JP2003307802A - ハロゲン化銀写真感光材料及びその処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料及びその処理方法

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JP2003307802A
JP2003307802A JP2002113160A JP2002113160A JP2003307802A JP 2003307802 A JP2003307802 A JP 2003307802A JP 2002113160 A JP2002113160 A JP 2002113160A JP 2002113160 A JP2002113160 A JP 2002113160A JP 2003307802 A JP2003307802 A JP 2003307802A
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silver halide
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halide photographic
photographic light
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JP2002113160A
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Masanori Miyoshi
正紀 三好
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハロゲン化銀粒子分布が狭く、高感度、高ガ
ンマであり、かつ、現像液、定着液を低補充にしても高
感度、高ガンマで、膜剥がれの起きにくいハロゲン化銀
写真感光材料およびその処理方法を提供する。 【解決手段】 支持体上に少なくとも1層の親水性コロ
イド層を有するハロゲン化銀写真感光材料において、該
親水性コロイド層は、使用される親水性コロイドの金値
が5〜45μmol/gであり、かつ、下記一般式
(1)で表される活性メチレン基を有するポリマーラテ
ックスを含有することを特徴とするハロゲン化銀写真感
光材料。 一般式(1) −(A)w−(B)x−(C)y−(D)z

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印刷製版用に適し
た、ハロゲン化銀粒径分布が狭く粗大粒子が低減され、
且つ現像処理時に乳剤膜剥がれが起きにくいハロゲン化
銀写真感光材料(以後、写真感光材料又は感光材料とも
いう)に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、印刷製版用ハロゲン化銀写真感光
材料市場においては、高精細やFMスクリーニングと言
った従来よりも小さな網点で画像を形成するスクリーニ
ング方式が普及し始めている。このようなスクリーニン
グ方式には、微小な網点の濃度が乗りやすい硬調なタイ
プの感光材料が好ましい。
【0003】通常このような硬調タイプの写真感光材料
としては、高ガンマ特性を有する、ラピッドアクセスタ
イプの写真感光材料が好まれて使用されているが、硬調
性という観点からは、ヒドラジン誘導体をハロゲン化銀
写真感光材料に含有させた例えば米国特許4,269,
929号、或いは造核促進剤を含有させた特開平4−9
8239号などの超硬調タイプの写真感光材料が更に好
まれて使用されている。
【0004】上記印刷感材で高ガンマ特性、高濃度を得
ようとすると、使用されるハロゲン化銀粒子の粒径分布
は狭く、更に粒径が小さいほど適している。しかし、ハ
ロゲン化銀粒径分布、ハロゲン化銀粒径は粒子生成時に
使用される親水性コロイドの物化性に左右され、特に金
値として表記される親水性コロイドの還元能力に大きく
依存する。
【0005】一方、感光材料に使用される親水性コロイ
ドの還元能力により、現像処理において自動現像機内で
高速に搬送されることにより、上記感光材料の現像時に
自動現像機内にある突起物や、また現像タンクに混入し
た異物等により、乳剤層が接触し膜剥がれを起こし黒化
部が白ヌケ状になることがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ハロ
ゲン化銀粒子分布が狭く、高感度、高ガンマであり、か
つ、現像液、定着液を低補充にしても高感度、高ガンマ
で、膜剥がれの起きにくいハロゲン化銀写真感光材料お
よびその処理方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、以
下の構成によって達成された。
【0008】1.支持体上に少なくとも1層の親水性コ
ロイド層を有するハロゲン化銀写真感光材料において、
該親水性コロイド層は、使用される親水性コロイドの金
値が5〜45μmol/gであり、かつ、上記一般式
(1)で表される活性メチレン基を有するポリマーラテ
ックスを含有することを特徴とするハロゲン化銀写真感
光材料。
【0009】2.金値が5〜45μmol/gである親
水性コロイドをハロゲン化銀粒子形成時に使用すること
を特徴とする前記1記載のハロゲン化銀写真感光材料。
【0010】3.活性メチレン基を有するポリマーラテ
ックスの平均粒径が、5〜500nmであることを特徴
とする前記1又は2記載のハロゲン化銀写真感光材料。
【0011】4.親水性コロイド層に少なくとも1種の
ベタイン型両性界面活性剤を含有することを特徴とする
前記1、2又は3記載のハロゲン化銀写真感光材料。
【0012】5.硬調化剤としてヒドラジン誘導体を含
有することを特徴とする前記1〜4のいずれか1項記載
のハロゲン化銀写真感光材料。
【0013】6.前記1〜5のいずれか1項記載のハロ
ゲン化銀写真感光材料を、ハロゲン化銀写真感光材料1
2当たりの現像液補充量を30〜150ml、定着液
補充量を50〜300mlで処理することを特徴とする
ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
【0014】7.ハロゲン化銀写真感光材料の全処理時
間(Dry to Dry)が10秒〜60秒であるこ
とを特徴とする前記6記載のハロゲン化銀写真感光材料
の処理方法。
【0015】8.固体処理剤から調液された処理液によ
り処理することを特徴とする前記6又は7記載のハロゲ
ン化銀写真感光材料の処理方法。
【0016】9.主として上記一般式(A)で表される
現像主薬を含む現像液で現像処理することを特徴とする
前記6、7又は8記載のハロゲン化銀写真感光材料の処
理方法。
【0017】本発明を更に詳しく説明する。本発明にお
いて、親水性コロイドとしてゼラチンを用いるのが有利
であるが、それ以外の親水性コロイドも用いることがで
きる。例えばゼラチン誘導体、ゼラチンと他の高分子と
のグラフトポリマー、アルブミン、カゼイン等の蛋白
質;ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロース、セルロース硫酸エステル類等の如きセルロー
ス誘導体;アルギン酸ナトリウム、澱粉誘導体などの糖
誘導体;ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール
部分アセタール、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリア
クリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、ポ
リビニルイミダゾール、ポリビニルピラゾール等の単一
あるいは共重合体の如き多種の合成親水性高分子物質を
用いることができる。
【0018】ゼラチンとしては石灰処理ゼラチンの他、
酸処理ゼラチンを用いてもよく、ゼラチン加水分解物、
ゼラチン酵素分解物も用いることができる。
【0019】ハロゲン化銀粒径分布を狭めるために、本
発明に使用されるゼラチンについては、金値が5μmo
l/gゼラチン以上、45μmol/gゼラチン以下で
あることが好ましく、より好ましくは金値が10μmo
l/gゼラチン以上、35μmol/gゼラチン以下、
更に好ましくは金値が27μmol/gゼラチン以上、
32μmol/gゼラチン以下である。
【0020】金値を測定するには、ゼラチンをpH2に
おける四塩化金酸による電位計滴定に付する。金の消費
量が金値を与える。酸化されないゼラチンは、この方法
により≧23μmol/gゼラチンを示し、これは実質
的に≧50μmol/gゼラチンのメチオニン含有量に
相当する。
【0021】更に迅速処理適性の向上のために、特開平
9−304855号記載のデキストラン、デキストリン
類などの多糖類を添加することが好ましい。
【0022】本発明の感光材料に用いられるハロゲン化
銀粒子の形状には制限はなく、平板状、球状、立方体
状、14面体状、正八面体状、その他何れの形状でもよ
い。粒子サイズ分布は狭い方が好ましく、特に変動係数
(粒径の標準偏差を平均粒径でわったもの)が20%以
下であることが好ましく、より好ましくは10%以下、
更に好ましくは5%以下であるような、いわゆる単分散
乳剤が好ましい。
【0023】ハロゲン化銀乳剤のハロゲン組成は特に制
限されないが、処理液補充量を少なくして処理する場合
や迅速処理を行う場合は、塩化銀、60mol%以上の
塩化銀を含む塩臭化銀、60mol%以上の塩化銀を含
む塩沃臭化銀から成るハロゲン化銀乳剤を用いるのが好
ましい。
【0024】ハロゲン化銀の平均粒子サイズは1.2μ
m以下であることが好ましく、特に0.3〜0.1μm
が好ましい。平均粒径とは、写真分野では常用されてお
り、容易に理解される用語である。粒径とは、粒子が球
状又は球に近似できる粒子の場合には粒子直径を意味
し、粒子が立方体である場合には球に換算し、その球の
直径を粒径とする。平均粒径を求める方法の詳細につい
ては、ミース,ジェームス編:ザ・セオリー・オブ・ザ
・フォトグラフィックプロセス(C.E.Mees&
T.H.James:The theory of t
he photographic process),
第3版,36〜43頁(1966年,マクミラン「Mc
millan」社刊)を参照すればよい。
【0025】可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩を反応させ
る形式としては、片側混合法、同時混合法、それらの組
合せなどの何れを用いてもよい。粒子を銀イオン過剰の
下において形成させる方法(逆混合法)を用いることも
できる。同時混合法の一つの形式としてハロゲン化銀の
生成される液相中のpAgを一定に保つ方法、即ち所謂
コントロールド・ダブルジェット法を用いることがで
き、この方法によると、結晶形が規則的で粒子サイズが
均一に近いハロゲン化銀乳剤が得られる。
【0026】本発明では、少なくとも1層のハロゲン化
銀乳剤層のハロゲン化銀乳剤が平板状粒子を含有し、平
板状粒子が使用されている乳剤層の全粒子の投影面積総
和の50%以上がアスペクト比2以上の平板状粒子であ
ることが好ましい。特に平板状粒子の割合が60〜70
%、更に80%へと増大するほど好ましい結果が得られ
る。アスペクト比は、平板状粒子の投影面積と同一の面
積を有する円の直径と2つの平行平面間距離の比を表
す。
【0027】これらの平板状粒子の内、塩化銀50mo
l%以上を有する(100)面を主平面とする平板状粒
子が好ましく用いられ、これらは米国特許5,264,
337号、同5,314,798号、同5,320,9
58号等に記載されており、容易に目的の平板状粒子を
得ることができる。平板状粒子は、特定表面部位に組成
の異なるハロゲン化銀をエピタキシャル成長させたり、
シェリングさせたりすることができる。
【0028】又、感光核を制御するために、平板状粒子
の表面あるいは内部に転移線を持たせることもできる。
転移線を持たせるには沃化銀の微粒子を化学増感時に存
在させたり、沃素イオンを添加して形成することができ
る。
【0029】ハロゲン化銀粒子の調製は、酸性法,中性
法,アンモニア法等適宜選択することができる。金属を
ドープする際には、特にpH1〜5の酸性下で粒子形成
をすることが好ましい。
【0030】平板粒子の形成時に粒子の成長を制御する
ためにハロゲン化銀溶剤として、例えばアンモニア、チ
オエーテル、チオ尿素化合物、チオン化合物などを使用
することができる。チオエーテル化合物として、ドイツ
特許1,147,845号に記載の3,6,9,15,
18,21−ヘキソキサ−12−チアトリコサン、3,
9,15−トリオキサ−6,12−ジチアヘプタデカ
ン、1,17−ジオキシ−3,9−15−トリオキサ−
6,12−ジチアヘプタデカン−4,14−ジオン、
1,20−ジオキシ−3,9,12,18−テトロキサ
−6,15−ジチアエイコサン−4,17−ジオン、
7,10−ジオキサ−4,13−ジチアヘキサデカン−
2,15−ジカルボキサミド;特開昭56−94347
号、特開平1−121847号記載のオキサチオエーテ
ル化合物;特開昭63−259653号、同63−30
1939号記載の環状オキサチオエーテル化合物などが
挙げられる。特にチオ尿素としては、特開昭53−82
408号に記載されるものが有用であり、具体的にはテ
トラメチルチオ尿素、テトラエチルチオ尿素、ジメチル
ピペリジノチオ尿素、ジモルホリノチオ尿素、1,3−
