JP2003307615A - 透明樹脂を基材とする光学フィルター - Google Patents

透明樹脂を基材とする光学フィルター

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JP2003307615A
JP2003307615A JP2002112069A JP2002112069A JP2003307615A JP 2003307615 A JP2003307615 A JP 2003307615A JP 2002112069 A JP2002112069 A JP 2002112069A JP 2002112069 A JP2002112069 A JP 2002112069A JP 2003307615 A JP2003307615 A JP 2003307615A
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film
layer
optical filter
laminated
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JP2002112069A
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English (en)
Inventor
Koichiro Asao
浩一郎 浅尾
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明樹脂製の光学フィルターであって、PD
P前面板として装着した場合に、PDP本体側にではな
く、観察者側に向けて凸状の反りを発生し、かつ電磁波
及び近赤外線を遮断し得る光学フィルターを提供する。 【解決手段】 透明樹脂基板1の裏面(ディスプレイ
側)に少なくとも1枚のポリエステルフィルム2が積層
され、その基板の表面側にはポリエステルフィルムが積
層されていない光学フィルターが提供される。この光学
フィルターは、有利には、電磁波遮蔽性能を有する層及
び/又は近赤外線吸収性能を有する層を積層して用いら
れる。また、透明樹脂基板1自体に近赤外線吸収性能を
付与することもできる。この場合、有利には、電磁波遮
蔽性能を有する層を積層して用いられる。図の例では、
透明樹脂基板1自体が近赤外線吸収能を有し、そこに貼
り合わされたメッシュ6により、電磁波遮蔽性能が付与
されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明樹脂を基材と
する光学フィルターに関するものである。特に、プラズ
マディスプレイパネルの前面板に好適に使用される光学
フィルターに関するものである。
【0002】
【従来の技術】プラズマディスプレイパネル(以下、P
DPという)は、従来にない大型平面ディスプレイとし
て注目されている。しかるに、PDPはその特性上、本
体及びその周辺から電磁波を発生することから、周辺機
器に障害を与え、また人体への影響も懸念されている。
さらに、広く機器の遠隔操作に使用されている近赤外線
を発生するため、かかる機器の遠隔操作に対して誤作動
を発生させる原因ともなる。
【0003】従来から、こうした電磁波及び近赤外線を
遮蔽するための各種光学フィルターないしは前面板が知
られている。例えば、特開平 10-241578号公報には、ポ
リエステルのモノフィラメントの沙織物で、メッキにて
その表面に導電性金属を付着させた導電性網目状繊維メ
ッシュを、透明基板に熱プレス法等により積層一体化し
た前面板が提案されている。この公報には、透明基板と
して、不飽和二重結合を有する単量体とリン原子含有単
量体を共重合してなる共重合体及び銅原子を含む化合物
を含有する樹脂組成物を成形したものを使用すること、
また、必要に応じて前面板の表面に、ハードコート層及
び/又は反射防止層及び/又は汚染防止層を積層するこ
とも開示されている。一方、特開 2000-137442号公報に
は、波長800nm〜1,000nm における平均光線透過
率が30%以下であり、樹脂製基材を包含する透明基材
の少なくとも一方の面に、格子状導電性薄膜が設けられ
た光学フィルターが提案されている。
【0004】特に透明樹脂製の光学フィルターは、ガラ
スを基材とする場合に比べ、軽量であるため、PDPの
軽量化と言う点で有利である。
【0005】しかしながら、従来提案されている透明樹
脂製の前面板をPDP本体に装着して使用した場合、P
DP本体から発生する熱のために、その前面板がPDP
本体に接触する形で、すなわち観察者側から見て凹状に
熱変形することが多い。前面板とPDP本体が接触した
場合、光学的にいわゆる「ニュートンリング」が発生す
ることが懸念され、それを防止するためには、前面板の
裏面(PDP本体側の面)に凹凸を付与するいわゆるノ
ングレア(防眩)処理が必要となる。このようなノング
レア処理を施すと、前面板自体が曇状となり、画面の鮮
