JP2006313280A - 剥離部材、定着装置および画像形成装置 - Google Patents

剥離部材、定着装置および画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】被覆層の剥離を防止し、剥離部材の耐久性を向上させる。長期にわたり良好な画像が得られる定着装置および画像形成装置を提供する。
【解決手段】
本発明の剥離部材31は、定着ローラと加圧ローラとのニップ部側に、剥離部31aを有する。剥離部31aは、板片状の基材311と、該基材311の表面に設けられた中間層312と、該中間層312の表面に設けられた被覆層313とを有している。基材311の先端(ニップ部側の端部)のエッジ部310は、丸み付けがなされた形状をなしている。これにより、エッジ部310上に順次形成される中間層312および被覆層313も丸みを帯びた形状となり、しかもそれらの厚さは均一になる。基材311の表面粗さRaは、0.03〜1.5μmであるのが好ましく、表面粗さRzは0.8〜15μmであるのが好ましい。
【選択図】図7

Description

本発明は、定着装置に用いられる剥離部材、該剥離部材を備えた定着装置および該定着装置を備えた画像形成装置に関するものである。
電子写真法を用いる画像形成装置においては、紙等の記録媒体上に転写されたトナー像を定着させる定着装置として、定着ローラと加圧ローラとからなる一対のローラのニップ部に、トナー像が転写された用紙を通過させて、定着ローラによる加熱と両ローラによる加圧とによりトナー像を用紙に融着させる定着装置が広く用いられている。
一般に、この定着装置においては、記録媒体に融着したトナー像が定着ローラに接触するので定着ローラとしては離型性のよいフッ素系樹脂を表面に形成したローラが使用されている。しかし、このような定着ローラを使用しても、溶融したトナーは軟らかくかつ粘性が高いため定着ローラ表面に付着し易く、そのため用紙(記録媒体)が定着ローラに巻き付いてしまう恐れがある。
上記のような問題点を解決する目的で、例えばステンレス鋼で構成された金属板片を基材とし、該基材の表面にフッ素系樹脂による被覆層を塗装または貼付けにより形成した剥離部材(剥離シート)を、定着ローラの回転方向下流側に定着ローラに接触するように配置する提案がなされている(例えば、特許文献1参照)。
この定着装置においては、剥離部材を定着ローラに接触させているが、被覆層が硬質なフッ素系樹脂で構成されているため、定着ローラを傷つけるおそれがあるとともに、被覆層が部分的に剥離することがあるという問題を有している。
剥離部材において被覆層が剥離し易いのは、剥離部材の定着ローラに近接する側の端部であるが、この被覆層の剥離した部分では基材が露出することとなり、そのため、トナーが固着したり、記録媒体に画像すじが発生してしまうという欠点がある。
なお、被覆層の剥離を防止するために、被覆層を多重に重ね塗りすることも考えられるが、この場合には、被覆層の厚さにムラが生じ、被覆層の表面性状が悪化するとともに、塗布−乾燥(硬化)を複数回行う必要があり、製造に多大な手間とコストがかかるという欠点がある。
特開平11−184300号公報
本発明の目的は、被覆層の剥離、欠損を防止し、定着画像の画質を向上させることができ、また製造が容易な剥離部材、およびこれを備えた定着装置、画像形成装置を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の剥離部材は、熱源を有する定着ローラと、該定着ローラに圧接される加圧ローラとを備え、回転する前記定着ローラおよび前記加圧ローラ間のニップ部に記録媒体を挟持し、搬送する定着装置の、前記定着ニップ部の記録媒体搬送方向下流側に設置される剥離部材であって、
板片状の基材と、該基材の外面を覆うように設けられた被覆層とを有し、
前記基材の前記定着ニップ部に近接する側のエッジ部に、丸み付けまたは面取りが施されていることを特徴とする。
これにより、被覆層の剥離を防止することができ、耐久性に優れた剥離部材を提供することができる。
本発明の剥離部材では、前記基材は、金属材料または硬質樹脂材料で構成されていることが好ましい。
これにより、基材(剥離部材)に十分な強度(形状安定性)と耐久性が得られる。
本発明の剥離部材では、前記基材は、その表面に粗面化処理が施されていることが好ましい。
これにより、基材の表面に密着する層、すなわち中間層や被覆層の密着性が向上し、それらの剥離防止効果が高まる。
本発明の剥離部材では、前記基材の前記エッジ部付近の表面粗さRaが0.03〜1.5μmであることが好ましい。
これにより、基材の表面に密着する層、すなわち中間層や被覆層の密着性が向上し、それらの剥離防止効果が高まる。
本発明の剥離部材では、前記基材の前記エッジ部付近の表面粗さRaが0.03〜1.5μmであり、かつ、表面粗さRzが0.8〜15μmであることが好ましい。
これにより、基材の表面に密着する層、すなわち中間層や被覆層の密着性が向上し、それらの剥離防止効果が高まる。
本発明の剥離部材では、前記被覆層は、フッ素系樹脂を含む材料で構成されることが好ましい。
これにより、比較的低摩擦で(潤滑性に優れ)、溶融したトナーの付着が生じ難い非粘着性を有する被覆層(最表層)が得られる。
本発明の剥離部材では、前記被覆層は、塗布法により形成されたものであることが好ましい。
これにより、簡単な方法で短時間に均一、均質な被覆層を形成することができ、生産性の向上および製造コストの低減に寄与する。
