JP2003306585A - 樹脂−層状珪酸塩複合材料及びその製造方法 - Google Patents

樹脂−層状珪酸塩複合材料及びその製造方法

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JP2003306585A
JP2003306585A JP2002112324A JP2002112324A JP2003306585A JP 2003306585 A JP2003306585 A JP 2003306585A JP 2002112324 A JP2002112324 A JP 2002112324A JP 2002112324 A JP2002112324 A JP 2002112324A JP 2003306585 A JP2003306585 A JP 2003306585A
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Koichiro Iwasa
航一郎 岩佐
Hiroyoshi Sen
裕喜 撰
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂−層状珪酸塩複合材料において、樹脂と
層状珪酸塩との界面の性質を改良することにより、物性
の向上が図られている樹脂−層状珪酸塩複合材料及びそ
の製造方法の提供。 【解決手段】 ポリプロピレン系樹脂と層状珪酸塩とを
含む樹脂−層状珪酸塩複合材料であって、X線回折測定
により検出される層状珪酸塩の平均層間距離が6nm以
上であり、ポリプロピレンのβ結晶を誘導可能な核剤が
含有されている、樹脂−層状珪酸塩複合材料、及び、前
記層状珪酸塩と前記β結晶を誘導可能な核剤とを混合し
た後ポリプロピレン系樹脂と混合するか、又は、前記ポ
リプロピレン系樹脂と前記β結晶を誘導可能な核剤とを
混合した後前記層状珪酸塩を混合する樹脂−層状珪酸塩
複合材料の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリプロピレン系
樹脂と層状珪酸塩とを含む樹脂−層状珪酸塩複合材料及
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】層状珪酸塩は、厚さが約1nm、平均ア
スペクト比(長さまたは幅の厚みに対する比)が約20
〜200の微細な多数の薄片状結晶がイオン結合により
凝集されている無機鉱物である。この凝集構造を化学的
または物理的な手段により解き、薄片状結晶を有機ポリ
マー中に均一に分散させることにより、ポリマー材料の
機械物性、熱的特性及びガスバリヤ性などの性質を改善
し得ることが従来より知られている。このようなポリマ
ー中に層状珪酸塩の薄片状結晶を分散させ複合化してな
る複合材料は、ナノコンポジットと称されている。
【0003】上記ナノコンポジットでは、薄片状結晶を
有機ポリマー中に均一に分散させるために、薄片状結晶
間のイオン相互作用をできるだけ小さくして、分散性を
高めることが必要である。
【0004】例えば、特公平8−22946号公報にお
いては、アミノカルボン酸を層状珪酸塩にインターカレ
ートすることで層間の間隔を予め拡げておき、次いでポ
リアミドのモノマーであるε−カプロラクタムを層間に
挿入させると同時に重縮合させることによりポリアミド
樹脂中に層状珪酸塩の薄片を均一に分散させた構造を形
成することができることが記載されている。しかしポリ
アミド等の親水性ポリマーのみならず、非極性ポリマー
であるポリエチレンやポリプロピレンといったポリマー
に、元来親水性の高い層状珪酸塩を均一に分散させるこ
とは一般に極めて困難である。この問題を解決するため
に、種々のアプローチが開示されている。
【0005】例えば特開平9−183910号公報に
は、有機化層状珪酸塩を溶剤で膨潤分散させた有機分散
液とビニル系高分子化合物を融解状態で混合することに
より層状珪酸塩をポリマー中に分散する方法が開示され
ている。特開平10−182892号公報には、有機化
層状珪酸塩と、0.001mmol/g以上、かつ0.
45mmol/gの水素結合性官能基を含有するポリオ
レフィンオリゴマー、及びポリオレフィンポリマーを溶
融混練することにより、層状珪酸塩がポリマー中で無限
膨潤しているポリオレフィン系樹脂複合材料を調製し得
ることが開示されている。
【0006】しかしながら、これらの方法は、溶媒の使
用が必須であり、ポリマーの溶解工程、有機化層状珪酸
塩の膨潤化工程、溶媒除去工程等の煩雑な工程を含むた
め、工業的に実施することは困難であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述した特開平9−1
83910号公報や特開平10−182892号公報に
記載の方法では、上記のように、溶媒の使用が必須であ
るため、製造工程が煩雑であるという問題があった。
【0008】加えて、これらの方法により得られた複合
材料は、ポリオレフィン系樹脂の融点以上の温度で暫く
保持されると、層状珪酸塩の薄片状結晶が湾曲しつつ凝
集しがちであった。
【0009】一般に、有機物質−無機物質複合材料で
は、有機物質と無機物質の界面の面積が増大すればする
ほど、複合材料の弾性率等の物性が高められる。これ
は、固い無機物質が、上記界面において、補強材の役割
を果たすからである。しかしながら、上記層状珪酸塩の
ように、元来柔軟性を有する無機物質を用いた場合、分
散性を高めて、有機物質−無機物質界面の面積を大きく
したとしても、十分な補強効果が発現されるとは考え難
い。
【0010】図4は、上記複合材料における層状珪酸塩
の分散性と弾性率との関係を示す図である。図4から明
らかなように、複合材料の弾性率は、層状珪酸塩の分散
性と比例関係を有さない。特に、層状珪酸塩の分散性が
高い領域では、分散率を高めても、弾性率は殆ど向上し
ていないことがわかる。
【0011】これは、層状珪酸塩の薄片状結晶が分散さ
れることにより、元来柔軟な薄片状結晶の性質が現れ、
補強物質として作用し難くなることによると考えられ
る。層状珪酸塩の薄片状結晶をポリマー中に分散させる
ことによる効果を最大限に得るには、ポリマーと層状珪
酸塩との界面において両者を十分に固着させ、層状珪酸
塩の湾曲化を生じないような状態を創る必要のあること
がわかる。
【0012】本発明は、このような問題点に鑑み、樹脂
−層状珪酸塩複合材料において、樹脂と層状珪酸塩との
界面の性質を改良することにより、物性の向上が図られ
ている樹脂−層状珪酸塩複合材料及びその製造方法の提
供を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の樹脂−層
状珪酸塩複合材料は、ポリプロピレン系樹脂、層状珪酸
塩及びポリプロピレンのβ結晶を誘導可能な核剤とから
なり、X線回折測定により検出される層状珪酸塩の平均
層間距離が6nm以上であることを特徴とする。
【0014】請求項2記載の樹脂−層状珪酸塩複合材料
は、請求項1記載の樹脂−層状珪酸塩複合材料であっ
て、前記β結晶を誘導可能な核剤が、下記一般式(1)
又は一般式(2)で示されるアミド系化合物であること
を特徴とする。
【0015】請求項3記載の樹脂−層状珪酸塩複合材料
は請求項1又は2記載の樹脂−層状珪酸塩複合材料であ
って、前記β結晶を誘導可能な核剤が、下記一般式
(3)で示されるアミド系化合物であることを特徴とす
る。
【0016】請求項4記載の樹脂−層状珪酸塩複合材料
は、請求項1〜3の何れか1項記載の樹脂−層状珪酸塩
複合材料であって、前記β結晶を誘導可能な核剤が、下
記一般式(4)で示されるイミド酸のIIa族金属塩で
あることを特徴とする。
【0017】請求項5記載の樹脂−層状珪酸塩複合材料
は、請求項1〜4の何れか1項記載の樹脂−層状珪酸塩
複合材料であって、前記β結晶を誘導可能な核剤が、脂
肪酸のIIa族金属塩であることを特徴とする。
【0018】請求項6記載の樹脂−層状珪酸塩複合材料
は、請求項1〜5の何れか1項記載の樹脂−層状珪酸塩
複合材料であって、前記β結晶を誘導可能な核剤が、下
記一般式(5)で示される環状リン化合物と、脂肪酸マ
グネシウム、脂肪族リン酸マグネシウム、酸化マグネシ
ウム、水酸化マグネシウムまたは炭酸マグネシウム、下
記一般式(6)で示される環状リン化合物のマグネシウ
ム塩、下記一般式(7)で示されるマグネシウムフォス
フィネート系化合物から選ばれる少なくとも1種からな
る核剤組成物、及び/又は、下記一般式(8)で示され
る環状リン化合物と、下記一般式(7)で示されるマグ
ネシウムフォスフィネート系化合物、硫酸マグネシウム
及びタルクから選ばれる少なくとも1種からなる核剤組
成物であることを特徴とする。
【0019】請求項7記載の樹脂−層状珪酸塩複合材料
は、請求項1〜6の何れか1項記載の樹脂−層状珪酸塩
複合材料であって、前記β結晶を誘導可能な核剤が、γ
−キナクリドンまたはその誘導体、およびジカルボン酸
のカルシウム塩から選ばれる少なくとも1種であること
を特徴とする。
【0020】請求項8記載の樹脂−層状珪酸塩複合材料
は、請求項1〜7の何れか1項記載の樹脂−層状珪酸塩
複合材料であって、前記層状珪酸塩が、膨潤性スメクタ
イト系粘土鉱物及び/又は膨潤性雲母であることを特徴
とする。
【0021】請求項9記載の樹脂−層状珪酸塩複合材料
は、請求項1〜8の何れか1項記載の樹脂−層状珪酸塩
複合材料であって、前記ポリプロピレン系樹脂が、プロ
ピレン単独重合体及び/又はプロピレン−α−オレフィ
ン共重合体であることを特徴とする。
【0022】請求項10記載の樹脂−層状珪酸塩複合材
料は、請求項1〜9の何れか1項記載の樹脂−層状珪酸
塩複合材料であって、前記β結晶を誘導可能な核剤と、
前記層状珪酸塩が化学結合または水素結合していること
を特徴とする。
【0023】請求項11記載の樹脂−層状珪酸塩複合材
料は、請求項1〜12の何れか1項記載の樹脂−層状珪
酸塩複合材料であって、前記β結晶を誘導可能な核剤
と、前記ポリプロピレン系樹脂が化学結合または水素結
合していることを特徴とする。
【0024】請求項12記載の樹脂−層状珪酸塩複合材
料の製造方法は、請求項1〜11の何れか1項記載の樹
脂−層状珪酸塩複合材料の製造方法であって、前記層状
珪酸塩と前記β結晶を誘導可能な核剤とを混合した後、
ポリプロピレン系樹脂と混合することを特徴とする。
【0025】請求項13記載の樹脂−層状珪酸塩複合材
料の製造方法は、請求項1〜11の何れか1項記載の樹
脂−層状珪酸塩複合材料の製造方法であって、前記ポリ
プロピレン系樹脂と前記β結晶を誘導可能な核剤とを混
合した後、前記層状珪酸塩を混合することを特徴とす
る。
【0026】以下、本発明の詳細を説明する。層状珪酸
塩とは、層間に交換性陽イオンを有する珪酸塩鉱物を指
す。層状珪酸塩の種類は特に限定されるものではない
が、膨潤性マイカ(雲母)等の合成雲母、モンモリロナ
イト、サポナイト、ヘクトライト、バイデライト、ステ
ィブンサイト、ノントロナイトなどのスメクタイト系粘
土鉱物のほか、バーミキュライト、ハロイサイトなどが
あり、天然のものでも合成されたものでも好ましく用い
ることができる。
【0027】さらに好ましくは、上記層状珪酸塩とし
て、膨潤性スメクタイト系粘土鉱物及び/又は膨潤性雲
母が用いられる。層状珪酸塩は1種のみが用いられても
よく、2種以上併用されてもよい。
【0028】層状珪酸塩の添加量は、ポリプロピレン系
樹脂100重量部に対し、0.1〜10重量部の範囲が
好ましい。本発明における層状珪酸塩は、隔壁としてガ
スバリア性を低下させる働きを有するため、そのアスペ
クト比は高いことが好ましい。すなわち、アスペクト比
が高いほど、ガスバリア性が高くなる。従って、アスペ
クト比が約100程度の値を有するモンモリロナイト、
アスペクト比が約150程度を有する膨潤性雲母がより
好ましく用いられる。
【0029】なお、アスペクト比とは、一般に板状また
は針状物質である層状珪酸塩の長径と短径の比をいうも
のとする。上記層状珪酸塩の一例としてのモンモリロナ
イトの結晶構造を図1に示す。層状珪酸塩1では、複数
の薄片状結晶A,Aが多層構造を有するように配置され
ている。この層間に存在する交換性陽イオンは、一般に
結晶表面B上のナトリウムやカルシウム等のイオンであ
る。これらのイオンは、カチオン性物質とのイオン交換
性を有するので、カチオン性を有する種々の物質を層間
に挿入することができる。
【0030】従って、層状珪酸塩の層間に存在する交換
性陽イオンは、予めカチオン系界面活性剤等によりイオ
ン交換されていてもよい。特に、ポリプロピレン系樹脂
として非極性樹脂を用いる場合には、層間を予め、例え
ばカチオン系界面活性剤による陽イオン交換により、疎
水化しておくことが好ましく、それによって層状珪酸塩
と樹脂との間に高い親和性が得られる。
【0031】上記のように、層状珪酸塩の層間が、疎水
性基を有する化学種によりイオン交換されているもの
を、「有機化層状珪酸塩」と称する。有機化層状珪酸塩
は、有機化されていない層状珪酸塩よりも樹脂中に分散
されやすい。従って、本発明においては、有機化層状珪
酸塩を用いることが好ましい。
【0032】本発明において、上記のように層間を予め
疎水化する物質については、特に限定されず、通常、カ
チオン系界面活性剤が用いられる。上記カチオン系界面
活性剤については特に限定されるものではないが、4級
アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩等が挙げられ、好
ましくは炭素数8以上のアルキル鎖を有する4級アンモ
ニウム塩が用いられる。炭素数が8以上のアルキル鎖を
含有しない場合には、アルキルアンモニウムイオンの親
水性が強く、層状珪酸塩の層間を十分に非極性化するこ
とができない。4級アンモニウム塩としては、例えば、
ラウリルトリメチルアンモニウム塩、ステアリルトリメ
チルアンモニウム塩、トリオクチルアンモニウム塩、ジ
ステアリルジメチルアンモニウム塩、ジ硬化牛脂ジメチ
ルアンモニウム塩、ジステアリルジベンジルアンモニウ
ム塩等が挙げられる。
【0033】本発明に用いる層状珪酸塩の陽イオン交換
容量は特に限定されるものではないが、50〜200ミ
リ当量/100gであることが好ましい。50ミリ当量
/100g未満の場合には、結晶層間にイオン交換によ
りインターカレートされるカチオン系界面活性剤の量が
少ないために、層間が十分に非極性化されない場合があ
る。一方、200ミリ当量/100gを超える場合に
は、層状珪酸塩の層間の結合力が強固となり、薄片状結
晶をデラミネートすることが困難な場合がある。
【0034】本発明において用いられるポリプロピレン
系樹脂については、プロピレンを主要な構成成分として
なる重合体であれば特に限定されないが、例えば、ポリ
プロピレン単独重合体、プロピレン−α−オレフィン共
