JP4987795B2 - 熱間圧延工場の製造ロット編成装置及び編成方法 - Google Patents

熱間圧延工場の製造ロット編成装置及び編成方法 Download PDF

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Description

本発明は、熱間圧延工場の物流スケジューリングに関し、熱間圧延工場における加熱炉装入スケジュールや圧延スケジュールなどの物流スケジュールを作成するために用いて好適なものである。
熱間圧延工場の物流スケジューリング装置に関しては、特許文献1、特許文献2など、これまでにもいくつか提案されている。しかしながら、このような熱間圧延工場の物流スケジューリングにおいては、いずれも、ロール組替え毎の各ロット単位において、幅、 厚み移行などの圧延制約をいかに満たすか、あるいは加熱制約を満たすよう複数炉への振り分けをいかに実施するかを配慮して単一ロットのスケジュールを作成するものがほとんどであり、ロットの編成に関する機能を有するものはみあたらない。
通常、熱間圧延工程では、ロールの磨耗などの影響を考慮して100〜200本の圧延のまとまりを1ロットとし、ロット毎にワークロールの交換を行い、次のロットに移るという作業が繰り返される。時間にすると1ロットが4〜6時間程度で、従って、1日の内に4〜6ロットの圧延が行われる。この際、各ロットには圧延様式と称して、薄物スケジュールか非薄物スケジュールに分けられる。これは、例えば板厚1.5mm以下の鋼材からなる薄物材が、それ以外の材料に比べ圧延が難しいために、一つのロットにまとめて圧延することが必要となるためである。それぞれのロットにおいてどのような材料を圧延すべきかを決定するロット編成は、ロール整備計画の面からのみならず、連鋳機(CC:Continuous Castingともいう)から鋳造される鋼片(スラブ)を熱片のまま加熱炉へ装入する操業方法(以降HCR:Hot Charged Rollingと称する)による加熱炉燃料原単位削減の面からもきわめて重要なファクターとして重要視される傾向にある。
炉装入スケジュール及び圧延スケジュール作成は、加熱炉が複数機ある場合、CCから直送される熱片のスラブと熱延ヤードに滞留してある冷片のスラブを異なる加熱炉に装入するのが一般的であり、こうした場合、当然、冷片の加熱炉装入時間が熱片のそれより長くなるため(通常1〜2時間程度長くなる)、同じタイミングで圧延する鋼材でも、加熱炉装入タイミングは冷片のほうが熱片よりその時間分先に装入する必要がある。また、加熱炉へ装入する鋼材の準備時間つまり、ヤードなどに山積みされた冷片の場合は、冷片の山から取り出す作業時間などが必要となるため、通常該当するスケジュールにおける熱片の装入が開始される数時間から十数時間前にそのスケジュールを作成する必要がある。しかし、そのような未来の工程進捗予測は、上流工程である製鋼工場側の鋼片出片状況を予測することもさることながら、熱延工場における先の加熱炉間処理速度差による、炉間の時間差などの工程進捗を予測することが簡単ではないため、現状では、当該スケジュール開始時点において熱延工場に到着済みかあるいは間もなく確実に到着すると思われる鋼材をスケジュール対象材とみなしてスケジュールを作成している。
これは、未到着の鋼材,例えば現時点において連鋳機において鋳造中のものなどをスケジュール対象とみなすことは,連鋳工程における疵の発生などによる格落ち(品質等級の降格)などの懸念からも避けられる処置では有るが、計算機による自動スケジューリング機能により高速に再スケジューリングが行える環境下において、この点は大きな問題とはなり得ないと考えられるので、ここではトラックタイム(CC切断から加熱炉装入に要する時間)を長くしている要因は、未来における物流予測の難しさに起因しているものと考えるものとする。この時間予測はCCから出片直後の高温状態の鋼片温度低下が1時間あたり100℃〜200℃程度あることを考慮すると熱ロスの観点からみて無視できる問題ではない。このため、実際に鋼片が加熱炉に装入される際には、特にスケジュール後半に装入される鋼片においては、鋳造から10時間以上経過し温度が低下してしまっているものが少なくない。よって、加熱炉操業における省エネルギー、低コスト操業を実現するための障害となっている。
従来のロット編成方法は、納期の面を重視し、管制員が緊急性の高い材料を優先的にスケジュールに組み込みたいとの思いから、納期が優先される鋼材をできるだけ早いタイミングのロットにおいて圧延を実施しようとする傾向が見られた。この結果、本来、納期的にはその一日のロットのどこかで組み込みさえすればよい材料を、早めのロットに組み込むことにより、当該ロットでの熱片材料の組み込みを逃し、結果的にHCR率を下げる状況を発生させている。
近年、自動車用の鋼板などを中心とする材料全般の薄手化に伴い、生産量全体に占める薄物比率は年々高まる傾向にあり、そのような薄物材が短納期要求により納期が優先される鋼材として指定されるケースが極めて多くなっている。また、薄物材 を同一ロット内に含む場合と、そのような材料を含まない場合とを、それぞれ「薄物様式ロット」と「一般様式ロット」として区別し、ロットの性格分けを行っている。