本発明の剥離部材では、前記被覆層は、ディッピングまたはスプレーコートにより形成されたものであることが好ましい。
これにより、簡単な方法で短時間に、より均一、均質な被覆層が得られ、さらなる耐久性の向上に寄与する。
本発明の剥離部材では、前記被覆層の厚さが0.1〜150μmであることが好ましい。
これにより、被覆層の剥離防止効果、耐擦傷性および耐磨耗性が向上し、耐久性のさらなる向上に寄与する。
本発明の剥離部材では、前記基材と前記被覆層との間に中間層を有することが好ましい。
これにより、被覆層の密着性が向上し、剥離防止効果が高まる。
本発明の剥離部材では、前記中間層は、前記被覆層の構成材料を含む材料で構成されていることが好ましい。
これにより、被覆層の密着性がさらに向上し、剥離防止効果がさらに高まる。
本発明の剥離部材では、前記中間層は、前記被覆層を構成する樹脂材料と、結合材とを含む材料で構成されていることが好ましい。
これにより、被覆層の密着性がさらに向上し、剥離防止効果がさらに高まる。
本発明の剥離部材では、前記中間層は、塗布法により形成されたものであることが好ましい。
これにより、簡単な方法で短時間に均一、均質な中間層を形成することができ、生産性の向上および製造コストの低減に寄与する。
本発明の定着装置は、本発明の剥離部材を備えたことを特徴とする。
これにより、剥離部材の耐擦傷性、耐摩耗性に優れ、剥離部へのトナーの固着や、印字された記録媒体での画像すじの発生がなく、良質な定着画像が得られる定着装置を提供することができる。
本発明の画像形成装置は、本発明の定着装置を備えたことを特徴とする。
これにより、長期間にわたって優れた画質の画像を形成することができる画像形成装置を提供することができる。
本発明によれば、被覆層の剥離、欠損を防止し、耐擦傷性、耐摩耗性に優れ、トナーの固着や、印字された記録媒体での画像すじの発生を生じ難い剥離部材を提供すること、特に、このような剥離部材を容易かつ低コストで製造することができる。これにより、長期間にわたって優れた画質の画像を形成することができる定着装置およびこれを備えた画像形成装置を提供することができる。
以下、本発明の剥離部材、定着装置および画像形成装置の好適な実施形態を添付図面に基づいて説明する。
[画像形成装置]
まず、本発明の画像形成装置の構成について説明する。
図1は、本発明の定着装置を備えた本発明の画像形成装置の全体構成図である。
画像形成装置1の装置本体2内には、感光体ドラムで構成される像担持体3が配設されている。この像担持体3は、図示しない駆動手段によって図示矢印方向に回転駆動される。像担持体3の周囲には、その回転方向に沿って、像担持体3を一様に帯電するための帯電装置4と、像担持体3上に静電潜像を形成するための露光装置5と、静電潜像を現像するためのロータリー現像装置6と、像担持体3上に形成された単色のトナー像を一次転写するための中間転写装置7とが配設されている。
ロータリー現像装置6は、イエロー用現像装置6Y、マゼンタ用現像装置6M、シアン用現像装置6Cおよびブラック用現像装置6Kが支持フレーム8に装着され、支持フレーム8は図示しない駆動モータにより回転駆動される構成になっている。これらの複数の現像装置6Y、6C、6M、6Kは、像担持体3の1回転毎に選択的に一つの現像装置の現像ローラ6aが像担持体3に対向するように回転移動するようにされている。なお、各現像装置6Y、6C、6M、6Kには各色のトナーが収納されたトナー収納部が形成されている。
中間転写装置7は、駆動ローラ9および従動ローラ10と、両ローラにより図示矢印方向に駆動される中間転写ベルト11と、中間転写ベルト11の裏面で像担持体3に対向して配設された一次転写ローラ12と、中間転写ベルト11上の残留トナーを除去する転写ベルトクリーナ13と、駆動ローラ9に対向して配設され、中間転写ベルト11に形成された4色フルカラー像を記録媒体(紙等)上に転写するための二次転写ローラ14とを有している。
装置本体2の底部には給紙カセット15が配設され、給紙カセット15内の記録媒体は、ピックアップローラ16、記録媒体搬送路17、二次転写ローラ14、定着装置19を経て排紙トレイ20に搬送されるように構成されている。
次に、上記のような構成の画像形成装置の作用について説明する。
図示しないコンピュータからの画像形成信号が入力されると、像担持体3、現像装置6の現像ローラ6aおよび中間転写ベルト11が回転駆動し、先ず、像担持体3の外周面が帯電装置4によって一様に帯電され、一様に帯電された像担持体3の外周面に、露光装置5によって第1色目(例えばイエロー)の画像情報に応じた選択的な露光がなされ、イエローの静電潜像が形成される。
像担持体3上に形成された潜像位置には、イエロー用現像装置6Yが回動してその現像ローラ6aが当接し、これによってイエローの静電潜像のトナー像が像担持体3上に形成され、次に、像担持体3上に形成されたトナー像は一次転写ローラ12により中間転写ベルト11上に転写される。このとき、二次転写ローラ14は中間転写ベルト11から離間されている。
上記の処理が画像形成信号の第2色目、第3色目、第4色目に対応して、像担持体3と中間転写ベルト11の1回転による潜像形成、現像、転写が繰り返され、画像形成信号の内容に応じた4色のトナー像が中間転写ベルト11上において重ねられて転写される。そして、このフルカラー画像が二次転写ローラ14に達するタイミングで、記録媒体が搬送路17から二次転写ローラ14に供給され、このとき、二次転写ローラ14が中間転写ベルト11に押圧されるとともに二次転写電圧が印加され、中間転写ベルト11上のフルカラートナー像が記録媒体上に転写される。そして、この記録媒体上に転写されたトナー像は定着装置19により加熱加圧され定着される。中間転写ベルト11上に残留しているトナーは転写ベルトクリーナ13によって除去される。
