JP2003307097A - シールド掘進機 - Google Patents
シールド掘進機Info
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- JP2003307097A JP2003307097A JP2002113420A JP2002113420A JP2003307097A JP 2003307097 A JP2003307097 A JP 2003307097A JP 2002113420 A JP2002113420 A JP 2002113420A JP 2002113420 A JP2002113420 A JP 2002113420A JP 2003307097 A JP2003307097 A JP 2003307097A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 スクリューコンベア駆動装置前方の機内のメ
ンテナンス作業やスクリューコンベアの組立、分解が容
易に行えるシールド掘進機を提供する。 【解決手段】 複数個の胴1a,1b,1c…を揺動可
能に連結して中折れできるように形成したシールド本体
1と、前端部が球面軸受5cで揺動可能に前胴1aの隔
壁1dに取り付けられ掘削土砂をシールド本体1内に移
送するスクリューコンベア5とを備えたシールド掘進機
において、スクリューコンベア5を支持するための支持
部材21を第2の胴1bに対して水平方向に回動可能に
かつ垂直方向に傾動可能に取り付けるとともに、スクリ
ューコンベア5を支持部材21に垂直方向の揺動を可能
にするようにブラケット30により着脱可能に取り付け
て構成した。
ンテナンス作業やスクリューコンベアの組立、分解が容
易に行えるシールド掘進機を提供する。 【解決手段】 複数個の胴1a,1b,1c…を揺動可
能に連結して中折れできるように形成したシールド本体
1と、前端部が球面軸受5cで揺動可能に前胴1aの隔
壁1dに取り付けられ掘削土砂をシールド本体1内に移
送するスクリューコンベア5とを備えたシールド掘進機
において、スクリューコンベア5を支持するための支持
部材21を第2の胴1bに対して水平方向に回動可能に
かつ垂直方向に傾動可能に取り付けるとともに、スクリ
ューコンベア5を支持部材21に垂直方向の揺動を可能
にするようにブラケット30により着脱可能に取り付け
て構成した。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数個の胴を少な
くとも水平方向に揺動可能に連結して中折れできるよう
に形成したシールド本体内にスクリューコンベアを設置
したシールド掘進機に関する。 【0002】 【従来の技術】シールド掘進機は、シールドジャッキで
シールド本体を推進しながらカッタヘッドで切羽を掘削
して地下坑を形成するとともに、切羽の掘削により生じ
た掘削土砂を坑外に排出する。そのため、シールド掘進
機では、掘削土砂をシールド本体内に移送するための土
砂移送装置をシールド本体内に設置し、この土砂移送装
置で移送された掘削土砂を、地下坑を経由して適宜の手
段で発進立坑側に排出する。こうしたシールド掘進機に
は、泥水を掘削土砂に混合して泥水圧をたてることによ
り切羽の崩落を防止する泥水式のシールド掘進機と、掘
削土砂を塑性流動化するための添加剤を掘削土砂に混合
して土圧をたてることにより切羽の崩落を防止する土圧
式のシールド掘進機とがよく知られている。後者の土圧
式のシールド掘進機では、土砂移送装置としてスクリュ
ーコンベアを使用する。 【0003】一方、シールド掘進機としては、カーブす
るトンネルを掘削する場合のように掘進方向を変えて曲
進する中折れ式のシールド掘進機がよく知られている。
この中折れ式のシールド掘進機は、シールド本体を、最
前方の胴である前胴と最後方の胴である後胴とを少なく
とも備えた二つ以上の胴に分割して、各胴の隣接する端
部同士を揺動可能に連結することにより、シールド本体
を中折れさせることができるように構成したものであ
る。本発明は、土砂移送装置としてスクリューコンベア
をシールド本体内に設置した土圧式のシールド掘進機の
うち、こうした中折れ式のシールド掘進機を改良しよう
とするものである。 【0004】この土圧式の中折れ式シールド掘進機は、
前胴の前部に隔壁を有し複数個の胴を少なくとも水平方
向に揺動可能に連結して中折れできるように形成したシ
ールド本体と、シールド本体の前方に隔壁を介して回転
可能に設置されたカッタヘッドとを備え、前端部が隔壁
に取り付けられ掘削土砂をシールド本体内に移送するス
クリューコンベアをシールド本体内に設置している。こ
のスクリューコンベアは、前胴前部の隔壁に取り付けら
れているため、シールド本体の中折れ時に、前胴が水平
方向に揺動することに伴って水平方向に揺動し、その結
果、スクリューコンベアの排土口の位置が変化して不都
合である。 【0005】従来、こうした問題を解消するため、スク
リューコンベアの前端部を、前胴前部の隔壁に球面軸受
や連結ピンにより水平方向等に揺動可能に取り付けたシ
ールド掘進機が知られている。こうした手段を採用する
と、シールド本体の中折れ時に前胴が揺動しても、スク
リューコンベアを隔壁に対して相対的に揺動させること
により、スクリューコンベアを前胴の後方の胴に対して
ほとんど相対的に変位させないようにすることが可能と
なるため、スクリューコンベアの土砂排出口の位置を変
化させないようにすることができる。本発明は、こうし
た手段を採用したシールド掘進機を更に改良しようとす
るものである。 【0006】そこで、後述する本発明のシールド掘進機
についてその特徴を容易に理解できるようにするため、
この種の従来のシールド掘進機の技術内容を図5乃至図
7に基づいて概説する。図5は、従来のシールド掘進機
の概要を示す縦断面図、図6は、図5の線Bの断面図、
図7は、図5の線Cの断面図である。これらの図に示す
シールド掘進機は、セグメント組立用のエレクタをシー
ルド本体1に随伴して移動できるようにして機外に設置
したミニシールド掘進機である。このミニシールド掘進
機は、小口径の地下坑を施工するのに適しており、シー
ルド本体1が小口径ため、通常のシールド掘進機に付設
する後続台車をほとんど設けないで、この後続台車に搭
載されるパワーユニット、動力盤等の種々の機器を小径
のシールド本体1内に一括して設置している。 【0007】図5乃至図7において、1は第1の胴とし
ての前胴1aとこれに後続する第2の胴1bとこれに後
続する第3の胴1c等の複数の胴を揺動可能に連結して
中折れ可能に構成したシールド掘進機の胴体をなすシー
ルド本体、1dは前胴1aの前部に設けられシールド本
体1の内部空間を機外から遮断するシールド本体1の隔
壁、2はシールド本体1の前方に隔壁1dを介して回転
可能に設置され切羽を掘削するカッタヘッド、3はカッ
タヘッド2と隔壁1dとの間に形成され掘削土砂を取り
込んで充満させることにより切羽を土圧で支持するチャ
ンバ、4は隣接する胴の上下を連結して両者をシールド
本体1の直径方向垂直線を中心に水平方向に互に揺動で
きるようにする胴連結機構である。 【0008】シールド掘進機は、図示しないシールドジ
ャッキでシールド本体1を推進しながらカッタヘッド2
で切羽を掘削して地下坑を形成する。その際、チャンバ
3内の掘削土砂により土圧をたて切羽の崩落を防止す
る。チャンバ3内には、内部に取り込んだ掘削土砂を塑
性流動化するための添加剤が注入され、チャンバ3内の
掘削土砂と撹拌混合される。切羽は、こうして生成され
た塑性流動状の掘削土砂の土圧により支持されて、崩落
が防止される。 【0009】胴連結機構4は、隣接する一対の胴のうち
の前方側の胴の後端部側に固着されたピン軸着用ブラケ
ット4aと、隣接する一対の胴のうちの後方側の胴の前
端部側に固着された上下一対のブラケット支持部材4b
と、これら一対のブラケット支持部材4b間に挿入され
たピン軸着用ブラケット4aを軸着して連結する連結ピ
ン4cとを設けて構成される。各隣接する一対の胴の間
には、それぞれ、こうした胴連結機構4が上下に設けら
れる。また、隣接する一対の胴のうちの前方側の胴の後
