹出口切換ドア16は、両通路10c、10dのそれ
ぞれに設けられている。従って、前席用空調ユニット1
では、前席運転席側および助手席側空調ゾーン101
a、102aに吹き出される空調空気の温度と、吹出口
モードとを各空調ゾーン101a、102a毎に独立し
て制御できる。
【0042】また、前席用空調ユニット1では、運転席
側通路10cと助手席側通路10dとにまたがってブロ
ワ12を備えており、各空調ゾーン101a、102a
へ吹き出される空調空気を共通のブロワ12により車室
内100に吹き出すとともに、ブロワ12の回転数を制
御することにより空調空気の吹出風量を制御するように
なっているので、両空調ゾーン101a、102aから
吹き出される空調空気の吹出風量は常に略同一となる。
【0043】次に、後席用空調ユニット2の構成を説明
する。
【0044】後席用空調ユニット2は車室内100に空
気を送るダクト20を備え、このダクト20内に空気流
れ上流から下流に向かって次に示す構成部品を順次配置
している。すなわち、ダクト20最上流部に開口する内
気導入口20aから空気を導入して車室内100に向か
う空気流を発生させる送風手段としてのブロア22、図
示しない冷凍サイクルの冷媒により空気を冷却するエバ
ポレータ23、空気を加熱するヒータコア24を順次配
置している。
【0045】そして、ダクト20内のうちヒータコア2
4の下流側には、車室内100に吹き出す空気の温度を
調節するエアミックスドア25、後席空調ゾーン103
a、104aへの各吹出口103fa、104fa、1
03fo、104foを切り替え開閉して吹出口モード
を切り替える吹出口制御手段としての吹出口切換ドア2
6を順次配置している。
【0046】なお、吹出口モードには、周知のフェイス
モード、フットモード、バイレベルモード等がある。ま
た、ダクト20内には内気導入口20aからの内気のみ
が導入され、常に内気循環モードとなる。
【0047】そして、ダクト20内のうちエバポレータ
23の下流部分には仕切り板27が備えられており、こ
れによりダクト20内は、運転席側通路20cと助手席
側通路10dとに仕切られている。運転席側通路20c
は、後席運転席側のフェイス吹出口103faおよびフ
ット吹出口103foに空気を導く通路であり、助手席
側通路20dは、後席助手席側のフェイス吹出口104
faおよびフット吹出口104foに空気を導く通路で
ある。
【0048】そして、前述のエアミックスドア25は、
両通路20c、20dのそれぞれに設けられている。ま
た、吹出口切換ドア26は、両通路20c、20dにま
たがって設けられており、両通路20c、20dに共通
のドア26として機能する。
【0049】従って、後席用空調ユニット2では、後席
運転席側および助手席側空調ゾーン103a、104a
に吹き出される空調空気の温度を各空調ゾーン103
a、104a毎に独立して制御できるものの、両空調ゾ
ーン103a、104aの吹出口モードは常に同一の吹
出口モードとなる。
【0050】また、後席用空調ユニット2では、運転席
側通路20cと助手席側通路20dとにまたがってブロ
ワ22を備えており、各空調ゾーン103a、104a
へ吹き出される空調空気を共通のブロワ22により車室
内100に吹き出すとともに、ブロワ22の回転数を制
御することにより空調空気の吹出風量を制御するように
なっているので、両空調ゾーン103a、104aから
吹き出される空調空気の吹出風量は常に略同一となる。
【0051】両空調ユニット1、2は、共通の空調制御
装置(以下、エアコンECUと呼ぶ)3により制御され
るようになっている。そして、図3に示すように、エア
コンECU3には次に挙げる信号が入力される。
【0052】すなわち、外気温度センサ31により検出
される車室外の外気温度Tam、冷却水温度センサ32
により検出されるエンジンの冷却水温度Tw、日射セン
サ(日射検出手段)33により検出される運転席側およ
び助手席側の日射量TsDr、TsPa、前席用および
