JP2003313230A - ポリビニルアセタール及びその製法 - Google Patents

ポリビニルアセタール及びその製法

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JP2003313230A
JP2003313230A JP2002122977A JP2002122977A JP2003313230A JP 2003313230 A JP2003313230 A JP 2003313230A JP 2002122977 A JP2002122977 A JP 2002122977A JP 2002122977 A JP2002122977 A JP 2002122977A JP 2003313230 A JP2003313230 A JP 2003313230A
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polyvinyl acetal
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Toshiyuki Tanaka
俊行 田中
Yasuaki Miki
康彰 三木
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Mitsubishi Chemical Corp
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 保存安定性に優れたポリビニルアセタールを
提供する。 【構成】 原料のポリビニルアセタール又はその変性物
を酸性物質又はその塩と接触させる工程を経て得られた
ものであることを特徴とする、GPC測定によるポリス
チレン換算の重量平均分子量/数平均分子量で表される
分子量分布が5未満のポリビニルアセタール又はその変
性物、及びその製法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可塑剤、中間膜、
コーティング剤、バインダー、電気材料、接着剤、硬化
性樹脂改質剤等に用いることができるポリビニルアセタ
ール及びその製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】特開2001−98027号公報、同2
001−98165号公報、及び同2001−1055
46号公報には、可塑剤、中間膜、コーティング剤、バ
インダー、電気材料、接着剤、硬化性樹脂改質剤等に用
いることができる変性ポリビニルアセタール系樹脂が記
載されている。
【0003】ポリビニルアセタールは、通常、分子量分
布が広いため、保存条件により溶液粘度等が変動し一定
の品質を示さないという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、保存安定性
に優れたポリビニルアセタールを提供することを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に鑑み鋭意検討した結果、ポリビニルアセタール又はそ
の変性物を、酸性物質又はその塩と接触させることによ
り、分子量分布が狭く、かつ安定性のよいポリビニルア
セタールが得られることを見出し、本発明を完成するに
至った。
【0006】すなわち、本発明の要旨は、原料のポリビ
ニルアセタール又はその変性物を酸性物質又はその塩と
接触させる工程を経て得られたものであることを特徴と
する、GPC測定によるポリスチレン換算の重量平均分
子量/数平均分子量で表される分子量分布が5未満のポ
リビニルアセタール又はその変性物、及びその製法にあ
る。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明では原料ポリビニルアセタ
ールとして、ポリビニルアルコールとアルデヒドとから
製造される任意のものを用いることができる。アセター
ル化に供するポリビニルアルコールとしては、任意のも
のを用いることができる。このうち、重合度30〜30
00のものが好ましい。例えば、日本合成化学社製ゴー
セノールNL05として市販されているもの等を用いる
ことができる。
【0008】アルデヒドとしては、任意のものを用いる
ことができる。このうち、下記一般式(I)又は一般式
(II)で表されるもの、特に一般式(I)で表されるも
のが好ましい。アルデヒドは、1種類を用いても複数種
を併用してもよい。複数種を併用する際には、少なくと
もその一部として一般式(I)で表されるアルデヒドを
用いるのが好ましい。
【0009】
【化4】R1−CHO (I) (式中、R1は置換基を有していてもよい環式炭化水素
基を表す。)R1で表される環式炭化水素基は、飽和、