ジメチルイミダゾール−2−チオン、1,3−ジメチル
イミダゾール−4−フェニル−2−チオン、テトラプロ
ピルチオ尿素等が挙げられる。
【0031】次に、本発明の一般式(1)で表される化
合物について説明する。一般式(1)中のAすなわち、
活性メチレン基を有するエチレン性不飽和モノマーを説
明する。
【0032】活性メチレン基は、XCH2Yで表される
X基とY基に挟まれたCH2基が反応活性を有する。こ
こでXまたはYは、CO(カルボニル基)、COO(カ
ルボキシル基)、CN(シアノ基)、SO2(スルフォ
ニル基)、NO2(ニトロ基)等の強い電子吸引基に隣
接して挟まれたメチレン基である。そのためメチレン基
は非常に化学的に活性であり、逆に不安定であるため、
活性メチレン基を有するモノマーを用いて重合する際
に、凝集し易かったり、重合に関与し難かったりして、
不安定である。そこで、本発明者らはポリマーとして優
れた性質を有する活性メチレン基を有するポリマーラテ
ックスを安定に重合させる方法を、後述する条件を満た
すことによって見出した。
【0033】本発明で有用な活性メチレン基を有するモ
ノマーの具体例を以下に挙げる。
【0034】
【化2】
【0035】
【化3】
【0036】一般式(1)のBで表される繰り返し単位
を与えるエチレン性不飽和モノマーとしては炭素数2以
上のアルキル側鎖を有するアルキルアクリレート(例え
ば、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、3
−ペンチルアクリレート、ヘプチルアクリレート、ヘキ
シルアクリレート、オクチルアクリレート、2−エチル
ヘキシルアクリレート、iso−ノニルアクリレート
等)、炭素数6以上のアルキル側鎖を有するアルキルメ
タクリレート(例えば、n−ヘキシルメタクリレート、
オクチルメタクリレート、デシルメタクリレート、2−
エチルヘキシルメタクリレート等)を特に好ましい例と
して挙げることができる。
【0037】一般式(1)のCで表される繰り返し単位
を与えるエチレン性不飽和モノマーすなわちスチレン類
としては例えば、スチレン、メチルスチレン、ジメチル
スチレン、トリメチレンスチレン、エチルスチレン、イ
ソプロピルスチレン、クロロスチレン、メトキシスチレ
ン、アセトキシスチレン、クロルスチレン、ジクロルス
チレン、ブロムスチレン、ビニル安息香酸メチルエステ
ル等、ジビニルベンゼン、アクリロニトリル、メタアク
リロニトリル、N−ビニルピロリドン、N−ビニルオキ
サゾリドン、塩化ビニリデン、フェニルビニルケトン等
を挙げることができる。
【0038】一般式(1)のw、x、y、zはポリマー
ラテックス中の各成分の質量百分率比を表し、それぞれ
1≦w≦20、60≦x≦96、0<y<10、0<z
<10、w+x+y+z=100を表す。
【0039】一般式(1)のwについて、1≦w≦20
の範囲では、重合に支障が起こりにくく応用段階におけ
る活性メチレン基の反応性も充分にある。さらに、1≦
w≦20の範囲とすることで、凝集物の発生が少なく、
安定にポリマーラテックスを製造することができ、該ポ
リマーラテックスをハロゲン化銀写真感光材料等に含有
させると塗布性、膜強度に優れる。
【0040】一般式(1)のxについて、60≦x≦9
6の範囲とすることで、凝集物の発生が少なく、安定に
ポリマーラテックスを製造することができ、該ポリマー
ラテックスをハロゲン化銀写真感光材料等に含有させる
と、塗布性、膜強度に優れる。さらに、ポリマーラテッ
クス中の活性メチレン基の比率も十分であるため、活性
メチレン基の反応の効果を十分に得ることができる。
【0041】一般式(1)のyについて、0<y<10
の範囲とすることで、凝集物の発生が少なく、安定にポ
リマーラテックスを製造することができ、該ポリマーラ
テックスをハロゲン化銀写真感光材料等に含有させる
と、塗布性、膜強度に優れる。
【0042】一般式(1)のzについて、0<z<10
の範囲では、凝集物の発生が少なく、安定に製造でき、
さらに、ハロゲン化銀写真感光材料等に含有させると、
塗布性、膜強度に優れる。
【0043】本発明の活性メチレン基を有するポリマー
ラテックス(本発明のポリマーラテックスともいう)
は、親水性高分子の存在しない水分散液中で乳化重合に
より製造されることが好ましい。これにより、凝集物の
発生を抑えることができる。本発明でいう親水性高分子
は、分子量が1万以上の親水性高分子のことを指す。
【0044】本発明のポリマーラテックスは重合時に使
用する界面活性剤の総量は総モノマー量に対し、2質量
%以上10質量%未満の範囲内であることが好ましい。
この範囲とすることで、重合安定性を向上させ、凝集の
発生を抑えた活性メチレン基を有するポリマーラテック
スとすることができる。さらに、該ポリマーラテックス
をハロゲン化銀写真感光材料等に用いた場合に塗布性、
膜強度に優れる。
【0045】なお、ここでいう総モノマー量とは、ポリ
マーラテックス製造時に添加するモノマー総量のことを
いう。例えばモノマーの添加を2段階に分けて製造する
ポリマーラテックスのような場合は、2段階に分けて添
加したモノマー量の総量となる。
【0046】本発明のポリマーラテックスは重合時に使
用する界面活性剤としてポリオキシエチレンラウリルエ
ーテル硫酸エステル塩を用いることが好ましい。これに
より重合が安定で、凝集物がほとんどない活性メチレン
基を有するポリマーラテックスとすることができ、該ポ
リマーラテックスを含有させたハロゲン化銀写真感光材
料は塗布性、膜強度に優れる。
【0047】例えば、ポリオキシエチレンラウリルエー
テル硫酸エステルのアンモニウム塩、リチウム塩、ナト
リウム塩、カリウム塩等の金属塩が挙げられる。
【0048】ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸
エステル塩中の−(CH2CH2O) n−の繰り返し単位
の数nは特に限定されず、1〜10の中から選ばれる整
数である。
【0049】本発明の活性メチレン基を有するポリマー
ラテックスの平均粒径は5nm以上500nm以下であ
り、さらに好ましくは、30nm以上、90nm以下で
ある。これにより凝集物がほとんどない活性メチレン基
を有するポリマーラテックスとすることができ、該ポリ
マーラテックスを含有させたハロゲン化銀写真感光材料
は塗布性、膜強度に優れる。
【0050】なお、本発明のポリマーラテックスの平均
粒径は、市販の電気泳動光散乱光度計により測定した平
均粒径の値である。市販の電気泳動光散乱光度計には例
えばELS−800(大塚電子社製)が挙げられる。
【0051】本発明のポリマーラテックスは、Tgが−
70〜0℃であることが好ましい。さらに好ましくは、
Tgは−60〜−20℃である。これにより凝集物がほ
とんどない活性メチレン基を有するポリマーラテックス
とすることができ、該ポリマーラテックスを含有させた
ハロゲン化銀写真感光材料は塗布性、膜強度に優れる。
【0052】本発明で用いられるポリマーラテックスの
Tgは、ブランドラップらによる“ポリマーハンドブッ
ク”III−139頁からIII−179頁(1966年)
(ワイリー アンド サン社版)に記載されており、コ
ポリマーのTg(°K)は下記の式で表される。
【0053】Tg(コポリマー)=v1Tg1+v2T
g2+…+vWTgW 但し上式中v1,v2…vWはコポリマー中のモノマー
の質量分率を表し、Tg1,Tg2…TgWはコポリマ
ー中の各モノマーのホモポリマーのTg(°K)を表
す。
【0054】上式に従って計算されたTgには、±5℃
の精度がある。本発明のポリマーラテックスは、防黴剤
を1〜30ppm含有することが好ましい。さらに好ま
しくは、5〜27ppmである。これにより凝集物がほ
とんどない活性メチレン基を有するポリマーラテックス
とすることができ、該ポリマーラテックスを含有させた
ハロゲン化銀写真感光材料は塗布性、膜強度に優れる。
【0055】さらに、防黴剤をこの範囲とすることで、
防黴効果を得ることができる。また、ポリマーラテック
スのpHの経時による低下が起こりにくくなる。このラ
テックスのpH低下が起こると、ハロゲン化銀写真感光
材料等に含有させた際に写真性能を劣化させることがあ
る。
【0056】本発明のポリマーラテックスに含有される
防黴剤は写真性能に悪影響を及ぼさないものなら何でも
よいが具体的にはチアゾリルベンズイミダゾール系化合
物、イソチアゾロン系化合物、クロロフェノール系化合
物、ブロモフェノール系化合物、チオシアン酸やイソチ
アン酸系化合物、酸アジド系化合物、ダイアジンやトリ
アジン系化合物、チオ尿素系化合物、アルキルグアニジ
ン化合物、4級アンモニウム塩、有機スズや有機亜鉛化
合物、シクロヘキシルフェノール系化合物、イミダゾー
ル及びベンズイミダゾール系化合物、スルファミド系化
合物、塩素化イソシアヌル酸ナトリウム等の活性ハロゲ
ン系化合物、キレート剤、亜硫酸化合物、ペニシリンに
代表される抗生物質等種々の防バクテリア剤や防カビ剤
がある。またその他L.E.West,“Water
Quality Criteria”Phot.Sc
i.and Eng.,Vol 9 No.6(196
5)記載の殺菌剤;特開昭57−8542号、同58−
105145号、同59−126533号、同55−1
11942号、及び同57−157244号記載の各種
防バイ剤;「防菌防黴の化学」堀口博著・三共出版(昭
57)、「防菌防黴技術ハンドブック」日本防菌防黴学
会・技報堂(昭61)に記載されているような化学物な
どを用いることができる。
【0057】以下に具体例を示すが、これらに限定され
るものではない。 BB1: 5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリ
ン−3−オン BB2: 2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾール BB3: イソチアン酸メチル BB4: 3,5−ジクロロ−4′−フルオロ−チオカ
ルバニリド BB5: 4−クロロ−3,5−ジメチルフェノール BB6: 2,4,6−トリクロロフェノール BB7: デヒドロ酢酸ナトリウム BB8: スルファニルアミド BB9: 3,4,5−トリブロモサリチルアニリド BB10: ソルビン酸カリウム BB11: ベンズアルコニウムクロライド BB12: 1−ブロモ−3−クロロ−5,5−ジメチ
ルヒダントイン BB13: モノクロロアセトアミド BB14: モノブロモアセトアミド BB15: モノヨードアセトアミド BB16: ベンズイミダゾール BB17: シクロヘキシルフェノール BB18: 2−オクチルイソチアゾリン−3−オン BB19: エチレンジアミン4酢酸 BB20: ニトリロ−N,N,N−トリメチンホスホ
ン酸 BB21: 1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホ
ン酸 BB22: エチレンジアミン−N,N,N′,N′−
テトラメチレンホスホン酸 BB23: 塩素化イソシアヌル酸ナトリウム BB24: 2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オ
ン BB25: 10,10’−オキシビスフェノキシアル
シン BB26: 1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン これら例示化合物については、米国特許第2,767,
172号、同2,767,173号、同2,767,1
74号、同2,870,015号、英国特許第848,
130号明細書、フランス国特許第1,555,416
号各明細書等に、その合成法及び他の分野への適用例が
記載されている。又市販されているものもあり、プレデ
ントールON、パーマケムPD、トップサイド800、
トップサイドEG5、トップサイド300、トップサイ
ド600(以上パーマケムアジア社製)、ファインサイ
ドJ−700(東京ファインケミカル社製)Proze
lGXL(I.C.I社製)の商品名で入手することが
できる。
【0058】本発明のポリマーラテックスの固形分濃度
は、仕込みのモノマー量に関係するが、安定に重合させ
るためには、固形分濃度(仕上がりラテックス全量に対
する)を15〜35質量%とすることによって、安定に
重合し、安定したラテックスを得ることが出来る。ま
た、固形分濃度が小さ過ぎると生産効率が低く、大き過
ぎると安定性が劣る場合がある。
【0059】本発明のポリマーラテックスの製造時に、
溶媒中に総添加モノマー成分の5質量%〜20質量%の
モノマー成分をプレモノマーとして添加後、重合開始
剤、モノマーを添加すると、安定に重合が進行し、粘度
の経時安定性が向上する。さらに、凝集量を低減するこ
とができ、収率を上げることができる。また残存モノマ
ー量も低減されるため作業環境上好ましい。
【0060】本発明のポリマーラテックスの重合開始温
度は、30℃〜90℃が好ましいが、より好ましくは5
0℃〜90℃である。本発明での重合開始温度とは、重
合開始剤を添加したときの液温を指す。これにより、凝
集量をさらに低減することができ、収率を上げることが
できる。
【0061】ポリマーラテックスの製造 1000mlの4ツ口フラスコに攪拌翼、温度計、滴下
ロート、窒素導入管、環流冷却器を取り付け、蒸留水を
350ml添加し、窒素ガスを導入して脱酸素を行いつ
つ内温が70℃となるまで加熱した。プレモノマーとし