後席用の内気温度センサ34、35により検出される前
席および後席空調ゾーン101a、102a、103
a、104aの内気温度TrFr、TrRr、エバ後温
度センサ36、37により検出される前席用および後席
用のエバポレータ13、23直後の空気温度(以下、エ
バ後温度と呼ぶ)TeFr、TeRrが挙げられる。
【0053】なお、日射センサ33は、フロントウイン
ドウの内側にて車両左右方向の略中央部分に配置された
周知の2D日射センサであり、運転席側からの日射量T
sDrを検出するセンサと助手席側からの日射量TsP
aを検出するセンサとを1体に構成したものである。
【0054】また、車室内100には、運転席101、
助手席102の各乗員が、前席運転席側空調ゾーンおよ
び前席助手席側空調ゾーン101a、102aの空気温
度を希望する温度に設定するための温度設定手段10
5、106が備えられている。
【0055】また、車室内100には、後席運転席側1
03、後席助手席側104の各乗員が、後席運転席側空
調ゾーンおよび後席助手席側空調ゾーン103a、10
4aの空気温度を希望する温度に設定するための温度設
定手段107、108が備えられている。
【0056】また、車室内100には、後席運転席側空
調ゾーン103aおよび後席助手席側空調ゾーン104
aのいずれを優先して空調制御するかを設定する優先ゾ
ーン設定手段109が備えられている。なお、当該優先
ゾーン設定手段109は、乗員の音声コマンドにより設
定されるようになっており、これにより、新たなスイッ
チを不要にしている。そして、本実施形態では、乗員が
「バランス」と言えば、後席運転席側空調ゾーン103
aを優先して空調制御するように設定される。
【0057】なお、温度設定手段105、106、10
7、108近傍には、各設定内容を表示するディスプレ
イ105a、106a、107a、108aと、いずれ
の空調ゾーンが優先ゾーンとして設定されているかを表
示する図示しないディスプレイとが備えられている。
【0058】そして、エアコンECU3への入力信号に
は、上述に挙げた信号の他に、温度設定手段105、1
06、107、108および優先空調ゾーン設定手段1
09から出力される設定温度TsetFrDr、Tse
tFrPa、TsetRrDr、TsetRrPが挙げ
られる。
【0059】次に、以上の構成による前席用空調ユニッ
ト1および後席用空調ユニット2の作動を説明する。
【0060】エアコンECU3は上記入力信号に基づい
て所定の演算処理を行い、下記の各アクチュエータに制
御信号を出力する。そして、エアコンECU3からの出
力信号には、内外気切換ドア11を駆動させるサーボモ
ータ11a、ブロア12、22を駆動させる駆動モータ
12a、22a、前述の冷凍サイクルの冷媒を吸入、圧
縮、吐出するコンプレッサの電磁クラッチ、エバポレー
タ13、23の冷媒流れ上流側にて冷媒流れを断続する
電磁弁、エアミックスドア15、25を駆動させるサー
ボモータ15a、25a、吹出口切換ドア16、26を
駆動させるサーボモータ16a、26aの作動を制御す
るための信号等が挙げられる。
【0061】図4はエアコンECU3が実行するプログ
ラムのフローチャートを示しており、以下にフローチャ
ートの内容を説明する。
【0062】先ず、ステップS1において、データやフ
ラグなどの初期化を行う。次に、ステップS2におい
て、温度設定手段105、106、107、108から
設定温度TsetFrDr、TsetFrPa、Tse
tRrDr、TsetRrPaを読み込む。
【0063】次に、ステップS3において、上述の各セ
ンサから、外気温度Tam、冷却水温度Tw、日射量T
sDr、TsPa、内気温度TrFr、TrRr、エバ
後温度TeFr、TeRrを読み込む。
【0064】次に、ステップS4において、前席用空調
ユニット1により前席運転席側および助手席側空調ゾー
ン101a、102aに向けて吹き出される空調空気の
前席運転席側目標吹出温度TaoFrDr、前席助手席
