JP3539526B2 - 結晶性プロピレン重合体組成物 - Google Patents

結晶性プロピレン重合体組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、結晶性プロピレン重合体組成物に関し、特に靭性に優れた成形品が得られる結晶性プロピレン重合体組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に結晶性プロピレン重合体は比較的安価でかつ優れた機械的性質を有するので、射出成形品、中空成形品、フィルム、シート、繊維など各種の成形品の製造に用いられている。しかしながら各種の具体的用途によっては、機械的性質、とりわけ靭性が充分とはいえない場合があり、その具体的用途の拡大に制限を受けるという問題がある。
【0003】
一方、特開平5−9225号公報、特開平5−9226号公報および特開平5−32723号公報には、剛性および耐熱性を改善する目的で昇温分別法での主溶出ピークの位置(Tmax)が117.0℃または118.0℃以上、すなわちクロス分別の比(Cf)が1.0未満で、かつそのピークの半値幅(σ)が3.4度若しくは4.0度未満であるプロピレン重合体を含有するポリプロピレン系樹脂が提案され、またこの樹脂には造核剤を必要に応じて配合してもよいことが記載されている。
【0004】
また、特開平7−10932号公報には、剛性および耐熱性を改善する目的でオルソジクロルベンゼンの温度を連続的にまたは段階的に昇温して各温度に対するプロピレン重合体の溶解量を測定したときに、120℃〜135℃の温度においてオルソジクロルベンゼンに溶解するプロピレン重合体の重量百分率が、下記式(I)
(40−15logMFR)×100 …(I)
(式中、MFRはプロピレン重合体のメルトフローレートを示す。)で求められる値以上、すなわちクロス分別の比(Cf)が9.0以下であるプロピレン重合体が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の結晶性プロピレン重合体は靭性についてはまだ充分満足できるものではなかった。
本発明者らは、結晶性プロピレン重合体組成物に関する上述の課題、すなわち靭性の改善された成形品を与える結晶性プロピレン重合体組成物を得るべく鋭意研究した。
その結果、本発明者らは特定の結晶性プロピレン重合体にβ晶造核剤の特定量を配合してなる結晶性プロピレン重合体組成物が、靭性を改善した成形品を与える組成物であることを見い出し、この知見に基づき本発明を完成した。
【0006】
なお、前記各特開平公報には、特定のクロス分別の比(Cf)のプロピレン重合体に造核剤を添加することは記載されているが、該クロス分別の比(Cf)が0.5以下であるプロピレン重合体に造核剤としてβ晶造核剤を配合させること、およびこのような造核剤を配合したポリプロピレン系樹脂組成物から得られる成形品の靭性が向上することについてはなんら記載も示唆もない。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本願で特許請求する発明は以下のとおりである。
(1)溶出温度 112 ℃未満と 112 ℃以上における溶出量の積算値をそれぞれA、BとしたときのA/Bで定義され、分子内立体規則性及び分子量分布の指標であるクロス分別の比(Cf=A/B)が0.5以下である結晶性プロピレン単独重合体100重量部に対して、β晶造核剤を0.0001〜1重量部配合してなる結晶性プロピレン重合体組成物。
(2)β晶造核剤がγ−キナクリドン、下記(1)〜(3)で示されるアミド系化合物、下記一般式(1)で示される環状リン化合物と下記(4)〜(8)から選ばれた1種または2種以上のマグネシウム化合物との混合物、および下記一般式(4)で示される環状リン化合物と下記(8)〜(9)から選ばれた1種または2種以上のマグネシウム化合物との混合物から選ばれた少なくとも1種である前記(1)記載の結晶性プロピレン重合体組成物。
(1)R−(R)NCO−R−CON(R)−R
(2)R−CONH−R−CONH−R
(3)R10−CONH−R−NHCO−R11
(4)脂肪酸マグネシウム
(5)脂肪族リン酸マグネシウム
(6)酸化マグネシウム、水酸化マグネシウムまたは炭酸マグネシウム
(7)下記一般式(2)で示される環状リン化合物のマグネシウム塩
(8)下記一般式(3)で示されるマグネシウムフォスフィネート系化合物
(9)硫酸マグネシウムまたはタルク
【0008】
【化5】
Figure 0003539526
【0009】
【化6】
Figure 0003539526
【0010】
【化7】
Figure 0003539526
【0011】
【化8】
Figure 0003539526
【0012】
[式中、R1が炭素数1〜28の飽和若しくは不飽和の脂肪族、脂環族、または3,9-ビス(フェニル-4-イル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンを除く芳香族のジカルボン酸残基を示す場合、R2およびR4は水素を、R3およびR5は同一または異なって、炭素数3〜18のシクロアルキル基若しくはシクロアルケニル基、フェニル基、炭素数7〜18のアルキルフェニル基、アルケニルフェニル基、シクロアルキルフェニル基、ビフェニル基、アルキルシクロヘキシル基、アルケニルシクロヘキシル基、シクロアルキルシクロヘキシル基若しくはフェニルシクロヘキシル基、または炭素数7〜10のフェニルアルキル基若しくはシクロヘキシルアルキル基をそれぞれ示し、R1が3,9-ビス(フェニル-4-イル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンを示す場合、R2〜R5は同一または異なって、水素、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、またはR2およびR3、R4およびR5はそれぞれのω-端で相互に結合し共同してアルキレン基をそれぞれ示し、
6は炭素数1〜28の飽和若しくは不飽和の脂肪族、脂環族または芳香族のアミノ酸残基を、R7およびR8は同一または異なって、炭素数3〜18のシクロアルキル基若しくはシクロアルケニル基、フェニル基、炭素数7〜18のアルキルフェニル基、アルケニルフェニル基、シクロアルキルフェニル基、ビフェニル基、アルキルシクロヘキシル基、アルケニルシクロヘキシル基、シクロアルキルシクロヘキシル基若しくはフェニルシクロヘキシル基、または炭素数7〜10のフェニルアルキル基若しくはシクロヘキシルアルキル基をそれぞれ示し、
9は炭素数1〜24の脂肪族ジアミン残基、脂環族ジアミン残基または芳香族ジアミン残基(ただし、キシリレンジアミン残基を除く)を、R10およびR11は同一または異なって、炭素数3〜14のシクロアルキル基若しくはシクロアルケニル基、フェニル基、炭素数7〜10のアルキルフェニル基若しくはアルケニルフェニル基、または炭素数7〜9のフェニルアルキル基若しくはシクロヘキシルアルキル基をそれぞれ示し、
Ar1〜Ar8はアリーレン基、アルキルアリーレン基、シクロアルキルアリーレン基、アリールアリーレン基またはアラールキルアリーレン基をそれぞれ示す。]本発明で用いる結晶性プロピレン単独重合体は、分子内立体規則性および分子量分布の指標であるクロス分別の比(Cf)が0.5以下(好ましくは0.1〜0.4)である結晶性プロピレン単独重合体である。ここで、Cf値とはクロス分別法での溶出温度112℃未満と112℃以上における溶出成分量の積算値の比で、この比が小さいほど立体規則性は高くなり、分子量分布は狭くなる。Cf値が本発明で規定する0.5 より大きい場合は、成形品の靭性が低下し、本発明の目的を達成することができない。
【0013】
また、本発明で用いる結晶性プロピレン単独重合体のメルトフローレート(230℃における荷重21.18Nを加えた場合の10分間の溶融樹脂の吐出量、以下MFRと略記する)は通常0.01〜1000g/10分、好ましくは0.05〜500g/10分、最も好ましくは0.1〜350g/10分である。
本発明で用いる結晶性プロピレン単独重合体は高立体規則性触媒、例えばマグネシウム、チタン、ハロゲンおよび多価カルボン酸エステルを含む固体触媒成分と有機アルミニウム化合物および電子供与体とを用いた高立体規則性触媒(特開平3−220207号公報、特開平4−103604号公報参照)、またはメタロセン化合物等の高立体規則性触媒(特開平3−12406号公報、特願平7−136425号公報等参照)の存在下に、プロピレンを1段階以上で重合させることによって得ることができる。該重合は連続式でもバッチ式でもよく、またn-ヘキサン、n-ヘプタン、n-オクタン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素溶媒中で行うスラリー重合、液化プロピレン中で行うバルク重合および気相重合でもよい。
【0014】
前記メタロセン化合物としては、たとえば、一般式Q(C54-m1 m)(C54-n2)MXY[式中、(C54-m1 m)および(C54-n2 n)は置換シクロペンタジエニル基を示し、mおよびnは1〜3の整数であり、R1およびR2は同一若しくは異なっていてもよく、そしてそれぞれは炭素数1〜20の炭化水素基、ケイ素含有炭化水素基またはシクロペンタジエニル環上の2個の炭素原子と結合して炭化水素で置換されていてもよい一つ以上の炭化水素環を形成している炭化水素基を示し、Qは(C54-m1 m)および(C54-n2 n)を架橋可能な基であって、2価の炭化水素基、非置換シリレン基若しくは炭化水素置換シリレン基であり、Mはチタン、ジルコニウムおよびハフニウムからなる群から選ばれる遷移金属を示し、XおよびYは同一若しくは異なっていてもよく、そしてそれぞれは水素、ハロゲン若しくは炭化水素基を示す]で表されるキラルな遷移金属化合物、およびアルミノキサン若しくはメチルアルミノキサンが挙げられる。
【0015】
このような一般式で表されるメタロセン化合物は、具体的にはrac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジメチル、rac-エチレン-ビス(2-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロインデニル)ハフニウムジクロライド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-フェニルインデニル)ジルコニウムジクロライド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-フェニルインデニル)ジルコニウムジメチル、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-フェニルインデニル)ハフニウムジクロライド、ジメチルシリレン(2,4-ジメチルシクロペンタジエニル)(3',5'-ジメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(2,4-ジメチルシクロペンタジエニル)(3',5'-ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(2,4-ジメチルシクロペンタジエニル)(3',5'-ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ジメチルシリレン(2,4-ジメチルシクロペンタジエニル)(3',5'-ジメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ジメチルシリレン(2,4-ジメチルシクロペンタジエニル)(3',5'-ジメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジメチル、ジメチルシリレン(2,3,5-トリメチルシクロペンタジエニル)(2',4',5'-トリメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(2,3,5-トリメチルシクロペンタジエニル)(2',4',5'-トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(2,3,5-トリメチルシクロペンタジエニル)(2',4',5'-トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ジメチルシリレン(2,3,5-トリメチルシクロペンタジエニル)(2',4',5'-トリメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ジメチルシリレン(2,3,5-トリメチルシクロペンタジエニル)(2',4',5'-トリメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジメチルなどが挙げられる。このなかで特に好ましいのは、ハロゲン化ハフニウム化合物およびハロゲン化ジルコニウム化合物であり、最も好ましいのはハロゲン化ハフニウム化合物である。
