JP2007188306A - 処理時間の確率分布を考慮したスケジューリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数工程からなる工場において、各工程の処理時間のばらつきの確率分布を考慮し、種々の評価指標に対する最適な余裕時間を求める。
【解決手段】各工程の処理時間のばらつきの確率分布を求める手段(S1)と、前記各工程の処理の標準時間に変更可能な余裕時間を設定する手段(S6、S2)と、前記確率分布に従うばらつきをも持たせた各工程の処理時間を有する対象のスケジューリングを行なう手段(S2、S3、S4、S5)と、前記余裕時間を変更した後のスケジューリングで得られる複数のスケジューリング結果のうち、評価指標を最適化するスケジューリング結果を求める手段(S7)とを有する生産計画装置により最適な余裕時間を求める。
【選択図】図1
【解決手段】各工程の処理時間のばらつきの確率分布を求める手段(S1)と、前記各工程の処理の標準時間に変更可能な余裕時間を設定する手段(S6、S2)と、前記確率分布に従うばらつきをも持たせた各工程の処理時間を有する対象のスケジューリングを行なう手段(S2、S3、S4、S5)と、前記余裕時間を変更した後のスケジューリングで得られる複数のスケジューリング結果のうち、評価指標を最適化するスケジューリング結果を求める手段(S7)とを有する生産計画装置により最適な余裕時間を求める。
【選択図】図1
Description
本発明は、複数工程からなる工場において、各工程での処理時間にばらつきが存在する場合を考慮して、評価指標を最適する処理時間に持たせる余裕時間を求める生産計画装置に関する。
複数工程からなる工場におけるスケジューリングは、一般的に各工程での処理時間の確率分布を考慮せず一定の標準時間を用いてスケジューリングを行い、処理時間が早くなった場合、又は遅くなった場合等、現実にそのような事態が発生した際、タイミングで再スケジューリングを行っている。
又、経済環境、技術の進歩、各々の産業の特性、生産ラインの特性、生産ラインを導入した機械・設備、経営の方針等の要因により、どのような評価指標がベストであるか変わり、一概に決まるものではない。
特許文献1、2及び3には、納期及び各工程の負荷状態を適正に満たし、生産効率を向上させるための手法が記載されている。
又、特許文献4には、製造日程の乱れを反映した負荷分布を求める手法が記載されている。
しかしながら、従来の一定の標準時間によるスケジューリングでは、図6に示す如く、ボトルネックとなる工程1に処理遅れが発生した場合、後の工程2は延期せざるを得ず、納期遅れや能力不足(過負荷)が発生する可能性があった。一方、標準時間に一定時間の余裕を持たせたスケジューリングを行うことも考えられるが、最適な余裕時間を予め設定することは難しく、必要以上の余裕時間の設定となりがちなため、後工程開始までの待ち時間が長くなり、在庫が過剰となる問題や、半製品の熱エネルギー低下分を補償するためのコストが増大する問題があった。
又、複数の評価指標の下でのスケジューリング問題についての大局的な最適解を求めることは、難しい問題である。
又、特許文献1、2及び3ではロットを集約するなどして生産効率を高めることで製造計画と操業変動との違いを吸収しているが、積極的に処理時間のばらつきの確率的性質を考慮していない。そのため、処理時間のばらつきの性質を取り入れた最適なスケジューリング結果を求めているものではない。
特許文献4は、各工程やリードタイムのばらつきの分布を取り入れ、負荷分布を求めているが、工程の負荷を把握・予測する手法にすぎず、最適なスケジューリング結果を直接に求めるものではない。
又、これらの文献による手法は、複数の評価指標の下、個々の評価指標に適応して最適なスケジューリング結果を求めるものではない。
本発明は、前記従来の問題を解決すべくなされたもので、各工程の処理時間のばらつきの確率分布を考慮し、種々の評価指標に対する最適な余裕時間を求めることを課題とする。
本発明は、複数工程からなる工場で、評価指標を最適化するスケジューリング結果を求める生産計画装置において、各工程の処理時間のばらつきの確率分布を求める手段(図1のS1)と、前記各工程の処理の標準時間に変更可能な余裕時間を設定する手段(S6、S2)と、前記確率分布に従うばらつきをも持たせた各工程の処理時間を有する対象のスケジューリングを行なう手段(S2、S3、S4、S5)と、前記余裕時間を変更した後のスケジューリングで得られる複数のスケジューリング結果のうち、評価指標を最適化するスケジューリング結果を求める手段(S7)とを有することにより、前記課題を解決したものである。