側目標吹出温度TaoFrPaを算出する。また、後席
用空調ユニット2により後席運転席側および助手席側空
調ゾーン103a、104aに向けて吹き出される空調
空気の後席運転席側目標吹出温度TaoRrDr、後席
助手席側目標吹出温度TaoRrPaを算出する。
【0065】そして、ステップS4において、上記各目
標吹出温度TaoFrDr、TaoFrPa、TaoR
rDr、TaoRrPaを、次の数1および数2の式に
基づいて算出する。
【0066】
【数1】TaoFr(i)=KsetFr・TsetF
r(i)−KrFr・TrFr−Kam・Tam−Ks
Fr・Ts(i)+C 但し、iはDrまたはPaである。また、KsetFr
は前席用温度設定ゲイン、KrFrは前席用内気温ゲイ
ン、Kamは外気温ゲイン、KsFrは前席用日射ゲイ
ン、Cは補正定数である。
【0067】
【数2】TaoRr=KsetRr・TsetRr
(i)−KrRr・TrRr−Kam・Tam−KsR
r・Ts(i)+C 但し、KsetRrは後席用温度設定ゲイン、KrRr
は後席用内気温ゲイン、Kamは外気温ゲイン、KsR
rは後席用日射ゲイン、Cは補正定数である。
【0068】次に、ステップS5において、上述のステ
ップS4にて算出されたTaoDr(i)、TaoPa
(i)に基づいて図5の特性図から前席用空調ユニット
1の内外気モードを決定する。なお、図5中、SW1は
内外気切換ドア11の目標開度であり、本実施形態にお
いては内気導入口10aを全閉し、外気導入口10bを
全開する場合を目標開度SW1=100%とする。
【0069】次に、ステップS6において、後述する図
7のサブルーチンプログラムに従って、上述のステップ
S4にて算出されたTaoFr(i)、TaoRr
(i)に基づいて前席用空調ユニット1の運転席側およ
び助手席側の吹出口モードをそれぞれ決定するととも
に、後席用空調ユニット2の吹出口モードを決定する。
【0070】次に、ステップS7において、上述のステ
ップS4にて算出されたTaoFrDr、TaoFrP
aの平均値、TaoRrDr、TaoRrPaの平均値
に基づいて図6の特性図から前席用および後席用空調ユ
ニット1、2のブロア12、22の駆動モータ12a、
22aに印加されるブロア電圧(V)をそれぞれ決定し
て、ブロア12、22に所定の風量を生じさせる。
【0071】次に、ステップS8において、上述のステ
ップS4にて算出されたTaoFr(i)、TaoRr
(i)に基づいて、前席用空調ユニット1のエアミック
スドア15の目標開度θFrDr、θFrPaと、後席
用空調ユニット2のエアミックスドア15の目標開度θ
RrDr、θRrPaとを、次の数3および数4の式に
より算出する。
【0072】
【数3】θFr(i)={(TaoFr(i)−TeF
r)/(Tw−TeFr)}×100(%)
【0073】
【数4】θRr(i)={(TaoRr(i)−TeR
r)/(Tw−TeRr)}×100(%) 次に、ステップS9において、上述のステップS4〜ス
テップS8にて決定または算出された空調制御状態とな
るように、前述の各種出力モータ等の作動を制御する信
号を出力する。そして、ステップS10において、所定
の制御周期時間(t)が経過したか否かを判定する。こ
の判定結果がYESの場合にはステップS2にリターン
され、その判定結果がNOの場合には制御周期時間
(t)の経過を待つ。
【0074】次に、吹出口モードを決定するステップS
6のルーチンプログラムを説明すると、はじめに、ステ
ップS61において、イグニッションスイッチがオフの
状態からオンの状態になったか否かを判定する。そし
て、オフからオンになっていれば、イグニッションスイ
ッチを入れ直したとみなして、ステップS62に進み、
優先ゾーン設定手段109により設定されていた優先ゾ
ーンをキャンセルする。
【0075】一方、オフからオンになっていなければ、
ステップS63において、前述の後席運転席側空調ゾー
ン103aを優先して空調制御する旨の「バランス」コ
