JP2003306070A - 積荷運搬トロリー - Google Patents

積荷運搬トロリー

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JP2003306070A
JP2003306070A JP2002110026A JP2002110026A JP2003306070A JP 2003306070 A JP2003306070 A JP 2003306070A JP 2002110026 A JP2002110026 A JP 2002110026A JP 2002110026 A JP2002110026 A JP 2002110026A JP 2003306070 A JP2003306070 A JP 2003306070A
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Asao Tashiro
浅男 田代
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TECHNO HAGIHARA KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は積荷運搬トロリーにおいて、積荷係
合子とボギー車体の相対移動手段を小型化し、また、当
該移動手段が作動中に積荷係合子の下面において溝レー
ル表面と接触することがない積荷運搬トロリーを得るこ
とにある。 【解決手段】 細長い積荷係合子1と、ボギー車体2
と、積荷係合子に対してボギー車体を積荷係合子の長手
方向に相対移動させる移動手段と、ボギー車体が積荷係
合子の長手方向に相対移動したとき、長手方向移動と共
に積荷係合子をボギー車体に対して昇降させる昇降手段
を備えた積荷運搬トロリーであって、移動手段が、積荷
係合子に枢動可能に取り付けられた作動クランク8、増
幅クランク9を含む。また、昇降ローラー19と傾斜部
材18からなる昇降手段において、昇降ローラーが回転
接触する傾斜部材の傾斜角度を上昇初期での接触部で大
きく、その後の上昇過程での接触部で小さくした傾斜部
材を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、貨物自動車の荷台
床部に設けられた溝状のレール内を走行し、荷台上での
貨物の移動に使用される積荷運搬トロリーに関する。
【0002】
【従来の技術】後部に積荷用の開閉扉を備えた大型の貨
物自動車(例えば、冷蔵トラック、冷凍トラックなど)
では、パレットに載置された貨物をフォークリフトやト
ラックローダーで荷台後部に載せた後に貨物をパレット
ごと荷台前方へ順に配置する荷役作業が必要となる。ま
た荷降ろしにあっても荷台前方から後方へパレットを移
動させる荷役作業が必要となる。そこで、荷台床部に、
貨物自動車進行方向に平行な溝状レール(通常2対4本
のレール)が設けられていて、このレール上を走行する
積荷運搬トロリーが荷役作業に使用されている。例え
ば、特開平8−67246号の積荷運搬トロリーがあ
る。すなわち、積荷運搬トロリーは、細長い積荷係合子
とボギー車体から構成され、ボギー車体が積荷係合子に
対して長手方向に移動したときに、積荷係合子に設けら
れた傾斜部材とボギー車体に設けられた昇降ローラーの
相互作用により、積荷係合子がボギー車体に対して昇降
可能に構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】図10は従来技術であ
る積荷運搬トロリーを示す部分的な側面図である。クラ
ンク101が枢動軸103を中心に左に枢動(図中の矢
印方向)すると、リンク102を介してボギー車体2が
右に移動してボギー車体の昇降ローラー19が傾斜部材
104に乗り上げ積荷係合子1が持ち上げられる。図中
41はレール溝の表面であり、105は貨物荷台表面で
ある。クランク101とリンク102からなる移動手段
を収納する箱体106は積荷係合子1と固定されてい
て、積荷係合子1が下降位置にあるとき、荷台表面10
5よりも上方に突出している。従来の積荷運搬トロリー
では当該箱体の高さhは70mm〜80mmである。一
方レール溝の深さdは37mm〜43mm程度であり、
前記箱体の荷台表面からの突出高さは30〜40mmに
なっていた。
【0004】貨物が載置されたパレットをフォークリフ
トやトラックローダーで貨物自動車の荷台に乗せる(ま
たは降ろす)場合に、この積荷運搬トロリーの箱体がパ
レットやホークに接触するという不都合があった。この
ため、従来はホークの幅を調整したり、荷台上でパレッ
ト1個を前後移動する毎に積荷運搬トロリーを荷台から
降ろしたりといった作業を行っていた。荷台に乗せる作
業毎にホークの幅を調整するのは煩雑である。またパレ
ット1個の積載・移動毎に積荷運搬トロリーを荷台から
降ろすのは煩雑であり、また積荷運搬トロリーの着地時
の衝撃に起因してトロリーが破損することもあった。次
に箱体が突出しているので、積荷運搬トロリーをパレッ
ト下部またはレール溝内に収納することが不可能であっ
た。このため、荷台にパレットを満載した場合に、荷降
ろし作業時にも使用する積荷運搬トロリーを貨物と一緒
に運搬するためには、積荷運搬トロリーを収納する部分
を荷台内外のどこかに設けなければならなかった。また
このような積替え・収納時に積荷運搬トロリーに衝撃が
加わり破損するという事態も生じた。
【0005】さらに、従来の積荷運搬トロリーの操作棒
の先端部分が棒状であり、操作棒を使用して積荷運搬ト
ロリーを後退させるとき、つまり荷台の後側への移動時
に、積荷運搬トロリーの操作について習熟が必要である
という問題点も有していた。また、積荷運搬トロリーの
前進操作は、低い位置にある操作棒を押すことを避け
て、積荷に手をかけて行うことが多く、積荷の汚れや変
形などが発生する可能性があった。
【0006】そこで、本発明の課題は積荷運搬トロリー
(以下、トロリーと記述する場合もある)において、積
荷係合子とボギー車体の移動手段の高さを低くしたトロ
リーを得ることにある。本発明の他の課題は、移動手段
構成部材が積荷係合子の下面において溝レール表面と接
触することなく、必要十分な相対移動が可能な移動手段
を有するトロリーを得ることにある。本発明の更なる課
題は、長手方向において小さな距離に収められた移動手
段を有するトロリーを得ることにある。また、本発明の
課題は、実質的に荷重なしで積荷運搬トロリーが上昇す
る区間を素早く上昇するトロリーを得ることにある。本
発明の更なる他の課題は、移動手段と昇降手段との共動
により、積荷係合子の下面において溝レール表面と接触
することなく、必要十分な昇降が可能な移動手段と昇降
手段を備えたトロリーを得ることにある。本発明の他の
課題は、高さ長さ共に制限された空間内で作動する積荷
係合子緊急降下手段を備えたトロリーを得ることにあ
る。
【0007】また本発明の課題は、積荷係合子の下降位
置において、移動手段が積荷係合子の上面板の上面より
も下に位置するトロリーを得ることにある。本発明の更
なる他の課題は、荷台にパレットを積載した状態で荷台
床面に設けられている溝レール内に収納可能なトロリー
を得ることにある。また、本発明の課題は、高さ長さ共
に制限された空間内に移動手段構成部材が配置されたト
ロリーを得ることにある。更に、本発明の課題はトロリ
ーの後退作業が容易なトロリー操作棒を得ることにあ
る。本発明の他の課題は、積荷係合子が上昇位置、下降
位置どちらであっても、操作棒の握り部が一定高さとな
るトロリーを得ることにある。また、上昇下降操作用の
操作棒挿嵌穴とは別の、前進後退操作用の操作棒挿嵌穴
を設けた端壁をもつトロリーを得ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明においては以下の手段が採用される。請求項1
の積荷運搬トロリーは、細長い積荷係合子と、ボギー車
