JP2003313209A - 光ディスク用紫外線硬化型組成物及び該使用の光ディスク - Google Patents
光ディスク用紫外線硬化型組成物及び該使用の光ディスクInfo
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Abstract
には、銀または銀を主成分とする合金の薄膜に対する防
食性と変質防止能に優れ、かつ、擬似太陽光へ曝露した
場合には耐光性に優れる、貼り合わせ型光ディスクに使
用する貼り合わせ接着剤用の紫外線硬化型組成物の提
供。また、該組成物を使用した、信号の読み取りエラー
の増加や外観変化が抑制でき、かつ、黄色度変化量の低
減化で高耐光性とすることが可能なことにより高耐久性
である、銀または銀を主成分とする合金の薄膜で反射膜
または半透明膜を形成した貼り合わせ光ディスクの提
供。 【解決手段】 チオエーテル構造の置換基を有した特定
のフェノール系化合物を、組成物に対して、0.01〜
5質量%含有させた紫外線硬化型組成物とし、また、該
紫外線硬化型組成物を貼り合わせ接着剤用に使用するこ
とにより、貼り合わせ光ディスクとする。
Description
ディスクに関する。詳しくは、少なくとも1枚の光ディ
スク基板における情報記録層の最外層が銀または銀を主
成分とする合金の薄膜層である2枚の光ディスク基板を
その最外層面を対向させて紫外線硬化型組成物からなる
接着剤で貼合する貼り合わせ型光ディスクにおいて、銀
または銀合金薄膜層の変質化および光ディスク外見色の
変色化(黄変)を防止できる前記接着剤成分の技術に関
し、また同時に、前記変質化および変色化防止能を高度
に具備したものとする、貼り合わせ型光ディスクに対す
る耐久性改良の技術に関する。
は、DVD(ディジタルバーサタイルディスク又はディ
ジタルビデオディスク)がある。このDVDは、少なく
とも1枚の光ディスク基板には情報記録層を形成した、
2枚の光ディスク基板を貼り合わせる方法で作製し、そ
の貼り合わせ材としては、紫外線硬化型組成物からなる
接着剤を使用することが一般的である。ここで、情報記
録層とは、ポリカーボネート等の光ディスク用合成樹脂
基板に形成したピットと称する凹凸または相変化材料等
からなる層およびその上に形成した最外層としての、一
般的には金属または金属合金の薄膜である半透明膜また
は反射膜の層との積層体を指す。
り合わせる2枚の光ディスク基板の構成に基づき、各種
のタイプが存在する。例えば、「DVD−10」と称す
るものは、貼り合わせる2枚がそれぞれ、ポリカーボネ
ート基板の片面に記録情報に対応するピットと称する凹
凸を設け、その上に情報読み取り用のレーザー光反射膜
として、例えばアルミニウムの層を形成して情報記録層
としたものであり、また、「DVD−5」は、「DVD
−10」における1枚を情報記録層がない透明なポリカ
ーボネート基板そのものとしたものであり、また、「D
VD−9」は、1枚を、金または金を主成分とする合金
或いは銀または銀を主成分とする合金或いはケイ素化合
物等からなる半透明膜により情報記録層を形成したもの
である。さらには、「DVD−18」と称する、片面に
2層の情報記録層を有する基板を2枚貼り合わせた構造
のものもあり、これらは用途により使い分けられてい
る。
金またはケイ素化合物が主として使用されている。しか
し、金は材料の値段が非常に高くコスト面で不利であ
り、またケイ素化合物は成膜が非常に困難であるという
欠点が有って、他の代替え材料が模索されてきていた。
る合金は、光ディスクの読み取り光に用いられる波長領
域の反射率が他の金属に比べて高く、かつ価格が低いと
共に成膜が容易であるという長所を持つため、「DVD
−9」用の半透明膜に適しているとして着目された。し
かしながら、銀または銀を主成分とする合金は不安定で
あり、基板の貼り合わせ材として、従来のDVD用紫外
線硬化型接着剤を使用した場合にはDVDの耐久性を著
しく劣化させるという欠点が有り、問題があった。即
ち、その第一は、前記従来の接着剤使用によるDVDを
高温高湿環境下に長時間曝露した場合に、接着剤が銀ま
たは銀を主成分とする合金の表面を変質させて信号の読
み取りエラーの増加や外観不良などを生じさせるという
問題であり、第二は、該光ディスクの外見色を変色(黄
変)させるという問題であって、いずれも、貼り合わせ
型光ディスクの耐久性を低下・劣化させるものであっ
た。
案がなされている。例えば、銀または銀を主成分とする
合金の保護層として、吸水率が低いフッ素樹脂組成物を
コートすることが特開平9−11626公報に開示され
ている。しかし、該樹脂組成物は光ディスク基板に対す
る接着力が弱いと共に紫外線硬化型ではない。そのた
め、紫外線硬化型を採用している現行のDVD製造プロ
