JP2003323837A - ガス遮断器 - Google Patents

ガス遮断器

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JP2003323837A
JP2003323837A JP2002127360A JP2002127360A JP2003323837A JP 2003323837 A JP2003323837 A JP 2003323837A JP 2002127360 A JP2002127360 A JP 2002127360A JP 2002127360 A JP2002127360 A JP 2002127360A JP 2003323837 A JP2003323837 A JP 2003323837A
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cylinder
movable
gas
arc
circuit breaker
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JP2002127360A
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English (en)
Inventor
Hiroaki Komatsu
宏彰 小松
Kenji Arai
健嗣 新井
Masayoshi Oi
雅義 大井
Takeshi Shinkai
健 新海
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アークへ効率良くガスを吹き付け、遮断性能
の向上を図ったガス遮断器を提供する。 【解決手段】 操作ロッド5の連通穴は、パッファ室に
面する部分が後方に傾いた傾斜穴51aから構成されて
いる。このため、パッファ室11内部のガスが効率よく
混合され、パッファ室11内のガス密度を均一化するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、駆動エネルギーを
増大させることなく遮断性能向上の為に消弧室に改良を
施したガス遮断器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、電力系統の変電所あるいは開
閉所に用いられる高圧遮断器として、パッファ形ガス遮
断器が知られている。図12は特公平7−97446号
の発明によるパッファ形ガス遮断器の消弧室の構造図で
あり、(a)は遮断動作初期の状態を、(b)は遮断動
作後期の状態を示している。図12において、1は固定
接触子部、2は可動接触子部であり、これら接触子部
1,2は消弧性ガスを密封した容器内に接離可能に対向
配置されている。このうち、固定接触子部1は固定アー
ク接触子4および固定通電接触子3とから構成される。
また、可動接触子部2は中空の操作ロッド5にパッファ
シリンダー6、可動アーク接触子8、可動通電接触子
9、絶縁性のノズル10が固定されている。さらに、可
動部接触子部2において、パッファシリンダー6は、図
示されない固定部に固定されたパッファピストン7とで
パッファ室11を形成している。
【0003】可動部接触子部2において、操作ロッド5
の中空部5bとその外部を連通する連通穴5aは、図1
2(a)に示すように、遮断動作初期においては、操作
ロッド5中空部5bとパッファ室11内を連通するよう
に加工されている。このため、電流遮断により固定アー
ク接触子4、可動アーク接触子8の間に発生したアーク
13による熱ガス12は矢印に示すようなガス流路を通
り、パッファ室11内の温度を上昇させる。熱ガス12
によるパッファ室11内の温度上昇と、パッファシリン
ダー6の動作によるパッファ室11の圧縮効果により、
パッファ室11の圧力は上昇し、アーク13への消弧性
ガスの吹き付け力が増大する。このような構成を有する
ガス遮断器によれば、優れた遮断性能を得ることが可能
である。
【0004】なお、操作ロッド5中空部5bから連通穴
5aを介してパッファ室11へのガス流を導くために、
操作ロッド5の内部にはフローガイド14を装備してい
る。その後、図12(b)に示すように連通穴5aは、
パッファピストン7の端部7aを通過して周囲に連通す
る。従って操作ロッド5の中空部5bは容器(図示せ
ず)内のガス雰囲気に開放され、アーク13からの熱が
放出される。このような状態においては、すでにノズル
10は十分に開口しているので、電流を遮断できる状態
となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが近年、ガス遮
断器には遮断容量の増大が要求される一方で、遮断器の
駆動力を低減して機械的信頼性の向上とコストダウンも
要求されている。従って、駆動装置によるパッファ室1
1の圧縮の効果よりも、熱ガス12によるパッファ室1
1の消弧性ガス圧力上昇の効果の比率を増す必要があ
る。しかし、パッファ室11の圧力を高めると、パッフ
ァ室11の圧力と断面積との積であらわされるパッファ
室11反力が増大するため、小さな駆動力ではこの反力
に打ち勝つことができず、可動接触子部2が遮断動作時
に逆行するおそれがある。このように、遮断容量の増大
と駆動力の低減は、相反する要求と考えられていた。
【0006】ところで、数種類の遮断責務の中でも、ア
ーク13への吹き付け圧力を最も必要とするのは一般に
近距離線路故障遮断である。近距離線路故障電流は定格
遮断電流の最大90%程度であり、これに合わせてパッ
ファ室11の圧力上昇を得るように熱ガス流設計する
と、定格遮断電流の遮断時、特に直流分が重畳した場合
には、電流遮断のために必要とされる以上の圧力が得ら
れることになる。この遮断電流と圧力上昇の関係を示し
たグラフを図13に示す。図13中の斜線で囲まれた部
分の圧力が過剰であり、この圧力による反力に打ち勝つ
ために駆動力の大きなガス遮断器が必要となっていた。