【0016】
このようなメタロセン化合物の代表的な合成方法はジメチルシリレン(2,4-ジメチルシクロペンタジエニル)(3',5'-ジメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライドを例にとって示すと以下のようになる。すなわち、(2,4-ジメチルシクロペンタジエニル)(3',5'-ジメチルシクロペンタジエニル)ナトリウムにジクロロジメチルシランを反応させ、ジメチル(2,4-ジメチルシクロペンタジエニル)(3',5'-ジメチルシクロペンタジエニル)シランを得、これとブチルリチウムとを反応させ、リチウムジメチルシリレン(2,4-ジメチルシクロペンタジエニル)(3',5'-ジメチルシクロペンタジエニル)を得、これと四塩化ハフニウムとを反応させてジメチルシリレン(2,4-ジメチルシクロペンタジエニル)(3',5'-ジメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライドを得ることができる。
【0017】
また、本発明で用いる結晶性プロピレン単独重合体には、本発明の効果を損なわない範囲で、通常の結晶性プロピレン系重合体、すなわち本発明の範囲外の結晶性プロピレン単独重合体、プロピレン成分を70重量%以上含有するプロピレンとエチレン、ブテン-1、ペンテン-1、4-メチル-ペンテン-1、ヘキセン-1、オクテン-1などのα-オレフィンの1種または2種以上との低結晶性ないし結晶性ランダム共重合体、若しくは結晶性ブロック共重合体、プロピレンと酢酸ビニル、若しくはアクリル酸エステルとの共重合体、または該共重合体のケン化物、プロピレンと不飽和シラン化合物との共重合体、プロピレンと不飽和カルボン酸若しくはその無水物との共重合体、または該共重合体と金属イオン化合物との反応生成物、または結晶性プロピレン系重合体を不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性した変性プロピレン系重合体、結晶性プロピレン系重合体を不飽和シラン化合物で変性したシラン変性プロピレン系重合体などを混合して用いることもできる。
【0018】
また、各種エラストマー(たとえば非晶性エチレン-プロピレンランダム共重合体、非晶性エチレン-プロピレン-非共役ジエン3元共重合体、低結晶性エチレン-ブテン-1ランダム共重合体、低結晶性プロピレン-ブテン-1ランダム共重合体、低結晶性エチレン-ヘキセン-1ランダム共重合体、低結晶性エチレン-オクテン-1ランダム共重合体、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、フッ素ゴム、スチレン-ブタジエン系ゴム、アクリロニトリル-ブタジエン系ゴム、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロック共重合体、スチレン-プロピレン-ブチレン-スチレンブロック共重合体、エチレン-エチレン-ブチレン-エチレンブロック共重合体、エチレン-プロピレン-ブチレン-エチレンブロック共重合体など)または熱可塑性合成樹脂(たとえば超低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、非晶性エチレン-環状アルケン共重合体(たとえば、非晶性エチレン-テトラシクロドデセン共重合体)、ポリブテン、ポリ-4-メチルペンテン-1の如き結晶性プロピレン系重合体を除くポリオレフィン、アタクティックポリスチレン、シンジオタクティックポリスチレン、スチレン-アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体、メタクリル-ブタジエン-スチレン共重合体、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、フッ素樹脂、石油樹脂(たとえばC5系石油樹脂、水添C5系石油樹脂、C9系石油樹脂、水添C9系石油樹脂、C5-C9共重合石油樹脂、水添C5-C9共重合石油樹脂、酸変性C9系石油樹脂などの軟化点80〜200℃の石油樹脂)、DCPD樹脂(たとえばシクロペンタジエン系石油樹脂、水添シクロペンタジエン系石油樹脂、シクロペンタジエン-C5共重合石油樹脂、水添シクロペンタジエン-C5共重合石油樹脂、シクロペンタジエン-C9共重合石油樹脂、水添シクロペンタジエン-C9共重合石油樹脂、シクロペンタジエン-C5-C9共重合石油樹脂、水添シクロペンタジエン-C5-C9共重合石油樹脂などの軟化点80〜200℃のDCPD樹脂)など)を混合して用いることもできる。
【0019】
本発明で用いられるβ晶造核剤として前記(1) で示されるアミド系化合物は、所定の脂肪族、脂環族または芳香族のジカルボン酸と、所定のアンモニア若しくは脂肪族、脂環族または芳香族のモノアミンとをアミド化することにより容易に調製することができる。
該脂肪族ジカルボン酸として、具体的には、マロン酸、ジフェニルマロン酸、コハク酸、フェニルコハク酸、ジフェニルコハク酸、グルタル酸、3,3-ジメチルグルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,12-ドデカン二酸、1,14-テトラデカン二酸、1,18-オクタデカン二酸などが例示される。
【0020】
脂環族ジカルボン酸として、具体的には、1,2-シクロへキサンジカルボン酸、1,4-シクロへキサンジカルボン酸、1,4-シクロへキサンジ酢酸などが例示される。
芳香族ジカルボン酸として、より具体的には、p-フェニレンジ酢酸、p-フェニレンジエタン酸、フタル酸、4-t-ブチルフタル酸、イソフタル酸、5-t-ブチルイソフタル酸、テレフタル酸、1,8-ナフタル酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、2,7-ナフタレンジカルボン酸、ジフェン酸、3,3'-ビフェニルジカルボン酸、4,4'-ビフェニルジカルボン酸、4,4'-ビナフチルジカルボン酸、ビス(3-カルボキシフェニル)メタン、ビス(4-カルボキシフェニル)メタン、2,2-ビス(3-カルボキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-カルボキシフェニル)プロパン、3,3'-スルホニルジ安息香酸、4,4'-スルホニルジ安息香酸、3,3'-オキシジ安息香酸、4,4'-オキシジ安息香酸、3,3'-カルボニルジ安息香酸、4,4'-カルボニルジ安息香酸、3,3'-チオジ安息香酸、4,4'-チオジ安息香酸、4,4'-(p-フェニレンジオキシ)ジ安息香酸、4,4'-イソフタロイルジ安息香酸、4,4'-テレフタロイルジ安息香酸、ジチオサリチル酸、3,9-ビス(4-カルボキシフェニル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンなどが例示される。
【0021】
脂肪族モノアミンとして、具体的には、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、ドデシルアミン、オクタデルアミン、オクタコシルアミン、N,N-ジ(ドデシル)アミン、N,N-ジ(オクタデル)アミンなどが例示される。
脂環族モノアミンとして、具体的には、シクロプロピルアミン、シクロブチルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン、2-メチルシクロヘキシルアミン、3-メチルシクロヘキシルアミン、4-メチルシクロヘキシルアミン、2-エチルシクロヘキシルアミン、4-エチルシクロヘキシルアミン、2-プロピルシクロヘキシルアミン、2-イソプロピルシクロヘキシルアミン、4-プロピルシクロヘキシルアミン、4-イソプロピルシクロヘキシルアミン、2-t-ブチルシクロヘキシルアミン、4-n-ブチルシクロヘキシルアミン、4-i-ブチルシクロヘキシルアミン、4-s-ブチルシクロヘキシルアミン、4-t-ブチルシクロヘキシルアミン、2,4-ジ-t-ブチルシクロヘキシルアミン、4-n-アミルシクロヘキシルアミン、4-i-アミルシクロヘキシルアミン、4-s-アミルシクロヘキシルアミン、4-t-アミルシクロヘキシルアミン、4-ヘキシルシクロヘキシルアミン、4-オクチルシクロヘキシルアミン、4-ノニルシクロヘキシルアミン、4-デシルシクロヘキシルアミン、4-ウンデシルシクロヘキシルアミン、4-ドデシルシクロヘキシルアミン、4-シクロヘキシルシクロヘキシルアミン、4-フェニルシクロヘキシルアミン、シクロヘプチルアミン、シクロドデシルアミン、シクロヘキシルメチルアミン、α-シクロヘキシルエチルアミン、β-シクロヘキシルエチルアミン、α-シクロヘキシルプロピルアミン、β-シクロヘキシルプロピルアミン、γ-シクロヘキシルプロピルアミン、1-アダマンチルアミン、ピロリジン、ピペリジン、ヘキサメチレンイミン、N-ブチル-N-シクロヘキシルアミン、N,N-ジ(シクロヘキシル)アミンなどが例示される。
【0022】
芳香族モノアミンとして、具体的には、アニリン、o-トルイジン、m-トルイジン、p-トルイジン、o-エチルアニリン、m-エチルアニリン、p-エチルアニリン、o-プロピルアニリン、m-プロピルアニリン、p-プロピルアニリン、o-クミジン、m-クミジン、p-クミジン、o-t-ブチルアニリン、p-n-ブチルアニリン、p-i-ブチルアニリン、p-s-ブチルアニリン、p-t-ブチルアニリン、2,4-ジ-t-ブチルアニリン、p-n-アミルアニリン、p-i-アミルアニリン、p-s-アミルアニリン、p-t-アミルアニリン、p-ヘキシルアニリン、p-ヘプチルアニリン、p-オクチルアニリン、p-ノニルアニリン、p-デシルアニリン、p-ウンデシルアニリン、p-ドデシルアニリン、p-シクロヘキシルアニリン、o-アミノジフェニル、m-アミノジフェニル、p-アミノジフェニル、p-アミノスチレン、ベンジルアミン、α-フェニルエチルアミン、β-フェニルエチルアミン、α-フェニルプロピルアミン、β-フェニルプロピルアミン、γ-フェニルプロピルアミン、α-ナフチルアミン、N-ブチル-アニリン、N,N-ジフェニルアミンなどが例示される。
【0023】
本発明で用いられるβ晶造核剤として前記(2) で示されるアミド系化合物は、所定の脂肪族、脂環族または芳香族のアミノ酸と所定のモノカルボン酸およびモノアミンとをアミド化することにより容易に調製することができる。
脂肪族アミノ酸として、具体的には、アミノ酢酸、α-アミノプロピオン酸、β-アミノプロピオン酸、α-アミノアクリル酸、α-アミノ酪酸、β-アミノ酪酸、γ-アミノ酪酸、α-アミノ-α-メチル酪酸、γ-アミノ-α-メチル酪酸、α-アミノ-i-酪酸、β-アミノ-i-酪酸、α-アミノ-n-吉草酸、δ-アミノ-n-吉草酸、β-アミノクロトン酸、α-アミノ-β-メチル吉草酸、α-アミノ-i-吉草酸、2-アミノ-4-ペンテノイック酸、α-アミノ-n-カプロン酸、6-アミノカプロン酸、α-アミノ-i-カプロン酸、7-アミノヘプタン酸、α-アミノ-n-カプリル酸、8-アミノカプリル酸、9-アミノノナン酸、11-アミノウンデカン酸、12-アミノドデカン酸などが例示される。
【0024】
脂環族アミノ酸として、具体的には、1-アミノシクロヘキサンカルボン酸、2-アミノシクロヘキサンカルボン酸、3-アミノシクロヘキサンカルボン酸、4-アミノシクロヘキサンカルボン酸、p-アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸、2-アミノ-2-ノルボルナンカルボン酸などが例示される。
芳香族アミノ酸として、具体的には、α-アミノフェニル酢酸、α-アミノ-β-フェニルプロピオン酸、2-アミノ-2-フェニルプロピオン酸、3-アミノ-3-フェニルプロピオン酸、α-アミノ桂皮酸、2-アミノ-4-フェニル酪酸、4-アミノ-3-フェニル酪酸、アントラニル酸、m-アミノ安息香酸、p-アミノ安息香酸、2-アミノ-4-メチル安息香酸、2-アミノ-6-メチル安息香酸、3-アミノ-4-メチル安息香酸、2-アミノ-3-メチル安息香酸、2-アミノ-5-メチル安息香酸、4-アミノ-2-メチル安息香酸、4-アミノ-3-メチル安息香酸、2-アミノ-3-メトキシ安息香酸、3-アミノ-4-メトキシ安息香酸、4-アミノ-2-メトキシ安息香酸、4-アミノ-3-メトキシ安息香酸、2-アミノ-4,5-ジメトキシ安息香酸、o-アミノフェニル酢酸、m-アミノフェニル酢酸、p-アミノフェニル酢酸、4-(4-アミノフェニル)酪酸、4-アミノメチル安息香酸、4-アミノメチルフェニル酢酸、o-アミノ桂皮酸、m-アミノ桂皮酸、p-アミノ桂皮酸、p-アミノ馬尿酸、2-アミノ-1-ナフトエ酸、3-アミノ-1-ナフトエ酸、4-アミノ-1-ナフトエ酸、5-アミノ-1-ナフトエ酸、6-アミノ-1-ナフトエ酸、7-アミノ-1-ナフトエ酸、8-アミノ-1-ナフトエ酸、1-アミノ-2-ナフトエ酸、3-アミノ-2-ナフトエ酸、4-アミノ-2-ナフトエ酸、5-アミノ-2-ナフトエ酸、6-アミノ-2-ナフトエ酸、7-アミノ-2-ナフトエ酸、8-アミノ-2-ナフトエ酸などが例示される。
