JP3105377B2 - 連続加熱炉の抽出ピッチ予測方法 - Google Patents

連続加熱炉の抽出ピッチ予測方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧延工場における鋼片
の連続加熱炉における抽出ピッチ予測方法に関し、更に
具体的には鋼片の圧延能力と加熱炉能力及び作業休止時
間の発生状況を予測して抽出ピッチを予測することによ
り、燃料使用量の低減と、現場作業者の判断作業の軽減
を図るものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、連続加熱炉の加熱操業におい
て、被加熱材である鋼片を炉に装入する直前又は直後
に、その装入鋼片の抽出予定時刻を正確に予測できれ
ば、焼き上げ過不足による抽出スケジュールの変更を極
めて少なくできる。つまり、当初の予定を乱すであろう
抽出ピッチの修正を極力少なくすることにより、装入鋼
片の品質面や省エネルギーの達成の目的を満足させるこ
とはもとより、現場作業者の判断業務の軽減において極
めて重要である。しかしながら、加熱炉の加熱能力、圧
延機処理能力は、装入鋼片の鋼片仕様・圧延された後の
製品仕様や、加熱炉設備・圧延設備等で規定される加熱
条件・圧延条件に応じて様々に変動するため、加熱炉能
力が圧能力を上回る場合は、加熱炉抽出ピッチは圧延
能力に規制され、又その逆に圧延能力が加熱炉能力を上
回る場合は、加熱炉抽出ピッチは加熱能力に規制され
る。
【0003】従来より加熱能力、圧延能力の両者を精度
よく予測する手段が多く提案されている。例えば、特公
平4−42084号公報には、加熱能力の算出に、加熱
炉で目標温度に焼き上げるための最短在炉時間を差分手
法で伝熱方程式を用いて解き、加熱炉の最大能力時の抽
出ピッチを求め、圧延能力は、圧延での圧延速度・搬送
速度・圧下パターン等の圧延スケジュールから、計算式
を構築し圧延ピッチを求め、両者を比較して大きい方を
加熱炉抽出ピッチとすることが提案されている。又、特
公平1−23528号公報には、加熱能力の算出に、連
続加熱炉における目標生産性TPH(ton/hour)と装入
する鋼片に関するデータに基づいた基本抽出ピッチの算
出式と、圧延スケジュールからの計算値に経験則による
補正を加えて圧延ピッチを求め、両者を比較して大きい
方を加熱炉抽出ピッチとすることが提案されている。
【0004】ところが、これら公知手段では、加熱炉が
取り得る抽出ピッチは算出できるものの、圧延能力から
みた圧延ピッチの算出に関しては、下記のような問題が
あり加熱炉の抽出ピッチを予測する上で支障をきたすこ
とがわかった。 圧延製品の多品種・小ロット化が進み、予測精度維持
向上のため計算に使用される各種パラメータ数が増加
し、予測精度チェック及びパラメータの修正追加に多大
な労力を費やせざるを得ない。 圧延製品の寸法・形状精度等の厳しい品質管理がます
ます要求され、圧延の自動化と制御精度向上はしてきて
いるものの、寸法精度等の不良原因に未解明な部分が残
されており、圧延ピッチ変動を生ずる非定常な操業を余
儀なくされた場合、論理的な計算式では予測できず、熟
練作業者のノーハウに頼らざるを得ない。 計算に使用される圧延スケジュールそのものが、安定
した圧延状態を想定したものであり、前記の非定常な
操業時や、日常圧延作業中に発生する設備点検休止時
間、圧延製品変更時の圧延ロール交換作業時間等が考慮
されておらず、熟練作業者の判断を必要とし、又加熱炉
の燃料使用は消費増の傾向になりやすい。
【0005】すなわち、従来の公知手段においては、シ
ステム化しても熟練作業者のノーハウに頼らざるを得
ず、しかも予測精度維持向上に多大な労力を費やせざる
を得ない状況にあった。このような、計算式困難で熟練
作業者のノーハウを利用しなければならないという問題
