JP2003196884A - 光ディスク及び光ディスク用紫外線硬化型組成物 - Google Patents

光ディスク及び光ディスク用紫外線硬化型組成物

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JP2003196884A
JP2003196884A JP2001394469A JP2001394469A JP2003196884A JP 2003196884 A JP2003196884 A JP 2003196884A JP 2001394469 A JP2001394469 A JP 2001394469A JP 2001394469 A JP2001394469 A JP 2001394469A JP 2003196884 A JP2003196884 A JP 2003196884A
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acrylate
meth
silver
optical disk
optical disc
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JP2001394469A
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English (en)
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Takashi Kitsunai
崇 橘内
Kazuo Murakami
和夫 村上
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 銀または銀を主成分とする合金の薄膜で反射
膜ないしは半透明膜を形成した貼り合わせ光ディスクに
おいて、高温高湿の過酷な環境条件下に暴露した後で
も、信号の読み取りエラーの増加や外観変化が抑制でき
て耐変質性に優れると共に基板同志の接着力も大きい、
高耐久性である光ディスクの提供。 【解決手段】 貼り合わせ接着剤としての紫外線硬化型
組成物を、炭素数が4以上でかつ分岐構造を採る炭化水
素基によりアルコキシル基を構成している単官能(メ
タ)アクリレート、例えば、イソアミル(メタ)アクリ
レートやイソステアリル(メタ)アクリレートなどを含
有する組成物とし、それを使用して光ディスクとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、貼り合わせ型光デ
ィスクに関し、更に詳しくは銀または銀を主成分とする
合金を情報記録層に有する貼り合わせ型光ディスクおよ
び該光ディスク製造時に貼り合わせ剤として使用する紫
外線硬化型組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】DVD(デジタルビデオディスクまたは
デジタルバーサタイルディスク)は、少なくとも1枚の
基板に情報記録層を有する2枚の基板を貼り合わせて作
製し、貼り合わせ接着剤として、紫外線硬化型組成物を
使用することが一般的である。
【0003】再生専用型DVDには、用途により使い分
けられる、各種の仕様が有る。すなわち、.2枚のポ
リカーボネート基板の各片面にピット(記録情報に対応
した凹凸部)を設け、その上に、例えばアルミニウム薄
膜を形成して情報読み取り用のレーザー光反射膜である
情報記録層とし、その面を対向させて接着剤で貼り合わ
せた両面読み取りタイプ(DVD−10)、.前記
における1枚の基板が情報記録層を持たない透明なポリ
カーボネート基板である片面読み取りタイプ(DVD−
5)、.前記における1枚の基板には金を主成分と
する金属やケイ素化合物の半透明膜を形成して情報記録
層とした、同一片面からの2層読み取りタイプ(DVD
−9)、さらには、.記録容量が前記の2倍であ
る、片面に2層の情報記録層を有した基板を2枚貼り合
わせた両面読み取りタイプ(DVD−18)等である。
【0004】DVD−9の半透明膜としては、主とし
て、金やケイ素化合物が使用されている。しかし、金は
材料の値段が非常に高くコスト面で不利であり、ケイ素
化合物は成膜が非常に困難であるという欠点を抱えてい
た。
【0005】ここで、光ディスクの読み取りに用いる波
長領域の光に対する反射率が他の金属に比べて高く、そ
の反面、価格も低くて成膜も容易にできるという長所を
持つ金属として、銀または銀を主成分とする合金があ
り、DVD−9用の半透明膜形成材料として適してい
る。しかしながら、銀または銀を主成分とする合金は不
安定である。そのため、これを情報記録層とした基板に
より、従来のDVD用紫外線硬化型接着剤を使用してD
VDとした場合には、そのDVDが高温高湿の環境下に
長時間放置されると、銀または銀を主成分とする合金か
らなる反射膜に変質が生じ、信号の読み取りエラーや外
観不良などを起こすという問題があった。
【0006】上記問題を改良するために、従来から、各
種の提案がなされている。例えば、特開平9−1162
6号公報には、銀または銀を主成分とする合金の保護層
として、吸水率が低いフッ素樹脂を使用することが、ま
た、特開2000−230136号公報には、全塩素含
有量の少ない原料から合成したエポキシアクリレートを
含有する紫外線硬化型組成物により保護層を形成するこ
