JP2003324282A - 内層回路入り積層板用接着シート及びこの内層回路入り積層板用接着シートを用いてなる内層回路入り積層板、内層回路入り積層板用接着シートの製造方法 - Google Patents

内層回路入り積層板用接着シート及びこの内層回路入り積層板用接着シートを用いてなる内層回路入り積層板、内層回路入り積層板用接着シートの製造方法

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JP2003324282A
JP2003324282A JP2002125902A JP2002125902A JP2003324282A JP 2003324282 A JP2003324282 A JP 2003324282A JP 2002125902 A JP2002125902 A JP 2002125902A JP 2002125902 A JP2002125902 A JP 2002125902A JP 2003324282 A JP2003324282 A JP 2003324282A
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Japan
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inner layer
layer circuit
epoxy resin
para
adhesive sheet
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JP2002125902A
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English (en)
Inventor
Tomoyuki Fujiki
智之 藤木
Kamio Yonemoto
神夫 米本
Takehiro Ishida
武弘 石田
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Panasonic Electric Works Co Ltd
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Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ビルドアップ配線板の熱膨張係数の広範囲な
制御に寄与し得る内層回路入り積層板用接着シート、こ
れを用いてなる内層回路入り積層板、及び、内層回路入
り積層板用接着シートの製造方法を提供する。 【解決手段】 パラ系アラミド単繊維分散エポキシ樹脂
組成物を使用して形成した内層回路入り積層板用接着シ
ートと内層回路形成面を備える内層材とを、相互に接す
るように積層、一体化して形成した内層回路入り積層板
に使用する内層回路入り積層板用接着シートの樹脂層を
構成するエポキシ樹脂硬化物中には、充分な量のパラ系
アラミド単繊維を含有せしめ得るので、内層回路入り積
層板用接着シートの絶縁層の熱膨張係数低減が実現で
き、シリコンチップの熱膨張係数との差異も低減され、
結果として、部品実装信頼性の向上にも寄与することが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビルドアップ配線
板等の多層配線板の製造に使用される内層回路入り積層
板用接着シート及びこれを用いてなる内層回路入り積層
板、更には、上記内層回路入り積層板用接着シートの製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年では、電子機器用の回路基板とし
て、これらの電子機器の高機能化、高密度化等の技術ト
レンドの推移に伴い、多層配線板が多く利用されるよう
になっているが、これらの多層配線板の中でも、回路形
成面に高密度な孔加工、配線等が可能なビルドアップ配
線板が年々増加傾向にあり、特に、ビルドアップ層を形
成する材料として、パラ系アラミド単繊維基材を用いた
ものが、その優れたレーザー加工性等の観点から注目さ
れ、また、広範に使用されている。
【0003】その一方で、絶縁層を形成するエポキシ樹
脂硬化物中のパラ系アラミド単繊維の含有率を高めてこ
の絶縁層の熱膨張係数を低減し、シリコンチップの熱膨
張係数との差異を低減して、結果として部品(シリコン
チップを含む)実装信頼性の向上を図りたいという要望
があったが、硬化前のエポキシ樹脂組成物の充分な流動
性を確保しつつ、絶縁層中のパラ系アラミド単繊維の含
有率を上記部品実装信頼性の向上が確保できる程度にま
で高めることが難しいという問題点が残されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事由に
鑑みてなされたもので、その目的とするところは、部品
実装の信頼性を更に向上せしめる観点から、ビルドアッ
プ配線板の熱膨張係数の広範囲な制御に寄与し得る内層
回路入り積層板用接着シート及びこれを用いてなる内層
回路入り積層板、更には、上記内層回路入り積層板用接
着シートの製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に係る発明の内層回路入り積層板用接着シ
ートにあっては、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤を
含んでいて、繊維長が2〜10mmであるパラ系アラミ
ド短繊維を分散させたエポキシ樹脂組成物を用いてなる
ことを特徴とするものである。なお、ここでいうエポキ
シ樹脂組成物とは、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤
を含んでなり、硬化後に絶縁層を形成する未硬化の混合
物(溶媒を除く)をいう。
【0006】請求項2に係る発明の内層回路入り積層板
用接着シートにあっては、請求項1記載の内層回路入り
積層板用接着シートにおいて、前記パラ系アラミド短繊
維が、ポリ(パラ-フェニレンテレフタラミド)或いは
ポリ(パラ-フェニレン/3,4’-ジフェニルエーテル
テレフタラミド)の単繊維のいずれかまたは両者の混合
物であることを特徴とするものである。
【0007】請求項3に係る発明の内層回路入り積層板
用接着シートにあっては、請求項1または請求項2記載
の内層回路入り積層板用接着シートにおいて、前記内層
回路入り積層板用接着シートが、基材に前記エポキシ樹
脂組成物を含んでなるエポキシ樹脂組成物ワニスを含
浸、半硬化せしめたプリプレグであることを特徴とする
ものである。なお、エポキシ樹脂組成物ワニスとは、上
記エポキシ樹脂組成物を溶媒で希釈した流動性を有する
混合物をいう。また、ここでいう溶媒とは、メチルエチ
ルケトン、ジメチルホルムアミドその他の、通常、積層
板用樹脂の希釈に使用される溶媒をいう。
【0008】請求項4に係る発明の内層回路入り積層板
用接着シートにあっては、請求項3記載の内層回路入り
積層板用接着シートにおいて、前記基材が、パラ系アラ
ミド短繊維を含んでなることを特徴とするものである。
【0009】請求項5に係る発明の内層回路入り積層板
用接着シートにあっては、請求項4記載の内層回路入り
積層板用接着シートにおいて、前記基材が、パラ系アラ
ミド短繊維を85〜100質量%含有するアラミド不織
布であることを特徴とするものである。
【0010】請求項6に係る発明の内層回路入り積層板
用接着シートにあっては、請求項3乃至請求項5のいず
れかに記載の内層回路入り積層板用接着シートにおい
て、前記プリプレグを構成する前記パラ系アラミド短繊
維を分散させたエポキシ樹脂組成物中のパラ系アラミド
短繊維の含有率が、15〜25質量%であり、且つ、プ
リプレグ総質量に占める前記エポキシ樹脂組成物の含有
率が、45〜60質量%であることを特徴とするもので
ある。ここでいうエポキシ樹脂組成物中のパラ系アラミ
ド短繊維の含有率とは、パラ系アラミド短繊維の仕込み
量とエポキシ樹脂組成物全体(前記パラ系アラミド短繊
維を含む)の仕込み量から算出した含有率(質量%)を
いう。一方、プリプレグ総質量に占めるエポキシ樹脂組
成物の含有率とは、プリプレグ総質量[単位面積当り]と
エポキシ樹脂組成物の質量[単位面積当り](前記プリプ
レグ総質量[単位面積当り]と基材質量[単位面積当り]と
から算出される。)とから算出した含有率(質量%)を
いう。
【0011】請求項7に係る発明の内層回路入り積層板
用接着シートにあっては、請求項3乃至請求項6のいず
れかに記載の内層回路入り積層板用接着シートにおい
て、前記プリプレグ総質量に占めるパラ系アラミド短繊
維の含有率が、50〜65質量%であることを特徴とす
るものである。ここでいうプリプレグ総質量に占めるパ
ラ系アラミド短繊維の含有率とは、パラ系アラミド短繊
維の総質量[単位面積当り](前記エポキシ樹脂組成物に
分散させたパラ系アラミド短繊維に由来するものと基材
に由来するものの総和)とプリプレグ総質量[単位面積
当り]とから算出した含有率(質量%)をいう。
【0012】請求項8に係る発明の内層回路入り積層板
用接着シートにあっては、請求項1または請求項2記載
の内層回路入り積層板用接着シートにおいて、前記内層
回路入り積層板用接着シートが、金属箔の一方の面に前
記エポキシ樹脂組成物の半硬化物よりなる樹脂層を形成
してなる樹脂付き金属箔であることを特徴とするもので
ある。
【0013】請求項9に係る発明の内層回路入り積層板
用接着シートにあっては、請求項8記載の内層回路入り
積層板用接着シートにおいて、前記樹脂層の総質量に占
めるパラ系アラミド短繊維の含有率が、40〜65質量
%であることを特徴とするものである。ここでいう樹脂
層の総質量に占めるパラ系アラミド短繊維の含有率と
は、エポキシ樹脂組成物に分散させたパラ系アラミド短
繊維の仕込み量とエポキシ樹脂組成物の仕込み量から算
出した含有率(質量%)をいう。
【0014】請求項10に係る発明の内層回路入り積層
板にあっては、請求項1乃至請求項9のいずれかに記載
の内層回路入り積層板用接着シートと内層回路形成面を
備える内層材とを、前記内層回路形成面が前記内層回路
入り積層板用接着シートに接するように積層、一体化し
てなることを特徴とするものである。
【0015】請求項11に係る発明の内層回路入り積層
板用接着シートの製造方法にあっては、エポキシ樹脂、
硬化剤、硬化促進剤を含有するエポキシ樹脂組成物を含
んでなるエポキシ樹脂組成物ワニスをパラ系アラミド短
繊維を含んでなる基材に含浸、半硬化せしめて製造する
プリプレグである内層回路入り積層板用接着シートの製
造方法であって、前記エポキシ樹脂組成物が繊維長が、
2〜10mmであるパラ系アラミド短繊維を分散させた
エポキシ樹脂組成物であることを特徴とするものであ
る。
【0016】請求項12に係る発明の内層回路入り積層
板用接着シートの製造方法にあっては、エポキシ樹脂、
硬化剤、硬化促進剤を含有するエポキシ樹脂組成物を含
んでなるエポキシ樹脂組成物ワニスを金属箔の一方の面
に塗布、半硬化せしめて製造する樹脂付き金属箔である
内層回路入り積層板用接着シートの製造方法であって、
前記エポキシ樹脂組成物が繊維長が、2〜10mmであ
るパラ系アラミド短繊維を分散させたエポキシ樹脂組成
物であることを特徴とするものである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を説明す
