JP2003313102A - 農薬粒状水和剤 - Google Patents

農薬粒状水和剤

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JP2003313102A JP2002118663A JP2002118663A JP2003313102A JP 2003313102 A JP2003313102 A JP 2003313102A JP 2002118663 A JP2002118663 A JP 2002118663A JP 2002118663 A JP2002118663 A JP 2002118663A JP 2003313102 A JP2003313102 A JP 2003313102A
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Akiyoshi Kawagishi
秋義 川岸
Masayuki Araya
昌亨 荒谷
Hitoshi Hosoda
仁 細田
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Mitsui Chemicals Agro Inc
Original Assignee
Sankyo Agro Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粉立ちが少なく、薬液の調製が容易であり、
製剤の保存安定性が良好である農薬粒状水和剤を得るこ
と。 【解決手段】農薬活性成分;デキストリン及び澱粉又は
澱粉誘導体を含有することを特徴とする農薬粒状水和
剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薬液調製時に粉立
ちが少なく、水中に投入すると直ちに崩壊分散する為、
薬液の調製を容易にし、更には製剤の保存安定性が良好
である農薬粒状水和剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、水で希釈して散布する高濃度農薬
製剤や水田、畑地などに直接散布する農薬製剤として、
乳剤、フロアブル剤(懸濁剤)、水和剤、微粒剤、粉剤
などがある。しかし、乳剤は多量の有機溶剤を担体とす
るため、引火性、臭気、毒性、刺激性、環境への影響な
どの安全性の点で問題がある。また、フロアブル剤は長
期保存後の分散粒子の凝集、沈降及び粒子成長並びに有
効成分の安定性などの問題がある。更に、水和剤、微粒
剤及び粉剤は粉末乃至微粒状の製剤であるため、製造時
及び散布用薬液の調製時に、微粉末の飛散や薬剤計量の
繁雑さが問題となっており、また、直接散布時には微粉
末の飛散による環境に及ぼす影響が問題となっている。
これらの問題点を解決するために、製剤の粒状化又は顆
粒状化が数多く検討されている。
【0003】例えば、農薬活性成分、澱粉及び水溶性無
機塩を含有する粒状の農薬水和剤(特公昭53−125
77号公報);農薬活性成分を含有するエマルジョン
に、結晶水の量を調整した水溶性無機塩を配合したもの
(特開昭56−71002号公報);除草活性成分、澱
粉などのピラノース環含有の高分子化合物、水和硫酸マ
グネシウム及び水を含有する固体粒状の水和性除草剤組
成物(特公昭64−12244号公報); 撥水性の有
効成分を含有する製剤に、グリコール類またはグリコー
ルエーテル類を配合する水和剤組成物(特公平5−12
321号公報);水溶性農薬活性成分、乳糖及び界面活
性剤とを必須成分とする水溶性農薬顆粒剤(特開平6−
92803号公報);農薬活性成分及び珪藻土を含有
し、好ましくは、界面活性剤を更に含有する粒状水和剤
(特開平6−128102号公報);農薬活性成分及び
平均粒子径が、約5〜20nmの無水シリカを含有する
顆粒剤(特開平9−315902号公報);アセフェ−
トと重合度30以下のデキストリン及び硫酸アンモニウ
ムを含有する農薬粒状水和剤(特開平10−13960
7号公報)などが検討されている。
【0004】しかし、従来の粒状農薬製剤又は顆粒状農
薬製剤は、水中崩壊性、分散性、懸垂性の点で依然とし
て問題があり、充分に攪拌しても完全な散布液が得られ
なかったり、長期間保存することにより物理性の劣化が
認められ、粒状農薬製剤又は顆粒状農薬製剤としての性
質を十分に発揮できないといった問題点があり、必ずし
も満足しうるものではなかった。
【0005】このため、粉立ちが少なく計量・取扱が容
易で、水稀釈性が良好であり稀釈液の安定性も良く、か
つ保存・貯蔵にも安定な農薬粒状水和剤の開発が強く望
まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記の
課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、農薬活性
成分に、デキストリン及び澱粉又は澱粉誘導体を配合す
ることにより、粉立ちが少なく、水中に投入すると直ち
に崩壊分散する為、薬液の調製を容易にし、更には製剤
の保存安定性が良好である農薬粒状水和剤を得ることを
見出し本発明を完成した。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、農薬活性成
分;デキストリン及び澱粉又は澱粉誘導体を含有するこ
とを特徴とする農薬粒状水和剤である。
【0008】本発明の農薬粒状水和剤において、農薬活
性成分としては常温で固体、半固体又は液状のいずれで
も特に限定はなく、殺虫剤、殺菌剤、除草剤、植物調節
剤などいずれの農薬活性成分でもよく、1種又は2種以
上を用いることができるのはもちろんであるが、例え
ば、除草剤と殺菌剤や殺虫剤のように、全く対象の異な
る2種以上の配合も可能である。農薬活性成分として具
体的に例示するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。
【0009】殺虫剤としては、例えば、インドキサカル
ブ、クロマフェノジド、ピリミジフェン、ミルベメクチ
ン、メソミル、アセフェート、チオシクラム、イミダク
ロプリド、ニテンピラム、アセタミプリド、ピリダフェ
ンチオン、ジメトエート、PMP、CVMP、ジメチル
ビンホス、DEP、NAC、MTMC、MIPC、PH
C、MPMC、XMC、ベンフラカルブ、ピリミカル
ブ、オキサミル、チオジカルブ、シペルメトリン、カル