とが、それぞれ、開示されている。しかしながら、上記
提案による材料をDVD用の貼り合わせ接着剤として使
用した場合には、本発明者らの知見ではあるが、実用性
に欠けるものであった。すなわち、材料が紫外線硬化型
でないため現行のDVD製造プロセスに適用困難である
こと、銀または銀を主成分とする合金からなる反射膜に
対する変質防止能が未だ不十分であること、さらには、
2枚の基板の接着力が弱いこと等である。
【0007】このように、銀または銀を主成分とする合
金は、DVD用の半透明膜として利用可能であったにも
拘わらず、それに対する耐変質性と高接着性を有する紫
外線硬化型組成物が無かったことにより、採用され難い
というのが実情であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上のような状況に鑑
み本発明は、銀または銀を主成分とする合金の薄膜で反
射膜ないしは半透明膜を形成したDVDにおいて、高温
高湿の過酷な環境条件下に暴露した後でも、信号の読み
取りエラーの増加や外観変化が抑制できて耐変質性に優
れると共に基板同志の高接着性が保持できることによ
り、既存のDVD−5やDVD−10および半透明膜と
して金やシリコン系化合物を用いるDVD−9以上の高
耐久性を有するDVDすなわち光ディスクを提供するこ
と、およびその製造時に使用する貼り合わせ接着剤とし
ての紫外線硬化型組成物を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討した結果、光ディスクにおける
貼り合わせ接着剤としての紫外線硬化型組成物が、その
構成成分である重合性モノマーとして、特定の単官能
(メタ)アクリレートを含有し、該紫外線硬化型組成物
を使用して光ディスクとすることにより上記目的が達成
できることを見出し、本発明を完成させるに至った。こ
こで、本願における「(メタ)アクリレート」とは、ア
クリレートとメタクリレート(アクリレートにおけるア
クリロイル基を、メチル基で置換したメタクリロイル基
としたもの)とを併せた化合物の用語として定義する。
【0010】すなわち本発明は、少なくとも1枚の基板
の最外層に銀または銀を主成分とする合金の薄膜からな
る情報記録層を形成した2枚の基板を紫外線硬化型組成
物で貼り合わせた光ディスクにおいて、前記紫外線硬化
型組成物が、炭素数が4以上でかつ分岐構造を採る炭化
水素基によりアルコキシル基を構成している単官能(メ
タ)アクリレートと光重合開始剤とを含有する光ディス
クである。
【0011】また本発明は、炭素数が4以上でかつ分岐
構造を採る炭化水素基によりアルコキシル基を構成して
いる単官能(メタ)アクリレートが、イソブチル(メ
タ)アクリート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、イソアミル(メタ)アクリート、イソオクチル(メ
タ)アクリート、イソデシル(メタ)アクリート、イソ
ミリスチル(メタ)アクリート、イソステアリル(メ
タ)アクリートからなる群より選ばれる1種以上の(メ
タ)アクリートである上記光ディスクである。
【0012】また本発明は、少なくとも1枚の基板の最
外層に銀または銀を主成分とする合金の薄膜からなる情
報記録層を形成した2枚の基板を貼り合わせた光ディス
クの製造に使用する張り合わせ接着剤であって、炭素数
が4以上でかつ分岐構造を採る炭化水素基によりアルコ
キシル基を構成している単官能(メタ)アクリレートと
光重合開始剤とを含有する紫外線硬化型組成物である。
【0013】また本発明は、炭素数が4以上でかつ分岐
構造を採る炭化水素基によりアルコキシル基を構成して
いる単官能(メタ)アクリレートが、イソブチル(メ
タ)アクリート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、イソアミル(メタ)アクリート、イソオクチル(メ
タ)アクリート、イソデシル(メタ)アクリート、イソ
ミリスチル(メタ)アクリート、イソステアリル(メ
タ)アクリートからなる群より選ばれる1種以上の(メ
タ)アクリートを含有する上記紫外線硬化型組成物であ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の光ディスクに用いる基板
としては、光ディスク用基板素材として通常用いられる
ものが使用でき、特にポリカーボネート基板を好適に用
いることができる。
【0015】本発明の光ディスクに用いる「銀を主成分
とする合金」としては、例えばUSP6007889に
記載されているものをあげることができる。
【0016】本発明の光ディスクは、好ましくは再生専
用型DVDであるDVD−5、DVD−10、DVD−
9およびDVD−18、書き込み可能型であるDVD−
R、書き換え可能型であるDVD−RW、DVD+R
W、DVD−RAM等のDVDであり、特に好ましくは
DVD−9である。しかしながら、本発明の光ディスク
はこれらに限定されるものではなく、その他例えば,厚
さ約1.1mmの基板の上に、紫外線硬化型組成物から
なる厚さ約0.1mmの透明フィルムを貼り合わせてカ
バー層として設けたようなものであっても良い。
【0017】本発明の光ディスク用紫外線硬化型組成物
は、貼り合わせ型ディスク、例えばDVDの接着剤とし
て用いてもよいし、前記銀または銀を主成分とする合金
