JP2005166136A - 光ディスク用紫外線硬化型組成物及びそれを用いた貼り合わせ型光ディスク - Google Patents

光ディスク用紫外線硬化型組成物及びそれを用いた貼り合わせ型光ディスク Download PDF

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Abstract

【課題】 高温高湿の過酷な環境条件下に曝露した後。及び蛍光灯下に長時間放置した場合でも、光ディスクの変色を発生させず、信号の読み取りエラー比の増加や反射率の低下が少ない光ディスクを製造するための光ディスク用紫外線硬化型組成物を提供する。
【解決手段】 式(I)
【化1】
Figure 2005166136

(式中、Rは水素原子或いは分岐状又は環式構造を有していてもよい炭素原子数1〜10のアルキル基を表し、Rは水素原子又は-CH3を表す。)で表される化合物を含有する光重合性化合物と光重合開始剤と式(II)
【化2】
Figure 2005166136

(式中、Rは分岐鎖を有していてもよい炭素原子数1〜10のアルキレン基を表し、R及びRは、各々独立的に分岐鎖を有していてもよい炭素原子数1〜16のアルキル基を表し、mは1〜5の整数であり、nは0〜4の整数であり、m+n≦5である。)で表される化合物を含有する光ディスク用紫外線硬化型組成物を用いる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、光ディスク用紫外線硬化型組成物に関し、特に2枚の光ディスク用基板を貼り合わせるための接着剤として使用する光ディスク用紫外線硬化型組成物及びそれを用いた貼り合わせ型光ディスクに関する。
貼り合わせ型光ディスクの代表例としては、DVD(ディジタルバーサタイルディスク又はディジタルビデオディスク)がある。このDVDは、表面に情報記録層を有している2枚の光ディスク用基板同士を、あるいは情報記録層を有している1枚の光ディスク用基板と情報記録層を有さない光ディスク用基板とを、情報記録層が形成されている面を接着面として貼り合わせたものである。貼り合わせる際の接着剤としては、紫外線硬化型組成物を使用することが一般的である。
なお、情報記録層とは、光ディスク用基板に形成したピットと称する凹凸又は相変化材料や色素等からなる層、及びその上に形成する反射膜の積層体をいう。この反射膜は情報記録層の最外郭部に形成する層であり、記録情報を読み取るための光を反射する層である。一般的には、反射膜は金属または金属合金により形成する。また、用途に応じて膜厚を調製し、読み取り光の一部を反射する半透明反射膜あるいは読み取り光を完全に反射する完全反射膜とする。
DVDにおいては、再生専用型の場合、貼り合わせる2枚の光ディスク基板の構成に基づき、各種のタイプが存在する。例えば、「DVD−10」と称するものは、ポリカーボネート基板の片面に記録情報を担うピットと称する凹凸を設け、更にその上にレーザー光反射膜として、例えばアルミニウムの層を積層した情報記録層を設けた2枚の基盤を貼り合わせたものである。また、「DVD−5」は、「DVD−10」を製造する際の2枚の基板のうちの1枚を、情報記録層を有しない透明なポリカーボネート基板としたものである。また、「DVD−9」は、「DVD−10」を製造する際の2枚の基板のうちの1枚を、金または金を主成分とする合金或いは銀または銀を主成分とする合金或いはケイ素化合物等からなる半透明反射膜により情報記録層を形成したものである。更に、「DVD−18」は、片面に2層の情報記録層を有する2枚の基板を貼り合わせた構造のものもあり、これらは用途により使い分けられている。
この「DVD−9」等の半透明反射膜としては、金またはケイ素化合物が主として使用されている。しかし、金は材料の値段が非常に高くコスト面で不利であり、またケイ素化合物は成膜が非常に困難であるという欠点が有って、他の代替え材料が模索されてきていた。
このような中で、銀または銀を主成分とする合金は、光ディスクの読み取り光に用いられる波長領域の反射率が他の金属に比べて高く、かつ価格が低いと共に成膜が容易であるという長所を持つため、「DVD−9」用の半透明反射膜に適しているとして着目されている。しかしながら、銀または銀を主成分とする合金は不安定であり、基板の貼り合わせ剤として、従来のDVD用紫外線硬化型接着剤を使用した場合には、DVDの耐久性を著しく劣化させるという欠点を有している。具体的には、従来の接着剤を使用したDVDを高温高湿環境下に長時間曝露した場合に、接着剤が銀または銀を主成分とする合金の表面を変質させて信号の読み取りエラーの増加や反射率の低下などが発生するという第一の問題点であり、また、蛍光灯下に長時間放置した場合に光ディスクが変色(黒変)して、やはり信号の読み取りエラーの増加や反射率の低下などが発生するとするという第二の問題点である。
