JP2003308956A - 誘導加熱ローラ装置、定着装置および画像形成装置 - Google Patents

誘導加熱ローラ装置、定着装置および画像形成装置

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JP2003308956A
JP2003308956A JP2002114732A JP2002114732A JP2003308956A JP 2003308956 A JP2003308956 A JP 2003308956A JP 2002114732 A JP2002114732 A JP 2002114732A JP 2002114732 A JP2002114732 A JP 2002114732A JP 2003308956 A JP2003308956 A JP 2003308956A
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high frequency
heating roller
induction
coil
induction coil
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Application number
JP2002114732A
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English (en)
Inventor
Toshiya Suzuki
俊也 鈴木
Ichiro Yokozeki
一郎 横関
Takayuki Ogasawara
崇行 小笠原
Takaaki Tanaka
貴章 田中
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Toshiba Lighting and Technology Corp
Original Assignee
Harison Toshiba Lighting Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高周波電源および整合回路を誘導コイルから離
間して配設する際に、高周波伝送路を流れる高周波電流
の力率を改善して、高周波伝送路の線径をなるべく小さ
くするとともに、高周波伝送路から輻射される放射ノイ
ズを低減した誘導加熱ローラ装置、これを用いた定着装
置および画像形成装置を提供する。 【解決手段】誘導加熱ローラ装置は、誘導コイル1A、
1B、1Cと、この誘導コイルに磁気結合して電磁誘導
により加熱されるとともに、回転可能に支持される中空
の加熱ローラ2と、誘導コイル1A、1B、1Cに接続
されるとともに、誘導コイルに接近した位置に配設され
た力率改善手段3と、誘導コイル1A、1B、1Cから
離間した位置に配設された高周波電源4と、高周波電源
4および誘導コイルの間を接続する高周波伝送路5と、
高周波電源4および高周波伝送路5の間に介在するとと
もに、高周波電源4に接近して配設された整合回路6と
を具備している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、誘導加熱ローラ装
置、これを用いた定着装置および画像形成装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】トナー画像を熱定着するために、従来か
らハロゲン電球を熱源として用いた加熱ローラが用いら
れているが、ウオームアップ時間が長くなったり、熱容
量が不足したりするという問題がある。そこで、誘導加
熱方式を導入してこの問題を解決しようと開発が行われ
ている。
【0003】特開2000−215974号公報には、
被加熱体に近接して配設され、被加熱体に誘導電流を生
じさせる励磁コイルであって、コイル線材を平面的に巻
いたものを被加熱体の曲面に沿わせて変形してあり、励
磁コイルの長手方向両端部の被加熱体とは反対側に励磁
コイルの曲面に沿うように磁性体コアが配設されている
励磁コイルが記載されている。(従来技術1) また、特開2000−215971号公報には、電磁誘
導発熱性の加熱回転体と、加熱回転体の内側に配置され
た磁束発生手段を有し、磁束発生手段から発生させた高
周波誘導磁束により加熱回転体を電磁誘導発熱させて被
加熱体を加熱する誘導加熱装置であって、磁束発生手段
は、磁性体からなるコアと、コアに巻線した電磁変換コ
イルを有し、磁性体コアは、電磁変換コイルを巻線した
コア部分と、コア部分より加熱回転体の一部分に磁束を
集中させるための、先端部間に磁気空間ギャップを存し
て対向させた磁束誘導コア部分を有する構造が記載され
ている。(従来技術2) 従来技術1および2は、いずれも渦電流損を利用する加
熱方式であり、IHジャーなどにおいて実用化されてい
るのと同様な動作原理である。この種の加熱方式におい
て用いられている高周波の周波数は、20〜100kH
z程度である。
【0004】これに対して、特開昭59−33787号
公報には、導電部材で構成した円筒状ローラ本体と、ロ
ーラ本体内に同心状に配置した円筒状ボビンと、ボビン
の外周に螺旋状に巻装して通電によりローラ本体内に誘
導電流を誘起させて加熱する誘導コイルとを備えた高周
波誘導加熱ローラが記載されている。(従来技術3) 従来技術3においては、円筒状ローラ本体が閉回路の2
次コイルとなり、誘導コイルが1次コイルとなって、両
者の間にトランス結合が生じて、円筒状ローラ本体の2
次コイルに2次電圧が誘起される。そして、この2次電
圧に基づいて2次コイルの閉回路内を2次電流が流れる
ことにより、円筒状ローラ本体が発熱する2次側抵抗の
発熱による加熱方式(以下、「トランス方式」という。)
である。トランス方式は、渦電流損方式より磁気的結合
が強いために定常効率が高いとともに、加熱ローラ全体