端部外周面と後方側の胴の前端部内周面は、球面状に加
工され、前方側の胴に設けたシール部材でシールするよ
うにしている。 【0010】こうした胴連結機構4を設けた中折れ式の
シールド掘進機では、複数個の胴の隣接するもの同士を
互いに揺動させるように駆動するための中折れジャッキ
(図示せず。)を各中折れ部ごとに多数設置している。
したがって、各個所の複数の中折れジャッキ5のうちの
任意の個所のものをストローク差をつけて駆動すること
により、中折れ部の任意の部位でシールド本体1を所望
の方向に連結ピン4cを中心に中折れさせることができ
る。 【0011】5は隔壁1dに球面軸受5cにより揺動可
能に取り付けられチャンバ3内の掘削土砂をシールド本
体1内に移送する排土装置としてのスクリューコンベ
ア、5aはこのスクリューコンベア5の排出側を開閉す
るスクリューゲート、5bはスクリューコンベア5の後
端部をなす土砂排出口、6はスクリューコンベア5を回
転駆動するためのスクリューモータ6aとこのスクリュ
ーモータ6aの回転を減速してスクリューコンベア5に
伝達するベルト6bとを設けて構成されたスクリューコ
ンベア駆動装置、7はスクリューコンベア5の後方に設
けられスクリューコンベア5で移送された掘削土砂を一
時的に貯溜する土砂タンク、8はスクリューコンベア5
と土砂タンク7の間を接続してスクリューコンベア5の
排出土砂を搬出する可撓性の土砂搬出用接続管、9は土
砂タンク7に貯溜された掘削土砂を発進立坑側に排出す
る排土管である。 【0012】スクリューコンベア5は、回転数を調節す
ることによりチャンバ3内の掘削土砂の排出量を調節し
て、切羽を支持するための土圧を調整することができ
る。土砂タンク7は、土砂搬出用接続管7bで搬出され
る掘削土砂を集めて土砂搬出用接続管7b内に充満させ
ないように一時的に貯溜する働きをする。スクリュコン
ベア5でシールド本体1内に移送された掘削土砂は、土
砂搬出用接続管8、土砂タンク7、排土管9等からなる
土砂搬出路を経由して発進立坑側にポンプで排出され
る。 【0013】10はスクリュコンベア5を摺動可能に支
持する支持装置、11はスクリュコンベア5の下部に溶
接により固着した足、12はこの足11が摺動可能に載
置される載置台、15はスクリュコンベア5の後端部の
左右方向(水平方向)の振れを僅かに許容しつつ規制す
るようにその後端部をガイドするガイド装置、16はス
クリュコンベア5の下部に溶接により固着されガイド部
材17にガイドされる突起状の被ガイド部材、17はこ
の被ガイド部材16をその左右方向の振れを規制するよ
うにガイドするガイド部材、18はこのガイド部材17
を第2の胴1bに取り付けるためのガイド部材のブラケ
ットである。 【0014】足11は、シールド本体1の前胴1a側に
おいてスクリュコンベア5に固着され、自由に移動でき
るように載置台12上に載置されている。載置台12
は、足11の下端面を摺動させることができる摺動面1
2aが上面に設けられ、図3に示すように胴連結機構4
のピン軸着用ブラケット4a上に溶接することにより前
胴1a側に設置されている。支持装置10は、こうした
足11や載置台12を設けて構成され、前胴1a側に設
置されている。 【0015】被ガイド部材16は、ブラケット16aを
介してスクリュコンベア5の後端部下方に固着されてい
る。ガイド部材17は、被ガイド部材16を挿入できる
ように間隔をおいて配置した一対のガイド板17aと、
これら一対のガイド板17aを固着する底板17bとか
らなり、ブラケット17cを介して第2の胴1bの下方
に溶接により固着されている。一対のガイド板17a
は、両者間に被ガイド部材16を挿入したときに被ガイ
ド部材16の左右方向の若干の移動を許容するように被
ガイド部材16に対して僅かな隙間を設けて配置してい
る。また、ガイド板17間に挿入された被ガイド部材1
6と底板17bとの間には、スクリュコンベア5の上下
方向(垂直方向)の揺動を許容するようにかなりの隙間
を設けている。ガイド装置15は、こうした被ガイド部
材16やガイド部材17を設けて構成され、第2の胴1
b側に設置されている。 【0016】こうした構造を備えた従来のシールド掘進
機では、スクリュコンベア5を球面軸受5cにより隔壁
1dに揺動可能に取り付けているとともに、スクリュコ
ンベア5の後端部の被ガイド部材16をガイド部材17
でガイドするようにしているので、前胴1aがシールド
本体1の中折れ時に水平方向に揺動しても、被ガイド部
材16を、一対のガイド板17aで左右方向の移動を若
干許容しつつ規制するようにガイドすることにより、ス
クリューコンベア5を隔壁1dに対し相対的に揺動させ
て、スクリューコンベア5を第2の胴1bに対しほとん
ど変位させないようにすることができる。その結果、ス
クリューコンベア5の土砂排出口5bの位置をほとんど
変化させないようにすることが可能となる。 【0017】なお、シールド掘進機は、通常、垂直方向
には大きく曲進させないが、この従来のシールド掘進機
では、スクリューコンベア5を前胴1a側の支持装置1
0で支持しているため、前胴1aを垂直方向に揺動させ
て曲進させたときには、その前胴1aの揺動に伴って、
スクリューコンベア5が上下方向に振れる。このシール
ド掘進機では、被ガイド部材16と底板17bとの間に
隙間を設けているので、スクリューコンベア5がこのよ
うに上下方向に振れても、被ガイド部材16が底板17
bと干渉するようなことはない。 【0018】 【発明が解決しようとする課題】ところで、ミニシール
ド掘進機のような口径がφ2m以下の小口径のシールド
掘進機では、手狭なシールド本体内に種々の機器等が密
集しているため、特に、スクリューコンベア駆動装置よ
りも前方の機内においてメンテナンス作業を行うとき
に、作業員が作業のために往来できるような通行空間を
確保することが困難であった。こうしたことから、スク
リューコンベア駆動装置の前方でメンテナンス作業を行
うときには、これまで、スクリューコンベアの後端部を
下げてシールド本体の底面に置くことにより、スクリュ
ーコンベアの上方の空間を広げてこの上方の空間を通行
空間に利用し、併せて、作業空間も拡大していた。 【0019】前記従来のシールド掘進機において、こう
した方法によりメンテナンス作業を行う場合には、スク
リューコンベア5の後端部を下げる必要上、支持装置1
0及びガイド装置15の双方を分解して取り外すさなけ
ればならなかった。また、こうしてメンテナンス作業を
終了した後は、再度、支持装置10やガイド装置15を
組み立てて設置しなければならず、メンテナンス作業に
多大の手間と時間を要した。一方、スクリューコンベア
5を、シールド掘進機の製作時に組み立てたり保守点検
時に分解したりするときにも、支持装置10及びガイド
装置15の双方を手狭なシールド本体1で取り付けたり
取り外したりしなければならず、きわめて繁雑であっ
た。 【0020】本発明は、こうした従来の技術の問題点を
解消してようとするものであって、その技術課題は、ス
クリューコンベアの土砂排出口の位置を中折れ時に水平
方向に変動させないようにしたシールド掘進機におい
て、スクリューコンベア駆動装置前方の機内のメンテナ
ンス作業やスクリューコンベアの組立、分解を従来の技
術よりも容易に行うことができるシールド掘進機を提供
することにある。 【0021】 【課題を解決するための手段】本発明のこうした技術課
題を達成するため、最前方の胴の前部に隔壁を有し複数
個の胴を揺動可能に連結して中折れできるように形成し
たシールド本体と、前端部が揺動可能に隔壁に取り付け
られ掘削土砂をシールド本体内に移送するスクリューコ
ンベアとを備えたシールド掘進機において、スクリュー
コンベアを支持するための支持部材を最前方の胴の後方
の胴に対して水平方向に回動可能にかつ垂直方向に傾動
可能に取り付けるとともに、スクリューコンベアを支持
部材に垂直方向の揺動を可能にするように着脱可能に取
り付けて、シールド掘進機を構成した。 【0022】本発明のシールド掘進機は、このように構
成されているので、シールド本体の中折れ時に最前方の
胴が後方の胴に対して水平方向に揺動しても、後方の胴