の解決策として、従来よりプロダクションルールを用い
た知識処理が採用されているが、この方法を採用したと
しても下記問題がある。 数百から数千に及ぶ圧延製品の種類全てに対して知識
処理を実現するには、判断ケースが多岐多様にわたり、
判断ルールが肥大化して予測精度維持向上には多大な労
力を費さねばならず、計算式を利用した場合と同様な問
題が発生する。 熟練作業者にとっても、論理的な説明が困難な複雑な
ノーハウが存在する。 時々刻々変化する圧延作業には、従来の固定されたル
ール化では柔軟な対応ができない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来の問題を解決するもので、熟練作業者のノーハウ
を取り入れることにより、知識の肥大化を防ぐ知識処理
の方法により、突発的な設備トラブルを除く全ての圧延
状況をカバー可能な加熱炉抽出ピッチ予測方法を提供
し、鋼片の抽出ピッチの変更頻度を極力少なくし、鋼片
の品質レベルの確保と、省エネルギーの達成、及び現場
作業者の判断業務の軽減を図ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、連続加
熱炉で加熱終了後の鋼片抽出ピッチを、鋼片を連続加熱
炉に装入する直前又はその直後に予測する方法であっ
て、当該装入鋼片の圧延パススケジュールと材料情報に
最も類似した、過去の圧延パススケジュール実績事例を
検索・修正し圧延能力最大時の圧延ピッチを知識処理に
より予測する第1の手段と、装入鋼片の材料情報から連
続加熱炉の最大加熱能力時の加熱ピッチを演算する第2
の手段と、圧延工程における移動型休止と固定型休止の
各休止時間及び休止発生時期を、装入鋼片毎に予測する
とともに、既に、加熱炉内にある鋼片の中で、休止発生
予測されている個々の休止時期の発生間隔により、休止
時期の再配置を知識処理する第3の手段と、前記3つの
手段で予測された圧延ピッチ、加熱ピッチ及び作業休止
時間のうちの最大値を連続加熱炉の抽出ピッチと決定す
る連続加熱炉の抽出ピッチ予測方法にある。
【0008】
【作用】本発明による連続式加熱炉の抽出ピッチの予測
方法を図1のフローチャートで説明する。入力部1で
は、抽出ピッチを予測するための装入鋼片の圧延ミルの
パス回転数、パス回数、圧下率等のパススケジュール
(以下、本発明では圧延パススケジュールという)及び
装入鋼片のサイズ、鋼種、装入温度、目標抽出温度等の
条件(以下、本発明では材料情報という)が入力され
る。圧延ピッチ予測部2では、入力部1の情報に最も類
似した過去の圧延事例を、事例データ部3の中から検
索、参照し必要に応じて修正を加え、加熱炉能力とは切
り離した圧延工程の圧延能力最大時の圧延ピッチを予測
する。
【0009】事例データ部3は、過去の圧延ピッチと圧
延ピッチに影響する要因である、圧延ミルの圧延パスス
ケジュールを登録してある事例データ群であり、入力部
1から後述する最終ステップの加熱炉抽出ピッチ予測部
7までの処理結果と、当該鋼片が連続加熱炉より抽出さ
れ圧延された時の圧延実績等とあわせて登録される。加
熱ピッチ演算部4で、入力部1の装入鋼片の材料情報に
より加熱ピッチを演算する。作業休止予測部5では、個
々に発生する休止時間を予測する。
【0010】もし、休止時間の発生予測がされれば、作
業休止再配置部6で既に連続加熱炉に装入され加熱炉よ
り抽出されていない鋼片、即ち炉内材の全ての鋼片の中
から、休止発生予測されている個々の休止時期の発生間
隔をもとに、休止時期の再配置が実施され、休止時間短
縮が図られる。加熱炉抽出ピッチ決定部7では、圧延ピ
ッチ予測部2で求めた圧延ピッチの予測値と加熱ピッチ
演算部4で求めた加熱ピッチの予測値と、作業休止再配
置部6で求めた休止時間を比較し、最大値を、連続加熱