【0025】
脂環族モノカルボン酸として、具体的には、シクロプロパンカルボン酸、シクロブタンカルボン酸、シクロペンタンカルボン酸、1-メチルシクロペンタンカルボン酸、2-メチルシクロペンタンカルボン酸、3-メチルシクロペンタンカルボン酸、1-フェニルシクロペンタンカルボン酸、シクロペンテンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、1-メチルシクロヘキサンカルボン酸、2-メチルシクロヘキサンカルボン酸、3-メチルシクロヘキサンカルボン酸、4-メチルシクロヘキサンカルボン酸、4-プロピルシクロヘキサンカルボン酸、4-ブチルシクロヘキサンカルボン酸、4-ペンチルシクロヘキサンカルボン酸、4-ヘキシルシクロヘキサンカルボン酸、4-フェニルシクロヘキサンカルボン酸、1-フェニルシクロヘキサンカルボン酸、シクロヘキセンカルボン酸、4-ブチルシクロヘキセンカルボン酸、シクロヘプタンカルボン酸、1-シクロヘプテンカルボン酸、1-メチルシクロヘプタンカルボン酸、4-メチルシクロヘプタンカルボン酸、シクロヘキシル酢酸などが例示される。
【0026】
芳香族モノカルボン酸として、具体的には、安息香酸、o-メチル安息香酸、m-メチル安息香酸、p-メチル安息香酸、p-エチル安息香酸、p-プロピル安息香酸、p-n-ブチル安息香酸、p-i-ブチル安息香酸、p-s-ブチル安息香酸、p-t-ブチル安息香酸、p-n-アミル安息香酸、p-i-アミル安息香酸、p-s-アミル安息香酸、p-t-アミル安息香酸、p-ヘキシル安息香酸、o-フェニル安息香酸、p-フェニル安息香酸、p-シクロヘキシル安息香酸、フェニル酢酸、フェニルプロピオン酸、フェニル酪酸などが例示される。
【0027】
前記(2) で示されるアミド系化合物の原料であるモノアミンは前記(1) で示されるアミド系化合物の原料であるモノアミンと同一である。
本発明で用いられるβ晶造核剤として前記(3) で示されるアミド系化合物は、所定の脂肪族ジアミン、脂環族ジアミンまたは芳香族ジアミンと所定のモノカルボン酸とを常法に従ってアミド化することにより容易に調製することができる。
【0028】
脂肪族ジアミンとしては、炭素数1〜24の飽和または不飽和の脂肪族ジアミンが例示され、具体的には、メチレンジアミン、エチレンジアミン、1,2-ジアミノプロパン、1,3-ジアミノプロパン、1,4-ジアミノブタン、1,3-ジアミノペンタン、1,5-ジアミノペンタン、1,6-ジアミノヘキサンなどが例示される。
脂環族ジアミンとしては、ジアミノシクロヘキサン、炭素数8〜12のビス(アミノアルキル)シクロヘキサン、ジアミノジシクロへキシルメタンおよび炭素数15〜21のジアミノ-ジアルキルジシクロへキシルメタン、たとえば、1,2-ジアミノシクロヘキサン、1,4-ジアミノシクロへキサン、4,4'-ジアミノジシクロへキシルメタン、4,4'-ジアミノ-3,3'-ジメチルジシクロへキシルメタン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサンなどのほか、イソフォロンジアミン、メンセンジアミンなどの脂環族ジアミンが例示される。
【0029】
芳香族ジアミンとしては、フェニレンジアミン、ナフタレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルエーテル、ジアミノジフェニルスルフォン、ジアミノジフェニルスルフィド、ジアミノジフェニルケトンおよび2,2-ビス(アミノフェニル)プロパンが例示され、より具体的には、o-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、1,5-ジアミノナフタレン、4,4'-ジアミノジフェニルメタン、4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、4,4'-ジアミノジフェニルスルフォンなどが例示される。なお、芳香族ジアミンであってもキシリレンジアミンは所定の効果を得ることができない。
【0030】
上記モノカルボン酸としては、フェニル酢酸、シクロヘキシル酢酸、シクロプロパンカルボン酸、シクロブタンカルボン酸、シクロペンタンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、2-メチルシクロヘキサンカルボン酸、3-メチルシクロヘキサンカルボン酸、4-メチルシクロヘキサンカルボン酸、4-t-ブチルシクロヘキサンカルボン酸、安息香酸、o-メチル安息香酸、m-メチル安息香酸、p-メチル安息香酸、p-エチル安息香酸、p-n-ブチル安息香酸、p-i-ブチル安息香酸、p-s-ブチル安息香酸、p-t-ブチル安息香酸などが例示される。
【0031】
本発明で用いられるβ晶造核剤成分として前記一般式(1)で示される環状リン化合物としては、10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、1-メチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、2-メチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6-メチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、7-メチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、8-メチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6,8-ジメチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、2,6,
8−トリメチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、2-エチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6-エチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、8-エチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6,8-ジエチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、2,6,8-トリエチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、2-i-プロピル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6-i-プロピル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、8-i-プロピル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6,8-ジ-i-プロピル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、2,6,8-トリ-i-プロピル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、2-s-ブチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、
【0032】
6-s-ブチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、8-s-ブチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、1,8-ジ-s-ブチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、2,6,8-トリ-s-ブチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、2-t-ブチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6-t-ブチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、8-t-ブチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、1,6-ジ-t-ブチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、2,6-ジ-t-ブチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、2,7-ジ-t-ブチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、2,8-ジ-t-ブチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6,8-ジ-t-ブチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、2,6,8-トリ-t-ブチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、2-t-アミル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6-t-アミル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、8-t-アミル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6,8-ジ-t-アミル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、2,6,8-トリ-t-アミル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、2-t-オクチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、
【0033】
6-t-オクチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、8-t-オクチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6,8-ジ-t-オクチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、2,6,8-トリ-t-オクチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、2-シクロヘキシル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6-シクロヘキシル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、8-シクロヘキシル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6,8-ジ-シクロヘキシル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、2,6,8-トリ-シクロヘキシル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6-フェニル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、2-ベンジル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6-ベンジル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、8-ベンジル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6,8-ジ-ベンジル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、2,6,8-トリ-ベンジル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、2-(α-メチルベンジル)-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6-(α-メチルベンジル)-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、8-(α-メチルベンジル)-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、