を加熱できるので、従来技術1および2に比較して定着
装置の構造が簡単になるという利点がある。また、加え
て動作周波数を100kHz以上、好適には1MHz以
上の高周波にすることによって、誘導コイルのQを大き
くして電力伝達効率を高くすることができる。このた
め、加熱の総合効率が高くなり、省電力を図ることがで
きる。また、渦電流損方式に比較して定着装置の構造が
簡単になるという利点もある。さらに、渦電流損方式の
加熱ローラより熱容量をかなり小さくすることができ
る。したがって、トランス方式は、熱定着の高速化に甚
だ好適である。
【0005】本発明者らは、先に誘導コイルに空芯トラ
ンス結合する回転可能に支持される中空構造からなる加
熱ローラの2次側抵抗値を2次リアクタンスにほぼ等し
い閉回路に形成することにより、誘導コイルから加熱ロ
ーラへの電力伝達効率が高くなり、加熱ローラを効率よ
く加熱できる著しい効果が得られるトランス結合形の発
明をなした。この発明は、特願2001−016335
号として本件出願人により出願されている。この発明に
より加熱ローラの誘導加熱の省電力を図るとともに、熱
定着を高速化することが容易になった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】トランス方式において
は、誘導コイルの駆動周波数が高い方が電力伝達効率が
高くなるので、100kHz以上、好適には発振周波数
が1MHz以上の高周波電源を用いるのが一般的であ
る。また、高周波電力を効率高く誘導コイルに伝達する
ために、高周波電源と誘導コイルとの間に整合回路を介
在させている。そして、整合回路は、負荷になるべく近
い位置に配置するのがよい。
【0007】ところが、誘導コイルは、加熱ローラの内
部に配置されている関係で、作動中高温になる。したが
って、整合回路および高周波電源を誘導コイルに接近し
て配置しようとすると、整合回路および高周波電源の耐
熱グレードを高くする必要がるので、コストアップを招
くという問題がある。また、耐熱グレードを高くする
と、整合回路や高周波電源が大形化してしまい、定着装
置延いては定着装置を組み込む画像形成装置が大形化す
るという問題もある。
【0008】そこで、上述の問題を回避するために、高
周波電源および整合回路を誘導コイルから離間した位置
に配置し、整合回路と誘導コイルとの間を高周波伝送路
で接続することが考えられる。
【0009】ところが、誘導コイルと加熱ローラとの間
の結合係数は、一般的に小さいため、誘導電流に流れる
電流の力率が小さくなり、高周波伝送路を通流する高周
波のVAが大きくなる。加えて、整合回路と誘導コイル
との間に介在する高周波伝送路の配線インダクタンスを
無視できなくなり、そのため誘導コイルに流れる電流の
力率がさらに低下してしまう。そのため、高周波伝送路
の線径がその分大きくなったり、高周波伝送路の耐熱グ
レードを大きくする必要が生じたりするため、高周波伝
送路が高価になってしまう。また、高周波伝送路のVA
が大きくなると、高周波伝送路から周囲に輻射される放
射ノイズが増大して周囲に配置される電子回路に誤動作
を生じさやすくなる。
【0010】本発明は、高周波電源および整合回路を誘
導コイルから離間して配設する際に、高周波伝送路を流
れる高周波電流の力率を改善して、高周波伝送路の線径
をなるべく小さくするとともに、高周波伝送路から輻射
される放射ノイズを低減した誘導加熱ローラ装置、これ
を用いた定着装置および画像形成装置を提供することを
目的とする。
【0011】
【課題を達成するための手段】請求項1の発明の誘導加
熱ローラ装置は、誘導コイルと;誘導コイルに磁気結合
して電磁誘導により加熱されるとともに、回転可能に支
持される中空の加熱ローラと;誘導コイルに接続される
とともに、誘導コイルに接近した位置に配設された力率
改善手段と;誘導コイルから離間した位置に配設された
高周波電源と;高周波電源および誘導コイルの間を接続
する高周波伝送路と;高周波電源および高周波伝送路の
間に介在するとともに、高周波電源に接近して配設され
た整合回路と;を具備していることを特徴としている。
【0012】本発明および以下の各発明において、特に
指定しない限り用語の定義および技術的意味は次によ
る。
【0013】<誘導コイルについて> 誘導コイル
は、後述する高周波電源から整合回路および高周波伝送
路を経由して付勢すなわち励磁されるとともに、後述す
る中空の加熱ローラの内部に挿入されて、誘導コイルが
1次コイルとなって加熱ローラと磁気結合たとえば空芯
トランス結合を行うが、回転する加熱コイルに対して静
止していてもよいし、加熱ローラと一緒に、または別に
回転してもよい。なお、回転する場合には、高周波電源
と誘導コイルとの間に回転集電機構を介在すればよい。
また、「空芯トランス結合」とは、完全な空芯のトラン
ス結合だけでなく、実質的に空芯とみなせるトランス結
合の場合を含む意味である。しかし、要すれば、渦電流
損加熱方式の電磁結合であってもよい。
【0014】また、誘導コイルは、これを支持するため
に後述するコイルボビンを備えていることができる。コ
イルボビンには、整列巻の状態で誘導コイルを支持する
ための巻溝を形成することができる。コイルボビンを中
空にして内部に誘導コイルに接続する高周波伝送路を通
線するように構成することができる。しかし、コイルボ
ビンに代えて合成樹脂やガラス質材により誘導コイルを
直接成形ないし接着することによって、複数の誘導コイ
ルを所定形状に維持するように構成することもできる。
【0015】さらに、誘導コイルは、単一または複数で
あることを許容する。単一の場合には、加熱ローラのほ
ぼ中央位置に位置するように配設することができる。複
数の1次コイルを用いる場合には、それらを加熱コイル
の軸方向に分散して配設することができる。そして、各
