JP7319851B2 - 搬送ベルト - Google Patents

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Description

本発明は、搬送ベルトに関する。
架橋ゴム組成物でベルト本体が形成された搬送ベルトが知られている。特許文献1~3には、界面活性剤を含有する架橋ゴム組成物でベルト本体が形成された紙葉類搬送ベルトが開示されている。
特開2006-016209号公報 特開2007-153461号公報 特開2010-111493号公報
本発明の課題は、耐摩耗性が優れる搬送ベルトを提供することである。
本発明は、ベルト背面が搬送面及びベルト内周面がプーリ接触面とされた搬送ベルトであって、前記ベルト背面を構成する部分及び/又は前記ベルト内周面を構成する部分が、ゴム成分と、フッ素系界面活性剤と、ペンタエリスリトールエステルとを含有する架橋ゴム組成物で形成されている。
本発明によれば、搬送面であるベルト背面を構成する部分及び/又はプーリ接触面であるベルト内周面を構成する部分を形成する架橋ゴム組成物がフッ素系界面活性剤を含有していることにより、優れた耐摩耗性を得ることができる。
実施形態に係る紙葉類搬送ベルトの一片の斜視図である。 実施形態に係る紙葉類搬送ベルトの製造方法の第1の説明図である。 実施形態に係る紙葉類搬送ベルトの製造方法の第2の説明図である。 実施形態に係る紙葉類搬送ベルトを一対用いた紙葉類搬送装置の構成を示す図である。 実施形態に係る紙葉類搬送ベルトの第1の変形例の一片の斜視図である。 実施形態に係る紙葉類搬送ベルトの第2の変形例の一片の斜視図である。 実施形態に係る紙葉類搬送ベルトの第3の変形例の一片の斜視図である。 実施形態に係る紙葉類搬送ベルトの第4の変形例の一片の斜視図である。 実施形態に係る紙葉類搬送ベルトの第5の変形例の一片の斜視図である。 実施形態に係る紙葉類搬送ベルトの第6の変形例の一片の斜視図である。 ベルト走行試験機のプーリレイアウトを示す図である。
以下、実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、実施形態に係る紙葉類搬送ベルトBを示す。実施形態に係る紙葉類搬送ベルトBは、ベルト背面が搬送面及びベルト内周面がプーリ接触面とされた帯状の平ベルトである。実施形態に係る紙葉類搬送ベルトBは、例えば、ATM(Automatic Teller Machine)やCD(Cash Dispenser)などの現金預金支払機、自動改札装置、プリンター等において、紙幣、利用明細、切符、定期券、用紙等の紙葉類の搬送に用いられる。実施形態に係る紙葉類搬送ベルトBは、例えば、長さが50mm以上1500mm以下、幅が8mm以上50mm以下、及び厚さが0.5mm以上2mm以下である。
実施形態に係る紙葉類搬送ベルトBは、ベルト背面を構成する部分及びベルト内周面を構成する部分を含むベルト本体10と、そのベルト本体10の表層に埋設された芯体補強布11とを備える。
ベルト本体10は、架橋ゴム組成物で形成されている。この架橋ゴム組成物は、ゴム成分とフッ素系界面活性剤とを含有する。実施形態に係る紙葉類搬送ベルトBによれば、搬送面であるベルト背面を構成する部分及びプーリ接触面であるベルト内周面を構成する部分を含むベルト本体10を形成する架橋ゴム組成物がフッ素系界面活性剤を含有していることにより、搬送物との擦れ合いに対して搬送面の優れた耐摩耗性を得ることができるとともに、プーリとの擦れ合いに対してプーリ接触面の優れた耐摩耗性を得ることができる。
ゴム成分としては、例えば、ミラブルウレタンゴム、エチレン-α-オレフィンエラストマー、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、ニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等が挙げられる。ゴム成分は、これらのうちの1種又は2種以上を含むことが好ましく、搬送面及びプーリ接触面の優れた耐摩耗性を得る観点から、ミラブルウレタンゴムを主体として含むことがより好ましい。ゴム成分がミラブルウレタンゴムを主体として含む場合、ゴム成分におけるミラブルウレタンゴムの含有量は、搬送面及びプーリ接触面の優れた耐摩耗性を得る観点から、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、最も好ましくは100質量%である。
