JP2003324050A - 露光装置及びカソード製造方法 - Google Patents

露光装置及びカソード製造方法

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JP2003324050A
JP2003324050A JP2002127211A JP2002127211A JP2003324050A JP 2003324050 A JP2003324050 A JP 2003324050A JP 2002127211 A JP2002127211 A JP 2002127211A JP 2002127211 A JP2002127211 A JP 2002127211A JP 2003324050 A JP2003324050 A JP 2003324050A
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electron beam
tip
cathode
electron
exposure apparatus
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Hiroshi Yasuda
洋 安田
Takeshi Haraguchi
岳士 原口
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 従来のカソードにおいては、電子ビームの照
射により先端部が消耗して先端の平面の形状が変化する
結果、電子ビームの照射特性が変化するという問題があ
った。この課題を解決して、電子ビームを安定に生成す
る電子ビーム露光装置を提供する。 【解決手段】 ウェハに所望のパターンを露光する露光
装置であって、ジルコニウムを表面に拡散したタングス
テンにより形成され、先端が略平面であるカソードを有
し、電子ビームを生成する電子銃を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、露光装置及びカソ
ード製造方法に関する。特に本発明は、ウェハに所望の
パターンを露光する露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、高い均一性を有する電子ビームを
生成するため、先端を平面で構成したカソードから電子
ビームを引き出す電子ビーム露光方法が知られている。
例えば、特開平3−114215号公報には、ランタン
ヘキサボーラサイド、硼化物単結晶等により形成された
カソードを用いる方法が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のカソー
ドにおいては、電子ビームの照射により先端部が消耗し
て先端の平面の形状が変化する結果、電子ビームの照射
特性が変化するという問題があった。例えば、ランタン
ヘキサボーラサイドは昇華性を有するため、カソードを
ランタンヘキサボーラサイドにより形成した場合、先端
の平面の形状が消耗により変化する。そのため、高い均
一性を有する電子ビームを長期間安定して生成する電子
ビーム露光装置を提供するのは困難であった。
【0004】そこで本発明は、上記の課題を解決するこ
とのできる露光装置及びカソード製造方法を提供するこ
とを目的とする。この目的は特許請求の範囲における独
立項に記載の特徴の組み合わせにより達成される。また
従属項は本発明の更なる有利な具体例を規定する。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の第1の形
態によると、ウェハに所望のパターンを露光する露光装
置であって、ジルコニウムを表面に拡散したタングステ
ンにより形成され、先端が略平面であるカソードを有
し、電子ビームを生成する電子銃を備える。開口部を有
し、電子ビームを所望の矩形に成形するマスクを更に備
え、カソードの先端の略平面の面積は、当該開口部の面
積の1/4〜1/25であってよい。
【0006】開口部を有し、電子ビームを所望の矩形に
成形するマスクを更に備え、カソードの先端の略平面
は、当該開口部の形状と類似した形状を有してよい。カ
ソードの先端の略平面は、四角形状であってよい。先端
の略平面は、タングステンの結晶の<1,0,0>面に
対応してよい。
