JP2003321139A - 帯電防止ベルト - Google Patents

帯電防止ベルト

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JP2003321139A
JP2003321139A JP2003050006A JP2003050006A JP2003321139A JP 2003321139 A JP2003321139 A JP 2003321139A JP 2003050006 A JP2003050006 A JP 2003050006A JP 2003050006 A JP2003050006 A JP 2003050006A JP 2003321139 A JP2003321139 A JP 2003321139A
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belt
yarn
conductive
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conductive yarn
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Toshiaki Koga
稔章 古賀
Arata Hasegawa
新 長谷川
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Mitsuboshi Belting Ltd
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Mitsuboshi Belting Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベルトの搬送面を補強すると共にベルト全体
のしなやかさを失わせたり、ベルトを構成するエラスト
マーの物性を変えることなくベルトに導電性を付与する
ことができ、導電性付与材などを配合することにより発
生する搬送物の汚れなども引き起こすことがなく、ベル
ト自身が伸縮性を有しているとともにベルトに瞬間的に
かかる大きなトルクに対しても導電糸が切断することが
ない帯電防止ベルトを提供する。 【解決手段】 エラストマー2中に導電糸を用いた編布
3を埋設した帯電防止ベルト1であり、導電糸4が撚糸
であるとともに前記編布3をベルトの搬送面側に一部が
露出するように配置した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は静電気が発生しても
すぐに放電することができてベルトが帯電することのな
い帯電防止ベルトにかかわり、軸間距離調整機構を持た
ないレイアウトで用いられるベルトであってATM、自
動改札機、両替機、現金支払機等において紙幣や磁気カ
ードを読取り、搬送するために用いられる紙葉類搬送用
に好適なベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】ATM、自動改札機など紙幣や切符など
のカード、紙葉類を搬送するベルトは、多軸レイアウト
にて用いられることが多く、ベルトの背面同士をあわせ
て、その間に紙幣、切符などの紙葉類を挟持した状態で
搬送するといった使用法で使われているので、上下両方
のベルトが常に接触し擦れ合っているので静電気が発生
しやすい形態であるといえる。
【0003】また、ON、OFFを繰り返すような走行
パターンがとられる場合は、ベルト同士の接触、剥離が
常時繰り返されるために、なおさらのこと静電気の発生
は顕著であるといえる。
【0004】また、このような用途のベルトではベルト
を巻きかけるプーリの軸間距離が固定でベルトの伸縮性
を利用して輪ゴムをかけるようにベルトをプーリ間のか
けるというような場合が多く、ベルト自身が伸縮性を有
したベルトである。
【0005】このような軸間距離調整機構を持たないレ
イアウトで用いられる紙葉類搬送用ベルトは、ベルト取
り付け時にベルトが容易に伸縮する必要があるが、伸縮
性を有するように、ロープや織布等の抗張体となるもの