に取り付けた支持部材が水平方向に回動することによ
り、スクリューコンベアを隔壁に対して相対的に揺動さ
せることができるため、スクリューコンベアを後方の胴
に対してほとんど変位させないようにすることができ
る。その結果、スクリューコンベアの土砂排出口の位置
をほとんど変化させないようにすることが可能となる。
スクリューコンベアを隔壁に対して相対的に揺動させた
際、隔壁に対するスクリューコンベアの揺動中心点から
支持部材によるスクリューコンベアの支持点までの距離
が僅かに短くなるが、支持部材を特に垂直方向に傾動可
能に取り付けているので、その場合でも、支持部材を前
方に若干傾動させて支持部材によるスクリューコンベア
の支持点を前方に移動することにより、スクリューコン
ベアを隔壁に対して支障なく揺動させることができる。 【0023】また、支持部材をこのように垂直方向に傾
動可能に取り付けたことに加え、本発明のシールド掘進
機では、スクリューコンベアを、特に後方の胴に取り付
けた支持部材で支持するようにしていて、従来の技術の
ように最前方の胴の側に設けた支持装置でスクリューコ
ンベアを支持するようにはしていないので、最前方の胴
がシールド本体の中折れ時に垂直方向に揺動しても、ス
クリューコンベアを後方の胴に対してほとんど変位させ
ないようにすることができる。その結果、スクリューコ
ンベアの土砂排出口の位置を、従来の技術とは異なり、
垂直方向にもほとんど変化させないようにすることが可
能となる。 【0024】一方、スクリューコンベア駆動装置の前方
の機内においてメンテナンス作業を行うときには、スク
リューコンベアを支持部材から取り外した後、支持部材
を垂直方向に傾動させるとともにスクリューコンベアの
後端部を下げてシールド本体の底面に載置することによ
り、スクリューコンベア上方の空間を広げることができ
る。また、メンテナンス作業が終了したときには、スク
リューコンベアを起して支持部材に取り付ければよい。
そのため、メンテナンス作業の開始時や終了時に支持装
置やガイド装置を取り外したり再度取り付けたりする従
来の技術にみられるような繁雑な作業は必要なくなり、
メンテナンス作業を従来の技術よりも容易に行うことが
できる。また、スクリューコンベアを設置する際、支持
部材を後方の胴に設ければ足り、従来の技術のように支
持装置及びガイド装置を最前方の胴及び後方の胴にそれ
ぞれ設置することは要しないので、シールド掘進機の製
作時の組立や保守点検時の分解も、従来の技術よりも容
易に行うことができる。 【0025】 【発明の実施の形態】以下、本発明が実際上どのように
具体化されるのかを示す具体化例を図1乃至図4に基づ
いて説明することにより、本発明の実施の形態を明らか
にする。図1は、本発明の具体化例のシールド掘進機の
垂直縦断面図、図2は、図1の線Aの断面図、図3は、
図1のシールド掘進機の内部を上面からみた構造を概略
的に示す図で、シールド掘進機の直進時の状態を示す
図、図4は、シールド掘進機の曲進時の状態を示す図3
と同様の図である。これらの図において図5乃至図7と
同一の符号をつけた部分は、これら図5乃至図7と同等
の部分を表すので、詳述しない。 【0026】ここに例示するシールド掘進機は、前胴1
aの前部に隔壁1dを有し、前胴1aと第2の胴1bと
第3の胴1c等の複数の胴を揺動可能に連結して中折れ
可能に構成したシールド本体1と、前端部が球面軸受5
cで揺動可能に隔壁1dに取り付けられ掘削土砂をシー
ルド本体1内に移送するスクリューコンベア5とを備え
ていて、既に述べた従来のシールド掘進機と変わらな
い。また、このシールド掘進機は、従来のシールド掘進
機と同様、セグメント組立用のエレクタを機外に設置し
た口径がφ2m以下の小口径のミニシールド掘進機であ
る。 【0027】そこで、このシールド掘進機につき、特徴
的な構造及び作用効果を図に基づいて説明する。 【0028】20はスクリューコンベア5を支持し前胴
1aの揺動時にスクリューコンベア5が変位しないよう
に案内する支持案内装置、21はスクリューコンベア5
を支持するための対をなす支持部材、21aはこの支持
部材21に設けた後記水平ピン22を挿通する水平ピン
挿通部、22は支持部材21を垂直方向に傾動可能に取
り付けるための水平ピン、23は支持部材21を水平方
向に回動可能に取り付けるための垂直ピン、24はこの
垂直ピン23を挿通するための垂直ピン挿通部材、25
は水平ピン挿通部21aの位置を固定するための円形蓋
状の固定部材、26はこの固定部材25を押えるための
押え部材、27はこの押え部材26を水平ピン22に取
り付けるためのボルト、28は一対の支持部材21間の
間隔を保持するスペーサである。 【0029】垂直ピン23は、下端部に大径部23aを
備え、この大径部23aを第2の胴1bの底部に溶接で
固着している。垂直ピン挿通部材24は、円筒状をなし
ており、垂直ピン23を挿通させた状態で水平方向に回
動可能に大径部23aで支持される。水平ピン22は、
左右一対設けられ、垂直ピン挿通部24の外周に一体的
に固着している。支持部材21の水平ピン挿通部21a
は、固定部材25と嵌め合うことが可能な段部を有して
円筒状をなしており、水平ピン22を挿通させた状態で
垂直方向に回動可能に支持される。 【0030】固定部材25は、水平ピン22に挿通され
た水平ピン挿通部21aの段部に嵌合して押え部材26
を水平ピン22にボルト27で締結することにより、回
動可能に位置固定される。以上の手段で第2の胴1bに
取り付けられた支持部材21は、水平ピン22に軸支さ
れて水平ピン22を軸に垂直方向に傾動することができ
るとともに、水平ピン22を介して垂直ピン23に軸支
され、垂直ピン23を軸に水平方向に回動することがで
きる。 【0031】30はスクリューコンベア5を支持部材2
1に取り付けるためのスクリューコンベア5と一体のブ
ラケット、31はこのブラケット30を支持部材21に
垂直方向に回動可能に取り付けるための取付ピン、32
はこの取付ピン31の頭部をブラケット30に固定する
ための小螺子である。 【0032】ブラケット30は、支持部材21に対応し
てスクリューコンベア5の後端側に一対設けられてい
る。この一対のブラケット30は、これに小螺子32で
着脱可能に固定された取付ピン31により支持部材21
に取り付けられているため、小螺子32を外して取付ピ
ン31を抜くことにより、スクリューコンベア5を支持
部材21から自由に取り外すことができる。また、一対
のブラケット30を支持部材21に垂直方向に回動可能
に取り付けるため、スクリューコンベア5は、支持部材
21の垂直方向の傾動と相俟って垂直方向に傾動するこ
とができる。スクリューコンベア5を支持部材21に取
り付ける手段は、スクリューコンベア5を支持部材21
に垂直方向の揺動を可能にするように着脱可能に取り付
け得る手段であれば、他の手段を採用してもよい。 【0033】支持案内装置20は、以上の要素により構
成されて第2の胴1bに設置され、球面軸受5cで隔壁
1dに揺動可能に支持されたスクリューコンベア5の後
端部を水平ピン22と取付ピン31で支持して3点で支
持することにより、スクリューコンベア5を倒れないよ
うに支持することができる。その場合、支持部材21や
ブラケット30を介してスクリューコンベア5を水平方
向に回動可能にかつ垂直方向に傾動可能に支持すること
ができる。 【0034】この支持案内装置20の機能を理解しやす
くするため、シールド掘進機の直進時及び水平方向への
曲進時におけるスクリューコンベア5の状態を、図3及
び図4を用いて説明する。 【0035】スクリューコンベア5は、シールド掘進機
の直進時に図3に示すような状態にある。この状態にお
いて、スクリューコンベア5の前端部が隔壁1dに対し
て揺動するときの揺動中心点Pとスクリューコンベア5
の後端部を支持案内装置20で支持している支持点Q
(取付ピン31の位置)との間の距離は、最大となる。
いま、シールド掘進機の曲進時において、図4に示すよ
うに、前胴1aが揺動中心点O(連結ピン4cの位置)
を中心に水平方向に角αだけ揺動したものとすると、こ