不飽和のいずれでもよく、炭素数7〜12のものが好ま
しい。R1としては、アリール基、アラルキル基、アリ
ールアルケニル基又はシクロアルキル基が挙げられる。
また、R1が有していてもよい置換基としては、塩素原
子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基等のアルキル
基;水酸基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ
基;アセトキシ基等のアシルオキシ基;アミノ基;メチ
ルアミノ基、エチルアミノ基等のアルキルアミノ基;ア
セチルアミノ基等のアシルアミノ基;カルボキシル基;
メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等のアル
コキシカルボニル基;フェニル基などが挙げられる。
【0010】一般式(I)で表されるアルデヒドとして
は、ベンズアルデヒド、1−ナフトアルデヒド、フェニ
ルアセトアルデヒド、フェニルプロピオンアルデヒド、
o−トルアルデヒド、p−トルアルデヒド、o−アニス
アルデヒド、m−アニスアルデヒド、p−アニスアルデ
ヒド、p−エチルベンズアルデヒド、o−クロロベンズ
アルデヒド、p−クロロベンズアルデヒド、ケイ皮アル
デヒド、シクロヘキサンカルボアルデヒド、シクロペン
タンカルボアルデヒド、シクロプロパンカルボアルデヒ
ド、ノルボルネンカルボアルデヒド、アダマンタンカル
ボアルデヒド等を挙げることができる。これらのうち、
ベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、フェニ
ルプロピオンアルデヒド、o−トルアルデヒド、又はp
−トルアルデヒドが好ましい。
【0011】一般式(I)で表されるアルデヒドは環状
構造を有しているので、生成するポリビニルアセタール
の誘電率や誘電正接を低減させたり、Tgを向上させる
ことができる。また、他の樹脂との相溶性、樹脂組成物
の粘度特性、及び硬化物の耐衝撃性も向上させることが
できる。
【0012】
【化5】R2−CHO (II) (式中、R2は水素原子又は置換基を有していてもよい
非環式炭化水素基を表す。) R2で表される非環式炭化水素基は、鎖状、分岐状のい
ずれでもよく、炭素数1〜10、特に1〜8が好まし
い。R2としては、メチル基、エチル基、プロピル基、
ブチル基、及びヘキシル基等が挙げられる。R2が有し
ていてもよい置換基としては、塩素等のハロゲン原子;
水酸基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;ア
セトキシ基等のアシルオキシ基;カルボキシル基;メト
キシカルボニル基、エトキシカルボニル基等のアルコキ
シカルボニル基などが挙げられる。
【0013】一般式(II)で表されるアルデヒドとして
は、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオン
アルデヒド、ブチルアルデヒド、カプロンアルデヒド、
カプリルアルデヒド、カプリンアルデヒド等が挙げられ
る。このうち、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、
ブチルアルデヒドが好ましい。ポリビニルアルコールと
アルデヒドとは、生成するポリビニルアセタール中に、
アルデヒドに由来する構造単位が30〜90モル%含ま
れるように反応させるのが好ましい。特に、一般式
(I)で表される環式アルデヒドに由来する構造単位が
5モル%以上含まれるように反応させるのが更に好まし
い。
【0014】アセタール化反応の触媒として用いる酸と
しては、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸;酢酸等のカル
ボン酸;p−トルエンスルホン酸等のスルホン酸などが
挙げられる。これらのうち、塩酸、硫酸、p−トルエン
スルホン酸が好ましい。酸は、アルデヒド1モルに対し
て、0.005〜0.2モルを用いるのが好ましい。溶
媒は、アセタール化反応に常用されているものであれ
ば、任意のものを用いることができる。好ましいのは、
ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、特
にトルエンである。溶媒は、ポリビニルアルコール10
0重量部に対して、100〜2000重量部、特に20
0〜1000重量部を用いるのが好ましい。
【0015】反応は、20〜90℃、特に30〜80℃
で、2〜10時間かけて行うのが好ましい。反応は、回
分方式又は連続方式のいずれの方式でも行うことができ
る。アセタール化反応の終了後、常法により、反応液か