る。なお、本発明の内層回路入り積層板用接着シート及
びこの内層回路入り積層板用接着シートを用いてなる内
層回路入り積層板、内層回路入り積層板用接着シートの
製造方法は、下記の実施形態にのみ限定されるものでは
なく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変
更を加え得ることは勿論である。
【0018】即ち、本発明の内層回路入り積層板用接着
シートにあっては、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤
を含んでいて、繊維長が2〜10mmであるパラ系アラ
ミド短繊維を分散させたエポキシ樹脂組成物を用いてな
ることを特徴とするものである。かかるパラ系アラミド
短繊維として、ポリ(パラ-フェニレンテレフタラミド
[PPTA])或いはポリ(パラ-フェニレン/3,4’-
ジフェニルエーテルテレフタラミド [PPODTA])
の単繊維のいずれかまたは両者の混合物等を例示するこ
とができる。
【0019】更に、本発明の内層回路入り積層板用接着
シートの実施形態としては、前記したエポキシ樹脂組成
物ワニスを基材に含浸し、必要に応じて、溶媒除去操作
等した後、半硬化せしめたプリプレグを例示することが
できる。この場合において、特に、上記基材が上記パラ
系アラミド短繊維を85〜100質量%含有するアラミ
ド不織布である場合には、上記プリプレグの硬化、成型
後の絶縁層の熱膨張係数をシリコンチップの熱膨張係数
と略同程度まで低減させ、結果として、部品(シリコン
チップを含む)実装信頼性の向上に寄与できることが明
らかとなった。なお、ここでいう熱膨張係数とは、シー
ト状物のシート面方向における熱膨張係数 (αxy)
(以下、「熱膨張係数」という。)をいう。
【0020】即ち、従来のパラ系アラミド単繊維不織布
を用いたプリプレグを用いたパラ系アラミド単繊維基材
内層回路入り積層板の部品実装面においても、熱膨張係
数は、7〜10ppm/℃程度で、シリコンチップの熱
膨張係数(αxy=3ppm/℃)とは依然として無視
できない差異があり、上記した様に、更なる部品(シリ
コンチップを含む)実装信頼性向上が待望されていた。
しかしながら、その一方で、硬化前のエポキシ樹脂組成
物の充分な流動性を確保する観点から、プリプレグ総質
量に占めるエポキシ樹脂組成物の含有率を45質量%以
上(この場合、プリプレグ総質量に占めるパラ系アラミ
ド単繊維の含有率は50質量%以下となる。)にする必
要があり、結果的に、従来のプリプレグを用いた場合、
これ以上、熱膨張係数を低減させることは事実上不可能
であった。
【0021】したがって、かかるパラ系アラミド単繊維
基材内層回路入り積層板において、絶縁層を形成するエ
ポキシ樹脂硬化物中のパラ系アラミド単繊維の含有率を
高めてこの絶縁層の熱膨張係数を低減し、シリコンチッ
プの熱膨張係数との差異を低減して、部品実装信頼性の
向上を図るためには、絶縁層を形成するエポキシ樹脂硬
化物中のパラ系アラミド単繊維基材以外の構成部分にパ
ラ系アラミド単繊維を含有せしめる等の新たな視点から
のアプローチが必要になるものと考えられる。
【0022】本発明は、かかる観点よりなされたもので
あって、鋭意、検討の結果、本発明を完成するに至った
ものである。
【0023】即ち、本発明の内層回路入り積層板用接着
シートの典型的な実施形態としては、パラ系アラミド短
繊維を85〜100質量%含有するアラミド不織布であ
る基材にエポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤を含んでい
て、繊維長が2〜10mmであるパラ系アラミド短繊維
を分散させたエポキシ樹脂組成物を含浸、半硬化せしめ
たプリプレグが、例示可能であり、これと内層回路形成
面を備える内層材とを、前記内層回路形成面が前記内層
回路入り積層板用接着シートに接するように積層、一体
化して内層回路入り積層板とすることができる。
【0024】そして、かかるパラ系アラミド単繊維基材
内層回路入り積層板においては、エポキシ樹脂硬化物中
のパラ系アラミド単繊維の含有率を高めた内層回路入り
積層板用接着シートである前記プリプレグに由来する絶
縁層における熱膨張係数が低減されるため、シリコンチ
ップの熱膨張係数との差異も低減され、結果として、部
品実装信頼性の向上に寄与できるというものである。
【0025】この場合において、前記プリプレグを構成
する前記パラ系アラミド短繊維を分散させたエポキシ樹
脂組成物中のパラ系アラミド短繊維の好適な含有率とし
ては、15〜25質量%、プリプレグ総質量に占める前
記エポキシ樹脂組成物(分散パラ系アラミド短繊維を含
む)の含有率としては、45〜60質量%が適当であ
る。即ち、このように設計することによりプリプレグ総
質量に占めるパラ系アラミド単繊維の含有率を50〜6
5質量%に制御でき、この結果、内層回路入り積層板用
接着シートである前記プリプレグの硬化、成型後の絶縁
層の熱膨張係数(αxy)を5〜6ppm/℃の範囲内
に制御することができるからである。
【0026】これは、換言すれば、上記した従来法では
なし得なかった課題、即ち、プリプレグ総質量に占める
エポキシ樹脂組成物の含有率を45質量%以上に維持し
つつ、プリプレグ総質量に占めるパラ系アラミド単繊維
の含有率を50質量%以上とすることを達成した本発明
に係る内層回路入り積層板用接着シートであるプリプレ
グの使用によって実現された成果であるともいえる。な
お、上記の各種含有率の算出に用いたエポキシ樹脂組成
物の質量は、これらのエポキシ樹脂組成物の硬化反応
が、揮発成分の放出等を伴うものでないと考えられるの
で、硬化前、半硬化状態、硬化後(即ち、絶縁体を形成