タップ、ベンスルタップ、ジフルベンズロン、テフルベ
ンズロン、クロルフルアズロン、ブプロフェジン、ヘキ
シチアゾクス、酸化フェンブタスズ、ピリダベン、クロ
フェンテジン、バチラス・チューリンゲンシス及びそれ
らが生産する毒素、MPP、MEP、ダイアジノン、イ
ソキサチオン、エチルチオメトン、エトフェンプロック
ス、トラロメトリン、シラフルオフェン、シクロプロト
リン、アセフェート、ベンフラカルブなどが挙げられ
る。
【0010】殺菌剤としては、例えば、シメコナゾー
ル、ヒドロキシイソキサゾール、テクロフタラム、ジク
ロメジン、ピロキロン、ジラム、チウラム、キャプタ
ン、TPN、フサライド、トリクロホスメチル、ホセチ
ル、チオファネートメチル、ベノミル、カルベンタゾー
ル、チアベンタゾール、ジエトフェンカルブ、イプロジ
オン、ビンクロゾリン、プロシミドン、フルオルイミ
ド、オキシカルボキシン、メプロニル、フルトラニル、
ペンシクロン、メタラキシル、オキサジキシル、トリア
ジメホン、ヘキサコナゾール、トリホリン、ブラストサ
イジンS、カスガマイシン、ポリオキシン、バリダマイ
シンA、PCNB、ダゾメット、トリアジン、プロベナ
ゾール、イソプロチオラン、トリシクラゾール、テトラ
コナゾール、トリクラミド、オキソリニック酸、ジメト
モルフ、シモキサニル、MON−240などが挙げられ
る。
【0011】除草剤としては、例えば、ピラゾレート、
ベンスルフロンメチル、シマジン、リニュロン、ダイム
ロン、アトラジン、パラコート、グリホシネート、ビア
ラホス、ベンタゾン及びその塩、ブロモブチド、アシュ
ラム、ベンゾフェナップ、ブロマシル、アジムスルフロ
ン、エトキシスルフロン、イマゾスルフロン、ピラゾス
ルフロンエチル、メフェナセット、ピリブチカルブ、カ
フェンストロール、エドベンザニド、オキサジアルギ
ル、ナプロアニリド、クロメトキシニル、シデュロン、
クロロメトキシフェン、ピラゾキシフェン、ベンゾビシ
クロン、オキサジクロメホン、フェントラザミド、シク
ロスルファムロン、ペントキサゾン、キノクラミン、ク
ミルロン、シメトリン、ベンフレセート、ベンチオカー
ブ、ジメタメトリン、シンメスリン、2−4D及びその
アルキルエステル並びにその塩、MCPB、グリホサー
ト及びその塩、グルホシネート及びその塩などが挙げら
れる。
【0012】植物調節剤としては、例えば、マレイン酸
ヒドラジド及びその塩、アブシジン酸、過酸化カルシウ
ム、イナベンフィド、パクロブトラゾール、ウニコナゾ
ール、トリアペンテノール、サイコセルなどが挙げられ
る。
【0013】本発明の農薬活性成分の配合量は、農薬粒
状水和剤中に、通常、0.5〜95%(質量に関する百
分率。以下、特に断りのない限り、成分の配合量に関わ
る%は同様とする。)であり、好適には、1〜80%で
ある。
【0014】本発明の農薬粒状水和剤において使用され
るデキストリンとは、例えば、小麦澱粉、馬鈴薯澱粉、
トウモロコシ澱粉、タピオカ澱粉などの各種デンプンか
ら、酸分解法やアルカリ分解法、酵素分解法、酸焙焼法
などによって得られたデキストリンであり、冷水に可溶
のデキストリンが好ましい。
【0015】デキストリンの冷水可溶分は、例えば、試
料約5gを精秤し、30℃の精製水約100mLに溶解
し、30℃恒温槽中で1時間後、100mLに定容す
る。No.2濾紙濾過し、秤量瓶に20mLを取り、1
05℃で恒量になるまで乾燥し、デシケーター内で放冷
後、秤量し次式より算出する。
【0016】
【数1】冷水可溶分(%)=(乾燥前後の重量差(g)
/{試料量(g)×(100−水分%)/100}×
{全試料(mL)/供試料(mL)}×100 本発明に用いられるデキストリンは、好適には、マルト
デキストリン、アクロデキストリン又はエリトロデキス
トリンであり、更により好適には、エリトロデキストリ
ンである。中でも、焙焼デキストリンが好ましく、具体
的には、酸焙焼デキストリンのデキストリンND−S、
デキストリンND−SD、デキストリンND−SN、デ
キストリンND−SK、デキストリン102−M、デキ
ストリン102−K、デキストリン102−S、デキス
トリン102−D、デキストリン102−N、デキスト
リン103(以上、商品名。日澱化学株式会社製。)、
及びクリームデキストリン50(以上、商品名。松谷化
学工業株式会社製。)等が挙げられる。
【0017】本発明のデキストリンの使用量は、通常、
農薬粒状水和剤中に、0.1〜50%であり、好適には
1〜20%、更に好適には2〜10%である。
【0018】本発明の農薬粒状水和剤において使用され
る澱粉又は澱粉誘導体とは、例えば、小麦澱粉、馬鈴薯
澱粉、トウモロコシ澱粉、タピオカ澱粉などの澱粉と、
それら澱粉の無水グルコース残基の水酸基に、反応性に
富む種々の官能基を結合させることによって得られた澱
粉誘導体である。
【0019】本発明に用いられる澱粉誘導体は、好適に
は、エーテル化澱粉、エステル化澱粉又は架橋澱粉であ
り、更により好適には、エステル化澱粉である。中で
も、酢酸澱粉が好ましく、具体的には、酢酸澱粉のZ−
300F、Z−100(以上、商品名。日澱化学株式会
社製。)及びファラジムT(以上、商品名。松谷化学工
業株式会社製。)等が挙げられる。
【0020】本発明の澱粉又は澱粉誘導体の使用量は、
通常、農薬粒状水和剤中に、1〜90%であり、好適に
は2〜80%である。
【0021】本発明の農薬粒状水和剤は、水溶性無機塩
を含有することができる。
【0022】本発明の農薬粒状水和剤において使用され
る水溶性無機塩とは、20℃の水100gに1g以上の
溶解度を有する無機塩であり、顆粒状、粉末状の何れの
形状でも問題無い。例えば、炭酸、塩酸、硝酸又は硫酸
のアルカリ金属塩またはそれらのアンモニウム塩が挙げ
られ、具体的には塩化カリウム、硝酸カリウム、炭酸ナ
トリウム、炭酸アルミニウム、炭酸水素ナトリウム、硫
酸アンモニウム、硫酸銅、亜硫酸ナトリウム、塩化アン
モニウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、硝酸ナト
リウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、リン酸ナ
トリウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム等で