マンドが有ったか否かを判定する。そして、優先空調す
るコマンドが有った場合には、ステップS64に進み、
設定温度TsetRrPaを設定温度TsetRrDr
と略同一に合わせる。すなわち、ステップS4における
TaoRrPaの算出が、TsetRrDrに基づいて
算出されることとなる。
【0076】そして、ステップS65において優先ゾー
ン(座席)を後席運転席側空調ゾーン103aと認識
し、その後、ステップS67に示す特性図に基づいて後
席用空調ユニット2の吹出口モードが決定される。な
お、上記特性図は、後席運転席側の目標吹出温度Tao
RrDrのみに基づく特性図であり、後席助手席側の目
標吹出温度TaoRrPaとは無関係である。
【0077】また、ステップS63にて優先空調するコ
マンドが無いと判定された場合、または、ステップS6
2の処理がなされた後には、ステップS66に進み、ス
テップS66に示す特性図に基づいて後席用空調ユニッ
ト2の吹出口モードが決定される。なお、上記特性図
は、後席運転席側の目標吹出温度TaoRrDrと後席
助手席側の目標吹出温度TaoRrPaとの平均値に基
づく特性図である。
【0078】次に、上記構成による前席用空調ユニット
1および後席用空調ユニット2の作動を簡単に説明す
る。
【0079】初めに前席用空調ユニット1の作動を説明
すると、ステップS5、S6、S7、S8による各決定
に基づいて、内外気切換ドア11、運転席側および助手
席側の各吹出口切換ドア16、ブロア12、運転席側お
よび助手席側の各エアミックスドア15が駆動される。
【0080】これにより、内気導入口10aおよび外気
導入口10bからダクト10内に空気が導入される。ダ
クト10内を流れる空気は、エバポレータ13を通過す
る際に冷媒と熱交換して冷却される。ここで、エバ後温
度TeFr、TeRrの検出値等に基づいてエアコンE
CU3によってコンプレッサの回転数を制御することに
より、冷凍サイクル内を流れる冷媒の流量を制御して、
エバポレータ13の冷却性能を調整している。
【0081】エバポレータ13で冷却された空気は、ヒ
ータコア14を通過する際にエンジン冷却水と熱交換し
て加熱される。そして、エアミックスドア15によって
ヒータコア14を通過する空気とヒータコア14を迂回
する空気との割合が調節され、こうして所定の温度に左
右独立して調整された空調空気が、運転席側および助手
席側の各吹出口101fa、101fo、102fa、
102fo、DEFから吹き出される。
【0082】次に後席用空調ユニット2の作動を説明す
ると、ステップS5、S6、S7、S8による各決定に
基づいて、吹出口切換ドア26、ブロア22、運転席側
および助手席側の各エアミックスドア25が駆動され
る。
【0083】これにより、内気導入口20aからダクト
20内に空気が導入される。ダクト20内を流れる空気
は、エバポレータ23を通過する際に冷媒と熱交換して
冷却される。エバポレータ23で冷却された空気は、ヒ
ータコア24を通過する際にエンジン冷却水と熱交換し
て加熱される。そして、エアミックスドア25によって
ヒータコア24を通過する空気とヒータコア24を迂回
する空気との割合が調節され、こうして所定の温度に左
右独立して調整された空調空気が、運転席側および助手
席側の各吹出口103fa、103fo、104fa、
104foから吹き出される。
【0084】以上により、本実施形態によれば、優先空
調するコマンドが有った場合には、後席運転席側の目標
吹出温度TaoRrDrのみに基づくステップS67に
示す特性図に基づいて後席用空調ユニット2の吹出口モ
ードが決定されるので、優先設定された後席運転席側空
調ゾーン103aの乗員に対して、例えば、上半身に温
風が吹き出されたり足元に冷風が吹き出されてしまうと
いった、空調フィーリングに合わないモードとなってし
まうこと等を防止でき、優先ゾーンの乗員に対する空調
フィーリングを向上できる。
【0085】ところで、イグニッションスイッチがオフ
の状態からオンの状態になっていれば、イグニッション