体と、該積荷係合子に対して該ボギー車体を該積荷係合
子の長手方向に相対移動させる移動手段と、該移動手段
により該ボギー車体が該積荷係合子の長手方向に相対移
動したとき、該長手方向移動と共に該積荷係合子を該ボ
ギー車体に対して下降位置と上昇位置の間で昇降させる
昇降手段を備えた積荷運搬トロリーであって、該移動手
段が、該積荷係合子に枢動可能に取り付けられた作動ク
ランクと、該積荷係合子に枢動可能に取り付けられた増
幅クランクと、該作動クランクと該増幅クランクを枢動
可能に接続する第1リンクと、該増幅クランクと該ボギ
ー車体を枢動可能に接続する第2リンクからなる。
【0009】請求項2の積荷運搬トロリーは、細長い積
荷係合子と、ボギー車体と、該積荷係合子に対して該ボ
ギー車体を該積荷係合子の長手方向に相対移動させる移
動手段と、該移動手段により該ボギー車体が該積荷係合
子の長手方向に相対移動したとき、該長手方向移動とと
もに該積荷係合子を該ボギー車体に対して下降位置と上
昇位置の間で昇降させる昇降手段を備えた積荷運搬トロ
リーであって、該昇降手段が傾斜部材と昇降ローラーか
らなるものであり、該傾斜部材は該積荷係合子に、かつ
該昇降ローラーは該ボギー車体にそれぞれ取り付けられ
るか、または該傾斜部材は該ボギー車体に、かつ該昇降
ローラーは該積荷係合子にそれぞれ取り付けられたもの
であって、該傾斜部材の該昇降ローラーが回転接触する
傾斜面と該積荷係合子の上面板の上面が挟む角度a、b
が下記関係式(1)を満たすものである。 b>a (1) (bは該積荷係合子が下降位置から荷台表面と同じ高さ
まで上昇する間に、該昇降ローラーが回転接触する該傾
斜部材の傾斜面の平均角度であり、aは該積荷係合子が
荷台表面と同じ高さから最上昇位置まで上昇する間に、
該昇降ローラーが回転接触する該傾斜部材の傾斜面の平
均角度である)
【0010】請求項3にかかる積荷運搬トロリーは、請
求項1記載の積荷運搬トロリーであって、該昇降手段が
傾斜部材と昇降ローラーからなるものであり、該傾斜部
材は該積荷係合子に、かつ該昇降ローラーは該ボギー車
体にそれぞれ取り付けられるか、または該傾斜部材は該
ボギー車体に、かつ該昇降ローラーは該積荷係合子にそ
れぞれ取り付けられたものであって、該傾斜部材の該昇
降ローラーが回転接触する傾斜面と該積荷係合子の上面
が挟む角度a、bが下記関係式(1)を満たすことを特
徴とする。 b>a (1) (bは、該積荷係合子が下降位置から荷台表面と同じ高
さまで上昇する間に、該昇降ローラーが回転接触する該
傾斜部材の傾斜面の平均角度であり、aは、該積荷係合
子が荷台表面と同じ高さから最上昇位置まで上昇する間
に、該昇降ローラーが回転接触する該傾斜部材の傾斜面
の平均角度である)
【0011】請求項4にかかる積荷運搬トロリーは、請
求項1、または3記載の積荷運搬トロリーであって、積
荷運搬トロリーが走行するレール溝の走行面より一段高
く設けられたストッパーを検知して、該積荷係合子を降
下させる緊急降下手段を有する積荷運搬トロリーであっ
て、該緊急降下手段は、該積荷係合子に枢動可能に取り
付けられた検知部材と、該検知部材と該作動クランクを
枢動可能に接続する第3リンクからなり、該接続は、該
検知部材と該第3リンクを接続する第1枢動軸と、該作
動クランクと該第3リンクを接続する第2枢動軸でおこ
なわれ、また、該第3リンクは、該第1枢動軸を受ける
長穴状の軸受を有するものであり、該長穴状軸受の長軸
方向は、該積荷係合子の下降位置において、該第1枢動
軸と該第2枢動軸の軸心を結ぶ直線と略平行であり、ま
た、該長穴状軸受の短軸の長さは、該第1枢動軸の直径
よりも大きいものであって、該長穴状軸受中で、該第1
枢動軸は該検知部材側に付勢されていることを特徴とす
る。請求項5にかかる積荷運搬トロリーは、請求項4記
載の積荷運搬トロリーであって、該作動クランク、該第
3リンクおよび該検知部材が、該積荷係合子下降位置
で、該積荷係合子の上面板の上面延長面よりも下に位置
していることを特徴とする。
【0012】請求項6にかかる積荷運搬トロリーは、請
求項1、または3乃至5記載の積荷運搬トロリーであっ
て、該積荷係合子の上面板の下面であって、該増幅クラ
ンクの該積荷係合子との枢動軸に対面する部分が凹部と
なっていることを特徴とする。請求項7にかかる積荷運
搬トロリーは、請求項1、または3乃至6記載の積荷運
搬トロリーであって、積荷係合子下降位置において、該
第1リンクの、該作動クランクと該積荷係合子との枢動
軸に対面する部分が、凹形状となっていることを特徴と
する。請求項8にかかる積荷運搬トロリーは、請求項1
乃至7記載の積荷運搬トロリーであって、該積荷係合子
の上面板の上面に、突出した積荷係止部を設けたことを
特徴とする。請求項9にかかる積荷運搬トロリーは、請
求項1、または3乃至8記載の積荷運搬トロリーであっ
て、該作動クランクは、操作棒の先端部が挿嵌可能な穴
が設けられていて、該穴が積荷係合子の下降位置で、積
荷運搬トロリーの長手前方方向に傾いて設けられている
穴を有する作動クランクであることを特徴とする。
【0013】請求項10にかかる積荷運搬トロリーの操
作棒は、請求項1、または3乃至9記載の積荷運搬トロ
リーの操作棒であって、該作動クランクに設けられた穴
にその先端部が挿嵌可能であり、該挿嵌状態で該積荷係
合子の該移動手段取り付け側の端壁に接する部分の近傍
であって該挿嵌先端側に鍔をつけた操作棒であることを
特徴とする。請求項11にかかる積荷運搬トロリーは、
請求項1乃至9記載の積荷運搬トロリーであって、該積
荷係合子の端壁は、操作棒の先端部が挿嵌可能な穴であ
って、上下方向に空けられている穴を有する端壁である
ことを特徴とする。
【0014】
【作用】請求項1にかかるトロリーにあっては、移動手
段は2つのクランクから構成される。作動クランクの枢
動により生じる第1リンク枢動軸の移動は第1リンクを
通じて増幅クランクを枢動させる。この増幅クランクの
枢動により生じる第2リンク枢動軸の前後方向移動が第
2リンクを通じてボギー車体に伝達され、積荷係合子と
ボギー車体との長手方向の相対移動が行われる。請求項
2にかかるトロリーにあっては、昇降手段が傾斜部材と
昇降ローラーにより構成され、傾斜部材の傾斜角度は、
積荷係合子の下降位置から積荷係合子の上面板上面が荷
台表面と同じ高さまで上昇する間に昇降ローラーが接す
る部分の平均角度が一の角度であり、その後上昇を続け
最上昇位置に達するまでの間に昇降ローラーが接する部
分の平均角度が当該一の角度よりも小さくなるように形
成されている。よって、上昇初期は積荷係合子とボギー
車体の相対移動距離に対する上昇高さの比率が大きく、
その後はこの比率が小さくなる。
【0015】請求項3にかかるトロリーは、前記の移動
手段と前記の昇降手段が組み合わされている。請求項4
にかかるトロリーにあっては、緊急降下手段を構成する
検知部材と第3リンクの枢動軸は、第3リンクに設けら
れた長穴状軸受と接続されていて、かつ長穴状軸受内で
検知部材側に付勢されている。検知部材は、作動クラン
クの枢動に伴い、枢動して積荷係合子本体の下方に突出
する。積荷係合子の上昇初期において、作動クランクの
枢動により生じる第3リンクの移動分は、第3リンクに
設けられた長穴内で当該枢動軸が移動することに費やさ
れる。その後第3リンクが移動を続け、第3リンクの移
動が一定の角度以上の回転を伴う移動になったときに、
第3リンクに接続されている当該枢動軸は長穴内の側壁
に作用して検知部材を枢動させる。この枢動とほぼ同時
に当該枢動軸は付勢手段の作用により長穴の側端部(検
知部材側)に押し付けられる。以降の動作では、当該枢
動軸の移動分がそのまま検知部材の枢動に費やされる。
作動クランクの逆方向への枢動、又は、検知部材のスト
ッパーとの衝突による検知部材の枢動に起因して、積荷
係合子が下降するときは、前記と逆の過程を経る。