ミラブルウレタンゴムは、未架橋状態では、ポリオールとポリイソシアナートとの反応で得られるプレポリマーであって、一般のバルクゴムと同様、ロール、バンバリーミキサー、ニーダー等の混練機を用いてゴム配合剤と混練することにより未架橋ゴム組成物を調製することができ、また、架橋剤の有機過酸化物で架橋させることにより架橋ゴム組成物を形成することができる。
ミラブルウレタンゴムのポリオール成分としては、例えば、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール等が挙げられる。ポリオール成分は、これらのうちの1種又は2種以上を含むことが好ましく、搬送面及びプーリ接触面の優れた耐摩耗性を得る観点から、ポリカプロラクトンポリオール及びポリカーボネートポリオールのうちの少なくとも一方を含むことがより好ましく、ポリカプロラクトンポリオール及びポリカーボネートポリオールの両方を含むことが更に好ましい。
ポリカプロラクトンポリオールとしては、例えば、ポリカプロラクトングリコール、ポリカプロラクトントリオール、ポリカプロラクトンテトラオール等が挙げられる。ポリカプロラクトンポリオールは、これらのうちの1種又は2種以上を含むことが好ましく、搬送面及びプーリ接触面の優れた耐摩耗性を得る観点から、ポリカプロラクトングリコールを含むことがより好ましい。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、ジアルキルカーボネートとジオールとの反応生成物が挙げられる。ジアルキルカーボネートとしては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどのジアルキルカーボネート;ジフェニルカーボネートなどのジアリールカーボネート;エチレンカーボネートなどのアルキレンカーボネート等が挙げられる。ジオールとしては、例えば、1,4-ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,5-ペンタンジオール等が挙げられる。また、ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、ポリカーボネートグリコール、ポリカーボネートトリオール、ポリカーボネートテトラオール等も挙げられる。ポリカーボネートポリオールは、これらのうちの1種又は2種以上を含むことが好ましい。
ポリイソシアネート成分としては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、1,4-ブタンジイソシアネートなどのジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート;水素添加キシリレンジイソシアネート、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4-シクロヘキサンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネート;トリレンジイソシアネート、2,2’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート等が挙げられる。ポリイソシアネート成分は、これらのうちの1種又は2種以上を含むことが好ましい。
ミラブルウレタンゴムの架橋に用いられる架橋剤の有機過酸化物としては、例えば、ジクミルパーオキサイド、α,α’-ビス(t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン等が挙げられる。有機過酸化物は、これらのうちの1種又は2種以上を含むことが好ましく、搬送面及びプーリ接触面の優れた耐摩耗性を得る観点から、ジクミルパーオキサイドを含むことがより好ましい。有機過酸化物の配合量は、搬送面及びプーリ接触面の優れた耐摩耗性を得る観点から、未架橋のゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上10質量部以下、より好ましくは3質量部以上8質量部以下である。
フッ素系界面活性剤は、パーフルオロアルキル基を有する界面活性剤である。パーフルオロアルキル基は、搬送面及びプーリ接触面の優れた耐摩耗性を得る観点から、炭素骨格が直鎖状であることが好ましい。パーフルオロアルキル基の炭素骨格における炭素数は、搬送面及びプーリ接触面の優れた耐摩耗性を得る観点から、好ましくは3以上9以下、より好ましくは5以上7以下である。