【0034】
6,8-ジ(α-メチルベンジル)-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、2,6,8-トリ(α-メチルベンジル)-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、2,6-ジ(α,α-ジメチルベンジル)-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6-t-ブチル-8-メチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6-ベンジル-8-メチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6-シクロヘキシル-8-t-ブチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6-ベンジル-8-t-ブチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6-(α-メチルベンジル)-8-t-ブチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6-t-ブチル-8-シクロヘキシル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6-ベンジル-8-シクロヘキシル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6-t-ブチル-8-ベンジル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6-シクロヘキシル-8-ベンジル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、2,6-ジ-t-ブチル-8-ベンジル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイドおよび2,6-ジシクロヘキシル-8-ベンジル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイドなどを例示できる。これら環状リン化合物の単独使用はもちろんのこと2種以上の環状リン化合物を併用することもできる。
【0035】
本発明で用いられるβ晶造核剤成分として前記一般式(1)で示される環状リン化合物と併用する前記(4) 〜(8) で示されるマグネシウム化合物としては、酢酸マグネシウム、プロピオン酸マグネシウム、n-酪酸マグネシウム、i-酪酸マグネシウム、n-吉草酸マグネシウム、i-吉草酸マグネシウム、n-ヘキサン酸マグネシウム、n-オクタン酸マグネシウム、2-エチルヘキサン酸マグネシウム、デカン酸マグネシウム、ラウリン酸マグネシウム、ミリスチン酸マグネシウム、ミリストレイン酸マグネシウム、パルミチン酸マグネシウム、パルミトレイン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、オレイン酸マグネシウム、リノール酸マグネシウム、リノレン酸マグネシウム、アラキン酸マグネシウム、ベヘン酸マグネシウム、エルカ酸マグネシウム、リグノセリン酸マグネシウム、セロチン酸マグネシウム、モンタン酸マグネシウム、メリシン酸マグネシウム、12-ヒドロキシオクタデカン酸マグネシウム、リシノール酸マグネシウム、セレブロン酸マグネシウム、(モノ,ジミックスド)ヘキシルリン酸マグネシウム、(モノ,ジミックスド)オクチルリン酸マグネシウム、(モノ,ジミックスド)2-エチルヘキシルリン酸マグネシウム、(モノ,ジミックスド)デシルリン酸マグネシウム、(モノ,ジミックスド)ラウリルリン酸マグネシウム、(モノ,ジミックスド)ミリスチルリン酸マグネシウム、(モノ,ジミックスド)パルミチルリン酸マグネシウム、(モノ,ジミックスド)ステアリルリン酸マグネシウム、(モノ,ジミックスド)オレイルリン酸マグネシウム、(モノ,ジミックスド)リノールリン酸マグネシウム、(モノ,ジミックスド)リノリルリン酸マグネシウム、(モノ,ジミックスド)ドコシルリン酸マグネシウム、(モノ,ジミックスド)エルシルリン酸マグネシウム、(モノ,ジミックスド)テトラコシルリン酸マグネシウム、(モノ,ジミックスド)ヘキサコシルリン酸マグネシウム、(モノ,ジミックスド)オクタコシルリン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、
【0036】
10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、1-メチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、2-メチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6-メチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、7-メチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、8-メチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6,8-ジメチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、2,6,8-トリメチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、2-エチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6-エチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、8-エチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6,8-ジエチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、2,6,8-トリエチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、2-i-プロピル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6-i-プロピル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、8-i-プロピル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6,8-ジ-i-プロピル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、2,6,8-トリ-i-プロピル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、
【0037】
2-s-ブチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6-s-ブチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、8-s-ブチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、1,8-ジ-s-ブチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、2,6,8-トリ-s-ブチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、2-t-ブチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6-t-ブチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、8-t-ブチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、1,6-ジ-t-ブチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、2,6-ジ-t-ブチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、2,7-ジ-t-ブチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、2,8-ジ-t-ブチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6,8-ジ-t-ブチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、2,6,8-トリ-t-ブチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、2-t-アミル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6-t-アミル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、8-t-アミル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6,8-ジ-t-アミル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、
【0038】
2,6,8-トリ-t-アミル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、2-t-オクチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6-t-オクチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、8-t-オクチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6,8-ジ-t-オクチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、2,6,8-トリ-t-オクチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、2-シクロヘキシル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6-シクロヘキシル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、8-シクロヘキシル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6,8-ジ-シクロヘキシル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、2,6,8-トリ-シクロヘキシル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6-フェニル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、2-ベンジル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6-ベンジル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、8-ベンジル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6,8-ジ-ベンジル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、2,6,8-トリ-ベンジル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、2-(α-メチルベンジル)-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、