明感の低下を避けることができなかった。
【0006】また、前面板とPDP本体が接触した場
合、PDP本体の振動が異常に増幅され、「ジー」と言
う雑音が通常以上に聞こえる問題も懸念されている。さ
らに、前面板がPDP本体に接触すると、PDP本体の
熱が直接前面板に伝わるため、前面板が接触しない場合
に比べて、前面板自体の温度が高くなりやすい。そのた
め、長時間使用した場合にはどうしても、前面板の熱劣
化が早く進行する可能性が懸念されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明者は、透
明樹脂製の光学フィルターであって、PDP前面板とし
て装着した場合に、PDP本体側に向けて反るのではな
く、観察者側に向けて凸状の反りを発生し、かつ電磁波
及び近赤外線を遮断し得る光学フィルターを開発すべく
鋭意研究を行った結果、透明樹脂基板の表裏面を特定の
フィルム構成とすることにより、樹脂製前面板自体の熱
反りが、観察者側に向けて凸状となることを見出し、本
発明を完成するに至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、透明
樹脂基板の裏面に少なくとも1枚のポリエステルフィル
ムが積層され、その基板の表面側にはポリエステルフィ
ルムが積層されていない光学フィルターを提供するもの
である。この光学フィルターは、有利には、電磁波遮蔽
性能を有する層及び近赤外線吸収性能を有する層のう
ち、少なくとも一方、好ましくは両方を積層して用いら
れる。また、透明樹脂基板自体に近赤外線吸収性能を付
与することもできる。この場合、有利には、電磁波遮蔽
性能を有する層を積層して用いられる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に使用する透明樹脂基板
は、透明な樹脂であれば特に限定されず、例えば、アク
リル樹脂を含む透明樹脂組成物、ポリカーボネートを含
む透明樹脂組成物、ポリエステルを含む透明樹脂組成
物、トリアセチルセルロースやジアセチルセルロースの
ようなセルロース樹脂を含む透明樹脂組成物、ポリスチ
レンを含む透明樹脂組成物などが挙げられる。なかで
も、透明性の観点からは、アクリル樹脂を含む透明樹脂
組成物が好ましく用いられる。
【0010】透明樹脂基板として、近赤外線吸収性能を
有するものを用いることもできる。アクリル樹脂を含
み、近赤外線吸収性能を有する透明樹脂組成物として
は、例えば、次のようなものを挙げることができる。
【0011】(1) 特公昭 62-5190号公報に記載されるよ
うな、リン化合物及び銅化合物を含有し、ポリメタクリ
ル酸メチル系重合体からなる透明樹脂組成物、(2) 特開
平 6-73197号公報に記載されるような、銅化合物及びチ
オ尿素誘導体を含有する透明樹脂組成物など。
【0012】なかでも、可視光線の透過率、透明基板の
強度及び耐久性の点で、リン化合物及び銅化合物を含有
し、ポリメタクリル酸メチル系重合体からなる透明樹脂
組成物が好ましい。この透明樹脂組成物は、支持体とし
ての基板性能のほかに、近赤外線吸収性能を有するた
め、コスト的に非常に有利である。
【0013】一方、透明樹脂基板自体には近赤外線吸収
性能を付与せず、前面板ないしは光学フィルターとする
ときに、別途の手段で、例えば、近赤外線吸収性のフィ
ルムを積層することにより、近赤外線吸収性能を有する
前面板又は好学フィルターとすることもできる。この場
合には、透明樹脂基板として、前記した各種透明樹脂を
そのまま用いることができる。また、メタクリル酸メチ
ルとスチレンの共重合体樹脂なども、透明樹脂基板とし
て有利に用いることができる。
【0014】透明樹脂基板の厚みは特に限定されない
が、一般的には1mm〜10mm程度の範囲が有利である。
重量、透明性、コストなどの観点から好ましい範囲は、
2mm〜6mm程度である。基板の厚みが1mm未満では、光
学フィルターとしての強度の点で使用しにくくなる傾向
にあり、一方で厚みが10mmを超えると、重量及びコス
トの点から、実用的でなくなる。
【0015】本発明では、透明樹脂基板の裏面に、ポリ
エステルフィルムが少なくとも1枚積層される。ここで
用いるポリエステルフィルムは、通常工業的に入手可能
なものであれば特に限定されないが、透明性、厚み精
度、コストなどの観点からは、25μm〜500μmの厚
み範囲にあるものが好ましい。ポリエステルフィルムの
より好ましい厚みは、50μm以上、また250μm以下
であり、通常100μm前後のものがよく使用される。
さらには、厚み精度及び強度の点から、2軸延伸ポリエ
ステルフィルムが好ましい。ポリエステルフィルムの厚
みが25μm 未満になると、フィルム強度の観点で取扱
い性が低下するので好ましくなく、一方でその厚みが5
00μm を超えると、コストや透明性などの観点から実
用的でなくなる。
【0016】透明樹脂基板の裏面に積層されるポリエス