の前胴1aの揺動に伴って、揺動中心点Pと支持点Qの
間の距離は、僅かながら短縮する。そのため、スクリュ
ーコンベア5の後端部を水平方向に回動可能に固定的に
支持したのでは、スクリューコンベア5を隔壁1dに対
して支障なく揺動させることはできない。こうしたこと
から、既述の従来のシールド掘進機では、支持装置10
及びガイド装置15の二種類の装置を設けてスクリュー
コンベア5の支持機能とガイド機能とを両装置で分担し
ていた。 【0036】これに対し、本発明に係る支持案内装置2
0は、スクリューコンベア5の後端部を水平方向に回動
可能に支持部材21で支持するだけでなく、この支持部
材21を垂直方向に傾動可能にすることにより、スクリ
ューコンベア5の支持点Qを前後方向に適宜移動させな
がら、スクリューコンベア5を支持部材21で支持でき
るようにしている。そのため、揺動中心点Pと支持点Q
の間の距離が前胴1aの揺動に伴って短縮したときに
は、支持部材21を前方に傾動させることによりその距
離の短縮を吸収することができ、この点に独自の工夫が
ある。なお、スクリューコンベア5は、後端部が垂直ピ
ン23を軸に水平方向に回動可能に支持されているた
め、図4に示すように、前胴1aの揺動に伴って、前端
部が揺動中心点Pを中心に角βだけ水平方向に揺動す
る。 【0037】次に、こうした支持案内装置20を設けた
シールド掘進機について、その作用効果を説明する。 【0038】このシールド掘進機は、以上のように構成
されているので、シールド本体1の中折れ時に前胴1a
が第2の胴1bに対して水平方向に揺動しても、第2の
胴1bに取り付けた支持部材21が垂直ピン23を軸に
水平方向に回動することにより、スクリューコンベア5
を隔壁1dに対して相対的に揺動させることができるた
め、スクリューコンベアを第2の胴1bに対しほとんど
変位させないようにすることができる。その結果、スク
リューコンベア5の土砂排出口5bの位置をほとんど変
化させないようにすることが可能となる。 【0039】スクリューコンベア5を隔壁1dに対して
相対的に揺動させた際、隔壁1dに対するスクリューコ
ンベア5の前端部の揺動中心点Pから支持部材21によ
るスクリューコンベア5の後端部の支持点Qまでの距離
が僅かに短縮するが、支持部材21を特に水平ピン22
を軸に垂直方向に傾動できるように取り付けているの
で、その場合でも、支持部材21を前方に若干傾動させ
てスクリューコンベア5の後端部の支持点Qを前方に移
動することにより、スクリューコンベア5を隔壁1dに
対して支障なく揺動させることができる。 【0040】一方、スクリューコンベア駆動装置6の前
方の機内においてメンテナンス作業を行うときには、ブ
ラケット30から取付ピン31を抜いてスクリューコン
ベア5を支持部材21から取り外した後、支持部材21
を垂直方向に傾動させるとともにスクリューコンベア5
の後端部を下げてシールド本体1の底面に載置すること
により、スクリューコンベア5上方の空間を広げること
ができる。また、メンテナンス作業が終了したときに
は、スクリューコンベア5の後端部を起してブラケット
30を支持部材21に取り付ければよい。ここに示す例
では、スクリューコンベア5の土砂排出口5bと土砂タ
ンク7の間を特に可撓性の土砂搬出用接続管8で接続し
ていて、土砂搬出用接続管8を接続したままスクリュー
コンベア5の後端部の上げ下げができるので、こうした
作業を行う際に、土砂搬出用接続管8を土砂排出口5b
から取り外すことも要しない。 【0041】このように、このシールド掘進機では、メ
ンテナンス作業の開始時や終了時に支持装置10やガイ
ド装置15を取り外したり再度取り付けたりする従来の
技術にみられるような繁雑な作業は必要なくなって、メ
ンテナンス作業を従来のシールド掘進機よりも容易に行
うことができる。また、スクリューコンベア5を設置す
る際、支持部材21を第2の胴1bに設ければ足り、従
来のシールド掘進機のように支持装置10及びガイド装
置15を前胴1a及び第2の胴1bにそれぞれ設置する
ことは要しないので、シールド掘進機の製作時の組立や
保守点検時の分解についても、従来の技術より容易に行
うことができる。 【0042】以上のように、このシールド掘進機は、ス
クリューコンベア5の土砂排出口5bの位置を中折時に
水平方向に変動させないようにしたものであっても、ス
クリューコンベア駆動装置6の前方の機内のメンテナン
ス作業やスクリューコンベア5の組立、分解を従来のシ
ールド掘進機よりも容易に行うことができる。 【0043】さらに、このシールド掘進機では、第2の
胴1bに取り付けた支持部材21を前記のように垂直方
向に傾動可能に取り付けたことに加え、スクリューコン
ベア5をこの第2の胴1bの側の支持部材21で支持す
るようにしていて、従来のシールド掘進機のように前胴
1aの側に設けた支持装置10でスクリューコンベア5
を支持するようにはしていないので、前胴1aがシール
ド本体1の中折れ時に第2の胴1bに対して垂直方向に
揺動しても、スクリューコンベア5を第2の胴1bに対
してほとんど変位させないようにすることができる。そ
の結果、スクリューコンベア5の土砂排出口5bの位置
を、従来の技術とは異なり、垂直方向にもほとんど変化
させないようにすることが可能となる。 【0044】ここでは、シールド本体1が3個以上の胴
1a,1b,1c…からなるシールド掘進機に本発明を
具体化した例を示したが、本発明は、シールド本体1が
複数個の胴部からなるシールド掘進機であれば、適用す
ることができる。ここに示す例では、支持案内装置20
を、前胴1aに後続する第2の胴1bに設置している
が、スクリューコンベア5の長さによっては第3の胴1
cに設けることもでき、要は、スクリューコンベア5の
長さに応じて前胴1aの後方の適宜の胴に設ければよ
く、何れの場合も、本発明の技術課題を達成することが
できる。 【0045】 【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
のシールド掘進機は、スクリューコンベアが最前方の胴
の隔壁に揺動可能に取り付けられた中折れ可能なシール
ド掘進機において、特に、スクリューコンベアを支持す
るための支持部材を最前方の胴の後方の胴に対して水平
方向に回動可能にかつ垂直方向に傾動可能に取り付ける
とともに、スクリューコンベアを支持部材に垂直方向の
揺動を可能にするように着脱可能に取り付けて構成した
ので、スクリューコンベアの土砂排出口の位置を中折れ
時に水平方向に変動させないようにしたシールド掘進機
であっても、スクリューコンベア駆動装置前方の機内の
メンテナンス作業やスクリューコンベアの組立、分解を
従来の技術よりも容易に行うことができる。さらに、最
前方の胴がシールド本体の中折れ時に垂直方向に揺動し
ても、スクリューコンベアを後方胴に対してほとんど変
位させないようにすることができる。その結果、スクリ
ューコンベアの土砂排出口の位置を、従来の技術とは異
なり、垂直方向にもほとんど変動させないようにするこ
とが可能となる。
くとも水平方向に揺動可能に連結して中折れできるよう
に形成したシールド本体内にスクリューコンベアを設置
したシールド掘進機に関する。 【0002】 【従来の技術】シールド掘進機は、シールドジャッキで
シールド本体を推進しながらカッタヘッドで切羽を掘削
して地下坑を形成するとともに、切羽の掘削により生じ
た掘削土砂を坑外に排出する。そのため、シールド掘進
機では、掘削土砂をシールド本体内に移送するための土
砂移送装置をシールド本体内に設置し、この土砂移送装
置で移送された掘削土砂を、地下坑を経由して適宜の手
段で発進立坑側に排出する。こうしたシールド掘進機に
は、泥水を掘削土砂に混合して泥水圧をたてることによ
り切羽の崩落を防止する泥水式のシールド掘進機と、掘
削土砂を塑性流動化するための添加剤を掘削土砂に混合
して土圧をたてることにより切羽の崩落を防止する土圧
式のシールド掘進機とがよく知られている。後者の土圧
式のシールド掘進機では、土砂移送装置としてスクリュ
ーコンベアを使用する。 【0003】一方、シールド掘進機としては、カーブす
るトンネルを掘削する場合のように掘進方向を変えて曲