て、活性メチレン基含有モノマー(M−1)0.2g、
n−ブチルアクリレート(n−BA)8.2g、スチレ
ン(St)0.8g、グリシジルメタクリレート(GM
A)0.8gの混合液をフラスコ内に滴下した。プレモ
ノマー滴下後、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
(DBS)を12.0g添加し、更に重合開始剤として
過硫酸アンモニウム1.13gを添加し、70℃に保っ
た。
【0062】回転速度250rpmに設定し、活性メチ
レン基含有モノマー(M−1)1.8g、n−ブチルア
クリレート73.8g、スチレン7.2g、グリシジル
メタクリレート7.2gの混合液を過硫酸アンモニウム
添加10分後に滴下ロートから90分かけてフラスコ内
に滴下した。その間重合熱で上昇する温度をコントロー
ルし、70℃に保ち、滴下終了後5時間そのまま重合を
続けた後、25℃まで重合物を冷却し、活性メチレン基
含有ポリマーラテックスLX001を得た。
【0063】LX001の製造方法において、モノマー
組成、界面活性剤、回転速度、親水性高分子、防黴剤を
表1に記載の如く変化させた以外は、ポリマーラテック
スLX001の製造方法と同様にして、ポリマーラテッ
クスLX002〜037を製造した。
【0064】尚、親水性高分子は、プレモノマー添加直
後に添加し、防黴剤は重合終了後、25℃まで重合物を
冷却させた後に添加した。
【0065】ポリマーラテックスLX001〜LX03
7のTgは前述の計算式より求め、表1、表2に示し
た。
【0066】ポリマーラテックスLX001〜LX03
7の平均粒径は、電気泳動光散乱光度計ELS−800
(大塚電子社製)で測定して測定結果を表1、表2に示
した。
【0067】
【表1】
【0068】
【表2】
【0069】表1、表2において、EAはエチルアクリ
レート、POELSはポリオキシエチレン重合度3のポ
リオキシエチレンラウリルエーテル硫酸エステルナトリ
ウム、PVAはポリビニルアルコールを表す。
【0070】本発明には塗布性の観点からベタイン型両
性界面活性剤を含有することが好ましい。
【0071】ベタイン型両性界面活性剤としては、カル
ボキシベタイン型、スルホベタイン型、イミダゾリウム
型などがある。本発明に好ましく用いられるベタイン型
両性界面活性剤の若干の具体例を以下に示すが、本発明
はこれらに限定されない。
【0072】
【化4】
【0073】
【化5】
【0074】
【化6】
【0075】ベタイン型両性界面活性剤は、複数の写真
構成層形成用塗布液を支持体上に重層塗布する写真感光
材料の製造方法において、支持体から最も離れた写真構
成層を形成する塗布液及び/又は支持体に最も近い写真
構成層を形成する塗布液に添加されるが、その使用量は
塗布液1kg当たり0.005〜50gの範囲で添加で
きるが、好ましくは0.05〜5gである。
【0076】又、本発明において、ベタイン型両性界面
活性剤が支持体から最も離れた写真構成層及び/又は支
持体に最も近い写真構成層に添加される付量は、各々
0.1〜1000mg/m2であり、好ましくは1〜1
00mg/m2である。
【0077】本発明の好ましい1態様として、硬調な感
光材料としては硬調化剤としてヒドラジン誘導体を含有
することである。
【0078】ヒドラジン誘導体としては、下記一般式
(H)で表されるものが挙げられる。
【0079】
【化7】
【0080】式中、A0はアリール基または硫黄原子ま
たは酸素原子を少なくとも1個含む複素環基を表し、G
は−(CO)r−基、スルホニル基、スルホキシ基、−
P(=O)R16−基またはイミノメチレン基を表し、r
は1または2の整数を表し、A1、A2は共に水素原子あ
るいは一方が水素原子で、他方が置換もしくは無置換の
アルキルスルホニル基または置換もしくは無置換のアシ
ル基を表し、R0は水素原子、それぞれ置換もしくは無
置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコ
キシル基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、複
素環オキシ基、アミノ基、カルバモイル基またはオキシ
カルボニル基を表す。R16は、それぞれ置換もしくは無
置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリ
ール基、アルコキシル基、アルケニルオキシ基、アルキ
ニルオキシ基、アリールオキシ基、アミノ基を表す。
【0081】一般式(H)で表される化合物の内、下記
一般式(Ha)で表される化合物が更に好ましい。
【0082】
【化8】
【0083】式中、R11は脂肪族基(オクチル基、デシ
ル基等)、芳香族基(フェニル基、2−ヒドロキシフェ
ニル基、クロロフェニル基等)または複素環基(ピリジ
ル基、チエニル基、フリル基等)を表し、これらの基は
更に適当な置換基で置換されたものが好ましく用いられ
る。更に、R11にはバラスト基またはハロゲン化銀吸着
促進基を少なくとも一つ含むことが好ましい。
【0084】バラスト基としては、カプラーなどの不動
性写真用添加剤にて常用されるものが好ましく、炭素数
8以上の写真性に対して比較的不活性である、例えばア
ルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシル
基、フェニル基、フェノキシ基、アルキルフェノキシ基
等が挙げられる。
【0085】ハロゲン化銀吸着促進基としては、チオ尿
素、チオウレタン基、メルカプト基、チオエーテル基、
チオン基、複素環基、チオアミド複素環基、メルカプト
複素環基あるいは特開昭64−90439号に記載の吸
着基等が挙げられる。
【0086】一般式(Ha)において、X0はフェニル
基に置換可能な基を表し、mは0〜4の整数を表し、m
が2以上の場合、複数のX0は同じであっても異なって
もよい。
【0087】一般式(Ha)において、A3、A4は一般
式(H)におけるA1及びA2と同義であり、共に水素原
子であることが好ましい。
【0088】一般式(Ha)において、Gはカルボニル
基、スルホニル基、スルホキシ基、ホスホリル基または
イミノメチレン基を表すが、特にカルボニル基が好まし
い。
【0089】R12としては水素原子、それぞれ置換もし
くは無置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル
基、アリル基、複素環基、アルコキシル基、ヒドロキシ
ル基、アミノ基、カルバモイル基またはオキシカルボニ
ル基を表す。好ましいR12としては、Gで置換された炭
素原子が少なくとも一つの電子吸引基で置換された置換
アルキル基及び−COOR13基及び−CON(R14
(R15)基が挙げられる。R13はアルキニル基または飽
和複素環基を表し、R14は水素原子、アルキル基、アル
ケニル基、アルキニル基、アリール基または複素環基を
表し、R15はアルケニル基、アルキニル基、飽和複素環
基、ヒドロキシ基またはアルコキシル基を表す。更に好
ましくは二つの電子吸引基で、特に好ましくは三つの電
子吸引基で置換された置換アルキル基を表す。R12のG
で置換された炭素原子を置換する電子吸引基は、好まし
くはσp値が0.2以上、σm値が0.3以上のもの
で、例えばハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ニトロ
ソ基、ポリハロアルキル基、ポリハロアリール基、アル
キルもしくはアリールカルボニル基、ホルミル基、アル
キルもしくはアリールオキシカルボニル基、アルキルカ
ルボニルオキシ基、カルバモイル基、アルキルもしくは
アリールスルフィニル基、アルキルもしくはアリールス
ルホニル基、アルキルもしくはアリールスルホニルオキ
シ基、スルファモイル基、ホスフィノ基、ホスフィンオ
キシド基、ホスホン酸エステル基、ホスホン酸アミド
基、アリールアゾ基、アミジノ基、アンモニオ基、スル
ホニオ基、電子欠乏性複素環基を表す。
【0090】一般式(Ha)のR12は、特に好ましくは
弗素置換アルキル基(モノフルオロメチル、ジフルオロ
メチル、トリフルオロメチル等)を表す。
【0091】以下に一般式(H)で表される化合物の具
体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
【0092】
【化9】
【0093】
【化10】
【0094】
【化11】
【0095】
【化12】
【0096】
【化13】
【0097】
【化14】
【0098】
【化15】
【0099】
【化16】
【0100】
【化17】
【0101】
【化18】
【0102】
【化19】
【0103】
【化20】
【0104】その他の好ましいヒドラジン化合物の具体
例としては、米国特許第5,229,248号,4〜6
0カラムに記載される(1)〜(252)である。
【0105】これらヒドラジン化合物は、公知の方法に
より合成することができ、例えば米国特許第5,22
9,248号,59〜80カラムに記載の方法を適用で
きる。
【0106】ヒドラジン誘導体の添加量は、硬調化させ
る量(硬調化量)であればよく、ハロゲン化銀粒子の粒
径、ハロゲン組成、化学増感の程度、抑制剤の種類など
により最適量は異なるが、一般的に、ハロゲン化銀1モ
ル当たり10-6〜10-1モルの範囲であり、10-5〜1
-2モルが好ましい。
【0107】ヒドラジン誘導体は、ハロゲン化銀乳剤層
側の少なくとも1層に添加され、好ましくはハロゲン化
銀乳剤層及び/またはその隣接層、更に好ましくは乳剤
層である。そして、ヒドラジン誘導体を含有する写真構
成層のうち支持体に最も近い写真構成層中に含有するヒ
ドラジン誘導体の量は、それよりも支持体から遠い写真
構成層中に含有するヒドラジン誘導体の総量の0.2〜
0.8モル当量であることが好ましく、0.4〜0.6
モル当量がより好ましい。用いられるヒドラジン誘導体
は1種であっても、2種以上を併用してもよい。
【0108】処理される感光材料に前記硬調化剤を用い
た場合、その硬調化を促進するために造核促進剤を用い
ることが好ましい。
【0109】造核促進剤としては、下記一般式(Na)
または(Nb)で表される化合物が好ましく用いられ
る。
【0110】
【化21】
【0111】一般式(Na)において、R21、R22及び
23は各々、水素原子、置換もしくは無置換アルキル
基、置換もしくは無置換アルケニル基、アルキニル基ま
たは置換もしくは無置換アリール基を表し、R21
22、R23で環を形成することができる。特に好ましく
は脂肪族の3級アミン化合物である。
【0112】これらの化合物は、分子中に耐拡散性基ま
たはハロゲン化銀吸着基を有するものが好ましい。耐拡
散性を有するためには、分子量100以上の化合物が好
ましく、分子量300以上が特に好ましい。又、好まし
い吸着基としては複素環基、メルカプト基、チオエーテ
ル基、セレノエーテル基、チオン基、チオウレア基など
が挙げられる。
【0113】一般式(Na)として特に好ましいもの
は、分子中にハロゲン吸着基としてチオエーテル基を少
なくとも一つ有する化合物である。
【0114】以下に造核促進剤(Na)の具体的化合物
例を挙げる。
【0115】
【化22】
【0116】
【化23】
【0117】
【化24】
【0118】
【化25】
【0119】上記一般式(Nb)において、Arは置換
または無置換の芳香族基または複素環基を表す。R24
水素原子、アルキル基、アルキニル基またはアリール基
を表すが、ArとR24は連結基連結されて環を形成して
もよい。
【0120】これらの化合物は、分子内に耐拡散性基ま
たはハロゲン化銀吸着基を有するものが好ましい。好ま
しい耐拡散性を持たせるための分子量は120以上が好
ましく、特に好ましくは300以上である。又、好まし
いハロゲン化銀吸着基としては、前記一般式(H)で表
される化合物のハロゲン化銀吸着基と同義の基が挙げら
れる。
【0121】一般式(Nb)の具体的化合物としては以
下に示すものが挙げられる。
【0122】
【化26】
【0123】
【化27】
【0124】その他の好ましい造核促進化合物の具体例
は、特開平6−258751号に記載されている例示
(2−1)〜(2−20)の化合物及び同6−2587
51号記載の(3−1)〜(3−6)、特開平7−27
0957号記載のオニウム塩化合物、特開平7−104
420号の一般式Iの化合物、特開平2−103536
号第17頁右下欄19行目〜第18頁右上欄4行目及び
同右下欄1〜5行目、更に特開平1−237538号記
載のチオスルホン酸化合物などが挙げられる。
【0125】本発明において、造核促進剤はハロゲン化
銀乳剤層側の写真構成層ならば、どの層にも用いること
ができるが、好ましくはハロゲン化銀乳剤層またはその
隣接層に用いることが好ましい。又、添加量は、ハロゲ
ン化銀粒子の粒径、ハロゲン組成、化学増感の程度、抑
制剤の種類などにより最適量は異なるが、一般的に、ハ
ロゲン化銀1モル当たり10-6〜10-1モルが好まし
く、特に10-5〜10-2モルの範囲が好ましい。
【0126】物理熟成時や化学熟成時に、亜鉛、鉛、タ
リウム、イリジウム、ロジウム、ルテニウム、オスミウ
ム、パラジウム、プラチナ等の金属塩等を共存させるこ
とができる。高照度特性を得るために、イリジウムをハ
ロゲン化銀1モル当たり10 -9〜10-3モルの範囲でド
ープさせることが好ましい。硬調乳剤を得るためには、
ロジウム、ルテニウム、オスミウム及び/又はレニウム