【0007】また、最近の熱ガス流解析の発展により、
アーク13の熱を取り込んだパッファ室11の圧力分布
は一様でなく偏りがあり、アーク13からの熱がアーク
13に対するガスの吹き付け圧力の上昇に寄与していな
い場合があることが判明してきた。そこで、パッファ室
11に取り込んだ熱を均一化して、アーク13に効率よ
くガスを吹き付けて冷却することが求められていた。
【0008】本発明は、上記の問題点を解決するために
提案されたものであり、その主たる目的は、アークへ効
率良くガスを吹き付け、遮断性能の向上を図ったガス遮
断器を提供することにある。また、本発明の他の目的
は、駆動力の低減を図り、機械的信頼性の向上とコスト
ダウンを実現するガス遮断器を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1の発明は、消弧性ガスを密封した容器内
に、接離可能に対向配置された固定接触子部と可動接触
子部を有し、前記固定接触子部は少なくとも固定アーク
接触子を有し、前記可動接触子部は、その固定接触子部
方向を前方、その反対方向を後方と定義した場合に、複
数の排気孔を後部に有する中空の操作ロッドと、前記操
作ロッドの周囲に配置されてその前方端部で操作ロッド
に取り付けられたパッファシリンダーとこれを包囲する
パッファピストンとからなるパッファ室と、前記パッフ
ァシリンダーの前方に取り付けられる中空で指状の可動
アーク接触子と、それを包囲する絶縁性のノズルとを有
し、さらに前記パッファシリンダーの前端面には前記パ
ッファ室と前記ノズルとを連通する穴部を形成し、遮断
動作時には前記パッファシリンダーの移動により前記パ
ッファ室を圧縮することによって前記パッファ室内のガ
スを圧縮して前記パッファシリンダー前端面の穴部を通
して前記ノズルに導き、固定アーク接触子と可動アーク
接触子間に発生しているアークを冷却して消滅せしめる
ガス遮断器において、上記操作ロッドの中空部側面に連
通穴を設け、遮断動作初期には前記操作ロッドの中空部
と前記パッファ室とを前記操作ロッドの連通穴を介して
連通させ、遮断動作後期には前記操作ロッドの中空部と
前記容器とを前記操作ロッドの連通穴を介して連通させ
るように構成し、前記操作ロッドの連通穴は前記パッフ
ァ室に面する部分が後方に傾いていることを特徴として
いる。このような請求項1の発明では、操作ロッドの連
通穴におけるパッファ室に面する部分を後方に傾けたの
で、電流遮断時の熱ガスは操作ロッドの中空部からパッ
ファ室の後方に向かって噴出する。また、遮断動作時に
はパッファ室は後方に駆動させることからパッファ室内
の熱ガスは慣性力による浮力を受けて前方へと向かう。
このようにしてパッファ室内のガスは十分に混ざり合う
ことができ、ガス密度を均一化することができる。この
結果、ノズルからアークに対し高圧のガスをむらなく吹
き付けることが可能となり、遮断性能が向上する。
【0010】請求項2の発明は、請求項1記載のガス遮
断器において、前記ノズルの内側には前記パッファシリ
ンダー穴部より噴出するガス流を形成する整流子を有
し、前記整流子は前記可動アーク接触子にねじ結合した
ことを特徴としている。このような請求項2の発明で
は、整流子を可動アーク接触子にねじ結合しているた
め、ノズル及び整流子の簡素化及び軽量化が容易であ
る。従って、低コスト化に寄与することができる。
【0011】請求項3の発明は、請求項1または2記載
のガス遮断器において、前記パッファ室内の角は面取り
した構造であることを特徴としている。このような請求
項3の発明では、パッファ室内の角を面取りしたこと
で、この部分に熱ガスが滞留することを防いで、パッフ
ァ室内における熱ガスの循環を促すことができる。これ
により、パッファ室内でのガス密度均一化を確実に実現
することができる。
【0012】請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれ
か1項に記載のガス遮断器において、前記パッファシリ
ンダー内には複数の小穴を有した絶縁物円盤を装備した
ことを特徴としている。このような請求項4の発明で
は、パッファ室内の熱ガスを絶縁物円盤の小穴に通過さ
せることで絶縁物表面が蒸発し、その際の気化熱を吸収
する。このため、熱ガスを冷却してガス密度が上昇し、
アークの冷却効率を高めることが可能となる。
【0013】請求項5の発明は、消弧性ガスが封入され
た容器内に、対向配置された固定接触子部および可動接
触子部を有し、固定接触子部は少なくとも固定アーク接
触子を有し、可動接触子部は、その固定接触子部方向を
前方、その反対方向を後方と定義した場合に、複数の排
気孔を後部に有する中空の操作ロッドと、操作ロッドの
周囲に配置されてその前方端部で操作ロッドに取り付け
られ熱昇圧室を形成する可動熱昇圧シリンダーと、可動
熱昇圧シリンダーの前方に取り付けられる中空で指状の
可動アーク接触子と、それを包囲する絶縁性のノズルと
を有し、遮断動作時に前記熱昇圧室内の高圧ガスを前記
固定アーク接触子と前記可動アーク接触子間に発生する
アークに吹き付けて電流を遮断するガス遮断器におい
て、前記可動接触子部に、遮断動作時に可動熱昇圧シリ
ンダーとの相対位置関係において可動熱昇圧シリンダー
内に突出する小径のピストンを有し、前記可動熱昇圧シ
リンダー内のガスを圧縮する構成とし、遮断動作の前半
には前記操作ロッド後部に設けられた排気孔が前記小径
ピストンの前方で前記可動熱昇圧シリンダー内にあって
前記可動アーク接触子及び前記操作ロッドの中空部と前
記可動熱昇圧シリンダー内を連通させ、遮断動作の後半
には前記操作ロッド後部に設けられた排気孔が前記小径
ピストンの後方に開口して前記可動アーク接触子及び前
記操作ロッドの中空部を前記容器に連通させるように構
成し、前記可動熱昇圧シリンダー内部には円筒状絶縁物
が一方の端部を前記操作ロッドの排気孔より前方に固着
し、円筒状絶縁物の他方の端部は前記小ピストン、前記
操作ロッド及び前記可動熱昇圧シリンダーに接すること