これは、薄物材では、加熱の面では十分な焼き上げ(加熱炉抽出温度)が要求され、しかも圧延が難しく、絞りや曲がりなどによりミスロールを発生しやすい。このため、薄物材を分散してスケジュール配置するよりも、適当なロットにまとめて圧延(まとめ圧延という)するほうが適切と考えるからである。よって、薄物材に関しては、まとめ圧延することが一般的に行われている。ただし、まとめ圧延を行うといっても薄物材はロール磨耗を促進することから、ある適当な数量を超えて1 ロットに組み込むことができないという制約が一方では存在する。従って、ロット編成作成期間内において、薄物材の要求量が多い場合には、複数の「薄物様式ロット」が必要となる。
また、複数の「薄物様式ロット」を編成する場合、前記したように薄物材では圧延トラブルを発生する可能性が高い。そして、圧延トラブルが発生した際には圧延ロールの交換を即座に行う必要がある。このため、圧延ロールの整備が間に合わなくなることを危惧し、「薄物様式ロット」を続けて行うことは極力避けることが望ましいとされている。ここでの薄物材のように、それを組込むことでその当該ロットは言うに及ばすその前後のロットの在りようにまでも影響を与える鋼材をコア材と称する。
従って、このような観点から、薄物材のようなコア材を、許容可能な期間の中でどのロットポジションに組み込むかが、HCR率の向上、つまり燃料コスト削減や適正なロール整備計画を行う上で重要な決定要因といえる。
また、前記のように熱間圧延工程における昨今の注文状況を見ると、多品種化と小ロット化の傾向は否めず、各ロット内の詳細なスケジュールの作成のみならず、数多くの品種を適正なロットへ配分することが、納期管理や、コスト削減の観点から益々重要視されてきている。
これに対し、現状では、製鋼からの鋳造スケジュールにある程度反映されているものの、熱間圧延工程における明確な方針がないため、目先の納期が迫っている鋼材をスケジュールに組み込むことに振り回され、前記のような加熱燃料コストのロスや生産性の低下などを引き起こしている。
従って、このような事態を打開するには、ある程度まとまった期間(ここでは1日から1週間程度)における連鋳機からの鋼片の出片予定に合わせ、その鋼片の圧延の際、性状的にマッチする薄物材や納期が優先される鋼材を適材適所に配置するロット編成を行うことが必須と考えられる。
つまり、納期面のみならず、加熱炉の燃料効率などの生産コスト面などをも重視したロット編成スケジュールを作成するには、ロット編成作成期間全体に渡る連鋳工程からの鋳造予定及び薄物材を中心とする納期管理の厳しいコア材の種類と量、納期の至急度合いなどを十分考慮し、適切なロットポジションにしかるべきコア材を配置する機能が不可欠となる。
さらに、CCR(冷片装入:Cold Chareged Rollingという)によるスラブには品質仕様上やむを得ず冷片にせざるを得ないものの他、下記に述べる鋳造工程から搬出されるスラブをどの様に加熱炉に入れていくかという様々な加熱、圧延などの造り込み順に関する制約から熱片で装入可能な鋼材も冷片として装入されるケースがある。この造り込み順に関する制約とは、熱延操業ではロット単位(仕上げ圧延用ワークロール交換単位)で見た場合、安定的に形状などの製品品質を確保するため、いわゆるコフィン型とよばれる圧延順番に従い徐々にコイル幅を狭めていく圧延スケジュールを組む必要がある一方、複数の連続鋳造機から出片順は、熱延以外の下工程の存在を反映し、必ずしも熱延工程に望ましい順番となっていないのが実情である。そのため現状では、加熱炉装入前に連鋳機からの鋼片を一時溜め置いて、管制員が熱延スケジュールにふさわしいよう並び替えを行い加熱炉装入しているが、多岐にわたる装入可能な鋼片の組み合わせ及び順番の中から必ずしも最適なものが選ばれているとは限らない。これは複数の連鋳機から同時に出片される鋼片の熱延到着タイミングの予測が難しいこともさることながら、膨大な組み合わせの中から、エネルギー効率の面から最適な熱片装入を行えるスケジュール(=装入順番)を見出すことが難しいことによる。
特開平6−304619号公報 特開平10−5831号公報
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたものであり、連鋳機からの出片予定に合わせ熱片を効率的にスケジュールに取り込めるよう、それに対応するコア材や納期管理の厳しい鋼材を適切に配置してロット編成を作成することができるようにすることを目的とする。また、本発明は、CCからの鋳造スケジュールを前提に、熱延操業における加熱,圧延制約を満たし、かつ加熱炉のエネルギー効率の面から最適な加熱炉装入・抽出スケジュールを作成することを目的とする。
本発明に係る熱間圧延工場の製造ロット編成装置は、単数または複数の加熱炉と圧延機により構成される熱間圧延工場のスラブ加熱順序および圧延順序を決定する製造ロット編成装置において、製鋼工場から熱間圧延工場にいたるロット組み込み対象鋼材に関する鋼材情報と該ロット組み込み対象鋼材の物流状態に関する物流情報を取り込む入力手段と、前記鋼材情報と前記物流情報を入力して蓄積し、かつ、該蓄積された鋼材情報及び物流情報がコンピュータネットワークを経由してリアルタイムに更新されるデータベースと、前記データベースから現時点の鋼材情報を入力し, 当該鋼材情報と予定されたスケジュールに基づき、物流シミュレーションを実施して、将来の物流状態を予測するシミュレーション手段と、前記シミュレーション手段が予測する将来のロット組み込み対象鋼材の熱延到着タイミング、並びに加熱炉及び圧延機どの物流進捗状態を基に、各ロット組み込み対象鋼材の性質に応じ、それらロット組み込み対象鋼材を複数のロットに適材適所に配置するロット編成問題を組み合わせ最適化問題として定式化し最適解を算出するロット編成算出手段と、前記算出した最適解を出力する出力手段と、を具備し、前記ロット編成算出手段が、ロット組み込み対象鋼材を、ロットNo.、加熱炉及び加熱炉装入順番に割り当てる割り当て問題として前記ロット編成問題を定式化し、最適解を算出することを特徴とする。