ある。
【0023】本発明に用いられる水溶性無機塩は、好適
には、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウ
ム、炭酸水素ナトリウム又は安息香酸ナトリウムが挙げ
られ、より好適には硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム
又は安息香酸ナトリウムである。
【0024】本発明の水溶性無機塩の使用量は、通常、
農薬粒状水和剤中に、0.1〜90%であり、好適に
は、1〜70%である。
【0025】本発明の農薬粒状水和剤は、必要に応じ
て、界面活性剤又はその他補助剤を配合することができ
る。
【0026】使用される界面活性剤としては、通常の農
薬に用いられるものであれば特に限定はなく、陰イオン
性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面
活性剤、両性イオン性界面活性剤などのいずれの界面活
性剤をも用いることができ、これらの1種又は2種以上
を用いることができる。また、界面活性剤を造粒性改良
剤として用いる場合は、水との混合溶液として用いるこ
ともできる。
【0027】陰イオン性界面活性剤としては、例えば、
α−オレフィンスルホン酸、α−スルホ脂肪酸、、ナフ
タレンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸の縮合物、フ
ェノールスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、
アルケニルスルホン酸、アルキルスルホン酸、リグニン
スルホン酸、アルキルアリールスルホン酸、ポリスチレ
ンスルホン酸、ポリアクリル酸、ポリカルボン酸、スチ
レンスルホン酸とカルボン酸の縮合物、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテル硫酸エステル、ポリオキシエチレ
ンアルキルアリールエーテル硫酸エステル、アルキル又
はジアルキルスルホコハク酸、高級脂肪酸等の、アルカ
リ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、又は
種々のアミン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル
リン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアリール
エーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアリール
アリールエーテルリン酸エステル及びこれらリン酸エス
テルのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニ
ウム塩、又は種々のアミン塩などが挙げられ、好適に
は、アルキルナフタレンスルホン酸縮合物の塩、ポリア
クリル酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル
硫酸エステル塩又は、(ジ)アルキルスルホコハク酸塩
である。
【0028】非イオン性界面活性剤としては、例えば、
ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチ
レンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンア
リールアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキル
エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチ
レンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンと
ポリオキシプロピレンの共重合物、高級脂肪酸アルカノ
ールアマイドなどが挙げられ、水に対する溶解度や湿潤
作用の点から、好適には、HLB値が9〜13の範囲の
ものである。
【0029】尚、これらエチレンオキサイドを付加した
タイプの界面活性剤においては、その一部にプロピレン
オキサイドを含有してもよい。
【0030】陽イオン性界面活性剤としては、例えば、
アルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩、ピリジニウ
ム塩、アミンオキサイドなどが挙げられる。
【0031】両性イオン性界面活性剤としては、例え
ば、アミノ酸型やベタイン型の界面活性剤が挙げられ
る。
【0032】本発明で用いられる界面活性剤としては、
好適には、陰イオン性界面活性剤又は非イオン性界面活
性剤であり、より好適には、アルキルナフタレンスルホ
ン酸縮合物ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、ド
デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジオクチルスル
ホコハク酸ナトリウム又はHLB値が9〜13の非イオ
ン性界面活性剤である。
【0033】用いられる界面活性剤の量は、通常、農薬
粒状水和剤中に、0.01〜50%であり、好適には、
0.1〜40%、更に好適には0.5〜20%である。
【0034】本発明の農薬粒状水和剤には、通常の農薬
粒状水和剤に用いられるその他の添加剤を含有させるこ
とができ、添加剤としては、例えば、着色剤、無機担
体、防腐剤、pH調節剤などが挙げられ、これらは使用
される農薬活性成分の種類に応じて選択すればよい。
【0035】着色剤としては、通常農薬に用いられるも
のであれば特に限定はなく、例えば、色素が挙げられ、
好適には、ブリリアントブルーFCF、シアニングリー
ンG又はエリオグリーンGである。用いられる着色剤の
量は、通常、農薬粒状水和剤中に、0.05〜0.5%
であり、好適には、0.1〜0.3%である。
【0036】無機担体としては、通常農薬に用いられる
ものであれば特に限定はなく、例えば、鉱物質担体が挙
げられ、好適には、非晶質二酸化ケイ素、パーライト、
ゼオライト、炭酸カルシウム、クレー、カオリン又はタ
ルクである。用いられる無機担体の量は、通常、農薬粒
状水和剤中に、0.1〜90%であり、好適には、0.
