JP2003323070A - 定着ローラ、その製造方法および加熱定着装置 - Google Patents

定着ローラ、その製造方法および加熱定着装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐摩耗性・低摩擦性・帯電防止性および、ト
ナー等の顕画剤に対する離型性を備えた、加熱定着装置
用の定着ローラを提供する。 【解決手段】 実施例では、アルミニウム合金からなる
金属芯金3の外周面にPAIのプライマ層を形成し、こ
の上に静電粉体塗装によりPFAからなるオフセット防
止被覆層4を形成した。この被覆層表面を粗面化した
後、該表面上に酸化インジウムからなる導電性保護層
(帯電防止膜)5と、エチルシリケートからなるバイン
ダ層6とを浸漬塗布法で同時に形成した。さらにこの塗
膜上に、二酸化ケイ素の超微粒子7の表面をフッ素含有
シラン化合物からなる撥水撥油層8aで被覆した形態の
固定化層8を形成して定着ローラとした。この定着ロー
ラではオフセット防止被覆層上に、これを完全に覆い尽
くすことなく、かつ連続性を保って導電性保護層が形成
され、該保護層上に固定化層が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真式複写機
やレーザプリンタ等の画像形成に用いられる、硬質で耐
摩耗性・低摩擦性に優れ、かつ非粘着表面層を有する定
着ローラ(特に加熱定着ローラ)、この定着ローラを備
えた加熱定着装置および、前記定着ローラの製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、一般的な電子写真式複写機等の画
像形成装置用の定着装置として、様々な定着方式のもの
が提案され、また実施されている。そのうちでローラ定
着タイプのもの、特にローラ対の少なくとも一方が熱源
によって加熱される加熱ローラ定着装置(ヒートロール
定着方式)が主流をなしている。ここで一対のローラの
うち、記録材の画像担持側の面に接するローラを定着ロ
ーラまたは加熱定着ローラと呼び、他方のローラを加圧
ローラと呼ぶ。
【0003】ローラ定着タイプの定着装置において、定
着ローラは記録材の画像担持面に直接に接触するため、
記録材上の画像を構成している顕画剤、たとえばトナー
の一部が該定着ローラの表面に粘着し、この付着トナー
がローラの回転に伴い再び記録材上に転写される、いわ
ゆる「オフセット現象」を発生しやすい。
【0004】そこで従来、このオフセット現象を防止す
る手段として、下記のような種々の手段が採用されてい
る。 (a)定着ローラの外周面にポリテトラフルオロエチレ
ン樹脂(以下、PTFEと記す)などのフッ素樹脂や、
シリコーンゴム等の高離型性材料(非粘着性材料)から
なるオフセット防止被覆層を設けて、定着ローラ表層の
離型性(非粘着性)を向上させる。 (b)定着ローラの外周面にシリコーンオイル等の離型
剤を塗布する手段を設ける。 (c)定着ローラ外周面の汚染物を清掃除去するブレー
ドやウェブ等の摺擦クリーニング手段を設ける。 (d)定着ローラの芯金に、記録材上に担持させた未定
着画像のトナーと同極性の直流バイアスを印加する。 (e)上記(a)〜(d)の手段の組み合わせ。
【0005】しかしながら、上記従来のオフセット防止
手段(a)〜(e)についても、下記のような問題点が
あった。 (1)上記(a)のオフセット防止被覆層の配設では、
PTFE等のフッ素樹脂の被覆層を設けたローラは優れ
た非粘着性を示すが、トナー結着樹脂の種類によっては
離型性の悪いものがあり、トナーの一部が粘着してロー
ラ表面を汚染することがある。
【0006】また近年、低コスト化傾向、サービス性の
向上、産業廃棄物の規制等から定着ローラ等の各種部品
の高耐久化が強く求められているが、純粋なフッ素樹脂
は表面の摩耗に対しては、PTFE等のフッ素樹脂の被
覆層を設けた定着ローラの耐摩耗性は十分でなく寿命が
短いという欠点を有する。定着ローラの表面はブレート
等のクリーニング手段、離型剤塗布手段、記録材分離
爪、温度検出素子、加圧ローラ等で摺擦を受けて摩耗す
る。また定着ローラと加圧ローラの間を通過する記録材
の摺擦も受ける。そして大量の紙(記録材)を通した
時、紙から紙粉が発生し定着ローラに付着する。この紙
粉は定着ローラに当接させたクリーニングブレード等で
除去されることになるが、特に紙のエッジ部では紙粉の
発生が顕著であり、紙粉に含まれる種々の無機充填剤に
よりローラ表面は摩耗する。そして定着ローラは表面の
摩耗により平滑性を失うことで、本来の離型性が低下す
る傾向が出てくる。
【0007】(2)純粋なフッ素樹脂の被覆層は一般に
絶縁性もしくは高抵抗であるため、その表面が、記録材
・加圧ローラ等の対ローラ当接部材との摺擦による摩擦
帯電により大きく帯電し、記録材上のトナーが静電作用
により定着ローラ表層に吸着されて、いわゆる「静電オ
フセット現象」が発生しやすくなる。また、フッ素樹脂
は記録材等との摺擦により負(−)に大きく帯電する。
トナーが正(+)の極性を持つ場合、トナーは負帯電の
フッ素樹脂被覆層の電界に引きつけられ、定着ローラ表
面に静電オフセット現象で付着しやすくなる。
【0008】(3)一般にフッ素樹脂等の耐摩耗性はこ
れにガラス粉、シリカ、炭化ケイ素粉末、ダイヤモンド
粉末、コランダム粉、ニッケルや鉄などの金属粉等の、
比較的高い硬度をもつ無機充填剤を混入することにより
向上させることができる。しかしながら、混合量が少な
いと耐摩耗性向上の効果が十分でなく、混合量を増加し
ていくと離型性が悪くなり、また定着ローラの表面性も
悪くなり、オフセット防止効果が低下する。一般にこれ
らの充填剤はフッ素樹脂中への分散性が悪く、また分散
できたとしても充填剤とフッ素樹脂との接着性が悪くな
り、耐久等により(長期間の使用により)、定着ローラ
の被覆層を形成する充填剤の一部が離脱するなどの現象
が生じる。
【0009】また、無機充填剤を分散配合した場合、分
散が不良であると耐久により充填剤の少ない部分が先に
スジ状あるいは、まだら状に削れ、この部分にトナーが
埋め込まれ定着ローラの非粘着性の低下をきたす場合が
多かった。また、充填剤が離脱した場合は、この離脱部
分にトナーが埋まり込んだり、あるいは離脱した充填剤
が逆に研摩剤として作用し、摩耗を加速させるなどの問
題が生じていた。充填剤の粒径を細かくするなどの試み
もなされたが、充填剤とフッ素樹脂との接着性が悪く、
逆にフッ素樹脂層全面が摩耗するという結果となってい
た。
【0010】(4)静電オフセット防止手段として、被
覆層にカーボンブラック、金属粉、二酸化チタン等の低