を、ハロゲン化銀1モル当たり10-9〜10-3モルの範
囲でドープさせることが好ましい。
【0127】金属化合物を粒子中に添加する時には、金
属にハロゲン、カルボニル、ニトロシル、チオニトロシ
ル、アミン、シアン、チオシアン、アンモニア、テルロ
シアン、セレノシアン、ジピリジル、トリピリジル、フ
ェナンスロリン又は、これらの化合物を組み合わせて配
位させることができる。金属の酸化状態は、最大の酸化
レベルから最低の酸化レベル迄に任意に選択することが
できる。好ましい配位子としては、特開平2−2082
号、同2−20853号、同2−20854号、同2−
20855号に記載されている6座配位子、アルカリ錯
塩としては一般的なナトリウム塩、カリウム塩、セシウ
ム塩又は第1、第2、第3級のアミン塩がある。又、ア
コ錯体の形で遷移金属錯塩を形成することができる。こ
れらの例として、例えばK2〔RuCl6〕、(NH42
〔RuCl6〕、K2〔Ru(NO)Cl4(SC
N)〕、K2〔RuCl5(H2O)〕等を挙げることが
できる。Ruの部分をRh、Os、Re、Ir、Pd及
びPtに置き換えることができる。
【0128】ロジウム、ルテニウム、オスミウム及び/
又はレニウム化合物は、ハロゲン化銀粒子形成中に添加
することが好ましい。添加位置としては粒子中に均一に
分布させる方法、コア・シェル構造にしてコア部に又は
シェル部に多く局在させる方法がある。
【0129】シェル部に多く存在させる方がしばしば良
い結果が得られる。又、不連続な層構成に局在させる以
外に、連続的に粒子の外側になるに従い存在量を増やす
方法でもよい。添加量は、ハロゲン化銀1モル当たり1
-9〜10-3モルの範囲を適宜選択できる。
【0130】ハロゲン化銀乳剤及びその調製方法につい
ては、詳しくはリサーチ・ディスクロージャ(Rese
arch Disclosure、以下RDと記す)1
76号17643,22〜23頁(1978年12月)
に記載又は引用される文献に記載されている。
【0131】ハロゲン化銀乳剤は化学増感されても、さ
れなくともよい。化学増感の方法としては硫黄増感、セ
レン増感、テルル増感、還元増感及び貴金属増感法が知
られており、これらの何れをも単独で用いても、又、併
用してもよい。
【0132】硫黄増感剤としては公知の硫黄増感剤が使
用できるが、好ましいものとして、ゼラチン中に含まれ
る硫黄化合物の他、種々の硫黄化合物、例えばチオ硫酸
塩、チオ尿素類、ローダニン類、ポリスルフィド化合物
等を用いることができる。
【0133】セレン増感剤としては公知のセレン増感剤
を用いることができる。例えば米国特許1,623,4
99号、特開昭50−71325号、同60−1500
46号等に記載される化合物を好ましく用いることがで
きる。
【0134】感光材料には、感光材料の製造工程、保存
中あるいは写真処理中のカブリを防止し、又は写真性能
を安定化させる目的で、種々の化合物を含有させること
ができる。即ち、アゾール類、例えばベンゾチアゾリウ
ム塩、ニトロインダゾール類、ニトロベンズイミダゾー
ル類、クロロベンズイミダゾール類、ブロモベンズイミ
ダゾール類、メルカプトチアゾール類、メルカプトベン
ゾチアゾール類、メルカプトベンズイミダゾール類、メ
ルカプトチアジアゾール類、アミノトリアゾール類、ベ
ンゾトリアゾール類、ニトロベンゾトリアゾール類、メ
ルカプトテトラゾール類(特に1−フェニル−5−メル
カプトテトラゾール)等;メルカプトピリミジン類、メ
ルカプトトリアジン類;例えばオキサゾリンチオンのよ
うなチオケト化合物;アザインデン類、例えばトリアザ
インデン類、テトラザインデン類(特に4−ヒドロキシ
置換−1,3,3a,7−テトラザインデン類)、ペン
タザインデン類等;ベンゼンチオスルホン酸、ベンゼン
スルフィン酸、ベンゼンスルホン酸アミド等の様なカブ
リ防止剤又は安定剤として知られた多くの化合物を加え
ることができる。
【0135】写真乳剤には、寸度安定性の改良等の目的
で、水不溶又は難溶性合成ポリマーの分散物を含むこと
ができる。例えばアルキル(メタ)アクリレート、アル
コキシアクリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メ
タ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、ビニルエ
ステル(酢酸ビニル等)、アクリロニトリル、オレフィ
ン、スチレン等の単独もしくは組合せ、又はこれらとア
クリル酸、メタクリル酸、α,β−不飽和ジカルボン
酸、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、スルホ
アルキル(メタ)アクリレート、スチレンスルホン酸等
との組合せを単量体成分とするポリマーを用いることが
できる。
【0136】写真乳剤及び非感光性の親水性コロイド層
には、無機又は有機の硬膜剤を、ゼラチン等の親水性コ
ロイドの架橋剤として添加する。例えばクロム塩(クロ
ム明礬、酢酸クロム等)、アルデヒド類(ホルムアルデ
ヒド、グリオキザール、グルタルアルデヒド等)、N−
メチロール化合物(ジメチロール尿素、メチロールジメ
チルヒダントイン等)、ジオキサン誘導体(2,3−ジ
ヒドロキシジオキサン等)、活性ビニル化合物(1,
3,5−トリアクリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリア
ジン、ビス(ビニルスルホニル)メチルエーテル、N,
N′−メチレンビス−〔β−(ビニルスルホニル)プロ
ピオンアミド〕等)、活性ハロゲン化合物(2,4−ジ
クロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン等)、ムコハ
ロゲン酸類(ムコクロル酸、フェノキシムコクロル酸
等)、イソオキサゾール類、ジアルデヒド澱粉、2−ク
ロロ−6−ヒドロキシトリアジニル化ゼラチン、カルボ
キシル基活性化型硬膜剤等を、単独又は組み合わせて用
いることができる。これらの硬膜剤はRD176巻,1
7643(1978年12月発行),26頁A〜C項に
記載されている。
【0137】感光材料には、その他の種々の添加剤が用
いられる。例えば減感剤、可塑剤、滑り剤、現像促進
剤、オイル等が挙げられる。
【0138】感光材料に用いられる支持体は、透過性、
非透過性どちらのものでもよいが、好ましくは透過性の
プラスチック支持体である。プラスチック支持体には、
ポリエチレン化合物(ポリエチレンテレフタレート,ポ
リエチレンナフタレート等)、トリアセテート化合物
(トリアセテートセルロース等)、ポリスチレン化合物
等から成るものが用いられる。支持体の厚みとしては、
好ましくは50〜250μm、特に好ましくは70〜2
00μmである。
【0139】更に支持体の巻き癖,カールを改良させる
には、製膜後、熱処理をすることが好ましい。最も好ま
しいのは製膜後、乳剤塗布の間であるが、乳剤塗布後で
あってもよい。熱処理の条件は45℃〜ガラス転移温度
で1秒〜10日の間が好ましい。生産性の点から、1時
間以内にすることが好ましい。
【0140】更に以下に記載された化合物を感光材料の
構成層中に含有させることが好ましい。 (1)染料の固体分散微粒子体 特開平7−5629号,(3)頁[0017]〜(1
6)頁[0042]記載の化合物 (2)酸基を有する化合物 特開昭62−237445号,(8)頁左下欄11行目
〜(25)頁右下欄3行目記載の化合物 (3)酸性ポリマー 特開平6−186659号,(10)頁[0036]〜
(17)頁[0062]記載の化合物 (4)増感色素 特開平5−224330号,(3)頁[0017]〜
(13)頁[0040]記載の化合物 特開平6−194771号,(11)頁[0042]〜
(22)頁[0094]記載の化合物 特開平6−242533号,(2)頁[0015]〜
(8)頁[0034]記載の化合物 特開平6−337492号,(3)頁[0012]〜
(34)頁[0056]記載の化合物 特開平6−337494号,(4)頁[0013]〜
(14)頁[0039]記載の化合物 (5)強色増感剤 特開平6−347938号,(3)頁[0011]〜
(16)頁[0066]記載の化合物 (6)ヒドラジン誘導体 特開平7−114126号,(23)頁[0111]〜
(32)頁[0157]記載の化合物 (7)造核促進剤 特開平7−114126号,(32)頁[0158]〜
(36)頁[0169]記載の化合物 (8)テトラゾリウム化合物 特開平6−208188号,(8)頁[0059]〜
(10)頁[0067]記載の化合物 (9)ピリジニウム化合物 特開平7−110556号,(5)頁[0028]〜
(29)頁[0068]記載の化合物 (10)レドックス化合物 特開平4−245243号,(7)頁〜(22)頁記載
の化合物 (11)SPS支持体 特開平3−54551号記載の支持体 前述の添加剤及びその他の公知の添加剤については、例
えばRD17643(1978年12月)、同1871
6(1979年11月)及び同308119(1989
年12月)に記載される化合物が挙げられる。
【0141】本発明においては、現像、定着、水洗(又
は安定化)及び乾燥の少なくとも4プロセスを持つ自動
現像機を採用して処理されることが好ましい。
【0142】本発明に用いられる現像液は、現像主薬と
して前記一般式(A)で表される現像主薬を用いること
が好ましい態様である。
【0143】一般式(A)で示される化合物において、
1とR2が互いに結合して環を形成した下記一般式(A
−a)で示される化合物が特に好ましい。
【0144】
【化28】
【0145】式中、R3は水素原子、置換もしくは無置
換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置
換もしくは無置換のアミノ基、置換もしくは無置換のア
ルコキシ基、スルホ基、カルボキシル基、アミド基又は
スルホンアミド基を表し、Y 1はO又はSを表し、Y2
O、S又はNR4を表す。R4は置換もしくは無置換のア
ルキル基又は置換もしくは無置換のアリール基を表す。
1,M2は各々、水素原子又はアルカリ金属原子を表
す。
【0146】前記一般式(A)又は一般式(A−a)に
おけるアルキル基としては低級アルキル基が好ましく、
例えば炭素数1〜5のアルキル基であり、アミノ基とし
ては無置換のアミノ基あるいは低級アルキル基で置換さ
れたアミノ基が好ましく、アルコキシ基としては低級ア
ルコキシ基が好ましく、アリール基としてはフェニル基
あるいはナフチル基が好ましく、これらの基は更に置換
基を有していてもよく、該置換基として好ましくは、ヒ
ドロキシル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、スルホ
基、カルボキシル基、アミド基、スルホンアミド基等が
挙げられる。
【0147】前記一般式(A)、一般式(A−a)で表
される具体的化合物例を以下に示すが、本発明はこれら
に限定されるものではない。
【0148】
【化29】
【0149】
【化30】
【0150】これらの化合物は、代表的にはアスコルビ
ン酸あるいはエリソルビン酸とその塩、又はそれらから
誘導される化合物であり、市販品として入手できるか、
あるいは容易に公知の合成法により合成できる。
【0151】尚、ここで言う主とした現像主薬とは、現
像液中のハロゲン化銀を現像可能な化合物の内、モル数
で50%以上を占めるものをいう。
【0152】本発明においては、一般式(A)で表され
る現像主薬と3−ピラゾリドン類(1−フェニル−3−
ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−3−ピラゾ
リドン、1−フェニル−4,4−ジメチル−3−ピラゾ
リドン、1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシル
メチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−エチル
−3−ピラゾリドン、1−フェニル−5−メチル−3−
ピラゾリドン等)、アミノフェノール類(o−アミノフ
ェノール、p−アミノフェノール、N−メチル−o−ア
ミノフェノール、N−メチル−p−アミノフェノール、
2,4−ジアミノフェノール等)あるいは親水性基で置
換されたジヒドロキシベンゼン類(ハイドロキノンモノ
スルホネート、ハイドロキノンモノスルホン酸ナトリウ
ム塩、2,5−ハイドロキノンジスルホン酸カリウム
塩、ジヒドロキシ安息香酸類等)の現像主薬を組み合わ
せて使用することが更に好ましい。特に、アスコルビン
酸又はその誘導体と3−ピラゾリドン類の組合せ、及び
アスコルビン酸又はその誘導体と3−ピラゾリドン類と
親水性基で置換されたジヒドロキシベンゼン類の組合せ
が好ましく用いられる。
【0153】組み合わせて使用する場合、3−ピラゾリ
ドン類、アミノフェノール類あるいは親水性基で置換さ
れたジヒドロキシベンゼン類の現像主薬は、通常、現像
液1リットル当たり0.01以上0.2モル未満の量で
用いられるのが好ましい。
【0154】現像液には、アルカリ剤(水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等)及びpH緩衝剤(炭酸塩、燐酸
塩、硼酸塩、硼酸、酢酸、枸櫞酸、アルカノールアミン
等)が添加されることが好ましい。pH緩衝剤としては
炭酸塩が好ましく、その添加量は1リットル当たり0.
