JP2009262209A - 熱間圧延工場の製造ロット編成装置及び編成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】製鋼工場から熱延工場にいたるスケジュール対象鋼材の情報処理装置1と、将来の物流状態を予測するシミュレーション装置3、該シミュレーション装置が予測する将来のスケジュール対象鋼材の熱延到着状態及び加熱炉などの物流進捗状態に応じ最適なスケジュールロット編成を算出する最適スケジュールロット編成算出装置4とを具備し、最適スケジュールロット編成算出装置4は、各ロット組み込み対象鋼材の性質に応じ、ロット組み込み対象鋼材を複数のロットに適材適所に配置するロット編成問題を組み合わせ最適化問題として定式化し最適解を算出する。
【選択図】図1
Description
また、前記のように熱間圧延工程における昨今の注文状況を見ると、多品種化と小ロット化の傾向は否めず、各ロット内の詳細なスケジュールの作成のみならず、数多くの品種を適正なロットへ配分することが、納期管理や、コスト削減の観点から益々重要視されてきている。
つまり、納期面のみならず、加熱炉の燃料効率などの生産コスト面などをも重視したロット編成スケジュールを作成するには、ロット編成作成期間全体に渡る連鋳工程からの鋳造予定及び薄物材を中心とする納期管理の厳しいコア材の種類と量、納期の至急度合いなどを十分考慮し、適切なロットポジションにしかるべきコア材を配置する機能が不可欠となる。
また、本発明の熱間圧延工場の製造ロット編成装置は、前記ロット編成算出手段は、あらかじめ指定されたロット組み込み必須鋼材を作成対象ロットに、組み込まれたロット編成を作成することを特徴とする。
予定されたスケジュールとは、過去において本装置が算出したかあるいは管制員により作成され確定しているスケジュールを言う。
つまり、ここではロット編成問題を、鋼材グループ(i)をロットNo.(j) 、加熱炉(f)のロット内装入順番(k)のいずれかの装入順番(座席)に割り当てる割り当て問題として定式化するものであるから、以下の二つの制約式は必然的に必要となる。なお、ここで各パラメータの範囲をそれぞれ鋼材グループiはi=1,・・・,iend、ロットNo.jはj=1,・・・,jend、装入順番kはk=1,・・・,kend、加熱炉f=1,・・・,fendとする。
本制約は、いずれの装入順番にも、ただ一つの鋼材しか割り当てることができないという制約で式(2)の制約式により記述できる。
任意の装入順番(j , k , f)に対して、
続いて、この問題において本質的に重要となるロット編成における種々の制約関数を以下のように設定する。
当然のことながら、上工程である製鋼工程より、搬送される鋼材が熱延ヤードに到着していなければ加熱炉への装入は不可能である。この物理的な制約は、以下のように定式化できる。つまり、スラブグループix の装入可能となる熱延到着時刻をロットNo.jxの装入順kxとした場合、スラブグループixの到着時刻制約は「それ以前の装入チャンスには装入できない」ことから、式(3)となる。
組み込み指定スラブグループ集合に属するスラブグループがいずれかの適切なロットに必ず組み込まれなければならないという制約である。組み込み指定スラブグループixが、いずれかのロットへの組み込み必須の場合、この組込み指定制約は式(4)のように定式化できる。
if ix ∈ 組み込み指定スラブグループ集合
難圧延性の鋼材に対するロット内における組込み可能位置範囲を指定する『制約』。あるロット内における組み込み順番が決定変数の識別因子kとして含まれているので、定式化可能と考えられる。組込み制約スラブグループ[i_y]が、ロット内装入順番k1番からk2番までの間でしか組み込めない場合、組込み制約スラブグループ[i_y]はロット内装入順番1番〜k1番及びk2〜kend番では装入できないとみなし、式(5)のように定式化できる。