の薄膜に対する保護コート剤として用いてもよく、何れ
の場合でも、優れた耐久性の光ディスクとすることがで
きる。
【0018】本発明の紫外線硬化型組成物は、必須成分
としての紫外線硬化型化合物および光重合開始剤、並び
に任意成分としてのその他添加剤とを構成成分とする。
【0019】紫外線硬化型化合物としては、重合性モノ
マー及び/又は重合性オリゴマーである。重合性モノマ
ーとしては、単官能または多官能の(メタ)アクリレー
トが使用できる。また、重合性オリゴマーとしては、ポ
リエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メ
タ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウ
レタン(メタ)アクリレート等が使用できる。さらに、
これらは、各々、単独または2種類以上併用して用いる
ことができる。
【0020】重合性モノマーとしての、単官能または多
官能の(メタ)アクリレートとしては、次のものを挙げ
ることができる。単官能の(メタ)アクリレートとして
は、例えば、該当するアルコキシル基での酸素を除く部
分が、メチル、エチル、プロピル、ブチル、アミル、オ
クチル、ノニル、ドデシル、ヘキサデシル、オクタデシ
ル、イソブチル、2−エチルヘキシル、イソアミル、イ
ソオクチル、イソデシル、イソミリスチル、イソステア
リル、シクロヘキシル、ベンジル、メトキシエチル、ブ
トキシエチル、フェノキシエチル、ノニルフェノキシエ
チル、テトラヒドロフルフリル、グリシジル、2−ヒド
ロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−クロロ−
2−ヒドロキシプロピル、ジメチルアミノエチル、ジエ
チルアミノエチル、ノニルフェノキシエチルテトラヒド
ロフルフリル、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフ
リル、イソボルニル、ジシクロペンタニル、ジシクロペ
ンテニル、ジシクロペンテニロキシエチル等の基である
化合物を挙げることができる。
【0021】また、多官能の(メタ)アクリレートとし
ては、例えば、上記同様の部分が、1,3−ブチレング
リコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタン
ジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、
1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、
トリシクロデカンジメタノール、エチレングリコール、
ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプ
ロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリ
プロピレングリコール等のジ(メタ)アクリレート、ト
リス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのジ
(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール1モル
に4モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレン
オキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリ
レート、ビスフェノールA1モルに2モルのエチレンオ
キサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得た
ジオールのジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプ
ロパン1モルに3モル以上のエチレンオキサイドもしく
はプロピレンオキサイドを付加して得たトリオールのジ
またはトリ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA1
モルに4モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピ
レンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)ア
クリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アク
リレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレ
ート、ジペンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリレ
ート、エチレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリレ
ート、エチレンオキサイド変性アルキル化リン酸(メ
タ)アクリレート等である化合物を挙げることができ
る。
【0022】本発明の紫外線硬化型組成物は、上記各種
の重合性モノマーのうちで、イソブチル、2−エチルヘ
キシル、イソアミル、イソオクチル、イソデシル、イソ
ミリスチル、イソステアリルの各単官能(メタ)アクリ
レートの群より選ばれる1種以上の(メタ)アクリレー