らポリビニルアセタールを取得することができる。例え
ば、反応液にメタノール等の貧溶媒を加えてポリビニル
アセタールを析出させて取得する。なお、このポリビニ
ルアセタールをトルエン等の良溶媒に溶解した後、再び
先の貧溶媒で析出させる精製処理を施してもよい。ま
た、溶媒置換等により反応液からアルデヒドを十分に取
り除いた後、同一容器内でそのまま酸性物質又はその塩
との接触処理を行うことができる。
【0016】以上の方法により得られるポリビニルアセ
タールは、通常、GPC測定によるポリスチレン換算の
重量平均分子量/数平均分子量で表される分子量分布が
5以上となる。本発明では、上記で得られた未反応のア
ルデヒドの除去されたポリビニルアルコールを、通常は
そのまま酸性物質又はその塩で処理するが、所望なら
ば、これを更にジカルボン酸無水物などで変性して、変
性物として酸性物質又はその塩で処理してもよい。な
お、変性物も通常はGPC測定によるポリスチレン換算
の重量平均分子量/数平均分子量で表される分子量分布
が5以上となる。例えば、特開2001−98027号
公報記載の下記一般式(III)で表される変性されてい
てもよいポリビニルアセタールを酸性物質又はその塩で
処理することもできる。
【0017】
【化6】
【0018】(式中、R1及びR2は前記と同義であり、
3は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の2価
の炭化水素基を表す。a、b、c、d及びeは各構造単
位の占めるモル数であり、0<a≦85、0≦b≦8
0、0≦c≦50、0≦d≦30、かつ0<e≦50で
ある。) R3としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン
基、テトラメチレン基、シクロへキシレン基、ノルボル
ニレン基、ビニレン基、シクロヘキセニレン基、フェニ
レン基、及びナフチレン基等が挙げられる。
【0019】なお、上記式は、単にポリビニルアセター
ルの各構造単位の比を表すためのものであり、その配列
(例えばブロック構造等)を示すものではない。ポリビ
ニルアセタールと接触させる酸性物質としては、塩酸、
硫酸、リン酸、硼酸、炭酸、ポリリン酸等の無機酸;蟻
酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、トリフルオロ
酢酸、アクリル酸、メタクリル酸、コハク酸、マレイン
酸、フマル酸、マロン酸、フタル酸、安息香酸、イタコ
ン酸、アコニット酸等のカルボン酸;アミノ酸;p−ト
ルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメ
タンスルホン酸;フェノール等のフェノール類、カルボ
ン酸、スルホン酸又はフェノール性水酸基などの酸官能
基を有するイオン交換樹脂などが挙げられる。このう
ち、カルボン酸が好ましい。
【0020】また、ポリビニルアセタールと接触させる
酸性物質の塩としては、上記した酸性物質のナトリウ
ム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウ
ム、リチウム、亜鉛、ホウ素、アルミニウム、スズ塩等
が挙げられる。このうち、カルボン酸塩、特にカルボン
酸のアルカリ金属塩が好ましい。酸性物質又はその塩
は、1種類を用いても複数種を併用してもよい。
【0021】酸性物質又はその塩は、ポリビニルアセタ
ール又はその変性物100重量部に対して、0.1〜4
0重量部、特に1〜25重量部を用いるのが好ましい。
ポリビニルアセタール又はその変性物と酸性物質又はそ
の塩とを接触させるには、溶媒中にポリビニルアセター
ル又はその変性物を溶解又は分散させ、必要に応じ加
熱、攪拌しながら、酸性物質又はその塩を混合すればよ
い。次いでアセタール化反応に際しての反応液から、ポ
リビニルアセタールの取得と同様に操作することによ
り、目的とする分子量分布が5未満のポリビニルアセタ
ール又はその変性物を得ることができる。
【0022】分子量分布が狭くなる理由の詳細は明らか
ではないが、原料ポリビニルアセタールのGPC測定で
観察される2つのピークのうち、高分子側のピークが消
滅することから、アセタール化反応で形成された分子間
の架橋が消滅するためと推定している。溶媒としては、
原料のポリビニルアセタール又はその変性物を溶解でき
る任意のものを用いることができる。好ましくは、ポリ
ビニルアルコール又はその変性物及び酸性物質又はその
塩の両者を溶解できるメチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、トルエ
ン、N,N−ジメチルホルムアミド等を用いるのが好ま
しい。溶媒は、ポリビニルアセタール100重量部に対
