JP2003306548A - エポキシ化低分子量ポリフェニレンエーテルの製造方法 - Google Patents

エポキシ化低分子量ポリフェニレンエーテルの製造方法

Info

Publication number
JP2003306548A
JP2003306548A JP2002114824A JP2002114824A JP2003306548A JP 2003306548 A JP2003306548 A JP 2003306548A JP 2002114824 A JP2002114824 A JP 2002114824A JP 2002114824 A JP2002114824 A JP 2002114824A JP 2003306548 A JP2003306548 A JP 2003306548A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyphenylene ether
epoxy
reaction
epoxidized
epoxy compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002114824A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3910876B2 (ja
Inventor
Tetsuji Tokiwa
哲司 常盤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Corp filed Critical Asahi Kasei Corp
Priority to JP2002114824A priority Critical patent/JP3910876B2/ja
Publication of JP2003306548A publication Critical patent/JP2003306548A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3910876B2 publication Critical patent/JP3910876B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polyethers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エポキシ化合物のゲル化やエポキシ基の開環
等の副反応を抑制すると共に、反応速度を飛躍的に向上
させることにより、反応に供するエポキシ化合物が少量
でも効率的にポリフェニレンエーテルと反応させて、エ
ポキシ化ポリフェニレンエーテルを製造する方法を提供
する。 【解決手段】 重量平均分子量が1万未満のポリフェニ
レンエーテルと、1分子内に2個以上のエポキシ基を有
するエポキシ化合物をポリフェニレンエーテルが固体状
態を保持したままで反応させるに際して、アミン化合物
を触媒として用いるエポキシ化ポリフェニレンエーテル
の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント基板や絶
縁封止剤等の電機・電子材料に適したエポキシ化ポリフ
ェニレンエーテルの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリフェニレンエーテルは、耐熱性が高
く、誘電特性に優れるため、電機・電子機器のプリント
基板や絶縁封止剤等に適した材料であるが、一方で、ト
リクロロエチレン等のハロゲン系溶剤、トルエン等の芳
香族系溶剤に対する耐溶剤性が低いという欠点がある。
そのため、電子材料の用途においては、ポリフェニレン
エーテルを架橋、硬化させることにより低誘電特性、高
耐熱性を損なうことなく、耐薬品性を向上させることが
行われている。
【0003】ポリフェニレンエーテルを架橋、硬化させ
る方法としては、例えば、特開平6−206984号公
報、特公平6−17457号公報、米国特許第5834
565号明細書には、ポリフェニレンエーテルとポリエ
ポキシド化合物の組成物が開示されている。これらの方
法によると、ポリフェニレンエーテルとの反応に関与し
ない未反応のポリエポキシドが多量に残存するため、ポ
リフェニレンエーテルの耐熱性が損なわれる。
【0004】エポキシ基を有するポリフェニレンエーテ
ルについては、特表昭63−503392号公報、特公
平7−5818号公報、特公平3−6185号公報、国
際公開第00/52074号パンフレットに、ポリフェ
ニレンエーテルと、グリシジルメタクリレートやグリシ
ジルアクリレート等の分子内に二重結合およびエポキシ
基を含むエポキシ化合物を反応させることによって得ら
れるエポキシ基を有するポリフェニレンエーテルが開示
されている。しかし、これらの方法によって得られるエ
ポキシ基を有するポリフェニレンエーテルは、高分子鎖
に有効に導入されるエポキシ基数が少ないため、架橋、
硬化させることができないものであった。
【0005】上記の課題を解決する手段として、本発明
者は、分子内に複数個のエポキシ基を持つエポキシ化合
物と固体状ポリフェニレンエーテルを反応させる方法を