テルフィルムは、必要に応じて種々の表面処理が施され
ていてもよい。適当な表面処理の例としては、易接着処
理、反射防止処理、汚染防止処理、ノングレア処理など
を挙げることができる。さらには必要に応じて、電磁波
シールド性を付与するための透明導電膜処理や格子状導
電性薄膜処理、また近赤外線吸収性能を付与するための
染料塗工処理などを施すこともできる。これらの処理は
必要に応じて行われるが、ポリエステルフィルムはこれ
らの処理加工に適したものであるため、容易に処理が可
能である。
【0017】透明樹脂基板の裏面に積層されるポリエス
テルフィルムは、少なくとも1枚あればよく、もちろん
複数枚を積層することもできる。通常は、1枚積層する
か、又は必要に応じて2枚積層する程度が有利である。
一方、こうしてポリエステルフィルムが積層された面と
は反対側の透明樹脂基板面(表面)には、ポリエステル
以外のフィルムを積層することは可能であるが、ポリエ
ステルフィルムは積層されない。表面側にポリエステル
フィルムが存在すると、その樹脂基板を含む光学フィル
ターをディスプレイの前面に配置してディスプレイを点
灯したときに、その光学フィルターが裏面側へ向けて凸
反りする、換言すれば、観察者側表面から見て凹反りす
ることがあり、この場合には、光学フィルターがディス
プレイ本体と接触し、ニュートンリング発生の原因とな
ってします。
【0018】透明樹脂基板の表面及び/又は裏面には、
必要に応じてポリエステルフィルム以外のフィルムを積
層することが可能である。積層するフィルムは、透明な
ものであれば特に限定されないが、例えば、トリアセチ
ルセルロースやジアセチルセルロースのようなセルロー
ス樹脂からなるフィルム、アクリル樹脂からなるフィル
ム、ポリカーボネートからなるフィルム、ポリスチレン
からなるフィルムなどが、透明性やコストなどの観点か
ら好ましい例として挙げられる。
【0019】これらのフィルムの厚みも特に限定されな
いが、通常は25μm〜500μmの範囲のものが好適で
ある。より好ましい厚みは、50μm以上、また250
μm以下であり、通常工業的には、100μm 前後のも
のがよく使用される。フィルムの厚みが25μm 未満に
なると、フィルム強度の観点で取扱い性が低下するので
好ましくなく、一方でその厚みが500μm を超える
と、コストや透明性などの観点から実用的でなくなる。
【0020】これらのフィルムはまた、その片面及び/
又は両面に、易接着処理、反射防止処理、汚染防止処
理、ノングレア処理などの表面処理、あるいは、電磁波
シールド性を付与するための透明導電膜処理や格子状導
電性薄膜処理、さらには近赤外線吸収性能を付与するた
めの染料塗工処理などが施されていてもよい。
【0021】なお、光学フィルターの最裏面にノングレ
ア処理を施したフィルムを積層することも、画質の要求
特性に応じて可能である。ただし、本発明の光学フィル
ターでは、前面板をPDP本体に装着した際の熱反り
で、樹脂製前面板がPDP本体に接触することがないの
で、いわゆるニュートンリングの発生を防止するための
ノングレア加工は必要としない。そのため、ノングレア
フィルムを使用する場合でも、画質のためだけにノング
レア加工を最適化すればよく、ノングレア加工の選択の
幅が広いと言える。
【0022】透明樹脂基板に対し、ポリエステルフィル
ム及び/又は必要に応じて各種フィルムを積層する方法
は、特に限定されるものでないが、接着剤を用いて接着
させる方法、ホットメルト接着剤等を使用して熱プレス
で接着させる方法、いわゆる粘着剤(感圧性接着剤)を
用いて接着させる方法などが挙げられる。必要に応じ
て、これらの方法を組み合わせてもかまわない。
【0023】接着剤としては、透明なものであればよ
く、例えば、アクリル系、ポリウレタン系、シリコーン
系、エチレン−酢酸ビニル共重合体系、ポリアミド系、
熱可塑性エラストマー系などが挙げられる。これらのう
ち、透明性やコストなどの観点からは、アクリル系、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体系などが好ましい。接着層
の厚みは特に限定されないが、通常20μm〜200μm
の範囲が好ましく、さらには25μm 以上であるのがよ
り好ましく、また75μm 以下であるのがより好まし
い。接着層の厚みが20μm 未満では、接着強度や耐久
性などの観点で使用しにくくなる傾向にあり、その厚み
が200μm を超えると、透明性やコストの観点から好
ましくない。
【0024】本発明の光学フィルターは、以上説明した
ように、透明樹脂基板の裏面にポリエステルフィルムを
少なくとも1枚積層し、その反対側、すなわち透明樹脂
基板の表面側にはポリエステルフィルムを積層しない状
態で構成されるが、このフィルターを例えば、PDPの
前面板として用いる場合は、さらに電磁波遮蔽性能及び
/又は近赤外線吸収性能を有するのが好ましい。これら
のうち、近赤外線吸収性能は、前述したように、透明樹