前記スケジューリングを行う手段は、各工程に対して、決められた前記余裕時間で、前記複数工程の繰り返しである作業に対してスケジューリングを行い初期スケジュールを求める手段(S2)、及び前記初期スケジュールのもと、単位時間毎に時刻を仮想的に進め、前記確率分布に従うばらつきを持たせた処理時間を発生させる手段、及び前記作業に対して再スケジューリングする手段(S3、S4)を含むことができる。
又、前記スケジューリングを行なう手段として、単位時間毎に時刻を仮想的に進め、前記確率分布に従うばらつきを持たせた各工程の処理時間を発生させる手段、及び部分的に再スケジューリングする手段を含むことができる。
又、前記変更可能な余裕時間を設定する手段において、変更可能な余裕時間の範囲を設定する手段を含むことができる。
前記評価指標としては、生産能力最大化又は生産コスト最小化とすることができる。
本発明によれば、複数工程からなる工場において、各工程での処理時間にばらつきが存在する場合でも、これらのばらつきの確率的性質を考慮でき、又、様々な要因の変化により最適化したい評価指標が変化しても、最適なスケジューリング結果を求めることができる。
以上図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の最適な余裕時間を求める生産計画装置で機能するフローチャートである。以下、図1のフローチャートを詳説する。
1)確率分布のフィッテイング(近似)(S1)
各工程における処理時間のばらつきを過去のデータより求め、アーラン分布、指数分布などといった確率分布をフィッティングし、各工程の処理時間のばらつきの確率分布を求める。確率分布はオンライン又はオフラインで求める。
各工程における処理時間のばらつきを過去のデータより求め、アーラン分布、指数分布などといった確率分布をフィッティングし、各工程の処理時間のばらつきの確率分布を求める。確率分布はオンライン又はオフラインで求める。
2)予定時間によるスケジューリング(初期スケジュール)(S2)
各工程の処理の予定時間(標準時間+余裕時間)と仮定して、各工程の全体の集まりである複数工程を複数回繰返した場合、すなわち、ある決めれらた全作業に渡りスケジューリングを行い初期スケジュールとする。たとえば、i番目の工程ならば、工程iの標準時間+αi(工程iの余裕時間)としてスケジューリングを行なう。
各工程の処理の予定時間(標準時間+余裕時間)と仮定して、各工程の全体の集まりである複数工程を複数回繰返した場合、すなわち、ある決めれらた全作業に渡りスケジューリングを行い初期スケジュールとする。たとえば、i番目の工程ならば、工程iの標準時間+αi(工程iの余裕時間)としてスケジューリングを行なう。
3)再スケジューリング(S3)
全作業の始期に戻り、単位時間毎に現在時刻を仮想的に進め、各工程を処理することにする。このとき、各工程の処理時間は、ステップS1で求めた確率分布に従う乱数で得られる。現在処理されている各工程の処理が完了したとき、あるスケジューリングロジックに従い、ある決められた全作業に対して再スケジューリングを行なう。
全作業の始期に戻り、単位時間毎に現在時刻を仮想的に進め、各工程を処理することにする。このとき、各工程の処理時間は、ステップS1で求めた確率分布に従う乱数で得られる。現在処理されている各工程の処理が完了したとき、あるスケジューリングロジックに従い、ある決められた全作業に対して再スケジューリングを行なう。
4)評価指標の算出(S4)
ステップS3で得られたスケジューリング結果から与えられた余裕時間の組み合せに対するサンプル評価指標を算出する。ここでサンプル評価指標とは、ある乱数の種に対して、得られる評価指標の値である。
ステップS3で得られたスケジューリング結果から与えられた余裕時間の組み合せに対するサンプル評価指標を算出する。ここでサンプル評価指標とは、ある乱数の種に対して、得られる評価指標の値である。
5)乱数の変更(S5)
乱数の種を変更して、ステップS3及びステップS4をN1回繰り返し、N1個のサンプル評価指標から与えられた余裕時間の組み合せに対するサンプル評価指標の平均値、分数といった統計量すなわち、評価指標を求める。
乱数の種を変更して、ステップS3及びステップS4をN1回繰り返し、N1個のサンプル評価指標から与えられた余裕時間の組み合せに対するサンプル評価指標の平均値、分数といった統計量すなわち、評価指標を求める。
