JP2003305508A - 圧延要領決定方法 - Google Patents
圧延要領決定方法Info
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Abstract
できる加熱炉からの素材の抽出順序及び圧延順序を決定
する。 【解決手段】 ステップS1〜ステップS3において、
圧延される各素材のパススケジュールをもとに、圧延を
実施する際の圧延機の占有時間等を含む情報を求め、ス
テップS4において、その求めた情報に基づいて、加熱
炉を経て圧延される全ての素材についての圧延が完了す
るまでの圧延完了時間を目標とし、圧延機において同時
に重複して実施できない等といった制約条件を、最適化
問題に定式化して、ステップS5において、定式化した
最適化問題を、混合整数計画問題に変換して、圧延完了
時間が最小になるように、加熱炉からの素材の抽出順序
及び圧延機での圧延の実施順序を決定している。
Description
ついて、加熱炉からのその素材の抽出順序及び圧延装置
での圧延の実施順序を決定する圧延要領決定方法に関す
る。
圧延及び冷却を可能にしているものがある。図18は、
その厚板工場の設備レイアウトを示す。厚板工場には、
上流から2基の連続式加熱炉101,102、1基の圧
延機110及び水冷装置120が配置されている。
ぞれ、素材(スラブ)を2列に配置できるように構成さ
れており、これにより、2基の連続式加熱101,10
2で合計4列(4種類)の素材を配置することができる
ようになっている。各連続式加熱炉101,102は、
各列を独立に動くウォーキングビームを備えており、こ
のウォーキングビームにより各列の素材を独立に抽出側
に搬送している。そして、連続式加熱炉101,102
の最抽出側に位置された4列の素材は、エキストラクタ
により任意の順番に抽出される。
1,102から抽出した素材を圧延機110に搬送して
いる。圧延機110は、ロールが正転及び逆転可能に構
成されており、この圧延機に搬送されたきた素材は、こ
の圧延機110でリバース圧延される。このリバース圧
延により素材は、所定の寸法に造り込まれる。なお、厚
板工場では1基の圧延機110により圧延処理を施して
いるが、このように1基の圧延機110により圧延を行
うことで、工場の設備規模を小さくできるというメリッ
トがある。
(上流)及び後面(下流)には素材を待機させることが
できる待機スペースがあり、これにより、圧延中の1つ
の素材を待機スペースに待機させて、次の素材を圧延機
110で圧延することができるようにしている。このよ
うに圧延機110で圧延された素材は、圧延機110の
下流にある水冷装置120で必要に応じて冷却されてい
る。
素材をリバース圧延して所定の寸法の製品を製造してい
る。このように、様々な製品が作られるが、素材毎に圧
延機110のパス回数、圧延時間は異なっている。ここ
で、圧延過程には、成形/幅出し過程及び厚み出し過程
の2つの過程に分けることができる。なお、素材によっ
ては、成形/幅出し過程を要しないものもある。
り込むために温調する場合がある。温調とは、最終パス
付近で圧延機110の前後面で待機し、所定の温度範囲
になってから圧延を行うことであり、制御圧延ともいわ
れている。また、温調を複数回行う場合もあり、素材に
よりその温調回数も異なっている。温調回数は例えば0
〜4回である。また、温調は、空冷で実施する場合と、
水冷装置120を使用して実施する場合がある。
素材に応じて組み合わされて、素材が所定の製品として
造り出される。これはいわゆる圧延スケジュール或いは
パススケジュールといわれている。そして、素材により
圧延や温調等の内容が異なることから、パススケジュー
ルも素材の種類によって異なるものになる。図19は、
ある素材のパススケジュールの例を示す。この素材の場
合、パススケジュールは、成形/幅出し圧延過程A1、
空冷過程A2、厚み出し圧延過程(温調前)A3、温調
過程A4、及び厚み出し圧延過程(温調後)A5の順番
で構成されている。このように、成形/幅出し圧延過程
A1、厚み出し圧延過程A3,A5等の各圧延過程は、