を埋設していない弾性体単体のベルトが使用されてい
た。しかしながら弾性体単体のベルトはベルトのモジュ
ラスが低く、起動時などで急激なトルクがかかるショッ
クロード時にベルトがはずれてしまう問題がある。
【0006】この問題を解消するためにベルトのモジュ
ラスを高めるべくカーボン等の補強材によりモジュラス
をある程度上げることは可能である。しかし、ベルトの
製造時におけるゴム練りや圧延、また、ベルトの研磨作
業が困難となるという欠点がある。また、カーボンによ
りモジュラスを上げると、ゴム硬度が上昇してしまいベ
ルトのしなやかさが失われるという問題も出てくる。
【0007】このため、近年においてはベルトのモジュ
ラスを向上させるために、編み立て機で筒状に編んだ編
布や袋織り布を埋設したベルトが用いられている。
【0008】一方、ベルトに導電性を付与するためにベ
ルトを構成するゴム等のエラストマー中に導電性の配合
剤を混入して導電性を持たせ、発生した静電気によって
ベルトが帯電するのを防止するという方法が挙げられ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記のような搬送用ベ
ルトが発生した静電気を逃がすことができずに帯電して
しまうと、搬送物である紙幣やカード、切符などの紙葉
類がベルトに貼りついてしまって目的通りの搬送が行え
なくなるといった問題がある。また、帯電したベルトか
ら高い電圧にて放電が起こった場合に、紙幣やカード、
切符などの搬送装置を制御する機器に悪影響を及ぼすこ
とも考えられる。例えば、ベルト周辺に配置されている
紙幣やカードなどの読取り装置において高い耐電圧での
放電が起こると読取りエラーとなるなどの問題があっ
た。そこで、ベルトを帯電させることなく早い段階で放
電できるようなベルトが必要であった。
【0010】そこでゴム等のエラストマーのみでできた
ベルトの場合には、エラストマー中に例えばカーボンブ
ラックや第4級アンモニウム化合物などの導電性付与剤
を配合することによって帯電防止効果を得る方法がある
が、得られる帯電防止効果にバラツキが多く、所定量を
配合したベルトであっても十分な帯電防止効果が得られ
ない場合があったりするなど問題があった。
【0011】また、配合剤を混入することによってエラ
ストマーの物性にも影響し、例えばカーボンブラックの
場合はベルトを構成するエラストマーの硬度が上昇しす
ぎてベルトのしなやかさも失われ、搬送物との間の摩擦
係数が低下したり搬送性能に影響が出たりするといった
問題がある。またカーボンブラックも含めて他の配合剤
を混入した場合にも、ベルト表面からブリードした配合
剤が搬送物に付着して汚れてしまうといった好ましくな
い問題も発生する。
【0012】そこで、本発明はこのような従来の問題点
に着目して成されたものであり、紙葉類を搬送するベル
トに導電性を与えて静電気の帯電を防止すると共に、ベ
ルトを構成するエラストマーの硬度を上昇させたりベル
トの伸縮性を失ったりすることなく、確実に通電性を付
与し、また搬送物を汚してしまうことのない帯電防止ベ
ルトの提供を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1は上記
のような目的を達成するために、エラストマー中に補強
材として導電糸を編み込んだ編布を埋設した帯電防止ベ
ルトにおいて、導電糸が撚糸であるとともに、前記編布
をベルトの搬送面側に配置したことを特徴とする帯電防
止ベルト。
【0014】このように撚糸である導電糸を編み込んだ
編布をベルトの補強材として用いたことによって、ベル
トの表面の硬度を上げて搬送物との間の摩擦係数を低下
させたりベルト全体のしなやかさを失わせたり、ベルト
を構成するエラストマーの物性を変えることなくベルト
に導電性を付与することができる。そして、導電性付与
材などを配合することにより発生する搬送物の汚れなど
も引き起こすことがない。また、編布をベルトの補強材
として用いていることと編布に編みこんだ導電糸も撚糸
を用いていることから、ベルト自身が伸縮性を有してお
り、軸間距離を調節することができないタイプのシステ
ムにも用いることができる。
【0015】請求項2では、導電糸がウーリー加工され
た原糸と導電性を有する原糸を撚り合わせた糸である帯
電防止ベルトとしている。
【0016】導電糸がウーリー加工された原糸と導電性
を有する原糸との撚糸を用いていることで、編布の伸縮
性を阻害することがなく、しかも撚っていることで導電
性を有する原糸が糸のいろいろな向きに現出することに
なり、そのような糸を編み込んだ編布をベルトの搬送面
に配置することによって、確実にベルトの表面に導電性
を有する原糸を露出させることができるのでベルトの帯
電防止効果は良好なものにすることができる。
【0017】請求項3では導電糸がフィラメント原糸と
導電性を有する原糸を撚り合わせた糸である帯電防止ベ
ルト。
【0018】フィラメント原糸と導電性を有する原糸と
の撚糸を用いており、ウーリー加工糸を用いた場合より
は劣るもののある程度の伸縮性を持ち合わせている。ま
た、ウーリー加工糸を用いた場合と比べるとベルト単位
面積あたりの糸量が少なくなるので、ベルトをプーリに
巻きかけた際の軸加重を小さなものとすることができる
とともに、ベルトの曲げ剛性に関しても小さくすること
ができる。
【0019】請求項4ではエラストマーがミラブルウレ
タンである帯電防止ベルトとしている。ベルトにミラブ
ルウレタンを用いることによって、ベルトの耐摩耗性を
向上させることができるのでより寿命の長いベルトとす
ることができる。
【0020】請求項5ではミラブルウレタンは粘度(1
25℃)が30〜50の範囲のものである帯電防止ベル
トとしている。
【0021】ミラブルウレタンの粘度(125℃)が3
0〜50のものを用いることによって編布の表面にミラ
ブルウレタンが滲み出して露出するのを促進させること
ができ、ベルト表面のグリップ力を適度なものとするこ
とができる。
【0022】請求項6では導電性を有する糸が、ポリア
ミド繊維の内部にカーボン繊維を埋設配置した糸である
帯電防止ベルトとしている。
【0023】このような導電糸を用いることによって、
ポリアミドからなる糸からカーボンが剥がれて導電性が
失われることを防止することができ、長期に渡って帯電
防止の効果を持続させることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、添付図面にしたがって本発
明を説明する。図1は本発明の帯電防止ベルトである紙
葉類搬送用平ベルトの要部断面斜視図であり、図2は同
断面図である。
【0025】本発明の帯電防止ベルト(紙葉類搬送用平
ベルト)1は、エラストマーからなる本体2の搬送面側
に補強材として編布3が半埋設状態にて設けられてい
る。半埋設状態とは、編布3はエラストマーに一部が埋
没した状態で残りの部分が表面に露出した状態になって
いることをいう。
【0026】編布3をベルト本体2の搬送面側に積層し
半埋設状態することによってベルト搬送面の強度を補強
することができ、ベルトの摩耗やクラックの発生や引き
裂きといった故障を防止することができるものである。
また、本発明で用いる編布3は導電糸44を用いて編ま
れたものであり、この導電糸4によってベルトに導電性
を与えるとともに、ベルトの搬送面から露出しているの
でプーリなどに接触しベルトに滞留した静電気を放電す
ることができるので帯電を防止する効果を得られるもの
である。更に本発明ではこの導電糸4は撚糸を用いるこ
とを特徴としている。導電糸4を撚糸とすることで伸縮
性を持たせることができる。
【0027】例えばこのベルトを紙幣搬送用途のベルト
として用いていた場合、紙幣の詰まりなどで瞬時に大き
な力がベルトにかかってしまうことがある。導電糸の伸
縮性が小さなものであれば、前記の瞬時の力によって導
電糸が切断し通電性がなくなって帯電防止効果が失われ
てしまう。そこで本発明のように導電糸4を撚糸として
伸縮性を持たせることによってこのような問題を解消す
ることができるものである。
【0028】また、本発明では導電糸4として用いる撚
糸は、ウーリー加工をした導電性のない原糸と導電性を
有する原糸を併せて撚糸として用いることが伸縮性の面
からは好ましい。これは導電性を有する原糸にて伸縮性
をもたせるウーリー加工をすることは困難であることか
ら、導電性を持たないがウーリー加工をした原糸と、導
電性を有する原糸を併せて撚糸とすることによってコス
トを抑えるとともに導電糸4に十分な伸縮性を持たせる
ことができるものである。
【0029】ウーリー加工した原糸として用いられるの
は、ポリアミド、ポリエステルを挙げることができる。
また、導電糸4の中で導電性を有する原糸の占める割合
は10%〜30%の範囲であることが好ましい。導電性
を有する原糸の割合が10%より少なくなるとベルトの
搬送面における通電性が不十分になって帯電防止効果が
不足することになり、導電性を有する原糸の割合が30
%より多くなると、導電糸4の伸縮性が不十分になり糸
の切断といった問題が発生しやすくなるので好ましくな
い。
【0030】また、導電糸4は導電性のないフィラメン
ト原糸と導電性を有する原糸を併せて撚糸として用いる
こともでき、このような導電糸4を用いるとベルトの軸
加重を小さくすることができるほか、ベルトの曲げ剛性
も小さくすることができる。例えば、消費電力を抑える
といったことやベルトを駆動するモーターを小さなもの
にして機械をコンパクト化したりコストダウンを図った
りするような場合には好ましい形態であるということが
できる。フィラメント原糸の素材としてはポリアミド、
ポリエステルなどを挙げることができる。
【0031】編布3をエラストマーに半埋設状態とした
場合でも、埋設した場合と同様にベルト1の摩耗や引き
裂きといった問題を防止することができるとともに、搬
送面における摩擦係数を調整する役目を果たすこともで
きる。本発明ではこの編布3は導電糸4で構成されてベ
ルトに導電性を与えているが、編布3を半埋設状態とし
て一部を表面に露出させることによって、導電糸4も露
出しているので、よりベルトの帯電圧を外部に逃がしや
すい構成であるということができる。
【0032】導電糸4に用いる導電性を有する原糸5と
しては、ポリエステル繊維やポリアミド繊維からなるも
のであり、図3で示すようなフィラメント5aにカーボ
ン5bを被覆したものや、図4、図5に示すようにフィ
ラメント5a内に炭素繊維5bを複合したような導電性
を有する原糸5を挙げることができる。この導電性を有
する原糸5の二つの形態はどちらに限定されるというも
のでもないが、図3のような形態であると導電性を有す
る原糸5の表面が全てカーボンでできていることから導
電性の付与の効果が大きく、ベルトの帯電防止効果も大
きい。
【0033】一方、図4や図5に示すような形態である
とカーボン5bがフィラメント5aの内部で守られた状
態であり、ベルトとベルトが擦れ合うような用途で用い
たとしても、導電性を付与しているカーボンが削れてし
まったり剥離してしまったりするといったことがなく、
ベルトの導電性がより長く持続するので紙葉類搬送用ベ
ルトとしても、帯電の問題によるベルトの短命化を防止
することができるものである。
【0034】本発明の帯電防止ベルト1のベルト本体2
として用いることができるエラストマーとしては、特に
限定されるものではないが、水素化ニトリルゴム(HN
BR)、ニトリルゴム(NBR)、天然ゴム(NR)、
スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴ
ム(CR)、エチレン・プロピレン・ターポリマー(E
PT)、ミラブルウレタン、ウレタンなどを用いること
ができるが、表面の耐摩耗性に優れていることからミラ
ブルウレタンを用いることが好ましい。
【0035】また、ミラブルウレタンの中でも粘度(1
25℃)が30〜50の範囲内にあるものを用いること
によって、ベルトの製造工程において編布の表面にミラ
ブルウレタンが滲み出して露出するのを促進することが
でき、ベルト表面に適度なグリップ力を付与することが
できる。粘度(125℃)が30未満であると滲み出し
による露出はしやすくなるがベルトの強力、張力維持、
耐摩耗性といって物性が低下する。また、粘度(125
℃)が50を超えるとミラブルウレタンの滲み出し量が
少なくなりグリップ力が得られないので好ましくない。
【0036】その他、ベルト本体2のエラストマーには
必要に応じて、カーボンブラック、炭酸カルシウム、シ
リカ、可塑剤、着色剤、加硫剤、加硫促進剤、短繊維な
どを配合してもよい。短繊維に用いられる素材として
は、ポリアミド、ポリエステル、レーヨン、ガラス繊
維、カーボン繊維、アラミド繊維等が挙げられる。
【0037】
【実施例】次に、本発明の仕様の紙葉類搬送用ベルトと
従来のベルトとで、比較実験を行った。
【0038】(実施例1)実施例としては、ポリアミド
繊維からなるフィラメントにカーボンを埋め込んで複合
した図4に示すような導電性を有する原糸とポリアミド
のウーリー加工糸を撚って得た導電糸150deを編機
に通してニット編布を作成し、得られた編布を円筒形状
の内金型に被せた状態でミラブルウレタン製のシートを
巻きつけて外側にジャケットで覆い加硫缶に投入して加
熱・加圧し加硫してベルトスリーブとした。全体の糸の
中で導電糸の占める割合は2%とした。次いで所定幅に
カットして紙葉類搬送用ベルトを得た。ベルトの断面構
造は図1に示すようにベルトの搬送面側に導電糸を有す
る編布を埋設したものである。
【0039】導電糸の伸縮性を測定するとともにそのベ
ルトの抵抗値を測定した(測定方法:測定間100mm
/500V)その結果を表1に示す。
【0040】(実施例2)ポリアミド繊維からなるフィ
ラメントにカーボンを埋め込んで複合した図4に示すよ
うな導電性を有する原糸とポリアミドからなる導電性の
ないフィラメント原糸を撚り合わせた導電糸150de
とを一緒に編機に通してニット編布を作成した以外は実
施例と全く同じ方法で紙葉類搬送用ベルトを製造した。
【0041】実施例と同様に導電糸の伸縮性を測定する
とともにベルトの抵抗値を測定した。その結果を表1に
示す。
【0042】(比較例)ポリアミド繊維からなるフィラ
メントにカーボンを埋め込んで複合した図4に示すよう
な導電性を有する原糸とポリアミドからなる糸を引き揃
えて得た導電糸150deとを一緒に編機に通してニッ
ト編布を作成した以外は実施例と全く同じ方法で紙葉類
搬送用ベルトを製造した。
【0043】実施例と同様に導電糸の伸縮性を測定する
とともにベルトの抵抗値を測定した。その結果を表1に
示す。
【0044】
【表1】
【0045】表1の結果からわかるように、導電糸とし
て導電性を有する原糸とウーリー加工した原糸を併せて
撚ったものを用いることで、導電糸の伸縮性は優れたも
のとなるのでベルトに瞬間的なトルクがかかったとして
も導電糸が切断してしまうといった問題を防止すること
ができる。また、搬送面における抵抗値に関しても、比
較例のベルトでは部分的に抵抗値の高いところが発生し
ているのに対して、実施例のベルトではベルト全体で抵
抗値のバラツキが少ないという結果になっている。
【0046】よって、実施例の紙葉類搬送用ベルトでは
静電気が発生したとしても導電糸を伝ってプーリや軸な
どに静電気を逃がして空中に放電することが確実にでき
るということができ、搬送時の搬送物の貼りつきといっ
た不具合や周辺機器への悪影響といった問題も低減する
ことができる。
【0047】
【発明の効果】以上のように本発明の請求項1では、エ
ラストマー中に補強材として導電糸を用いて編んだ編布
を埋設した帯電防止ベルトにおいて、導電糸が撚糸であ
るとともに、前記編布をベルトの搬送面側に配置したこ
とを特徴とする帯電防止ベルト。
【0048】このように撚糸である導電糸用いた編布を
ベルトの補強材として用いたことによって、ベルトの表
面の硬度を上げて搬送物との間の摩擦係数を低下させた
りベルト全体のしなやかさを失わせたり、ベルトを構成
するエラストマーの物性を変えることなくベルトに導電
性を付与することができる。そして、導電性付与材など
を配合することにより発生する搬送物の汚れなども引き
起こすことがない。また、編布をベルトの補強材として
用いていることと編布に編みこんだ導電糸も撚糸を用い
ていることから、ベルト自身が伸縮性を有しており、軸
間距離を調節することができないタイプのシステムにも
用いることができる。
【0049】請求項2では、導電糸がウーリー加工され
た原糸と導電性を有する原糸を撚り合わせた糸である帯
電防止ベルトとしている。
【0050】導電糸がウーリー加工された原糸と導電性
を有する原糸との撚糸を用いていることで、編布の伸縮
性を阻害することがなく、しかも撚っていることで導電
性を有する原糸が糸のいろいろな向きに現出することに
なり、そのような糸を編み込んだ編布をベルトの搬送面
に配置することによって、確実にベルトの表面に導電性
を有する原糸を露出させることができるのでベルトの帯
電防止効果は良好なものにすることができる。
【0051】請求項3では導電糸がフィラメント原糸と
導電性を有する原糸を撚り合わせた糸である帯電防止ベ
ルト。
【0052】フィラメント原糸と導電性を有する原糸と
の撚糸を用いており、ウーリー加工糸を用いた場合より
は劣るもののある程度の伸縮性を持ち合わせている。ま
た、ウーリー加工糸を用いた場合と比べるとベルト単位
面積あたりの糸量が少なくなるので、ベルトをプーリに
巻きかけた際の軸加重を小さなものとすることができる
とともに、ベルトの曲げ剛性に関しても小さくすること
ができる。
【0053】請求項4ではエラストマーがミラブルウレ
タンである帯電防止ベルトとしている。ベルトにミラブ
ルウレタンを用いることによって、ベルトの耐摩耗性を
向上させることができるのでより寿命の長いベルトとす
ることができる。
【0054】請求項5ではミラブルウレタンは粘度(1
25℃)が30〜50の範囲のものである帯電防止ベル
トとしている。
【0055】ミラブルウレタンの粘度(125℃)が3
0〜50のものを用いることによって編布の表面にミラ
ブルウレタンが滲み出して露出するのを促進させること
ができ、ベルト表面のグリップ力を適度なものとするこ
とができる。
【0056】請求項6では導電性を有する糸が、ポリア
ミド繊維の内部にカーボン繊維を埋設配置した糸である
帯電防止ベルトとしている。
【0057】このような導電糸を用いることによって、
ポリアミドからなる糸からカーボンが剥がれて導電性が
失われることを防止することができ、長期に渡って帯電
防止の効果を持続させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の帯電防止ベルトの一例を示す要部断面
斜視図である。
【図2】本発明の帯電防止ベルトの一例を示す断面図で
ある。
【図3】導電糸の断面図である。
【図4】導電糸の別の例を示す断面図である。
【図5】導電糸の更に別の例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 帯電防止ベルト(紙葉類搬送用平ベルト) 2 ベルト本体(エラストマー) 3 編布 4 導電糸 5 導電性を有する原糸 5a フィラメント 6b カーボン

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エラストマー中に補強材として導電糸を
    編み込んだ編布を埋設した帯電防止ベルトにおいて、導
    電糸が撚糸であるとともに前記編布をベルトの搬送面側
    に配置したことを特徴とする帯電防止ベルト。
  2. 【請求項2】 導電糸がウーリー加工された原糸と導電
    性を有する原糸を撚り合わせた糸である請求項1記載の
    帯電防止ベルト。
  3. 【請求項3】 導電糸がフィラメント原糸と導電性を有
    する原糸を撚り合わせた糸である請求項1記載の帯電防
    止ベルト。
  4. 【請求項4】 エラストマーがミラブルウレタンである
    請求項1〜3記載の帯電防止ベルト。
  5. 【請求項5】 ミラブルウレタンは粘度(125℃)が
    30〜50の範囲のものである請求項4記載の帯電防止
    ベルト。
  6. 【請求項6】 導電糸が、ポリアミド繊維の内部にカー
    ボン繊維を埋設配置した糸である請求項1〜5記載の帯
    電防止ベルト。
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