抵抗の微粉末、またはチタン酸カリウム等の導電化した
ウイスカー状単結晶繊維等の導電性充填剤を混入させる
ことで被覆層を低抵抗化させ、被覆層の摩擦帯電を防止
することにより、静電オフセット現象が防止できる。こ
の場合、導電性充填剤に要求される性能は ・被覆層材料中への分散性が良好で均一であること、 ・被覆層材料に対する接着性が良好であること ・被覆層の耐摩耗性が向上すること、 ・被覆層に十分な導電性を付与できること、 ・被覆層表面の平滑性が得られること、等である。
【0011】しかしながら、従来の充填剤では上記のよ
うな性能をすべて満足させるのは難しかった。例えば、
カーボンあるいは導電化したウイスカー状単結晶繊維の
場合は、フッ素樹脂被覆層を強靭化し耐摩耗性をよくす
る効果はあまり認められず、長期間の使用により被覆層
がスジ状に摩耗したりして表面平滑性が悪くなり、オフ
セット現象を生じたり、定着性が悪くなったりする場合
あった。
【0012】カーボン等の微粉末の充填剤は粒径が微細
で、樹脂を強化させるいわゆるフィラー効果がないから
である。また、分散性が悪く2次凝集し易いという欠点
をもち、耐静電オフセット性を満足させるためには必要
以上の量を使用する必要があった。また、チタン酸カリ
ウム等のウイスカー状単結晶繊維は比較的に比表面積が
大であるために耐静電オフセット性は良好であるが、や
はり耐摩耗性を向上させる効果は薄かった。これは、こ
の材料がウイスカー状であるために比較的もろく、かつ
フッ素樹脂中で樹脂の強度を補強するため、要求される
3次元橋かけ構造を取りにくいからと考察されている。
【0013】これに対し、近年では無定形シリカまたは
シリカ含有物質を、アンチモン含量が酸化スズの1〜約
30重量%の範囲であるアンチモン含有酸化スズ結晶子
の二次元ネットワークと共に包含する導電性組成物で、
本物質がアンチモン含有酸化チタン結晶子の二次元ネッ
トワークで表面被覆された、無定形シリカまたはシリカ
含有物質の成形粒子、または無定形シリカ被覆もしくは
シリカ含有被覆を有する不活性コア物質を包含する粒子
を包含する粉末、さらに成形粒子が無定形シリカもしく
はシリカ含有物質の中空シェルである、いわゆる中空二
重殻導電性物質等、または表面を酸化スズもしくは三酸
化アンチモン等で導電化処理したマイカ等が挙げられる
(特開平3−130849号公報)。しかしながら、粒
状の充填剤であることには変わりなく、耐摩耗性に関し
ては不充分な特性であった。
【0014】(5)一方、前記(b)のシリコーンオイ
ル等の離型剤塗布手段、(c)の摺擦クリーニング手段
および、(d)のバイアス印加手段は、前記(a)のオ
フセット防止被覆層を形成した定着ローラの補助的なオ
フセット防止手段である。離型剤塗布手段により定着ロ
ーラ表面にオイルを供給することにより汚れは軽減する
が、オイルのぬれ性が悪く、ツブツブになったり、まだ
ら状になったりして、均一に塗布することが困難であっ
た。従ってオイルの供給量を多くせざるを得なくなり、
記録材へのオイルのボタ落ち、シミ等の問題が生じた。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点に
鑑みなされたもので、記録材上の未定着画像を形成する
顕画剤に対して非粘着性を実現するオフセット防止被覆
層、いわゆる離型層について離型効果を失うことなく耐
摩耗性を維持し、かつ定着ローラ表層を導電性に保持し
たまま静電オフセットの防止効果を持続し、定着ローラ
最表層に対して耐摩耗性と低い表面自由エネルギーを維
持する層を強固に付与することで、従来技術の問題点を
抜本的に解決することを目的とする。
【0016】具体的には、 (1)定着ローラのオフセット防止被覆層についてトナ
ー等の顕画剤の非付着、非粘着効果を維持したままロー
ラ表面の摩擦摩耗による表面の形状変化、摩耗を防止す
るため最表面の耐摩耗性、潤滑性および低い表面自由エ
ネルギーを持続させる手段を実現すること。 (2)定着ローラの静電オフセット防止のため、ローラ
表面の導電性を維持したままトナー等の顕画剤の非付
着、非粘着効果を持続せしめること。 (3)上記(1)の目的のため、定着ローラのオフセッ
ト防止被覆層の作用に加えて、最表層の潤滑性あるいは
低い表面自由エネルギーを実現する付加層の付着性を改
善し、これらの脱落防止をはかるためオフセット防止被
覆層上に付加層を強固に形成し、耐久性の向上を図るこ
と。 (4)定着ローラの使用環境あるいは定着ローラが組み
込まれた電子写真式画像形成装置が置かれた環境の変
動、すなわち、温度変化、湿度変化、浮遊する活性もし
くは不活性な化学物質に強く、耐候性・耐食性に優れた
定着ローラ表面を提供すること。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
電子写真式画像形成装置の定着装置に用いる定着ローラ
において、芯金の外周面にオフセット防止被覆層と、該
オフセット防止被覆層上に、これを完全に覆い尽くすこ
となく、かつ連続性を保って形成された導電性保護層
と、該導電性保護層上にバインダ層を介して形成され
た、硬質超微粒子の固定化層とを備えてなり、該固定化
層は、硬質超微粒子の表面を撥水撥油層で被覆して形成
されていることを特徴とする定着ローラである。
【0018】請求項2に係る発明は、導電性保護層が多
数の導電性超微粒子からなる帯電防止膜であり、固定化
層を形成する硬質超微粒子がシリコン酸化物の超微粒子
であることを特徴とする請求項1に記載の定着ローラで
ある。請求項3に係る発明は、硬質超微粒子の表面を被
覆する撥水撥油層が、フッ素含有シラン化合物の薄膜で
あることを特徴とする請求項1または2に記載の定着ロ
ーラである。
【0019】請求項4に係る発明は、電子写真式画像形
成装置の定着装置に用いる定着ローラにおいて、芯金の
外周面にオフセット防止被覆層と、該オフセット防止被
覆層上に、これを完全に覆い尽くすことなく、かつ連続
性を保って形成された導電性保護層と、該導電性保護層
上に形成された酸化膜と、該酸化膜上に形成された離型
層とを備えていることを特徴とする定着ローラである。
請求項5に係る発明は、酸化膜上に有機フッ素化合物か
らなる離型層が、シロキサン結合を介して形成されてい
ることを特徴とする請求項4に記載の定着ローラであ
る。請求項6に係る発明は、有機フッ素化合物からなる
離型層が、有機フッ素化合物の蒸着処理で形成されてい
ることを特徴とする請求項5に記載の定着ローラであ
る。請求項7に係る発明は、導電性保護層が硬質金属か
らなる薄膜であることを特徴とする請求項4に記載の定
着ローラである。請求項8に係る発明は、酸化膜が硬質
金属の酸化物からなることを特徴とする請求項7に記載