して、50〜1000重量部、特に100〜500重量
部を用いるのが好ましい。
【0023】反応は、20〜160℃、特に50〜13
0℃で、0.5〜72時間かけて行うのが好ましい。な
お、原料のポリビニルアセタールが未変性のときは、酸
性物質又はその塩との接触処理の後に、又は接触処理と
同時に、ポリビニルアセタールと変性剤とを反応させて
残存する水酸基を修飾するのが好ましい。ポリビニルア
セタールを酸性物質又はその塩と接触させる際に、変性
剤を添加して、接触処理と水酸基の修飾とを同時に行う
のが、更に好ましい。
【0024】変性剤としては、酸無水物、イソシアネー
ト、アルキルクロリド、酸クロリド、ジヒドロピラン、
エチルビニルエーテル、シリルクロリド、シランカップ
リング剤等が挙げられ、このうち酸無水物が好ましい。
酸無水物としては、ポリビニルアセタールの変性に用い
られる任意のものを用いることができ、一般式(III)
中のR3に対応するものが好ましい。このような酸無水
物としては、無水フタル酸、ナフタレン−1,2−ジカ
ルボン酸無水物、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水
グルタル酸、無水トリメリット酸、シクロヘキサン−
1,2−ジカルボン酸無水物、4−シクロヘキセン−
1,2−ジカルボン酸無水物、4−メチル−シクロヘキ
サン−1,2−ジカルボン酸無水物、ノルボルナン−
2,3−ジカルボン酸無水物等のジカルボン酸の酸無水
物などが挙げられる。これらのうち、無水フタル酸、無
水コハク酸、無水マレイン酸が好ましい。
【0025】変性反応は、触媒の存在下でも、不存在下
でも行うことができる。触媒としては、ピリジン、ルチ
ジン、4−ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミ
ン、ジイソプロピルエチルアミン、N−エチルピペリジ
ン等の第3アミン;酢酸ナトリウム等の塩;硫酸、塩
酸、塩化亜鉛、過塩素酸等の無機酸などが挙げられる。
触媒は、酸無水物に対して、0.01〜1モル倍用いる
のが好ましい。
【0026】変性反応は、無溶媒でも行うことができる
が、溶媒中で行うのが好ましい。溶媒としては、トルエ
ン等の炭化水素類;メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトン等のケトン類;酢酸エチル等のエステル類;
N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;エーテル
類などが挙げられる。溶媒は、ポリビニルアセタールに
対して、1〜20重量倍、特に2〜10重量倍を用いる
のが好ましい。
【0027】変性反応は、30〜200℃、特に50〜
180℃で行うのが好ましい。変性反応終了後、反応液
から目的とする変性ポリビニルアセタールを常法により
取得することができる。なお、変性反応によっては、重
量平均分子量/数平均分子量で表される分子量分布はほ
とんど変化せず、分子量分布が5未満という狭い分子量
分布のものを得ることができる。
【0028】本発明に係るポリビニルアセタール又はそ
の変性物は、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量
(Mn)で表される分子量分布が5未満と狭いので、各
種溶剤との相溶性や保存安定性に優れている。分子量分
布は、1〜4であるのが好ましい。分子量分布が5以上
となると、溶剤との相溶性が劣り、また、加熱、乾燥な
どにより溶液粘度が変化するので、操作性に問題がでる
ことがある。
【0029】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更
に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限
り、これらの実施例に限定されるものではない。なお、
ポリビニルアセタールの水酸基価は、JIS K672
8に準拠して測定した。
【0030】変性ポリビニルアセタールの酸価は、変性
ポリビニルアセタール1.0gをジメチルホルムアミド
200mLに溶解し、自動滴定装置GT−05型(三菱
化学(株)製)を用い、0.5mol/Lエタノール性
水酸化カリウム溶液で滴定することにより測定した。数
平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)は、G
EL PERMIATION CHROMATOGRA
PH HLC8020−2(東ソー(株)製)を用い、
検量線:ポリスチレン標準サンプル、カラム:TSKg
el GMHx1(東ソー(株)製)×2本、カラム温
度:40℃、溶離液:テトラヒドロフラン、流速:1.