冷却過程で分離されている。
/幅出し圧延過程A1の終了から厚み出し圧延過程A3
の開始の間の空冷過程A2の際、さらには、2つの厚み
出し圧延過程A3,A5の間の温調過程A4の際に、圧
延中の素材が圧延機110の前後に設けた待機スペース
に待機した状態になる。そして、待機時間(冷却時間)
は一般に変更可能とされており、これにより、パススケ
ジュールの調整が可能になっている。
の空冷過程では、その空冷時間の変更ができる。これ
は、成形/幅出し圧延過程A1の後は、素材に厚みがあ
るので、冷却時間を変えても温度がほとんど変わらない
からである。また、温調過程A4では、前述したように
空冷で温調する場合と、水冷装置を使用して温調する場
合があり、さらに空冷及び水冷を混合させて行う場合が
ある。このような空冷時間を変更したり、温調過程A4
での冷却内容を変更することで、待機時間を調整して、
パススケジュールを調整することもできる。
ケジュールの調整を図る具体例を説明する。図20中
(A)から図20中(C)への変更として示すように、
空冷過程A2の空冷時間を変更させて待機時間を調整す
ることで、パススケジュールを調整することができる。
また、図20中(A)から図20中(B)への変更、或
いは図20中(C)から図20中(D)への変更として
示すように、温調過程A4の内容として水冷のみ、空冷
のみ、或いは水冷と空冷とを混在させる形態の3通りの
内容を適宜選択することで、パススケジュールを調整す
ることができる。
間を温度がほとんど変わらない範囲内で変更可能にす
る、或いは温調時の冷却時間を水冷から空冷に変更する
ことでのみ変更可能にする、といった条件をつけること
もできる。このように素材毎にパススケジュールが必要
になる一方で、圧延機110がアイドル状態(不使用状
態)になるのを防止する必要がある。例えば、制御圧延
材の場合には、その一連の過程中に温調があるので、所
定の温度まで冷却されるまで圧延途中の素材を待機させ
ることが可能であるので、その待機期間中に別の素材を
圧延することで、圧延機110がアイドル状態になるこ
とを防止することができる。
ブル圧延として、2種類の素材のA材とB材とを対とし
て、圧延途中のA材の待機中にB材の圧延を行ったり、
図21中(B)に示すように、イモズル圧延として、各
種素材のA材、B材、C材、D材とを順番に、素材の圧
延途中に他の素材の圧延を行ったり、或いは、図21中
(C)に示すように、まとめ圧延として、圧延途中のA
材の待機中に、他の素材のB材、C材、D材の圧延をま
とめて行ったりして、このような圧延要領により、アイ
ドル状態を極力少なくすることができる。
(人間)の判断により、連続式加熱炉101,102か
らの素材の抽出順番やその抽出タイミング、或いは圧延
要領を決定している。この場合、同じパススケジュール
の素材が連続すれば、圧延要領を判断することはある程
度可能であるが、様々なパススケジュールの素材が混在
する場合には、オペレータの判断で圧延要領を決めるこ
とは不可能である。
ススケジュールは素材(スラブ)毎に様々なパターンを
なし、それぞれが異なっており、オペレータが、図22
中(B)に示すように、圧延要領を最適化して、全体と
しての圧延時間を最小化することは困難である。また、
オペレータの判断が圧延時間を最小化にする最適解を導
いているという保証もなく、これでは、圧延要領判断の
不良や抽出タイミングの不良により圧延時間にロスが発
生してしまうことになる。
利用して圧延要領を決定することが考えられる。しか
し、その圧延要領のスケジュールを決定すること、すな
わちスケジューリング問題を解くことは容易なことでは
ない。一般に、スケジューリング問題は非常に複雑であ
り、最適な解を得ることは困難である場合が多い。スケ
ジューリング問題は、一種の組み合わせ最適化問題であ
るが、実用的な問題において考えられるスケジュールの
数、すなわち、組み合わせ数はきわめて膨大である。
わち合計8枚として、それぞれの素材の圧延過程が成形
/幅出し圧延過程、第1の厚み出し圧延過程、及び第2
の厚み出し圧延過程の3種類に分けられるとする。この