誘導コイルを高周波電源に対して並列接続することがで
きる。しかし、要すれば、複数の誘導コイルを直列接続
するようにしてもよい。
【0016】<加熱ローラについて> 加熱ローラ
は、閉回路を形成した2次コイルを備えていて、この2
次コイルが誘導コイルと磁気結合、たとえば空芯トラン
ス結合する。後者の場合、閉回路の2次側抵抗値は、2
次コイルの2次リアクタンスとほぼ等しい値を有してい
る。なお、2次側抵抗値と2次リアクタンスとが「ほぼ
等しい」とは、2次側抵抗値をRaとし、2次リアクタ
ンスをXaとし、かつ、α=Ra/Xaとしたとき、数
式1を満足する範囲とする。なお、数式条件を規定する
理由については本発明者によりなされた特願2001−
016335に開示されている。また、2次側抵抗値
は、測定により求めることが可能である。2次リアクタ
ンスは、計算により求めることが可能である。さらに、
好適にはαが0.5〜2倍の範囲である。
【0017】
【数1】0.25<α<4 また、加熱ローラは、2次コイルを単一または複数配設
することができる。複数の2次コイルを配設する場合、
それらを加熱ローラの軸方向に分散して配設することが
望ましい。2次コイルを支持するために、絶縁性物質か
らなるローラ基体を用いることができる。そして、ロー
ラ基体の外面、内面またはローラ基体の内部に2次コイ
ルを配設することができる。
【0018】さらに、2次コイルを導体層、導電線およ
び導電板などの導体を持って形成することができる。導
体層は、所望の2次側抵抗値を得るために、以下の材料
および製造方法を採用することができる。厚膜形成法
(塗布+焼成)により形成する場合には、Ag、Ag+
Pd、Au、Pt、RuOおよびCからなるグループ
から選択した材料を用いるのがよい。塗布方法として
は、スクリーン印刷法、ロールコーター法およびスプレ
ー法などを用いることができる。これに対して、めっ
き、蒸着またはスパッタリング法により形成する場合に
は、Au、Ag、NiおよびCu+(Au、Ag)のグ
ループから選択した材料を用いるのがよい。導電線およ
び導電板は、銅およびアルミニウムなどを用いることが
できる。
【0019】次に、より一層実際的な加熱ローラを得る
ために、必要に応じて以下の構成を付加することが許容
される。
【0020】1 ローラ基体について 2次コイルを支持するために、絶縁性物質からなるロー
ラ基体を用いることができる。この場合、2次コイル
は、ローラ基体の外面、内面または内部に配設すること
ができる。絶縁性のローラ基体は、セラミックスまたは
ガラスを用いて形成することができる。そして、ローラ
基体の耐熱性、強い衝撃性および機械的強度などを考慮
して、たとえば以下の材料を用いることができる。セラ
ミックスとしては、たとえばアルミナ、ムライト、窒化
アルミニウムおよび窒化ケイ素などである。ガラスとし
ては、たとえば結晶化ガラス、石英ガラスおよびパイレ
ックス(登録商標)などである。
【0021】2 熱拡散層について 熱拡散層は、加熱ローラの軸方向における温度の均整度
を向上するための手段として、必要に応じて導体層の上
側に配設することができる。このために、熱拡散層は、
加熱ローラの軸方向への熱伝導が良好な物質を用いるの
がよい。熱伝導率の高い物質は、Cu、Al、Au、A
gおよびPtなど導電率の高い金属に多く見られる。し
かし、熱拡散層は、導体層の材料に対して同等以上の熱
伝導率を有していればよい。したがって、熱拡散層は、
導体層と同一材料であってもよい。
【0022】また、熱拡散層が導電性物質からなる場
合、導体層と導電的に接触していてもよいが、絶縁膜を
介して配設することにより、放射ノイズの輻射を遮断す
る作用をも奏する。なお、高周波磁界は、熱拡散層まで
作用しないので、熱拡散層には発熱に寄与するほどの2
次電流は誘起されない。
【0023】3 保護層について 保護層は、加熱ローラの機械的保護および電気絶縁、あ
るいは弾性接触性またはトナー離れ性向上のために、必
要に応じて配設することができる。前者のための保護層
の構成材料としては、ガラスを、また後者のための保護
層の構成材料としては合成樹脂を、それぞれ用いること
ができる。ガラスとしては、ホウケイ酸亜鉛系ガラス、
ホウケイ酸鉛系ガラス、ホウケイ酸系ガラスおよびアル
ミノシリケート系ガラスからなるグループの中から選択
して用いることができる。また、後者としては、シリコ
ーン樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂+フッ素樹脂お
よびポリアミド+フッ素樹脂からなるグループの中から
選択して用いることができる。なお、ポリイミド樹脂+
フッ素樹脂およびポリアミド+フッ素樹脂の場合、フッ
素樹脂が外側に配設される。
【0024】4 加熱ローラの形状について 所望により加熱ローラにクラウンを形成することができ
る。クラウンとしては、鼓形および樽形のいずれであっ
てもよい。
【0025】5 加熱ローラの回転機構について 加熱ローラを回転するための機構は、既知の構成を適宜
選択して採用することができる。なお、トナー画像を熱
定着する場合には、加熱ローラと正対して加圧ローラを
配設して、両ローラの間をトナー画像が形成された記録
媒体が通過する際に加熱されてトナーが記録媒体に融着
するように構成することができる。
【0026】<力率改善手段について> 力率改善手
段は、高周波伝送路に流れる高周波電流の力率を相対的
に高くする手段であり、誘導コイルのリアクタンスはイ
ンダクタンスが主体であるから、キャパシタンスを付加
してインピーダンスを低減させることにより、力率を向
上させることができる。キャパシタンスは、高周波伝送
路の終端側において、誘導コイルに接近した位置にコン
デンサを接続することにより、回路に付加することがで
きる。コンデンサの接続位置は、加熱ローラの外側およ