重合体などが好適である。上記α−オレフィンとして
は、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキサ
ン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オ
クテン等を挙げることができる。
【0035】また、これらのポリプロピレン系樹脂は、
1種のみ用いられてもよく、得られる物性を考慮して、
2種以上併用されてもよい。上記ポリプロピレン系樹脂
の分子量及び分子量分布については特に限定されず、重
量平均分子量は通常5,000〜5,000,000、
好ましくは20,000〜300,000であり、分子
量分布(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)は通
常2〜80、好ましくは3〜40のものが好適に用いら
れる。
【0036】また、本発明において用いられるポリプロ
ピレン系樹脂には、適宜、他の種類の高分子化合物がア
ロイ化またはブレンドされていてもよい。例えば、マレ
イン酸等のカルボン酸や無水マレイン酸をグラフトした
高分子化合物を少量添加しておき、予め結晶性樹脂と層
状珪酸塩との親和性を高めてもよい。
【0037】本発明において用いられるポリプロピレン
系樹脂には、適宜、添加剤が添加されていてもよい。こ
のような添加剤としては、特に限定されず、例えば、酸
化防止剤、耐光剤、紫外線吸収剤、滑剤、難燃剤、帯電
防止剤等があげられる。
【0038】本発明において用いられる層状珪酸塩のX
線回折により測定される平均層間距離は6nm以上とさ
れる。一般に無機物質によるポリマーの強化は、ポリマ
ー−無機物質界面の面積が大きいほど効果的である。従
って、層状珪酸塩がイオン結合力により互いに凝集した
状態で、すなわち層間距離が1〜2nm程度の場合は、
層状珪酸塩の添加による改質効果は非常に小さい。前述
したように層状珪酸塩の薄片状結晶を粒子中に分散する
ことが達成されて初めて、複合材料の機械的強度、耐熱
性及びガスバリア性等の性質を著しく改善することがで
きる。
【0039】一般に、層状珪酸塩の層間引力は、層間距
離が6nm以上になった場合に極めて小さくなる。従っ
て、平均層間距離を6nm以上とすることが必要であ
る。上記層間距離とは、層状珪酸塩の薄片状結晶の00
1面間の距離、すなわち図1における2枚の薄片状結晶
の中心間距離をいうものとする。また、本発明において
定義される平均層間距離とは、薄片状結晶の中心間距離
及び該中心間距離にある珪酸塩の量をX線回折測定する
ことにより求められる。以下に典型的な2つの例を示
す。すなわち、図2は、平均層間距離が6nm以上の場
合のX線回折プロファイルを示し、図3は、平均層間距
離が6nm未満の場合のX線回折プロファイルを示す図
である。図2では、層間距離2nmの位置に小さな回折
ピークが現れるものの6nm以上のブロードな回折線に
より、層間距離の大部分が6nm以上であることが確認
され得る。
【0040】もっとも重要なことは、ポリプロピレン系
樹脂に層状珪酸塩を分散させる場合、たとえ層状珪酸塩
の薄片状結晶が十分に分散されていても、複合材料を再
度融点以上の温度に保持して再び固化した場合、粒子の
湾曲や凝集が生じることがあることである。事実、特開
平10−182892号公報に記載の方法により得られ
た複合材料を200℃で5分間保持し、さらに1℃/分
の速度で冷却した場合、熱処理前後で著しい湾曲や凝集
が得られた。
【0041】先に述べたように、複合材料の弾性率の向
上は、層状珪酸塩の分散性と比例関係を有するものでは
ない。本願発明者等は、これらの問題を解決すべく検討
した結果、層状珪酸塩の平均層間距離を6nm以上と
し、また複合材料に、ポリプロピレンのβ結晶を誘導可
能な核剤を含有させ、β結晶度合を向上させることによ
り層状珪酸塩の薄片状結晶の分散性を高め得るだけでな
く、樹脂の融点以上の温度で保持して、再度固化した場
合においても、上記湾曲や凝集を抑制し、層状珪酸塩に
よる補強効果を確実に得られることを見い出した。
【0042】ここで、β結晶を誘導可能な核剤とは、ポ
リプロピレンにおいて一般に知られている、α、β、
γ、δの各変態のうちβ変態(以下「β結晶」という)
を誘導可能な核剤(以下「β結晶核剤」という場合があ
る)をいう。
【0043】ポリプロピレン系樹脂では、分子のフレキ
シビリティーは、非晶部に比べて結晶部においてはるか
に小さい。従って、層状珪酸塩の表面上で、その結晶部
が優先的に成長するような駆動力を与えれば、樹脂の結
晶部が層状珪酸塩の周囲に固く固着し、剛性に優れた層
状珪酸塩−樹脂界面を形成することができる。ここで、
上記核剤の添加は、上記層状珪酸塩と樹脂との界面にお
ける固着強度を高めるのに非常に有効である。
【0044】すなわち、上記結晶核剤としての性質を示
す物質は、一般に、金属種に芳香環等の比較的大きな有
機物が配位した構造を有する。層状珪酸塩は、元来その
層間にイオンを保持するため、物質に含まれている金属
種を容易に層間あるいは層表面上に引き寄せる。従っ
て、層状珪酸塩と結晶核剤としての性質を有する物質を
共存させるだけで、層状珪酸塩上に結晶核が形成されや
すくなる。よって、樹脂の結晶部分が層状珪酸塩の表面
上において優先的に成長するため、上記のように樹脂と
層状珪酸塩との界面における接合強度が効果的に高めら
れる。
【0045】上記核剤としては、β結晶を誘導可能なも
のであれば特に限定されないが、例えば、前述の一般式
(1)又は一般式(2)で示されるアミド系化合物が挙
げられる。
【0046】一般式(1)で表されるアミド系化合物
は、ジカルボン酸とモノアミンとをアミド化することに
より調製することができる。
【0047】上記ジカルボン酸としては、例えば、マロ
ン酸、ジフェニルマロン酸、コハク酸、フェニルコハク
酸、ジフェニルコハク酸、グルタル酸、3,3−ジメチ
ルグルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、
アゼライン酸、セバシン酸、1,12−ドデカン二酸、
1,14−テトラデカン二酸、1,18−オクタデカン
二酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−
シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサン
ジ酢酸、p−フェニレンジ酢酸、p−フェニレンジエタ
ン酸、フタル酸、4−tert−ブチルフタル酸、イソ
フタル酸、5−tert−ブチルイソフタル酸、テレフ
タル酸、1,8−ナフタル酸、1,4−ナフタレンジカ
ルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−
ナフタレンジカルボン酸、ジフェン酸、3,3’−ビフ
ェニルジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン
酸、4,4’−ビナフチルジカルボン酸、ビス(3−カ
ルボキシフェニル)メタン、ビス(4−カルボキシフェ
ニル)メタン、2,2−ビス(3−カルボキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(4−カルボキシフェニ
ル)プロパン、3,3’−スルホニルジ安息香酸、4,
4’−スルホニルジ安息香酸、3,3’−オキシジ安息
香酸、4,4’−オキシジ安息香酸、3,3’−カルボ
ニルジ安息香酸、4,4’−カルボニルジ安息香酸、
3,3’−チオジ安息香酸、4,4’−チオジ安息香
酸、4,4’−(p−フェニレンジオキシ)ジ安息香
酸、4,4’−イソフタロイルジ安息香酸、4,4’−
テレフタロイルジ安息香酸、ジチオサリチル酸等が挙げ
られる。
【0048】上記モノアミンとしては、例えば、シクロ
プロピルアミン、シクロブチルアミン、シクロペンチル
アミン、シクロヘキシルアミン、2−メチルシクロヘキ
シルアミン、3−メチルシクロヘキシルアミン、4−メ
チルシクロヘキシルアミン、2−エチルシクロヘキシル
アミン、4−エチルシクロヘキシルアミン、2−プロピ
ルシクロヘキシルアミン、2−イソプロピルシクロヘキ
シルアミン、4−プロピルシクロヘキシルアミン、4−
イソプロピルシクロヘキシルアミン、2−tert−ブ
チルシクロヘキシルアミン、4−n−ブチルシクロヘキ
シルアミン、4−イソブチルシクロヘキシルアミン、4
−sec−ブチルシクロヘキシルアミン、4−tert
−ブチルシクロヘキシルアミン、4−n−アミルシクロ
ヘキシルアミン、4−イソアミルシクロヘキシルアミ
ン、4−sec−アミルシクロヘキシルアミン、4−t
ert−アミルシクロヘキシルアミン、4−ヘキシルシ
クロヘキシルアミン、4−ヘプチルシクロヘキシルアミ
ン、4−オクチルシクロヘキシルアミン、4−ノニルシ
クロヘキシルアミン、4−デシルシクロヘキシルアミ
ン、4−ウンデシルシクロヘキシルアミン、4−ドデシ
ルシクロヘキシルアミン、4−シクロヘキシルシクロヘ
キシルアミン、4−フェニルシクロヘキシルアミン、シ
クロヘプチルアミン、シクロドデシルアミン、シクロヘ
キシルメチルアミン、α−シクロヘキシルエチルアミ
ン、β−シクロヘキシルエチルアミン、α−シクロヘキ
シルプロピルアミン、β−シクロヘキシルプロピルアミ
ン、γ−シクロヘキシルプロピルアミン、アニリン、o
−トルイジン、m−トルイジン、p−トルイジン、o−
エチルアニリン、p−エチルアニリン、o−プロピルア
ニリン、m−プロピルアニリン、p−プロピルアニリ
ン、o−クミジン、m−クミジン、p−クミジン、o−
tert−ブチルアニリン、p−n−ブチルアニリン、
p−イソブチルアニリン、p−sec−ブチルアニリ
ン、p−tert−ブチルアニリン、p−n−アミルア
ニリン、p−イソアミルアニリン、p−sec−アミル
アニリン、p−tert−アミルアニリン、p−ヘキシ
ルアニリン、p−ヘプチルアニリン、p−オクチルアニ
リン、p−ノニルアニリン、p−デシルアニリン、p−
ウンデシルアニリン、p−ドデシルアニリン、p−シク
ロヘキシルアニリン、o−アミノジフェニル、m−アミ
ノジフェニル、p−アミノジフェニル、p−アミノスチ
レン、ベンジルアミン、α−フェニルエチルアミン、β
−フェニルエチルアミン、α−フェニルプロピルアミ
ン、β−フェニルプロピルアミン、γ−フェニルプロピ
ルアミン等が挙げられる。
【0049】一般式(2)で示されるアミド系化合物
は、アミノ酸とモノカルボン酸及びモノアミンとをアミ
ド化することにより調製することができる。
【0050】上記アミノ酸としては、例えば、アミノ酢
酸、α−アミノプロピオン酸、β−アミノプロピオン
酸、α−アミノアクリル酸、α−アミノ酪酸、β−アミ
ノ酪酸、γ−アミノ酪酸、α−アミノ−α−メチル酪
酸、γ−アミノ−α−メチレン酪酸、α−アミノイソ酪
酸、β−アミノイソ酪酸、α−アミノ−n−吉草酸、δ
−アミノ−n−吉草酸、β−アミノクロトン酸、α−ア
ミノ−β−メチル吉草酸、α−アミノイソ吉草酸、2−
アミノ−4−ペンテノイック酸、α−アミノ−n−カプ
ロン酸、6−アミノカプロン酸、α−アミノイソカプロ
ン酸、7−アミノヘプタン酸、α−アミノ−n−カプリ
ル酸、8−アミノカプリル酸、9−アミノノナン酸、1
1−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、1
−アミノシクロヘキサンカルボン酸、2−アミノシクロ
ヘキサンカルボン酸、3−アミノシクロヘキサンカルボ
ン酸、4−アミノシクロヘキサンカルボン酸、p−アミ
ノメチルシクロヘキサンカルボン酸、2−アミノ−2−
ノルボルナンカルボン酸、α−アミノフェニル酢酸、α
−アミノ−β−フェニルプロピオン酸、2−アミノ−2
−フェニルプロピオン酸、3−アミノ−3−フェニルプ
ロピオン酸、α−アミノ桂皮酸、2−アミノ−4−フェ
ニル酪酸、4−アミノ−3−フェニル酪酸、アントラニ
ル酸、m−アミノ安息香酸、p−アミノ安息香酸、2−
アミノ−4−メチル安息香酸、2−アミノ−6−メチル
安息香酸、3−アミノ−4−メチル安息香酸、2−アミ
ノ−3−メチル安息香酸、2−アミノ−5−メチル安息
香酸、4−アミノ−2−メチル安息香酸、4−アミノ−
3−メチル安息香酸、2−アミノ−3−メトキシ安息香
酸、3−アミノ−4−メトキシ安息香酸、4−アミノ−
2−メトキシ安息香酸、4−アミノ−3−メトキシ安息
香酸、2−アミノ−4,5−ジメトキシ安息香酸、o−
アミノフェニル酢酸、m−アミノフェニル酢酸、p−ア
ミノフェニル酢酸、4−(4−アミノフェニル)酪酸、
4−アミノメチル安息香酸、4−アミノメチルフェニル
酢酸、o−アミノ桂皮酸、m−アミノ桂皮酸、p−アミ
ノ桂皮酸、p−アミノ馬尿酸、2−アミノ−1−ナフト
エ酸、3−アミノ−1−ナフトエ酸、4−アミノ−1−
ナフトエ酸、5−アミノ−1−ナフトエ酸、6−アミノ
−1−ナフトエ酸、7−アミノ−1−ナフトエ酸、8−
アミノ−1−ナフトエ酸、1−アミノ−2−ナフトエ
酸、3−アミノ−2−ナフトエ酸、4−アミノ−2−ナ
フトエ酸、5−アミノ−2−ナフトエ酸、6−アミノ−
2−ナフトエ酸、7−アミノ−2−ナフトエ酸、8−ア
ミノ−2−ナフトエ酸等が挙げられる。
【0051】上記モノカルボン酸としては、例えば、シ
クロプロパンカルボン酸、シクロブタンカルボン酸、シ
クロペンタンカルボン酸、1−メチルシクロペンタンカ
ルボン酸、2−メチルシクロペンタンカルボン酸、3−
メチルシクロペンタンカルボン酸、1−フェニルシクロ
ペンタンカルボン酸、シクロペンテンカルボン酸、シク
ロヘキサンカルボン酸、1−メチルシクロヘキサンカル
ボン酸、2−メチルシクロヘキサンカルボン酸、3−メ
チルシクロヘキサンカルボン酸、4−メチルシクロヘキ
サンカルボン酸、4−プロピルシクロヘキサンカルボン
酸、4−ブチルシクロヘキサンカルボン酸、4−ペンチ
ルシクロヘキサンカルボン酸、4−ヘキシルシクロヘキ
サンカルボン酸、4−フェニルシクロヘキサンカルボン
酸、1−フェニルシクロヘキサンカルボン酸、シクロヘ
キセンカルボン酸、4−ブチルシクロヘキセンカルボン
酸、シクロヘプタンカルボン酸、1−シクロヘプテンカ
ルボン酸、1−メチルシクロヘプタンカルボン酸、4−
メチルシクロヘプタンカルボン酸、シクロヘキシル酢
酸、安息香酸、o−メチル−安息香酸、m−メチル−安
息香酸、p−メチル−安息香酸、p−エチル−安息香
酸、p−プロピル−安息香酸、p−ブチル安息香酸、p
−tert−ブチル安息香酸、p−ペンチル安息香酸、
p−ヘキシル安息香酸、o−フェニル安息香酸、p−フ
ェニル安息香酸、p−シクロヘキシル安息香酸、フェニ
ル酢酸、フェニルプロピオン酸、フェニル酪酸等が挙げ
られる。
【0052】上記モノアミンとしては、一般式(1)で
表されるアミド系化合物の原料であるモノアミンと同一
である。
【0053】上記核剤の他の具体例としては、前述の一
般式(3)で示されるアミド系化合物が挙げられる。
【0054】上記一般式(3)で示されるアミド系化合
物は、ジアミンとモノカルボン酸とをアミド化すること
により調製することができる。
【0055】上記ジアミンとしては、例えば、1,2−
ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン,1,4
−ジアミノブタン、1,3−ジアミノペンタン、1,5
−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,
2−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロ
ヘキサン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタ
ン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロ
ヘキシルメタン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロ
ヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサ
ン等の他、イソフォロンジアミン、メンセンジアミン、
o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p
−フェニレンジアミン、1,5−ジアミノナフタレン、
4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジア
ミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニ
ルスルフォン等が挙げられる。
【0056】上記モノカルボン酸としては、一般式
(2)で表されるアミド系化合物の原料であるモノカル
ボン酸と同一である。
【0057】上記核剤の更なる他の具体例としては、前
述の一般式(4)で示されるイミド酸のIIa族金属塩
が挙げられる。
【0058】上記一般式(4)で示される化合物として
は、例えば、フタロイルグリシン、ヘキサヒドロフタロ
イルグリシン、ナフトイルグリシン、N−フタロイルア
ラニン、N−(4−メチルフタロイル)グリシン等が挙
げられる。また、上記IIa族金属としては元素周期率
表のIIa族金属であれば特に限定されないが、中でも
マグネシウム、カルシウム、バリウム等が好適に用いら
れる。
【0059】上記核剤の更なる他の具体例としては、脂
肪酸のIIa族金属塩が挙げられる。上記脂肪酸として
は、元素周期律表のIIa族金属塩であれば特に限定さ
れないが、例えば、ステアリン酸カルシウムが好まし
い。
【0060】また、上記核剤の更なる他の具体例として
は、前述の一般式(5)で示される環状リン化合物と、
脂肪酸マグネシウム、脂肪族リン酸マグネシウム、酸化
マグネシウム、水酸化マグネシウムまたは炭酸マグネシ
ウム、前述の一般式(6)で示される環状リン化合物の
マグネシウム塩、前述の一般式(7)で示されるマグネ
シウムフォスフィネート系化合物から選ばれる少なくと
も1種からなる核剤組成物、及び/又は、前述の一般式
(8)で示される環状リン化合物と、前述の一般式
(7)で示されるマグネシウムフォスフィネート系化合
物、硫酸マグネシウム及びタルクから選ばれる少なくと
も1種からなる核剤組成物が挙げられる。
【0061】上記一般式(5)で示される環状リン化合
物としては、10−ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ−
9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10−
オキサイド、1−メチル−10−ヒドロキシ−9,10
−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンス
レン−10−オキサイド、2−メチル−10−ヒドロキ
シ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスフ
ァフェナンスレン−10−オキサイド、6−メチル−1
0−ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−1
0−フォスファフェナンスレン−10−オキサイド、7
−メチル−10−ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ−9
−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オ
キサイド、8−メチル−10−ヒドロキシ−9,10−
ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレ
ン−10−オキサイド、6,8−ジメチル−10−ヒド
ロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォ
スファフェナンスレン−10−オキサイド、2,6,8
−トリメチル−10−ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ
−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10
−オキサイド、2−エチル−10−ヒドロキシ−9,1
0−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナン
スレン−10−オキサイド、6−エチル−10−ヒドロ
キシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォス
ファフェナンスレン−10−オキサイド、8−エチル−
10−ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−
10−フォスファフェナンスレン−10−オキサイド、
6,8−ジエチル−10−ヒドロキシ−9,10−ジヒ
ドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−
10−オキサイド、2,6,8−トリエチル−10−ヒ
ドロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フ
ォスファフェナンスレン−10−オキサイド、2−i−
プロピル−10−ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ−9
−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オ
キサイド、6−i−プロピル−10−ヒドロキシ−9,
10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナ
ンスレン−10−オキサイド、8−i−プロピル−10
−ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10
−フォスファフェナンスレン−10−オキサイド、6,
8−ジ−i−プロピル−10−ヒドロキシ−9,10−
ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレ
ン−10−オキサイド、2,6,8−トリ−i−プロピ
ル−10−ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキ
サ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキサイ
ド、2−s−ブチル−10−ヒドロキシ−9,10−ジ
ヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン
−10−オキサイド、6−s−ブチル−10−ヒドロキ
シ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスフ
ァフェナンスレン−10−オキサイド、8−s−ブチル
−10−ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ
−10−フォスファフェナンスレン−10−オキサイ
ド、1,8−ジ−s−ブチル−10−ヒドロキシ−9,
10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナ
ンスレン−10−オキサイド、2,6,8−トリ−s−
ブチル−10−ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ−9−
オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキ
サイド、2−t−ブチル−10−ヒドロキシ−9,10
−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンス
レン−10−オキサイド、6−t−ブチル−10−ヒド
ロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォ
スファフェナンスレン−10−オキサイド、8−t−ブ
チル−10−ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オ
キサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキサ
イド、1,6−ジ−t−ブチル−10−ヒドロキシ−
9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフ
ェナンスレン−10−オキサイド、2,6−ジ−t−ブ
チル−10−ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オ
キサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキサ
イド、2,7−ジ−t−ブチル−10−ヒドロキシ−
9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフ
ェナンスレン−10−オキサイド、2,8−ジ−t−ブ
チル−10−ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オ
キサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキサ
イド、6,8−ジ−t−ブチル−10−ヒドロキシ−
9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフ
ェナンスレン−10−オキサイド、2,6,8−トリ−
t−ブチル−10−ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ−
9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10−
オキサイド、2−t−アミル−10−ヒドロキシ−9,
10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナ
ンスレン−10−オキサイド、6−t−アミル−10−
ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−
フォスファフェナンスレン−10−オキサイド、8−t
−アミル−10−ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ−9
−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オ
キサイド、6,8−ジ−t−アミル−10−ヒドロキシ
−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファ
フェナンスレン−10−オキサイド、2,6,8−トリ
−t−アミル−10−ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ
−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10
−オキサイド、2−t−オクチル−10−ヒドロキシ−
9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフ
ェナンスレン−10−オキサイド、6−t−オクチル−
10−ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−
10−フォスファフェナンスレン−10−オキサイド、
8−t−オクチル−10−ヒドロキシ−9,10−ジヒ
ドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−
10−オキサイド、6,8−ジ−t−オクチル−10−
ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−
フォスファフェナンスレン−10−オキサイド、2,
6,8−トリ−t−オクチル−10−ヒドロキシ−9,
10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナ
ンスレン−10−オキサイド、2−シクロヘキシル−1
0−ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−1
0−フォスファフェナンスレン−10−オキサイド、6
−シクロヘキシル−10−ヒドロキシ−9,10−ジヒ
ドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−
10−オキサイド、8−シクロヘキシル−10−ヒドロ
キシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォス
ファフェナンスレン−10−オキサイド、6,8−ジ−
シクロヘキシル−10−ヒドロキシ−9,10−ジヒド
ロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−1
0−オキサイド、2,6,8−トリ−シクロヘキシル−
10−ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−
10−フォスファフェナンスレン−10−オキサイド、
6−フェニル−10−ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ
−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10
−オキサイド、2−ベンジル−10−ヒドロキシ−9,
10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナ
ンスレン−10−オキサイド、6−ベンジル−10−ヒ
ドロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フ
ォスファフェナンスレン−10−オキサイド、8−ベン
ジル−10−ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オ
キサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキサ
イド、6,8−ジ−ベンジル−10−ヒドロキシ−9,
10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナ
ンスレン−10−オキサイド、2,6,8−トリ−ベン
ジル−10−ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オ
キサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキサ
イド、2−(α−メチルベンジル)−10−ヒドロキシ
−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファ
フェナンスレン−10−オキサイド、6−(α−メチル
ベンジル)−10−ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ−
9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10−
オキサイド、8−(α−メチルベンジル)−10−ヒド
ロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォ
スファフェナンスレン−10−オキサイド、6,8−ジ
(α−メチルベンジル)−10−ヒドロキシ−9,10
−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンス
レン−10−オキサイド、2,6,8−トリ(α−メチ
ルベンジル)−10−ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ
−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10
−オキサイド、2,6−ジ(α,α−ジメチルベンジ
ル)−10−ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オ
キサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキサ
イド、6−t−ブチル−8−メチル−10−ヒドロキシ
−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファ
フェナンスレン−10−オキサイド、6−ベンジル−8
−メチル−10−ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ−9
−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オ
キサイド、6−シクロヘキシル−8−t−ブチル−10
−ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10
−フォスファフェナンスレン−10−オキサイド、6−
ベンジル−8−t−ブチル−10−ヒドロキシ−9,1
0−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナン
スレン−10−オキサイド、6−(α−メチルベンジ
ル)−8−t−ブチル−10−ヒドロキシ−9,10−
ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレ
ン−10−オキサイド、6−t−ブチル−8−シクロヘ
キシル−10−ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ−9−
オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキ
サイド、6−ベンジル−8−シクロヘキシル−10−ヒ
ドロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フ
ォスファフェナンスレン−10−オキサイド、6−t−
ブチル−8−ベンジル−10−ヒドロキシ−9,10−
ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレ
ン−10−オキサイド、6−シクロヘキシル−8−ベン
ジル−10−ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オ
キサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキサ
イド、2,6−ジ−t−ブチル−8−ベンジル−10−
ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−
フォスファフェナンスレン−10−オキサイドおよび
2,6−ジシクロヘキシル−8−ベンジル−10−ヒド
ロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォ
スファフェナンスレン−10−オキサイドなどを例示で
きる。これら環状リン化合物の単独使用はもちろんのこ
と2種以上の環状リン化合物を併用することもできる。
【0062】本発明で用いられるβ結晶核剤として前述
の一般式(5)で示される環状リン化合物と併用するマ
グネシウム化合物としては、酢酸マグネシウム、プロピ
オン酸マグネシウム、n−酪酸マグネシウム、i−酪酸
マグネシウム、n−吉草酸マグネシウム、i−吉草酸マ
グネシウム、n−ヘキサン酸マグネシウム、n−オクタ
ン酸マグネシウム、2−エチルヘキサン酸マグネシウ
ム、デカン酸マグネシウム、ラウリン酸マグネシウム、
ミリスチン酸マグネシウム、ミリストレイン酸マグネシ
ウム、パルミチン酸マグネシウム、パルミトレイン酸マ
グネシウム、ステアリン酸マグネシウム、オレイン酸マ
グネシウム、リノール酸マグネシウム、リノレン酸マグ
ネシウム、アラキン酸マグネシウム、ベヘン酸マグネシ
ウム、エルカ酸マグネシウム、リグノセリン酸マグネシ
ウム、セロチン酸マグネシウム、モンタン酸マグネシウ
ム、メリシン酸マグネシウム、12−ヒドロキシオクタ
デカン酸マグネシウム、リシノール酸マグネシウム、セ
レブロン酸マグネシウム、(モノ,ジミックスド)ヘキ
シルリン酸マグネシウム、(モノ,ジミックスド)オク
チルリン酸マグネシウム、(モノ,ジミックスド)2−
エチルヘキシルリン酸マグネシウム、(モノ,ジミック
スド)デシルリン酸マグネシウム、(モノ,ジミックス
ド)ラウリルリン酸マグネシウム、(モノ,ジミックス
ド)ミリスチルリン酸マグネシウム、(モノ,ジミック
スド)パルミチルリン酸マグネシウム、(モノ,ジミッ
クスド)ステアリルリン酸マグネシウム、(モノ,ジミ
ックスド)オレイルリン酸マグネシウム、(モノ,ジミ
ックスド)リノールリン酸マグネシウム、(モノ,ジミ
ックスド)リノリルリン酸マグネシウム、(モノ,ジミ
ックスド)ドコシルリン酸マグネシウム、(モノ,ジミ
ックスド)エルシルリン酸マグネシウム、(モノ,ジミ
ックスド)テトラコシルリン酸マグネシウム、(モノ,
ジミックスド)ヘキサコシルリン酸マグネシウム、(モ
ノ,ジミックスド)オクタコシルリン酸マグネシウム、
酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシ
ウム、10−ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オ
キサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキサ
イド、1−メチル−10−ヒドロキシ−9,10−ジヒ
ドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−
10−オキサイド、2−メチル−10−ヒドロキシ−
9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフ
ェナンスレン−10−オキサイド、6−メチル−10−
ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−
フォスファフェナンスレン−10−オキサイド、7−メ
チル−10−ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オ
キサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキサ
イド、8−メチル−10−ヒドロキシ−9,10−ジヒ
ドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−
10−オキサイド、6,8−ジメチル−10−ヒドロキ
シ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスフ
ァフェナンスレン−10−オキサイド、2,6,8−ト
リメチル−10−ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ−9
−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オ
キサイド、2−エチル−10−ヒドロキシ−9,10−
ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレ
ン−10−オキサイド、6−エチル−10−ヒドロキシ
−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファ
フェナンスレン−10−オキサイド、8−エチル−10
−ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10
−フォスファフェナンスレン−10−オキサイド、6,
8−ジエチル−10−ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ
−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10
−オキサイド、2,6,8−トリエチル−10−ヒドロ
キシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォス
ファフェナンスレン−10−オキサイド、2−i−プロ
ピル−10−ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オ
キサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキサ
イド、6−i−プロピル−10−ヒドロキシ−9,10
−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンス
レン−10−オキサイド、8−i−プロピル−10−ヒ
ドロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フ
ォスファフェナンスレン−10−オキサイド、6,8−
ジ−i−プロピル−10−ヒドロキシ−9,10−ジヒ
ドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−
10−オキサイド、2,6,8−トリ−i−プロピル−
10−ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−
10−フォスファフェナンスレン−10−オキサイド、
2−s−ブチル−10−ヒドロキシ−9,10−ジヒド
ロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−1
0−オキサイド、6−s−ブチル−10−ヒドロキシ−
9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフ
ェナンスレン−10−オキサイド、8−s−ブチル−1
0−ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−1
0−フォスファフェナンスレン−10−オキサイド、
1,8−ジ−s−ブチル−10−ヒドロキシ−9,10
−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンス
レン−10−オキサイド、2,6,8−トリ−s−ブチ
ル−10−ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキ
サ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキサイ
ド、2−t−ブチル−10−ヒドロキシ−9,10−ジ
ヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン
−10−オキサイド、6−t−ブチル−10−ヒドロキ
シ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスフ
ァフェナンスレン−10−オキサイド、8−t−ブチル
−10−ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ
−10−フォスファフェナンスレン−10−オキサイ
ド、1,6−ジ−t−ブチル−10−ヒドロキシ−9,
10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナ
ンスレン−10−オキサイド、2,6−ジ−t−ブチル
−10−ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ
−10−フォスファフェナンスレン−10−オキサイ
ド、2,7−ジ−t−ブチル−10−ヒドロキシ−9,
10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナ
ンスレン−10−オキサイド、2,8−ジ−t−ブチル
−10−ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ
−10−フォスファフェナンスレン−10−オキサイ
ド、6,8−ジ−t−ブチル−10−ヒドロキシ−9,
10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナ
ンスレン−10−オキサイド、2,6,8−トリ−t−
ブチル−10−ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ−9−
オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキ
サイド、2−t−アミル−10−ヒドロキシ−9,10
−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンス
レン−10−オキサイド、6−t−アミル−10−ヒド
ロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォ
スファフェナンスレン−10−オキサイド、8−t−ア
ミル−10−ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オ
キサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキサ
イド、6,8−ジ−t−アミル−10−ヒドロキシ−
9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフ
ェナンスレン−10−オキサイド、2,6,8−トリ−
t−アミル−10−ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ−
9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10−
オキサイド、2−t−オクチル−10−ヒドロキシ−
9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフ
ェナンスレン−10−オキサイド、6−t−オクチル−
10−ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−
10−フォスファフェナンスレン−10−オキサイド、
8−t−オクチル−10−ヒドロキシ−9,10−ジヒ
ドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−
10−オキサイド、6,8−ジ−t−オクチル−10−
ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−
フォスファフェナンスレン−10−オキサイド、2,
6,8−トリ−t−オクチル−10−ヒドロキシ−9,
10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナ
ンスレン−10−オキサイド、2−シクロヘキシル−1
0−ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−1
0−フォスファフェナンスレン−10−オキサイド、6
−シクロヘキシル−10−ヒドロキシ−9,10−ジヒ
ドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−
10−オキサイド、8−シクロヘキシル−10−ヒドロ
キシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォス
ファフェナンスレン−10−オキサイド、6,8−ジ−
シクロヘキシル−10−ヒドロキシ−9,10−ジヒド
ロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−1
0−オキサイド、2,6,8−トリ−シクロヘキシル−
10−ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−
10−フォスファフェナンスレン−10−オキサイド、
6−フェニル−10−ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ
−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10
−オキサイド、2−ベンジル−10−ヒドロキシ−9,
10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナ
ンスレン−10−オキサイド、6−ベンジル−10−ヒ
ドロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フ
ォスファフェナンスレン−10−オキサイド、8−ベン
ジル−10−ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オ
キサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキサ
イド、6,8−ジ−ベンジル−10−ヒドロキシ−9,
10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナ
ンスレン−10−オキサイド、2,6,8−トリ−ベン
ジル−10−ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オ
キサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキサ
イド、2−(α−メチルベンジル)−10−ヒドロキシ
−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファ
フェナンスレン−10−オキサイド、6−(α−メチル
ベンジル)−10−ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ−
9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10−
オキサイド、8−(α−メチルベンジル)−10−ヒド
ロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォ
スファフェナンスレン−10−オキサイド、6,8−ジ
(α−メチルベンジル)−10−ヒドロキシ−9,10
−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンス
レン−10−オキサイド、2,6,8−トリ(α−メチ
ルベンジル)−10−ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ
−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10
−オキサイド、2,6−ジ(α,α−ジメチルベンジ
ル)−10−ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オ
キサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキサ
イド、6−t−ブチル−8−メチル−10−ヒドロキシ
−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファ
フェナンスレン−10−オキサイド、6−ベンジル−8
−メチル−10−ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ−9
−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オ
キサイド、6−シクロヘキシル−8−t−ブチル−10
−ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10
−フォスファフェナンスレン−10−オキサイド、6−
ベンジル−8−t−ブチル−10−ヒドロキシ−9,1
0−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナン
スレン−10−オキサイド、6−(α−メチルベンジ
ル)−8−t−ブチル−10−ヒドロキシ−9,10−
ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレ
ン−10−オキサイド、6−t−ブチル−8−シクロヘ
キシル−10−ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ−9−
オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキ
サイド、6−ベンジル−8−シクロヘキシル−10−ヒ
ドロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フ
ォスファフェナンスレン−10−オキサイド、6−t−
ブチル−8−ベンジル−10−ヒドロキシ−9,10−
ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレ
ン−10−オキサイド、6−シクロヘキシル−8−ベン
ジル−10−ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オ
キサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキサ
イド、2,6−ジ−t−ブチル−8−ベンジル−10−
ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−
フォスファフェナンスレン−10−オキサイドおよび
2,6−ジシクロヘキシル−8−ベンジル−10−ヒド
ロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォ
スファフェナンスレン−10−オキサイドなどの環状リ
ン化合物のマグネシム塩、マグネシウム−ビス(1’−
ヒドロキシ−2,2’−ビフェニレンフォスフィネー
ト)、マグネシウム−ビス(5−メチル−1’−ヒドロ
キシ−2,2’−ビフェニレンフォスフィネート)、マ
グネシウム−ビス(6−メチル−1’−ヒドロキシ−
2,2’−ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシ
ウム−ビス(1’−ヒドロキシ−4’−メチル−2,
2’−ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシウム
−ビス(1’−ヒドロキシ−5’−メチル−2,2’−
ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシウム−ビス
(1’−ヒドロキシ−6’−メチル−2,2’−ビフェ
ニレンフォスフィネート)、マグネシウム−ビス(1’
−ヒドロキシ−4’,6’−ジメチル−2,2’−ビフ
ェニレンフォスフィネート)、マグネシウム−ビス
(5,4’,6’−トリメチル−1’−ヒドロキシ−
2,2’−ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシ
ウム−ビス(5−エチル−1’−ヒドロキシ−2,2’
−ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシウム−ビ
ス(1’−ヒドロキシ−4’−エチル−2,2’−ビフ
ェニレンフォスフィネート)、マグネシウム−ビス
(1’−ヒドロキシ−6’−エチル−2,2’−ビフェ
ニレンフォスフィネート)、マグネシウム−ビス(1’
−ヒドロキシ−4’,6’−ジエチル−2,2’−ビフ
ェニレンフォスフィネート)、マグネシウム−ビス
(5,4’,6’−トリエチル−1’−ヒドロキシ−
2,2’−ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシ
ウム−ビス(5−i−プロピル−1’−ヒドロキシ−
2,2’−ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシ
ウム−ビス(1’−ヒドロキシ−4’−i−プロピル−
2,2’−ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシ
ウム−ビス(1’−ヒドロキシ−6’−i−プロピル−
2,2’−ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシ
ウム−ビス(1’−ヒドロキシ−4’,6’−ジ−i−
プロピル−2,2’−ビフェニレンフォスフィネー
ト)、マグネシウム−ビス(5,4’,6’−トリ−i
−プロピル−1’−ヒドロキシ−2,2’−ビフェニレ
ンフォスフィネート)、マグネシウム−ビス(5−s−
ブチル−1’−ヒドロキシ−2,2’−ビフェニレンフ
ォスフィネート)、マグネシウム−ビス(1’−ヒドロ
キシ−4’−s−ブチル−2,2’−ビフェニレンフォ
スフィネート)、マグネシウム−ビス(1’−ヒドロキ
シ−6’−s−ブチル−2,2’−ビフェニレンフォス
フィネート)、マグネシウム−ビス(6,6’−ジ−s
−ブチル−1’−ヒドロキシ−2,2’−ビフェニレン
フォスフィネート)、マグネシウム−ビス(5,4’,
6’−トリ−s−ブチル−1’−ヒドロキシ−2,2’
−ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシウム−ビ
ス(5−t−ブチル−1’−ヒドロキシ−2,2’−ビ
フェニレンフォスフィネート)、マグネシウム−ビス
(1’−ヒドロキシ−4’−t−ブチル−2,2’−ビ
フェニレンフォスフィネート)、マグネシウム−ビス
(1’−ヒドロキシ−6’−t−ブチル−2,2’−ビ
フェニレンフォスフィネート)、マグネシウム−ビス
(5,6’−ジ−t−ブチル−1’−ヒドロキシ−2,
2’−ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシウム
−ビス(5,4’−ジ−t−ブチル−1’−ヒドロキシ
−2,2’−ビフェニレンフォスフィネート)、マグネ
シウム−ビス(5,5’−ジ−t−ブチル−1’−ヒド
ロキシ−2,2’−ビフェニレンフォスフィネート)、
マグネシウム−ビス(6,4’−ジ−t−ブチル−1’
−ヒドロキシ−2,2’−ビフェニレンフォスフィネー
ト)、マグネシウム−ビス(1’−ヒドロキシ−4’,
6’−ジ−t−ブチル−2,2’−ビフェニレンフォス
フィネート)、マグネシウム−ビス(5,4’,6’−
トリ−t−ブチル−1’−ヒドロキシ−2,2’−ビフ
ェニレンフォスフィネート)、マグネシウム−ビス(5
−t−アミル−1’−ヒドロキシ−2,2’−ビフェニ
レンフォスフィネート)、マグネシウム−ビス(1’−
ヒドロキシ−4’−t−アミル−2,2’−ビフェニレ
ンフォスフィネート)、マグネシウム−ビス(1’−ヒ
ドロキシ−6’−t−アミル−2,2’−ビフェニレン
フォスフィネート)、マグネシウム−ビス(1’−ヒド
ロキシ−4’,6’−ジ−t−アミル−2,2’−ビフ
ェニレンフォスフィネート)、マグネシウム−ビス
(5,4’,6’−トリ−t−アミル−1’−ヒドロキ
シ−2,2’−ビフェニレンフォスフィネート)、マグ
ネシウム−ビス(5−t−オクチル−1’−ヒドロキシ
−2,2’−ビフェニレンフォスフィネート)、マグネ
シウム−ビス(1’−ヒドロキシ−4’−t−オクチル
−2,2’−ビフェニレンフォスフィネート)、マグネ
シウム−ビス(1’−ヒドロキシ−6’−t−オクチル
−2,2’−ビフェニレンフォスフィネート)、マグネ
シウム−ビス(1’−ヒドロキシ−4’,6’−ジ−t
−オクチル−2,2’−ビフェニレンフォスフィネー
ト)、マグネシウム−ビス(5,4’,6’−トリ−t
−オクチル−1’−ヒドロキシ−2,2’−ビフェニレ
ンフォスフィネート)、マグネシウム−ビス(5−シク
ロヘキシル−1’−ヒドロキシ−2,2’−ビフェニレ
ンフォスフィネート)、マグネシウム−ビス(1’−ヒ
ドロキシ−4’−シクロヘキシル−2,2’−ビフェニ
レンフォスフィネート)、マグネシウム−ビス(1’−
ヒドロキシ−6’−シクロヘキシル−2,2’−ビフェ
ニレンフォスフィネート)、マグネシウム−ビス(1’
−ヒドロキシ−4’,6’−ジ−シクロヘキシル−2,
2’−ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシウム
−ビス(5,4’,6’−トリ−シクロヘキシル−1’
−ヒドロキシ−2,2’−ビフェニレンフォスフィネー
ト)、マグネシウム−ビス(1’−ヒドロキシ−4’−
フェニル−2,2’−ビフェニレンフォスフィネー
ト)、マグネシウム−ビス(5−ベンジル−1’−ヒド
ロキシ−2,2’−ビフェニレンフォスフィネート)、
マグネシウム−ビス(1’−ヒドロキシ−4’−ベンジ
ル−2,2’−ビフェニレンフォスフィネート)、マグ
ネシウム−ビス(1’−ヒドロキシ−6’−ベンジル−
2,2’−ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシ
ウム−ビス(1’−ヒドロキシ−4’,6’−ジ−ベン
ジル−2,2’−ビフェニレンフォスフィネート)、マ
グネシウム−ビス(5,4’,6’−トリ−ベンジル−
1’−ヒドロキシ−2,2’−ビフェニレンフォスフィ
ネート)、マグネシウム−ビス[5−(α−メチルベン
ジル)−1’−ヒドロキシ−2,2’−ビフェニレンフ
ォスフィネート]、マグネシウム−ビス[1’−ヒドロ
キシ−4’−(α−メチルベンジル)−2,2’−ビフ
ェニレンフォスフィネート]、マグネシウム−ビス
[1’−ヒドロキシ−6’−(α−メチルベンジル)−
2,2’−ビフェニレンフォスフィネート]、マグネシ
ウム−ビス[1’−ヒドロキシ−4’,6’−ジ(α−
メチルベンジル)−2,2’−ビフェニレンフォスフィ
ネート]、マグネシウム−ビス[5,4’,6’−トリ
(α−メチルベンジル)−1’−ヒドロキシ−2,2’
−ビフェニレンフォスフィネート]、マグネシウム−ビ
ス[5,4’−ジ(α,α−ジメチルベンジル)−1’
−ヒドロキシ−2,2’−ビフェニレンフォスフィネー
ト]、マグネシウム−ビス(1’−ヒドロキシ−4’−
t−ブチル−6’−メチル−2,2’−ビフェニレンフ
ォスフィネート)、マグネシウム−ビス(1’−ヒドロ
キシ−4’−ベンジル−6’−メチル−2,2’−ビフ
ェニレンフォスフィネート)、マグネシウム−ビス
(1’−ヒドロキシ−4’−シクロヘキシル−6’−t
−ブチル−2,2’−ビフェニレンフォスフィネー
ト)、マグネシウム−ビス(1’−ヒドロキシ−4’−
ベンジル−6’−t−ブチル−2,2’−ビフェニレン
フォスフィネート)、マグネシウム−ビス[1’−ヒド
ロキシ−4’−(α−メチルベンジル)−6’−t−ブ
チル−2,2’−ビフェニレンフォスフィネート]、マ
グネシウム−ビス(1’−ヒドロキシ−4’−t−ブチ
ル−6’−シクロヘキシル−2,2’−ビフェニレンフ
ォスフィネート)、マグネシウム−ビス(1’−ヒドロ
キシ−4’−ベンジル−6’−シクロヘキシル−2,
2’−ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシウム
−ビス(1’−ヒドロキシ−4’−t−ブチル−6’−
ベンジル−2,2’−ビフェニレンフォスフィネー
ト)、マグネシウム−ビス(1’−ヒドロキシ−4’−
シクロヘキシル−6’−ベンジル−2,2’−ビフェニ
レンフォスフィネート)、マグネシウム−ビス(5,
4’−ジ−t−ブチル−6’−ベンジル−1’−ヒドロ
キシ−2,2’−ビフェニレンフォスフィネート)およ
びマグネシウム−ビス(5,4’−ジシクロヘキシル−
6’−ベンジル−1’−ヒドロキシ−2,2’−ビフェ
ニレンフォスフィネート)などを例示できる。これらマ
グネシウム化合物の単独使用はもちろんのこと2種以上
のマグネシウム化合物を併用することもできる。
【0063】これら環状リン化合物とマグネシウム化合
物との混合物の重量比率は特に限定されないが、通常環
状リン化合物1重量部に対してマグネシウム化合物を
0.01〜100重量部、好ましくは0.1〜10重量
部の比率である。
【0064】本発明で用いられるβ結晶核剤として前述
の一般式(8)で示される環状リン化合物としては、
9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフ
ェナンスレン−10−オキサイド、1−メチル−9,1
0−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナン
スレン−10−オキサイド、2−メチル−9,10−ジ
ヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン
−10−オキサイド、6−メチル−9,10−ジヒドロ
−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10
−オキサイド、7−メチル−9,10−ジヒドロ−9−
オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキ
サイド、8−メチル−9,10−ジヒドロ−9−オキサ
−10−フォスファフェナンスレン−10−オキサイ
ド、6,8−ジメチル−9,10−ジヒドロ−9−オキ
サ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキサイ
ド、2,6,8−トリメチル−9,10−ジヒドロ−9
−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オ
キサイド、2−エチル−9,10−ジヒドロ−9−オキ
サ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキサイ
ド、6−エチル−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−1
0−フォスファフェナンスレン−10−オキサイド、8
−エチル−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フ
ォスファフェナンスレン−10−オキサイド、6,8−
ジエチル−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フ
ォスファフェナンスレン−10−オキサイド、2,6,
8−トリエチル−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−1
0−フォスファフェナンスレン−10−オキサイド、2
−i−プロピル−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−1
0−フォスファフェナンスレン−10−オキサイド、6
−i−プロピル−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−1
0−フォスファフェナンスレン−10−オキサイド、8
−i−プロピル−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−1
0−フォスファフェナンスレン−10−オキサイド、
6,8−ジ−i−プロピル−9,10−ジヒドロ−9−
オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキ
サイド、2,6,8−トリ−i−プロピル−9,10−
ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレ
ン−10−オキサイド、2−s−ブチル−9,10−ジ
ヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン
−10−オキサイド、6−s−ブチル−9,10−ジヒ
ドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−
10−オキサイド、8−s−ブチル−9,10−ジヒド
ロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−1
0−オキサイド、1,8−ジ−s−ブチル−9,10−
ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレ
ン−10−オキサイド、2,6,8−トリ−s−ブチル
−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファ
フェナンスレン−10−オキサイド、2−t−ブチル−
9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフ
ェナンスレン−10−オキサイド、6−t−ブチル−
9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフ
ェナンスレン−10−オキサイド、8−t−ブチル−
9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフ
ェナンスレン−10−オキサイド、1,6−ジ−t−ブ
チル−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォス
ファフェナンスレン−10−オキサイド、2,6−ジ−
t−ブチル−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−
フォスファフェナンスレン−10−オキサイド、2,7
−ジ−t−ブチル−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−
10−フォスファフェナンスレン−10−オキサイド、
2,8−ジ−t−ブチル−9,10−ジヒドロ−9−オ
キサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキサ
イド、6,8−ジ−t−ブチル−9,10−ジヒドロ−
9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10−
オキサイド、2,6,8−トリ−t−ブチル−9,10
−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンス
レン−10−オキサイド、2−t−アミル−9,10−
ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレ
ン−10−オキサイド、6−t−アミル−9,10−ジ
ヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン
−10−オキサイド、8−t−アミル−9,10−ジヒ
ドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−
10−オキサイド、6,8−ジ−t−アミル−9,10
−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンス
レン−10−オキサイド、2,6,8−トリ−t−アミ
ル−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスフ
ァフェナンスレン−10−オキサイド、2−t−オクチ
ル−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスフ
ァフェナンスレン−10−オキサイド、6−t−オクチ
ル−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスフ
ァフェナンスレン−10−オキサイド、8−t−オクチ
ル−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスフ
ァフェナンスレン−10−オキサイド、6,8−ジ−t
−オクチル−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−
フォスファフェナンスレン−10−オキサイド、2,
6,8−トリ−t−オクチル−9,10−ジヒドロ−9
−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オ
キサイド、2−シクロヘキシル−9,10−ジヒドロ−
9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10−
オキサイド、6−シクロヘキシル−9,10−ジヒドロ
−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10
−オキサイド、8−シクロヘキシル−9,10−ジヒド
ロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−1
0−オキサイド、6,8−ジ−シクロヘキシル−9,1
0−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナン
スレン−10−オキサイド、2,6,8−トリ−シクロ
ヘキシル−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フ
ォスファフェナンスレン−10−オキサイド、6−フェ
ニル−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォス
ファフェナンスレン−10−オキサイド、2−ベンジル
−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファ
フェナンスレン−10−オキサイド、6−ベンジル−
9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフ
ェナンスレン−10−オキサイド、8−ベンジル−9,
10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナ
ンスレン−10−オキサイド、6,8−ジ−ベンジル−
9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフ
ェナンスレン−10−オキサイド、2,6,8−トリ−
ベンジル−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フ
ォスファフェナンスレン−10−オキサイド、2−(α
−メチルベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ
−10−フォスファフェナンスレン−10−オキサイ
ド、6−(α−メチルベンジル)−9,10−ジヒドロ
−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10
−オキサイド、8−(α−メチルベンジル)−9,10
−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンス
レン−10−オキサイド、6,8−ジ(α−メチルベン
ジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォ
スファフェナンスレン−10−オキサイド、2,6,8
−トリ(α−メチルベンジル)−9,10−ジヒドロ−
9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10−
オキサイド、2,6−ジ(α,α−ジメチルベンジル)
−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファ
フェナンスレン−10−オキサイド、6−t−ブチル−
8−メチル−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−
フォスファフェナンスレン−10−オキサイド、6−ベ
ンジル−8−メチル−9,10−ジヒドロ−9−オキサ
−10−フォスファフェナンスレン−10−オキサイ
ド、6−シクロヘキシル−8−t−ブチル−9,10−
ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレ
ン−10−オキサイド、6−ベンジル−8−t−ブチル
−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファ
フェナンスレン−10−オキサイド、6−(α−メチル
ベンジル)−8−t−ブチル−9,10−ジヒドロ−9
−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オ
キサイド、6−t−ブチル−8−シクロヘキシル−9,
10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナ
ンスレン−10−オキサイド、6−ベンジル−8−シク
ロヘキシル−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−
フォスファフェナンスレン−10−オキサイド、6−t
−ブチル−8−ベンジル−9,10−ジヒドロ−9−オ
キサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキサ
イド、6−シクロヘキシル−8−ベンジル−9,10−
ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレ
ン−10−オキサイド、2,6−ジ−t−ブチル−8−
ベンジル−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フ
ォスファフェナンスレン−10−オキサイドおよび2,
6−ジシクロヘキシル−8−ベンジル−9,10−ジヒ
ドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−
10−オキサイドなどを例示できる。これら環状リン化
合物の単独使用はもちろんのこと2種以上の環状リン化
合物を併用することもできる。
【0065】本発明で用いられるβ結晶核剤として前述
の一般式(8)で示される環状リン化合物と併用するマ
グネシウム化合物としては、上述の各種マグネシウムフ
ォスフィネート系化合物、硫酸マグネシウム、塩基性硫
酸マグネシウム(マグネシウムオキシサルフェート)、
タルクなどを例示できる。これらマグネシウム化合物の
単独使用はもちろんのこと2種以上のマグネシウム化合
物を併用することもできる。
【0066】これら環状リン化合物とマグネシウム化合
物との混合物の重量比率は特に限定されないが、通常環
状リン化合物1重量部に対してマグネシウム化合物を
0.01〜100重量部、好ましくは0.1〜10重量
部の比率である。
【0067】本発明で用いられるβ結晶核剤として請求
項7に記載のジカルボン酸のカルボン酸基としては、例
えば、プロピオン酸、吉草酸、ヘキサン酸、オクタン
酸、デカン酸、ラウリン酸、パルチミン酸、ステアリン
酸、ピメリン酸等が挙げられる。
【0068】上記核剤の更なる他の具体例としては、γ
−キナクリドンまたはその誘導体、及びジカルボン酸の
カルシウム塩から選ばれる少なくとも1種が挙げられ
る。
【0069】上述の如く例示された、本発明におけるβ
結晶を誘導可能な核剤のなかでも特に好ましくは、アジ
ピン酸ジアニリド、スベリン酸ジアニリド、N,N’−
ジシクロヘキシルテレフタルアミド、N,N’−ジシク
ロヘキシル−1,4−シクロヘキサンジカルボキシアミ
ド、N,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレン
ジカルボキシアミド、N,N’−ジシクロヘキシル−
4,4’−ビフェニルジカルボキシアミド、N,N’−
ビス(p−メチルフェニル)ヘキサンジアミド、N,
N’−ビス(p−エチルフェニル)ヘキサンジアミド、
N,N’−ビス(4−シクロヘキシルフェニル)ヘキサ
ンジアミド、p−(N−シクロヘキサンカルボニルアミ
ノ)安息香酸シクロヘキシルアミド、δ−(N−ベンゾ
イルアミノ)−n−吉草酸アニリド、3,9−ビス[4
−(N−シクロヘキシルカルバモイル)フェニル]−
2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウン
デカン、N,N’−ジシクロヘキサンカルボニル−p−
フェニレンジアミン、N,N’−ジベンゾイル−1,5
−ジアミノナフタレン、N,N’−ジベンゾイル−1,
4−ジアミノシクロヘキサン、N,N’−ジシクロヘキ
サンカルボニル−1,4−ジアミノシクロヘキサン、1
0−ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−1
0−フォスファフェナンスレン−10−オキサイドとス
テアリン酸マグネシウムとの混合物、10−ヒドロキシ
−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファ
フェナンスレン−10−オキサイドと(モノ,ジミック
スド)ステアリルリン酸マグネシウムとの混合物、10
−ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10
−フォスファフェナンスレン−10−オキサイドと酸化
マグネシウムとの混合物、10−ヒドロキシ−9,10
−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンス
レン−10−オキサイドと水酸化マグネシウムとの混合
物、10−ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキ
サ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキサイ
ドと炭酸マグネシウムとの混合物、10−ヒドロキシ−
9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフ
ェナンスレン−10−オキサイドと10−ヒドロキシ−
9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフ
ェナンスレン−10−オキサイドのマグネシウム塩との
混合物、10−ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ−9−
オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキ
サイドとマグネシウム−ビス(1’−ヒドロキシ−2,
2’−ビフェニレンフォスフィネート)との混合物、
9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフ
ェナンスレン−10−オキサイドと硫酸マグネシウムと
の混合物、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フ
ォスファフェナンスレン−10−オキサイドとタルクと
の混合物若しくは9,10−ジヒドロ−9−オキサ−1
0−フォスファフェナンスレン−10−オキサイドとマ
グネシウム−ビス(1’−ヒドロキシ−2,2’−ビフ
ェニレンフォスフィネート)との混合物、ステアリン酸
カルシウム、γ−キナクリドンである。
【0070】本発明における上記β結晶を誘導可能な核
剤の含有量としては、特に限定されないが、ポリプロピ
レン系樹脂及び層状珪酸塩の合計量100重量部に対
し、0.1〜10重量部であることが好ましい。
【0071】本発明において、樹脂−層状珪酸塩複合材
料を作製するにあたっては、各成分は、一括混合されて
もよく、分割して混合されてもよい。分割して混合する
場合、前記層状珪酸塩と前記β結晶を誘導可能な核剤と
を混合した後ポリプロピレン系樹脂と混合するか、又
は、前記ポリプロピレン系樹脂と前記β結晶を誘導可能
な核剤とを混合した後前記層状珪酸塩を混合することが
好ましい。この場合、層状珪酸塩又はポリエチレン系樹
脂の表面にβ結晶を誘導可能な核剤が効率的に水素結合
により、あるいは吸着により固定され、より効果的に物
性を発現させることができる。また、成分を一括混合す
る方法(インテグラルブレンド法)は、操作が単純であ
るため、好ましい。
【0072】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施例及
び比較例を挙げることにより本発明をより詳細に説明す
る。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるもので
はない。
【0073】(用いた原材料) (1)有機化層状珪酸塩 有機化層状珪酸塩として、層間にカチオン系界面活性剤
を含有している以下の市販品を用いた。 (a)DSDM変性モンモリロナイト:豊順鉱業社製D
SDM変性モンモリロナイト(商品名:ニューエスベン
D、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライドによ
りモンモリロナイト層間のナトリウムイオンを全量イオ
ン交換してなる有機化モンモリロナイト) (b)DSDM膨潤性マイカ:コープケミカル社製DS
DM変性膨潤性マイカ(商品名:MAE100、ジステ
アリルジメチルアンモニウムクロライドによりマイカの
層間のナトリウムイオンを全量イオン交換してなる有機
化膨潤性マイカ)
【0074】(2)ポリプロピレン系樹脂 ポリプロピレン樹脂として、以下の市販品を用いた。 (a)ポリプロピレン(日本ポリケム社製、商品名:E
A−9、密度0.91、MFR(メルトフローレイト)
=0.5)
【0075】(3)酸変性ポリプロピレン樹脂 熱可塑性樹脂と層状珪酸塩との親和性を高めるために、
以下の酸変性ポリプロピレン樹脂を用いた。 (a)無水マレイン酸変性ポリプロピレンオリゴマー
(三洋化成社製、商品名:ユーメックス1001、官能
基含有量=0.23mモル/g)
【0076】(4)β結晶核剤 ポリプロピレンのβ結晶を誘導可能な結晶核剤として、
以下の核剤を用いた。 (a) N−N'−ジシクロヘキシル−1,4−シクロヘキ
サンジカルボキシアミド (b) N−N'−ジシクロヘキシル−4,4−ビフェニル
ジカルボキシアミド (c) N−N'−ビス(p−メチルフェニル)ヘキサンジ
アミド (d) δ−(N−ベンゾイルアミノ)−n−吉草酸アニ
リド (e) N−N'−ジベンゾイル−1,5−ジアミノナフタ
レン (f) フタイログリシンのカルシウム塩(フタイログリ
シンのナトリウム塩に硝酸カルシウムを反応) (g) ステアリン酸カルシウム (h) 10−ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オ
キサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキサ
イドとステアリン酸マグネシウムとの混合物、 (i) 10−ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オ
キサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキサ
イドと酸化マグネシウムとの混合物、 (j) 10−ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オ
キサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキサ
イドと炭酸マグネシウムとの混合物、 (k) 10−ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オ
キサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキサ
イドとマグネシウム−ビス(1'−ヒドロキシ−2,2'
−ビフェニレンフォスフィネート)との混合物、 (l) 9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォス
ファフェナンスレン−10−オキサイドとマグネシウム
−ビス(1'−ヒドロキシ−2,2'−ビフェニレンフォ
スフィネート)との混合物、 (m) γ−キナクリドン (n) N,N−ジカルボン酸エチルメチルアミンのカル
シウム塩(N,N−ジカルボン酸エチルメチルアミンに
硝酸カルシウムを反応)
【0077】(サンプルの作製方法) [実施例1〜19]実施例1〜19では、以下の手順で
評価用サンプルを作製した。
【0078】(A)東洋精機社製ラボプラトスミル中
に、ポリプロピレン(日本ポリケム社製、商品名:EA
9)と、(B)コープケミカル社製、DSDM変性膨潤
性マイカ(商品名:MAE100)または豊潤鉱業社製
DSDM変性モンモリロナイト(商品名:ニューエスベ
ンD)と、(C)無水マレイン酸変性ポリプロピレンオ
リゴマー(三洋化成社製、商品名:ユーメックス100
1)と、(D)前記(a)〜(n)に示したβ結晶核剤のうち