【0016】請求項6にかかるトロリーにあっては、積
荷係合子の上面板の下面が、増幅クランクの端部に対面
する部分で凹部となっており、増幅クランクの枢動軸を
上面板に近接して配置できる。請求項7にかかるトロリ
ーにあっては、第1リンクが、作動クランクと積荷係合
子の枢動軸に対面する部分で凹部となっており、積荷係
合子下降位置において第1リンクを当該枢動軸に近接し
て配置することができる。請求項8にかかるトロリーに
あっては、積荷係合子の上面に設けられた積荷係止部
は、被移動対象物にトロリーを位置付ける作用と、トロ
リーが荷物とともに運搬される場合に、レール溝中での
トロリーの移動を規制する作用を果たす。請求項9にか
かるトロリーにあっては、作動クランクに設けられた操
作棒挿嵌穴がトロリーの前方側に傾いて空けられている
ので、該穴に挿嵌された操作棒は、穴の傾き分だけ、作
動クランクよりもトロリーの前方に傾く。また、操作棒
を引き下げトロリーを上昇位置にした場合には、操作棒
の握り部分は荷台床面から上方に離れて止まる。
【0017】請求項10にかかる積荷運搬トロリーの操
作棒は先端側に鍔を設けている。積荷係合子の上昇位置
において、作動クランクの穴に操作棒を入れた状態でト
ロリーを後退させる場合に、この鍔を積荷係合子の端壁
の内壁表面に係合させることができる。請求項11にか
かる積荷運搬トロリーにあっては、端壁に操作棒挿嵌用
の穴を設けている。この穴は操作棒を挿入してトロリー
の前進後退の操作を行うために設けられている。積荷係
合子が上昇位置にあるか、下降位置にあるかを問わず、
挿入した操作棒の握り部は荷台表面から一定高さに位置
付けられる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明においてボギー車体とは、
移動方向に前後に設けられ、かつその回転軸が移動方向
と垂直である1対以上(好ましくは1対)の軌道ローラ
ーの回転軸を結合し、積荷係合子の上昇位置において、
積荷係合子の支持部が当該対になる軌道ローラー回転軸
間の中央にある1対以上の軌道ローラーの結合体をい
う。本発明にかかる積荷運搬トロリーは、ボギー車体を
通常1個以上、好ましくは2個から5個、より好ましく
は3個から4個、もっとも好ましくは3個使用するもの
である。ボギー車体が複数個使用される場合には、通
常、これらをトロリーの進行方向に並べて使用される。
本発明にかかる積荷運搬トロリーは細長い形状であり、
一方端部に移動手段と操作部が取り付けられていて、通
常この操作部を貨物自動車荷台の後側に配置して使用さ
れる。操作部は操作棒の挿入、操作が可能となるように
上面が開放されている。
【0019】移動手段の高さは、レール溝の深さ(通常
使用されているレール溝の深さは約37mm)以下にする
ことが好ましい。また移動手段のトロリー前後方向の長
さは、狭い空間である荷台上での荷物移動作業補助とい
う積荷運搬トロリーの本来の目的から短くすることが好
ましい。例えば、従来例の移動手段部分の長さは約13
0mm程度であり、この長さと同等、またはこれ以下の
長さにすることが好ましい。本発明において、貨物自動
車には、内燃機関、電気モーターなどを含む自走手段と
荷台を備えた自動車のほかに、自走手段と荷台が分離可
能なトレーラー形式の自動車、さらには、トレーラーの
荷台のみをも含むものである。本発明において、移動手
段は、細長い積荷係合子の長手方向に積荷係合子とボギ
ー車体を相対移動させるものである。よって、積荷係合
子に対してボギー車体が、往路は後から前に動き、復路
は前から後に動く移動動作を生じる移動手段と、往路
は、前から後に動き、復路は後から前に動く移動動作を
生じる移動手段が共に本発明の移動手段に含まれる。
【0020】本発明のトロリーの移動手段は作動クラン
クと増幅クランクを結合したものである。前記の高さ、
長さの制限からクランクの有効軸長を長くすることが不
都合であるから、有効軸長の短い増幅クランクを用い、
その枢動角度を大きくすることにより、必要な移動距離
を得ている。すなわち本発明における2つのクランクの
枢動角度を例示すると、作動クランクは約80度、増幅
クランクは約120度である。2つのクランクは、通
常、作動クランク、増幅クランク、ボギー車体の順に配
置するが、増幅クランク、作動クランク、ボギー車体の
順に配置することも可能であり、どちらの配置も本発明
の範囲に含まれる。また、作動クランクの枢動軸は、積
荷係合子側板の上端下端の間の上下位置に配置可能であ
る。増幅クランクの枢動軸も、同様に、積荷係合子側板
の上端下端の間の上下位置に配置可能である。さらに、
両クランクの枢動軸が設けられた端部の他方端部は、枢
動にともない、積荷係合子の下方にはみ出してもよく、
上方にはみ出してもよく、あるいは、積荷係合子の高さ
範囲内で枢動させることもできる。
【0021】昇降手段は、積荷係合子に対してボギー車
体が長手方向に相対移動したとき、この長手方向への移
動距離の一部を積荷係合子とボギー車体との間隔距離
(昇降高さ)に変換するものである。長手方向移動距離
は通常、約40mm、昇降高さは通常、約10〜15mm
である。昇降手段を例示すると、傾斜部材と昇降ローラ
ーの組み合せ、傾斜部材とボールの組み合せ、ボギー車
体の側面外側に傾斜をつけて設けた案内溝と積荷係合子
側壁の内側にこれに係合するピンを設けた組み合せなど
がある。これらの中では、傾斜部材と昇降ローラーの組
み合せが、当該昇降ローラーがボギー車体支持軸を兼用
することができる点で好ましい。さらに、積荷係合子か
らボギー車体が脱落することを防止することを主たる目
的にして案内溝とピンの組み合せを、傾斜部材と昇降ロ
ーラーの組み合せと併用して用いることが好ましい。傾
斜部材と昇降ローラーの組み合せからなる昇降手段は、
傾斜部材を積荷係合子に取り付け、かつ、昇降ローラー
をボギー車体に取り付け構成することができる。また、
昇降ローラーを積荷係合子に取り付け、かつ、傾斜部材
をボギー車体に取り付け構成することもできる。両者を
比較すると、ボギー車体に昇降ローラーと軌道ローラー
を同様に組み付けることができるという加工の容易性か
ら、昇降ローラーをボギー車体に取り付けるほうが好ま
しい。
【0022】傾斜部材の傾斜面の角度については、該傾
斜部材の該昇降ローラーが回転接触する傾斜面と該積荷
係合子の上面板の上面が挟む角度a、bが下記関係式
(1)を満たすことが好ましい。 b>a (1) (1)式中で、bは、該積荷係合子が下降位置から荷台
表面と同じ高さまで上昇する間に、該昇降ローラーが回
転接触する該傾斜部材の傾斜面の平均角度であり、a
は、該積荷係合子が荷台表面と同じ高さから、最上昇位
置まで上昇する間に、該昇降ローラーが回転接触する該
傾斜部材の傾斜面の平均角度である。通常、bは、90
度以下の角度である。積荷係合子の傾斜面の角度を切り
替える1つの理由は、積荷係合子の上昇操作に伴って、
作動クランク、増幅クランクが積荷係合子の下面に徐々
に突出してくるので、これらがレール溝表面と接触する
ことがないように、上昇初期すなわち長手方向への移動
距離が小さい段階で、積荷係合子をより早く上昇させ、
積荷係合子に取り付けられている作動クランクと増幅ク
ランクの下面への突出可能距離を上昇初期の段階で大き
くとるためである。また他の理由は、積荷係合子の上面
板の上面が、下降位置から荷台表面と同じ高さまで上昇
する上昇初期段階では、積荷係合子は空荷で上昇するの
で、前記傾斜面の傾斜角を大きくとっても上昇操作に大
きな力は不要だからである。現在使用されている溝レー
ルを使用し、また、従来技術にかかるトロリーのボギー
車体を使用した場合に、前記空荷での上昇距離は、約3
〜6mmである。
【0023】積荷係合子が荷台表面と同じ高さまで上昇
してパレット下面と係合した後は、パレット積載物の荷
重に対抗して上昇を継続するので、当該傾斜部材の傾斜