熱延スケジュールでは、圧延負荷による圧延ロールに対するダメージを緩和するため、回復材と称する比較的圧延負荷の少ない鋼材を適当数量スケジュールに組み込むことが必要とされている。しかし、このような鋼材は全体数量が限られるため、特定ロットに偏ることなく満遍なく全てのロットに適量配分することが重要となる。この意味からも、本制約を成立させることはロット編成を行う主要な目的の一つといえる。回復材鋼片グループ集合をE、1ロットあたりの回復財最低必要量をNeとすると、本制約は式(6)のように定式化できる。
任意のロットNo.jに対し、
ロール対する負荷の大きい薄物(薄手材)やハイテン材などは、その圧延数量が増えるほどロール磨耗などが大きくなるため、1ロット内に組み込める総量に規制がある。総量制約対象材をD1,D2,・・・, Di・・・Dqとし、それぞれ1ロットに組込み可能な上限値をNd1,Nd2,・・・,Ndqとると、本制約は式(7)のように表せる。
任意のロットNo.j及び任意の総量制約対象材Diに対し
日程ロットを編成する場合、各ロットの正確を特徴付ける中心となる鋼材がある。これは主に上記の難圧延性の鋼材が該当することが多い。この際、同一ロットに異なる難圧延材を組込むことは互いに悪影響が出ることから避けることが通例である。これは例えば、薄物とハイテン材とはロットを別けるということである。この、鋼材グループi1と i2が同一ロットに組み込めないという制約は式(8)により表すことができる。
任意の難圧延材グループの組み合わせ(i1とi2)及び、任意のj(1≦j≦jend)に対し、
前記のように薄物材は、それ以外の材料に比べ圧延が難しいために、スケジュールに組み込みづらく、できるだけ特定のロットにまとめて圧延することが必要となる。一方で薄物は昨今ユーザー要求も高く、納期制約から日程ロットに最低組み込むべき数量が指定される場合が多い。従って、熱片材の到着状況を鑑み、それを毀損しないような適切なロットを、薄物ロットとして定めることが望まれる。そのための制約を以下に示す。
圧延スケジュールにおいては、圧延順に見た場合の幅移行について、ロール磨耗の点からできるだけ広幅から狭幅に向かっていくようなスケジュールを作る必要がある。従って、過度な幅移行の逆転(狭幅から広幅という圧延順)があると、圧延品質上問題を生ずる可能性がある。
上述した実施形態の機能を実現するべく各種のデバイスを動作させるように、該各種デバイスと接続された装置あるいはシステム内のコンピュータに対し、前記実施形態の機能を実現するためのソフトウェアのプログラムコードを供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(CPUあるいはMPU)に格納されたプログラムに従って前記各種デバイスを動作させることによって実施したものも、本発明の範疇に含まれる。
2 製造ロット編成装置
3 シミュレータ(シミュレーション手段)
4 ロット編成算出手段
5 実プロセス
6 実績データ(現在物流状態)
7 未来物流状態
8 最適スケジュール
9 スケジュール指示
10 スケジュール実績
11 入力手段
12 出力手段
Claims (10)
- 単数または複数の加熱炉と圧延機により構成される熱間圧延工場のスラブ加熱順序および圧延順序を決定する製造ロット編成装置において、
製鋼工場から熱間圧延工場にいたるロット組み込み対象鋼材に関する鋼材情報と該ロット組み込み対象鋼材の物流状態に関する物流情報を取り込む入力手段と、
前記鋼材情報と前記物流情報を入力して蓄積し、かつ、該蓄積された鋼材情報及び物流情報がコンピュータネットワークを経由してリアルタイムに更新されるデータベースと、
前記データベースから現時点の前記鋼材情報を入力し、当該鋼材情報と予定されたスケジュールに基づき、物流シミュレーションを実施して、将来の物流状態を予測するシミュレーション手段と、
前記シミュレーション手段が予測する将来のロット組み込み対象鋼材の熱延到着タイミング、並びに加熱炉及び圧延機の物流進捗状態を基に、各ロット組み込み対象鋼材の性質に応じ、それらロット組み込み対象鋼材を複数のロットに適材適所に配置するロット編成問題を組み合わせ最適化問題として定式化し、最適解を算出するロット編成算出手段と、