した後)の硬化反応の各ステージで実質的には、殆ど変
化しないものと考えられる。
【0027】一方、本発明の内層回路入り積層板用接着
シートである、かかるプリプレグと内層回路形成面を備
える内層材とを、前記内層回路形成面が前記プリプレグ
に接するように積層、一体化して形成した内層回路入り
積層板は、積層、一体化した後の前記プリプレグを構成
するエポキシ樹脂硬化物中のパラ系アラミド単繊維の含
有率が高められているので、結果として、プリプレグ総
質量に占めるアラミド短繊維の含有率を上げることがで
き、内層回路入り積層板用接着シートである前記プリプ
レグに由来する絶縁層の膨張率低減が実現でき、更に
は、シリコンチップの熱膨張係数との差異も低減される
こととなり、ひいては、部品実装信頼性の向上に寄与し
得ることとなる。
【0028】さらに、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進
剤を含んでいて、且つ、繊維長が2〜10mmであるパ
ラ系アラミド短繊維を分散させたエポキシ樹脂組成物ワ
ニスをパラ系アラミド短繊維を含んでなる基材に含浸、
半硬化せしめて製造するプリプレグの製造方法では、プ
リプレグを構成するエポキシ樹脂硬化物中に充分な量の
パラ系アラミド単繊維を含有するので、プリプレグで形
成した絶縁層の膨張率低減が実現でき、部品実装信頼性
の向上に寄与しうる内層回路入り積層板用接着シートで
あるプリプレグを製造できることとなる。
【0029】なお、分散するパラ系アラミド短繊維の繊
維長は、2〜10mmのものが好適に使用可能である
が、これらのみに限定されるものではない。尤も、繊維
長が10mm以上になるとエポキシ樹脂ワニスへの分散
そのものが次第に困難になり、成型後にも、カスレ等の
不良が発生する傾向等が見られる一方、繊維長が2mm
以下になると、成型後に、ボイド等の不良が発生しやす
くなる傾向も認められる。
【0030】一方、上記したように、本発明の内層回路
入り積層板用接着シートの実施形態は、プリプレグのみ
に留まるものではなく、これと異なる他の実施形態とし
ては、金属箔の一方の面に前記エポキシ樹脂組成物の半
硬化物よりなる樹脂層を形成してなる樹脂付き金属箔を
例示することができる。
【0031】即ち、金属箔の一方の面にエポキシ樹脂、
硬化剤、硬化促進剤を含んでいて、繊維長が2〜10m
mであるパラ系アラミド短繊維を分散させたエポキシ樹
脂組成物の半硬化物よりなる樹脂層を形成してなる樹脂
付き金属箔を内層回路入り積層板用接着シートとして用
い、これと内層回路形成面を備える内層材とを、前記内
層回路形成面が前記内層回路入り積層板用接着シートに
接するように積層、一体化して内層回路入り積層板とす
るものであり、かかる内層回路入り積層板を用いた多層
配線板において、エポキシ樹脂組成物の硬化物中のパラ
系アラミド単繊維の含有率を高めた内層回路入り積層板
用接着シートである前記樹脂付き金属箔の樹脂層におい
ては、熱膨張係数が低減されるため、シリコンチップの
熱膨張係数との差異も低減されることとなり、結果とし
て、部品実装信頼性の向上に寄与できるというものであ
る。なお、この金属箔として通常、銅箔を使用した樹脂
付き銅箔が一般的である。
【0032】但し、この場合において、用いるパラ系ア
ラミド単繊維分散エポキシ樹脂組成物中のパラ系アラミ
ド単繊維量は、上記したプリプレグの場合と異なり、樹
脂付き金属箔では、必要とされるパラ系アラミド短繊維
量をすべてエポキシ樹脂組成物ワニス中に投入すること
により前記内層回路入り積層板用接着シートの絶縁層の
総質量に占めるパラ系アラミド短繊維の所定の含有率を
確保する必要がある。即ち、上記したプリプレグの場合
は、エポキシ樹脂組成物中に投入するパラ系アラミド単
繊維によって、基材であるアラミド不織布中のパラ系ア
ラミド単繊維を補充することになるのに対し、樹脂付き
金属箔では、前記内層回路入り積層板用接着シートの絶
縁層の総質量に占めるパラ系アラミド短繊維の所定の含
有率をすべてエポキシ樹脂組成物中に投入するパラ系ア
ラミド単繊維で賄う必要があるからである。
【0033】この際の樹脂付き金属箔の樹脂層の総質量
に占めるパラ系アラミド短繊維の含有率は、40〜65
質量%が適当である。即ち、こうすることにより、内層
回路入り積層板用接着シートである樹脂付き金属箔の樹
脂層の硬化、成型後の熱膨張係数をシリコンチップの熱
膨張係数と略同程度の5〜10ppm/℃の範囲内に制
御することができるからである。従来より、一般に、樹
脂付き銅箔の樹脂層の硬化、成型後の熱膨張係数が、6
0〜100ppm/℃であることを考慮すると、これ
は、極めて小さな数値であるといえる。更に、この際の
樹脂付き金属箔の樹脂層の総質量に占めるパラ系アラミ
ド短繊維の含有率を、50〜65質量%とした場合に
は、上記した本発明に係る内層回路入り積層板用接着シ
ートであるプリプレグの場合と同様に、内層回路入り積
層板用接着シートである樹脂付き金属箔の樹脂層の硬
化、成型後の熱膨張係数を上記したシリコンチップの熱
膨張係数と略同程度の5〜6ppm/℃の範囲内にまで
制御することができることも明らかとなった。
【0034】また、本発明の内層回路入り積層板用接着
シートであるかかる樹脂付き金属箔と内層回路形成面を
備える内層材とを、前記内層回路形成面が前記樹脂付き
金属箔に接するように積層、一体化して形成した内層回
路入り積層板は、積層、一体化した後の前記樹脂付き金
属箔の樹脂層を構成するエポキシ樹脂硬化物中に充分な
量のパラ系アラミド単繊維を含有するので、内層回路入
り積層板用接着シートである前記樹脂付き金属箔の絶縁
層の膨張率低減が実現でき、シリコンチップの熱膨張係
数との差異も低減されることとなり、結果として、部品