面の角度は前記空荷上昇時の値よりも小さくする。当該
角度(a)は、従来技術にかかるトロリーに使用されて
いる傾斜部材の傾斜角度(19度前後)を採用すること
が好ましい。 なお、本発明において、積荷係合子の最
上昇位置とは、積荷係合子とボギー車体の上下間隔が最
も離れる位置であり、当該位置を越えた後に昇降ローラ
ーが積荷係合子の最上部に穿かれたローラー受けに位置
付けられる(上昇位置)。上昇位置での積荷係合子とボ
ギー車体の上下間隔は、前記最上昇位置での間隔から少
し狭まる。
【0024】傾斜部材の傾斜角度の変更は傾斜面を平面
2つで構成して、傾斜面の途中で角度が切り替わるよう
にしてもよいし、また傾斜面を全部又は部分的に曲面に
構成して一の大きい角度から徐々に小さな角度に変わる
ようにすることもできる。加工の容易性から傾斜面を平
面2つで構成することが好ましい。さらに傾斜部材のロ
ーラー受けより先、すなわち昇降ローラーが接触しない
側は任意の形状にすることができる。傾斜部材の取り付
け方向は、移動手段の移動方向によって異なる。下降位
置から上昇位置に向かう場合に、積荷係合子に対してボ
ギー車体が、後から前に動く場合には、傾斜部材の当該
傾斜面を積荷係合子の後方に向けて配置する。逆の移動
の場合には、傾斜部材の当該傾斜面を積荷係合子の前方
に向けて配置する。
【0025】本発明にはトロリーの緊急降下手段に関す
る発明が含まれる。緊急降下手段は、積荷係合子が上昇
した位置で後退移動中に、下面に突出している検知部材
が、レール溝に設けられレール溝走行面よりも一段高く
設けられたストッパーに接触し枢動したとき、この枢動
の動きを作動クランクに伝達し、積荷係合子を降下させ
るものである。当該ストッパーは、通常、レール溝上で
あって、荷台後方側の端部に取り付けられる。緊急降下
手段の構成部材・その配置などは以下の条件を考慮し
た。まず、当該手段の確実な動作のためには作動時初期
に第1枢動軸(検知部材と第3リンクの枢動軸)と、第
2枢動軸(作動クランクと第3クランクの枢動軸)の動
作接線が一致または接線方向が近接していることが望ま
しい。次に、緊急降下手段を配置する積荷係合子の一部
分の高さ、長さを短くすることが好ましい。さらに、部
材が下面に突出するタイミングについて、前記移動手段
で述べたと同様に、下面に余裕ができてから突出させる
必要がある。これらを可能な限り満足する緊急降下手段
の構成部材、すなわち、検知部材と第3リンクの配置を
行うと第3リンク移動に伴い第1枢動軸と第2枢動軸の
間隔が一定に保たれない。本発明は、この課題を、第3
リンクに長穴状の軸受を設け、この軸受中の第1枢動軸
を付勢手段によって付勢することにより解決したもので
ある。
【0026】垂直な面であって、かつ、トロリーの前後
方向に平行な面内を考えると、第3リンクに設けた長穴
状軸受の長軸方向は、積荷係合子の下降位置において、
第3リンクの両端部に接続する2つの枢動軸の軸心を結
ぶ直線と略平行(すなわち、当該直線上にあるか、また
は、当該直線と略同一線上にあるか、あるいは、当該直
線の方向と同一方向であるか、または、当該直線の方向
と略同一方向)である。また、同様な面内で、長穴状軸
受の短軸の長さは、当該軸受内に入る第1枢動軸の断面
直径よりも少し長いものである。短軸の長さを少し長く
することによって、第3リンクの一定角度の移動は、長
穴状軸受内での第1枢動軸の移動に消費される。当該長
穴状軸受は、第3リンクに設ける貫通穴であってもよ
く、また、非貫通穴であってもよい。枢動軸を軸受内に
位置付ける加工の容易性から貫通穴であることが好まし
い。また、枢動軸は、長手方向に段部を設けその直径を
違えて一体の軸体として使用されることもある。本発明
にかかる枢動軸の直径と長穴状軸受の短軸長さの比較
は、枢動軸体の一部分であって、軸受内に位置付けられ
る部分の直径を比較するものである。
【0027】付勢手段としては、第3クランクの略軸心
部分であって検知部材側に、長穴に通じる非貫通穴をあ
け、この中につるまきばね、板ばね等の弾性体を入れ、
当該弾性体の反発力を伝達するピンを入れて、該ピンで
長穴中の枢動軸を付勢するものが挙げられる。また、第
3クランクの外部につるまきバネ、板バネ等を付けて枢
動軸を押し付けて付勢するもの、第3クランクの外部に
つるまきバネ、板バネ等を付けて枢動軸を引き付けて付
勢するもの等を挙げることができる。作動クランク中央
部に設けた穴に操作棒を挿入する空間を確保するために
は、第3クランクの厚みを薄くすることが好ましいの
で、付勢手段を第3クランクの内部に収納することが好
ましい。また、穴の断面積を小さくできることから、弾
性体として、つるまきばねを用いることが好ましい。
【0028】本発明には、また、操作棒挿嵌のために、
前方に傾いた穴を設けた作動クランクを用いるトロリー
が含まれる。積荷係合子の上面板の上方には貨物が乗る
ので、従来のトロリーでは、操作部の直上部から床面延
長線までの90度の角度が操作棒の操作許容範囲であ
る。さらに積荷運搬トロリーを上昇させることによりパ
レットを持ち上げた状態で荷物を荷台後方側に移動させ
る作業は、操作棒を握って行うことになるのでこの後退
作業の容易性を考慮すると、握り部は、荷台表面からあ
る程度の高さにある必要がある。つまり、操作棒を90
度近く倒すと、操作棒は荷台面直上まで倒れ荷物移動作
業に不適当である。一方、作動クランクと積荷係止部間
には一定の間隔があり、この間隔部分の上方空間を操作
棒の操作に使用可能である。そこで、本発明にあって
は、前方に傾いた穴を設けた作動クランクを用いる。前
方に傾ける角度は、操作棒の長さと前記間隔によって定
まり、積荷係合子下降位置で、操作棒挿嵌穴に挿し込ん
だ操作棒の握り部が積荷の後方側面(積荷係止部前面か
ら垂直に上げた面)に近接する位置となる角度とする。
当該穴は貫通穴であっても非貫通穴であってもよい。穴
の断面形状は、操作棒が挿嵌可能であれば、どのような
形状でもよいが、通常操作棒は円柱状であり、該穴の断
面は円であることが好ましい。当該穴は操作棒の先端部
を挿嵌するものであり、かつ該操作棒の先端はレール溝
表面より上の位置で止まる必要がある。よって貫通穴の
場合には、穴の底面付近の口径を小さくし、当該段部で
操作棒の先端を係止することが好ましい。当該前方に傾
いた穴を設けた操作クランクを用いることにより、積荷
係合子の上昇位置でも、操作棒の握り部が積荷移動作業
に適した床面からの高さを維持することができる。
【0029】また、本発明にかかるトロリーの操作棒は
先端部近傍であって積荷係合子の端壁の内側に係合する
位置に鍔が取り付けられる。当該鍔は中空板状体であ
り、中空部分に操作棒を挿入してナット、割りピンなど
を使用して、あるいは穴と操作棒の直径、短径を違えて
おいて固定位置において操作棒と鍔を相対的に回転させ
るなど、公知の手段を用いて固定される。鍔の形状に制
限はなく、円形、多角形、四角形などにすることができ
る。加工の容易性から円形にすることが好ましい。
【0030】さらに本発明には、該積荷係合子の端壁
が、操作棒の先端部が挿嵌可能で上下方向に空けられた
穴がある端壁であるトロリーが含まれる。当該端壁はト
ロリーの前後どちらの端壁であってもよく、両方の端壁
が穴を設けたものであってもよい。トロリーは通常、移
動手段を設けた側、すなわちトロリーの後側から操作さ
れることが多く、操作性から、少なくとも後側の端壁に
穴を設けることが好ましい。当該端壁部材は穴を設ける
ので、上下方向のどこかで操作棒先端の断面よりも大き
な平面部分が存在する必要がある。作用する力を十分受
け止める点から上下方向の大部分で穴よりも大きな断面
をもつことが好ましい。当該穴は端壁の上面から見て積
荷係合子の短軸方向の中央部にあることが好ましいが、
側面方向に偏芯していてもよい。また、当該穴は貫通穴
であっても非貫通穴であってもよい。穴の断面形状は、