び内部のいずれであってもよい。加熱ローラの内部に力
率改善手段を配設する場合、耐熱グレードの高いセラミ
ックスコンデンサを用いるとよい。
【0027】また、力率改善手段は、誘導コイルに対し
て並列または直列に接続することができる。さらに、力
率改善手段は、所望により加熱ローラの内部に収納され
た状態で配設することができる。しかし、加熱ローラの
外部に位置するように配設されていてもよい。また、力
率改善手段は、加熱ローラの内外いずれであっても、コ
イルボビンに凹窪部を形成して、その内部に配設するこ
ともできる。
【0028】<高周波電源について> 高周波電源
は、その出力の周波数が基本的に限定されるものではな
いが、空芯トランス結合方式の場合は、1MHz以上の
高周波を出力するように構成されていると都合がよい。
なぜなら、100kHz以上の高周波にすることによ
り、導誘コイルのQを大きくして電力伝達効率をより一
層高くすることが可能になるからである。電力伝達効率
が高くなると、加熱の総合効率が高くなり、省電力を図
ることができる。しかし、実際的には15MHz以下の
周波数にすることにより、放射ノイズの問題をなるべく
回避しやすくすることができる。なお、適合する能動素
子(たとえば、後述するようにMOSFETを用いることがで
きる。)の経済性および高周波ノイズ抑制の容易性など
の観点からは、好適には1〜4MHzである。また、本
発明は、渦電流結合方式であってもよいが、その場合に
は、20〜100kHzの範囲の周波数が好適である。
【0029】また、高周波を発生させるには、直流また
は低周波交流を直接または間接的に半導体スイッチ素子
などの能動素子を用いて高周波に変換するのが実際的で
ある。低周波交流から高周波電力を得るには、整流手段
を用いていったん低周波交流を直流に変換するのがよ
い。直流は、平滑回路を用いて形成した平滑化直流でも
よいし、非平滑直流であってもよい。直流を高周波に変
換するには、増幅器およびインバータなどの回路要素を
用いることができる。増幅器としては、たとえば電力変
換効率の高いE級増幅器などを用いることができる。ま
た、ハーフブリッジ形インバータなどを用いることもで
きる。さらに、能動素子としては、高周波特性に優れて
いるMOSFETが好適である。複数の高周波電源回路を並列
的に接続して、各高周波電源回路の高周波出力を合成し
てから誘導コイルに印加するように構成することができ
る。これにより、所望の電力でありながら各高周波電源
回路の出力を小さくてよいから、能動素子にMOSFETを用
いて、廉価に効率よく高周波を発生することができる。
【0030】さらに、高周波電源の出力の周波数を可変
に構成することにより、各誘導コイルに投入される電力
を個別的に制御することが可能になる。また、要すれ
ば、たとえば起動時の投入電力を通常運転時のそれより
大きくして、急速加熱を行なう用に構成することができ
る。
【0031】さらにまた、高周波電源は、複数の誘導コ
イルに対して共通にすることができる。これにより、各
誘導コイルに投入される電力を個別的に制御することが
可能になる。しかし、要すれば、周波数可変の高周波電
源を各誘導コイルに対して個別に配設することもでき
る。
【0032】さらにまた、要すれば、たとえば起動時の
投入電力を通常運転時のそれより大きくして、急速加熱
を行なう用に構成することができる。
【0033】<高周波伝送路について> 本発明にお
いて、「高周波伝送路」とは、高周波電源から発生する
高周波電力を整合回路を経由して誘導コイルに供給する
ための伝送手段をいい、平行2本線、同軸線路および導
波管などを含む概念である。したがって、高周波伝送路
は、互いに離間した整合回路と誘導コイルとの間に介在
して、それらの間を電気的に接続する。また、高周波伝
送路は、加熱ローラの内部においては、誘導コイルの内
面または外面に接近した位置に配置するのがよい。平行
2本線からなる高周波伝送路を誘導コイルの内部に通線
する場合、高周波伝送路が誘導コイルの中心軸に近い
と、高周波伝送路と鎖交する磁束が多くなるために、内
部に渦流損が生じて電力伝達効率が低下するので、好ま
しくない。これに対して、上記のように構成することに
より、高周波伝送路と鎖交する磁束が少なくなるので、
電力伝達効率の低下が相対的に抑制される。
【0034】<整合回路について> 整合回路は、高
周波電源の内部インピーダンスと負荷インピーダンスと
が異なっている場合に、両者の間に介在してインピーダ
ンス変換を行なって両者のインピーダンスを整合させる
ことにより、電力伝達効率を高くするための回路手段を
いう。整合回路の回路構成は特段限定されなくて、既知
の各種回路構成を適宜選択して採用することができる。
しかし、整合回路から見ると、負荷は高周波伝送路およ
び誘導コイルを含むので、必ずしも誘導コイルと高周波
電源とが整合されるものではない。
【0035】<本発明のその他の構成について> 本
発明の必須構成要件ではないが、本発明の実施に際し
て、所望により以下の構成を選択的に付加することによ
り、性能が向上したり、機能が増加したりするので、さ
らに効果的な誘導加熱ローラ装置を得ることができる。
【0036】1 コイルボビンについて 誘導コイルを所定の形状および配設位置を所定に維持す
るために、誘電体損失のなるべく少なくて、耐熱性に優
れた材料を用いて製作したコイルボビンを用いて誘導コ
イルを支持することができる。この場合、コイルボビン
は、中空であってもよいし、内部が充実していてもよ
い。そして、コイルボビンには、整列巻のための巻溝や
高周波伝送路を収納する軸方向に延在する配線溝を形成
することができる。
【0037】2 ウオームアップ制御について 起動すなわち給電開始後のウオームアップ期間中、加熱
ローラが通常運転時におけるより低い回転数で回転する
ように制御することができる。