6)余裕時間の組み合せの変更(S6)、及び最適余裕時間の算出(S7)
各工程の余裕時間すなわち余裕時間の組み合せをN2回変更し、各々の余裕時間の組み合せに対してステップS2、ステップS3、ステップS4及びステップS5を繰り返し、評価指標を求める。得られたN2個の評価指標のうち、評価指標を最適する余裕時間の組み合せを求める。ここで、スケジューリング結果には、得られた余裕時間の組み合せ、その組み合せを元にスケジューリングすることや、得られた評価指標の値などが含まれる。
各工程の余裕時間すなわち余裕時間の組み合せをN2回変更し、各々の余裕時間の組み合せに対してステップS2、ステップS3、ステップS4及びステップS5を繰り返し、評価指標を求める。得られたN2個の評価指標のうち、評価指標を最適する余裕時間の組み合せを求める。ここで、スケジューリング結果には、得られた余裕時間の組み合せ、その組み合せを元にスケジューリングすることや、得られた評価指標の値などが含まれる。
なお、評価指標の種類が複数ある場合は、個々の評価指標を最適にする余裕時間の組み合せ、複数の評価指標を総合した新たな評価指標を最適にする余裕時間の組み合わせでもよい。
又、各工程の処理の標準時間に変更可能な余裕時間を設定する手段は、各工程の余裕時間の組み合せを変更することなどであり、ステップS2における始めの余裕時間の組み合せも含む。
なお、余裕時間の探索範囲は、工程における処理時間のばらつき確率分布の標準偏差から決めることができる。例えば、標準偏差の1倍〜3倍である。そして、余裕時間の組合せの探索範囲は、各工程における処理時間のばらつき確率分布の1倍〜3倍標準偏差としてもよい。
又、評価指標によって、探索範囲を変えたり、探索範囲の中でも探索のメッシュを変えてもよい。
当該変更可能な余裕時間の範囲は、生産設備、経済環境、経験などから決めることができる。又、範囲として余裕時間の組み合せの候補をいくつか挙げることもできる。
ここで、確率分布に従うばらつきを持たせた各工程の処理時間を有する対象として、以上のステップS2、S3に、あるスケジュール対象や、ステップS5にある乱数の変更した全体のものなど各工程の処理時間に確率分布を考慮したものがある。
以上、各工程の処理時間のばらつきと確率分布を求め、この確率分布に従う処理時間を擬似的に発生し、シミュレーションによりある与えられた余裕時間の組み合せの中で、最適なものを求めている。
具体的な実施例として、鉄鋼生産設備のうち転炉及び連続鋳造まで1機ずつの2つの工程を有する生産工程を考える。ここで処理単位は、チャージ(投入量)と呼ばれる溶鋼であり、溶鋼は転炉工程において吹錬と呼ばれる処理により脱炭され、次に連続鋳造機で冷却されて、鋼片となる。又、各々のチャージは、転炉処理した後、連続鋳造機で処理するとする。スケジューリングの対象として、これら2つの工程に対する10チャージ分(全作業)のスケジューリングを行なう。
なお、本実施例で全作業を10チャージ分としたのは、経験的にオペレータがおよそ10チャージ先を考えて、逐次、スケジュールを修正しているからである。
以下に本実施例のフローを詳細に説明する。
1)確率分布のフィッティング(S1)
過去のデータより各工程の処理時間の分布を求める。図2は転炉工程における800チャージ分のデータより求めた度数分布である。ここで縦軸は、頻度を全体のデータ数で割ったもの又は確率密度である。
過去のデータより各工程の処理時間の分布を求める。図2は転炉工程における800チャージ分のデータより求めた度数分布である。ここで縦軸は、頻度を全体のデータ数で割ったもの又は確率密度である。
次に、確率分布を仮定してフィッティングを行ない、各工程の処理時間のばらつきの確率分布を求める。本実施例では、転炉処理時間をアーラン分布で近似し(図2)、連続鋳造処理時間を指数分布で近似した。
なお、確率分布のフィッティングの精度は、過去何チャージ分の処理時間のデータを増すことで、向上を図ることができる。
又、処理の標準時間がチャージ毎に異なる場合は、処理の標準時間と実際に発生した処理時間との差の分布を用いてもよい。
2)初期スケジュール(S2)
図3の“0”が示す初期スケジュールに示す如く、転炉の予定時間を標準時間(24分)+余裕時間(3分)とし、連続鋳造機の予定時間を標準時間+余裕時間(0分)と仮定して、全作業である10チャージ分のスケジューリングを行なう。なお、連続鋳造の標準時間は、チャージの鋼種やモールドサイズにより異なり一概に定まるものではない。今回のシミュレーションでは、連続鋳造の標準時間は、およそ30分〜35分であった。