セスにおいて、DVD用の接着剤として使用することは
困難であり、実用性に欠けるものであった。
は、銀または銀を主成分とする合金の薄膜を形成した光
ディスクの耐久性(高温高湿環境曝露負荷後でのC1エ
ラー増加)の改良を、全塩素含有量の少ない原料から合
成したエポキシアクリレートを含有する紫外線硬化型組
成物で保護コーティング層を形成することにより可能と
するものであり、特開2000−230136号公報に
開示されている。しかしながら、発明者らの知見によれ
ば、該組成物をDVD用の貼り合わせ接着剤として使用
した場合には、接着力が弱いため衝撃などにより2枚の
基板が簡単に剥離してしまい、機械的強度が低い貼り合
わせ光ディスクしか得られず、実用に供し得ないもので
あった。
案としては、特開2001−226643公報に開示が
ある。その発明の構成および効果は、接着剤とする紫外
線硬化型組成物の重合性モノマー及び/又はオリゴマー
化合物成分の一部成分として、カルボキシル基を有する
モノマー、例えば、アクリルダイマー酸を、組成物に対
して0.1〜0.5質量%配合して接着剤を調製し、その使用
により貼り合わせ光ディスクを得る。これにより、接着
性が良好で、かつ高温高湿環境曝露負荷前後でのPIエ
ラー比(Parity of Inner Error Ratio)及び外観
特性が良好なDVDとすることができるとするものであ
る。しかしながら、発明者らの知見によれば、高温高湿
環境条件をさらに厳しくしたときの曝露負荷前後では、
PIエラー比が、未だ、大きく増加し、耐久性に問題が
有るというものであった。
の変色防止に関しては、未だ、具体的提案は見当たら
ず、改良すべき点として残存していた。
る合金がDVD用の半透明膜又は反射膜に利用可能であ
ったにも拘わらず、それに対する十分な変質防止能及び
光ディスクの外見変色防止能を有した貼り合わせ接着剤
用の紫外線硬化型組成物は無く、前記半透明膜または反
射膜を有する貼り合わせ型光ディスク:DVDを高耐久
性にするということは非常に困難であるというのが実情
であった。
み、本発明の目的は、銀または銀を主成分とする合金の
薄膜に対する防食性および変質化防止能を有すると共に
耐光性に優れることで太陽光曝露時での光ディスク外見
変色(黄変)が抑制可能な光ディスク基板の貼り合わせ
接着剤とする紫外線硬化型組成物の提供、また、その組
成物を使用することによる、高温高湿の過酷な環境条件
下に曝露した後でも信号の読み取りエラー(PIエラ
ー)比の増加や外観特性変化が抑制でき、かつ擬似太陽
光としてのキセノンランプ光照射前後での黄色度変化量
を小さくできることとの両者により高耐久性である、銀
または銀を主成分とする合金により半透明膜または反射
膜を形成した貼り合わせ光ディスクの提供である。
解決するために鋭意検討した結果、紫外線硬化型組成物
をチオエーテル構造の置換基を有した特定のフェノール
系化合物を含有したものとすることにより、銀または銀
を主成分とする合金の薄膜の防食性と変質化防止能を付
与することが可能となり、また、その組成物を貼り合わ
せ光ディスク用の貼り合わせ接着剤として使用すること
により、本発明の目的が達成できることを見出し、本発
明を完成させるに至った。
合開始剤とを含む紫外線硬化型組成物であって、下記一
般式(1)
ここで、Sはイオウ原子、Rはアルキル基を示す)基
を、Yは水素原子またはアルキル基を、さらに、mおよ
びnは、m=1〜5の整数、n=0又は1〜4の整数で
あって、m+n=5を、それぞれ、表わす〕で表わされ
るチオエーテル構造の置換基を有したフェノール系化合
物を、組成物に対して、0.01〜5質量%含有する紫
外線硬化型組成物である。
は最外層としての半透明膜または反射膜で構成される情
報記録層が形成されている2枚の光ディスク基板を紫外
線硬化型組成物で接着した貼り合わせ光ディスクにおい
て、前記紫外線硬化型組成物が、前記チオエーテル構造
の置換基を有したフェノール系化合物を、組成物に対し
て、0.01〜5質量%含有する紫外線硬化型組成物で
ある貼り合わせ光ディスクである。
ては、光ディスク用基板として通常用いられるものが使
用でき、特にポリカーボネート基板を好適に用いること
ができる。
成分とする合金」としては、例えばUSP600788
9に記載されているものがあげられる。
ましくは再生専用型DVDである「DVD−5」、「DV
D−10」、「DVD−9」および「DVD−18」、書き
込み可能型のDVD−R、書き換え可能型のDVD−R
W、DVD+RW、DVD−RAM等のDVDであり、
特に好ましくは「DVD−9」である。しかし、本発明の
光ディスクはこれらには限定されず、例えば、厚さ約
1.1mmの光ディスク基板の上に、紫外線硬化型組成
物の塗布による硬化膜又は透明フィルムの貼り合わせ等