なお、両面印刷の場合には、定着装置19を出た記録媒体は、その後端が先端となるようにスイッチバックされ、両面印刷用搬送路23を経て、二次転写ローラ14に供給され、中間転写ベルト11上のフルカラートナー像が記録媒体上に転写され、再び定着装置19により加熱加圧され定着される。
定着装置19は、熱源を有する定着ローラ21と、これに圧接される加圧ローラ22と、後述する剥離部材31、32とを備えている。定着ローラ21と加圧ローラ22の軸を結ぶ線は水平線からθの角度を有するように配置されている。この場合、0°≦θ≦30°であるのが好ましい。これにより、紙等の記録媒体の搬送経路をより短くすることができ、省スペース化が可能となる。
[定着装置]
以下、本発明の定着装置について、詳細に説明する。
図2〜図8は、図1中の定着装置19の詳細を示す。図2は、図1中に示す定着装置の一部破断面を示す斜視図であり、図3は、図2の定着装置の要部横断面図であり、図4は、本発明の剥離部材の構成例を示す斜視図であり、図5は、剥離部材の取付状態の一例を示す側面図であり、図6は、図2の定着装置を上面から見た正面図であり、図7および図8は、それぞれ、本発明の剥離部材の剥離部の構成例を示す横断面図である。
図2および図6において、ハウジング24内には定着ローラ21が回動自在に装着され、定着ローラ21の一端には駆動ギヤ28が連結されている。そして、定着ローラ21に対向して加圧ローラ22が回動自在に装着されている。加圧ローラ22の軸方向長さは定着ローラ21のそれよりも短く、その空いたスペースに軸受25が設けられ、加圧ローラ22の両端は軸受25により支持されている。軸受25には加圧レバー26が回動可能に設けられ、加圧レバー26の一端とハウジング24間には加圧スプリング27が配設され、これにより加圧ローラ22と定着ローラ21が加圧されるように構成されている。
図3に示すように、定着ローラ21は、内部にハロゲンランプ等の熱源21aを有する金属製の筒体21bと、筒体21bの外周に設けられたシリコンゴム等で構成された弾性層21cと、弾性層21cの表面に被覆されたフッ素系ゴム、フッ素系樹脂(例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE))等の材料で構成された表層(図示せず)と、筒体21bに固定された回転軸21dとを有している。
加圧ローラ22は、金属製の筒体22bと、筒体22bに固定された回転軸22dと、回転軸22dを軸支持する軸受25と、筒体22bの外周に設けられたシリコンゴム等で構成された弾性層22cと、弾性層22cの表面に被覆されたフッ素系ゴム、フッ素系樹脂(例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE))等の材料で構成された表層(図示せず)とを有している。定着ローラ21の弾性層21cの厚みは、加圧ローラ22の弾性層22cの厚みより極端に小さくし、これにより加圧ローラ22側が凹状にへこむようなニップ部Nが形成されている。
図2および図3に示すように、ハウジング24の両側面には、支持軸29、30が設けられており、この支持軸29、30にそれぞれ定着ローラ21側の剥離部材31と加圧ローラ22側の剥離部材32とが回動自在に装着されている。これにより、定着ローラ21と加圧ローラ22とのニップ部Nの記録媒体搬送方向下流側に、剥離部材31および32が定着ローラ21等の回転軸方向に沿って配設されることになる。
定着ローラ21側の剥離部材31は、図4および図5に示すように、板片状(ブレード状)の剥離部31aと、剥離部31aの後方で定着ローラ21側にL字状に折曲された折曲部31bと、剥離部31aの両側端で下方向に折曲された支持片31cと、支持片31cに形成された嵌合穴31dと、剥離部31aの両側端前方に延設されたガイド部31eとを有している。
剥離部31aは、ニップ部Nの出口に向けて傾斜するように配置され、剥離部31aの先端(ニップ部N側の縁部)は、定着ローラ21に対し非接触であるが近接した位置に配置されている。支持片31cの嵌合穴31dには、図3で説明した支持軸29が挿入(嵌合)されている。ガイド部31eは、その一端がハウジング24に設置されたスプリング33によりに付勢され、ガイド部31eの先端が定着ローラ21に当接している。その結果、剥離部31aの先端と定着ローラ21の表面との間に一定のギャップが形成されるようになっている。
加圧ローラ22側の剥離部材32は、定着ローラ21側の剥離部材31と同様の形状であるが、図2および図3に示すように、剥離部32aの先端(ニップ部N側の縁部)は、剥離部31aの先端よりもさらに記録媒体搬送方向下流側に配置されている。また、ガイド部32eの先端は、加圧ローラ22の軸受25の周面にP点で当接しており、これにより、剥離部32aの先端と加圧ローラ22表面との間に一定のギャップが形成されるようになっている。
なお、図示と異なり、定着ローラ21と加圧ローラ22の配置は、定着ローラ21と加圧ローラ22が上下にかつ縦方向に配置されていてもよい。この場合には、両ローラのニップ部Nから排出される記録媒体は、重力により定着ローラ21から離れる方向に力が作用するため、記録媒体が剥離部材によって剥離される度合いは少ない。