進する中折れ式のシールド掘進機がよく知られている。
この中折れ式のシールド掘進機は、シールド本体を、最
前方の胴である前胴と最後方の胴である後胴とを少なく
とも備えた二つ以上の胴に分割して、各胴の隣接する端
部同士を揺動可能に連結することにより、シールド本体
を中折れさせることができるように構成したものであ
る。本発明は、土砂移送装置としてスクリューコンベア
をシールド本体内に設置した土圧式のシールド掘進機の
うち、こうした中折れ式のシールド掘進機を改良しよう
とするものである。 【0004】この土圧式の中折れ式シールド掘進機は、
前胴の前部に隔壁を有し複数個の胴を少なくとも水平方
向に揺動可能に連結して中折れできるように形成したシ
ールド本体と、シールド本体の前方に隔壁を介して回転
可能に設置されたカッタヘッドとを備え、前端部が隔壁
に取り付けられ掘削土砂をシールド本体内に移送するス
クリューコンベアをシールド本体内に設置している。こ
のスクリューコンベアは、前胴前部の隔壁に取り付けら
れているため、シールド本体の中折れ時に、前胴が水平
方向に揺動することに伴って水平方向に揺動し、その結
果、スクリューコンベアの排土口の位置が変化して不都
合である。 【0005】従来、こうした問題を解消するため、スク
リューコンベアの前端部を、前胴前部の隔壁に球面軸受
や連結ピンにより水平方向等に揺動可能に取り付けたシ
ールド掘進機が知られている。こうした手段を採用する
と、シールド本体の中折れ時に前胴が揺動しても、スク
リューコンベアを隔壁に対して相対的に揺動させること
により、スクリューコンベアを前胴の後方の胴に対して
ほとんど相対的に変位させないようにすることが可能と
なるため、スクリューコンベアの土砂排出口の位置を変
化させないようにすることができる。本発明は、こうし
た手段を採用したシールド掘進機を更に改良しようとす
るものである。 【0006】そこで、後述する本発明のシールド掘進機
についてその特徴を容易に理解できるようにするため、
この種の従来のシールド掘進機の技術内容を図5乃至図
7に基づいて概説する。図5は、従来のシールド掘進機
の概要を示す縦断面図、図6は、図5の線Bの断面図、
図7は、図5の線Cの断面図である。これらの図に示す
シールド掘進機は、セグメント組立用のエレクタをシー
ルド本体1に随伴して移動できるようにして機外に設置
したミニシールド掘進機である。このミニシールド掘進
機は、小口径の地下坑を施工するのに適しており、シー
ルド本体1が小口径ため、通常のシールド掘進機に付設
する後続台車をほとんど設けないで、この後続台車に搭
載されるパワーユニット、動力盤等の種々の機器を小径
のシールド本体1内に一括して設置している。 【0007】図5乃至図7において、1は第1の胴とし
ての前胴1aとこれに後続する第2の胴1bとこれに後
続する第3の胴1c等の複数の胴を揺動可能に連結して
中折れ可能に構成したシールド掘進機の胴体をなすシー
ルド本体、1dは前胴1aの前部に設けられシールド本
体1の内部空間を機外から遮断するシールド本体1の隔
壁、2はシールド本体1の前方に隔壁1dを介して回転
可能に設置され切羽を掘削するカッタヘッド、3はカッ
タヘッド2と隔壁1dとの間に形成され掘削土砂を取り
込んで充満させることにより切羽を土圧で支持するチャ
ンバ、4は隣接する胴の上下を連結して両者をシールド
本体1の直径方向垂直線を中心に水平方向に互に揺動で
きるようにする胴連結機構である。 【0008】シールド掘進機は、図示しないシールドジ
ャッキでシールド本体1を推進しながらカッタヘッド2
で切羽を掘削して地下坑を形成する。その際、チャンバ
3内の掘削土砂により土圧をたて切羽の崩落を防止す
る。チャンバ3内には、内部に取り込んだ掘削土砂を塑
性流動化するための添加剤が注入され、チャンバ3内の
掘削土砂と撹拌混合される。切羽は、こうして生成され
た塑性流動状の掘削土砂の土圧により支持されて、崩落
が防止される。 【0009】胴連結機構4は、隣接する一対の胴のうち
の前方側の胴の後端部側に固着されたピン軸着用ブラケ
ット4aと、隣接する一対の胴のうちの後方側の胴の前
端部側に固着された上下一対のブラケット支持部材4b
と、これら一対のブラケット支持部材4b間に挿入され
たピン軸着用ブラケット4aを軸着して連結する連結ピ
ン4cとを設けて構成される。各隣接する一対の胴の間
には、それぞれ、こうした胴連結機構4が上下に設けら
れる。また、隣接する一対の胴のうちの前方側の胴の後
端部外周面と後方側の胴の前端部内周面は、球面状に加
工され、前方側の胴に設けたシール部材でシールするよ
うにしている。 【0010】こうした胴連結機構4を設けた中折れ式の
シールド掘進機では、複数個の胴の隣接するもの同士を
互いに揺動させるように駆動するための中折れジャッキ
(図示せず。)を各中折れ部ごとに多数設置している。
したがって、各個所の複数の中折れジャッキ5のうちの
任意の個所のものをストローク差をつけて駆動すること
により、中折れ部の任意の部位でシールド本体1を所望
の方向に連結ピン4cを中心に中折れさせることができ
る。 【0011】5は隔壁1dに球面軸受5cにより揺動可
能に取り付けられチャンバ3内の掘削土砂をシールド本
体1内に移送する排土装置としてのスクリューコンベ
ア、5aはこのスクリューコンベア5の排出側を開閉す
るスクリューゲート、5bはスクリューコンベア5の後
端部をなす土砂排出口、6はスクリューコンベア5を回
転駆動するためのスクリューモータ6aとこのスクリュ
ーモータ6aの回転を減速してスクリューコンベア5に
伝達するベルト6bとを設けて構成されたスクリューコ
ンベア駆動装置、7はスクリューコンベア5の後方に設
けられスクリューコンベア5で移送された掘削土砂を一
時的に貯溜する土砂タンク、8はスクリューコンベア5
と土砂タンク7の間を接続してスクリューコンベア5の
排出土砂を搬出する可撓性の土砂搬出用接続管、9は土
砂タンク7に貯溜された掘削土砂を発進立坑側に排出す
る排土管である。 【0012】スクリューコンベア5は、回転数を調節す
ることによりチャンバ3内の掘削土砂の排出量を調節し
て、切羽を支持するための土圧を調整することができ
る。土砂タンク7は、土砂搬出用接続管7bで搬出され
る掘削土砂を集めて土砂搬出用接続管7b内に充満させ
ないように一時的に貯溜する働きをする。スクリュコン
ベア5でシールド本体1内に移送された掘削土砂は、土
砂搬出用接続管8、土砂タンク7、排土管9等からなる
土砂搬出路を経由して発進立坑側にポンプで排出され
る。 【0013】10はスクリュコンベア5を摺動可能に支
持する支持装置、11はスクリュコンベア5の下部に溶
接により固着した足、12はこの足11が摺動可能に載
置される載置台、15はスクリュコンベア5の後端部の
左右方向(水平方向)の振れを僅かに許容しつつ規制す
るようにその後端部をガイドするガイド装置、16はス
クリュコンベア5の下部に溶接により固着されガイド部
材17にガイドされる突起状の被ガイド部材、17はこ
の被ガイド部材16をその左右方向の振れを規制するよ
うにガイドするガイド部材、18はこのガイド部材17
を第2の胴1bに取り付けるためのガイド部材のブラケ
ットである。 【0014】足11は、シールド本体1の前胴1a側に
おいてスクリュコンベア5に固着され、自由に移動でき
るように載置台12上に載置されている。載置台12
は、足11の下端面を摺動させることができる摺動面1
2aが上面に設けられ、図3に示すように胴連結機構4
のピン軸着用ブラケット4a上に溶接することにより前
胴1a側に設置されている。支持装置10は、こうした
足11や載置台12を設けて構成され、前胴1a側に設
置されている。 【0015】被ガイド部材16は、ブラケット16aを
介してスクリュコンベア5の後端部下方に固着されてい
る。ガイド部材17は、被ガイド部材16を挿入できる
ように間隔をおいて配置した一対のガイド板17aと、
これら一対のガイド板17aを固着する底板17bとか
らなり、ブラケット17cを介して第2の胴1bの下方
に溶接により固着されている。一対のガイド板17a
は、両者間に被ガイド部材16を挿入したときに被ガイ