により、厚さ約0.1mmの保護層若しくはカバー層ま
たは光透過層を形成したもの、すなわち、情報読み書き
用のレーザー光として青紫色レーザー光に適したタイプ
のもの等であっても良い。
は、貼り合わせ型ディスクの接着剤として用いてもよい
し、銀または銀を主成分とする合金の薄膜を光反射層と
するCD−ROMまたはCD−Rなどの保護コート剤と
して用いてもよく、何れの場合でも優れた耐久性の光デ
ィスクを得ることができる。
光重合性化合物および光重合開始剤並びに前記チオエー
テル構造の置換基を有した特定のフェノール系化合物を
含有する。
化合物は、下記一般式(1)
ここで、Sはイオウ原子、Rはアルキル基を示す)基
を、Yは水素原子またはアルキル基を、さらに、mおよ
びnは、m=1〜5の整数、n=0又は1〜4の整数で
あって、m+n=5を、それぞれ、表わす〕で表わされ
るチオエーテル構造の置換基を有したフェノール系化合
物である。特に、置換基Xには、チオエーテル構造(又
は、チオエーテル結合)が存在することが必須条件であ
る。該フェノール系化合物の含有量は、紫外線硬化型組
成物に対して、好ましくは0.01〜5質量%であり、
より好ましくは0.1〜2質量%である。含有量が0.
01質量%未満では効果がなく、逆に、5質量%超過で
は信号特性・耐光性等の特性の向上が期待できないばか
りか経済的にも不利であり、好ましくない。前記フェノ
ール系化合物としては、ヒンダードフェノール系酸化防
止剤が好ましく、特に好ましくは、4,6−ビス(オク
チルチオメチル)−o−クレゾールである。これは、市
販品の、IRGANOX 1520L(チバスペチャル
ティケミカルズ(株)製)として、容易に入手可能であ
る。
しては、重合性モノマー及び/又は重合性オリゴマーが
使用できる。重合性モノマーとしては、単官能(メタ)
アクリレートや多官能(メタ)アクリレートを用いるこ
とができ、これらは、各々、単独または2種類以上併用
して用いることもできる。ここで、本発明では、アクリ
レートとメタアクリレートとを併せて(メタ)アクリレ
ートと称する。
ち、単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、置
換基としてメチル、エチル、プロピル、ブチル、アミ
ル、2−エチルヘキシル、オクチル、ノニル、ドデシ
ル、ヘキサデシル、オクタデシル、イソブチル、イソア
ミル、イソオクチル、イソデシル、イソミリスチル、イ
ソステアリル、シクロヘキシル、ベンジル、メトキシエ
チル、ブトキシエチル、フェノキシエチル、ノニルフェ
ノキシエチル、テトラヒドロフルフリル、グリシジル、
2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、エチ
ルカルビトール、2−ヒドロキシー3−フェノキシプロ
ピル、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジメチル
アミノエチル、ジエチルアミノエチル、ノニルフェノキ
シエチルテトラヒドロフルフリル、カプロラクトン変性
テトラヒドロフルフリル、イソボルニル、ジシクロペン
タニル、ジシクロペンテニル、ジシクロペンテニロキシ
エチル等の如き基を有する(メタ)アクリレート等が挙
げられる。
は、例えば、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブ
タンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル
−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオー
ル、1,9−ノナンジオール、トリシクロデカンジメタ
ノール、エチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、
トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール
等のジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシ
エチル)イソシアヌレートのジ(メタ)アクリレート、
ネオペンチルグリコール1モルに4モル以上のエチレン
オキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得
たジオールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノール
A1モルに2モルのエチレンオキサイドもしくはプロピ
レンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)ア
クリレート、トリメチロールプロパン1モルに3モル以