5〜70%である。
【0037】防腐剤としては、通常農薬に用いられるも
のであれば特に限定はなく、好適には、ソルビン酸、ソ
ルビン酸カリウム、パラクロロメタキシレノ−ル、パラ
オキシ安息香酸ブチル、又はデヒドロ酢酸ナトリウムで
ある。用いられる防腐剤の量は、通常、農薬粒状水和剤
中に、0.1〜3%であり、好適には、0.5〜2%で
ある。
【0038】pH調節剤としては、通常農薬に用いられ
るものであれば特に限定はなく、例えば、塩酸、リン酸
のような無機酸;クエン酸、フタル酸、コハク酸のよう
な有機酸;クエン酸ナトリウム、フタル酸水素カリウム
のような有機金属塩;リン酸水素二ナトリウム、リン酸
二水素ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水
素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ホウ酸ナ
トリウムのような無機金属塩;水酸化ナトリウム、水酸
化カリウムのような水酸化物;及び、トリエタノールア
ミンのような有機アミン類等を挙げることができ、好適
には、無機酸、無機金属塩、水酸化物であり、より好適
には、塩酸、クエン酸、コハク酸、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム又は炭酸ナトリウムである。また、使用
されるpH調節剤は、1種または2種以上を併用するこ
とができる。
【0039】pH調節剤は、通常、水で0.1〜5規定
の適当な濃度に希釈し、その希釈液を0.01〜5%、
好適には0.05〜2%添加することにより使用され
る。
【0040】
【発明の実施の形態】本発明の農薬粒状水和剤は、種々
の方法で製造することができる。例えば、常温で固体の
農薬有効成分は、乾式粉砕する場合に、農薬有効成分、
必要があれば界面活性剤及び粉砕助剤類と共に混合し、
下記のような乾式粉砕機を用いて、所定の粒度まで乾式
粉砕し、次いでその他補助成分を加えて混合し、適量な
水を添加後、造粒、乾燥、整粒することにより、本発明
の農薬粒状水和剤を得ることができる。
【0041】乾式粉砕機は、例えば、SK−ジェット・
オー・マイザー(株式会社セイシン企業)、シングルト
ラック・ジェットミル(株式会社セイシン企業)等のジ
ェットミル、ACMパルペライザー(ホソカワミクロン
株式会社)、サンプルミル(株式会社ダルトン)等のハ
ンマーミル、ピンミル、ボールミル、ターボミル等が挙
げられる。
【0042】農薬有効成分の粉砕は、乾式粉砕に限ら
ず、例えば、農薬有効成分、界面活性剤を水に添加して
混合懸濁させたのち、下記のような湿式粉砕機を用いて
粉砕することも可能である。得られた粉砕物は、その他
の補助剤と共に混合し、適量な水を添加後、造粒、乾
燥、整粒することにより、本発明の農薬粒状水和剤を得
ることができる。
【0043】湿式粉砕機は、例えば、アトライター(三
井三池鉱山株式会社)等のアトリションミル、ダイノミ
ル(シンマルエンタープライゼス株式会社)、サンドグ
ラインダー(アイメックス株式会社)、アペックスミ
ル、スーパーアペックスミル、アペックスメガ(コトブ
キ技研工業株式会社)、ダイヤモンドファインミル(三
菱重工株式会社)、コボールミル(神鋼パンテック株式
会社)、ドライスヴェルケパールミル(日本アイリッヒ
株式会社)等のビーズミル、コロイドミル(特殊機化工
業株式会社)、ウエットアトマイザー(株式会社ダルト
ン)等のハンマーミルを用いる。
【0044】農薬有効成分の粉砕の程度は、乾式粉砕及
び湿式粉砕のいずれによる場合も、通常は、農薬有効成
分の大部分が10μm以下になるように粉砕し、好まし
くは0.1〜5μmの重量中位径になるように粉砕す
る。
【0045】尚、農薬有効成分の粒度は以下の測定法に
より測定する。
【0046】(重量中位径の測定法)試料約0.5g
に、精製水に溶かして0.2%に調整した0.2%PO
LYFON H液(POLYFON H:リグニンスル
ホン酸塩、Westvaco製)又は、0.2%ネオゲ
ンパウダー液(ネオゲンパウダー:アルキルベンゼンス
ルホン酸塩、第一工業製薬製)100mLを加え、3分
間超音波分散を行い試料液とする。
【0047】レーザー回折/光散乱式粒度測定機(LA
−700,株式会社堀場製作所製)の超音波バスに、分
散媒(精製水)約250mLを入れ、試料液を透過率が
70〜90%となるように超音波バスに滴下し、あらか
じめ下記条件を設定した粒度測定機により粒度分布を求
める。得られた粒度分布より、重量中位径(μm)を求
める。
【0048】なお、上記粒度測定機(LA−700)の
測定条件は、攪拌モーターの速度:「4」、超音波分散
動作時間:「5min」、超音波終了後の待ち時間:
「0sec」、循環ポンプの速度:「3」、データ取り
込み回数:「10」、分布形態:「1」、及び、屈折率
設定:「しない」である。
【0049】常温で液体又は半固体の農薬有効成分の場
合は、固体の農薬有効成分或いは、農薬有効成分を含ま
ない助剤等を含有する造粒物に、必要であれば常温で液
状の不揮発性物質と混合後、含浸させることにより、本
発明の農薬粒状水和剤を得ることができる。
【0050】本発明に用いられる常温で液状の不揮発性
物質としては、農薬有効成分に粒子成長、分解等の悪影
響を与えず、農薬有効成分を均一に含浸できる性質を有
するものであればよく、高沸点、低毒性で引火点が高
く、低粘度で、農薬有効成分に対して溶解力の低い溶媒