上記第一の問題点の解決に対しては、各種の提案がなされている。例えば、銀または銀を主成分とする合金の薄膜を形成した光ディスクの耐久性(高温高湿環境下に曝露した後でのPIエラー増加)の改良を、全塩素含有量の少ない原料から合成したエポキシアクリレートを含有する紫外線硬化型組成物で保護コーティング層を形成することにより行うことが開示されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、発明者らの知見によれば、該組成物をDVD用の貼り合わせ接着剤として使用した場合には、接着力が弱いため衝撃などにより2枚の基板が簡単に剥離してしまい、機械的強度が低い貼り合わせ光ディスクしか得られず、実用に供し得ないものであった。
また、DVD用の貼り合わせ接着剤の提案として、重合性モノマー及び/又はオリゴマー化合物成分の一部成分として、カルボキシル基を有するモノマー、例えば、アクリルダイマー酸を、組成物に対して0.1〜0.5質量%配合して接着剤を調製し、それを使用することにより貼り合わせ光ディスクを得ることが開示されている(例えば、特許文献2参照)。また、銀化合物等からなる反射膜を有する光ディスク用基板を貼り合わせるための接着剤として、ヒンダードアミン化合物とヒンダードフェノール化合物を使用した紫外線硬化型組成物を使用することが提案されている(例えば、特許文献3参照)。これらの技術は、接着性が良好で、かつ高温高湿環境下に長時間曝露した場合に、その前後でのPIエラー比(Parity of Inner Error Ratio)及び外観特性が良好なDVDを得ることを目的としたものである。しかしながら、発明者らの検討によれば、更に厳しい高温高湿下に曝露した前後では、PIエラー比が大きく増加し、耐久性に問題が有ることが判った。
更に、銀化合物等からなる反射膜に対する防食性及び密着性に優れた、特定の構造のヒンダードフェノール化合物を用いた紫外線硬化型組成物、及びそれを用いた耐薬品性に優れた光ディスクが提案されている(例えば、特許文献4参照)。しかしながら、当該技術では、上記の技術と同様に、厳しい高温高湿下に曝露した前後では、PIエラー比が大きく増加し、十分な耐久性を得るには至っていない。また、第二の問題である光ディスクの変色防止に関しては、これらの公知技術を含めて、未だ具体的な提案は見当たらず、改良すべき点として残っている。
特開2000−230136号公報 特開2001−226643号公報 特開2002−256228号公報 特開2003−239089号公報
したがって、本発明の目的は、高温高湿の過酷な環境条件下に曝露した後でも信号の読み取りエラー比(PIエラー比)の増加や反射率の低下を抑制でき、かつ蛍光灯下に長時間放置した場合でも、光ディスクの変色を発生させず、信号の読み取りエラー比(PIエラー比)の増加や反射率の低下が少ない光ディスクを製造するための光ディスク用紫外線硬化型組成物を提供することにある。また、本発明の他の目的は、上記課題を解決した銀または銀を主成分とする合金の情報記録層を有する光ディスクを製造するための光ディスク用紫外線硬化型組成物を提供することにある。更に、本発明の他の目的は、上記課題を解決した光ディスクを提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の構造のヒンダードアミン化合物とフェノール化合物を使用した紫外線硬化型組成物が上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、式(I)
Figure 2005166136
(式中、Rは水素原子或いは分岐状又は環式構造を有していてもよい炭素原子数1〜10のアルキル基を表し、Rは水素原子又は-CH3を表す。)で表される化合物を含有する光重合性化合物と光重合開始剤と式(II)
Figure 2005166136
(式中、Rは分岐鎖を有していてもよい炭素原子数1〜10のアルキレン基を表し、R及びRは、各々独立的に分岐鎖を有していてもよい炭素原子数1〜16のアルキル基を表し、mは1〜5の整数であり、nは0〜4の整数であり、m+n≦5である。)で表される化合物を含有する光ディスク用紫外線硬化型組成物を提供するものである。
また、本発明は、2枚の光ディスク用基板を接着剤により貼り合わせた光ディスクであって、前記2枚の光ディスク用基板の少なくとも一方の基板が、その表面に金属薄膜からなる反射層を有し、前記反射層を接着面として前記の光ディスク用紫外線硬化型組成物からなる接着剤により貼り合わせたことを特徴とする貼り合わせ型光ディスクを提供するものである。
本発明の紫外線硬化型組成物を使用することにより、高温高湿環境下に曝露した後における信号の読み取りエラー比(PIエラー比)の増加を抑制でき、かつ蛍光灯下に長時間放置した場合でも、光ディスクの変色を発生させない、高温高湿条件下における耐久性及び蛍光灯下に長時間放置した場合の耐光性に優れる光ディスクを製造することができる。特に、本発明の光ディスク用紫外線硬化型組成物は、銀または銀を主成分とする合金の情報記録層を有する光ディスクを製造するための光ディスク用紫外線硬化型組成物として適している。
本発明の光ディスク用紫外線硬化型組成物は、光重合性化合物、光重合開始剤、前記式(I)で表される化合物及び前記式(II)で表される化合物を含有する。前記式(I)で表される化合物としては、式(I)の範囲であれば、種々の構造の化合物が使用可能であるが、中でも、前記式(I)におけるRは水素原子又は炭素原子数1〜6の直鎖状のアルキル基であることが好ましく、Rは-CH3であることが好ましい。特に、前記式(I)で表される化合物としては、下記式(III)及び式(IV)で表される化合物が特に好ましい。下記式(III)で表される化合物は、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレートであり、市販品としてはFA−712HM(日立化成工業(株)社製)が、下記式(IV)で表される化合物としては、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレートであり、市販品としてはFA−711MM(日立化成工業(株)社製)がある。
Figure 2005166136
Figure 2005166136
前記式(I)で表される化合物の含有量は紫外線硬化型組成物全体に対して、好ましくは0.01〜5質量%であり、より好ましくは0.1〜2質量%である。含有量が上記範囲であると高温高湿条件下における耐久性及び蛍光灯下に長時間放置した場合の耐光性に対する効果が顕著であり、また、経済的にも有利である。
前記式(II)で表される化合物としては、式(II)の範囲であれば、種々の構造の化合物が使用可能であるが、中でも、前記式(II)におけるRが炭素原子数1〜6の直鎖状のアルキレン基であることが好ましく、Rは炭素原子数4〜12の直鎖状のアルキル基であることが好ましく、Rは炭素原子数1〜6の直鎖状のアルキル基であることが好ましい。また、mは1〜3の整数であることが好ましく、nは1又は2であることが好ましい。特に、前記式(II)で表される化合物としては、下記式(V)で表される化合物が好ましい。下記式(V)で表される化合物は、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾールであり、市販品としては、IRGANOX 1520L(チバスペチャルティケミカルズ(株)製)がある。
Figure 2005166136
前記式(II)で表される化合物の含有量は、紫外線硬化型組成物全量に対して、好ましくは0.01〜5質量%であり、より好ましくは0.1〜2質量%である。含有量が上記範囲であると高温高湿条件下における耐久性及び蛍光灯下に長時間放置した場合の耐光性に対する効果が顕著であり、また、経済的にも有利である。
本発明の光ディスク用紫外線硬化型組成物に用いる光重合性化合物としては、重合性モノマー及び重合性オリゴマーが使用できる。重合性モノマーとしては、単官能(メタ)アクリレートや多官能(メタ)アクリレートを用いることができ、これらは、各々、単独または2種類以上併用して用いることもできる。また、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸またはメタクリル酸のことであり、アクリル酸またはメタクリル酸の誘導体についても同様である。
本発明に使用できる重合性モノマーのうち、公知の化合物が使用できるが、単官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシー3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチルテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、多官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチルー2−エチルー1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール1モルに4モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA1モルに2モルのエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン1モルに3モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たトリオールのジ又はトリ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA1モルに4モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性アルキル化リン酸(メタ)アクリレート等が挙げられる。
さらに、ラジカル重合性オリゴマーとしては、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等がある。
本発明に使用する光重合開始剤は、用いる重合性モノマー及び重合性モノマーに代表される光重合性化合物を硬化できる公知慣用のものがいずれも使用できる。光重合開始剤としては、分子開裂型または水素引き抜き型のものが本発明に好適である。
本発明に使用する光重合開始剤としては、ベンゾインイソブチルエーテル、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ベンジル、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド等が好適に用いられ、また、これら以外の分子開裂型のものとして、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オンおよび2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン等を併用しても良いし、さらには、水素引き抜き型光重合開始剤であるベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、イソフタルフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルスルフィド等も併用できる。
上記光重合開始剤に対して増感剤を使用することができ、例えば、トリメチルアミン、メチルジメタノールアミン、トリエタノールアミン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、N,N−ジメチルベンジルアミンおよび4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等の、前述重合性成分と付加反応を起こさないアミン類を併用することもできる。もちろん、上記光重合開始剤や増感剤は、紫外線硬化型化合物への溶解性に優れ、紫外線透過性を阻害しないものを選択して用いることが好ましい。
また、本発明の光ディスク用紫外線硬化型組成物には、必要に応じて、他の添加剤を使用することができ、例えば、熱重合禁止剤、前記式(II)で表される化合物以外のヒンダードフェノール、前記式(I)で表される化合物以外のヒンダードアミン、ホスファイト等に代表される酸化防止剤、可塑剤およびエポキシシラン、メルカプトシラン、(メタ)アクリルシラン等に代表されるシランカップリング剤等を、各種特性を改良する目的で配合することもできる。これらは、紫外線硬化型化合物への溶解性に優れたもの、紫外線透過性を阻害しないものを選択して用いる。
光ディスク用紫外線硬化型組成物としては、常温〜40℃において、液状であるものを用いるのが好ましい。溶媒は用いない方が好ましく、用いたとしても極力少量に留めるのがよい。また、前記組成物の塗布をスピンコーターで行う場合には、粘度を20〜1000mPa・sとなるように調整するのが好ましく、比較的厚膜とする場合は100〜1000mPa・sに調整するのが良い。
本発明の光ディスク用紫外線硬化型組成物は、貼り合わせ型の光ディスクの接着剤として用いることができる。例えば、2枚の光ディスク用基板の少なくとも一方の基板が、その表面に金属薄膜からなる反射層を有し、該反射層を接着面として前記2枚の光ディスク用基板を貼り合わせるための接着剤として本発明の光ディスク用紫外線硬化型組成物を使用することができる。また、該組成物は、金属の薄膜を光反射層とするCD−ROMまたはCD−Rなどの保護コート剤として用いてもよい。何れの場合でも優れた耐久性の光ディスクを得ることができる。特に、本発明の光ディスク用紫外線硬化型組成物は、銀または銀を主成分とする合金からなる金属薄膜を反射層として有する光ディスク用の接着剤として適している。
光ディスク用基板としては、光ディスク用基板として通常用いられるものが使用でき、特にポリカーボネート基板を好適に用いることができる。また、「銀を主成分とする合金」としては、例えば、USP6007889に記載されている銀と金の比率(AgAu)が以下の比率である銀合金があげられる。
0.9<x<0.999
0.001≦≦0.10
本発明の光ディスク用紫外線硬化型組成物を使用する光ディスクのタイプは、好ましくは再生専用型DVDであるDVD−5、DVD−10、DVD−9およびDVD−18、書き込み可能型のDVD−R、DVD+R、書き換え可能型のDVD−RW、DVD+RW、DVD−RAM等のDVDであり、特に好ましくはDVD−9及びDVD−18である。DVD−9及びDVD−18における銀または銀を主成分とする合金からなる薄膜層の膜厚は10〜30nmであり、他のタイプのDVDにおける銀または銀を主成分とする合金からなる薄膜層の膜厚よりも薄くなっている。本発明の光ディスク用紫外線硬化型組成物は、このように薄い膜厚の銀または銀を主成分とする合金の薄膜上で使用しても十分な耐光性を示すため、銀または銀を主成分とする合金からなる半透明反射膜を有する再生専用型のDVD−9およびDVD−18に使用する紫外線硬化型組成物として最適である。
また、本発明の光ディスク用紫外線硬化型組成物を使用する光ディスクはこれらには限定されず、例えば、厚さ約1.1mmの光ディスク用基板の銀または銀を主成分とする合金の薄膜上に、本発明の光ディスク用紫外線硬化型組成物の硬化膜による、厚さ約0.1mm程度の保護層又はカバー層又は光透過層を形成したもの、すなわち、情報読み書き用のレーザー光として青紫色レーザー光に適したタイプのものであっても良いし、DVDと同様の厚さ0.6mmの基板を2枚貼り合わせた構造を有するSACD(スーパーオーディオCD)であっても良い。更に、銀または銀を主成分とする合金の薄膜を光反射層とするCD−ROMまたはCD−Rなどに用いてもよい。