検討したが、塩基性触媒を加えない場合には反応速度が
低く、十分な耐薬品性を有する硬化物を与えるのに必要
なエポキシ付加率に達するまでに長時間要するため、反
応プロセスの経済性は極めて低いという問題があった。
また、アルコラートまたは水酸化ナトリウムを用いた場
合、エポキシ基開環やエポキシ化合物のゲル化等の副反
応が発生し、エポキシ化合物をポリフェニレンエーテル
に対して過剰に加えなければエポキシ基が有効に導入さ
れないという課題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ポリフェニ
レンエーテルと、1分子内に2個以上のエポキシ基を有
するエポキシ化合物とを反応させるに際して、エポキシ
化合物のゲル化やエポキシ基の開環等の副反応を抑制す
ると共に、反応速度を飛躍的に向上させることにより、
反応に供するエポキシ化合物が少量であっても、効率的
にポリフェニレンエーテルと反応させて、エポキシ化ポ
リフェニレンエーテルを製造する方法を提供することを
目的とする。
【0007】さらに、本発明は、容易に架橋し、耐熱
性、誘電特性および耐薬品性に優れた硬化物を与え、プ
リント基板、絶縁封止剤等の電機・電子材料に有用なエ
ポキシ化ポリフェニレンエーテルの製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、エポキシ基
を有するポリフェニレンエーテルについて鋭意検討を進
めた結果、重量平均分子量1万未満のポリフェニレンエ
ーテルと多官能のエポキシ化合物とを反応させるに際し
て、アミン化合物を触媒に用いると、触媒無添加時に比
べて反応速度が促進される上に、エポキシ基開環やエポ
キシ化合物のゲル化等の副反応が抑制されるため、ポリ
フェニレンエーテルの鎖末端に効率的にエポキシ基が導
入されること、さらに、得られたポリフェニレンエーテ
ルは、硬化性に優れ、硬化により耐熱性、誘電特性およ
び耐薬品性に優れる硬化物を与えることを見出し、本発
明を完成させるに至った。
【0009】すなわち、本発明は以下のとおりである。 (1)重量平均分子量が1万未満のポリフェニレンエー
テルと、1分子内に2個以上のエポキシ基を有するエポ
キシ化合物とをポリフェニレンエーテルが固体状態を保
持したままで反応させるに際して、アミン化合物を触媒
として用いることを特徴とするエポキシ化ポリフェニレ
ンエーテルの製造方法。 (2)アミン化合物が脂肪族第3級アミンであることを
特徴とする(1)に記載のエポキシ化ポリフェニレンエ
ーテルの製造方法。 (3)反応温度が20〜150℃であることを特徴とす
る(1)または(2)に記載のエポキシ化ポリフェニレ
ンエーテルの製造方法。 (4)反応温度が20〜100℃であることを特徴とす
る(1)〜(3)のいずれか1つに記載のエポキシ化ポ
リフェニレンエーテルの製造方法。
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
用いるポリフェニレンエーテルは、化学式(1)の構造
を持ち、重量平均分子量が1万未満の重合体または共重
合体である。
【0011】
【化1】
【0012】(式中、R1、R2、R3およびR4は、
各々独立して、水素原子、アルキル基またはハロゲン原
子を表す)
【0013】重量平均分子量1万未満に相当する、30
℃、0.5g/dlのクロロホルム溶液の還元粘度は
0.2dl/g以下の範囲にある。ポリフェニレンエー
テルの重量平均分子量が1万未満であるために、製造さ
れるエポキシ化ポリフェニレンエーテルの架橋、硬化反
応の速度は早くなり、硬化生成物の橋架け間の平均分子
量は小さくなる。その結果、よりガラス転移温度が高
く、耐溶剤性が向上した硬化ポリフェニレンエーテル樹
脂が得られる。
【0014】本発明に用いるポリフェニレンエーテル重
合体は、単独重合体または共重合体である。単独重合体
の具体例としては、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−
フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチルー6−フェニ
ルー1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル
−6−フェニルー1,4−フェニレンエーテル)、ポリ
(2,6−ジクロロ−1,4−フェニレンエーテル)等
が挙げられる。ポリフェニレンエーテル共重合体の具体
例としては、2,6−ジメチルフェノールと他のフェノ
ール類(例えば2,3,6−トリメチルフェノールや2
−メチル−6−メチルブチルフェノール)との共重合体
等が挙げられる。これらの中で、ポリ(2,6−ジメチ
ル−1,4−フェニレンエーテル)、2,6−ジメチル
フェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共
重合体が好ましく、より好ましくはポリ(2,6−ジメ
チル−1,4−フェニレンエーテル)である。
【0015】本発明に用いるポリフェニレンエーテル
は、固体状態を保持したままで反応に供される。固体状
態としては、粉体、ペレットのいずれの状態でもよい
が、粉体状のものであることが好ましい。粉体状のポリ