【0039】
6-(α-メチルベンジル)-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、8-(α-メチルベンジル)-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6,8-ジ(α-メチルベンジル)-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、2,6,8-トリ(α-メチルベンジル)-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、2,6-ジ(α,α-ジメチルベンジル)-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6-t-ブチル-8-メチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6-ベンジル-8-メチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6-シクロヘキシル-8-t-ブチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6-ベンジル-8-t-ブチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6-(α-メチルベンジル)-8-t-ブチル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6-t-ブチル-8-シクロヘキシル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6-ベンジル-8-シクロヘキシル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6-t-ブチル-8-ベンジル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6-シクロヘキシル-8-ベンジル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、2,6-ジ-t-ブチル-8-ベンジル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイドおよび2,6-ジシクロヘキシル-8-ベンジル-10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイドなどの環状リン化合物のマグネシム塩、
【0040】
マグネシウム-ビス(1'-ヒドロキシ-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシウム-ビス(5-メチル-1'-ヒドロキシ-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシウム-ビス(6-メチル-1'-ヒドロキシ-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシウム-ビス(1'-ヒドロキシ-4'-メチル-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシウム-ビス(1'-ヒドロキシ-5'-メチル-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシウム-ビス(1'-ヒドロキシ-6'-メチル-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシウム-ビス(1'-ヒドロキシ-4',6'-ジメチル-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシウム-ビス(5,4',6'-トリメチル-1'-ヒドロキシ-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシウム-ビス(5-エチル-1'-ヒドロキシ-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシウム-ビス(1'-ヒドロキシ-4'-エチル-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシウム-ビス(1'-ヒドロキシ-6'-エチル-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシウム-ビス(1'-ヒドロキシ-4',6'-ジエチル-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシウム-ビス(5,4',6'-トリエチル-1'-ヒドロキシ-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシウム-ビス(5-i-プロピル-1'-ヒドロキシ-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシウム-ビス(1'-ヒドロキシ-4'-i-プロピル-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシウム-ビス(1'-ヒドロキシ-6'-i-プロピル-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシウム-ビス(1'-ヒドロキシ-4',6'-ジ-i-プロピル-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシウム-ビス(5,4',6'-トリ-i-プロピル-1'-ヒドロキシ-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシウム-ビス(5-s-ブチル-1'-ヒドロキシ-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート)、
【0041】
マグネシウム-ビス(1'-ヒドロキシ-4'-s-ブチル-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシウム-ビス(1'-ヒドロキシ-6'-s-ブチル-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシウム-ビス(6,6'-ジ-s-ブチル-1'-ヒドロキシ-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシウム-ビス(5,4',6'-トリ-s-ブチル-1'-ヒドロキシ-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシウム-ビス(5-t-ブチル-1'-ヒドロキシ-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシウム-ビス(1'-ヒドロキシ-4'-t-ブチル-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシウム-ビス(1'-ヒドロキシ-6'-t-ブチル-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシウム-ビス(5,6'-ジ-t-ブチル-1'-ヒドロキシ-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシウム-ビス(5,4'-ジ-t-ブチル-1'-ヒドロキシ-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシウム-ビス(5,5'-ジ-t-ブチル-1'-ヒドロキシ-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシウム-ビス(6,4'-ジ-t-ブチル-1'-ヒドロキシ-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシウム-ビス(1'-ヒドロキシ-4',6'-ジ-t-ブチル-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシウム-ビス(5,4',6'-トリ-t-ブチル-1'-ヒドロキシ-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシウム-ビス(5-t-アミル-1'-ヒドロキシ-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシウム-ビス(1'-ヒドロキシ-4'-t-アミル-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシウム-ビス(1'-ヒドロキシ-6'-t-アミル-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシウム-ビス(1'-ヒドロキシ-4',6'-ジ-t-アミル-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシウム-ビス(5,4',6'-トリ-t-アミル-1'-ヒドロキシ-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート)、
【0042】
マグネシウム-ビス(5-t-オクチル-1'-ヒドロキシ-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシウム-ビス(1'-ヒドロキシ-4'-t-オクチル-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシウム-ビス(1'-ヒドロキシ-6'-t-オクチル-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシウム-ビス(1'-ヒドロキシ-4',6'-ジ-t-オクチル-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシウム-ビス(5,4',6'-トリ-t-オクチル-1'-ヒドロキシ-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシウム-ビス(5-シクロヘキシル-1'-ヒドロキシ-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシウム-ビス(1'-ヒドロキシ-4'-シクロヘキシル-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシウム-ビス(1'-ヒドロキシ-6'-シクロヘキシル-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシウム-ビス(1'-ヒドロキシ-4',6'-ジ-シクロヘキシル-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシウム-ビス(5,4',6'-トリ-シクロヘキシル-1'-ヒドロキシ-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシウム-ビス(1'-ヒドロキシ-4'-フェニル-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシウム-ビス(5-ベンジル-1'-ヒドロキシ-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシウム-ビス(1'-ヒドロキシ-4'-ベンジル-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシウム-ビス(1'-ヒドロキシ-6'-ベンジル-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシウム-ビス(1'-ヒドロキシ-4',6'-ジ-ベンジル-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシウム-ビス(5,4',6'-トリ-ベンジル-1'-ヒドロキシ-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシウム-ビス[5-(α-メチルベンジル)-1'-ヒドロキシ-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート]、マグネシウム-ビス[1'-ヒドロキシ-4'-(α-メチルベンジル)-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート]、