【0007】本発明の第2の形態によると、複数の電子
ビームにより、ウェハに所望のパターンを露光する露光
装置であって、ジルコニウムを表面に拡散したタングス
テンにより形成され、先端が略平面であるカソードを有
し、電子ビームを生成する複数の電子銃を備える。複数
の電子ビームを収束する複数のレンズを更に備え、カソ
ードの先端の略平面は円形状であり、カソードの先端の
略平面の直径は、複数のレンズの間隔の1/3125〜
1/625であってよい。先端の略平面は、タングステ
ンの結晶の<1,0,0>面に対応してよい。
【0008】本発明の第3の形態によると、電子ビーム
を生成する電子銃のカソードを製造するカソード製造方
法であって、タングステンのワイヤを準備する準備工程
と、当該ワイヤを電解研磨して、当該ワイヤの先端を錐
形状にする電解研磨工程と、当該ワイヤの先端を研磨
し、当該錐形状の先端に、当該ワイヤの直径方向におけ
る断面と平行な略平面を形成する先端研磨工程とを備え
る。
【0009】なお上記の発明の概要は、本発明の必要な
特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群の
サブコンビネーションも又発明となりうる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、発明の実施の形態を通じて
本発明を説明するが、以下の実施形態はクレームにかか
る発明を限定するものではなく、又実施形態の中で説明
されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に
必須であるとは限らない。
【0011】図1は、本発明の一実施形態に係る露光装
置の一例である電子ビーム露光装置100の構成を示
す。電子ビーム露光装置100は、複数の電子ビームに
より、ウェハ44に所望のパターンを露光する。電子ビ
ーム露光装置100は、電子ビームによりウェハ44に
所定の露光処理を施す露光部150と、露光部150に
含まれる各構成の動作を制御する制御系140とを備え
る。
【0012】露光部150は、筐体8内部において複数
の電子ビームを発生し、電子ビームの断面形状を所望に
成形する電子ビーム成形手段110と、複数の電子ビー
ムをウェハ44に照射するか否かを、それぞれの電子ビ
ームに対して独立に切替える照射切替手段112と、ウ
ェハ44に転写されるパターンの像の向き及びサイズを
調整するウェハ用投影系114とを含む電子光学系を備
える。また、露光部150は、パターンを露光すべきウ
ェハ44を載置するウェハステージ46と、ウェハステ
ージ46を駆動するウェハステージ駆動部48とを含む
ステージ系を備える。
【0013】電子ビーム成形手段110は、複数の電子
ビームを発生させる電子ビーム発生部10と、電子ビー
ムを通過させることにより、照射された電子ビームの断
面形状を成形する複数の開口部を有する第1電子ビーム
成形部14及び第2電子ビーム成形部22と、複数の電
子ビームをそれぞれ独立に集束し、複数の電子ビームの
焦点を調整する第1多軸電子レンズ16と、第1電子ビ
ーム成形部14を通過した複数の電子ビームを独立に偏
向する第1成形偏向部18及び第2成形偏向部20とを
有する。そして、第2電子ビーム成形部22は、基板
と、基板に設けられた複数の成形開口部と、基板を加熱
する基板加熱部とを含む。
【0014】ここで、電子ビーム発生部10、第1電子
ビーム成形部14、及び第2電子ビーム成形部22につ
いて更に詳しく説明する。電子ビーム発生部10は、電
子ビームを生成する複数の電子銃104と、電子銃10
4が形成される基材106とを有する。また、電子銃1
04は、熱電子を発生させるカソード12と、カソード
12を囲むように形成され、カソード12で発生した熱
電子を安定させるグリッド102とを含む。カソード1
2とグリッド102とは、電気的に絶縁されることが望
ましい。また、電子ビーム発生部10は、基材106
に、複数の電子銃104を、所定の間隔に有することに
より、電子銃アレイを形成する。
【0015】第1電子ビーム成形部14及び第2電子ビ
ーム成形部22は、複数の開口部を有し、複数の電子銃
104が生成した複数の電子ビームをそれぞれ所望の矩
形に成形するマスクの一例である。本実施形態におい