ド部材16の左右方向の若干の移動を許容するように被
ガイド部材16に対して僅かな隙間を設けて配置してい
る。また、ガイド板17間に挿入された被ガイド部材1
6と底板17bとの間には、スクリュコンベア5の上下
方向(垂直方向)の揺動を許容するようにかなりの隙間
を設けている。ガイド装置15は、こうした被ガイド部
材16やガイド部材17を設けて構成され、第2の胴1
b側に設置されている。 【0016】こうした構造を備えた従来のシールド掘進
機では、スクリュコンベア5を球面軸受5cにより隔壁
1dに揺動可能に取り付けているとともに、スクリュコ
ンベア5の後端部の被ガイド部材16をガイド部材17
でガイドするようにしているので、前胴1aがシールド
本体1の中折れ時に水平方向に揺動しても、被ガイド部
材16を、一対のガイド板17aで左右方向の移動を若
干許容しつつ規制するようにガイドすることにより、ス
クリューコンベア5を隔壁1dに対し相対的に揺動させ
て、スクリューコンベア5を第2の胴1bに対しほとん
ど変位させないようにすることができる。その結果、ス
クリューコンベア5の土砂排出口5bの位置をほとんど
変化させないようにすることが可能となる。 【0017】なお、シールド掘進機は、通常、垂直方向
には大きく曲進させないが、この従来のシールド掘進機
では、スクリューコンベア5を前胴1a側の支持装置1
0で支持しているため、前胴1aを垂直方向に揺動させ
て曲進させたときには、その前胴1aの揺動に伴って、
スクリューコンベア5が上下方向に振れる。このシール
ド掘進機では、被ガイド部材16と底板17bとの間に
隙間を設けているので、スクリューコンベア5がこのよ
うに上下方向に振れても、被ガイド部材16が底板17
bと干渉するようなことはない。 【0018】 【発明が解決しようとする課題】ところで、ミニシール
ド掘進機のような口径がφ2m以下の小口径のシールド
掘進機では、手狭なシールド本体内に種々の機器等が密
集しているため、特に、スクリューコンベア駆動装置よ
りも前方の機内においてメンテナンス作業を行うとき
に、作業員が作業のために往来できるような通行空間を
確保することが困難であった。こうしたことから、スク
リューコンベア駆動装置の前方でメンテナンス作業を行
うときには、これまで、スクリューコンベアの後端部を
下げてシールド本体の底面に置くことにより、スクリュ
ーコンベアの上方の空間を広げてこの上方の空間を通行
空間に利用し、併せて、作業空間も拡大していた。 【0019】前記従来のシールド掘進機において、こう
した方法によりメンテナンス作業を行う場合には、スク
リューコンベア5の後端部を下げる必要上、支持装置1
0及びガイド装置15の双方を分解して取り外すさなけ
ればならなかった。また、こうしてメンテナンス作業を
終了した後は、再度、支持装置10やガイド装置15を
組み立てて設置しなければならず、メンテナンス作業に
多大の手間と時間を要した。一方、スクリューコンベア
5を、シールド掘進機の製作時に組み立てたり保守点検
時に分解したりするときにも、支持装置10及びガイド
装置15の双方を手狭なシールド本体1で取り付けたり
取り外したりしなければならず、きわめて繁雑であっ
た。 【0020】本発明は、こうした従来の技術の問題点を
解消してようとするものであって、その技術課題は、ス
クリューコンベアの土砂排出口の位置を中折れ時に水平
方向に変動させないようにしたシールド掘進機におい
て、スクリューコンベア駆動装置前方の機内のメンテナ
ンス作業やスクリューコンベアの組立、分解を従来の技
術よりも容易に行うことができるシールド掘進機を提供
することにある。 【0021】 【課題を解決するための手段】本発明のこうした技術課
題を達成するため、最前方の胴の前部に隔壁を有し複数
個の胴を揺動可能に連結して中折れできるように形成し
たシールド本体と、前端部が揺動可能に隔壁に取り付け
られ掘削土砂をシールド本体内に移送するスクリューコ
ンベアとを備えたシールド掘進機において、スクリュー
コンベアを支持するための支持部材を最前方の胴の後方
の胴に対して水平方向に回動可能にかつ垂直方向に傾動
可能に取り付けるとともに、スクリューコンベアを支持
部材に垂直方向の揺動を可能にするように着脱可能に取
り付けて、シールド掘進機を構成した。 【0022】本発明のシールド掘進機は、このように構
成されているので、シールド本体の中折れ時に最前方の
胴が後方の胴に対して水平方向に揺動しても、後方の胴
に取り付けた支持部材が水平方向に回動することによ
り、スクリューコンベアを隔壁に対して相対的に揺動さ
せることができるため、スクリューコンベアを後方の胴
に対してほとんど変位させないようにすることができ
る。その結果、スクリューコンベアの土砂排出口の位置
をほとんど変化させないようにすることが可能となる。
スクリューコンベアを隔壁に対して相対的に揺動させた
際、隔壁に対するスクリューコンベアの揺動中心点から
支持部材によるスクリューコンベアの支持点までの距離
が僅かに短くなるが、支持部材を特に垂直方向に傾動可
能に取り付けているので、その場合でも、支持部材を前
方に若干傾動させて支持部材によるスクリューコンベア
の支持点を前方に移動することにより、スクリューコン
ベアを隔壁に対して支障なく揺動させることができる。 【0023】また、支持部材をこのように垂直方向に傾
動可能に取り付けたことに加え、本発明のシールド掘進
機では、スクリューコンベアを、特に後方の胴に取り付
けた支持部材で支持するようにしていて、従来の技術の
ように最前方の胴の側に設けた支持装置でスクリューコ
ンベアを支持するようにはしていないので、最前方の胴
がシールド本体の中折れ時に垂直方向に揺動しても、ス
クリューコンベアを後方の胴に対してほとんど変位させ
ないようにすることができる。その結果、スクリューコ
ンベアの土砂排出口の位置を、従来の技術とは異なり、
垂直方向にもほとんど変化させないようにすることが可
能となる。 【0024】一方、スクリューコンベア駆動装置の前方
の機内においてメンテナンス作業を行うときには、スク
リューコンベアを支持部材から取り外した後、支持部材
を垂直方向に傾動させるとともにスクリューコンベアの
後端部を下げてシールド本体の底面に載置することによ
り、スクリューコンベア上方の空間を広げることができ
る。また、メンテナンス作業が終了したときには、スク
リューコンベアを起して支持部材に取り付ければよい。
そのため、メンテナンス作業の開始時や終了時に支持装
置やガイド装置を取り外したり再度取り付けたりする従
来の技術にみられるような繁雑な作業は必要なくなり、
メンテナンス作業を従来の技術よりも容易に行うことが
できる。また、スクリューコンベアを設置する際、支持
部材を後方の胴に設ければ足り、従来の技術のように支
持装置及びガイド装置を最前方の胴及び後方の胴にそれ
ぞれ設置することは要しないので、シールド掘進機の製
作時の組立や保守点検時の分解も、従来の技術よりも容
易に行うことができる。 【0025】 【発明の実施の形態】以下、本発明が実際上どのように
具体化されるのかを示す具体化例を図1乃至図4に基づ
いて説明することにより、本発明の実施の形態を明らか
にする。図1は、本発明の具体化例のシールド掘進機の
垂直縦断面図、図2は、図1の線Aの断面図、図3は、
図1のシールド掘進機の内部を上面からみた構造を概略
的に示す図で、シールド掘進機の直進時の状態を示す
図、図4は、シールド掘進機の曲進時の状態を示す図3
と同様の図である。これらの図において図5乃至図7と
同一の符号をつけた部分は、これら図5乃至図7と同等
の部分を表すので、詳述しない。 【0026】ここに例示するシールド掘進機は、前胴1
aの前部に隔壁1dを有し、前胴1aと第2の胴1bと
第3の胴1c等の複数の胴を揺動可能に連結して中折れ
可能に構成したシールド本体1と、前端部が球面軸受5
cで揺動可能に隔壁1dに取り付けられ掘削土砂をシー
ルド本体1内に移送するスクリューコンベア5とを備え
ていて、既に述べた従来のシールド掘進機と変わらな
い。また、このシールド掘進機は、従来のシールド掘進
機と同様、セグメント組立用のエレクタを機外に設置し