炉の抽出ピッチに決定する。
【0011】なお、前記の各処理ステップと本発明の要
旨に示す各手段との関係は、図1の入力部1と圧延ピッ
チ予測部2と事例データ部3が第1の手段、加熱ピッチ
演算部4は第2の手段、作業休止予測部5と作業休止再
配置部6は第3の手段に対応する。
【0012】
【実施例】本発明の実施例をH形鋼圧延装置列による加
熱及び圧延作業を例に、第1から第3の手段の実現方法
について順次詳述する。 第1の手段 本発明者らは、熟練技術者へのヒヤリング結果から、熟
練技術者は過去の圧延事例を利用しながら、装入鋼片の
圧延ピッチをうまく予測していることに注目し、過去の
圧延事例の利用の違いから知識構造を圧延操業のフェー
ズ別に大きく分類した。分類例を図3に示す。一般に圧
延作業は、同一圧延ロールで圧延可能な複数の圧延製品
種を一つにまとめて、連続して圧延作業を行う圧延作業
期間8と、次の圧延製品を圧延するために圧延ロールの
交換作業等を行う圧延準備期間9がある。
【0013】圧延作業期間8では、同一圧延ロール内で
圧延可能な寸法等が異なる圧延製品が集められ圧延され
る。この寸法変更時に発生しやすい圧延ピッチ変動が一
定期間続く圧延不安定期10と、その後、圧延ピッチ安
定に推移する圧延安定期11が、製品変更の都度交互に
発生する。又、作業休止時間も発生する。図3に示した
各期間毎の圧延ピッチに影響を与える要因は、圧延ピッ
チへ与える影響の定量的な度合は圧延条件や経時的にも
変化するものの、その影響順は圧延製品の種類や圧延条
件等に左右されないことに着目し各要因を定性的にラ
ンク付けできることがわかった。
【0014】表1は、圧延安定期間中に圧延ピッチを決
定づけるH形鋼圧延装置列を形成する各圧延ミル毎に要
因を影響度の大きい順にランク付けした例を示す。
【0015】例えば、表1の粗圧延ミルの圧延ピッチ
は、圧延製品のウェブ厚が最も圧延ピッチに影響し、パ
ス回数・装入鋼片幅・加熱炉装入列材と続き、圧延品種
が最も圧延ピッチの影響が小さいことがわかる。ランク
付けされていない項目は、圧延ピッチの影響がないか、
あったとしても非常に小さいことを示している。
【0016】
【表1】
【0017】図2に、表1を基にした圧延ピッチを求め
る手順を示す。なお、図2は、図1の入力部1と圧延ピ
ッチ予測部2と事例データ部3に対応している。入力部
1では、抽出ピッチを予測する装入鋼片の圧延パススケ
ジュール及び装入鋼片の材料情報が入力される。事例検
索条件設定部2aでは、入力部1の装入鋼片等の圧延ス
ケジュール計画及び材料情報を基に予測すべきミルの選
択と、表1に従って検索条件を決める。
【0018】予測すべき圧延ミルを選択する理由は、製
品によっては、圧延ピッチが最大値(ピッチがネックと
なるの意味)となるミルが限定される場合もあり各ミル
全てに対し予測する必要もないからである。例えば粗圧
延ミルを選択した場合、先ず最初は、入力部1の情報と
最も一致した条件、即ち、表1のランク1から5の全て
が入力部1の情報と同じ条件であることが検索条件とな
る。事例検索部2bでは、事例検索条件設定部2aの検
索条件に従って、事例データ部3よりデータを検索す
る。もし該当データがなければ、事例検索条件設定部2
aに戻って、検索条件の緩和を行う。
【0019】検索条件の緩和の方法は、ランク1から5
の全てが同じ条件で検索して、過去の圧延事例になかっ
たなら、圧延ピッチへの影響が一番小さいランク5を検
索対象から完全に省くか、又はランク5の検索範囲を拡
げる。例えば、ウェブ厚み10mmで検索してなかったの
なら5mm〜15mmに検索範囲を広げる。このように、過
去の事例が見つかるまで、事例検索条件設定部2a、事
例検索部2bを圧延ピッチへの影響が一番小さい順か
ら、大きい順へ検索範囲を緩和していく。
【0020】緩和させればさせるほど装入鋼片の圧延ス