フッ素系界面活性剤は、ノニオン性フッ素系界面活性剤、アニオン性フッ素系界面活性剤、及びカチオン性フッ素系界面活性剤のうちの1種又は2種以上を含むことが好ましく、搬送面及びプーリ接触面の優れた耐摩耗性を得る観点から、ノニオン性フッ素系界面活性剤を含むことがより好ましい。また、フッ素系界面活性剤は、搬送面及びプーリ接触面の優れた耐摩耗性を得る観点から、エチレンオキシド付加物を含むことが好ましい。
架橋ゴム組成物におけるフッ素系界面活性剤の含有量は、搬送面及びプーリ接触面の優れた耐摩耗性を得る観点から、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上3質量部以下、より好ましくは0.5質量部以上2質量部以下、更に好ましくは0.8質量部以上1.5質量部以下である。
なお、市販のフッ素系界面活性剤には、例えば、AGCセイミケミカル社製のサーフロンシリーズがある。
架橋ゴム組成物は、搬送面及びプーリ接触面の優れた耐摩耗性を得る観点から、ペンタエリスリトールエステルを含有することが好ましい。ペンタエリスリトールエステルは、同様の観点から、ペンタエリスリトールトリエステル及びペンタエリスリトールテトラエステルのうちの少なくとも一方を含むことが好ましく、ペンタエリスリトールテトラエステルを含むことがより好ましい。
ペンタエリスリトールエステルは、搬送面及びプーリ接触面の優れた耐摩耗性を得る観点から、ペンタエリスリトールと脂肪酸とのエステルを含むことが好ましい。ここで、脂肪酸は、同様の観点から、炭素数が12以上の高級脂肪酸であることが好ましい。脂肪酸は、同様の観点から、飽和脂肪酸であることが好ましい。脂肪酸は、同様の観点から、直鎖脂肪酸であることが好ましい。
ペンタエリスリトールエステルとしては、例えば、ペンタエリスリトールトリパルミテート、ペンタエリスリトールテトラパルミテート、ペンタエリスリトールトリステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールトリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールトリモンタネート、ペンタエリスリトールテトラモンタネート等が挙げられる。ペンタエリスリトールエステルは、これらのうちの1種又は2種以上を含むことが好ましく、搬送面及びプーリ接触面の優れた耐摩耗性を得る観点から、ペンタエリスリトールトリステアレート及びペンタエリスリトールテトラステアレートのうちの少なくとも一方を含むことがより好ましく、ペンタエリスリトールテトラステアレートを含むことが更に好ましい。
架橋ゴム組成物におけるペンタエリスリトールエステルの含有量は、搬送面及びプーリ接触面の優れた耐摩耗性を得る観点から、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上5質量部以下、より好ましくは1.5質量部以上4.5質量部以下、更に好ましくは2質量部以上4質量部以下である。架橋ゴム組成物におけるペンタエリスリトールエステルの含有量は、同様の観点から、フッ素系界面活性剤の含有量よりも多いことが好ましい。架橋ゴム組成物におけるペンタエリスリトールエステルの含有量のフッ素系界面活性剤の含有量に対する比(ペンタエリスリトールエステルの含有量/フッ素系界面活性剤の含有量)は、同様の観点から、好ましくは0.5以上5.0以下、より好ましくは1.5以上4.5以下、更に好ましくは2.0以上4.0以下である。
架橋ゴム組成物は、その他に、導電性カーボンブラック、可塑剤、難燃剤、難燃助剤、滑剤、加工助剤、加水分解安定剤等を含有していてもよい。
芯体補強布11を構成する布としては、例えば、織布、編布、不織布が挙げられる。芯体補強布11は、これらのうちの伸縮性に富む編布で構成されていることが好ましい。芯体補強布11を形成する糸としては、例えば、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、ビニロン繊維、アラミド繊維等の単独糸若しくは混合糸、又は、それらとウレタン糸との複合伸縮糸が挙げられる。芯体補強布11は、継ぎ目なく筒状に形成されたシームレスであることが好ましい。芯体補強布11には、ベルト本体10との接着のための接着処理が施されていることが好ましい。なお、芯体補強布11は、その一部がベルト背面に露出していてもよい。