脂基板自体に持たせることもできる。透明樹脂基板自体
が近赤外線吸収性能を有しない場合は、電磁波遮蔽性能
を有する層及び/又は近赤外線吸収性能を有する層を積
層することにより、このような機能を持たせることがで
きる。
【0025】電磁波遮蔽性能は、例えば、導電性の網目
状メッシュにより、あるいは透明導電膜により、付与す
ることができる。ポリエステルのモノフィラメントの沙
織物であって、メッキにてその表面に導電性金属を付着
させた導電性網目状繊維メッシュを使用する場合、これ
は、透明樹脂基板の表裏どちらの面に積層することも可
能である。すなわち、基板の裏面に網目状繊維メッシュ
を積層した場合でも、基板の表面に積層した場合でも、
本発明の目的である樹脂製前面板の熱反りを観察者側に
向かう凸状とすることには影響を与えない。同様に、導
電性金属からなる網目状金属メッシュを使用する場合
も、基板に対してその位置はどこでもかまわない。
【0026】繊維メッシュは、フィラメント表面を銅や
ニッケルなどでメッキしたポリエステル沙織物などで構
成することができる。合成繊維の種類としては、各種考
えられるが、強度、耐久性、及びメッキの前処理である
エッチングのしやすさなどから、ポリエステルが好まし
い。フィラメント表面を金属化した上に、さらに通常の
酸化法などで黒化処理したもの、染料や顔料で艶出し又
は暗色に着色したものは、画像のちらつきや眩しさを抑
制し、コントラストを向上させるなどの観点から、有効
である。
【0027】網目は、粗くなると電磁波遮蔽性能が低下
し、一方、細かすぎると画像が見えにくくなる。したが
って、50〜300メッシュの範囲にあるのが好まし
く、より好ましくは100メッシュ以上、また200メ
ッシュ以下である。メッシュの線幅は、10μm 〜10
0μm の範囲にあるのが好ましく、より好ましくは20
μm 以上、また50μm 以下である。繊維メッシュの場
合、極端に線幅の細いものは、その製造が難しく、また
取扱い時に破損しやすいことなどから、工業的に採用す
るには困難を伴うので、実用上は30μm 前後のものが
好適である。
【0028】ポリエステルフィルムの表面に積層された
透明性導電膜又は格子状導電薄膜により、電磁波遮蔽性
能を付与する場合は、ポリエステルフィルムを含むた
め、透明樹脂基材に対して裏面に積層する必要がある。
【0029】また、特開平 11-354978号公報、特開 200
0-13088 号公報、特開 2001-358496号公報などに開示さ
れるような、印刷により形成され、導電性が付与された
パターンを電磁波遮蔽層とすることもできる。ここで、
印刷によるパターンがポリエステルフィルム上に形成さ
れている場合には、この電磁波遮蔽層は、本発明に従っ
て、透明樹脂基板の裏面に配置されることになる。
【0030】一方、近赤外線吸収性能は、前述したよう
に、透明樹脂基板自体に持たせることができるほか、近
赤外線吸性の色素を含有する塗料の塗布又は当該色素含
有層が設けられたフィルムの積層などによっても付与す
ることができる。近赤外線吸収層が設けられたフィルム
も市販されているので、このようなフィルムを積層する
ことにより、近赤外線吸収性能を付与することができ
る。この場合、フィルムの基材がポリエステルでなけれ
ば、透明樹脂基板の表裏どちらの面に積層してもよい
が、フィルムの基材がポリエステルの場合は、本発明に
従って、透明樹脂基板の裏面に積層されることになる。
【0031】本発明の光学フィルターにおいて、表裏の
区別は、それをディスプレイ本体、特にPDP本体に装
着する際に決定され、すなわち、PDP本体に向けた面
が光学フィルターの裏面となり、PDPを鑑賞する人間
側が表面となる。また通常、表面にはPDPの画質向上
のために、外光の反射防止処理が施されていることが多
い。
【0032】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例によって限定される
ものではない。例中、含有量ないし使用量を表す%及び
部は、特記ないかぎり重量基準である。
【0033】実施例1 (1)近赤外線吸収能を有する透明樹脂基板の作製 メチルメタクリレート45%、イソボルニルメタクリレ
ート25%、及びポリエチレングリコールジメタクリレ
ート(ポリエチレングリコールの平均分子量は200)
30%からなる混合物100部に、下記の化学式(1)
で示されるリン原子含有化合物を10部添加した。
【0034】 CH2=C(CH3)COO[CH2CH(CH3)O]5.5-P(O)(OH)2 (1)
【0035】上記混合物にさらに、銅原子含有化合物と
して無水の安息香酸銅5部及びラジカル重合開始剤とし
てt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート
0.5部を溶解した。この溶液を、1,250×750×
10mm サイズのガラス板2枚と厚さ3mmのポリ塩化ビ
ニル製ガスケットとからなる重合用セルに注入し、50