フェニレンエーテルは、例えば、ポリフェニレンエーテ
ルをトルエン、キシレン等の良溶媒に溶かした溶液にメ
タノール、アセトン等の貧溶媒を加えることによって得
ることができる。ポリフェニレンエーテルを、例えば、
トルエン、クロロホルム等の良溶媒に溶解させた溶液状
またはポリフェニレンエーテルの融点以上における溶融
状で反応に供すると、反応中に架橋、ゲル化が生じやす
くなる。粉体の状態で使用する場合、紛体の粒径は限定
されないが、取扱い性の観点から10〜1,000μm
が好ましく、より好ましくは30〜700μmの範囲で
ある。
【0016】本発明に用いるエポキシ化合物は、1分子
中に2個以上のオキシラン環を含む多官能エポキシ化合
物である。具体例を示すと、エポキシ樹脂、1,3−ブ
タジエンジエポキシド、ヘキサジエンジエポキシド、オ
クタジエンジエポキシド、イソシアヌル酸トリグリシジ
ルエステル、エポキシ化大豆油等が挙げられる。この中
で好ましいのは、エポキシ樹脂と総称される化合物のグ
ループから選ばれたものであり、その具体例としては、
ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ポリグリシジルエー
テル、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型
エポキシ樹脂、グリシジルエステル、グリシジルアミ
ン、ヒダントイン型エポキシ樹脂等が挙げられる。これ
らの中でも最も好ましくは、化学式(2)で表されるビ
スフェノールA型樹脂または化学式(3)で表されるポ
リグリシジルエーテルである。
【0017】
【化2】
【0018】(式中、X1及びX2は、芳香族炭化水
素、Aは、脂肪族炭化水素、nは、0または1以上の整
数)
【0019】
【化3】
【0020】(式中、Rは、脂肪族または芳香族炭化水
素、nは、0または1以上の整数)
【0021】エポキシ化合物の状態は限定されないが、
後記のポリフェニレンエーテルと反応させる温度および
圧力条件下において、気体または液体であることが好ま
しい。また、エポキシ化合物をポリフェニレンエーテル
の貧溶媒に溶解させた溶液をポリフェニレンエーテルと
混合し、反応させてもよい。本発明において、エポキシ
化合物の添加量は、ポリフェニレンエーテルの末端フェ
ノール基に対し、好ましくは0.1〜10倍モル、より
好ましくは0.8〜5倍モル、最も好ましくは1.1〜
3倍モルの範囲である。エポキシ化合物の添加量が0.
1倍モル未満では、硬化性のあるポリフェニレンエーテ
ルが得られにくい場合があり、10倍モルを越えると、
硬化物の耐熱性や誘電特性が低下することがある。
【0022】ポリフェニレンエーテルと1分子内に2個
以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物を反応させる
際は、前記のようにポリフェニレンエーテルは固体状態
であることが必要である。ポリフェニレンエーテルとエ
ポキシ化合物を反応させるときの温度には制限はない
が、好ましくは20〜150℃、より好ましくは20〜
100℃である。反応温度が20℃未満では、ポリフェ
ニレンエーテルと多官能エポキシ化合物が十分反応しな
いことがある。また、反応温度が150℃を越えると、
エポキシ基開環等の副反応が増加しやすくなって、ポリ
フェニレンエーテルが溶融し、架橋しやすくなる傾向が
ある。
【0023】本発明は、ポリフェニレンエーテルとエポ
キシ化合物との反応触媒として、アミン化合物を用いる
点に大きな特徴がある。本発明で用いるアミン化合物
は、分子内にアミノ基を有するものであれば限定されな
い。アミン化合物としては、トリメチルアミン、トリエ
チルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、
トリ−n−オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミ
ン、テトラメチルエチレンジアミン、N−メチルイミダ
ゾールが例として挙げられる。中でもトリメチルアミ
ン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチ
ルアミン、ブチルジメチルアミンが好ましく、これらの
中で脂肪族第3級アミンがより好ましい。
【0024】アミン化合物以外の塩基性化合物、例え
ば、ブチルリチウム、ナトリウムメチラート、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム等は、塩基性が強いため、エ
ポキシ基の開環やエポキシ化合物の重合反応が起こり、
ポリフェニレンエーテルに導入されるエポキシ基数が少
なく、本発明の目的が達成されない。本発明のアミン化
合物の添加量は、原料ポリフェニレンエーテルに対し
て、好ましくは0.01〜10重量部、より好ましくは
0.1〜7重量部、最も好ましくは0.1〜5重量部の
範囲である。アミン化合物の添加量が0.01重量部未
満では、十分な反応促進効果が得られないことがあり、
10重量部を越えると、ポリフェニレンエーテルの色調
を悪化させる場合がある。
【0025】本発明の製造方法により、エポキシ化合物