て、第1電子ビーム成形部14及び第2電子ビーム成形
部22は、可変矩形露光マスクである。別の実施例にお
いて、第1電子ビーム成形部14及び第2電子ビーム成
形部22は、例えばブロック露光マスクであってもよ
い。
【0016】照射切替手段112は、複数の電子ビーム
を独立に集束し、複数の電子ビームの焦点を調整する第
2多軸電子レンズ24と、複数の電子ビームをそれぞれ
独立に偏向させることにより、それぞれの電子ビームを
ウェハ44に照射するか否かを、それぞれの電子ビーム
に対して独立に切替えるブランキング電極アレイ26
と、電子ビームを通過させる複数の開口部を含み、ブラ
ンキング電極アレイ26で偏向された電子ビームを遮蔽
する電子ビーム遮蔽部材28とを有する。他の例におい
てブランキング電極アレイ26は、ブランキング・アパ
ーチャ・アレイ・デバイスであってもよい。
【0017】ウェハ用投影系114は、複数の電子ビー
ムをそれぞれ独立に集束し、電子ビームの照射径を縮小
する第3多軸電子レンズ34と、複数の電子ビームをそ
れぞれ独立に集束し、複数の電子ビームの焦点を調整す
る第4多軸電子レンズ36と、複数の電子ビームをウェ
ハ44の所望の位置に、それぞれの電子ビームに対して
独立に偏向する偏向部38と、ウェハ44に対する対物
レンズとして機能し、複数の電子ビームをそれぞれ独立
に集束する第5多軸電子レンズ52とを有する。
【0018】制御系140は、個別制御部120及び統
括制御部130を備える。個別制御部120は、電子ビ
ーム制御部80と、多軸電子レンズ制御部82と、成形
偏向制御部84と、ブランキング電極アレイ制御部86
と、偏向制御部92と、ウェハステージ制御部96とを
有する。統括制御部130は、例えばワークステーショ
ンであって、個別制御部120に含まれる各制御部を統
括制御する。
【0019】電子ビーム制御部80は、電子ビーム発生
部10を制御する。多軸電子レンズ制御部82は、第1
多軸電子レンズ16、第2多軸電子レンズ24、第3多
軸電子レンズ34、第4多軸電子レンズ36及び第5多
軸電子レンズ52に供給する電流を制御する。成形偏向
制御部84は、第1成形偏向部18及び第2成形偏向部
20を制御する。ブランキング電極アレイ制御部86
は、ブランキング電極アレイ26に含まれる偏向電極に
印加する電圧を制御する。偏向制御部92は、偏向部3
8に含まれる複数の偏向器が有する偏向電極に印加する
電圧を制御する。ウェハステージ制御部96は、ウェハ
ステージ駆動部48を制御し、ウェハステージ46を所
定の位置に移動させる。
【0020】本実施形態に係る電子ビーム露光装置10
0の動作について説明する。まず、電子ビーム発生部1
0は、複数の電子ビームを生成する。第1電子ビーム成
形部14は、電子ビーム発生部10により発生され、第
1電子ビーム成形部14に照射された複数の電子ビーム
を、第1電子ビーム成形部14に設けられた複数の開口
部を通過させることにより成形する。他の例において
は、電子ビーム発生部10において発生した電子ビーム
を複数の電子ビームに分割する手段を更に有することに
より、複数の電子ビームを生成してもよい。
【0021】第1多軸電子レンズ16は、矩形に成形さ
れた複数の電子ビームを独立に集束し、第2電子ビーム
成形部22に対する電子ビームの焦点を、電子ビーム毎
に独立に調整する。第1成形偏向部18は、第1電子ビ
ーム成形部14において矩形形状に成形された複数の電
子ビームを、第2電子ビーム成形部における所望の位置
に照射するように、それぞれ独立に偏向する。
【0022】第2成形偏向部20は、第1成形偏向部1
8で偏向された複数の電子ビームを、第2電子ビーム成
形部22に対して略垂直な方向にそれぞれ偏向し、第2
電子ビーム成形部22に照射する。そして矩形形状を有
する複数の開口部を含む第2電子ビーム成形部22は、
第2電子ビーム成形部22に照射された矩形の断面形状
を有する複数の電子ビームを、ウェハ44に照射すべき
所望の断面形状を有する電子ビームにさらに成形する。
このとき、第2電子ビーム成形部22において、基板加
熱部は、ウェハ44に照射されるべき電子ビームの断面
形状に基づいて、成形開口部が設けられた基板を加熱
し、基板の形状を一定に保つ。