スイッチを入れ直し、優先ゾーンの乗員が降車した可能
性が高い。これに対し、本実施形態によれば、上述のよ
うにオフからオンになった場合に、設定されていた優先
ゾーンをキャンセルするので、優先ゾーンの乗員が降車
した後に他の乗員が設定温度を操作しても、吹出口の切
替開閉や吹出風量が変わらないといった不具合を防止で
きる。
【0086】また、本実施形態によれば、優先空調する
コマンドが無かった場合には、優先後席運転席側の目標
吹出温度TaoRrDrと後席助手席側の目標吹出温度
TaoRrPaとの平均値に基づくステップS66に示
す特性図に基づいて後席用空調ユニット2の吹出口モー
ドが決定されるので、優先させたい空調ゾーンが分から
ない場合、優先ゾーンの乗員が設定温度を操作しても、
優先ゾーンの吹出風量が変わらないといった不具合を防
止できる。
【0087】(第2実施形態)上記第1実施形態では、
TaoRrDr、TaoRrPaの平均値に基づいた図
6の特性図に基づいてブロア22の風量を決定している
が、本実施形態では、優先ゾーンが設定されている場合
には、TaoRrDrのみに基づく特性図に基づいてブ
ロア22の風量を決定している。
【0088】具体的には、第1実施形態におけるステッ
プS7において、図8のサブルーチンプログラムに従っ
て風量を決定しており、ステップS71〜S75におい
ては、図7のステップS61〜S65と同様の処理を実
行する。そして、ステップS75の処理が実行された
後、ステップS77に示す特性図に基づいて後席用空調
ユニット2のブロワ22による吹出風量が決定される。
なお、上記特性図は、後席運転席側の目標吹出温度Ta
oRrDrのみに基づく特性図であり、後席助手席側の
目標吹出温度TaoRrPaとは無関係である。
【0089】また、ステップS73にて優先空調するコ
マンドが無いと判定された場合、または、ステップS7
2の処理がなされた後には、ステップS76に進み、ス
テップS76に示す特性図に基づいて後席用空調ユニッ
ト2の吹出風量が決定される。なお、上記特性図は、後
席運転席側の目標吹出温度TaoRrDrと後席助手席
側の目標吹出温度TaoRrPaとの平均値に基づく特
性図である。
【0090】以上により、本実施形態によれば、優先空
調するコマンドが有った場合には、後席運転席側の目標
吹出温度TaoRrDrのみに基づくステップS77に
示す特性図に基づいて後席用空調ユニット2の吹出風量
が決定されるので、優先設定された後席運転席側空調ゾ
ーン103aの乗員に対して、例えば、後席運転席側空
調ゾーン103aの空調状態が安定しているにもかかわ
らず、後席助手席側空調ゾーン104aの目標吹出温度
TaoRrPaの影響で低風量にならず、静粛性が得ら
れないといった不具合等を防止でき、優先ゾーンの乗員
に対する空調フィーリングを向上できる。
【0091】(他の実施形態)上記第1および第2実施
形態では、優先ゾーンを後席運転席側空調ゾーン103
aとしているが、本発明はこれに限られることなく、例
えば、後席助手席側空調ゾーン104aを優先ゾーンと
なるようにしてもよい。また、任意の空調ゾーンを優先
ゾーンとなるように選択できるようにしてもよい。
【0092】また、上記第1および第2実施形態の優先
ゾーン設定手段109は、乗員の音声コマンドにより設
定されるようになっているが、本発明の実施にあたり、
優先ゾーンを設定するスイッチを車室内100に設け、
当該スイッチにより設定されるようにしてもよい。
【0093】また、上記第1実施形態では、優先空調す
るコマンドが有った場合には、後席運転席側の目標吹出
温度TaoRrDrのみに基づく特性図に基づいて後席
用空調ユニット2の吹出口モードを決定しているが、本
発明の実施にあたり、目標吹出温度TaoRrDrを用
いる度合を目標吹出温度TaoRrPaを用いる度合よ
りも大きくした特性図に基づいて、後席用空調ユニット
2の吹出口モードを決定するようにしてもよい。
【0094】具体的には、ステップS67に示す特性図