実装信頼性の向上に寄与できることとなる。
【0035】一方、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤
を含んでいて、且つ、繊維長が2〜10mmであるパラ
系アラミド短繊維を分散させたエポキシ樹脂組成物ワニ
スを金属箔の一方の面に塗布、半硬化せしめて製造する
樹脂付き金属箔の製造方法では、樹脂付き金属箔の樹脂
層を構成するエポキシ樹脂硬化物中に充分な量のパラ系
アラミド単繊維を含有するので、樹脂付き金属箔の樹脂
層の膨張率低減が実現でき、部品実装信頼性の向上に寄
与しうる内層回路入り積層板用接着シートである樹脂付
き金属箔を製造できることとなる。
【0036】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。なお、以下の表1に示す実施例1〜9、比較例
1、2におけるプリプレグ、或いは、樹脂付き金属箔で
ある樹脂付き銅箔、及びこれらを評価するために、これ
らの内層回路入り積層板用接着シートと、内層回路形成
面を備える内層材とを、積層して作製する内層回路入り
積層板等の評価用試料は、以下のように作製した。
【0037】また、プリプレグ作成に用いたアラミド不
織布は、パラ系アラミド繊維とバインダー成分(水分散
性エポキシ樹脂 [大日本インキ化学工業(株)製EN
−0270])を公知の湿式抄造方法にて所望の坪量
(g/m2)に抄紙し、その後の加熱加圧加工(カレンダ
ー加工)により、所定の厚み(密度)に仕上げる公知の
方法により作製したものを使用した。
【0038】<樹脂組成物ワニスの調製> [プリプレグ用エポキシ樹脂ワニス(A)の調製]臭素化
三官能型エポキシ樹脂(三井石油化学株式会社製、VF
−2801;固形分80質量%)を77質量部、三官能
型エポキシ樹脂(三井石油化学株式会社製、VG−31
01;固形分80質量%)を24質量部、臭素化エポキ
シ樹脂(東都化成株式会社製、YDB−400)を19
質量部、硬化剤としてジシアンジアミドを2.5質量
部、硬化促進剤として2−エチル−4−メチルイミダゾ
ール(四国化成(株)製2E4MZ)を0.1質量部、
溶剤としてジメチルホルムアミドを30質量部、メチル
エチルケトンを15質量部を配合して、プリプレグ用エ
ポキシ樹脂ワニス(A)を調製した。
【0039】[樹脂付き銅箔用エポキシ樹脂ワニス
(B)の調製]クレゾールノボラック型エポキシ樹脂
(東都化成(株)製 YDCN−704)10質量部、
臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(東都化成
(株)製 YDB−500K)3質量部、硬化剤として
ジシアンジアミド0.5質量部、硬化促進剤として2−
エチル−4−メチルイミダゾール(四国化成(株)製2
E4MZ)を0.2質量部、さらに熱可塑性樹脂として
フェノキシ樹脂(東都化成(株)製YP50)を0.5
質量部、さらに溶剤としてメチルエチルケトン50質量
部を配合して、樹脂付き銅箔用エポキシ樹脂ワニス
(B)を調製した。
【0040】[パラ系アラミド単繊維の分散]PPTA
として、K−49(デュポン)、EG(東レデュポ
ン)、PPODTAとして、テクノーラ(帝人)を所定
量、上記プリプレグ用エポキシ樹脂ワニス(A)、或い
は、樹脂付き銅箔用エポキシ樹脂ワニス(B)中に配
合、攪拌、分散してそれぞれプリプレグ用パラ系アラミ
ド単繊維分散樹脂組成物ワニス(A1)、樹脂付き銅箔
用パラ系アラミド単繊維分散樹脂組成物ワニス(B1)
を得た。
【0041】<プリプレグの作製>上記のアラミド不織
布基材(パラ系アラミド短繊維含有率:94質量%)を
プリプレグ用パラ系アラミド単繊維分散樹脂組成物ワニ
ス(A1)に含浸させ、乾燥ゾーンで160℃、5〜7
分間の加熱処理を行い、溶媒を揮発させると共に、含浸
した樹脂組成物を半硬化することにより作製した。樹脂
組成物の含有量調整は、トリーターのギャップ調整によ
り行った。
【0042】<樹脂付き銅箔の作製>古河電工(株)製
片面粗化箔GTS(18μm)の粗化面に、上記樹脂付
き銅箔用パラ系アラミド単繊維分散樹脂組成物ワニス
(B1)をコンマコーターを用いて所定の厚さになるよ
うに塗工して160℃で4〜6分の加熱処理を行い、溶
媒を揮発させるとともに、塗工した樹脂組成物を半硬化
することにより得た。
【0043】<評価用試料の作製> 内層回路入り多層銅張り積層板1 アラミド不織布を
基材として使用した内層材[厚み:0.8mm、銅箔
(18μm片粗化箔)の表面に残銅率50%の成型性評
価用パターンを形成し、さらにその表面に黒化処理層を
形成した内層回路形成面を備えるもの]の表裏に各1枚
の上記プリプレグ、もしくは上記樹脂付き銅箔を配置し
て170℃、40分、30kg/cm2での加熱加圧成
型により作製した。
【0044】内層回路入り多層銅張り積層板2 FR
−4グレードの内層材[厚み:0.8mm、銅箔(18
μm片粗化箔)の表面に残銅率50%の成型性評価用パ
ターンを形成し、さらにその表面に黒化処理層を形成し
た内層回路形成面を備えるもの]の表裏に各1枚の上記
プリプレグ、もしくは上記樹脂付き銅箔を配置して17
0℃、40分、30kg/cm2での加熱加圧成型によ
り作製した。
【0045】TMA測定用試料 上記プリプレグ、
もしくは上記樹脂付き銅箔を1枚、上記条件(170
℃、40分、30kg/cm2)で、(この際、プリプ
レグについては両面に、樹脂付き銅箔については樹脂側
面に別途、銅箔(GTS:厚み18μm)を配置して成
型した。)加熱加圧成型した。この後、表面の銅箔をエ
ッチング除去し、3mm×40mm(厚みは表1参照)
のTMA測定用試料を作製した。即ち、内層回路入り多