℃で12時間、次に100℃で2時間保持して加熱重合
させ、大きさ 1,200×680mm 、厚さ3mm の板状
で、近赤外線吸収能を有する透明樹脂基板を作製した。
【0036】(2)光学フィルターの作製 厚さ2mmの片面鏡面ステンレス鋼板の鏡面上に、反射防
止処理が片面に施されたポリカーボネートフィルム(日
本油脂(株)製の“リアルック 3200 ”、ポリカーボネ
ート層130μm、反射防止層5μm)を、その反射防止
層がステンレス鋼鏡面と向き合うように戴置し、その上
に、アクリル系ホットメルト接着剤(鐘淵化学工業
(株)製の“サンジュレン SD002AN”、厚み50μm ;
以下、単にホットメルト接着剤という)、上記(1)で
得られた近赤外線吸収能を有する透明樹脂基板、ポリエ
ステルモノフィラメントの表面が銅メッキされ、さらに
酸化黒化処理されている導電性繊維メッシュ(セーレン
(株)製、135メッシュ、線幅30μmφ )、及びホ
ットメルト接着剤を順に積層し、さらにその上に、片面
鏡面ステンレス鋼板を鏡面がホットメルト接着剤と向き
合うように置いた後、面圧力40kgf にて120℃で1
時間熱プレスし、最後にステンレス鋼板を取り除いて、
反射防止性能、電磁波シールド性能及び近赤外線吸収能
を有する樹脂製透明板を作製した。なお、繊維メッシュ
はホットメルト接着剤に埋没しているが、ホットメルト
接着剤のサイズを繊維メッシュよりも小さくして、周辺
からメッシュを約10mm露出させ、そこからアース取り
ができるようにした。
【0037】次に、片面に反射防止処理が施されたポリ
エステルフィルム(日本油脂(株)製の“リアルック 1
201 ”、ポリエステル層100μm、反射防止層5μm)
を、その反射防止層が外側となるようにして、上記熱プ
レスで得られた樹脂製透明板のホットメルト接着剤上
に、厚さ25μm のアクリル系粘着剤(以下、単に粘着
剤という)を介して積層した。その際、周囲に露出した
メッシュのアース取りが可能なように、周囲から約12
mm小さいサイズでフィルムを積層した。
【0038】こうして得られた光学フィルターの層構成
を、断面模式図で図1に示す。すなわちこの光学フィル
ターは、上から順に、反射防止層4aが上になったポリ
カーボネートフィルム4/ホットメルト接着剤7/近赤
外線吸収能を有する透明樹脂基板1/導電性繊維メッシ
ュ6/ホットメルト接着剤7/粘着剤8/反射防止層2
aが下になったポリエステルフィルム2の順で積層され
ている。
【0039】(3)前面板の作製及び評価 得られた光学フィルターの端面周辺部に、アース用の銅
テープ(ソニーケミカル(株)製の“CU7636R”、25m
m 幅)を額縁状に貼り付けて、前面板を完成させた。こ
うして得られた前面板を、そのポリカーボネートフィル
ム4の反射防止層4aを観察者側に向け、ポリエステル
フィルム2の反射防止層2aを50インチワイド(有効
画面サイズ約1,100×620mm )のPDP本体側に
向けて装着した。このとき、前面板とPDP本体の隙間
は約4mmであり、前面板は平面であった。
【0040】この状態で、パターンジェネレータ(リー
ダー電子(株)製の“LCG-412A”)にて白画面を発光さ
せた。発光後、徐々に温度が上昇し、約1時間後に全体
が安定したが、前面板は観察者側に向けて凸状の熱反り
を示した。反り量は、点灯前の平面な状態から凸中心部
の最大量で約4mmであった。またこのとき、前面板の中
心表面温度は約45℃であった。ちなみに、雰囲気温度
は約23℃であった。さらに2時間点灯を続けた後、消
灯したところ、約1時間で発光前の平面な状態に戻っ
た。消灯状態を合計3時間継続した後、さらに3時間点
灯、3時間消灯を繰り返したところ、発光時には観察者
側に向けて凸反りとなり、消灯時には平面に戻る状態が
繰り返された。
【0041】また、テレビ映像を映し、6時間発光、6
時間消灯を繰り返したところ、同様に、発光時には観察
者側に向けて凸反りとなり、消灯時には平面に戻る状態
が繰り返された。なお、この際の凸反り量は、前面板中
心部で最大約3mmであった。
【0042】実施例2 実施例1の(1)で得られた近赤外線吸収能を有する厚
さ3mmの透明樹脂基板の一方の面に、実施例1の(2)
で用いたのと同じ導電性繊維メッシュ、及びホットメル
ト接着剤をこの順で積層し、厚さ2mmの片面鏡面ステン
レス鋼板2枚の鏡面間に挟む状態にして、面圧力40kg
f にて120℃で1時間熱プレスし、最後にステンレス
鋼板を取り除いて、電磁波シールド性能及び近赤外線吸
収能を有する樹脂製透明板を作製した。
【0043】この透明板の透明樹脂基板側の面に、反射
防止処理が片面に施されたトリアセチルセルロースフィ
ルム(日本油脂(株)製の“リアルック 2201 ”、トリ
アセチルセルロース層80μm 、反射防止層5μm )
を、その反射防止層が外側となるように粘着剤を介して
積層した。さらに、上記透明板のホットメルト接着剤側