1種類を、重量比で表1に示す配合割合で供給した。
【0079】上記に投入した試剤を、設定温度200に
てN2ガス雰囲気下において10分間溶融混練し、この
ようにして得られた複合材料組成物を溶融状態にて取り
出し、金型内に速やかに仕込み、1分間、100kg/
cm2の圧力で金型内容物を押圧するとともに、室温ま
で金型を急速冷却することにより、1mm厚さのシート
状物を成形した。次いで、該シート状物をペレット状に
ペレタイズした後、シリンダ温度210℃、金型温度8
0℃、60℃、40℃のいずれかの温度において射出成
形を行い、1mm厚さのシート状物を成形し、実施例評
価用サンプルとした。下記の表1に、実施例1〜17の
組成を示す。
【0080】[比較例1〜5]有機化層状珪酸塩または
β結晶核剤を用いず、表1に示す配合物/内容としたこ
と以外は、実施例と同様にして1mm厚さのシート状物
を成形し、比較例評価用サンプルとした。同じく下記表
1に、比較例1〜5の組成を示す。
【0081】(評価方法)上記のようにして得られたシ
ート状物を用い、以下の要領でβ結晶分率、曲げ弾
性率、引張伸び、層間距離、湾曲観察、を評価し
た。評価結果は表2に示した。
【0082】β結晶分率 シート状物から試験片を切り出し、線源として、X線発
生装置(理化電気社製RU−200)のNiフィルター
で単色化したCuKα線を用いて、50kV、150m
Aの条件で、散乱角度(2θ)が10〜30°の範囲で
X線プロファイルを測定した。β結晶分率の算出は、得
られた散乱プロファイルに空気散乱の補正を行った後、
A. Turner Jones et al; Macromol. Chem. 75, 134(196
4)に記載されている方法に従って算出した。具体的に
は、非晶部の散乱を差し引いた後の、α晶の(11
0)、(040)、(130)、β晶の(300)の結
晶部の散乱に対応するピークの高さをそれぞれh〔α〕
(110)、h〔α〕(040)、h〔α〕(13
0)、h〔β〕(300)とし、β結晶分率(k)を下
記の式より算出した。k=h〔β〕(300)/(h〔α〕(110)+h
〔α〕(040)+h〔α〕(130)+h〔β〕(300))
【0083】曲げ弾性率 シート状物から試験片を切り出し、JIS K7207
に準じてテンシロン試験機を用い、曲げ弾性率を測定し
た。
【0084】引張伸び シート状物から試験片を切り出し、JIS K7207
に準じてテンシロン試験機を用い、引張伸びを測定し
た。
【0085】層間距離 X線回折測定装置(リガク社製、RINT1100)を
用い、複合材料中の層状珪酸塩の積層面の回折により得
られる[001]面の2θを測定し、下記のブラックの
回折式を用いて層状珪酸塩の面間隔を算出した。 λ=2d・sinθ なお、λ=1.54であり、dは層状珪酸塩の面間隔を
示し、θは回折角を示す。上記式により得られたdを平
均層間距離とした。
【0086】湾曲観察 ウルトラミクロトームを用いて試料から超薄切片を作製
し、日本電子社製透過型電子顕微鏡(JEM−2000
FX)により層状珪酸塩を観察し、大幅に湾曲している
ものについて湾曲有りとした。
【0087】
【表1】
【表2】
【0088】表1、2から明らかなように、β結晶核剤
を用いた実施例1〜19では、層状珪酸塩の層間距離が
6nm以上であり、層状珪酸塩の湾曲はいずれのサンプ
ルも小さかった。これに対し、有機化層状珪酸塩または
β結晶核剤を用いなかった比較例1〜5では、層状珪酸
塩の平均層間距離が3.5nm以下であり、層状珪酸塩
の湾曲が大きかった。さらに、比較例で得られたサンプ
ルは、対応する実施例で得られたサンプルに比べて、す
なわち同種の層状珪酸塩を用いた場合の比較において、
曲げ弾性率が低く、引張伸びが小さかった。また、結晶
核剤割合をそれぞれ0.05、10とした比較例6およ
び7においても、層状珪酸塩の平均層間距離は3.8n
m以下であり、層状珪酸塩の湾曲が大きく、さらに、曲
げ弾性率が低く、引張伸びが小さかった。
【0089】平均層間距離が大きいことは、層状珪酸塩
の分散度合が大きく、再凝集の割合が小さいことを意味
する。一般に層状珪酸塩が再凝集する際には、層状珪酸
塩の湾曲化も伴うため、実施例および比較例は、β結晶
核剤の使用により、層状珪酸塩の分散がより進行し、ま
た再凝集を抑制する効果を伴うことがわかる。
【0090】さらには、実施例および比較例から明らか
なように、層状珪酸塩の分散度合が大きいほど、層状珪
酸塩の力学的補強効果が高まるため、樹脂−層状珪酸塩
の弾性率は向上する。そしてβ結晶は一般に通常のα結
晶に比べて高い引張伸びを生じることが知られており、
β結晶核剤を層状珪酸塩と併用することにより、層状珪
酸塩の分散による弾性率の向上と、引張伸びの賦与を同
時に達成することが可能となる。以上、実施例および比
較例から、樹脂−層状珪酸塩複合材料におけるβ結晶核
剤使用の有用性は、明らかである。
【0091】
【発明の効果】本発明に係る樹脂−層状珪酸塩複合材料
では、層状珪酸塩の平均層間距離が6nm以上であり、
β結晶を誘導可能な核剤が含有されていることを特徴と
するので、層状珪酸塩による樹脂の改質がより効果的に
行なわれる。すなわち、層状珪酸塩における薄片状結晶
の層間距離が大きく、層状珪酸塩の薄片状結晶の湾曲が
生じ難いので、複合材料の弾性率の向上、耐熱変形温度
の上昇、ガスバリア性の向上、及び難燃性の向上を図る
ことができ、さらにはβ結晶度合の向上により、引張破
断伸びの向上を両立することができる。
【0092】よって、これらの物性バランスの優れた、
従来得られなかった複合材料を提供することが可能とな
る。
【0093】また、本発明に係る樹脂−層状珪酸塩複合
材料の製造方法では、層状珪酸塩と前記β結晶を誘導可
能な核剤とを混合した後ポリプロピレン系樹脂と混合す
るか、又は、前記ポリプロピレン系樹脂と前記β結晶を
誘導可能な核剤とを混合した後前記層状珪酸塩を混合す
るので、層状珪酸塩の結晶薄片表面に結晶核剤がイオン
結合や吸着により固定され、それによって、樹脂の結晶
部分を層状珪酸塩に接した部分から優先的に結合させる
ことができる。従って、本発明に係る物性に優れた複合
材料を確実に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】層状珪酸塩の薄片状結晶の構造を説明するため
の模式図。
【図2】平均層間距離が6nm以上の層状珪酸塩のX線
回折プロファイルを示す図。
【図3】平均層間距離が6nm未満の層状珪酸塩のX線
回折プロファイルを示す図。
【図4】層状珪酸塩の分散率と、複合材料の弾性率との
関係を示す図。
【符号の説明】
1…層状珪酸塩 A…薄片状結晶 B…結晶表面
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成15年4月15日(2003.4.1
5)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0085
【補正方法】変更
【補正内容】
【0085】層間距離 X線回折測定装置(リガク社製、RINT1100)を
用い、複合材料中の層状珪酸塩の積層面の回折により得
られる[001]面の2θを測定し、下記のブラックの
回折式を用いて層状珪酸塩の面間隔を算出した。 λ=2d・sinθ なお、λ=0.154であり、dは層状珪酸塩の面間隔
を示し、θは回折角を示す。上記式により得られたdを
平均層間距離とした。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F070 AA15 AC22 AC27 AC42 AC55 AD01 AE01 AE30 FA03 FB07 FC05 4G073 BB12 BB13 BB34 BB37 BB64 BB71 BD16 CA06 CM07 CM10 CM14 CM15 CM19 CM20 CM21 CM22 CN03 CP01 GA03 GA26 4J002 BB121 BB141 DJ006 DJ056 EG057 EG097 EP027 EU017 EW117 EW127 EW137 FB086 FB097 FB236 FB237

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリプロピレン系樹脂、層状珪酸塩及び
    ポリプロピレンのβ結晶を誘導可能な核剤とからなり、
    X線回折測定により検出される層状珪酸塩の平均層間距
    離が6nm以上であることを特徴とする樹脂−層状珪酸
    塩複合材料。
  2. 【請求項2】 前記β結晶を誘導可能な核剤が、下記一
    般式(1)又は一般式(2)で示されるアミド系化合物
    であることを特徴とする請求項1記載の樹脂−層状珪酸
    塩複合材料。 【化1】 [式中、R1は炭素数1〜28の飽和或いは不飽和の脂
    肪族、脂環族又は芳香族のジカルボン酸残基を表し、R
    2、R3は同一又は異なって、炭素数3〜18のシクロア
    ルキル基、シクロアルケニル基、 【化2】、 【化3】、 【化4】 又は 【化5】 で示される基を表す。R4、R5は炭素数1〜12の直鎖
    状或いは分岐鎖状のアルキル基、アルケニル基、シクロ
    アルキル基又はフェニルを表し、R6、R7は炭素数1〜
    4の直鎖状或いは分岐鎖状のアルキレン基を表す。] 【化6】 [式中、R8は炭素数1〜28の飽和或いは不飽和の脂
    肪族、脂環族又は芳香族のアミノ酸残基を表し、R9
    10は同一又は異なって、炭素数3〜18のシクロアル
    キル基、シクロアルケニル基、 【化7】、 【化8】、 【化9】 又は 【化10】 で示される基を表す。R11は水素原子、炭素数1〜12
    の直鎖状或いは分岐鎖状のアルキル基、アルケニル基、
    シクロアルキル基又はフェニル基を表し、R12は炭素数
    1〜12の直鎖状或いは分岐鎖状のアルキル基、アルケ
    ニル基、シクロアルキル基又はフェニル基を表す。
    13、R14は炭素数1〜4の直鎖状或いは分岐鎖状のア
    ルキレン基を表す。]
  3. 【請求項3】 前記β結晶を誘導可能な核剤が、下記一
    般式(3)で示されるアミド系化合物であることを特徴
    とする請求項1又は2記載の樹脂−層状珪酸塩複合材
    料。 【化11】 [式中、R15は炭素数1〜24の脂肪族ジアミン残基、
    脂環族ジアミン残基又は芳香族ジアミン残基(但し、キ
    シリレンジアミン残基を除く。)を表し、R16、R17
    同一又は異なって炭素数3〜14のシクロアルキル基、
    シクロアルケニル基、 【化12】、 【化13】、 【化14】 又は 【化15】 で示される基を表す。R18、R19は水素原子或いは炭素
    数1〜4の直鎖状或いは分岐鎖状のアルキル基、アルケ
    ニル基を表し、R20、R21は炭素数1〜3の直鎖状或い
    は分岐鎖状のアルキレン基を表す。]
  4. 【請求項4】 前記β結晶を誘導可能な核剤が、下記一
    般式(4)で示されるイミド酸のIIa族金属塩である
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載の樹脂
    −層状珪酸塩複合材料。 【化16】 [ここで、R22は水素原子、炭素数1〜12の直鎖状ま
    たは分岐状の脂肪族炭化水素含有基、フェニル基、ベン
    ジル基、シクロヘキシル基またはカルボキシル基を表
    し、aは0〜12の数であり、Aは二価の基を表す。]
  5. 【請求項5】 前記β結晶を誘導可能な核剤が、脂肪酸
    のIIa族金属塩であることを特徴とする請求項1〜4
    の何れか1項記載の樹脂−層状珪酸塩複合材料。
  6. 【請求項6】 前記β結晶を誘導可能な核剤が、下記一
    般式(5)で示される環状リン化合物 【化17】 と、脂肪酸マグネシウム、脂肪族リン酸マグネシウム、
    酸化マグネシウム、水酸化マグネシウムまたは炭酸マグ
    ネシウム、下記一般式(6) 【化18】 で示される環状リン化合物のマグネシウム塩、下記一般
    式(7) 【化19】 で示されるマグネシウムフォスフィネート系化合物から
    選ばれる少なくとも1種からなる核剤組成物、及び/又
    は、下記一般式(8) 【化20】 で示される環状リン化合物と、下記一般式(7) 【化21】 で示されるマグネシウムフォスフィネート系化合物、硫
    酸マグネシウム及びタルクから選ばれる少なくとも1種
    からなる核剤組成物であることを特徴とする請求項1〜
    5の何れか1項記載の樹脂−層状珪酸塩複合材料。[式
    中、Ar1〜Ar8はアリーレン基、アルキルアリーレン
    基、シクロアルキルアリーレン基、アリールアリーレン
    基またはアラールキルアリーレン基をそれぞれ示す。]
  7. 【請求項7】 前記β結晶を誘導可能な核剤が、γ−キ
    ナクリドンまたはその誘導体、およびジカルボン酸のカ
    ルシウム塩から選ばれる少なくとも1種であることを特
    徴とする請求項1〜6の何れか1項記載の樹脂−層状珪
    酸塩複合材料。
  8. 【請求項8】 前記層状珪酸塩が、膨潤性スメクタイト
    系粘土鉱物及び/又は膨潤性雲母であることを特徴とす
    る請求項1〜7の何れか1項記載の樹脂−層状珪酸塩複
    合材料。
  9. 【請求項9】 前記ポリプロピレン系樹脂が、プロピレ
    ン単独重合体及び/又はプロピレン−α−オレフィン共
    重合体であることを特徴とする請求項1〜8の何れか1
    項記載の樹脂−層状珪酸塩複合材料。
  10. 【請求項10】 前記β結晶を誘導可能な核剤と、前記
    層状珪酸塩が化学結合または水素結合していることを特
    徴とする請求項1〜9の何れか1項記載の樹脂−層状珪
    酸塩複合材料。
  11. 【請求項11】 前記β結晶を誘導可能な核剤と、前記
    ポリプロピレン系樹脂が化学結合または水素結合してい
    ることを特徴とする請求項1〜12の何れか1項記載の
    樹脂−層状珪酸塩複合材料。
  12. 【請求項12】 前記層状珪酸塩と前記β結晶を誘導可
    能な核剤とを混合した後、ポリプロピレン系樹脂と混合
    することを特徴とする請求項1〜11の何れか1項記載
    の樹脂−層状珪酸塩複合材料の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記ポリプロピレン系樹脂と前記β結
    晶を誘導可能な核剤とを混合した後、前記層状珪酸塩を
    混合することを特徴とする請求項1〜11の何れか1項
    記載の樹脂−層状珪酸塩複合材料の製造方法。
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