ケジュールとかけ離れていき、圧延ピッチの予測誤差も
大きくなるため、事例修正部2cで過去の事例をあらか
じめ定めた修正量により修正して採用される。従って、
完全に一致した過去の圧延事例がなくても、装入鋼片の
圧延スケジュール計画及び材料情報を基に過去の事例を
利用することができる。圧延ピッチの修正量は、過去の
事例を基準としていることと、表1に示したように整理
しておけば、熟練技術者からの知識獲得も容易にでき
る。
【0021】又、新しい圧延製品についても従来の公知
手段のように、一々予測精度維持向上のため計算に使用
される各種パラメーターの修正や追加に多大な労力を費
やすこともないし、事例データ部3に登録されているデ
ータが豊富になるにつれ、一致条件も増えるため自動的
に予測精度も向上する。事例データ部3はできるだけ過
去の事例を登録した方がよいが、新しい事例を登録する
都度、事例を事例データ部3より消去した方が処理速度
上は好ましい。
【0022】予測値決定部2dでは、前述の選択された
予測すべき各圧延ミル毎に決定した圧延ピッチを比較
し、最大値を圧延ピッチとする。各ミル別の圧延ピッチ
をそれぞれ単独に求める理由は、圧延安定期間中であっ
ても、装入鋼片等の圧延スケジュール及び材料情報によ
って、各圧延機の圧延能力が異なるため、最も圧延に要
する時間が長い圧延機のピッチが全圧延工程の圧延ピッ
チとなるからである。勿論、過去の圧延事例を検索する
時は、圧延休止期間中や不安定な圧延期間を検索するこ
とはしない。同様に、図3で示した知識構造で分類した
期間毎に整理すればよいわけである。
【0023】このような考え方は、H形鋼圧延装置列に
よる加熱及び圧延作業のみならず、例えば薄板や厚板圧
延装置列にも適用が可能であり、表に示すように要因
数はミル毎に10条件にも満たないものであるし、圧延
製品の種類等に左右されないことから熟練技術者の複
雑なノーハウをルール化することができ、従来の公知手
段のように複雑な計算式を構築することもない。
【0024】システム化するにあたっては、図2の事例
検索部2b及び事例登録部16は、通常プログラム、又
は、リレーショナルデータベースを用いて構築可能であ
るから、プロダクションルールによる知識処理は、事例
検索条件設定部2aと事例修正部2cを最小限実施すれ
ばよく、容易にシステム化できる。
【0025】第2の手段 装入鋼片の材料情報から連続加熱炉の最大能力時の加熱
ピッチを予測する手段については、例えば、加熱炉での
目標温度に焼き上げるための最短在炉時間を伝熱方程式
を差分法を用いて解き、加熱炉の抽出ピッチを求める従
来の公知手段や、特公平1−23528号公報で提案さ
れている、連続加熱炉における目標生産性TPHと装入
する鋼片に関するデータに基づいた基本抽出ピッチの算
出式等を用いればよい。
【0026】第3の手段 通常の圧延作業においては、定常的に発生する様々な設
備点検等の作業休止時間が発生する。例えば、H形鋼製
品製造におけるH形鋼圧延装置列に、圧延製品を所定の
寸法に鋸断する熱間鋸断装置が用いられている場合、周
期的に鋸刃の磨耗等により鋸刃交換が必要であり、その
都度休止が発生する。熟練作業者は、鋸断回数や鋸断さ
れる圧延製品の寸法等によって鋸刃交換時期を予測して
いる。又、前圧延材と次圧延材で製品寸法等が異なり圧
延ロールの圧下率を調整する必要が生じた場合にも圧延
ロール調整のための休止が発生する。
【0027】前者の休止は、鋸刃交換が少し早くなろう
と、遅くなろうと直ちに、圧延製品の鋸断ができなくな
るものでなく圧延作業状況を見ながら作業休止発生時期
を決めることが可能であり、このような休止態様を本発
明では移動型休止と称する。後者の休止は、圧延製品の
形状不良が発生するため直ちに圧延ロール調整をしなけ
ればならず、このような休止を本発明では固定型休止と