実施形態に係る紙葉類搬送ベルトBは、公知の方法により製造することができる。具体的には、まず、未架橋のゴム成分とフッ素系界面活性剤及び架橋剤の有機過酸化物を含むゴム配合剤と混練して塊状の未架橋ゴム組成物を得た後、その塊状の未架橋ゴム組成物をカレンダ加工してシート状に成形することにより未架橋ゴムシート10’を作製し、また、筒状の芯体補強布11を作製する。次いで、図2Aに示すように、円筒金型20の外周面に芯体補強布11を被せ、その上に、未架橋ゴムシート10’を巻き付ける。続いて、図2Bに示すように、それらを加熱及び加圧してゴム成分を架橋させることにより円筒状のスラブSを成型する。このとき、未架橋ゴムシート10’が加熱及び加圧により流動して芯体補強布11を浸透することにより、芯体補強布11が表層に埋設される。そして、その円筒状のスラブSを円筒金型20から脱型した後、所定幅に輪切りして裏返す。
図3は、実施形態に係る紙葉類搬送ベルトBを一対用いた紙葉類搬送装置30の一例を示す。
この紙葉類搬送装置30は、第1及び第2ベルト駆動系31,32を備える。第1ベルト駆動系31は、側面視で横長長方形状のレイアウトを形成するように配置された4個の第1プーリ311と、それらの第1プーリ311に巻き掛けられた第1の紙葉類搬送ベルトBとを有する。第2ベルト駆動系32は、側面視で逆三角形状のレイアウトを形成するように配置された3個の第2プーリ321と、それらの第2プーリ321に巻き掛けられた第2の紙葉類搬送ベルトBとを有する。第1及び第2ベルト駆動系31,32は、第1の紙葉類搬送ベルトBにおける上側の一対の第1プーリ311間の部分のベルト背面に、第2の紙葉類搬送ベルトBにおける側面視の左上の第2プーリ321から最下位置の第2プーリ321を介して右上の第2プーリ321までV字状に巻き掛けられた部分のベルト背面がベルト長さ方向に沿って当接するとともに、第1の紙葉類搬送ベルトBを下方にV字状に押し込むように配置されている。そして、この紙葉類搬送装置30では、第1及び第2ベルト駆動系31,32の第1及び第2プーリ311,321を反対向きに回転させて第1及び第2の紙葉類搬送ベルトBを反対向きに走行させ、それにより第1及び第2の紙葉類搬送ベルトBにおけるベルト背面が当接した部分で、それらのベルト背面間に紙葉類Sを挟んで搬送する。
なお、上記実施形態では、ベルト本体10の表層に埋設された芯体補強布11を備えた紙葉類搬送ベルトBとしたが、特にこれに限定されるものではなく、図4Aに示すように、芯体補強布11が無く、ベルト本体10のみを備えた紙葉類搬送ベルトBであってもよく、また、図4Bに示すように、芯体補強布11の代わりに、ベルト本体10の厚さ方向の中央部に埋設された心線12を備えた紙葉類搬送ベルトBであってもよい。
上記実施形態では、ベルト本体10が単一の架橋ゴム組成物で形成された紙葉類搬送ベルトBとしたが、特にこれに限定されるものではなく、図5Aに示すように、ベルト本体10が、外周側の伸張ゴム層101と、内周側の圧縮ゴム層102とを有し、ベルト背面を構成する部分である伸張ゴム層101及び/又はプーリ接触面を構成する部分である圧縮ゴム層102が、ゴム成分とフッ素系界面活性剤とを含有する架橋ゴム組成物で形成された紙葉類搬送ベルトBであってもよく、また、図5Bに示すように、ベルト本体10が、伸張ゴム層101と圧縮ゴム層102との間に、心線12が埋設された接着ゴム層103を更に有する紙葉類搬送ベルトBであってもよい。
上記実施形態では、帯状の平ベルトの紙葉類搬送ベルトBとしたが、特にこれに限定されるものではなく、図6Aに示すように、ベルト本体10が、帯状の背面ゴム層104と、その内周側の中央にベルト長さ方向に延びるように設けられたVベルト状のガイド部105とを有し、ベルト背面を構成する部分及びプーリ接触面を構成する部分を含むベルト本体10が、ゴム成分とフッ素系界面活性剤とを含有する架橋ゴム組成物で形成された紙葉類搬送ベルトBであってもよい。また、図6Bに示すように、ベルト本体10が、背面ゴム層104と、その内周側にベルト長さ方向に一定ピッチで配設された歯部106とを有し、ベルト背面を構成する部分及びプーリ接触面を構成する部分を含むベルト本体10が、ゴム成分とフッ素系界面活性剤とを含有する架橋ゴム組成物で形成された歯付ベルトの紙葉類搬送ベルトBであってもよい。
上記実施形態では、一対の紙葉類搬送ベルトBのベルト背面間に紙葉類Sを挟んで搬送する紙葉類搬送装置30を示したが、特にこれに限定されるものではなく、単一の紙葉類搬送ベルトBのベルト背面に紙葉類を載せてローラーで押圧しながら搬送する構成であってもよく、また、単一の紙葉類搬送ベルトBのベルト背面に単に紙葉類を載せて搬送する構成であってもよい。
上記実施形態では、搬送面のベルト背面で紙葉類を搬送する紙葉類搬送ベルトBとしたが、特にこれに限定されるものではなく、搬送面のベルト背面で物品を搬送する搬送ベルトであれば、その他の用途のものであってもよい。