た、本発明の熱間圧延工場の製造ロット編成装置は、前記ロット編成算出手段は、あらかじめ指定されたロット組み込み必須鋼材を作成対象ロットに、組み込まれたロット編成を作成することを特徴とする。
また、本発明の熱間圧延工場の製造ロット編成装置は、前記ロット編成算出手段は、圧延ロールの磨耗を緩和する鋼材(以下回復材と称する)を各ロットに均等に配分し各ロットにあらかじめ指定された最低必要数量以上が含まれることを保証するロット編成を作成することを特徴とする。
また、本発明の熱間圧延工場の製造ロット編成装置は、前記ロット編成算出手段は、所定の板厚以下の鋼材からなる薄物材を特定のロットにまとめ、まとめたロット内に必要数量以上が含まれることを保証するロット編成を作成することを特徴とする。
さらに、本発明の熱間圧延工場の製造ロット編成方法は、単数または複数の加熱炉と圧延機により構成される熱間圧延工場のスラブ加熱順序および圧延順序を決定する製造ロット編成方法において、製鋼工場から熱間圧延工場にいたるロット組み込み対象鋼材に関する鋼材情報と該ロット組み込み対象鋼材の物流状態に関する物流情報を取り込んで入力するステップと、前記鋼材情報と前記物流情報を入力して蓄積し、かつ、該蓄積された鋼材情報及び物流情報がコンピュータネットワークを経由してリアルタイムに更新されるデータベースを構築するステップと、前記データベースから現時点の鋼材情報を入力し, 当該鋼材情報と予定されたスケジュールに基づき、物流シミュレーションを実施して、将来の物流状態を予測するシミュレーションを行うステップと、前記シミュレーション手段が予測する将来のロット組み込み対象鋼材の熱延到着タイミング、並びに加熱炉及び圧延機の物流進捗状態を基に、各ロット組み込み対象鋼材の性質に応じ、それらロット組み込み対象鋼材を複数のロットに適材適所に配置するロット編成問題を組み合わせ最適化問題として定式化し最適解を算出するロット編成算出を行うステップと、前記算出した最適解を出力するステップと、からなり、前記ロット編成算出を行うステップが、ロット組み込み対象鋼材を、ロットNo.、加熱炉及び加熱炉装入順番に割り当てる割り当て問題として前記ロット編成問題を定式化し、最適解を算出することを特徴とする。
また、本発明の熱間圧延工場の製造ロット編成方法は、前記ロット編成算出を行うステップは、あらかじめ指定されたロット組み込み必須鋼材を作成対象ロットに、組み込まれたロット編成を作成することを特徴とする。
また、本発明の熱間圧延工場の製造ロット編成方法は、前記ロット編成算出を行うステップは、圧延ロールの磨耗を緩和する鋼材(以下回復材と称する)を各ロットに均等に配分し各ロットにあらかじめ指定された最低必要数量以上が含まれることを保証するロット編成を作成することを特徴とする。
また、本発明の熱間圧延工場の製造ロット編成方法は、前記ロット編成算出を行うステップは、所定の板厚以下の鋼材からなる薄物材を特定のロットにまとめ、まとめたロット内に必要数量以上が含まれることを保証するロット編成を作成することを特徴とする。
本発明によれば、製鋼工程からの鋳造スケジュールを前提に、熱延操業における加熱,圧延制約を満たし、かつ納期管理の厳しい鋼材、薄物材、圧延ロールの磨耗を和らげる回復材を適切にロット配分し、加熱炉のエネルギー効率の面から最適な加熱炉装入・抽出を可能とした長期間ロット編成を高速に自動生成する点で極めて有用である。更に、ここで自動生成されるロット編成は、計算機処理により、高速生成されるため、注文予定の変更、スケジュール対象鋼材の搬出予定が連続鋳造工程において変更された場合や、熱間圧延工程における操業が変動された場合にも適切に対応してロット編成を再生成することが可能である。
以下、本発明の実施の形態を図面により詳細に説明する。図1は、本実施の形態における加熱・圧延スケジュール作成装置(最適スケジュールシステム)の全体構成の概略を示す図である。
図1において、スケジュール対象鋼材情報処理装置(データベース)1は、連続鋳造工程(CC:Continuous Casting)から熱延工程に及ぶプロセススケジュールの実績管理を行う。
製造ロット編成装置(スケジュール装置)2は、スケジュール対象鋼材情報処理装置1より製鋼工場から熱間圧延工場にいたるロット組み込み対象鋼材に関する鋼材情報12を入力手段11に取り込む。また、オペレーターからスケジュール作成指示を受けたタイミングで、スケジュール対象鋼材情報処理装置1より現時刻のスケジュール対象鋼材の物流情報6を、入力手段11を通じて受信し、それを初期状態データとしてシミュレータ(シミュレーション手段)3に送る。
本発明において、ロット組み込み対象鋼材に関する鋼材情報とは、対象鋼材の幅,厚み,引張強さ(TS),抽出温度などの属性情報及び同じく対象鋼材のCC搬出、熱延ヤード到着、加熱炉装入、抽出などの各工程の通過予定時刻あるいは実績時刻を言う。