操作棒が挿嵌可能であれば、どのような形状でもよい
が、通常操作棒は円柱状であり、該穴の断面は円である
ことが好ましい。さらに、穴は垂直に空けられているこ
とが好ましいが、操作棒の握り部が適当な荷台面からの
高さに位置付けられるのであれば、前後左右に傾けて設
けることもできる。当該穴は操作棒の先端部を挿嵌する
ものであり、かつ該操作棒の先端はレール溝表面より上
の位置で止まる必要があるので、何らかの係止手段が必
要になる。この係止手段としては、非貫通穴であれば底
面が係止手段となり、また、穴の底面付近の口径を小さ
くした貫通穴でもよい。また、操作棒の先端部分をテー
パー状に加工するか、穴をテーパー状とするか、両者共
にテーパー状に加工して係止手段とすることができる。
端壁部材をロストワックス加工で製作する場合の加工容
易性、操作棒にテーパー加工が不要などの理由から底面
付近の口径を小さくした貫通穴が好ましい。
【0031】操作棒は直径20〜25mm、長さ700
〜1200mmの棒であり、鍔取り付け部分の近傍から
先端まではやや細くなっている(たとえば、直径10〜
15mm)ことが好ましい。さらに、作動クランクの穴
への挿入端の他方端部(握部)は引き起こし可能な機構
を付加することができる。この引き起こし握部を付ける
と、作動クランクの穴に操作棒を挿入した状態で、荷物
を載せたトロリーを後退させる作業がよりいっそう容易
になる。通常当該引き起こし機構の引き起こし角度は9
0度程度とすることが好ましい。
【0032】本発明にかかる移動手段の構成部材(作動
クランク、増幅クランク、第1リンク、第2リンク)、
及び緊急降下手段の構成部材(検知部材、第3リンク)
の材質は鋼、ステンレススチール、鉄、アルミニウムな
ど公知の材料を使用することができる。これらの中では
Cr−Mo鋼(例えばSCM415)を材料とし、切
削、穴空けなどの加工を行った後に浸炭焼入れ加工をす
ることが好ましい。ハンドルとハンドルの鍔の材質は、
鋼、ステンレススチール、鉄、アルミニウムなど公知の
材料を使用することができる。ハンドルの鍔の材質は、
これらの中で炭素鋼(例えばS45C)を材料とするの
が好ましい。積荷係止部の材質は、鉄、ステンレススチ
ールなどが好ましい。本発明にかかるトロリーのその他
の構成部品は従来のトロリーの構成部品と同様の材料を
用いて作ることができる。例えば傾斜部材はS45C
を、昇降ローラーはステンレススチールを使用すること
が好ましい。
【0033】
【実施例】以下に実施例により、本発明にかかる積荷運
搬トロリーをさらに説明する。この発明の実施例に記載
されている部材や部分の寸法、材質、形状、その相対位
置などは、とくに特定的な記載のない限りは、この発明
の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではなく、単
なる説明例にすぎない。
【0034】図1は下降位置における本発明の積荷運搬
トロリーの一部切欠上面図であり、図2は下降位置にお
ける本発明の積荷運搬トロリーの一部切欠側面図であ
り、図3は上昇位置における本発明の積荷運搬トロリー
の一部分の底面図であり、図6は下降位置における本発
明の積荷運搬トロリーの一部分の切欠側面図であり、図
7は上昇途中における本発明の積荷運搬トロリーの一部
分の切欠側面図であり、図8は上昇位置における本発明
の積荷運搬トロリーの一部分の切欠側面図である。
【0035】図中1は積荷係合子、2はボギー車体、3
は移動手段、4は緊急降下手段である。積荷係合子1は
底面板を欠く細長い中空の直方体であって、移動手段3
の一部と緊急降下手段4の取り付け部分では上面板を欠
いており、その端部に両側板の間に取り付けられた端壁
5を有する。ボギー車体2は1対の軌道ローラー6を枠
体に回転自在に取り付けたものである。本トロリーは1
対の軌道ローラーからなるボギー車体を前後方向に3つ
配置したものであり、各軌道ローラー間は、その両端部
で枢動可能なボギー車体リンク7により接続されてい
る。移動手段3は、作動クランク8、増幅クランク9、
作動クランクと増幅クランクを接続する第1リンク1
0、増幅クランクとボギー車体を接続する第2リンク1
1から構成される。作動クランク8は枢動軸12により
積荷係合子1と枢動自在に接続されている。枢動軸12
はその両端を積荷係合子1の両側板に固定されている。
作動クランク8は枢動軸12側から他端方向へ向かうに
つれてその厚さが増す板状体であり、他端の外側で1対
の第1リンク10の端部と枢動軸13で枢動自在に接続
されている。作動クランク8の上面には操作棒挿嵌穴4
0が穿かれている。図3に示されているように、挿嵌穴
40は、貫通穴であり、作動クランク8の上面から円柱
状に空けられていて、作動クランク8の底面近くでその
直径が短くなっていて、段部を形成している。また、積
荷係合子1の下降位置で、作動クランク8の上面は水平
面と一致する。この位置で、挿嵌穴40は、作動クラン
ク8の上面に垂直な方向から、積荷係合子1の長手方向
であって、ボギー車体2側に7度傾いて空けられてい
る。
【0036】増幅クランク9は枢動軸14により積荷係
合子1と枢動自在に接続されている。枢動軸14はその
両端を積荷係合子1の両側板に固定されている。増幅ク
ランク9は平面コの字状のほぼ等しい厚さの板状であ
り、その開口部に1対の第2リンク11の一方端部がさ
し込まれ、増幅クランク9のコの字状両端に固定された
枢動軸15により1対の第2リンク11と枢動自由に接
続されている。また増幅クランク9は1対の第1リンク
10により外側から挟まれる状態で枢動軸16により第
1リンク10と枢動自在に接続されている。枢動軸16
は増幅クランク9に空けられた貫通穴を通っており1本
の軸体の両端で第1リンク10と接続されている。第2
リンク11はボギー車体方向へ向うにつれて水平面で外
側に広がる形状の屈曲した1対の棒状体であり、枢動軸
17により、ボギー車体の後方端部でボギー車体2と枢
動可能に接続されている。
【0037】積荷係合子の昇降手段は、傾斜部材18と
昇降ローラー19から構成される。昇降ローラー19は
断面の中心に貫通穴がある円柱形状であり、当該貫通穴
に回転軸20を通してある。回転軸20の両端はボギー
車体枠体の両側板に1端毎に固定されている。本トロリ
ーは前述のごとく3連のボギー車体を備えており、各ボ
ギー車体について1の昇降ローラー19があり、また、
積荷係合子1の上面板の下面であって、これら3つの昇
降ローラーに対応する位置に、3つの傾斜部材18が固
定されている。
【0038】図4は傾斜部材の側面図である。図中21
は積荷係合子の上昇初期に昇降ローラーが接触する傾斜
面であり、22は積荷係合子の上昇中期に昇降ローラー
が接触する傾斜面である。23は傾斜部材の取り付け面
すなわち積荷係合子の上面板の下面である。交角bは傾
斜面21と取り付け面23の挟む角度である。交角aは
傾斜面22と取り付け面23の挟む角度である。積荷係
合子の上面板は等しい厚さの板状であり、その上面板の
上面と下面は平行な面であるから、傾斜面と取り付け面
の挟む角度は、傾斜面と上面板の上面の挟む角度に等し
い。また、傾斜面21と傾斜面22は各々平面だから、
その平均角度は、各平面が作る角度に等しい。本実施例
の交角bは39度、交角aは19度であり、bがaより
も大きい。本実施例の場合、下降位置での積荷係合子の
高さは29mmであり、典型的なレール溝に本トロリーを
入れると、積荷係合子の上面板上面から貨物荷台表面ま
での高さは6mmとなる。傾斜部材18において、傾斜
面21と傾斜面22の交わる線から取り付け面23に下
した垂線の長さは6mmであり、前記の余裕高さ(6m
m)に対応している。なお、昇降ローラー19の直径は
22mmである。図4中24はローラー受である。トロ
リーの上昇位置において昇降ローラー19は1対の軌道
ローラーの支持部としての役割を受け持っている。