0mL/minの条件で、検出器として示差屈折計を用
い、測定した。粘度は、ポリマー2重量部をメチルエチ
ルケトン8重量部に溶解し、E型粘度計(東京計器
(株)製 VIsconic EHD)を用い、25℃で
測定した。
【0031】(製造例1)窒素雰囲気下、室温でトルエ
ン116.8重量部、ポリビニルアルコール(日本合成
化学社製、ゴーセノールNL05(商標))20重量
部、ベンズアルデヒド33.7重量部、ブチルアルデヒ
ド6.6重量部、及び35%塩酸1.1重量部を容器に
秤取り、内容物をゆっくり攪拌した。内温74.3℃ま
で85分かけて昇温させ、75±5℃で2時間保持し
た。次いで、35%塩酸3.2重量部を13分かけて添
加した。内温74.3℃に達してから7時間後に冷却し
た。45℃まで冷却後、酢酸ナトリウム5.3重量部の
メタノール39.5重量部溶液を加えて中和した。
【0032】更に攪拌しながらメタノール260重量部
を加えることにより粘稠なポリマーを析出させた。30
分静置後、上層液を吸引し除去し、次いでトルエン80
重量部を加えて、粘稠ポリマーを溶解させた。260重
量部のメタノールを加えてポリマーを析出させた後、上
層液を除去する操作を2回行った。得られたポリマーを
ジメチルホルムアミド86.2重量部に溶解し、減圧下
でメタノールを留去して、ポリビニルアセタールの3
1.57重量%ジメチルホルムアミド溶液を得た。
【0033】以下に、NMRのδ値を示す。1 H−NMR(300MHz DMSO−d6) δ:7.5〜7.2(d,芳香族H)、δ:5.9〜
5.4(d,メチンH)、δ:5.0〜3.6(m,水
酸基H)、(s,メチンH)、及び(d,メチンH)、
δ:2.2〜1.1(m,メチレンH)、δ:1.0〜
0.8(s,メチルH) 得られたポリビニルアセタールの水酸基価は115mg
KOH/gであった。
【0034】(実施例1)製造例1のポリビニルアセタ
ールのジメチルホルムアミド溶液を真空乾燥機で75
℃、24時間乾燥させて固形のポリビニルアセタールを
得た。このポリビニルアセタール10重量部をジメチル
ホルムアミド25重量部に溶解し、コハク酸1.5重量
部を加え、窒素雰囲気下100℃で4時間保持した。次
いで、溶液を水中に注入してポリマーを析出させ、水/
メタノールで洗浄し、真空乾燥機で70℃、24時間乾
燥した。得られたポリビニルアセタールのMnは70,
000、Mw/Mnは2.9であり、酸価は18mgK
OH/gであった。
【0035】(実施例2)実施例1において、コハク酸
1.5重量部とともに4−ジメチルアミノピリジン0.
45重量部を加えた以外は、実施例1と同様にしてポリ
ビニルアセタールを得た。得られたポリビニルアセター
ルのMnは76,000、Mw/Mnは2.1であり、
酸価は58mgKOH/gであった。
【0036】(比較例1)製造例1のポリビニルアセタ
ールジメチルホルムアミド溶液を真空乾燥機で75℃、
24時間乾燥させて固形のポリビニルアセタールを得
た。得られたポリビニルアセタールのMnは52,00
0、Mw/Mnは12.8であった。 (比較例2)実施例1において、コハク酸1.5重量部
を加えなかった以外は、実施例1と同様にしてポリビニ
ルアセタールを得た。得られたポリビニルアセタールの
Mnは53,000、Mw/Mnは14.1であった。
【0037】(実施例3)製造例1のポリビニルアセタ
ールジメチルホルムアミド溶液63.4重量部にジメチ
ルホルムアミド6.6重量部を加え、無水コハク酸1
3.9重量部、コハク酸3重量部を加え、100℃に昇
温し、4−ジメチルアミノピリジン0.9重量部を加
え、攪拌しながら窒素雰囲気下、100℃で4時間保持
した。次いで、溶液を水中にあけてポリマーを析出さ
せ、水/メタノールで洗浄し、真空乾燥機で70℃、2
4時間乾燥した。得られたポリビニルアセタール変性物
のMnは52,000、Mw/Mnは1.8であり、酸
価は78mgKOH/g、粘度は128cpであった。
次いで、このポリマーを真空乾燥機で100℃で12時
間乾燥させたところ、粘度は138cpとなった。 (比較例3)実施例3において、コハク酸を添加しなか
った以外は実施例3と同様にしてポリビニルアセタール
変性物を得た。得られたポリビニルアセタール変性物の
Mnは47,000、Mw/Mnは6.1であり、酸価
は81mgKOH/g、粘度は218cpであった。次
いで、このポリマーを真空乾燥機で100℃で12時間
乾燥させたところ、粘度は590cpとなった。
【0038】(実施例4)実施例3において、コハク酸
3重量部に代えて酢酸ナトリウム3重量部を加えた以外
は実施例3と同様にしてポリビニルアセタール変性物を
得た。得られたポリビニルアセタール変性物のMnは5
8,000、Mw/Mnは3.8であり、酸価は77m
gKOH/g、粘度は205cpであった。 (実施例5)実施例3において、コハク酸3重量部に代