称する。
【0028】熟練作業者は、様々に発生する休止を加熱
炉に装入する直前又は直後に休止発生の有無と休止時間
を個別に予測するばかりでなく、既に、加熱炉内に装入
されている鋼片等に発生すると予測した休止の再配置を
行っている。例えば、移動型休止の前後に固定型休止が
あれば、移動型休止を固定型休止と同じ時期に行えば、
それだけ休止時間を少なくすることが可能で作業能率が
向上するためである。
【0029】本発明者らは、熟練技術者へのヒアリング
結果から、単に様々に発生する休止を個別に予測するば
かりでなく、個々に発生する休止の再配置による休止時
間短縮を、プロダクションルールによる知識処理を実現
させることで可能にした。まず、様々に発生する休止を
移動型休止と固定型休止に分類する。移動型休止は、休
止の平均的な発生周期と、その要因及び平均的な休止発
生周期から休止が移動可能な許容できる範囲を設定し、
個々の休止毎に個別にルール化し作業休止を予測する
(図1 作業休止予測部5)。
【0030】鋸刃交換による作業休止時間予測のルール
化の例を下記に示す。 (条件部)もし、今回の装入鋼片で、累積鋸断回数がX
を超えている。 (実行部)ならば移動型休止であり、許容できる範囲
鋸断回数±Yとし、休止時間をZ分発生させる。もし、
上述したルールにより個々の休止が加熱炉装入時に予測
されれば、予測した休止の再配置を行う。休止の再配置
は、既に連続加熱炉に装入され炉より抽出されていない
全ての鋼片(炉内材のこと)の中から(※この時点で
は、炉内材すべてに個々の休止予測が行われている)休
止発生予測されている個々の休止時期の発生間隔から、
移動型休止の再配置が行われる。
【0031】移動型休止の再配置例を図4に示す。図4
の(a)の例は、移動型休止が複数発生しており、しか
も各移動型休止の許容範囲内に固定型休止が発生してい
る例である。この場合、複数発生した移動型休止時期は
固定型休止の時期に集約される。図4の(b)の例は、
移動型休止のみが複数発生しており、しかも各移動型休
止の許容範囲内であることを示している。この場合、許
容範囲の一番小さい移動型休止に集約される。図4の
(c)の例は、固定型休止と移動型休止が発生している
が、固定型休止が移動型休止の許容範囲外であることを
示している。この場合、休止の再配置は行われず、個々
に休止は発生する。
【0032】図4の(a)のルール化の例を下記に示
す。 (条件部)もし、加熱炉にある鋼片の中に、移動型休止
発生予測材があり、加熱炉にある鋼片の中に、固定型休
止発生予測材があり、固定型休止が、移動型休止の許容
範囲内にある。 (実行部)ならば、移動型休止を取消し、固定型休止発
生鋼片の、休止時間を移動型休止時間と固定型休止時間
の大きい値とする。
【0033】図4の(b)のルール化の例を下記に示
す。 (条件部)もし、加熱炉にある鋼片の中の、移動型休止
発生予測材を予測材1とし、加熱炉にある鋼片の中の、
移動型休止発生予測材を予測材2とし、予測材1が予測
材2の許容範囲にあり、予測材2が予測材1の許容範囲
にある。 (実行部)ならば、許容範囲の大きい予測材の移動型休
止を取消し、予測材2の休止時間を予測材1と予測材2
の大きい方の値とする。
【0034】上述の如く、鋼片装入毎に、個々の休止発
生の有無を判断し、次いで休止の再配置判断を行うこと
により、従来の公知手段では考慮されていなかった知識
処理による休止予測で、熟練作業者と同等な知識処置が
実現できることから、休止回数を減らすとともに休止時
間も短縮できるため作業能率が向上する。
【0035】このように、3つの手段で予測された圧延
能力最大時の圧延ピッチ及び連続加熱炉の最大能力時の
加熱ピッチ及び作業休止時間を比較し、そのうちの最大
値を連続加熱炉の抽出ピッチとする(図1 加熱炉抽出