が好ましく、例えば、低粘度の流動パラフィン、塩素化
パラフィン、イソパラフィン、マシン油、ポリブテン、
パラフィン系、ナフテン系、芳香族系の各種高沸点溶媒
等の鉱物油;ヤシ油、大豆油、菜種油等の植物油;鯨油
等の動物油;シリコーンオイル及びその誘導体、オレイ
ン酸、ヤシ油脂肪酸、マレイン酸、フマル酸、アジピン
酸等のモノマー又はジカルボン酸の種々のエステル;ト
リブチルホスフェートやトリスクロルエチルホスフェー
ト等のリン酸の種々のエステル等の可塑剤;エチレング
リコール、ジエチレングリコール、ブタンジオール等の
グリコール類及びそれらの種々のエステル及びエーテル
類;ε−カプロラクトン、γ−ブチルラクトン等のラク
トン類;N−メチルピロリドン等のアルキルピロリドン
類;及び種々の液状界面活性剤を挙げることができる。
【0051】本発明の農薬粒状水和剤の造粒方法は、例
えばドームグラン、ツインドームグラン(株式会社ダル
トン)、横型ペレッターEXD−60型(株式会社ダル
トン)、竪型ペレッターRG−5M型(菊水製作所株式
会社)等の押出し造粒機、フローコーター(フロイント
産業株式会社)等の流動層造粒機、バーチカルグラニュ
レーター(富士産業株式会社)、スパルタンリューザー
(株式会社ダルトン)等の攪拌造粒機、スパイラフロー
(フロイント産業株式会社)等の流動層攪拌造粒機を用
いて、粉末100%に対し、水または水と結合剤等の補
助剤混合液を約5〜25%噴霧添加しながら造粒する
か、スプレードライヤー(大川原化工機株式会社)等の
噴霧造粒機を用いて粉末100%に水を約20〜500
%添加した分散液を噴霧乾燥しながら造粒した後、乾燥
し必要に応じて篩分して製品とする。これらいろいろな
造粒方法が可能であるが、その中でも造粒能力、製造費
用等を総合し考え合わせると、押出し造粒又は撹拌造粒
が好ましい製造方法である。
【0052】押し出し造粒機による造粒法においては、
通常、農薬粒状水和剤中に、1〜10%の水又は界面活
性剤との混合液を用いて造粒することが出来る。具体的
には、まず、農薬活性成分、デキストリン、澱粉又は澱
粉誘導体及び水溶性無機塩等、必要な他の成分を均一に
混合する。この際、固形成分が塊のような場合には、適
度な粒度にまで粉砕しておくことが好ましい。適度な粒
度としては、約1〜100μmの粒子径である。次い
で、この混合物に、1〜10%の範囲内で、適量の水又
は界面活性剤との混合液を加え、双腕ニーダー等の練合
機を用いてよく混練し、押し出し造粒機により造粒す
る。次いで、この造粒物を乾燥後、必要な粒度区分に篩
い分けて、必要ならその他の成分の残りを加え、農薬粒
状水和剤とする。
【0053】攪拌混合機による造粒法においては、通
常、農薬粒状水和剤中に、1〜10%の水又は界面活性
剤との混合液を用いて造粒することができる。具体的に
は、農薬活性成分、デキストリン、澱粉又は澱粉誘導体
及び水溶性無機塩等、必要な他の成分を加えて撹拌混合
機中で均一に混合する。この際、固形成分が塊のような
場合には、適度な粒度に粉砕し、混合操作を容易にして
おくことが好ましい。次いで、この混合物に、1〜10
%の範囲内で、適量の水又は界面活性剤との混合液を加
え、さらに撹拌混合機中で、混合物がなめらかな粘りを
生じ、最大粒径が約1000μmの顆粒となるまで撹拌
混合する。次に、この混合物を乾燥後、必要ならその他
の成分の残りを加え、必要な粒度区分に篩い分けて農薬
粒状水和剤とする。
【0054】このようにして得られる本発明の農薬粒状
水和剤の見掛け比重は、通常、0.2〜1.2g/mL
であり、好適には、0.5〜1.0g/mLである。
【0055】本発明の農薬粒状水和剤の粒度は、有効成
分の種類や用途等により異なるが、粉立ちがなく、水中
で容易に崩壊分散する程度のものが好ましく、通常、
0.1〜2mmであり、好適には、0.2〜1.5mm
であり、より好適には、0.3〜1.0mmである。
【0056】本発明の農薬粒状水和剤の使用方法は、通
常の農薬散布方法を用いることができる。本発明の農薬
粒状水和剤を水に希釈して使用する場合、通常、2〜2
0000倍程度に希釈して散布液を調製し、この散布液
を散布することができる。散布液の散布方法としては、
希釈液を樹脂、ガラス、紙等を材料とするボトルから水
田や畑へ直接散布する方法、噴霧器やジョロ等による散
布、または近年普及してきているラジコンヘリ(RCヘ
リ)、ラジコンボート等のラジコンによる方法などが挙
げられる。更に、上記散布液を用い、種子浸漬等をする
ことができる。
【0057】また、本発明の農薬粒状水和剤を希釈せず
に直接散布する場合、水田や畑地へ散布する量は、通
常、10アール当たり10〜5000gであり、好適に
は、100〜3000gである。この場合は、直接土壌
又は水田に処理する方法や、植物体の茎葉に処理する方
法がある。更に、種子粉衣や育苗箱処理等をすることが
できる。
【0058】本発明の農薬粒状水和剤は湿気を避けるた
め、防湿性の容器などに保存するのが好ましい。このよ
うな容器としては、例えば、樹脂、アルミ、紙等を必要
に応じて貼り合わせた材料や、樹脂や紙等の表面にアル
ミや珪酸を蒸着させた材料からなる瓶、袋、箱などが望
ましい。
【0059】以下に、実施例、比較例及び試験例を示し
て、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら
に限定されるものではない。なお、ここにおいて用いら