【0043】
マグネシウム-ビス[1'-ヒドロキシ-6'-(α-メチルベンジル)-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート]、マグネシウム-ビス[1'-ヒドロキシ-4',6'-ジ(α-メチルベンジル)-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート]、マグネシウム-ビス[5,4',6'-トリ(α-メチルベンジル)-1'-ヒドロキシ-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート]、マグネシウム-ビス[5,4'-ジ(α,α-ジメチルベンジル)-1'-ヒドロキシ-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート]、マグネシウム-ビス(1'-ヒドロキシ-4'-t-ブチル-6'-メチル-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシウム-ビス(1'-ヒドロキシ-4'-ベンジル-6'-メチル-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシウム-ビス(1'-ヒドロキシ-4'-シクロヘキシル-6'-t-ブチル-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシウム-ビス(1'-ヒドロキシ-4'-ベンジル-6'-t-ブチル-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシウム-ビス[1'-ヒドロキシ-4'-(α-メチルベンジル)-6'-t-ブチル-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート]、マグネシウム-ビス(1'-ヒドロキシ-4'-t-ブチル-6'-シクロヘキシル-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシウム-ビス(1'-ヒドロキシ-4'-ベンジル-6'-シクロヘキシル-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシウム-ビス(1'-ヒドロキシ-4'-t-ブチル-6'-ベンジル-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシウム-ビス(1'-ヒドロキシ-4'-シクロヘキシル-6'-ベンジル-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート)、マグネシウム-ビス(5,4'-ジ-t-ブチル-6'-ベンジル-1'-ヒドロキシ-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート)およびマグネシウム-ビス(5,4'-ジシクロヘキシル-6'-ベンジル-1'-ヒドロキシ-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート)などを例示できる。これらマグネシウム化合物の単独使用はもちろんのこと2種以上のマグネシウム化合物を併用することもできる。
【0044】
これら環状リン化合物とマグネシウム化合物との混合物の重量比率は特に限定されないが、通常環状リン化合物1重量部に対してマグネシウム化合物を0.01〜100重量部、好ましくは0.1〜10重量部の比率である。
本発明で用いられるβ晶造核剤成分として前記一般式(4)で示される環状リン化合物としては、9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、1-メチル-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、2-メチル-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6-メチル-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、7-メチル-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、8-メチル-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6,8-ジメチル-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、2,6,8-トリメチル-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、2-エチル-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6-エチル-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、8-エチル-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6,8-ジエチル-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、2,6,8-トリエチル-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、2-i-プロピル-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6-i-プロピル-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、8-i-プロピル-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6,8-ジ-i-プロピル-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、2,6,8-トリ-i-プロピル-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、
【0045】
2-s-ブチル-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6-s-ブチル-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、8-s-ブチル-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、1,8-ジ-s-ブチル-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、2,6,8-トリ-s-ブチル-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、2-t-ブチル-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6-t-ブチル-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、8-t-ブチル-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、1,6-ジ-t-ブチル-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、2,6-ジ-t-ブチル-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、2,7-ジ-t-ブチル-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、2,8-ジ-t-ブチル-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6,8-ジ-t-ブチル-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、2,6,8-トリ-t-ブチル-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、2-t-アミル-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6-t-アミル-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、8-t-アミル-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6,8-ジ-t-アミル-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、
【0046】
2,6,8-トリ-t-アミル-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、2-t-オクチル-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6-t-オクチル-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、8-t-オクチル-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6,8-ジ-t-オクチル-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、2,6,8-トリ-t-オクチル-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、2-シクロヘキシル-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6-シクロヘキシル-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、8-シクロヘキシル-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6,8-ジ-シクロヘキシル-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、2,6,8-トリ-シクロヘキシル-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6-フェニル-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、2-ベンジル-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6-ベンジル-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、8-ベンジル-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6,8-ジ-ベンジル-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、2,6,8-トリ-ベンジル-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、2-(α-メチルベンジル)-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、
【0047】