ような場合、スケジューリング問題は、合計24個の圧
延過程を1基の圧延機110で処理する順序を決める問
題となる。このとき、考えられるスケジュールの数は、
24!= 6.2×1023になる。
の評価を計算機で1μsecで行うことができると考えて
も、全てのスケジュールを評価するのに約2百億年を要
することになってしまう。これでは、スケジューリング
問題は圧延過程の数が増えると爆発的に計算量が増えて
しまうことになり、実時間で解くことは到底不可能であ
り、実用的ではない。
は計算機から理想的な最適解を求めることは二の次とさ
れており、とりあえず最適に近い解として前述したよう
にオペレータの経験的なものとして圧延要領を決定して
いた。しかし、前述したようにオペレータの判断では問
題が依然として残ってしまう。そこで、本発明は、前述
の実情に鑑みてなされたものであり、圧延の途中で冷却
があり、冷却時に別の素材を圧延機で圧延することがで
きる工場において、全体として最も早く圧延を完了させ
るための加熱炉からの素材の抽出順序及び圧延順序を決
定することができる圧延要領決定方法の提供を目的とし
ている。
に、請求項1記載の発明に係る圧延要領決定方法は、複
数種類の素材を加熱可能な加熱炉と、前記加熱炉から抽
出した素材を、その前後に設けた待機スペースを利用し
ながら圧延する圧延装置と、前記圧延装置で圧延された
素材を冷却する冷却装置とを備えた圧延設備により圧延
される素材の圧延要領を決定する圧延要領決定方法であ
る。
材の圧延スケジュールをもとに、圧延を実施する際の前
記圧延装置の占有時間、同一素材についてする圧延間の
冷却時間の上下限値、圧延の実施後の素材の長さ、及び
同一素材の圧延スケジュールにおける圧延の先行関係の
制約、を含む情報を求めて、求めた情報に基づいて、前
記加熱炉を経て圧延される全ての素材についての前記圧
延が完了するまでの圧延完了時間を目標とし、前記圧延
装置において同時に重複して実施できない、各圧延間の
冷却時間が上下限値の範囲である、圧延処理中及び待機
している素材の合計長が前記待機スペースにおける収納
長以下である、並びに圧延間の先行関係は与えられた制
約を満足しなければならない、という制約条件を、最適
化問題に定式化して、定式化した最適化問題を、混合整
数計画問題に変換して、前記圧延完了時間が最小になる
ように、前記加熱炉からの素材の抽出順序及び前記圧延
装置での前記圧延の実施順序を決定していることを特徴
としている。
決定方法は、請求項1記載の発明に係る圧延要領決定方
法において、前記圧延間の先行関係についての与えられ
た制約には、同一素材の中の圧延間の先行関係の制約、
異なる素材の圧延間の切替時間が所定の時間以上である
制約、同一の素材の圧延間で実施できる異なる素材の圧
延が制限数以下である制約、異なる2つの素材間で先に
圧延した素材は先に圧延を完了する制約といったこれら
制約のうちの少なくとも1つの制約を含んでいることを
特徴としている。
を利用して加熱炉からの素材の抽出順序及び圧延装置で
の圧延の実施順序を得ようとするものであって、具体的
には、最適化問題を所定の目的と所定の制約条件とによ
り定式化し、この定式化した最適化問題を混合整数計画
問題に適用して当該混合整数計画問題を解いて、圧延完
了時間が最小になるように加熱炉からの素材の抽出順序
及び圧延装置での圧延の実施順序を得ている。
を参照しながら詳細に説明する。この実施の形態は、厚
板工場において圧延過程を制御するための制御システム
に本発明を適用したものである。また、厚板工場の構成
については、従来と同様に構成されている。すなわち、
厚板工場の設備レイアウトは、前記図18に示したよう
に、上流から2基の連続式加熱炉101,102、1基
の圧延機110及び水冷装置120が配置されいてい
る。
ぞれ、素材(スラブ)を2列に配置できるように構成れ
ており、これにより、2基の連続式加熱101,102
で合計4列(4種類)の素材を配置することができるに
なっている。各連続式加熱炉101,102は、各列を
独立に動くウォーキングビームを備えており、このウォ
ーキングビームにより各列の素材を独立に抽出側に搬送