えて濃塩酸3重量部を加えた以外は実施例3と同様にし
てポリビニルアセタール変性物を得た。得られたポリビ
ニルアセタール変性物のMnは52,000、Mw/M
nは3.1であり、酸価は115.5mgKOH/g、
粘度は169cpであった。
【0039】(実施例6)実施例3において、コハク酸
3重量部に代えて酢酸3重量部を加えた以外は実施例3
と同様にしてポリビニルアセタール変性物を得た。得ら
れたポリビニルアセタール変性物のMnは56,00
0、Mw/Mnは2.0であり、酸価は76mgKOH
/g、粘度は228cpであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J100 AF15 BA15H BC03 BC04 BC08 BC09 BC43 BC49 CA31 DA04 DA09 DA25 DA52 DA55 HA33 HA35 HA42 HB25 HB52 HB58 HB63 HC27 HC29 HC30 JA01 JA03 JA13

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料のポリビニルアセタール又はその変
    性物を酸性物質又はその塩と接触させる工程を経て得ら
    れたものであることを特徴とする、GPC測定によるポ
    リスチレン換算の重量平均分子量/数平均分子量で表さ
    れる分子量分布が5未満のポリビニルアセタール又はそ
    の変性物。
  2. 【請求項2】 原料のポリビニルアセタールを酸性物質
    又はその塩と接触させた後、変性剤と反応させて得られ
    たものであることを特徴とする、GPC測定によるポリ
    スチレン換算の重量平均分子量/数平均分子量で表され
    る分子量分布が5未満の変性されたポリビニルアセター
    ル。
  3. 【請求項3】 原料のポリビニルアセタールを酸性物質
    又はその塩の存在下に、変性剤と反応させて得られたも
    のであることを特徴とする、GPC測定によるポリスチ
    レン換算の重量平均分子量/数平均分子量で表される分
    子量分布が5未満の変性されたポリビニルアセタール。
  4. 【請求項4】 変性剤が、酸無水物であることを特徴と
    する請求項2又は3記載の分子量分布が5未満の変性さ
    れたポリビニルアセタール。
  5. 【請求項5】 原料のポリビニルアセタール又はその変
    性物が、GPC測定によるポリスチレン換算の重量平均
    分子量/数平均分子量で表される分子量分布が5以上で
    あることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載
    の分子量分布が5未満のポリビニルアセタール又はその
    変性物。
  6. 【請求項6】 原料のポリビニルアセタールが、ポリビ
    ニルアルコールと下記一般式 【化1】R1−CHO (I) (式中、R1は置換基を有していてもよい環式炭化水素
    基を表す。)及び/又は 【化2】R2−CHO (II) (式中、R2は水素原子又は置換基を有していてもよい
    非環式炭化水素基を表す。)で表されるアルデヒドとの
    アセタール化反応により得られるものであることを特徴
    とする請求項1乃至5のいずれかに記載の分子量分布が
    5未満のポリビニルアセタール又はその変性物。
  7. 【請求項7】 下記一般式(III)で表されるポリビニ
    ルアセタール又はその変性物を、酸性物質又はその塩と
    接触させる工程を経て得られたものであることを特徴と
    するGPC測定によるポリスチレン換算の重量平均分子
    量/数平均分子量で表される分子量分布が5未満のポリ
    ビニルアセタール又はその変性物。 【化3】 (式中、R1及びR2は前記と同義であり、R3は置換基
    を有していてもよい炭素数1〜20の2価の炭化水素基
    を表す。a、b、c、d及びeは各構造単位の占めるモ
    ル%であり、0<a≦85、0≦b≦80、0≦c≦5
    0、0≦d≦30、かつ0<e≦50である。)
  8. 【請求項8】 酸性物質が、カルボン酸であることを特
    徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の分子量分布
    が5未満のポリビニルアセタール又はその変性物。
  9. 【請求項9】 原料のポリビニルアセタール又はその変
    性物を酸性物質又はその塩と接触させることを特徴とす
    る、GPC測定によるポリスチレン換算の重量平均分子
    量/数平均分子量で表される分子量分布が5未満のポリ
    ビニルアセタール又はその変性物の製法。
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