れる%及び部は、特に記載がない限り、全て質量に関す
る%及び部を示す。
【0060】
【実施例】
【0061】
【実施例1】クロマフェノジド5%を含有する農薬粒状
水和剤 クロマフェノジド原体 50部、ロカヘルプ439(粉
末状パーライト、三井金属鉱業株式会社製)50部を混
合しサンプルミル(株式会社ダルトン製、スクリーン径
3mm)で粉砕する。この粉砕物 11部、Tamol
DN(フェノールスルホン酸縮合物の塩、BASFジャ
パン株式会社製)5部、ネオゲンパウダー(アルキルベ
ンゼンスルホン酸塩、第一工業製薬株式会社製)5部、
デキストリン102−N(日澱化学株式会社製の焙焼デ
キストリン。冷水可溶分98%)5部、中性無水ボウ硝
AOB(硫酸ナトリウム、四国化成工業株式会社製)2
0部、Z−300F(酢酸澱粉、日澱化学株式会社製)
54部の混合粉末に、水25部を加え練合したのち、バ
スケット型造粒機(菊水製作所株式会社製、RG−5M
型、スクリーン径0.7mmφ)にて押出し造粒し、送
風棚型乾燥機(送風設定温度70℃)を用いて1時間乾
燥した。得られた乾燥粒を850〜500μmに整粒
し、クロマフェノジド5%を含有する本発明の農薬粒状
水和剤を得た。
【0062】
【実施例2】インドキサカルブ5%を含有する農薬粒状
水和剤 インドキサカルブ原体 55部、ロカヘルプ439 4
5部を混合しサンプルミルで粉砕する。この粉砕物 1
1部、MORWET D425(アルキルナフタレンス
ルホン酸縮合物の塩、クロンプトン株式会社製)5部、
ネオゲンパウダー5部、デキストリンND−SN(冷水
可溶分98%の焙焼デキストリン、日澱化学株式会社
製)5部、中性無水ボウ硝AOB 20部、Z−300
F 54部の混合粉末に、水25部を加え練合したの
ち、バスケット型造粒機(スクリーン径0.7mmφ)
にて押出し造粒し、送風棚型乾燥機(送風設定温度70
℃)を用いて1時間乾燥した。得られた乾燥粒を850
〜500μmに整粒し、インドキサカルブ5%を含有す
る本発明の農薬粒状水和剤を得た。
【0063】
【実施例3】インドキサカルブ12.5%を含有する農
薬粒状水和剤 インドキサカルブ原体 55部、ロカヘルプ439 4
5部を混合しサンプルミルで粉砕する。この粉砕物 2
3部、MORWET D425 5部、トキサノンGR
−31A(ポリアクリル酸塩の43%水溶液、三洋化成
工業株式会社製)11.6部、ネオゲンパウダー5部、
デキストリンND−S(冷水可溶分98%の焙焼デキス
トリン、日澱化学株式会社製)5部、Z−300F 5
7部の混合粉末に、水14部を加え練合したのち、バス
ケット型造粒機(スクリーン径0.7mmφ)にて押出
し造粒し、送風棚型乾燥機(送風設定温度70℃)を用
いて1時間乾燥した。得られた乾燥粒を850〜500
μmに整粒し、インドキサカルブ12.5%を含有する
本発明の農薬粒状水和剤を得た。
【0064】
【実施例4】ジクロメジン20%、フサライド20%を
含有する農薬粒状水和剤 ジクロメジン原体 40部、フサライド原体 40部、
デモールEPパウダー(アルキレンマレイン酸共重合物
塩、花王株式会社製)10部、中性無水ボウ硝AOB
10部を混合しエアーミル(SK−ジェット・オーマイ
ザー0101型、株式会社セイシン企業製)で粉砕す
る。この粉砕物 50部、S−SMA3000(スチレ
ンマレイン酸共重合物塩、藤井義通商株式会社)2部、
ハイテノール12(ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル硫酸エステル塩、第一工業製薬株式会社製)0.2
部、デキストリン102−S(冷水可溶分98%の焙焼
デキストリン、日澱化学株式会社製)10部、Z−30
0F 37.8部を混合した。この混合物100部に対
し、水18部を加え、スパルタンリューザー2H(ダル
トン株式会社製の攪拌造粒機)を用いて、最大粒径が約
1000μmの顆粒になるまで攪拌造粒し、送風棚型乾
燥機(送風設定温度70℃)を用いて1時間乾燥した。
得られた乾燥粒を850〜350μmに篩分し、ジクロ
メジン20%、フサライド20%を含有する本発明の農
薬粒状水和剤を得た。
【0065】
【実施例5】ベンスルフロンメチル1%、グラチトール
5.5%、ダイムロン10%を含有する農薬粒状水和剤 ベンスルフロンメチル原体2.5部、グラチトール原体
13.75部、ダイムロン原体25部、KP−1436
(ポリオキシエチレンアルキルアリルリン酸エステル塩
の25%水溶液、花王株式会社製)4部、サーフィノー
ル104E(第3級アセチレングリコールの50%エチ
レングリコール溶液、日信化学工業株式会社製)0.1
部及び水54.65部を混合し、この混合物2.5kg
を、4.76mmφのスチールボール17kgを充填し
た湿式粉砕機(アトライターMA−1NS型、200r
pm、三井鉱山株式会社製)にて60分間粉砕し、スラ
リーを得た。得られたスラリー40部(固形分16.9
4部)、TamolDN2部、M−3801G(α−オ
レフィンスルホン酸塩、第一工業製薬株式会社製)5
部、ニューコール291PG(ジアルキルスルホサクシ
ネート塩の70%液、日本乳化剤株式会社製)1部、ロ
カヘルプ439 20部、デキストリンND−SN 5
部、中性無水ボウ硝AOB 20部、Z−300F 2
9.06部をニーダー(FM−NW−5型、富士産業株
式会社製)に加え5分間練合する。得られた練合物を、