トを含有するものであることが特に好ましい。これら
は、アルコキシル基での酸素を除く部分、すなわち、エ
ステルのアルコール成分が、炭素数が4以上で、かつ分
岐(側鎖)構造を採る炭化水素基で構成される、単官能
(メタ)アクリレートである。そして、詳細なメカニズ
ムに関しては不明であるが、この構造であることが、銀
または銀を主成分とする合金の反射膜に対する耐変質性
と高接着性とを同時に満足させ、高耐久性の光ディスク
とすることを可能としているものである。
【0023】本発明の紫外線硬化型組成物に係る光重合
開始剤は、ここで用いる重合性モノマー及び重合性オリ
ゴマーで代表される紫外線硬化型化合物を硬化させるこ
とができる公知慣用のものがいずれも使用できる。光重
合機構の面からは、分子開裂型または水素引き抜き型の
ものが本発明に好適である。
【0024】上記光重合開始剤の具体例としては、例え
ば、ベンゾインイソブチルエーテル、2,4−ジエチル
チオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ベ
ンジル、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニル
フォスフィンオキシド、2−ベンジル−2−ジメチルア
ミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1
−オン、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,
4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド等が
好適に用いられ、さらにこれら以外の分子開裂型のもの
として、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケト
ン、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタ
ール、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロ
パン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−
2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オンおよび
2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モ
ルフォリノプロパン−1−オン等を併用しても良いし、
さらに水素引き抜き型の光重合開始剤である、ベンゾフ
ェノン、4−フェニルベンゾフェノン、イソフタルフェ
ノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルスル
フィド等も併用可能である。
【0025】また、上記光重合開始剤に対する増感剤と
して、例えば、トリメチルアミン、メチルジメタノール
アミン、トリエタノールアミン、p−ジメチルアミノア
セトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p
−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、N,N−ジメチ
ルベンジルアミンおよび4,4’−ビス(ジエチルアミ
ノ)ベンゾフェノン等の、前述紫外線硬化型化合物と付
加反応を起こさないアミン類を併用することができる。
もちろん、上記光重合開始剤や増感剤は、紫外線硬化型
化合物への溶解性に優れ、紫外線透過性を阻害しないも
のを選択して用いることが好ましい。
【0026】また、本発明の組成物には、必要に応じ
て、その他添加剤として、熱重合禁止剤、ヒンダードフ
ェノール、ヒンダードアミン、ホスファイト等に代表さ
れる酸化防止剤、可塑剤およびエポキシシラン、メルカ
プトシラン、(メタ)アクリルシラン等に代表されるシ
ランカップリング剤等を、目的とする効果を損なわない
範囲内で配合することができる。これらは上記同様、紫
外線硬化型化合物への溶解性に優れたもの、紫外線透過
性を阻害しないものを選択して用いることが好ましい。
【0027】さらに、本発明の紫外線硬化型組成物とし
ては、常温〜40℃において、液状であるものを用いる
のが好ましい。溶媒は用いない方が好ましく、用いたと
しても極力少量に留めるのがよい。また、前記組成物の
塗布をスピンコーターで行う場合には、粘度を20〜1
000mPa・sとなるように調製するのが好ましく、
比較的厚膜とする場合は100〜1000mPa・sと
なるように調製するのがよい。
【0028】次に、本発明に係る光ディスクの実施形態
の例について、説明する。まず、記録情報に対応するピ
ットと称する凹凸の上に40〜60nmのアルミニウム
薄膜が積層された円盤状ポリカーボネート基板1枚と、
記録情報に対応するピットと称する凹凸の上に10〜3
0nmの銀または銀合金の薄膜からなる半透明膜が積層
された円盤状ポリカーボネート基板1枚を用意する。
【0029】次いで、紫外線硬化型化合物としての単官
能重合性モノマーおよび2以上のメタクリロイル基を有
する多官能(メタ)アクリレートを2種以上、並びに光
重合開始剤を紫外線硬化型組成物100質量部あたり2
〜7質量部になるように配合して、紫外線硬化型組成物