図3の“0”が示す初期スケジュールに示す如く、転炉の予定時間を標準時間(24分)+余裕時間(3分)とし、連続鋳造機の予定時間を標準時間+余裕時間(0分)と仮定して、全作業である10チャージ分のスケジューリングを行なう。なお、連続鋳造の標準時間は、チャージの鋼種やモールドサイズにより異なり一概に定まるものではない。今回のシミュレーションでは、連続鋳造の標準時間は、およそ30分〜35分であった。
3)再スケジューリング(S3)
ステップS2の初期スケジュールのもの単位時間毎に、現在時刻を仮想的に進め、ステップS1で求めた確率分布に従う乱数で得られた処理時間で、各工程が完了した際などに、複数工程の繰り返しである全作業に対して、決められたスケジューリングロジックで再スケジューリングを行う。
ステップS2の初期スケジュールのもの単位時間毎に、現在時刻を仮想的に進め、ステップS1で求めた確率分布に従う乱数で得られた処理時間で、各工程が完了した際などに、複数工程の繰り返しである全作業に対して、決められたスケジューリングロジックで再スケジューリングを行う。
ここで、本実施例で用いたスケジューリングロジックは、図4に示す如く、以下のようになる。
i)転炉の処理時間が予定時間より遅かった場合、連続鋳造機の処理開始を遅らせる(図4(b)(e))。
ii)前チャージの連続鋳造機の処理が遅れた場合、後チャージの連続鋳造機は処理を遅らせる(図4(a)(c))。
iii)転炉の処理時間も前チャージの連続鋳造機の処理時間も早まった場合、後チャージの連続鋳造機はもともと予定されていた処理開始時間に処理を開始する(図4(d))。
又、再スケジューリングのタイミングは、図4の点線で表わされている。すなわち、現在処理されている各工程の処理が完了したタイミングなどで、再スケジューリングをする。そして、上記のことを、図3に示すが如く、全チャージ、即ち全作業が完了するまで上記の再スケジューリングを繰り返す(図3の“10”)。
4)評価指標の算出(S4)
ステップS2で与えられた各工程の余裕時間の組合せに対する評価指標を算出する。本実施例では、評価指標として生産コスト及び、生産能力とした。生産能力はリードタイムで算出した。
ステップS2で与えられた各工程の余裕時間の組合せに対する評価指標を算出する。本実施例では、評価指標として生産コスト及び、生産能力とした。生産能力はリードタイムで算出した。
5)乱数の変更(S5)
乱数の種を100回変更し、乱数の種に対して生産コスト及びリードタイムを求めた。
乱数の種を100回変更し、乱数の種に対して生産コスト及びリードタイムを求めた。
6)余裕時間の組合せの変更(S6)及び最適余裕時間の算出(S7)
本実施形態では、以下に示すように、4つのパターンの余裕時間の組合せによりスケジューリングを行なった。
本実施形態では、以下に示すように、4つのパターンの余裕時間の組合せによりスケジューリングを行なった。
パターン1:転炉の余裕時間(3分);連鋳の余裕時間(0分)
パターン2:転炉の余裕時間(3分);連鋳の余裕時間(5分)
パターン3:転炉の余裕時間(7分);連鋳の余裕時間(0分)
パターン4:転炉の余裕時間(7分);連鋳の余裕時間(5分)
パターン2:転炉の余裕時間(3分);連鋳の余裕時間(5分)
パターン3:転炉の余裕時間(7分);連鋳の余裕時間(0分)
パターン4:転炉の余裕時間(7分);連鋳の余裕時間(5分)
ここで、転炉の標準時間は24分である。
なお、パターン1における評価指標は前ステップS5までに算出してあるので、パターン2に対する評価指標から算出する。
図5に、各パターンに対する評価指標として、横軸に生産コスト、縦軸にリードタイムをとり、各乱数毎にプロットしたものを示す。図5に示す如く、生産能力を最大化したいとき、即ち、リードタイムを最小にしたいときは、パターン3の余裕時間が4つのパターンでの最適な解となり、生産コストを最小にしたい場合はパターン2の余裕時間が最適な解となる。
なお、更に多くの余裕時間の組合せを試行することで、より最適な解が得られる。
又、シミュレーティッドアニーリング法、遺伝アルゴリズム法、ニューラル・ネットワーク、といった組合せ最適化問題を解く手法を用いることも可能である。
本実施例である部分的に再スケジューリングを行う実施例について詳細する。
実施例1と同様に過去のデータより確率分布を求める。
まず、転炉(第1工程)の処理の予定時間を標準時間24分+余裕時間3分とし、連鋳(第2工程)の処理の予定時間を標準時間+余裕時間0分とする。