している。そして、連続式加熱炉101,102の最抽
出側に位置された4列の素材は、エキストラクタにより
任意の順番に抽出される。
1,102から抽出した素材を圧延機110に搬送して
いる。圧延機110は、ロールが正転及び逆転可能に構
成されており、この圧延機に搬送されたきた素材は、こ
の圧延機110でリバース圧延される。このリバース圧
延により素材は、所定の寸法に造り込まれる。また、厚
板工場では、圧延機110の前面(上流)及び後面(下
流)には素材を待機させることができる待機スペースが
あり、これにより、圧延中の1つの素材を待機スペース
に待機させて、次の素材を圧延機110で圧延すること
ができるようにしている。このように圧延機110で圧
延された素材は、圧延機110の下流にある水冷装置1
20で必要に応じて冷却される。
御システムにより、連続式加熱炉101,102からの
素材の抽出順序及び圧延機での圧延の実施順序の内容を
示す圧延要領を決定している。次にその圧延要領の決定
手順を説明する。制御システムでは、圧延要領の決定に
必要な内容から最適化問題を定式化して得て、これを混
合整数計画問題といった数理的な解法に変換或いは適用
することにより、最適スケジュールとされた圧延要領を
決定している。図1は、それを実現するための処理手順
を示す。
情報を取得して、続くステップS2において、対象素材
の情報に基づいてパススケジュール(圧延スケジュー
ル)を取得する。そして、ステップS3において、その
パススケジュールに基づいて各種情報を取得する。すな
わち、前記図22中(A)に示したように、各素材(ス
ラブ)が決まればパススケジュールも決まるのであり、
そのパススケジュールに基づいて各種情報を取得してい
る。
ールに含まれている圧延過程(以下、ジョブという。)
に関して取得する情報であり、具体的には、下記表1に
示すような内容の情報である。
種情報をもとに、最適化問題に定式化する。この定式化
では、下記表2に示すように、その目的関数を全てのジ
ョブの圧延完了時間として、制約条件を、少なくとも
〜に示すような条件にする。
た制約を満足する、とあるが、そのジョブの先行関係は
例えば次のように与えている。ジョブの先行関係を同一
素材の中のジョブが所定の順序になるような関係にす
る。すなわち、図2に示すように、圧延a1(圧延
1)、圧延a2(圧延2)、圧延a3(圧延3)の順番
で圧延するような関係にする。例えば、ここで、圧延a
1(圧延1)は成形/幅出し圧延であり、圧延a2(圧
延2)は1回目の厚み出し圧延(温調前の厚み出し圧
延)であり、圧延a3(圧延3)は2回目の厚み出し圧
延(温調後の厚み出し圧延)である。
のジョブの圧延が重ならないような関係にする。すなわ
ち、これにより、図3に示すように素材aのジョブと素
材bのジョブとが同時期に重複して実施されるようなこ
とを禁止している。また、ジョブの先行関係を重なる素
材のジョブの間の時間が切替時間下限値以下になるよう
な関係にする。すなわち、図4に示すように、異なる素
材aと素材bのジョブ間の切替時間を考慮した関係にす
る。
と圧延中のジョブの合計圧延長が制限値を超えないよう
な関係にする。すなわち、図5に示すように、待機中の
素材aのジョブと圧延中の素材bのジョブの合計圧延長
を考慮した関係にする。また、ジョブの先行関係を同一
素材のジョブの間に入る異なる素材のジョブの数が制限
値になるような関係にする。例えば、制限値は2にす
る。この結果、図6に示すように、素材bのジョブb1
とジョブb2との間に他の素材aの1つのジョブa1及
び素材cの1つのジョブc1が入ることが許容されるよ
うになる。
先に圧延した素材が必ず先に圧延完了するような関係に
する。この結果、図7中(A)に示すように、素材aの
ジョブa1とジョブa2との間で、後で実施された他の
素材bのジョブb1が完了してしまうことが禁止され
て、図7中(B)に示すように、素材aの最後のジョブ
a2の後で、他の素材bのジョブb1が実施されて完了
するようになる。
うに制約をかける。なお、計算を考慮して制約をかける
こともできる。例えば、前回の計算で、最初に抽出する