を調製する。この際の重合性モノマーとして、前記炭素
数が4以上でかつ分岐構造を採る炭化水素基によりアル
コキシル基を構成している単官能(メタ)アクリレート
を、紫外線硬化型組成物100質量部あたり、10〜2
0質量部使用する。
【0030】上記組成物を、前記40〜60nmのアル
ミニウム薄膜が積層された円盤状ポリカーボネート基板
の金属薄膜上に塗布し、10〜30nmの銀または銀合
金の半透明膜が積層された円盤状ポリカーボネート基板
を、半透明膜が前記組成物を塗布したアルミニウム薄膜
面と対向するよう貼り合わせ、その後、ディスクの片面
または両面から紫外線照射して紫外線硬化型組成物を硬
化させることにより両基板を接着させて、DVD−9と
する。
【0031】紫外線照射にあたっては、例えば、メタル
ハライドランプ、高圧水銀灯などを用いる連続光照射方
式で行うこともできるし、USP5904795記載の
閃光照射方式で行うこともできる。効率よく硬化出来る
点で、閃光照射方式がより好ましい。
【0032】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。以下実施例中の「部」は「質量部」を表す。
【0033】<実施例1>ウレタンアクリレートとして
FAU−306(大日本インキ化学工業製)28部、ト
リシクロデカンジメチロールジアクリレート32部、ビ
スフェノールA型エチレンオキシド変性ジアクリレート
18部、イソアミルアクリレート(炭素数が4以上でか
つ分岐構造を採る炭化水素基によりアルコキシル基を構
成している単官能(メタ)アクリレート;以後、分岐構
造を有する炭化水素系(メタ)アクリレートと略す)1
4部、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパント
リアクリレート1.5部、エチレンオキシド変性リン酸
メタクリレート0.2部、ジメチルアミノ安息香酸エチ
ル0.3部、光重合開始剤として2,4,6−トリメチ
ルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド2部およ
び1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン4部を
60℃で1時間加熱混合溶解し、淡黄色透明の紫外線硬
化型組成物を調製した。
【0034】<実施例2>分岐構造を有する炭化水素系
(メタ)アクリレートとして、イソステアリルアクリレ
ートを用いた以外は実施例1と同様にして、紫外線硬化
型組成物を調製した。
【0035】<比較例1>単官能(メタ)アクリレート
として、直鎖構造の炭化水素基によりアルコキシル基を
構成している、ステアリルアクリレートを用いた以外は
実施例1と同様にして、紫外線硬化型組成物を調製し
た。
【0036】<比較例2>ウレタンアクリレートとして
FAU−504(大日本インキ化学工業製)20部、ビ
スフェノールA型エポキシアクリレートとしてユニディ
ックV−5500(大日本インキ化学工業(株)製)2
1部、トリプロピレングリコールジアクリレート13
部、テトラヒドロフルフリルアクリレート10部、2−
ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート17
部、エチルカルビトールアクリレート11部、エチレン
オキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレー
ト1.5部、エチレンオキサイド変性リン酸メタクリレ
ート0.2部、ジメチルアミノ安息香酸エチル0.3
部、光重合開始剤として2,4,6−トリメチルベンゾ
イルジフェニルフォスフィンオキサイド2部、1−ヒド
ロキシシクロヘキシルフェニルケトン4部を60℃で1
時間加熱混合溶解し、従来のDVD用紫外線硬化型接着
剤であって分岐構造を有する炭化水素系(メタ)アクリ
レートを含有しない、淡黄色透明の紫外線硬化型組成物
を調製した。
【0037】上記実施例1,2及び比較例1,2の組成
物を用いて、下記試験方法により、各実施例および比較
例に対応するDVD−9タイプの貼り合わせ型光ディス
クを作製し、それらの耐変質性および基板接着性を試験
した。その結果から、各実施例および比較例の評価結果
およびそれらの統合的判断としての耐久性総合評価結果
を得、表.1に、「DVD−9:耐久性評価結果」とし
て示した。なお、耐久性総合評価結果では、○が高耐久
性を、×が低耐久性を表わす。
【0038】≪試験方法:DVD−9・耐変質性試験お
よび基板接着性試験≫記録情報のピットが形成され、ア
ルミニウムが50nm積層されたポリカーボネート円版
に上記実施例および比較例の組成物をディスペンサで塗
布し、半透明膜として銀を主成分とする合金が積層され
たポリカーボネート円版をその合金面で重ね、貼り合わ
せた。次いでスピンコーターで硬化塗膜の膜厚が約50
〜60μmになるよう回転させた。次いで、ウシオ電機
株式会社製「クセノンフラッシュ照射装置SBC−04
型」を用い、設定電圧1800Vで、銀合金半透明膜付
き基板側から、空気中で10ショット紫外線を照射し、
DVD−9を作製した。この貼り合わせディスクを用い
て、楠本化成株式会社製「エタック恒温恒湿器SD0
1」内で80℃95%RH(高温高湿環境)に96時間
暴露させる環境試験を実施し、環境試験前後における信