層銅張り積層板では表層のみの熱膨張係数が測定できな
いため、内層回路入り積層板用接着シート1枚のみの成
型品を別途作製し、TMAでを評価することとしたもの
である。
【0046】上記のように作製した評価用試料の評価は
具体的には、以下のように行なった。これらの評価結果
についても併せて、表1に示す。
【0047】<評価> 成型性評価 内層回路入り多層銅張り積層板1及び2
の表面の銅箔をエッチング除去し、ボイド、カスレの有
無を目視にて確認し、かかるボイド、カスレの認められ
ないもののみを合格品、それ以外のものを不合格品と
し、全供試サンプル(10枚)中に前記不合格品が皆無
のものを良好、それ以外を不良と判定した。なお、この
成型性評価における合格品のみについて下記冷熱試験を
実施した。
【0048】冷熱試験(実装信頼性評価) 内層回路
入り多層銅張り積層板1及び2に集積回路パッケージを
半田バンプにより表面実装したものについて、−60℃
〜160℃の冷熱サイクル試験を200回繰り返した後
に、上記半田バンプの導通不良率により評価した。即
ち、この冷熱サイクル試験後に、上記半田バンプの導通
性を保持しているもののみを合格品、それ以外のものを
不合格品とし、全供試サンプルに占める前記不合格品の
割合を不良率(%)とした。なお、半田バンプは、14
mm角のシリコンチップ1個当り45個×45個の計2
025個形成し、このチップを基板上に50個搭載し、
1評価当り計約10万個のバンプ接続信頼性を測定し
た。
【0049】熱膨張係数(αxy) 上記TMA測定
用試料について、面方向における熱膨張係数(αxy)
をTMAを用いて50℃〜150℃で10℃/分の昇温
条件で測定した(引張法)。
【0050】以上の評価結果を表1に示す。なお、表1
では、上記「内層回路入り多層銅張り積層板1」を「積
層板1」と、「内層回路入り多層銅張り積層板2」を
「積層板2」と略称した。
【0051】
【表1】 以上の評価結果より、表1にみられるように、実施例
1、2及び実施例4〜7の結果から、上記したように、
プリプレグの総質量に占めるパラ系アラミド短繊維の含
有率は、40〜65質量%が適当であることがわかる。
更に、これを詳細に検討すると、前記プリプレグを構成
する前記パラ系アラミド短繊維を分散させたエポキシ樹
脂組成物中のパラ系アラミド短繊維の好適な含有率とし
ては、15〜25質量%、プリプレグ総質量に占める前
記エポキシ樹脂組成物(分散パラ系アラミド短繊維を含
む)の含有率としては、45〜60質量%が適当である
ことがわかる。即ち、このように設計することによりプ
リプレグ総質量に占めるパラ系アラミド単繊維の含有率
を50〜65質量%に制御でき、この結果、内層回路入
り積層板用接着シートである前記プリプレグの硬化、成
型後の絶縁層の熱膨張係数を5〜10ppm/℃の範囲
内に制御することができることがわかった。この場合に
おいて、更に、詳細に材料構成の検討を行なえば、実施
例1のように、成型後の絶縁層の熱膨張係数を5〜6p
pm/℃の範囲内に制御することができることも明らか
となった。
【0052】これに対して、エポキシ樹脂組成物中の分
散パラ系アラミド短繊維含有率を0質量%とした(即
ち、従来法を踏襲した)比較例1では、プリプレグ総質
量に占めるパラ系アラミド単繊維の含有率を61質量%
確保するように材料設計した場合、成型後にカスレの発
生が顕著であった。
【0053】一方、樹脂付き金属箔である樹脂付き銅箔
についても、表1にみられるように、実施例8及び実施
例9の結果から、上記したように、樹脂付き銅箔の樹脂
層の総質量に占めるパラ系アラミド短繊維の含有率は、
40〜65質量%が適当であることがわかる。即ち、こ
うすることにより、内層回路入り積層板用接着シートで
ある樹脂付き金属箔の樹脂層の硬化、成型後の熱膨張係
数をシリコンチップの熱膨張係数と略同程度の5〜10
ppm/℃の範囲内に制御することができるからであ
る。かかるパラ系アラミド短繊維の分散の効果は、パラ
系アラミド短繊維の分散を行なわなかった比較例2の熱
膨張係数が80ppm/℃であること、及び、この場合
の冷熱試験後の不良率の高さ等を考慮すると顕著なもの
であるといえる。
【0054】更に、実施例9の結果から、この際の樹脂
付き銅箔の樹脂層の総質量に占めるパラ系アラミド短繊
維の含有率を、50〜65質量%とした場合には、上記
した本発明に係る内層回路入り積層板用接着シートであ
るプリプレグの場合と同様に、内層回路入り積層板用接
着シートである樹脂付き銅箔の樹脂層の硬化、成型後の
熱膨張係数を上記したシリコンチップの熱膨張係数と略
同程度の5〜6ppm/℃の範囲内にまで制御し得るこ
とも明らかとなった。
【0055】
【発明の効果】以上のように、請求項1に係る発明の内
層回路入り積層板用接着シートにあっては、エポキシ樹
脂、硬化剤、硬化促進剤を含んでいて、繊維長が2〜1
0mmであるパラ系アラミド短繊維を分散させたエポキ
シ樹脂組成物を用いてなることを特徴とするものであ
り、更に、具体的には、かかるパラ系アラミド短繊維と
しては、請求項2に係る発明の内層回路入り積層板用接
着シートにおいて示すように、ポリ(パラ-フェニレン
テレフタラミド)或いはポリ(パラ-フェニレン/3,
4’-ジフェニルエーテルテレフタラミド)の単繊維の
いずれかまたは両者の混合物であることを特徴とするの
で、内層回路形成面を備える内層材に対して、前記内層
回路形成面が前記内層回路入り積層板用接着シートに接
するように積層、一体化することにより、この内層回路
入り積層板用接着シートの絶縁層の熱膨張係数低減に寄
与し得るという優れた効果を奏する。
【0056】請求項3に係る発明の内層回路入り積層板
用接着シートにあっては、請求項1または請求項2記載
