JP2003246482A - 紙葉類搬送用ベルト - Google Patents

紙葉類搬送用ベルト

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JP2003246482A
JP2003246482A JP2002052441A JP2002052441A JP2003246482A JP 2003246482 A JP2003246482 A JP 2003246482A JP 2002052441 A JP2002052441 A JP 2002052441A JP 2002052441 A JP2002052441 A JP 2002052441A JP 2003246482 A JP2003246482 A JP 2003246482A
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Toshiaki Koga
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Arata Hasegawa
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 搬送面の表面に繊維補強材の一部が露出して
いても目立つことがなく、ベルトの走行によって搬送面
の繊維補強材が摩耗してもエラストマーと同じ色を保つ
ことができ、長期にわたって良好な外観を保持すること
ができる紙葉類搬送用ベルトを提供する。 【解決手段】 エラストマー2からなるベルトの搬送面
側に少なくともその一部が露出するように繊維補強材3
を埋設した紙葉類搬送用ベルト1において、前記繊維補
強材3を構成する原糸5として内部までエラストマー2
と実質的に同色の繊維を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ATM、自動改札
機、両替機、現金支払機等において紙幣や磁気カードを
読取り、搬送するために用いられる紙葉類搬送用に好適
に用いられるベルトにかかわり、特に軸間距離調整機構
を持たないレイアウトで用いられる伸縮性を有するベル
トにおいて外観に優れるとともにその外観を長期にわた
って維持することのできる紙葉類搬送用ベルトに関す
る。
【0002】
【従来の技術】ATM、自動改札機など紙幣や切符など
のカード、紙葉類を搬送するベルトは、多軸レイアウト
にて用いられることが多く、ベルトの背面同士をあわせ
て、その間に紙幣、切符などの紙葉類を挟持した状態で
搬送するといった使用法で使われているので、上下両方
のベルトが常に接触し擦れ合っているので静電気が発生
するといった問題があるとともにベルトを構成する材料
が摩耗しやすい形態であるといえる。
【0003】また、ON、OFFを繰り返すような走行
パターンがとられる場合は、ベルト同士の接触、剥離が
常時繰り返されるために、なおさらのこと摩耗や静電気
の発生は顕著であるといえる。
【0004】このため、近年においてはベルトのモジュ
ラスを向上させるためや、搬送面の表面における摩擦係
数の調整や帯電防止を持たせるために、編み立て機で筒
状に編んだ編布などをはじめとする繊維補強材をその一
部がベルトの表面から露出するように埋設したベルトが
用いられている。帯電防止効果を求める場合は繊維補強
材を構成する糸に導電糸を用いて、その導電糸をプーリ
やその他のものに接触させることによって、ベルトに発
生した静電気を放電させている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のような搬送面に
繊維補強材として編布などを一部露出させている状態で
埋設したような搬送用ベルトは、まず、ベルトの主体を
構成するエラストマーの色と、搬送面から部分的に露出
している編布の色が異なる色であると、ベルトの搬送面
上にランダムに編布の色が点在するような外観となり、
良好なものであるということはできなかった。
【0006】更に、ベルトが走行を開始すると搬送面に
おいて、ベルトと搬送物との間での摩擦や、上下のベル
ト間での摩擦が起こってベルトの表面は摩耗してしま
う。そのときに搬送面の表面に露出している編布も摩耗
してしまうことになる。
【0007】そこで、本発明はこのような従来の問題点
に着目して成されたものであり、紙葉類を搬送するベル
トであって、帯電防止などの目的のために搬送面に編布
を一部露出した状態で埋設したベルトの搬送面における
外観を良好にするとともに、ベルトの長期使用により搬
送面に露出した編布が摩耗したとしても、摩耗により編
布の色が変わってしまうことがない紙葉類搬送用ベルト