ように計算された素材が予定通り抽出された場合は、そ
の素材の冷却時間の間に以降に抽出する素材のジョブが
入らないとトータルの圧延時間を小さくすることができ
ない。そこで、前回計算結果において最初に抽出された
素材の最終のジョブより前にある他の素材のジョブを固
定し、その最初に抽出された素材の最終のジョブより後
の他の素材のジョブにおいて最適化計算が実行されるよ
うなジョブの先行関係にする。
aのパススケジュールが3つのジョブa1,a2,a3
を有し、素材bのパススケジュールが2つのジョブb
1,b2を有し、素材cのパススケジュールが2つのジ
ョブc1,c2を有しているような場合を考えてみる。
この場合で、前述のジョブの先行関係を考慮すると、図
8中(B)に示すように最初に抽出するように計算され
た素材aが予定通り抽出されたときには、他の素材b,
cについては、その最初に抽出された素材aの最終のジ
ョブa3より前にあるジョブb1,c1を固定し、その
最初に抽出された素材aの最終のジョブa3より後のジ
ョブb2,c2で最適化計算が実行されるようになる。
また、素材dについては、最初に抽出された素材aの最
終のジョブa3より後に全てのジョブがあるのでその全
てのジョブで最適化計算が実行されるようになる。一
方、前回計算で最初に抽出されるように計算された素材
が予定通りに抽出されなかった場合、炉内にある対象素
材の全てのジョブについて最適化計算が行われるように
なる。
うな目標関数と制約条件とによって定式化した最適化問
題を混合整数計画問題に変換して、圧延完了時間が最小
になるように、連続加熱炉101,102からの素材の
抽出順序及び圧延機110でのジョブの実施順序を決定
する。以上のような処理手順により、パススケジュール
から得た種々の情報から目標関数と制約条件とによって
最適化問題を定式化し、その定式化した最適化問題を混
合整数計画問題に適用して解いて、最も圧延時間が最小
になるような最適スケジュールとしての圧延要領を決定
している。
処理時間には誤差がある。このようなことから、パスス
ケジュールにおいて用いる圧延時間にその誤差を考慮す
ることもできる。成形/幅出し、温調までの厚み出し、
及び温調後の厚み出しについて、ジョブの処理時間の実
績値と計算値とを比較すると、図9乃至図11に示すよ
うになる。図9は、成形/幅出しについてのものであ
り、図10は、温調までの厚み出しについてのものであ
り、図11は、温調後の厚み出しについてのものであ
る。このような関係から誤差を考慮した圧延時間を得て
いる。例えば、図12に示すように、1.5倍した誤差
標準偏差を誤差平均に加えた値を、誤差考慮前の圧延時
間に加えることで、誤差を考慮した圧延時間を得て、こ
れをパススケジュールに組み込んでいる。
理内容は、図式化すると例えば図13に示すようにな
る。この図13に示すように、先ず素材の炉内における
配列情報を取得して(B1)、その炉内配列情報に基づ
いてパススケジュールを計算する(B2)。ここで、パ
ススケジュールの計算とは、前記表1に示したような各
種情報を取得するための計算である。そして、パススケ
ジュールの計算結果や必要に応じて炉内配列情報を用い
て最適化計算を行う(B3)。
前記図1におけるステップS1の処理内容に対応し、パ
ススケジュールの計算(B2)は、前記図1におけるス
テップS2及びステップS3の処理内容に対応し、最適
化計算(B3)は、前記図1におけるステップS4及び
ステップS5の処理内容に対応している。以上のよう
に、制御システムでは最適スケジュールとしての圧延要
領を決定している。そして、その圧延要領を得るための
計算は、目標関数及び制約条件を前記表2等を用いて説
明した値を用いて最適化問題として定式化して、その定
式化した最適化問題を混合整数計画問題に変換して圧延
要領を得る計算になっている。
は、スケジュール問題の最適解を求めるのに確立されて
いる最適な手法であることから、その混合整数計画問題
の解法を利用して得た最適スケジュールとしての圧延過
程の内容は、計算機の処理能力を有効に活用し、理想に
近い内容の最適解として実時間内に得られるものにな