【0038】3 加熱ローラの温度制御について 加熱ローラの温度を所定範囲内で一定たとえば200℃
に維持にするために、加熱ローラの表面に感熱素子を導
熱的に接触させることができる。そして、感熱素子を温
度制御回路に接続する。感熱素子としては、負温度特性
を有するサーミスタや正温度特性を有する非直線抵抗素
子を用いることができる。
【0039】4 搬送シートについて 加熱ローラを用いて被加熱体を加熱する際に、加熱ロー
ラが直接被加熱体に当接するように構成することができ
るが、要すれば両者の間に搬送シートが介在するように
構成することができる。この場合、搬送シートは、無端
状またはロール状の形態をとることが許容される。搬送
シートを用いることにより、被加熱体の加熱と搬送をス
ムースに行うことが可能になる。
【0040】<本発明の作用について> 本発明にお
いては、上述した構成を具備していて、負荷の誘導コイ
ルに接近した位置で誘導コイルに力率改善手段を接続し
ているので、高周波伝送路に流れる高周波電流の力率が
改善されて高くなり、高周波伝送路に加わるVAが低減
する。そのため、高周波伝送路の電流容量を小さくでき
るので、細い電線を用いることが可能になり、コストダ
ウンを図るとともに、配線引き回し作業が容易になる。
また、高周波伝送路に流れる高周波電流が小さくなるの
で、高周波伝送路から輻射される放射ノイズが低減す
る。
【0041】請求項2の発明の誘導加熱ローラ装置は、
請求項1記載の誘導加熱ローラ装置において、外周側に
おいて誘導コイルを支持するとともに、少なくとも一部
に凹窪部が形成されたコイルボビンを具備しており;力
率改善手段は、コイルボビンの凹窪部に収納されてい
る;ことを特徴としている。
【0042】本発明は、力率改善手段の好適な配設態様
を規定している。すなわち、誘導加熱ローラ装置は、少
なくとも一部に凹窪部が形成されたコイルボビンを具備
している。このコイルボビンによって誘導コイルを支持
するとともに、力率改善手段をコイルボビンの凹窪部に
収納している。凹窪部は、コイルボビンの周面や軸方向
に沿った内部に中空状に形成される。すなわち、内部が
充実したコイルボビンにおいて、周面に開口するように
凹窪部を形成したり、予め円筒状をなすコイルボビンの
内部空間を凹窪部として利用したりすることができる。
【0043】また、コイルボビンは、セラミックスやガ
ラスなどの誘電体損失が小さくて、耐熱性が優れた絶縁
物質により形成することができる。
【0044】さらに、コイルボビンは、その周面の軸方
向に延在する配線溝を形成することができる。そして、
配線溝に高周波伝送路を収納することにより、高周波伝
送路が誘導コイルの表面から加熱ローラ側へ不所望に突
出するのを回避することができる。なお、配線溝を凹窪
部に連通した状態で形成することにより、高周波伝送
路、力率改善手段および誘導コイルを予め接続してから
コイルボビンに組み付けることが可能になり、組立の作
業性が向上する。
【0045】さらにまた、複数の誘導コイルを配設する
とともに、誘導コイルごとに対をなすように力率改善手
段を複数配設する場合、各力率改善手段が対応する誘導
コイルの近くに配設されるように複数の凹窪部を分散し
て形成することができる。しかし、要すれば、複数の力
率改善手段を集合して1つの凹窪部に収納するように構
成してもよい。
【0046】そうして、本発明においては、力率改善手
段がコイルボビンに形成した凹窪部内に収納されるの
で、力率改善手段のための格別な配線基板を用いるのに
加えて、配線基板を配設するスペースを用意しなくて
も、力率改善手段の実装が可能になる。このため、誘導
加熱装置が大形化するのを回避できる。
【0047】請求項3の発明の定着装置は、加圧ローラ
を備えた定着装置本体と;定着装置本体の加圧ローラに
加熱ローラを圧接関係に対設して、両ローラ間にトナー
画像が形成された記録媒体を挟んで搬送しながらトナー
画像を定着するように配設された請求項1または2記載
の誘導加熱ローラ装置と;を具備していることを特徴と
している。
【0048】本発明において、「定着装置本体」とは、
定着装置から誘導加熱装置または誘導加熱ローラ装置に
おける加熱ローラを除去した残余の部分をいう。
【0049】加圧ローラと加熱ローラとは、直接圧接し
てもよいが、要すれば搬送シートなどを介して間接的に
圧接してもよい。なお、搬送シートは、無端またはロー
ル状であってもよい。
【0050】そうして、本発明においては、トナー画像
が形成された記録媒体を加熱ローラと加圧ローラとの間
に挟んで搬送しながらトナー画像を定着することができ
る。
【0051】請求項4の発明の画像形成装置は、記録媒
体にトナー画像を形成する画像形成手段を備えた画像形
成装置本体と;画像形成装置本体に配設されて記録媒体
のトナー画像を定着する請求項3記載の定着装置と;を
具備していることを特徴としている。
【0052】本発明において、「画像形成装置本体」と
は、画像形成装置から定着装置を除いた残余の部分をい
う。また、画像形成手段は、記録媒体に間接方式または
直接方式により画像情報を形成する画像を形成する手段
である。なお、「間接方式」とは、転写によって画像を
形成する方式をいう。
【0053】画像形成装置としては、たとえば電子写真
複写機、プリンタ、ファクシミリなどが該当する。
【0054】記録媒体としては、たとえば転写材シー
ト、印刷紙、エレクトロファックスシート、静電記録シ
ートなどが該当する。
【0055】そうして、本発明においては、請求項1ま
たは2の構成を備えた誘導加熱ローラ装置を備えて、ウ
オームアップ時間の短い画像形成装置にすることができ
る。
【0056】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。
【0057】図1ないし図4は、本発明の誘導加熱ロー