の内層回路入り積層板用接着シートにおいて、前記内層
回路入り積層板用接着シートが、基材に前記エポキシ樹
脂組成物を含んでなるエポキシ樹脂組成物ワニスを含
浸、半硬化せしめたプリプレグであることを特徴とする
ので、内層回路形成面を備える内層材に対して、前記内
層回路形成面が前記内層回路入り積層板用接着シートに
接するように積層、一体化することができ、このプリプ
レグの絶縁層の膨張係数低減に寄与し得るという優れた
効果を奏する。
【0057】請求項4〜請求項5に係る発明の内層回路
入り積層板用接着シートにあっては、請求項3記載の内
層回路入り積層板用接着シートにおいて、前記基材が、
パラ系アラミド短繊維を含んでなることを特徴とするの
で、繊維長が2〜10mmであるパラ系アラミド短繊維
を分散させたエポキシ樹脂組成物を用いることによる上
記効果と相俟って、プリプレグ総質量に占めるパラ系ア
ラミド短繊維の含有率をさらに、効果的に上げることが
でき、内層回路形成面を備える内層材に対して、前記内
層回路形成面が前記内層回路入り積層板用接着シートに
接するように積層、一体化することにより、このプリプ
レグの絶縁層の熱膨張係数低減に寄与し得るという優れ
た効果を奏する。
【0058】請求項6〜請求項7に係る発明の内層回路
入り積層板用接着シートにあっては、請求項3乃至請求
項5のいずれかに記載の内層回路入り積層板用接着シー
トにおいて、前記プリプレグを構成する前記パラ系アラ
ミド短繊維を分散させたエポキシ樹脂組成物中のパラ系
アラミド短繊維の含有率が、15〜25質量%であり、
且つ、プリプレグ総質量に占める前記エポキシ樹脂組成
物(分散パラ系アラミド短繊維を含む)の含有率が、4
5〜60質量%であり、更には、前記プリプレグ総質量
に占めるパラ系アラミド短繊維の含有率が、50〜65
質量%であることを特徴とするので、従来法ではなし得
なかった課題、即ち、プリプレグ総質量に占めるエポキ
シ樹脂組成物の含有率を45質量%以上に維持しつつ、
プリプレグ総質量に占めるパラ系アラミド単繊維の含有
率を50質量%以上とすることが達成でき、結果とし
て、確実にこのプリプレグの絶縁層の熱膨張係数低減効
果を達成できるという優れた効果を奏する。
【0059】請求項8〜請求項9に係る発明の内層回路
入り積層板用接着シートにあっては、請求項1または請
求項2記載の内層回路入り積層板用接着シートにおい
て、前記内層回路入り積層板用接着シートが、金属箔の
一方の面に前記エポキシ樹脂組成物の半硬化物よりなる
樹脂層を形成してなる樹脂付き金属箔であることを特徴
とするものであり、この樹脂層の総質量に占めるパラ系
アラミド短繊維の含有率が、40〜65質量%であるこ
とを特徴とするので、プリプレグ総質量に占めるパラ系
アラミド単繊維の含有率を充分高くすることができ、結
果として、確実にこのプリプレグの絶縁層の熱膨張係数
低減効果を達成できるという優れた効果を奏する。
【0060】請求項10に係る発明の内層回路入り積層
板にあっては、請求項1乃至請求項9のいずれかに記載
の内層回路入り積層板用接着シートと内層回路形成面を
備える内層材とを、前記内層回路形成面が前記内層回路
入り積層板用接着シートに接するように積層、一体化し
てなることを特徴とするものであり、このように、積
層、一体化した後の内層回路入り積層板用接着シートの
樹脂層を構成するエポキシ樹脂硬化物中に充分な量のパ
ラ系アラミド単繊維を含有するので、内層回路入り積層
板用接着シートの絶縁層の熱膨張係数低減が実現でき、
シリコンチップの熱膨張係数との差異も低減され、結果
として、部品実装信頼性の向上に寄与できるという優れ
た効果を奏する。
【0061】請求項11に係る発明の内層回路入り積層
板用接着シートの製造方法にあっては、エポキシ樹脂、
硬化剤、硬化促進剤を含有するエポキシ樹脂組成物を含
んでなるエポキシ樹脂組成物ワニスをパラ系アラミド短
繊維を含んでなる基材に含浸、半硬化せしめて製造する
プリプレグである内層回路入り積層板用接着シートの製
造方法であって、前記エポキシ樹脂組成物が、繊維長が
2〜10mmであるパラ系アラミド短繊維を分散させた
エポキシ樹脂組成物であることを特徴とするので、アラ
ミド短繊維の含有率の向上を図った内層回路入り積層板
用接着シートであるプリプレグを製造することができ、
このプリプレグを内層回路形成面を備える内層材に対し
て、前記内層回路形成面がこのプリプレグに接するよう
に積層、一体化することにより、このプリプレグの絶縁
層の熱膨張係数低減に寄与でき、結果的に、部品実装信
頼性の向上に寄与し得るという優れた効果を奏する。
【0062】請求項12に係る発明の内層回路入り積層
板用接着シートの製造方法にあっては、エポキシ樹脂、
硬化剤、硬化促進剤を含有するエポキシ樹脂組成物を含
んでなるエポキシ樹脂組成物ワニスを金属箔の一方の面
に塗布、半硬化せしめて製造する樹脂付き金属箔である
内層回路入り積層板用接着シートの製造方法であって、
前記エポキシ樹脂組成物が、繊維長が2〜10mmであ
るパラ系アラミド短繊維を分散させたエポキシ樹脂組成
物であることを特徴とするので、アラミド短繊維の含有
率の向上を図った内層回路入り積層板用接着シートであ
る樹脂付き金属箔を製造することができ、この樹脂付き
金属箔を内層回路形成面を備える内層材に対して、前記
内層回路形成面がこの樹脂付き金属箔の樹脂層に接する
ように積層、一体化することにより、該樹脂付き金属箔
の樹脂層の熱膨張係数低減に寄与でき、結果的に、部品
実装信頼性の向上に寄与し得るという優れた効果を奏す