【0039】トロリーの緊急降下手段4は1対の第3リ
ンク25と検知部材26から構成される。検知部材26
は枢動軸27により積荷係合子1と枢動自在に接続され
ている。枢動軸27はその両端を積荷係合子1の両側板
に固定されている。側面がL字状の検知部材26の一方
端部は1対の第1枢動軸28により、1対の第3リンク
25の長穴と接続されている。第3リンク25の他方端
部は第2枢動軸29で作動クランク8と枢動自在に接続
されている。長穴30は第1枢動軸28の軸受である。
第3リンク25の枢動面は、第1リンク10の枢動面よ
りも内側にあり(図3参照)両リンクが接触することは
ない。第3リンクは長穴部分でほぼ角柱状であり第2枢
動軸29を含むその近傍は板状である。
【0040】図5は第3リンクの断面図である。第3リ
ンク25は、第2枢動軸29側に、一端が長穴30に開
口し、他端が閉じた円柱状の穴31が穿かれている。垂
直面であって、トロリーの長手方向に広がる1の平面
(例えば図5の紙面、図6の紙面など)へ投影すると考
えると、長穴30の長軸は、積荷係合子1の下降位置に
おいて、第2枢動軸29と第1枢動軸28の両者の軸心
を結ぶ直線と略同一線上にある。また、長穴30の短軸
方向の長さは7.2mmである。長穴30中の第1枢動
軸の断面直径は7.0mmである。この穴31の中につ
るまきバネ32と、ピン33を入れてあり、ピン33の
一方端部は長穴中に突出している。長穴30に貫通され
た各々の第1枢動軸28は、つるまきバネ32の復元力
を伝えるピン33によって、図5中で右方向に付勢され
ている。
【0041】図6中、35は積荷係合子1の上面板の上
面の延長面である。積荷係合子1の下降位置において、
作動クランク8、第3リンク25、検知部材26のすべ
ての部分が延長面35の下に位置している。また増幅ク
ランク9、第1リンク10、第2リンク11のすべての
部分が延長面35の下に位置している。図6中、36は
積荷係合子の上面板の下面に設けられた凹部である。増
幅クランク9の横幅は37mmであり、上面板の横幅は6
3.5mm、厚さは5mmである。凹部36は上面板の
一部であって、増幅リンク9の枢動軸14側の端部が近
接する位置に、上面板の横方向の中央部に幅約40m
m、最大深さ3mmの大きさで設けられている。よって
凹部36の両側端部(約12mmずつ)は上面板の他の
部分と同じ厚さで残されている。
【0042】図7中の破線の円43で囲んだ部分は第1
リンク10に設けられた凹部である。当該凹部は、積荷
係合子の下降位置において、第1リンク10の部分であ
って、作動クランク8の枢動軸12と近接する部分に設
けられている。第1リンク10は厚さ6mmの平面略長
方形の板状体である。短辺の最大長は約20mmであ
り、凹部においては短辺と平行な距離は約11mmとな
っている。第1リンクは、この11mmの凹部を通じ
て、枢動軸13と16間に移動距離と移動力を伝達す
る。
【0043】図中34は積荷係止部であり、積荷係合子
1の上面板上に突出して設けられている。本実施例では
上面板上面より積荷係止部34の上端まで18mmであ
る。本実施例のトロリーをレール溝に置くと、下降状態
で、積荷係止部34の上方の一部分だけが荷台床面から
突出する状態になる。荷役作業時には、トロリーをパレ
ットに接近させていき、積荷係止部34がパレットの端
部に当接した位置でトロリーの接近移動を停止させる。
これによりパレットに対してトロリーを適切に位置付け
ることができる。
【0044】図8中の37は積荷運搬トロリーの操作棒
である。操作棒37はその先端を作動クランクの上面に
開口した挿嵌穴40に入れる。操作棒37を使用して積
荷係合子を上昇位置としたとき、操作棒37が端壁5と
当接する部分の操作棒先端側には円板状の鍔38が取り
付けられている。鍔38は中央部に開口穴があり、その
穴の内壁にねじを螺設し、一方操作棒37の取り付け部
分外表面にねじを螺設し、これらのねじを係合・螺止
し、さらに操作棒の先端からナットを入れ螺止して操作
棒に固定されている。端壁5の上面中央部には円すいの
一部分形状の凹部39が設けられている。凹部39の形
状は、操作棒の一部分で端壁と当接する部分の断面形状
と、一致または、当該形状が納まる大きさ・形状とする
ものである。本実施例では操作棒37が円柱であること
に対応して凹部39は円すいの一部分の形状である。例
えば、操作棒の当該部分が多角柱であれば凹部39は多
角すいの一部分の形状にすることが好ましい。
【0045】図9は、端壁5の詳細斜視図である。端壁
5の中央部分は肉厚の直方体であり、そこに円柱状の貫
通穴があけられている。底面近傍では穴の直径が小さく
なり段部となっている。この穴に操作棒37を入れる
と、当該段部でその先端が係止する。
【0046】図2中、42はボギー車体2の側面板の外
側側面に設けられた案内溝である。積荷係合子1の側面
板の内側には案内溝42に係合する円柱状のピンが内側
に突出している(図示しない)。案内溝42は、1のボ
ギー車体の側面に1つづつ(すなわち、1のボギー車体
について1対)設けられ、ピンは各案内溝に1つづつ設
けられている。当該ピンと当該案内溝との係合により、
積荷係合子1を持ち上げても、ボギー車体2は積荷係合
子1から落下しない。
【0047】本実施例中の枢動軸は、第3リンクと検知
部材を接続する1対の第1枢動軸28を除いて、すべて
がピンを穴に通してピンの両端をかしめることにより枢
動自在に接続されている。一方、第1枢動軸28は検知
部材26に設けた開口穴の内側にねじ溝を螺設し、先端
部にねじを螺設したピンを第3リンク25に設けた長穴
30から当該ピンを通して螺止することにより枢動自在
に接続されている。
【0048】続いて、本発明の積荷運搬トロリーの動作
を説明する。トロリーを移動対象であるパレット等の下
に位置付けて、操作棒37の先端を操作棒挿嵌穴40に
挿入し、操作棒を引き下げる。これにより作動クランク
8が枢動し、第1リンク10が移動して、増幅クランク
9が枢動し、第2リンク11が移動する。よってボギー
車体2が積荷係合子1に対して長手方向に相対移動す
る。1のボギー車体の移動は、ボギー車体リンク7によ
って他の2つのボギー車体に伝達され、3つのボギー車
体が相対移動をする。この相対移動により、ボギー車体
2に取り付けられた昇降ローラー19は積荷係合子1に
取り付けられた傾斜部材18に乗り上げる。ボギー車体
2に取り付けられた軌道ローラーが接しているレール溝
の表面41は固定されているので、積荷係合子1がボギ
ー車体2に対して上昇することになる。一方、作動クラ
ンク8の枢動により第3リンク25が移動して、検知部
材26が下方に突出する。しかしながら第3リンク25
の初期の移動量は第1枢動軸28が長穴30内を移動す
ることに消費されるので、前記検知部材26の下方突出
は作動クランク8の枢動に少し遅れて行われることにな
る。この遅延により積荷係合子1がある程度上昇して下
面の空間が確保された後に、検知部材26が突出する。
以上の上昇と突出の動作は、図6(下降位置)、図7
(上昇途中)、図8(上昇位置)を順に参照することに
より、より明確に理解できる。
【0049】トロリーを上昇位置から下降させるには、
挿嵌穴40に挿入した操作棒を引き上げる。これにより
作動クランク8が前記と逆方向に枢動し、上昇時と逆の
枢動、移動が生じて積荷係合子1が下降する。また、積
荷係合子1の下降と同時に検知部材26が枢動して収納
されるが、検知部材26の収納が積荷係合子1の下降に
先行して行われる。
【0050】次に緊急降下動作を説明する。レール溝の
長手方向の端部にはレール溝表面に上方に突出した突起
が設けられている。トロリー上昇位置で端壁5が当該突
起を通過すると検知部材26の突出部分が当該突起に当
接し、検知部材26が枢動する。当該枢動により第3リ
ンクが移動して作動クランク8を下降動作と同じ方向に
枢動させるので積荷係合子1が下降する。