の定着ローラである。
【0020】請求項9に係る発明は、オフセット防止被
覆層がフッ素樹脂層であることを特徴とする請求項1〜
8のいずれかに記載の定着ローラである。請求項10に
係る発明は、オフセット防止被覆層が、潤滑性硬質粒子
を分散させたニッケルめっき膜であることを特徴とする
請求項1〜8のいずれかに記載の定着ローラである。
【0021】請求項11に係る発明は、導電性保護層お
よび、オフセット防止被覆層の導電性保護層で覆われて
いない個々の部位(導電性保護層同士間の隙間)の面積
が、記録材上の未定着画像を形成している顕画剤の体積
平均粒径よりも小さいことを特徴とする請求項1〜10
のいずれかに記載の定着ローラである。請求項12に係
る発明は、当該定着ローラが加熱ローラであることを特
徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の定着ローラ
である。
【0022】請求項13に係る発明は、請求項1〜12
のいずれかに記載の定着ローラを備えたことを特徴とす
る、電子写真式画像形成装置の加熱定着装置である。
【0023】請求項14に係る発明は、請求項1に記載
の定着ローラの製造方法であって、以下の工程を含むこ
とを特徴とする定着ローラの製造方法である。 (1)金属芯金の外周面にプライマ層を形成する第1の
工程、(2)前記プライマ層上にオフセット防止被覆層
を形成する第2の工程、(3)前記オフセット防止被覆
層表面の粗面化と、該粗面化表面の表面改質とを行う第
3の工程、(4)第3の工程後のローラを、導電性微粒
子およびバインダ剤を含む処理液に浸漬することによ
り、前記オフセット防止被覆層上に導電性保護層を形成
する第4の工程、(5)第4の工程後のローラを、二酸
化珪素(SiO)の微粒子および撥水撥油剤を含む処
理液に浸漬することにより、前記導電性保護層上に固定
化層を形成する第5の工程。
【0024】請求項15に係る発明は、請求項4に記載
の定着ローラの製造方法であって、以下の工程を含むこ
とを特徴とする定着ローラの製造方法である。 (1)金属芯金の外周面にプライマ層を形成する第1の
工程、(2)前記プライマ層上にフッ素樹脂からなるオ
フセット防止被覆層を形成する第2の工程、(3)前記
オフセット防止被覆層表面の粗面化を行う第3の工程、
(4)前記粗面化表面上に硬質金属からなる導電性保護
層を、スパッタリングで形成する第4の工程、(5)前
記導電性保護層上に硬質金属の酸化物からなる酸化膜
を、反応性スパッタリングで形成する第5の工程、
(6)前記酸化膜表面を活性化する第6の工程、(7)
前記酸化膜上に有機フッ素化合物からなる離型層を、蒸
着処理で形成する第7の工程。
【0025】請求項16に係る発明は、請求項4に記載
の定着ローラの製造方法であって、以下の工程を含むこ
とを特徴とする定着ローラの製造方法である。 (1)金属芯金の外周面にオフセット防止被覆層とし
て、固体潤滑剤を含有するNi−Pマトリックスの分散
めっき膜を無電解めっきで形成する第1の工程、(2)
前記オフセット防止被覆層表面の粗面化を行う第2の工
程、(3)前記粗面化表面上に硬質金属からなる導電性
保護膜を、スパッタリングで形成する第3の工程、
(4)前記導電性保護層上に硬質金属の酸化物からなる
酸化膜を、反応性スパッタリングで形成する第4の工
程、(5)前記酸化膜表面を活性化する第5の工程、
(6)前記酸化膜上に有機フッ素化合物からなる離型層
を、蒸着処理で形成する第6の工程。
【0026】請求項17に係る発明は、請求項4に記載
の定着ローラの製造方法であって、以下の工程を含むこ
とを特徴とする定着ローラの製造方法である。 (1)金属芯金の外周面にオフセット防止被覆層とし
て、固体潤滑剤を含有するNi−Pマトリックスの分散
めっき膜を無電解めっきで形成する第1の工程、(2)
前記オフセット防止被覆層表面の粗面化を行う第2の工
程、(3)前記粗面化表面上に硬質金属からなる導電性
保護膜を、スパッタリングで形成する第3の工程、
(4)前記導電性保護層表面に水のイオンビームを照射
することにより、該導電性保護層表面を酸化して酸化膜
を形成するとともに、該酸化膜の最表面に水酸基を形成
する第4の工程、(5)前記酸化膜上に有機フッ素化合
物からなる離型層を、蒸着処理で形成する第5の工程。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を参照しながら説明する。 第1の実施の形態 図1(a)は金属芯金の斜視図、同(b)は金属芯金の
表面(外周面)にオフセット防止被覆層を形成した状態
の斜視図、同(c)は完成した定着ローラの模式的断面
図である。なお、この図1(c)では説明の便宜上、金
属芯金の表面を露出させた状態に示してあるが、実際
は、金属芯金の表面全体にオフセット防止被覆層が形成
されている(後記する図2〜図6についても同じ)。
【0028】この定着ローラは、金属芯金3の外周面に
プライマ層(図略)と、該プライマ層上に形成されたオ
フセット防止被覆層4と、該オフセット防止被覆層4上
に、これを完全に覆い尽くすことなく、かつ連続性を保
って形成された導電性保護層5と、該導電性保護層5上
にバインダ層6を介して形成された、硬質超微粒子7の
固定化層8とを備えており、この固定化層8は、硬質超
微粒子7の表面を撥水撥油層8aで被覆して形成されて
いる。
【0029】この定着ローラでは、アルミニウム合金A
5052等の金属芯金3の表面に、従来法に従ってPA
I(ポリアミドイミド)等のプライマ層(図略)を塗布
した後、その上にオフセット防止被覆層4が積層されて
いる。このオフセット防止被覆層4は、フッ素樹脂の被
膜でもよいし、潤滑性硬質粒子を分散させたニッケルめ
っき膜でもよく、いずれも非付着性表面を形成するもの
である。
【0030】具体的には、金属芯金3の表面を被覆する
オフセット防止被覆層4上に導電性保護層5が、オフセ
ット防止被覆層4表面のすべてを覆い尽くすことなく、
かつ該表面の円周方向に連続的に形成されている。すな
わち導電性保護層5は、オフセット防止被覆層4がトナ
ー等の顕画剤の付着や固着滞留を防止する非粘着性を保
ったまま、オフセット防止被覆層4の表面を保護する保
護層としての機能を果たし、加えてこの保護層5が定着
ローラ表面の導電性を実現する構造となっている。
【0031】ただし、導電性保護層5の表面がオフセッ
ト防止被覆層4の表面に比べて一般に表面自由エネルギ
ーが大きくなるのを避けるため、硬質で低い表面自由エ
ネルギーを実現する硬質超微粒子7による固定化層8
が、バインダ層6を介して形成されている。硬質超微粒