【0023】第2多軸電子レンズ24は、複数の電子ビ
ームを独立に集束して、ブランキング電極アレイ26に
対する電子ビームの焦点を、それぞれ独立に調整する。
そして、第2多軸電子レンズ24により焦点がそれぞれ
調整された複数の電子ビームは、ブランキング電極アレ
イ26に含まれる複数のアパーチャを通過する。
【0024】ブランキング電極アレイ制御部86は、ブ
ランキング電極アレイ26における各アパーチャの近傍
に設けられた偏向電極に電圧を印加するか否かを制御す
る。ブランキング電極アレイ26は、偏向電極に印加さ
れる電圧に基づいて、電子ビームをウェハ44に照射さ
せるか否かを切替える。
【0025】ブランキング電極アレイに26により偏向
されない電子ビームは、第3多軸電子レンズ34を通過
する。そして第3多軸電子レンズ34は、第3多軸電子
レンズ34を通過する電子ビームの電子ビーム径を縮小
する。縮小された電子ビームは、電子ビーム遮蔽部材2
8に含まれる開口部を通過する。また、電子ビーム遮蔽
部材28は、ブランキング電極アレイ26により偏向さ
れた電子ビームを遮蔽する。電子ビーム遮蔽部材28を
通過した電子ビームは、第4多軸電子レンズ36に入射
される。そして第4多軸電子レンズ36は、入射された
電子ビームをそれぞれ独立に集束し、偏向部38に対す
る電子ビームの焦点をそれぞれ調整する。第4多軸電子
レンズ36により焦点が調整された電子ビームは、偏向
部38に入射される。
【0026】偏向制御部92は、偏向部38に含まれる
複数の偏向器を制御し、偏向部38に入射されたそれぞ
れの電子ビームを、ウェハ44に対して照射すべき位置
にそれぞれ独立に偏向する。第5多軸電子レンズ52
は、第5多軸電子レンズ52を通過するそれぞれの電子
ビームのウェハ44に対する焦点を調整する。そしてウ
ェハ44に照射すべき断面形状を有するそれぞれの電子
ビームは、ウェハ44に対して照射すべき所望の位置に
照射される。
【0027】露光処理中、ウェハステージ駆動部48
は、ウェハステージ制御部96からの指示に基づき、一
定方向にウェハステージ46を連続移動させるのが好ま
しい。そして、ウェハ44の移動に合わせて、電子ビー
ムの断面形状をウェハ44に照射すべき形状に成形し、
ウェハ44に照射すべき電子ビームを通過させるアパー
チャを定め、さらに偏向部38によりそれぞれの電子ビ
ームをウェハ44に対して照射すべき位置に偏向させる
ことにより、ウェハ44に所望の回路パターンを露光す
ることができる。
【0028】図2は、本実施形態に係るカソード12の
一例を示す。カソード12は、ジルコニウムを表面に拡
散したタングステンにより形成される。カソード12
は、台部206、中間部204、及び先端平面202を
有する。カソード12は、先端平面202からウェハ4
4(図1参照)に対する方向である照射方向に電子ビー
ムを照射する。
【0029】台部206、中間部204、及び先端平面
202は一体に形成される。台部206は、一端210
が基材106(図1参照)の表面に固定され、一端21
0から照射方向に延伸して形成された略円柱体である。
中間部204は、台部206の他端から照射方向に延伸
して形成された略円錐台体であり、底面において台部2
06と接続する。従って、中間部204における照射方
向に垂直な断面積は、照射方向に対して漸減する。
【0030】カソード12の先端の略平面である先端平
面202は、中間部204における、照射方向に略垂直
な円形状の端面である。先端平面202は、中間部20
4を挟んで台部206と対向する。尚、先端平面202
の面積は、第1電子ビーム成形部14における開口部の
面積の1/4〜1/25であるのが好ましい。この場
合、カソード12は、適切な断面積を有する電子ビーム
を生成することができる。更には、先端平面202の面
積は、第2電子ビーム成形部22における開口部の面積
の1/4〜1/25であってよい。
【0031】本実施形態において、先端平面202は、
タングステンの結晶の<1,0,0>面に対応する略平
面である。そのため、カソード12は高い輝度を有する
電子ビームを生成することができる。
【0032】また、先端平面202は、ジルコニウムを
表面に拡散したタングステンの面である。ここで、ジル
コニウムが表面に拡散されたタングステンの仕事函数
は、例えば、ランタンヘキサボーラサイドの仕事函数
(約2.6eV)と同程度である。そのため、本実施形
態によれば、高い輝度を有する電子ビームを生成するこ
とができる。
【0033】また、本実施形態において、カソード12
は約1600度の温度において電子ビームを照射する。
ここで、タングステンの融点は約4000度であり、約
1600度の温度において、タングステンの形状は安定
である。そのため、カソード12は、電子ビームの照射
による先端部の消耗が小さい。
【0034】更に、本実施形態において、ジルコニウム
は、タングステン表面を拡散する。そのため、本実施形
態によれば、カソード12からジルコニウムの一部が蒸
発した場合であっても、安定な電子発生効率で電子ビー
ムを生成することができる。
【0035】また、ジルコニウムが表面に拡散されたタ
ングステンは、非昇華性である。そのため、例えばラン
タンヘキサボーラサイド等の昇華性の材料により形成さ
れたカソードと異なり、高い温度においても安定に、高
い輝度を有する電子ビームを生成することができる。す
なわち、本実施形態によれば、高い均一性を有する電子
ビームを安定して生成する電子ビーム露光装置を提供す
ることができる。
【0036】図3は、露光部150の詳細を示す。本実
施形態において、第5多軸電子レンズ52は、複数の電
子ビームを収束する複数のレンズ208を含む。複数の
レンズ208のそれぞれは、複数の電子ビームのそれぞ
れに対応し、対応する電子ビームを収束することによ
り、当該電子ビームの焦点を調整する。本実施形態にお
いて、複数のレンズ208は、約25mmの間隔(L)
で配列して形成される。これにより、レンズ208は、
電子ビームを、約4mradの収束角αでウェハ44に
入射させる。
【0037】以下、カソード12が生成する電子ビーム
の輝度βについて説明する。カソード12は、ウェハ4
4の表面に塗布されたレジストを適切に感光させるた
め、ウェハ44の表面における電流密度jが適切にレジ
ストを感光させる範囲となる輝度βの電子ビームを生成
する。本実施形態において、カソード12は、電流密度
jが約25〜400A/cmとなる輝度βの電子ビー
ムを生成する。更には、カソード12は、電流密度jが
約100〜350A/cmとなる輝度βの電子ビーム
を生成するのが好ましい。
【0038】ここで、ウェハ44の表面における電流密
度jは、電子ビームの輝度β、及び電子ビームがウェハ
44に入射する収束角αと、j=π×α×βの関係を
有する。すなわち、本実施形態において、カソード12
は、約0.5〜8A/cm・Strの輝度βの電子ビ
ームを生成する。更には、カソード12は、約2〜7A
/cm・Strの輝度βの電子ビームを生成するのが
好ましい。
【0039】図4は、電子ビームに対する加速電圧を5
0kVとし、カソード12の温度を約1600度とした
場合に実験的に得られた、先端平面202(図2参照)
の直径と、カソード12(図2参照)が生成する電子ビ
ームの輝度βとの関係の一例を示すグラフである。図4
に示すように、電子ビームの輝度βは、先端平面202
の直径に対して漸減する。
【0040】ここで、カソード12は、先端平面202
の面積に対応する輝度βの電子ビームを生成する。従っ
て、本実施形態において、約0.5〜8A/cm・S
trの輝度βの電子ビームを生成するカソード12の先
端平面202は、約5〜50μmの直径を有する。従っ
て、先端平面202の直径は、複数のレンズ208(図
3参照)の間隔(L=25mm)の約1/5000〜1
/500となる。
【0041】更には、先端平面202は、約2〜7A/
cm・Strの輝度βに対応する約8〜40μmの直
径を有するのが好ましい。この場合、平面先端平面20
2の直径は、複数のレンズ208の間隔(L=25m
m)の約1/3125〜1/625である。本実施形態
によれば、適切な輝度βの電子ビームを生成するカソー
ドを備える露光装置を提供することができる。
【0042】図5は、本実施形態に係るカソード12を
製造するカソード製造方法を示すフローチャートであ
る。カソード製造方法は、準備工程S102、電解研磨
工程S104、先端研磨工程S106、及びジルコニウ
ム付加工程S108を備える。
【0043】準備工程S102は、タングステンのワイ
ヤを準備する。本実施形態において、準備工程S102
は、断面の形状が円形状であるワイヤを準備する。別の
実施例において、準備工程102は、断面の形状が四角
形状であるワイヤを準備してよい。この場合、準備工程
102は、断面の形状が正方形状であるワイヤを準備す
るのが好ましい。
【0044】電解研磨工程S104は、当該ワイヤを電
解研磨し、当該ワイヤの先端を錐形状にすることによ
り、中間部204(図2参照)の側面に対応する面を形
成する。また、先端研磨工程S106は、当該ワイヤの
先端を研磨して、当該錐形状の先端に、当該ワイヤの直
径方向における断面と平行な先端平面202(図2参
照)に対応する面を形成する。
【0045】ジルコニウム付加工程S108は、ワイヤ
の表面にジルコニウムを付加する。ジルコニウム付加工
程S108は、例えば、台部206(図2参照)の側面
に対応する面にジルコニウムを含むレザバ(蓄積器)を
取り付けることにより、ジルコニウムを付加する。この
場合、例えば、環状の、ジルコニウムを含むレザバを当
該側面に取り付けてよい。細線状の、ジルコニウムを含
むレザバを当該側面に対応する面に巻き付けることによ
り当該取り付けを行ってもよい。別の実施例において
は、ジルコニウムのワイヤを当該側面に対応する面に巻
き付けてもよい。
【0046】本実施形態においては、電子ビーム露光装
置100の使用時にカソード12を加熱することにより
先端平面202に対応する面にジルコニウムを拡散させ
る。別の実施例においては、ワイヤを加熱することによ
り、先端平面202に対応する面にジルコニウムを拡散
させるジルコニウム拡散工程を更に備えてもよい。
【0047】図6は、本実施形態に係るカソード12の
別の例を示す。図6において、図2と同じ符号を付した
構成は、図2における構成と同一又は同様の機能を有す
る。
【0048】図6(a)において、カソード12は、直
方体状の台部206と、四角錐台体状の中間部204
と、四角形状の先端平面202とを有する。本例におい
て、第1電子ビーム成形部14(図1参照)の開口部
は、先端平面202と類似した形状である四角形状を有
するのが好ましい。この場合、カソード12は、断面形
状が四角形状の電子ビームを、四角形状の開口部を有す
る第1電子ビーム成形部14に対して照射する。そのた
め、第1電子ビーム成形部14は、効率よく、電子ビー
ムを所望の矩形に成形することができる。尚、先端平面
202は、第1電子ビーム成形部14の開口部の形状と
相似形に類似してもよく、第1電子ビーム成形部14の
開口部と大きさが異なってもよい。
【0049】図6(b)において、カソード12は、直
方体状の台部206と、四角形状の底面及び円形状の上
面を有する錐台体状の中間部204と、円形状の先端平
面202とを有する。本例においては、先端平面202
が円形状であるため、電解研磨工程S104(図5参
照)における電解研磨を容易に行うことができる。ま
た、台部206は直方体状であるため、製造時の取扱を
容易に行うことができる。
【0050】以上、本発明を実施形態を用いて説明した
が、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲に
は限定されない。上記実施形態に、多様な変更または改
良を加えることができる。そのような変更または改良を
加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、
特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0051】
【発明の効果】上記説明から明らかなように、本発明に
よれば電子ビームを安定に生成する電子ビーム露光装置
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る電子ビーム露光装置
100の構成を示す図である。
【図2】本実施形態に係るカソード12の一例を示す図
である。
【図3】露光部150の詳細を示す図である。
【図4】先端平面202の直径と、カソード12が生成
する電子ビームの輝度βとの関係の一例を示すグラフで
ある。
【図5】本実施形態に係るカソード12を製造するカソ
ード製造方法を示すフローチャートである。