しかし、図1に示すように、定着ローラ21と加圧ローラ22を略水平状態に配置すると、記録媒体は定着ローラ21側に巻きつき易くなり、ニップ部Nから排出される記録媒体は必ず剥離部材31に当接することになり、その使用頻度が高くなる。そのため、剥離部材の耐久性をいかにして向上させるかが課題となる。
特に、フルカラー画像の定着においては、白黒画像の定着時よりも多量のトナーが重ねて転写されたトナー像を定着しなければならず、剥離時に大きな剥離力が必要であり、また、定着後のトナー画像表面の平滑性を出すことが要求され、そのためにはトナーを十分に加熱溶融して低粘度化させた後に、画像表面を平らにならすことが必要である。よって、さらなる大きな剥離力を必要とするとともに、剥離部材に画像表面を平らにならす機能を保持させることが求められており、剥離部材の耐久性が大きな課題となっている。
一般に、剥離部材の耐久性を損なう原因としては、剥離部材の表面に形成された被覆層の部分的な剥離や、擦傷、磨耗が挙げられる。特に、被覆層の剥離等は、剥離部材の先端(エッジ部:ニップ部N側の縁部)おいて生じ易い。そこで、本発明者らは、被覆層の剥離等、特に、剥離部材の先端における被覆層の剥離等を防止し得る構成の剥離部材を発明した。
以下、剥離部材31を代表例として、その構成を詳細に説明するが、本発明では、加圧ローラ22側の剥離部材32に対しても同様の構成とすることができる。本発明では、剥離部材31、32の少なくとも一方が、以下に述べる構成(条件)を満たすものであればよく、少なくとも剥離部材31が、以下に述べる構成(条件)を満たすものであるのが好ましい。剥離部材31、32の双方が以下に述べる構成(条件)を満たすものであれば、後述する本発明の効果が最も顕著に得られるのでさらに好ましい。
剥離部材31の剥離部31aは、板片状の基材311と、該基材311の表面に設けられた中間層312と、該中間層312の表面に設けられた被覆層313とを有している。
基材311の構成材料は、特に限定されないが、例えば、ニッケル、アルミニウム、鉄、銅等の金属やこれらのうち少なくとも1種を含む合金(例えば、ステンレス鋼)等の各種金属材料、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリメチルメタクリレート、ポリアセタール、ポリエーテルエーテルケトン等の各種樹脂材料、その多各種セラミックス材料が挙げられる。これらの材料によれば、基材311に十分な強度と耐久性が得られる。これらの材料の中でも、ステンレス鋼を用いた場合には、十分な成形性を確保しつつ、剥離部材の機械的安定性(形状の安定性)を特に優れたものとすることができる。ポリメチルメタクリレート、ポリアセタール、ポリエーテルエーテルケトン等の比較的硬質の樹脂材料も、軽量、高強度で耐熱性を有するため、好ましい。また、基材311に樹脂材料を用いた場合には、中間層312を省略しても被覆層313の密着性が優れるので、この点でも好ましい。
基材311の厚さ(板厚)は、特に限定されないが、エッジ部310(基材311の先端:図7および図8中右端)付近の厚さDが、0.1〜1.0mm程度であるのが好ましく、0.1〜0.3mm程度であるのがより好ましい。厚さDがこのような範囲であると、十分な強度と軽量化の両立を図りつつ、被覆層313の十分な密着性を確保することができるからである。
図7に示すように、基材311のエッジ部310は、丸み付けがなされた形状をなしている。これにより、エッジ部310上に順次形成される中間層312および被覆層313も丸みを帯びた形状となり、しかも中間層312および被覆層313のそれぞれは厚さも均一になるため、中間層312および被覆層313の剥離がより確実に防止される。
エッジ部310の丸みを帯びた部分の曲率半径は、特に限定されないが、曲率半径(平均)Rは、0.05〜0.5mm程度であるのが好ましく、0.05〜0.25mm程度であるのがより好ましい。また、このRを前記厚さDとの関係で表すと、厚さDの35〜65%程度が好ましく、40〜60%程度がより好ましく、45〜55%程度がさらに好ましい。また、最小の曲率半径Rminは、特に限定されないが、前記厚さDの10〜50%程度が好ましく、20〜50%程度がより好ましく、25〜50%程度がさらに好ましい。RおよびRminがこのような範囲であれば、被覆層313の密着性を十分に向上することができる。
また、他の構成例として、図8に示すように、基材311のエッジ部310は、面取りが施された形状をなしている。これにより、エッジ部310上に順次形成される中間層312および被覆層313は、急峻な屈曲(90°の屈曲)がなくなり、鈍角(図示の場合には120〜150°程度)に屈曲するため、中間層312および被覆層313のそれぞれの厚さの変化も少なくなる。特に、被覆層313では、屈曲した部分においても、僅かに丸みを帯びるようになる。このようなことから、中間層312および被覆層313の剥離が防止される。
なお、本発明では、エッジ部310に図8に示すような面取りを施した後、さらにその鈍角の角部に丸み付けを施してもよい。これにより、中間層312および被覆層313の前記角部における屈曲がさらに緩和され、中間層312および被覆層313の剥離防止効果がより向上する。
以上のような被覆層313の剥離防止効果は、剥離部材31の剥離部32aの先端部が定着ローラ21の外周面に接触しない場合は勿論のこと、接触する場合でも得られる。