の面には、ノングレア加工が片面に施されたポリエステ
ルフィルム(大日本印刷(株)製の“エクセルマイティ
ー NC00”、ポリエステル層120μm、ノングレア層5
μm )を、そのノングレア層が外側となるように粘着剤
を介して積層し、光学フィルターを作製した。
【0044】この光学フィルターを用い、実施例1の
(3)と同様にして前面板を完成させた後、ポリエステ
ルフィルムのノングレア層をPDP本体側に向けて装着
し、熱反り挙動を観察した。その結果、発光時には観察
者側に向けて凸反りとなり、消灯時には平面に戻る状態
が繰り返された。この例では、裏面にノングレア層が設
置されているが、画質に適度な曇感を与え、良好な画質
であった。
【0045】実施例3 片面に銅箔膜が形成されたポリエステルフィルム(ポリ
エステル層100μm、銅箔層10μm、ポリエステルフ
ィルム面が接着前に黒化処理され、銅箔とポリエステル
フィルムは厚み2μm のポリウレタン系接着剤で接着さ
れている)の銅箔側をエッチングして、格子間隔200
μm 、銅箔線幅15μm の格子状に加工した後、格子状
に残存する銅箔の表面を酸化黒化処理して、格子状銅箔
膜を有するポリエステルフィルムを作製した。
【0046】実施例1の(1)で得られた近赤外線吸収
能を有する厚さ3mmの透明樹脂基板の一方の面に、実施
例2で用いたのと同じ反射防止処理が施されたトリアセ
チルセルロースフィルム“リアルック 2201 ”を、その
反射防止層が外側となるように粘着剤を介して積層し、
透明樹脂基板の他方の面には、上で作製した格子状銅箔
膜を有するポリエステルフィルムを、その格子状銅箔面
が樹脂基板側となるように粘着剤を介して積層した。な
お、格子状銅箔膜を有するポリエステルフィルムを粘着
剤を介して単に積層しただけでは、格子状空隙に気泡が
たまり、不透明になったので、50℃、圧力5kgf 、時
間30分の条件でオートクレーブ処理を行い、透明な光
学フィルターを得た。
【0047】この光学フィルターを用い、実施例1の
(3)と同様にして前面板を完成させた後、反射防止層
付きトリアセチルセルロースフィルム“リアルック 220
1 ”貼合面を表面とし、格子状銅箔膜を有するポリエス
テルフィルムを貼合した面を裏面(PDP本体側)とし
て、PDP本体に装着し、熱反り挙動を観察した。その
結果、発光時には観察者側に向けて凸反りとなり、消灯
時には平面に戻る状態が繰り返された。
【0048】実施例4 メタクリル酸メチルとスチレンの共重合体で厚さ3mmの
透明MS樹脂板(日本アクリエース(株)製の“アクリ
エース MS ”)の一方の面に、実施例2で用いたのと同
じ反射防止処理が施されたトリアセチルセルロースフィ
ルム“リアルック 2201 ”を、その反射防止層が外側と
なるように粘着剤を介して積層し、MS樹脂板のもう一
方の面には、実施例3で用いたのと同じ格子状銅箔膜を
有するポリエステルフィルムを、その格子状銅箔膜が外
側となるように粘着剤を介して積層した。さらにその格
子状銅箔面の上には、片面に近赤外線吸収層が設けられ
たポリエステルフィルム(住友大阪セメント(株)製の
“クリアラス NIR”、基材層100μm 、近赤外線吸収
層2μm )を、その近赤外線吸収層が外側となるように
粘着剤を介して積層し、光学フィルターを作製した。こ
の際、実施例3と同様にオートクレーブ処理を施した。
【0049】こうして得られた光学フィルターの層構成
を、断面模式図で図2に示す。すなわち、この光学フィ
ルターは、上から順に、反射防止層5aが上になったト
リアセチルセルロースフィルム5/粘着剤8/MS樹脂
からなる透明樹脂基板1/粘着剤8/ポリエステルフィ
ルム3/格子状銅箔3a/粘着剤8/近赤外線吸収層2
bが下になったポリエステルフィルム2の順で積層され
ている。
【0050】この光学フィルターを用い、実施例1の
(3)と同様にして前面板を完成させた後、反射防止層
付きトリアセチルセルロースフィルム“リアルック 220
1 ”貼合面を表面とし、近赤外線吸収層付きポリエステ
ルフィルム“クリアラス NIR”貼合面を裏面(PDP本
体側)として、PDP本体に装着し、熱反り挙動を観察
した。その結果、発光時には観察者側に向けて凸反りと
なり、消灯時には平面に戻る状態が繰り返された。
【0051】実施例5 MS樹脂板“アクリエース MS ”の代わりに、市販され
ている厚さ3mmのポリカーボネート板を使用した以外
は、実施例4と同様にして、樹脂製前面板を作製した。
この前面板を実施例4と同様にPDP本体に装着して、
熱反り挙動を観察した。その結果、発光時には観察者側
に向けて凸反りとなり、消灯時には平面に戻る状態が繰
り返された。
【0052】実施例6 片面に反射防止処理が施されたMS樹脂板の樹脂面(非
反射防止処理面)に、実施例4と同様に、格子状銅箔付
きポリエステルフィルム及び近赤外線吸収性ポリエステ
ルフィルムを順次、粘着剤を介して積層した以外は、実