の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1は上記
のような目的を達成するために、エラストマーからなる
ベルトの搬送面側に少なくともその一部が露出するよう
に繊維補強材を埋設した紙葉類搬送用ベルトにおいて、
前記繊維補強材を構成する原糸は内部までエラストマー
と実質的に同色の繊維を用いたことを特徴とする。
【0009】繊維補強材を構成する糸としてエラストマ
ーと同色の繊維を用いていることによって、搬送面の表
面に繊維補強材の一部が露出していても目立つことがな
く外観の良好なベルトとすることができ、且つ原糸の内
部まで同色となっているのでベルトの走行によって搬送
面の繊維補強材が摩耗してもエラストマーと同じ色を保
つことができ、長期にわたって良好な外観を保持するこ
とができる。
【0010】請求項2では、エラストマーにはカーボン
ブラックが配合されおり、繊維補強材を構成する原糸は
内部まで黒色の繊維を用いた紙葉類搬送用ベルトとして
いる。
【0011】エラストマーにカーボンブラックを配合す
ることによって、ベルトの着色とともに補強効果を得る
こともできる。また繊維補強材も黒色とすることによっ
て、汚れの目立ちにくいベルトとすることができる。
【0012】請求項3では繊維補強材を構成するする原
糸が、溶解したポリマーに黒色の着色剤を配合すること
によって着色した糸を用いている紙葉類搬送用ベルトと
している。
【0013】内部まで色むらのない原糸とすることが可
能であり、繊維補強材が摩耗した後であってもより外観
に変化のないベルトを得ることができる。
【0014】請求項4では繊維補強材として編布を用い
た紙葉類搬送用ベルトとしており、ベルト自身に伸縮性
を与えることができるので、軸間距離調整機構を持って
いないようなレイアウトのベルト駆動システムにおいて
も、ベルト自身の伸縮性を利用して必要な張力を持って
巻きかけることができるとともにある程度のモジュラス
も有していることからベルトの外れといった問題も解消
できる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、添付図面にしたがって本発
明を説明する。図1は本発明の帯電防止ベルトである紙
葉類搬送用平ベルトの要部断面斜視図であり、図2は同
断面図である。
【0016】本発明の紙葉類搬送用平ベルト1は、エラ
ストマーからなるベルト本体2の搬送面側に繊維補強材
として編布3が半埋設状態にて設けられている。半埋設
状態とは、編布3はエラストマーに一部が埋没した状態
で残りの部分が表面に露出した状態になっていることを
いう。
【0017】編布3をベルト本体2の搬送面側に埋設す
ることによってベルト搬送面の強度を補強することがで
き、ベルトの摩耗やクラックの発生や引き裂きといった
故障を防止することができるものである。編布3をエラ
ストマーに半埋設状態とした場合でも、埋設した場合と
同様にベルト1の摩耗や引き裂きといった問題を防止す
ることができるとともに、搬送面における摩擦係数を調
整する役目を果たすこともできる。
【0018】この編布3は前記のような摩耗、クラック
の防止だけでなく、ベルトに帯電防止効果を得るために
導電性を持たせることも可能である。本発明では編布3
を半埋設状態として一部を表面に露出させる形態を採っ
ているので、導電糸4も露出しているので、よりベルト
の帯電圧を外部に逃がしやすい構成であるということが
できる。
【0019】本発明ではこの編布3を構成する原糸とし
て、糸の表面から内部にいたるまでベルトを構成するエ
ラストマーと略同じ色を有する糸を用いている。そうす
ることによって、まずベルトが新しい状態のときにも搬
送面の表面で露出した編布が目立って外観を損ねるとい
った問題はなく、更にベルトの搬送面に露出した編布3
が搬送物や相手側のベルトとの間で擦れあって摩耗した
としても、やはりエラストマーの色と同色であることか
ら、引き続き良好な外観を保持することができるもので
ある。
【0020】本発明の紙葉類搬送用ベルト1のベルト本
体2として用いることができるエラストマーとしては、
特に限定されるものではないが、水素化ニトリルゴム
(HNBR)、ニトリルゴム(NBR)、天然ゴム(N
R)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、クロロプ
レンゴム(CR)、エチレン・プロピレン・ターポリマ
ー(EPT)、ミラブルウレタン、ウレタンなどを用い
ることができるが、表面の耐摩耗性に優れていることか
らミラブルウレタンを用いることが好ましい。