の横軸を、(W1・TaoRrDr+W2・TaoRr
Pa)/2とし、W1+W2=2、かつ、W1>W2と
するようにすればよい。
【0095】同様に、本発明の実施にあたり、目標吹出
温度TaoRrDrを用いる度合を目標吹出温度Tao
RrPaを用いる度合よりも大きくした特性図に基づい
て、後席用空調ユニット2の吹出風量を決定するように
してもよい。
【0096】具体的には、ステップS77に示す特性図
の横軸を、(W1・TaoRrDr+W2・TaoRr
Pa)/2とし、W1+W2=2、かつ、W1>W2と
するようにすればよい。
【0097】また、上記第1および第2実施形態のステ
ップS61およびステップS71では、イグニッション
スイッチがオフの状態からオンの状態になったか否かを
判定しているが、本発明の実施にあたり、優先ゾーンの
乗員が降車したか否かを検出する検出手段を設け、当該
検出手段により降車が検出された場合にステップS61
およびステップS71に進むようにしてもよい。
【0098】なお、上記検出手段の例としては、座席1
03、104に設けられたシートスイッチ、車室内10
0に設けられた赤外線カメラ、ドア開閉検出手段等が挙
げられる。
【0099】なお、本発明は、第1空調ゾーンとしての
後席運転席側空調ゾーン103aと、第2空調ゾーンと
しての後席助手席側空調ゾーン104aとの、2つの空
調ゾーンのうちいずれを優先設定するかを設定した場合
の制御に限られるものではなく、3つ以上の空調ゾーン
のうちいずれを優先設定するかを設定した場合の制御に
も適用できることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における空調空気の吹出
口の配置を示す模式図である。
【図2】第1実施形態における車両用空調装置の全体構
成を示す全体構成図である。
【図3】図2に示すエアコンECUへの入力信号を示す
図である。
【図4】第1実施形態におけるエアコンECUが実行す
るプログラムのフローチャートである。
【図5】第1実施形態におけるTaoと内外気モードと
の関係を表す特性図である。
【図6】第1実施形態におけるTaoとブロア電圧との
関係を示す特性図である。
【図7】図4のフローチャートの部分詳細を示すフロー
チャートである。
【図8】本発明の第2実施形態における吹出風量を決定
するフローチャートである。
【符号の説明】
26…吹出口切換ドア(吹出口制御手段)、100…車
室内、103a…後席運転席側空調ゾーン(第1空調ゾ
ーン)、104a…後席助手席側空調ゾーン(第2空調
ゾーン)、103fa…後席運転席側空調ゾーンのフェ
イス吹出口(第1吹出口)、103fo…後席運転席側
空調ゾーンのフット吹出口(第1吹出口)、104fa
…後席助手席側空調ゾーンのフェイス吹出口(第2吹出
口)、104fo…後席助手席側空調ゾーンのフット吹
出口(第2吹出口)、109…優先ゾーン設定手段、T
aoRrDr…後席運転席側空調ゾーンの目標吹出温
度、TaoRrPa…後席助手席側空調ゾーンの目標吹
出温度。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車室内(100)の第1空調ゾーン(1
    03a)に吹き出される第1空調空気の目標吹出温度
    (TaoRrDr)と、車室内(100)の第2空調ゾ
    ーン(104a)に吹き出される第2空調空気の目標吹
    出温度(TaoRrPa)とをそれぞれ独立して制御
    し、 前記第1空調空気が吹き出される複数の第1吹出口(1
    03fa、103fo)の切替開閉と、前記第2空調空
    気が吹き出される複数の第2吹出口(104fa、10
    4fo)の切替開閉とを、共通の吹出口制御手段(2
    6)で制御する車両用空調装置において、 前記吹出口制御手段(26)は、前記第1および第2空
    調空気の目標吹出温度(TaoRrDr、TaoRrP
    a)のうち少なくとも一方の温度を用いて、前記切替開