施例4と同様にして前面板を作製した。この前面板を実
施例4と同様にPDP本体に装着して、熱反り挙動を観
察した。その結果、発光時には観察者側に向けて凸反り
となり、消灯時には平面に戻る状態が繰り返された。
【0053】比較例1 実施例1で得られた前面板を、反射防止処理が施された
ポリエステルフィルムを観察者側に、反射防止処理が施
されたポリカーボネートフィルムをPDP本体側に向け
て装着したこと、すなわち、実施例1と前面板の表裏を
反転させて装着したこと以外は、実施例1と同様の操作
を行った。その結果、発光に伴って、約15分で前面板
がPDP本体に接触する形、すなわち、観察者側から見
て凹状の熱反りを示した。前面板とPDP本体の接触に
伴い、ニュートンリングが明確に観察された。またこの
とき、前面板の中心表面温度は約50℃であった。さら
にTV映像を映した場合も、同様に前面板とPDP本体
の接触を伴う、観察者側から見て凹状の熱反りが前面板
に発生し、ニュートンリングが観察された。その際の前
面板表面温度は約40℃であった。
【0054】比較例2 実施例2の前半で得られた繊維メッシュ積層近赤外線吸
収性樹脂製透明板の両面に、実施例2で用いたのと同じ
反射防止処理が施されたポリエステルフィルム“リアル
ック 1201 ”を、それぞれ反射防止層が外側となるよう
に粘着剤を介して積層し、光学フィルターを作製した。
この光学フィルターを用い、実施例1の(3)と同様に
して前面板を完成させた後、繊維メッシュが積層された
面側の反射防止層付きポリエステルフィルム面をPDP
本体に向けて装着し、実施例1と同様に熱反りを評価し
た。その結果、発光時には観察者側から見て凹状の熱反
りを示し、ニュートンリングが明確に観察された。
【0055】比較例3 実施例1において、その(2)で得られた、反射防止性
能、電磁波シールド性能及び近赤外線吸収能を有する樹
脂製透明板のホットメルト接着剤面に積層した反射防止
ポリエステルフィルム“リアルック 1201 ”の代わり
に、ノングレア加工が片面に施されたポリカーボネート
フィルム(きもと(株)製の “KB フィルム PCAG”、
基材層125μm 、ノングレア層5μm)を用い、その
ノングレア層が外側となるように粘着剤を介して上記樹
脂製透明板のホットメルト接着剤面に積層し、その他は
実施例1と同様の構成で、前面板を作製した。この前面
板を、そのノングレア加工ポリカーボネートフィルム貼
合面がPDP本体側となるようにPDP本体に装着し
て、実施例1の(3)と同様に熱反りを評価した。その
結果、発光時には観察者側から見て凹状の熱反りを示し
た。この際、製品の裏面にノングレア加工が施されてい
るため、ニュートンリングは発生しなかったが、画面の
鮮明さに多少欠けるものであった。
【0056】比較例4 比較例3において、ノングレア加工ポリカーボネートフ
ィルム“KB フィルムPCAG”の代わりに、ノングレア加
工が片面に施されたトリアセチルセルロースフィルム
(大日本印刷(株)製の“エクセルマイティー AG3”、
基材層80μm 、ノングレア層5μm )を用い、その他
は比較例3と同様の構成で前面板を作製した。この前面
板を、そのノングレア加工トリアセチルセルロースフィ
ルム貼合面がPDP本体側となるようにPDP本体に装
着して、実施例1の(3)と同様に熱反りを評価した。
その結果、比較例3と同様、発光時には観察者側から見
て凹状の熱反りが認められ、また製品の裏面にノングレ
ア加工が施されているため、ニュートンリングは発生し
なかったが、画面の鮮明さに欠けるものであった。
【0057】比較例5 実施例2の前半で得られた繊維メッシュ積層近赤外線吸
収性樹脂製透明板のアクリル樹脂面に、実施例2で用い
たのと同じ反射防止処理が施されたトリアセチルセルロ
ースフィルム“リアルック 2201 ”を、その反射防止層
が外側となるように粘着剤を介して積層し、上記繊維メ
ッシュ積層近赤外線吸収性樹脂製透明板の反対側の面
(ホットメルト接着剤面)には、比較例3で用いたのと
同じノングレア加工ポリカーボネートフィルム“KB フ
ィルム PCAG”を、そのノングレア層が外側となるよう
に粘着剤を介して積層し、光学フィルターを作製した。
この光学フィルターを用いて、実施例1の(3)と同様
に前面板を作製し、そのノングレア加工ポリカーボネー
トフィルム貼合面がPDP本体側となるようにPDP本
体に装着して、実施例1の(3)と同様に熱反りを評価
した。その結果、比較例3と同様、発光時には観察者側
から見て凹状の熱反りが認められ、また、製品の裏面に
ノングレア加工が施されているため、ニュートンリング
は発生しなかったが、画面の鮮明さに欠けるものであっ
た。
【0058】比較例6 比較例5において、反射防止処理トリアセチルセルロー
スフィルム“リアルック 2201 ”の代わりに、実施例1
で用いたのと同じ反射防止処理が施されたポリエステル
フィルム“リアルック 1201 ”を用いた以外は、比較例