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09J 11/08 C09J 11/08 163/00 163/00 H01L 23/14 C08L 63:00 C // C08L 63:00 H01L 23/14 R (72)発明者 石田 武弘 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 Fターム(参考) 4F072 AB06 AD23 AE01 AE02 AG03 AL09 AL13 4J004 AA13 AA18 AB05 CA06 CB01 FA05 FA09 4J040 EC001 EC061 EC071 EC151 EG002 KA16 KA17 KA42 LA08 NA20 5E346 AA01 AA12 AA15 AA25 AA26 AA32 BB01 CC05 CC09 CC32 DD02 EE02 EE06 EE09 EE31 GG28 HH11

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤を含
    んでいて、繊維長が2〜10mmであるパラ系アラミド
    短繊維を分散させたエポキシ樹脂組成物を用いてなるこ
    とを特徴とする内層回路入り積層板用接着シート。
  2. 【請求項2】 前記パラ系アラミド短繊維が、ポリ(パ
    ラ-フェニレンテレフタラミド)或いはポリ(パラ-フェ
    ニレン/3,4’-ジフェニルエーテルテレフタラミド)
    の単繊維のいずれかまたは両者の混合物であることを特
    徴とする請求項1記載の内層回路入り積層板用接着シー
    ト。
  3. 【請求項3】 前記内層回路入り積層板用接着シート
    が、基材に前記エポキシ樹脂組成物を含んでなるエポキ
    シ樹脂組成物ワニスを含浸、半硬化せしめたプリプレグ
    であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の
    内層回路入り積層板用接着シート。
  4. 【請求項4】 前記基材が、パラ系アラミド短繊維を含
    んでなることを特徴とする請求項3記載の内層回路入り
    積層板用接着シート。
  5. 【請求項5】 前記基材が、パラ系アラミド短繊維を8
    5〜100質量%含有するアラミド不織布であることを
    特徴とする請求項4記載の内層回路入り積層板用接着シ
    ート。
  6. 【請求項6】 前記プリプレグを構成する前記パラ系ア
    ラミド短繊維を分散させたエポキシ樹脂組成物中のパラ
    系アラミド短繊維の含有率が、15〜25質量%であ
    り、且つ、プリプレグ総質量に占める前記エポキシ樹脂
    組成物半硬化物の含有率が、45〜60質量%であるこ
    とを特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれかに記載
    の内層回路入り積層板用接着シート。
  7. 【請求項7】 前記プリプレグ総質量に占めるパラ系ア
    ラミド短繊維の含有率が、50〜65質量%であること
    を特徴とする請求項3乃至請求項6のいずれかに記載の
    内層回路入り積層板。
  8. 【請求項8】 前記内層回路入り積層板用接着シート
    が、金属箔の一方の面に前記エポキシ樹脂組成物の半硬
    化物よりなる樹脂層を形成してなる樹脂付き金属箔であ
    ることを特徴とする請求項1または請求項2記載の内層
    回路入り積層板用接着シート。
  9. 【請求項9】 前記樹脂層の総質量に占めるパラ系アラ
    ミド短繊維の含有率が、40〜65質量%であることを
    特徴とする請求項8記載の内層回路入り積層板用接着シ
    ート。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至請求項9のいずれかに記
    載の内層回路入り積層板用接着シートと内層回路形成面
    を備える内層材とを、前記内層回路形成面が前記内層回
    路入り積層板用接着シートに接するように積層、一体化
    してなる内層回路入り積層板。
  11. 【請求項11】 エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤を
    含有するエポキシ樹脂組成物を含んでなるエポキシ樹脂
    組成物ワニスをパラ系アラミド短繊維を含んでなる基材
    に含浸、半硬化せしめて製造するプリプレグである内層
    回路入り積層板用接着シートの製造方法であって、前記
    エポキシ樹脂組成物が、繊維長が2〜10mmであるパ
    ラ系アラミド短繊維を分散させたエポキシ樹脂組成物で
    あることを特徴とする内層回路入り積層板用接着シート
    の製造方法。
  12. 【請求項12】 エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤を
    含有するエポキシ樹脂組成物を含んでなるエポキシ樹脂
    組成物ワニスを金属箔の一方の面に塗布、半硬化せしめ
    て製造する樹脂付き金属箔である内層回路入り積層板用
    接着シートの製造方法であって、前記エポキシ樹脂組成
    物が、繊維長が2〜10mmであるパラ系アラミド短繊
    維を分散させたエポキシ樹脂組成物であることを特徴と
    する内層回路入り積層板用接着シートの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009260123A (ja) * 2008-04-18 2009-11-05 Panasonic Corp 多層配線基板

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