また、ロット組み込み対象鋼材の物流状態に関する物流情報とは、現在時刻において対象鋼材の存在する位置に関する情報、例えば各加熱炉内にどのような順序でどの鋼材が存在するかなどの情報を言う。
シミュレータ(シミュレーション手段)3は、現時刻の状態を初期状態に設定し、データベース1から現時点のロット組み込み対象鋼材に関する鋼材情報を入力し、当該鋼材情報と、予定されたスケジュール(確定スケジュール)に従い、物流シミュレーションを実行し、未来物流状態(将来の物流状態)7を推定する。そして、作成対象のスケジュールの加熱炉装入開始時点(確定スケジュール分の終了時点) までシミュレーションを進めたら、シミュレータ3は、そのシミュレーション時刻における未来物流状態7をロット編成算出手段4に送る。
予定されたスケジュールとは、過去において本装置が算出したかあるいは管制員により作成され確定しているスケジュールを言う。
ロット編成算出手段4は、シミュレータ3から送られた、将来のロット組み込み対象鋼材の熱延到着タイミング、並びに加熱炉及び圧延機の物流進捗状態(未来物流進捗状態7)を基に、各ロット組み込み対象鋼材の性質に応じ、それらロット組み込み対象鋼材を複数のロットに適材適所に配置するロット編成問題を「組み合わせ最適化問題」として定式化し、最適解として最適スケジュール(ロット編成)8を算出し、それをシミュレータ3へ送る。
将来のロット組み込み対象鋼材の熱延到着タイミングとは、シミュレータ3が予測する未来の時点で熱延工程に到着する予定の鋼材の到着時刻を言う。
また、加熱炉及び圧延機の物流進捗状態とは、シミュレータ3が予測する未来の時点における加熱炉内に存在する鋼材の推移、圧延の行われている鋼材の推移を言う。
また、各ロット組み込み対象鋼材の性質とは鋼材の幅、厚み、引張強さ(TS)、抽出目標温度などを言う。
シミュレータ3はその最適スケジュール(ロット編成)8に基づきシミュレーションを続行し、時間を付与した厳密なスケジュール指示9を作成し、それを出力手段12を通じて実プロセス5に送り操業指示を出す。
実プロセス5では、スケジュール指示9に基づいて操業が行われ、その操業に関する実績データ(操業実績)10がスケジュール対象鋼材情報処理装置1に送られる。そして、スケジュール対象鋼材情報処理装置1は、実プロセス5から送られた操業実績10に基づいて、プロセススケジュールの実績を管理する。以上のような処理の繰り返しにより随時スケジュールが自動作成される。
次に、ロット編成算出手段4によりロット編成問題を組み合わせ最適化問題として定式化し、その最適解としてロット編成を算出するロット編成作成アルゴリズムを、その手順に従い、順次説明をする。
まず、鋼材グループ( i)をロットNo.(j)、加熱炉(f)のロット内装入順番(k) に装入する場合を1、装入しない場合を0とする1−0変数x[i][j][k][f] を導入する。この変数を用いて、ロット編成の制約関数及び目的関数を表す。
まず、上記の変数の定義より必然的に必要となる制約式を設定する。
つまり、ここではロット編成問題を、鋼材グループ(i)をロットNo.(j) 、加熱炉(f)のロット内装入順番(k)のいずれかの装入順番(座席)に割り当てる割り当て問題として定式化するものであるから、以下の二つの制約式は必然的に必要となる。なお、ここで各パラメータの範囲をそれぞれ鋼材グループiはi=1,・・・,iend、ロットNo.jはj=1,・・・,jend、装入順番kはk=1,・・・,kend、加熱炉f=1,・・・,fendとする。
(1)鋼材iの複数使用禁止制約
本制約は、いずれの鋼材グループiも、複数の割り当てを行うことができないという制約で式(1)の制約式により記述できる。
任意の鋼材グループiに対して、
Figure 0004987795
(2)装入順番への複数割り当て禁止制約
本制約は、いずれの装入順番にも、ただ一つの鋼材しか割り当てることができないという制約で式(2)の制約式により記述できる。
任意の装入順番(j , k , f)に対して、
Figure 0004987795
上記の制約式により必ず、いずれの装入順番にも重複することなく一つの鋼材グループが割り当てられるので、この解により、ロット編成を確定することが可能となる。
続いて、この問題において本質的に重要となるロット編成における種々の制約関数を以下のように設定する。
(3)到着時刻制約
当然のことながら、上工程である製鋼工程より、搬送される鋼材が熱延ヤードに到着していなければ加熱炉への装入は不可能である。この物理的な制約は、以下のように定式化できる。つまり、スラブグループix の装入可能となる熱延到着時刻をロットNo.jxの装入順kxとした場合、スラブグループixの到着時刻制約は「それ以前の装入チャンスには装入できない」ことから、式(3)となる。
Figure 0004987795
(4)日程組み込み指定材取り込み制約
組み込み指定スラブグループ集合に属するスラブグループがいずれかの適切なロットに必ず組み込まれなければならないという制約である。組み込み指定スラブグループixが、いずれかのロットへの組み込み必須の場合、この組込み指定制約は式(4)のように定式化できる。
if ix ∈ 組み込み指定スラブグループ集合
Figure 0004987795
(5)組込み位置制約