のゲル化やエポキシ基の開環等の副反応を抑制すると共
に、反応速度を飛躍的に向上させることにより、反応に
供するエポキシ化合物が少量であっても、効率的にポリ
フェニレンエーテルと反応させて、エポキシ化ポリフェ
ニレンエーテルを製造することができる。本発明により
製造されるエポキシ化ポリフェニレンエーテルは、エー
テルの架橋体を含まず、分子鎖末端にエポキシ基を有す
る。また得られるエポキシ化ポリフェニレンエーテルに
は、ポリフェニレンエーテルの炭化物である黒色異物を
含まない。本発明により製造されるエポキシ化ポリフェ
ニレンエーテルは架橋・硬化性に優れ、その架橋体は耐
薬品性に優れ、誘電率が低く、耐熱温度が高いことから
プリント基板材料をはじめとする電子材料に適してい
る。
【0026】このエポキシ化ポリフェニレンエーテル
は、種々の硬化剤と反応して3次元網目構造を形成す
る。硬化剤としては、エポキシ樹脂で一般に使用される
ものであれば限定されない、例えば、1分子中に複数の
アミノ基、酸無水基、フェノール性OH基、チオール基
を有するものが挙げられる。中でも多官能アミン化合物
が好ましい。硬化したポリフェニレンエーテルは、耐薬
品性、耐熱性および誘電特性に優れるため、プリント基
板、絶縁封止剤等に最適である。
【0027】
【発明の実施の形態】次に実施例により本発明を具体的
に説明するが、本発明はこれらによってなんら限定され
ない。本発明で使用する評価方法は、以下のとおりであ
る。 (1)エポキシ化ポリフェニレンエーテルのプロトンN
MR測定 反応後のエポキシ基を有するポリフェニレンエーテル粉
末に残存する未反応の多官能エポキシ化合物を除去する
ために、反応生成物2gを20mlのトルエンに溶解し
後、大過剰のメタノールを加えてポリマーを沈殿させ
る。沈殿したポリマーをろ過して分離した後、150
℃、0.1mmHgの条件で1時間、減圧乾燥させる。
【0028】上記の精製操作によって得られたエポキシ
化ポリフェニレンエーテルを重クロロホルムに溶解し、
270MHzNMRにて測定を行う。ピークのケミカル
シフトは、テトラメチルシランのピーク(0.00pp
m)を基準として決定する。ポリフェニレンエーテル1
分子当たりのエポキシ基の数は、ポリフェニレンエーテ
ルの芳香環3,5位プロトンに起因するピーク(6.4
7ppm)とエポキシ基に起因するピーク(2.74,
2.89,3.34ppm)の面積比から求める。
【0029】(2)ポリフェニレンエーテルの還元粘度 反応に用いる原料ポリフェニレンエーテルを0.5g/
100mlのクロロホルム溶液とし、30℃においてウ
ベローデ粘度計を用いて測定する。 (3)ポリフェニレンエーテルの分子量測定 クロロホルムを溶剤としたGPC測定を行い、予め作成
したポリスチレンの数平均分子量−溶出量の関係のグラ
フから算出する。
【0030】(4)エポキシ化ポリフェニレンエーテル
の耐薬品性 エポキシ化ポリフェニレンエーテル3gにトリエチレン
テトラミン0.5gを加え、よく混合させる。この混合
物を熱プレス機を用いて0.5Mpa、200℃で10
分間、加熱圧縮して硬化させた後、0.5Mpa、40
℃で10分間冷却させる。3.0gの硬化生成物を35
℃の塩化メチレンに5分間浸せき後、5分間風乾させ、
秤量した。浸せき前後の質量変化率を下記式から求め
る。 質量変化率(%)={(3.0−(浸せき後の質量))
/(3.0)}×100
【0031】
【実施例1】重量平均分子量が3,500であるポリフ
ェニレンエーテル3.0g、ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂(旭化成エポキシ(株)製Grade250)
0.5gおよびトリ−n−ブチルアミン0.075gを
よく混合した後、オートクレーブに密閉し、80℃、2
時間、加熱した。反応生成物のプロトンNMR測定を行
った結果、反応後ポリマーは、1分子当たり平均1.9
個のエポキシ基を有することが判った。反応後ポリマー
のGPC曲線の形状は、原料ポリフェニレンエーテルの
GPC曲線の形状とほぼ同じであり、架橋反応が起きて
いないことが確認された。反応生成物0.1gをクロロ
ホルム20mlと混合したところ、完全に溶解し、透明
な均一溶液が得られた。
【0032】反応条件及び反応生成物の評価結果を、以
下の実施例および比較例と共に、表1および表2に示
す。
【0033】
【実施例2〜4】ビスフェノールA型エポキシ樹脂の組
成、反応温度および反応時間を変えた他は実施例1と同
様に行った。反応後のポリマーが有する1分子当たり平
均のエポキシ個数を表1に示す。いずれの場合にも、反
応後ポリマーのGPC曲線の形状は、原料ポリフェニレ
ンエーテルのGPC曲線の形状とほぼ同じであった。
【0034】
【実施例5】エポキシ化合物をビスフェノールA型エポ
キシ樹脂の代わりに化学式(4)
【0035】
【化4】
【0036】のエチレングリコールジグリシジル(A)
を用いた以外は、実施例1と同様に行った。プロトンN
MR測定の結果、反応後ポリマーは1分子当たり平均
1.7個のエポキシ基を有することが判った。反応後ポ
リマーのGPC曲線の形状は原料ポリフェニレンエーテ
ルのGPC曲線の形状とほぼ同じであり、架橋反応が起