2〜1.0モルが好ましく、更に好ましくは、0.3〜
0.6モルの範囲である。
【0155】一般式(A)で表される現像主薬を用いた
場合、保恒剤として亜硫酸塩を含有することが好まし
い。好ましい添加量としては、0.02〜0.9モル/
リットルが好ましく、特に好ましくは0.1〜0.3モ
ル/リットルである。
【0156】又、必要により溶解助剤(ポリエチレング
リコール類、それらのエステル、アルカノールアミン
等)、増感剤(ポリオキシエチレン類を含む非イオン界
面活性剤、4級アンモニウム化合物等)、界面活性剤、
消泡剤、カブリ防止剤(臭化カリウム、臭化ナトリウム
の如きハロゲン化物、ニトロベンズインダゾール、ニト
ロベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾチ
アゾール、テトラゾール類、チアゾール類等)、キレー
ト化剤(エチレンジアミン四酢酸又はそのアルカリ金属
塩、ニトリロ三酢酸塩、ポリ燐酸塩等)、現像促進剤
(米国特許2,304,025号、特公昭47−455
41号に記載の化合物等)、硬膜剤(グルタルアルデヒ
ド又は、その重亜硫酸塩付加物等)、あるいは消泡剤等
を添加することができる。
【0157】現像液のpHは、7.5以上10.5未満
に調整されることが好ましい。更に好ましくはpH8.
5〜10.2である。
【0158】定着液としては一般に用いられる組成のも
のを用いることができる。定着液のpHは、一般に3〜
8である。定着剤としては、チオ硫酸ナトリウム、チオ
硫酸カリウム、チオ硫酸アンモニウム等のチオ硫酸塩、
チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸カリウム、チオ
シアン酸アンモニウム等のチオシアン酸塩の他、可溶性
安定銀錯塩を生成し得る有機硫黄化合物で定着剤として
知られているものを用いることができる。
【0159】定着液には、硬膜剤として作用する水溶性
アルミニウム塩(塩化アルミニウム、硫酸アルミニウ
ム、カリ明礬等)、アルデヒド化合物(グルタルアルデ
ヒドやグルタルアルデヒドの亜硫酸付加物等)を加える
ことができる。
【0160】定着液には、所望により保恒剤(亜硫酸
塩、重亜硫酸塩等)、pH緩衡剤(酢酸、枸櫞酸等)、
pH調整剤(硫酸、炭酸ナトリウム等)、硬水軟化能の
あるキレート剤等の化合物を含むことができる。
【0161】本発明においては、定着液中のアンモニウ
ムイオン濃度が定着液1リットル当たり0.1モル以下
であることが好ましく、特に好ましくは0〜0.05モ
ル/リットルの範囲である。
【0162】定着主薬として、チオ硫酸アンモニウムの
代わりにチオ硫酸ナトリウムを使用してもよく、チオ硫
酸アンモニウムとチオ硫酸ナトリウムを併用してもよ
い。
【0163】定着液中の酢酸イオン濃度が0.33モル
/リットル未満であることが好ましい。酢酸イオンの種
類は任意で、定着液中で酢酸イオンを解離する任意の化
合物に対して適用できるが、酢酸や酢酸のリチウム、カ
リウム、ナトリウム、アンモニウム塩等が好ましく用い
られ、特にナトリウム塩、アンモニウム塩が好ましい。
酢酸イオン濃度は、更に好ましくは定着液1リットル当
たり0.22モル以下、特に好ましくは0.13モル以
下で、これにより酢酸ガス発生量を高度に減少させるこ
とができる。最も好ましいのは、酢酸イオンを実質的に
含まないものである。
【0164】定着液には枸櫞酸、酒石酸、林檎酸、琥珀
酸等の塩及び、これらの光学異性体などが含まれる。塩
としては、これらのリチウム塩、カリウム塩、ナトリウ
ム塩、アンモニウム塩等、酒石酸の水素リチウム、水素
カリウム、水素ナトリウム、水素アンモニウム、酒石酸
のアンモニウムカリウム、酒石酸のナトリウムカリウム
等を用いてもよい。これらの中で好ましいものとしては
枸櫞酸、林檎酸、琥珀酸及びこれらの塩である。最も好
ましくは、林檎酸とその塩である。
【0165】本発明において、酸化剤・殺菌剤を含有す
る浄化剤を含む水洗水で水洗処理することが好ましい。
【0166】好ましい酸化剤としては、金属又は非金属
の酸化物、酸素酸又は、それらの塩、過酸化物、有機の
酸系を含む化合物が挙げられる。排水配管に排出するこ
との観点からすると、上記酸素酸としては、硫酸、亜硝
酸、硝酸、次亜塩素酸等が好ましく、過酸化物としては
過酸化水素、フェントン酸が特に好ましい。もっとも好
ましいのは過酸化水素である。
【0167】これらの酸化剤は、物流上の観点から濃縮
液、又は固形剤の形で供給されることが好ましい。好ま
しい形態としては、濃縮液が好ましく、酸化剤成分が
0.1〜10モル/リットルの濃縮液が好ましく、特に
好ましくは0.5〜2.0モル/リットルである。
【0168】本発明においては、酸化剤含有の濃厚液又
は固形剤を水洗水と混合し供給する。混合するタイミン
グとしては水洗槽に入る前に混合することもできるし、
水洗槽で濃厚液又は固形剤と水洗水を直接混合してもよ
い。
【0169】酸化剤含有濃厚液又は固形剤及び水の補充
タイミングは、単位時間毎に一定補充する或いは感光材
料の処理量を検出して処理量に応じて補充しても良い。
【0170】水洗槽への酸化剤の添加量としては、感光
材料が持ち込むチオ硫酸塩に対して1/2モル〜10モ
ル当量の範囲が好ましく、特に好ましくは、1/2モル
〜3モル当量である。
【0171】本発明の水洗では、酸化剤を有効に作用さ
せるため、保恒剤、殺菌剤等の化合物と共存させること
も好ましい態様である。
【0172】好ましく使用される殺菌剤は、写真性能に
悪影響を及ぼさないものなら何でもよいが、具体的には
チアゾリルベンズイミダゾール系、イソチアゾロン系、
クロロフェノール系、ブロモフェノール系、チオシアン
酸やイソチアン酸系、酸アジド系、ダイアジンやトリア
ジン系、チオ尿素系、アルキルグアニジン系、4級アン
モニウム塩系、有機錫や有機亜鉛化合物系、シクロヘキ
シルフェノール系、イミダゾール及びベンズイミダゾー
ル系、スルファミド系、塩素化イソシアヌル酸ナトリウ
ム等の活性ハロゲン系化合物、キレート剤、亜硫酸化合
物、ペニシリンに代表される抗生物質等、種々の防バク
テリア剤や防黴剤がある。又、その他、L.E.Wes
t;Water Quality Criteria,
Phot.Sci.and Eng.,Vol9,N
o.6(1965)記載の殺菌剤;特開昭55−111
942号、同57−8542号、同57−157244
号、同58−105145号及び同59−126533
号等に記載の各種防黴剤;「防菌防黴の化学」堀口博
著,三共出版(昭57)、「防菌防黴技術ハンドブッ
ク」日本防菌防黴学会,技報堂(昭61)に記載される
ような化学物などを用いることができる。以下に具体例
を示すが、これらに限定されるものではない。 1:5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3
−オン 2:2−(4−チアゾリル)−ベンズイミダゾール 3:イソチオシアン酸メチル 4:N−(3,5−ジクロロフェニル)−N′−(4−
フルオロフェニル)チオ尿素 5:4−クロロ−3,5−ジメチルフェノール 6:2,4,6−トリクロロフェノール 7:デヒドロ酢酸ナトリウム 8:スルファニルアミド 9:3,4,5−トリブロモサリチルアニリド 10:ソルビン酸カリウム 11:ベンズアルコニウムクロライド 12:1−ブロモ−3−クロロ−5,5−ジメチルヒダ
ントイン 13:モノクロロアセトアミド 14:モノブロモアセトアミド 15:モノヨードアセトアミド 16:ベンズイミダゾール 17:シクロヘキシルフェノール 18:2−オクチル−イソチアゾリン−3−オン 19:エチレンジアミン四酢酸 20:ニトリロ−N,N,N−トリメチンホスホン酸 21:1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸 22:エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テトラ
メチレンホスホン酸 23:塩素化イソシアヌル酸ナトリウム 24:2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 25:10,10′−オキシビスフェノキシアルシン 26:1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン 27:チオサリチル酸 これら例示化合物については、米国特許2,767,1
72号、同2,767,173号、同2,767,17
4号、同2,870,015号、英国特許848,13
0号、佛国特許1,555,416号等に、その合成法
及び他の分野への適用例が記載されている。又、市販さ
れているものもあり、プレデントールON、パーマケム
PD、トップサイド800、トップサイドEG5、トッ
プサイド300、トップサイド600(以上、パーマケ
ムアジア社製)、ファインサイドJ−700(東京ファ
インケミカル社製)ProzelGXL(I.C.I社
製)等の商品名で入手することができる。
【0173】上記殺菌剤は、水洗水中に供給する場合
は、好ましくは0.01〜50g/リットル、より好ま
しくは0.05〜20g/リットルである。又、洗浄剤
として含有する場合には、洗浄剤に対し0.1〜50g
/リットル、より好ましくは1〜20g/リットルであ
る。
【0174】本発明に使用する保恒剤として、下記一般
式(PO)で表されるポリアルキレンオキサイド鎖を有
する化合物が好ましい。
【0175】一般式(PO) HO(CH2CH2O)a
〔CH(CH3)CH2O〕b(CH 2CH2O)cH ここで、a、b、cは各々正の整数である。
【0176】一般式(PO)で表される化合物は、プロ
ピレングリコールを疎水基としてエチレンオキシドを親
水性基として付加した化合物である。平均分子量が20
00〜8500、ポリプロピレングリコール(PPG)
分子量が1400〜2400、総分子中のエチレンオキ
シド(EO)質量%が40〜85%程度のものが好まし
く、特に一般式においてa+cが150、bが30程度
のものが好ましい。
【0177】この様な化合物としては、市販品として、
例えば旭電化社製「プルロニックシリーズ」の非イオン
界面活性剤があり、以下に挙げるものが具体的に好まし
いものである。
【0178】
【化31】
【0179】上記ポリアルキレンオキサイド鎖を有する
化合物の添加量は、水洗水に対し1〜1000ppm、
より好ましくは10〜100ppmであり、又、浄化剤
として含有する場合は酸化剤に対し0.01〜10%、
好ましくは0.1〜5%である。
【0180】本発明に使用する保恒剤は、その他、燐
酸、バルビツール酸、尿素、アセトアニリド、オキシキ
ノリン、サリチル酸、キノリン酸及びそれらの誘導体な
らびにそれらの塩等があるが、好ましくはサリチル酸及
びそれらの誘導体ならびにそれらの塩である。
【0181】本発明に係る浄化剤には、カルシウムイオ
ンとのキレート安定度定数が0.8〜5.0のキレート
剤を含有することが好ましい。カルシウムとのキレート
安定度定数は、カルシウムイオン1個に対してキレート
化剤1個が結合する際の生成定数の対数であり、20
℃、イオン強度0.2の条件下で測定したものである。
具体的には、マレイン酸、グルコール酸、グルコン酸、
グルコヘプタン酸、酒石酸、枸櫞酸、琥珀酸、サリチル
酸、アスコルビン酸、エリソルビン酸等の有機酸、グリ
シン、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン
五酢酸、ニトリロ三酢酸等のアミノポリカルボン酸及び
それらの誘導体ならびにそれらの塩である。有機酸では
グルコン酸、枸櫞酸が好ましく、アミノポリカルボン酸
ではエチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五
酢酸が好ましい。
【0182】これらの化合物は、水洗水1リットル当た
り0.005〜0.2モル程度、好ましくは0.005
〜0.1モルで用いる。
【0183】水洗時間が20秒未満の場合、本発明の効
果が顕著であり、好ましくは16秒未満、更に好ましく
は12秒未満の場合、特に顕著である。
【0184】本発明には、固体処理剤から調製された現
像・定着補充液を用いることができる。ここで言う固体
処理剤とは、粉末処理剤や錠剤、丸薬、顆粒等であり、
必要に応じ防湿加工を施したものである。ペーストやス
ラリー状は半液状で保存安定性に劣り、又、輸送上の危
険を伴い、規制を受けるような形状のものは本発明で言
う固体処理剤には含まれない。
【0185】ここで粉末とは、微粒結晶の集合体のこと
を言う。顆粒とは、粉末に造粒工程を加えたもので、粒
径50〜5000μmの粒状物のことを言う。錠剤と
は、粉末又は顆粒を一定の形状に圧縮成型したもののこ
とを言う。
【0186】上記固体処理剤の中でも錠剤が、補充精度
が高くしかも取扱い性が簡単であることから好ましく用
いられる。
【0187】写真処理剤を固体化するには、濃厚液又は
微粉ないし粒状写真処理剤と水溶性結着剤を混練し成型
するか、仮成型した写真処理剤の表面に水溶性結着剤を
噴霧したりすることで被覆層を形成する等、任意の手段
が採用できる(特開平4−29136号、同4−855
33号、同4−85534号、同4−85535号、同
4−85536号、同4−172341号参照)。
【0188】好ましい錠剤の製造法としては、粉末状の
固体処理剤を造粒した後、打錠工程を行い形成する方法
である。単に固体処理剤成分を混合し、打錠工程により
形成された固体処理剤より溶解性や保存性が改良され、
結果として写真性能も安定になるという利点がある。
【0189】錠剤形成のための造粒方法は、転動造粒、
押出し造粒、圧縮造粒、解砕造粒、攪拌造粒、流動層造
粒、噴霧乾燥造粒等公知の方法を用いることが出来る。
錠剤形成のためには、得られた造粒物の平均粒径は、造
粒物を混合し、加圧圧縮する際、成分の不均一化、いわ
ゆる偏析が起こり難いという点で100〜800μmの
ものを用いることが好ましく、より好ましくは200〜
750μmである。更に粒度分布は、造粒物粒子の60
%以上が±100〜150μmの偏差内にあるものが好
ましい。次に、得られた造粒物を加圧・圧縮する際に
は、公知の圧縮機、例えば油圧プレス機、単発式打錠
機、ロータリー式打錠機、ブリケッティングマシンを用
いることが出来る。加圧・圧縮されて得られる固体処理
剤は、任意の形状を取ることが可能であるが、生産性、
取扱い性の観点から、又、ユーザーサイドで使用する場
合の粉塵の問題からは円筒型、いわゆる錠剤が好まし
い。
【0190】更に好ましくは造粒時、各成分毎、例えば
アルカリ剤、還元剤、保恒剤等を分別造粒することによ
って更に上記効果が顕著になる。
【0191】錠剤処理剤の製造方法は、例えば特開昭5
1−61837号、同54−155038号、同52−
88025号、英国特許1,213,808号等に記載
される一般的な方法で製造でき、更に顆粒処理剤は、例
えば特開平2−109042号、同2−109043
号、同3−39735号及び同3−39739号等に記
載される一般的な方法で製造できる。更にまた粉末処理
剤は例えば、特開昭54−133332号、英国特許7
25,892号、同729,862号及びドイツ特許
3,733,861号等に記載されるが如き一般的な方
法で製造することができる。
【0192】上記の固体処理剤の嵩密度は、その溶解性
の観点と、本発明の目的の効果の点から、錠剤である場
合1.0〜2.5g/cm3が好ましく、1.0g/c
3より大きいと得られる固体物の強度の点で、2.5
g/cm3より小さいと得られる固体物の溶解性の点
で、より好ましい。固体処理剤が顆粒または粉末である
場合、嵩密度は0.40〜0.95g/cm3のものが
好ましい。
【0193】固体処理剤は、少なくとも現像剤及び定着
剤に用いられるが、その他のリンス剤等のその他の写真
用処理剤に用いることができる。又、液体危険物の規制
を除外できるのは現像剤、定着剤である。全処理剤が固
体処理剤化されていることが最も好ましいが、少なくと
も現像剤、定着剤を固体化することが好ましい。
【0194】固体処理剤は、或る処理剤の1部の成分の
み固体化することもできるが、好ましくは全成分が固体
化されていることである。各成分は別々の固体処理剤と
して成型され、同一個装されていることが望ましい。
又、別々の成分が定期的に包装で繰り返し投入される順
番に包装されていることも望ましい。
【0195】現像剤を固体化する場合、アルカリ剤、還
元剤、全てを固体処理剤化し、かつ錠剤の場合には少な
くとも3剤以内、最も好ましくは1剤にすることが好ま
しい。又、2剤以上に分けて固体処理剤化した場合は、
これら複数の錠剤や顆粒が同一包装されていることが好
ましい。
【0196】定着剤を固体化する場合は、主薬、保恒
剤、アルミニウム塩の様な硬膜剤、全てを固体化し、か
つ錠剤の場合には少なくとも3剤以内、最も好ましくは
1剤又は2剤にすることが好ましい。又、2剤以上に分
けて固体処理化した場合は、これら複数の錠剤や顆粒が
同一包装されていることが好ましい。特にアルミニウム
塩は、固体にすることが取扱い上好ましい。
【0197】固体処理剤の包装体としては、ポリエチレ
ン(高圧法、低圧法のどちらもよい)、ポリプロピレン
(無延伸、延伸のどちらでもよい)、ポリ塩化ビニル、
ポリ酢酸ビニル、ナイロン(延伸、無延伸)、ポリ塩化
ビニリデン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ビニロ
ン、エバール、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)、その他のポリエステル、塩酸ゴム、アクリロニト
リルブタジエン共重合体、エポキシ−リン酸系樹脂(特
開昭63−63037号に記載のポリマー、同57−3
2952号記載のポリマー)の様な合成樹脂素材やパル
プが挙げられる。
【0198】これらは単一素材のものが好ましいが、フ
ィルムとして用いる際には、そのフィルムを積層接着す
るか、塗布層としてもよく、又、単一層のものでもよ
い。更には、例えば上記の合成樹脂フィルムの間にアル
ミ箔又はアルミ蒸着合成樹脂を使用するなど、各種ガス
バリアー膜を用いると、より好ましい。
【0199】又、固体処理剤の保存性やステイン発生防
止のために、これらの包装材料の酸素透過率は50ml
/m2・24hr・atm以下(20℃・65%RH
で)、より好ましくは30ml/m2・24hr・at
m以下であることが好ましい。
【0200】これらの積層膜又は単一層の膜厚の合計は
1〜3000μm、より好ましくは10〜2000μ
m、更に好ましくは50〜1000μmである。
【0201】以上の合成樹脂フィルムは1層の(高分
子)樹脂膜であってもよいし、2層以上の積層(高分
子)樹脂膜であってもよい。
【0202】処理剤を水溶性フィルムもしくは結着剤で
包装又は結着もしくは被覆する場合、水溶性フィルム又
は結着剤は、ポリビニルアルコール系、メチルセルロー
ス系、ポリエチレンオキサイド系、澱粉系、ポリビニル
ピロリドン系、ヒドロキシプロピルセルロース系、プル
ラン系、デキストラン系及びアラビアガム系、ポリ酢酸
ビニル系、ヒドロキシエチルセルロース系、カルボキシ
エチルセルロース系、カルボキシメチルヒドロキシエチ
ルセルロースナトリウム塩系、ポリ(アルキル)オキサ
ゾリン系、ポリエチレングリコール系の基材から成るフ
ィルム又は結着剤が好ましく用いられ、これらの中で
も、特にポリビニルアルコール系及びプルラン系のもの
が、被覆又は結着の効果の点からより好ましく用いられ
る。
【0203】上記水溶性フィルムの膜厚は、固体処理剤
の保存安定性、水溶性フィルムの溶解時間及び自動現像
機内での結晶析出の点で10〜120μmのものが好ま
しく用いられ、特に15〜80μmのものが好ましく、
とりわけ20〜60μmのものが好ましい。
【0204】又、水溶性フィルムは熱可塑性であること
が好ましい。これは、ヒートシール加工や超音波溶着加
工が容易となるだけでなく、被覆効果もより良好に奏す
るためである。
【0205】水溶性フィルムの引張り強度は4.9×1
6〜4.9×107Paが好ましく、更に好ましくは
9.8×106〜2.45×108Paが好ましく、特に
好ましくは1.47×107〜9.8×107Paであ
る。これら引張り強度はJISZ−1521に記載の方
法で計測される。
【0206】又、水溶性フィルムもしくは結着剤で包装
又は結着もしくは被覆した写真処理剤は、貯蔵、輸送、
及び取扱中において、高湿度、雨、及び霧のような大気
中の湿気、及び水はね又は濡れた手による水との突発的
な接触の損害から防ぐため、防湿包装材で包装されてい
ることが好ましく、該防湿包装材としては、膜厚が10
〜150μmのフィルムが好ましく、防湿包装材がポリ
エチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレ
ンの様なポリオレフィンフィルム、ポリエチレンで耐湿
効果を持ち得るクラフト紙、蝋紙、耐湿性セロファン、
グラシン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミド、ポリカーボネー
ト、アクリロニトリル系及びアルミニウムの如き金属
箔、金属化ポリマーフィルムから選ばれる少なくとも一
つであることが好ましく、又、これらを用いた複合材料
であってもよい。
【0207】又、防湿包装材が、分解性プラスチック、
特に生分解又は光分解性プラスチックのものを用いるこ
とも好ましい。
【0208】前記生分解性プラスチックは、天然高分子
から成るもの、微生物産出ポリマー、生分解性の良い合
成ポリマー、プラスチックへの生分解性天然高分子の配
合等が挙げられ、光分解性プラスチックは、紫外線で励
起され、切断に結び付く基が主鎖に存在するもの等が挙
げられる。更に、上記に掲げた高分子以外にも、光分解
性と生分解性との二つの機能を同時に有したものも良好
に使用できる。
【0209】これらの具体的代表例をそれぞれ挙げる
と、以下の様になる。生分解性プラスチックとしては、 (1)天然高分子 多糖類、セルロース、ポリ乳酸、キチン、キトサン、ポ
リアミノ酸、又はその修飾体等 (2)微生物産出ポリマー PHB−PHV(3−ヒドロキシブチレートと3−ヒド
ロキシバレレートとの共重合物)を成分とする「Bio
pol」、微生物産出セルロース等 (3)生分解性の良い合成ポリマー ポリビニルアルコール、ポリカプロラクトン等、又はそ
れらの共重合物もしくは混合物 (4)プラスチックへの生分解性天然高分子の配合 生分解性の良い天然高分子としては、澱粉やセルロース
があり、プラスチックに加え形状崩壊性を付与したもの
光分解性プラスチックとしては、 (5)光崩壊性のためのカルボニル基の導入等 更に崩壊促進のために、紫外線吸収剤が添加されること
もある。
【0210】この様な分解性プラスチックについては、
「科学と工業」,64巻,10号,478〜484頁
(1990年)、「機能材料」1990年7月号,23
〜34頁等に一般的に記載されるものが使用できる。
又、Biopol(バイオポール:ICI社製)、Ec
o(エコ:Union Carbide社製)、Eco
lite(エコライト:Eco Plastic社
製)、Ecostar(エコスター:St.Lawre
nce Starch社製)、ナックルP(日本ユニカ
ー社製)等の市販されている分解性プラスチックを使用
することができる。
【0211】上記防湿包装材は、好ましくは水分透過係