無く後方に伸ばしたことを特徴としている。このような
請求項5の発明では、遮断動作の前半、操作ロッドの排
気孔が小径ピストンの前方で可動熱昇圧シリンダー内に
あり可動アーク接触子及び操作ロッドの中空部と可動熱
昇圧シリンダー内を連通させるため、アークにより高温
となった熱ガスが操作ロッドの排気孔から熱昇圧室内に
侵入する。熱昇圧室内に入った熱ガスは円筒状絶縁物の
内面に当り、後方に伸びた円筒状絶縁物に沿って最初は
後方に流れ、端部を回り込んで熱昇圧室の前方へと流れ
ていく。つまり、従来では高温であるが故に密度の低い
熱ガスを熱昇圧室内に取り入れた後、これをそのままア
ークに吹き付けていたが、熱昇圧室内に円筒状絶縁物を
設けた請求項5の発明においては、円筒状絶縁物が存在
することで熱ガスの流れが弱まり、熱ガスは熱昇圧室内
に存在した低温高密度のガスを押し出しながら熱を伝え
ていくことができる。このため、熱昇圧室内のガス圧力
を全体として高めた上でアークに吹き付けることがで
き、優れた遮断性能を得ることが可能である。
【0014】請求項6の発明は、請求項5記載のガス遮
断器において、前記円筒状絶縁物の側面には小穴を複数
形成したことを特徴としている。このような請求項6の
発明では、円筒状絶縁物の側面に形成した小穴を熱ガス
が通過する際、絶縁物表面が蒸発し、その際の気化熱を
吸収するので、熱ガスをを冷却してガス密度が上昇す
る。従って、アークを効率よく冷却することができ、遮
断性能が向上する。
【0015】請求項7の発明は、請求項5または6記載
のガス遮断器において、前記円筒状絶縁物をポリテトラ
フルオロエチレンにより構成したことを特徴としてい
る。このような請求項7の発明では、水素を含まないポ
リテトラフルオロエチレンで円筒状絶縁物を構成したの
で、高温の熱ガスにさらされても遮断性能に悪影響を与
える水素原子が生成されることがなく、優れた遮断性能
を発揮することができる。
【0016】請求項8の発明は、消弧性ガスが封入され
た容器内に、対向配置された固定接触子部および可動接
触子部を有し、固定接触子部は少なくとも固定アーク接
触子を有し、可動接触子部は、その固定接触子部方向を
前方、その反対方向を後方と定義した場合に、複数の排
気孔を後部に有する中空の操作ロッドと、操作ロッドの
周囲に配置されてその前方端部で操作ロッドに取り付け
られ、熱昇圧室を形成する可動熱昇圧シリンダーと、可
動熱昇圧シリンダーの前方に取り付けられる中空で指状
の可動アーク接触子と、それを包囲する絶縁性のノズル
とを有し、かつ、可動熱昇圧シリンダーの後方部に、遮
断動作時に可動熱昇圧シリンダーの移動により可動熱昇
圧シリンダー後部の容積を縮小させてその内部のガスを
圧縮する圧縮室を有し、さらに前記可動熱昇圧シリンダ
ーと前記圧縮室とを隔てる隔壁部を形成し、この隔壁部
に前記圧縮室から前記熱昇圧室に通ずる逆止弁を設け、
遮断動作時に前記熱昇圧室内の高圧ガスを前記固定アー
ク接触子と前記可動アーク接触子間に発生するアークに
吹き付けて電流を遮断するガス遮断器において、前記圧
縮室は、前記可動熱昇圧シリンダーを包囲しその内径部
を可動熱昇圧シリンダーの外径部がほぼ気密に摺動する
固定の圧縮シリンダーにより構成し、前記固定圧縮シリ
ンダーは前方半径方向外側に、前記可動熱昇圧シリンダ
ーに連通する予備熱昇圧シリンダーを設けたことを特徴
としている。このような請求項8の発明では、アークに
より発生した熱ガスは、可動熱昇圧シリンダーに進入し
てガス圧力を上昇させる。このとき、予備昇圧シリンダ
ーの内径は固定シリンダーの内径よりも大きいので予備
昇圧シリンダーに蓄えられた熱もアークを消弧するため
のガス吹き付けのエネルギーとして作用する。一方で、
圧縮室の内径は変化がないため、ガス遮断器操作時の圧
縮室ガス圧力と圧縮室断面積であらわされる操作時の反
力が低減される。したがって、高性能のガス遮断器の低
コスト化が可能となる。
【0017】請求項9の発明は、請求項8記載のガス遮
断器において、前記可動接触子部に、遮断動作時に可動
熱昇圧シリンダーとの相対位置関係において可動熱昇圧
シリンダー内に突出する小径のピストンを有し、前記可
動熱昇圧シリンダー内のガスを圧縮する構成とし、遮断
動作の前半には前記操作ロッド後部に設けられた排気孔
が前記小径ピストンの前方で前記可動熱昇圧シリンダー
内にあって前記可動アーク接触子及び前記操作ロッドの
中空部と前記可動熱昇圧シリンダー内を連通させ、遮断
動作の後半には前記操作ロッド後部に設けられた排気孔
が前記小径ピストンの後方に開口して前記可動アーク接
触子及び前記操作ロッドの中空部を前記容器に連通させ
るように構成したことを特徴としている。このような請
求項9の発明では、熱ガスが可動熱昇圧シリンダー前方
からのみならず、操作ロッドからも流れ込むので、ガス
圧力が効率よく上昇し、アークへのガスの吹き付け能力
が向上する。
【0018】請求項10の発明は、請求項8または9記
載のガス遮断器において、前記予備熱昇圧シリンダー後
方には放圧弁が設けられ、遮断動作時に前記可動熱昇圧
シリンダー内部の圧力が所定値を超えた場合に、前記放
圧弁が動作して前記熱昇圧シリンダーと前記容器を連通
させるように構成したことを特徴としている。請求項1
1の発明は、請求項8〜10のいずれか1項に記載のガ
ス遮断器において、前記圧縮室には第2の放圧弁を備え
たことを特徴としている。請求項12の発明は、請求項
8〜11のいずれか1項に記載のガス遮断器において、
定格遮断電流の60%の電流遮断時に、前記可動熱昇圧
シリンダー内部の圧力と前記固定圧縮シリンダーの圧力
が、アーク時間10ms〜22msの範囲内で概略同程
度となるように構成したことを特徴としている。
【0019】以上のような請求項10の発明では、可動
熱昇圧シリンダー内部の圧力が所定値を超えた場合に、
放圧弁が動作して熱昇圧シリンダーと前記容器を連通さ
せ、反力を一定値以下に抑えることができる。また、請
求項11の発明では、第2の放圧弁を開放することで大
電流遮断の際にも反力を一定値以下に抑えることができ
る。さらに、請求項12の発明では、定格遮断電流の6
0%の電流遮断時に可動熱昇圧シリンダー内部の圧力と
固定圧縮シリンダーの圧力をアーク時間10ms〜22
msの範囲内で概略同程度としたことで、操作時の反力
を低減することができる。上記請求項10〜12の発明
では、このようにして操作時の反力を抑制することによ
り、駆動力が小さく安価な操作機構で高性能の消弧性能
を発揮することができ、機械的信頼性の向上とコストダ
ウンに貢献することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るガス遮断器の
実施の形態(以下、実施形態)について、図面および図
中に付した符号を引用して説明する。なお、図12の従
来例で説明した構成部分と同一または対応する部分に関
しては同一符号を付して説明は省略する。また、各実施
形態において共通部分についても同一符号を付す。さら
に、以下の説明において可動接触子部2は、その固定接
触子部1方向を前方、その反対方向を後方と定義してい
る。
【0021】(1)第1の実施形態 (1−1)構成 第1の実施形態は請求項1の発明に対応しており、図1
は第1の実施形態を示す概略横断面図で遮断初期状態を
示している。第1の実施形態の特徴は操作ロッド5の中
空部5bとその外部を連通する連通穴の形状にある。す
なわち、操作ロッド5の連通穴は、パッファ室に面する
部分が後方に傾いた傾斜穴51aから構成されている。
【0022】(1−2)作用効果 操作ロッド5の傾斜穴51aはパッファ室11に面する
部分を後方に傾いているので、電流遮断時の熱ガス12
の流れは図示するごとく、パッファ室11の後方に向か
って噴出する。噴出した熱ガス12は、パッファ室11
に存在していたガスよりも高温であるために比重が軽
く、遮断動作時にはパッファ室11は加速されながら後
方に駆動されることから、熱ガス12はパッファ室11
内部で慣性力による浮力を受け、パッファ室11の前方
に向かう力を受ける。結果としてパッファ室11内部の
ガスが効率よく混合される。従って、パッファ室11内
のガス密度を均一化することができ、ノズル10から高
圧のガス流15をむらなくアーク13に吹き付けること
が可能となる。これにより、アーク13へのガス吹き付
け効率が向上し、優れた遮断性能を得ることができる。
【0023】(2)第2の実施形態 (2−1)構成 第2の実施形態は請求項2の発明に対応しており、図2
は第2の実施形態を示す概略横断面図で遮断初期状態を
示している。すなわち、ノズル10の内側には絶縁物で
構成される整流子16が可動アーク接触子8に対しネジ
構造により固着されている。
【0024】(2−2)作用 一般的に整流子16はノズル10により押さえつけられ
て固定される構造となることが多い(図1ではその状態
を示している)。この場合、ノズル10及び整流子16
には、軸に対して非対称な支えが不可欠となる。この非
対称な支えは熱ガス12の流れを妨げるだけでなく、ノ
ズル10及び整流子16を製造する際にも、加工に比較
的長い工数を必要とするといった不具合がある。
【0025】そこで図2に示した第2の実施形態では、
整流子16を可動アーク接触子8にねじ構造により固着
している。このため、ガス流15の流れが妨げられるこ
となく、かつノズル10及び整流子16も簡素かつ軽量
な構造とすることができる。このような第2の実施形態
によれば、ガス流15の流れの均一化によりアーク13
への吹き付け効果が向上すると共に、軽量化及び低コス
ト化を実現できるといったメリットがある。
【0026】(3)第3の実施形態 (3−1)構成 第3の実施の形態は請求項3の発明に対応しており、図
3は第3の実施形態を示す概略横断面図で遮断初期状態
を示している。第3の実施形態ではパッファシリンダー
6の内面及びパッファピストン7の角部が面取りされた
構造となっている。
【0027】(3−2)作用効果 熱ガス12がパッファ室11に侵入する際、パッファシ
リンダー11の隅の部分には熱ガス流が届きにくく、こ
の部分には比較的温度の低いガスが滞留し易い。そこで
第3の実施形態においては、パッファ室11内の角を面
取りを施し、この部分にガス流15がスムーズに流れて
ガスの滞留を防ぐことができる。このため、パッファ室
11内におけるガス流15の循環を促すことができる。
これにより、パッファ室11内のガス密度を迅速に均一
化することができる。従って、ノズル10から高圧のガ
ス流15をむらなくアーク13に吹き付けることが可能
となり、アーク13へのガス吹き付け効率が向上して優
れた遮断性能を得ることができる。
【0028】(4)第4の実施形態 (4−1)構成 第4の実施の形態は請求項4の発明に対応しており、図
4は第4の実施形態を示す概略横断面図で遮断初期状態
を示している。第4の実施の形態は、パッファシリンダ
ー6内面には複数の小穴を有した絶縁物円盤21を装備
したことを特徴としている。この絶縁物円盤21は、ガ
ス遮断器が開極位置に来た場合でも、パッファピストン
7に当たることがないような位置に固着されている。
【0029】(4−2)作用効果 図示するごとく、電流遮断時には、パッファ室11に流
入した熱ガス12の流れの大部分は、絶縁物円盤21の
小穴を通ってアーク13に吹き付けられる。つまり、第
4の実施の形態では、パッファ室11内のガス流15を
絶縁物円盤21の小穴に通過させることで絶縁物表面が
蒸発し、その際の気化熱を吸収する。このため、ガス流
15を冷却してガス密度が上昇する。この結果、高密度
のガスをアーク13に噴射することができ、アーク13
の冷却効率を高めることが可能となる。
【0030】(5)第5の実施形態 (5−1)構成 第5の実施形態は請求項5の発明に対応しており、図5
は第5の実施形態を示す概略横断面図で遮断初期状態を
示している。第5の実施形態において、可動接触子部2
は次のような部材から構成されている。
【0031】すなわち、中空の操作ロッド5と、その操
作ロッド5の周囲に配置され操作ロッド5に連結され熱
昇圧室を形成する可動熱昇圧シリンダー18と、可動熱
昇圧シリンダー18の前端部18aに固定され中空かつ
指状の可動アーク接触子8と、それを包囲する絶縁性の
ノズル10と、更にノズル10を包囲しかつノズル10
を可動熱昇圧シリンダー18前端部18aに固定する可
動通電接触子9と、可動熱昇圧シリンダー18を包囲す
る固定シリンダー19とが配設されている。
【0032】また、可動熱昇圧シリンダー18後方に
は、小ピストン25が装備されており、遮断動作時には
小ピストン25が可動熱昇圧シリンダー18内部の容積
を圧縮するようになっている。さらに、遮断動作初期に
は、操作ロッド5の連通穴5aが可動熱昇圧シリンダー
18と連通しており、図5に示すとおり熱ガス12が操
作ロッド5内部を経由して可動熱昇圧シリンダー18に
流れ込み、可動熱昇圧シリンダー18の熱昇圧室内の密
度及び圧力を上昇させるようになっている。操作ロッド
5には、操作ロッド5の連通穴5aよりも前方に円筒状
絶縁物17の一端部が固着されている。円筒上絶縁物1
7の他端部は、小ピストン25や可動熱昇圧シリンダー
18に接すること無く後方に伸ばして設けられている。
【0033】(5−2)作用効果 以上の構成を有する第5の実施形態の作用効果は次の通
りである。操作ロッド穴5aより噴出した熱ガス12
は、図5の矢印が示すガス流15のごとき経路をたど
り、可動熱昇圧シリンダー18を流れてアーク13に吹
き付けられる。ただし、熱ガス12は高温であるが故に
密度は低い。そこで第5の実施形態では、このような低
密度の熱ガス12を直接アークに吹き付けるのでは無
く、円筒状絶縁物17を障害物として熱ガス12の流れ
をせき止め、パッファ室11内部の低温高密度のガスを
押し出しながら熱を伝え、全体として圧力を上げた後で
アーク13に吹き付けることができる。このような第5
の実施形態によれば、アーク13へ効率良くガス吹き付
けを実施することができ、遮断性能の向上を図ることが
できる。
【0034】(6)第6の実施形態 (6−1)構成 第6の実施形態は上記第5の実施形態を改良したもので
あり、請求項6の発明に対応している。図6は第6の実
施形態を示す概略横断面図で遮断初期状態を示してい
る。第6の実施形態の構成上の特徴は円筒状絶縁物17
側面に複数個の小穴17aが設けられている点にある。
【0035】(6−2)作用効果 第6の実施形態では操作ロッド穴5aより噴出した熱ガ
ス12の一部は、円筒状絶縁物17側面の小穴17aを
通る。その際、絶縁物表面は熱ガス12にさらされるこ
とにより、表面が蒸発し、その際の気化熱を吸収する。
このため、ガス流15は十分に冷却され、ガス密度が上
昇する。このような第6の実施形態によれば、密度のガ
スをアーク13に噴射することができ、遮断性能がいつ
そう向上する。
【0036】(7)第7の実施形態 (7−1)構成 第7の実施形態も上記第5の実施形態を改良したもので
あり、請求項7の発明に対応している。第7の実施の形
態では円筒状絶縁物17をポリテトラフルオロエチレン
で構成したことを特徴としている。
【0037】(7−2)作用効果 第7の実施形態では円筒状絶縁物17をポリテトラフル
オロエチレンで構成したので円筒状絶縁物17は水素を
含まない。このため、高温の熱ガス12にさらされて
も、遮断性能に悪影響を与える水素原子が生成されるこ
とがない。従って、アーク冷却効率を高めてガス遮断器
の遮断性能が向上する。
【0038】(8)第8の実施形態 (8−1)構成 第8の実施形態は請求項8の発明に対応しており、図7
は第8の実施形態を示す概略横断面図で遮断初期状態を
示している。第8の実施形態において、可動接触子部2
は次のような部材から構成されている。
【0039】すなわち、可動接触子部2は、前端部にピ
ストン部5cを有する中空の操作ロッド5と、その操作
ロッドの包囲して配置されピストン部5cに連結される
可動熱昇圧シリンダー18と、可動熱昇圧シリンダー1
8の前方小内径部5cに固定され中空かつ指状の可動ア
ーク接触子8と、それを包囲する絶縁性のノズル10
と、更にノズル10を包囲しかつノズル10を可動熱昇
圧シリンダー18前端部5cに固定する可動通電接触子
9と、可動熱昇圧シリンダー18を包囲する固定シリン
ダー19とを有する。
【0040】固定シリンダー19は、パッファピストン
7とともに圧縮室22を構成する。固定シリンダー19
には、その主胴部内径よりも広い予備昇圧シリンダー2
0が装備されており、可動熱昇圧シリンダー18と連通
されている。可動熱昇圧シリンダー18の後方の面には
逆止弁23が装備され、可動熱昇圧シリンダー18から
圧縮室22へのガスの流れを阻止するようになってい
る。
【0041】(8−2)作用効果 アーク13により発生した熱ガス12は、図6の矢印で
示すごとく、可動熱昇圧シリンダー18に進入し、この
中のガス圧力を上昇させる。予備昇圧シリンダー20の
内径は、固定シリンダー19の内径よりも大きい。可動
熱昇圧シリンダー18に加え、予備昇圧シリンダー20
に蓄えられた熱も、アーク13を消弧するためのガス吹
き付けのエネルギーとして作用する。一方で、圧縮室2
2の内径は変化がないため、ガス遮断器操作時の圧縮室
ガス圧力と圧縮室断面積であらわされる操作時の反力が
低減される。このように第8の実施の形態によれば、操
作時反力が低減されるため、駆動力が小さく安価な操作
機構で済む。したがって、高性能の消弧能力のあるガス
遮断器のコストダウンが実現可能となる。
【0042】(9)第9の実施形態 (9−1)構成 図8は本発明に係るガス遮断器の第8実施形態を示す概
略横断面図で、遮断初期状態を示す。可動熱昇圧シリン
ダー18後方には、小ピストン25が装備されており、
ガス遮断器動作により小ピストン25が可動熱昇圧シリ
ンダー18内部の容積を圧縮するように構成されてい
る。遮断動作前半には、操作ロッド穴5aが可動熱昇圧
シリンダー18と連通しており、熱ガス12が図7に示
すとおり操作ロッド5内部を経由して可動熱昇圧シリン
ダー18に流れ込むようになっている。
【0043】(9−2)作用効果 このような第9の実施の形態によれば、熱ガス12が可
動熱昇圧シリンダー18前方からのみならず、操作ロッ
ド5側からも流れ込むため、ガス圧力が上昇し、アーク
13へのガスの吹き付け能力が向上する。従って、熱ガ
ス流の流れの一様化によりアークへの吹き付け効果が向
上し、遮断性能が向上する。
【0044】(10)第10の実施形態 (10−1)構成 図9は請求項10の発明に係る第10の実施形態を示す
概略横断面図で、遮断初期状態を示している。第10の
実施形態では、予備昇圧シリンダー20の後方部には、
放圧弁24が設けられている点に特徴がある。
【0045】(10−2)作用効果 このような第10の実施形態では可動熱昇圧シリンダー
18及び予備昇圧シリンダー20のガス圧力が所定値を
越えた際に、放圧弁24が動作し、所定値以上の圧力上
昇を防止する。その一方で、圧縮室22はガス遮断器の
動作により容積が圧縮されるため圧力が上昇するが、可
動熱昇圧シリンダー18の圧力よりも高くなると逆止弁
23が動作して可動熱昇圧シリンダー18と連通する。
【0046】可動熱昇圧シリンダー18は前述のとお
り、放圧弁24の働きにより内部のガス圧力が一定値以
下に保たれるため、圧縮室22の圧力も一定値よりも上
昇することはない。したがって、大電流遮断の際にもガ
ス遮断器動作による反力が一定値以下に抑えられる。以
上のような第10の実施形態によれば、操作時反力が低
減されるため、駆動力が小さく安価な操作機構で、高性
能の消弧能力のあるガス遮断器を低コストで実現可能と
なる。
【0047】(11)第11の実施形態 (11−1)構成 図10は請求項11の発明に係る第11の実施形態を示
す概略横断面図で、遮断初期状態を示す。第11の実施
形態では圧縮室22の後方部に、第2の放圧弁26が設
けられている。
【0048】(11−2)作用効果 第11の実施形態の作用効果は次の通りである。すなわ
ち、圧縮室22はガス遮断器の動作により容積が圧縮さ
れるため圧力が上昇するが、ある圧力よりも高くなると
第2の放圧弁26が動作して前記容器と連通する。従っ
て、大電流遮断の際にもガス遮断器動作による反力が一
定値以下に抑えられる。このような第11の実施形態に
よれば、操作時反力が低減されるため、駆動力が小さく
安価な操作機構で、高性能の消弧能力のあるガス遮断器
が実現可能となる。
【0049】(12)第12の実施形態 (12−1)構成 図11は遮断電流に対する可動熱昇圧シリンダー18と
圧縮室22のガス圧力の変化を示したグラフであり、請
求項12の発明に係る第12の実施形態の特徴をあらわ
している。実際のガス遮断器の構造は、図7〜9に示す
ものと同様である。
【0050】図10において、細い1点鎖線40は電流
遮断に必要とされる可動熱昇圧シリンダー18のガス圧
力、太い実線41は可動熱昇圧シリンダーのガス圧力、
太い破線42は圧縮室22のガス圧力である。また、I6
0 は定格遮断電流の60% の電流を、P60 はI60 の電流を
遮断するために必要な最低限の可動熱昇圧シリンダーの
ガス圧力を示している。
【0051】一般に、遮断する電流が大きいほど、電流
遮断のために必要なアーク13へのガスの吹きつけ圧力
は増大する。遮断電流がよりもI60 大きい場合、アーク
13から得た熱により可動熱昇圧シリンダー18内部の
ガス圧力が十分に上昇し、アーク13へのガスを吹きつ
けが効果的となり、電流遮断が可能になる。
【0052】一方、遮断電流がI60 を下回る場合、開
極動作により圧縮室22の容積が減少することにより圧
縮室22のガス圧力が上昇し、逆止弁23を介して圧縮
室22のガス圧力も上昇する。この場合、アーク13か
らの熱の伝達が小さいため、可動熱昇圧シリンダー18
のガス圧力は、圧縮室22の圧力とほぼ同じとなり、ま
た、遮断する電流にもほとんど依存しない。
【0053】第12の実施形態においては、ガス圧力で
ある定格遮断電流の60%の電流遮断時において、アー
ク時間10ms〜22msの範囲において、可動熱昇圧シリンダ
ー18内部のガス圧力と圧縮室22のガス圧力が、電流
遮断に必要な最低限のガス圧力において概略同圧力とな
るように設計されている。圧力の調整は、アーク13か
らの熱の取込み量や、可動熱昇圧シリンダー18や圧縮
室22の容積,断面積、さらには放圧弁22や第2の放
圧弁26の動作圧力などで可能となる。
【0054】(12−2)作用効果 太い実線41に示すように、遮断電流がI60 以上であ
れば、アーク13の熱の影響で可動熱昇圧シリンダー1
8のガス圧力は急激に上昇するので電流遮断には十分で
ある。
【0055】遮断電流がI60 程度である場合、アーク
13からの熱の伝達による可動熱昇圧シリンダー18の
圧力上昇が十分期待することができないため、圧縮室2
2の圧縮の効果によって、圧縮室22のガス圧力を増加
させ、逆止弁24を介して可動熱昇圧シリンダー18内
部のガス圧力をP60 以上に上昇させなくてはならな
い。I60 よりも小さな電流の遮断では、図示するごと
く、電流遮断に必要な可動熱昇圧シリンダー18のガス
圧力がP60 よりも小さくなるため、遮断可能な圧力を
確保できている。
【0056】以上述べたとおり、可動熱昇圧シリンダー
18と圧縮室22のガス圧力が等しくなるような遮断電
流値がI60 よりも小さい場合、I60 での電流遮断が不
可能になり、また、可動熱昇圧シリンダー18と圧縮室
22のガス圧力が等しくなるような遮断電流値がI60
よりも大きい場合、熱ガス12による可動熱昇圧シリン
ダー18の圧力上昇で十分遮断できるにもかかわらず、
圧縮室22のガス圧力を上昇させていることになり、圧
縮室22のガス圧力上昇分と断面積の積であらわされる
ガスの反力が増大し、ガス遮断器を駆動させるための駆
動力の増大を引き起こす。
【0057】そこで第12の実施形態では、ガス圧力で
ある定格遮断電流の60%の電流遮断時において、アー
ク時間10ms〜22msの範囲において、可動熱昇圧シリンダ
ー18内部のガス圧力と圧縮室22のガス圧力が、電流
遮断に必要な最低限のガス圧力において概略同圧力と
し、実用上考えられる全てのアーク時間に関して遮断が
可能となる。従って、操作時反力が低減されるため、駆
動力が小さく安価な操作機構で、高性能の消弧能力のあ
るガス遮断器が実現可能となる。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
操作ロッドの連通穴におけるパッファ室に面する部分を
後方に傾けるといった極めて簡単な構成によりアークへ
効率良くガスを吹き付け、遮断性能の向上を図ったガス
遮断器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施形態を示す概略横断面
図で遮断初期状態を示している。
【図2】本発明に係る第2の実施形態を示す概略横断面
図で遮断初期状態を示している。
【図3】本発明に係る第3の実施形態を示す概略横断面
図で遮断初期状態を示している。
【図4】本発明に係る第4の実施形態を示す概略横断面
図で遮断初期状態を示している。
【図5】本発明に係る第5の実施形態を示す概略横断面
図で遮断初期状態を示している。
【図6】本発明に係る第6の実施形態を示す概略横断面
図で遮断初期状態を示している。
【図7】本発明に係る第8の実施形態を示す概略横断面
図で遮断初期状態を示している。
【図8】本発明に係る第9の実施形態を示す概略横断面
図で遮断初期状態を示している。
【図9】本発明に係る第10の実施形態を示す概略横断
面図で遮断初期状態を示している。
【図10】本発明に係る第11の実施形態を示す概略横
断面図で遮断初期状態を示している。
【図11】本発明に係る第12の実施形態による遮断電
流とガス圧力を示すグラフである。
【図12】従来のガス遮断器の断面図であり、図12
(a)は遮断動作初の状態を、図12(b)は遮断動作
後期の状態を示している。
【図13】従来のガス遮断器の遮断電流とガス圧力を示
すグラフである。
【符号の説明】
1…固定接触子部 2…可動接触子部 3…固定通電接触子 4…固定アーク接触子 5…操作ロッド 5a…連通穴 51a…傾斜穴 5b…操作ロッド中空部 6…パッファシリンダー 7…パッファピストン 7a…(パッファピストン)端部 8…可動アーク接触子 9…可動通電接触子 10…絶縁ノズル 11…パッファ室 12…熱ガス 13…アーク 14…フローガイド 15…ガス流 16…整流子 17…円筒状絶縁物 17a…小穴 18…可動熱昇圧シリンダー 18a…可動熱昇圧シリンダー前端部 19…固定シリンダー 20…予備昇圧シリンダー 21…絶縁物円盤 22…圧縮室 23…逆止弁 24…放圧弁 25…小ピストン 26…第2の放圧弁 40…電流遮断に必要とされる可動熱昇圧シリンダー1
8のガス圧力 41…可動熱昇圧シリンダーのガス圧力 42…圧縮室22のガス圧力
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大井 雅義 神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株 式会社東芝浜川崎工場内 (72)発明者 新海 健 神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株 式会社東芝浜川崎工場内 Fターム(参考) 5G001 AA01 BB03 CC03 DD03 DD07 EE01 EE07 GG14

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 消弧性ガスを密封した容器内に、接離可
    能に対向配置された固定接触子部と可動接触子部を有
    し、前記固定接触子部は少なくとも固定アーク接触子を
    有し、前記可動接触子部は、その固定接触子部方向を前
    方、その反対方向を後方と定義した場合に、複数の排気
    孔を後部に有する中空の操作ロッドと、前記操作ロッド
    の周囲に配置されてその前方端部で操作ロッドに取り付
    けられたパッファシリンダーとこれを包囲するパッファ
    ピストンとからなるパッファ室と、前記パッファシリン
    ダーの前方に取り付けられる中空で指状の可動アーク接
    触子と、それを包囲する絶縁性のノズルとを有し、さら
    に前記パッファシリンダーの前端面には前記パッファ室
    と前記ノズルとを連通する穴部を形成し、遮断動作時に
    は前記パッファシリンダーの移動により前記パッファ室
    を圧縮することによって前記パッファ室内のガスを圧縮
    して前記パッファシリンダー前端面の穴部を通して前記
    ノズルに導き、固定アーク接触子と可動アーク接触子間
    に発生しているアークを冷却して消滅せしめるガス遮断
    器において、 上記操作ロッドの中空部側面に連通穴を設け、遮断動作
    初期には前記操作ロッドの中空部と前記パッファ室とを
    前記操作ロッドの連通穴を介して連通させ、遮断動作後
    期には前記操作ロッドの中空部と前記容器とを前記操作
    ロッドの連通穴を介して連通させるように構成し、 前記操作ロッドの連通穴は前記パッファ室に面する部分
    が後方に傾いていることを特徴とするガス遮断器。
  2. 【請求項2】 前記ノズルの内側には前記パッファシリ
    ンダー前端面の穴部より噴出するガス流を形成する整流
    子を有し、 前記整流子は前記可動アーク接触子にねじ結合したこと
    を特徴とする請求項1記載のガス遮断器。
  3. 【請求項3】 前記パッファ室内の角は面取りした構造
    であることを特徴とする請求項1または2記載のガス遮
    断器。
  4. 【請求項4】 前記パッファシリンダー内には複数の小