子7の表面には、薄膜状の撥水撥油性層8aが形成さ
れ、硬質超微粒子7はバインダ層6によって固定化され
ている。導電性保護層5は多数の導電性超微粒子からな
る帯電防止膜であること、また固定化層8を形成する硬
質超微粒子7がシリコン酸化物の超微粒子であること、
硬質超微粒子7の表面を被覆する撥水撥油層8aが、フ
ッ素含有シラン化合物の薄膜であることが、それぞれ好
ましい。
【0032】第2の実施の形態 図2は定着ローラの模式的断面図である。図3はこの定
着ローラにおける、酸化膜に対する離型層の結合状態を
説明する図である。この定着ローラでは図1の定着ロー
ラと同様に、導電性保護層9が、金属芯金3表面を被覆
するオフセット防止被覆層4の表面のすべてを覆い尽く
すことなく、かつオフセット防止被覆層4表面の円周方
向の連続性を保った状態で形成されている。導電性保護
層9は硬質金属の薄膜であり、この保護層表面には薄い
酸化膜10が形成され、図3に示すように、この酸化膜
上にシロキサン結合を介して薄膜の離型層11が形成さ
れている。オフセット防止被覆層4はフッ素樹脂また
は、フッ素樹脂を主成分とする複合体からなる。また、
離型層11は有機フッ素化合物の蒸着処理で形成されて
おり、低い表面自由エネルギーを実現している。
【0033】第3の実施の形態 図4は定着ローラの模式的断面図である。この定着ロー
ラは図1の定着ローラにおいて、オフセット防止被覆層
4に替えて、オフセット防止被覆層12として潤滑性の
硬質粒子を分散させたニッケルめっき膜(複合めっき
膜)を設けたものである。その他の構成は図1の定着ロ
ーラと同様である。
【0034】第4の実施の形態 図5は定着ローラの模式的断面図である。この定着ロー
ラは、図2の定着ローラにおいて、オフセット防止被覆
層4に替えて、オフセット防止被覆層12として潤滑性
の硬質粒子を分散させたニッケルめっき膜(複合めっき
膜)を設けたものである。その他の構成は図2の定着ロ
ーラと同様である。
【0035】図1、図2、図4及び図5に示す定着ロー
ラの各構成は上述の通りであるが、基本的な動作につい
ては共通なので、代表として図1の定着ローラの場合に
ついて説明する。図1において、導電性保護層5は多数
の導電性超微粒子からなる帯電防止膜であり、オフセッ
ト防止被覆層4の表面を活性化処理した後に高い密着力
でこのオフセット防止被覆層4上に形成されている。ま
た、この導電性保護層5上にはバインダ層6が形成さ
れ、これにより、撥水撥油性を持つ超微粒子7の膜(固
定化層8)が、密着性よく導電性保護層5上に固定化さ
れている。
【0036】図1の定着ローラのオフセット防止被覆層
4上に形成された導電性保護層5と、さらにその表面に
形成された撥水撥油性超微粒子7の層は、トナー等の顕
画剤やこれらに含まれる硬質成分、紙粉等の異物、塵埃
等の無機物、有機物微粒子、微粉体あるいは化学的に活
性な電離ガス、物理的に付着しやすい帯電微粒子に対し
て非付着・非粘着・耐摩耗摩擦などの作用を果たし、本
来離型性の高いオフセット防止被覆層4の摩耗しやすい
欠点を補いながら潤滑性、低い表面自由エネルギーなど
の物理的効果によって耐久性の高いローラ表面を実現し
ている。
【0037】図6は図1に示す定着ローラの作用を説明
する模式図である。この図において図1と同一の符号を
付した構成要素は、図1のそれと同じものを指してい
る。この定着ローラでは、溶融または固化した状態のト
ナーなどの顕画剤51が導電性保護層5・5間の隙間5
a(オフセット防止被覆層4のうち、導電性保護層5で
被覆されていない個々の部位)に入っても、オフセット
防止被覆層4の表面はそれ自体が離型作用を持つため非
付着性・非粘着性を示す。この隙間5aはトナー等の孤
立体自体のサイズより狭く構成されており、トナー等が
溶融固化して体積が大きくなった状態では、付着や粘着
が非常に生じにくくなっている。また、紙中の添加剤の
一つである炭酸カルシウムなどの無機性硬質異物52が
ローラ表面に近寄ってきた場合において、摩擦や押し込
み等の作用が生じたときにも、オフセット防止被覆層4
表面の大部分が撥水撥油性を持つ硬質超微粒子に覆われ
ており、潤滑作用や低い表面自由エネルギー面となって
いるため、オフセット防止被覆層4表面の変形や傷の発
生、あるいは無機性硬質異物52の付着が非常に起こり
にくくなっている。
【0038】
【実施例】実施例1 図1(c)に示す定着ローラを作製した。まず、アルミ
ニウム合金A5052等の金属芯金3の表面に、従来法
に従ってPAI等のプライマ層を塗布した後、その上に
オフセット防止被覆層4を概ね18μmの膜厚で積層し
た。このオフセット防止被覆層4を形成する樹脂材料と
しては、含フッ素樹脂のうち耐熱性や離型性に優れ、膜
形成が行いやすいPFA(テトラフルオロエチレン−パ
ーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)樹脂を採
用したが、これに限定されるものではない。オフセット
防止被覆層4は、微粉体材料を静電粉体塗装したり、水
溶性ディスパージョンを塗布して、その後に焼成を行っ
て固定化した。
【0039】また、この定着ローラでは、フッ素樹脂か
らなるオフセット防止被覆層4上に導電性保護層5とバ
インダ層6を同時に、ディップコート法(浸漬塗布法)
によって形成した。これは、導電性保護層5のコストお
よび、被処理物が円筒形状であることを考慮したもので
ある。その後、同じくディップコート法により、バイン
ダ層6上に固定化層8を形成した。導電性保護層5は、
多数の導電性超微粒子からなる帯電防止膜である。すな
わち導電性超微粒子として、平均粒径20nm以下の酸
化インジウム(In)の超微粒子を用いたが、こ
れに限定されるものではなく、酸化スズ(SnO)や
これらの複合体でもよい。
【0040】導電性保護層5およびバインダ層6の同時
成膜では、事前にオフセット防止被覆層4表面を、テー
プ研磨等で微細に粗面化(Rz1.0μm程度)した
後、酸素プラズマエッチング等で表面改質を行った。こ
れによって粗面化した凸部は、粗面化しない平滑面に比
べ優先して表面改質されるため、フッ素樹脂からなるオ
フセット防止被覆層4表面は、導電性保護層5が付きや
すい微細部分と、付きにくい微細部分とに分かれた。そ
の後、洗浄液および純水で洗浄し、ローラ内周面をテー
プ等でマスキングした。導電性保護層5およびバインダ
層6の同時成膜は以下の手順で行った。
【0041】上記導電性超微粒子をエタノール等の溶媒
中に2〜3重量%の濃度で分散させた。この分散液に、
バインダ層形成用のバインダ剤としてエチルシリケート
Si(OCを、該シリケート(固形分)濃度
が約1.0重量%となるように加えて混合した。さら