ドームグラン(DG−L1型、スクリーン0.5mm
φ、株式会社ダルトン製)にて押出し造粒し、送風棚型
乾燥機(送風設定温度80℃)を用いて2時間乾燥し
た。得られた乾燥粒を350〜850μmに整粒した粒
核に、KS−538(シリコン、信越化学工業株式会社
製)1部を滴下混合し、ベンスルフロンメチル1%、グ
ラチトール5.5%、ダイムロン10%を含有する本発
明の農薬粒状水和剤を得た。
【0066】
【比較例1】クロマフェノジド5%を含有する農薬粒状
水和剤(デキストリン102−N→アミコールHF) クロマフェノジド原体 50部、ロカヘルプ439 5
0部を混合しサンプルミルで粉砕する。この混合物 1
1部、TamolDN5部、ネオゲンパウダー5部、ア
ミコールHF(日澱化学株式会社製のアルファー化澱
粉)5部、中性無水ボウ硝AOB 20部、Z−300
F 54部の混合粉末に、水25部を加え練合したの
ち、バスケット型造粒機(スクリーン径0.7mmφ)
にて押出し造粒し、送風棚型乾燥機(送風設定温度70
℃)を用いて1時間乾燥した。得られた乾燥粒を850
〜500μmに整粒し、クロマフェノジド5%を含有す
る農薬粒状水和剤を得た。
【0067】
【比較例2】インドキサカルブ5%を含有する農薬粒状
水和剤(Z−300F→カオリンHA) インドキサカルブ原体 55部、ロカヘルプ439 4
5部を混合しサンプルミルで粉砕する。この混合物 1
1部、MORWET D425 5部、ネオゲンパウダ
ー5部、デキストリンND−SN 5部、中性無水ボウ
硝AOB 20部、カオリンHA(クレー、山陽クレー
工業株式会社製)54部の混合粉末に、水15部を加え
練合したのち、バスケット型造粒機(スクリーン径0.
7mmφ)にて押出し造粒し、送風棚型乾燥機(送風設
定温度70℃)を用いて1時間乾燥した。得られた乾燥
粒を850〜500μmに整粒し、インドキサカルブ5
%を含有する農薬粒状水和剤を得た。
【0068】
【比較例3】インドキサカルブ12.5%を含有する農
薬粒状水和剤(Z−300F→カルフィン) インドキサカルブ原体 55部、ロカヘルプ439 4
5部を混合しサンプルミルで粉砕する。この混合物 2
3部、MORWET D425 5部、トキサノンGR
−31A 11.6部、ネオゲンパウダー 5部、デキ
ストリンND−S 5部、カルフィン600(炭酸カル
シウム、足立石灰工業株式会社製)57部の混合粉末
に、水14部を加え練合したのち、バスケット型造粒機
(スクリーン径0.7mmφ)にて押出し造粒し、送風
棚型乾燥機(送風設定温度70℃)を用いて1時間乾燥
した。得られた乾燥粒を850〜500μmに整粒し、
インドキサカルブ12.5%を含有する農薬粒状水和剤
を得た。
【0069】
【比較例4】ジクロメジン20%、フサライド20%を
含有する農薬粒状水和剤(デキストリン→ゴーセノー
ル) ジクロメジン原体 40部、フサライド原体 40部、
デモールEPパウダー10部、中性無水ボウ硝AOB
10部を混合しエアーミルで粉砕する。この混合物 5
0部、S−SMA3000 2部、ハイテノール12
0.2部、ゴーセノールGL−05S(ポリビニルアル
コール、日本合成化学工業株式会社製)10部、Z−3
00F 37.8部を混合した。この混合物100部に
対し、水18部を加え、スパルタンリューザー2Hを用
いて、最大粒径が約1000μmの顆粒になるまで攪拌
造粒し、送風棚型乾燥機(送風設定温度70℃)を用い
て1時間乾燥した。得られた乾燥粒を850〜350μ
mに篩分し、ジクロメジン20%、フサライド20%を
含有する農薬粒状水和剤を得た。
【0070】
【比較例5】ベンスルフロンメチル1%、グラチトール
5.5%、ダイムロン10%を含有する農薬粒状水和剤
(デキストリン、Z−300F→セロゲン5A、カルフ
ィン600) ベンスルフロンメチル原体2.5部、グラチトール原体
13.75部、ダイムロン原体25部、KP−1436
4部、サーフィノール104E 0.1部及び水5
4.65部を混合し、この混合物2.5kgを、4.7
6mmφのスチールボール17kgを充填した湿式粉砕
機(アトライターMA−1NS型)にて60分間粉砕
し、スラリーを得た。得られたスラリー40部(固形分
16.94部)、TamolDN 2部、M−3801
G 5部、ニューコール291PG1部、ロカヘルプ4
39 20部、セロゲン5A(カルボキシメチルセルロ
ースナトリウム、第一工業製薬株式会社製)5部、カル
フィン600(炭酸カルシウム、足立石灰工業株式会社
製)49.06部をニーダーに加え5分間練合する。得
られた練合物を、ドームグラン(スクリーン0.5mm
φ)にて押出し造粒し、送風棚型乾燥機(送風設定温度
80℃)を用いて2時間乾燥した。得られた乾燥粒を3
50〜850μmに整粒した粒核に、KS−538 1
部を滴下混合し、ベンスルフロンメチル1%、グラチト
ール5.5%、ダイムロン10%を含有する農薬粒状水
和剤を得た。
【0071】以上の実施例及び比較例より得られた製剤
について、品質を具体的に示す。
【0072】
【試験例1】水中崩壊性試験 容量1Lのビーカーに3度硬水1Lを加える。底面より
2cmの高さに120rpm、回転径8.5cmで回転
する針金(3mmφ)製の回転羽根をセットし、底部が
見えるように鏡を置いた。試料1gを水面に5cmの位
置より均一に広がる様に静かに落とした。30秒後に回
転羽根を120rpmで回転させ、粒が完全に崩壊分散