【0051】トロリーを移動させる作業は以下のように
行う。操作棒を挿嵌穴40に挿入して、操作棒を引き下
げることにより、積荷係合子が上昇するので、このまま
の状態で操作棒の握り部をもって、トロリーの前進、後
退を行う。特に、トロリーの後退作業時には、操作棒に
設けられた鍔が端壁に係合するので、特別の習熟の必要
なくトロリーを操作することができる。一方、端壁5に
設けられた穴を使うこともできる。この場合には、トロ
リーを上昇位置にして積荷を持ち上げた後に、操作棒を
作動クランクの穴からはずし、端壁5に設けた穴に挿嵌
する。そしてこの状態で操作棒の握り部を持ってトロリ
ーの前進・後退作業を行う。トロリーを下降位置にし、
積荷との係合を解除し、トロリーのみを前進・後退させ
る場合にも当該端壁5に設けた穴に操作棒を挿入した状
態で操作する。
【0052】本実施例のトロリーは長さ1356mm、
幅64mm、下降位置での高さ29mm、重さ14kg
である。また、積荷係止部から端壁の外側まで139m
mである。積荷係合子1とボギー車体2の長手方向の相
対移動距離は38mm、昇降高さは13mmである。本
実施例のトロリー操作棒は軸部の直径25mmで段部を
介して先端部は直径12mmとなっており、長さ700
mmの略円柱形状である。
【0053】変形実施例にかかるトロリーにあっては、
積荷係止部34の側面に穴が空けられる。または、積荷
係止部34の前面に穴が空けられる。これらの穴は貫通
穴であっても、非貫通穴であってもよい。あるいは、積
荷係止部34が、2つに分割され、積荷係合子の中心線
付近に間隔が設けられる。上記の穴または間隙は、トロ
リーの空荷での前進・後退移動のために設けるもので、
上昇下降操作用とは別の先端L字状の操作棒を使用し、
当該L字状先端部分を上記の穴または間隙に係止し、ト
ロリーを前進後退させるものである。
【0054】本実施例のトロリーは下降位置でレール溝
の中に本体が納まり、積荷係止部の上端だけがレール溝
より突出する状態となる。荷役作業において、荷台の最
後部に積載するパレットの直前のパレットを、本トロリ
ーを使用して荷台前方に移動し、当該パレットを降下さ
せたその位置でトロリーを存置する。そして最後のパレ
ットを積載すれば、トロリーは積荷係止部を両パレット
間に挟まれた状態になり、レール溝中の移動がほぼ制限
されて、荷台のレール溝中に載置される。トロリーは、
当該載置状態で荷物と共に運搬される。
【0055】本実施例のトロリーは、積荷係合子下降作
業時の操作ハンドルのあおりが小さい。すなわち、従来
のトロリーの下降作業中に、操作棒から手を離すと操作
棒は急激に立ち上がる。対して本実施例のトロリーで
は、同様に手を離しても、緩やかに立ち上がる。よって
トロリーの操作性が向上する。本実施例のトロリーは従
来のトロリーと同様にボギー車体形式を採用しているの
で、溝レールに多少の凸凹があっても実用上の支障なく
積荷を移動させることができる。貨物自動車等常時振動
する場所に設けられたレール溝は、必ずしもレール溝の
走行面の平面性・平滑性が保たれないが、本実施例のト
ロリーは、このような貨物自動車用の積荷運搬用トロリ
ーとして好ましいものである。
【0056】本発明の積荷運搬トロリーの用途は貨物自
動車の荷役作業に限られない。例えば、貨車、船、フェ
リーボートなどの貨物輸送手段の荷役作業に使用するこ
とができる。また、走行用の溝レールをもうけることが
できる場所であれば、倉庫や工場の貨物搬送にも使用で
きる。
【0057】次に本件発明の前記実施形態から把握でき
る請求項以外の技術思想をその効果とともに記載する。
1.該積荷係合子の端壁であって、該移動手段取り付け
側の端壁の上面中央部が、凹部を有する端壁であること
を特徴とする請求項1乃至9、及び11記載の積荷運搬
トロリー。本技術思想にかかる積荷運搬トロリーは操作
棒の可動空間が増大するので、相対移動距離を大きくす
ることができ、ひいては昇降高さをより高くすることが
できる。2.荷台面に設けられた1対の溝状レールと、
請求項1乃至9、及び11記載の積荷運搬トロリーから
なる貨物自動車。本技術思想にかかる貨物自動車は、荷
台上への積荷の積載、荷台からの積荷の積み下ろし作業
が容易に行え、また、荷台上での積荷の移動が容易に行
える。
【0058】
【発明の効果】請求項1の発明の積荷運搬トロリーは、
作動クランクの枢動軸長を短くできるので、移動手段部
分の高さを低くすることができる。請求項2の発明の積
荷運搬トロリーは、実質的に荷重なしで積荷運搬トロリ
ーが上昇する区間を素早く上昇する。これにより積荷係
合子とボギー車体の相対移動距離を、従来のトロリーに
必要であった距離よりも小さくすることができる。よっ
て移動手段部分の高さを低く、長さを短くすることがで
きる。請求項3の発明の積荷運搬トロリーは積荷係合子
とボギー車体の相対移動の初期に上昇距離が大きいの
で、移動手段構成部材をその取り付け部の下面空間を有
効に利用して配置することができる。このため、積荷係
合子の下降位置において、移動手段部分の高さを低く、
長さを短くすることができる。
【0059】請求項4の発明の積荷運搬トロリーは、積
荷係合子とボギー車体の相対移動に遅延して緊急降下手
段の検知部材が下方に突出するので、緊急降下手段構成
部材を、これが取り付けられる下方空間を有効に使用し
て配置することができ、緊急降下手段部分の高さを低く
することができる。また、長穴状軸受を採用したことな
どにより、緊急降下手段部分の長さを短くすることがで
きる。請求項5の発明の積荷運搬トロリーは、積荷係合
子の下降位置において全体が溝レールの中に納まるの
で、フォークリフトやトラックローダーなどを使用す
る、パレット等の荷台上への荷上や荷降ろし作業に支障
がない。また、トロリー自体の積み降ろしを繰りかえす
必要がなくなり作業時間を短縮することができる。この
ため、荷役作業中の積荷の温度変化を小さくすることが
可能で、特に、冷凍トラックなどに有用な積荷運搬トロ
リーとなる。また、着地時の衝撃に起因するトロリーの
損傷が少なくなる効果も得られる。
【0060】請求項6の発明の積荷運搬トロリーは、増
幅クランクの枢動軸を積荷係合子側面のより上方部分に
取り付けることができ、移動手段部分の高さをより低く
することができる。請求項7の発明の積荷運搬トロリー
は、第1リンクの必要強度を保ったままで第1リンク取
り付け場所の選択の自由が増す。また、積荷係合子下降
位置において、移動手段部分の高さをより低くすること
ができる。請求項8の発明の積荷運搬トロリーは、積荷
係止部がトロリーを被移動体に位置付ける効果に加え
て、トロリー自体を運搬する際の荷止めの作用を果た
す。よってレール溝をトロリー積載場所として有効利用
できる。さらに、トロリー積み降ろしによる着地時の衝
撃に起因するトロリーの損傷が少なくなる。請求項9の
積荷運搬トロリーは、作動クランク取り付け位置の前方
の上方空間を、トロリーの上昇下降操作に利用できる。
また、積荷係合子上昇位置において、操作棒の握り部を
荷台上のより高い位置に位置付けることができる。よっ
て、操作棒をそのままの状態にして積荷の前進後退作業
を継続する場合に、特に、積荷の後退作業時に積荷運搬
トロリーの操作性が向上する。
【0061】請求項10の発明にかかる積荷運搬トロリ
ーの操作棒を使用すると、積荷積載時にトロリーを後退
させる作業を容易に行うことができる。請求項11の発
明にかかる積荷運搬トロリーは、積荷係合子の上昇下降
操作穴とは別の前進後退操作用の操作棒挿嵌穴を持つ。
よって、積荷係合子が上昇下降のどちらの位置にあって
も、前進後退操作時の操作棒握り部の位置は変わらな
い。この操作棒握り部の高さを操作に適した高さとする
ことができる。また、前進操作を操作者の楽な姿勢で行
うことができる。ひいては、積荷に触れてトロリーを前
進させる作業を避けることができるので、積荷の汚損や