上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイド
を付加して得たトリオールのジまたはトリ(メタ)アク
リレート、ビスフェノールA1モルに4モル以上のエチ
レンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加し
て得たジオールのジ(メタ)アクリレート、トリメチロ
ールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリス
リトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリ
トールのポリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイ
ド変性リン酸(メタ)アクリレート、エチレンオキサイ
ド変性アルキル化リン酸(メタ)アクリレート等が挙げ
られる。
エステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)
アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタ
ン(メタ)アクリレート等がある。
重合性モノマー及び/又は重合性モノマーに代表される
光重合性化合物を硬化できる公知慣用のものがいずれも
使用できる。光重合開始剤としては、分子開裂型または
水素引き抜き型のものが本発明に好適である。
ベンゾインイソブチルエーテル、2,4−ジエチルチオ
キサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ベンジ
ル、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォ
スフィンオキシド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ
−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オ
ン、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,
4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド等が好適
に用いられ、また、これら以外の分子開裂型のものとし
て、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベ
ンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−
1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒ
ドロキシ−2−メチルプロパン−1−オンおよび2−メ
チル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォ
リノプロパン−1−オン等を併用しても良いし、さらに
は、水素引き抜き型光重合開始剤であるベンゾフェノ
ン、4−フェニルベンゾフェノン、イソフタルフェノ
ン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルスルフ
ィド等も併用できる。
ることができ、例えば、トリメチルアミン、メチルジメ
タノールアミン、トリエタノールアミン、p−ジメチル
アミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エ
チル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、N,N
−ジメチルベンジルアミンおよび4,4’−ビス(ジエ
チルアミノ)ベンゾフェノン等の、前述重合性成分と付
加反応を起こさないアミン類を併用することもできる。
もちろん、上記光重合開始剤や増感剤は、紫外線硬化型
化合物への溶解性に優れ、紫外線透過性を阻害しないも
のを選択して用いることが好ましい。
必要に応じて、他の添加剤を使用することができ、例え
ば、熱重合禁止剤、ヒンダードフェノール、ヒンダード
アミン、ホスファイト等に代表される酸化防止剤、可塑
剤およびエポキシシラン、メルカプトシラン、(メタ)
アクリルシラン等に代表されるシランカップリング剤等
を、各種特性を改良する目的で配合することもできる。
これらは、紫外線硬化型化合物への溶解性に優れたも
の、紫外線透過性を阻害しないものを選択して用いる。
℃において、液状であるものを用いるのが好ましい。溶
媒は用いない方が好ましく、用いたとしても極力少量に
留めるのがよい。また、前記組成物の塗布をスピンコー
ターで行う場合には、粘度を20〜1000mPa・s