(平ベルト)
実施例1~4並びに比較例1~2の帯状の平ベルトを作製した。それぞれの構成は表1にも示す。
<実施例1>
ポリカプロラクトンポリオール及びポリカーボネートポリオールの両方をポリオール成分として含むミラブルウレタンゴムをゴム成分とし、そのゴム成分100質量部に対し、導電性カーボンブラックAを4質量部、導電性カーボンブラックBを20質量部、アジピン酸エステルエーテル系可塑剤5質量部、メタクリル酸エステル可塑剤3質量部、難燃剤の1,2-ビス(ブロモフェニル)エタン20質量部、難燃助剤の3酸化アンチモン7質量部、滑剤の脂肪酸カルシウム塩1質量部、加工助剤の高級脂肪酸の複合型アミド類0.5質量部、加水分解安定剤のカルボジイミド化合物2質量部、ノニオン性フッ素系界面活性剤A(サーフロンS-420 AGCセイミケミカル社製、直鎖状C13基含有、エチレンオキシド付加物)1質量部、及び架橋剤のジクミルパーオキサイド6.5質量部を配合して混練した未架橋ゴム組成物を調製した。また、ポリウレタン糸とポリエステル繊維との複合伸縮糸で形成した筒状の編布を作製した。そして、これらを用い、ミラブルウレタンゴムの架橋ゴム組成物で形成されたベルト本体の表層に編布の芯体補強布が埋設された上記実施形態の図1に示すのと同様の構成の平ベルトを作製し、それを実施例1とした。実施例1の平ベルトの長さは407mm、幅は10mm、及び厚さは0.65mmであった。
<実施例2>
ノニオン性フッ素系界面活性剤Aに代えて、別のノニオン性フッ素系界面活性剤B(サーフロンS-386 AGCセイミケミカル社製、直鎖状C13基含有)を配合したことを除いて、実施例1と同一構成の平ベルトを作製し、それを実施例2とした。
<比較例1>
ノニオン性フッ素系界面活性剤を配合していないことを除いて、実施例1及び2と同一構成の平ベルトを作製し、それを比較例1とした。
<実施例3>
滑剤の脂肪酸カルシウム塩に代えて、ペンタエリスリトールテトラステアレート(アフラックス54 ラインケミー社製)を、ゴム成分100質量部に対して3質量部配合したことを除いて、実施例1と同一構成の平ベルトを作製し、それを実施例3とした。なお、ペンタエリスリトールテトラステアレートの含有量のフッ素系界面活性剤の含有量に対する比(ペンタエリスリトールテトラステアレートの含有量/フッ素系界面活性剤の含有量)は3.0である。
<実施例4>
滑剤の脂肪酸カルシウム塩に代えて、ペンタエリスリトールテトラステアレート(アフラックス54 ラインケミー社製)を、ゴム成分100質量部に対して3質量部配合したことを除いて、実施例2と同一構成の平ベルトを作製し、それを実施例4とした。なお、ペンタエリスリトールテトラステアレートの含有量のフッ素系界面活性剤の含有量に対する比(ペンタエリスリトールテトラステアレートの含有量/フッ素系界面活性剤の含有量)は3.0である。
<比較例2>
ノニオン性フッ素系界面活性剤を配合していないことを除いて、実施例3及び4と同一構成の平ベルトを作製し、それを比較例2とした。
Figure 0007319851000001
(試験方法及び結果)
<摩擦係数>
実施例1~4及び比較例1~2のそれぞれの平ベルトについて、摩擦摩耗試験機(ヘイドン社製)を用い、相手材を普通紙として、搬送面であるベルト背面の摩擦係数を測定した。ベルト背面の摩擦係数は、表1に示す通り、実施例1で0.5、実施例2で0.6、及び比較例1で0.6であった。また、実施例3で0.4、実施例4で0.5、及び比較例2で0.6であった。
実施例1~4及び比較例1~2のそれぞれの平ベルトについて、摩擦摩耗試験機(ヘイドン社製)を用い、相手材を鉄材として、プーリ接触面であるベルト内周面の摩擦係数を測定した。ベルト内周面の摩擦係数は、表1に示す通り、実施例1で0.9、実施例2で1.0、及び比較例1で1.1であった。また、実施例3で0.7、実施例4で0.9、及び比較例2で1.0であった。
<ベルト走行試験>
図7は、ベルト走行試験機40を示す。このベルト走行試験機40は、一組のベルト走行部41を備える。一組のベルト走行部41のそれぞれは、外径が14mmの一対の平プーリ41aで構成されている。一組のベルト走行部41は、それぞれの一対の平プーリ41aに、平ベルトBが巻き掛けられて所定のベルト張力が負荷されたとき、それらの平ベルトBが、ベルト長さ方向を共通にして、ベルト背面同士が一部分接触するように配置されている。