ラ装置の第1の実施形態を示し、図1は誘導加熱装置を
概念的に説明する回路ブロック図、図2は一部切欠拡大
中央縦断面正面図、図3は図2のA−A´線に沿う断面
図、図4は回路図である。本実施形態において、誘導コ
イル装置は、3つの誘導コイル1A、1B、1C、加熱
ローラ2、力率改善手段3、高周波電源4、高周波伝送
路5および整合回路6を具備して構成されている。以
下、上記の構成要素ごとに説明する。
【0058】<3つの誘導コイル1A、1B、1Cにつ
いて> 3つの誘導コイル1A、1B、1Cは、コイ
ルボビン7にその軸方向に分散して巻装されているとと
もに、後述する高周波伝送路6の終端に並列接続してい
る。また、各誘導コイル1A、1B、1Cは、図2に示
すように、それぞれ配線対1a、1b間に並列接続され
ている。
【0059】コイルボビン7は、外周に誘導コイル1
A、1B、1Cを整列巻きする巻溝7a、外周の一部に
軸方向に延在する配線溝7bおよび外周の配線溝7bに
開口する凹窪部7cを備えている。
【0060】<加熱ローラ2について> 加熱ローラ
2は、ローラ基体2a、2次コイル2bおよび保護層2
cを備えて構成されているとともに、回転機構8により
回転駆動される。ローラ基体2aは、アルミナセラミッ
クス製の円柱体からなり、たとえば長さ300mm、厚
み3mmである。2次コイル2bは、Cuの蒸着膜から
なるフィルム状をなした円筒状の1ターンコイルからな
り、ローラ基体2aの外面において、軸方向の有効長の
ほぼ全体にわたって配設されている。そして、2次コイ
ル2bの厚みは、加熱ローラ2の周回方向の2次側抵抗
値が2次リアクタンスとほぼ同じ値の1Ωになるように
設定されている。保護層2bは、フッ素樹脂からなり、
2次コイル2bの外面を被覆して形成されている。
【0061】回転機構8は、加熱ローラ2を回転させる
ための機構であって、以下のように構成されている。す
なわち、図2に示すように、第1の端部部材8a、第2
の端部部材8b、一対の軸受8c、8c、ベベルギア8
d、スプラインギア8eおよびモータ8fを備えて構成
されている。第1の端部部材8aは、キャップ部8a
1、駆動軸8a2および尖端部8a3からなる。キャッ
プ部8a1は、加熱ローラ2の図2において左端に外側
から嵌合するとともに、図示を省略している押しねじを
用いて加熱ローラ2に固定することによって、加熱ロー
ラ2の左端を支持している。駆動軸8a2は、キャップ
部8a1の外面の中央部から外方へ突出している。尖端
部8a3は、キャップ部8a1の内面の中央部からキャ
ップ部8a1の内方へ突出している。第2の端部部材8
bは、リング部8b1からなる。リング部8b1は、加
熱ローラ2の図2において右端に外側から嵌合するとと
もに、図示を省略している押しねじを用いて加熱ローラ
2に固定することによって、加熱ローラ2の右端を支持
している。一対の軸受8c、8cの一方は、第1の端部
部材8aにおけるキャップ部8a1の外面を回転自在に
支持する。また、他方は、第2の端部部材8bの外面を
回転自在に支持する。したがって、加熱ローラ2は、そ
の両端に固定した第1および第2の端部部材8a、8b
と、一対の軸受8c、8cとにより回転自在に支持され
ている。ベベルギア8dは、第1の端板8aの駆動軸8
a1に装着されている。スプラインギア8eは、ベベル
ギア8dに噛合している。モータ8fは、そのロータ軸
がスプラインギア8eに直結している。
【0062】<力率改善手段3について> 力率改善
手段3は、セラミックスコンデンサからなる。そして、
図1および図4に示すように、後述する高周波伝送路3
の終端において、3つの誘導コイル1A、1B、1Cと
並列接続している。また、図2および図3に示すよう
に、コイルボビン7の凹窪部7cに収納されている。な
お、力率改善手段を誘導コイル1A、1B、1Cに対し
て直列接続する場合は、図4において符号3´で示すよ
うに、各誘導コイル1A、1B、1Cに対して共通に直
列になる回路部分に接続するのがよい。しかし、要すれ
ば、力率改善手段を3分割して、各誘導コイルに対して
直列に接続してもよい。
【0063】<高周波電源4について> 高周波電源
4は、図4に示すように、低周波電源4a、直流電源4
bおよび高周波発生部4cから構成されている。
【0064】低周波交流電源4aは、たとえば100V
商用交流電源からなる。
【0065】直流電源4bは、整流回路からなり、入力
端が低周波交流電源4aに接続し、低周波交流電圧を非
平滑直流電圧に変換して、その直流出力端から出力す
る。
【0066】高周波発生部4cは、高周波フィルタHF
F、高周波発振器OSC、駆動回路DC、ハーフブリッ
ジ形インバータ主回路HBIおよび負荷回路LCにより
構成されている。高周波フィルタHFFは、両線路にそ
れぞれ直列の一対のインダクタL1、L2および一対の
インダクタL1、L2の前後で両線路間に接続された一
対のコンデンサC1、C2からなり、後述する直流電源
4bおよびハーフブリッジ形インバータ主回路HBIの
間に介在して、高周波が低周波交流電源4a側へ流出す
るのを阻止する。高周波発振器OSCは、所定周波数の
高周波信号を発生して、駆動回路DCに入力する。駆動
回路DCは、プリアンプからなり、高周波発振器OSC
から送出された高周波信号を増幅して駆動信号を出力す
る。ハーフブリッジ形インバータ主回路HBIは、後述
する直流電源4bの出力端間に直列接続され、駆動回路
DCの駆動信号により励振されて交互にスイッチングす
る一対のMOSFETQ1、Q2および一対のMOSFETQ1、Q
2に並列接続されたコンデンサC3、C4からなり、直
流電源4bの直流出力をほぼ矩形波の高周波に変換す
る。コンデンサC3、C4は、インバータ動作中に高周
波バイパス作用を行なう。負荷回路LCは、直流カット
コンデンサC5、インダクタL3、整合回路6および力