    閉の制御を行うようになっており、 前記第1および第2空調ゾーン(103a、104a)
    のいずれを優先して空調制御するかを設定する優先ゾー
    ン設定手段(109)を備え、 前記優先ゾーン設定手段(109)により前記第1空調
    ゾーン(103a)を優先するように設定された場合に
    は、前記吹出口制御手段(26)は、前記第1空調空気
    の目標吹出温度(TaoRrDr)を用いる度合を前記
    第2空調空気の目標吹出温度(TaoRrPa)を用い
    る度合よりも大きくして、前記切替開閉の制御を行うこ
    とを特徴とする車両用空調装置。
  2. 【請求項2】 前記優先ゾーン設定手段(109)によ
    る設定がなされていない場合には、前記吹出口制御手段
    (26)は、前記第2空調空気の目標吹出温度(Tao
    RrPa)を用いる度合と前記第1空調空気の目標吹出
    温度(TaoRrDr)を用いる度合とを略同一にし
    て、前記切替開閉の制御を行うことを特徴とする請求項
    1に記載の車両用空調装置。
  3. 【請求項3】 車室内(100)の第1空調ゾーン(1
    03a)に吹き出される第1空調空気の目標吹出温度
    (TaoRrDr)と、車室内(100)の第2空調ゾ
    ーン(104a)に吹き出される第2空調空気の目標吹
    出温度(TaoRrPa)とをそれぞれ独立して制御
    し、 前記第1空調空気と前記第2空調空気とを共通の送風手
    段(22)により前記車室内(100)に吹き出すとと
    もに、前記送風手段(22)の駆動を制御する風量制御
    手段(22a)により前記第1および第2空調空気の吹
    出風量を制御する車両用空調装置において、 前記風量制御手段(22a)は、前記第1および第2空
    調空気の目標吹出温度(TaoRrDr、TaoRrP
    a)のうち少なくとも一方の温度を用いて、前記送風手
    段(22)の駆動制御を行うようになっており、 前記第1および第2空調ゾーン(103a、104a)
    のいずれを優先して空調制御するかを設定する優先ゾー
    ン設定手段(109)を備え、 前記優先ゾーン設定手段(109)により前記第1空調
    ゾーン(103a)を優先するように設定された場合に
    は、前記風量制御手段(22a)は、前記第1空調空気
    の目標吹出温度(TaoRrDr)を用いる度合を前記
    第2空調空気の目標吹出温度(TaoRrPa)を用い
    る度合よりも大きくして、前記送風手段(22)の駆動
    制御を行うことを特徴とする車両用空調装置。
  4. 【請求項4】 前記優先ゾーン設定手段(109)によ
    る設定がなされていない場合には、前記風量制御手段
    (22a)は、前記第2空調空気の目標吹出温度(Ta
    oRrPa)を用いる度合と前記第1空調空気の目標吹
    出温度(TaoRrDr)を用いる度合とを略同一にし
    て、前記送風手段(22)の駆動制御を行うことを特徴
    とする請求項3に記載の車両用空調装置。
  5. 【請求項5】 前記優先ゾーン設定手段(109)は、
    前記優先して空調制御する空調ゾーンを、車両乗員の音
    声により設定するようになっていることを特徴とする請
    求項1ないし4のいずれか1つに記載の車両用空調装
    置。
  6. 【請求項6】 前記第1空調ゾーン(103a)および
    前記第2空調ゾーン(104a)は、前記車室内(10
    0)のうち運転席より後方にて、車両左右方向に互いに
    隣接する空調ゾーンであることを特徴とする請求項1な
    いし5のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  7. 【請求項7】 車両を走行させる駆動源としての駆動手
    段が運転状態から停止した場合には、前記運転状態にお