難圧延性の鋼材に対するロット内における組込み可能位置範囲を指定する『制約』。あるロット内における組み込み順番が決定変数の識別因子kとして含まれているので、定式化可能と考えられる。組込み制約スラブグループ[i_y]が、ロット内装入順番k1番からk2番までの間でしか組み込めない場合、組込み制約スラブグループ[i_y]はロット内装入順番1番〜k1番及びk2〜kend番では装入できないとみなし、式(5)のように定式化できる。
Figure 0004987795
(6)回復材配分制約
熱延スケジュールでは、圧延負荷による圧延ロールに対するダメージを緩和するため、回復材と称する比較的圧延負荷の少ない鋼材を適当数量スケジュールに組み込むことが必要とされている。しかし、このような鋼材は全体数量が限られるため、特定ロットに偏ることなく満遍なく全てのロットに適量配分することが重要となる。この意味からも、本制約を成立させることはロット編成を行う主要な目的の一つといえる。回復材鋼片グループ集合をE、1ロットあたりの回復財最低必要量をNeとすると、本制約は式(6)のように定式化できる。
任意のロットNo.jに対し、
Figure 0004987795
(7)1ロット内総量制約
ロール対する負荷の大きい薄物(薄手材)やハイテン材などは、その圧延数量が増えるほどロール磨耗などが大きくなるため、1ロット内に組み込める総量に規制がある。総量制約対象材をD1,D2,・・・, Di・・・Dqとし、それぞれ1ロットに組込み可能な上限値をNd1,Nd2,・・・,Ndqとると、本制約は式(7)のように表せる。
任意のロットNo.j及び任意の総量制約対象材Diに対し
Figure 0004987795
(8)同一ロット相反材組込み制約
日程ロットを編成する場合、各ロットの正確を特徴付ける中心となる鋼材がある。これは主に上記の難圧延性の鋼材が該当することが多い。この際、同一ロットに異なる難圧延材を組込むことは互いに悪影響が出ることから避けることが通例である。これは例えば、薄物とハイテン材とはロットを別けるということである。この、鋼材グループi1と i2が同一ロットに組み込めないという制約は式(8)により表すことができる。
任意の難圧延材グループの組み合わせ(i1とi2)及び、任意のj(1≦j≦jend)に対し、
Figure 0004987795
(9)薄物まとめ圧延制約
前記のように薄物材は、それ以外の材料に比べ圧延が難しいために、スケジュールに組み込みづらく、できるだけ特定のロットにまとめて圧延することが必要となる。一方で薄物は昨今ユーザー要求も高く、納期制約から日程ロットに最低組み込むべき数量が指定される場合が多い。従って、熱片材の到着状況を鑑み、それを毀損しないような適切なロットを、薄物ロットとして定めることが望まれる。そのための制約を以下に示す。
まず、ロットNo.jを薄物ロットとするか否かを表す1−0変数δ[j]を新たに導入する。つまり、δ[j]=1の場合は、ロットNo.jが薄物ロットであることを表し、薄物ロットδ[j]=0の場合はロットNo.jが非薄物ロットであることを意味するものとする。従って、δ[j]=0の場合は薄物を装入できないことから、以下の関係が成立する必要がある。なお、薄物グループ集合をTとする。
Figure 0004987795
δ[j]=1の場合と合わせて考えると、以下のようにまとめて表すことができる。なお、ここでNt_maxは、薄物ロットにおいて取り込み可能な薄物鋼材グループの最大数を表す。任意のロットNo.j に対して、以下の関係式が成立すること。
Figure 0004987795
なお、“ロット編成全体として”取り込まねばならない薄物鋼材グループの必要最小数をNt_necessとし、これを規定するには以下の制約を設ければよい。
Figure 0004987795
また、薄物ロット数をNLt以下にする場合には、以下の制約式が必要となる。
Figure 0004987795
更に、薄物ロット数をNLtが複数あり、そのロット配置を分散させたい場合には以下の制約式を加えれば、少なくとも連続して薄物ロットが続くことを回避できる。
Figure 0004987795
(10)幅・温度 移行制約
圧延スケジュールにおいては、圧延順に見た場合の幅移行について、ロール磨耗の点からできるだけ広幅から狭幅に向かっていくようなスケジュールを作る必要がある。従って、過度な幅移行の逆転(狭幅から広幅という圧延順)があると、圧延品質上問題を生ずる可能性がある。
また、加熱炉別に隣り合う装入順番で見た場合、過度に装入温度や抽出目標温度が異なると適切な昇温の妨げとなるため好ましくないとされている。従って、これらの不都合なスケジュールを作成しないよう規制する制約が必要となる。
まず、幅移行制約の場合、鋼材グループi1の次に鋼材グループi2がきた場合、過度の幅逆転が起こるとすれば、式(10−1)及び式(10−2)の制約を設ける。
任意のロットNo.j、任意の装入順k及び任意の加熱炉fに対して
Figure 0004987795
また、任意のロットNo.j、任意の装入順k及び任意の加熱炉f1とf2(f1≠f2)に対して
Figure 0004987795
次に、鋼材グループi1と鋼材グループi2とが、装入温度あるいは抽出目標温度に規制以上の差が生ずる場合は、式(10−3)及び式(10−4)の制約を設定する。
任意のロットNo.j、任意の装入順k及び任意の加熱炉fに対して
Figure 0004987795