率改善手段3により構成されている。直流カットコンデ
ンサC5は、一対のMOSFETQ1、Q2を介して直流電源
4b側から直流成分が負荷回路LCに流入するのを阻止
する。インダクタL3、整合回路6および力率改善手段
3は、直列共振回路を形成して、3つの誘導コイル1
A、1B、1Cの両端に印加される高周波電圧を正弦波
に波形整形する。波形整形された高周波電圧によって3
つの誘導コイル1A、1B、1Cは付勢される。
【0067】<高周波伝送路5について> 高周波伝
送路5は、平行2本線からなり、後述する整合回路6と
誘導コイル1A、1B、1Cとの間を接続している。な
お、高周波電源4および整合回路6は、誘導コイル1
A、1B、1Cの熱的干渉を受けないように離間した位
置に配置されている。
【0068】<整合回路6について> 整合回路6
は、高周波伝送路5に対して直列なコンデンサ6aおよ
び並列的なコンデンサ6bからなるインピーダンス変換
回路であり、高周波電源4の内部インピーダンスと高周
波伝送路5の始端から見た負荷側のインピーダンスとを
平衡させる。
【0069】<誘導加熱ローラ装置の動作について>
高周波電源4においては、低周波交流電源4aの低周
波交流電圧が、直流電源4bにより直流電圧に変換さ
れ、さらに高周波発生部4cで高周波電力に変換されて
出力される。高周波電力は、整合回路6でインピーダン
ス変換されて高周波伝送路5に送出される。
【0070】高周波伝送路5の終端には、静止状態の3
つの誘導コイル1A、1B、1Cに加えて力率改善手段
3が並列接続しているため、高周波伝送路5を流れる高
周波電流の力率が高くなり、3つの誘導コイル1A、1
B、1Cに供給される高周波電力が等しくても高周波伝
送路5に流れる高周波電流が小さくなる。
【0071】3つの誘導コイル1A、1B、1Cに高周
波電圧が印加されると、これらに電磁結合している加熱
ローラ2の2次コイル2bに2次電圧が誘起され、加熱
ローラ2の周回方向に2次電流が発生し、抵抗発熱によ
り加熱ローラ2が所要に加熱される。
【0072】以下、図5ないし図7を参照して本発明の
他の実施形態について説明する。各図において、図1お
よび図2と同一部分については同一符号を付して説明は
省略する。
【0073】図5は、本発明の誘導加熱ローラ装置の第
2の実施形態を概念的に説明する回路ブロック図であ
る。本実施形態は、力率改善手段3が加熱ローラ2およ
びコイルボビン7の外側に配設されている点で異なる。
【0074】図6は、本発明の誘導加熱ローラ装置の第
3の実施形態を概念的に説明する回路ブロック図であ
る。本実施形態は、力率改善手段3A、3B、3Cが各
誘導コイル1A、1B、1Cに対応して3分割されると
ともに、それぞれに対応する誘導コイルに近接して配設
されている点で異なる。
【0075】図7は、本発明の誘導加熱ローラ装置の第
4の実施形態を示す縦断面図である。本実施形態は、コ
イルボビン7の内部を介して誘導コイル1A、1B、1
Cおよび力率改善手段3の冷却を積極的に行なうように
構成している。
【0076】すなわち、コイルボビン7は、円筒状で内
部が中空に形成され、両端が開放されている。加熱ロー
ラ2の一方の端部部材8aに切り起しによりファンFを
一体的に形成している。コイルボビン7の先端側の開放
端は、ファンFに対向している。また、基端部は、固着
部材9を介して組込機器たとえば画像形成装置に片持ち
固着されるが、開放端は組込機器の内部へ開放されてい
る。また、力率改善手段3がその板面をコイルボビン7
の軸に平行なるように内部空間に配置されている。
【0077】なお、加熱ローラ2は、その両端が軸受8
c、8cを介してコイルボビン7に回転自在に支持され
ている。
【0078】そうして、加熱ローラ2の回転に伴ってフ
ァンFが回転するので、組込機器内の空気が図中の矢印
に示すように加熱ローラ2の内部に吸い込まれ、さらに
コイルボビン7の先端から内部へ移動し、基端の開放端
から組込機器内へ排出される。そして、コイルボビン7
の内部を空気が移動する過程でコイルボビン7の壁面を
介して誘導コイル1A、1B、1Cを冷却する。また、
コイルボビン7の内部を空気が移動する過程で力率改善
手段3の周囲を通過する際に力率改善手段3を直接冷却
する。
【0079】図8は、本発明の定着装置の一実施形態を
示す縦断面図である。図において、21は誘導加熱ロー
ラ装置、22は加圧ローラ、23は記録媒体、24はト
ナー、25は架台である。なお、図9と同一部分につい
ては同一符号を付してある。
【0080】誘導加熱ローラ装置21は、図1ないし図
7に示す複数の実施形態のいずれをも用いることができ
る。
【0081】加圧ローラ22は、誘導加熱ローラ装置2
1の加熱ローラTRと圧接関係を有して配設されてお
り、両者の間に記録媒体23を狭圧しながら搬送する。
【0082】記録媒体23は、その表面にトナー24が
付着することにより、画像が形成される。
【0083】架台25は、以上の各構成要素(記録媒体
23を除く。)を所定の位置関係に装架している。
【0084】そうして、定着装置は、トナー24が付着
して画像を形成している記録媒体23が誘導加熱ローラ
装置21の加熱ローラTRと加圧ローラ22との間に挿
入されて搬送されるとともに、加熱ローラTRの熱を受
けてトナー24が加熱されて溶融し、熱定着が行われ
る。
【0085】図9は、本発明の画像形成装置の一実施形
態としての複写機の概念的断面図である。図において、
31は読取装置、32は画像形成手段、33は定着装
置、34は画像形成装置ケースである。
【0086】読取装置31は、原紙を光学的に読み取っ
て画像信号を形成する。
【0087】画像形成手段32は、画像信号に基づいて
感光ドラム32a上に静電潜像を形成し、この静電潜像
にトナーを付着させて反転画像を形成し、これを紙など