ピッチ予測部7)ことにより極めて実用性の高い連続加
熱炉の抽出ピッチの予測が可能となる。勿論、本発明に
よる連続加熱炉の抽出ピッチ予測方法によれば、鋼片等
が装入される直前又はその直後に予測するとともに、予
測してから抽出されるまでに、装入鋼片等の圧延スケジ
ュールや目標抽出温度等が変更された場合には、再度予
測をし直せばよい。
【0036】図5(a),(b),(c)は従来法と本
発明における抽出ピッチ予測をH形鋼(H500×20
0)に適用し、実績抽出ピッチと比較した実施例を示
す。(a)は、鋼片が連続式加熱炉へ装入される直前
に、従来法により予測した抽出ピッチ、(b)は、鋼片
が連続式加熱炉へ装入される直前に、本発明により予測
した抽出ピッチを示している。(c)は、予測した鋼片
材料が、実際に加熱炉より抽出されたときの実績抽出ピ
ッチであり、製品変更等で、抽出ピッチ変動が激しいこ
とを示している。以上の比較から明らかなように、本発
明法は非常によく抽出ピッチを予測しているが、従来方
法では、不安定な圧延状態を的確に予測できていないこ
とがわかる。
【0037】
【発明の効果】本発明は鋼材の連続加熱炉における抽出
ピッチの予測において、圧延能力と加熱炉加熱能力、及
び定常的に発生する作業休止時間を考慮することによ
り、連続加熱炉への鋼片装入段階で極めて高精度に抽出
ピッチを予測できる。正確な予測により、抽出ピッチの
予測変更頻度の減、鋼片の品質悪化の防止及び省エネル
ギーはもとより、現場作業者の判断作業の負荷軽減が図
れる等の実用的な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明法を説明するフローチャート。
【図2】本発明法の圧延ピッチ予測部の詳細を示すフロ
ーチャート。
【図3】圧延操業のフェーズ分類例の説明図。
【図4】(a),(b),(c)は休止の発生類型を示
す説明図。
【図5】(a),(b),(c)は本発明の効果を示す
グラフ。
【符号の説明】
1 入力部 2 圧延ピッチ予測部 3 圧延事例データ 4 加熱ピッチ演算部 5 作業休止予測部 6 作業休止再配置部 7 加熱炉抽出ピッチ予測部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮田 邦史 堺市築港八幡町1番地 新日本製鐵株式 会社 堺製鐵所内 (56)参考文献 特開 平5−59438(JP,A) 特公 平4−70367(JP,B2)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続加熱炉で加熱終了後の鋼片抽出ピッ
    チを、鋼片を連続加熱炉に装入する直前又はその直後に
    予測する方法であって、 当該装入鋼片の圧延パススケジュールと材料情報に最も
    類似した、過去の圧延パススケジュール実績事例を検索
    ・修正し圧延能力最大時の圧延ピッチを知識処理により
    予測する第1の手段と、 装入鋼片の材料情報から連続加熱炉の最大加熱能力時の
    加熱ピッチを演算する第2の手段と、 圧延工程における移動型休止と固定型休止の各休止時間
    及び休止発生時期を、装入鋼片毎に予測するとともに、
    既に、加熱炉内にある鋼片の中で、休止発生予測されて
    いる個々の休止時期の発生間隔により、休止時期の再配
    置を知識処理する第3の手段と、 前記3つの手段で予測された圧延ピッチ、加熱ピッチ及
    び作業休止時間のうちの最大値を連続加熱炉の抽出ピッ
    チと決定することを特徴とする連続加熱炉の抽出ピッチ
    予測方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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