きていないことが確認された。
【0037】
【実施例6〜10】エチレングリコールジグリシジルの
組成、反応温度および反応時間を変えた以外は、実施例
1と同様に行った。反応後ポリマーが有する1分子当た
り平均のエポキシ個数を表2に示す。いずれの場合にも
反応後ポリマーのGPC曲線の形状は原料ポリフェニレ
ンエーテルのGPC曲線の形状とほぼ同じであった。、
【0038】
【比較例1】触媒として、トリ−n−ブチルアミンの変
わりに28重量%ナトリウムメチラートのメタノール溶
液0.1g加えた以外他は、実施例1と同様に行った。
【0039】
【比較例2】反応時間を20時間とした以外は比較例1
と同様に行った。反応生成物0.1gをクロロホルム2
0mlと混合したが、エポキシ樹脂がゲル化して生成し
た不溶分が多く見られた。
【0040】
【比較例3】エポキシ樹脂の添加量を2.0gとした他
は比較例1と同様に行った。
【0041】
【比較例4】塩基性触媒として30%水酸化ナトリウム
のメタノール溶液0.1gを加えた以外は実施例1と同
様に行った。
【0042】
【比較例5】反応時間を20時間とした以外は比較例3
と同様に行った。反応生成物0.1gをクロロホルム2
0mlと混合したが、エポキシ樹脂がゲル化して生成し
た不溶分が多く見られた。
【0043】
【比較例6】塩基性触媒を全く加えない他は実施例1と
同様に行った。
【0044】
【比較例7】反応時間を20時間とした他は比較例5と
同様に行った。
【0045】
【比較例8】重量平均分子量43,000のポリフェニ
レンエーテルを用いた他は実施例2と同様に行った。
【0046】
【比較例9】実施例1で用いたポリフェニレンエーテル
2.7Kgとグリシジルアクリレート300gを10L
の容器に入れ、窒素気流下、80℃でトルエン5.1K
gに溶解した。ベンゾイルパーオキシド45gをトルエ
ン900gに溶解させた溶液を容器内に徐々に滴下し
た。滴下後、80℃で5時間、加熱攪拌しながら反応を
行った。
【0047】反応後終了後、反応溶液を100Lの攪拌
機付きの容器に移し、ここで攪拌しながら60Kgのメ
タノールを徐々に加えていくとスラリー状になるので、
これをろ過、減圧乾燥して、白色粉末2.5Kgを得
た。この粉末の一部を上記、評価方法1に従て精製し、
NMR解析を行ったが、エポキシ基に起因するピークは
見られなかった。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【発明の効果】本発明によると、エポキシ化合物のゲル
化やエポキシ基の開環等の副反応を抑制すると共に、反
応速度を飛躍的に向上させることにより、反応に供する
エポキシ化合物が少量であっても、効率的にポリフェニ
レンエーテルと反応させて、エポキシ化ポリフェニレン
エーテルを製造することができる。この方法により得ら
れるエポキシ化ポリフェニレンエーテルは、高分子鎖に
導入されたエポキシ基数が多く、耐薬品性、耐熱性、誘
電特性に優れる硬化物を与える。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量平均分子量が1万未満のポリフェニレ
    ンエーテルと、1分子内に2個以上のエポキシ基を有す
    るエポキシ化合物とを、ポリフェニレンエーテルが固体
    状態を保持したままで反応させるに際して、アミン化合
    物を触媒として用いることを特徴とするエポキシ化ポリ
    フェニレンエーテルの製造方法。
  2. 【請求項2】 アミン化合物が脂肪族第3級アミンであ
    ることを特徴とする請求項1記載のエポキシ化ポリフェ
    ニレンエーテルの製造方法。
  3. 【請求項3】 反応温度が20〜150℃であることを
    特徴とする請求項1または2記載のエポキシ化ポリフェ
    ニレンエーテルの製造方法。
  4. 【請求項4】 反応温度が20〜100℃であることを
    特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のエポキ
    シ化ポリフェニレンエーテルの製造方法。
JP2002114824A 2002-04-17 2002-04-17 エポキシ化低分子量ポリフェニレンエーテルの製造方法 Expired - Fee Related JP3910876B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002114824A JP3910876B2 (ja) 2002-04-17 2002-04-17 エポキシ化低分子量ポリフェニレンエーテルの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002114824A JP3910876B2 (ja) 2002-04-17 2002-04-17 エポキシ化低分子量ポリフェニレンエーテルの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003306548A true JP2003306548A (ja) 2003-10-31
JP3910876B2 JP3910876B2 (ja) 2007-04-25