以下に、DVD−5、DVD−10、DVD−9およびDVD−18を製造する場合の例を記載するが、これらに限定されるものではない。
(DVD−9の製造)
記録情報を担うピットと称する凹凸の上に40〜60nmの金属薄膜(反射層)が積層された光ディスク用基板(A)1枚と、記録情報を担うピットと称する凹凸の上に10〜30nmの銀または銀を主成分とする合金の半透明反射膜(半透明反射層)が積層された光ディスク用基板(B)1枚を用意する。
なお、前記反射層としては、例えばアルミニウムを主成分とするものや銀または銀を主成分とする合金を使用することができる。また、前記光ディスク用基板としては、光ディスク用基板として公知のものが使用できる。例えば、アモルファスポリオレフィン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート等が挙げられるが、特にポリカーボネート基板を使用することが好ましい。
次いで、本発明の光ディスク用紫外線硬化型組成物を前記基板(A)の金属薄膜上に塗布し、更に、半透明反射膜が積層された前記基板(B)を、半透明反射膜の膜面が接着面となるように、金属薄膜面に塗布された本発明の光ディスク用紫外線硬化型組成物を介して基板(A)と貼り合わせ、この貼り合わせた2枚の基板の片面又は両面から紫外線を照射して、両者を接着させDVD−9とする。
(DVD−18の製造)
更に、前記のDVD−9を製造した後に、基板(A)上に形成された金属薄膜(反射層)を基板(B)側に残したまま、基板(A)のみを剥離することにより、基板(B)/半透明反射膜(半透明反射層)/本発明の光ディスク用紫外線硬化型組成物の硬化膜/金属薄膜(反射層)が順次積層されたディスク中間体を作製する。そのようなディスク中間体を2枚用意する。次いで、この2枚のディスク中間体の金属薄膜(反射層)を接着面として、それらが対向するように接着することによりDVD−18が得られる。
(DVD−10の製造)
記録情報を担うピットと称する凹凸の上に、銀または銀を主成分とする合金による40〜60nmの薄膜が積層された光ディスク用基板2枚(C1)及び(C2)を用意する。片方の基板(C1)の前記薄膜上に本発明の紫外線硬化型組成物を塗布し、もう片方の基板(C2)を薄膜の膜面が接着面となるように、基板(C1)の薄膜面に塗布された上記組成物を介して基板(C1)と貼り合わせ、この貼り合わせた2枚の基板の片面又は両面から紫外線を照射して、両者を接着させDVD−10とする。
(DVD−5の製造)
記録情報を担うピットと称する凹凸の上に、銀または銀を主成分とする合金による40〜60nmの薄膜が積層された光ディスク用基板(D)を用意する。別に、ピットを有さない光ディスク用基板(E)を用意する。基板(D)の前記薄膜上に本発明の光ディスク用紫外線硬化型組成物を塗布し、該組成物を介して基板(D)と基板(E)を貼り合わせ、この貼り合わせた2枚の基板の片面又は両面から紫外線を照射して、両者を接着させDVD−5とする。
紫外線照射にあたっては、例えばメタルハライドランプ、高圧水銀灯などを用いた連続光照射方式で行うこともできるし、USP5904795記載の閃光照射方式で行うこともできる。効率よく硬化出来る点で閃光照射方式がより好ましい。
次に、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。以下実施例中の「部」は「質量部」を表す。
<実施例1>
ウレタンアクリレートとしてFAU−74SN(大日本インキ化学工業(株)製)7部、ビスフェノールA型エポキシアクリレートとしてユニディックV−5530(大日本インキ化学工業(株)製)8部、下記式(VI)で表されるエチレンオキサイド4モル変性ビスフェノールAジアクリレート45部、下記式(VII)で表されるエチレンオキサイド10モル変性ビスフェノールAジアクリレート13部、トリプロピレングリコールジアクリレート11部、ラウリルアクリレート8部、下記式(VIII)で表されるエチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート1.8部、下記式(IX)で表されるエチレンオキサイド変性リン酸メタクリレート0.1部、ジメチルアミノ安息香酸エチル0.1部、光重合開始剤として2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド2部および1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン4部、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレート0.2部、IRGANOX 1520L(チバスペチャルティケミカルズ(株)製)0.2部、を配合し、60℃で1時間加熱混合して溶解し、淡黄色透明の紫外線硬化型組成物を調製した。
Figure 2005166136
式(VI)
(式中、m及びnは1以上の整数であり、m+nの平均は4である。)
Figure 2005166136
式(VII)