る。すなわち、圧延要領の内容は、より現実的な内容で
あり、最も早く圧延を完了させることができる最適スケ
ジュールになっている。
最適圧延要領決定システムを示す。この最適圧延要領決
定システムでは、加熱についての情報を管理するための
コンピュータ(ミルP/C(ミルプロセスコンピュー
タ)、以下、第1の計算機という。)1、圧延順序を決
定するためのコンピュータ(以下、第2の計算機とい
う。)2、及びスケジュールを計算するためのコンピュ
ータ(以下、第3の計算機という。)3を備えている。
は、素材やその素材の加熱についての情報を管理するた
めの第1の計算機1から圧延順序を決定するための第2
の計算機2に加熱炉内の情報等がLAN(Local Area N
etwork)4を介して送信されるようになされている。ま
た、第2の計算機2からは最適スケジュールに応じて組
み合わせパターン(抽出タイミング)の情報等がLAN
4を介して第1の計算機1に送信されるようになされて
いる。そして、第3の計算機3において、スケジュール
計算の共有化が実現されている。
機2が保持しているデータの具体的内容やそれらデータ
を用いて行う第1の計算機1及び第2の計算機2の処理
内容を示す。先ず、第1の計算機1では、データベース
D1等として炉内の素材情報、ロール情報、及び基準情
報を有しており、これら情報を第2の計算機2に送信し
ている(ステップS11)。なお、第1の計算機1で
は、加熱炉からの素材の抽出に応じてロール情報を受信
して基準情報を変更している。また、基準情報とは、例
えば製品毎に決められている製造方法(速度、目標温度
等)に関する情報である。
の情報を受信して(ステップS21)、受信した情報を
データベースD3等として記憶するとともに、この情報
を利用してパススケジュールの計算を実施する(ステッ
プS22)。そして、第2の計算機2は、この計算によ
り得た炉内の素材のパススケジュールをデータベースD
4等として記憶するとともに、この情報を利用して炉内
の素材の制約条件を計算する(ステップS23)。
り得た炉内の素材の制約条件の情報をデータベースD5
等として記憶するとともに、この情報を利用して最適化
計算を実施して、最適圧延要領を得る(ステップS2
4)。最適化計算では、パススケジュールからジョブの
数や圧延時間等の情報を得て、さらには、炉内の素材の
制約条件の情報から冷却時間上下値、抽出制約、圧延長
による制約等の情報を得て、これら情報を用いて計算を
行う。
より得た最適圧延要領の情報をデータベースD6等とし
て記憶するとともに、その最適圧延要領の情報を第1の
計算機1に送信する(ステップS25)。第1の計算機
1では、第2の計算機2からの情報を受信して(ステッ
プS12)、受信した情報をデータベースD2等として
記憶するとともに、この情報を画面に表示する(ステッ
プS13)。
計算機2の処理については、前記図1のステップS1に
おける対象素材のパススケジュールの取得(或いは図1
3に示したB1の処理内容)に対応し、ステップS22
及びステップS23での第2の計算機2の処理内容につ
いては、図1のステップS2及びステップS3の処理内
容(或いは図13に示したB2の処理内容)に対応し、
ステップS24での第2の計算機2の処理内容について
は、図1のステップS4及びステップS5の処理内容
(或いは図13に示したB3の処理内容)に対応してい
る。
定システムは行っている。これにより、最適圧延要領決
定システムでは、例えば次のような一連の処理内容を実
行している。炉内の対象素材のパススケジュールを計算
するために必要な情報(素材情報、ロール情報、基準情
報)を第1の計算機1から第2の計算機2に伝送し、第
2の計算機2においてパススケジュール計算を行い、ジ
ョブ分割、ジョブの所要時間を計算する。次に、第2の
計算機2は、制約条件計算機能において、素材毎に冷却
時間の上下限値、抽出順の制約条件、及び圧延長による
待機スペースの制約条件等を計算する。そして、第2の
計算機2は、最適化計算機能において、与えられた制約
条件の下で対象素材を全て圧延完了する時間を最小とす