次に、最適化を行う際の目的関数を以下のように定める。目的関数Jは、操業目的に応じ適宜設定を行う。例えば、加熱炉の燃料原単位を最小化するためには、連続鋳造機からの出片から加熱炉装入までの時間をできるだけ短くするため、式11のような目的関数を設定する。これは、ロッNo.j , 装入順番k における装入時刻をTin(j ,k)とし、鋼材iの連続鋳造搬出時刻Tout(i)とすると、下式のように目的関数を設定すれば、出片から加熱炉装入までの時間(トラックタイムと称する。) を最小化することができる。
Figure 0004987795
あるいは、元々本問題が、鋼材グループiをロットNo.j , 装入順番k , 加熱炉f に割り当てる「割当問題」としての定式化を前提としていることから、その評価値eval[i][j][k][f]を適当に定め、式12の様に設定することもできる。このように目的関数を設定すれば、評価値の定め方により、様々な操業評価指標を表現することができる。例えば、加熱炉fにより、トラックタイム時間の適正値を変えることにより、複数の加熱炉を熱片炉,冷片炉などに使い分けることも可能となる。また、圧延スケジュールの幅移行を広幅から狭幅へ移行させるには、装入順番kが小さい番号ほど広幅の鋼材グループとのマッチングを良くし、装入順番kが大きくなるほど、狭幅の鋼材グループとのマッチングに高評価を与えればよい。
Figure 0004987795
そして、式1から式10までの制約式及び式11または式12の目的関数において、数理計画法のソルバーを利用するなどして最適なxopt[i][j][k][f]を求める。そして、xopt[i][j][k][f]=1の場合鋼材グループi をロットNo.j , 装入順番k に加熱炉f への装入を行うこととする。
以下、実施例により本発明を詳細に示す。
表1〜表4は、本実施例におけるロット編成を行う上での対象鋼材グループを示したリストである。なお、表1〜表4は、本来1枚の表であるが、ここでは4枚の表として示す。各鋼材グループは圧延工程への搬送のまとまりなどにより、予め10本程度の鋼材より構成されたグループとして分類されているものとする。従って、表1における「到着時刻[分]」、「コイル幅[mm]」、「コイル厚[mm]」、「TS(Tensile Strength:引張強さ[kgf/mm2])」、「抽出目標温度[℃]」は当該グループに属する鋼材の平均値とする。この内「到着時刻」はある時刻を基準とした相対時刻で単位は分で表す。また、「組込指定材」の欄に“○”のあるグループは、ロット編成の中に必ず組み込まれなければならない鋼材グループであることを示している。同様に、「回復材」の欄に“○”のあるグループは、そのグループが回復材であることを示している。同じく「薄物材」の欄に“○”のあるグループは、そのグループが薄物材であることを示しており、本発明例では厚み1.5mm未満の鋼板を薄物と定義している。
そして、この対象鋼材を基に、ロット数5のロット編成スケジュールを作成するものとする。なお、各ロットは加熱炉3基でのスケジュールとし、各炉に5グループの鋼材グループを適切に選択するものとする。つまり、1グループが10本程度の鋼材より構成されているとすれば、1ロットあたり150本程度のスケジュールを作成することになる。
第一のロットの装入を開始する時刻は、600とする。ここで、時刻は「到着時刻」を表す際に用いた相対時刻で表す。また、本実施例では先に説明した制約の内、必須となる「(1) 鋼材iの複数使用禁止制約」,「(2) 装入順番への複数割り当て禁止制約」, 「(3) 到着時刻制約」の他、説明を簡単にするため「(4) 日程組み込み指定材取り込み制約」, 「(6) 回復材配分制約」「(9)薄物まとめ圧延制約」のみを考慮するものとする。そして、「(4) 日程組み込み指定材取り込み制約」については、表1の「組込指定材」の欄に“○”のあるグループ番号32、63、95、125、159の5グループは必ずいずれかのロットに組み込まれなければならないものとする。同じく「(6) 回復材配分制約」については、いずれのロットにおいても回復材が必ず2グループ以上含まれなければならないものとする。また、「(9)薄物まとめ圧延制約」は、ロット編成内に取り込まねばならない薄物グループ数Nt_necessをNt_necess =4とし、1ロット内に取り込める薄物グループの最大数Nt_maxをNt_max=5とする。従って、本発明例ではNt_necess ≦Nt_maxの関係が成り立つので、まとめるべき薄物ロット数NLtをNLt =1とする。
次に、目的関数は、式(12)を使う。すなわち、鋼材グループiをロットNo.j , 装入順番k , 加熱炉fに装入した際の評価値eval[i][j][k][f]を適当に定める。本実施例では、3基の加熱炉を装入温度別に以下のように利用する操業を目的関数に反映させる。まず、1号炉を最も温度の高い熱片炉、2号炉を1号炉に装入しきれなかった熱片用の炉とし、3号炉を冷片用の炉とする。これを実現するには、鋼材グループiをロットNo.j、 装入順番k を定めた際の、トラックタイム(Tin(j ,k)−Tout(i))の長さに応じ、短い場合は1号炉装入時の評価値eval[i][j][k][1]を高評価とし、2号炉装入時の評価値eval[i][j][k][2]を次に良い評価とし、3号炉装入時の評価値eval[i][j][k][3]を最も低い評価値とする。逆にトラックタイムが長い場合には、1号炉装入時の評価値eval[i][j][k][1]を最も低い評価値とし、2号炉装入時の評価値eval[i][j][k][2]を次に低い評価とし、3号炉装入時の評価値eval[i][j][k][3]を最も高い評価値とする。