実施例1~4及び比較例1~2のそれぞれの一組の平ベルトBについて、12Nのベルト張力を負荷して上記ベルト走行試験機40にセットした。そして、一方のベルト走行部41で、駆動側の平プーリ41を1300rpmの回転数で回転させてベルト走行させるとともに、他方のベルト走行部41でも、駆動側の平プーリ41を一方のベルト走行部41とは逆方向に1300rpmの回転数で回転させてベルト走行させた。
360時間のベルト走行後の平ベルトBのベルト背面及び平プーリ41のプーリ表面を目視により観察し、摩耗粉の粘着が全く認められないものをAA評価、摩耗粉の粘着がほとんど認められないものをA評価、及び摩耗粉の粘着が認められたものをB評価とした。その結果、実施例1及び2ではA評価、実施例3及び4ではAA評価、並びに比較例1及び2ではB評価であった。
本発明は、搬送ベルトの技術分野について有用である。
B 紙葉類搬送ベルト,歯付ベルト,平ベルト
P 紙葉類
S スラブ
10 ベルト本体
10’ シート
101 伸張ゴム層
102 圧縮ゴム層
103 接着ゴム層
104 背面ゴム層
105 ガイド部
106 歯部
11 芯体補強布
12 心線
20 円筒金型
30 紙葉類搬送装置
31 第1ベルト駆動系
311 第1プーリ
32 第2ベルト駆動系
321 第2プーリ
40 ベルト走行試験機
41 ベルト走行部
41a 平プーリ

Claims (11)

  1. ベルト背面が搬送面及びベルト内周面がプーリ接触面とされた搬送ベルトであって、
    前記ベルト背面を構成する部分及び/又は前記ベルト内周面を構成する部分が、ゴム成分と、フッ素系界面活性剤と、ペンタエリスリトールエステルと、を含有する架橋ゴム組成物で形成されている搬送ベルト。
  2. 請求項1に記載された搬送ベルトにおいて、
    前記ゴム成分がミラブルウレタンゴムを主体として含む搬送ベルト。
  3. 請求項2に記載された搬送ベルトにおいて、
    前記ゴム成分の前記ミラブルウレタンゴムのポリオール成分がポリカプロラクトンポリオール及びポリカーボネートポリオールの両方を含む搬送ベルト。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載された搬送ベルトにおいて、
    前記フッ素系界面活性剤のパーフルオロアルキル基の炭素骨格が直鎖状である搬送ベルト。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載された搬送ベルトにおいて、
    前記フッ素系界面活性剤のパーフルオロアルキル基の炭素骨格における炭素数が3以上9以下である搬送ベルト。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載された搬送ベルトにおいて、
    前記フッ素系界面活性剤がノニオン性フッ素系界面活性剤を含む搬送ベルト。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載された搬送ベルトにおいて、
    前記フッ素系界面活性剤がエチレンオキシド付加物を含む搬送ベルト。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載された搬送ベルトにおいて、
    前記ペンタエリスリトールエステルは、ペンタエリスリトールトリパルミテート、ペンタエリスリトールテトラパルミテート、ペンタエリスリトールトリステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールトリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールトリモンタネート、及びペンタエリスリトールテトラモンタネートのうちの1種又は2種以上を含む搬送ベルト。
  9. 請求項1乃至8のいずれかに記載された搬送ベルトにおいて、
    前記架橋ゴム組成物における前記ペンタエリスリトールエステルの含有量が、前記ゴム成分100質量部に対して0.5質量部以上5質量部以下である搬送ベルト。
  10. 請求項1乃至9のいずれかに記載された搬送ベルトにおいて、
    前記架橋ゴム組成物における前記ペンタエリスリトールエステルの含有量が、前記フッ素系界面活性剤の含有量よりも多い搬送ベルト。
  11. 請求項1乃至10のいずれかに記載された搬送ベルトにおいて、
    前記架橋ゴム組成物における前記ペンタエリスリトールエステルの含有量の前記フッ素系界面活性剤の含有量に対する比が0.5以上5.0以下である搬送ベルト。
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