Family

ID=29396476

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002114824A Expired - Fee Related JP3910876B2 (ja) 2002-04-17 2002-04-17 エポキシ化低分子量ポリフェニレンエーテルの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3910876B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP3910876B2 (ja) 2007-04-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI227249B (en) Functionalized polyphenylene ether
JP4113261B2 (ja) ポリフェニレンエーテルの再分配および新規な構造を有するポリフェニレンエーテル
JP6170555B2 (ja) 超微細ポリ(フェニレンエーテル)粒子とそれから誘導される組成物
JP3826322B2 (ja) エポキシ樹脂組成物およびその硬化物
JPH06298902A (ja) エポキシ樹脂組成物
JP3830384B2 (ja) フッ素化合物含有樹脂組成物
US20180319930A1 (en) Method of forming a cured epoxy material, cured epoxy material formed thereby, phenylene ether oligomer-anhydride reaction product useful in the method, and composite core incorporating the cured epoxy material
JP2769590B2 (ja) エポキシ樹脂組成物
JP3910876B2 (ja) エポキシ化低分子量ポリフェニレンエーテルの製造方法
JP4024035B2 (ja) エポキシ基を有する低分子量ポリフェニレンエーテル及び、その製造方法
KR102559878B1 (ko) 폴리(페닐렌 에테르) 공중합체 방법 및 조성물
JP3482566B2 (ja) 新規な共縮合樹脂、該共縮合樹脂をエポキシ化したエポキシ樹脂及び該エポキシ樹脂組成物
JP2001114866A (ja) エポキシ化合物
JP6650273B2 (ja) エポキシ樹脂組成物及びその硬化物並びに新規ポリエーテルスルホン系樹脂
JP3970667B2 (ja) エポキシ化ポリフェニレンエーテルの製造方法
JPH11209459A (ja) エポキシ樹脂硬化剤、樹脂組成物、硬化物の製法、硬 化物
JP2747812B2 (ja) エポキシ樹脂硬化剤及びエポキシ樹脂組成物
WO2023149493A1 (ja) エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物およびエポキシ樹脂硬化物
JP3446165B2 (ja) フェノ−ル・ジシクロペンタジエン共縮合樹脂及びこれを含有するエポキシ樹脂
JP2001270930A (ja) 多核エポキシ化合物及びそれを含有する熱硬化性樹脂組成物
JP3446164B2 (ja) エポキシ樹脂及びその製造方法
JPH05287053A (ja) エポキシ樹脂、樹脂組成物及び硬化物
TW202244099A (zh) 環氧樹脂、其製造方法、使用該環氧樹脂之環氧樹脂組成物及硬化物
CN111183168A (zh) 硬化剂组合物
JP2023023714A (ja) 多価ヒドロキシ樹脂、エポキシ樹脂、それらを用いたエポキシ樹脂組成物および硬化物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20040510

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051101

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20060502

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20060905

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Effective date: 20060906

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Effective date: 20070123

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Effective date: 20070125

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100202

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100202

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 4

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110202

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 4

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110202

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120202

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120202

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130202

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees