JP7211386B2 - モデル学習方法、走間板厚変更方法、鋼板の製造方法、モデル学習装置、走間板厚変更装置および鋼板の製造装置 - Google Patents

モデル学習方法、走間板厚変更方法、鋼板の製造方法、モデル学習装置、走間板厚変更装置および鋼板の製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、モデル学習方法、走間板厚変更方法、鋼板の製造方法、モデル学習装置、走間板厚変更装置および鋼板の製造装置に関する。
連続冷間圧延においては、材質、板厚等の冷間圧延前条件、冷間圧延後目標板厚等が異なる鋼板(被圧延材)を溶接し、冷間圧延機により連続的に圧延するが、条件の異なる鋼板を連続して圧延する場合、目標板厚に合わせるために、各圧延スタンドにおける圧延条件を変更する必要がある。この変更は、生産性を確保するためには、製造ラインを停止することなく走らせている間で行われる必要がある。そのため、各圧延スタンドのロール間を溶接点が通過する際に、その圧延スタンドにおけるワークロールの圧延条件等の板厚調整条件を変更する「走間板厚変更」が行われる。
その際に、プロセスコンピュータとその下位のPLC(Programmable Logic Controller)によって適切な制御を実施することにより、板破断等のトラブルを抑え、走間板厚変更を能率よく行う技術が従来から実施されている。走間板厚変更を能率よく行うには、まずプロセスコンピュータによって走間板厚変更時の圧延荷重を精度よく予測し、各圧延スタンドの圧延条件を算出し、かつそれに基づいて、PLCがモータ等に圧延条件変更タイミングと圧延条件変更量の指令を出す必要がある。
上記の圧延荷重等の予測精度を向上させる技術として、特許文献1には、以下のような方法が開示されている。まず、ロールおよび被圧延材間の摩擦係数を予測式によって予測する際に、各圧延スタンドにおけるロール圧延距離を複数の圧延距離区分に分け、被圧延材の材質および/または板厚ごとに、複数の圧延距離区分に対して、摩擦係数または圧延荷重の実績値を収集する。続いて、被圧延材の材質および/または板厚ごとの、複数の圧延距離区分における摩擦係数または圧延荷重の代表値を求め、それらの代表値に基づいて近似曲線を求める。そして、その近似曲線を用いて各圧延スタンドの圧延荷重を予測し、その予測した圧延荷重を用いて走間板厚変更を行う。
また、特許文献2には、以下のような方法が開示されている。まず、走間変更点が圧延スタンドを通過する前後の圧延に関するデータをそれぞれ取得し、このデータに基づいて学習を行って学習係数を予め求めておく。そして、圧延機の製造仕様の変更を行う際に、上記の学習係数に基づいて圧延材の走間変更点の前後の圧延荷重を予測し、その予測した圧延荷重を用いて走間板厚変更を行う。
特開2015-36154号公報 特開平11-290920号公報
しかしながら、所望の板厚が得られる圧延荷重は種々の要因によって変動するため、従来用いられていた近似式や、特許文献1,2で開示された方法の通りには変化せず、所望の板厚が得られる圧延荷重と近似式等から予測した圧延荷重との間には、誤差が生じる。その結果、走間板厚変更時における圧延荷重の予測精度が悪化し、走間板厚変更を高精度に行うことが困難となる。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、冷間圧延機による連続冷間圧延時の走間板厚変更を高精度に行うことができる、モデル学習方法、走間板厚変更方法、鋼板の製造方法、モデル学習装置、走間板厚変更装置および鋼板の製造装置を提供することを課題とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るモデル学習方法は、条件が異なる鋼板を溶接し、二以上の連続した圧延スタンドで構成される冷間圧延機により連続的に圧延する冷延工程の実績データと、前記冷延工程の前工程の実績データとを入力データとし、前記冷間圧延機の各圧延スタンドの圧延荷重を出力データとして、機械学習により学習済みモデルを生成する。
また、本発明に係るモデル学習方法は、上記発明において、前記冷延工程の前工程の実績データが、少なくとも熱延工程の温度履歴情報を含むことが好ましい。
また、本発明に係るモデル学習方法は、上記発明において、前記入力データが、前記鋼板の板厚、板幅、圧下率、変形抵抗計算値、鋼板の素材成分、熱延工程におけるコイル巻き取り温度、前記熱延工程におけるコイル圧延温度、前記熱延工程における加熱炉在炉時間、であることが好ましい。
また、本発明に係るモデル学習方法は、上記発明において、勾配ブースティング、決定木、ランダムフォレスト、ニューラルネットワークまたはサポートベクター回帰によって前記学習済みモデルを生成することが好ましい。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る走間板厚変更方法は、条件が異なる鋼板を溶接し、二以上の連続した圧延スタンドで構成される冷間圧延機により連続的に圧延する冷延工程において、上記のモデル学習方法によって生成された学習済みモデルを用いて、前記冷間圧延機の各圧延スタンドの圧延荷重を予測し、予測した前記圧延荷重を用いて走間板厚変更を行う。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る鋼板の製造方法は、上記の走間板厚変更方法を用いて、板厚が制御された鋼板を製造する。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るモデル学習装置は、条件が異なる鋼板を溶接し、二以上の連続した圧延スタンドで構成される冷間圧延機により連続的に圧延する冷延工程の実績データと、前記冷延工程の前工程の実績データとを入力データとし、前記冷間圧延機の各圧延スタンドの圧延荷重を出力データとして、機械学習により学習済みモデルを生成する。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る走間板厚変更装置は、条件が異なる鋼板を溶接し、二以上の連続した圧延スタンドで構成される冷間圧延機により連続的に圧延する冷延工程において、上記のモデル学習装置によって生成された学習済みモデルを用いて、前記冷間圧延機の各圧延スタンドの圧延荷重を予測し、予測した前記圧延荷重を用いて走間板厚変更を行う。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る鋼板の製造装置は、上記の走間板厚変更装置を用いて、板厚が制御された鋼板を製造する。
本発明によれば、冷間工程の実績データに加えて、冷間工程の前工程の実績データを加味し、機械学習によって学習済みモデルを構築することにより、圧延荷重の予測精度が向上する。これにより、冷間圧延機による連続冷間圧延時の走間板厚変更を高精度に行うことができる。
図1は、本発明の実施形態に係る鋼板の製造装置の概略的な構成を示す図である。 図2は、走間板厚変更時の板厚制御の流れを示すフローチャートである。 図3は、本発明の実施形態に係るモデル学習装置および走間板厚変更装置の概略的な構成を示すブロック図である。 図4は、本発明の実施形態に係るモデル学習方法の流れを示すフローチャートである。 図5は、本発明の実施形態に係る走間板厚変更方法の流れを示すフローチャートである。 図6は、従来手法による圧延スタンドの圧延荷重の実績値に対する予測値の予測精度を示すグラフである。 図7は、本発明の手法による圧延スタンドの圧延荷重の実績値に対する予測値の予測精度を示すグラフである。
本発明の実施形態に係るモデル学習方法、走間板厚変更方法、鋼板の製造方法、モデル学習装置、走間板厚変更装置および鋼板の製造装置について、図面を参照しながら説明する。以下では、鋼板の製造装置、鋼板の製造方法、走間板厚変更装置、モデル学習装置、モデル学習方法、走間板厚変更方法、の順に説明を行う。なお、本発明は以下で説明する実施形態に限定されるものではない。
(鋼板の製造装置/製造方法)
本発明の実施形態に係る鋼板の製造装置の構成について、図1を参照しながら説明する。鋼板の製造装置は、具体的には、材質、板厚等の条件が異なる鋼板を溶接し、二以上の連続した圧延スタンドによって連続的に圧延する冷間圧延機である。鋼板の製造装置では、後記する走間板厚変更装置によって、板厚が制御された鋼板を製造する。なお、この鋼板は、例えばブリキ原板や自動車用鋼板として用いられる。
鋼板の製造装置は、図1に示すように、圧延スタンド2~6と、γ線板厚計7と、X線板厚計8と、テンションメータロール9と、巻き取り機10と、を備えている。各圧延スタンド2~6には、図示しない圧延荷重検出器が組み込まれている。また、一番目の圧延スタンド2の入側、二番目の圧延スタンド3の入側および三番目の圧延スタンド4の出側には、γ線板厚計7が設置されている。また、五番目(最終)の圧延スタンド6の出側には、X線板厚計8が設置されている。
また、各圧延スタンド2~6間には、テンションメータロール9が設置されている。また、X線板厚計8の下流側には、冷延(冷間圧延)後の鋼板1を巻き取る巻き取り機10が設置されている。なお、図示しない圧延荷重検出器によって検出された圧延荷重と、γ線板厚計7およびX線板厚計8によって検出された板厚とは、実績データとして、後記する走間板厚変更装置のデータベース12に蓄積される。
図2は、走間板厚変更時の板厚制御の流れを示すフローチャートである。走間板厚変更時の板厚制御では、まずドラフトスケジュールをセットする(ステップS1)。なお、「ドラフトスケジュールのセット」とは、各圧延スタンド2~6の制御量の目標値を設定することを示している。
続いて、各圧延スタンド2~6の圧延荷重および先進率を算出する(ステップS2)。なお、「先進率」とは、ロール出側における板速度と、ロール速度との差のことを示している。続いて、各圧延スタンド2~6の圧下変化量(圧延条件変更量)および速度(ロール速度)変化量を算出する(ステップS3)。
続いて、各圧延スタンド2~6の走変時間および走変タイミングを算出する(ステップS4)。なお、「走変時間」とは、目標板厚変更により圧延条件を変更する時間のことを示している。また、「走変タイミング」とは、目標板厚変更により圧延条件を変更するタイミングのことを示している。
本実施形態では、後記する走間板厚変更装置によって、図2のステップS2の圧延荷重を予測する。すなわち、予め機械学習によって生成した学習済モデルを用いて、より実績に近い圧延荷重の値を予測する。そして、予測した圧延荷重を設定荷重として、各圧延スタンド2~6で適正なロールギャップを設定され、定常速度に到達すると、走間板厚変更に伴う板厚制御が終了する。
(走間板厚変更装置/学習装置)
本発明の実施形態に係る走間板厚変更装置の構成について、図3を参照しながら説明する。走間板厚変更装置は、入力部11と、データベース(DB)12と、演算部13と、表示部14と、を備えている。なお、走間板厚変更装置の構成要素のうち、演算部13の圧延荷重予測部132および板厚制御部133を除いた構成要素により、「モデル学習装置」が実現される。
入力部11は、演算部13に対する入力手段であり、例えばキーボード、マウスポインタ、テンキー等の入力装置によって実現される。
データベース12には、冷延工程と、その前工程(例えば熱延(熱間圧延)工程)の実績データが蓄積されている。実績データとしては、例えば鋼板1の板厚、板幅、圧下率、変形抵抗計算値、鋼板1の素材成分(スラブ成分)、熱延工程におけるコイル巻き取り温度、熱延工程におけるコイル圧延温度、熱延工程における加熱炉在炉時間、冷延工程における各圧延スタンド2~6の圧延荷重等が挙げられる。
なお、「コイル圧延温度」とは、具体的には熱延工程における仕上圧延機出側のコイル温度のことを示している。また、「加熱炉在炉時間」とは、熱間圧延を行う際のスラブの加熱時間のことを示している。また、データベース12には、上記の他に、圧延荷重検出器によって検出された圧延荷重と、γ線板厚計7およびX線板厚計8によって検出された板厚とが実績データとして蓄積されている。
演算部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)等からなるプロセッサと、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等からなるメモリ(主記憶部)と、によって実現される。
演算部13は、プログラムを主記憶部の作業領域にロードして実行し、プログラムの実行を通じて各構成部等を制御することにより、所定の目的に合致した機能を実現する。演算部13は、プログラムの実行を通じて、モデル生成部131、圧延荷重予測部132および板厚制御部133として機能する。なお、本実施形態では、図2に示すように、一つの演算部(≒コンピュータ)によってモデル生成部131、圧延荷重予測部132および板厚制御部133の機能を実現しているが、複数の演算部(≒コンピュータ)によりモデル生成部131、圧延荷重予測部132および板厚制御部133の機能をそれぞれ実現してもよい。
モデル生成部131は、冷延工程の実績データと、冷延工程の前工程の実績データとを入力データとし、冷延工程における各圧延スタンド2~6の圧延荷重を出力データとして、機械学習により学習済みモデルを生成する。
ここで、冷延工程の前工程の実績データは、少なくとも熱延工程の温度履歴情報を含むことが好ましい。これは、熱延工程の温度の変動によって鋼板1の板厚や硬さの変動が発生し、それが圧延荷重の変動に繋がるためである。また、熱延工程におけるコイル巻き取り温度、コイル圧延温度、加熱炉在炉時間のうち、コイル巻き取り温度は、圧延荷重の変動への影響が大きいため、少なくとも入力データに含めることが好ましい。
上記の入力データとしては、例えば鋼板1の板厚、板幅、圧下率、変形抵抗計算値、鋼板1の素材成分、熱延工程におけるコイル巻き取り温度、熱延工程におけるコイル圧延温度、熱延工程における加熱炉在炉時間等が挙げられる。また、出力データとしては、例えば冷延工程における各圧延スタンド2~6の圧延荷重が挙げられる。このように、本実施形態では、圧延荷重の予測精度を向上させるために、冷延工程の実績データに加えて、熱延工程における温度履歴情報や、鋼板1の素材成分を入力データとして加えている。
モデル生成部131は、例えば勾配ブースティング、決定木、ランダムフォレスト、ニューラルネットワークまたはサポートベクター回帰等の手法を用いて、学習済みモデルを生成することができる。
圧延荷重予測部132は、モデル生成部131によって生成された学習済みモデルを用いて、各圧延スタンド2~6の圧延荷重を予測する。圧延荷重予測部132は、具体的には、モデル生成部131によって生成された学習済みモデルに対して、前記した入力データを入力することにより、各圧延スタンド2~6の圧延荷重を出力データとして得る。
板厚制御部133は、圧延荷重予測部132によって予測された各圧延スタンド2~6の圧延荷重を用いて、前記した図2のフローに沿って走間板厚変更を行う。
表示部14は、例えばLCDディスプレイ、CRTディスプレイ等の表示装置によって実現され、演算部13から入力される表示信号をもとに、例えば各圧延スタンド2~6の圧延荷重の予測結果を表示する。
(モデル学習方法)
本発明の実施形態に係るモデル学習方法について、図4を参照しながら説明する。モデル学習方法では、データ蓄積工程(ステップS11)と、モデル生成工程(ステップS12)と、をこの順で行う。なお、モデル学習方法による学習済みモデルの生成は、後記する走間板厚変更方法を実施する前に事前に実施しておく。
データ蓄積工程では、冷延工程と、その前工程(例えば熱延工程)の実績データを、データベース12に蓄積する(ステップS11)。続いて、モデル生成工程では、モデル生成部131によって、冷延工程の実績データと、冷延工程の前工程(例えば熱延工程)の実績データとを入力データとし、各圧延スタンド2~6の圧延荷重を出力データとして、機械学習により学習済みモデルを生成する(ステップS12)。
(走間板厚変更方法)
本発明の実施形態に係る走間板厚変更方法について、図5を参照しながら説明する。走間板厚変更方法では、圧延荷重予測工程(ステップS21)と、板厚制御工程(ステップS22)と、をこの順で行う。
圧延荷重予測工程では、圧延荷重予測部132によって、モデル学習方法で生成した学習済みモデルに基づいて、各圧延スタンド2~6の圧延荷重を予測する(ステップS21)。続いて、板厚制御工程では、予測した各圧延スタンド2~6の圧延荷重に基づいて、各圧延スタンド2~6の走間板厚を変更する(ステップS22)。
以上説明した、本実施形態に係るモデル学習方法、走間板厚変更方法、鋼板の製造方法、モデル学習装置、走間板厚変更装置および鋼板の製造装置によれば、冷延工程の実績データに加えて、冷延工程の前工程(例えば熱延工程)の実績データを加味し、機械学習によって学習済みモデルを構築することにより、圧延荷重の予測精度が向上する。これにより、冷間圧延機による連続冷間圧延時の走間板厚変更を高精度に行うことができる。
また、従来用いられていた圧延荷重を予測する数理モデルは近似式であるため、当該数理モデルによって予測した圧延状態と、実際の圧延状態とは根本的な乖離がある。また、特許文献1,2で開示された技術では、実績荷重から数理モデルで計算した荷重との誤差を取得し、学習係数として計算荷重を補正しているため、数理モデルの誤差を完全に払拭することは困難である。
一方、本実施形態によれば、計算荷重や鋼板1の板厚、板幅といった種々の圧延条件に加えて、冷延工程の前工程である製鋼工程のスラブ成分や、熱延工程の温度履歴情報等を入力値として用いて、機械学習によって生成した学習済モデルを用いることにより、数理モデルが有する誤差を最大限補正することができる。そのため、各圧延スタンド2~6の圧延荷重を高精度で予測することができ、それに基づいて、走間板厚変更を精度よく行うことができる。
また、本実施形態では、走間板厚変更の際に必要な圧延荷重を高精度で予測することができるため、各圧延スタンド2~6におけるロールギャップの変更量が最適化される。これにより、鋼板1の製造の歩留りが向上し、板厚不良(板厚オフゲージ)が削減される。また、ミルバランスの悪化に伴う板破断、絞り等のトラブルも減少する。
(実施例)
本発明の実施例について、図6および図7を参照しながら説明する。図6は、従来手法による圧延スタンド(具体的には圧延スタンド2)圧延荷重の予測精度を示すグラフを、図7は、本発明の手法による圧延スタンド(具体的には圧延スタンド2)圧延荷重の予測精度を示すグラフを、それぞれ示している。図6の従来手法では、熱延工程の温度履歴情報や鋼板の素材成分の実績値を入力データとして用いずに、数理モデルによって圧延荷重を予測した。また、図7の本発明の手法では、熱延工程の温度履歴情報や鋼板の素材成分の実績値を入力データとして用いて圧延荷重を予測した。
図7に示すように、熱延工程の温度履歴情報や鋼板の素材成分の実績値を学習済みモデルの入力データに組み込むことにより、これを組み込まない場合(図6参照)と比較して、圧延荷重の予測値および実績値の計算誤差(RMSE:Root Mean Square Error)が減少し、バラツキが小さくなっていることがわかる。本発明の手法では、従来手法と比較して予測値および実績値の計算誤差は概ね半減しているため、本発明の手法を用いることにより、板厚不良を約15%減少することが予想される。
以上、本発明に係るモデル学習方法、走間板厚変更方法、鋼板の製造方法、モデル学習装置、走間板厚変更装置および鋼板の製造装置について、発明を実施するための形態および実施例により具体的に説明したが、本発明の趣旨はこれらの記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて広く解釈されなければならない。また、これらの記載に基づいて種々変更、改変等したものも本発明の趣旨に含まれることはいうまでもない。
1 鋼板
2,3,4,5,6 圧延スタンド
7 γ線板厚計
8 X線板厚計
9 テンションメータロール
10 巻き取り機
11 入力部
12 データベース
13 演算部
131 モデル生成部
132 圧延荷重予測部
133 板厚制御部
14 表示部

Claims (8)

  1. 条件が異なる鋼板を溶接し、二以上の連続した圧延スタンドで構成される冷間圧延機により連続的に圧延する冷延工程の実績データと、前記冷延工程の前工程の実績データとを入力データとし、前記冷間圧延機の各圧延スタンドの圧延荷重を出力データとして、機械学習により学習済みモデルを生成し、
    前記冷延工程の前工程の実績データは、製鋼工程におけるスラブ成分、熱延工程におけるコイル巻き取り温度、前記熱延工程におけるコイル圧延温度、前記熱延工程における加熱炉在炉時間、であるモデル学習方法。
  2. 前記冷延工程の実績データは、前記鋼板の板厚、板幅、圧下率、変形抵抗計算値、である請求項1に記載のモデル学習方法。
  3. 勾配ブースティング、決定木、ランダムフォレスト、ニューラルネットワークまたはサポートベクター回帰によって前記学習済みモデルを生成する請求項1または請求項のいずれか一項に記載のモデル学習方法。
  4. 条件が異なる鋼板を溶接し、二以上の連続した圧延スタンドで構成される冷間圧延機により連続的に圧延する冷延工程において、請求項1から請求項のいずれか一項に記載されたモデル学習方法によって生成された学習済みモデルを用いて、前記冷間圧延機の各圧延スタンドの圧延荷重を予測し、予測した前記圧延荷重を用いて走間板厚変更を行う走間板厚変更方法。
  5. 請求項に記載の走間板厚変更方法を用いて、板厚が制御された鋼板を製造する鋼板の製造方法。
  6. 条件が異なる鋼板を溶接し、二以上の連続した圧延スタンドで構成される冷間圧延機により連続的に圧延する冷延工程の実績データと、前記冷延工程の前工程の実績データとを入力データとし、前記冷間圧延機の各圧延スタンドの圧延荷重を出力データとして、機械学習により学習済みモデルを生成し、
    前記冷延工程の前工程の実績データは、製鋼工程におけるスラブ成分、熱延工程におけるコイル巻き取り温度、前記熱延工程におけるコイル圧延温度、前記熱延工程における加熱炉在炉時間、であるモデル学習装置。
  7. 条件が異なる鋼板を溶接し、二以上の連続した圧延スタンドで構成される冷間圧延機により連続的に圧延する冷延工程において、請求項に記載されたモデル学習装置によって生成された学習済みモデルを用いて、前記冷間圧延機の各圧延スタンドの圧延荷重を予測し、予測した前記圧延荷重を用いて走間板厚変更を行う走間板厚変更装置。
  8. 請求項に記載の走間板厚変更装置を用いて、板厚が制御された鋼板を製造する鋼板の製造装置。
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