なお、エッジ部310の丸み付けや面取りは、基材311を成形する際に一体形成しても、基材311を成形後、その角部に対し機械加工(研削、研磨等)や化学処理等により丸み付けや面取りを施してもよい。
また、基材311は、その構成材料や表面性状が中間層312および被覆層313の密着性に有利なものであればよいが、そうでない場合でも、基材311の表面に粗面化処理等の表面処理が施されていることにより、中間層312および被覆層313の密着性を向上することができる。粗面化処理の方法としては、ショットブラスト、サンドブラスト、液体ブラスト等のブラスト処理、研磨処理等の物理的方法や、アルカリ洗浄、酸洗浄、有機溶剤洗浄等の洗浄処理、エッチング処理等の化学的方法が挙げられる。物理的方法と化学的方法とを適宜組み合わせてもよい。
基材311のエッジ部310付近の表面粗さRaは、特に限定されないが、0.03〜1.5μmであるのが好ましく、0.05〜1.3μmであるのがより好ましく、0.08〜1.2μmであるのがさらに好ましい。表面粗さRaが前記範囲内の値であると、基材311のエッジ部310に対する中間層312や被覆層313の密着性がさらに向上し、被覆層313の剥離防止効果がより顕著に発揮される。
また、基材311のエッジ部310付近の表面粗さRzは、特に限定されないが、0.8〜15μmであるのが好ましく、1〜14μmであるのがより好ましく、2.5〜13μmであるのがさらに好ましい。表面粗さRzが前記範囲内の値であると、基材311のエッジ部310に対する中間層312や被覆層313の密着性がさらに向上し、被覆層313の剥離防止効果がより顕著に発揮される。
そして、基材311のエッジ部310は、表面粗さRa、表面粗さRz共に前記範囲内であるのが好ましい。表面粗さRa、表面粗さRzの一方のみが前記範囲内である場合に比べ、被覆層313の剥離防止効果の持続性が優れたものとなり、耐久性がさらに向上するからである。
中間層312は、種々の目的で設けることができるが、その一つに、被覆層313の密着性の向上がある。特に、基材311と被覆層313との構成材料やその特性が相違する場合には、中間層312を形成することは、被覆層313の密着性向上に有効である。
中間層312の構成材料としては、特に限定されないが、被覆層313の密着性向上のためには、後述する被覆層313の構成材料を含む材料で構成されているのが好ましい。特に、中間層312は、被覆層313を構成する樹脂材料(例えば、フッ素系樹脂)と、結合材(バインダー)とを含む材料で構成されているのが好ましい。これにより、中間層312と被覆層313との密着性が向上し、結果として被覆層313の剥離防止効果が向上する。
結合材としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、デンプン等が挙げられる。
中間層312中に含まれる被覆層313を構成する樹脂材料の量は、特に限定されないが、通常、0.5〜30wt%程度が好ましく、1〜50wt%程度がより好ましい。このような範囲であると、中間層312と被覆層313との密着性が優れるとともに、中間層312と基材311との密着性も優れ、結果として被覆層313の剥離防止効果が向上する。
中間層312の他の構成材料としては、SiO、ZrO、Al、Y、TiO等の無機系酸化物を含む材料を挙げることができる。この中でも、主として二酸化ケイ素で構成されたものは、基材311および被覆層313との密着性が特に優れており好ましい。
中間層312の形成方法は、特に限定されず、例えば、はけ塗り、ディッピング、スピンコート、カーテンフローコート、ロールコート、グラビアコート、スプレーコート、流し塗り、静電塗装、電着塗装等の塗布法や、電解めっき、浸漬めっき、無電解めっき等の湿式めっき法(ウェットプロセス)、さらには、蒸着、スパッタリング、CVD、PVD、イオンプレーティング等の気相成膜法、溶射法が挙げられるが、簡易な設備で比較的簡単に層形成ができ、生産性の向上および製造コストの低減に寄与するという点で、塗布法が好ましい。また、塗布法の中でも、特にディッピングまたはスプレーコートが好ましい。ディッピングおよびスプレーコートによれば、均質、均一な中間層312を比較的容易に、短時間で形成することができ、膜厚のコントロールもし易いからである。
中間層312の厚さは、特に限定されないが、20μm以下が好ましく、1〜15μm程度がより好ましく、5〜10μm程度がさらに好ましい。中間層312の厚さが厚すぎると、中間層312の構成材料によっては、被覆層313の密着性向上効果が十分に得られなくなる場合がある。
このような中間層312の組成や膜厚は、剥離部材31の長手方向に沿って均一であるのが好ましい。
なお、本発明では、中間層312を設けず、基材311の表面に直接被覆層313を形成してもよいことは、言うまでもない。
被覆層313は、最外層を構成する層であり、比較的低摩擦で、溶融したトナーの付着が生じ難い非粘着性を有するものが好ましい。また、被覆層313は、耐熱性を有しているのが好ましい。
このような特性を満たす被覆層313の構成材料としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系樹脂またはこれを主とする材料が好ましい。
また、被覆層313の他の構成材料としては、ケイ素化合物を含む材料(特に、含ケイ素化合物の加水分解縮合物を含む材料)、ダイヤモンド様炭素(DLC)、水素化アモルファス炭素、ダイヤモンド等の炭素系硬質材料等が挙げられる。