となるように調整するのが好ましく、比較的厚膜とする
場合は100〜1000mPa・sに調整するのが良
い。
基づいて説明する。まず、記録情報に対応するピットと
称する凹凸の上に40〜60nmの金属薄膜が積層され
た円盤状プラスチック基板1枚と、記録情報に対応する
ピットと称する凹凸の上に10〜30nmの銀または銀
合金、もしくは10〜30nmの金、もしくは10〜3
0nmのシリコン系の半透明膜が積層された円盤状プラ
スチック基板或いは円盤状プラスチックのみからなる基
板1枚を用意する。
ゴマーとして、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有
する多官能(メタ)アクリレートを2種以上、必要に応
じて単官能モノマーを用いて、光重合開始剤を紫外線硬
化型組成物100重量部あたり2〜7部使用して紫外線
硬化型組成物を調製する。この際、重合性モノマーまた
は重合性オリゴマーとして、枝分かれ構造を有する炭化
水素系(メタ)アクリレートを用いることもできる。
膜が積層された円盤状プラスチック基板の金属薄膜上に
塗布し、10〜30nmの銀または銀合金、もしくは1
0〜30nmの金、もしくは10〜30nmのシリコン
系の半透明膜が積層された円盤状プラスチック基板を、
半透明膜が前記組成物を塗布した金属薄膜面と対向する
よう貼り合わせ、この貼り合わせたディスクの片面また
は両面から紫外線を照射して、両者を接着させ「DVD
−9」とする。
膜が積層された円盤状プラスチック基板の金属薄膜上に
塗布し、前記40〜60nmの金属薄膜が積層された円
盤状プラスチック基板を、金属薄膜が前記組成物を塗布
した金属薄膜面と対向するよう貼り合わせ、この貼り合
わせたディスクの片面または両面から紫外線を照射し
て、両者を接着させ「DVD−10」とする。
膜が積層された円盤状プラスチック基板の金属薄膜上に
塗布し、円盤状プラスチックのみからなる基板を貼り合
わせ、この貼り合わせたディスクの片面または両面から
紫外線を照射して、両者を接着させ「DVD−5」とす
る。
ライドランプ、高圧水銀灯などを用いた連続光照射方式
で行うこともできるし、USP5904795記載の閃
光照射方式で行うこともできる。効率よく硬化出来る点
で閃光照射方式がより好ましい。
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。以下実施例中の「部」は「質量部」を表す。
ンプルの原料配合組成と評価結果」に示したように、ウ
レタンアクリレートとしてFAU−306(大日本イン
キ化学工業(株)製)20部、ビスフェノールA型エポキ
シアクリレートとしてユニディックV−5530(大日
本インキ化学工業(株)製)21部、トリシクロデカンジ
メタノールジアクリレート28部、トリプロピレングリ
コールジアクリレート13部、テトラヒドロフルフリル
アクリレート10部、トリメチロールプロパントリアク
リレート1.5部、エチレンオキサイド変性リン酸メタ
クリレート0.2部、ジメチルアミノ安息香酸エチル
0.3部、光重合開始剤として2,4,6−トリメチル
ベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド2部およ
び1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン4部、
チオエーテル構造の置換基を有したフェノール系化合物
としてIRGANOX 1520L(チバスペチャルテ
ィケミカルズ(株)製)0.2部(組成物に対して、0.28
質量部)を配合し、60℃で1時間加熱混合して溶解
し、淡黄色透明の紫外線硬化型組成物を調製した。この
組成物を用いて、下記試験方法により銀合金の半透明膜
を用いた「DVD−9」の貼り合わせ光ディスクの耐久性
を評価した。結果は、表1に示した。
と同様、表1に示した通りに配合・溶解・調製し、耐久
性を評価した。評価結果も同様に、表1に示した。
を有するフェノール系化合物、不含) 上記実施例1においてチオエーテル構造の置換基を有し
たフェノール系化合物を含有させない以外は実施例1と
同様にし、表1に示した通りに配合・溶解し、紫外線硬
化型組成物を調製した。この組成物を用いて、下記試験
方法により銀合金の半透明膜を用いた「DVD−9」の貼
り合わせディスクの耐久性を評価した。配合組成および
評価結果は、表1に示した。
と同様、表1に示した通りに配合・溶解・調製し、耐久
性を評価した。ここで、比較例2及び3は、実施例2及
び3に原料配合組成は対応するものの、チオエーテル構
造の置換基を有するフェノール系化合物は不含である。
評価結果は同様に、表1に示した。
43公報に基づき、該公報の実施例1として記載されて
いるDVD用紫外線硬化型接着剤組成物、すなわち、カ