6-(α-メチルベンジル)-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、8-(α-メチルベンジル)-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6,8-ジ(α-メチルベンジル)-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、2,6,8-トリ(α-メチルベンジル)-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、2,6-ジ(α,α-ジメチルベンジル)-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6-t-ブチル-8-メチル-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6-ベンジル-8-メチル-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6-シクロヘキシル-8-t-ブチル-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6-ベンジル-8-t-ブチル-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6-(α-メチルベンジル)-8-t-ブチル-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6-t-ブチル-8-シクロヘキシル-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6-ベンジル-8-シクロヘキシル-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6-t-ブチル-8-ベンジル-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、6-シクロヘキシル-8-ベンジル-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド、2,6-ジ-t-ブチル-8-ベンジル-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイドおよび2,6-ジシクロヘキシル-8-ベンジル-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイドなどを例示できる。これら環状リン化合物の単独使用はもちろんのこと2種以上の環状リン化合物を併用することもできる。
【0048】
本発明で用いられるβ晶造核剤成分として前記一般式(4)で示される環状リン化合物と併用する前記(8) 〜(9) で示されるマグネシウム化合物としては、上述の各種マグネシウムフォスフィネート系化合物、硫酸マグネシウム、塩基性硫酸マグネシウム(マグネシウムオキシサルフェート)、タルクなどを例示できる。これらマグネシウム化合物の単独使用はもちろんのこと2種以上のマグネシウム化合物を併用することもできる。
【0049】
これら環状リン化合物とマグネシウム化合物との混合物の重量比率は特に限定されないが、通常環状リン化合物1重量部に対してマグネシウム化合物を0.01〜100重量部、好ましくは0.1〜10重量部の比率である。
本発明で用いられるβ晶造核剤としては、特にγ-キナクリドン、アジピン酸ジアニリド、スベリン酸ジアニリド、N,N'-ジシクロヘキシルテレフタルアミド、N,N'-ジシクロヘキシル-1,4-シクロヘキサンジカルボキシアミド、N,N'-ジシクロヘキシル-2,6-ナフタレンジカルボキシアミド、N,N'-ジシクロヘキシル-4,4'-ビフェニルジカルボキシアミド、N,N'-ビス(p-メチルフェニル)ヘキサンジアミド、N,N'-ビス(p-エチルフェニル)ヘキサンジアミド、N,N'-ビス(4-シクロヘキシルフェニル)ヘキサンジアミド、p-(N-シクロヘキサンカルボニルアミノ)安息香酸シクロヘキシルアミド、δ-(N-ベンゾイルアミノ)-n-吉草酸アニリド、3,9-ビス[4-(N-シクロヘキシルカルバモイル)フェニル]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、N,N'-ジシクロヘキサンカルボニル-p-フェニレンジアミン、N,N'-ジベンゾイル-1,5-ジアミノナフタレン、N,N'-ジベンゾイル-1,4-ジアミノシクロヘキサン、N,N'-ジシクロヘキサンカルボニル-1,4-ジアミノシクロヘキサン、10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイドとステアリン酸マグネシウムとの混合物、10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイドと(モノ,ジミックスド)ステアリルリン酸マグネシウムとの混合物、10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイドと酸化マグネシウムとの混合物、10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイドと水酸化マグネシウムとの混合物、10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイドと炭酸マグネシウムとの混合物、10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイドと10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイドのマグネシウム塩との混合物、10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイドとマグネシウム-ビス(1'-ヒドロキシ-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート)との混合物、9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイドと硫酸マグネシウムとの混合物、9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイドとタルクとの混合物若しくは9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイドとマグネシウム-ビス(1'-ヒドロキシ-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート)との混合物が好ましい。
【0050】
これらβ晶造核剤の単独使用はもちろんのこと、2種以上のβ晶造核剤を併用することもできる。該β晶造核剤の配合割合は、結晶性プロピレン単独重合体100重量部に対して0.0001〜1重量部、好ましくは0.01〜0.5重量部、より好ましくは0.05〜0.3重量部である。0.0001重量部を大きく下回る配合では靭性の改善効果が充分に発揮されず、また1重量部を大きく超える配合ではそれ以上の靭性の改善効果が期待できず実際的でないばかりでなくまた不経済である。
【0051】
本発明の組成物にあっては、通常結晶性プロピレン重合体に添加される各種の添加剤たとえばフェノール系、チオエーテル系、リン系などの酸化防止剤、光安定剤、重金属不活性化剤(銅害防止剤)、透明化剤、α晶造核剤、滑剤、帯電防止剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、無滴剤、過酸化物の如きラジカル発生剤、難燃剤、難燃助剤、顔料、ハロゲン捕捉剤、金属石ケン類などの分散剤若しくは中和剤、有機系や無機系の抗菌剤、無機充填剤(たとえばタルク、マイカ、クレー、ウォラストナイト、ゼオライト、カオリン、ベントナイト、パーライト、ケイソウ土、アスベスト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ハイドロタルサイト、塩基性アルミニウム・リチウム・ヒドロキシ・カーボネート・ハイドレート、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、硫化亜鉛、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ガラス繊維、チタン酸カリウム、炭素繊維、カーボンブラック、グラファイトおよび金属繊維など)、カップリング剤(たとえばシラン系、チタネート系、ボロン系、アルミネート系、ジルコアルミネート系など)の如き表面処理剤で表面処理された前記無機充填剤または有機充填剤(たとえば木粉、パルプ、故紙、合成繊維、天然繊維など)を本発明の目的を損なわない範囲で併用することができる。
【0052】
本発明の組成物は、たとえば本発明で用いる結晶性プロピレン単独重合体に前記のβ晶造核剤並びに通常結晶性プロピレン重合体に添加される前述の各種添加剤のそれぞれ所定量を通常の混合装置たとえばヘンシェルミキサー(商品名)、スーパーミキサー、リボンブレンダー、バンバリミキサーなどを用いて混合し、通常の単軸押出機、2軸押出機、ブラベンダーまたはロールなどで、溶融混練温度170℃〜300℃、好ましくは200℃〜270℃で溶融混練ペレタイズすることにより得ることができる。得られた組成物は射出成形法、押出成形法、ブロー成形法などの各種成形法により目的とする成形品の製造に供される。
【0053】
【発明の実施の形態】
以下、実施例および比較例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
なお、実施例および比較例で用いた評価方法は次の方法によった。
1)クロス分別の比(Cf):クロス分別の測定には三菱化学(株)製クロス分別装置(CFC T−150A)を用い、分別を行うカラムに昭和電工(株)製SHODEX AD−806M/Sを用い、o-ジクロルベンゼン溶媒中にて0〜140℃の範囲でクロス分別を行い、各フラクションの重量分率と分子量を測定した。クロス分別の比(Cf値)は、溶出温度112℃未満と112℃以上における溶出量の積算値をそれぞれA、BとしたときA/Bとした。なお、クロス分別の測定については、ジェイ・ビー・ピー・ソアレス(J.B.P.Soares)らによってポリマー、36巻、8号、1639〜1654頁、1995年(Polymer,Vol.36,No.8,1639−1654,1995)にも記載されている。
2)靭性:引張試験により評価した。すなわち得られたペレットを用いて長さ100mm、巾100mm、厚み0.7mmのシートを射出成形法により作製し、打ち抜き器を用いて該シートのゲート部を樹脂の流れ方向に打ち抜き、長さ100mm、巾10mmの打ち抜き試験片を1個得た。(株)東洋精機製作所製ストログラフを用いて23℃にて変位速度15mm/分にて長さ方向に打ち抜き試験片を延伸し、その時の降伏点強度をSy、破断強度をSbとした。ここで(Sb−Sy)を靭性の尺度とした。高靭性の材料とは(Sb−Sy)値の大きなものをいう。
【0054】
【実施例】
実施例1〜18、比較例1〜4
結晶性プロピレン重合体として後述の表1に記載した各MFRおよびCf値を有する安定化されていない粉末状結晶性プロピレン単独重合体100重量部に、β晶造核剤としてγ-キナクリドン、アジピン酸ジアニリド、N,N'-ジシクロヘキシルテレフタルアミド、N,N'-ジシクロヘキシル-2,6-ナフタレンジカルボキシアミド、N,N'-ビス(p-メチルフェニル)ヘキサンジアミド、N,N'-ビス(4-シクロヘキシルフェニル)ヘキサンジアミド、δ-(N-ベンゾイルアミノ)-n-吉草酸アニリド、N,N'-ジシクロヘキサンカルボニル-p-フェニレンジアミン、N,N'-ジベンゾイル-1,4-ジアミノシクロヘキサン、10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイドとステアリン酸マグネシウムとの混合物、10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイドと酸化マグネシウムとの混合物、10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイドと炭酸マグネシウムとの混合物、10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイドとマグネシウム-ビス(1'-ヒドロキシ-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート)との混合物または9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイドとタルクとの混合物、および他の添加剤のそれぞれ所定量を表1に記載した配合割合でヘンシェルミキサー(商品名)に入れ、3分間攪拌混合したのち、口径40mmの単軸押出機で200℃にて溶融混練処理してペレット化した。また比較例1〜4として後述の表1に記載したMFRおよびCf値を有する安定化されていない粉末状結晶性プロピレン単独重合体100重量部に後述の表1に記載の添加剤のそれぞれ所定量を配合し、実施例1〜18に準拠して溶融混練処理してペレットを得た。
【0055】
靭性の評価に用いる試験片は、得られたペレットを樹脂温度250℃、金型温度50℃で射出成形により作製したものから打ち抜き器を用いて調製した。
得られた試験片を用いて前記の試験方法により靭性の評価を行った。これらの結果を表1に示した。
【0056】
実施例19〜36、比較例5〜8