被覆層313の形成方法は、特に限定されず、例えば、はけ塗り、ディッピング、スピンコート、カーテンフローコート、ロールコート、グラビアコート、スプレーコート、流し塗り、静電塗装、電着塗装等の塗布法や、電解めっき、浸漬めっき、無電解めっき等の湿式めっき法(ウェットプロセス)、さらには、蒸着、スパッタリング、CVD、PVD、イオンプレーティング等の気相成膜法、溶射法が挙げられるが、簡易な設備で比較的簡単に層形成ができ、生産性の向上および製造コストの低減に寄与するという点で、塗布法が好ましい。また、塗布法の中でも、特にディッピングまたはスプレーコートが好ましい。ディッピングおよびスプレーコートによれば、均質、均一な被覆層313を比較的容易に、短時間で形成することができ、膜厚のコントロールもし易いからである。また、被覆層313の耐擦傷性、耐磨耗性も向上する。
被覆層313の厚さは、特に限定されないが、被覆層313を塗布法で形成した場合、0.1〜150μm程度が好ましく、1〜80μm程度がより好ましく、20〜40μm程度がさらに好ましい。被覆層313の厚さが前記上限値を超えると、被覆層313の密着性の向上が十分に得られず、剥離防止効果が少なくなる場合があり、被覆層313の厚さが前記下限値未満であると、磨耗等により被覆層313の耐久性が不十分となる場合がある。
このような被覆層313の組成や膜厚は、剥離部材31の長手方向に沿って均一であるのが好ましい。
前述したように、剥離部材31は、基材311のエッジ部310に丸み付けまたは面取りがなされている。そのため、エッジ部310を覆う中間層312および被覆層313も丸みを帯びた形状または比較的緩やかに屈曲または湾曲した形状となり、90°または鋭角をなす角部は生じない。そのため、被覆層313の密着性のみならず、耐擦傷性や耐磨耗性も向上し、その結果、剥離部材31の耐久性が向上する。
以上、本発明の剥離部材、定着装置および画像形成装置について、図示の実施形態に基づき説明したが、本発明は、これらに限定されるものではなく、剥離部材、定着装置、画像形成装置を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができ、また、任意の構成が付加されていてもよい。
また、前述した実施形態では、剥離部材は、1層の中間層と1層の被覆層とを有するものを例にして説明したが、中間層および被覆層の一方または双方は、2層以上の積層体で構成されていてもよい。
また、被覆層の表面に、さらに保護層等が設けられていてもよい。これにより、例えば、剥離部材の保管時等に、被覆層や中間層の構成材料が劣化したり、傷ついたりするのを有効に防止することができる。なお、保護層は、このような機能を有するものに限定されない。また、このような保護層は、定着装置の使用時(組み立て時)に、除去されるものであっても、そうでなくてもよい。
(実施例1)
剥離部材の基材として、ステンレス鋼(SUS301)製の厚さ0.15mmのブレード状板片を用意し、この基材を380℃×10分、空焼きした後、その表面に電解研磨により鏡面加工を行うと同時にこの基材のエッジ部先端に、丸み付け(図7に示す形状)を施した。丸み付けされた部分の曲率半径Rは、0.075mmであり、Rminは、基材のエッジ部付近の板厚D(=0.15mm)の約33%であった。
その後、鏡面加工が施された表面に、液体ブラストにより微小な凹凸を形成した。液体ブラストは、ローラ搬送機により搬送されてくる基材に対して、エメリー粉を水に分散して得られたスラリー状の物質を、高圧で噴射することにより行った。その後、十分な洗浄を行うことにより、研削粉を除去し、さらに、乾燥を行った。この処理の後、基材の表面の表面粗さを測定したところ、表面粗さRa=0.6μm、表面粗さRz=5μmであった。
次に、ポリテトラフルオロエチレンとPVA(結合材)と水(溶媒)とを含む塗布液A1(粘度100〜200cps)を調整し、この塗布液A1をディッピング(浸漬法)により基材全体の表面に塗布し、90℃×20分乾燥して、平均厚さ10μmの中間層を形成した。中間層中のポリテトラフルオロエチレンの含有量は、30wt%であった。
次に、ポリテトラフルオロエチレンを水(溶媒)に溶解した塗布液B1(粘度200cps)を調整し、この塗布液B1をディッピング(浸漬法)により基材の中間層の表面に塗布し、90℃×20分で乾燥した。この塗膜に380℃×25分で熱処理を施して、平均厚さ20μmのポリテトラフルオロエチレンによる被覆層を形成した。中間層と被覆層の合計の膜厚は、30μm(平均)であった。また、中間層、被覆層共に、それらの組成および膜厚は、剥離部材の長手方向に沿って均一であった。
以上のようにして、実施例1の剥離部材を製造した。なお、剥離部材は、定着ローラ側と加圧ローラ側の一対を製造した。
(実施例2)
剥離部材の基材として、ステンレス鋼(SUS301)製の厚さ0.3mmのブレード状板片を用意し、この基材を380℃×10分、空焼きした後、その表面に電解研磨により鏡面加工をその表面に電解研磨により鏡面加工を行うと同時にこの基材のエッジ部先端に、丸み付けを施した。丸み付けされた部分の曲率半径Rは、0.15mmであり、Rminは、基材のエッジ部付近の板厚D(=0.3mm)の約33%であった。
その後、鏡面加工が施された表面に、実施例1と同様の液体ブラスト、洗浄、乾燥を施し、基材を製造した。この処理の後、基材の表面の表面粗さを測定したところ、表面粗さRa=0.4μm、表面粗さRz=3μmであった。