ルボキシル基を有するモノマーであるアクリルダイマー
酸を0.1〜0.5質量%配合した紫外線硬化型組成物を調製
し、比較例4とした。原料配合組成に関しては、前記公
報通りであり、ここでの記載は割愛する。この組成物を
用いて、下記試験方法により、銀合金の半透明膜を用い
た「DVD−9」貼り合わせディスクの耐久性を評価し
た。評価結果は、表1に示した。
合わせ光ディスクの耐久性試験≫記録情報のピットが形
成され、アルミニウムが50nm積層されたポリカーボ
ネート円版に上記各実施例および比較例の紫外線硬化型
組成物をディスペンサで塗布し、半透明膜として銀を主
成分とする合金が積層されたポリカーボネート円版を重
ね合わせた。次いでスピンコーターで硬化塗膜の膜厚が
約50〜60μmになるよう回転させた。次いで、ウシ
オ電機株式会社製「クセノンフラッシュ照射装置 SB
C−04型」を用い、設定電圧1800Vで、銀合金半
透明膜付きの基板側から空気中で10ショット紫外線を
照射して、各組成物のDVD−9サンプルを作製した。
このものを、環境曝露負荷前のサンプルとした。次に、
別のサンプルを用い、楠本化成株式会社製「エタック恒
温恒湿器SD01」を使用して、次のA、BおよびCの
3種類の環境条件(湿度または湿度および曝露時間の相
違)による曝露負荷をサンプル個別に与えた。 環境曝露負荷条件A:80℃・80%RH・100時間 環境曝露負荷条件B:80℃・95%RH・100時間 環境曝露負荷条件C:80℃・95%RH・500時間
について、接着性、PIエラー比および外観特性を評価
した。接着性評価は、前記特開2001−226643
公報と同様に行なった。PIエラー比は、ソニー・プレ
シジョン・テクノロジー株式会社製「DVDテスター
DQL−300D」により、PIエラーの測定(信号特
性の評価)を行ない、環境曝露負荷前後でのPIエラー
比(環境曝露負荷後/環境曝露負荷前)を計算により求
め、評価した。なお、PIエラー比は銀合金基板側の最
大値〔1〕(1)とアルミニウム基板側の最大値〔2〕と
を評価値とした。外観特性は、銀合金半透明膜の変質状
況について目視観察し、評価した。評価結果は、表1に
示した。
前)各サンプルについて耐光性試験を実施し、耐光性を
評価した。 (耐光性試験)耐光性試験は、キセノンランプ耐光試験
器SUNTEST CPS+(ATLAS社製)を使用
し、試験条件を、照度550W/m2、ブラックスタン
ダード温度65度に設定、光ディスクの読み取り面側
(銀合金半透明膜側)をキセノンランプに対向させて2
4時間曝露する方法で行った。次に、その24時間曝露
前後での各サンプルの黄色度を測定し、黄色度変化量を
算出することにより、耐光性を評価した。 (黄色度の測定、黄色度変化量の算出方法および耐光性
評価方法)耐光性試験前後の読み取り面側の黄色度測定
として、JIS K7103に準じ、日本電色工業
(株)製SE−2000を用いて、黄色度を測定した。
キセノンランプ光曝露前の黄色度をYI0、キセノンラ
ンプ光曝露後の黄色度をYI1とし、前後の黄色度変化
量をΔYIとした。なお、ΔYIは次式(2)により求
められ、値が大きいほど変色度合いが大きいことを示
す。 ΔYI=YI1−YI0 (2) ここで、黄色度YIは、標準光Cにおける光ディスク読
み取り面側の3刺激値:X,Y,Zより、YI=100
(1.28X−1.06Z)/Yである。また、ΔYI
値は光ディスク構成材料全体としての黄色度変化量であ
り、ΔYI値が小さければ小さいほど光ディスク面の変
色量が小さく、光ディスクの耐光性が優れていることを
示す。そしてここでは、ΔYI値が3以下の場合を耐光
性・良好、3超過の場合を耐光性・不良と判定した。こ
れは、視感により黄変を感じるか否かに依っており、3
以下では感じないため、良好としたものである。評価結
果は、表1に示した。
ディスクとしての総合評価を行い、耐久性評価結果とし
た。評価結果は、上記同様、表1に示した。
オエーテル構造の置換基を有したフェノール系化合物を
含有する実施例1〜3の本発明の組成物は、環境曝露負
荷条件A,B,Cのいずれの条件においても、接着性、
PIエラー比〔1〕、PIエラー比〔2〕および外観特
性が良好であること、また、キセノンランプ光曝露の耐
光性においても良好であることから、高耐久性であるこ
とが判る。これに対して、前記フェノール系化合物を含
有させなかった比較例1〜4は、いずれも、耐久性に劣
るものであった。すなわち、比較例1〜3では、接着性
を除き、全ての評価項目で不良であって、耐久性が低い
ことが判る。さらに、前記特開2001−226643
公報の実施例である比較例4は、環境曝露負荷条件がA
の比較的緩やかな条件では一定の水準にあると言える
が、環境曝露負荷条件がBないしCに変化した場合での