の記録媒体に転写して画像を形成する。
【0088】定着装置33は、図8に示した構造を有
し、記録媒体に付着したトナーを加熱溶融して熱定着す
る。
【0089】画像形成装置ケース34は、以上の各装置
および手段31ないし33を収納するとともに、搬送装
置、電源装置および制御装置などを備えている。
【0090】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、誘導コイル
と、誘導コイルに磁気結合して電磁誘導により加熱され
る回転可能に支持された加熱ローラと、誘導コイルに接
続され、誘導コイルに接近した位置に配設された力率改
善手段と、誘導コイルから離間した高周波電源と、高周
波電源および誘導コイルの間を接続する高周波伝送路
と、高周波電源および高周波伝送路の間に介在する高周
波電源に接近して配設された整合回路とを具備している
ことにより、高周波電源および整合回路を誘導コイルか
ら離間して配設する際に、高周波伝送路を流れる高周波
電流の力率を改善して、高周波伝送路の線径をなるべく
小さくするとともに、高周波伝送路から輻射される放射
ノイズを低減した誘導加熱ローラ装置を提供することが
できる。
【0091】請求項2の発明によれば、外周側において
誘導コイルを支持し、凹窪部が形成されたコイルボビン
を具備し、力率改善手段は、コイルボビンの凹窪部に収
納されていることにより、力率改善手段のための格別な
配線基板を用いることなく、配線基板を配設するスペー
スを用意しなくても、力率改善手段の実装が可能にな
り、誘導加熱装置が大形化するのを回避可能な誘導加熱
ローラ装置を提供することができる。
【0092】請求項3の発明によれば、加圧ローラを備
えた定着装置本体と、定着装置本体の加圧ローラに加熱
ローラを圧接関係に対設して、両ローラ間にトナー画像
が形成された記録媒体を挟んで搬送しながらトナー画像
を定着するように配設された請求項1または2記載の誘
導加熱ローラ装置とを具備していることにより、請求項
1ないし3の効果を有する定着装置を提供することがで
きる。
【0093】請求項17の発明によれば、記録媒体にト
ナー画像を形成する画像形成手段を備えた画像形成装置
本体と、画像形成装置本体に配設されて記録媒体のトナ
ー画像を定着する請求項3記載の定着装置とを具備して
いることにより、請求項1ないし3の効果を有する画像
形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の誘導加熱ローラ装置の第1の実施形態
を概念的に説明する回路ブロック図
【図2】同じく一部切欠中央縦断面正面図
【図3】図2のA−A´線に沿う断面図
【図4】同じく回路図
【図5】本発明の誘導加熱ローラ装置の第2の実施形態
を概念的に説明する回路ブロック図
【図6】本発明の誘導加熱ローラ装置の第3の実施形態
を概念的に説明する回路ブロック図
【図7】本発明の誘導加熱ローラ装置の第4の実施形態
を示す縦断面図
【図8】本発明の定着装置の一実施形態を示す縦断面図
【図9】本発明の画像形成装置の一実施形態としての複
写機の概念的断面図
【符号の説明】
1A…誘導コイル、1B…誘導コイル、1C…誘導コイ
ル、2…加熱ローラ、3…力率改善手段、4…高周波電
源、4a…低周波電源、4b…直流電源、4c…高周波
発生部、5…高周波伝送路、6…整合回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小笠原 崇行 愛媛県今治市旭町5丁目2番地の1ハリソ ン東芝ライティング株式会社内 (72)発明者 田中 貴章 愛媛県今治市旭町5丁目2番地の1ハリソ ン東芝ライティング株式会社内 Fターム(参考) 2H033 AA21 AA41 BA25 BA26 BA29 BB18 BB21 BB22 BE06 CA07 CA27 CA44 3K059 AA08 AD03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】誘導コイルと;誘導コイルに磁気結合して
    電磁誘導により加熱されるとともに、回転可能に支持さ
    れる中空の加熱ローラと;誘導コイルに接続されるとと
    もに、誘導コイルに接近した位置に配設された力率改善
    手段と;誘導コイルから離間した位置に配設された高周
    波電源と;高周波電源および誘導コイルの間を接続する
    高周波伝送路と;高周波電源および高周波伝送路の間に
    介在するとともに、高周波電源に接近して配設された整
    合回路と;を具備していることを特徴とする誘導加熱ロ
    ーラ装置。
  2. 【請求項2】外周側において誘導コイルを支持するとと
    もに、少なくとも一部に凹窪部が形成されたコイルボビ
    ンを具備しており;力率改善手段は、コイルボビンの凹
    窪部に収納されている;ことを特徴とする請求項1記載
    の誘導加熱ローラ装置。
  3. 【請求項3】加圧ローラを備えた定着装置本体と;定着
    装置本体の加圧ローラに加熱ローラを圧接関係に対設し
    て、両ローラ間にトナー画像が形成された記録媒体を挟
    んで搬送しながらトナー画像を定着するように配設され
    た請求項1または2記載の誘導加熱ローラ装置と;を具
    備していることを特徴とする定着装置。
  4. 【請求項4】記録媒体にトナー画像を形成する画像形成
    手段を備えた画像形成装置本体と;画像形成装置本体に
    配設されて記録媒体のトナー画像を定着する請求項3記
    載の定着装置と;を具備していることを特徴とする画像
    形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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