数が10g・mm/m2・24hr以下のものであり、
より好ましくは5g・mm/m2・24hr以下のもの
である。
【0212】現像液及び定着液は補充装置にストックさ
れ、自動現像機の処理量、稼動時間に応じて処理液が補
充される。補充液が液剤の場合は、補充装置内または補
充装置外で希釈したものをストック、補充することもで
きるし、濃厚液の形でストック、補充されてもよい。補
充剤が固形剤の場合は、補充装置内で溶解し、補充液を
ストック、補充することができる。
【0213】廃液量の低減の要望から、本発明の感光材
料は、感光材料の面積に比例した一定量の補充を行いな
がら処理される。その定着液補充量は1m2当たり50
〜300mlである。好ましくは70〜250mlであ
る。50ml未満では迅速処理の場合に定着が不十分に
なることがある。現像液補充量は1m2当たり30〜1
50mlである。好ましくは50〜100mlである。
30ml未満では迅速処理の場合に画像の濃度が不十分
になることがある。ここで言う定着液補充量及び現像液
補充量とは、補充される量を示す。具体的には、現像母
液及び定着母液と同じ液を補充する場合の、それぞれの
液の補充量であり、現像濃縮液及び定着濃縮液を水で希
釈した液で補充される場合の、それぞれの濃縮液と水と
の合計量であり、固体現像処理剤及び固体定着処理剤を
水で溶解した液で補充される場合の、それぞれの固体処
理剤容積と水との容積の合計量であり、又、固体現像処
理剤及び固体定着処理剤と水を別々に補充する場合の、
それぞれの固体処理剤容積と水の容積との合計量であ
る。
【0214】固体処理剤で補充される場合は、自動現像
機の処理槽に直接投入する固体処理剤の容積と、別に加
える補充水との容積を合計した量を表すことが好まし
い。その現像補充液及び定着補充液は、それぞれ自動現
像機のタンク内の現像母液及び定着母液と同じ液でも、
異なった液又は固体処理剤でもよい。
【0215】現像、定着、水洗及び/又は安定化浴の温
度は10〜45℃の間であることが好ましく、それぞれ
が別々に温度調整されていてもよい。
【0216】現像時間短縮の要望から自動現像機を用い
て処理する時、自動現像機のフィルム搬送スピード(ラ
インスピード)が1000mm/min以上であること
が好ましい態様である。特に好ましくは1200mm/
min以上である。又、フィルム先端が自動現像機に挿
入されてから乾燥ゾーンから出て来る迄の全処理時間
(Dry to Dry)が10〜70秒であることが
好ましい。ここで言う全処理時間とは、黒白感光材料を
処理するのに必要な全工程時間を含み、具体的には、処
理に必要な、例えば現像、定着、漂白、水洗、安定化処
理、乾燥等の工程の時間を全て含んだ時間、つまりDr
y to Dryの時間である。全処理時間が10秒未
満では減感、軟調化等で満足な写真性能が得られない。
更に好ましくは、全処理時間(Dry to Dry)
が30〜60秒である。又、100m2以上の大量の感
光材料を安定にランニング処理するためには、水洗時間
が20秒未満の場合、本発明の効果が大きかった。
【0217】本発明の効果を顕著に発現させるために
は、自動現像機には60℃以上の伝熱体(60〜130
℃のヒートローラー等)又は150℃以上の輻射物体
(タングステン、炭素、ニクロム、酸化ジルコニウム・
酸化イットリウム・酸化トリウムの混合物、炭化珪素な
どに直接電流を通して発熱放射させたり、抵抗発熱体か
ら熱エネルギーを銅、ステンレス、ニッケル、各種セラ
ミックなどの放射体に伝達させて発熱させたりして赤外
線を放出するもの等)で乾燥するゾーンを持つものが好
ましく用いられる。
【0218】又、以下に記載する方法及び機構を有する
自動現像機を好ましく用いることができる。 (1)脱臭装置 特開昭64−37560号,(2)頁左上欄〜(3)頁
左上欄 (2)廃液処理方法 特開平2−64638号,(2)頁左下欄〜(5)頁左
下欄 (3)現像浴と定着浴の間のリンス浴 特開平4−313749号(18)頁「0054」〜
(21)頁「0065」 (4)水補充方法 特開平1−281446号,(2)頁左下欄〜右下欄 (5)外気温度・湿度を検出して自動現像機の乾燥風を
制御する方法 特開平1−315745号,(2)頁右下欄〜(7)頁
右下欄及び特開平2−108051号,(2)頁左下欄
〜(3)頁左下欄 (6)定着廃液の銀回収方法 特開平6−27623号,(4)頁「0012」〜
(7)頁「0071」。
【0219】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0220】実施例1 (ハロゲン化銀乳剤の調製)硝酸銀水溶液b及び塩化ナ
トリウム、臭化カリウムからなる水溶性ハライド液cを
pH3.0で、ハロゲン化銀乳剤Aについては40℃、
ハロゲン化銀乳剤Bについては40℃流量一定でa液
中、同時混合法で5分間で添加しさらに、3分後その中
に硝酸銀水溶液d及び水溶性ハライド液eを45分間一
定流量で添加し、平均粒径0.19μmの塩臭化銀(A
gCl/AgBr=65/35モル%)の立方晶を得
た。この際、ハロゲン化乳剤の銀電位(EAg)は、混
合終了時には120mVになっていた。引き続き、限外
濾過により不要な塩類を取り除いた後、銀1モル当たり
15gのゼラチンを添加しpHを5.45とし55℃で
30分間分散し最終的に銀電位は200mV(40℃)
であった。得られた乳剤は0.19μmの平均粒径であ
る。 a液 オセインゼラチン(金値は表3) 49g 硝酸(5%) 6.5ml イオン交換水 4946ml 塩化ナトリウム 2.3g b液 硝酸銀 47.9g 硝酸(5%) 7.9ml イオン交換水 455ml c液 イオン交換水 500ml 臭化カリウム 13g 塩化ナトリウム 11.8g オセインゼラチン(金値は表3) 13g d液 硝酸銀 1150g 硝酸(5%) 38ml イオン交換水 1520ml e液 オセインゼラチン(金値は表3) 43g 臭化カリウム 311g 塩化ナトリウム 285g Na3〔IrCl6〕 2.2mg Na〔RhCl5(H2O)〕 0.33mg イオン交換水 1520ml 得られた乳剤は以下の熟成をおこなった。
【0221】銀1モル当たりベンゼンチオスルホン酸ナ
トリウムを0.5×10-3モル、2−メルカプトベンズ
イミダゾール−5−スルホン酸ナトリウムを1.0×1
-3モル、添加してpH5.6、EAg123mVに調
整した。微粒子状に分散した硫黄華を、硫黄原子として
2×10-5モル及び塩化金酸を1.5×10-5モル添加
して63℃で100分化学熟成を行った後、安定剤4−
ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザ
インデンを3×10-3モル添加した。なお化学熟成中に
下記増感色素(S−1)、(S−2)を、それぞれ銀1
モル当たり2×10-4モル添加した。
【0222】
【化32】
【0223】このようにして得られた乳剤を用い、1m
2当たりの付量が下記処方になるように、下引加工した
支持体上の片側に、支持体側から下記第1層、第2層を
同時重層塗布し、冷却セットした。
【0224】その後、反対側の帯電防止層を有する下引
層上には、下記バッキング層を塗布スピード200m/
分で塗布し、−1℃で冷却セットし、両面を同時に乾燥
することで感光材料試料101を得た。
【0225】(支持体、下塗層)2軸延伸したポリエチ
レンテレフタレート支持体(厚み100μm)の両面に
30W/(m2・min)のコロナ放電をした後、下記
組成の下塗層を両面塗布し、100℃で1分間乾燥し
た。数値は1m2当たりの付量を示す。
【0226】 2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ブチルアクリレート /t−ブチルアクリレート/スチレン共重合体(25/30 /25/20質量比) 0.5g 界面活性剤 A 3.6mg ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 10mg (帯電防止層)下塗層を施したポリエチレンテレフタレ
ート支持体に、10W/(m2・min)のコロナ放電
した後、片面に下記組成の帯電防止層を70m/min
の速さでロールフィットコーティングパン及びエアーナ
イフを使用して塗布し、90℃で2分間乾燥し、140
℃で90秒間熱処理した。
【0227】 水溶性導電性ポリマー B 0.6g 疎水性ポリマー粒子 C 0.4g ポリエチレンオキサイド化合物(Mw=600) 0.1g 硬化剤 E 0.1g
【0228】
【化33】
【0229】 第1層(乳剤層処方A)…塗布液pH5.2 ゼラチン 1.55g ハロゲン化銀乳剤(表3に記載) 銀量として3.50g ベンジルアデニン 0.02g ハイドロキノン 0.10g コロイダルシリカ/酢酸ビニル/ビニルピバリネートの懸濁重合物 (75/12.5/12.5質量%比率) 0.2g ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(平均分子量50万) 0.015g 本発明活性メチレンポリマーラテックス 表3の量 第2層(保護層処方) ゼラチン 1.05g マット剤(平均粒径3μmの単分散ポリメチルメタクリレート) 0.045g 造核促進剤 Na−21 0.01g 殺菌剤 Z 0.005g 硬膜剤H−1 0.04g 本発明ベタイン界面活性剤 表3の量 滑り剤 R21 75mg
【0230】
【化34】
【0231】 (バッキング層) ゼラチン 3.1g 染料 F−1 0.05g 染料 F−2 0.04g 染料 F−3 0.02g コロイダルシリカ/酢酸ビニル/ビニルピバリネートの懸濁重合物 (75/12.5/12.5質量%比率) 0.7g ポリスチレンスルホン酸ナトリウム 0.010g マット剤(平均粒径3μmの単分散ポリメチルメタクリレート) 0.045g 硬膜剤 H−1 0.05g 硬膜剤 H−2 0.07g
【0232】
【化35】
【0233】以上乳剤層処方Aに対して、ヒドラジン誘
導体H−34及びH−39をそれぞれ銀1モル当たり
0.5×10-4モル含有する他は乳剤層処方Aと全く同
様な乳剤層処方をBとし、更に使用する本発明化合物
種、及びその添加量を表3のようにした試料102〜1
10を作製した。
【0234】
【表3】
【0235】これら試料を用いて、ウエッジ露光を与え
た後、下記条件で現像処理を行い各特性を評価した。
【0236】 各処理液処方は以下の通り。 現像液HQ(使用液1リットル当たり) 純水 224ml ジエチレントリアミン五酢酸・5ナトリウム 1.0g 亜硫酸カリウム 12.54g 亜硫酸ナトリウム 42.58g 臭化カリウム 4g 硼塩 8g 炭酸カリウム 55g ジエチレングリコール 40g 5−メチルベンゾトリアゾール 0.21g 1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシルメチル−3−ピラゾリドン (ジメゾンS) 0.85g ハイドロキノン 20g 水酸化カリウム 18g 処方に従い溶解して総量400mlに仕上げた。尚、使
用の際は純水600mlと混合し、1リットルにして用
いる。使用液のpHが10.4になるよう調整した。 定着液(スタート液:使用液1l当たり) チオ硫酸ナトリウム 200g 亜硫酸ナトリウム 22g グルコン酸ナトリウム 5g 枸櫞酸3ナトリウム・2水塩 12g 枸櫞酸 12g 硫酸にて使用液のpHが5.4になるように調整し、1
リットルに仕上げた。 定着液(補充液:2倍濃縮液) チオ硫酸ナトリウム 200g 亜硫酸ナトリウム 22g グルコン酸ナトリウム 5g 枸櫞酸3ナトリウム・2水塩 12g 枸櫞酸 12g 硫酸にて使用液のpHが5.2になるように調整し、5
00mlに仕上げた。水洗水水道水1リットルに対し
て、下記浄化剤8.8mlを加えたものを水洗槽へ入れ
て、水洗水とした。 浄化剤の調製 純水 800g サリチル酸 0.1g 35質量%過酸化水素水 171g プルロニックF−68 3.1g ホクサイトF−150 15g ジエチレントリアミン五酢酸・5ナトリウム 10g 純水で1リットルに仕上げる。
【0237】(処理液の補充量)上記処方の現像・定着
補充液、浄化剤及び希釈用の水道水を、それぞれ現像
槽、定着槽、水洗槽に下記2条件で直接補充した。
【0238】 各現像済み試料を用いて、以下の評価を行った。
【0239】《現像時の膜付ランク》上記処方で調製し
た現像液、定着液、水洗水を自動現像機GL−541
(Hope社製)に満たした。試料101〜110の乳
剤面を上にした試料を曝射し処理した。このとき発生し
た膜剥がれは、膜剥がれが多い順に1〜5の5段階でラ
ンク付けし、ランク5がまったく膜剥がれがない状態で
ある。ランク3が実用に耐えうるレベルで、ランク1と
2は実用上好ましくないレベルである。
【0240】《感度、γ》感光材料試料を633nmの
半導体レーザーを用いてウエッジ露光を行い、前記処理
液及び自動現像機LD−T1060(大日本スクリーン
製造社製)、前記現像液、定着液及び水洗水・酸化剤含
有浄化剤を用いて前記条件で現像処理を行い、感度を求
めた。この際試料101の感度を100として相対値で
示した。またγは絶対値濃度で濃度1と濃度3を与える
特性曲線の傾きから求めた。
【0241】《ランニング感度変動》上記2種類の補充
量で各感光材料を1日当たり30m2処理し、1週間ラ
ンニングを行った。ランニング終了時に前記露光条件で
ウエッジ露光した試料の感度を求め、ランニングスター
ト時の試料101の感度を100として相対値で示し
た。結果を表4、表5に示す。
【0242】
【表4】
【0243】
【表5】
【0244】表から明らかなように、本発明の活性メチ
レン基を有するポリマーラテックスとベタイン界面活性
剤を併用しても、感度は維持しかつ低補充で大量枚処理
した後も感度変動は少ない。またヒドラジンを添加した
系でもその性能は変わらない。
【0245】実施例2 実施例1で作製した試料を実施例1と同様に露光し実施
例1の条件で下記処理液により処理した。各評価の項目
及び方法については実施例1と同様に行った。
【0246】(処理条件)下記組成の現像液及び定着液
を用いて自動現像機GR−26を現像タンクの比表面積
を8cm2/L(比表面積の定義:特開平7−7778
2号の段落番号0085記載)となるように改造して、
下記条件で迅速処理した。なお錠剤は、溶解ミキサーで
溶解後、現像、定着ともに25個に対して1Lになるよ
う仕上げた。
【0247】 〈処理液処方〉 (1)補充現像錠剤(D−SR) 造粒物Aパーツの作製(使用液1L当たり) ジエチレントリアミン5酢酸・5ナトリウム塩 1.00g 亜硫酸塩 0.25モル 8−メルカプトアデニン 0.06g 5−メチルベンゾトリアゾール 0.27g 臭化カリウム 4.72g 1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 0.03g ジメゾンS 1.1g エリソルビン酸ナトリウム(A−1) 35.6g イソエリートP(塩水港精糖(株)) 20g D−マンニトール(花王(株)) 4g 上記素材を市販のバンタムミル中で30分間混合し、更
に市販の攪拌造粒機にて室温で10分間、造粒した後、
造粒物を流動槽乾燥機にて40℃、2時間乾燥し造粒物
Aパーツを得た。
【0248】 造粒物Bパーツの作製(使用液1L当たり) 炭酸塩 1.0モル D−マンニトール(花王(株)) 5g 水酸化リチウム 3.4g 上記素材を市販のバンタムミル中で30分間混合し、更
に市販の攪拌造粒機にて室温で10分間造粒した後、造
粒物を流動槽乾燥機にて40℃、2時間乾燥し造粒物B
パーツを得た。
【0249】上記AパーツとBパーツを10分間完全混
合し得られた混合物を、マシーナUD・DFE30・4
0打錠装置(マシーナ(株)製)を用い1錠当たり9.
83g充填して1.5トン/m2の圧縮打錠により直径
30mm、厚さ10mmの錠剤を得た。 (2)補充定着錠剤 造粒物Aパーツの作製(使用液1L分) チオ硫酸アンモニウム(10%Na塩:ヘキスト社製) 140g 重亜硫酸ナトリウム 10g 酢酸ナトリウム 40g イソエリートP(塩水港精糖(株)) 5g パインフロー(商品名:松谷化学) 8g 上記素材を市販のバンタムミル中で30分間混合し、更
に市販の攪拌造粒機にて室温で10分間造粒した後、造
粒物を流動槽乾燥機にて40℃、2時間乾燥し造粒物A
パーツを得た。
【0250】 造粒物Bパーツの作製(使用液1L当たり) ほう酸 10g 酒石酸 3g 硫酸水素ナトリウム 18g 硫酸アルミニウム・18水塩 37g パインフロー(商品名:松谷化学) 4g 上記素材を市販のバンタムミル中で30分間混合し、更
に市販の攪拌造粒機にて室温で10分間造粒した後、造
粒物を流動槽乾燥機にて40℃、2時間乾燥し造粒物B
パーツを得た。
【0251】上記AパーツとBパーツを10分間、完全
混合し、得られた混合物をマシーナUD・DFE30・
40打錠装置を用い1錠当たり11.0gの充填量にし
て1.5トン/m2の圧縮打錠により直径30mm、厚
さ10mmの錠剤を得た。得られた結果を下記表6、表
7に示す。
【0252】
【表6】
【0253】
【表7】
【0254】表から明らかなように、本発明は固体処理
剤を用いた普通処理及び迅速処理のいずれも膜剥がれレ
ベルにおいて優れている。
【0255】実施例3 実施例1で作製した試料を実施例1と同様に露光し下記
処方のAQ現像液に変え処理した。各評価の項目及び方
法については実施例1と同様に行った。
【0256】 AQ現像液 ジエチレントリアミン五酢酸・5ナトリウム 1g 亜硫酸ナトリウム 30g 炭酸カリウム 53g 炭酸水素カリウム 17g 1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシルメチル−3−ピラゾリドン 1.5g エリソルビン酸ナトリウム・1水和物 40g 1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 0.025g 臭化カリウム 4g 5−メチルベンゾトリアゾール 0.21g 2,5−ジヒドロキシ安息香酸 5g 8−メルカプトアデニン 0.07g 水酸化カリウムを加えてpH9.8に調整し、1リット
ルに仕上げた。結果を表8、表9に示す。
【0257】
【表8】
【0258】
【表9】
【0259】本発明はハイドロキノンの代わりにアスコ
ルビン酸誘導体を含む現像液の場合にも効果がある。
【0260】
【発明の効果】本発明のハロゲン化銀写真感光材料で
は、ハロゲン化銀粒径サイズ分布が狭いハロゲン化銀乳
剤を調製でき、高感度、高ガンマなハロゲン化銀感光材
料を調製することが出来た。また金値により劣化する現
像時の膜剥がれも起こりにくいハロゲン化銀感光材量を
提供することが出来た。
【0261】さらに、本発明の化合物を用いれば現像
液、定着液を低補充にしても高感度、高γ特性、膜剥が
れの起きにくい感光材料を提供することができた。
【0262】実施例で実証した如くに本発明によれば、
高感度、高γ、また迅速処理条件においても膜剥がれの
起きにくい、イメージセッター用ハロゲン化銀写真感光
材料を提供できた。これは600〜800nmに分光増
感されている感光材料を処理する場合に特に効果が大き
い。この発明は現像液がアスコルビン酸誘導体を含む場
合にも有効である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03C 5/30 G03C 5/30 5/31 5/31

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも1層の親水性コロ
    イド層を有するハロゲン化銀写真感光材料において、該
    親水性コロイド層は、使用される親水性コロイドの金値
    が5〜45μmol/gであり、かつ、下記一般式
    (1)で表される活性メチレン基を有するポリマーラテ
    ックスを含有することを特徴とするハロゲン化銀写真感
    光材料。 一般式(1) −(A)w−(B)x−(C)y−(D)z− 〔式中、Aは活性メチレン基を有するエチレン性不飽和
    モノマーより誘導される繰り返し単位を示し、Bは単独
    重合体のTgが10℃以下であるメタクリル酸エステ
    ル、又は、単独重合体のTgが10℃以下であるアクリ
    ル酸エステルから選ばれるエチレン性不飽和モノマーよ
    り誘導される繰り返し単位を表し、Cはスチレン類より
    誘導される繰り返し単位を表し、Dはグリシジルメタク
    リレート、又は、グリシジルアクリレートより誘導され
    る繰り返し単位を表す。ここでw、x、y、zはポリマ
    ーラテックス中の各成分の質量百分率比を表し、それぞ
    れ1≦w≦20、60≦x≦96、0<y<10、0<
    z<10、w+x+y+z=100を表す。〕
  2. 【請求項2】 金値が5〜45μmol/gである親水
    性コロイドをハロゲン化銀粒子形成時に使用することを
    特徴とする請求項1記載のハロゲン化銀写真感光材料。
  3. 【請求項3】 活性メチレン基を有するポリマーラテッ
    クスの平均粒径が、5〜500nmであることを特徴と
    する請求項1又は2記載のハロゲン化銀写真感光材料。
  4. 【請求項4】 親水性コロイド層に少なくとも1種のベ
    タイン型両性界面活性剤を含有することを特徴とする請
    求項1、2又は3記載のハロゲン化銀写真感光材料。
  5. 【請求項5】 硬調化剤としてヒドラジン誘導体を含有
    することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載
    のハロゲン化銀写真感光材料。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項記載のハロ
    ゲン化銀写真感光材料を、ハロゲン化銀写真感光材料1
    2当たりの現像液補充量を30〜150ml、定着液
    補充量を50〜300mlで処理することを特徴とする
    ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
  7. 【請求項7】 ハロゲン化銀写真感光材料の全処理時間
    (Dry to Dry)が10秒〜60秒であること
    を特徴とする請求項6記載のハロゲン化銀写真感光材料
    の処理方法。
  8. 【請求項8】 固体処理剤から調液された処理液により
    処理することを特徴とする請求項6又は7記載のハロゲ
    ン化銀写真感光材料の処理方法。
  9. 【請求項9】 主として下記一般式(A)で表される現
    像主薬を含む現像液で現像処理することを特徴とする請
    求項6、7又は8記載のハロゲン化銀写真感光材料の処
    理方法。 【化1】 〔式中、R1、R2は各々独立して置換又は無置換のアル
    キル基、置換又は無置換のアミノ基、置換又は無置換の
    アルコキシ基、置換又は無置換のアルキルチオ基を表
    し、R1、R2は互いに結合して環を形成してもよい。k
    は0又は1を表し、kが1のときXは−CO−又は−C
    S−を表す。M1、M2は各々水素原子又はアルカリ金属
    原子を表す。〕
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