して均一になるまでの時間を測定した。水中崩壊性は、
以下の基準で判定した。その結果を、表1に示す。 (水中崩壊性の基準) ◎:30秒以内に粒が崩壊分散する ○:1分以内に粒が崩壊分散する ×:2分後に未崩壊の粒が認められる
【0073】
【試験例2】懸垂性試験 250mLの有栓ガラスシリンダー(内径約4cm)に
3度硬水(20°)250mLを入れる。試料250m
g(有効成分Amg)を加え2分間静置したのち、1分
間に30回倒立して振り混ぜ15分間静置する。次に2
5mLのホールピペットを液中に入れその先端を液の中
央に保ち、検液25mLを静かに吸い取り、有効成分の
含量(Bmg)を測定した。次の式により懸垂率を算出
した。その結果を、表1に示す。
【0074】
【数2】懸垂率(%)=(B×10)/A×100
【0075】
【表1】 ───────────────────────────────── 試験粒状 水中崩壊性 懸垂性 水和剤 ──────────────────── 農薬活性成分 懸垂率(%) ───────────────────────────────── 実施例1 ◎ クロマフェノジド 95.5 実施例2 ◎ インドキサカルブ 93.8 実施例3 ◎ インドキサカルブ 95.6 実施例4 ◎ ジクロメジン 96.3 フサライド 97.1 実施例5 ◎ ベンスルフロンメチル 98.7 カフェンストロール 94.5 ダイムロン 93.3 ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ 比較例1 × クロマフェノジド 10.1 比較例2 × インドキサカルブ 35.7 比較例3 × インドキサカルブ 23.9 比較例4 × ジクロメジン 28.6 フサライド 30.1 比較例5 × ベンスルフロンメチル 55.9 カフェンストロール 30.0 ダイムロン 31.1 ───────────────────────────────── 懸垂性の良否の目安は懸垂率として70%であり、70
%以上であれば実用上問題がない。これら実施例の農薬
粒状水和剤の水中崩壊性及び懸垂率は極めて良好であっ
た。
【0076】
【試験例3】経時安定性試験 実施例1乃至5の農薬粒状水和剤を、アルミ貼り合せク
ラフト袋に入れ、50℃の恒温機中で保存し、14日後
の水中崩壊性(試験例1と同様に試験した。)及び懸垂
性(試験例2と同様に試験した。)の試験結果を表2に
示す。
【0077】
【表2】 ───────────────────────────────── 試験粒状 水中崩壊性 懸垂性 水和剤 ──────────────────── 農薬活性成分 懸垂率(%) ───────────────────────────────── 実施例1 ◎ クロマフェノジド 94.5 実施例2 ◎ インドキサカルブ 91.8 実施例3 ◎ インドキサカルブ 95.3 実施例4 ◎ ジクロメジン 94.3 フサライド 96.1 実施例5 ◎ ベンスルフロンメチル 97.4 カフェンストロール 93.9 ダイムロン 93.1 ───────────────────────────────── 本発明の農薬粒状水和剤(実施例1乃至5)は、水中崩
壊性が良く、また希釈液の懸垂性も安定である。また虐
待経時試験による物理性の劣化も認められなかった。
【0078】
【発明の効果】本発明の農薬粒状水和剤は、粉立ちが少
なく計量・取扱が容易で、水稀釈性が良好であり稀釈液
の安定性も良く、かつ保存・貯蔵による経時劣化もない
良好な製剤である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A01N 47/28 A01N 47/28 A 47/36 101 47/36 101E 101Z 47/38 47/38 Z Fターム(参考) 4H011 AA01 AB02 AC01 BA01 BA06 BB08 BB09 BB14 BC03 BC07 BC18 BC19 BC20 DA15 DC01 DC05 DC06 DC08 DH02 DH03 DH10 DH19

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 農薬活性成分;デキストリン及び澱粉又
    は澱粉誘導体を含有することを特徴とする農薬粒状水和
    剤。
  2. 【請求項2】 デキストリンの冷水可溶分が20℃で8
    0%以上である、請求項1に記載の農薬粒状水和剤。
  3. 【請求項3】 デキストリンが焙焼デキストリンであ
    る、請求項1又は2に記載の農薬粒状水和剤。
  4. 【請求項4】 澱粉誘導体がエーテル化澱粉、エステル
    化澱粉又は架橋澱粉である、請求項1乃至3のいずれか
    1つに記載の農薬粒状水和剤。
  5. 【請求項5】 澱粉誘導体がエステル化澱粉である、請
    求項1乃至3のいずれか1つに記載の農薬粒状水和剤。
  6. 【請求項6】 水溶性無機塩を含有する、請求項1乃至
    5のいずれか1つに記載の農薬粒状水和剤。
  7. 【請求項7】 水溶性無機塩が20℃の水100gに1
    g以上の溶解度を有する、請求項6に記載の農薬粒状水
    和剤。
  8. 【請求項8】 界面活性剤を含有する、請求項1乃至7
    のいずれか1つに記載の農薬粒状水和剤。
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