PIエラー比(1)、PIエラー比(2)および外観特性では
著しく特性が劣り、さらにまた、耐光性においても不良
のレベルであることが判る。
ことにより、高温高湿の環境曝露負荷後におけるPIエ
ラー比等の各試験、およびキセノンランプ光曝露後にお
ける耐光性試験のいずれもが良好となり、高耐久性であ
る「DVD−9」タイプ等の貼り合わせ光ディスクを得る
ことができる。このため、半透明膜または反射膜材料と
して、銀または銀を主成分とする合金の使用を確実なも
のとし、低価格で信頼性の高い光ディスク生産を可能に
するという著しい効果を奏する。
Claims (4)
- 【請求項1】 光重合性化合物と光重合開始剤とを含む
紫外線硬化型組成物であって、下記一般式(1) 【化1】 〔ここで、Xはアルキルチオエーテル(−S−R;なお
ここで、Sはイオウ原子、Rはアルキル基を示す)基
を、Yは水素原子またはアルキル基を、さらに、mおよ
びnは、m=1〜5の整数、n=0又は1〜4の整数で
あって、m+n=5を、それぞれ、表わす〕で表わされ
るチオエーテル構造の置換基を有したフェノール系化合
物を、組成物に対して、0.01〜5質量%含有する紫
外線硬化型組成物。 - 【請求項2】 少なくとも1枚の基板には最外層として
の半透明膜または反射膜で構成される情報記録層が形成
されている2枚の光ディスク基板を紫外線硬化型組成物
で接着した貼り合わせ光ディスクにおいて、前記紫外線
硬化型組成物が、請求項1記載の紫外線硬化型組成物で
あることを特徴とする貼り合わせ型光ディスク。 - 【請求項3】 前記情報記録層における最外層としての
半透明膜または反射膜が、銀または銀を主成分とする合
金からなる薄膜層である請求項2記載の貼り合わせ型光
ディスク。 - 【請求項4】 光ディスクが再生専用型または書換え可
能型若しくは書き込み型のDVDである請求項2または
請求項3に記載の貼り合わせ型光ディスク。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002254490A JP2003313209A (ja) | 2002-02-25 | 2002-08-30 | 光ディスク用紫外線硬化型組成物及び該使用の光ディスク |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002047261 | 2002-02-25 | ||
JP2002-47261 | 2002-02-25 | ||
JP2002254490A JP2003313209A (ja) | 2002-02-25 | 2002-08-30 | 光ディスク用紫外線硬化型組成物及び該使用の光ディスク |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003313209A true JP2003313209A (ja) | 2003-11-06 |
Family
ID=29551900
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002254490A Pending JP2003313209A (ja) | 2002-02-25 | 2002-08-30 | 光ディスク用紫外線硬化型組成物及び該使用の光ディスク |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003313209A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011136015A1 (ja) * | 2010-04-27 | 2011-11-03 | オリンパスメディカルシステムズ株式会社 | 光学用接着剤およびそれを用いた内視鏡 |
WO2014077336A1 (ja) * | 2012-11-15 | 2014-05-22 | 日立化成株式会社 | 樹脂組成物、画像表示用装置、及び画像表示用装置の製造方法 |
-
2002
- 2002-08-30 JP JP2002254490A patent/JP2003313209A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011136015A1 (ja) * | 2010-04-27 | 2011-11-03 | オリンパスメディカルシステムズ株式会社 | 光学用接着剤およびそれを用いた内視鏡 |
WO2014077336A1 (ja) * | 2012-11-15 | 2014-05-22 | 日立化成株式会社 | 樹脂組成物、画像表示用装置、及び画像表示用装置の製造方法 |
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