た口径がφ2m以下の小口径のミニシールド掘進機であ
る。 【0027】そこで、このシールド掘進機につき、特徴
的な構造及び作用効果を図に基づいて説明する。 【0028】20はスクリューコンベア5を支持し前胴
1aの揺動時にスクリューコンベア5が変位しないよう
に案内する支持案内装置、21はスクリューコンベア5
を支持するための対をなす支持部材、21aはこの支持
部材21に設けた後記水平ピン22を挿通する水平ピン
挿通部、22は支持部材21を垂直方向に傾動可能に取
り付けるための水平ピン、23は支持部材21を水平方
向に回動可能に取り付けるための垂直ピン、24はこの
垂直ピン23を挿通するための垂直ピン挿通部材、25
は水平ピン挿通部21aの位置を固定するための円形蓋
状の固定部材、26はこの固定部材25を押えるための
押え部材、27はこの押え部材26を水平ピン22に取
り付けるためのボルト、28は一対の支持部材21間の
間隔を保持するスペーサである。 【0029】垂直ピン23は、下端部に大径部23aを
備え、この大径部23aを第2の胴1bの底部に溶接で
固着している。垂直ピン挿通部材24は、円筒状をなし
ており、垂直ピン23を挿通させた状態で水平方向に回
動可能に大径部23aで支持される。水平ピン22は、
左右一対設けられ、垂直ピン挿通部24の外周に一体的
に固着している。支持部材21の水平ピン挿通部21a
は、固定部材25と嵌め合うことが可能な段部を有して
円筒状をなしており、水平ピン22を挿通させた状態で
垂直方向に回動可能に支持される。 【0030】固定部材25は、水平ピン22に挿通され
た水平ピン挿通部21aの段部に嵌合して押え部材26
を水平ピン22にボルト27で締結することにより、回
動可能に位置固定される。以上の手段で第2の胴1bに
取り付けられた支持部材21は、水平ピン22に軸支さ
れて水平ピン22を軸に垂直方向に傾動することができ
るとともに、水平ピン22を介して垂直ピン23に軸支
され、垂直ピン23を軸に水平方向に回動することがで
きる。 【0031】30はスクリューコンベア5を支持部材2
1に取り付けるためのスクリューコンベア5と一体のブ
ラケット、31はこのブラケット30を支持部材21に
垂直方向に回動可能に取り付けるための取付ピン、32
はこの取付ピン31の頭部をブラケット30に固定する
ための小螺子である。 【0032】ブラケット30は、支持部材21に対応し
てスクリューコンベア5の後端側に一対設けられてい
る。この一対のブラケット30は、これに小螺子32で
着脱可能に固定された取付ピン31により支持部材21
に取り付けられているため、小螺子32を外して取付ピ
ン31を抜くことにより、スクリューコンベア5を支持
部材21から自由に取り外すことができる。また、一対
のブラケット30を支持部材21に垂直方向に回動可能
に取り付けるため、スクリューコンベア5は、支持部材
21の垂直方向の傾動と相俟って垂直方向に傾動するこ
とができる。スクリューコンベア5を支持部材21に取
り付ける手段は、スクリューコンベア5を支持部材21
に垂直方向の揺動を可能にするように着脱可能に取り付
け得る手段であれば、他の手段を採用してもよい。 【0033】支持案内装置20は、以上の要素により構
成されて第2の胴1bに設置され、球面軸受5cで隔壁
1dに揺動可能に支持されたスクリューコンベア5の後
端部を水平ピン22と取付ピン31で支持して3点で支
持することにより、スクリューコンベア5を倒れないよ
うに支持することができる。その場合、支持部材21や
ブラケット30を介してスクリューコンベア5を水平方
向に回動可能にかつ垂直方向に傾動可能に支持すること
ができる。 【0034】この支持案内装置20の機能を理解しやす
くするため、シールド掘進機の直進時及び水平方向への
曲進時におけるスクリューコンベア5の状態を、図3及
び図4を用いて説明する。 【0035】スクリューコンベア5は、シールド掘進機
の直進時に図3に示すような状態にある。この状態にお
いて、スクリューコンベア5の前端部が隔壁1dに対し
て揺動するときの揺動中心点Pとスクリューコンベア5
の後端部を支持案内装置20で支持している支持点Q
(取付ピン31の位置)との間の距離は、最大となる。
いま、シールド掘進機の曲進時において、図4に示すよ
うに、前胴1aが揺動中心点O(連結ピン4cの位置)
を中心に水平方向に角αだけ揺動したものとすると、こ
の前胴1aの揺動に伴って、揺動中心点Pと支持点Qの
間の距離は、僅かながら短縮する。そのため、スクリュ
ーコンベア5の後端部を水平方向に回動可能に固定的に
支持したのでは、スクリューコンベア5を隔壁1dに対
して支障なく揺動させることはできない。こうしたこと
から、既述の従来のシールド掘進機では、支持装置10
及びガイド装置15の二種類の装置を設けてスクリュー
コンベア5の支持機能とガイド機能とを両装置で分担し
ていた。 【0036】これに対し、本発明に係る支持案内装置2
0は、スクリューコンベア5の後端部を水平方向に回動
可能に支持部材21で支持するだけでなく、この支持部
材21を垂直方向に傾動可能にすることにより、スクリ
ューコンベア5の支持点Qを前後方向に適宜移動させな
がら、スクリューコンベア5を支持部材21で支持でき
るようにしている。そのため、揺動中心点Pと支持点Q
の間の距離が前胴1aの揺動に伴って短縮したときに
は、支持部材21を前方に傾動させることによりその距
離の短縮を吸収することができ、この点に独自の工夫が
ある。なお、スクリューコンベア5は、後端部が垂直ピ
ン23を軸に水平方向に回動可能に支持されているた
め、図4に示すように、前胴1aの揺動に伴って、前端
部が揺動中心点Pを中心に角βだけ水平方向に揺動す
る。 【0037】次に、こうした支持案内装置20を設けた
シールド掘進機について、その作用効果を説明する。 【0038】このシールド掘進機は、以上のように構成
されているので、シールド本体1の中折れ時に前胴1a
が第2の胴1bに対して水平方向に揺動しても、第2の
胴1bに取り付けた支持部材21が垂直ピン23を軸に
水平方向に回動することにより、スクリューコンベア5
を隔壁1dに対して相対的に揺動させることができるた
め、スクリューコンベアを第2の胴1bに対しほとんど
変位させないようにすることができる。その結果、スク
リューコンベア5の土砂排出口5bの位置をほとんど変
化させないようにすることが可能となる。 【0039】スクリューコンベア5を隔壁1dに対して
相対的に揺動させた際、隔壁1dに対するスクリューコ
ンベア5の前端部の揺動中心点Pから支持部材21によ
るスクリューコンベア5の後端部の支持点Qまでの距離
が僅かに短縮するが、支持部材21を特に水平ピン22
を軸に垂直方向に傾動できるように取り付けているの
で、その場合でも、支持部材21を前方に若干傾動させ
てスクリューコンベア5の後端部の支持点Qを前方に移
動することにより、スクリューコンベア5を隔壁1dに
対して支障なく揺動させることができる。 【0040】一方、スクリューコンベア駆動装置6の前
方の機内においてメンテナンス作業を行うときには、ブ
ラケット30から取付ピン31を抜いてスクリューコン
ベア5を支持部材21から取り外した後、支持部材21
を垂直方向に傾動させるとともにスクリューコンベア5
の後端部を下げてシールド本体1の底面に載置すること
により、スクリューコンベア5上方の空間を広げること
ができる。また、メンテナンス作業が終了したときに
は、スクリューコンベア5の後端部を起してブラケット
30を支持部材21に取り付ければよい。ここに示す例
では、スクリューコンベア5の土砂排出口5bと土砂タ
ンク7の間を特に可撓性の土砂搬出用接続管8で接続し
ていて、土砂搬出用接続管8を接続したままスクリュー
コンベア5の後端部の上げ下げができるので、こうした
作業を行う際に、土砂搬出用接続管8を土砂排出口5b
から取り外すことも要しない。 【0041】このように、このシールド掘進機では、メ
ンテナンス作業の開始時や終了時に支持装置10やガイ
ド装置15を取り外したり再度取り付けたりする従来の
技術にみられるような繁雑な作業は必要なくなって、メ