併せて、幅移行に関しても望ましいものとなるよう、装入順番kが若い番号のときには幅が広い鋼材グループの評価を高くし、狭い鋼材グループの評価を低くする。逆に装入順番kが大きい場合には幅が広い鋼材グループの評価を低くし、狭い鋼材グループの評価を高くするようeval[i][j][k][f]の設定を行う。
以上の条件の下、算出した最適ロット編成結果を表5〜表7に示す。表5〜表7は、本来は1枚の表であるが、ここでは3枚の表として示す。まず、「(4) 日程組み込み指定材取り込み制約については、表1〜表4の「組み込み指定材」の欄に“○”のあるグループ番号32、63、95、125、159の5グループは必ずいずれかのロットに組み込まれなければならないという制約である。この制約が守られているかを、表5〜表7より確認する。表5〜表7の“指定材”の欄に“1”となっている鋼材グループが指定材である。従って、“指定材”の欄が“1”となっている鋼材グループを順次確認すると、グループ番号32はロットNo.1の3号炉に、グループ番号63はロットNo.5の3号炉に、グループ番号95はロットNo.3の3号炉に、グループ番号125はロットNo.4の3号炉に、グループ番号159はロットNo.2の1号炉にそれぞれ装入されており上記制約が遵守されていることが判る。
また、それぞれの鋼材グループが適材適所に配置されていることも確認できる。つまり、冷片であるグループ番号32、63、95、125は冷片炉である3号炉に、熱片であるグループ番号159は熱片炉である1号炉に装入されている。幅に関しても幅広材グループであるグループ番号63は、広幅材ロットであるロットNo.5の前半の装入順番となっており、狭幅材グループであるグループ番号32は後半で装入されているなどである。
次に、「(6) 回復材配分制約」について確認する。これは、いずれのロットにおいても回復材が必ず2グループ以上含まれなければならないという制約である。ロットNo.1ではグループ番号71、162、63の3グループの回復材が、ロットNo.2ではグループ番号128、10、130、24、15の5グループの回復材が、ロットNo.3ではグループ番号131、135の2グループの回復材が、ロットNo.4ではグループ番号136、77、14、68の4グループの回復材が、ロットNo.5ではグループ番号129、133、8の3グループの回復材が、それぞれ含まれており、上記制約が遵守されていることが判る。
最後に、「(9)薄物まとめ圧延制約」について確認する。この例では薄物をまとめるロットをNLt =1とし、ある特定のロットにまとめるような制約を設定したのに対し、その解も確かに、ロットNo.3を薄物ロットとし、このロットに薄物が集約されている。従って、これ以外のロットには薄物は含まれていない。また、No.3ロットには、ロット編成内に取り込まねばならない薄物グループ数Nt_necess =4を確かに満たし、134、22、99、47 の4グループの薄物グループをスケジュール内に取り込んでいることが判る。
この様に、本発明により、ロット全体への適材適所な配置が重要であるが難しいとされていた組み込み指定材や回復材などを適切に配置でき、薄物材を適切なロットにまとめることができることも合わせて示された。
(本発明の他の実施形態)
上述した実施形態の機能を実現するべく各種のデバイスを動作させるように、該各種デバイスと接続された装置あるいはシステム内のコンピュータに対し、前記実施形態の機能を実現するためのソフトウェアのプログラムコードを供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(CPUあるいはMPU)に格納されたプログラムに従って前記各種デバイスを動作させることによって実施したものも、本発明の範疇に含まれる。
また、この場合、前記ソフトウェアのプログラムコード自体が上述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体、およびそのプログラムコードをコンピュータに供給するための手段、例えば、かかるプログラムコードを格納した記録媒体は本発明を構成する。かかるプログラムコードを記憶する記録媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
また、コンピュータが供給されたプログラムコードを実行することにより、上述の実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードがコンピュータにおいて稼働しているOS(オペレーティングシステム)あるいは他のアプリケーションソフト等と共同して上述の実施形態の機能が実現される場合にもかかるプログラムコードは本発明の実施形態に含まれることは言うまでもない。
さらに、供給されたプログラムコードがコンピュータの機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに格納された後、そのプログラムコードの指示に基づいてその機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって上述した実施形態の機能が実現される場合にも本発明に含まれることは言うまでもない。
Figure 0004987795