るジョブの順列(最適圧延要領)を計算する。最後に、
第2の計算機2は、計算した最適圧延要領を第1の計算
機1に伝送し、第1の計算機1において運転室の画面に
表示させている。そして、オペレータがその画面に表示
された最適圧延要領結果をみて、所定のタイミングで圧
延の運転を開始する。或いは、システムが自動的に所定
のタイミングで運転を開始する。
システムでは、目標関数及び制約条件として前記表2等
を用いて説明した値を用いて最適化問題に定式化して、
混合整数計画問題として最適圧延要領を得ている。
ない場合の圧延時間)を示し、図17は、図16におい
て実績圧延時間を得た同じ素材についてシミュレーショ
ンにより得た最適化後の圧延時間(本発明を適用した場
合の圧延時間)を示す。ここで、対象素材は50本であ
る。トータルの圧延時間は、実績圧延時間では9444
秒であるのに対して、最適化後では9168秒まで減少
している。
の制約条件とにより最適化問題を定式化して、混合整数
計画問題として素材の抽出順序及び圧延機での圧延の実
施順序を解くことで、最も早く圧延を完了させるための
加熱炉からの素材の抽出順序及び圧延順序を決定するこ
とができる。
を示すフローチャートである。
なジョブの先行関係を説明するために使用した図であ
る。
禁止される例を説明するために使用した図である。
値以下になるようなジョブの先行関係を説明するために
使用した図である。
が制限値を超えないようなジョブの先行関係を説明する
ために使用した図である。
ブの数が制限値になるようなジョブの先行関係を説明す
るために使用した図である。
延完了するようなジョブの先行関係を説明するために使
用した図である。
先行関係を説明するために使用した図である。
績値と計算値とを比較した特性図である。
時間の実績値と計算値とを比較した特性図である。
間の実績値と計算値とを比較した特性図である。
ために使用した図である。
である。
ある。
を示すフローチャートである。
性図である。
示す特性図である。
冷却過程を説明するために使用した図である。
した図である。
を説明するために使用した図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 複数種類の素材を加熱可能な加熱炉と、
前記加熱炉から抽出した素材を、その前後に設けた待機
スペースを利用しながら圧延する圧延装置と、前記圧延
装置で圧延された素材を冷却する冷却装置とを備えた圧
延設備により圧延される素材の圧延要領を決定する圧延
要領決定方法であって、 圧延される各素材の圧延スケジュールをもとに、圧延を
実施する際の前記圧延装置の占有時間、同一素材につい
てする圧延間の冷却時間の上下限値、圧延の実施後の素
材の長さ、及び同一素材の圧延スケジュールにおける圧
延の先行関係の制約、を含む情報を求めて、 求めた情報に基づいて、前記加熱炉を経て圧延される全
ての素材についての前記圧延が完了するまでの圧延完了
時間を目標とし、前記圧延装置において同時に重複して
実施できない、各圧延間の冷却時間が上下限値の範囲で
ある、圧延処理中及び待機している素材の合計長が前記
待機スペースにおける収納長以下である、並びに圧延間
の先行関係は与えられた制約を満足しなければならな
い、という制約条件を、最適化問題に定式化して、 定式化した最適化問題を、混合整数計画問題に変換し
て、前記圧延完了時間が最小になるように、前記加熱炉
からの素材の抽出順序及び前記圧延装置での前記圧延の
実施順序を決定していることを特徴とする圧延要領決定
方法。 - 【請求項2】 前記圧延間の先行関係についての与えら
れた制約には、同一素材の中の圧延間の先行関係の制
約、異なる素材の圧延間の切替時間が所定の時間以上で
ある制約、同一の素材の圧延間で実施できる異なる素材
の圧延が制限数以下である制約、異なる2つの素材間で
先に圧延した素材は先に圧延を完了する制約といったこ
れら制約のうちの少なくとも1つの制約を含んでいるこ
とを特徴とする請求項1記載の圧延要領決定方法。
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