    穴を有した絶縁物円盤を装備したことを特徴とする請求
    項1〜3のいずれか1項に記載のガス遮断器。
  5. 【請求項5】 消弧性ガスが封入された容器内に、対向
    配置された固定接触子部および可動接触子部を有し、固
    定接触子部は少なくとも固定アーク接触子を有し、可動
    接触子部は、その固定接触子部方向を前方、その反対方
    向を後方と定義した場合に、複数の排気孔を後部に有す
    る中空の操作ロッドと、操作ロッドの周囲に配置されて
    その前方端部で操作ロッドに取り付けられ熱昇圧室を形
    成する可動熱昇圧シリンダーと、可動熱昇圧シリンダー
    の前方に取り付けられる中空で指状の可動アーク接触子
    と、それを包囲する絶縁性のノズルとを有し、遮断動作
    時に前記熱昇圧室内の高圧ガスを前記固定アーク接触子
    と前記可動アーク接触子間に発生するアークに吹き付け
    て電流を遮断するガス遮断器において、 前記可動接触子部に、遮断動作時に可動熱昇圧シリンダ
    ーとの相対位置関係において可動熱昇圧シリンダー内に
    突出する小径のピストンを有し、前記可動熱昇圧シリン
    ダー内のガスを圧縮する構成とし、 遮断動作の前半には前記操作ロッド後部に設けられた排
    気孔が前記小径ピストンの前方で前記可動熱昇圧シリン
    ダー内にあって前記可動アーク接触子及び前記操作ロッ
    ドの中空部と前記可動熱昇圧シリンダー内を連通させ、
    遮断動作の後半には前記操作ロッド後部に設けられた排
    気孔が前記小径ピストンの後方に開口して前記可動アー
    ク接触子及び前記操作ロッドの中空部を前記容器に連通
    させるように構成し、 前記可動熱昇圧シリンダー内部には円筒状絶縁物が一方
    の端部を前記操作ロッドの排気孔より前方に固着し、円
    筒状絶縁物の他方の端部は前記小ピストン、前記操作ロ
    ッド及び前記可動熱昇圧シリンダーに接すること無く後
    方に伸ばしたことを特徴とするガス遮断器。
  6. 【請求項6】 前記円筒状絶縁物の側面には複数の小穴
    を形成したことを特徴とする請求項5記載のガス遮断
    器。
  7. 【請求項7】 前記円筒状絶縁物をポリテトラフルオロ
    エチレンにより構成したことを特徴とする請求項5また
    は6記載のガス遮断器。
  8. 【請求項8】 消弧性ガスが封入された容器内に、対向
    配置された固定接触子部および可動接触子部を有し、固
    定接触子部は少なくとも固定アーク接触子を有し、可動
    接触子部は、その固定接触子部方向を前方、その反対方
    向を後方と定義した場合に、複数の排気孔を後部に有す
    る中空の操作ロッドと、操作ロッドの周囲に配置されて
    その前方端部で操作ロッドに取り付けられ、熱昇圧室を
    形成する可動熱昇圧シリンダーと、可動熱昇圧シリンダ
    ーの前方に取り付けられる中空で指状の可動アーク接触
    子と、それを包囲する絶縁性のノズルとを有し、かつ、
    可動熱昇圧シリンダーの後方部に、遮断動作時に可動熱
    昇圧シリンダーの移動により可動熱昇圧シリンダー後部
    の容積を縮小させてその内部のガスを圧縮する圧縮室を
    有し、さらに前記可動熱昇圧シリンダーと前記圧縮室と
    を隔てる隔壁部を形成し、この隔壁部に前記圧縮室から
    前記熱昇圧室に通ずる逆止弁を設け、遮断動作時に前記
    熱昇圧室内の高圧ガスを前記固定アーク接触子と前記可
    動アーク接触子間に発生するアークに吹き付けて電流を
    遮断するガス遮断器において、 前記圧縮室は、前記可動熱昇圧シリンダーを包囲しその
    内径部を可動熱昇圧シリンダーの外径部がほぼ気密に摺
    動する固定シリンダーにより構成し、 前記固定シリンダーは前方半径方向外側に、前記可動熱
    昇圧シリンダーに連通する予備熱昇圧シリンダーを設け
    たことを特徴とするガス遮断器。
  9. 【請求項9】 前記可動接触子部に、遮断動作時に可動
    熱昇圧シリンダーとの相対位置関係において可動熱昇圧
    シリンダー内に突出する小径のピストンを有し、前記可
    動熱昇圧シリンダー内のガスを圧縮する構成とし、 遮断動作の前半には前記操作ロッド後部に設けられた排
    気孔が前記小径ピストンの前方で前記可動熱昇圧シリン
    ダー内にあって前記可動アーク接触子及び前記操作ロッ
    ドの中空部と前記可動熱昇圧シリンダー内を連通させ、
    遮断動作の後半には前記操作ロッド後部に設けられた排
    気孔が前記小径ピストンの後方に開口して前記可動アー
    ク接触子及び前記操作ロッドの中空部を前記容器に連通
    させるように構成したことを特徴とする請求項8記載の
    ガス遮断器。
  10. 【請求項10】 前記予備熱昇圧シリンダー後方には放
    圧弁が設けられ、遮断動作時に前記可動熱昇圧シリンダ
    ー内部の圧力が所定値を超えた場合に、前記放圧弁が動
    作して前記熱昇圧シリンダーと前記容器を連通させるよ
    うに構成したことを特徴とする請求項8または9記載の
    ガス遮断器。
  11. 【請求項11】 前記圧縮室には第2の放圧弁を備えた
    ことを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載
    のガス遮断器。
  12. 【請求項12】 定格遮断電流の60%の電流遮断時
    に、前記可動熱昇圧シリンダー内部の圧力と前記固定圧
    縮シリンダーの圧力が、アーク時間10ms〜22ms
    の範囲内で概略同程度となるように構成したことを特徴
    とする請求項8〜11のいずれか1項に記載のガス遮断
    器。
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