次に、ポリテトラフルオロエチレンとPVA(結合材)と水(溶媒)とを含む塗布液A2(粘度50〜150cps)を調整し、この塗布液A2をスプレーコート(吹き付け塗装)により基材全体の表面に塗布し、90℃×20分乾燥して、平均厚さ10μmの中間層を形成した。中間層中のポリテトラフルオロエチレンの含有量は、30wt%であった。
次に、ポリテトラフルオロエチレンを水(溶媒)に溶解した塗布液B2(粘度200〜350cps)を調整し、この塗布液B2をスプレーコートにより基材の中間層の表面に塗布し、乾燥した。この塗膜に380℃×25分で熱処理を施して、平均厚さ20μmのポリテトラフルオロエチレンによる被覆層を形成した。中間層と被覆層の合計の膜厚は、30μm(平均)であった。また、中間層、被覆層共に、それらの組成および膜厚は、剥離部材の長手方向に沿って均一であった。
以上のようにして、実施例2の剥離部材を製造した。なお、剥離部材は、定着ローラ側と加圧ローラ側の一対を製造した。
(実施例3)
基材のエッジ部先端に研削により面取りを行った(図8に示す形状)。この面取りによるエッジ部の屈曲角度は、各々130〜140°であった。それ以外は実施例1と同様にして、実施例3の剥離部材を製造した。中間層の平均厚さ10μm、被覆層の平均厚さ20μmであり、両層の組成および膜厚は、剥離部材の長手方向に沿って均一であった。なお、剥離部材は、定着ローラ側と加圧ローラ側の一対を製造した。
(実施例4)
基材のエッジ部先端に、研削により面取りを行った(図8に示す形状)。この面取りによるエッジ部の屈曲角度は、各々130〜140°であった。それ以外は実施例2と同様にして、実施例4の剥離部材を製造した。中間層の平均厚さ10μm、被覆層の平均厚さ20μmであり、両層の組成および膜厚は、剥離部材の長手方向に沿って均一であった。なお、剥離部材は、定着ローラ側と加圧ローラ側の一対を製造した。
(実施例5)
剥離部材の基材として、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を材料として射出成形により厚さ0.6mmのブレード状板片を製造した。射出成形の際、基材のエッジ部先端に、曲率半径Rが0.3mmの丸みが一体的に形成された。Rminは、基材のエッジ部付近の板厚D(=0.6mm)の約45%であった。
次に、基材の表面に、サンドブラストによる粗面加工を施して、表面粗さRa=1μm、表面粗さRz=12μmとした。
基材を洗浄、乾燥した後、中間層は設けず、実施例1の塗布液B1をディッピング(浸漬法)により基材全体の表面に塗布し、乾燥した。この塗膜に300℃×40分で熱処理を施して、平均厚さ20μmのポリテトラフルオロエチレンによる被覆層を形成した。この被覆層の組成および膜厚は、剥離部材の長手方向に沿って均一であった。
以上のようにして、実施例5の剥離部材を製造した。なお、剥離部材は、定着ローラ側と加圧ローラ側の一対を製造した。
(比較例1)
基材のエッジ部先端に、丸み付けおよび面取りを行わず、両面側から各々90°の角度で屈曲する形状のエッジ部を持つ基材を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例1の剥離部材を製造した。なお、剥離部材は、定着ローラ側と加圧ローラ側の一対を製造した。
(比較例2)
基材のエッジ部先端に、丸み付けおよび面取りを行わず、両面側から各々90°の角度で屈曲する形状のエッジ部を持つ基材を用いた以外は、実施例2と同様にして、比較例1の剥離部材を製造した。なお、剥離部材は、定着ローラ側と加圧ローラ側の一対を製造した。
(比較例3)
基材のエッジ部先端に、丸み付けおよび面取りを行わず、両面側から各々90°の角度で屈曲する形状のエッジ部を持つ基材を用いた以外は、実施例5と同様にして、比較例3の剥離部材を製造した。なお、剥離部材は、定着ローラ側と加圧ローラ側の一対を製造した。
[耐久性試験およびその評価]
[1]画像すじ
前記各実施例および各比較例の剥離部材を図2に示す構造の画像形成装置の定着ローラ側および加圧ローラ側に組み込み、さらにこれらの画像形成装置を図1に示す構造の定着装置に装填して、全面ベタ画像を印字(A4サイズ:5万枚印字)した。
耐久印字(A4サイズ:5万枚印字)後、各剥離部材の剥離部での擦り跡である「画像すじ」について、紙の印字面を目視により観察し、以下の4段階の基準に従い評価した。
◎:画像すじの発生が全く認められない。
○:画像すじの発生がほとんど認められない。
△:画像すじの発生がわずかに認められる。
×:画像すじの発生が顕著に認められる。
[2]耐擦傷性、耐摩耗性
前記各実施例および各比較例の剥離部材を備えた画像形成装置について、耐久印字(A4サイズ:5万枚印字)後、各剥離部材の剥離部を顕微鏡で観察し、剥離部の表面付近の状態を以下の4段階の基準に従い評価した。
◎:被覆層に摩耗、擦り傷、剥離が全く認められない。
○:被覆層に摩耗、剥離は認められないが、擦り傷がわずかに認められる。
△:被覆層に摩耗が認められるが、中間層および基材の露出は認められない。
×:被覆層の摩耗または剥離がはっきりと認められ、中間層および基材の露出が認められる。または、基材の摩耗が認められる。
[3]トナー固着(耐久印字後)
前記各実施例および各比較例の剥離部材を備えた画像形成装置について、耐久印字(A4サイズ:5万枚印字)後、各剥離部材の剥離部を目視で観察し、トナーの固着状態を以下の4段階の基準に従い評価した。
◎:トナーの固着が全く認められない。