(式中、p及びqは1以上の整数であり、p+qの平均は10である。)
Figure 2005166136
式(VIII)
Figure 2005166136
式(IX)
<実施例2>
実施例1の1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレート0.2部に変えて2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート0.2部を用いた以外は実施例1と同様にして紫外線硬化型組成物を調製した。
この組成物を用いて、下記試験方法により銀合金の半透明膜を用いた「DVD−9」の貼り合わせ光ディスクの耐久性を評価した。結果は、表1に示した。
<比較例1>
1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレート0.2部を用いない以外は実施例1の組成物と同様にして、紫外線硬化型組成物を調製した。
<比較例2>
IRGANOX 1520L(チバスペチャルティケミカルズ(株)製)0.2部を用いない以外は実施例1の組成物と同様にして、紫外線硬化型組成物を調製した。
この組成物を用いて、下記試験方法により銀合金DVD−9の耐久性を評価した。結果は、表1に示した。
≪試験方法:銀合金DVD−9の耐久性試験≫
記録情報のピットが形成され、アルミニウムが50nm積層されたポリカーボネート円板に上記各実施例および比較例の紫外線硬化型組成物をディスペンサで塗布し、半透明膜として銀を主成分とする合金が積層されたポリカーボネート円板を重ね合わせた。次いでスピンコーターで硬化塗膜の膜厚が約50〜60μmになるよう回転させた。次いで、ウシオ電機株式会社製「クセノンフラッシュ照射装置 SBC−04型」を用い、設定電圧1800Vで、銀合金の半透明膜付きの基板側から空気中で紫外線の閃光を間欠的に10回照射して各組成物のDVD−9サンプルを作製した。このサンプルを、高温高湿環境試験用のサンプルとし、エスペック株式会社製「PR−2PK」を使用して、80℃95%RH250時間の試験を行った。試験前後の各サンプルについて、銀合金半透明膜のついた情報記録層(L0と称す)のPIエラー及び反射率を測定し評価した。
PIエラー及び反射率は、Audio Development 社製 「SA−300」により測定した。またPIエラー比(試験後/試験前)を計算により求め、評価した。評価結果は表1に示した。
また、前記高温高湿環境試験とは別に、各サンプルについて蛍光灯による耐光性試験を実施した。
<耐光性試験(蛍光灯下での曝露試験)>
20Wの蛍光灯2本の前に、蛍光灯の中心から10cmの距離の位置で上記耐光試験1と同様に光ディスクの読み取り面側(銀合金半透明膜側)を蛍光灯に対向させ、96時間曝露前後の各サンプルのPIエラー、反射率を測定し耐光性を評価した。評価結果は、表1に示した。
Figure 2005166136
判定* 反射率はDVD−9規格により18〜30%を○とする。
表1中で、○は良好、×は不良の評価結果を表わす。
表1の結果より、実施例1および実施例2の組成物は、いずれの試験条件においても、PIエラー比および反射率が良好であり、高耐久性であることが判る。
これに対し、比較例1及び実施例2の組成物は、反射率の評価項目で不良であることが判る。

Claims (5)

  1. 式(I)
    Figure 2005166136
    (式中、Rは水素原子或いは分岐状又は環式構造を有していてもよい炭素原子数1〜10のアルキル基を表し、Rは水素原子又は-CH3を表す。)で表される化合物を含有する光重合性化合物と光重合開始剤と式(II)
    Figure 2005166136
    (式中、Rは分岐鎖を有していてもよい炭素原子数1〜10のアルキレン基を表し、R及びRは、各々独立的に分岐鎖を有していてもよい炭素原子数1〜16のアルキル基を表し、mは1〜5の整数であり、nは0〜4の整数であり、m+n≦5である。)で表される化合物を含有する光ディスク用紫外線硬化型組成物。
  2. 前記式(I)で表される化合物が、式(III)
    Figure 2005166136
    又は式(IV)
    Figure 2005166136
    で表される化合物である請求項1記載の光ディスク用紫外線硬化型組成物。
  3. 前記式(II)で表される化合物が、式(V)
    Figure 2005166136
    で表される化合物である請求項1又は2のいずれかに記載の光ディスク用紫外線硬化型組成物。
  4. 2枚の光ディスク用基板を接着剤により貼り合わせた光ディスクであって、前記2枚の光ディスク用基板の少なくとも一方の基板が、その表面に金属薄膜からなる反射層を有し、前記反射層を接着面として請求項1、2又は3のいずれかに記載の光ディスク用紫外線硬化型組成物からなる接着剤により貼り合わせたことを特徴とする貼り合わせ型光ディスク。
  5. 前記反射層が銀又は銀を主成分とする合金からなる反射層である請求項4記載の貼り合わせ型光ディスク。
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