    ける前記優先ゾーン設定手段(109)による設定をキ
    ャンセルすることを特徴とする請求項1ないし6のいず
    れか1つに記載の車両用空調装置。
  8. 【請求項8】 車両を走行させる駆動源としての駆動手
    段が停止状態から始動した場合には、前記駆動手段が前
    回運転していたときにおける前記優先ゾーン設定手段
    (109)による設定をキャンセルすることを特徴とす
    る請求項1ないし7のいずれか1つに記載の車両用空調
    装置。
  9. 【請求項9】 車両乗員が降車したと判定された場合に
    は、前記乗員が乗車していたときにおける前記優先ゾー
    ン設定手段(109)による設定をキャンセルすること
    を特徴とする請求項1ないし8のいずれか1つに記載の
    車両用空調装置。
  10. 【請求項10】 車室内(100)の第1空調ゾーン
    (103a)に吹き出される第1空調空気の目標吹出温
    度(TaoRrDr)と、車室内(100)の第2空調
    ゾーン(104a)に吹き出される第2空調空気の目標
    吹出温度(TaoRrPa)とをそれぞれ独立して制御
    する機能と、 前記第1空調空気が吹き出される複数の第1吹出口(1
    03fa、103fo)の切替開閉と、前記第2空調空
    気が吹き出される複数の第2吹出口(104fa、10
    4fo)の切替開閉とを、共通の吹出口制御手段(2
    6)で制御する機能とを、車両用空調装置のコンピュー
    タに実現させるためのプログラムであって、 前記第1および第2空調空気の目標吹出温度(TaoR
    rDr、TaoRrPa)のうち少なくとも一方の温度
    を用いて前記切替開閉の制御を行う機能と、 前記第1および第2空調ゾーン(103a、104a)
    のいずれを優先して空調制御するかを設定する優先ゾー
    ン設定手段(109)により前記第1空調ゾーン(10
    3a)を優先するように設定された場合に、度合前記第
    1空調空気の目標吹出温度(TaoRrDr)を用いる
    度合を前記第2空調空気の目標吹出温度(TaoRrP
    a)を用いるよりも大きくして前記切替開閉の制御を行
    う機能とを、前記コンピュータに実現させることを特徴
    とするプログラム。
  11. 【請求項11】 車室内(100)の第1空調ゾーン
    (103a)に吹き出される第1空調空気の目標吹出温
    度(TaoRrDr)と、車室内(100)の第2空調
    ゾーン(104a)に吹き出される第2空調空気の目標
    吹出温度(TaoRrPa)とをそれぞれ独立して制御
    する機能と、 前記第1空調空気と前記第2空調空気とを共通の送風手
    段(22)により前記車室内(100)に吹き出すとと
    もに、前記送風手段(22)の駆動を制御する風量制御
    手段(22a)により前記第1および第2空調空気の吹
    出風量を制御する機能とを、車両用空調装置のコンピュ
    ータに実現させるためのプログラムであって、 前記第1および第2空調空気の目標吹出温度(TaoR
    rDr、TaoRrPa)のうち少なくとも一方の温度
    を用いて前記送風手段(22)の駆動制御を行う機能
    と、 前記第1および第2空調ゾーン(103a、104a)
    のいずれを優先して空調制御するかを設定する優先ゾー
    ン設定手段(109)により前記第1空調ゾーン(10
    3a)を優先するように設定された場合に、度合前記第
    1空調空気の目標吹出温度(TaoRrDr)を用いる
    度合を前記第2空調空気の目標吹出温度(TaoRrP
    a)を用いるよりも大きくして、前記送風手段(22)
    の駆動制御を行う機能とを、前記コンピュータに実現さ
    せることを特徴とするプログラム。
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