○:トナーの固着がほとんど認められない。
△:トナーの固着がわずかに認められる。
×:トナーの固着が顕著に認められる。
[4]被覆層の膜厚の減少(耐久印字後)
前記各実施例および各比較例の剥離部材を備えた画像形成装置について、耐久印字(A4サイズ:5万枚印字)後、各剥離部材の剥離部先端の被覆層の剥離および磨耗による膜厚の減少度合い(剥離量および磨耗量の大小)を顕微鏡により観察し、以下の4段階の基準に従い評価した。
◎:被覆層の膜厚の減少はほとんど認められない。
○:被覆層の膜厚の減少がわずかに認められる。
△:被覆層の膜厚の減少が認められる部分が1〜9箇所ある。
×:被覆層の膜厚の減少が顕著に認められる部分がある。または、被覆層の膜厚の減少が認められる部分が10箇所以上ある。
以上の[1]〜[4]の評価結果を、下記表1にまとめて示す。
Figure 2006313280
表1から明らかなように、本発明の実施例1〜6では、いずれも、剥離部材の耐擦傷性、耐摩耗性に優れ、耐久印字後においても、剥離部材に剥離部へのトナーの固着や印字された記録媒体での画像すじの発生は、認められなかった。
これに対し、比較例1〜3では、剥離部材の耐擦傷性、耐摩耗性が劣り、印字された記録媒体に画像すじが発生しており、剥離部材へのトナーの固着も認められた。
これらの結果から、本発明の剥離部材は、優れた耐久性を有することが確認された。
本発明の定着装置を備えた本発明の画像形成装置の全体構成図である。 図1に示す定着装置の一部破断面を示す斜視図である。 図2に示す定着装置の要部横断面図である。 図2に示す剥離部材の斜視図である。 図2に示す剥離部材の取付状態を示す側面図である。 図2に示す定着装置を上面から見た正面図である。 本発明の剥離部材の構成例を示す部分横断面図である。 本発明の剥離部材の構成例を示す部分横断面図である。
符号の説明
1…画像形成装置 2…装置本体 3…像担持体 4…帯電装置 5…露光装置 6…ロータリー現像装置 6Y…イエロー用現像装置 6M…マゼンタ用現像装置 6C…シアン用現像装置 6K…ブラック用現像装置 6a…現像ローラ 7…中間転写装置 8…支持フレーム 9…駆動ローラ 10…従動ローラ 11…中間転写ベルト 12…一次転写ローラ 13…転写ベルトクリーナ 14…二次転写ローラ 15…給紙カセット 16…ピックアップローラ 17…記録媒体搬送路 19…定着装置 20…排紙トレイ 21…定着ローラ 21a…熱源 21b…筒体 21c…弾性層 21d…回転軸 22…加圧ローラ 22b…筒体 22c…弾性層 22d…回転軸 23…両面印刷用搬送路 24…ハウジング 25…軸受 26…加圧レバー 27…加圧スプリング 28…駆動ギヤ 29、30…支持軸 31…剥離部材 31a…剥離部 31b…折曲部 31c…支持片 31d…嵌合穴 31e…ガイド部 311…基材 310…エッジ部 312…中間層 313…被覆層 32…剥離部材 32a…剥離部 32e…ガイド部 33…スプリング N…ニップ部

Claims (15)

  1. 熱源を有する定着ローラと、該定着ローラに圧接される加圧ローラとを備え、回転する前記定着ローラおよび前記加圧ローラ間のニップ部に記録媒体を挟持し、搬送する定着装置の、前記定着ニップ部の記録媒体搬送方向下流側に設置される剥離部材であって、
    板片状の基材と、該基材の外面を覆うように設けられた被覆層とを有し、
    前記基材の前記定着ニップ部に近接する側のエッジ部に、丸み付けまたは面取りが施されていることを特徴とする剥離部材。
  2. 前記基材は、金属材料または硬質樹脂材料で構成されている請求項1に記載の剥離部材。
  3. 前記基材は、その表面に粗面化処理が施されている請求項1または2に記載の剥離部材。
  4. 前記基材の前記エッジ部付近の表面粗さRaが0.03〜1.5μmである請求項1ないし3のいずれかに記載の剥離部材。
  5. 前記基材の前記エッジ部付近の表面粗さRaが0.03〜1.5μmであり、かつ、表面粗さRzが0.8〜15μmである請求項1ないし3のいずれかに記載の剥離部材。
  6. 前記被覆層は、フッ素系樹脂を含む材料で構成される請求項1ないし5のいずれかに記載の剥離部材。
  7. 前記被覆層は、塗布法により形成されたものである請求項1ないし6のいずれかに記載の剥離部材。
  8. 前記被覆層は、ディッピングまたはスプレーコートにより形成されたものである請求項1ないし6のいずれかに記載の剥離部材。
  9. 前記被覆層の厚さが0.1〜150μmである請求項1ないし8のいずれかに記載の剥離部材。
  10. 前記基材と前記被覆層との間に中間層を有する請求項1ないし9のいずれかに記載の剥離部材。
  11. 前記中間層は、前記被覆層の構成材料を含む材料で構成されている請求項1ないし10のいずれかに記載の剥離部材。
  12. 前記中間層は、前記被覆層を構成する樹脂材料と、結合材とを含む材料で構成されている請求項1ないし11のいずれかに記載の剥離部材。
  13. 前記中間層は、塗布法により形成されたものである請求項1ないし12のいずれかに記載の剥離部材。
  14. 請求項1ないし13のいずれかに記載の剥離部材を備えたことを特徴とする定着装置。
  15. 請求項14に記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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