【図6】本実施形態に係るカソード12の別の例を示す
図である。図6(a)は、カソード12の別の例を示す図
である。図6(b)は、カソード12の別の例を示す図で
ある。
【符号の説明】
8・・・筐体、10・・・電子ビーム発生部、12・・
・カソード、14・・・第1電子ビーム成形部、16・
・・第1多軸電子レンズ、18・・・第1成形偏向部、
20・・・第2成形偏向部、22・・・第2電子ビーム
成形部、24・・・第2多軸電子レンズ、26・・・ブ
ランキング電極アレイ、28・・・電子ビーム遮蔽部
材、34・・・第3多軸電子レンズ、36・・・第4多
軸電子レンズ、38・・・偏向部、44・・・ウェハ、
46・・・ウェハステージ、48・・・ウェハステージ
駆動部、52・・・第5多軸電子レンズ、80・・・電
子ビーム制御部、82・・・多軸電子レンズ制御部、8
4・・・成形偏向制御部、86・・・ブランキング電極
アレイ制御部、92・・・偏向制御部、96・・・ウェ
ハステージ制御部、100・・・電子ビーム露光装置、
102・・・グリッド、104・・・電子銃、106・
・・基材、110・・・電子ビーム成形手段、112・
・・照射切替手段、114・・・ウェハ用投影系、12
0・・・個別制御系、130・・・統括制御部、140
・・・制御系、150・・・露光部、202・・・先端
平面、204・・・中間部、206・・・台部、208
・・・レンズ、210・・・一端、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5C030 BB02 5C034 BB01 BB02 5F056 EA02 FA02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウェハに所望のパターンを露光する露光
    装置であって、 ジルコニウムを表面に拡散したタングステンにより形成
    され、先端が略平面であるカソードを有し、電子ビーム
    を生成する電子銃を備えることを特徴とする露光装置。
  2. 【請求項2】 開口部を有し、前記電子ビームを所望の
    矩形に成形するマスクを更に備え、 前記カソードの先端の略平面の面積は、前記開口部の面
    積の1/4〜1/25であることを特徴とする請求項1
    に記載の露光装置。
  3. 【請求項3】 開口部を有し、前記電子ビームを所望の
    矩形に成形するマスクを更に備え、 前記カソードの先端の略平面は、前記開口部の形状と類
    似した形状を有することを特徴とする請求項1に記載の
    露光装置。
  4. 【請求項4】 前記カソードの先端の略平面は、四角形
    状であることを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
  5. 【請求項5】 複数の電子ビームにより、ウェハに所望
    のパターンを露光する露光装置であって、 ジルコニウムを表面に拡散したタングステンにより形成
    され、先端が略平面であるカソードを有し、電子ビーム
    を生成する複数の電子銃を備えることを特徴とする露光
    装置。
  6. 【請求項6】 前記複数の電子ビームを収束する複数の
    レンズを更に備え、 前記カソードの先端の略平面は円形状であり、前記カソ
    ードの先端の略平面の直径は、前記複数のレンズの間隔
    の1/3125〜1/625であることを特徴とする請
    求項5に記載の露光装置。
  7. 【請求項7】 前記先端の略平面は、前記タングステン
    の結晶の<1,0,0>面に対応することを特徴とする
    請求項1又は5のいずれかに記載の露光装置。
  8. 【請求項8】 電子ビームを生成する電子銃のカソード
    を製造するカソード製造方法であって、 タングステンのワイヤを準備する準備工程と、 前記ワイヤを電解研磨して、前記ワイヤの先端を錐形状
    にする電解研磨工程と、 前記ワイヤの先端を研磨し、前記錐形状の先端に、前記
    ワイヤの直径方向における断面と平行な略平面を形成す
    る先端研磨工程とを備えることを特徴とするカソード製
    造方法。
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