変形の防止につながる。また、積荷を後退させる作業を
作業者に楽な姿勢で行うことができる。さらに、1の操
作棒で積荷係合子の上昇下降操作と前進後退操作を行う
ことができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】下降位置における本発明の積荷運搬トロリーの
一部切欠上面図である。
【図2】下降位置における本発明の積荷運搬トロリーの
一部切欠側面図である。
【図3】上昇位置における本発明の積荷運搬トロリーの
一部分の底面図である。
【図4】傾斜部材の側面図である。
【図5】第3リンクの断面図である。
【図6】下降位置における本発明の積荷運搬トロリーの
一部分の切欠側面図である。
【図7】上昇途中における本発明の積荷運搬トロリーの
一部分の切欠側面図である。
【図8】上昇位置における本発明の積荷運搬トロリーの
一部分の切欠側面図である。
【図9】端壁の詳細を示す斜視図である。
【図10】従来技術である積荷運搬トロリーを示す部分
的な側面図である。
【符号の説明】
1 積荷係合子 2 ボギー車体 3 移動手段と、 4 緊急降下手段 5 端壁 8 作動クランク 9 増幅クランク 10 第1リンク 11 第2リンク 18 傾斜部材 19 昇降ローラー 25 第3リンク 26 検知部材 28 第1枢動軸 29 第2枢動軸 30 軸受である長穴 34 積荷係止部 36 凹部 37 操作棒 38 鍔 39 凹部 40 操作棒挿嵌穴

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】細長い積荷係合子と、 ボギー車体と、 該積荷係合子に対して該ボギー車体を該積荷係合子の長
    手方向に相対移動させる移動手段と、 該移動手段により該ボギー車体が該積荷係合子の長手方
    向に相対移動したとき、該長手方向移動と共に該積荷係
    合子を該ボギー車体に対して下降位置と上昇位置の間で
    昇降させる昇降手段を備えた積荷運搬トロリーであっ
    て、 該移動手段が、該積荷係合子に枢動可能に取り付けられ
    た作動クランクと、該積荷係合子に枢動可能に取り付け
    られた増幅クランクと、該作動クランクと該増幅クラン
    クを枢動可能に接続する第1リンクと、該増幅クランク
    と該ボギー車体を枢動可能に接続する第2リンクからな
    る積荷運搬トロリー。
  2. 【請求項2】細長い積荷係合子と、 ボギー車体と、 該積荷係合子に対して該ボギー車体を該積荷係合子の長
    手方向に相対移動させる移動手段と、 該移動手段により該ボギー車体が該積荷係合子の長手方
    向に相対移動したとき、該長手方向移動とともに該積荷
    係合子を該ボギー車体に対して下降位置と上昇位置の間
    で昇降させる昇降手段を備えた積荷運搬トロリーであっ
    て、 該昇降手段が傾斜部材と昇降ローラーからなるものであ
    り、 該傾斜部材は該積荷係合子に、かつ該昇降ローラーは該
    ボギー車体にそれぞれ取り付けられるか、または該傾斜
    部材は該ボギー車体に、かつ該昇降ローラーは該積荷係
    合子にそれぞれ取り付けられたものであって、 該傾斜部材の該昇降ローラーが回転接触する傾斜面と該
    積荷係合子の上面板の上面が挟む角度a、bが下記関係
    式(1)を満たす積荷運搬トロリー。 b>a (1) (bは該積荷係合子が下降位置から荷台表面と同じ高さ
    まで上昇する間に、該昇降ローラーが回転接触する該傾
    斜部材の傾斜面の平均角度であり、aは該積荷係合子が
    荷台表面と同じ高さから最上昇位置まで上昇する間に、
    該昇降ローラーが回転接触する該傾斜部材の傾斜面の平
    均角度である)
  3. 【請求項3】 該昇降手段が傾斜部材と昇降ローラーか
    らなるものであり、 該傾斜部材は該積荷係合子に、かつ該昇降ローラーは該
    ボギー車体にそれぞれ取り付けられるか、または該傾斜
    部材は該ボギー車体に、かつ該昇降ローラーは該積荷係
    合子にそれぞれ取り付けられたものであって、 該傾斜部材の該昇降ローラーが回転接触する傾斜面と該
    積荷係合子の上面が挟む角度a、bが下記関係式(1)
    を満たすことを特徴とする請求項1記載の積荷運搬トロ
    リー。 b>a (1) (bは、該積荷係合子が下降位置から荷台表面と同じ高
    さまで上昇する間に、該昇降ローラーが回転接触する該
    傾斜部材の傾斜面の平均角度であり、aは、該積荷係合
    子が荷台表面と同じ高さから最上昇位置まで上昇する間
    に、該昇降ローラーが回転接触する該傾斜部材の傾斜面
    の平均角度である)
  4. 【請求項4】 積荷運搬トロリーが走行するレール溝の
    走行面より一段高く設けられたストッパーを検知して、
    該積荷係合子を降下させる緊急降下手段を有する積荷運
    搬トロリーであって、 該緊急降下手段は、該積荷係合子に枢動可能に取り付け
    られた検知部材と、該検知部材と該作動クランクを枢動
    可能に接続する第3リンクからなり、 該接続は、該検知部材と該第3リンクを接続する第1枢
    動軸と、該作動クランクと該第3リンクを接続する第2
    枢動軸でおこなわれ、また、 該第3リンクは、該第1枢動軸を受ける長穴状の軸受を
    有するものであり、 該長穴状軸受の長軸方向は、該積荷係合子の下降位置に
    おいて、該第1枢動軸と該第2枢動軸の軸心を結ぶ直線
    と略平行であり、また、該長穴状軸受の短軸の長さは、
    該第1枢動軸の直径よりも大きいものであって、 該長穴状軸受中で、該第1枢動軸は該検知部材側に付勢
    されている請求項1、または3記載の積荷運搬トロリ
    ー。
  5. 【請求項5】 該作動クランク、該第3リンクおよび該
    検知部材が、該積荷係合子下降位置で、該積荷係合子の
    上面板の上面延長面よりも下に位置していることを特徴
    とする請求項4記載の積荷運搬トロリー。
  6. 【請求項6】 該積荷係合子の上面板の下面であって、
    該増幅クランクの該積荷係合子との枢動軸に対面する部
    分が凹部となっていることを特徴とする請求項1、また
    は3乃至5記載の積荷運搬トロリー。
  7. 【請求項7】 積荷係合子下降位置において、該第1リ
    ンクの、該作動クランクと該積荷係合子との枢動軸に対
    面する部分が、凹形状となっていることを特徴とする請
    求項1、または3乃至6記載の積荷運搬トロリー。
  8. 【請求項8】 該積荷係合子の上面板の上面に、突出し
    た積荷係止部を設けたことを特徴とする請求項1乃至7
    記載の積荷運搬トロリー。
  9. 【請求項9】 該作動クランクは、操作棒の先端部が挿
    嵌可能な穴が設けられていて、該穴が積荷係合子の下降
    位置で、積荷運搬トロリーの長手前方方向に傾いて設け
    られている穴を有する作動クランクであることを特徴と
    する請求項1、または3乃至8記載の積荷運搬トロリ
    ー。
  10. 【請求項10】 請求項1、または3乃至9記載の積荷
    運搬トロリーの操作棒であって、 該作動クランクに設けられた穴にその先端部が挿嵌可能
    であり、該挿嵌状態で該積荷係合子の該移動手段取り付
    け側の端壁に接する部分の近傍であって該挿嵌先端側に
    鍔をつけた操作棒であることを特徴とする積荷運搬トロ
    リーの操作棒。
  11. 【請求項11】 該積荷係合子の端壁は、操作棒の先端
    部が挿嵌可能な穴であって、上下方向に空けられている
    穴を有する端壁であることを特徴とする請求項1乃至9
    記載の積荷運搬トロリー。
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