【0021】また、ミラブルウレタンの中でも粘度(1
25℃)が30〜50の範囲内にあるものを用いること
によって、ベルトの製造工程において編布の表面にミラ
ブルウレタンが滲み出して露出するのを促進することが
でき、ベルト表面に適度なグリップ力を付与することが
できる。粘度(125℃)が30未満であると滲み出し
による露出はしやすくなるがベルトの強力、張力維持、
耐摩耗性といって物性が低下する。また、粘度(125
℃)が50を超えるとミラブルウレタンの滲み出し量が
少なくなりグリップ力が得られないので好ましくない。
【0022】その他、ベルト本体2のエラストマーには
必要に応じて、カーボンブラック、炭酸カルシウム、シ
リカ、可塑剤、着色剤、加硫剤、加硫促進剤、短繊維な
どを配合してもよい。短繊維に用いられる素材として
は、ポリアミド、ポリエステル、レーヨン、ガラス繊
維、カーボン繊維、アラミド繊維等が挙げられる。
【0023】このようなエラストマーの呈する色に合わ
せて編布3を構成する原糸も色のついた糸を用いる。表
面のみならず内部にまで色のついた原糸としては、次の
ようなものを用いることができる。
【0024】原糸を製造する際に、溶解したポリマーに
黒色の着色剤を配合したものを用いて製造することによ
って、糸を表面のみならず内部に渡って着色した原糸が
挙げられる。このような方法で着色された原糸では、内
部でも色むらが少なく、ベルトの搬送面における外観が
編布の摩耗により損なわれるのを防止するといった目的
からすれば、非常に良好な外観を維持することができる
ものということができる。
【0025】編布3として用いられるのはポリエステル
繊維、ポリアミド繊維、綿などの繊維からなり、平編、
ゴム編、インレイ編などの編み方で編まれた編布であ
り、本発明においてはその編布を構成する原糸が、表面
から内部にいたるまで前記のようにベルト本体を形成す
るエラストマーと略同色に着色されている。また、個々
までの説明では編布を用いた例を挙げているが、繊維補
強材は編布に限られるものではなく、ポリエステル繊
維、ポリアミド繊維、綿などの繊維からなる平織り、綾
織、朱子織などの織布を使用することもできる。
【0026】ただし、編布を用いた場合はベルト自身に
伸縮性を持たせることができるので、例えば軸間距離調
整機構のないレイアウトのベルト駆動システムにおいて
使用するような場合に、輪ゴムのようにプーリに巻きか
けることができるとともに、繊維補強材を用いていない
総ゴムのベルトに比べるとある程度のモジュラスを有し
ているので急激なトルクがかかったときなどのベルトの
はずれを防止することができるという点で有利である。
【0027】また、繊維補強材3に帯電防止効果を持た
せる場合は、例えば繊維補強材3を導電糸4にて構成
し、その導電性を有する部分を搬送面から露出させるこ
とによってベルトに導電性を持たせることができるの
で、例えばプーリやその他の部材に放出することができ
て帯電を防止することができる。
【0028】その場合、繊維補強材3を構成する糸のす
べてに導電性を有する糸を用いる必要はなく、導電性を
有する原糸と非導電性の原糸とを組み合わせて撚糸した
ような導電糸を用いることが可能である。
【0029】繊維補強材3を導電糸4にて構成しベルト
に帯電防止効果を持たせるためには、全体の糸に占める
導電性を有する原糸の割合は2〜6%の範囲内とするこ
とが帯電防止効果とコスト面とのバランスを考えた上で
は好ましいといえる。
【0030】導電糸4に用いる導電性を有する原糸5と
しては、ポリエステル繊維やポリアミド繊維からなるも
のであり、図3で示すようなフィラメント5aにカーボ
ン5bを被覆したものや、図4、図5に示すようにフィ
ラメント5a内に炭素繊維5bを複合したような導電性
を有する原糸5を挙げることができる。この導電性を有
する原糸5の二つの形態はどちらに限定されるというも
のでもないが、図3のような形態であると導電性を有す
る原糸5の表面が全てカーボンでできていることから導
電性の付与の効果が大きく、ベルトの帯電防止効果も大
きい。
【0031】一方、図4や図5に示すような形態である
とカーボン5bがフィラメント5aの内部で守られた状
態であり、ベルトとベルトが擦れ合うような用途で用い
たとしても、導電性を付与しているカーボンが削れてし
まったり剥離してしまったりするといったことがなく、
ベルトの導電性がより長く持続するので紙葉類搬送用ベ
ルトとしても、帯電の問題によるベルトの短命化を防止
することができるものである。
【0032】もちろんこのような導電性を有する原糸に
あっても、糸の表面のみならず内部に至るまでベルト本
体を形成するエラストマーの色と略同色に着色されたも
のを用いることが必要となる。導電性を持たせるために
カーボンを用いた導電糸を使用する場合は、カーボン自
身の色が黒であることから、エラストマーの色と編布3
の色がともに黒であることが好ましい。
【0033】更に、導電糸4として撚糸を用いることに
よって導電糸4に伸縮性を持たせることができる。例え
ばこのベルトを紙幣搬送用途のベルトとして用いていた
場合、紙幣の詰まりなどで瞬時に大きな力がベルトにか
かってしまうことがある。導電糸の伸縮性が小さなもの
であれば、前記の瞬時の力によって導電糸が切断し通電
性がなくなって帯電防止効果が失われてしまう。そこで
本発明のように導電糸4を撚糸として伸縮性を持たせる
ことによってこのような問題を解消することができるも
のである。
【0034】また、導電糸4として用いる撚糸は、ウー
リー加工をした導電性のない原糸と導電性を有する原糸
を併せて撚糸として用いることが好ましい。これは導電
性を有する原糸にて伸縮性をもたせるウーリー加工をす
ることは困難であることから、導電性を持たないがウー
リー加工をした原糸と、導電性を有する原糸を併せて撚
糸とすることによってコストを抑えるとともに導電糸4
に十分な伸縮性を持たせることができるものである。
【0035】ウーリー加工した原糸として用いられるの
は、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維からなるものを
挙げることができる。
【0036】ウーリー加工した原糸として用いられるの
は、ポリアミド、ポリエステルを挙げることができる。
また、導電糸4の中で導電性を有する原糸の占める割合
は10%〜30%の範囲であることが好ましい。導電性
を有する原糸の割合が10%より少なくなるとベルトの
搬送面における通電性が不十分になって帯電防止効果が
不足することになり、導電性を有する原糸の割合が30
%より多くなると、導電糸4の伸縮性が不十分になり糸
の切断といった問題が発生しやすくなるので好ましくな
い。
【0037】
【実施例】次に、本発明の仕様の紙葉類搬送用平ベルト
において用いる繊維補強材の着色方法を変えたベルトを
作成して比較実験を行った。
【0038】(実施例)実施例としては、ポリエステル
繊維からなるフィラメントにカーボンを埋め込んで複合
した図4に示すような導電性を有する原糸と、糸を製造
する際にポリマー内に黒色の着色剤を配合して作成した
ポリエステル製のウーリー加工糸を撚って得た導電糸1
50deを編機に通してニット編布を作成し、得られた
編布を円筒形状の内金型に被せた状態でミラブルウレタ
ン製のシートを巻きつけて外側にジャケットで覆い加硫
缶に投入して加熱・加圧し加硫してベルトスリーブとし
た。次いで所定幅にカットして紙葉類搬送用ベルトを得
た。ベルトの断面構造は1に示すようにベルトの搬送面
側に導電糸を有する編布を埋設したものである。
【0039】(比較例1)比較例1としては、実施例に
おいて糸を製造する際にポリマー内に黒色の着色剤を配
合して作成したポリエステル製のウーリー加工糸の代わ
りにポリエステル製のウーリー加工した白地の原糸15
0deの表面を黒色に染色したものを用いた以外は実施
例と同様にニット編布を作成し、得られた編布を円筒形
状の内金型に被せた状態でミラブルウレタン製のシート
を巻きつけて外側にジャケットで覆い加硫缶に投入して
加熱・加圧し加硫してベルトスリーブとした。次いで所
定幅にカットして紙葉類搬送用ベルトを得た。ベルトの
断面構造は図1に示すようにベルトの搬送面側に導電糸
を有する編布を埋設したものである。
【0040】(比較例2)比較例2としては、実施例に
おいて糸を製造する際にポリマー内に黒色の着色剤を配
合して作成したポリエステル製のウーリー加工糸の代わ
りにポリエステル製のウーリー加工した白地の原糸15
0deを用いて編機を通し、得られた編布をゴム糊にて
浸漬処理して乾燥させたものを用いた以外は実施例と同
様に編布を作成し、得られた編布を円筒形状の内金型に
被せた状態でミラブルウレタン製のシートを巻きつけて
外側にジャケットで覆い加硫缶に投入して加熱・加圧し
加硫してベルトスリーブとした。次いで所定幅にカット
して紙葉類搬送用ベルトを得た。ベルトの断面構造は図
1に示すようにベルトの搬送面側に導電糸を有する編布
を埋設したものである。
【0041】実施例および比較例1、2のベルトを図6
に示すような駆動プーリ10(φ18mm)と3つの従
動プーリ(φ18mm)に巻きかけた2本のベルトの搬
送面同士を接触させ、50℃、30%RHの環境下で1
0時間走行させ、走行後の搬送面の状態を観察した。そ
の結果を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】表1の結果からわかるように、原着糸を用
いた実施例では、ベルトの走行後に搬送面に摩耗が発生
しているにもかかわらず色の変化はなく、外観は良好な
状態を保っている。それに対して比較例1と比較例2に
ついては、ベルトが走行して摩耗するに伴って表面の染
色剤やゴム糊の部分が剥がれて編布を構成する糸の地色
が搬送面に現れて外観を低下させていることがわかる。
【0044】
【発明の効果】以上のように本発明の請求項1では、エ
ラストマーからなるベルトの搬送面側に少なくともその
一部が露出するように繊維補強材を埋設した紙葉類搬送
用ベルトにおいて、前記繊維補強材を構成する原糸は内
部までエラストマーと実質的に同色の繊維を用いたこと
を特徴とする。
【0045】繊維補強材を構成する糸としてエラストマ
ーと同色の繊維を用いていることによって、搬送面の表
面に繊維補強材の一部が露出していても目立つことがな
く外観の良好なベルトとすることができ、且つ原糸の内
部まで同色となっているのでベルトの走行によって搬送
面の繊維補強材が摩耗してもエラストマーと同じ色を保
つことができ、長期にわたって良好な外観を保持するこ
とができる。
【0046】請求項2では、エラストマーにはカーボン
ブラックが配合されおり、繊維補強材を構成する原糸は
内部まで黒色の繊維を用いた紙葉類搬送用ベルトとして
いる。
【0047】エラストマーにカーボンブラックを配合す
ることによって、ベルトの着色とともに補強効果を得る
こともできる。また繊維補強材も黒色とすることによっ
て、汚れの目立ちにくいベルトとすることができる。
【0048】請求項3では繊維補強材を構成するする原
糸が、溶解したポリマーに黒色の着色剤を配合すること
によって着色した糸を用いている紙葉類搬送用ベルトと
している。
【0049】内部まで色むらのない原糸とすることが可
能であり、繊維補強材が摩耗した後であってもより外観
に変化のないベルトを得ることができる。
【0050】請求項4では繊維補強材として編布を用い
た紙葉類搬送用ベルトとしており、ベルト自身に伸縮性
を与えることができるので、軸間距離調整機構を持って
いないようなレイアウトのベルト駆動システムにおいて
も、ベルト自身の伸縮性を利用して必要な張力を持って
巻きかけることができるとともにある程度のモジュラス
も有していることからベルトの外れといった問題も解消
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の紙葉類搬送用ベルトの一例を示す要部
断面斜視図である。
【図2】本発明の紙葉類搬送用ベルトの一例を示す断面
図である。
【図3】導電糸の断面図である。
【図4】導電糸の別の例を示す断面図である。
【図5】導電糸の更に別の例を示す断面図である。
【図6】試験のレイアウトを示す図である。
【符号の説明】
1 紙葉類搬送用平ベルト 2 ベルト本体(エラストマー) 3 繊維補強材(編布) 4 導電糸 5 導電性を有する原糸 5a フィラメント 6b カーボン 10 駆動プーリ 11 従動プーリ 12 従動プーリ 13 従動プーリ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エラストマーからなるベルトの搬送面側
    に少なくともその一部が露出するように繊維補強材を埋
    設した紙葉類搬送用ベルトにおいて、前記繊維補強材を
    構成する原糸は内部までエラストマーと実質的に同色の
    繊維を用いたことを特徴とする紙葉類搬送用ベルト。
  2. 【請求項2】 エラストマーにはカーボンブラックが配
    合されおり、繊維補強材を構成する原糸は内部まで黒色
    の繊維を用いた請求項1記載の紙葉類搬送用ベルト。
  3. 【請求項3】 繊維補強材を構成するする原糸が、溶解
    したポリマーに黒色の着色剤を配合することによって着
    色した原糸を用いている請求項1〜2記載の紙葉類搬送
    用ベルト。
  4. 【請求項4】 繊維補強材が編布である請求項1〜3記
    載の紙葉類搬送用ベルト。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7464809B2 (en) 2005-04-26 2008-12-16 Nitta Corporation Flat belt

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