号特性の評価(PIエラー値の測定)をソニー・プレシ
ジョン・テクノロジー株式会社製「DVDテスターDQ
L−300D」を用いて行い、環境試験前後でのPIエ
ラー値比(環境試験後値/環境試験前値)を求めた。な
お、ここで、PIエラー値は銀合金基板側の最大値を測
定値とし、PIエラー値比が10以下(≦10)であれ
ば、耐変質性は良好、10を超えた場合は不良と評価し
た。
【0039】また、環境試験後のディスク外観は、目視
観察により、銀合金半透明膜の状態変化を評価した。環
境試験前と遜色なければ良好、明らかに黒変等が起きて
いる場合には不良と評価した。
【0040】さらに、基板接着性の評価は、貼り合わせ
たディスクを強制的に剥離し、その剥離状態の目視観察
により評価した。即ち、ディスクを剥離した際、銀を主
成分とする合金あるいはアルミニウム反射膜が、接着剤
である紫外線硬化型組成物の硬化膜と一緒にポリカーボ
ネート基板から剥離した場合を「良好」、反射膜が紫外
線硬化型組成物の硬化膜側に移行しない場合を「不良」
とした。
【0041】
【表1】表.1 DVD−9:耐久性評価結果
【0042】上記表.1の結果より、分岐構造を有する
炭化水素系(メタ)アクリレートを含有する実施例1,
2の組成物は、銀合金の半透明膜を用いたDVD−9に
よる耐久性評価結果で、信号特性(PIエラー値)はほ
とんど変化せず、外観状態にも変化が見られないことか
ら耐変質性に優れており、また、基板接着性試験の結果
も良好であることから、高耐久性の光ディスクであるこ
とが判る。これに対して比較例1,2では、耐変質性お
よび基板接着性試験のいずれでも評価は著しく不良で、
低耐久性の光ディスクであった。
【0043】
【発明の効果】本発明の分岐構造を有する炭化水素系
(メタ)アクリレートを含有する紫外線硬化型組成物を
使用することにより、高温高湿の過酷な環境試験後にお
いても高耐久性の貼り合わせディスクを得ることがで
き、銀または銀合金を反射膜材料とするために低コスト
・高生産性でありながら、極めて信頼性が高いDVD−
9等の光ディスクを生産することが可能となる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1枚の基板の最外層に銀また
    は銀を主成分とする合金の薄膜からなる情報記録層を形
    成した2枚の基板を紫外線硬化型組成物で貼り合わせた
    光ディスクにおいて、前記紫外線硬化型組成物が、炭素
    数が4以上でかつ分岐構造を採る炭化水素基によりアル
    コキシル基を構成している単官能(メタ)アクリレート
    と光重合開始剤とを含有することを特徴とする光ディス
    ク。
  2. 【請求項2】 炭素数が4以上でかつ分岐構造を採る炭
    化水素基によりアルコキシル基を構成している単官能
    (メタ)アクリレートが、イソブチル(メタ)アクリー
    ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソアミ
    ル(メタ)アクリート、イソオクチル(メタ)アクリー
    ト、イソデシル(メタ)アクリート、イソミリスチル
    (メタ)アクリート、イソステアリル(メタ)アクリー
    トからなる群より選ばれる1種以上の(メタ)アクリー
    トである請求項1記載の光ディスク。
  3. 【請求項3】 光ディスクが再生専用型のDVDである
    請求項1または請求項2に記載の光ディスク。
  4. 【請求項4】 光ディスクが書換え可能型または書き込
    み型のDVDである請求項1または請求項2に記載の光
    ディスク。
  5. 【請求項5】 少なくとも1枚の基板の最外層に銀また
    は銀を主成分とする合金の薄膜からなる情報記録層を形
    成した2枚の基板を貼り合わせた光ディスクの製造に使
    用する貼り合わせ接着剤であって、炭素数が4以上でか
    つ分岐構造を採る炭化水素基によりアルコキシル基を構
    成している単官能(メタ)アクリレートと光重合開始剤
    とを含有する紫外線硬化型組成物。
  6. 【請求項6】 炭素数が4以上でかつ分岐構造を採る炭
    化水素基によりアルコキシル基を構成している単官能
    (メタ)アクリレートが、イソブチル(メタ)アクリー
    ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソアミ
    ル(メタ)アクリート、イソオクチル(メタ)アクリー
    ト、イソデシル(メタ)アクリート、イソミリスチル
    (メタ)アクリート、イソステアリル(メタ)アクリー
    トからなる群より選ばれる1種以上の(メタ)アクリー
    トを含有する請求項5記載の紫外線硬化型組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2008114764A1 (ja) 2007-03-16 2008-09-25 Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. 光透過型電磁波シールド積層体およびその製造方法、光透過型電波吸収体並びに接着剤組成物

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