結晶性プロピレン重合体として後述の表2に記載した各MFRおよびCf値を有する安定化されていない粉末状結晶性プロピレン単独重合体100重量部に、β晶造核剤としてγ-キナクリドン、スベリン酸ジアニリド、N,N'-ジシクロヘキシル-1,4-シクロヘキサンジカルボキシアミド、N,N'-ジシクロヘキシル-4,4'-ビフェニルジカルボキシアミド、N,N'-ビス(p-エチルフェニル)ヘキサンジアミド、p-(N-シクロヘキサンカルボニルアミノ)安息香酸シクロヘキシルアミド、3,9-ビス[4-(N-シクロヘキシルカルバモイル)フェニル]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、N,N'-ジベンゾイル-1,5-ジアミノナフタレン、N,N'-ジシクロヘキサンカルボニル-1,4-ジアミノシクロヘキサン、10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイドと(モノ,ジミックスド)ステアリルリン酸マグネシウムとの混合物、10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイドと水酸化マグネシウムとの混合物、10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイドと10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイドのマグネシウム塩との混合物、9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイドと硫酸マグネシウムとの混合物または9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイドとマグネシウム-ビス(1'-ヒドロキシ-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート)との混合物および他の添加剤のそれぞれ所定量を後述の表2に記載した配合割合でヘンシェルミキサー(商品名)に入れ、3分間攪拌混合したのち、口径40mmの単軸押出機で200℃にて溶融混練処理してペレット化した。また比較例5〜8として後述の表2に記載したMFRおよびCf値を有する安定化されていない粉末状結晶性プロピレン単独重合体100重量部に後述の表2に記載の添加剤のそれぞれ所定量を配合し、実施例19〜36に準拠して溶融混練処理してペレットを得た。
【0057】
靭性の評価に用いる試験片は、得られたペレットを樹脂温度250℃、金型温度50℃で射出成形により作製したものから打ち抜き器を用いて調製した。
得られた試験片を用いて前記の試験方法により靭性の評価を行った。これらの結果を表2に示した。
表1および2に示されるβ晶造核剤および添加剤の内訳は下記のとおりである。
β晶造核剤[1]:γ-キナクリドン
β晶造核剤[2]:アジピン酸ジアニリド
β晶造核剤[3]:スベリン酸ジアニリド
β晶造核剤[4]:N,N'-ジシクロヘキシルテレフタルアミド
β晶造核剤[5]:N,N'-ジシクロヘキシル-1,4-シクロヘキサンジカルボキシアミド
β晶造核剤[6]:N,N'-ジシクロヘキシル-2,6-ナフタレンジカルボキシアミド
β晶造核剤[7]:N,N'-ジシクロヘキシル-4,4'-ビフェニルジカルボキシアミド
β晶造核剤[8]:N,N'-ビス(p-メチルフェニル)ヘキサンジアミド
β晶造核剤[9]:N,N'-ビス(p-エチルフェニル)ヘキサンジアミド
β晶造核剤[10]:N,N'-ビス(4-シクロヘキシルフェニル)ヘキサンジアミド
β晶造核剤[11]:p-(N-シクロヘキサンカルボニルアミノ)安息香酸シクロヘキシルアミド
β晶造核剤[12]:δ-(N-ベンゾイルアミノ)-n-吉草酸アニリド
β晶造核剤[13]:3,9-ビス[4-(N-シクロヘキシルカルバモイル)フェニル]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン
β晶造核剤[14]:N,N'-ジシクロヘキサンカルボニル-p-フェニレンジアミンβ晶造核剤[15]:N,N'-ジベンゾイル-1,5-ジアミノナフタレン
β晶造核剤[16]:N,N'-ジベンゾイル-1,4-ジアミノシクロヘキサン
β晶造核剤[17]:N,N'-ジシクロヘキサンカルボニル-1,4-ジアミノシクロヘキサン
【0058】
β晶造核剤[18]:10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド50重量%とステアリン酸マグネシウム50重量%との混合物
β晶造核剤[19]:10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド50重量%と(モノ,ジミックスド)ステアリルリン酸マグネシウム50重量%との混合物
β晶造核剤[20]:10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド70重量%と酸化マグネシウム30重量%との混合物
β晶造核剤[21]:10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド70重量%と水酸化マグネシウム30重量%との混合物
β晶造核剤[22]:10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド70重量%と炭酸マグネシウム30重量%との混合物
β晶造核剤[23]:10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド50重量%と10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイドのマグネシウム塩50重量%との混合物
β晶造核剤[24]:10-ヒドロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド50重量%とマグネシウム-ビス(1'-ヒドロキシ-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート)50重量%との混合物
β晶造核剤[25]:9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド70重量%と塩基性硫酸マグネシウム30重量%との混合物
β晶造核剤[26]:9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド70重量%とタルク30重量%との混合物
β晶造核剤[27]:9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド50重量%とマグネシウム-ビス(1'-ヒドロキシ-2,2'-ビフェニレンフォスフィネート)50重量%との混合物
フェノール系酸化防止剤:テトラキス[メチレン-3-(3',5'-ジ-t-ブチル-4'-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン
リン系酸化防止剤:ビス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)-ペンタエリスリトール-ジフォスファイト
Ca−St:ステアリン酸カルシウム
【0059】
【表1】
Figure 0003539526
【0060】
【表2】
Figure 0003539526
【0061】
表1に記載の実施例1〜18は結晶性プロピレン重合体として本発明の範囲内の結晶性プロピレン単独重合体にβ晶造核剤を配合したものであり、それに対して比較例1〜4は本発明の範囲外の結晶性プロピレン単独重合体にβ晶造核剤を配合したものである。表1から実施例1〜18と比較例1〜4をくらべると、結晶性プロピレン単独重合体のCf値が0.5 以下の実施例1〜18は靭性が著しく優れていることがわかる。これに対してCf値が0.5 未満の比較例1〜4は、β晶造核剤を配合しても本発明の効果を奏さないことがわかる。すなわち、本発明で得られる靭性は、本発明において限定された範囲内にあるCf値を有する結晶性プロピレン単独重合体にβ晶造核剤を配合したときにはじめてみられる特有の効果であるといえる。また、表2に示した結晶性プロピレン重合体組成物についても上述と同様の効果が確認された。
【0062】
【発明の効果】
本発明の結晶性プロピレン重合体組成物は、特定のCf値を有する結晶性プロピレン単独重合体にβ晶造核剤を配合したことにより、成形品としたときの該成形品の靭性が著しく優れている。

Claims (2)

  1. 溶出温度 112 ℃未満と 112 ℃以上における溶出量の積算値をそれぞれA、BとしたときのA/Bで定義され、分子内立体規則性及び分子量分布の指標であるクロス分別の比(Cf=A/B)が0.5以下である結晶性プロピレン単独重合体100重量部に対して、β晶造核剤を0.0001〜1重量部配合してなる結晶性プロピレン重合体組成物。
  2. β晶造核剤がγ-キナクリドン、下記(1) 〜(3) で示されるアミド系化合物、下記一般式(1)で示される環状リン化合物と下記(4) 〜(8) から選ばれた1種または2種以上のマグネシウム化合物との混合物、および下記一般式(4)で示される環状リン化合物と下記(8) 〜(9) から選ばれた1種または2種以上のマグネシウム化合物との混合物から選ばれた少なくとも1種である請求項1記載の結晶性プロピレン重合体組成物。
    (1) R3−(R2)NCO−R1−CON(R4)−R5
    (2) R7−CONH−R6−CONH−R8
    (3) R10−CONH−R9−NHCO−R11
    (4) 脂肪酸マグネシウム
    (5) 脂肪族リン酸マグネシウム
    (6) 酸化マグネシウム、水酸化マグネシウムまたは炭酸マグネシウム
    (7) 下記一般式(2)で示される環状リン化合物のマグネシウム塩
    (8) 下記一般式(3)で示されるマグネシウムフォスフィネート系化合物
    (9) 硫酸マグネシウムまたはタルク
    Figure 0003539526
    Figure 0003539526
    Figure 0003539526
    Figure 0003539526
    [式中、R1が炭素数1〜28の飽和若しくは不飽和の脂肪族、脂環族、または3,9-ビス(フェニル-4-イル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンを除く芳香族のジカルボン酸残基を示す場合、R2およびR4は水素を、R3およびR5は同一または異なって、炭素数3〜18のシクロアルキル基若しくはシクロアルケニル基、フェニル基、炭素数7〜18のアルキルフェニル基、アルケニルフェニル基、シクロアルキルフェニル基、ビフェニル基、アルキルシクロヘキシル基、アルケニルシクロヘキシル基、シクロアルキルシクロヘキシル基若しくはフェニルシクロヘキシル基、または炭素数7〜10のフェニルアルキル基若しくはシクロヘキシルアルキル基をそれぞれ示し、R1が3,9-ビス(フェニル-4-イル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンを示す場合、R2〜R5は同一または異なって、水素、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、またはR2およびR3、R4およびR5はそれぞれのω-端で相互に結合し共同してアルキレン基をそれぞれ示し、
    6は炭素数1〜28の飽和若しくは不飽和の脂肪族、脂環族または芳香族のアミノ酸残基を、R7およびR8は同一または異なって、炭素数3〜18のシクロアルキル基若しくはシクロアルケニル基、フェニル基、炭素数7〜18のアルキルフェニル基、アルケニルフェニル基、シクロアルキルフェニル基、ビフェニル基、アルキルシクロヘキシル基、アルケニルシクロヘキシル基、シクロアルキルシクロヘキシル基若しくはフェニルシクロヘキシル基、または炭素数7〜10のフェニルアルキル基若しくはシクロヘキシルアルキル基をそれぞれ示し、
    9は炭素数1〜24の脂肪族ジアミン残基、脂環族ジアミン残基または芳香族ジアミン残基(ただし、キシリレンジアミン残基を除く)を、R10およびR11は同一または異なって、炭素数3〜14のシクロアルキル基若しくはシクロアルケニル基、フェニル基、炭素数7〜10のアルキルフェニル基若しくはアルケニルフェニル基、または炭素数7〜9のフェニルアルキル基若しくはシクロヘキシルアルキル基をそれぞれ示し、
    Ar1〜Ar8はアリーレン基、アルキルアリーレン基、シクロアルキルアリーレン基、アリールアリーレン基またはアラールキルアリーレン基をそれぞれ示す。]
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