以下に部分的な再スケジューリングについて詳述する。なお、時刻の進め方は実施例1と同様である。
(i)現チャージ(例えば第1チャージ)の転炉(第1工程)の処理時間をステップS1で求めた確率分布(アーラン分布)に従う乱数より決める。
(ii)この転炉(第1工程)の処理時間と予定時間より、実施例1と同様のスケジューリングロジックに従い、現チャージ(第1チャージ)の連鋳(第2工程)の開始時刻をスケジューリングする。このとき、前のチャージがあれば、前のチャージの連鋳(第2工程)の処理時間も考慮してスケジューリングをする(連鋳の処理時間は、次の(iii)のステップと同じように決められている)。これにより、次のチャージ(第2チャージ)に対する転炉(第1工程)の開始時刻も決定される(現チャージの連鋳(第2工程)の処理完了の予定時刻が同じになるようにする)。
(iii)現チャージ(第1チャージ)の連鋳の処理時間をステップS1で求めた確率分布(指数分布)に従う乱数により決める。
(iv)この現チャージの連鋳(第2工程)の処理時間及び予定時間と次のチャージの転炉(第1工程)の処理時間より、実施例1と同様のスケジューリングロジックに従い、次のチャージ(第2チャージ)の連鋳(第2工程)及び次の次のチャージ(第3チャージ)の転炉(第1工程)の開始時刻がスケジューリングされる。
ここで、実施例1における再スケジュール(S3)では、現在処理されている各工程の処理が完了したタイミングなどで、全作業である10チャージ分までのスケジュールを行うが、実施例2では、現在処理されている各工程が終わる度などに、部分的に再スケジューリングし、現チャージより先のチャージ分のスケジュールは行わない。したがって、本実施例では、実施例1より早く計算ができる。
(v)上記の(i)(ii)(iii)(iv)のステップを10チャージ分まで時刻を進め、生産コスト、リードタイムなどの、ある乱数に対する評価指標を算出する。
(vi)乱数の種を変えて、(i)〜(v)を行ない、評価指標の統計量を求める。
(vii)実施例1と同様の余裕時間の組合せで、(i)〜(vi)のステップを行なう。
各余裕時間の組合せによる評価指標を求め、実施例1と同様に最適な余裕時間の組合せを求める。
以上説明したとおり、本発明によれば、製鉄業におけるように各工程の処理順序が決っているフローショップのスケジューリング以外で、処理時間にばらつきがある場合にも、複数の評価指標に対するそれぞれ最適な余裕時間の求めることができる。
Claims (5)
- 複数工程からなる工場で、評価指標を最適化するスケジューリング結果を求める生産計画装置において、
各工程の処理時間のばらつきの確率分布を求める手段と、
前記各工程の処理の標準時間に変更可能な余裕時間を設定する手段と、
前記確率分布に従うばらつきをも持たせた各工程の処理時間を有する対象のスケジューリングを行なう手段と、
前記余裕時間を変更した後のスケジューリングで得られる複数のスケジューリング結果のうち、評価指標を最適化するスケジューリング結果を求める手段とを有することを特徴とする生産計画装置。 - 前記スケジューリングを行なう手段は、
各工程に対して、決められた前記余裕時間で、前記複数工程の繰り返しである作業に対してスケジューリングを行い初期スケジュールを求める手段、及び前記初期スケジュールのもと、単位時間毎に時刻を仮想的に進め、前記確率分布に従うばらつきを持たせた処理時間を発生させる手段、及び前記作業に対して再スケジューリングする手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の生産計画装置。 - 前記スケジューリングを行なう手段は、
単位時間毎に時刻を仮想的に進め、前記確率分布に従うばらつきを持たせた各工程の処理時間を発生させる手段、及び部分的に再スケジューリングする手段を有することを特徴とする請求項1に記載の生産計画装置。 - 前記変更可能な余裕時間を設定する手段において、
変更可能な余裕時間の範囲を設定する手段を有することを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載の生産計画装置。 - 前記評価指標は、生産能力最大化又は生産コスト最小化であることを有することを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の生産計画装置。
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