5と同様の構成で前面板を作製した。この前面板をその
ノングレア加工ポリカーボネートフィルム貼合面がPD
P本体側となるようにPDP本体に装着して、実施例1
の(3)と同様に熱反りを評価した。その結果、比較例
3と同様、発光時には観察者側から見て凹状の熱反りが
認められ、また、製品の裏面にノングレア加工が施され
ているため、ニュートンリングは発生しなかったが、画
面の鮮明さに多少欠けるものであった。
【0059】比較例7 実施例4で用いたのと同じMS樹脂板の表面に、実施例
1で用いたのと同じ反射防止処理が施されたポリエステ
ルフィルム“リアルック 1201 ”を、その反射防止層が
外側となるように粘着剤を介して積層し、裏面には、実
施例4で用いたのと同じ格子状銅箔膜を有するポリエス
テルフィルムのポリエステルフィルム面側で粘着剤を介
して積層した。さらに、この格子状銅箔面には、実施例
4で用いたのと同じ片面に近赤外線吸収層が設けられた
ポリエステルフィルム“クリアラス NIR”を、その近赤
外線吸収層が外側となるように粘着剤を介して積層し、
光学フィルターを作製した。この光学フィルターを用い
て、実施例1の(3)と同様に前面板を作製し、その近
赤外線吸収層付きポリエステルフィルム貼合面がPDP
本体側となるようにPDP本体に装着して、実施例1の
(3)と同様に熱反りを評価した。その結果、発光時に
は観察者側から見て凹状の熱反りが認められ、またニュ
ートンリングが観察された。
【0060】以上の各例のうち、実施例1及び実施例4
の層構成はそれぞれ図1及び図2に示したが、これらを
含めて、各例の層構成の概要を表1にまとめて示す。な
お、表1中、スラッシュ「/」は層の境界を表し、ハイ
フン「−」はその前後の層が一体になっていることを表
し、その他の略号の意味は次のとおりである。
【0061】PC: ポリカーボネート、 PET: ポリエステル、 TAC: トリアセチルセルロース、 AR: 反射防止層、 AG: ノングレア(アンチグレア)層、 EM: エッチングメッシュ(格子状銅箔膜)、 NIRA板: 近赤外線吸収能を有する透明樹脂基板、 NIRAフィルム: フィルム上の近赤外線吸収層、 MS板: メタクリル酸メチル−スチレン共重合体樹脂
板(MS樹脂板)、 HM: ホットメルト接着剤。
【0062】
【表1】
【0063】
【発明の効果】本発明に従って、透明樹脂基板の裏面
(ディスプレイ側)にポリエステルフィルムを積層し、
表面(観察者側)にはポリエステルフィルムを積層しな
い構成の光学フィルターとすることで、ディスプレイ使
用時(点灯時)にこのフィルターが観察者側に向けて凸
反りするようになり、ディスプレイ本体に接触すること
がないので、ニュートンリング等の発生がなくなり、視
認性が改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で作製した光学フィルターの層構成を
示す断面模式図である。
【図2】実施例4で作製した光学フィルターの層構成を
示す断面模式図である。
【符号の説明】
1………透明樹脂基板、 2,3…ポリエステルフィルム、 2a……ポリエステルフィルムの反射防止層、 2b……ポリエステルフィルムの近赤外線吸収層、 3a……格子状銅箔、 4………ポリカーボネートフィルム、 4a……ポリカーボネートフィルムの反射防止層、 5………トリアセチルセルロースフィルム、 5a……トリアセチルセルロースフィルムの反射防止
層、 6………導電性繊維メッシュ、 7………ホットメルト接着剤、 8………粘着剤。
フロントページの続き Fターム(参考) 2H048 CA04 CA12 CA19 CA23 CA24 CA29 2K009 AA02 BB24 BB28 4F100 AB17 AH08H AK01A AK25 AK25G AK25J AK41B AK45 AL01 AR00C AR00D BA02 BA03 BA04 BA05 BA10A BA10B CA30 CB03 DC16 DG14 EH71 GB41 JD08C JD10A JD10D JL00 JN01A JN06 5G435 AA01 AA17 BB06 GG11 GG33 KK07

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明樹脂基板の裏面に少なくとも1枚のポ
    リエステルフィルムが積層され、該基板の表面側にはポ
    リエステルフィルムが積層されていないことを特徴とす
    る光学フィルター。
  2. 【請求項2】電磁波遮蔽性能を有する層及び/又は近赤
    外線吸収性能を有する層が積層されている請求項1に記
    載の光学フィルター。
  3. 【請求項3】透明樹脂基板が近赤外線吸収性能を有し、
    さらに電磁波遮蔽性能を有する層が積層されている請求
    項1に記載の光学フィルター。
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