に、前記超微粒子の分散性を良くするため、0.1N硝
酸を微量添加し、pH調整を行って塗布液とした。この
塗布液を使用し、図7に示す浸漬塗布装置により導電性
保護層5およびバインダ層6を同時に成膜した。この場
合、塗布槽14に上記塗布液15を満たし、これにロー
ラ13(オフセット防止被覆層を形成した金属芯金3)
を浸漬した後、塗布液輸送ポンプ17を作動させ、バル
ブ16を開いて塗布液15をゆっくりと塗布槽14から
排出した。この時の塗布液15の排出速度(その液面降
下速度)は、概ね15mm/sとした。
【0042】その後、下記要領でバインダ層6上に固定
化層8を積層した。平均粒径150nmのSiO超微
粒子をエタノールに5〜6重量%の濃度で分散させ、こ
の分散液に、撥水撥油剤としてフルオロアルキルシラン
化合物を0.05〜0.1mol%添加して十分に攪拌
しておき、この攪拌液に、エチルシリケートSi(OC
を固形分濃度1重量%弱に調整したエタノー
ル溶液を添加し、さらにこの液に、純水と0.1Nの硝
酸を添加してpHを弱酸性に調整することにより撥水撥
油処理液20(図8)とした。なお、撥水撥油剤として
はフッ素含有シラン化合物、たとえばCF(CF
CHCHSi(OCHなどのフルオロアル
キルシラン化合物が有効であるが、この化合物の他にク
ロルシラン化合物、アルコキシシラン化合物が1種以上
が含まれていても有効である。
【0043】図8に示すように、処理槽19に撥水撥油
処理液20を満たし、上記した導電性保護層5およびバ
インダ層6を同時成膜したローラ18を懸糸22で吊し
て処理液20に浸漬し、徐々にモータ21によって引き
上げて浸漬塗布を行った。引き上げ速度はおおむね3m
m/sとした。このローラ18を約200℃の焼成炉に
入れ、上記撥水撥油処理液を40分間焼成した。これに
より、撥水撥油処理液中の溶剤(エタノール)が蒸発・
逸散し、前記フッ素含有シラン化合物がSiO の超微
粒子およびバインダ層6に固く結合する(図1(c)を
参照)。
【0044】このようにして形成された固定化層8の構
造は、図9に示すものとなった。ローラの基体23のオ
フセット防止被覆層上に、導電性保護層24が島状に形
成され(図6の符号5を参照)、この島の上に撥水撥油
処理層25と、これにより撥水撥油処理された超微粒子
26とが固定化されている。なお、図7の浸漬塗布装置
は、簡便な方法で塗布膜厚を均一にすることができる利
点があり、図8の浸漬塗布装置には、ごく薄い塗膜を均
一膜厚で形成することができる長所がある。
【0045】実施例2 図2に示す定着ローラを作製した。図1と同じ金属芯金
3の表面に、従来法でPAI等のプライマ層を塗布した
後、その上にオフセット防止被覆層4を概ね18μmの
膜厚で積層した。オフセット防止被覆層4は、含フッ素
樹脂のうち耐熱性や離型性に優れ、膜形成が行いやすい
PFA樹脂で形成した。
【0046】ついで、オフセット防止被覆層4上に、硬
質金属薄膜である導電性保護層9を0.4μmの厚さで
成膜した。この場合、あらかじめオフセット防止被覆層
4を研磨紙やブラスト処理によって粗面化し、この上に
スパッタリングによってクロムやニッケルの硬質金属薄
膜を形成した。ついで、このスパッタリングの最終工程
では、反応性スパッタリングを採用することにより、導
電性保護層9上に膜厚約10nmの、硬質金属の酸化物
からなる酸化膜10を形成した。さらに、この酸化膜上
に膜厚数nmの超薄膜離型層11を積層した。この離型
層11は、有機フッ素化合物(フルオロアルキルシラ
ン)を蒸着処理することで形成した。
【0047】図3は、フルオロアルキルシランからなる
図2の離型層11の一部を拡大して示したものである。
この離型層は薄い酸化膜10をイオンビーム照射などで
活性化処理した後に蒸着で成膜したため、酸化膜10上
に有機フッ素化合物の化学吸着サイトを高密度に形成で
きるうえ、蒸着を真空中で行ったので酸化膜10の無機
物表面の水酸基と化学反応を起こし、図3に示すように
シロキサン結合により、酸化膜10表面に強固に結合す
ることができた。このようにして形成された積層膜は図
10のようになっており、ローラの基体27の上に導電
性保護層28が島状に形成され、薄い酸化膜29上に有
機フッ素化合物からなる超薄膜30が形成されて離型作
用を保持している。
【0048】実施例3 図4に示す定着ローラを作製した。図1に示すものと同
じ金属芯金3の表面に、オフセット防止被覆層12とし
て硬質で潤滑性の高いめっき膜を形成した。この場合、
金属芯金内面にマスキングを行い、無電解めっきによっ
てNi−Pマトリックス(微粒子)の分散めっき膜を形
成した。そのための分散めっき液は、めっき膜の潤滑性
を高め、低摩擦を確保するための固体潤滑剤(PTF
E、グラファイト、MoSなど)と、還元剤として次
亜リン酸ナトリウムとを混合して調製した。また、分散
させた微粒子の粒径は数μmとした。このような、次亜
リン酸ナトリウムを用いたNi−Pマトリックスの分散
めっきは、Pの含有量を約9重量%とし、マトリックス
をアモルファス構造としたため、その表面硬度はビッカ
ースで550程度となった。その後、実施例2と同一の
要領で、めっき膜12上に導電性保護層5、バインダ層
6および固定化層8(撥水撥油層8aで被覆処理された
硬質超微粒子7の層)を積層した。
【0049】実施例4 図5に示す定着ローラを作製した。金属芯金3は図2の
ものと同じであるが、オフセット防止被覆層12はフッ
素樹脂層ではなく、硬質で潤滑性の高いめっき膜として
形成した。めっき膜の形成では、金属芯金の内面にマス
キングを行い、実施例3と同様にして、無電解めっきに
よってNi−Pマトリックスの分散めっきを行った。そ
の後、めっき膜12上に導電性保護層9と、この導電性
保護層の表面を酸化して形成された、硬質金属の酸化物
からなる薄い酸化膜10および、有機フッ素化合物から
なる離型層(超薄膜)11を形成した。
【0050】図5の定着ローラを作製するに際し、酸化
膜10の形成および、この酸化膜10上への有機フッ素
化合物からなる超薄膜離型層11の蒸着処理は、図11
に示す装置で行った。この図に記載された符号について
説明すると、31は真空容器、32は主バルブ、33は
真空排気装置、34はローラ(最上層として酸化膜10
を形成した金属芯金)、35はローラ保持機構、36は
ローラ回転機構、37は制御系、38は材料蒸発源、3
9は制御電源、40はイオンビーム源、41はビーム制
御系、42は処理用のガス導入系、43は不活性ガス導
入系、44は電源である。
【0051】図11において真空容器31は、ターボ分
子ポンプまたはクライオポンプを主排気ポンプとして搭
載した真空排気装置33によって、主バルブ32を介し
て真空排気され、到達圧力が10−5Pa以下に維持で
きるようになっている。ローラ34は、オフセット防止
被覆層12上に導電性保護層9が形成されたものである
(図5を参照)。このローラ34をローラ保持機構35
で真空容器31内に保持し、ローラ回転機構36で所定
の速度で回転できるようにした。ローラ回転機構36に
は回転速度を制御するための制御系37を接続したが、
この制御系には、ローラ34に高電圧を印加しガス導入
系45からアルゴン等の不活性ガスを導入して逆スパッ
タリングを行う電源も含まれている。
【0052】真空容器31内にセットしたローラ34に
は約30秒〜60秒間、アルゴンガスを導入した10
−1Pa程度の真空中において、200Wの高周波電力
で逆スパッタリングをかけ、導電性保護層表面の汚染物
を除去した。その後、バックグラウンド圧力まで真空排
気し、イオンビーム源40から水のイオンビームを照射
した。イオンビーム源40には、イオン発生・制御用の
イオンビーム源電源、ビームの幅や方向を制御するビー
ム制御系41、不活性ガス導入系43および水などの処
理用のガス導入系42を配備し、混合した処理ガスをイ
オン化してビーム状にローラ表面近傍に照射した。水の
イオンビーム照射は、イオンビーム源40から照射した
ビームの強度をローラ表面でイオン照射量5×1014
ions/cm、加速電圧380Vとして約50秒間
行った。
【0053】このイオンビーム照射によって、ローラ3
4の導電性保護層9の表面が薄い酸化膜10に変化する
とともに、この酸化膜上に強固に化学結合した水酸基が
形成され、化学吸着サイトを高密度に形成することがで
きた。すなわち、酸化膜10は前記Ni−Pマトリック
スの分散めっき膜の表面が、水のイオンビーム照射によ
り酸化されて形成されたものである。
【0054】このイオンビーム照射処理の後、材料蒸発
源38を用いて真空蒸着法で有機フッ素化合物の離型層
11(超薄膜)を形成した。材料蒸発源38は制御電源
39によって蒸発量をコントロールした。蒸着材料は無
機微粉末やスチールウールなどの金属塊に有機フッ素化
合物、たとえばフルオロアルキルシランを浸漬・固着さ
せた蒸発体を加熱して真空中に加熱蒸発させた。加熱方
法は抵抗加熱でもよいが、蒸発量の制御性が良く、汚染
の少ない電子ビーム加熱がより望ましい。
【0055】また、材料としてはフルオロアルキルシラ
ンに限定されるものではなくクロル基、シアノ基、アミ
ノ基等の官能基を有するフルオロアルキルシラン化合物
等の有機フッ素化合物を用いることができる。これらの
有機フッ素化合物は、ローラ34の薄い酸化膜10に強
固に化学結合した水酸基と化学反応を起こし、シロキサ
ン結合:S−i−Oによって無機物表面に強固な結合を
生じる。上記のように形成された、有機フッ素化合物か
らなる薄い離型層11は、表面に−CF基が配向した
構造となっている。この−CF基のようなフルオロカ
ーボンは、フッ素Fが高い電気陰性度を有するため、C
−F間の結合エネルギーが大きく、化学的な安定性も高
いので、他の元素物質が化学結合を介して付着すること
がないことから、離型効果に優れている。
【0056】実施例5 下記する本発明の定着ローラ(A)〜(D)を、電子写
真方式のリコー製複写機MF4570の定着ユニットに
搭載して加熱定着ローラとして使用し、その特性を、従
来方法で作製した定着ローラ(E)と比較した。なお、
定着ローラの金属芯金(素管)はいずれも同一材料・厚
さのアルミニウム合金製である。
【0057】(A)図1に示す定着ローラ。金属芯金表
面に導電性PFA樹脂を粉体塗装し、この塗膜を焼成し
た。この焼成膜を研磨加工した後、再焼成することによ
りオフセット防止被覆層4を形成した。このオフセット
防止被覆層上に導電性保護膜5を形成し、さらにその上
に撥水撥油性硬質超微粒子7を固定化(固定化層8を形
成)した。 (B)図2に示す定着ローラ。金属芯金表面にオフセッ
ト防止被覆層4を(A)と同様にように形成し、その上
に導電性保護層9、酸化膜10および、有機フッ素化合
物からなる薄い離型層11を形成した。 (C)図4に示す定着ローラ。金属芯金表面にオフセッ
ト防止被覆層12として、潤滑性硬質粒子を分散させた
ニッケルめっき膜を形成し、この上に導電性保護膜5を
形成し、さらにその上に撥水撥油性硬質超微粒子7を固
定化(固定化層8を形成)した。 (D)図5に示す定着ローラ。金属芯金表面にオフセッ
ト防止被覆層12として、潤滑性硬質粒子を分散させた
ニッケルめっき膜を形成し、この上に導電性保護膜9
と、酸化膜10と、有機フッ素化合物からなる薄い離型
層11とを形成した。 (E)金属芯金表面にPFAを粉体塗装した後この塗膜
を焼成し、この焼成膜を研磨加工した後、再焼成してオ
フセット防止被覆層を形成した(図略)。
【0058】定着ローラ(A)〜(E)の評価結果を下
記の表1に示す。評価基準は以下のとおりである。 ◎:特に優れた特性を有する ○:優れた特性を有する △:やや優れた特性を有する ×:特性が劣る
【0059】
【表1】
【0060】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、以下の効果をもたらす定着ローラを提供するこ
とができる。 (1)オフセット防止被覆層や、その上の導電性保護層
を本発明の形態で形成し、さらにその最表層を撥水撥油
性硬質超微粒子を固定したり、有機フッ素からなる超薄
膜の離型層を蒸着処理して形成した定着ローラを、実際
の定着装置に使用することで、トナーなど顕画剤が溶融
または固化した状態で導電性保護層の隙間に入っても、
オフセット防止被覆層の表面はそれ自体が離型作用を持
つため非付着、非粘着性を示す。この隙間(間隙)はト
ナー等の孤立体自体のサイズより狭く構成されており、
トナー等が溶融固化して体積が大きくなった状態ではい
っそう付着、粘着しづらい。また、紙の添加剤の一つで
ある炭酸カルシウムなどの無機の硬質異物がローラ表面
に来た場合では、摩擦や押し込み等の作用があっても、
オフセット防止被覆層の大部分の面が撥水撥油性の表面
を持った硬質超微粒子やごく薄い離型層に覆われてお
り、潤滑作用や低い表面自由エネルギー面であるため表
面の変形や傷の発生、付着が非常に起こりにくくなっ
た。
【0061】(2)定着ローラのオフセット防止被覆層
について、この被覆層のトナー等顕画剤の非付着、非粘
着効果を維持したままローラ表面の摩擦摩耗による表面
の形状変化、摩耗損を防止するため、導電性保護層およ
び最表面の耐摩耗性・潤滑性および低い表面自由エネル
ギーを持続させることができ、定着ローラのトナー付着