前記算出した最適解を出力する出力手段と、を具備することを特徴とする熱間圧延工場の製造ロット編成装置。 - 前記ロット編成算出手段が、ロット組み込み対象鋼材を、ロットNo.、加熱炉及び加熱炉装入順番に割り当てる割り当て問題として前記ロット編成問題を定式化し、最適解を算出することを特徴とする請求項1に記載の熱間圧延工場の製造ロット編成装置。
- 前記ロット編成算出手段は、あらかじめ指定されたロット組み込み必須鋼材を作成対象ロットに、組み込まれたロット編成を作成することを特徴とする請求項1または2に記載の熱間圧延工場の製造ロット編成装置。
- 前記ロット編成算出手段は、圧延ロールの磨耗を緩和する鋼材を各ロットに均等に配分し、各ロットにあらかじめ指定された最低必要数量以上が含まれることを保証するロット編成を作成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱間圧延工場の製造ロット編成装置。
- 前記ロット編成算出手段は、所定の板厚以下の鋼材からなる薄物材を特定のロットにまとめ、まとめたロット内に必要数量以上が含まれることを保証するロット編成を作成することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱間圧延工場の製造ロット編成装置。
- 単数または複数の加熱炉と圧延機により構成される熱間圧延工場のスラブ加熱順序および圧延順序を決定する製造ロット編成方法において、
製鋼工場から熱間圧延工場にいたるロット組み込み対象鋼材に関する鋼材情報と該ロット組み込み対象鋼材の物流状態に関する物流情報を取り込んで入力するステップと、
前記鋼材情報と前記物流情報を入力して蓄積し、かつ、該蓄積された鋼材情報及び物流情報がコンピュータネットワークを経由してリアルタイムに更新されるデータベースを構築するステップと、
前記データベースから現時点の鋼材情報を入力し、当該鋼材情報と予定されたスケジュールに基づき、物流シミュレーションを実施して、将来の物流状態を予測するシミュレーションを行うステップと、
前記シミュレーション手段が予測する将来のロット組み込み対象鋼材の熱延到着タイミング及び加熱炉及び圧延機の物流進捗状態を基に、各ロット組み込み対象鋼材の性質に応じ、それらロット組み込み対象鋼材を複数のロットに適材適所に配置するロット編成問題を組み合わせ最適化問題として定式化し最適解を算出するロット編成算出を行うステップと、
前記算出した最適解を出力するステップと、からなることを特徴とする熱間圧延工場の製造ロット編成方法。 - 前記ロット編成算出を行うステップが、ロット組み込み対象鋼材を、ロットNo.、加熱炉及び加熱炉装入順番に割り当てる割り当て問題として前記ロット編成問題を定式化し、最適解を算出することを特徴とする請求項6に記載の熱間圧延工場の製造ロット編成方法。
- 前記ロット編成算出を行うステップは、あらかじめ指定されたロット組み込み必須鋼材を作成対象ロットに、必ず組み込まれたロット編成を作成することを特徴とする請求項6または7に記載の熱間圧延工場の製造ロット編成方法。
- 前記ロット編成算出を行うステップは、圧延ロールの磨耗を緩和する鋼材を各ロットに均等に配分し、各ロットにあらかじめ指定された最低必要数量以上が含まれることを保証するロット編成を作成することを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の熱間圧延工場の製造ロット編成方法。
- 前記ロット編成算出を行うステップは、所定の板厚以下の鋼材からなる薄物材を特定のロットにまとめ、まとめたロット内に必要数量以上が含まれることを保証するロット編成を作成することを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項に記載の熱間圧延工場の製造ロット編成方法。
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