ンテナンス作業を従来のシールド掘進機よりも容易に行
うことができる。また、スクリューコンベア5を設置す
る際、支持部材21を第2の胴1bに設ければ足り、従
来のシールド掘進機のように支持装置10及びガイド装
置15を前胴1a及び第2の胴1bにそれぞれ設置する
ことは要しないので、シールド掘進機の製作時の組立や
保守点検時の分解についても、従来の技術より容易に行
うことができる。 【0042】以上のように、このシールド掘進機は、ス
クリューコンベア5の土砂排出口5bの位置を中折時に
水平方向に変動させないようにしたものであっても、ス
クリューコンベア駆動装置6の前方の機内のメンテナン
ス作業やスクリューコンベア5の組立、分解を従来のシ
ールド掘進機よりも容易に行うことができる。 【0043】さらに、このシールド掘進機では、第2の
胴1bに取り付けた支持部材21を前記のように垂直方
向に傾動可能に取り付けたことに加え、スクリューコン
ベア5をこの第2の胴1bの側の支持部材21で支持す
るようにしていて、従来のシールド掘進機のように前胴
1aの側に設けた支持装置10でスクリューコンベア5
を支持するようにはしていないので、前胴1aがシール
ド本体1の中折れ時に第2の胴1bに対して垂直方向に
揺動しても、スクリューコンベア5を第2の胴1bに対
してほとんど変位させないようにすることができる。そ
の結果、スクリューコンベア5の土砂排出口5bの位置
を、従来の技術とは異なり、垂直方向にもほとんど変化
させないようにすることが可能となる。 【0044】ここでは、シールド本体1が3個以上の胴
1a,1b,1c…からなるシールド掘進機に本発明を
具体化した例を示したが、本発明は、シールド本体1が
複数個の胴部からなるシールド掘進機であれば、適用す
ることができる。ここに示す例では、支持案内装置20
を、前胴1aに後続する第2の胴1bに設置している
が、スクリューコンベア5の長さによっては第3の胴1
cに設けることもでき、要は、スクリューコンベア5の
長さに応じて前胴1aの後方の適宜の胴に設ければよ
く、何れの場合も、本発明の技術課題を達成することが
できる。 【0045】 【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
のシールド掘進機は、スクリューコンベアが最前方の胴
の隔壁に揺動可能に取り付けられた中折れ可能なシール
ド掘進機において、特に、スクリューコンベアを支持す
るための支持部材を最前方の胴の後方の胴に対して水平
方向に回動可能にかつ垂直方向に傾動可能に取り付ける
とともに、スクリューコンベアを支持部材に垂直方向の
揺動を可能にするように着脱可能に取り付けて構成した
ので、スクリューコンベアの土砂排出口の位置を中折れ
時に水平方向に変動させないようにしたシールド掘進機
であっても、スクリューコンベア駆動装置前方の機内の
メンテナンス作業やスクリューコンベアの組立、分解を
従来の技術よりも容易に行うことができる。さらに、最
前方の胴がシールド本体の中折れ時に垂直方向に揺動し
ても、スクリューコンベアを後方胴に対してほとんど変
位させないようにすることができる。その結果、スクリ
ューコンベアの土砂排出口の位置を、従来の技術とは異
なり、垂直方向にもほとんど変動させないようにするこ
とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の具体化例のシールド掘進機の垂直縦断
面図である。 【図2】図1の線Aの断面図である。 【図3】図1のシールド掘進機の内部を上面からみた構
造を概略的に示す図で、シールド掘進機の直進時の状態
を示す図である。 【図4】シールド掘進機の曲進時の状態を示す図3と同
様の図である。 【図5】従来のシールド掘進機の概要を示す縦断面図で
ある。 【図6】図5の線Bの断面図である。 【図7】図5の線Cの断面図である。 【符号の説明】 1 シールド本体 1a 前胴 1b 第2の胴 1c 第3の胴 1d 隔壁 2 カッタヘッド 3 チャンバ 4 胴連結機構 5 スクリューコンベア 5b 土砂排出口 5c 球面軸受 6 スクリューコンベア駆動装置 7 土砂タンク 8 土砂搬出用接続管 9 排土管 20 支持案内装置 21 支持部材 21a 支持部材の水平ピン挿通部 22 水平ピン 23 垂直ピン 24 垂直ピン挿通部材 25 固定部材 30 ブラケット 31 取付ピン 32 小螺子
面図である。 【図2】図1の線Aの断面図である。 【図3】図1のシールド掘進機の内部を上面からみた構
造を概略的に示す図で、シールド掘進機の直進時の状態
を示す図である。 【図4】シールド掘進機の曲進時の状態を示す図3と同
様の図である。 【図5】従来のシールド掘進機の概要を示す縦断面図で
ある。 【図6】図5の線Bの断面図である。 【図7】図5の線Cの断面図である。 【符号の説明】 1 シールド本体 1a 前胴 1b 第2の胴 1c 第3の胴 1d 隔壁 2 カッタヘッド 3 チャンバ 4 胴連結機構 5 スクリューコンベア 5b 土砂排出口 5c 球面軸受 6 スクリューコンベア駆動装置 7 土砂タンク 8 土砂搬出用接続管 9 排土管 20 支持案内装置 21 支持部材 21a 支持部材の水平ピン挿通部 22 水平ピン 23 垂直ピン 24 垂直ピン挿通部材 25 固定部材 30 ブラケット 31 取付ピン 32 小螺子
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 最前方の胴の前部に隔壁を有し複数個の
胴を揺動可能に連結して中折れできるように形成したシ
ールド本体と、前端部が揺動可能に隔壁に取り付けられ
掘削土砂をシールド本体内に移送するスクリューコンベ
アとを備えたシールド掘進機において、スクリューコン
ベアを支持するための支持部材を最前方の胴の後方の胴
に対して水平方向に回動可能にかつ垂直方向に傾動可能
に取り付けるとともに、スクリューコンベアを支持部材
に垂直方向の揺動を可能にするように着脱可能に取り付
けて構成したことを特徴とするシールド掘進機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002113420A JP2003307097A (ja) | 2002-04-16 | 2002-04-16 | シールド掘進機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002113420A JP2003307097A (ja) | 2002-04-16 | 2002-04-16 | シールド掘進機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003307097A true JP2003307097A (ja) | 2003-10-31 |
Family
ID=29395611
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002113420A Pending JP2003307097A (ja) | 2002-04-16 | 2002-04-16 | シールド掘進機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003307097A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018150698A (ja) * | 2017-03-10 | 2018-09-27 | 株式会社奥村組 | スクリューコンベアの位置制御機構 |
-
2002
- 2002-04-16 JP JP2002113420A patent/JP2003307097A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018150698A (ja) * | 2017-03-10 | 2018-09-27 | 株式会社奥村組 | スクリューコンベアの位置制御機構 |
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