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本発明による最適スケジュールシステムの構成図である。
符号の説明
1 スケジュール対象鋼材情報処理装置(データベース)
2 製造ロット編成装置
3 シミュレータ(シミュレーション手段)
4 ロット編成算出手段
5 実プロセス
6 実績データ(現在物流状態)
7 未来物流状態
8 最適スケジュール
9 スケジュール指示
10 スケジュール実績
11 入力手段
12 出力手段

Claims (8)

  1. 単数または複数の加熱炉と圧延機により構成される熱間圧延工場のスラブ加熱順序および圧延順序を決定する製造ロット編成装置において、
    製鋼工場から熱間圧延工場にいたるロット組み込み対象鋼材に関する鋼材情報と該ロット組み込み対象鋼材の物流状態に関する物流情報を取り込む入力手段と、
    前記鋼材情報と前記物流情報を入力して蓄積し、かつ、該蓄積された鋼材情報及び物流情報がコンピュータネットワークを経由してリアルタイムに更新されるデータベースと、
    前記データベースから現時点の前記鋼材情報を入力し、当該鋼材情報と予定されたスケジュールに基づき、物流シミュレーションを実施して、将来の物流状態を予測するシミュレーション手段と、
    前記シミュレーション手段が予測する将来のロット組み込み対象鋼材の熱延到着タイミング、並びに加熱炉及び圧延機の物流進捗状態を基に、各ロット組み込み対象鋼材の性質に応じ、それらロット組み込み対象鋼材を複数のロットに適材適所に配置するロット編成問題を組み合わせ最適化問題として定式化し、最適解を算出するロット編成算出手段と、
    前記算出した最適解を出力する出力手段と、を具備し、
    前記ロット編成算出手段が、ロット組み込み対象鋼材を、ロットNo.、加熱炉及び加熱炉装入順番に割り当てる割り当て問題として前記ロット編成問題を定式化し、最適解を算出することを特徴とする熱間圧延工場の製造ロット編成装置。
  2. 前記ロット編成算出手段は、あらかじめ指定されたロット組み込み必須鋼材を作成対象ロットに、組み込まれたロット編成を作成することを特徴とする請求項に記載の熱間圧延工場の製造ロット編成装置。
  3. 前記ロット編成算出手段は、圧延ロールの磨耗を緩和する鋼材を各ロットに均等に配分し、各ロットにあらかじめ指定された最低必要数量以上が含まれることを保証するロット編成を作成することを特徴とする請求項1または2に記載の熱間圧延工場の製造ロット編成装置。
  4. 前記ロット編成算出手段は、所定の板厚以下の鋼材からなる薄物材を特定のロットにまとめ、まとめたロット内に必要数量以上が含まれることを保証するロット編成を作成することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の熱間圧延工場の製造ロット編成装置。
  5. 単数または複数の加熱炉と圧延機により構成される熱間圧延工場のスラブ加熱順序および圧延順序を決定する製造ロット編成方法において、
    製鋼工場から熱間圧延工場にいたるロット組み込み対象鋼材に関する鋼材情報と該ロット組み込み対象鋼材の物流状態に関する物流情報を取り込んで入力するステップと、
    前記鋼材情報と前記物流情報を入力して蓄積し、かつ、該蓄積された鋼材情報及び物流情報がコンピュータネットワークを経由してリアルタイムに更新されるデータベースを構築するステップと、
    前記データベースから現時点の鋼材情報を入力し、当該鋼材情報と予定されたスケジュールに基づき、物流シミュレーションを実施して、将来の物流状態を予測するシミュレーションを行うステップと、
    前記シミュレーション手段が予測する将来のロット組み込み対象鋼材の熱延到着タイミング及び加熱炉及び圧延機の物流進捗状態を基に、各ロット組み込み対象鋼材の性質に応じ、それらロット組み込み対象鋼材を複数のロットに適材適所に配置するロット編成問題を組み合わせ最適化問題として定式化し最適解を算出するロット編成算出を行うステップと、
    前記算出した最適解を出力するステップと、からなり、
    前記ロット編成算出を行うステップが、ロット組み込み対象鋼材を、ロットNo.、加熱炉及び加熱炉装入順番に割り当てる割り当て問題として前記ロット編成問題を定式化し、最適解を算出することを特徴とする熱間圧延工場の製造ロット編成方法。
  6. 前記ロット編成算出を行うステップは、あらかじめ指定されたロット組み込み必須鋼材を作成対象ロットに、必ず組み込まれたロット編成を作成することを特徴とする請求項に記載の熱間圧延工場の製造ロット編成方法。
  7. 前記ロット編成算出を行うステップは、圧延ロールの磨耗を緩和する鋼材を各ロットに均等に配分し、各ロットにあらかじめ指定された最低必要数量以上が含まれることを保証するロット編成を作成することを特徴とする請求項5または6に記載の熱間圧延工場の製造ロット編成方法。
  8. 前記ロット編成算出を行うステップは、所定の板厚以下の鋼材からなる薄物材を特定のロットにまとめ、まとめたロット内に必要数量以上が含まれることを保証するロット編成を作成することを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の熱間圧延工場の製造ロット編成方法。
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