によるオフセット防止、紙端部による擦り摩耗や傷の発
生を的確に防止することができる。また、オフセット防
止被覆層の作用に加えて、最表層の潤滑性あるいは低い
表面自由エネルギーを実現する超微粒子層の付着性を改
善し、これらの脱落防止をはかるためオフセット防止被
覆層上に強固に形成し、耐久性の向上を図ることができ
た。さらに、ローラ表面の導電性を維持したままトナー
等の顕画剤の非付着、非粘着効果を持続することが可能
となる。さらに、定着ローラのオフセット防止被覆層を
フッ素樹脂の塗膜形成によらず、高温の加熱焼成が省略
できる無電解めっき浴で簡便に形成できるため、省資源
・省エネルギーとなる。
【0062】(3)定着ローラのオフセット防止被覆層
についてこの被覆層のトナー等顕画剤の非付着、非粘着
効果を維持したままローラ表面の摩擦摩耗による表面の
形状変化、摩耗損を防止するため保護層および最表面の
耐摩耗性、潤滑性および低い表面自由エネルギーを持続
させることができ、定着ローラのトナー付着によるオフ
セット防止、紙端部による擦り摩耗や傷の発生が防止で
きた。定着ローラのオフセット防止被覆層の作用に加え
て、最表層の潤滑性あるいは低い表面自由エネルギーを
実現する超薄膜の離型層をローラ最表面にシロキサン結
合を介して強固に形成できたため耐久性の向上を図るこ
とができた。
【0063】(4)上記(3)と同様に、定着ローラの
静電オフセット防止のため、ローラ表面の導電性を維持
したままトナー等の顕画剤の非付着、非粘着効果を持続
することが可能となった。定着ローラのオフセット防止
被覆層をフッ素樹脂の塗膜形成によらず、高温の加熱焼
成が省略できる無電解めっき浴で簡便に形成できるため
省資源、省エネルギーとなる。
【0064】(5)定着ローラの導電性保護層最表面の
薄い酸化物層に化学結合によって強固に結合した水酸基
と化学反応を起こし、シロキサン結合:O−Si−Oに
よって無機物表面に強固な結合を形成することができ
た。本発明の方法でできた有機フッ素化合物からなる薄
い離型層は、特に真空中の蒸着処理をイオンビームによ
る前処理とともに行うことで、溶液やその他の処理に比
較して有利に表面に−CF基が配向した構造となって
おり、−CF基のようなフルオロカーボンはフッ素F
の大きい電気陰性度でC−F間の結合エネルギーが大き
く、化学的な安定性も高いので、他の元素物質が化学結
合を介して付着することがないため、離型効果に優れて
いる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るもので、
(a)は金属芯金の斜視図、(b)は金属芯金表面にオ
フセット防止被覆層を形成した状態の斜視図、(c)は
完成した定着ローラの模式的断面図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係る定着ローラの
模式的断面図である。
【図3】図2の定着ローラにおける、酸化膜に対する離
型層の結合状態を説明する図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態に係る定着ローラの
模式的断面図である。
【図5】本発明の第4の実施の形態に係る定着ローラの
模式的断面図である。
【図6】図1に示す定着ローラの作用説明図である。
【図7】図1に示す定着ローラの製造方法に係るもの
で、導電性保護層とバインダ層を同時に形成する方法を
示す説明図である。
【図8】図1に示す定着ローラの製造方法に係るもの
で、バインダ層上に固定化層を形成する方法を示す説明
図である。
【図9】図1に示す定着ローラを構成する各層の形状・
構造を示す説明図である。
【図10】図2に示す定着ローラを構成する各層の形状
・構造を示す説明図である。
【図11】図5に示す定着ローラを製造するに際し、導
電性保護層上に酸化膜と、該酸化膜上に有機フッ素化合
物からなる離型層を形成するための蒸着装置の全体構造
を示す説明図である。
【符号の説明】
3:金属芯金 4:オフセット防止被覆層 5:導電性保護層 5a:個々の部位(隙間) 6:バインダ層 7:硬質超微粒子 8:固定化層 8a:撥水撥油層 9:導電性保護層 10:酸化膜 11:離型層 12:オフセット防止被覆層(めっき膜) 13:ローラ 14:塗布槽 15:塗布液 16:バルブ 17:塗布液輸送ポンプ 18:ローラ 19:処理槽 20:撥水撥油処理液 21:モータ 22:懸糸 23:基体 24:導電性保護層 25:撥水撥油処理層 26:超微粒子 27:基体 28:導電性保護層 29:酸化膜 30:超薄膜 31:真空容器 32:主バルブ 33:真空排気装置 34:ローラ 35:ローラ保持機構 36:ローラ回転機構 37:制御系 38:材料蒸発源 39:制御電源 40:イオンビーム源 41:ビーム制御系 42:処理用のガス導入系 43:不活性ガス導入系 44:電源 45:ガス導入系 51:顕画剤 52:無機性硬質異物
フロントページの続き (72)発明者 佐藤 達哉 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H033 AA09 AA26 AA31 AA32 BB05 BB08 BB14 BB26 3J103 AA02 AA15 AA21 AA32 AA51 BA02 EA06 EA20 FA07 FA13 GA02 GA57 GA58 HA03 HA14 HA20 HA43 HA54 4K044 AA06 AB04 BA06 BA12 BA14 BA20 BA21 BB05 BB06 BC01 BC06 BC09 BC14 CA13 CA15

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子写真式画像形成装置の定着装置に用
    いる定着ローラにおいて、芯金の外周面にオフセット防
    止被覆層と、該オフセット防止被覆層上に、これを完全
    に覆い尽くすことなく、かつ連続性を保って形成された
    導電性保護層と、該導電性保護層上にバインダ層を介し
    て形成された、硬質超微粒子の固定化層とを備えてな
    り、該固定化層は、硬質超微粒子の表面を撥水撥油層で
    被覆して形成されていることを特徴とする定着ローラ。
  2. 【請求項2】 導電性保護層が、多数の導電性超微粒子
    からなる帯電防止膜であり、固定化層を形成する硬質超
    微粒子がシリコン酸化物の超微粒子であることを特徴と
    する請求項1に記載の定着ローラ。
  3. 【請求項3】 硬質超微粒子の表面を被覆する撥水撥油
    層が、フッ素含有シラン化合物の薄膜であることを特徴
    とする請求項1または2に記載の定着ローラ。
  4. 【請求項4】 電子写真式画像形成装置の定着装置に用
    いる定着ローラにおいて、芯金の外周面にオフセット防
    止被覆層と、該オフセット防止被覆層上に、これを完全
    に覆い尽くすことなく、かつ連続性を保って形成された
    導電性保護層と、該導電性保護層上に形成された酸化膜
    と、該酸化膜上に形成された離型層とを備えていること
    を特徴とする定着ローラ。
  5. 【請求項5】 酸化膜上に有機フッ素化合物からなる離
    型層が、シロキサン結合を介して形成されていることを
    特徴とする請求項4に記載の定着ローラ。
  6. 【請求項6】 有機フッ素化合物からなる離型層が、有
    機フッ素化合物の蒸着処理で形成されていることを特徴
    とする請求項5に記載の定着ローラ。
  7. 【請求項7】 導電性保護層が硬質金属からなる薄膜で
    あることを特徴とする請求項4に記載の定着ローラ。
  8. 【請求項8】 酸化膜が硬質金属の酸化物からなること
    を特徴とする請求項7に記載の定着ローラ。
  9. 【請求項9】 オフセット防止被覆層がフッ素樹脂層で
    あることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の
    定着ローラ。
  10. 【請求項10】 オフセット防止被覆層が、潤滑性硬質
    粒子を分散させたニッケルめっき膜であることを特徴と
    する請求項1〜8のいずれかに記載の定着ローラ。
  11. 【請求項11】 導電性保護層および、オフセット防止
    被覆層の導電性保護層で覆われていない個々の部位の面
    積が、記録材上の未定着画像を形成している顕画剤の体
    積平均粒径よりも小さいことを特徴とする請求項1〜1
    0のいずれかに記載の定着ローラ。
  12. 【請求項12】 当該定着ローラが加熱ローラであるこ
    とを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の定着
    ローラ。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12のいずれかに記載の定
    着ローラを備えたことを特徴とする、電子写真式画像形
    成装置の加熱定着装置。
  14. 【請求項14】 請求項1に記載の定着ローラの製造方
    法であって、以下の工程を含むことを特徴とする定着ロ
    ーラの製造方法。 (1)金属芯金の外周面にプライマ層を形成する第1の
    工程、 (2)前記プライマ層上にオフセット防止被覆層を形成
    する第2の工程、 (3)前記オフセット防止被覆層表面の粗面化と、該粗
    面化表面の表面改質とを行う第3の工程、 (4)第3の工程後のローラを、導電性微粒子およびバ
    インダ剤を含む処理液に浸漬することにより、前記オフ
    セット防止被覆層上に導電性保護層を形成する第4の工
    程、 (5)第4の工程後のローラを、二酸化珪素(Si
    )の微粒子および撥水撥油剤を含む処理液に浸漬す
    ることにより、前記導電性保護層上に固定化層を形成す
    る第5の工程。
  15. 【請求項15】 請求項4に記載の定着ローラの製造方
    法であって、以下の工程を含むことを特徴とする定着ロ
    ーラの製造方法。 (1)金属芯金の外周面にプライマ層を形成する第1の
    工程、 (2)前記プライマ層上にフッ素樹脂からなるオフセッ
    ト防止被覆層を形成する第2の工程、 (3)前記オフセット防止被覆層表面の粗面化を行う第
    3の工程、 (4)前記粗面化表面上に硬質金属からなる導電性保護
    層を、スパッタリングで形成する第4の工程、 (5)前記導電性保護層上に硬質金属の酸化物からなる
    酸化膜を、反応性スパッタリングで形成する第5の工
    程、 (6)前記酸化膜表面を活性化する第6の工程、 (7)前記酸化膜上に有機フッ素化合物からなる離型層
    を、蒸着処理で形成する第7の工程。
  16. 【請求項16】 請求項4に記載の定着ローラの製造方
    法であって、以下の工程を含むことを特徴とする定着ロ
    ーラの製造方法。 (1)金属芯金の外周面にオフセット防止被覆層とし
    て、固体潤滑剤を含有するNi−Pマトリックスの分散
    めっき膜を無電解めっきで形成する第1の工程、 (2)前記オフセット防止被覆層表面の粗面化を行う第
    2の工程、 (3)前記粗面化表面上に硬質金属からなる導電性保護
    膜を、スパッタリングで形成する第3の工程、 (4)前記導電性保護層上に硬質金属の酸化物からなる
    酸化膜を、反応性スパッタリングで形成する第4の工
    程、 (5)前記酸化膜表面を活性化する第5の工程、 (6)前記酸化膜上に有機フッ素化合物からなる離型層
    を、蒸着処理で形成する第6の工程。
  17. 【請求項17】 請求項4に記載の定着ローラの製造方
    法であって、以下の工程を含むことを特徴とする定着ロ
    ーラの製造方法。 (1)金属芯金の外周面にオフセット防止被覆層とし
    て、固体潤滑剤を含有するNi−Pマトリックスの分散
    めっき膜を無電解めっきで形成する第1の工程、 (2)前記オフセット防止被覆層表面の粗面化を行う第
    2の工程、 (3)前記粗面化表面上に硬質金属からなる導電性保護
    膜を、スパッタリングで形成する第3の工程、 (4)前記導電性保護層表面に水のイオンビームを照射
    することにより、該導電性保護層表面を酸化して酸化膜
    を形成するとともに、該酸化膜の最表面に水酸基を形成
    する第4の工程、 (5)前記酸化膜上に有機フッ素化合物からなる離型層
    を、蒸着処理で形成する第5の工程。
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JP2006178276A (ja) * 2004-12-24 2006-07-06 Toppan Printing Co Ltd 反射防止積層フィルム
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KR102226153B1 (ko) * 2019-11-18 2021-03-10 실리콘밸리(주) 거칠기 조절이 가능한 반도체 몰드용 이형필름 및 그 제조방법

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